JP2008075688A - 車両の動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速時等に生じる加速度の引けを、低速回転時における回転変動を助長することなく抑制する。
【解決手段】エンジン11の出力側に遊星ギアユニット21を設け、リングギア211、ピニオンギア212及びサンギア213のいずれかをこのユニット21の入力軸に接続し、それ以外のギアのいずれかを出力軸に接続する。遊星ギアユニット21には、遊星ギアを構成する3つのギア211〜213のうち少なくとも2つを連結可能に構成されたクラッチ215と、入力軸又は出力軸が接続された2つのギアを除く第3のギアの回転を規制するためのブレーキ214とを設け、更にこの第3のギアに対し、所定の慣性モーメントを生じさせる回転質量体216を結合させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の動力伝達装置に関し、詳細には、エンジンに対して作用する慣性抵抗により変速時等に生じる加速度の引けを、アイドリング時等における低速回転の安定性を損なうことなく抑制するための技術に関する。
車両に搭載される動力伝達装置として、自動変速機を採用した次のようなものが知られている。
すなわち、駆動源として内燃エンジンを備え、このエンジンのクランクシャフトを、トルクコンバータを介して自動変速機(ここでは、自動変速機のうち、特にその変速要素としての部分をいうものとして使用する。)に接続し、エンジンにより発生させた駆動力をこの自動変速機により所定の変速比で駆動輪に伝達させるようにしたものである。トルクコンバータと自動変速機との間に、多板クラッチとして構成されるフォワードクラッチが介装され、このフォワードクラッチにより、トルクコンバータの出力軸と、自動変速機の入力軸とが断接される。自動変速機としては、遊星ギア式に代表される種々の多段自動変速機のほか、ベルトドライブ式等の無段変速機が知られている。このような動力伝達装置において、エンジンにより発生された駆動力は、トルクコンバータ、フォワードクラッチ、自動変速機、ファイナルギア及びドライブシャフト等を介して駆動輪に伝達され、車両を推進させる(特許文献1)。
特開2004−003425号公報(段落番号0011)
ところで、トルクコンバータには、一般的にロックアップクラッチと呼ばれる直結クラッチが内蔵されている。このトルクコンバータの滑りによる伝達ロスを回避するため、エンジンの回転変動が比較的に小さい高速巡航時において、このロックアップクラッチを締結させることにより、クランクシャフトと、自動変速機の入力軸とを直結させて、トルクコンバータの滑りをなくし、伝達効率を向上させることとしている。
しかしながら、ロックアップクラッチを締結させた状態からの加速に際し、この締結状態を保持したまま自動変速機による変速(すなわち、ダウンシフト)がなされると、クランクシャフト、トルクコンバータ及びフォワードクラッチが一体で回転していることから、エンジンに対して作用する慣性抵抗が大きいため、エンジン回転を速やかに上昇させることができず、車両が一時的に減速する現象(以下、この現象を「引け」という。)が生じて、運転性を損なわせるという問題がある。これに対し、クランクシャフト等の回転要素の重量を削減し、慣性抵抗を低減させたとすれば、エンジン回転の上昇自体は円滑なものとなる。しかしながら、重量の削減には自ずと限界があるし、更にこの場合においては、アイドリング時等における低速回転が安定しなくなるという別の問題がある。
本発明は、以上のような問題を考慮したものであり、変速時等に生じる加速度の引けを、低速回転時における回転変動を助長することなく抑制することのできる車両の動力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車両の動力伝達装置は、エンジンを駆動源とするものであり、このエンジンの出力側に配設され、入力軸がエンジンのクランクシャフトに、出力軸が車両の駆動輪に接続された遊星ギアユニットを備える。この遊星ギアユニットは、リングギア、ピニオンギア及びサンギアを有するものであり、入力軸がこれらのギアのいずれかに接続されるとともに、出力軸がこれらのギアのうち入力軸が接続されたもの以外のギアのいずれかに接続される。また、遊星ギアユニットは、ハウジングと、リングギア、ピニオンギア及びサンギアの3つのギアのうち少なくとも2つを連結可能に構成されたクラッチと、これらのギアのうち入力軸又は出力軸が接続された2つのギアを除く第3のギアのハウジングに対する回転を規制するためのブレーキとを有し、更にこの第3のギアに結合された所定の慣性モーメントを生じさせる回転質量体を備える。
