JP2008088441A - 有機ケイ素重合体エマルジョンおよびその製造方法 - Google Patents

有機ケイ素重合体エマルジョンおよびその製造方法 Download PDF

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好次 森田
Kazuo Kobayashi
和男 小林
Masaru Ozaki
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Abstract

【課題】保存安定性に優れ、しかも、環境に対する負荷の少ない有機ケイ素重合体エマルジョンおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】
(A) (a-1)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合水素原子を有するジオルガノポリシロキサンと、(a-2)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンをヒドロシリル化反応させて得られる平均粒径0.1〜500μmの有機ケイ素重合体粒子、(B)炭素原子数が16〜20の長鎖アルコールのオキシエチレン付加物、(C)水を主成分とすることを特徴とする有機ケイ素重合体エマルジョンおよびその製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は有機ケイ素重合体エマルジョンおよびその製造方法に関し、詳しくは、保存安定性に優れる有機ケイ素重合体エマルジョンおよびその製造方法に関する。
シロキサン結合とシルアルキレン結合を有する有機ケイ素重合体は、シロキサン結合のみからなるジオルガノポリシロキサンと同様に離型性や撥水性を有することから、様々な分野での利用が検討されている。またこの有機ケイ素重合体は、ジオルガノポリシロキサンに比べて耐酸性や耐アルカリ性が良好であることから、耐アルカリ性を有する消泡剤としても検討されている(特許文献1参照)。
このような有機ケイ素重合体を使用するにあたり、水系での処理が可能で安全性に優れていることから、最近はエマルジョンの形態が好まれる傾向にある。有機ケイ素重合体エマルジョンの調製法としては、分子鎖両末端のみにケイ素原子結合水素原子を有するジオルガノポリシロキサンと分子鎖両末端のみにケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンを水中に乳化してヒドロシリル化反応させる方法が知られており、使用される乳化剤としては、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられている(特許文献2および特許文献3参照)。これらの中でも皮膚化粧料に使用されるエマルジョンには、低刺激性や配合性の良さからノニオン性界面活性剤が好適とされ、通常、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのようなアルキルアリールポリエーテルや、炭素原子数が15以下のアルキル基を有するアルキルポリエーテルが使用されている。しかしながら、このようなポリエーテルで乳化した有機ケイ素重合体エマルジョンは保存安定性が不十分で、長期間経過するとエマルジョン分離が起こるという欠点があった。また、炭素原子数12〜15のアルキル基を有するアルキルポリエーテルは、近年、環境への影響が懸念される化学物質としてPRTR(Pollutant Release and Transfer Register)の排出量等が義務付けられた指定化学物質に認定され、その使用が制限される傾向にある。
特開平7−60008号公報 特開平11−71459号公報 特開平11−246769号公報
本発明者らは鋭意検討した結果、有機ケイ素重合体エマルジョンの乳化剤として、炭素原子数が16〜20の長鎖アルコールのオキシエチレン付加物を用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。 即ち、本発明の目的は、保存安定性に優れ、しかも、環境に対する負荷の少ない有機ケイ素重合体エマルジョンおよびその製造方法を提供することにある。
本発明は、(A) (a-1)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合水素原子を有するジオルガノポリシロキサンと、(a-2)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンをヒドロシリル化反応させて得られる平均粒径0.1〜500μmの有機ケイ素重合体粒子、(B)炭素原子数が16〜20の長鎖アルコールのオキシエチレン付加物、(C)水を主成分とすることを特徴とする有機ケイ素重合体エマルジョンとその製造方法、および
(D)(a-1)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合水素原子を有するジオルガノポリシロキサンと、(a-2)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンと、(a-3)分子鎖片末端のみにケイ素原子結合水素原子もしくはケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンをヒドロシリル化反応させて得られる平均粒径0.1〜500μmの有機ケイ素重合体粒子、(B)炭素原子数が16〜20の長鎖アルコールのオキシエチレン付加物、(C)水を主成分とすることを特徴とする有機ケイ素重合体エマルジョンとその製造方法を提供することにある。
