JP2008089746A - 光源装置並びにそれを用いた光走査装置、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 副走査方向のスポット位置変動が少ない光源装置と、光量損失の少ない光走査装置を提供する。
【解決手段】 各光源・光学素子ユニット32a,32bのホルダは、鏡筒を内側に収容する筒状部と、鏡筒を筒状部の内面に押圧して固定する押圧手段を備え、押圧手段は、当該光源装置の光走査面内で、光学素子の光軸と直交する位置に設置されており、さらに、光学素子から光学素子の焦点距離だけ離れた所にスリットを実装し、光源装置の2つの光源の副走査方向変動量をP、被走査媒体上の2つの光源の副走査方向スポット位置変動の許容範囲をQとすると、光走査装置内の光学系の副走査方向倍率をQ/Pとすることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 各光源・光学素子ユニット32a,32bのホルダは、鏡筒を内側に収容する筒状部と、鏡筒を筒状部の内面に押圧して固定する押圧手段を備え、押圧手段は、当該光源装置の光走査面内で、光学素子の光軸と直交する位置に設置されており、さらに、光学素子から光学素子の焦点距離だけ離れた所にスリットを実装し、光源装置の2つの光源の副走査方向変動量をP、被走査媒体上の2つの光源の副走査方向スポット位置変動の許容範囲をQとすると、光走査装置内の光学系の副走査方向倍率をQ/Pとすることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、デジタル複写機やレーザプリンタなどの画像形成装置に組み込まれる光走査装置に用いられる光源装置に係り、特に複数の発光素子を備える光源を合成して用いる装置のコリメータレンズ等の光学素子の固定構造に関する。
光源やコリメータレンズの固定方法の従来例として、下記特許文献に記載されているような提案がある。
特許文献1では、コリメータレンズなどの光学素子の変動を抑えるため、レーザ溶接により鏡筒を基台に固定する構造になっている。溶接する位置は光軸と直交する光学素子の主点を含む平面としており、溶接点は複数の方が良いとしている。
特許文献2では、コリメータレンズなどの光学素子の変動を抑えるため、筒状のホルダとコリメータレンズの鏡筒の間に中間固定部材を圧入しており、2箇所の場合は光軸を含む走査方向線上に並べ、3箇所の場合、1箇所は光軸を含む走査方向線上にし、他の2箇所は光軸を含む走査方向線に対して対称な位置関係としている。この方式の場合に応力は生じるが、光学素子の中心点は変動しないとしている。
特許文献3では、コリメータレンズの光軸方向の位置調整手段として、スプリング手段とネジ手段を設け、更に光軸に垂直な方向にスプリング手段を設けている。これによりスプリングを実装した光軸垂直な方向の、コリメータレンズの位置ずれを抑えている。
この他、コリメータレンズの簡単な固定方法の従来例は、筒状のホルダに実装し、接着やネジによる突き当て固定の手段がある。
特許文献4には、整形レンズを走査方向と副走査方向へ調整する機構を持たせ、コリメータレンズの調整構造を省き、簡単なコリメータレンズホルダ構造とすることで、コリメータレンズの位置ずれを抑える手段が開示されている。
また、光源の位置変動があっても、光学系倍率を低くすれば、感光体上のスポット位置変動を所定の値以下にできることが知られている。
特許文献5には、2次元配列された複数の光源からの光線をコリメートするコリメータレンズの焦点距離だけ離れた位置に、副走査方向光線幅のみ遮るスリットを配置する手段がある。
本発明が解決しようとする課題を上記特許文献とその他の例を示して説明する。
特許文献1の課題は、感光体上の結像位置(結像位置ずれによりスポット径が増大してしまう)と感光体上の照射位置を正しくすることで、忠実な静電潜像を形成することである。その手段としてレーザ溶接でコリメータレンズの鏡筒を基台に固定している。この場合、レーザ溶接装置が高価であることが問題であった。また、コリメータレンズの鏡筒を溶接してしまうため、調整ミスや何らかの事情でコリメータレンズを交換したい場合、交換できない。また、この特許文献では、コリメータレンズの光軸方向の調整、変動についてのみ開示しており、コリメータレンズの調整後の走査方向、副走査方向の位置変動の改善手段については示されていない。
特許文献2の課題も特許文献1と似ており、感光体上の結像位置(結像位置ずれによりスポット径が増大してしまう)と感光体上の照射位置を正しくすることで、良好なカラー画像を得ようとすることである。その手段として、光学部品を鏡筒に入れ、2箇所あるいは3箇所に中間固定部材を設けている。このため部品点数が多くなり、また組立作業も煩雑になるという問題がある。
特許文献3では、光軸垂直方向へスプリングを実装し、コリメータレンズのスプリング方向(光軸垂直方向)の位置決めを行なうものである。この構成では、環境温度が変動した場合、コリメータレンズの鏡筒の膨張、収縮やバネ力の変化により、コリメータレンズの光軸位置がスプリング方向へ変動してしまうので問題であった。
上記の他に、光走査装置の光源部分の鏡筒に入ったコリメータレンズ等の光学素子の固定方法としては、接着がある。この場合、接着の仕方によっては、環境温度が変動した場合、接着剤の厚さのバラツキ等が原因で、引けや膨張量が異なるので、コリメータレンズ等の光学素子が副走査方向に変動することがあり、安定性、信頼性に問題があった。この場合も、調整ミスや何らかの事情でコリメータレンズを交換したい場合、交換できないという欠点があった。
上記の他に、鏡筒に入ったコリメータレンズ等の光学素子の簡単な固定方法は、筒状のホルダに挿入し、ネジや板バネで副走査方向から突き当て固定するものがあった。この場合、組み立て時の作業が容易であるが、環境温度が変動した場合、ネジや板バネの膨張収縮の影響でコリメータレンズ等の光学素子がわずかに副走査方向変動へ変動してしまい問題があった。
