以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における移動先表示装置100の全体構成を示すブロック図である。移動先表示装置100は、複数の移動先候補への到達確立に応じて各移動先候補に関する情報を表示制御する移動先表示装置であって、移動体端末(カーナビゲーション本体)101、位置情報検出部102および掲示部106を備える。図1において、102は移動体の現在位置を検出する位置情報検出部であり、GPSアンテナ等により構成される。掲示部106は、液晶表示パネルなどの表示装置である。掲示部106は、さらに、音声案内のためのスピーカを備えるとしてもよい。この移動先表示装置100は、さらに、ネットワーク108を介して情報提供サーバ109に接続されている。ネットワーク108は、携帯電話回線や移動体通信などの無線通信ネットワークである。情報提供サーバ109は、例えば、インターネット上に設けられ、ネットワーク108を介して、地図情報、商用情報および交通情報などの情報を提供する。
101は、例えばカーナビゲーション本体(以下カーナビと省略する)などの移動体端末であり、時刻計測部103、掲示制御部104、地図情報記憶部105、および移動先予測部107を備え、ユーザの現在位置や、移動先、および移動先に関する情報を地図情報とともに掲示制御部104によって掲示部106に掲示する。時刻計測部103は、現在時刻を計測する。掲示制御部104は、移動先予測部107によって予測された複数の予測目的地に関する情報を、予測された目的地への到達確立に応じて掲示制御する。例えば、到達確率の高い予測目的地に関する情報は表示画面の右上に、より詳細な内容まで表示する。また、到達確率の低い予測目的地については、より簡潔に表示する。地図情報記憶部105は、ハードディスク、CDおよびDVDなどのメモリであって、地図および地図上の施設などに関する情報を記憶している。
移動先予測部107はユーザが今後向かう目的地や目的地までの経路を予測する。以下、本実施の形態において目的地や目的地までの経路を移動先と定義する。また、目的地や、その施設の名称、位置、施設で利用できるメニュー情報、および目的地までの経路における経路情報、交通情報をここでは移動先情報と定義する。移動先予測部107は、例えば位置情報検出部102によって検出された位置、方角などの位置情報や、移動先予測部107に蓄積された過去のユーザの移動履歴をもとに、今後ユーザが向かう移動先を予測する(例えば特開2003−173145号公報)。なお、ユーザの過去の移動履歴は別途、移動情報蓄積部等を設け、蓄積することとしてもよい。なお、移動先予測に関する手法については従来さまざまな方法が開示されており、ここでは問わないものとする。
移動先の位置、施設の名称、交通情報、商用情報など、これら移動先情報は、地図情報記憶部105や、ネットワーク108を介し、情報提供サーバ109などより取得する。
掲示制御部104は位置情報検出部102によって検出されるユーザの現在位置を地図情報記憶部105に蓄積された地図情報とともに掲示する。また、移動先予測部107により、移動先が予測された場合、あるいは移動先がユーザによって設定された場合、上記移動先情報をユーザがより容易に把握できるように、掲示する内容、位置、大きさ、方法、タイミングなどを制御する。
掲示部106は、掲示制御部104の制御のもと、掲示すべき情報を掲示するディスプレイである。掲示部106はタッチパネルなど、操作入力を受け付けることができるようなものであってもよい。
次に、上記のように構成された移動体端末101の動作について説明する。
本実施の形態では、移動先予測部107により、移動先が算出された場合、これら移動先と移動先情報を、掲示制御部104によってユーザがより容易に把握できるように掲示部106に掲示する方法について説明する。図2(a)は、図1に示した移動先予測部107によって予測された移動先候補と各移動先候補への到達確率を示す表である。図2(b)および図2(c)は、移動先予測部107によって予測された移動先候補と各移動先候補への到達確率を休日と平日とに分けて示す表である。
移動先予測部107は例えば、位置情報検出部102によって検出されるユーザの現在位置情報と、移動先予測部107に蓄積されているユーザの過去の移動履歴をもとに、今後ユーザが移動するであろう移動先を予測する。例えば移動先予測部107には図2の移動先候補リスト201に示すような移動先候補と、その移動先に向かう確からしさ(移動先到達確率)をリスト形式で示している(移動先候補リスト)。移動先候補リスト201には、予測のきっかけとなる、ある地点(例えば△△交差点)を通過したトータル回数と、およびその地点を通過した後に過去に向かった移動先の名称とその移動先に到達した回数と、これら回数より算出される移動先到達確率が記録されているものとする。
例えば、移動先候補リスト201の場合、△△交差点を過去100回通過しており、その後レストランに到達したことが40回、コンビニに到達したことが30回、スーパーに到達したことが20回あることを示している。さらに、移動先到達確率は「移動先到達回数÷トータル通過回数×100(%)」で算出するものとし、移動先候補リスト201の場合、レストランが40%(40÷100×100)、同様にコンビニが30%、スーパーが20%と算出される。これは、予測のきっかけとなる地点、例えば△△交差点を現在ユーザが移動してきた場合、後に各々の場所に各々の確率で向かうと予想できることを示している。
なお、本実施の形態において、移動先はある地点としたが、ある地点とそれに向かうまでの経路全体、例えば「○○交差点→国道△△号→スーパー」(図2の202)などとしてもよいし、所定の範囲を含むエリア、例えば「□□市」などとしてもよい。また、予測のきっかけとなるものは地点(例えば△△交差点など)に限ったものではなく、走行した経路(例えば、△△交差点→△◎交差点)であってもよい。さらに、このような地理的な情報だけではなく、休日や平日等の日付、時間などとしてもよい。「平日なら会社に90%、休日ならレストランに50%の到達確率」と別の情報をきっかけに予測することとしてもよい。
例えば図2の移動先候補リスト202は、休日における走行が20回あり、そのうち10回レストランに到達したことがあり、レストランへの到達確率は50%であることを示している。また、移動先候補リスト203は、平日における走行とその到達確率であり、会社が90%であることを示している。さらには、地理的な情報と日時に関する情報をきっかけとして予測がなされてもよい。なお、ネットワーク108を介し、情報提供サーバなどから予測されたユーザの移動先を取得することで、予測することとしてもよい。さらに予測に関しては、従来さまざまな発明が開示されており、本実施の形態において予測手法はこれに限ったものではなく、予測される複数の移動先と、その確からしさが取得できればよいものとし、本実施の形態では問わないものとする。
掲示制御部104は、移動先予測部107より得られた移動先候補および移動先到達確率等に基づいて、移動先情報をユーザがより把握しやすいように掲示部106に掲示するための制御を行う。
ここで、まず移動先情報について図3を用いて説明する。移動先情報は、例えば目的地の名称、目的地の位置、目的地がお店などの施設の場合、お店のサービス情報などの商用情報等、これら目的地に関する情報のことであり、地図情報記憶部105や、ネットワーク108を介し、情報提供サーバ109より取得する。また、目的地までの経路における経路情報や、交通情報も取得する。図3(a)は、各目的地の移動先情報の一例を示す表である。図3(b)は、各目的地において行われると予測される操作の候補とその操作が行われる確率との一例を示す表である。図3の401はこれら移動先情報を示したものである。移動先情報(図3の401)は地図情報記憶部105に蓄積された情報より各移動先として目的地の名称「レストラン△△」、目的地の位置、さらに情報提供サーバ109より取得される施設情報「春の新メニュー○○」などが示されており、掲示制御部104はこれら移動先情報を取得する。さらに、移動先情報として、各移動先を掲示した際、ユーザが行うであろう操作、あるいは知りたい情報候補等を操作候補インデックスとして持つ。なお、操作候補インデックスはあらかじめルールとして持っていることとしてもよいし、ユーザが設定することとしてもよし、あるいはユーザの操作の履歴を反映し、操作の頻度の高い項目を自動的に選択することとしてもよい。
例えば、各移動先で行われる操作を履歴として蓄積しておく移動先操作履歴蓄積部を別途設け、この蓄積された移動先操作を基に、算出するものとしてもよい。402は移動先操作履歴蓄積部に蓄積された、各移動先での操作の頻度を示したものである。
移動先操作履歴としては、各目的地名称に対し、行われた操作が操作インデックスとしてあげられており、各々の回数が蓄積されているものとする。例えば操作頻度リスト402において、目的地名称「会社」の場合の操作としては、上司宛のメールが20回、会社への電話(TEL)が30回、家族宛のメールが4回となっている。つまり本実施の形態では、目的地が「会社」の場合、上司にメールを出したり、会社へ電話をしたりすることが多いため、これらが優先的に掲示されるよう操作候補インデックスとして挙げられている(図3の401)。
移動先を予測する場合、その移動先に到達する確率は状況に応じて様々であり、またその移動先に必ずしも移動するとは限らず、複数候補を算出してユーザの操作を促すなどして、予測精度の向上をはかる必要がある。しかし、一方で予測された移動先候補や移動先情報を複数掲示しようとすると、カーナビなど掲示画面の大きさに制限がある移動体端末においては、掲示できる情報量も限られている。また、さらにそれら情報をもとに「移動先決定」などの操作をしようとした場合、運転中のみならず停車中でも車内の限られた空間で複雑な操作は、ドライバにとって煩雑である。そこで、複数の移動先と移動先に関わる移動先情報を移動先到達確率に応じて、ユーザに適する形式で掲示制御を行うことで、ユーザの運転負荷を妨げることなく、容易に把握することが可能となる。
ここでは、前記移動先情報をどのように掲示するか、掲示制御部104における前記移動先情報の掲示制御方法について説明する。掲示制御部104は、移動先到達確率をもとに掲示の制御を行い、掲示部106に掲示する。
例えば、予測された移動先の移動先到達確率に基づき、掲示方法を詳細に変更するルール化された掲示ルールに従って掲示の制御を行う。図4は、移動先到達確率ごとに各移動先候補への移動先情報の掲示ルールを示す表である。図4の501はルール化された掲示ルールを示したものである。掲示ルール501には、例えば移動先情報を掲示する大きさ、位置、時間、色、形式、移動先情報を掲示する詳細度、さらに音声で読み上げるか、効果音を出すか否か等があり、移動先到達確率ごとに各々決められている。本実施の形態において、掲示ルールは掲示制御部に蓄積されているものとする。なお、別途掲示ルール蓄積部を設け、蓄積することとしてもよい。詳細度とは、例えばレストランの「メニュー」などの商用情報でも、詳細度が高い場合はそのメニューの料金など、詳細を掲示し、画面の制限によって低くする場合は「メニュー」という操作ボタンのみを掲示するなど、同じ移動先情報でも詳細度によって制御を行う。また、同乗者を検知するセンサを設けて、移動先が「駅」の場合、移動先情報として電車の出発時刻、乗り換え案内など、詳細な情報を掲示することとしてもよい。また、詳細度が高い場合は商用情報、周辺の施設情報、交通情報を掲示し、詳細度が低い場合は交通情報のみ掲示するなど、情報のカテゴリを制御するものとしてもよい。
例えば、移動先到達確率が1位の移動先情報は「150×100ピクセル」の大きさで、掲示画面の右上、つまりドライバに近い位置に掲示し、掲示時間は15秒で、ドライバにより把握しやすい色で、移動先近辺の地図を3Dで具体的に掲示し、さらに音声読み上げや効果音でドライバの注意を喚起するなど、どのように掲示するかを詳細に示している。一方、移動先到達確率が低い2位、3位の移動先情報は、移動先到達確率が1位の移動先に比べて、移動先情報の詳細度は低く、大きさは小さく、表示位置は移動先の方向、簡易掲示するなどが記されている。なお、掲示画面のドライバに近い位置とは、運転席が右にある場合は場面の右上であるし、左にある場合は画面の左の方になる。
前記掲示ルールに基づき、掲示制御部104により掲示の制御をされた情報を、掲示部106に掲示した一例を図5に示す。図5は、移動先到達確率に基づいて掲示部106に掲示された移動先情報の一例を示す図である。図5の掲示部106の画面において、601は現在ユーザが移動している自車位置を示しており、602は走行道路を示している。例えば、現在ユーザが△△交差点を通過してきたとする。ここで移動先予測部107より移動先候補リスト201をもとに移動先の上位3つ、つまりレストラン、コンビニ、スーパーが各々の移動先到達確率で算出され、後に向かうであろうと予測されており、さらにこれらの移動先情報を参照する(例えば移動先情報401)。図5はその時の移動先情報を掲示ルール501に従って掲示したものである。603は移動先候補として移動先到着確率が一番高いレストランを示しており、その掲示方法は掲示ルールの一位に記されたように、ドライバに近い位置に、所定の大きさで掲示している。さらに、「パーキングサーチ」や商用情報を詳しく見ることができる「メニュー」や「予約設定」など、移動先に関わる操作の候補を掲示している(図5の604)。
このように所定の大きさで、例えばドライバに近い位置に移動先情報を掲示することで、運転中でも、運転負荷を妨げることなく、必要な情報を容易に把握させることが可能となる。また、大きさだけでなく、移動先情報の色をドライバの注意を引きやすい色にして、さらに3Dでよりリアルに掲示するなど、ドライバの情報把握をさらに容易にする効果が生まれる。例えば、夜間走行時、背景が「黒」の場合、操作候補を「白」色で掲示し操作を促す効果を向上させ、ドライバの情報把握をさらに容易にすることとしてもよい。さらに、その移動先に関わる操作候補を適切な大きさで、ドライバに近い位置に掲示することで、ドライバによる操作を容易にさせることが可能となる。また、移動先であるレストラン近辺の地図を詳細に掲示しており、さらにレストランに至る経路における交通情報等も移動先情報として掲示している(図5の605)。
なお、移動先であるレストラン近辺を所定の範囲(例えば半径50m)と設定するものとしてもよいし、また現在の地図の縮尺より任意に制御することとしてもよい(例えば現在200m掲示ならば、移動先情報画面はその4分の1である50mで掲示する等)。さらには、最寄りのパーキングが入るように縮尺を制御することとしてもよいし、少なくとも一つは空きがある駐車場が入る縮尺としてもよい。カーナビ等掲示画面の大きさに制限がある移動体端末の場合、その掲示画面の有効な使い方が問題となるが、このように現在の自車位置と移動経路地図のみならず、移動先や、移動先に関わる交通情報、経路情報をユーザにとって適切な方法で掲示することで、煩雑な操作をすることなく、必要な情報だけを容易にドライバに把握させることが可能となる。また、移動先情報を効果音や(図5の606)、音声(図5の607)通知することで、ドライバの運転負荷を妨げることなく注意を喚起させ、必要な情報を把握させることが可能となる。
一方、移動先到達確率が低い2位、3位のスーパーやコンビニは1位のレストランに比較して小さく表示してもよいし、ドライバに遠い位置(つまり運転席が右側の場合、画面の左側)、あるいは現在走行表示の妨げとならない位置、あるいは地図上での移動先がある近辺(図5の608の場合、目的地コンビニが画面左上に存在するので予測移動先608を左上に表示する)、あるいは移動先がある方角に掲示する(図5の609の場合、目的地スーパーは画面上には表示されていないが、左側に存在するため左側に表示する)としてもよい。これにより、制限のある掲示画面を有効に活用することが可能となる。移動先到達確率が低いということは、その移動先に行く確率がレストランに比較して低いということであるが、必ずしもレストランに行くとは限らず、これら移動先到達確率が低い候補も移動先情報として掲示することで、例えば実際はそちらに行く場合、タッチパネルを触れるだけで目的地として設定するなど、ユーザの操作を促す効果が生じる。
また、ドライバがカーナビの地図を参照する際、ドライバの向かっている先に関して渋滞情報等の新たな情報が入手されていないかについて、ドライバは注意を払っている。そこで、目的地方向にドライバが必要と思われる情報を提示することで、ドライバは直感的に情報を取得し、安全に運転を実行することができる。もし目的地とは異なる方向に情報を提示した場合に、ドライバの直感と異なる場所に情報が提示されることとなり、安全な走行を妨げることとなる可能性が高い。
なお、本実施の形態では、移動先到達確率が高い場合に、音声通知や効果音を使用すると示したが、逆に移動先到達確率が低い場合にこれら音声や効果音を用いることとしてもよい。移動先予測は必ずしも正確ではなく、複数移動先が考えられる場合がある。このとき、移動先到達確率が一番高いものを、効果的に表示するのみならず、低いものや、あるいは同等で判断しにくいときに、このように音声や効果音、効果的な掲示を行うことでユーザの操作を促す効果が生じる。例えば、掲示された移動先候補に触れるだけで目的地として設定することで、操作に煩雑な過程をふむことなく、容易にユーザの欲する情報を獲得する効果が生じる。
なお、本実施の形態において掲示制御は、移動先到達確率が1位、2位と順位に基づいて詳細な制御を行っていたが、これに限ったものではなく、移動先到達確率の値に基づき制御することとしてもよい。例えば閾値を設けて、移動先到達確率が80%以上の場合は詳細に掲示する等してもよい。確率が高いということは、つまりその移動先に到達する可能性が高く、移動先情報が必要となる可能性も高いことを意味しており、このように所定の確率に応じて移動先情報の掲示を制御することで、よりユーザの情報把握を容易にする。逆に30%以下の場合は簡易に掲示し、「行き先設定」等、ユーザの操作があった場合に詳細掲示に切り替えることとしてもよい。確率が低いということは、つまりその移動先に到達する可能性が低く、移動先情報として掲示する必要は必ずしもなく、詳細掲示をするのではなく、操作を促す程度にとどめるなど、よりユーザに適した、かつ掲示画面の有効活用の効果を生じる。さらに、各々の移動先到達確率に応じて制御をするのではなく、さらに移動先到達確率の差に閾値を設けるなどして、制御することとしてもよい。例えば、移動先到達確率が30%である移動先「スーパー」と、移動先到達確率が20%の「コンビニ」のように、差が10%以下の場合は移動先情報の詳細度等を同様にし、ユーザに「行き先決定」などの操作を促すこととしてもよい。移動先到達確率の差が小さいということは、現在の状況からはどちらに移動するか区別しにくいことを意味しており、これらの移動先情報を同様に掲示し、ユーザの操作を促すことで、ユーザの煩雑な操作を軽減する効果を生じる。上記に述べてきたように移動先予測手法は、必ずその移動先へ行くというものではなく、あくまで予測であり、その予測移動先への到達確率は走行状況に応じて様々に変化する。さらに予測移動先はひとつとは限らず、複数算出される場合もあるし、またそれらの確率も状況に応じて様々に変化する。そこで、本発明に示すとおり、確率に応じた態様で掲示することで、よりユーザの状況、ニーズに応じた把握に容易な掲示が可能となり、さらに安全に、また容易に操作をすることが可能となる。
次に、フローチャートを用いて、本発明の移動先情報の掲示までの動作を説明する。図6は、移動先表示装置100のスタートから移動先情報の掲示までの動作を示すフローチャートである。カーナビ等移動体端末の場合、エンジンを起動させるなどを機に、スタートさせる。このとき、目的地が設定されているか否かを判断し(ステップS100)、目的地が設定されていれば(ステップS100のYes)、その目的地と、目的地における経路の交通情報等、移動先情報を地図情報記憶部105、およびネットワーク108を介し、情報提供サーバ109等より取得する(ステップS104)。設定されていなければ(ステップS100のNo)、現在位置を位置情報検出部102により検出する(ステップS101)などして、ユーザの移動先を予測する(ステップS102)。現在の走行位置より予測される移動先が存在すれば(ステップS103のYes)、予測された移動先や移動先に関わる交通情報等、移動先情報を地図情報記憶部105、およびネットワーク108を介し、情報提供サーバ109等より取得する(ステップS104)。次に前記掲示ルールを参照し(ステップS105)、取得された移動先情報を掲示ルールに基づき掲示部106に掲示する(ステップS106)。
