JP2008070810A - 帯電装置、プロセスユニット及び画像形成装置 - Google Patents

帯電装置、プロセスユニット及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】転写残トナー中の逆帯電トナーや低帯電トナーによる画質劣化の発生をより長期間に渡って抑えることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体と、感光体に潜像を書き込む光書込ユニットと、感光体上の潜像をトナーによって現像する現像装置と、光書込ユニットによって潜像が書き込まれる前の感光体に当接させた自らの表面を無端移動せしめながら、感光体の表面を一様帯電せしめる帯電ブラシローラ、及びこれによって一様帯電せしめられる前の感光体に当接する帯電前当接シート10Yを有する帯電装置とを備える画像形成装置において、帯電前当接シート10Yとして、感光体に当接する面の当接領域に、感光体の表面移動方向における当接領域の上流端Saから延びて当接領域における下流端Sb又は側端scに通じる複数の溝dtを設けたもの、を用いた。
【選択図】図3

Description

本発明は、潜像担持体に当接させた帯電部材の表面を無端移動せしめながら、潜像担持体の表面を一様帯電せしめる帯電装置、並びにこれを用いるプロセスユニット及び画像形成装置に関するものである。
一般に、電子写真方式の画像形成装置においては、次のようなプロセスで画像を形成する。即ち、まず、帯電装置によって一様帯電せしめた感光体等の潜像担持体に対して露光走査などを施して静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置によって現像する。次いで、現像によって得られたトナー像を、潜像担持体上から転写紙等の記録体に直接転写するか、あるいは中間転写体を介して記録部材に転写する。かかる画像形成装置の帯電装置としては、潜像担持体との当接によって帯電ニップを形成している帯電ローラや帯電ブラシローラなどの帯電部材に帯電バイアスを供給することで、帯電部材と潜像担持体との間に放電を生起せしめるものが知られている。
このような帯電装置を用いる画像形成装置においては、転写工程を経た後の潜像担持体表面に付着している転写残トナーを、潜像担持体の表面移動に伴って帯電ニップに進入させることがある。転写残トナー中には、正規極性とは逆極性に帯電してしまった逆帯電トナーや、正規極性に僅かに帯電している低帯電量トナーが比較的多く含まれている。そして、帯電ニップ内に進入した転写残トナー中の逆帯電トナーは、トナーの正規極性とは逆極性の電圧成分を含む帯電バイアスが印加される帯電部材に静電吸着する。このようにして逆帯電トナーが帯電部材上に蓄積していくと、やがて潜像担持体の局所的な帯電不良による画質劣化が発生してしまう。また、帯電ニップに進入した転写残トナー中の低帯電量トナーは、帯電ニップを通過した後、現像装置と潜像担持体とが対向している現像領域まで再搬送される。このとき、再搬送された低帯電量トナーが潜像担持体における非画像部上に位置していると、現像装置内に良好に回収されずに、そのまま非画像部上に残って地汚れを引き起こしてしまう。
一方、特許文献1には、次のような画像形成装置が記載されている。即ち、潜像担持体の周面のうち、転写工程を通過した後で且つ帯電ニップに進入する前の箇所に対して、帯電前当接部材を当接させながら、この帯電前当接部材にトナーの正規極性と同極性の直流電圧を印加する画像形成装置である。かかる構成では、転写残トナー中の逆帯電トナーを帯電ニップに進入させるのに先立って、帯電前当接部材と潜像担持体との間で正規極性に帯電せしめることで、帯電部材に逆帯電トナーを蓄積させることに起因する画質劣化の発生を抑えることができる。また、転写残トナー中の低帯電量トナーを帯電前当接部材と潜像担持体との間で正規極性に十分に帯電せしめる。これにより、低帯電量トナーを現像領域に再搬送してしまうことによる地汚れの発生を抑えることができる。
特開2005−62737号公報
ところが、この画像形成装置では、帯電前当接部材と潜像担持体との当接部よりも潜像担持体表面移動方向上流側で、帯電前当接部材によって堰き止められた転写残トナーを滞留させる。そして、滞留させたトナーを帯電前当接部材における潜像担持体との当接面の入口付近に徐々に固着させていく。このようにしてトナーが固着すると、その固着箇所で放電不良を引き起こして、逆帯電トナーを正規極性に帯電せしめることができなくなる。そして、その固着箇所に対応する帯電部材箇所に逆帯電トナーを集中的に蓄積させたり、その固着箇所に対応する潜像担持体箇所に付着している低帯電量トナーを十分に帯電させることができなくなったりして、画質劣化を引き起こしてしまう。このように、特許文献1に記載の画像形成装置では、帯電前当接部材によって堰き止めたトナーを帯電前当接部材に固着させてしまうことで、逆帯電トナーや低帯電トナーによる画質劣化の発生を長期間に渡って安定して抑えることができなかった。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、次のような帯電装置、並びにこれを用いるプロセスユニット及び画像形成装置を提供することである。即ち、転写残トナー中の逆帯電トナーや低帯電トナーによる画質劣化の発生をより長期間に渡って抑えることができる帯電装置等である。