また、特許文献4では、光源やコリメータレンズに光軸垂直方向の調整機構を設けないことで、コリメータレンズの位置ずれを抑えるものである。光軸垂直方向の光線位置の調整はコリメータレンズでない他のレンズを用いている。この構成で、光源を合成した場合、他のレンズは2つの光源で共用するため、2つの光源を独立に位置関係を調整できないので問題であった。
光源が1つの場合は、感光体上のスポットの絶対位置がわずかに変動しても走査間隔は変わらないので良好な印刷が可能であったので問題はない。しかし、2つの光源を合成する場合、組み立て時の調整ずれや環境温度変化等で、2つのコリメータレンズ等の光学素子が相対的に僅かでもずれると、感光体上の走査間隔が不均一になってしまい、印刷にバンディングと呼ばれるピッチムラが生じる問題がある。この点が、1つの光源の場合と大きく異なっている。
また、単に光学系の低倍率化によって、組み立て時の調整ずれや環境変動による感光体上のスポット位置変動を所定の値以下にすることもできるが、光学系倍率を低くするにつれ、所定のスポット径とするためには、スリット幅をより狭くする必要があり、光量損失が大きくなり、所定の光量で走査できなくなるので、高速走査する場合適当な露光量で走査できないので問題となる。
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消して、副走査方向の変動が少ない光源装置並びにそれを用いた、光量損失が小さく高速走査に適した光走査装置、画像形成装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の第1の手段は、光源と、その光源からの光線が透過する光学素子と、その光学素子を内側に固定した鏡筒と、前記光源と鏡筒とを取り付けたホルダとを有する複数の光源・光学素子ユニットをベース上に取り付けて、各光源・光学素子ユニットから出射した光線を合成して出力する光源装置において、前記各光源・光学素子ユニットのホルダは、前記鏡筒を内側に収容する筒状部と、その鏡筒を筒状部の内面に押圧して固定する押圧手段とを備え、その押圧手段は、当該光源装置の光走査面内で、かつ前記光学素子の光軸と直交する位置に設置されており、さらに、光学素子から光学素子の焦点距離だけ離れた所にスリットを実装していることを特徴とするものである。
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、前記光源・光学素子ユニットが少なくとも第1の光源・光学素子ユニットと第2の光源・光学素子ユニットとを有し、その第1の光源・光学素子ユニットならびに第2の光源・光学素子ユニットの前記光源がそれぞれ複数の発光素子を備えていることを特徴とするものである。
本発明の第3の手段は前記第1の手段において、前記押圧手段による鏡筒の押圧固定位置が1箇所設けられていることを特徴とするものである。
本発明の第4の手段は前記第1の手段において、前記押圧手段による鏡筒の押圧固定位置が前記光学素子の光軸と直交する線上において複数箇所設けられていることを特徴とするものである。
本発明の第5の手段は前記第1ないし第4のいずれかの手段において、前記光源・光学素子ユニットが少なくとも第1の光源・光学素子ユニットと第2の光源・光学素子ユニットとを有し、その第1の光源・光学素子ユニットならびに第2の光源・光学素子ユニットの前記押圧手段による押圧方向が前記鏡筒に対して、例えば左方向など同じ方向であることを特徴とするものである。
本発明の第6の手段は前記第1ないし第5のいずれかの手段において、前記押圧手段が、前記筒状部の周壁を貫通するように螺挿されたネジであることを特徴とするものである。
本発明の第7の手段は前記第1ないし第5のいずれかの手段において、前記押圧手段が、前記筒状部の外周面から内周面にかけて貫通した貫通部と、例えば屈曲部などの押圧部がその貫通部に挿入されて他の部分が筒状部の外周面に固定された板バネと、その板バネを筒状部に固定する例えばネジなどの固定部材で構成されていることを特徴とするものである。
本発明の第8の手段は前記第1の手段において、前記光源・光学素子ユニットが少なくとも第1の光源・光学素子ユニットと第2の光源・光学素子ユニットとを有し、前記第1の光源・光学素子ユニットからの光線は透過し、前記第2の光源・光学素子ユニットからの光線を反射して、両光源・光学素子ユニットからの光線を合成する例えばビームスプリッタなどからなる光合成素子を設け、前記第1の光源・光学素子ユニットから光合成素子までの距離と、前記第2の光源・光学素子ユニットから光合成素子までの距離が等しく設定されていることを特徴とするものである。
本発明の第9の手段は前記第1の手段において、前記光源・光学素子ユニットが少なくとも第1の光源・光学素子ユニットと第2の光源・光学素子ユニットとを有し、前記第1の光源・光学素子ユニットからの光線は透過し、前記第2の光源・光学素子ユニットからの光線を反射して、両光源・光学素子ユニットからの光線を合成する光合成素子を設け、前記光源・光学素子ユニットと光合成素子の間に反射部材を配置したことを特徴とするものである。
本発明の第10の手段は、光源装置と、その光源装置からの光線を同一反射面で同時に偏向走査する回転多面鏡とを備えた光走査装置において、前記光源装置が前記第1ないし9のいずれかの手段の光源装置であることを特徴とするものである。
本発明の第11の手段は、第10の手段の光走査装置において、光源装置の2つの光源の副走査方向変動量をP、被走査媒体上の2つの光源の副走査方向スポット位置変動の許容範囲をQとすると、光走査装置内の光学系の副走査方向倍率をQ/Pとすることを特徴とするものである。
本発明の第12の手段は、感光体と、その感光体を帯電する帯電装置と、光線の走査により記録されるべき画像情報に対応した静電潜像を前記感光体上に形成する光走査装置と、前記静電潜像にトナーを付着してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を被記録媒体上に転写する転写装置と、転写したトナー像を被記録媒体上に定着する定着装置とを備えた画像形成装置において、前記光走査装置が前記第10、第11の手段の光走査装置であることを特徴とするものである。