以下、図2、図98、図3、図4、図5を用いて本動作を具体的に示す。例えば現在、目的地を設定せず、△△交差点を通過してきたとする。位置情報検出部102で現在位置を検出し(ステップS101)、移動先を予測する(ステップS102)。図2の移動先候補リスト201より、レストラン△△、コンビニ○○、スーパー□□が予測される(ステップS103のYes)。次に予測されたこれらレストラン△△、コンビニ○○、スーパー□□の商用情報や、それにいたる経路の交通情報等を地図情報記憶部105や、ネットワーク108を介し情報提供サーバ109より取得する(ステップS104)。得られたこれら移動先情報は図3の401とする。次に掲示制御部104は、前記移動先情報を掲示ルール(例えば図4の501)に基づいて掲示部106に掲示する(ステップS106)。図5は掲示部106に掲示された画面を示している。図5に示すように、移動先到着確率が最も高い「レストラン」の商用情報が表示画面の右上に詳細に表示され、到達確率の低い「コンビニ」や「スーパー」については簡潔に表示されている。
なお、上記実施の形態において、移動先(目的地、目的地までの経路)に関する情報の掲示制御は、主に目的地に関するものであったが、ここでは移動先として、目的地までの経路に関する掲示制御について説明する。以下、図7、図8、図9、図10を用いて説明する。
図7(a)は、予測された複数の移動先候補と各候補への到達確率の一例を示す表である。図7(b)は、予測された移動先候補までの経路を各候補への到達確率に応じて色分けして表示する場合の掲示ルールの一例を示す表である。図7(c)は、移動先到達確率が閾値(この場合20%)を越えている移動先までの経路を、移動先到達確率が閾値以下の移動先までの経路と色分けして示す場合の掲示ルールの一例を示す表である。図7(a)の2701は移動先予測部107に蓄積されたユーザの移動履歴に基づく移動先候補リストである。
移動先候補リスト2701は、「○○交差点」を通過した回数が100回であることを示している。また、「○○交差点」を通過後、移動先として「△△交差点」への到着回数が90回であり、移動先到達確率が90÷100=90(%)であることを示している。同様に移動先として「△△交差点」を通過してコンビニ○○へ到着したことが50回あり、「△△交差点→コンビニ」というコンビニまでの経路を含め、移動先候補として持ち、その移動先到達確率が50÷100=50(%)であることを示している。同様に移動先「△三角交差点→レストラン□□」は移動先到達確率40(%)であることを示している。
図7(b)の2702は掲示制御部104に蓄積された掲示ルールである。掲示ルール2702は、予測された移動先(目的地までの経路)を掲示するルールが示されている。本実施の形態において、色の制御情報は、移動先情報を表示する際の制御項目としてきたが、このように目的地までの経路に関する掲示項目としてもよい。掲示ルール2702には、移動先到達確率が80%以上の移動先(経路)は赤色で掲示し、一方50%以上80%未満の経路は橙色、30%以上50%未満の経路は黄色で掲示する等、移動先到達確率に応じて掲示する色などが示されている。
図8は、移動先予測部107において移動先候補リスト2701を基に移動先、つまり目的地までの経路を予測し、掲示制御部104において掲示ルール2702に基づき目的地までの経路を掲示部106に掲示したものである。
図8の2801はユーザの現在自車位置であり、走行経路2802とともに地図情報を表示している。今、ユーザが○○交差点を通過してきたことをきっかけに、移動先予測部107において、移動先候補リストを基に移動先が予測される。この場合、△△交差点に移動先到達確率90%で行くと予測され、さらに△△交差点を経て、コンビニ○○へ50%の確率で、一方レストラン□□へ40%の確率で行くと予測される。掲示部106はこの移動先到達確率をもとに、移動先(目的地までの経路)を掲示ルール2702に基づき掲示する。
掲示ルール2702には予測確率80%以上の経路は「赤色」で掲示するとあり、○○交差点を通過後、△△交差点へ移動する確率は90%であるため、掲示制御部104により○○交差点から△△交差点までが赤で掲示されている。このように他の経路と比較が容易にできるように色を制御することで、ドライバは経路を容易に把握することが可能となる。さらに、同様に掲示ルール2702に従い、△△交差点からコンビニ○○(2803)までの経路は「橙色」で、一方、△△交差点からレストラン○○(2804)までは「黄色」で掲示されている。このように、移動先到達確率に基づき、経路を他の経路と比較して容易に把握させるように掲示することとしてもよい。
さらに、経路のみならず、移動先予測部に蓄積されたユーザの移動履歴(移動先候補リスト)をもとに、ユーザの行動エリアを可視的に掲示することとしてもよい。以下、図7(c)の2703、図8を用いて説明する。
表示画面2806に表示される地図情報は、経路のみならず商用情報、交通情報等、さまざまな情報が掲示されている。一方、ドライバは、この情報の中から、必要とする情報を把握するのは大変煩雑であり、また運転中に膨大な情報を逐一読んでいては運転への注意が疎かになってしまう。そこで、ユーザの過去の走行履歴等、移動先候補リストをもとに、ユーザの移動するであろうエリアや普段の移動する範囲(以下、移動エリアと呼ぶ)を絞り、その移動エリアをより把握しやすく掲示する。
図7の2703は掲示制御部104に蓄積された掲示ルールである。掲示ルール2703は、ユーザの移動先候補リストをもとに、移動先到達確率が閾値(この場合20%)を越えている移動先を、青色で掲示する旨が記されている。ある程度低めに設定した閾値を越えた移動先は、つまりユーザが移動する可能性のある移動先、ユーザが普段移動している移動エリアであり、これらを可視的に掲示することで、よりユーザの移動先情報の把握を容易にする効果が生じる。図8の2805は、掲示ルール2703を基に、移動エリアを青色で可視的に掲示したものである。△△交差点、○○交差点、コンビニ○○、レストラン□□等は、移動確率がどれも20%以上であり、普段ユーザが移動しているエリアであることが分かる。
さらに、移動エリアに応じて、可視的に掲示する範囲を制御することとしてもよい。例えば、同じ移動先到達確率20%以上の移動先でも、一般道においては走行車線側、つまり左車線側の100m付近を、一方、市街地においては両車線100m近辺を行動エリアとして掲示することとしてもよい。例えば同じ移動先(経路)において、コンビニやガソリンスタンドの情報が欲しい場合でも、一般道で反対車線側に駐車するのは煩雑で、自車の走行車線側(つまり左側)を掲示して欲しいなどのニーズを満たすことが可能となる。
さらに、常に情報を掲示するのではなく、ユーザの操作があったときのみ、掲示することとしてもよい。以下、図9、図10を用いて説明する。
本実施の形態において、目的地や、目的地までの経路を移動先と定義した。また、目的地やその施設の名称、位置、施設で利用できるメニュー情報、および目的地までの経路における経路情報、交通情報等、移動先に関する情報を移動先情報と定義した。
図9は、図8に示された移動エリアとともに、その移動エリア内にある店舗や施設等の商用情報を併せて表示した場合の移動先情報の一例を示す図である。図9において、「メッソ(ガソリンスタンドとする)、レギュラー103円」等や、「コンビニ、ポテト180円」等のポップアップ表示2901、2902、2903、2904が、前述で示した移動先情報であり、移動先予測部107で予測された移動先をもとに、地図情報記憶部105や、ネットワークを介し、情報提供サーバ109より取得した情報である。
しかし、この移動先情報を移動エリア2805上にそのまま掲示する場合(図9)、掲示情報の過多となり、煩雑で見にくい画面となってしまい、また画面領域に制限のあるカーナビにおいては好ましくない。特に、車両を運転中においては、地図を表示している画面上に多量の情報が表示されることにより、地図に表示されている経路案内等の情報を確認することを妨げてしまうことが多い。
図10は、図8に示された移動エリア内に、店舗や施設等の位置を簡易図形で表示し、その図形が指で触れられたときはじめてその店舗等の商用情報を表示する場合の移動先情報の一例を示す図である。そこで、図10のように簡易的に掲示し(例えば三角形などの簡易図形で店舗の所在地などを掲示し)、移動先情報がある旨を効果的に掲示し(例えばその三角形が赤色と、ドライバの注意を引く色で掲示するなど)、タッチパネル等においては、その三角形に触れたときに初めて、その触れた施設等の移動先情報(例えばガソリンスタンド「メッソ」におけるガソリン料金等のポップアップ表示2901)を掲示することとしてもよい。これにより、運転者が経路案内以外の情報の必要な場合に、適宜、画面に触れるだけで詳細な情報を取得することができるようになる。
以下、図11、図12、図13、図14、図15を用いて上記掲示方法の動作について説明する。図11は、図10のように移動先情報をタッチパネル等による入力をもとに、移動先情報を掲示するための移動先表示装置の全体の構成を示す機能ブロック図である。図1で示した構成要素についてはすでに説明しているので、同じ符号を用いて説明を省略する。
図11の121は、タッチパネル等における入力部である。一般的にタッチパネルは、触れた部分の座標を検出することができる。そこで、その触れた部分が掲示画面のどの位置に該当するのか、その横と縦の座標を入力座標算出部122で算出することとする。
図12は、ユーザが触れた掲示画面上の位置と、入力座標算出部122が算出した座標(150、300)(単位は例えばピクセルとする)との関係を示す図である。入力座標算出部122は、例えば、同図の掲示画面を、直方体の四隅を円弧状に切り欠いた形状としたとき、前記直方体の左上隅を(x、y)座標の座標(0、0)とする。また、入力座標算出部122は、接触位置が座標(0、0)から、右方向に1ピクセルずれるごとにx座標を「1」ずつインクリメントし、下方向に1ピクセルずれるごとにy座標を「1」ずつインクリメントして、指が触れた位置の座標を算出する。
一方、移動先情報掲示座標算出部123は、移動先情報掲示座標を算出する処理部である。移動先情報掲示座標とは、移動先情報を掲示する一種のボタンの役割を果たすポイントの座標であり、その座標にユーザが触れたとき、つまり前記入力座標と一致、あるいは、前記移動先座標とポイントされた座標との距離が所定の値より小さいときに、移動先情報を掲示する。以下、図13、図14を用いて詳細を説明する。
図13は、移動エリア内の店舗及び施設等の商用情報を含んだ移動先情報の一例を示す表である。図13の3601は、取得された移動先情報である。移動先情報には、例えば目的地名称「メッソ」、位置「○○市○○町」、そこでの商用情報「レギュラー103円、ハイオク113円」等が取得されるものとする。
移動先情報は、前述に示した通り、移動先予測部で予測された移動先をもとに地図情報記憶部105、あるいはネットワーク108を介し、情報提供サーバ109より取得される。
図14(a)は、現在位置に基づいて掲示画面に掲示される地図情報の一例を示す図である。図14(b)は、移動エリア内のランドマークの座標と、その座標が触れられたと認識される有効範囲とを示す図である。図14(c)は、入力部121において指で触れられた部分の座標とその座標に従って表示される商用情報(ランドマーク情報)との関連を示す表である。一方、掲示部106(図14の106)には、位置情報検出部102で検出されるユーザの現在位置(図14の3602)や、現在位置を基準として地図情報記憶部105より取得された地図情報等が、掲示制御部104の制御により掲示される。
この掲示部へ掲示される情報は、検出される現在位置情報に基づき、掲示すべき地図情報をハードディスクやDVD等、地図情報記憶部105より検索し、現在位置とともに掲示するのが一般的である。本実施の形態における掲示も同様のものとする。
つまり、現在位置(3602)に基づき、地図情報であるMAP10(図14の3605)がこの位置に該当する地図であるとして地図情報記憶部105より算出され、このMAP10を現在位置とともに掲示したものが図14(a)であるとする。
一方、地図情報は一般的に、画像情報、経路探索等に利用される経路情報、ランドマーク情報として名称、および位置情報等が、階層構造となって蓄積されている。さらにこのランドマーク情報を用いて、現在の掲示画面にランドマークの掲示を行っている。本実施の形態における地図情報も、このように階層化して蓄積されているものとする(図14の3605)。さらに地図情報のひとつであるランドマーク情報である緯度経度より、画面上のどの位置に掲示するかを対応させ、掲示部に掲示することとする。
例えば、ランドマーク情報「メッソ」の緯度経度情報「緯度○○経度□□」より、現在の掲示部106に掲示させたものが、図14(a)の3603である。
一方、移動先情報掲示座標算出部123は、このように画面上に掲示された地図におけるランドマークの位置をもとに、移動先情報掲示座標を算出する。つまり、ランドマーク情報「メッソ」の緯度経度情報「緯度○○経度□□」と、現在の表示位置3603より、掲示画面上の座標を算出する。
3604は、現在の地図を掲示した画面における、「メッソ」の移動先情報掲示座標(145、295)(単位はピクセルとする)である。この移動先情報掲示座標(145、295)が「メッソ」の移動先情報を掲示するボタンの役割をすることとなる。
移動先情報掲示判定部124は、前記入力座標と前記移動先情報掲示座標をもとに移動先情報の掲示の制御を行う。掲示の制御は、例えば、前記移動先情報掲示座標と前記入力座標とが、一致、あるいは所定の範囲内でマッチングしたか否かを判定し、マッチした場合(つまりボタンが押されたことを意味する)、その移動先情報を掲示部106に掲示することとする。以下、図を用いて説明する。
図12において、ユーザが触れた入力座標は(150、300)ピクセルである。一方、ガソリンスタンド「メッソ」の移動先情報を掲示するボタンの役割を果たす、移動先情報掲示座標は、現在の画面においては(145、295)ピクセルである(図14)。
移動先情報掲示座標には、所定の範囲の有効エリアを設けることとする。例えば移動先情報掲示座標を中心として、半径R(10ピクセル)とする。ここでは、所定の範囲を円形で表現しているが、矩形等の形状での設定も可能である。
カーナビ等の車内でのタッチパネルの操作は、非常に困難であり、このように有効範囲を設けることで、より容易に操作が可能となる。
このとき、入力座標(150、300)と、移動先情報掲示座標(145、295)は、一致ではないが、移動先情報掲示座標の有効エリアに含まれるため、ボタンが押されたと判定する。
そこで、移動先情報掲示判定部124は、「メッソ」の移動先情報、「レギュラー103円、ハイオク113円」を掲示する(図10)。
次に、図11の機能ブロック図で構成された本発明における、移動先情報掲示の動作フローについて、図15のフローチャート、および図12、図14、図10を用いて説明する。図15は、移動エリア内に簡易的に表示されたランドマークが指で触れられたときに、そのランドマークに関する移動先情報を表示する場合の移動先情報掲示判定部124の動作を示すフローチャートである。
まず、移動先予測部107によって予測された移動先をもとに、移動先情報を取得する(ステップS3701)。得られた移動先情報は、図14の3601とする。
次に、移動先情報掲示座標算出部123において、移動先情報掲示座標を算出する(ステップS3702)。
例えば、ガソリンスタンド「メッソ」の移動先情報掲示座標は、現在の掲示画面の表示位置3603をもとに、座標(145、295)と算出される(図14の3604)。
次に、ユーザからタッチパネル等に入力があったか否かを入力部121により、随時検出する(ステップS3703)。
検出されない場合は、再び移動先情報掲示座標を算出しなおし、入力の検出を行う(ステップS3703のNoからステップS3702のループ)。自車位置の移動、あるいは地図の縮尺変更等により、「メッソ」の位置も画面上では移動しているため、移動先情報掲示座標は随時算出しなおす必要があるためである。
一方、ユーザからの入力があった場合(ステップS3703のYes)、入力座標算出部122により、入力座標を算出する(ステップS3704)。図12に示すように、ユーザの触れた位置が、画面上の座標(150、300)ピクセルとして算出される。
移動先情報掲示判定部124は、前記入力座標と、前記移動先情報掲示座標のマッチングを行い、移動先情報を掲示するか否かの判定を行う(ステップS3705)。
マッチングには、移動先情報掲示座標にある程度の有効エリアを設けて行い、エリア内のときは(ステップS3706のYes)、ボタンが押されたとして移動先情報の掲示を行う(ステップS3707)。
一方、どのエリアにも含まれない位置である場合は(ステップS3706のNo)、再び移動先情報の検出、および、入力の検出を行う(ステップS3702)。
本実施の形態において、有効エリアは、図14(b)に示すように、移動先情報掲示座標を中心にし、半径10ピクセルとする。
「メッソ」の移動先情報掲示座標(145、295)を中心とした半径10ピクセルのエリアに、ユーザの触れた入力座標(150、300)が含まれるため、マッチしたと判定し、「メッソ」の移動先情報「レギュラー103円、ハイオク113円」等の移動先情報を掲示部106に掲示する。
図14(b)は、ユーザがガソリンスタンド「メッソ」に触れることで、移動先情報「レギュラー103円、ハイオク113円」を掲示したことを示している。
ある施設の情報が得られた場合、常に掲示することは、情報過多となる場合が多く、運転上好ましくないが、上記に示すように、その施設に触れるだけでその施設の情報が掲示されることとなり、表示領域の制限のあるカーナビなどに有効であり、また容易にユーザに情報を把握させることが可能となる。特に、運転中等に、ドライバにとって関係のない所に触れた場合には、詳細情報が表示されず、これからドライバが進行しようとしている経路に関する箇所にふれた場合のみ、詳細情報を表示することができる。車両を運転中には、画面に対して正確な場所を触れることが難しい場合には、特に有効な方式となる。
なお、本実施の形態において、移動先情報の掲示は、店など施設のランドマークを基準に移動先情報掲示座標を算出したが、これに限ったものではない。例えば、交差点における情報なら交差点上、経路における渋滞情報なら経路上を基準としてもよい。
なお、本実施の形態においては、ランドマークを表示している画面にふれるだけで、そのランドマークに関する詳細情報を表示した。ドライバは車両を停車中には、地図が表示されている画面に対して、経路を確認するために、画面に触れてその経路をなぞることがある。経路をなぞる操作と、ランドマーク等の詳細情報を確認する操作とを区別するため、ランドマークが表示されている座標に、所定の時間(例えば3秒)、同じ座標にふれていた場合のみ、詳細情報を提示することもできる。これにより、ドライバに必要な関連情報を表示する場合に、ドライバが画面にふれる意図を判別することが可能になる。
なお、本実施の形態では、ランドマークが表示されている座標に対して、所定の範囲の位置をユーザが触れた場合に、そのランドマークの情報を表示した。しかしながら、ドライバは普段、運転中のため、画面に触れて情報を取得する状況は、様々な状況がある。例えば、高速で走行中に正確に意図した画面の位置に触れることが難しい場合や、停車中に正確に画面の位置を指定できる場合もある。そこで、本実施の形態では、図14に示していたように半径10ポイントの値の範囲内に触れた場合に、詳細な情報を表示する方式をとっていたが、車両の状況に応じて半径を変更することも可能である。例えば、車両の速度が所定の値より速い場合には、半径の値を20ポイントにしてもよい。また、車両が交差点の中で曲がっている場合、信号待ちで停車している場合等の車両の状況に応じて、詳細情報が表示される範囲を変更してもよい。また、カーナビを装着してからの期間を計算し、カーナビの操作に十分に慣れている度合い、また、過去の移動履歴からその経路に十分に慣れているか否かによって、タッチパネルが反応する範囲を変更してもよい。また、車両が移動している場合には、自車の位置が中央にくるように、車両の移動によって地図画面が自動的にスクロールしている場合が多い。画面のスクロールが高速な場合には、タッチパネル等で正確な位置にふれることが困難な場合がある。そこで、画面のスクロールの早さに応じて、図14のタッチパネルが反応する範囲を変更してもよい。また、逆に、タッチパネルが有効な場合で、かつ、高速に車両が走行している場合には画面に表示される地図の詳細度を変更することにより、ユーザが十分に画面上の位置に触れることができるようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、画面に対してタッチパネルで場所を指定する実施例について述べた。さらに、リモコン等で位置を指定する場合についても、同様の処理を実行することで、使いやすいインタフェースを実現することが可能である。