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像をトナーによって現像する現像手段と、該潜像形成手段によって潜像が形成される前の該潜像担持体に当接させた自らの表面を無端移動せしめながら、該潜像担持体の表面を一様帯電せしめる帯電部材、及び該帯電部材によって一様帯電せしめられる前の該潜像担持体に当接する帯電前当接部材を有する帯電装置と、該帯電部材に帯電バイアスを供給する帯電バイアス供給手段と、該帯電前当接部材に帯電前バイアスを供給する帯電前バイアス供給手段とを備える画像形成装置に用いられる該帯電装置において、上記帯電前当接部材として、上記潜像担持体に当接する面の当接領域に、該潜像担持体の表面移動方向における該当接領域の上流端から延びて該当接領域における該上流端とは異なる端部に通じる溝を設けたもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の帯電装置において、上記帯電前当接部材として、上記溝を互いに平行な方向に延在させて複数設けたもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の帯電装置において、上記表面移動方向に直交する方向と、上記溝の延在方向との交差によってなす角度を、45[°]以上、90[°]以下にしたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の帯電装置において、上記角度を60[°]以上にしたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかの帯電装置において、上記溝の深さを0.5[μm]以上にしたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかの帯電装置において、上記帯電前当接部材として、体積固有抵抗率が10[Ω・cm]以上、10[Ω・cm]以下であるもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかの帯電装置において、上記帯電前当接部材として、上記当接領域における表面抵抗が10[Ω/cm]以上、10[Ω/cm]以下であるもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像をトナーによって現像する現像手段と、該潜像形成手段によって潜像が形成される前の該潜像担持体を一様帯電せしめる帯電手段とを備える画像形成装置に用いられ、少なくとも該潜像担持体と該帯電手段とを共通の保持体に保持しながら画像形成装置本体に対して1つのユニットとして一体的に着脱されるプロセスユニットにおいて、上記帯電手段として、請求項1乃至7の何れかの帯電装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像をトナーによって現像する現像手段と、該潜像形成手段によって潜像が形成される前の該潜像担持体に当接させた自らの表面を無端移動せしめながら、該潜像担持体の表面を一様帯電せしめる帯電部材、及び該帯電部材によって一様帯電せしめられる前の該潜像担持体に当接する帯電前当接部材を有する帯電手段と、該帯電部材に帯電バイアスを供給する帯電バイアス供給手段と、該帯電前当接部材に帯電前バイアスを供給する帯電前バイアス供給手段とを備える画像形成装置において、上記帯電手段として、請求項1乃至7の何れかの帯電装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の画像形成装置において、上記帯電前当接部材の上記溝の深さを、上記トナーの平均粒径の6[%]以上にしたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、上記溝の深さを、上記トナーの平均粒径の12[%]以上にしたことを特徴とするものである。
これらの発明では、帯電前当接部材における潜像担持体との当接領域に設けられた溝が帯電前当接部材と潜像担持体との間に隙間を形成しながら、その延在方向の一端側を潜像担持体の表面移動方向上流側に向けて開口させている。そして、当接領域よりも潜像担持体の表面移動方向上流側で堰き止めたトナーを、その開口から溝内に受け入れた後、潜像担持体の表面移動に伴って溝の延在方向に移動させながら溝の反対側の端から抜け出させる。このような溝内でのトナーの移動により、帯電前当接部材によって堰き止めたトナーに対して当接領域を速やかにすり抜けさせることで、当接領域よりも上流側でのトナーの滞留量を減らす。これにより、帯電前当接部材に対するトナーの固着を抑えることで、転写残トナーの中の逆帯電トナーや低帯電トナーによる画質劣化の発生をより長期間に渡って抑えることができる。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のカラーレーザープリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタの要部を示す概略構成図である。このプリンタは、イエロー,マゼンダ,シアン,ブラック(以下、Y,M,C,Kと記す)の各色のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kを備えている。また、光書込ユニット50、レジストローラ対54、転写ユニット60等も備えている。各符号の末尾に付された添字Y,M,C,Kは、それぞれイエロー,マゼンダ,シアン,ブラック用の部材であることを示す。
潜像形成手段たる光書込ユニット50は、Y,M,C,Kの各色に対応する4つのレーザーダイオードからなる光源、正六面体のポリゴンミラー、これを回転駆動するためのポリゴンモータ、fθレンズ、レンズ、反射ミラー等を有している。レーザーダイオードから射出されたレーザー光Lは、ポリゴンミラーの何れか1つの面で反射してポリゴンミラーの回転に伴って偏向せしめられながら、後述する4つの感光体のうちの何れかに到達する。4つのレーザーダイオードからそれぞれ射出されるレーザー光Lにより、4つの感光体の表面がそれぞれ光走査される。
プロセスユニット1Y,M,C,Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体3Y,M,C,K、これらにそれぞれ個別に対応する現像装置40Y,M,C,Kなどを有している。感光体3Y,M,C,Kは、図示しない駆動手段によって所定の線速で図中時計回り方向に回転駆動せしめられる。そして、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報に基づいて変調されたレーザー光Lを発する光書込ユニット50により、暗中にて光走査されて、Y,M,C,K用の静電潜像を担持する。
