JP2008088776A - 旋回作業機のスイングシリンダ制御装置 - Google Patents

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泰典 太田
Keihan Ishii
啓範 石井
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Abstract

【課題】作業装置がスイングシリンダにより揺動可能な旋回作業機において、作業装置に要求される剛性や負荷を小さくできるスイングシリンダ制御装置及び制御方法を提供する。
【解決手段】旋回作業機のスイングシリンダ制御装置は、スイングシリンダ(34)のロッド側圧力室(34a)及びボトム側圧力室(34b)のリリーフ圧(Ps)をそれぞれ設定するリリーフ弁(100)に設けられ、そのリリーフスプリング(102)の付勢力に抗する方向の制御圧を受取可能な制御圧室(104)と、パイロット圧ポンプ(58)からの供給パイロット圧を元圧として、旋回操作レバー(46m)の操作信号に基づいた制御圧を発生させ、この制御圧を対象リリーフ弁(100)の制御圧室(104)に向けて供給する電磁比例減圧弁(114a,114b)とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、先端に掘削バケット等の作業アタッチメントを有した作業装置がスイングシリンダの伸縮により左右に揺動可能となっている旋回作業機において、スイングシリンダの伸縮剛性を制御する制御装置に関する。
この種の旋回作業機としてスイング式油圧ショベルが知られており、このスイング式油圧ショベルの場合、掘削バケットを有する作業装置がその上部旋回体に対して左右方向に揺動可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
より詳しくは、作業装置は、上部旋回体から延びるブーム及びアームを有し、このアームの先端に掘削バケットが取り付けられている。一方、上部旋回体の前部には、水平面内にて揺動自在なスイングポストが設けられており、このスイングポストに作業装置におけるブームの基端部が起伏可能に支持されている。一方、スイングポスト及び上部旋回体は複動型のスイングシリンダにより互いに連結されており、このスイングシリンダを伸縮させることで、スイングポストを介して作業装置が揺動し、これにより、上部旋回体に対して作業装置を所望の揺動角に位置決めすることができる。
それ故、上述のスイング式油圧ショベルにあっては、掘削すべき側溝に対して上部旋回体の前部が正対しない状態にあっても、その揺動により作業装置を側溝に沿わせて配置できるから、側溝の掘削作業に好適する。
特許第3119293号公報
掘削作業中、スイングシリンダの伸縮剛性は極めて高く維持されている。
一方、掘削作業には上部旋回体の旋回操作を伴うことから、上部旋回体の旋回時、作業装置の掘削バケット等が予期しない障害物に衝突することがある。このような旋回衝突は、スイングシリンダの伸縮剛性が極めて高いことから、作業装置におけるブームの基端部に多大な捻りモーメントや曲げモーメントが加わる。
このため、作業装置には旋回衝突時の衝撃に耐え得るべく過剰な剛性が要求され、作業装置のスケールアップや重量増加を余儀なくされ、これらは作業装置の製造コストを上昇させる大きな要因となっている。
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、作業装置が旋回衝突しても、作業装置が受ける旋回衝撃力を軽減し、作業装置に要求される剛性を低下させ、作業装置の構造上の簡略化や軽量化が図られ、その製造コストを減少させることができる旋回作業機のスイングシリンダ制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、下部走行体と、この下部走行体に旋回可能に設けられ、操作レバーからの操作量により旋回する上部旋回体と、この上部旋回体の前部に支持され、水平面内にて左右に揺動自在なスイングポストと、このスイングポストを中心とした上部旋回体の左右の何れかに配置されて上部旋回体とスイングポストとを連結し、スイングポストを揺動させる複動型のスイングシリンダと、このスイングポストに起伏可能に支持され、前後及び上下方向に移動可能な作業アタッチメントを有する作業装置とを備えた旋回作業機において、本発明のスイングシリンダ制御装置は、スイングシリンダに対して作動油の給排をなす油圧経路に設けられ、スイングシリンダの両圧力室のリリーフ圧をそれぞれ決定する一対のリリーフ弁と、一対のリリーフ弁のうちスイングシリンダの配置及び上部旋回体の旋回方向により選択されるリリーフ弁のリリーフ圧を操作レバーの操作量に応じて低減する低減手段とを備えている(請求項1)。
上述した請求項1のスイングシリンダ制御装置によれば、上部旋回体の旋回中、スイングポストに対するスイングシリンダの配置及び上部旋回体の旋回方向により選択されるリリーフ弁、具体的には、作業装置の旋回衝突を考慮したとき、上部旋回体の旋回方向とは逆向きに作業装置の揺動を許容すべくスイングシリンダを伸長又は収縮させる側のリリーフ弁が選択され、この選択されたリリーフ弁のリリーフ圧が操作レバーの操作量に応じて低減される。
それ故、作業装置が万一旋回衝突し、作業装置の基端部にスイングシリンダの伸縮剛性に打ち勝つような多大な捻りモーメントや曲げモーメントが加わると、このとき、前記リリーフ弁のリリーフ圧が低減されているので、スイングシリンダはそのリリーフ圧が上部旋回体の旋回方向とは逆向きに作業装置を受動的に揺動させるべく伸長又は収縮し、これにより、作業装置が受ける旋回衝撃力が軽減される。
また、前記リリーフ弁のリリーフ圧は、操作レバーの操作量が大きく、上部旋回体の旋回速度が速ければ速いほど大きく低減され、作業装置に対する旋回衝撃力は最適に軽減される。