カーナビなど、画面に制限のある移動体端末において、移動先情報を掲示するためには、画面を有効に利用する必要がある。一方で、ドライバは運転中であるため、必要な移動先情報を容易に把握させる必要が生じる。そこで上記のように目的地までの経路を移動先到達確率に応じてより把握しやすく掲示することで、安全性の向上の効果も生じる。さらに、必要な移動先情報も、常に掲示するのではなく、簡易的に掲示し、操作があって初めて掲示することとしてもよい。制限のあるカーナビ等の画面を有効に利用することが可能となる。
なお、掲示ルールにおける移動エリアの閾値は移動先到達確率をもとに、としたが、これに限ったものではなく、ユーザの移動履歴にもとづき、移動回数としてもよい。例えば、ユーザが1度でも訪れたことのあるエリアを移動エリアとして掲示することとしてもよい。
移動先を予測する場合、その移動先に到達する確率は状況に応じて様々であり、またその移動先に必ずしも移動するとは限らず、複数候補を算出してユーザの操作を促すなどして、予測精度の向上をはかる必要がある。しかし、一方で予測移動先候補を複数、同様に掲示しようとする場合、カーナビなど掲示画面の大きさに制限がある移動体端末においては、掲示できる情報量も限られている。また、さらにそれら情報をもとにドライバに操作を促す場合、運転中のみならず停車中でも車内の限られた空間で複雑な操作は、ドライバにとって煩雑である。しかし上記のように、複数の移動先と移動先に関わる移動先情報を移動先到達確率に応じて、ユーザに適する形式で掲示制御を行う、掲示制御部104を備えることで、ユーザの運転負荷を妨げることなく、容易に把握することが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、移動先の掲示は、その移動先に到達するであろう確からしさ、移動先到達確率をもとに掲示していた。移動先到達確率が高いということは、つまり予測された移動先に行く確率が高いということであり、その移動先および移動先に関する交通情報等、移動先情報を、ユーザに適した形式で容易に把握させる必要があるためである。一方、移動先情報は、現在の位置と移動先までの距離に応じて制御する必要もある。例えば、同じ移動先情報も、距離が近い場合はより詳細な移動先に関わる商用情報やその移動先に関する情報であり、また距離が近いため早めに情報を掲示しないと、通り過ぎてしまう恐れもある。一方、距離が遠い場合は掲示するタイミングに余裕もあり、また必要となる情報もその移動先までの経路情報や交通情報と、距離に応じてユーザの必要とする情報は異なる。本発明を用い、距離に応じてユーザに適切な情報を適切な形式で掲示することで、ユーザの運転の負荷を軽減し、操作性を向上させ、容易に情報を把握させることが可能となる。ここでは、移動先情報を現在の位置と、移動先までの距離に基づき制御し、掲示する方法について説明する。
本実施の形態において移動先表示装置の全体構成を示すブロック図は、実施の形態1と同様であり(図1)、以下、実施の形態1と同じ構成要素についてはすでに説明しているので、同じ符号を用いて参照し、説明を省略する。
本実施の形態において掲示制御部104は、位置情報検出部102によって検出される現在のユーザの位置と、移動先予測部107によって予測された移動先までの距離に応じて掲示する移動先情報を制御し、掲示部106に掲示する。
図16(a)は、移動先までの距離に応じて、異なる態様(例えば、掲示枠の大きさ、掲示画面内の掲示位置、掲示時間、色など)で移動先情報を掲示する場合の掲示ルールの一例を示す表である。図16(b)は、移動先までの距離に応じて、異なる態様(例えば、掲示される移動先情報の種別、掲示枠の大きさ、掲示画面内の掲示位置、掲示時間、色など)で移動先情報を掲示する場合の掲示ルールの一例を示す表である。図16の502は、本発明の実施の形態2における掲示ルールを示した図である。実施の形態1の掲示ルール501では、移動先到達確率をもとに掲示の詳細を制御する旨を記したルールであったのに対し、本実施の形態における掲示ルール502は、移動先までの距離に応じて掲示制御を行う。例えば移動先までの距離が残り2km以下の場合の掲示方法、2kmから10kmまでの場合の掲示方法、10km以上の場合の掲示方法など、現在位置から移動先までの距離に応じて掲示の制御をする旨が記されているものとする。制御を行う内容は、実施の形態1と同様に、例えば移動先情報を掲示する大きさ、位置、時間、色、形式、移動先情報を掲示する詳細度、さらに音声で読み上げるか、効果音を出すか否か等があり、移動先までの距離に応じて各々決められているものとする。例えば、移動先までの距離が2km以下の移動先情報は「150×100ピクセル」の大きさで、掲示画面の右上、つまりドライバに近い位置に掲示し、掲示時間は15秒で、ドライバにより把握しやすい色で、移動先近辺の地図を3Dで具体的に掲示し、さらに音声読み上げや効果音でドライバの注意を喚起するなど、どのように掲示するかを詳細に示している。
また、移動先までの距離が2km以下のように距離が近い場合は、現在位置とその移動先までが入る程度の拡大図で表すこともできるし、一方、距離が遠い場合は広域表示など、縮尺も制御することも可能である。また、移動先までの距離が遠い移動先情報は、移動先距離が近い移動先に比べて、移動先情報の詳細度は低く、大きさは小さく、表示位置は移動先の方向、簡易掲示するなどが記されている。
図17は、掲示制御部104によって掲示ルール502に基づき移動先情報が掲示部106に掲示された画面を示している。実施の形態1と同様に、掲示部106の画面で、601は現在ユーザが移動している自車位置を示しており、602は走行道路を示している。図18は、特定のランドマークを通過したときに予測される移動先候補リストの一例を示す表である。移動先候補リスト221(図18)より、□□交差点通過をきっかけに移動先候補として「○○百貨店」と、「スーパー」が予測され、これらの移動先情報を掲示していることを示している。位置情報検出部102より検出されるユーザの現在位置と予測された各々移動先との距離を算出した結果、「○○百貨店」は2km以下であるため、掲示ルール502に基づき、「○○百貨店」の移動先情報を「150×100ピクセル」など、掲示ルール502に基づく所定の大きさで、ドライバに近い位置に掲示している(図17の623)。さらによく行われる操作や、あるいは行われるであろう操作として「パーキング予約」や商用情報を詳しく見ることができる「セールス情報」や「レストラン予約」など、移動先に関わる操作の候補を掲示している(図17の624)。これら操作候補は、例えば実施の形態1と同様、ユーザの操作履歴を蓄積し、履歴をもとに掲示する(前記移動先操作履歴蓄積部)。
このように所定の大きさで、例えばドライバに近い位置に移動先情報を掲示することで、運転中でも、運転負荷を妨げることなく、必要な情報を容易に把握させることが可能となる。また、大きさだけでなく、移動先情報の色を、距離が近い場合は背景色と相反する色とドライバの注意を引きやすい色にして、さらに距離が近い場合、3Dでよりリアルに掲示するなど、ドライバの情報把握をさらに容易にする効果が生まれる。さらに、その移動先に関わる操作候補を適切な大きさで、ドライバに近い位置に掲示することで、ドライバによる操作を容易にさせることが可能となる。また、移動先までの距離が近い「○○百貨店」の場合、移動先である「○○百貨店」近辺の地図の縮尺を詳細表示にして掲示している。これにより、移動先近辺や周囲の情報、例えば駐車場(図17の631)の位置や状態などを、現在の縮尺では把握しにくい情報も、本実施の形態のように縮尺を詳細掲示することで、事前に把握することが可能となる。
カーナビ等掲示画面の大きさに制限がある移動体端末の場合、その掲示画面の有効な使い方が問題となるが、このように現在の自車位置と移動経路地図のみならず、移動先や、移動先に関わる交通情報、経路情報をユーザにとって適切な方法で掲示することで、煩雑な操作をすることなく、必要な情報だけを容易にドライバに把握させることが可能となる。また、移動先情報を効果音や(図17の626)、音声(図17の627)通知することで、ドライバの運転負荷を妨げることなく注意を喚起させ、必要な情報を把握させることが可能となる。さらに、本実施の形態における掲示制御は、移動先までの距離に基づいており、例えば移動先までの距離が2km以下の場合など、距離が近い場合は通り過ぎてしまうなどの恐れがあり、本実施の形態のように、距離が近いほど詳細な掲示を行うことで、より注意の喚起の効果の向上をはかることが可能となる。
一方、移動先までの距離が遠い「スーパー」の移動先情報は「○○百貨店」に比較して小さく、ドライバに遠い位置、あるいは現在走行表示の妨げとならない位置、あるいは地図上で移動先方向、移動先近辺に掲示する(図17の628)。これにより、制限のある掲示画面を有効に活用することが可能となる。移動先までの距離が近い場合、タイミングが遅くて通りすぎてしまう可能性もあるため、必要ならば詳細な情報を早めに掲示する必要があるが、移動先までの距離が遠い場合、その移動先に関する詳細な情報は必ずしもまだ必要とは限らず、これら移動先までの距離が遠い移動先情報を簡易的に掲示することで、例えば実際は「○○百貨店」ではなく「スーパー」に行く場合でも、タッチパネルを触れるだけで目的地として設定するなど、ユーザの操作を促す効果が生じる。
なお、本実施の形態において掲示制御は、移動先までの距離のみによって制御を行ったが、移動先到達確率に大差がない場合、例えばある移動先への移動先到達確率が40%で別の移動先への移動先到達確率が50%と、差が10%以下の場合、移動先までの距離に応じて掲示制御を行うようにしてもよい。さらには、移動先到達確率に閾値を設けるなどして、例えば移動先到達確率が80%以上の場合、距離に関わらず、移動先まで遠い場合でも所定の大きさで、詳細な移動先情報を掲示することとしてもよい。操作の煩雑さを軽減し、かつ把握を容易にする効果を生じる。
なお、本実施の形態において移動先情報は移動先までの距離に応じて制御を行ったが、移動先までの距離に限らず、移動先までの交差点の数、移動先までの所要時間、渋滞情報の量等によって変更するものとしてもよい。例えば、交差点の数が多い場合や市街地などの場合は、その分行き先経路情報、交通情報等掲示する情報量も多く、掲示できる商用情報など移動先情報には限りがあるため必要な情報のみ簡易的に掲示することとしてもよい。これにより、煩雑な操作を軽減でき、掲示画面を有効に利用することが可能となる。一方、走行経路が高速道路であったり、交差点の数が少ない道路であったりする場合、あるいは渋滞が少ない場合、掲示する情報量は少ないため、移動先情報を詳細に掲示するよう制御することとしてもよい。
また、本実施の形態では例えば2km以下を「近い」、10km以上を距離が「遠い」として掲示の制御を行っているが、もちろんこれに限ったものではない。普段の走行履歴の情報を蓄積しておき、この情報をもとに制御することとしてもよい。例えば普段、ユーザの平均走行距離が20kmなら、これより短い場合を「近い」、2倍の40km以上を「遠い」など、走行履歴より自動的に制御することとしてもよい。さらに、雨の日等は20km以上でも「遠い」と、天候によって変更することとしてもよい。あるいは、渋滞情報等、道路の状況に応じてこの距離の尺度を変更することとしてもよい。
移動先を予測する場合、その移動先に到達する確率は状況に応じて様々であり、またその移動先に必ずしも移動するとは限らず、複数候補を算出してユーザの操作を促すなどして、予測精度の向上をはかる必要がある。しかし、予測移動先候補を複数、同様に掲示する場合、掲示画面の制限があり、また運転中のみならず停車中でも車内の限られた空間で複雑な操作は、ドライバにとって煩雑である。一方、本発明における本実施の形態のように、移動先までの距離に応じて掲示を制御することで、距離が近い場合は通り過ぎてしまう場合があるため詳細な移動先情報を掲示する必要がある。また一方、距離にまだ余裕がある場合は、簡易的に掲示し、交通情報を掲示したり、あるいは触れるだけで目的地に設定したりできるなど、ドライバに操作を促す効果を生む。
次に、フローチャートを用いて、本実施の形態における移動先情報の掲示までの動作を説明する。図19は、移動先表示装置のスタートから掲示までの動作を示したフローチャートである。実施の形態1と同じステップには同じ符号を付与している。カーナビ等移動体端末の場合、エンジンを起動させるなどをきに、スタートさせる。このとき、目的地が設定されているか否かを判定し(ステップS100)、目的地が設定されていれば(ステップS101のYes)、その目的地と、目的地における経路の交通情報等、移動先情報を地図情報記憶部105、およびネットワーク108を介し、情報提供サーバ109等より取得する(ステップS104)。設定されていなければ(ステップS100のNo)、現在位置を位置情報検出部102により検出する(ステップS101)などして、ユーザの移動先を予測する(ステップS102)。現在の走行位置より予測される移動先が存在すれば(ステップS103のYes)、予測された移動先や移動先に関わる交通情報等、移動先情報を地図情報記憶部105、およびネットワーク108を介し、情報提供サーバ109等より取得する(ステップS104)。ここで、掲示制御部104は移動先までの距離に応じて掲示を制御するため、移動先までの距離を算出する(ステップS201)。次に前記掲示ルールを参照し(ステップS105)、取得された移動先情報を掲示ルールに基づき掲示部106に掲示する(ステップS106)。
以下、図16、図17、図18を用いて本動作を具体的に示す。例えば現在、目的地を設定せず、□□交差点を通過してきたとする。位置情報検出部102で現在位置を検出し(ステップS101)、移動先を予測する(ステップS102)。図18の移動先候補リスト221より「○○百貨店」、「スーパー」が予測される(ステップS103のYes)。次に予測されたこれら「○○百貨店」、「スーパー」の商用情報や、それにいたる経路の交通情報等を地図情報記憶部105や、ネットワーク108を介し情報提供サーバ109より取得する(ステップS104)。次に掲示制御部104は、前記移動先情報を掲示する掲示ルール(例えば図16の502)をもとに掲示部106に掲示する(ステップS106)。図17は掲示部106に掲示された画面を示している。
なお、本実施の形態において掲示するタイミングは、例えば△△交差点を通過することで移動先を予測し、予測されたら掲示する、と移動先予測に連動していたが、出発してから5分など所定の時間経過後予測し、あるいは予測された移動先を掲示としてもよいし、予測された移動先まで残り2kmになった場合に掲示する、と所定の時間や距離を用いて掲示することとしてもよい。また、信号待ち等で停車したとき、あるいは所定の速度以下になったらこれら移動先情報を掲示して、ユーザの操作を促すこととしてもよい。さらに、掲示する時間も停車から走行し始めるまで、などとしてもよい。これにより、走行中は自車位置と走行地図など普段のモードを掲示し、停止したときに移動先の詳細な情報を通知することとなり、ドライバの煩雑な操作なく、安全に移動先の詳細な情報を通知することが可能となる。
なお、本実施の形態において、移動先情報の掲示する地理情報は、移動先と所定の範囲の移動先近辺としたが、現在位置からその移動先までの経路全体が入るよう、縮尺を変更することとしてもよい。以下、図20を用いて説明する。
図20は、現在位置からの距離は遠くても、移動先到達確率が閾値を超えている場合には所定の大きさで詳細な移動先情報を掲示する場合の掲示の一例を示す図である。図20は移動先候補(図2の203)より会社が予測され、所定のタイミングで移動先情報として掲示したものを示している。この場合、目的地までの距離は遠いが、移動先到達確率が90%と、所定の閾値以上であるため、掲示ルール503(図16)を用いたものとする。掲示ルール503は、掲示ルール501、502と同様に、掲示する移動先情報の大きさ、位置等に加え、掲示する移動先情報の内容等、詳細にルールが記されている。
掲示する移動先情報の内容は、商用情報、渋滞情報、迂回経路の情報等、項目ごとに例えば二重丸、丸、三角等、重要度とともに記されており(掲示移動先情報重要度)、これをもとに、重要度の高いものを掲示する。
現在の縮尺度では移動先である会社は掲示画面に収まらないため、掲示ルール503において移動先までの距離が「2kmから10km」のルールが用いられ、縮尺を縮小し、会社とそれに至る経路(図20の701)、および交通情報(図20の704)、会社までの距離や到着時刻(図20の703)、操作候補として「TEL」や「上司へのメール」等(図20の702)を移動先情報として掲示している。
移動先までの距離が遠い場合、ユーザの求める情報は目的地付近の情報ではなく、それにいたる交通情報や、距離、到着時刻等であることが多く、本手法のように移動先と移動先情報を制御して掲示することで、ドライバの運転の負荷を妨げることなく、また制限ある掲示画面を有効に活用し、ドライバが必要とする情報を容易に把握することが可能となる。なお、縮尺を縮小して全体を掲示するのではなく、スクロールして移動先情報を掲示することとしてもよい。以下、図21を用いて説明する。
図21(a)は、予測された移動先である会社を起点として、現在位置までの経路をスクロール表示する場合の起点における移動先情報の表示例を示す図である。図21(b)は、図21(a)に示したスクロール画面801を起点として、終点のスクロール画面802を現在の掲示画面に一致させた表示例を示す図である。なお、図21(b)の右に示す矢印は、スクロールの方向(経路を逆に辿るようにスクロール)を示している。図21は、同様に移動先として会社が予測され、所定のタイミングで会社までの経路の全体を、会社をスタートとして、現在位置まで走行が予定される経路を逆に辿るようにスクロールさせ、現在の掲示画面に一致させたものを示している(図21の801から802)。縮尺が小さすぎて、移動先情報を把握しにくい場合でも、このようにスクロール表示することで、運転負荷を妨げることなく、移動先情報を容易に把握することが可能となる。
さらに、算出された複数の移動先が、ある交差点等を分岐として分かれる場合、図22のように分岐点まではいっしょの画面内にスクロールさせて掲示し、分岐点以降、画面を分割してスクロールさせることとしてもよい。図22(a)は、2つの移動先までの経路を、分岐点までは同一の表示枠内でスクロール表示する一例を示す図である。図22(b)は、2つの移動先までの経路が分岐した後は、移動先ごとの表示枠内でそれぞれの経路をスクロール画面する一例を示す図である。図22の901は移動先として、「会社」と「コンビニ」が予測されたことを示している。「会社」と「コンビニ」までの途中経路は同じであるため、このように一つの画面で掲示し(図22の901)、経路のスクロールとともに分割して掲示する(図22の902は「会社」、図22の903は「コンビニ」を示している)。複数の移動先をそれに至るまでの経路全体を縮小して掲示してしまうと、制限のある掲示画面では、現在走行の情報を遮ってしまい、把握しにくくしてしまう恐れがある。また縮小しすぎて情報を把握しにくくなる恐れもある。本手法を用いることで、複数の移動先情報を運転の負荷を妨げることなく、必要な情報をユーザに容易に把握させることが可能となる。
なお、本実施の形態および実施の形態1において、掲示する移動先は移動予測によって得られた移動先および移動先到達確率であったが、これに限ったものではなく、自ら複数行き先を設定して、それら移動先を本発明の掲示方法を用いて効果的に掲示することとしてもよい。この場合、掲示制御部104は移動先までの距離や移動先到達確率によって掲示方法を制御するのではなく、複数の目的地の経由する順序や到着時間や、重要度等に基づき掲示制御する。例えばユーザが目的地や寄り道経由地点として複数移動先を設定し、その移動先に到着する到着時刻の近いものほど大きく、ドライバの近い位置に詳細度を高く、効果的に掲示するなどしてもよい。あるいは、設定された移動先が重要なほど大きく、ドライバの近い位置に詳細度を高く、効果的に掲示することとしてもよい。