本発明の構成により、副走査方向の変動が少ない光源装置と、光量損失の小さい光走査装置を提供することが可能となる。このため、バンディングなどで印刷品質を悪化させることがなく、走査方向の相対変動も小さいので、装置の小型化が可能である。また、光量損失が小さいので、高速走査に適したものとなる。
次に本発明の実施形態を図と共に説明する。
図1ないし図6は第1の実施形態を説明するための図で、図1は合成光源装置の内部構成を示す概略構成図、図2はその合成光源装置に用いられる光源・コリメータユニットの斜視図、図3は図2A−A線上の拡大断面図、図4はその合成光源装置によって形成された感光体上のスポットの配置状態を示す図、図5はその合成光源装置を用いた画像形成装置の概略構成図、図6はその画像形成装置に用いる光走査装置の概略構成図である。
まず、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を図5とともに説明する。
トナー像を形成するためのドラム形状の感光体18は、図示しないモータによって一定の周速度で回転駆動している。この感光体18は帯電装置10によって特定の極性に均一に帯電された後、後述する光走査装置11からの光線により露光され、記録されるべき画像情報に対応した静電潜像が形成される。この露光位置の回転方向下流側には現像装置12が配置され、現像装置12により感光体18上にトナー像が形成される。
被記録媒体である印刷用紙13は、搬送ローラ対などの搬送装置14で搬送される。転写装置15で印刷用紙13の背面にトナーと逆極性の帯電を行なうことにより、感光体18上のトナー像を印刷用紙13上に転写する。転写後、転写されなかった残留トナーは、清掃装置16によって除去される。感光体18よりトナー像が転写された印刷用紙13は定着装置17へ搬送される。
定着装置17は、一定温度に加熱制御したヒートローラ17aと、それに圧接する加圧ローラ17bとから構成されている。ここを通過するとき、印刷用紙13上に保持されたトナー像は加圧溶融され印刷用紙13上に定着される。この定着処理後、印刷用紙13は、画像形成装置の外部に排出、ストックされる。
図6は、前記光走査装置11の内部構成を示す概略構成図である。後述する合成光源装置20から発した合成済みの光線21は、副走査方向のみ所定の曲率をもつシリンドリカルレンズ23を通り、回転多面鏡24によって偏向走査され、Fθレンズ25を通り、折り返しミラー28で反射し、図示しない感光体18上に結像され静電潜像を作成する。図中の矢印X方向は、光の走査方向(主走査方向)を示している。
なお、偏向走査された光線の一部は、ミラー26によって光学センサ27へ導かれ、そこからの出力信号により、前記合成光源装置20から発せられる光線の書き込みのための変調を開始する。
図1は、前記合成光源装置20の内部構成を示す概略構成図である。この合成光源装置20は、ベース45と、そのベース45に取り付けられた第1の光源・コリメータユニット32aならびに第2の光源・コリメータユニット32bとから主に構成されている。
前記光源・コリメータユニット32(第1の光源・コリメータユニット32aと第2の光源・コリメータユニット32bは同一構造)は、図2に示すように複数の発光素子を配列(本実施形態では5個の発光素子を一列に配置)して構成した光源30を内側に挿入して保持した光源ホルダ41と、光源30aから出射した光を平行光とするコリメータレンズ47(図3参照)を内側に挿入して固定した鏡筒31と、前記光源ホルダ41をフランジ部43cに取り付けるとともに前記鏡筒31を筒状部43dに挿入して取り付けたホルダ43とから主に構成されている。
図2に示すように、前記光源30は光源ホルダ41の中央部に設けられた円筒状の収納部内に挿入されて、複数のネジ40の頭部で固定されている。またこの光源ホルダ41は、光源30の光軸に対して垂直な方向の位置を調整した後、ネジ42でホルダ43のフランジ部43cに固定される。なお、調整範囲をある程度確保するため、ネジ42を通すホルダ41の穴の寸法は、ネジ42の寸法より十分大きくしている。
図2に示すように、ホルダ43の筒状部43dはベース45に形成された円形の開口部45aに挿入され、鏡筒31の光軸を中心として回転調整後にフランジ部43cから挿入した複数のネジ44をベース45のネジ孔45bに締め付けることにより、光源・コリメータユニット32がベース45に固定される。なお、光源の光軸を中心とした傾き角度調整はこの部分で行なう。この範囲を十分確保したい場合は、ネジ44を通すホルダ43の穴を長穴とするとよい。
次に、図2ならびに図3に示すように、ホルダ43の筒状部43d内に挿入されて光軸方向に移動して調整した鏡筒31は、筒状部43dの周壁を貫通するように螺挿された1本のネジ46により筒状部43dの内面に押圧固定されている。このネジ46の配置位置は、光走査装置11(図6参照)の光走査面内で、かつコリメータレンズ47(鏡筒31)の光軸Oに対して直交する位置に特定されており、従ってネジ46による押圧力は光軸Oに対して直交する方向Yに作用している。このようにして、筒状部43dの中心線とコリメータレンズ47の光軸Oを一致させる。
なお、図2では筒状部43d上でのネジ46の位置を明示するため、ベース45の開口部45aに挿入する前の筒状部43dにネジ46を螺挿した状態を示しているが、実際の組立では筒状部43dを開口部45aに挿入して貫通させ、開口部45aから出た部分の筒状部43dにネジ46を螺挿することになる(図1参照)。また、図3では筒状部43d内でのネジ46による鏡筒31の固定を明確に示すため、鏡筒31の外径と筒状部43dの内径に大きな差を設けたが、実際には図に示すような寸法差はない。
鏡筒31の円周上において複数の方向から固定する場合、環境温度の変化などによりネジや鏡筒が膨張収縮したとき、コリメータレンズの移動方向が定まらず不安定である。しかし、本実施形態のように一方向からネジ46で固定すれば、ネジが膨張収縮しても、変動方向はネジ46とコリメータレンズ47を結ぶ線上に限られる。本実施形態のネジ46(46a、46b)は光走査面内でコリメータレンズ47の光軸Oに対して直交する位置に配置してあるので、前述のネジ46の膨張収縮の変動は、光走査方向に限られる。それと直交する副走査方向は、対称形の構造にしているため、副走査方向の変動を小さくすることができ、バンディングなどで印刷品質を低下させない効果がある。