具体的には、各リリーフ弁は、弁体を一方向に付勢するリリーフスプリングと、このリリーフスプリングの付勢方向は逆向きに弁体を付勢する制御圧の供給を受ける制御圧室とを含み、そして、低減手段は、選択されたリリーフ弁の制御圧室に操作レバーの操作量に応じた制御圧を供給し、選択されたリリーフ弁のリリーフ圧を低減する(請求項2)。
具体的には、旋回作業機は、パイロット圧源と、このパイロット圧源に接続され且つ操作レバーにより操作される一対のパイロット弁であって、操作レバーの操作方向及び操作量に従い、対応するパイロット弁が作動してパイロット圧源の元圧から操作量としての操作パイロット圧を発生する、一対のパイロット弁と、パイロット弁からの操作パイロット圧に基づき、上部旋回体を所定の方向に旋回させる旋回装置とを備え、この場合、低減手段は、パイロット圧源とリリーフ弁の制御圧室との間にそれぞれ設けられた減圧弁を含み、各パイロット弁からの操作パイロット圧に基づいて、選択されたリリーフ弁側の減圧弁を作動させることができる(請求項3)。
更に、低減手段は、スイングシリンダの作動姿勢及び作業アタッチメントの作業位置を含む作業状況を検出する検出器を更に含み、検出器にて検出した作業状況に基づき、減圧弁の作動を補正することができる(請求項4)。
上述の低減手段は、操作レバーの操作量のみならず、上述の作業状況にも基づいて、選択されたリリーフ弁のリリーフ圧を低減し、スイングシリンダの伸縮剛性が不所望に低下するようなことはない。
一方、低減手段は、パイロット弁とリリーフ弁の制御圧室とをそれぞれ接続する接続経路を含み、パイロット弁からの操作パイロット圧を直接前記リリーフ弁の制御圧室に作用させることができる(請求項5)。この場合、操作レバーが操作されたとき、対応するパイロット弁は操作量としての操作パイロット圧を発生させ、この操作パイロット圧は前記リリーフ弁の制御圧室に直接に供給される。即ち、この場合、操作パイロット圧が制御圧として利用される。
更に、低減手段は、パイロット弁とリリーフ弁の制御圧室とをそれぞれ接続する接続経路に設けられた減圧弁を含み、減圧弁の元圧としてパイロット弁からの操作パイロット圧を使用することができる(請求項6)。
請求項1〜6の旋回作業機のスイングシリンダ制御装置は、上部旋回体の旋回中、操作レバーの操作量及びスイングシリンダ及び作業アタッチメントの作業状況のうち、少なくとも操作レバーの操作量に応じてスイングシリンダのリリーフ圧を低下させて、スイングシリンダの伸縮剛性を小さくしているので、作業装置の作業アタッチメント等が障害物に万一衝突しても、スイングシリンダの伸長又は収縮を介して作業装置が受動的に揺動し、作業装置が受ける旋回衝突力は効果的に低減される。また、スイングシリンダのリリーフ圧が可変できるようにしたことで、スイングシリンダの伸縮剛性が過度に大きくなることもない。この結果、作業装置に要求される剛性を小さくでき、その構造上の簡略化及び軽量化を共に図ることができ、安価な作業装置を得ることができる。
図1及び図2は、旋回作業機としてスイング式ミニ油圧ショベルを示す。
ミニ油圧ショベルは、自走可能なクローラ型の下部走行体2を備え、この下部走行体2の上側には旋回装置4を介して上部旋回体6が搭載されている。そして、上部旋回体6の前部には掘削作業等を行うための作業装置8が備えられており、この作業装置8は上部旋回体6から延びるブーム10と、このブーム10の先端にアームフートピン12を介して連結されたアーム14と、このアーム14の先端にバケットフートピン16を介して連結された作業アタッチメントとしての掘削バケット18とからなり、これらブーム10、アーム14及び掘削バケット18はブームシリンダ20、アームシリンダ22及びバケットシリンダ24により、それらの起伏及び回動がなされる。なお、バケットシリンダ24はリンク26を介して掘削バケット18に連結されている。
上部旋回体6に対するブーム10及びブームシリンダ20の取付けについて詳述すると、上部旋回体6の前部にはスイングポスト28が配置され、このスイングポスト28は上部旋回体6に対し、水平面内にて左右に揺動自在に支持されている。ブーム10の基端部はブームフートピン30を介してスイングポスト28の上部に枢支され、ブームシリンダ20の下端はスイングポスト28の前端に連結ピンを介して支持されている。
図2に示されるようにスイングポスト28の左側面からはブラケット32が突設されており、このブラケット32と上部旋回体6とが複動型のスイングシリンダ34により互いに連結されている。それ故、スイングシリンダ34が伸縮されると、作業装置8はスイングポスト28を中心に左右に揺動することができる。
ここで、本実施例の場合、図2から明らかなように、スイングシリンダ34は上部旋回体6の前方に向かってスイングポスト28の左側に配置されていることに留意すべきである。
図3はスイングポスト28を拡大して示す。
スイングポスト28は上部旋回体6側の後端部にピン孔36を備え、このピン孔36は上下方向に延びる軸線を有する。一方、上部旋回体6の前部にはピン孔36に対応したピン穴(図示しない)が備えられ、このピン穴にスイングポスト28のピン孔36を合致させ、これらピン孔36及びピン穴に枢着ピン38を差し込むことで、スイングポスト28は上部旋回体6に対して、枢着ピン38の回りを揺動自在に連結されている。なお、枢着ピン38の下端はピン穴の底に支持されている。
また、スイングポスト28のブラケット32にはその先端にピン孔40が形成され、一方、スイングシリンダ34のロッド先端にはピン孔40に対応したピン孔が形成されている。それ故、これらピン孔を互いに合致させ、これらピン孔に連結ピン42を差し込むことで、ブラケット32にスイングシリンダ34が連結されている。
なお、図3中の1点鎖線30a、20a,8aはブームフートピン30の軸線、スイングポスト28にブームシリンダ20の下端を連結する連結ピンの軸線、そして、作業装置8の長手軸線をそれぞれ示す。
上述した下部走行体2の走行、上部旋回体6の旋回及び作業装置8の作動に関し、これらの操作は上部旋回体6上の運転席44に着座したオペレータによってなされ、このため、図1に示されるように運転席44の近傍には、操作レバー46や操作ペダル48が配置されている。