なお、本実施の形態において目的地に関する移動先情報は、目的地までの距離に応じた掲示ルールに基づき制御を行ったが、その目的地のカテゴリに基づき掲示制御することとしてもよい。移動先情報として掲示する地理情報は、移動先と所定の範囲や、目的地近辺、あるいは目的地までの全経路としてきたが、これに限ったものではない。例えば、目的地までの距離が遠い場合、必要な情報はその目的地のみに関した情報に限ったものではなく、カテゴリを設け、近辺で同じカテゴリのものを含むように掲示制御することとしてもよい。目的地までの距離が遠い場合、同一カテゴリに属する情報を候補などとして掲示してやることで、ドライバの行動を促すことができる。以下、図23、図24、図25、図26を用いて具体的に説明する。
図23は、現在位置から目的地までの距離が遠い場合に、目的地の移動先情報に併せて掲示される近辺の同一カテゴリの移動先情報の一例を示す図である。図23の3001はユーザの走行位置であり、走行経路3002と、地図情報とともに掲示部の画面に掲示されており、現在、○○交差点を通過してきたとする。
図24(a)は、所定のランドマークを通過したときに予測された移動先候補への到達確率の一例を示す移動先候補リストである。図24の3101は、ユーザの走行履歴をもとにした移動先予測部107に蓄積された移動先候補リストであり、前述にある予測手法と同様に、○○交差点の通過をきっかけに、後に「ファミレス」に移動すると予測されることを示している(移動先到達確率90%)。
一方、掲示制御部104は、予測された移動先をもとに、移動先情報(目的地、および目的地までの経路等に関する情報)を取得する。図24(b)は、同一カテゴリに属する移動先候補近辺の施設等の商用情報を含む移動先情報の一例を示す表である。3102は、この移動先である「ファミレス」に関する移動先情報であり、前記の移動先情報401と同様、位置情報、商用情報等が、地図情報記憶部105やネットワークを介し、情報提供サーバより取得されている。さらに、ここでは「ファミレス」の施設のカテゴリが「飲食店」と取得されている。この施設カテゴリとは、その施設の属する分類を示すものであり、地図情報記憶部105に予め記憶されているものとしてもよいし、情報提供サーバ109より取得することとしてもよい。
また、この移動先情報は、目的地のみの情報に限らず、例えば目的地を中心として半径500m以内(直径1km以内)等としてもよい(図23)。移動先情報3102は、目的地である「ファミレス」情報のみならず、半径500m以内の「ラーメン屋」、「すし屋」等の位置情報、商用情報、さらに施設カテゴリ「飲食店」等の情報が取得されている。
図24(c)は、現在位置から移動先までの距離に応じて、同一カテゴリに属する施設等の商用情報を表示するか否かを制御する場合の掲示ルールの一例を示す表である。一方、掲示制御部104に蓄積された掲示ルール3103は、掲示ルール503と同様、目的地までの距離に応じて掲示する情報を制御するルールが記されている。さらにここでは、掲示移動先情報の重要度の項目として、「同一カテゴリ情報」が設けられている。この「同一カテゴリ情報」とは、目的地に関する情報のみならず、目的地と同一のカテゴリに属する情報を掲示するもので、この場合、移動先までの距離が10km以上の場合は掲示する旨が記されている。一方、目的地までの距離が近い場合(この場合2km未満)は、掲示しない旨が記されている。
ここでは、移動先「ファミレス」までの距離が10km以上であるとする。図25は、現在位置から移動先までの距離が遠い場合に、移動先と同一カテゴリに属する施設等とが併せて掲示される掲示の一例を示す図である。このとき、掲示制御部104は、移動先「ファミレス」までの距離が10km以上と遠いため掲示移動先情報3201として、同一カテゴリに属する情報、「ラーメン屋」、「すし屋」の情報を「その他の候補」として掲示する(図25)。
この他、例えば目的地が「遊園地(カテゴリは娯楽施設とする)」であった場合、候補として「ボーリング」、「カラオケ」等、同一カテゴリを掲示することになる。
目的地である施設やお店までの距離が遠い場合、ユーザはその目的地情報のみを必要としているとは限らず、その目的地の近辺や、目的地方向で同じカテゴリに属する情報を例えば「その他の候補」として掲示することで、煩雑な操作を行うことなく、移動先近辺で必要な情報を容易に把握することが可能となる。
なお、同一カテゴリを掲示するルールは、10km以上など、移動先までの距離に応じて制御することとしたが、距離ではなく、到着時刻、さらに渋滞情報を考慮した正確な到着時刻、信号の数等に応じて制御することとしてもよい。
例えば、目的地までの到着時刻が30分の場合、35分(30分との差は5分)で行くことが可能な範囲で、同一カテゴリを「その他の候補」として掲示することとしてもよい。例えば、同じ半径500m以内における同一カテゴリだとしても、予測された目的地までは30分で行けるのに対し、候補施設は同じく30分、あるいは30分以上余分にかかる等の目的地は、候補としては適さないため、このように目的地までの距離や到着時刻に応じて制御することで、よりユーザに必要な情報を提供することが可能となる。
さらに目的地近辺の情報は、例えば半径500mとしたが、距離や、到着時刻に応じて近辺の範囲を制御することとしてもよい。
例えば、目的地までの距離が1kmと比較的近い場合に、その目的地から500m離れた場所となると、現在のユーザの位置からは遠回りとなることがある。一方、目的地までの距離が10kmと比較的遠い場合は、たとえその目的地から500m離れた場所に他の候補があるとしても、現在のユーザの位置からその候補へ向かうとしても、距離や、到着時刻にはそれほど大差はなく、候補として掲示することとしてもよい。図26は、現在位置から移動先候補までの距離に応じて、「その他の候補」として掲示される同一カテゴリ情報を制御する場合の同一カテゴリの施設等の存在範囲を示す図である。例えば、図26において、目的地は「レストラン」であり、半径500mとすると候補として「うどん屋」が候補として挙げられる。一方、目的地までの距離は、この場合、2kmから10未満とすると、範囲は半径250mと絞られるため(掲示ルール3103)、遠回りとなる「うどん屋」は、同一カテゴリではあるが、「その他の候補」には入らないこととなる。
なお、移動先までの距離が遠い場合、提供する情報の更新の頻度等によって提供する情報を制御することとしてもよい。以下、図27を用いて説明する。図27は、カーナビの画面であり、ユーザの現在位置と、現在位置周辺の地図が表示されている。また、移動先として「スーパー」と「○○百貨店」が予測されており、これら移動先までの経路(黒い点線で示す)が示されている。さらに、移動先情報として各移動先周辺の情報が、サブウィンドウで示されている。例えば、表示画面右端には、目的地「○○百貨店」の移動先情報が示されている。また、表示画面上部には目的地「スーパー」の移動先情報が示されている。ここで、各移動先情報として、駐車場に関する情報があるとする。車で移動をする際、ユーザの関心事項のひとつとして、その移動先の駐車場の有無、あるいは駐車場の空き具合が挙げられる。これらを自動的に提供することでユーザは煩雑な操作なく、必要な情報を把握することができる。一方、当該移動先までの距離が遠い場合、移動先によっては駐車場への車の入出頻度が激しく、現在の駐車場の空き具合等を表示しても、ユーザが到着する頃には状況が変化し、不要な情報となる場合もある。そこで、駐車場の空き具合の更新頻度を参照し、更新頻度が激しい場合は、まだ表示は不要とする等、これら移動先に関する情報の更新頻度を参照し、様態を変更することとしてもよい。
例えば、図27において「○○百貨店」の駐車場は出入りが激しく、空車と満車の情報更新が激しいとする。この場合、「○○百貨店」の位置が比較的遠い場合、今これら駐車場の情報を提供しても状況が変わる可能性が高いため表示を控えることとする。一方、「スーパー」の駐車場は比較的空車の場合が多く情報更新も少ないとする。この場合、今、駐車場の情報を提供しても状況が変わる可能性が低いため、「駐車場空きあり」と空車である旨が表示されている。
このように、目的地までの距離等に応じて、掲示する情報を制御することで、煩雑な操作なく、容易に必要な情報を把握させることが可能となる。なお、本実施の形態では、予測された移動先までの距離に応じて、提示する情報の内容の制御を行った。さらに、車載ディスプレイの表示画面の大きさ、解像度、性能等に応じて表示内容を変更することも可能である。特に、図1に示すように、ネットワークを介して商用情報を取得する場合に、全ての車載ディスプレイの機種に応じて商用コンテンツを作成するのは大変な作業となる。また、ネットワークを介して取得する情報は最新の情報であり、古くからカーナビを所有するユーザの車載ディスプレイの性能は、ネットワークを介して取得する最新の情報を表示するのに十分でない場合がある。また、ハードディスク等を搭載したカーナビ本体は同一で、車載ディスプレイだけを買い換えることもあり、車載ディスプレイの表示性能に応じて、表示する内容を変更する必要がある。例えば、車載ディスプレイの解像度が640*480ドットの解像度の場合には、移動先の確信度が1位のものの表示領域が150*100ドットであるが、800*600ドットの場合には、200*150ドットで表示する等、車載ディスプレイの性能に応じて表示する領域を変更することも可能である。さらには、音声情報を主体に利用するカーナビの場合には、情報の詳細度を音声で表現する必要がある。
上記のように、複数の移動先と移動先に関わる移動先情報を状況に応じて、ユーザに適する形式で掲示制御を行う、掲示制御部104を備えることで、ユーザの運転負荷を妨げることなく、容易に把握することが可能となる。特に、車両の運転において、表示装置において表示される情報が適切に制御されなければ、運転に支障をきたし、安全な移動を実現することができない。
(実施の形態3)
実施の形態1では、予測された移動先の確信度をもとに各移動先に関する経路等の情報を提示する内容の変更を行った。実施の形態2では、予測された目的地までの距離に応じて提示する情報の内容の変更を行った。さらに、本実施の形態では、ドライバの過去の異動履歴に応じて提示する情報の内容を変更する例について述べる。
本実施の形態を実現するシステム構成を図28に示す。図28は、実施の形態3の移動先表示装置2100の構成を示すブロック図である。移動先表示装置2100は、移動履歴蓄積部2101、移動先予測部2102、掲示制御規則蓄積部2103、掲示情報蓄積部2104及び情報掲示制御部2105を備え、液晶表示パネルなどの車載ディスプレイである情報掲示部2106に接続されている。図28において、2101は車両等の移動履歴をハードディスク等の蓄積媒体に蓄積する移動履歴蓄積部である。2102は2101に蓄積された移動履歴からドライバがこれから行こうとしている移動先を統計的手法により予測する移動先予測部である。2103は移動先の情報を提示するための規則を蓄積している提示制御規則蓄積部である。2104は提示する情報を詳細度等により階層的に蓄積している提示情報蓄積部である。2105は提示情報蓄積部で蓄積されている情報を、提示制御規則蓄積部で蓄積されている提示規則にしたがって予測された移動先に関する情報の提示を制御する情報提示制御部である。2106は情報提示制御部で制御された情報を提示する情報提示部である。
以上の構成により実現された移動先表示装置2100の動作について図29のフローチャートを用いて説明する。図29は、予測された移動先への過去の訪問回数に応じて、移動先情報の表示内容を変更する動作を示すフローチャートである。はじめに、移動履歴蓄積部においては、カーナビ等のGPSアンテナ(図示せず)によって車両の位置情報と時刻情報を取得し、ハードディスク等の二次記憶媒体である移動履歴蓄積部2101に蓄積される。実施の形態1、2と同様に、ドライバの現在地と時刻、さらには、現在地に至った経路の情報を利用し、移動先予測部2102によって移動履歴蓄積部2101の蓄積情報を利用して、ドライバの移動先を予測する(ステップS2201)。
次に、目的地予測の確信度が所定地より高いか否かを判定し(ステップS2202)、予測された移動先が十分な確信度をもって予測できている場合には(S2202のYes)、S2203へ、十分な確信度をもって予測できていない場合には(S2202のNo)、再びS2201へもどり、ドライバがさらに走行するのを待ち、再び、移動先の予測を行う(S2202)。ここで、移動先が十分な確信度で予測できたものとし、S2203へすすむ。
予測された移動先として、○○百貨店(緯度34度43分34秒、東経135度22分34秒)であったとする。図30は、移動先の訪問回数に応じて移動先情報として表示する内容を制御する場合の掲示ルールの一例を示す表である。一方、図30に示すように、移動先の訪問回数に応じて表示する内容を変更する規則が掲示制御規則蓄積部2103で蓄積されている。図30において、移動先への訪問回数が10回以上の場合には、ドライバは十分にその付近の情報を熟知しているため、付近の詳細な情報やパーキングの情報は必要ないと判断し、逆に、その移動先にあまり訪問した実績がない場合には、付近の駐車場の情報や周辺に関する詳細情報を提示する必要があるという規則が表現されている。このように、過去の訪問回数により、提示する情報の詳細度を変更することで、ドライバにとって必要な情報のみを提示することが可能になる。
図31は、移動履歴蓄積部2101で蓄積されている過去の移動履歴の一例を示す表である。図30に示すように、移動先に対する過去の訪問回数に応じて提示する情報の詳細度を変更するために、移動履歴蓄積部2101で蓄積されている移動履歴から、○○百貨店付近の履歴情報の検索を行う(S2203)。○○百貨店の緯度・経度に関する情報があらかじめ取得できているため、その位置付近の過去の移動履歴を検索した結果、図31の表が生成される。図31において、付近の移動履歴としては、多数検索されるが、ユーザが単一の目的をもって訪問した回数を算出する必要がある。例えば、同一の日に、付近を通過した履歴があった場合には、一回の訪問とみなすことが可能である。また、同じ日でも、朝と夜に訪問していた場合には、別の目的で訪問していたとみなすことも可能である。図31においては、同一の日の訪問を1回の訪問とみなし、訪問回数を計算している
。
次に、訪問回数に応じて表示する内容を決定する(S2204)。例えば、ドライバが2回、○○百貨店へ訪問していたと計算された場合には、図30の表より、情報の詳細度を高め、パーキングに関する情報まで表示する必要がある。そこで、図35は、移動先への訪問回数が比較的少ない場合に、より詳細な内容を掲示した移動先情報掲示画面2500の一例を示す図である。図36は、移動先への訪問回数が比較的多い場合に、より簡略な内容を掲示した移動先情報掲示画面2600の一例を示す図である。図35に示すように、移動先への訪問回数が比較的少ない場合には、○○百貨店の周辺地図とともにパーキング情報をも表示する。一方、図30の表より、訪問回数が10回以上と計算された場合には、図36に示すように○○百貨店の情報と、パーキングに関する情報は直接表示せず、図35のパーキング情報がドライバに選択されたときに、駐車場に関する情報を提示する。
以上のように、移動先に関する情報を提示する場合に、過去の訪問履歴を利用して、ドライバの訪問先に関する認識度に応じて情報を選択的に表示することで、運転を妨げることなく、必要な情報のみを提示することが可能になる。特に、カーナビにおいては、普段は詳細な地図情報が表示されているため、余分な情報はなるべく表示すべきでない環境である。そのため、本技術により過去の移動履歴によって情報を選択的に表示することは、格別の効果を奏する。
なお、本実施の形態においては、移動先に対する訪問回数に応じて移動先に関する情報を選択的に表示した。さらに、移動履歴として過去に訪問した日時に関する情報を取得することができるため、現在の日時と過去に訪問した日時の差に応じて情報を選択的に表示してもよい。予測された訪問先に対して、一年前に訪問していた場合には、ドライバが周辺状況に関する情報を忘れている場合がある。例えば、訪問先の駐車場の場所や料金に関する情報や、周辺の渋滞箇所に関する情報も忘れている可能性がある。一方、予測された移動先に対して、一週間前に訪問していた場合には、周辺の情報に関しては十分に覚えている可能性が高い。そこで、現在時刻に対して過去に訪問した時刻・日時に関する情報を利用して、移動先に関し選択的に表示することで、ドライバにとって必要な情報のみを提示することが可能になる。
以下、図を用いて詳細を説明する。
図32は、前記実施の形態1等と同様に、例えば掲示制御部104に蓄積された、移動先の掲示様態を変更するルールである掲示ルールを示す表である。掲示ルールには、移動先への目的地訪問間隔と、当該訪問間隔であった場合に移動先の様態のうち、例えば詳細度をどのように掲示するかの規則が示されている。例えば、前回その目的地へ訪問した日時から今回その目的地へ訪問した間隔が1週間未満である場合は詳細度を低く、1週間以上1年未満である場合は詳細度を中程度に、1年以上である場合は詳細度を高く掲示する規則が蓄積されている。また、前記実施の形態1に示すように、例えば移動先予測部107にはユーザの移動履歴が蓄積されているとする。そこで移動履歴をもとに、前回の訪問日時と、今回の訪問日時の差を算出し、本掲示ルールに示された訪問間隔をもとに表示情報の様態を制御することとしてもよい。
さらに、この訪問間隔は、各移動先によって変更することとしてもよい。以下、図を用いて詳細を説明する。図33は、掲示制御部104に蓄積された掲示ルールの一例である。掲示ルールには、「目的地名称」と「施設のカテゴリ」、そして詳細度を変更する訪問間隔が示されている。また、各移動先とその詳細度を示した本掲示ルールは、情報提供サーバ109より取得することとしてもよい。例えば、目的地名称「ファミレス」の施設カテゴリは「飲食店」であり、訪問間隔が「1週間未満」の場合は詳細度を「低」に、「1週間から1年未満」の場合は「中」、「1年以上」の場合は「高」と、訪問間隔ごとに詳細度を変更するルールが示されている。一方、目的地名称「カラオケ」、カテゴリ「娯楽施設」は、訪問間隔が「1週間未満」の場合は詳細度を「低」に、「1週間から1ヶ月未満」の場合は「中」、「1ヶ月以上」の場合は「高」となっている。例えば、同じ訪問間隔が1ヶ月であっても、移動先によっては詳細度を変更するのが好ましい場合もある。例えば、カテゴリ「飲食店」であるファミレス等においては、その商用情報のひとつであるメニューに関する情報は頻繁に変わることがないのが一般的である。一方、例えばカラオケなどは、その商用情報のひとつである新曲のリストなどは、1週間で更新される等、その移動先に関する情報の更新の頻度が異なる。したがって、同じ1ヶ月ぶりに訪問したユーザであっても、ファミレスの場合は以前と情報が変わっていないため、詳細度を低く(本例の場合は「中」)、一方、カラオケの場合は以前と情報が大きく変更されているため、詳細度を高く(本例の場合は「高」となっている)掲示する等の制御を行うことで、よりユーザが必要とする情報を各移動先に応じて自動制御することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、移動先に対する訪問回数に応じて移動先に関する情報を選択的に表示した。提示される情報が過去の情報と同じ場合には、提示する必要がない場合がある。そこで、予測された移動先に前回訪問した際の時刻に応じて表示内容を変更することも可能である。例えば、前回、訪問した時刻が午前中であったのでレストランのランチメニューの情報を提示したが、ユーザによってランチメニューの情報が閲覧されなかった。そこで、今回の訪問が午前中であった場合には、前回、ランチメニューが閲覧されなかったため、ランチメニューに関する情報は提示しないようにする。逆に、今回の訪問が午後の場合には、レストランのメニューに関する情報が選択される可能性があるため、メニュー情報を提示する。このように、以前、訪問したときの時刻や閲覧履歴や、操作の履歴情報を蓄積しておき、提示する情報を制御することも可能である。
以下、図を用いて詳細を説明する。
図33は、前記実施の形態1等と同様に、例えば掲示制御部104に蓄積された、移動先の掲示様態を変更するルールである掲示ルールを示す表である。