本発明の有機ケイ素重合体エマルジョンは、乳化剤として(B)炭素原子数が16〜20の長鎖アルコールのオキシエチレン付加物を使用しているので、保存安定性に優れ、かつ、環境に対する負荷が小さいという特徴を有する。また、本発明の製造方法は、比較的高粘度の有機ケイ素重合体エマルジョンをゲル化せずに調製することができるという特徴を有する。
本発明エマルジョンの主剤である有機ケイ素重合体は、(A)(a-1)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合水素原子を有するジオルガノポリシロキサンと(a-2)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンとのヒドロシリル化反応物、または、(D)(a-1)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合水素原子を有するジオルガノポリシロキサンと、(a-2)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンと、(a-3)分子鎖片末端のみにケイ素原子結合水素原子もしくはケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンとのヒドロシリル化反応物であり、主鎖がシロキサン結合とシルアルキレン結合から構成される高分子量体である。本発明エマルジョン中、この有機ケイ素重合体は平均粒径0.1〜500μmの粒子として分散している。その平均粒径は0.1〜100μmであることが好ましく、0.1〜50μmがより好ましく、0.5〜50μmが特に好ましい。これは、平均粒径が0.1μm未満の有機ケイ素重合体粒子は調製が難しく、一方、平均粒径が500μmを超えると、得られた有機ケイ素重合体粒子の化粧料や塗料等に対する分散性が低下する傾向があるためである。粒子の形状としては、例えば、球状、偏平形状、不定形状が挙げられるが、これらの中でも化粧料や塗料等への分散性が良好な球状が好ましい。また、粒子の性状としては、例えば、硬質ゴム状、軟質ゴム状、ゲル状が挙げられる。尚、有機ケイ素重合体の粘度は限定されず、通常、25℃において10〜100,000,000mPa・sの範囲であるが、10,000mPa・s以上の比較的高粘度の有機ケイ素重合体であることが好ましく、100,000mPa・s以上であることがより好ましい。尚、本発明エマルジョン中の有機ケイ素重合体の粘度を測定するには、例えば、本発明エマルジョンを風乾,熱風乾燥,真空乾燥,加熱乾燥等の手段によって水を除去することにより有機ケイ素重合体を単体で取り出して測定すればよい。
(a-1)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合水素原子を有するジオルガノポリシロキサン中、水素原子以外のケイ素原子に結合する基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基,シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基,トリル基,キシリル基等のアリール基;ベンジル基,フェネチル基等のアラルキル基;3−クロロプロピル基,3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示され、好ましくはメチル基のみ、もしくはメチル基とフェニル基である。分子構造は実質的に直鎖状であるが、分子鎖の一部が分岐していてもよい。またその粘度は限定されないが、水中に乳化する場合には、25℃における粘度が100,000mPa・s以下であることが好ましく、1,000mPa・s以下であることがより好ましい。このような(a-1)成分としては、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、このジメチルポリシロキサンのメチル基の一部がエチル基,ヘキシル基,フェニル基,3,3,3−トリフルオロプロピル基等で置換されたジオルガノポリシロキサンが例示される。
(a-2)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンのアルケニル基としては、ビニル基,アリル基,ブテニル基,ペンテニル基,ヘキセニル基,ヘプテニル基,オクテニル基,ノネニル基,デセニル基が例示される。これらの中でも好ましくは、ビニル基,アリル基、ヘキセニル基である。また、アルケニル基以外のケイ素原子に結合する基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基,シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基,トリル基,キシリル基等のアリール基;ベンジル基,フェネチル基等のアラルキル基;3−クロロプロピル基,3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示され、好ましくはメチル基のみ、もしくはメチル基とフェニル基である。分子構造は実質的に直鎖状であるが、分子鎖の一部が分岐していてもよい。またその粘度は限定されないが、水中に乳化する場合には、25℃における粘度が100,000mPa・s以下であることが好ましく、10,000mPa・s以下であることがより好ましい。このような(a-2)成分としては、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、このジメチルポリシロキサンのメチル基の一部がエチル基,ヘキシル基,フェニル基,3,3,3−トリフルオロプロピル基等で置換されたジオルガノポリシロキサン、これらのジオルガノポリシロキサンのビニル基がアリル基,ヘキセニル基等で置換されたジオルガノポリシロキサンが例示される。