なお、図1,2中、参照符号50,52は運転席44の上方を覆うキャノピー及び排土ブレードをそれぞれ示す。
図4は、前述したミニ油圧ショベルが備える油圧回路の一部、具体的には旋回装置4及びスイングシリンダ34に関連した第1実施例の油圧回路の一部を示す。
油圧回路は油圧源54を備え、この油圧源54はメイン油圧ポンプ56及びパイロット圧ポンプ58を含む。これらポンプ56,58はエンジン60により駆動され、油圧タンクTから作動油を吸い込み、吸い込んだ作動油をそれぞれ吐出することができる。なお、エンジン60は上部旋回体6に搭載されている。
メイン油圧ポンプ56の吐出口からはメイン油圧管路62が延び、このメイン油圧管路62は制御弁ユニット64を経て旋回装置4の旋回油圧モータ66に一対のモータ管路68a,68bを介して接続され、また、スイングシリンダ34のロッド側圧力室34a及びボトム側圧力室34bに油圧経路としての一対のシリンダ側管路70a,70bを介して接続されている。
詳しくは、制御弁ユニット64は旋回油圧モータ66の駆動方向、つまり、上部旋回台6の旋回方向を制御する旋回方向制御弁72及びスイングシリンダ34の伸縮、つまり、スイングポスト28の揺動を制御する揺動方向制御弁74を含む。これら方向制御弁72,74は何れもパイロット方式の6ポート3位置の方向切り換え弁であり、これら方向制御弁72、74が中立の切換位置にあると、メイン油圧管路62を通じて供給される作動油は方向制御弁72,74及びブリードオフ経路76を経て油圧タンクTに戻される。
また、制御弁ユニット64は、メイン油圧管路62を油圧タンクTに接続する戻り管路にメインリリーフ弁78を備えており、このメインリリーフ弁78はメイン油圧ポンプ56の最大吐出圧、つまり、旋回油圧モータ66やスイングシリンダ34に供給される許容最大供給圧Prを設定する。
なお、図4に示す旋回装置4において、参照符号80,82はモータ管路68の過負荷を防止するクロスオーバリリーフ弁及びこのクロスオーバリリーフ弁のリリーフスプリングの付勢力を調整する調整シリンダをそれぞれ示す。
一方、方向制御弁72,74の切換作動は、前述した操作レバー46及び操作ペダル48のうち、旋回操作レバー46m及びスイング操作ペダル48sの操作によってなされる。図4から明らかなように、旋回操作レバー46m及びスイング操作ペダル48sは共に、一対ずつのパイロット弁84,86と組み合わされており、これらパイロット弁84,86は入力ポート、出力ポート及び戻りポートをそれぞれ有する。パイロット弁84,86の入力ポート及び戻りポートからはパイロット供給管路88及び戻り管路90が延び、このパイロット供給管路88は前述したパイロット圧ポンプ58の吐出口に接続され、そして、戻り管路90は油圧タンクTに接続されている。なお、図4中、参照符号92,94はパイロット圧ポンプ58のためのリリーフ管路及びリリーフ弁をそれぞれ示す。
そして、一対のパイロット弁84の出力ポートa,bは旋回方向制御弁72の対応する入力ポートa,bにパイロット伝達管路を介して接続され、一対のパイロット弁86の出力ポートc,dは揺動方向制御弁74の対応する入力ポートc,dにそれぞれ接続される。
旋回操作レバー46mが操作されると、この操作方向に対応したパイロット弁84が開かれ、パイロット圧ポンプ58から吐出された作動油の圧力、つまり、供給パイロット圧は操作パイロット圧(操作量)として、その開弁したパイロット弁84の出力ポート(a又はb)から旋回方向制御弁72の対応する入力ポートに供給され、旋回方向制御弁72を中立位置から一方の切換位置に切り換える。
それ故、メイン油圧ポンプ56から吐出された作動油が旋回油圧モータ66に供給され、旋回油圧モータ66は一方向に駆動され、この結果、上部旋回体6は旋回操作レバー46mの操作方向に従って旋回する。なお、旋回油圧モータ66を通過した作動油は旋回方向制御弁72を経て油圧タンクTに戻される。
パイロット弁84は旋回操作レバー46mの操作量に応じた大きさの操作パイロット圧を出力する。それ故、旋回方向制御弁72が切り換えられたときの弁開度、つまり、旋回油圧モータ66による上部旋回体6の旋回速度もまた旋回操作レバー46mの操作量に応じて制御される。
一方、スイング操作ペダル48sが踏み込まれると、この踏み込み方向に対応したパイロット弁86から踏み込み量に応じた大きさの操作パイロット圧が揺動方向制御弁74の対応する入力ポートに供給され、揺動方向制御弁74はその中立位置から一方の切換位置に切り換えられる。それ故、メイン油圧ポンプ56から吐出された作動油は揺動方向制御弁74及び一方のシリンダ側管路70を通じてスイングシリンダ34の一方の圧力室(34a又は34b)に供給され、これに対し、スイングシリンダ34の他方の圧力室(34b又は34a)から他方のシリンダ側管路70及び揺動方向制御弁74を経て、作動油が油圧タンクTに戻される。この結果、スイングシリンダ34はスイング操作ペダル48sの踏み込みに従い、伸長又は収縮される。
上述したようにスイングシリンダ34が伸縮されたとき、図5に示されるようにスイングポスト28、つまり、作業装置8は上部旋回体6に対してスイングポスト28の枢着ピン30を中心に水平面内にて左右に揺動する。図5(a)は、スイングシリンダ34が収縮して、作業装置8が図2に示す状態から上部旋回体6の左側に揺動された状態を示しており、この場合、ミニ油圧ショベルの作業装置8は右側の側溝を掘削するために使用される。
これに対し、図5(b)は、スイングシリンダ34が伸長して、作業装置8が図2に示す状態から上部旋回体6の右側に揺動された状態を示し、この場合には、作業装置8は左側の側溝を掘削するために使用される。
更に、図4から明らかなようにシリンダ側管路70a,70bにはリリーフ装置96a,96bがそれぞれ備えられている。これらリリーフ装置96a,96bは同一の構造を有するので、一方のリリーフ装置96の要素についてのみ以下に説明し、他方のリリーフ装置96の要素に関しては同一の参照符号を付して、それらの説明は省略する。