また、環境温度変化などで2つの光源・コリメータユニット32a、32bからの光線が走査方向に対して反対方向にずれてしまう構成の場合、回転多面鏡24位置での複数の光線の全体の幅が広くなる。そのため、回転多面鏡24の面寸法L(図6参照)に余裕を持たせる必要があり、大型化の傾向にある。
これに対して本実施形態では図1に示すように、前記ネジ46a、46bを各々のコリメータレンズ47に対して同方向、すなわち図1においてシリンドリカルレンズ23から光源・コリメータユニット32a、32bを見た場合に、ネジ46a、46bを各々のコリメータレンズ47に対して共に左側方向から作用するように螺挿している。そのためネジ46a、46bの膨張収縮による走査方向の変動方向は同じ方向となり、2つの光源・コリメータユニット32a、32bからの光線の相対変動を小さく抑えることができ、回転多面鏡24の面寸法L(図6参照)に余裕を持たせる必要がないことから、小型化が可能となる。
なお、ネジ46の膨張収縮量の微小なバラツキにより、感光体18上でスポットの走査方向位置の相対位置がわずかに変動したとしても、スポット位置は光センサ27(図6参照)で個々の光源・コリメータユニット32a、32bからの光線ごとに検知し、各光源素子を点灯させるように制御しているので、感光体18面上の走査方向スポット位置は変動しないので問題は無い。
光源・コリメータユニット32a、32bは互いに若干内側を向くようにしてベース45に取り付けられている。そのため図1に示すように、第1の光源・コリメータユニット32aの発光素子から出射した5本の平行光線と第2の光源・コリメータユニット32bの発光素子から出射した5本の平行光線は、一度交差し、その後間隔が広がって進み、シリンドリカルレンズ23を通過して合成される。なお、詳細は後述するが、鏡筒31a、31bの中のコリメータレンズから、コリメータレンズの焦点距離だけ離れた所(一度交差した位置)に、スリット1a、1bを実装している。
図4は、本実施形態で感光体18上に形成されるスポットの配置状態を示す図である。本実施形態の場合、第1の光源・コリメータユニット32aに内蔵されている5個の発光素子から出射した光によって形成されるスポットS1〜S5の列と、第2の光源・コリメータユニット32bに内蔵されている5個の発光素子から出射した光によって形成されるスポットS6〜S10の列は、主走査方向Xに対して所定の角度θ傾いて形成され、しかも前記スポットS1〜S5列とスポットS6〜S10の列は主走査方向Xに対して直交する方向(副走査方向)において相対的にずれている。
このようなスポットの配置状態になるように、合成光源装置20内で前記第1の光源・コリメータユニット32aと第2の光源・コリメータユニット32bの位置調整がなされている。
図7は、感光体18上におけるスポット配置の第1変形例を示す図である。この例の場合、スポットS1〜S5列とスポットS6〜S10の列は主走査方向Xに対して所定の角度θ傾いて、かつ一直線上に配置されている。
図8は、感光体18上におけるスポット配置の第2変形例を示す図である。この例の場合、スポットS1〜S5列とスポットS6〜S10の列は主走査方向Xに対して直交する方向(副走査方向)に2列に配置され、かつ、スポットS1とスポットS2の間にスポットS6が配置されるように副走査方向においてずらしている。
図9は、感光体18上におけるスポット配置の第3変形例を示す図である。この例の場合、スポットS1〜S5列とスポットS6〜S10の列は主走査方向Xに対して直交する方向(副走査方向)に1列に配置されている。
図10は、感光体18上におけるスポット配置の第4変形例を示す図である。この例の場合、スポットS1〜S5列とスポットS6〜S10の列は主走査方向Xに対して直交する方向(副走査方向)に2列に配置され、かつ、スポットS1〜S5列とスポットS6〜S10の列は副走査方向においてずれている。
図11は、本発明の第2実施形態に係る合成光源装置20の概略構成図である。光源30a、30bの保持構造や、光源・コリメータユニット32a、32bの調整方法などは図1で示した第1実施形態と同じである。
この実施形態では同図に示すように、1つのベース45上において第1の光源・コリメータユニット32aと第2の光源・コリメータユニット32bとが直交する方向に配置されており、第1の光源・コリメータユニット32aから出射される光線と第2の光源・コリメータユニット32bから出射される光線との交差部に、ビームスプリッタからなる光合成素子33が配置されている。
そしてこの光合成素子33の働きにより、第1の光源・コリメータユニット32a(光源30a)からの光線は透過し、第2の光源・コリメータユニット32b(光源30b)からの光線を反射して、両光源30a、30bからの光線を合成する。
第1ならびに第2の光源・コリメータユニット32a,32bからそれぞれ出射した5つの光線の一つ一つは平行光線であり、5つの平行光線は一度交差し、その後間隔が拡がって進む。図11では図面が煩雑になるので中心光線のみ示している。なお、詳細は後述するが、鏡筒31a、31bの中のコリメータレンズから、コリメータレンズの焦点距離だけ離れた所(一度交差した位置)に、スリット1a、1bを実装している。
2つの光源30a、30bと光合成素子33の距離は互いに等しく設定されているので、図11では光合成素子33から出射した10本の光線は重なっている。そのため同図では合成後の光線を5本として示している。このように配置することにより、2つの光源30a、30bからの光線の収束、発散状態を一致させることができる。