図33に示す掲示ルールには、各移動先と訪問時刻が付帯されて蓄積されている。例えば「ファミレス」は、訪問時刻が「10時00分から17時00分」の場合カテゴリは「飲食店」、一方、訪問時刻が「18時00分から24時00分」の間はカテゴリ「居酒屋」となっている。このように、同じ施設内であっても、その訪問した時刻によっては訪問の目的が異なる場合がある。したがって、同じ「ファミレス」に訪問した場合においても、12時に訪問した場合と、20時に訪問した場合とでは目的が異なることもある。そこで、訪問時刻を考慮して訪問回数を算出することとしてもよい。例えば、12時に訪問した場合、訪問時刻「10時00分から17時00分」に含まれるため、同じファミレスであっても飲食を目的として訪問したとカウントする。次に同じ「ファミレス」へ20時に訪問した場合は、訪問時刻「18時00分から24時00分」に含まれるため居酒屋を目的としており、これらを別の訪問としてカウントする。つまり、同じ2回であっても、訪問時刻が異なるため、夜のメニューや居酒屋用のメニューを詳細に掲示することとなる。このように、訪問時刻を考慮して掲示の様態を変更することで、よりユーザの行動の目的を反映した情報提供が可能となる。
さらには、以前訪問した際に取得、あるいは掲示した商用情報などの情報量の履歴より、掲示を制御することも可能である。これら情報を蓄積しておき、蓄積された情報をもとに掲示制御をすることで、煩雑な操作なく、ユーザの欲する情報を適した様態で掲示することが可能となり、操作性および情報把握性の向上を図ることが可能となる。
(実施の形態4)
前記実施の形態では、複数の移動先を予測して移動先に関する情報や、移動先までの経路に関する情報を表示する際、予測移動先の距離、あるいは予測確率に応じて表示情報の様態を変更する手法について説明した。カーナビ等の移動体端末の場合、表示画面に制限があり、また運転中や移動中の過度の情報提供は好ましくない。そこで、必要に応じてユーザが欲する情報を適切な様態で掲示する必要があり、移動先の距離や、到達確率を用いることで、ユーザが必要とすると考えられる情報を効果的に掲示し、一方、まだ不要であると考えられる情報の提供は最小限に抑えることができる。
さらに前記実施の形態では、所定の移動先が予測された場合、当該移動先の例えばカテゴリを参照し、同一のカテゴリに属する移動先をさらに算出し、代替となる移動先の候補として掲示する手法について説明した。例えば、図23等では、あるレストランが移動先として予測された場合、例えば近辺に位置する同一のカテゴリであるレストランに属するラーメン屋や、すし屋を代替となる候補として算出してユーザに情報を提供している。
一般的にユーザは移動する際、必ずしも目的地が定まって移動するとは限らない。例えば、ユーザが食事をしようと思った場合、必ずしもある一箇所の定まったレストランが目的地であるとは限らない。食事が行えるレストランであれば、場所にはそれほどこだわりはなく、食事が行えるレストランでさえあればよいと思いながら移動する状況もある。このような場合、前記実施の形態に示すように代替となる移動先を掲示することで、ユーザが必要とする情報を、煩雑な操作なく、容易に把握させることが可能となる。また、複数のレストランの中から、各レストランや、各レストランまでの経路における渋滞等、状況によって目的地を決める場合もある。前記実施の形態に示すように、移動先までの距離や到達時刻等を考慮することで、柔軟な情報提供が可能となり、さらに、過去行った事があるレストランに限らず、あらたにレストランの情報を提供することで、ユーザの行動を促す効果もある。
本実施の形態では、予測された移動先と、さらに代替となる移動先(以下、代替移動先と呼ぶ)の情報提供について詳細を説明する。
図37は、本実施の形態におけるシステム構成図である。以下、まず各構成要素について図を用いて説明し、後に本システムの動作について説明する。
移動先予測部3402は、ユーザの今後の移動先を予測する処理部であり、例えば前記実施の形態1等と同様、移動先履歴蓄積部3401に蓄積された移動履歴をもとに予測を行う。
図38は、移動先履歴蓄積部3401に蓄積された移動先履歴を示したものである。例えば北緯「34度43分34秒」、東経「135度11分11秒」に位置する、名称「サンゼリア」に日時「2003年7月1日」、曜日「土曜日」、時刻「12時12分15秒」に到達したことを示している。さらに本実施の形態ではユーザが移動した移動先のカテゴリを移動先の履歴として蓄積することとする。例えば「サンゼリア」のカテゴリである「レストラン」が付帯して蓄積されている。また同様に、北緯「34度44分50秒」、東経「135度22分30秒」に位置する、名称「リーガルホスト」、カテゴリ「レストラン」に日時「2003年7月15日」、曜日「土曜日」、時刻「12時14分11秒」に到達した履歴が蓄積されている。
図39は、情報を掲示する情報掲示部3410であり、例えばカーナビのディスプレイとする。ディスプレイにはユーザの現在位置と、地図情報が表示されており、また、現在の日時「12時01分(土曜日)」等も示されている。ここで、移動先予測部3402は、前述した移動履歴を用いてユーザの移動先を予測する。例えば現在の日時情報を利用して予測することが可能である。本例の場合、現在の日時が「12時01分(土曜日)」であり、曜日と時刻(例えば前後1時間等)に該当する移動先を検索する。図38の場合、前述した曜日「土曜日」、時刻「12時12分15秒」に到達したことがある「サンゼリア」と、曜日「土曜日」、時刻「12時14分11秒」に到達した「リーガルホスト」が該当し、これらを予測移動先として算出する。
あるいは、例えば前記実施の形態1と同様、移動先と移動先までの経路を蓄積しておき、現在の移動径路を利用することも当然可能である。例えば図39の場合、今、ユーザは華町交差点を左折したことを示している。華町交差点を通過した移動履歴を検索し、その後到達する移動先の頻度等を用いることで、今後の移動先を予測することができる。
移動先カテゴリ判定部3403は、予測された移動先のカテゴリを判定する処理部である。例えば前述の図39の場合、予測移動先として「サンゼリア」と「リーガルホスト」が予測されており、これら移動先のカテゴリを判定する。図38には、移動先と移動先のカテゴリが付帯して蓄積されており、名称「サンゼリア」のカテゴリは「レストラン」、同様に名称「リーガルホスト」のカテゴリも「レストラン」と判定される。つまり本例の場合、ユーザはレストランである「サンゼリア」か「リーガルホスト」へ行くであろうと予測されていることを示している。
一般的に、蓄積された移動履歴は、ユーザ独自の行動特性を反映する傾向があり、移動履歴から移動先を予測する場合、時間帯や曜日、あるいは移動経路等、ある状況において、複数の移動先が予測され、さらにそれらが同一のカテゴリである場合がある。例えば、本例に示すユーザの場合、レストラン「サンゼリア」と「リーガルホスト」が予測されており、例えば土曜日の昼には食事をするためにレストランに移動する等の傾向を反映している。また一方でユーザは、食事さえ行えれば場所にそれほどのこだわりはなく、各レストランの混雑具合や、経路の渋滞状況等を考慮して最終的にレストランを決定する場合もある。さらに、場所にこだわりがない場合は、移動履歴にある過去行った事があるレストランのみならず、あらたにレストランを代替移動先として提供することで、ユーザの行動を促すことにもつながる。したがってこれら算出された複数の移動先に関する情報を提供する必要が生じるが、一方でカーナビの画面の制限や、また過度の情報提供は運転上好ましいものではないため、これら複数の移動先に関する情報を制御して提供する必要がある。
そこで本発明では、予測移動先と、予測移動先のカテゴリを参照し、該当カテゴリと同一の代替移動先を算出し、これら複数の移動先に関する情報を提供し、さらにこれら情報をより容易に情報を把握すべく、様態を制御する手法について説明する。
代替移動先検索部3405は、移動先カテゴリ判定部3403で判定されたカテゴリに該当する代替移動先を、カーナビやサーバ等に備えられた地図情報蓄積部3406に蓄積された地図情報から検索する処理部である。また、移動先距離演算部3404は、予測された移動先の位置情報から、距離等を参照し、検索する条件となるエリアを演算する処理部である。以下、具体例を用いて説明する。
図40には、ユーザの現在位置と、予測移動先である「サンゼリア」と「リーガルホスト」の位置関係を地図で示したものである。複数移動先距離演算部3404は、これら予測された移動先「リーガルホスト」と「サンゼリア」より、代替移動先を検索する範囲を決定する。例えば二つの移動先の緯度経度を参照するなどし(図38)、二つの移動先の距離を算出する。ここでは800メートルと算出されている。さらに、例えば二つの移動先の中心位置を算出し、中心を円の中心とし、二つの距離を直径とした円のエリアを検索エリアとする。
代替移動先検索部3405は、前述の複数移動先距離演算部3404で算出された検索エリアをもとに同一のカテゴリに属する代替移動先を検索する。例えば図41に示すように、検索エリア内に同一のカテゴリ「レストラン」に属する「とん屋」が検索されている。
食事等、ある目的のため移動する際、移動先は一つに定まっているとは限らず、移動先の状況等に応じて決定する場合がある。また、このような状況の場合、同様に食事が行えるレストランならば他の店でもいいと考える場合もある。また、ユーザが過去行ったことがないため知らない場所を提案し、ユーザの行動を促すこともできる。一方、代替移動先が向かおうとするエリアと大きく異なる場合、それらの情報は不要となる場合もある。例えば今、食事を行おうとレストランに向かおうとし、少なくとも「サンゼリア」か「リーガルホスト」の方向に向かっているにもかかわらず、まったく異なるエリアの代替移動先を提案されても、不要な情報となる場合もある。そこで、本実施の形態では、前述に示すように、複数移動先距離演算部3404で移動先の距離を算出し、代替移動先を検索するエリアを、距離をもとに決定する。
なお、ここでは距離をもとに検索エリアの決定を行ったが、前記実施の形態2で示すように、移動先に到達するまでの時間を考慮することとしてもよい。また、ここでは予測移動先の地点の中心を基準としたが、予測移動先までの経路上の点を規準としてもよい。以下、具体例を説明する。図42には、図40と同様、予測移動先「リーガルホスト」と「サンゼリア」が示されている。また、ユーザの現在位置から「リーガルホスト」までの到達に要する時間は35分となっている。一方「サンゼリア」までの到達に要する時間は40分となっている。また、これら移動先までの経路を算出すると、「楽1町」交差点を通過する経路となっており、この「楽1町」交差点まで到達するのに要する時間は30分となっている。つまり、ユーザはレストランで食事を行おうと「楽1町」交差点近辺のエリアに向かっていると考えられ、さらにそのエリアの基準である「楽1町」交差点には約30分かけて移動すると予測されていることを示している。ここで、当該エリアに30分で到達するのに対し、1時間もかかる代替移動先は好ましくない。これに対し、35分(つまり差が5分)等、所定の許容範囲で到達できる代替移動先の場合は、その情報を表示することでユーザの行動を促すこともできる。そこで、予測された移動先までの到達時間を考慮して代替移動先の検索を行う。
例えば、距離を条件として代替移動先の検索を行う場合、前記実施の形態2における掲示ルール3103に示すような、移動先までの距離ごとに、どの範囲までの代替移動先を検索するかの規則を参照して行う。あるいは、本例のように移動先までの到達時間を条件として検索を行う場合は、例えば図45に示すように、「移動先までの到達時間」と、各到達時間の場合、どの範囲までの移動先を代替移動先として検索を行うかという、「代替移動先までの検索範囲」を付帯させて蓄積した規則を用いて行うこととする。例えば、図45には、移動先までの到達時間が30分未満の場合、代替移動先の検索範囲は10分未満であり、移動先までの到達時間が30分以上1時間未満の場合、代替移動先の検索範囲は30分未満、移動先までの到達時間が1時間以上2時間未満の場合、代替移動先の検索範囲は2時間未満等、移動先までの到達時間に応じて代替移動先を検索する規則が蓄積されている。なお、本例において、これら規則は移動先距離演算部3404に蓄積されていることとし、移動先までの距離を用いて代替移動先を検索するのか、また移動先までの到達時間を用いて代替移動先を検索する等、検索の条件に応じてこれら規則を参照し、代替移動先の検索を行うこととする。
図43には、「楽1町」交差点までの30分、そこから5分の合計35分の、所定の許容範囲で到達できる代替移動先「とん屋」が算出されたことを示している。つまり、移動先「楽1町」交差点までの到達時間が30分であり、あるいは「リーガルホスト」までの到達時間が35分等であり、図45に示す規則では30分以上1時間未満に該当するため、15分未満の検索範囲に該当する代替移動先「とん屋」が算出されている。
一方、到達までに要する時間が1時間15分もかかる「牛丼吉川屋」は同一カテゴリ「レストラン」ではあるが、図45に示す規則「15分未満」には該当しないため、代替移動先としては適さないとして掲示されていない(掲示されない旨を点線で示すこととする)。なお、前記実施の形態2等で示すように、到達に要する時間として、渋滞情報や、その日の天気等の情報を考慮してもよい。
一方、図44は、図43と比較して、これらエリアに到達する時間が比較的遠い場合の地理関係を示したものである。エリアの基準となる「楽1町」交差点まで1時間10分かかり、「リーガルホスト」まで1時間15分、「サンゼリア」まで1時間20分かかることが示されている。図45に示す検索範囲の規則においては、「1時間以上2時間未満」に該当することとなる。したがって代替移動先としては「1時間未満」の範囲で検索を行うこととなる。つまりこの場合は、1時間15分である「とん屋」はもちろん、「1時間55分」かかる「牛丼吉川屋」を代替移動先として掲示することとしてもよい。図43に示すように、当該エリアに後30分で到達するのに対して1時間以上と比較的遠い代替移動先は結果遠回りとなり、代替移動先としては適さない場合が多いが、図44のように当該エリアまでまだ距離がある場合は、「牛丼吉川屋」であっても遠回りとはならず、代替移動先として情報を提供することで、ユーザの行動特性を考慮した柔軟な情報提供が可能となる。すなわち、現在地から予測された地域、または地点までの距離、あるいは所要時間をもとに検索地域のエリアを決定することとなる。
図46(a)、図46(b)および図46(c)は、地図情報蓄積部3406に蓄積された地図情報のうち、予測移動先および検索された代替移動先に関する各情報を表示したものである。図46(a)では「リーガルホスト」、図46(b)では「サンゼリア」、さらに図46(c)では検索された代替移動先である「とん屋」の商用情報が示されている。
例えば商用情報は、XML形式で項目とその値の対応で蓄積されているものとする。例えば「サンゼリア」に関する情報として項目「位置」の項目「経度」に内容「東経135度11分11秒」、項目「緯度」に内容「北緯34度43分34秒」と示されている。また、「詳細情報」として「駐車場」が「120台」、「営業時間」が「10時から23時」、その店の「おすすめ」のメニューが「パスタセット」であり「値段」が「780円」である等の情報が蓄積されている。一方、「リーガルホスト」の情報としては、「駐車場」が「100台」であり、「営業時間」が「10時から24時」、また「おすすめ」のメニューが「ハンバーグ定食」、「値段880円」であることが記されている。
このように、移動先に関する情報としては様々な情報が蓄積されており、これら情報を各移動先についてすべて一様に表示しては、画面の制限もあり、情報の把握が困難な場合がある。しかしこのように、同一のカテゴリに関する情報については、一般的に共通した情報もあり、またユーザが必要とする情報も共通していることが多く、さらにこれらを対比して把握した場合もある。例えば、食事を目的とした「レストラン」の場合、「レストラン」に関する情報は、各店舗、比較的共通している情報もある。例えば、営業時間や、おすすめメニューや、クーポンの有無等は、各店舗情報として記載している場合が多く、またユーザが必要とする情報もこれらに関する情報である場合が多い。さらに、これら情報を店舗ごとに別々に表示するのではなく、例えば対比表のように対比させて表示することで、ユーザの情報把握はより容易になる。そこで本実施例では、例えば同一のカテゴリの場合、共通する情報を対比表で表示し、対比しながら情報を把握できるようにする。
また、対比させる項目を自動で決定することとしてもよい。例えば、「レストラン」のメニューの値段等、値が大きく異なる項目はユーザの関心事項であることが多く、これらの項目を優先的に表示する等の制御を行い、画面の有効利用を図ることができる。さらに、前記実施の形態3で示すような訪問履歴を利用し、訪問履歴に応じて項目を自動的に選択することとしてもよい。例えば「レストラン」のメニュー項目として「ランチ」と「ディナー」の複数が存在した場合、昼間によく訪問する場合、「ランチ」メニューは把握していると考え、表示内容を制限し画面の有効利用を図り、対して同じレストランでも夜訪問する場合は「ディナー」の詳細情報を表示する等、訪問履歴を利用することも可能である。
さらに、移動先ごとに情報の様態を変更するのが好ましい場合がある。例えば、予測された「サンゼリア」や「リーガルホスト」は、履歴を基に予測した移動先であり、つまり過去ユーザは行ったことがあるため、詳細な情報は不要な場合もある。一方、代替移動先である「とん屋」は行ったことがないと考えられるため、詳細に情報を提供したうえで、最終的にユーザにいずれのレストランへ行くかの判断を促すことが好ましい。さらに、行ったことがある「サンゼリア」および「リーガルホスト」と、どの項目がどのように異なるかの差異を対比させて詳細に表示することで、必要な情報のみ、容易に把握させつつ、画面を有効に利用することが可能となる。そこで本実施の形態では、算出された複数の移動先に関する情報を参照し、表示にあたって重要となる項目(以下、重要項目とする)を決定し、表示様態を制御することとする。
重要項目決定部3407は、算出された複数の移動先に関する情報を参照し、重要項目を決定する処理部である。重要項目は、例えば各項目の値を参照し、値が異なる場合、これら項目はユーザに提供する必要があるとして重要項目と決定する。また、様態情報蓄積部3408は、算出された複数の移動先に関する情報を、どのように表示するかという様態を蓄積した処理部であり、前記実施の形態1における掲示ルールを蓄積した処理部とする。そして表示制御部3409は、様態情報蓄積部3408に蓄積された表示様態の情報と、決定された重要項目をもとに、情報掲示部3410に表示する制御を行う。以下、具体例を用いて説明する。
図47は、様態情報蓄積部3408に蓄積された様態の情報である。様態の情報には、例えばカテゴリ「レストラン」の場合、どのような様態で表示するかの情報が蓄積されている。例えば、図47においてカテゴリ「レストラン」という条件の場合、様態「対比表」で表示する旨が記載されている。例えばレストランなどのカテゴリの場合、複数検索された場合、対比表形式で表示し、対比させながら情報を把握させることで、カーナビ画面の利用を抑えつつ、情報を容易に把握させることが可能となるからである。さらに、対比表で表示する場合の項目として「営業時間」、「駐車場」、「おすすめ」等が記載されている。これら情報は、ユーザが対比させながら把握したいと考える情報である場合が多く、すべての項目を表示するのではなく、例えばカテゴリに応じて対比させる項目を決定することとしてもよい。さらに、これら項目のうち、移動履歴に存在する移動先と、代替移動先とで値が大きく異なる等、ユーザに提供する必要がある項目をさらに重要項目として決定する。例えば、項目の値が数値である場合、それら数値の差を参照し、所定の値より大きい場合は重要項目として判定する。図48は、各項目と、重要項目として判定する場合の数値の閾値を付帯させた規則をしめしたものである。図48の規則には、例えば「項目営業時間」の場合「6時間」以上はなれている場合は重要項目として判定する規則が示されている。あるいはメニューの「料金」が「100円」以上の差がある場合重要項目として判定する規則が示されている。例えば、この規則を重要項目決定部3407に蓄積し、規則を参照することで重要項目を決定することとする。なお、項目の値が文字である場合は、形態素解析を行う等し、内容の差を判定し、重要項目を決定することとしてもよい。