図2は、4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kのうち、Y用のプロセスユニット1Yを転写ユニット(図1の60)の中間転写ベルト61とともに示す拡大構成図である。同図において、Y用のプロセスユニット1Yは、感光体3Y、帯電ブラシローラ4Y、図示しない除電ランプ、現像手段たる現像装置40Y等を、1つのユニットとして共通のユニットケーシング(保持体)に保持させて、プリンタ本体に対して着脱可能にしたものである。
被帯電体であり且つ潜像担持体であるY用の感光体3Yは、アルミニウム素管からなる導電性基体の表面に、負帯電性の有機光光導電物質(OPC)からなる感光層が被覆された直径24[mm]程度のドラムであり、図示しない駆動手段によって所定の線速で図中時計回り方向に回転駆動せしめられる。これにより、感光体3Yの表面は、後述する1次転写ニップ(中間転写ベルト61との当接位置)、クリーニング位置(クリーニングブレード21Yとの当接位置)、帯電前ニップ(帯電前当接シート10Yとの当接位置)、帯電ニップ(帯電ブラシローラ4Yとの当接位置)、光書込位置、現像領域を順次通過する。
帯電部材としての帯電ブラシローラ4Yは、図示しない軸受けによって回転可能に受けられる金属製の回転軸部材5Yと、これの表面に立設せしめられた複数の導電性の植毛繊維6Yとを有している。そして、回転軸部材5Yを中心にして図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動されながら、それぞれの植毛繊維6Yの先端側を感光体3Yに摺擦させる。金属製の回転軸部材5Yには、図示しない電源や配線等からなる帯電バイアス供給装置が接続されており、これによって重畳電圧(交流電圧に直流電圧を重畳)からなる帯電バイアスが印加される。帯電ブラシローラ4Yの複数の植毛繊維6Yからなるブラシと、感光体3Yとが当接する帯電ニップやその近傍では、各植毛繊維6Yと感光体3Yとの間に放電が発生して、感光体3Yの表面を例えば負極性に一様帯電せしめる。
後述するクリーニング位置(クリーニングブレード21Yとの当接位置)を通過した後の感光体3Y表面は、帯電ニップで一様帯電せしめられるのに先立って、帯電前当接シート10Yとの当接位置である帯電前ニップに進入する。導電性シートからなる帯電前当接シート10Yは、片持ち支持されており、その自由端を固定端よりも感光体3Y表面移動方向下流側に向けながら、自由端側を一様帯電前の感光体3Yに当接している。かかる構成の帯電前当接シート10Yには、図示しない電源や配線等からなる帯電前バイアス供給手段により、トナーの帯電極性と同極性(感光体の帯電極性や帯電バイアスの直流成分の極性に対しても同極性となる)の直流電圧からなる帯電前バイアスが供給される。帯電前ニップに進入した転写残トナー中の逆帯電トナーは、帯電前当接シート10Yと感光体3Yとの間の放電、あるいは帯電前当接シート10Yからの電荷注入により、正規極性であるマイナス極性に十分に帯電せしめられる。また、帯電前ニップに進入した転写残トナー中の低帯電量トナーも、放電あるいは電荷注入によってマイナス極性に十分に帯電せしめられる。これにより、転写残トナー中の逆帯電トナーや低帯電量トナーによる画質劣化が抑えられる。
本プリンタでは、帯電ブラシローラ4Y、これを回転可能に支持する図示しない軸受け等により、感光体3Yの周面を一様帯電せしめる帯電装置が構成されている。
帯電ニップで一様帯電せしめられたY用の感光体3Yの表面には、上述した光書込ユニット(50)による光走査でY用の静電潜像が形成され、この静電潜像はY用の現像装置40YによってYトナー像に現像される。
Y用の現像装置40Yは、ケーシング41Yに設けられた開口から周面の一部を露出させる現像ローラ42Yを有している。この現像ローラ42Yは、その長手方向の両端からそれぞれ突出している軸が図示しない軸受けによってそれぞれ回転自在に支持されている。ケーシング41Yには、Yトナーが内包されており、回転駆動されるアジテータ43Yによって図中右側から左側へと搬送される。アジテータ43Yの図中左側方には、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動されるトナー供給ローラ44Yが配設されている。このトナー供給ローラ44Yのローラ部はスポンジ等の弾性発泡体からなり、アジテータ43Yから送られてくるYトナーを良好に捕捉する。このようにして捕捉されたYトナーは、トナー供給ローラ44Yと現像ローラ42Yとの当接部で現像ローラ42Yに供給される。そして、現像剤担持体たる現像ローラ42Y内の表面に担持されたYトナーは、現像ローラ42Yの図中反時計回り方向の回転駆動に伴って規制ブレード45Yとの接触位置を通過する際にその層厚が規制されたり、摩擦帯電が促されたりした後、感光体3Yと対向する現像領域に搬送される。
この現像領域では、図示しない電源から出力される負極性の現像バイアスが印加される現像ローラ42Yと、感光体3Yの静電潜像との間に、負極性のYトナーを現像ローラ42Y側から潜像側に静電移動させる現像ポテンシャルが作用する。また、現像ローラ42Yと感光体3Yの一様帯電箇所(地肌部)との間に、負極性のYトナーを地肌部側から現像ローラ42Y側に静電移動させる非現像ポテンシャルが作用する。現像ローラ42Y上のYトナーは、現像ポテンシャルの作用によって現像ローラ42Y上から離脱して感光体3Yの静電潜像上に転移する。この転移により、感光体3Y上の静電潜像がYトナー像に現像される。
なお、本プリンタでは、現像剤としてYトナーを主成分とする一成分現像剤を用いる一成分現像方式を現像装置40Yに採用しているが、Yトナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤を用いる二成分現像方式を採用してもよい。
現像領域で現像されたYトナー像は、感光体3Yの回転に伴って感光体3Yと中間転写ベルト61とが当接するY用の1次転写ニップまで搬送され、ここで中間転写ベルト61上に中間転写される。この1次転写ニップを通過した後の感光体3Y表面には、中間転写ベルト61上に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、クリーニングブレード21Yを感光体3Yに当接させているドラムクリーニング装置20Yによって感光体3Y表面から除去される。そして、ドラムクリーニング装置20Yで回転駆動される回収スクリュウ22Yの回転に伴って図紙面に直交する方向に搬送されながら、ドラムクリーニング装置20Y外に排出される。排出された転写残トナーは、図示しない廃トナーボトル内に収容される。