光源30a、30bと回転多面鏡24の間のレンズ系を工夫すれば、全ての光線を回転多面鏡24の位置で交差させることができる。そうすることによって、回転多面鏡24の寸法を、1本走査の時と同じ大きさで実現できるので、回転多面鏡24の小型化が可能となる。また、2つの光源30a、30bからの光軸を完全に一致させることができるので、結像特性が良く、微小なスポット形成することができる。
図12は、本発明の第3実施形態に係る合成光源装置20の概略構成図である。光源30a、30bの保持構造や、光源・コリメータユニット32a、32bの調整方法などは図1で示した第1実施形態と同じである。
この実施形態では同図に示すように、1つのベース45上において第1の光源・コリメータユニット32aと第2の光源・コリメータユニット32bとが近くで同一方向を向くように配置されており、第1の光源・コリメータユニット32aから出射される光線路から第2の光源・コリメータユニット32bから出射される光線路にかけて、光合成素子34が配置されている。
この光合成素子34は光線の合成部分であるビームスプリッタ部34aと反射部34bを一体化したものから構成されている。そしてビームスプリッタ部34aが第1の光源・コリメータユニット32aと対向し、反射部34bが第2の光源・コリメータユニット32bと対向するように配置されている。
この場合図11に示す実施形態と異なり、光合成素子34の位置変動や、角度変動があっても、光源30aからの光線と、光源30bからの光線の角度は変化しない。すなわち図11に示す例よりも、光合成素子34の変動の影響を小さくできる効果がある。
なお、本実施形態では、2つの光源・コリメータユニット32a、32bからの光線が、光合成素子34から出射するとき、同じ広がり、同じ角度になるよう、2つの光源・コリメータユニット32a、32bとビームスプリッタ部34aまでの光路長を揃えるよう工夫している。こうすることにより、図11に示す実施形態と同様、2つの光源30a、30bからの光線の収束、発散状態を一致させることができる。なお、詳細は後述するが、鏡筒31a、31bの中のコリメータレンズから、コリメータレンズの焦点距離だけ離れた所(一度交差した位置)に、スリット1a、1bを実装している。
図13は、本発明の第4実施形態に係る合成光源装置20の概略構成図である。光源30a、30bの保持構造や、光源・コリメータユニット32a、32bの調整方法等は図1で示した第1実施形態と同じである。
本実施形態では同図に示すように、2つの光源・コリメータユニット32a、32bと光合成素子33の間に鏡などの反射部材35a,35bを配置することにより、光源コリメータユニット32a,32bを近づけて、特に光源30a、30bを収納した光源ホルダ41a,41bを近づけて実装している。
そのため2つの光源・コリメータユニット32a、32b間での環境温度に対する影響の差が殆どない。また、光源30a、30bを点灯制御するための回路基板36を1つにまとめることができるので、コスト低減が図れる。さらに、反射部材35の配置や角度を工夫することで実装の自由度が増す効果がある。なお、詳細は後述するが、鏡筒31a、31bの中のコリメータレンズから、コリメータレンズの焦点距離だけ離れた所(一度交差した位置)に、スリット1a、1bを実装している。
図14は、本発明の第5実施形態に係る光源・コリメータユニット32の斜視図である。これまでの実施形態では、鏡筒31の固定にネジ46を1本用いたが、鏡筒31を固定するネジは、走査面内でレンズの光軸に対して直交する方向であり、レンズに対し同方向に作用するように配置していれば、図14に示すように同一軸線上で同じ方向に2本以上のネジ(本実施形態では2本のネジ46,48)で固定することもできる。
鏡筒31が長い場合など、1点止めでは端部の浮きによる光軸との傾きや、傾き変動が問題になることが考えられるが、本実施形態のように同じ方向に複数のネジ46、48で固定すれば、鏡筒31の端部の浮きによる光軸との傾きを小さく抑える効果がある。なお、ネジの個数は2つの光源ユニット間で同数とした方が、変動等の特性を等しくできるため好ましい。
図15ならびに図16は本発明の第6実施形態に係る光源・コリメータユニットを説明するための図で、図15は光源・コリメータユニットの正面図、図16は図15B−B線上の断面図ある。
本実施形態では、ホルダ43における筒状部43dの鏡筒押圧部付近に外周面から内周面に向けて貫通した貫通部49が形成され、その貫通部49に板バネ50の途中にV字形に屈曲して形成された屈曲部50aが挿入されている。この板バネ50の基端部50bはネジ51によって筒状部43dの外側に固定されており、ネジ51の締付けによって生じた板バネ50の押圧力は前記屈曲部50aを通して鏡筒31に作用し、鏡筒31を筒状部43d内に押圧固定している。
屈曲部50aによる鏡筒31の押圧位置は前記実施形態と同様に、光走査装置11(図6参照)の光走査面内で、かつコリメータレンズ47(鏡筒31)の光軸Oに対して直交する位置に特定されており、従って屈曲部50aによる押圧力は光軸Oに対して直交する方向に作用している。
ネジのように回転しながら押し付ける場合、調整後ネジ締めにより鏡筒31が光軸方向へ動くことが懸念される。本実施形態のように板バネ50を用いれば、鏡筒31への押し付け時に鏡筒31が光軸方向へ動くことがないので、調整し易いという利点がある。
本実施形態では板バネ50の一方の端部だけを固定したが、板バネ50の両方の端部をネジなどによって固定することもできる。
前記実施形態ではベース上に2つの光源・光学素子(コリメータレンズなどの光学素子)ユニットを取り付けた例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3つ以上の光源・光学素子ユニットを取り付けて、各光源・光学素子ユニットから出射した光線を合成することも可能である。
次に、これまで説明してきた光源装置を用いる光走査装置の光学系について説明する。本発明では、光源装置を用いる光学系の光学系倍率を、2つの光源の副走査方向変動量をP、被走査媒体上の副走査方向変動の許容範囲をQとすると、Q/Pとしている。