(a-3)分子鎖片末端のみにケイ素原子結合水素原子もしくはケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンは、有機ケイ素重合体の分子量を調節したり、有機ケイ素重合体の分子構造中に分岐を形成する成分である。このジオルガノポリシロキサン中、アルケニル基としては、ビニル基,アリル基,ブテニル基,ペンテニル基,ヘキセニル基,ヘプテニル基,オクテニル基,ノネニル基,デセニル基が例示され、好ましくは、ビニル基,アリル基である。また、水素原子もしくはアルケニル基以外のケイ素原子に結合する基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基,シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基,トリル基,キシリル基等のアリール基;ベンジル基,フェネチル基等のアラルキル基;3−クロロプロピル基,3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示され、好ましくはメチル基のみ、もしくはメチル基とフェニル基である。分子構造は実質的に直鎖状であるが、分子鎖の一部が分岐していてもよい。またその粘度は限定されないが、水中に乳化する場合には、25℃における粘度が100,000mPa・s以下であることが好ましく、1,000mPa・s以下であることがより好ましい。このような(a-3)成分としては、分子鎖片末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖され、他方の分子鎖末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン,分子鎖片末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、他方の分子鎖末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン,これらのジメチルポリシロキサンのメチル基の一部がエチル基,ヘキシル基,フェニル基,3,3,3−トリフルオロプロピル基等で置換されたジオルガノポリシロキサン,これらのジメチルポリシロキサンのビニル基がアリル基,ヘキセニル基等で置換されたジオルガノポリシロキサンが例示される。
(A)成分もしくは(D)成分において、ケイ素原子結合アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンに対するケイ素原子結合水素原子含有ジオルガノポリシロキサンの量は限定されないが、前者のジオルガノポリシロキサン1.0モルに対して、後者のジオルガノポリシロキサンが0.5〜1.5モルの範囲内であることが好ましい。特に、高分子量の有機ケイ素重合体を調製できることから、このモル数がほぼ1.0であることが好ましい。
ケイ素原子結合水素原子含有ジオルガノポリシロキサンとケイ素原子結合アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンのヒドロシリル化反応には、通常、(E)ヒドロシリル化反応用触媒が使用される。このヒドロシリル化反応用触媒は付加重合を促進して、シロキサン結合とシルアルキレン結合を有する有機ケイ素重合体を調製するための触媒である。具体的には、白金系触媒,ロジウム系触媒,パラジウム系触媒が例示され、付加重合を著しく促進できることから白金系触媒が好ましい。この白金系触媒としては、微粒子状白金,白金担持シリカ微粉末,白金担持活性炭,塩化白金酸,塩化白金酸のアルコール溶液,白金−アルケニルシロキサン錯体,白金−オレフィン錯体,白金−カルボニル錯体が例示され、特に、白金−アルケニルシロキサン錯体が好ましい。このアルケニルシロキサンとしては、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン,1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン,これらのアルケニルシロキサンのメチル基の一部がエチル基,フェニル基等で置換されたアルケニルシロキサン、これらのアルケニルシロキサンのビニル基がアリル基,ヘキセニル基等で置換されたアルケニルシロキサンが例示される。これらの中でも、白金−アルケニルシロキサン錯体としての安定性が良好であることから、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが好ましい。
(B)炭素原子数が16〜20の長鎖アルコールのオキシエチレン付加物は本発明の特徴的な成分であり、乳化剤として作用する。この(B)成分は本発明エマルジョンの安定性を向上させるだけでなく、他の成分に配合した際の分散性や安定性をも向上させ、しかも環境や人体に対する負荷が小さいという利点を有する。このような(B)成分としては分岐型アルコールのオキシエチレン付加物が好ましく、式:
Figure 2008088441
(式中、RおよびRはそれぞれ、炭素原子数2〜16の直鎖状アルキル基である。)で示されるポリエーテルが挙げられる。具体的には、式:
Figure 2008088441
で表されるポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテル,式:
Figure 2008088441
で表されるポリオキシエチレンイソステアリルエーテル,式:
Figure 2008088441
で表されるポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテルが例示される。これらの中でも、ポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテルが好ましい。式中のn、即ち、エチレンオキサイド(E.O)の付加モル数は限定されないが、好ましくは2〜40であり、さらに好ましくは2〜30である。これは、炭素原子数およびエチレンオキサイドの付加モル数がこの範囲から外れると、エマルジョンの安定性が低下することがあるためである。また、平均HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)は10以上であることが好ましい。尚、本発明でいうHLBとは、下記式で示されるGriffin式で算出された値を言う。