本発明によれば、駆動力の伝達効率が求められる条件において、遊星ギアユニットのクラッチを締結させることにより、リングギア、ピニオンギア及びサンギアを一体で回転させ、駆動輪に対し、遊星ギアユニットによる伝達ロスをなくして、駆動力を効率よく伝達させることができる。一方、アクセル操作等に対してダウンシフトを行わせる場合は、クラッチを解放させることにより、エンジンに対する慣性抵抗を低減させて、エンジン回転の円滑な上昇を担保することができる。また、入力軸又は出力軸が接続されたギア以外の第3のギアに回転質量体を備えさせたことで、変速時にこの回転質量体が保持する慣性エネルギを利用して、エンジンに対して作用する慣性抵抗を相殺し、エンジン回転の上昇をより迅速なものとし、変速時における加速度の引けを抑制することができる。なお、クラッチを締結させることにより、回転質量体を含む回転要素全体としての慣性質量が確保されるので、低速回転時における回転変動を助長させることも回避される。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両の動力伝達装置1の構成を示している。本実施形態において、動力伝達装置1は、自動変速機としての無段変速機を備え、この無段変速機に、アイドルニュートラル制御のためのフォワードクラッチを備えている。本実施形態では、無段変速機としてベルトドライブ式のものを採用するが、トロイダル式のものを採用してもよく、また、無段変速機に代えて遊星ギア式等の各種の有段自動変速機を採用することも可能である。
本実施形態に係る動力伝達装置1は、駆動源である内燃エンジン(以下、単に「エンジン」という。)11のクランクシャフトを、発進要素としてのトルクコンバータ31を介して自動変速機41に接続して構成される。自動変速機41には、多板クラッチとして構成されるフォワードクラッチ411が設けられている。このフォワードクラッチ411は、ニュートラル及びドライブのレンジを切り換えるための手段として備えられるものであり、これによりトルクコンバータ31の出力軸と、自動変速機41の入力軸(ここでは、次の入力側プーリ412の回転軸)とが断接される。フォワードクラッチ411を解放させた状態で、エンジン11からの駆動力の自動変速機41に対する伝達が遮断され、自動変速機41がニュートラルレンジに設定される。また、自動変速機41には、入力側プーリ412及び出力側プーリ413、ならびにこれらのプーリ412,413の間に巻き掛けられた金属ベルト414が設けられており、入力側及び出力側でのプーリ比を変化させることにより、この自動変速機41による変速比が決定される。自動変速機41には、更にファイナルギア415が設けられており、これによりプーリ412,413による変速後の駆動力が最終的に減速される。このような構成の動力伝達装置1において、エンジン11により発生された駆動力は、トルクコンバータ31(及び後述する遊星ギアユニット21)を介して自動変速機41に伝達され、自動変速機41により所定の変速比に変換された後、ファイナルギア415、ディファレンシャルギア51及びドライブシャフト61,61を介して左右の駆動輪71,71に伝達される。
ここで、本実施形態では、エンジン11とトルクコンバータ31との間に遊星ギアユニット21を介装し、この遊星ギアユニット21に設けられるクラッチ215を車両の走行条件に応じて選択的に断接することにより、自動変速機41によるダウンシフト時に、この車両に生じる加速度の引けを抑制することとしている。なお、本実施形態において、遊星ギアユニット21は、主変速要素としての自動変速機41とは別に、動力伝達装置1の副変速要素として位置付けられるものであり、シングルキャリアタイプの遊星ギアを備えている。
遊星ギアユニット21には、リングギア211、ピニオンギア212及びサンギア213が備えられており、これらのうちリングギア211がエンジン11のクランクシャフトに、ピニオンギア212(詳細には、複数のピニオンギアを連結するキャリア221)がトルクコンバータ31の入力軸に接続されている。残るサンギア213がワンウェイクラッチ214を介して遊星ギアユニット21のハウジング231に接続されることにより、サンギア213のハウジング231に対する相対的な回転が規制され、エンジン11のクランクシャフトと、トルクコンバータ31の入力軸とがリングギア211及びピニオンギア212を介して減速状態で連結されている。また、遊星ギアユニット21には、リングギア211とサンギア213とを連結可能に構成されたクラッチ215(これにより、3つのギア211〜213を一体に回転させることができる。)が備えられるとともに、サンギア213に対し、これと同軸に所定の慣性質量の回転質量体216が結合されている。本実施形態において、回転質量体216は、円盤状に形成され、これが生じる慣性モーメントIwが、エンジン11側の回転要素が生じる慣性モーメントIと釣り合うように調整されており、その慣性質量mは、この遊星ギアユニット21のリングギア211及びピニオンギア212を介する減速比をaとして、次式(1)で表されるように、(a−1)×mとほぼ等しく設定されている。なお、次式(1)において、エンジン11側の回転要素の慣性質量をmとする。