リリーフ装置96は、シリンダ側管路70と油圧タンクT側の戻り管路とを接続するリリーフ管路98を有し、このリリーフ管路98にリリーフ弁100が介挿されている。このリリーフ弁100はその弁体を一方向に付勢し、リリーフ弁100のリリーフ圧を決定するリリーフスプリング102と、このリリーフスプリング102とは反対側に配置された制御圧室104とを有する。この制御圧室104に制御圧が供給されたとき、制御圧は、リリーフスプリング102の付勢力とは逆向きの付勢力を弁体に加え、リリーフ弁100のリリーフ圧を低下させる。
更に、リリーフ装置96は、リリーフ管路98から分岐され、リリーフ弁100をバイパスするバイパス管路106を更に備え、このバイパス管路106にメイクアップバルブ108が介挿されている。メイクアップバルブ108は、スイングシリンダ34の対応する側の圧力室に向けてのみ開く逆止弁であって、その圧力室が負圧になるのを避けるべく作動油を補給し、キャビテーションの発生を阻止する。
上述したリリーフ装置96a,96bの制御圧室104からは制御圧管路110a,110bがそれぞれ延び、これら制御圧管路110a,110bは前述したパイロット供給管路88らそれぞれ分岐されている。制御圧管路110a,110bの途中には減圧弁ユニット112が設けられており、この減圧弁ユニット112は一対の電磁比例減圧弁114a,114bを含む。これら電磁比例減圧弁114は3ポート2位置の電磁圧力制御弁であって、制御圧管路110a,110bにそれぞれ介挿されている。
電磁比例減圧弁114は通常、図示の休止位置にあって、この休止位置にて、対応する制御圧管路110は分断され、その制御圧室104側の部位が戻り管路116を通じて油圧タンクTに接続されている。電磁比例減圧弁114のソレノイドに指令信号に供給されたとき、電磁比例減圧弁114は休止位置から作動位置に切り換えられ、この作動位置にて、制御圧管路110が繋がり、そして、戻り管路16は閉じられる。
従って、電磁比例減圧弁114が作動位置に切り換えられたとき、パイロット圧ポンプ58はその電磁比例減圧弁114を介して対応するリリーフ装置96の制御圧室104に接続されるので、供給パイロット圧は電磁比例減圧弁114より減圧され、そして、電磁比例減圧弁114から対応するリリーフ装置96の制御圧室104に制御圧として供給される。ここで、制御圧の大きさは電磁比例減圧弁114の弁開度、つまり、そのソレノイドへの指令信号により決定される。
図4に示されるように、電磁比例減圧弁114a,114bのソレノイドはコントローラ(ECU)118に電気的に接続されており、コントローラ118は、前述した旋回操作レバー46mの操作方向及び操作量に基づいて、電磁比例減圧弁114への指令信号を生成し、生成した指令信号を対応する電磁比例制御弁114のソレノイドに供給する。
それ故、本実施例の場合、旋回操作レバー46mの操作方向及び操作量を検出するため、旋回操作レバー46mにおける一対のパイロット弁84にはその出力ポート側に圧力センサ120a,120bがそれぞれ割り当てられており、これら圧力センサ120は旋回操作レバー46mが操作されたときの操作パイロット圧Pisを検出し、このセンサ信号をコントローラ118に送信する。ここで、センサ信号(操作パイロット圧Pis)を出力する側の圧力センサ120が旋回操作レバー46mの操作方向を示し、センサ信号の大きさ(操作パイロット圧Pisの値)が旋回操作レバー46mの操作量を示す。
具体的には、コントローラ118は操作パイロット圧Pisに基づき、下式から電磁比例減圧弁114への指令信号Sを演算する。
=GIS・Pis
ISは、コントローラ118が内蔵する図6のゲインマップから操作パイロット圧Pisに基づいて設定されるゲインである。具体的には、図6のゲインマップは、操作パイロット圧Pisが下限値Pisc以下にあるとき、ゲインGISを0とし、操作パイロット圧Pisが下限値Piscを越え、上限値Pimaxに向けて上昇するに従い、ゲインGISを0から徐々に増加させる特性を有する。
それ故、操作パイロット圧Pisが下限値Piscを越えない限り、ゲインGISは0に維持されるので、コントローラ118から電磁比例減圧弁114に指令信号Sが供給されることはなく、電磁比例減圧弁114は図示の休止位置に保持される。
この結果、電磁比例減圧弁114は対応する側のリリーフ弁100の制御圧室104を油圧タンクTに接続するから、そのリリーフ弁100のリリーフ圧Psは自身のリリーフスプリング102の付勢力により決定される。
しかしながら、操作パイロット圧Pisが下限値Piscを越えると、ゲインGISはその値が徐々に増加するので、コントローラ118は操作パイロット圧Pisの上昇に連れて増加する指令信号Sを生成し、この指令信号Sを対応する電磁比例減圧弁114に供給する。それ故、この電磁比例減圧弁114は図示の休止位置から作動位置に向けて切り換えられ、パイロット圧ポンプ58からの供給パイロット圧は電磁比例減圧弁114により減圧され、その作動位置での弁開度に応じて制御圧Pixが電磁比例減圧弁114から対応する側のリリーフ弁100の制御圧室104に供給される。
制御圧室104内の制御圧Pixは、そのリリーフ弁100におけるリリーフスプリング102の付勢力と対抗する方向に弁体に対して働くから、リリーフ弁100のリリーフ圧Psが減少されることなる。
ここで、操作パイロット圧Pisが下限値Piscを越えて上昇するに連れて、電磁比例減圧弁114への指令信号S、即ち、電磁比例減圧弁114から制御圧室104に供給される制御圧Pixもまた増加し、制御圧Pix及びリリーフ弁100のリリーフ圧Psは図7に示す関係を有し、この図7は制御圧Pixに基づいて、リリーフ圧Ps が任意に設定可能であることを示している。
図7中、Psmaxはリリーフスプリング102の付勢力のみによって決定されるリリーフ弁100の最大リリーフ圧を示し、Psminは電磁比例減圧弁114から制御圧室104に最大制御圧Pixmaxが供給されたときのリリーフ弁100の最小リリーフ圧を示す。