Figure 2008088441
(B)成分は1種類のオキシエチレン付加物を単独で使用してもよく、2種以上の混合物でもよい。例えば、エチレンオキサイドの付加モル数が2〜10モルのオキシエチレン付加物と、エチレンオキサイドの付加モル数が15〜30モルのオキシエチレン付加物を混合して平均HLBが10以上になるように調整した混合物が挙げられる。両者の配合量は、前者のオキシエチレン付加物10重量部に対して後者のオキシエチレン付加物1〜100重量部であることが好ましい。このようなオキシエチレン付加物は市販されており、市場から容易に入手することができる。例えば、日光ケミカルズ株式会社製の商品名:NIKKOL BH−2,NIKKOL BH−5,NIKKOL BH−7,NIKKOL BH−10,NIKKOL BH−15,NIKKOL BH−20,NIKKOL BH−25,NIKKOL BH−30や、日本エマルジョン株式会社製の商品名:EMALEX 1605,EMALEX 1610,EMALEX 1615,EMALEX 1620,EMALEX 1625,EMALEX 1805,EMALEX 1810,EMALEX 1815,EMALEX 1820,EMALEX 1825,EMALEX OD−5,EMALEX OD−10,EMALEX OD−16,EMALEX OD−20,EMALEX OD−25がある。
また(B)成分には、分岐のない長鎖アルコールのオキシエチレン付加物を使用することもできる。長鎖アルコールの炭化水素基は、飽和炭化水素基でも不飽和結合を含有する炭化水素基でもよい。このような分岐のない長鎖アルコールのオキシエチレン付加物としては、例えば、日光ケミカルズ株式会社製の商品名:NIKKOL BS−2,NIKKOL BS−4,NIKKOL BS−20、NIKKOL BO−2,NIKKOL BO−7,NIKKOL BO−10,NIKKOL BO−15,NIKKOL BO−20,NIKKOL BO−50が挙げられる。
(C)水は(A)成分の分散媒であり、例えば、純水、イオン交換水を用いることができる。
上記各成分の配合量は限定されないが、本発明エマルジョン中の有機ケイ素重合体粒子は10〜90重量%の範囲であることが好ましく、30〜80重量%であることがより好ましい。また、(B)成分の比率は0.05〜10重量%の範囲であることが好ましく、0.2〜5重量%であることがより好ましい。これは、有機ケイ素重合体粒子が10重量%未満では配合時の効率が低下し、90重量%を越えるとエマルジョンが高粘度になりすぎることがあるためである。また、(B)成分が0.05重量%未満ではその効果が発現しにくく、10重量%を越えると乳化に関与しない成分が残存することがあるためである。
本発明エマルジョンは本質的に、上記(A)成分もしくは(D)成分、(B)成分および(C)成分からなるが、その他任意の成分として、例えば、エタノール,i−プロパノール,t−ブタノール,エチレングリコール,プロピレングリコール,ジエチレングリコール等のアルコール;カルボキシビニルポリマー,カルボキシメチルセルロースナトリウム等の水溶性高分子;防腐剤,防カビ剤,防錆剤,抗菌剤,芳香剤,顔料を含有してもよい。さらに、他の成分への配合安定性をさらに向上させるために、本発明の目的を損なわない範囲内であれば、アニオン系界面活性剤,カチオン系界面活性剤,両性界面活性剤,(B)成分以外のノニオン系界面活性剤を添加配合してもよい。これらの成分は、単独あるいは複数組み合わせて使用しても良い。またその配合手順は特に限定されない。
このような本発明エマルジョンは、予めヒドロシリル化反応により有機ケイ素重合体を合成し、次いでこれを(B)長鎖アルコールのオキシエチレン付加物により水中に乳化する方法により調製することができる。しかしながら該有機ケイ素重合体が高粘度である場合には、乳化工程が煩雑になり、粒子系が増大し、多量の界面活性剤が必要となるため、上記のジオルガノポリシロキサンを水中に乳化してからヒドロシリル化反応させる方法が好ましい。例えば、(a-1)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合水素原子を有するジオルガノポリシロキサンと(a-2)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンと(B)長鎖アルコールのオキシエチレン付加物と、必要に応じて(a-3)分子鎖片末端のみにケイ素原子結合水素原子もしくはケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンと、(C)水とを混合して平均粒径0.1〜500μmのエマルジョンを調製し、次いで(E)ヒドロシリル化反応用触媒を加えて付加重合して、平均粒径0.1〜500μmの有機ケイ素重合体エマルジョンを調製する方法が挙げられる。