≒(a−1)×m ・・・(1)
本実施形態において、回転質量体216が結合されたサンギア213の相対回転を規制するワンウェイクラッチ214は、「第3のギア」に対して設けられるブレーキとしての機能をなすものである。このようなブレーキとしては、ワンウェイクラッチ214のほか、多板ブレーキ等の各種のブレーキを採用することが可能である。また、本実施形態に係る遊星ギアを構成する3つのギア211〜213は、シングルキャリアタイプの遊星ギアとして通常設けられるものと同様の構成であってよい。
クラッチ215の締結及び解放は、ATコントロールユニット201により制御される。このATコントロールユニット201は、本発明に係る「コントロールユニット」に相当するものであり、後述する各種のセンサにより検出される車両の走行条件に基づいて所定の演算を実行し、クラッチ215を作動させるための油圧アクチュエータ(図示せず。)に対して指令信号を出力する。
ATコントロールユニット201には、自動変速機41による変速制御、ならびにクラッチ215の締結及び解放のため、車両の走行速度VSPを検出する車速センサ205からの信号、インヒビタースイッチ206からの信号、及び変速機作動油の温度TFを検出する油温センサ207からの信号等が入力されるとともに、エンジンコントロールユニット101からアクセル開度APO及びエンジン回転数NEが入力される。ATコントロールユニット201は、入力した車速VSP及びアクセル開度APOに基づいて、図2に示す傾向のマップデータを参照し、アクセル開度APOが車速VSPに応じた所定の値APO1以上である領域Rにあるときに、クラッチ215を解放させるための指令信号を出力する。また、ATコントロールユニット201は、クラッチ215の油圧アクチュエータのほか、自動変速機31の入力側プーリ412、出力側プーリ413及びフォワードクラッチ411、ならびにトルクコンバータ31のロックアップクラッチ311の各油圧アクチュエータに対して指令信号を出力する。ATコントロールユニット201は、車速VSP及びアクセル開度APOに基づいて、自動変速機41を走行条件に応じた所定の変速段に設定する一方、アイドリング時にフォワードクラッチ411を解放させるアイドルニュートラル制御、及び高速巡航時にロックアップクラッチ311を締結させるロックアップ制御を実行する。エンジンコントロールユニット101は、エンジン11を制御するものであり、アクセルペダルの操作量(すなわち、アクセル開度)を検出するアクセルセンサ105からの信号、クランク角センサ106からの単位クランク角又は基準クランク角毎の信号、及びエンジン冷却水の温度TWを検出する水温センサ107からの信号等を入力し、エンジン制御に関する所定の演算を実行する。なお、アクセル開度APOは、エンジン11に対する要求負荷として一般的に採用される指標である。クラッチ215の解放は、アクセル開度APOによるほか、たとえば、ATコントロールユニット201により、自動変速機41に対するダウンシフト指令に応答して行わせてもよい。
次に、本実施形態に係る動力伝達装置1の動作について、図3に示すタイムチャートにより説明する。
図3は、所定の車速VSP1以上の高速域(図2)での定常走行からのアクセル操作により加速した場合における車両の加速度αの変化を示すタイムチャートである。本実施形態に係る遊星ギアユニット21(以下「形態1」という。)による場合を実線Aで、回転質量体216の慣性質量mを本実施形態におけるよりも小さく(m<(a−1)×m)設定したもの(以下「形態2」という。)による場合を点線Bで、慣性質量mを本実施形態におけるよりも大きく(m>(a−1)×m)設定したもの(以下「形態3」という。)による場合を二点鎖線Cで示すとともに、遊星ギアユニット21を持たない一般的な動力伝達装置による場合を、比較例として実線Zで示している。なお、比較例において、自動変速機及びトルクコンバータについて本実施形態におけると同様の変速制御、ならびにロックアップ制御がなされるものとする。
まず、一般的な動力伝達装置による場合に、加速度αは、アクセルペダルが踏み込まれた時刻t0から遅れをもって上昇することとなるが、この遅れの過程のなかで、図中に斜線で示すように一時的に負の値を示している。この加速度αの引けと呼ばれる現象は、アクセル操作に伴う自動変速機41のダウンシフトに対し、走行条件としては制御上のロックアップ領域を逸脱せず、ロックアップクラッチ311を締結させた状態が保持されることから、エンジン11に対して作用する慣性抵抗が大きく、エンジン回転が速やかに上昇しないことによるものである。