Y用のプロセスユニット1Yについて説明してきたが、他色用のプロセスユニット1M,C,KはY用のプロセスユニット1Yと同様の構成になっているので説明を省略する。
先に示した図1において、各色のプロセスユニット1Y,M,C,Kの下方には、転写ユニット60が配設されている。この転写ユニット60は、無端状の中間転写ベルト61を、複数の張架ローラによって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動せしめる。複数の張架ローラとは、具体的には、従動ローラ62、駆動ローラ63、4つの1次転写バイアスローラ66Y,M,C,K等のことである。
従動ローラ62、1次転写バイアスローラ66Y〜K、駆動ローラ63は、何れも中間転写ベルト61の裏面(ループ内周面)に接触している。そして、4つの1次転写バイアスローラ66Y,M,C,Kは、金属製の芯金にスポンジ等の弾性体が被覆されたローラであり、それぞれY,M,C,K用の感光体3Y,M,C,Kに向けて押圧されて、中間転写ベルト61を挟み込んでいる。これにより、4つの感光体3Y,M,C,Kと中間転写ベルト61のおもて面とがベルト移動方向において所定の長さで接触するY,M,C,K用の4つの1次転写ニップが形成されている。
4つの1次転写バイアスローラ66Y,M,C,Kの芯金には、それぞれ図示しない転写バイアス電源によって定電流制御される1次転写バイアスが印加されている。これにより、4つの1次転写バイアスローラ66Y,M,C,Kを介して中間転写ベルト61の裏面に転写電荷が付与され、各1次転写ニップにおいて中間転写ベルト61と感光体3Y,M,C,Kとの間に転写電界が形成される。なお、本プリンタにおいては、1次転写手段として1次転写バイアスローラ66Y,M,C,Kを設けているが、ローラに代えて、ブラシやブレード等のものを用いてもよい。また、転写チャージャーなどを用いてもよい。
各色の感光体3Y,M,C,K上に形成されたY,M,C,Kトナー像は、各色の1次転写ニップで中間転写ベルト61上に重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト61上には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト61における駆動ローラ63に対する掛け回し箇所には、2次転写バイアスローラ67がベルトおもて面側から当接しており、これによって2次転写ニップが形成されている。この2次転写バイアスローラ67には、図示しない電源や配線からなる電圧印加手段によって2次転写バイアスが印加されている。これにより、2次転写バイアスローラ67と接地された2次転写ニップ裏側ローラ64との間に2次転写電界が形成されている。中間転写ベルト61上に形成された4色トナー像は、ベルトの無端移動に伴って2次転写ニップに進入する。
本プリンタは、図示しない給紙カセットを備えており、その中に記録紙Pを複数枚重ねた記録紙束の状態で収容している。そして、一番上の記録紙Pを所定のタイミングで給紙路に送り出す。送り出された記録紙Pは、給紙路の末端に配設されたレジストローラ対54のレジストニップ内に挟み込まれる。
レジストローラ対54は、給紙カセットから送られてきた記録紙Pをレジストニップに挟み込むために両ローラを回転駆動させているが、記録紙Pの先端を挟み込むとすぐに両ローラの回転駆動を停止させる。そして、記録紙Pを中間転写ベルト61上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに向けて送り出す。2次転写ニップでは、中間転写ベルト61上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の作用によって記録紙P上に一括2次転写されて、記録紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。
このようにしてフルカラー画像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップから排出された後、図示しない定着装置に送られてフルカラー画像が定着せしめられる。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト61表面に付着している2次転写残トナーは、ベルトクリーニング装置68によってベルト表面から除去される。
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
図3は、帯電前当接シート10Yを感光体との当接面側から示す拡大平面図である。同図における2点鎖線は感光体3Yを示しており、実際にはこの感光体3Yは実線で示される帯電前当接シート10Yよりも図中手前側に位置している。また、矢印Aは、感光体3Yの帯電前当接シート10Yとの当接部における表面移動方向を示している。また、一点鎖線L1は、感光体3Yの軸線方向を示しており、これは図示のように当接部における感光体3Yの表面移動方向と直交する方向である。
帯電前当接シート10Yにおける感光体3Yとの当接面には、互いに平行な方向に延在する複数の溝dtが設けられている。これらの溝dtは、帯電前当接シート10Yの感光体表面移動方向における上流端saから下流端sbに向けて斜めに延びている。殆どの溝dtは、上流端saを起点として下流端sbに通じているが、一部の溝dtは上流端saを起点として側端scに通じている。