ジオルガノポリシロキサンの乳化方法としては、上記(a-1)成分と(a-2)成分と(B)成分の混合物または、上記(a-1)成分と(a-2)成分と(a-3)成分と(B)成分の混合物を、ホモミキサー,パドルミキサー,ヘンシェルミキサー,ホモディスパー,コロイドミル,プロペラ攪拌機,ホモジナイザー,インライン式連続乳化機,超音波乳化機,真空式練合機等の公知の撹拌・混合装置により水中に分散させる方法が挙げられる。またこのとき、それぞれのジオルガノポリシロキサンを上記の撹拌・混合装置により水中に分散させて各エマルジョンを調製した後、これらを混合してもよい。尚、使用される(E)ヒドロシリル化反応用触媒には、白金−アルケニルシロキサン錯体を主成分とする液状触媒を水中に乳化したエマルジョンを用いることが好ましい。このエマルジョンにおいて、この液体粒子状に分散している液状触媒の体積平均粒径、即ち、体積粒径分布における平均粒径は1μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましく、0.5μm以下であることがさらに好ましい。ヒドロシリル化反応用触媒の添加量は限定されないが、付加重合反応を効率よく促進できることから、上記のジオルガノポリシロキサンの合計重量に対して白金金属の重量が0.1〜1,000ppmとなる量であればよく、0.1〜500ppmとなる量が好ましく、1〜50ppmとなる量がより好ましい。付加重合は静置しておけば進行するが、反応を促進するために100℃以下で加熱してもよい。特に70℃以下に加熱することが好ましい。
以上のような本発明の有機ケイ素重合体エマルジョンは保存安定性に優れ、しかも安全性が高く、環境に対する負荷や人体に対する問題が少ないという特徴を有する。加えて化粧料や塗料等に対する分散性が良好であり、これら配合物への有機ケイ素重合体の添加効果を十分に発揮できるという利点を有する。また、本発明エマルジョン中の有機ケイ素重合体は表面張力が低く、酸やアルカリ等のイオン性物質による分子鎖の切断が生じにくいので、耐酸性または耐アルカリ性のエマルジョンとして利用することができる。このような本発明エマルジョンは塗料や化粧料等の添加剤や有機樹脂成形用離型剤として有用であり、特に、化粧料原料や塗料原料に好適である。
本発明エマルジョンが適用される化粧料としては、毛髪,皮膚,粘膜,歯に使用される各種化粧料が挙げられる。例えば、スキンクリーム,スキンケアローション,保湿剤,ざ瘡又は皺の除去等のフェイシャルトリートメント,パーソナル及びフェイシャル洗顔剤,バスオイル,香料,香水,オーデコロン,香粉,日焼け止め剤,プレシェイブ及びアフターシェイブローション,ひげ剃り用石鹸,ヘアーシャンプー,ヘアーコンディショナー,ヘアースプレー,ムース,パーマネント,除毛剤,キューティクルコーティング剤などに添加すると、その潤滑性や泡の特性が向上する。また、メーキャップ,着色化粧品,ファンデーション,頬紅,口紅,アイライナー,マスカラ,油除去剤,着色化粧品除去剤およびパウダーにおいて本発明エマルジョンは、顔料用のレベリング剤および展着剤として作用する。同様に、ビタミン,有機系日焼け止め剤,セラミド,医薬品等の油溶性及び水溶性物質にも使用される。また本発明エマルジョンを、スティック状,ジェル状,ローションエアゾール状,ロールオン状の化粧料に配合した場合には、これらに乾燥した絹の様な滑らかさを付与する。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。実施例中の粘度は25℃における値であり、水中に乳化した白金−アルケニルシロキサン錯体を主成分とする液状触媒の体積粒径分布、有機ケイ素重合体エマルジョンの安定性、有機ケイ素重合体粒子の平均粒径、有機ケイ素重合体の粘度と分子量は以下の方法に従って測定した。尚、実施例で使用したポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテルは、式:
Figure 2008088441
で表されるものであり、C13、C17ともに直鎖状である。
○水中に乳化した液状触媒の体積粒径分布
水中に乳化した白金−アルケニルシロキサン錯体を主成分とする液状触媒の体積粒径分布における体積平均粒径および粒径1μm以下の触媒の含有率(体積%)を、レーザー散乱式サブミクロン粒子分析装置(コールターエレクトロニクス社製のCOULTER N4型)により求めた。
○有機ケイ素重合体エマルジョンの安定性
有機ケイ素重合体エマルジョンを225mlのガラス瓶(深さ105mm、口径50mm)に180ml入れ、密閉した状態で室温で1週間、2週間および3週間静置した。静置後の有機ケイ素重合体エマルジョンの外観を観察してビン底部に分離した水層の厚さを測定し、この厚さが5mm未満である場合を○印、この厚さが5mm以上で15mm未満である場合を△印、この厚さが15mm以上である場合を×印と表した。
○有機ケイ素重合体粒子の平均粒径
有機ケイ素重合体エマルジョンをレ−ザ−回折式粒度分布測定器(堀場製作所製のLA−500)により測定したメジアン径(累積分布の50%に相当する粒径)から、有機ケイ素重合体粒子の平均粒径を求めた。
○有機ケイ素重合体の粘度および分子量
有機ケイ素重合体エマルジョンを室温下、ドラフト中で1週間風乾して水分が除去されたことを重量減少により確認した有機ケイ素重合体の粘度を、Digital Viscometer(トキメック社製のDV−U−EII型粘度計)で、0.5rpm、5分、25℃の条件で測定した。また、この有機ケイ素重合体をトルエンに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフによりトップピークのポリスチレン換算の重量平均分子量を測定した。
[実施例1]