これに対し、形態1による場合は、アクセルペダルが踏み込まれることにより、(ロックアップ領域を逸脱せず、ロックアップクラッチ311を締結させた状態が保持される条件にあったとしても)走行条件が図2に示すマップデータ上の領域Rに入り、遊星ギアユニット21のクラッチ215が解放される。これにより、形態1においては、ダウンシフトに対してエンジン11がトルクコンバータ31等、下流の回転要素から分離されることとなるため、実線Aで示すように、加速度αの上昇にアクセル操作に対する遅れが残るものの、比較例に見られるような引けが生じておらず、加速度αは、α=0から負の値をとることなく、滑らかに上昇する。
他方、形態2による場合は、アクセルペダルの踏み込みを開始した時刻t0の後、早い時間のうちに加速度αが上昇して、目標加速度αに到達している。しかしながら、形態2においては、引けが助長されるとともに、アクセル操作直後の加速度αに急激な低下を来している。これは、回転質量体216の慣性質量mを形態1のものと比べて大幅に減少させたことによるものである。慣性質量mの調整により、若干の引けが残るものの、加速性との両立を図ることができる。
また、形態3による場合は、形態1による場合と同様に、加速度αの引けを完全に抑制することができる。しかしながら、形態3においては、回転質量体216の慣性質量mを過度に増大させたことにより、アクセル操作直後の加速度αに急激な上昇を来して、加速度αに突き出しを生じさせるとともに、加速度αがアクセル操作後の目標加速度α1に到達するまでの時間が延長されている。
以上に説明したように、本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
第1に、高速巡航時等、駆動力の高い伝達効率が求められる走行条件において、遊星ギアユニット21のクラッチ215を締結させることにより、リングギア211、ピニオンギア212及びサンギア213を一体で回転させ、遊星ギアユニット21による伝達ロスをなくすことができる。
第2に、アクセル操作等によりダウンシフトがなされる場合は、クラッチ215を解放させることにより、エンジン11を下流の回転要素から分離させ、エンジン回転の円滑な上昇を担保することができる。
第3に、「第3のギア」としてのサンギア213に、慣性質量mを調整した回転質量体216を備えさせたことで、ダウンシフト時にこの回転質量体216が保持する慣性エネルギにより、エンジン11に対する慣性抵抗を相殺し、加速度αの引けを良好に抑制することができる。これを共線図により説明すると、次のようである。
図4は、遊星ギアユニット21におけるリングギア211(R)、ピニオンギア212(キャリアCとして示す。)及びサンギア213(S)の回転速度の関係を、クラッチ215の締結時及び解放時について示している。締結時のものを点線L0で、解放時のものを実線L1で示している。
図4において、クラッチ215を締結させた状態では、リングギアR、キャリアC及びサンギアSが一体で回転するため、これらの回転速度は、点線L0で示すように一致する。アクセル操作によりクラッチ215が解放されると、これらの回転速度は、遊星ギアユニット21の入力軸及び出力軸、ならびにハウジング231との結合関係により決定されることとなるが、本実施形態では、入力側と出力側とが減速状態で連結されていることから、出力軸に接続されたキャリアCに対し、入力軸に接続されたリングギアRの回転速度が増大する一方、ハウジング231に接続されたサンギアSの回転速度が減少することとなる。ここで、キャリアCの回転速度は、下流の回転要素が生じさせる慣性抵抗の作用により減少する傾向にあるが、回転質量体216が慣性エネルギを保持しており、これがキャリアCの運動エネルギに変換されることにより、二点鎖線L2で示すように、回転速度の低下が抑制され、加速度αの引けが抑制される。
第4に、クラッチ215を締結させることにより、回転質量体216を含む回転要素全体としての慣性質量が確保され、回転変動が抑制されるので、アイドリングを安定させることができる。
以上では、リングギア211を入力側に、ピニオンギア212を出力側に設定することにより、遊星ギアユニット21の入力軸と出力軸とを減速状態で連結する場合について説明した。本発明は、これに限定されるものではなく、たとえば、変更例として、サンギア213を入力側に、ピニオンギア212を出力側に設定するとともに、リングギア211を、ワンウェイクラッチ等のブレーキを介してハウジング231に接続するようにしてもよい。また、別の変更例として、遊星ギアユニット21をデュアルキャリアタイプとし、サンギア213を入力側に、リングギア211を出力側に設定することとしてもよい。この場合においては、ピニオンギア212に回転質量体216を結合し、ピニオンギア212を、ブレーキを介してハウジング231に接続する。前者の例によれば、回転質量体216が回転軸から遠いリングギア211に結合されるため、慣性質量を抑えた比較的に小型の回転質量体216により、引けを抑制するのに充分な慣性モーメントを生じさせることができる。また、前者の例によれば、遊星ギアユニット21による変速比が2よりも大きな値でしかとれないところ、後者の例によれば、回転質量体216と回転軸との距離を確保して、遊星ギアユニット21の重量を抑えつつ、2よりも小さい変速比を実現することができる。