図46に示す各移動先の情報より、例えば予測された「サンゼリア」の営業時間「10時から23時」、「リーガルホスト」の営業時間「10時から24時」に対し、代替移動先「とん屋」の営業時間は「10時から24時」となっている。この場合、代替移動先「とん屋」の営業時間は、「リーガルホスト」の営業時間と同一であり、また「サンゼリア」の営業時間とも差が1時間と大差がなく、また現在の時刻は12時であり、ユーザにとってはそれほど重要な情報ではないため、例えば重要項目ではないと判定する。代替移動先「とん屋」へはユーザは行ったことがなく、「とん屋」の各情報は知らないため、すべての情報を提供するのが好ましいが、一方でカーナビの場合、画面の制限等もあり、過度の情報提供は好ましくない。また、「リーガルホスト」や「サンゼリア」には過去行ったことがあり、ユーザがよく知っているレストランの情報についてわざわざ詳細情報を提供する必要もない。そこで、過去行ったことがある移動先の項目と大差がない場合は重要項目としないことで、過度の情報提供を抑制することができる。
逆に、過去行ったことがある移動先の項目と差がある場合は重要項目として判定する。例えば、図46において「サンゼリア」の「おすすめ」メニューである「パスタセット」の値段「780円」、「リーガルホスト」の「おすすめ」メニューである「ハンバーグ定食」の値段「880円」に対し、「とん屋」の「おすすめ」メニュー「かつ丼定食」の値段は「580」円と安くなっている。この場合、項目の内容が異なる「おすすめ」と「値段」を重要項目として判定し、掲示することとする。
代替移動先の情報を提供する際、過去行ったことがあり、ユーザがよく知っている移動先と比較してどこがどのように違うのかという情報がユーザの関心事項である場合がある。そこで、これら情報を重要項目として判定することでユーザが必要とする情報のみを提供することができる。
図49は、例えばカーナビの画面である情報掲示部3410である。本例の場合、予測された「リーガルホスト」と「サンゼリア」、および代替移動先「とん屋」が移動先として算出されている。また、各レストランの情報が対比表で示されている。さらにその項目のうち、ユーザに通知する必要がある重要項目として「おすすめ」、「値段」等の情報が、移動先ごとに表示されている。
なお、前記実施の形態3で示すように、移動先の到達頻度や時期を考慮して様態を制御することとしてもよい。例えば、本例の場合、過去ユーザが行ったことがある「サンゼリア」と「リーガルホスト」の情報は知っているものとして重要項目の判定を行ったが、例えば頻度が少ない場合や、訪問した日が1年以上前等、比較的古い場合、ユーザはその店舗の情報を忘れている場合もある。この場合、各移動先の項目は、ユーザにとっては比較して参照したい重要項目である場合もある。そこで、図50に示すように、「営業時間」、「駐車場」、「おすすめ」等を対比表形式で表示してユーザに情報を提供することとしてもよい。
以下、本実施の形態のフローチャートを、図51、図52を用いて説明する。
まず、移動先履歴蓄積部3401に蓄積された移動履歴をもとに移動先予測部3402で移動先を予測する(ステップS3501)。予測移動先が存在するか否かの判定を行い(ステップS3502)、予測移動先が存在する場合(ステップS3502のYes)、移動先カテゴリ判定部3403において予測移動先のカテゴリを判定する(ステップS3503)。一方、予測移動先が存在しない場合(ステップS3502のNo)は終了する。例えば本例の場合、図38、図39より、「サンゼリア」と「リーガルホスト」が算出され、これらの移動先は「レストラン」と判定されている。
次に移動先距離演算部3404において予測された移動先の位置を参照し(ステップS3504)、代替移動先の検索エリアを決定する(ステップS3505)。本例の場合、図40に示すように、「リーガルホスト」と「サンゼリア」をもとに代替移動先を検索するエリアが決定されている。代替移動先を提供する場合、ユーザが向かおうとしている方向や移動先近辺と比較して、遠い位置にある代替移動先を提供してもユーザの行動を促す効果が薄れるため、例えば予測移動先近辺を検索エリアとして決定する。
次に決定されたエリアより、代替移動先検索部3405においてカテゴリに該当する代替移動先の検索を検索する(ステップS3506)。該当する代替移動先が存在するか否かの判定を行い(ステップS3507)、存在する場合は(ステップS3507のYes)、ステップS3508へ、存在しない場合は(ステップS3507のNo)、終了する。図41に示すように、カテゴリ「レストラン」である「とん屋」が代替移動先として検索されている。
そして算出された各移動先に関する情報を地図情報蓄積部3406より参照し(ステップS3508)、重要項目決定部3407において、これら情報より重要項目の決定を行う(ステップS3509)。
重要項目の決定は、例えば予測された移動先の例えばカテゴリや、各移動先に関する情報を参照し、値の大きく異なる項目等を優先し重要項目とすることとする。
まず、様態情報蓄積部3408に蓄積された様態ルールを参照し(ステップS3601)、表示項目を決定する(ステップS3602)。例えばカテゴリが共通している場合、移動先に関する情報として蓄積された情報も共通している場合が多く、さらにこれらを対比して表示することでユーザの情報把握はより容易になるからである。さらに各移動先ごとの各項目を参照し、例えば値が大きく異なる項目はユーザの関心事項であることが多いため、これらを重要項目と決定する。最初の項目にフラグをセットし(ステップS3603)、各移動先の項目の値を参照する(ステップS3604)。項目の値に差があるか否かを判断し(ステップS3605)、差がある場合は(ステップS3605のYes)、重要項目として決定する(ステップS3606)。一方、差がない場合は(ステップS3605のNo)、ユーザに掲示する必要がないとし、次のまだ検証していない項目の有無を判断する(ステップS3607)。まだ検証していない項目が存在する場合は(ステップS3607のYes)、次の項目にフラグをセットし(ステップS3608)、これらループを繰り返す(ステップS3604へ)。そしてすべての項目について検証が行われた後(ステップS3607のNo)、重要項目の決定ステップを終了する。
そして様態情報蓄積部3408に蓄積された様態情報に基づき、情報掲示部3410に掲示する。
なお、本例では、カテゴリ「レストラン」のように対比表を用いて表示する場合を説明したが、各移動先の情報を掲示する様態はこれに限ったものではない。例えば、各移動先の距離が比較的遠い場合、位置関係もユーザにとっての関心事項となるため、対比表ではなく、前記実施の形態1等と同様、目的地付近や目的地方向に情報を掲示することとしてもよい。
なお、本実施の形態では、予測移動先のカテゴリとして「レストラン」を例に説明を行ってきたが、これに限ったものではない。例えば、同乗者を送り迎えするためにカテゴリ「駅」へ向かうと予測された場合、所定のA駅を予測し、さらに代替移動先となるB駅を掲示することも可能である。また、例えば駅等の場合は、代替移動先の検索エリアの決定にあたり、図41や図43で示すように、距離や到達予測時間を考慮するのみならず、地図情報をもとに路線の地理的関係や、列車の発車時刻、急行が止まる等の路線の情報を用いることとしてもよい。以下、図53を用いて説明する。
図53は、ユーザの現在位置に対し、予測移動先としてカテゴリが「駅」である「華町駅」が予測された旨を示している。同乗者を送迎するために駅等へ向かう場合、当該駅への到着時刻のみならず、さらには列車の時刻等を考慮して、よりユーザにとって適する代替の駅を求める場合がある。図53では、上記例で示すように到着予測時刻や、位置を考慮して周辺のエリア内で代替の駅を検索した結果、まず「華西駅」が検索される。例えば「華西駅」は、「華町駅」を中心とした所定のエリア内に存在し、また「華町駅」への到着予測時刻「18時50分」に対し、「18時45分」と5分速く到着することが可能となっている。一方、この「華西駅」へは急行がとまらず、次の列車の発車時刻は「19時00分」となっている。対して、「京駅」は到着予測時刻こそ「18時55分」であるが、急行が止まり、次の列車の発車時刻は「19時00分」となっており、ユーザにとっては急行が止まる駅のほうが最終目的地に早く到達できる等の利点もあり、こちらを代替移動先として表示することも可能である。
また、図54は、予測移動先のカテゴリとして「スキー場」を例に説明するための図である。ユーザの現在位置に対し、予測移動先としてカテゴリが「スキー場」である「上村スキー場」が予測された旨を示している。スキー場など、比較的遠い施設へ移動する場合、高速道路を利用して移動することがある。本例では、ユーザは華町IC(インターチェンジ)から高速道路に乗り、京JCT(ジャンクション)で分岐し、滋賀山東ICで下車して「上村スキー場」への経路が示されており、到着に要する時間は2時間40分となっている。また、スキー場へ移動する場合においても、必ずしもそのスキー場へ向かうとは限らず、雪の量や混雑具合等で最終的なスキー場を決定する場合もあり、本発明で示す代替移動先掲示を行い、ユーザが必要とする情報を提供することができる。一方、この場合は、単に移動先までの到達時間や位置のみならず、高速道路の形状等を考慮することで、よりユーザに適した代替移動先の提供をすることができる。
例えば、単に到着に要する時間のみを考慮して代替移動先を検索する場合、到着に要する時間が2時間30分の「里谷スキー場」と、2時間40分の「宮里スキー場」が代替移動先となる。しかし、「宮里スキー場」へは京JCTを長山IC方面へ移動することとなり、大きく経路が異なってしまう。高速道路の場合、引き返す等の復帰が困難であり、例え到達時間に大差がなくとも、経路が大きく異なる代替移動先は適さない場合も多い。そこで、本例の場合、京JCTから滋賀山東ICの方向へ向かう経路上に沿って代替移動先を検索し、代替移動先を提供する。例えばこの場合、滋賀山ICの「里谷スキー場」や、上越山ICの「舟木スキー場」が代替移動先として表示されることとなる。このように、予測移動先のカテゴリによって、検索の条件を変更することとしてもよい。
本実施の形態では、移動履歴を用いて移動先を予測し、さらに予測移動先のカテゴリを用いて代替移動先を算出し、これら複数の移動先に関する情報の表示様態の制御について説明した。例えば予測移動先が複数算出され、それら複数の移動先が同一のカテゴリである場合、ユーザは食事目的でカテゴリ「レストラン」に向かっていると考えられるため、同一の目的を果たすことができるカテゴリ「レストラン」である、新たな代替移動先を掲示することで、ユーザの行動を促すことができる。一方、代替移動先を算出する条件はこれに限ったものではない。
例えば、各予測移動先の到達確率を用いて行うことも可能である。例えば、前記実施の形態4で示した例の場合、予測移動先はレストラン「サンゼリア」と「リーガルホスト」であった。さらに各々の移動先到達確率が50%であるとする。この場合、ユーザは食事目的でいずれかのレストランに向かっていると考えられるため、両レストランとさらに代替移動先「とん屋」を掲示することで、ユーザのあらたな行動を促すことができる。一方、各々の移動先到達確率が「サンゼリア」80%と「リーガルホスト」20%と差があったとする。この場合、ユーザは食事目的で向かっているのではなく、「サンゼリア」に主として向かっているのであって、代替移動先の掲示をユーザは欲していないと判断し、掲示しないこととしてもよい。このように、複数移動先の到達確率の差を考慮して代替移動先の掲示を制御することとしてもよい。
あるいは、予測移動先がひとつの場合であっても代替移動先の掲示は可能である。例えば、カテゴリが「スーパー」である「A店」に向かっていると予測された場合、近辺の代替移動先「B店」を掲示し、さらに商品が安い等、重要な項目として決定された情報を提供することでユーザに行動を促すこともできる。また、普段、カテゴリ「スーパー」である「A店」しか知らなかったが、例えば重要項目のひとつとして判定された到達時間が短い「B店」を知ることができる等、ユーザメリットも大きい。
(実施の形態5)
前記実施の形態4では、移動履歴を用いて移動先を予測し、さらに予測移動先のカテゴリを用いて代替移動先を算出し、これら複数の移動先に関する情報の表示様態の制御について説明した。予測移動先が算出され、さらに新たな代替移動先を掲示することで、ユーザの行動を促すことができる。一方、代替移動先の掲示について、移動先によっては必ずしも代替移動先の情報を掲示することが好ましいわけではない。例えば、移動先が自宅や会社の場合、それらは一般的にユーザにとっては代替が不可能な移動先であり、代替移動先の情報掲示は不要である。また、例えば同じレストランであっても、ユーザにとっては必ず行くような重要な移動先である場合には代替移動先情報の掲示は不要となる。一方、これらユーザにとって重要な移動先に向かう経路において、たまたま経由した地点などは代替移動先を掲示することとしてもよい。例えばある主要な目的地、例えば自宅へ向かう際、過去「レストランA」や「レストランB」を経由したことがあるとする。この場合、最終的な目的地は自宅であるが、一方で「レストランA」や「レストランB」へ経由する場合があり、ユーザはこれらの情報を必要とする場合があり、これら情報を自動的に掲示することで煩雑な操作なく、容易に情報を把握させることができる。また、さらに代替移動先として「レストランC」の情報を提供することでユーザの行動を促すこともできる。
そこで本実施の形態では、まず移動先が主要な移動先であるか否かの判定を行い、代替が可能な目的地の判定の手法について説明を行う。さらに、代替可能な目的地へ移動する際にこれらの情報掲示の手法について説明を行う。
図55は、本実施の形態におけるシステム構成図である。前記実施の形態4で示した構成要素には同様の符号を付与し、説明を省略する。
代替可否判定部3411は、移動先履歴蓄積部3401に蓄積された移動先の履歴をもとに、その移動先がユーザにとって代替不可能である主要な移動先(以下、重要目的地と呼ぶ)であるか否かの判定を行う処理部である。また、重要目的地と判定された場合、当該重要目的地までの経路における移動先は経由した地点(以下、経由地と呼ぶ)とし、代替可能な経由地点として判定する処理部でもある。
図56は、代替可否判定部3411の詳細を示したものである。代替可否判定部3411は、滞在頻度演算部3421、滞在時間演算部3422、重要目的地判定部3423、代替可能目的地判定部3428から構成される。
滞在頻度演算部3421、滞在時間演算部3422は、蓄積されたユーザの移動履歴をもとに、移動先への滞在頻度と、滞在時間を演算する処理部である。図57は移動先履歴蓄積部3401に蓄積された移動履歴を示す図である。出発地から目的地までの移動を1移動としてIDを付与し、その移動が行われた日付と、出発地、通過交差点、目的地と通過時間が付帯されて蓄積されている。例えば移動履歴ID「001」は日付「2003年7月11日」に「自宅」を「7時45分」に出発したことを示している。また、交差点「京町1」を「7時55分」に通過し、同様に交差点「楽1」を「8時02分」、交差点「楽2」を「8時08分」、交差点「楽4」を「8時10分」と通過し、目的地「華町株式会社」へ「8時15分」に到達したことを示している。
滞在頻度演算部3421は、この移動履歴をもとに、各地点の滞在頻度を演算する。例えば、移動履歴ID「001」は「華町株式会社」へ到達していることから、会社の滞在頻度は1回とカウントされる。そして移動履歴ID「012」も同様に「華町株式会社」へ到達していることから1回加算し、合計2回等、各移動先の頻度を演算する。
滞在時間演算部3422は、各移動先の滞在時間を演算し、頻度で割るなどして、例えば平均滞在時間を算出する。例えば、移動履歴ID「001」において「華町株式会社」へ「8時15分」に到着し、移動履歴ID「002」において「会社」を「17時45分」に出発していることから、「華町株式会社」の滞在時間は9時間30分(=17時45分−8時15分)ということになる。さらに、各移動先の各滞在時間を総和し、上記滞在頻度で割るなどして、平均の滞在時間を算出する。図58は各移動先の到達頻度と平均滞在時間を示したものである。移動先ID「001」の「自宅」は滞在頻度「320回」、平均滞在時間「16時間20分」となっている。また移動先ID「002」の「華町株式会社」は滞在頻度「189回」、平均滞在時間「12時間20分」となっている。
重要目的地判定部3423は、前述の滞在頻度と平均滞在時間より、ユーザにとって重要と考えられる目的地(以下、重要目的地と呼ぶ)を判定する。ユーザが長時間滞在した地点は、なんらかの目的をもってその地点へ訪れていると考えられ、そのような地点へ移動すると予測された場合に代替移動先を提供しても、不要であることが多いと考えられる。また、ユーザが頻度よく滞在するような地点は、例え滞在時間が短くても、なんらかの目的をもってその地点へ毎度訪れていると考えられ、代替移動先を提供しても、不要であることが多いと考えられる。そこで、平均滞在時間が長い地点や、滞在頻度が多い地点を重要目的地として判定する。例えば閾値(滞在頻度10回以上、滞在時間3時間以上等)を設け重要目的地を判定する。図58の場合、平均滞在時間が16時間20分の「自宅」、112時間20分の「華町株式会社」、滞在頻度「48回」の「メッソ」が重要目的地として判定されている。
代替可能目的地判定部3428は、重要目的地と判定された地点を用いて代替可能な目的地(以下、代替可能目的地と呼ぶ)を判定する処理部である。前述に示す重要目的地へ移動すると予測された場合、代替移動先の情報を掲示しても不要な場合も多いと考えられる。例えばユーザが「華町株式会社」へ向かうと予測された場合に、同一のカテゴリである周辺の「会社」を代替移動先として掲示されても、ユーザにとっては不要な情報である。あるいは、頻度よく行く「ガソリンスタンド」の「メッソ」へ移動する際、代替移動先を提供されても不要な場合も多い。例えば頻度よく行くということは、サービス券や会員券等を所持しているためそのガソリンスタンドへ向かっている場合等もあるからである。一方、重要目的地以外である、例えば「ガソリンスタンド」の「イデヨツ」の場合は、比較的頻度が少なく、たまたま経由した地点である等も考えられ、同一のカテゴリ「ガソリンスタンド」の代替移動先を提供することで、煩雑な操作なくユーザは情報を把握することができる。そこで、代替可能目的地判定部3428は、例えば重要目的地以外を代替可能目的地として判定する。例えば図59に示すように、カテゴリ「レストラン」である「サンゼリア」や、「ガソリンスタンド」である「イデヨツ」は代替可能目的地として判定されている。
次に、代替可否判定部3411で判定された情報を用いて情報提供する際の制御について図を用いて説明する。
図60はユーザの現在位置と地図を示したものである。今、ユーザは会社を出発して交差点「楽4町」を通過した位置にいる。そして、前記実施の形態で示すよう、移動履歴を用いて移動先を予測し、予測移動先「サンゼリア」が算出されたことを示している。さらに前記実施の形態4と同様、移動先カテゴリ判定部3403で「サンゼリア」のカテゴリを「レストラン」と判定し、カテゴリ「レストラン」に該当する代替移動先を代替移動先検索部3405で検索する。例えば前記実施の形態4と同様、例えば「サンゼリア」を中心とした半径1km以内等、所定のエリアをもとに、カテゴリ「レストラン」に該当する移動先を検索する。図60に示す例では、カテゴリ「レストラン」である「回転すし太郎」が代替移動先として検索されている。
そこで、前記実施の形態4と同様、様態情報蓄積部3408に蓄積された様態の情報、および重要項目決定部3407で決定された重要項目をもとにこれら複数の移動先の情報を掲示する。
図61は予測移動先「サンゼリア」と代替移動先「回転すし太郎」の情報をカーナビの画面等に表示した一例である。前記実施の形態4では、各移動先に関する情報を対比表で表示し、さらに重要項目を所定の様態で掲示したが、本実施の形態ではさらに、各移動先までの経路を地図で表示している。