粘度400mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.48重量%)57.1重量部、粘度130mPa・sの分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.025重量%)42.9重量部を混合し、次いでこれに、ポリオキシエチレン(エチレンオキサイドの付加モル数=10)ヘキシルデシルエーテル(日光ケミカルズ株式会社製のNIKKOL BH−10)とポリオキシエチレン(エチレンオキサイドの付加モル数=25)ヘキシルデシルエーテル(日光ケミカルズ株式会社製のNIKKOL BH−25)との混合物(前者と後者のポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテルの混合比率は2:3,HLB=15.3 )の1.7重量%水溶液30重量部を加えてコロイドミルにより乳化した後、純水25重量部を加えてエマルジョンを調製した。次に、このエマルジョンとは別に調製した、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン溶液からなる液状触媒エマルジョン(液状触媒の体積平均粒径=0.05μm、1μm以下の触媒の比率=95重量%、白金金属濃度=0.04重量%)を、上記のエマルジョン中のジオルガノポリシロキサンの合計重量に対して白金金属量が20ppmとなる量添加して均一に混合した。このエマルジョンを室温で1日間静置することにより付加重合させて、シロキサン結合とシルエチレン結合を有する有機ケイ素重合体エマルジョンを調製した。
得られた有機ケイ素重合体エマルジョンの安定性、有機ケイ素重合体粒子の平均粒径および有機ケイ素重合体の粘度と分子量を測定して、これらを表1に示した。
[比較例1]
粘度400mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.48重量%)57.1重量部、粘度130mPa・sの分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.025重量%)42.9重量部を混合し、次いでこれに、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=13.1,PRTR法では第1種指定化学物質)の1.7重量%水溶液30重量部を加えてコロイドミルにより乳化した後、純水25重量部を加えてエマルジョンを調製した。次に、このエマルジョンとは別に調製した、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン溶液からなる液状触媒エマルジョン(液状触媒の体積平均粒径=0.05μm、1μm以下の触媒の比率=95重量%、白金金属濃度=0.04重量%)を、上記のエマルジョン中のジオルガノポリシロキサンの合計重量に対して白金金属量が20ppmとなる量添加して均一に混合した。このエマルジョンを室温で1日間静置することにより付加重合させて、シロキサン結合とシルエチレン結合を有する有機ケイ素重合体エマルジョンを調製した。
得られた有機ケイ素重合体エマルジョンの安定性、有機ケイ素重合体粒子の平均粒径および有機ケイ素重合体の粘度と分子量を測定して、これらを表1に示した。
[実施例2]
粘度400mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.48重量%)89.1重量部、粘度10mPa・sの分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.15重量%)10.9重量部を混合し、次いでこれに、ポリオキシエチレン(エチレンオキサイドの付加モル数=10)ヘキシルデシルエーテル(日光ケミカルズ株式会社製のNIKKOL BH−10)とポリオキシエチレン(エチレンオキサイドの付加モル数=25)ヘキシルデシルエーテル(日光ケミカルズ株式会社製のNIKKOL BH−25)の混合物(前者と後者のポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテルの混合比率は2:3,HLB= 15.3 )の1.7重量%水溶液30重量部を加えてコロイドミルにより乳化した後、純水25重量部を加えてエマルジョンを調製した。次に、このエマルジョンとは別に調製した、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン溶液からなる液状触媒のエマルジョン(液状触媒の体積平均粒径=0.20μm、粒径1μm以下の触媒の比率=80重量%、白金金属濃度=0.04重量%)を、上記のエマルジョン中のジオルガノポリシロキサンの合計重量に対して白金金属量が20ppmとなる量添加して均一に混合した。このエマルジョンを室温で1日間静置することにより付加重合させて、シロキサン結合とシルエチレン結合を有する有機ケイ素重合体エマルジョンを調製した。
得られた有機ケイ素重合体エマルジョンの安定性、有機ケイ素重合体粒子の平均粒径および有機ケイ素重合体の粘度と分子量を測定して、これらを表1に示した。
[比較例2]
粘度400mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.48重量%)89.1重量部、粘度10mPa・sの分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.15重量%)10.9重量部を混合し、次いでこれに、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=13.1,PRTR法では第1種指定化学物質)の1.7重量%水溶液30重量部を加えてコロイドミルにより乳化した後、純水25重量部を加えてエマルジョンを調製した。次に、このエマルジョンとは別に調製した、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン溶液からなる液状触媒のエマルジョン(液状触媒の体積平均粒径=0.20μm、粒径1μm以下の触媒の比率=80重量%、白金金属濃度=0.04重量%)を、上記のエマルジョン中のジオルガノポリシロキサンの合計重量に対して白金金属量が20ppmとなる量添加して均一に混合した。このエマルジョンを室温で1日間静置することにより付加重合させて、シロキサン結合とシルエチレン結合を有する有機ケイ素重合体エマルジョンを調製した。