また、以上では、内容の理解を容易なものとするため、引けの現象が顕著となる加速に伴うダウンシフト時について説明したが、本発明は、これに限らず、自動変速機41等の主変速要素の入力側における回転速度を、低速回転時における回転変動を助長させるという弊害を伴うことなく、滑らかに上昇させることを可能とするものである点で、運転性の向上に広く貢献し得る。
なお、トルクコンバータ31は、動力伝達装置1に必ずしも必要とされるものではない。
また、以上で使用した「トルクコンバータ」には、ステータを持たない、いわゆるフルードカップリングが含まれる。
本発明の一実施形態に係る車両の動力伝達装置の構成 同上実施形態に係るクラッチの締結領域 定常走行からのアクセル操作により加速した場合における加速度αの変化を示すタイムチャート クラッチの締結又は解放時における各ギアの回転速度の関係を示す共線図
符号の説明
1…動力伝達装置、11…エンジン、21…遊星ギアユニット、211…リングギア、212…ピニオンギア、213…サンギア、214…ワンウェイクラッチ、215…クラッチ、216…回転質量体、221…キャリア、231…ハウジング、31…トルクコンバータ、311…ロックアップクラッチ、41…自動変速機、411…フォワードクラッチ、412…入力側プーリ、413…出力側プーリ、414…金属ベルト、415…ファイナルギア、51…ディファレンシャル、61…ドライブシャフト、71…駆動輪、101…エンジンコントロールユニット、201…ATコントロールユニット。

Claims (9)

  1. 車両の駆動源であるエンジンと、
    エンジンの出力側に配設され、入力軸がエンジンのクランクシャフトに、出力軸が車両の駆動輪に接続された遊星ギアユニットと、含んで構成され、
    前記遊星ギアユニットは、前記入力軸が遊星ギアのリングギア、ピニオンギア又はサンギアのいずれかに接続されるとともに、前記出力軸がこれらのギアのうち前記入力軸が接続されたもの以外のギアのいずれかに接続され、
    また、前記遊星ギアユニットは、
    ハウジングと、
    リングギア、ピニオンギア及びサンギアの前記3つのギアのうち少なくとも2つを連結可能に構成されたクラッチと、
    前記3つのギアのうち前記入力軸又は前記出力軸が接続された2つのギアを除く第3のギアの前記ハウジングに対する回転を規制するためのブレーキと、
    この第3のギアに結合された所定の慣性モーメントを生じさせる回転質量体と、を含んで構成される車両の動力伝達装置。
  2. 前記入力軸及び前記出力軸が、リングギア、ピニオンギア又はサンギアに対し、エンジンからの駆動力に対して減速した出力が得られる関係で接続された請求項1に記載の車両の動力伝達装置。
  3. 前記遊星ギアユニットによる変速比をaとし、前記エンジン側の回転要素の慣性質量をmとした場合に、前記回転質量体は、その慣性質量が(a−1)×mにほぼ等しいか、又はこれよりも大きい請求項2に記載の車両の動力伝達装置。
  4. 前記遊星ギアユニットをこの車両の副変速要素として、これとは別に、エンジンのクランクシャフトと駆動輪との間における変速比を決定するための主変速要素として備えられた自動変速機を更に含んで構成される請求項1〜3のいずれかに記載の車両の動力伝達装置。
  5. 車両の走行条件を検出するための手段と、
    この手段により検出された車両の走行条件に基づいて前記クラッチの締結及び解放を制御するコントロールユニットと、を更に含んで構成される請求項1〜4のいずれかに記載の車両の動力伝達装置。
  6. 前記検出手段は、車両の走行条件として、前記エンジンに対する要求負荷を検出し、
    前記コントロールユニットは、検出された要求負荷が所定の負荷よりも大きいときに、前記クラッチを解放させる請求項5に記載の車両の動力伝達装置。
  7. 前記遊星ギアユニット以外の変速要素として自動変速機を備えるものにおいて、
    前記コントロールユニットは、前記自動変速機に対するダウンシフト要求に応答して、前記クラッチを解放させる請求項5又は6に記載の車両の動力伝達装置。
  8. 前記遊星ギアユニットが前記エンジンと、トルクコンバータとの間に配設された請求項1〜7のいずれかに記載の車両の動力伝達装置。
  9. 前記遊星ギアユニットが前記エンジンと、フォワードクラッチとの間に配設された請求項1〜8のいずれかに記載の車両の動力伝達装置。
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