2つの光源の副走査方向変動量Pには、調整範囲のP1と環境変動のP2がある。P1は調整機構で決定してしまい、小さくするには限度がある。P2が大きい従来構成の場合、安定した光走査装置を実現させようとすると、P2の大きさに応じて、光学系内に実装するスリット幅を狭くさせなければ、スポット径を適当にできない。この時、スリット幅に応じて光量損失があるので、高速走査に必要十分な光量を与える光走査装置を実現できないので、問題であった。
本発明では、光源装置を工夫しP2を最小とし、光学系の倍率を従来より大きくしたので、スリット幅を最大とすることができ、光量損失最小でスポット径を適当にできる。そのため、高速走査にも十分な光量を与える光走査装置を実現できる。以下、実際に数値を示して説明する。
光学系構成例を図17、図18に示す。図17は横から見た図で、図18は上から見た図である。図17では、1b側の光源は紙面垂直方向となるため、省略して図示した。
光源30a、30bから生じた光線は、コリメータレンズ47a、47bを通り、スリット1a、1bを通り、光合成素子33で合成される。その後シリンドリカルレンズ2、レンズ3を通り、回転多面鏡24で偏向走査され、Fθレンズ25を通り、被走査媒体の感光体18に光線が到達する。図17、図18では複雑になるので、複数ある光線の中の1つの光線のみ示した。
これまで説明したコリメータレンズの固定方法を用いた光源装置の2つの光源の副走査方向位置ずれP2を光源位置で±0.5(μm)とする。また、2つの光源の組み立て時の調整範囲P1は±1(μm)あるとする。これらの和Pは±1.5(μm)となる。印刷ドット密度を600dpiとし、副走査方向位置ずれは、600dpiの走査間隔42.3(μm)の1/10以内に抑えれば、バンディング等の印刷品質悪化が目立たないとする。
以上の条件から、合成光源の副走査方向位置ずれの許容量Qは感光体18上で±4.2(μm)となる。よって、コリメータレンズ47aの焦点距離をA、レンズ3の焦点距離をB、Fθレンズの副走査方向倍率を1、焦点距離を500(mm)とすると式1を満たす必要がある。倍率はレンズの焦点距離の比で求められるから式1の様になる。なお、式1は、副走査方向位置ずれが印刷に影響しないために必要な条件である。
1×B/A=Q/P・・・(式1)
光源30a、30bからの光線の拡がり半値角を、走査方向8度、副走査方向30度とする。このときコリメータレンズ47a、47bから出射される光線の1/e2幅Wは、式2から0.2372×A(mm)となる。なお、式2の1.7は半値全角から1/e2全角への変換定数であり、拡がり角を半分に分けたのち、2倍して、1/e2ビーム幅を求めている。
光源30a、30bからの光線の拡がり半値角を、走査方向8度、副走査方向30度とする。このときコリメータレンズ47a、47bから出射される光線の1/e2幅Wは、式2から0.2372×A(mm)となる。なお、式2の1.7は半値全角から1/e2全角への変換定数であり、拡がり角を半分に分けたのち、2倍して、1/e2ビーム幅を求めている。
W=A×1.7×2×sin(8/2)・・・(式2)
光源波長を680(nm)とすると、式3から走査方向スポット径を600dpiに最適な60(μm)とするためには、回転多面鏡24位置でビーム幅Vを7.215(mm)とする必要がある。なお、式3は回折限界スポット径とビーム幅の関係式である。
光源波長を680(nm)とすると、式3から走査方向スポット径を600dpiに最適な60(μm)とするためには、回転多面鏡24位置でビーム幅Vを7.215(mm)とする必要がある。なお、式3は回折限界スポット径とビーム幅の関係式である。
V=4×0.00068×500/(π×0.06)・・・(式3)
コリメータレンズ47a、47b直後の光線幅は、焦点距離Cのシリンドリカルレンズ2と焦点距離Bのレンズ3でB/C倍になるから、式4が成り立てば感光体上18の走査方向スポット径を60(μm)とすることができる。
コリメータレンズ47a、47b直後の光線幅は、焦点距離Cのシリンドリカルレンズ2と焦点距離Bのレンズ3でB/C倍になるから、式4が成り立てば感光体上18の走査方向スポット径を60(μm)とすることができる。
7.215=0.2372×A×B/C・・・(式4)
式1、式4より、式5が導き出せる。
式1、式4より、式5が導き出せる。
C=0.09205×A2・・・(式5)
式4、式5から、CとBの値が近く、光源30a、30bから回転多面鏡24までの光路長が適当な長さになる構成例として、A=30(mm)、B=84(mm)、C=82.8(mm)がある。このときの概略の光源から回転多面鏡までの光路長は約394(mm)となり、副走査方向倍率2.8、走査方向倍率16.4となる。
式4、式5から、CとBの値が近く、光源30a、30bから回転多面鏡24までの光路長が適当な長さになる構成例として、A=30(mm)、B=84(mm)、C=82.8(mm)がある。このときの概略の光源から回転多面鏡までの光路長は約394(mm)となり、副走査方向倍率2.8、走査方向倍率16.4となる。
なお、コリメータレンズ47a、47bの直後の走査方向光線幅は、式2にA=30(mm)を代入して求めると、7.116(mm)となる。このとき、感光体18上でのスポット径は60(μm)となる。よって、スリットの走査方向幅を7.116(mm)とすればよい。
この構成のとき、副走査方向スポット径を600dpiに最適な60(μm)とするためには、回転多面鏡24位置のスポット径を60(μm)とすればよい。この場合、式6から焦点距離84(mm)のレンズ3への光線幅Uを1.212(mm)とすればよい。なお、式6は式3と同じ回折限界スポット径とビーム幅の関係式である。
U=4×0.00068×84/(π×0.06)・・・(式6)
光源30a、30bの副走査方向拡がり半値角は30度なので、コリメータレンズ47a、47bの焦点距離Aを30(mm)とした場合、コリメータレンズ47a、47b直後の副走査方向1/e2幅の光線幅Tは、式7から26.4(mm)と求められる。なお、式7は式2と同様1.7は半値全角から1/e2全角への変換定数であり、拡がり角を半分に分けたのち、2倍して、1/e2ビーム幅を求めている。