ここで、最大リリーフ圧Psmaxは、前述したメインリリーフ弁78(図4参照)により決定されるメイン油圧ポンプ56の最大吐出圧Prよりも低いことに留意すべきである。
更に、本実施例の場合、リリーフ弁100のリリーフ圧Psは、操作パイロット圧Pisのみならず、スイングポスト28の作動姿勢や、掘削バケット18の作業位置等の作業状況をも考慮して設定され、具体的には、これら作動姿勢及び作業状況により、前述のゲインGISが補正されることになる。
先ず、スイングポスト28の作動姿勢及び掘削バケット18の作業状況について、以下に説明する。
コントローラ118には、図4に示されるように前述した圧力センサ120の他に、ストロークセンサ122、ブーム角度センサ124、アーム角度センサ126及びバケット角度センサ128がそれぞれ電気的に接続されており、ストロークセンサ122は、例えばワイヤ引き出し式の長さ計であって、スイングシリンダ34の伸縮ストローク、つまり、その伸縮長さを検出し、このセンサ信号をコントローラ118に送信する。
コントローラ118はストロークセンサ122からのセンサ信号、つまり、スイングシリンダ34の伸縮ストロークを受け取ると、この伸縮ストロークに基づいて、図3に示すスイングシリンダ34のスイングポスト角θを演算する。
ここで、スイングポスト角θとは、スイングポスト28に対するスイングシリンダ34の傾斜角、つまり、図3中、スイングシリンダ34の軸線が参照符号Xで表され、そして、スイングポスト28における枢着ピン38の軸芯とスイングポスト28及びスイングシリンダ34を連結する連結ピン42の軸芯との間を結ぶ線分が参照符号Yで表されるとき、軸線Xと線分Yとがなす内角を表し、一方、スイングシリンダ34の基端と枢着ピン38との間の距離や、線分Yを規定する軸芯間距離Rは何れも既知であるから、スイングシリンダ34の伸縮ストロークが求められれば、スイングポスト角θは演算により求めることができる。
このようなスイングポスト角θはスイングシリンダ34の作動姿勢を表すものであるが、本実施例では、スイングポスト角θに代えて、図3に示す離間距離Lcを使用する。この離間距離Lcは、スイングシリンダ34が発生する推力Fcの作用点からスイングポスト28の揺動中心(枢着ピン38の軸芯)までの距離で表され、このような離間距離Lcは下式から求めることができる。
Lc=R・sinθ
一方、上述の角度センサ124,126,128は、前述した作業装置8におけるブーム10のブームフートピン30、アームフートピン12及びバケットフートピン16のそれぞれ取り付けられ、ブーム10、アーム14及び掘削バケット18の起伏及び回動角をそれぞれ検出し、これらセンサ信号をコントローラ118に送信する。
ブーム10及びアーム14の長さや、また、掘削バケット18及び上部旋回体6の大きさが既知であるから、コントローラ118は、上述のセンサ124,126,128からのセンサ信号、つまり、それらの起伏角及び回動角に基づき、掘削バケット18の作業位置、即ち、上部旋回体6の旋回中心から掘削バケット18の先端までの離間距離Lb(図1参照)を演算により求めることができる。
上述した離間距離Lc,LbはゲインGLC,GLBの算出に使用され、これらゲインGLC,GLBは、指令信号Sの補正に利用される。即ち、本実施例の場合、指令信号Sは実際上、次式から算出される。
=GIS・GLC・GLB・Pis
ゲインGLC,GLBを算出するため、コントローラ118は図8及び図9に示すゲインマップを更に含んでいる。図8のゲインマップは、離間距離Lcが下限値Lcmin以下にあるとき、ゲインGLCを最小値とし、離間距離Lcが下限値Lcminを越えて上限値Lcmaxに向けて長くなるに従い、ゲインGLCをその最小値から徐々に増加させる特性を有する。
それ故、離間距離Lcが長くなって、ゲインGLCが増加すれば、指令信号Sもまた増加することから、制御圧Pixは高くなり、この結果、リリーフ弁100のリリー圧Psは減少する。
一方、図9のゲインマップは、離間距離Lbが下限値Lbmin以下の場合、ゲインGLBを最大値とし、離間距離Lbが下限値Lbminを越えて上限値Lbmaxに向けて長くなるに従い、ゲインGLBをその最大値から徐々に減少させる特性を有する。
それ故、この場合には、離間距離Lbが長くなって、ゲインGLBが減少すれば、指令信号SDもまた減少することから、制御圧Pixは低くなり、この結果、リリーフ弁100のリリー圧Psは増加する。
上述したGIS,LC,GLBの働きは図10のグラフからも明らかであり、図10は、操作パイロット圧Pisと対応するリリーフ弁100のリリーフ圧Psとの関係を示す。
前述したように操作パイロット圧Pisが下限値Pisc以下である場合、リリーフ圧Psは、リリーフスプリング102の付勢力により決定される最大リリーフ圧Psmaxに維持される。そして、操作パイロット圧Pisが下限値Piscから上限値Pismaxまでの間にある場合、リリーフ圧Psは操作パイロット圧Pisの増加に伴って低減される一方、例え操作パイロット圧Pisが同一であるとして、離間距離Lbが大傾向、又は、離間距離Lcが小傾向になればなるほど、リリーフ圧Psは増加し、逆に、離間距離Lbが小傾向、又は、離間距離Lcが大傾向になればなるほど、リリーフ圧Psは減少する。
図11は、前述したリリーフ装置96a,96bにおけるリリーフ弁100のリリーフ圧Psに関して、コントローラ118により実施される前述したリリーフ圧制御ルーチン、つまり、スイングシリンダ34の制御方法を示す。
ここで、リリーフ圧制御ルーチンはコントローラ118により実施されるメインルーチンの一部を形成し、所定の制御周期毎に繰り返して実施されるものである。
先ず、コントローラ118は、前述した圧力センサ120a,120b、ストロークセンサ122、ブーム角度センサ124,アーム角度センサ126及びバケット角度センサ128からセンサ信号をそれぞれ読み込み(ステップS1)、そして、圧力センサ120からのセンサ信号があれば、このセンサ信号から操作パイロット圧Pisを演算する(ステップS2)。