得られた有機ケイ素重合体エマルジョンの安定性、有機ケイ素重合体粒子の平均粒径および有機ケイ素重合体の粘度と分子量を測定して、これらを表1に示した。
[実施例3]
粘度400mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.48重量%)60.8重量部、粘度130mPa・sの分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.025重量%)39.0重量部、粘度20mPa・sの分子鎖片末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖され、他方の分子鎖末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.054重量%)1.0重量部を混合し、次いでこれに、ポリオキシエチレン(エチレンオキサイドの付加モル数=10)ヘキシルデシルエーテル(日光ケミカルズ株式会社製のNIKKOL BH−10)とポリオキシエチレン(エチレンオキサイドの付加モル数=25)ヘキシルデシルエーテル(日光ケミカルズ株式会社製のNIKKOL BH−25)の混合物(前者と後者のポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテルの混合比率は2:3,HLB=15.3)の1.7重量%水溶液30重量部を加えてコロイドミルにより乳化した後、純水25重量部を加えてエマルジョンを調製した。次に、このエマルジョンとは別に調製した、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン溶液からなる液状触媒エマルジョン(液状触媒の体積平均粒径=0.05μm、1μm以下の触媒の比率=95重量%、白金金属濃度=0.04重量%)を、上記のエマルジョン中のジオルガノポリシロキサンの合計重量に対して白金金属量が20ppmとなる量添加して均一に混合した。このエマルジョンを室温で1日間静置することにより付加重合させて、シロキサン結合とシルエチレン結合を有する有機ケイ素重合体エマルジョンを調製した。
得られた有機ケイ素重合体エマルジョンの安定性、有機ケイ素重合体粒子の平均粒径および有機ケイ素重合体の粘度と分子量を測定して、これらを表1に示した。
[比較例3]
粘度400mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.48重量%)60.8重量部、粘度130mPa・sの分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.025重量%)39.0重量部、粘度20mPa・sの分子鎖片末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖され、他方の分子鎖末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.054重量%)1.0重量部を混合し、次いでこれに、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=13.1,PRTR法では第1種指定化学物質)の1.7重量%水溶液30重量部を加えてコロイドミルにより乳化した後、純水25重量部を加えてエマルジョンを調製した。次に、このエマルジョンとは別に調製した、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン溶液からなる液状触媒エマルジョン(液状触媒の体積平均粒径=0.05μm、1μm以下の触媒の比率=95重量%、白金金属濃度=0.04重量%)を、上記のエマルジョン中のジオルガノポリシロキサンの合計重量に対して白金金属量が20ppmとなる量添加して均一に混合した。このエマルジョンを室温で1日間静置することにより付加重合させて、シロキサン結合とシルエチレン結合を有する有機ケイ素重合体エマルジョンを調製した。
得られた有機ケイ素重合体エマルジョンの安定性、有機ケイ素重合体粒子の平均粒径および有機ケイ素重合体の粘度と分子量を測定して、これらを表1に示した。
[実施例4]
粘度400mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.48重量%)57重量部、粘度130mPa・sの分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.025重量%)42重量部、粘度20mPa・sの分子鎖片末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、他方の分子鎖末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=1.43重量%)1.0重量部を混合し、次いでこれに、ポリオキシエチレン(エチレンオキサイドの付加モル数=10)ヘキシルデシルエーテル(日光ケミカルズ株式会社製のNIKKOL BH−10)とポリオキシエチレン(エチレンオキサイドの付加モル数=25)ヘキシルデシルエーテル(日光ケミカルズ株式会社製のNIKKOL BH−25)の混合物(前者と後者のポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテルの混合比率は2:3,HLB=15.3)の1.7重量%水溶液30重量部を加えてコロイドミルにより乳化した後、純水25重量部を加えてエマルジョンを調製した。次に、このエマルジョンとは別に調製した、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン溶液からなる液状触媒エマルジョン(液状触媒の体積平均粒径=0.05μm、1μm以下の触媒の比率=95重量%、白金金属濃度=0.04重量%)を、上記のエマルジョン中のジオルガノポリシロキサンの合計重量に対して白金金属量が20ppmとなる量添加して均一に混合した。このエマルジョンを室温で1日間静置することにより付加重合させて、シロキサン結合とシルエチレン結合を有する有機ケイ素重合体エマルジョンを調製した。