光源30a、30bの副走査方向拡がり半値角は30度なので、コリメータレンズ47a、47bの焦点距離Aを30(mm)とした場合、コリメータレンズ47a、47b直後の副走査方向1/e2幅の光線幅Tは、式7から26.4(mm)と求められる。なお、式7は式2と同様1.7は半値全角から1/e2全角への変換定数であり、拡がり角を半分に分けたのち、2倍して、1/e2ビーム幅を求めている。
T=A×1.7×2×sin(30/2)・・・(式7)
しかし、このままでは、感光体18上のスポット径が小さくなりすぎるので、スリットを実装し、レンズ3への光線の副走査方向幅を1.212(mm)に遮る。これにより、感光体18上の副走査方向スポット径を適当な値(60μm)にすることができる。よって、スリットは走査方向7.116(mm)、副走査方向1.212(mm)とすればよい。なおこのときのコリメータレンズ径をφ20(mm)とすると、スリット後の光量は光源に比べ7.1(%)となる。
しかし、このままでは、感光体18上のスポット径が小さくなりすぎるので、スリットを実装し、レンズ3への光線の副走査方向幅を1.212(mm)に遮る。これにより、感光体18上の副走査方向スポット径を適当な値(60μm)にすることができる。よって、スリットは走査方向7.116(mm)、副走査方向1.212(mm)とすればよい。なおこのときのコリメータレンズ径をφ20(mm)とすると、スリット後の光量は光源に比べ7.1(%)となる。
次に、本発明を明確にするために、従来方法の光学系の場合を説明する。この場合、合成光源の2つの光源の副走査方向位置ずれP2が光源位置で±1(μm)生じてしまうものとする。また、2つの光源の組み立て時の調整範囲P1を±1(μm)とする。これらの和からPは±2(μm)となる。
±2(μm)の位置ずれがあっても、感光体上でのスポット置変動が許容量の4.2(μm)以内にするには、同様に計算してA=30(mm)、B=63(mm)、C=62.1(mm)とし、副走査方向倍率を2.1とし、走査方向7.116(mm)、副走査方向0.909(mm)のスリットを用いる必要がある。このとき、コリメータレンズのレンズ径をφ20(mm)とすると、スリット後の光量は、光源に比べ5.3(%)となる。先述の例の7.1(%)に比べ25%小さな値になってしまうので問題となる。十分な露光量を行なう場合、走査速度は光量に比例するため、従来の場合、走査速度は本発明の場合の75%の速度が限界となる。
なお、コリメータレンズ47a、47bからコリメータレンズの焦点距離Aだけ離れた位置では、複数の光源からの光線が交差する。本発明ではこの位置にスリットを実装するから、全光源からの光線を均等に遮ることができる。
以上をまとめると、本発明により、合成光源の走査面内でコリメータレンズの光軸と直交する位置にコリメータレンズの固定部材を設け、コリメータレンズからコリメータレンズの焦点距離だけ離れた位置にスリットを設けることで、2つの光源の副走査方向相対位置を最小とでき、光走査装置の光学系の倍率を最大とできるので、所定のスポット径とするためのスリット幅を最大にでき、光量を有効に使うことができる。
最後に、本発明の第7の実施形態として、1200dpiの印刷を2つの20素子光源を合成した合成光源で行なう場合を示す。
これまで説明したコリメータレンズの固定方法を用いても合成光源の2つの光源の副走査方向位置ずれが光源位置で±0.5(μm)生じてしまうものとする(P2=0.5)。また、2つの光源の組み立て時の調整範囲を±1(μm)とする(P1=1)。これらの和Pは±1.5(μm)となる。
印刷ドット密度を1200dpiとし、副走査方向位置ずれを1200dpiの走査間隔21.2(μm)の1/10以内(2.1μm以内)に抑えれば、バンディング等の印刷品質悪化が目立たないとする。また、1200dpiに最適なスポット径を40(μm)とする。
20素子の光源は、間隔50(μm)で一直線に並んでいるとする。並びの方向の光線の拡がり半値角を8度、その直交方向の光線の拡がり半値角を30度とする。Fθレンズの副走査方向光学系倍率を1倍、焦点距離を500(mm)、光源波長を680(nm)とする。
先述の例と同様に計算した結果、コリメータレンズ47a、47bの焦点距離Aが45(mm)、レンズ3の焦点距離Bが63(mm)、シリンドリカルレンズ2の焦点距離Cが62.1(mm)という構成になる。
この光学系構成を図19、図20に示す。素子数が40と多いが、図7、図9、図10のような合成方法でも、各光源にコリメータレンズがあるので、コリメータレンズ光軸から素子が離れないので問題ないが、本実施形態では図21にその配列例を示す。図19は横から見た図で、図20は上から見た図である。20素子光源の場合、光源寸法が大きいため、図11に示す実施例と同じ構成とした方が良い。なお、図19では、1b側の光源は紙面垂直方向となるため、省略して図示した。
図19、図20の様に、本発明のスリットはコリメータレンズ47a、47bからコリメータレンズ47a、47bの焦点距離45(mm)だけ離れた位置に実装している。スリット1a、1bとシリンドリカルレンズ2の距離はシリンドリカルレンズ2の焦点距離と同じ62.1(mm)に実装することで、シリンドリカルレンズ2直後の主光線を平行光線にできる。シリンドリカルレンズ2とレンズ3の距離はこれらの焦点距離の和と同じ125.1(mm)だけ離すことで、シリンドリカルレンズ2直前の走査方向光線の平行状態をレンズ3後も保持できる。レンズ3と回転多面鏡24の距離は、レンズ3の焦点距離と同じ63(mm)だけ離すことで、副走査方向光線の焦点位置を回転多面鏡24上にし、感光体18上にFθレンズ25の焦点位置が来る様にしている。
また、先述の例と同様に計算し、スリット1a、1bの副走査方向幅を1.364(mm)とすれば、副走査方向スポット径も最適な40(μm)とすることができる。