図4は、互いに当接する帯電前当接シート10Yと感光体3Yとを示す部分拡大断面図である。この図は、感光体表面移動方向と直交する方向の破断面を示している。図示のように、帯電前当接シート10Yにおける感光体3Yとの当接面における殆どの領域は感光体3Yに当接しているが、溝dtが設けられている箇所には、帯電前当接シート10Yと感光体3Yとの間に隙間が形成されている。この隙間は、長さ方向の一端側が帯電前当接シート10Yと感光体3Yとの当接部よりも感光体表面移動方向上流側で開口している。帯電前当接シート10Yは、自らの上流端(図3のsa)で堰き止めたトナーを、その開口から溝dt内に受け入れる。そして、感光体3Yの表面移動に伴って溝dtの延在方向に移動させながら溝dtの反対側の端から抜け出させる。例えば、先に示した図3において、上流端saから下流端sbまで通じる溝dtの場合には、上流端saで溝内に受け入れたトナーを下流端sbから吐き出す。また、上流端saから側端scまで通じる溝dtの場合には、上流端saで溝内に受け入れたトナーを側端scから吐き出す。このような溝dt内でのトナーの移動により、帯電前当接シート10Yの上流端saで堰き止めたトナーに対して帯電前当接シート10Yと感光体3Yとの当接部を速やかにすり抜けさせることで、当接部よりも上流側でのトナーの滞留量を減らす。これにより、帯電前当接シート10Yに対するトナーの固着を抑えることで、転写残トナーの中の逆帯電トナーや低帯電トナーによる画質劣化の発生をより長期間に渡って抑えることができる。
なお、図3においては、感光体3Yに対してその表面移動方向と直交する方向の一部領域だけに帯電前当接シート10Yを当接させた例を示している。かかる構成では、帯電前当接シート10Yの感光体表面移動方向の両脇に、シートが当接しない感光体領域が発生する。そして、溝dt内のトナーを帯電前当接シート10Yの下流端sbに導く必要はなからずしもなく、その両脇の領域(図示の例では側端sc)に導いても、トナーを当接領域からすり抜けさせることが可能である。よって、図示のように、一部の溝dtを、上流端saから側端scに通じるものとしてもよい。これに対し、感光体3Yに対してその表面移動方向と直交する方向の全領域に対して帯電前当接シート10Yを当接させる場合には、上流端saで堰き止めたトナーの全てを下流端sbに導く必要がある。よって、この場合には、上流端saから延びる全ての溝dtを、下流端scまで延ばす必要がある。
また、帯電前当接シート10Yの当接面(感光体3Yと当接する側の面)の全領域に溝dtを形成した例を説明したが、必ずしも全領域に形成する必要はなく、当接面における実際に感光体3Yと当接する領域、即ち、当接領域だけに溝dtを形成してもよい。例えば、図5に示した帯電前当接シート10Yは、帯電前当接シート10Yにおける実際に感光体と当接する当接領域だけに溝dtを形成している。
先に示した図3において、θは、感光体表面移動方向に直交する方向(一点鎖線L1の延在方向)と、溝dtの延在方向との交差によってなす角度(以下、溝角度θという)を表している。この溝角度θを0[°]に設定すると、即ち、溝dtを感光体移動方向と直交する方向に延在させて形成すると、溝dtを上流端saから下流端sbや側端scまで通じさせることができなくなる。よって、溝角度θについては、0[°]よりも大きくする必要がある。なお、感光体表面移動方向に直交する方向と、溝dtの延在方向との交差によってなす角は実際には4つ発生し、それら角の2つずつは互いに対称角(角度が同じ)になる。このため、感光体表面移動方向に直交する方向と、溝dtの延在方向との交差によってなす角度は2通りある(90°の場合には4つの角が全て等しくなる)。溝角度θとは、これら2通りの角度のうち、小さい方の角度を表している。
Y用のプロセスユニット(1Y)における帯電前当接シート10Yについて説明したが、他色用のプロセスユニット(1M,C,K)における帯電前当接シートも、Y用のものと同様の構成になっている。
本発明者らは、先に図1に示した実施形態に係るプリンタと同様の構成の試験機を用意した。また、K用の帯電前当接シートとして、溝dtの深さ(以下、溝深さDという)や溝角度θを互いに異ならせた8種類のものを用意した。そして、試験機に搭載する帯電前当接シートをこれら8種類で順次交換しながら、各シートでそれぞれモノクロのハーフチャート(ハーフトーン階調画像)を4千枚のA4用紙に5[%]の画像面積率で連続プリントした(感光温度22〜25℃、環境湿度50〜70%)。次いで、それぞれの帯電前当接シートについて、4千枚目のプリント画像を拡大観察した結果に基づいて、帯電前当接シートの耐久性(耐トナー固着性)を評価した。具体的には、K用のプロセスユニット内において、帯電前当接シートへのKトナーの固着に起因して帯電ブラシローラの局所箇所(シートへのトナー固着に対応する箇所)にK逆帯電トナーが蓄積していくと、上述のハーフチャートに黒スジムラが発生することがわかっている。そこで、4千枚目のプリント画像における黒スジムラの発生本数を確認し、0本を○、1〜2本を△、3本以上を×と評価した。△以上であれば、従来の帯電前当接シートよりも格段に耐トナー固着性が向上していると言える。
帯電前当接シートや帯電ブラシローラの寿命到来を早める目的で、K用のプロセスユニット(1K)からドラムクリーニング装置を取り外した。これにより、試験機を、クリーナーレス方式とした。かかる構成では、感光体(3K)上の転写残トナーがクリーニングされることなく、その全量が帯電前当接ニップや帯電ニップに進入する。その後、現像装置(40K)の現像ローラに回収されるようになる。
(K)トナーとしては、平均粒径が8.5[μm]に調整された粉砕法によるトナーであって、外添剤を添加したものを用いた。
感光体(3K)としては、厚み3[μm]の下引き層、厚み0.2[μm]の電荷発生層、厚み23[μm]の電荷輸送層をドラム上に順次積層したものであって、静電容量が110[pF/cm]であるものを用いた。プリント中には、かかる構成の感光体を120[mm/sec]の線速で回転駆動した。
帯電ブラシローラとしては、直径5[mm]の回転軸部材上に導電性の植毛繊維を複数植毛してブラシ状に形成した外径(φ)11[mm]のものを使用した。
帯電ブラシローラに印加する帯電バイアスとしては、ピーク・ツウ・ピーク電圧Vpp1.0[kV]、印字時周波数300[Hz]、非印字時(紙間時)周波数10[Hz]、デューティー45[%]の交流電圧に、−500[V]の直流電圧Vdcを重畳したものを採用した。印字時の300[Hz]を紙間領域で10[Hz]に落とすことで、帯電ブラシローラに捕捉された転写残トナーを感光体に吐き出させることが可能になる。吐き出されたトナーは、上述したように、感光体上から現像ローラ上に回収される。但し、低帯電量トナーは回収され難い。また、周波数を10[Hz]に落としても、逆帯電トナーは帯電ブラシローラから吐き出されないため、帯電ブラシローラ上に徐々に蓄積していく。