そして、操作パイロット圧Pisが下限値Piscよりも高いか否かが判別され(ステップS3)、ここでの判別結果が偽(No)の場合、コントローラ118は本制御ルーチンから抜け出し、メインルーチンに戻って他の制御ルーチン(図示しない)を実施する。
従って、ステップS3の判別結果が偽の維持されている限り、操作パイロット圧Pisが下限値Piscを越えない限り、図11のリリーフ圧制御ルーチンはS1〜S3のステップが繰り返して実施されるに過ぎず、リリーフ弁100のリリーフ圧Psは前述した最大リリーフ圧Psmaxに維持されている。
しかしながら、ステップS3の判別結果が真(Yes)になると、コントローラ118は、操作パイロット圧Pisに基づいてゲインGisを演算し(ステップS4)、そして、ストロークセンサ122により検出したスイングシリンダ34の伸縮ストロークに基づきスイングポスト角θを算出する(ステップS5)。この後、コントローラ118は、スイングポスト角θに基づいて離間距離Lcを算出し(ステップS6)、離間距離LcからゲインGLCを演算して求める(ステップS7)。
更に、コントローラ118は、前述した角度センサ124,126,128からのセンサ信号に基づいてブーム10の起伏角や、アーム14及び掘削バケット18の回動角をそれぞれ算出した後(ステップS8)、これら起伏角及び回動角から前述した離間距離Lbを算出し(ステップS9)、そして、離間距離Lbに基づき、ゲインGLBを演算する(ステップS10)。
上述したようにして、操作パイロット圧Pis,ゲインGIS,GLC,GLBがそれぞれ求められると、コントローラ118は、これらPis,ゲインGIS,GLC,GLBから指令信号Sを演算し、この指令信号Sを電磁比例減圧弁114a,114bのうちで対応する側の電磁比例減圧弁114のソレノイドに供給し、この電磁比例減圧弁114を休止位置から作動位置に切り換え作動させる。
従って、指令信号Sを受け取った電磁比例減圧弁114は組みをなす対象リリーフ装置96のリリーフ弁100に制御圧Pixを供給し、このリリーフ弁100はその最大リリーフ圧Psmaxから、制御圧Pix(指令信号S)により決定されるリリーフ圧Psまで減少される。
ここで、指令信号Sを受けて、そのリリーフ圧Psが減少される側となる対象リリーフ装置96の選択について詳述する。
対象リリーフ装置96は、上部旋回体6に対するスイングシリンダ34の配置に加えて、上部旋回体6の旋回方向、つまり、旋回操作レバー46mの旋回方向に基づいて決定される。具体的には、本実施例のように図2でみて、上部旋回体6に対しスイングシリンダ34が左側に配置されており、そして、今、図2でみて上部旋回体6が反時計方向CCに旋回しているとき、リリーフ装置96a,96bのうち、スイングシリンダ34の伸長方向の剛性を弱める側のリリーフ装置96a、つまり、スイングシリンダ34のロッド側圧力室34aに接続されたリリーフ弁100を有するリリーフ装置96a(図4参照)が対象リリーフ装置96として選択される。
これに対し、図2でみて上部旋回体6が時計方向Cに旋回しているときには、スイングシリンダ34の収縮方向の剛性を弱める側のリリーフ装置96b、つまり、スイングシリンダ34のボトム側圧力室34bに接続されたリリーフ弁100を有するリリーフ装置96bが対象リリーフ装置96として選択される。
なお、本実施例とは異なり、上部旋回体6に対してスイングシリンダ34が右側に配置されている場合、対象リリーフ装置96は前述の場合とは逆となる。
次に、前述したリリーフ装置96a,96bの働きを以下に説明する。
ミニ油圧ショベルの作業には、作業装置8の掘削バケット18を上下に作動させる掘削作業のみならず、掘削に伴う余剰の土砂等を掘削バケット18からダンプトラックに積載する積載作業や、掘削バケットを左右に往復動させて整地する整地作業が含まれ、これら積載作業及び整地作業は作業装置8とともに上部旋回体6を往復的に旋回させることで実施される。
それ故、上部旋回体6の旋回中、掘削バケット18が周囲の予期せぬ障害物に衝突する場合があり、このとき、作業装置8におけるブーム10の基端部に加わる捻りモーメントTb及び曲げモーメントMbは下式によりそれぞれ表される。
Tb=F’・L1 …(1)
Mb=F’・L2 …(2)
F’は、衝突時、掘削バケット18に加わる旋回衝撃力を示し、L1,L2は掘削バケット18からブーム10の基端部までの距離をそれぞれ示す(図1参照)。
より詳しくは、上部旋回体6の旋回トルクTはブーム10の基端部に旋回方向への接線力Fを発生させるが、この接線力Fの作用点が図1中にZで示されるとき、距離L1は、ブーム10の長手方向と上下に直交する方向に関しての作用点Zから掘削バケット18までの距離を示し、距離L2はブーム10の長手方向に関しての作用点Zから掘削バケット18までの距離を示す。
ここで、接線力F、旋回衝撃力F’及び旋回トルクTは次式により表される関係を有する。
F=T/Lb …(3)
F’=α・T/Lb …(4)
T=K・P・q …(5)
αは衝撃係数、Kは定数を表し、そして、Pは旋回油圧モータ66の前後の圧力差、qは旋回油圧モータ66の1回転当たりの吐出流量(押し退け容積)を表す。
一方、掘削バケット18に旋回衝撃力F’が加わっても、スイングポスト28がその揺動位置に保持されるためには、次式が満たされる必要ある。
F’・L3≦Fc・Lc …(6)
Fc=Px・A …(7)
L3は、スイングポスト28の揺動中心(枢着ピン38の軸芯)から旋回衝撃力F’の作用点までの距離を表し、Px,Aはスイングシリンダ34の内部圧力及びその受圧面積を表す。
ここで、離間距離Lcは、図12を参照すれば明らかなように、上部旋回体6に対する作業装置8の姿勢により大きく変化することから、作業装置8の姿勢に拘わらず、上記の(6)式が満たされるには、スイングシリンダ34の内部圧力Pxを大きく確保しておく必要がある。
このため、従来、スイングシリンダ34の内部圧力Pxは、油圧回路におけるメイン油圧ポンプ56の最大吐出圧Prまで上昇され、それ故、従来の作業装置8には、スイングシリンダ34が発生する大きな推力Fcに耐え得るだける剛性が要求される。よって、前述したように作業装置8にあっては、その過度なスケールアップや重量の増大を招き、その製造コストの低減を図ることができなかった。