また、図21に第7の実施形態のときの感光体18上のスポット配列の例を示す。図21では、S1からS20が一方の光源からのスポットで、S21からS40がもう一方の光源からのスポットであり、交互に走査する配置を取っている。Xが走査方向であり、図19、図20の光学系構成の場合を計算するとθは5.5度になる。
1a,1bはスリット、2,23はシリンドリカルレンズ、3はレンズ、10は帯電装置、11は光走査装置、12は現像装置、13は印刷用紙、14は搬送装置、15は転写装置、16は清掃装置、17は定着装置、18は感光体、20は合成光源装置、21は光線、24は回転多面鏡、25はFθレンズ、26はミラー、27は光センサ、28は折り返しミラー、30は光源、30aは第1の光源、30bは第2の光源、31,31a,31bは鏡筒、32は光源・コリメータユニット、32aは第1の光源・コリメータユニット、32bは第2の光源・コリメータユニット、33,34は光合成素子、34aはビームスプリッタ部、34bは反射部、35は反射部材、40,42,44,46,46a,46b,48,51はネジ、41は光源ホルダ、43,43a,43bはホルダ、43cはフランジ部、43dは筒状部、45はベース、45aは開口部、45bはネジ孔、47,47a,47bはコリメータレンズ、49は貫通部、50は板バネ、50aは屈曲部、50bは基端部、Xは光の走査方向、Yは光の走査方向と直交する方向、Oは光軸、S1〜S40はスポットである。
Claims (12)
- 光源と、その光源からの光線が透過する光学素子と、その光学素子を内側に固定した鏡筒と、前記光源と鏡筒とを取り付けたホルダとを有する複数の光源・光学素子ユニットをベース上に取り付けて、各光源・光学素子ユニットから出射した光線を合成して出力する光源装置において、
前記各光源・光学素子ユニットのホルダは、前記鏡筒を内側に収容する筒状部と、その鏡筒を筒状部の内面に押圧して固定する押圧手段とを備え、
その押圧手段は、当該光源装置の光走査面内で、かつ前記光学素子の光軸と直交する位置に設置されており、さらに、光学素子から光学素子の焦点距離だけ離れた所にスリットを実装していることを特徴とする光源装置。 - 請求項1記載の光源装置において、前記光源・光学素子ユニットが少なくとも第1の光源・光学素子ユニットと第2の光源・光学素子ユニットとを有し、その第1の光源・光学素子ユニットならびに第2の光源・光学素子ユニットの前記光源がそれぞれ複数の発光素子を備えていることを特徴とする光源装置。
- 請求項1記載の光源装置において、前記押圧手段による鏡筒の押圧固定位置が1箇所設けられていることを特徴とする光源装置。
- 請求項1記載の光源装置において、前記押圧手段による鏡筒の押圧固定位置が前記光学素子の光軸と直交する線上において複数箇所設けられていることを特徴とする光源装置。
- 請求項1ないし4のいずれか1項記載の光源装置において、前記光源・光学素子ユニットが少なくとも第1の光源・光学素子ユニットと第2の光源・光学素子ユニットとを有し、その第1の光源・光学素子ユニットならびに第2の光源・光学素子ユニットの前記押圧手段による押圧方向が前記鏡筒に対して同じ方向であることを特徴とする光源装置。
- 請求項1ないし5のいずれか1項記載の光源装置において、前記押圧手段が、前記筒状部の周壁を貫通するように螺挿されたネジであることを特徴とする光源装置。
- 請求項1ないし5のいずれか1項記載の光源装置において、前記押圧手段が、前記筒状部の外周面から内周面にかけて貫通した貫通部と、押圧部がその貫通部に挿入されて他の部分が筒状部の外周面に固定された板バネと、その板バネを筒状部に固定する固定部材で構成されていることを特徴とする光源装置。
- 請求項1記載の光源装置において、前記光源・光学素子ユニットが少なくとも第1の光源・光学素子ユニットと第2の光源・光学素子ユニットとを有し、
前記第1の光源・光学素子ユニットからの光線は透過し、前記第2の光源・光学素子ユニットからの光線を反射して、両光源・光学素子ユニットからの光線を合成する光合成素子を設け、
前記第1の光源・光学素子ユニットから光合成素子までの距離と、前記第2の光源・光学素子ユニットから光合成素子までの距離が等しく設定されていることを特徴とする光源装置。 - 請求項1記載の光源装置において、前記光源・光学素子ユニットが少なくとも第1の光源・光学素子ユニットと第2の光源・光学素子ユニットとを有し、
前記第1の光源・光学素子ユニットからの光線は透過し、前記第2の光源・光学素子ユニットからの光線を反射して、両光源・光学素子ユニットからの光線を合成する光合成素子を設け、
前記光源・光学素子ユニットと光合成素子の間に反射部材を配置したことを特徴とする光源装置。 - 光源装置と、その光源装置からの光線を同一反射面で同時に偏向走査する回転多面鏡とを備えた光走査装置において、前記光源装置が請求項1ないし9のいずれか1項記載の光源装置であることを特徴とする光走査装置。
- 請求項10の光走査装置において、光源装置の2つの光源の副走査方向変動量をP、被走査媒体上の2つの光源の副走査方向スポット位置変動の許容範囲をQとすると、光走査装置内の光学系の副走査方向倍率をQ/Pとすることを特徴とする光走査装置。
- 感光体と、その感光体を帯電する帯電装置と、光線の走査により記録されるべき画像情報に対応した静電潜像を前記感光体上に形成する光走査装置と、前記静電潜像にトナーを付着してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を被記録媒体上に転写する転写装置と、転写したトナー像を被記録媒体上に定着する定着装置とを備えた画像形成装置において、
前記光走査装置が請求項10、請求項11記載の光走査装置であることを特徴とする画像形成装置。
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Date | Code | Title | Description |
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A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20081028 |