帯電前当接シートとしては、ポリビニリデンフルオロエチレン(PVDF)に導電材としてのカーボン粉末を分散せしめた材料からなる厚み0.1[mm]の導電性シートを用いた。この導電性シートの体積抵抗は、10[Ω・cm]である。また、表面抵抗は10[Ω/□]である。
以上の実験の結果を次の表1に示す。
Figure 2008070810
表1に示すように、番号1〜5の帯電前当接シートは、従来の帯電前当接シートよりも格段に耐トナー固着性を向上させることができた。これに対し、番号6〜8の帯電前当接シートは、良好な耐トナー固着性を発揮することができなかた。これは次に説明する理由による。即ち、番号6の帯電前当接シートは、従来のものと同様に、感光体との当接面に溝を形成していなかった。つまり、帯電前当接シートが本発明の特徴的な構成である溝を有していなかったため、従来のものと同様にトナーを固着させてしまったのである。また、番号7の帯電前当接シートは、溝角度θが0[°]になっている。即ち、本発明とは異なり、帯電前当接シートの溝が、当接領域の上流端に通じていない。このため、上流端で堰き止めたトナーを溝内に受け入れることができずに、従来のものと同様にトナーを固着させてしまったのである。また、番号8の帯電前当接シートは、溝角度θが40[°]になっており、これは番号1〜5の帯電前当接シートよりも小さな値である。溝内に受け入れられたトナーは感光体表面移動に伴って溝延在方向に移動するため、感光体表面移動方向と溝の延在方向との差が大きくなるほど、即ち、溝角度θが小さくなるほど、溝内からのトナーの吐き出し性が低下する。番号1〜5と、番号8との比較から、溝角度θが40[°]以下では、溝内のトナーを良好に吐き出させることができなくなると考えられる。
図6は、実施形態に係るプリンタの第1変形例装置におけるY用のプロセスユニット1Yを示す拡大構成図である。この第1変形例装置では、帯電前当接シート10Yの当接面とは反対側の面に、モルトプレーンやスポンジ等の弾性材料からなる弾性部材10Yを押し当てて、帯電前当接シート10Yを感光体3Yに向けて押圧している。かかる構成では、片持ち支持した帯電前当接シート10Yの自由端側を感光体3Yに当接させる場合に比べて、帯電前当接シート10Yを強い圧力で感光体3Yに当接せしめて、シートと感光体との密着性を高めることができる。なお、他色用のプロセスユニット(1M,C,K)もY用のものと同様の構成になっている。
図7は、実施形態に係るプリンタの第2変形例装置においけるY用のプロセスユニット1Yを示す拡大構成図である。他色用のプロセスユニット(1M,C,K)もY用のものと同様の構成になっている。この第2変形例装置では、上述した試験機と同様に、いわゆるクリーナーレス方式を採用している。クレーナーレス方式とは、感光体3Yなどの潜像担持体上に付着している転写残トナーをクリーニング回収するための専用の手段を用いることなく潜像担持体上での画像形成プロセスを実行する方式のことである。また、クリーニング回収するための専用の手段とは、具体的には、転写残トナーを潜像担持体から分離した後、再び潜像担持体に付着させることなく、廃トナー容器まで搬送して回収したり、現像装置内に搬送してリサイクル回収したりする手段である。転写残トナーを潜像担持体から掻き取るクリーニングブレード(例えば図2の21Y)も、専用の手段に含まれる。
かかるクリーナーレス方式について詳述する。クリーナーレス方式は、大別すると、散らし通過型と、一時捕捉型と、併用型とがある。これらのうち、散らし通過型では、潜像担持体に摺擦するブラシ等の散らし部材を用いて、潜像担持体上の転写残トナーを引っ掻くことで、転写残トナーと潜像担持体との付着力を弱める。そして、その後、現像スリーブや現像ローラ等の現像部材と潜像担持体とが対向する現像領域、あるいはその直前において、潜像担持体上の転写残トナーを現像ローラなどの現像部材に静電転移させることで、現像装置内に回収する。この回収に先立って、転写残トナーは、潜像書込のための光書込位置を通過するが、転写残トナー量が比較的少量であれば、潜像書込に悪影響を及ぼすことはない。但し、正規極性とは逆極性に帯電している逆帯電トナーが転写残トナー中に含まれていると、それは現像部材上に回収されないので、地汚れなどを引き起こしてしまう。かかる逆帯電トナーによる地汚れの発生を抑える目的で、潜像担持体上の転写残トナーを正規極性に帯電せしめるためのトナー帯電手段を、転写位置(例えば1次転写ニップ)と散らし部材による散らし位置との間、あるいは散らし位置と現像領域との間、に設けることが望ましい。散らし部材としては、板金やユニットケーシング等に貼り付けられた導電性繊維からなる複数の植毛繊維を有する固定ブラシ、金属製の回転軸部材に複数の植毛繊維を立設せしめたブラシローラ、導電性のスポンジ等からなるローラ部を有するローラ部材などを用いることができる。固定ブラシは植毛繊維の量が比較的少量で構成できるため安価であるという利点があるが、潜像担持体を一様帯電せしめるための帯電部材として兼用する場合には、十分な帯電均一性を得ることができなくなる。これに対し、ブラシローラでは、十分な帯電均一性を得ることができるので好適である。
クリーナーレス方式における一時捕捉型では、表面を潜像担持体に接触させながら無端移動させる回転ブラシ部材などの捕捉部材によって、潜像担持体上の転写残トナーを一時的に捕捉する。そして、プリントジョブ終了後やプリントジョブ間の紙間タイミングなどにおいて、捕捉部材上の転写残トナーを吐き出させて潜像担持体に再転移させた後、現像ローラなどの現像部材に静電転移させて、現像装置内に回収する。上述した散らし通過型では、ベタ画像形成時やジャム発生後などといった転写残トナーがかなり多くなってしまう場合に現像部材への回収能力を超えて画像劣化を引き起こすおそれがあるのに対し、一時捕捉型では捕捉部材で捕捉した転写残トナーを現像部材に少しずつ回収してかかる画像劣化の発生を抑えることができる。