しかしながら、本実施例の場合、スイングシリンダ34の内部圧力Px、即ち、そのリリーフ圧Psは一義的に決定されるものではない。即ち、前述の説明から既に明らかなように、上部旋回体6が旋回していないか、又は旋回していても、その旋回速度が低い状況にあるとき、リリーフ圧Psは、リリーフ弁100のリリーフスプリング102により決定される最大リリーフ圧Psmaxに維持され、この最大リリーフ圧Psmaxはメイン油圧ポンプ56の最大吐出圧Prよりも低い。
しかも、上部旋回体6の旋回中には、リリーフ圧Psは旋回操作レバー46mの操作量、つまり、上部旋回体6の旋回速度や、スイングシリンダ34の作動姿勢及び掘削バケット18の作業位置に基づいて、最大リリーフ圧Psmaxから減少される。
それ故、スイングシリンダ34の推力Fcは大きく低減され、作業装置8に要求される剛性を低くすることが可能となり、作業装置8が有していた上述の不具合を解消することができる。
一方、掘削バケット18に加わる旋回衝撃力F’が上記の(6)式を満たさない程に大きい場合には、スイングシリンダ34が伸長又は収縮し、スイングポスト28を受動的に揺動させる。このようなスイングポスト28の揺動は旋回衝撃力F’を吸収するので、作業装置8に過負荷が加わることはなく、作業装置8の損傷を確実に防止することができる。
なお、スイングシリンダ34の伸縮を制御する揺動方向制御弁74が中立位置にある状態で、上述した旋回衝撃力F’に起因してスイングシリンダ34が伸長又は収縮される際、スイングシリンダ34の負圧側となる圧力室(34a又は34b)には対応する側のメイクアップバルブ108(図4参照)を通じて作動油が補給され、その圧力室にキャビテーションが発生するようなことはない。
旋回衝撃力F’に関して詳述すれば、リリーフ圧Psの制御には前述したように、上部旋回体6の旋回速度(ゲインGIS)のみならず、スイングシリンダ34の作動姿勢(離間距離Lc、ゲインGLC)や掘削バケット18の作業位置(離間距離Lb,ゲインGLB)、が考慮されているから、万一、掘削バケット18が障害物に衝突したとしても、ブーム10の基端部に加わる捻りモーメントTb及び曲げモーメントMbの強弱を推測してリリーフ圧Psを設定でき(図10参照)、掘削バケット18が受ける旋回衝撃力F’を効果的に軽減することができる。
本発明は、上述の第1実施例に制約されるものではなく種々の変形が可能である。
以下、図13〜図15を参照しながら、第2〜第4実施例の制御装置及び制御方法について説明する。なお、第2〜第4実施例を説明するにあたり、第1実施例又は既に説明した実施例の要素と同一の機能を発揮する要素には同一の参照符号を付して、それらの説明は省略する。
図13は第2実施例の油圧回路を示す。
第2実施例の場合、リリーフ装置96a,96bにおけるリリーフ弁100の制御圧室104は、旋回操作レバー46mの対応する側のパイロット弁84の出力ポートa,bに接続経路130a,130bを介して接続されている。それ故、旋回操作レバー46mが操作されたとき、その操作方向に対応する側のパイロット弁84の出力ポートa又はbからは、旋回方向制御弁72の対応する入力ポートa又はbに操作パイロット圧Pisが供給される一方、この操作パイロット圧Pisは前述した対象リリーフ装置96(リリーフ弁100)の制御圧室104にも供給される。それ故、ここでは、操作パイロット圧Pisが制御圧Pixとしても働き、これにより、対象リリーフ装置96におけるリリーフ弁100のリリーフ圧Psは旋回操作レバー46mの操作に応じて減少される。
上述した第2実施例によれば、第1実施例で使用した種々のセンサやコントローラ118を使用することなく、リリーフ圧Psの制御が可能となる。また、旋回操作レバー46mの操作方向と、対象リリーフ装置96(リリーフ弁100の制御圧室104)とを機械的に対応付けることができるので、制御エラーが発生することもない。
図14は第3実施例の油圧回路を示す。
第3実施例の油圧回路は、第2実施例の場合と同様な接続経路130a,130bを備え、これら接続経路130a,130bに第1実施例の減圧弁ユニット112、つまり、その電磁比例減圧弁114a,114bをそれぞれ介挿し、電磁比例制御弁114a,114bの元圧としてパイロット弁84からの操作パイロット圧Pisを使用している。
第3実施例によれば、リリーフ装置96a,96b(リリーフ弁100)の制御圧室104に供給すべき制御圧Pixの元圧として操作パイロット圧Pisを使用でき、しかも、制御圧Pixは第1実施例の場合と同様に、前述したゲインGIS,GLC,GLBを使用して制御可能である。
図15は第4実施例の双腕型旋回作業機を示す。
第4実施例の場合、旋回作業機は上部旋回体6の左右に作業装置8,8をそれぞれ備えている。これら作業装置8,8は、前述した作業装置8と同様な構造をなしているが、それらの先端には掘削バケット18の代わりに、開閉可能な解体グラップル132を有する。この解体グラップル132はグラップルシリンダ(図示せず)により開閉される。なお、図15中、参照符号134は運転室を示す。
図15(b)から明らかなように、作業装置8,8はスイングシリンダ34,34をそれぞれ備え、これらスイングシリンダ34,34のリリーフ圧Psは、第1実施例での場合と同様にして制御される。
上述した双腕型旋回作業機の場合、個々の作業装置8,8は単腕型の旋回作業機に比べて軽量化が図られており、これは旋回作業機の重量バランスや特異な作業形態に起因する。しかしながら、旋回装置4には、上部旋回体6の慣性力に基づいて決定される旋回出力が要求され、この旋回出力は単腕型の作業機の場合と同等である。
それ故、双腕型旋回作業機の作業装置8,8に対し、本発明の制御装置及び制御方法が適用されることで、個々の作業装置8,8に要求される剛性や負荷を低減することができる。