図61に示すカーナビ画面左側は、「サンゼリア」に関する情報である。「サンゼリア」の「おすすめ」メニューとして「ハンバーグ定食」、値段「780円」等が表示されている。さらにユーザの現在位置に対し、移動先「サンゼリア」までの経路が表示されている。一方、画面右側は代替移動先である「回転すし太郎」に関する情報である。「回転すし太郎」の「おすすめ」のメニュー「まぐろ」、値段「105円」等が表示されている。さらに移動先「回転すし太郎」までの経路が表示されている。さらに本例では、「サンゼリア」と「回転すし太郎」までの経路の差をユーザにより容易に把握させるために、例えば色を変更して表示している。例えば両移動先までの同一経路である交差点「楽1」までは点線で、一方分岐地点となる交差点「楽1」で色を変更している。これにより、また、両移動先の到達時間の差がユーザに容易に把握できるよう、各到着予測時刻を表示している。例えば「サンゼリア」までの到着予測時刻「18時20分」に対し、「回転すし太郎」までの到着予測時刻「18時15分」と近いため、重要項目と判定し、ユーザの情報把握を容易にするよう、所定の様態で表示している。予測移動先であるレストラン「サンゼリア」に対し、代替移動先「回転すし太郎」への経路の差や、到達予測時刻の差等、ユーザが必要とする情報を煩雑な操作なく、容易に把握可能となっている。
このように、代替移動先が検索された場合、これら複数の移動先に関する情報であって、さらにユーザが必要とする情報を効果的に掲示することで、運転タスクを妨げることなく、必要な情報のみを容易に把握させる効果がある。
さらに、移動先の情報表示の様態の一例としてランドマーク表示があり、これらランドマークの表示様態を制御することとしてもよい。一般的にランドマーク表示は、地図上にその店舗等が存在する位置に、名称や記号等で表示するものである。走行中にこれらランドマークを表示することで、その地点にランドマークで示された店舗が存在することをユーザに容易に把握させることができ、さらにその店舗へ行く等、ユーザの行動を促すこともできる。一方、ランドマーク表示を有する地点は地図上に多く存在し、これらすべてを表示したのでは、情報過多となり、また現在のユーザの走行に無関係なランドマーク表示は不要である場合も多い。図62は、ユーザの現在走行に対し、地図上に存在するランドマークをすべて表示した一例である。カテゴリ「銀行」である「新庄銀行」、「ガソリンスタンド」の「メッソ」、「カーディーラー」の「トヨサンカー」等、各店舗が存在する位置に所定のランドマーク表示がなされている。このように、例えば市街地等店舗が多く存在する地域では特にランドマーク表示を有する地点が多く、ユーザによっては不要な情報である場合も多い。そこで本例では、予測された移動先と代替移動先の移動先情報としてランドマーク表示の様態を制御する例を説明する。
図63は、上記例における表示画面の一例である。図63は、図61と異なりカーナビ画面にユーザの位置と、全体の地図が表示されている。まず、画面右下には、前記実施の形態4と同様、各移動先の情報が対比表で示され、さらにユーザにとって重要と考えられる値段や、予測到達時刻の差が把握できるよう、重要項目がそれぞれの様態で表示されている。さらに図63では、予測移動先である「サンゼリア」に対し、「回転すし太郎」の位置関係が把握できるよう、「回転すし太郎」の位置にランドマーク表示がなされている。一方、現在の走行において移動予測先はレストランである「サンゼリア」であるため、図62とは異なり、カテゴリ「銀行」である「新庄銀行」等はランドマーク表示が行われていない。地図上に存在するランドマークは膨大であり、これらをすべて表示したのでは、必要な情報の把握が困難になり、好ましくない。そこで、ユーザの走行中のランドマークの表示を、向かう目的地に応じて必要なランドマークのみを表示する様態制御を行ってもよい。本例の場合、移動先「サンゼリア」のカテゴリ「レストラン」を用いて検索された、代替移動先「回転すし太郎」のみ表示を行うことで、必要な情報のみを掲示し、ユーザに情報把握を容易にする効果がある。
なお、ランドマーク表示の制御の場合、その地域に存在するランドマークの密度を求め、所定の閾値以上の場合、本機能を実行する等の制御を行うこととしてもよい。市街地等、ランドマークが比較的多く存在するエリアでは、ユーザにとって不要なランドマーク表示を抑制し、一方、郊外の比較的ランドマークが少ない地域では、表示を行っても増徴とはならず、さらに郊外の場合は経路の目印等にも利用できるため、表示を行うこととしてもよい。
なお、本例において「サンゼリア」は代替可能目的地と判定されているため(図59)、代替移動先の検索を行ったが、重要目的地等、代替不可の目的地の場合は、代替移動先の情報掲示は不要であると考えられるため、情報を掲示しないこととしてもよい。例えば図64に示すように、ユーザは「自宅」へ移動していると予測された場合、「自宅」は重要目的地であり(図59より)、代替移動先情報は不要とすることで、必要な情報のみを掲示することができる。あるいは、代替移動先を掲示した際のユーザのフィードバックを利用し、代替可能目的地の更新を行うこととしてもよい。例えば図61や図63に示すように、「サンゼリア」が移動予測先として算出され、代替移動先「回転すし太郎」の情報を掲示したが、ユーザは代替移動先を選択しなかった場合、「サンゼリア」に対しての代替移動先掲示は今後不要と判断し、図59に示す「サンゼリア」の代替可能目的を不可にする等の制御も可能である。
なお、最終目的地である重要目的地を考慮して代替移動先を表示することとしてもよい。以下、図76を用いて説明する。図76は、図71等と同様、「華町株式会社」を出発し、自宅へ帰宅する途中のユーザの現在位置と地図を示したものである。ユーザは帰宅途中、レストラン「サンゼリア」へ経由する傾向があるため、ここでは「レストラン」の代替移動先の検索を行うこととする。例えば本例で示すよう「サンゼリア」周辺を検索エリアとして検索した結果、カテゴリ「レストラン」である「韓国料理ヨン」が該当したとする。一方、「韓国料理ヨン」までの経路である交差点「裏楽1」から「裏楽2」は一方通行となっており、「韓国料理ヨン」へ経由した場合、サンゼリアへ経由した場合と比較して最終目的地である自宅への復帰は困難であり、遠回りとなってしまう。この場合、最終的には自宅へ帰宅することを考慮すると、代替の経由地としては好ましいとは限らない。そこで、一方通行等、道路情報や、さらには最終目的地である自宅までの渋滞情報等の交通情報を考慮し、代替移動先の検出の制御を行うこととしてもよい。例えば、地図情報蓄積部3406に蓄積された経路上の交通情報や、あるいは前記実施の形態1と同様サーバに接続してリアルタイムの交通情報を取得し、取得した交通情報を考慮して代替移動先検索部3405で移動先の検索を行うこととなる。
これにより、単に代替移動先をユーザに提供するのみならず、最終的に帰宅する自宅までの経路や経路上の交通情報を反映した移動先に関する情報を提供することができ、ユーザに煩雑な操作をさせることなく、快適に運転タスクに集中しつつ、情報を得ることができる。
(実施の形態6)
前記実施の形態5では、移動履歴より、重要目的地と代替可能目的地の判定を行い、代替可能目的地へ移動する際、さらに代替移動先を算出し、これら複数の目的地に関する情報提供手法について説明を行った。また、会社や自宅等、代替が不可能である重要目的地へ移動する場合は、これらの代替移動先情報を提供しても不要であることが多いため、情報提供を抑えることで、必要な情報のみユーザに提供できることを示した。
一方、これら重要目的地に向かうと予想された場合であっても、以前その経路においてたまたま経由地した地点が存在する場合は、これら経由地の情報を必要とする場合もある。例えば、重要目的地である自宅へ向かう際、過去「レストランA」や「レストランB」を経由したことがあるとする。この場合、最終的な目的地は自宅であるが、一方で「レストランA」や「レストランB」へ経由する場合があり、ユーザはこれらの情報を必要とする場合がある。例えばレストランの情報や、レストランまでの経路に関する情報を掲示することで、今日はレストランへ寄っていこう等、ユーザの行動を促すこともでき、またこれらの情報は、ユーザの関心事項であることが多い。そこで、経由地点の情報を自動的に提供することで、煩雑な操作なく、必要な情報のみを容易に把握させることができる。一方、重要目的地である「会社」へ向かう場合は、レストランに経由することはないとする。このときは、同じ経路上であっても不要な情報提供を抑制し、画面を有効に利用することも可能である。
そこで本実施の形態では、算出された重要目的地を基に、経由地の抽出を行い、重要目的地と経由地を付帯させた情報提供の様態の規則を作成する。そして様態の規則に基づいて、これら経由地の情報掲示の手法について説明を行う。最終目的地である重要目的地を考慮した代替移動先の提供が可能となり、よりユーザに適した情報提供を行うことができる。
図65は、本実施の形態における代替可否判定部3411の詳細ブロック図である。本実施の形態における代替可否判定部3411は、前記実施の形態4の構成要素に加え、移動履歴分類部3424、経由地判定部3427、経由地様態規則作成部3429の構成要素が加わり、重要目的地における経由地の判定を行う。
移動履歴分類部3424は、重要目的地判定部3423で判定された重要目的地を用いて移動履歴を重要目的地単位で分類する処理部である。以下、具体例を用いて説明する。
図66は、移動先履歴蓄積部3401に蓄積されたユーザの移動履歴である。前記実施の形態5と同様、出発地から目的地までの移動を1移動としてIDを付与し、その移動が行われた日付と、出発地、通過交差点、目的地と通過時間が付帯されて蓄積されている。また、図67は、前記実施の形態5同様、移動履歴をもとに判定を行った重要目的地である。「自宅」や「華町株式会社」が重要目的地として判定されている。
ここで、図66に示す移動履歴ID「002」と、移動履歴ID「010」および、移動履歴ID「011」に着目すると、移動履歴ID「002」は、重要目的地「華町株式会社」を出発し、重要目的地「自宅」に到着したことを示している。一般的にユーザは、移動を行う場合、自宅や会社等、なんらかの目的を持って頻度よく訪問する(本発明では重要目的地と定義している)地点間の移動を行うことが多い。
一方、必ずしもこれら重要目的地間の移動を行うのではなく、寄り道等、所定の地点を経由して移動する場合もある。例えば、移動履歴ID「010」は、重要目的地「華町株式会社」を出発し、重要目的地とは判定されていない、レストラン「サンゼリア」へ到達している。さらに移動履歴ID「011」は、その後、「サンゼリア」を出発し、重要目的地である「自宅」へ帰宅していることを示している。つまり、本例に示すユーザは「会社」から「自宅」という重要目的地間の移動を普段は行うが、一方でレストラン「リーガルホスト」等へ経由して帰宅する場合もあり、移動履歴はこれらの傾向を示している。
図68は、これらユーザの移動傾向を地図で説明するための図である。移動履歴ID「002」より、重要目的地である「華町株式会社」を出発したユーザは、交差点「楽4」、「楽2」、「楽1」、「京4町」を通過し、重要目的地「自宅」へ帰宅していることが分かる。一方、移動履歴ID「010」、「011」をひとつの移動グループと考えると、「華町株式会社」を出発し、交差点「楽4」、「楽2」、「楽1」を通過し「サンゼリア」へ寄った後、再び「サンゼリア」を出発し、交差点「楽1」、「京4町」を通過し、「自宅」へ帰宅する場合もあることが分かる。このように、普段は重要目的地間の移動を行い、一方で所定の地点へ経由することもある等、ユーザの行動傾向をとらえることができる。
そこで、移動履歴分類部3424は、まず移動履歴より重要目的地を出発し、重要目的地へ到達した移動を1グループとして分類する。そして経由地判定部3427は、分類することで算出される経由地を判定する。
図69は、移動履歴をもとに、重要目的地間の移動を1グループとして分類したものを示している。例えば、図66に示す、移動履歴ID「001」は、重要目的地「自宅」を出発し、重要目的地「華町株式会社」へ到達していることから、これを1グループと考える。移動グループID「001」に、出発地「自宅」、目的地「華町株式会社」が登録され、頻度がカウントされる。また、このグループに該当する移動において経由した地点はないため、経由地、経由地カテゴリは「なし」となっている。移動履歴をすべて検索した結果、例えば合計180回の走行が本グループに該当したとし、頻度が「180回」とカウントされている。
同様に移動履歴ID「002」は、重要目的地「華町株式会社」を出発し、重要目的地「自宅」へ到達していることから、これを1グループと考え、移動グループID「002」に、出発地「華町株式会社」、目的地「自宅」が登録され、頻度がカウントされる。
一方、移動履歴ID「010」は、重要目的地「華町株式会社」を出発はしているが、到着地は「サンゼリア」となっている。そこで、次の移動履歴ID「011」を参照すると「サンゼリア」を出発し、重要目的地「自宅」へ到達している。そこで移動履歴ID「010」と移動履歴ID「011」をまとめて1グループと考えると、「華町株式会社」を出発し、「サンゼリア」を経由し、「自宅」へ到達したと考えることができる。そこで、移動グループID「002」の頻度を1プラスし、さらに「サンゼリア」を経由地として判定する。図69の場合、「華町株式会社」を出発し、「自宅」へ到達した移動が177回あり、そのうち、5回「サンゼリア」へ経由して帰宅したことがあることを示している。上記手順を移動履歴に対し行ったところ、移動グループID「003」には、「自宅」を出発し、重要目的地「宗方テニススクール」へ32回移動し、さらにその移動の際、8回「ファミリーK」へ経由したことがある旨を示している。また、移動グループID「004」には、「宗方テニススクール」を出発し、「自宅」へ帰宅する際、「リーガルホスト」へ8回、「びっくりバーガー」へ7回と、レストランへ寄ってから帰宅する傾向を示している。
経由地様態規則作成部3429は、移動履歴分類部3424、経由地判定部3427で判定された情報をもとに、重要目的地と経由地を付帯させた情報提供の様態規則を作成する。移動先に関する情報提供の様態のひとつとしてランドマーク表示が挙げられる。一般的にランドマーク表示は、地図上にその店舗等が存在する位置に、名称や記号等で表示するものであり、走行中にこれらランドマークを表示することで、その地点にランドマークで示された店舗が存在することをユーザに容易に把握させることができる。また、その表示を視覚的に把握することで、その店舗へ行く等、ユーザの行動を促すこともできる。一方、ランドマーク表示を有する地点は地図上に多く存在し、これらすべてを表示したのでは、情報過多となり、また現在のユーザの走行に無関係なランドマーク表示は不要である場合も多い。そこで本例では、重要目的地間の走行に関係する経由地を付帯させた様態規則を作成し、この様態規則を基にランドマーク表示の制御を行う。
図70は、図69に示す重要目的地をもとに判定された経由地より、重要目的地間に関係する経由地のカテゴリを付帯させた様態規則である。例えば、様態規則ID「001」は、出発地「自宅」、目的地「華町株式会社」の場合、経由地カテゴリ「なし」となっている。これは、図69より、「自宅」を出発して「華町株式会社」へ向かう場合、経由することがないため、その走行中はランドマーク表示を行わない旨を表している。
一方、様態規則ID「002」は、出発地「華町株式会社」、目的地「自宅」の場合、経由地カテゴリ「レストラン」となっている。これは、図69より、「華町株式会社」を出発して「自宅」へ向かう場合、「サンゼリア」を経由することがあるため、その走行中はカテゴリ「レストラン」のランドマーク表示を行う旨を示している。
経由地様態規則作成部3429で作成された様態規則を様態情報蓄積部3408へ蓄積し、移動先が予測された場合の情報提供の様態を制御する。
図71は、移動先が予測された場合の情報提供の一例を示す図である。例えば今、「華町株式会社」を出発し、交差点「楽4町」を通過した地点にユーザが位置する。ここで、前記実施の形態で示したように、移動履歴を用いてユーザの移動先を予測する。例えば「自宅」へ帰宅するであろうと予測されたとする。黒い線は、ユーザの現在位置から自宅までの経路を示している。一方、様態情報蓄積部3408には、前述に示す、例えばランドマークの制御を行う規則が蓄積されている。例えば、図70に示す様態規則ID「002」には、「華町株式会社」を出発し、「自宅」へ向かう場合、経由地として「レストラン」へ移動することもあるため、レストランに該当するランドマークの表示を行う規則が記されている。図71に示すカーナビの画面には、カテゴリ「レストラン」に該当する「サンゼリア」と「回転すし太郎」のランドマークが表示されている。一方、例えばCDショップである「浜崎CDショップ」や、本屋である「綿矢書房」はランドマーク表示がなされていない(表示がされていないことを点線で表している)。
本例に示すユーザは、会社からの帰宅中にレストランへ経由する傾向がある。そこで帰宅中にレストランのランドマークを表示することで、その地点にレストランが存在することを把握でき、ユーザの行動を促すこともできる。一方、ランドマーク表示を有する地点は地図上に多く存在し、これらすべてを表示したのでは、情報過多となり、また現在のユーザの走行に無関係なランドマーク表示は不要である場合も多い。カテゴリ「レストラン」に該当しない「浜崎CDショップ」や「綿矢書房」は表示しないことで、不要な情報を削減し、運転の不可を妨げることなく、また画面を有効利用することができる。
なお、図72のように、重要目的地に向かうルート中における経由地であって、最後のランドマークについては、強調表示を行い、最後のランドマークであることを明示してもよい。例えば、図72のように「華町株式会社」を出発し、「自宅」へ向かう場合、カテゴリ「レストラン」に該当する「サンゼリア」、「回転すし太郎」と「ショイフル」が算出され、ランドマーク表示がなされていたとする。このとき「ショイフル」を過ぎると自宅に到着するまで「レストラン」は存在しない。つまり「ショイフル」を出発して自宅へ向かうルートの周囲には「レストラン」は存在しないことになる。そこで「ショイフル」については最後の「レストラン」であることを明示的に表示する。これにより、ユーザがまだ自宅までにレストランが存在すると予想し、最後のレストランに行かないというミスを防ぐことが出来る。特に「自宅」と当該最後のランドマークの距離や位置関係によっては、そのランドマークが「自宅」までの経路における最後の食事が行える場所であることが分からないことがある。具体的には、図73のようにカーナビの画面の詳細表示をした場合、「ショイフル」と「自宅」の両方を表示することが出来ないため、「ショイフル」が最後の「レストラン」であることがユーザにはわからない。そこで図74のように最後のレストランを明示することで、ユーザは最後のレストランであることを知ることが出来る。また、魚や肉などの生鮮食品を購入する場合は、できるだけ自宅の近くで購入する方が、生鮮食品が痛まなくて済む。こういう場合も最後の「スーパー」であることを明示的に表示することでユーザは自宅に近い「スーパー」で生鮮食品を購入することが出来る。
また、単にランドマーク表示を制御するのではなく、最終的に向かう重要目的地を考慮した経由地に関する情報提供も可能である。
図75は、図71と同様、「華町株式会社」を出発し、「自宅」へ帰宅すると予測された場合の表示様態の一例である。最終の予測目的地は「自宅」ではあるが、一方、本ユーザはレストラン「サンゼリア」へ経由する場合もある。そこで、最終目的地である「自宅」へ帰宅する場合と、経由地「サンゼリア」を経由した後、「自宅」へ帰宅する場合の到着時刻等の差を容易に把握できるよう、例えば図75に示すよう、対比させて表示することとしてもよい。図75はカーナビの画面であり、画面右側は重要目的地「自宅」へ直接帰宅した場合の経路および到着予測時刻を示している。到着予測時刻は「18時55分」となっている。
一方、画面右側は、経由地として判定されている「サンゼリア」を経由し、その後自宅へ帰宅した場合の経路および到着予測時刻を示している。まず「サンゼリア」までの到着予測時刻は「18時45分」となっている。さらに「サンゼリア」に向かう経路において、「渋滞10分」等、経路情報が表示されている。また、重要目的地判定における「サンゼリア」での平均滞在時間「1時間20分」等を加算し、最終的な目的地である「自宅」への到達時間「20時15分」等が示されている。
重要目的地に対して、たまに寄り道をする等の傾向があるユーザにとって、その経由地への到着予測時刻や、経由地までの経路における渋滞情報等は関心事項であることが多い。例えば本例において、「サンゼリア」までの経路に渋滞があり、到着予測時刻が比較的遅い場合、今日はやめておこう等、ユーザの行動を促すことができる。一方、これら情報を取得するためユーザが操作を行うのは大変煩雑である。そこで、本実施の形態で示す重要目的地と経由地の表示様態規則を用いてこれらの情報を提供することとしてもよい。
(変形例1 自宅を基準とした経由地判定手法)