得られた有機ケイ素重合体エマルジョンの安定性、有機ケイ素重合体粒子の平均粒径および有機ケイ素重合体の粘度と分子量を測定して、これらを表1に示した。
[比較例4]
粘度400mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.48重量%)57重量部、粘度130mPa・sの分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.025重量%)42重量部、粘度20mPa・sの分子鎖片末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、他方の分子鎖末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=1.43重量%)1.0重量部を混合し、次いでこれに、4重量%−ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=13.1,PRTR法では第1種指定化学物質)水溶液30重量部を加えてコロイドミルにより乳化した後、純水20重量部を加えてエマルジョンを調製した。次に、このエマルジョンとは別に調製した、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン溶液からなる液状触媒エマルジョン(液状触媒の体積平均粒径=0.05μm、1μm以下の触媒の比率=95重量%、白金金属濃度=0.04重量%)を、上記のエマルジョン中のジオルガノポリシロキサンの合計重量に対して白金金属量が20ppmとなる量添加して均一に混合した。このエマルジョンを室温で1日間静置することにより付加重合させて、シロキサン結合とシルエチレン結合を有する有機ケイ素重合体エマルジョンを調製した。
得られた有機ケイ素重合体エマルジョンの安定性、有機ケイ素重合体粒子の平均粒径および有機ケイ素重合体の粘度と分子量を測定して、これらを表1に示した。
Figure 2008088441

Claims (7)

  1. (A)(a-1)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合水素原子を有するジオルガノポリシロキサンと、(a-2)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンをヒドロシリル化反応させて得られる、平均粒径0.1〜500μmの有機ケイ素重合体粒子、(B)炭素原子数が16〜20の長鎖アルコールのオキシエチレン付加物および(C)水を主成分とすることを特徴とする、有機ケイ素重合体エマルジョン。
  2. (D)(a-1)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合水素原子を有するジオルガノポリシロキサンと、(a-2)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンと、(a-3)分子鎖片末端のみにケイ素原子結合水素原子もしくはケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンをヒドロシリル化反応させて得られる、平均粒径0.1〜500μmの有機ケイ素重合体粒子、(B)炭素原子数が16〜20の長鎖アルコールのオキシエチレン付加物および(C)水を主成分とすることを特徴とする、有機ケイ素重合体エマルジョン。
  3. (B)成分が分岐型アルコールのオキシエチレン付加物である請求項1または請求項2に記載の有機ケイ素重合体エマルジョン。
  4. (B)成分のHLBが10以上である請求項1〜請求項3に記載の有機ケイ素重合体エマルジョン。
  5. (a-1)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合水素原子を有するジオルガノポリシロキサンと、(a-2)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンとを、(B)炭素原子数が16〜20の長鎖アルコールのオキシエチレン付加物により水中に乳化した状態で、(E)ヒドロシリル化反応用触媒の存在下に付加重合させることを特徴とする、請求項1に記載の有機ケイ素重合体エマルジョンの製造方法。
  6. (a-1)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合水素原子を有するジオルガノポリシロキサンと、(a-2)分子鎖両末端のみにケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンと、(a-3)分子鎖片末端のみにケイ素原子結合水素原子もしくはケイ素原子結合アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンとを、(B)炭素原子数が16〜20の長鎖アルコールのオキシエチレン付加物により水中に乳化した状態で、(E)ヒドロシリル化反応用触媒の存在下に付加重合させることを特徴とする、請求項2に記載の有機ケイ素重合体エマルジョンの製造方法。
  7. (E)ヒドロシリル化反応用触媒が、白金−アルケニルシロキサン錯体を主成分とする液状触媒を水中に乳化したエマルジョンである、請求項5または請求項6に記載の有機ケイ素重合体エマルジョンの製造方法。
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