クリーナーレス方式における併用型では、散らし通過型と一時捕捉型とを併用する。具体的には、潜像担持体に接触する回転ブラシ部材などを、散らし部材及び捕捉部材として併用する。回転ブラシ部材等に直流電圧だけを印加することで回転ブラシ部材等を散らし部材として機能させる一方で、必要に応じてバイアスを直流電圧から重畳電圧に切り換えることで、回転ブラシ部材等を捕捉部材として機能させる。
本第2変形例装置では、一時捕捉型のクリーナーレス方式を採用している。具体的には、感光体3Yは、図中時計回り方向に所定の線速で回転駆動されながら中間転写ベルト61のおもて面に接触してY用の1次転写ニップを形成している。そして、植毛繊維6Yと感光体3Yとの間に放電を生じせしめて、感光体3Y表面をマイナス極性に一様帯電せしめる。同時に、感光体3Y上に付着している転写残トナーを前述の帯電バイアスの作用によって複数の植毛繊維6Yに転移させて一時的に捕捉する。そして、プリントジョブ終了後や紙間タイミングなどに、帯電バイアスを重畳電圧から直流電圧に切り換えて、植毛繊維6Y上に捕捉しておいた転写残トナーを感光体3Y上に再転移させた後、感光体3Y上から現像ローラ42Yを経て現像装置40Y内に回収する。
かかる構成の第2変形例装置では、帯電前ニップに進入する転写残トナーの量が専用のクリーニング手段を備える構成に比べて遙かに多くなるので、本発明が特に効果的である。
次に、実施形態に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した各実施例のプリンタについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、各実施例に係るプリンタの構成は実施形態と同様である。
[第1実施例]
本第1実施例に係るプリンタにおいては、感光体表面移動方向に直交する方向と、溝(dt)の延在方向との交差によってなす角度である溝角度θを、45[°]以上、90[°]以下にしている。かかる構成では、先に表1に示した番号1〜5と、番号9との比較からわかるように、溝角度θを小さく設定し過ぎることによる帯電前当接シートの耐トナー固着性の急激な悪化を回避することができる。
[第2実施例]
本第2実施例に係るプリンタにおいては、溝角度θを60[°]以上にしている。かかる構成では、溝角度θを60[°]よりも小さくする場合に比べて、帯電前当接シートの耐トナー固着性を向上させることができる。
[第3実施例]
溝深さDについては、先に表1に示した番号1と番号5との比較からわかるように、小さくし過ぎると、帯電前当接シートの耐トナー固着性を良好に向上させることができなくなる。そこで、第3実施例に係るプリンタでは、溝深さDを0.5[μm]以上にしている。かかる構成では、溝深さDを0.5[μm]未満にする場合に比べて、帯電前当接シートの耐トナー固着性を向上させることができる。
[第4実施例]
本第4実施例に係るプリンタにおいては、各色の帯電前当接シートとして、それぞれ、体積固有抵抗率が10[Ω・cm]以上、10[Ω・cm]以下であり、且つ、10[Ω/cm2]以上、10[Ω/cm2]以下であるもの、を用いている。本発明者らは、このような電気抵抗特性を発揮する帯電前当接シートを用いることで、電気抵抗が低すぎることによる帯電前当接シートから感光体への電流の著しいリークを回避しつつ、転写残トナーを確実に正規極性に帯電せしめ得ることを実験によって確かめた。
[第5実施例]
本第5実施例に係るプリンタでは、溝深さDをトナーの平均粒径の6[%]以上にしている。かかる構成では、溝深さDをトナーの平均粒径の6[%]未満にする場合に比べて、帯電前当接シートの耐トナー固着性を向上させることができる。
[第6実施例]
本第6実施例に係るプリンタでは、溝深さDをトナーの平均粒径の12[%]以上にしている。かかる構成では、表1の番号1〜5に示したように(実験で明らかになったように)、溝深さDが小さすぎることに起因して良好な耐トナー固着性が得られなくなるといった事態を確実に回避することができる。
これまで、複数のプロセスユニット1Y,M,C,Kによるトナー像を重ね合わせて転写することで多色トナー像を得るいわゆるタンデム方式のプリンタの例について説明したが、シングル方式で多色トナー像を形成する画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。このシングル方式とは、感光体等の潜像担持体の周りに各色用の複数の現像手段を配設し、使用する現像手段を順次切り換えながら潜像担持体上に形成した各色の可視像を中間転写体に順次重ね合わせて転写する方式である。また、単色画像だけを形成する画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。
以上、実施形態に係るプリンタにおいては、帯電前当接部材たる帯電前当接シートとして、溝dtを互いに平行な方向に延在させて複数設けたもの、を用いているので、溝dtを1つしか設けない場合に比べて、帯電前当接部材の耐トナー固着性を向上させることができる。
また、第1実施例に係るプリンタにおいては、潜像担持体たる感光体の表面移動方向に直交する方向と、溝dtの延在方向との交差によってなす角度である溝角度θを、45[°]以上、90[°]以下にしているので、上述したように、溝角度θを小さく設定し過ぎることによる帯電前当接シートの耐トナー固着性の急激な悪化を回避することができる。
また、第2実施例に係るプリンタにおいては、溝角度θを60[°]以上にしているので、溝角度θを60[°]よりも小さくする場合に比べて、帯電前当接シートの耐トナー固着性を向上させることができる。
また、第3実施例に係るプリンタにおいては、溝深さDを0.5[μm]以上にしているので、0.5[μm]未満にする場合に比べて、帯電前当接シートの耐トナー固着性を向上させることができる。
また、第4実施例に係るプリンタにおいては、帯電前当接シートとして、体積固有抵抗率が10[Ω・cm]以上、10[Ω・cm]以下であるもの、を用いているので、電気抵抗が低すぎることによる帯電前当接シートから感光体への電流の著しいリークを回避しつつ、転写残トナーを確実に正規極性に帯電せしめることができる。また、感光体との当接面の当接領域における表面抵抗が10[Ω/cm]以上、10[Ω/cm]以下であることによっても、電気抵抗が低すぎることによる帯電前当接シートから感光体への電流の著しいリークを回避しつつ、転写残トナーを確実に正規極性に帯電せしめることができる。