一方、双腕型旋回作業機の作業装置8,8にはそれらのスイングシリンダ34,34を伸縮動作させ、作業装置8,8の解体用ニブラー132を左右に揺動させる作業形態が要求される。このような作業形態は上部旋回体6の旋回操作を伴わないので、スイングシリンダ34,34のリリーフ圧Psが不所望に低下されることはなく、スイングシリンダ34,34の有効な伸縮動作が保証される。
更に、第1実施例の場合、旋回操作レバー46mは電気レバーに置き換えることができ、この電気レバーはその操作方向及び操作量を示す電気的な操作信号をコントローラ118に直接に送信する。
旋回作業機としてのミニ油圧ショベルを示した側面図である。 図1のミニ油圧ショベルの平面図である。 図2のミニ油圧ショベルの一部を拡大して示した図である。 第1実施例の制御装置を含む油圧回路図である。 図2のミニ油圧ショベルの作業形態を示し、(a)は上部旋回体に対して作業装置が左に揺動した状態、(b)は上部旋回体に対して作業装置が右に揺動した状態をそれぞれ示す。 ゲインGISを求めるゲインマップを示したグラフである。 制御圧とリリーフ圧との関係を示したグラフである。 ゲインGLCを求めるゲインマップを示したグラフである。 ゲインGLBを求めるゲインマップを示したグラフである。 操作パイロット圧とリリーフ圧との関係を示したグラフである。 リリーフ圧制御ルーチンを示したフローチャートである。 作業装置の揺動形態によりスイングシリンダの作動姿勢が変化することを示し、(a)はスイングシリンダが通常状態から収縮した作動姿勢、(b)はスイングシリンダの通常の作動姿勢、(c)はスイングシリンダが通常状態から伸長した作動姿勢をそれぞれ示す。 第2実施例の制御装置を含んだ油圧回路図である。 第3実施例の制御装置を含んだ油圧回路である。 本発明が適用される他の形態の旋回作業機を示し、(a)は双腕型旋回作業機を示した側面図、(b)は双腕型旋回作業機の平面図である。
符号の説明
2 下部走行体
4 旋回装置
6 上部旋回体
8 作業装置
18 掘削バケット(作業アタッチメント)
28 スイングポスト
34 スイングシリンダ
34a ロッド側圧力室
34b ボトム側圧力室
46m 旋回操作レバー
58 パイロット圧ポンプ(パイロット圧源)
84 パイロット弁
96a,96b リリーフ装置
100 リリーフ弁
102 リリーフスプリング
104 制御圧室
114a,114b 電磁比例減圧弁(減圧弁)
118 コントローラ
120a,120b 圧力センサ
122 ストロークセンサ(検出器)
124 ブーム角度センサ(検出器)
126 アーム角度センサ(検出器)
128 バケット角度センサ(検出器)

Claims (6)

  1. 下部走行体と、この下部走行体に旋回可能に設けられ、操作レバーからの操作量により旋回する上部旋回体と、この上部旋回体の前部に支持され、水平面内にて左右に揺動自在なスイングポストと、前記スイングポストを中心とした前記上部旋回体の左右の何れかに配置されて前記上部旋回体と前記スイングポストとを連結し、前記スイングポストを揺動させる複動型のスイングシリンダと、前記スイングポストに起伏可能に支持され、前後及び上下方向に移動可能な作業アタッチメントを有する作業装置とを備えた旋回作業機において、
    前記スイングシリンダに対して作動油の給排をなす油圧経路に設けられ、前記スイングシリンダの両圧力室のリリーフ圧をそれぞれ決定する一対のリリーフ弁と、
    前記一対のリリーフ弁のうち、前記スイングシリンダの配置及び前記上部旋回体の旋回方向により選択されるリリーフ弁のリリーフ圧を前記操作レバーの操作量に応じて低減させる低減手段と
    を具備したことを特徴とする旋回作業機のスイングシリンダ制御装置。
  2. 前記各リリーフ弁は、弁体を一方向に付勢するリリーフスプリングと、このリリーフスプリングの付勢方向は逆向きに前記弁体を付勢する制御圧の供給を受ける制御圧室とを含み、
    前記低減手段は、前記選択されたリリーフ弁の前記制御圧室に前記操作レバーの操作量に応じた制御圧を供給し、前記選択されたリリーフ弁のリリーフ圧を低減すること特徴とする請求項1に記載の旋回作業機のスイングシリンダ制御装置。
  3. 前記旋回作業機は、
    パイロット圧源と、
    前記パイロット圧源に接続され且つ前記操作レバーにより操作される一対のパイロット弁であって、前記操作レバーの操作方向及び操作量に従い、対応するパイロット弁が作動して前記パイロット圧源の元圧から前記操作量としての操作パイロット圧を発生する、一対のパイロット弁と、
    前記パイロット弁からの前記操作パイロット圧に基づき、前記上部旋回体を所定の方向に旋回させる旋回装置と
    を更に具備し、
    前記低減手段は、
    前記パイロット圧源と前記リリーフ弁の前記制御圧室との間にそれぞれ設けられた減圧弁を含み、
    前記各パイロット弁からの前記操作パイロット圧に基づいて、前記選択されたリリーフ弁側の前記減圧弁を作動させることを特徴とする請求項2に記載の旋回作業機のスイングシリンダ制御装置。
  4. 前記低減手段は、前記スイングシリンダの作動姿勢及び前記作業アタッチメントの作業位置を含む作業状況を検出する検出器を更に含み、
    前記検出器にて検出した前記作業状況に基づき、前記減圧弁の作動を補正することを特徴とする請求項3に記載の旋回作業機のスイングシリンダ制御装置。
  5. 前記低減手段は、前記パイロット弁と前記リリーフ弁の前記制御圧室とをそれぞれ接続する接続経路を含み、前記パイロット弁からの前記操作パイロット圧を直接前記リリーフ弁の制御室へ作用させることを特徴とする請求項3又は4に記載の旋回作業機のスイングシリンダ制御装置。
  6. 前記低減手段は、
    前記パイロット弁と前記リリーフ弁の前記制御圧室とをそれぞれ接続する減圧弁を含み、前記減圧弁の元圧として前記パイロット弁からの前記操作パイロット圧を使用したことを特徴とする請求項3又は4に記載の旋回作業機のスイングシリンダ制御装置。
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