また、第5実施例に係るプリンタにおいては、溝深Dさを、トナーの平均粒径の6[%]以上にしているので、トナーの平均粒径の6[%]未満にする場合に比べて、帯電前当接シートの耐トナー固着性を向上させることができる。
また、第6実施例に係るプリンタにおいては、溝深さDをトナーの平均粒径の12[%]以上にしているので、トナーの平均粒径の6[%]未満にする場合に比べて、帯電前当接シートの耐トナー固着性を向上させることができる。
実施形態に係るプリンタの要部を示す概略構成図。 同プリンタのY用のプロセスユニットを中間転写ベルトとともに示す拡大構成図。 同プロセスユニットの帯電前当接シートを感光体との当接面側から示す拡大平面図。 互いに当接する同帯電前当接シートと同感光体とを示す部分拡大断面図。 感光体との当接領域だけに溝を設けた帯電前当接シートを示す拡大平面図。 第1変形例装置におけるY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。 第2変形例装置におけるY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。
符号の説明
1Y,M,C,K:プロセスユニット
3Y,M,C,K:感光体(潜像担持体)
4Y:帯電ブラシローラ(帯電部材)
5Y:回転軸部材
6Y:植毛繊維
10Y:帯電前当接シート(帯電前当接部材)
dt:溝
40Y,M,C,K:現像装置(現像手段)
50:光書込ユニット(潜像形成手段)
60:転写ユニット(転写手段)

Claims (11)

  1. 潜像を担持する潜像担持体と、
    該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、
    該潜像担持体上の潜像をトナーによって現像する現像手段と、
    該潜像形成手段によって潜像が形成される前の該潜像担持体に当接させた自らの表面を無端移動せしめながら、該潜像担持体の表面を一様帯電せしめる帯電部材、及び該帯電部材によって一様帯電せしめられる前の該潜像担持体に当接する帯電前当接部材を有する帯電装置と、
    該帯電部材に帯電バイアスを供給する帯電バイアス供給手段と、
    該帯電前当接部材に帯電前バイアスを供給する帯電前バイアス供給手段とを備える画像形成装置に用いられる該帯電装置において、
    上記帯電前当接部材として、上記潜像担持体に当接する面の当接領域に、該潜像担持体の表面移動方向における該当接領域の上流端から延びて該当接領域における該上流端とは異なる端部に通じる溝を設けたもの、を用いたことを特徴とする帯電装置。
  2. 請求項1の帯電装置において、
    上記帯電前当接部材として、上記溝を互いに平行な方向に延在させて複数設けたもの、を用いたことを特徴とする帯電装置。
  3. 請求項1又は2の帯電装置において、
    上記表面移動方向に直交する方向と、上記溝の延在方向との交差によってなす角度を、45[°]以上、90[°]以下にしたことを特徴とする帯電装置。
  4. 請求項3の帯電装置において、
    上記角度を60[°]以上にしたことを特徴とする帯電装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかの帯電装置において、
    上記溝の深さを0.5[μm]以上にしたことを特徴とする帯電装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかの帯電装置において、
    上記帯電前当接部材として、体積固有抵抗率が10[Ω・cm]以上、10[Ω・cm]以下であるもの、を用いたことを特徴とする帯電装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかの帯電装置において、
    上記帯電前当接部材として、上記当接領域における表面抵抗が10[Ω/cm]以上、10[Ω/cm]以下であるもの、を用いたことを特徴とする帯電装置。
  8. 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像をトナーによって現像する現像手段と、該潜像形成手段によって潜像が形成される前の該潜像担持体を一様帯電せしめる帯電手段とを備える画像形成装置に用いられ、少なくとも該潜像担持体と該帯電手段とを共通の保持体に保持しながら画像形成装置本体に対して1つのユニットとして一体的に着脱されるプロセスユニットにおいて、
    上記帯電手段として、請求項1乃至7の何れかの帯電装置を用いたことを特徴とするプロセスユニット。
  9. 潜像を担持する潜像担持体と、
    該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、
    該潜像担持体上の潜像をトナーによって現像する現像手段と、
    該潜像形成手段によって潜像が形成される前の該潜像担持体に当接させた自らの表面を無端移動せしめながら、該潜像担持体の表面を一様帯電せしめる帯電部材、及び該帯電部材によって一様帯電せしめられる前の該潜像担持体に当接する帯電前当接部材を有する帯電手段と、
    該帯電部材に帯電バイアスを供給する帯電バイアス供給手段と、
    該帯電前当接部材に帯電前バイアスを供給する帯電前バイアス供給手段とを備える画像形成装置において、
    上記帯電手段として、請求項1乃至7の何れかの帯電装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項9の画像形成装置において、
    上記帯電前当接部材の上記溝の深さを、上記トナーの平均粒径の6[%]以上にしたことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10の画像形成装置において、
    上記溝の深さを、上記トナーの平均粒径の12[%]以上にしたことを特徴とする画像形成装置。
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