本実施の形態において経由地の判定は、訪問頻度や平均滞在時間をもとに重要目的地を判定し、この重要目的地をもとに行った。ユーザが頻度よく訪問し、長時間滞在する自宅や会社等は代替が不可能であり、また一般的にユーザの移動は、これら重要目的地間の移動であることが多い。一方、レストランやコンビニ等の経由地は、これら重要目的地間に経由することが多く、これら経由地は代替移動先を掲示することでユーザの行動を促すこともできる。なお、経由地の判定は上記手法に限ったものではない。そこでここでは、例えば移動履歴より自宅を算出し、自宅から自宅までの移動を1単位としてとらえ、この1移動の中から経由地を算出する手法について説明を行う。よりユーザの行動特性を反映した経由地の算出が可能となる。
図77は、本変形例における代替可否判定部3411の詳細を示したシステム構成図である。本変形例における代替可否判定部3411は、前記実施の形態6で示した構成要素である滞在頻度演算部3421、滞在時間演算部3422、重要目的地判定部3423、移動履歴分類部3424、経由地判定部3427、経由地様態規則作成部3429に加え、経由時間演算部3425、経由コスト演算部3426からなる。
滞在頻度演算部3421、滞在時間演算部3422は、前記実施の形態6と同様、移動先履歴蓄積部3401に蓄積された移動履歴における移動先の滞在頻度と滞在時間を算出する処理部であり、本変形例では経由地判定の基準となる「自宅」を検出する。本変形例では、重要目的地判定部3423において、例えば、頻度と平均滞在時間が最も高いものを自宅として判定する。例えばカーナビの場合、図58に示すように滞在時間や滞在頻度が最も高い地点が自宅や自宅近くの駐車となるからである。
次に移動履歴分類部3424において、この自宅を基準として移動履歴を分類する。図を用いて具体例を説明する。図78は、移動先履歴蓄積部3401に蓄積された移動履歴であり、前述に示した図66等と同様、出発地、経由地、目的地を1移動とし、日時曜日を付帯させた時系列に蓄積されている。ここで移動履歴ID「009」、「010」、「011」について着目すると、移動履歴ID「009」は自宅を出発し、「華町株式会社」へ8時15分に到達している。そして移動履歴ID「010」より、17時45分に「華町株式会社」を出発し「サンゼリア」へ到達している。つまり9時間30分滞在した後、「サンゼリア」へ移動している。同様に移動履歴ID「011」より1時間「サンゼリア」に滞在した後、自宅へ帰宅したことを示している。つまり、自宅から会社、サンゼリアと移動し、最終的に自宅へ戻ってきていることを示している。
同様に移動履歴ID「015」、「016」、「017」、「018」について着目すると、自宅を出発し、「スターカフェ」、「杉山テニス場」、「黒木屋」と移動し、最終的に自宅へ帰宅したことを示している。また、その間、各移動先の滞在時間は「スターカフェ」、2時間、「杉山テニス場」3時間、「黒木屋」2時間となっている。上記移動履歴の遷移を地図を用いて説明する。
図79は、移動履歴に蓄積された各移動先の地理関係を示したものである。移動履歴ID「009」、「010」、「011」は黒い矢印「グループ1」で示すものとなる。自宅を出発し、「華町株式会社」へ向かい、「華町株式会社」から「サンゼリア」を経由して帰宅するループとなっている。同様に移動履歴ID「015」、「016」、「017」、「018」は黒い矢印「グループ2」で示すものとなる。自宅を出発し、「スターカフェ」へ向かい、さらに「杉山テニス場」へ向かい、「黒木屋」を経由して帰宅するループとなっている。
このように、一般的にユーザは、自宅を出発して所定の地点へ向かい、再び自宅へ帰宅する移動を行うことが多い。また、その移動の間に到達した目的地は、代替が不可能な目的地と、代替が可能な経由地に分けることが可能である場合も多い。例えばグループ1の移動では、「華町株式会社」は代替不可能であり、一方レストラン「サンゼリア」は大体可能であると考えられる。そこで、本変形例では、自宅を出発してから帰宅するまでの移動を1グループとしてとらえ、1グループの移動のうちで滞在時間や自宅からの距離をもとに経由地と考えられる目的地を判定し、さらにこの経由地は代替可能と判断することとする。なお、自宅は、ユーザが自ら登録を行うこともあり、登録された自宅を用いることとしてもよい。
経由時間演算部3425は、自宅を基準にした1移動のうち、各移動先へ滞在した時間を算出する処理部である。図80は、図78をもとに自宅を基準とした1移動のうち、各移動先へ滞在した時間を付帯させて記したものである。前日自宅に10時間滞在したのち、「華町株式会社」へ向かい9時間30分滞在し、後に「サンゼリア」へ移動し1時間滞在し、再び自宅へ戻ってきたことを示している。あるいは、自宅へ10時間滞在した後、「スターカフェ」へ2時間滞在した後、「杉山テニス場」へ3時間、そして「黒木屋」へ2時間滞在し、そして自宅へ帰宅したことを示している。一般的にユーザはある目的を果たそうと自宅を出発する際、その目的地はたまたま経由した経由地と比較して長時間滞在する場合がある。そこで、1移動のうちで長時間滞在した地点は、その目的を果たそうとした地点、つまり重要目的地と考えられ、一方、比較的滞在時間が短い地点はたまたま経由した経由地と考えられる。そして以後、これら経由地は代替可能と判断することができる。
経由時間演算部3425は、自宅を基準にした1移動のうち、各滞在した移動先と自宅との距離や地図情報等より得られる経路コストを演算する処理部である。図81は、図80に示した1移動における各移動先の滞在時間に加え、各移動先と自宅までの経路コスト(ここでは距離とする)を示したものである。自宅から自宅までの1移動の中で、重要目的地は他の経由地と比較して距離が遠い場合が多い。自宅を出発しある施設へ訪問し、その往復の間に所定の地点へ滞在する移動となる場合が多いからである。そこで、1移動のうちで自宅からの距離が遠い地点を重要目的地と考えられ、一方、比較的距離が短い地点を経由地として判断することができる。
経由地判定部3427は、前述の各移動先の滞在時間、および自宅からのコストをもとに経由地を判定する処理部である。例えば、滞在時間と、自宅からの距離をもとに重要度を算出し、重要度の高い移動先を重要目的地、低い移動先を代替可能な経由地と判定することとする。例えば、滞在時間1時間を重み1、また自宅からの距離1kmを重み1として正規化し、両重みを積算する等により重要度を算出する。図81において、例えば「華町株式会社」への滞在時間は9時間30分、自宅からの距離は15kmであるため、「9.5×15=427.5」となる。一方、「サンゼリア」は滞在時間が1時間、自宅からの距離は8kmであるため、「2×8=16」となる。この場合、「華町株式会社」が代替不可能な重要目的地であり、「サンゼリア」は経由地として判定することができる(図82)。
また、移動履歴ID「015」から「018」の場合、「スターカフェ」への滞在時間は2時間、自宅からの距離は5kmであるため、重要度「2×5=10」、「杉山テニス場」への滞在時間は3時間、自宅からの距離は20kmより、重要度「3×20=60」、「黒木屋」への滞在時間は2時間、自宅からの距離は10kmであるため、重要度「2×10=20」となり、重要度60である「杉山テニス場」が重要目的地、「スターカフェ」と「黒木屋」が経由地と判定することとなる(図82)。
また、さらにここでも滞在頻度を考慮してもよい。例えば、「杉山テニス場」へ向かう際、毎回「スターカフェ」へ経由してから「杉山テニス場」へ向かっていたとする。一方、帰宅する際、「黒木屋」はたまたま経由する地点であり、ときには直接帰宅する等の傾向をユーザが有していたとする。この場合、「スターカフェ」は経由地ではなく、「杉山テニス場」へ向かう際に必ず寄る地点であり、代替不可能と考えることができる。また、「スターカフェ」の滞在頻度は「黒木屋」と比較して滞在頻度が高くなることから、滞在頻度が高い場合は重要と考えることも可能である。
前記実施の形態では、滞在頻度と滞在時間のみから重要目的地と経由地の判定を行っていた。しかし、移動履歴によっては、これらに大差がなく、経由地の判定が困難な場合も生じる。一方、本変形例で示すように自宅から自宅までの移動を1単位として考え、この1移動の中から滞在時間や距離等を考慮し重要目的地を判定し、さらに経由地を判定することで、よりユーザの行動傾向を反映した経由地の判定が可能となる。例えば「スターカフェ」、「杉山テニス場」、「黒木屋」への滞在頻度や滞在時間に大差がなくとも、自宅から自宅までの1移動のうちでもっとも重要度が高い「杉山テニス場」がその移動における最も重要な目的であり、一方、「スターカフェ」や「黒木屋」が経由地と、より柔軟な判定が可能となっている。図83を用いて説明を行う。
図83は、図79と同様、自宅と各移動先の地理関係を地図で表したものである。また、移動履歴より、また、前述に示すように、「華町株式会社」、「杉山テニス場」は重要目的地、一方「サンゼリア」、「スターカフェ」、「黒木屋」は経由地であると判定されている。つまり、「グループ1」は自宅を出発して重要目的地「華町株式会社」へ向かい、「サンゼリア」を経由して自宅へ帰宅することを意味している。また、「グループ2」は、自宅を出発して「スターカフェ」を経由して、重要目的地「杉山テニス場」へ向かい、「黒木屋」を経由して自宅へ帰宅することを意味している。このように、ユーザが移動する際、ある重要な目的地へ向かって移動し、その往復の間に寄り道等、所定の地点へ経由して帰宅する場合がある。本発明を用いることで、よりユーザの行動特性を反映した重要目的地と経由地の判定が可能となる。
そして前記実施の形態6と同様、経由地様態規則作成部3429において、自宅から重要目的地までの経路と、その間の経由地とを付帯させた規則を生成し、例えばランドマーク表示や代替移動先表示の制御に用いる。
図84は生成された様態の規則である。図70と同様、自宅と重要目的地を基準として経由地を付帯させた様態の規則が生成されている。例えば様態規則「003」には、自宅を出発して「杉山テニス場」へ向かう場合は、経由地として「スターカフェ」のカテゴリ「カフェ」が反映されて経由地「カフェ」となっている。同様に、様態規則「004」には、「杉山テニス場」を出発して「自宅」へ帰宅する際は、経由地として「黒木屋」のカテゴリ「レストラン」が反映されて経由地「レストラン」となっている。この様態の規則を用いて、前記実施の形態で示すように、代替移動先を掲示し、あるいはランドマーク表示を制御することで、ユーザの煩雑な操作なく、容易に情報を把握させることが可能となる。
(実施の形態7)
前記実施の形態4、5、6では、予測された移動先と同一のカテゴリである代替移動先として情報を提示する方法を説明した。しかし、実施の形態4、5では移動履歴から適切に移動先を予測しないと代替移動先も予測できない。例えば、一般的にユーザがレストランAを出発した場合、次に再び別のレストランBに移動することはそれほど起こらない。よって、レストランAを出発したときにレストランBを移動先として予測することはないため、通常移動体端末はレストランAを出発したときに移動先としてレストランのカテゴリの移動先を表示せず、別の本屋などのカテゴリの移動先を表示する。しかし、ユーザはレストランAを出発した後に、出発地と同じカテゴリであるレストランBに移動しようとすることもある。例えばレストランAに行ったが休日であった、満席で入れなかった、実際に入ってみるとあまり美味しそうな店ではなかった、といった理由でユーザは「食事をする」というレストランでの目的を達することができず、別のレストランを探すといったこともある。こういったときに、別のレストランの情報を提供することはユーザにメリットがあり、非常に重要であるのだが、実施の形態4、5、6では、レストランAに行った後レストランBに行くといった移動履歴がないと代替レストランの情報を提供出来ない。またレストランAに行った後レストランBに行くような移動履歴があったとしても、レストランに行った後、毎回、代替レストランの情報提示をされてもユーザの状況に適合しないことが多い。
よって本実施の形態では、出発地における滞在時間を用いて、ユーザが出発地で「食事をする」などの目的を達したかどうかを予測し、目的未達成時にのみ代替移動先を提示する。一般的に出発地のレストランAの滞在時間が1時間など長い時間であれば、ユーザは「食事をする」といった目的を達成した可能性が高い。逆に5分など平均よりずっと短い時間であれば、「満席」などにより「食事をする」といった目的を達成できなかった可能性が高いため、端末は代替レストランの提示を行う。以下本実施例の手法について説明する。
図85は、本実施の形態におけるシステム構成図である。前記実施の形態4で示した構成要素には同様の符号を付与し、説明を省略する。以下、まず各構成要素について図を用いて説明し、後に本システムの動作について説明する。
出発地カテゴリ判定部は移動履歴などから現走行における出発地を検知し、出発地のカテゴリを判定する処理部である。例えば、移動先履歴蓄積部3401に実施の形態5と同様に、図86のように移動履歴及び移動先のカテゴリが蓄積されているとき、出発地は最新の移動先履歴である「サンゼリア」であり、カテゴリは「レストラン」である。19時15分に「サンゼリア」を出発したことは、例えば19時15分に「サンゼリア」でエンジンをかけたことによって検出する。
出発地滞在時間検知部7103は、移動履歴から出発地の滞在時間を検知する。例えば図86のように移動履歴が蓄積されているとき、出発時刻は最新の移動先履歴である履歴ID「011」の「19時15分」であり、到着時刻は履歴ID「010」の「18時15分」であることから、現走行における出発地「サンゼリア」の滞在時間である1時間(=19時15分−18時15分)となる。
基準滞在時間蓄積部7104は、図87のように各カテゴリにおける基準滞在時間を蓄積する。例えば基準滞在時間ID「001」はカテゴリ「レストラン」の基準滞在時間が「15分」であることを示している。基準滞在時間とはユーザが滞在地において購買行動などの目的を達成するために必要な最低滞在時間である。例えば、カテゴリ「レストラン」では、「食事をする」という目的を達成するために必要な最低滞在時間である。カテゴリ「本屋」では、「本を買う」という目的を達成するために必要な最低滞在時間である。同様に、カテゴリ「カラオケBOX」では、「歌を歌う」、カテゴリ「映画館」では「映画を観る」が目的である。基準滞在時間は、設計者などが予め与えておく。
目的達成判定部7105は、出発地カテゴリ判定部7102が出力した出発地カテゴリ、出発地滞在時間検知部7103が出力した出発地の滞在時間、及び基準滞在時間蓄積部7104において出発地カテゴリに対応する基準滞在時間を用いて、ユーザが出発地において購買行動などの出発地固有の目的を達成したかどうかを判定する。具体的には出発地の滞在時間が、基準滞在時間より短いときに、目的を達成できなかったと判定する。これは目的を達成するためには、少なくとも基準滞在時間が必要であるからである。図88のようにユーザの出発地「サンゼリア」の滞在時間が「10分」であったとすると、「サンゼリア」のカテゴリである「レストラン」の基準滞在時間が「15分」より短いため、「食事をする」といった「レストラン」における目的を達成できなかったと判定する。
移動先カテゴリ決定部7106は、目的達成判定部7105における目的未達成の判定時に、移動先カテゴリを出発地カテゴリに決定する。
例えば、図88のように目的未達成が判定されたとき、ユーザの出発地「サンゼリア」のカテゴリが「レストラン」であることから、移動先カテゴリを「レストラン」とする。
代替移動先検索部7108は、移動先カテゴリ決定部7106が決定した移動先カテゴリに該当する代替移動先を、カーナビやサーバ等に備えられた地図情報蓄積部3406に蓄積された地図情報から検索する。例えば図89のように、出発地「サンゼリア」と同じ「レストラン」カテゴリである「リーガルホスト」、「とん屋」を検索する。
なお、実施の形態4と同様に、移動先距離演算部3404を用いて、距離により検索エリアを限定しても良い。
表示制御部7109は、代替移動先検索部7108で決定した移動先の情報を情報提示部7110に表示する制御を行う。移動先の情報は実施の形態4と同様に、地図情報蓄積部3406に蓄積されている。
なお、実施の形態4と同様に、様態情報蓄積部3408、重要項目決定部3407を用いて、表示に当たって重要な項目を決定し、表示を制御しても良い。
情報提示部7110は、表示制御部7109に従って、車載ディスプレイに情報を提示する。例えば、図90のように各移動先の情報を提示する。
以下、本実施の形態のフローチャートを、図91を用いて説明する。
まず、出発地カテゴリ判定部7102が、移動先履歴蓄積部3401に蓄積された移動履歴を元に出発地のカテゴリを判定する(ステップS7701)。出発地滞在時間検知部7103は、移動履歴を元に出発地の滞在時間を検知する(ステップS7702)。目的達成判定部7105は基準滞在時間蓄積部7104から出発地カテゴリに該当する基準滞在時間を参照し(ステップS7703)、出発地の滞在時間が基準滞在時間に比べて短いかどうかによって目的達成の判定を行う(ステップS7704)。短い場合は、目的が未達成であったと判定し(ステップS7704のyes)、ステップS7706へ、長い場合は、目的を達成したと判定し(ステップS7705のyes)、ステップS7705に進む。
ステップS7705では、目的達成のため、出発地の代替移動先を予測しないことにして、ステップS7708に進む(ステップS7705)。なお、このとき出発地カテゴリと同一のカテゴリである移動先を候補から外した上で移動履歴から前記実施の形態と同様に移動先予測を行い、情報を表示しても良い。
ステップS7706では、目的未達成のため、移動先カテゴリ決定部7106が出発地と同一のカテゴリを移動先カテゴリと決定する(ステップS7706)。代替移動先検索部7108は、決定した移動先カテゴリに従い、地図情報蓄積部から、代替移動先を検索する(ステップS7707)。
ステップS7708では、表示制御部7109が予測した移動先の情報の表示制御を行い、情報提示部7110が情報を提示する(ステップS7708)。
(変形例1 移動履歴から基準滞在時間作成)
なお、実施の形態7では、基準滞在時間を設計者などが予め与えていた。しかし基準滞在時間を蓄積された移動履歴における各カテゴリの滞在時間から自動的に生成してもよい。
以下本実施例の手法について説明する。
図92は、本実施の形態におけるシステム構成図である。前記実施の形態7で示した構成要素には同様の符号を付与し、説明を省略する。以下、まず各構成要素について図を用いて説明し、後に本システムの動作について説明する。
基準滞在時間演算部7811は、移動先履歴蓄積部3401に蓄積された移動履歴から各カテゴリにおける滞在時間の基準滞在時間を求める。具体的には、滞在時間は正規分布であると仮定し、移動履歴から各カテゴリにおける平均滞在時間と滞在時間の標準偏差を算出し、(平均滞在時間)−3×(滞在時間の標準偏差)を基準滞在時間とする。例えば、カテゴリ「レストラン」に対応する移動履歴として図93のような移動履歴が蓄積されていたとする。このときカテゴリ「レストラン」への滞在時間の履歴は「60分」、「55分」、「65分」、「60分」の4個である。これらから平均滞在時間を計算すると「60分」{60+55+65+60)/4}となる。また「60分」、「55分」、「65分」、「60分」の標準偏差は約「4分」となる。よって基準滞在時間は48分(60−3×4)となる。
以下、本実施の形態のフローチャートを、図94を用いて説明する。前記実施の形態7で示した構成要素には同様の符号を付与し、説明を省略する。
まず、基準滞在時間演算部7811が移動先履歴蓄積部3401に蓄積された移動履歴から基準滞在時間を計算する(Sステップ8000)。以下実施の形態7と同様である。
(変形例2 出発地における購買行動から目的達成の判定)
なお、本例では、ユーザの出発地における目的達成の成否を滞在時間によって検知していた。しかし「本屋」において滞在時間が基準滞在時間より短くても、「本を買う」という目的は達成している場合があるなど、特に目的達成に必要な時間が短いときには、誤検出を行うこともある。ここで出発地における目的の大部分は購買行動であることに注目する。例えば「レストラン」で「食事をする」ことも「映画館」で「映画を観る」ことも購買行動である。よって、電子マネーの入ったモバイル端末に記録された購買記録を参照するなど、出発地における購買行動を検知することにより、目的達成の成否が確実に判定できる。
以下本実施例の手法について説明する。
図95は、本実施の形態におけるシステム構成図である。前記実施の形態7で示した構成要素には同様の符号を付与し、説明を省略する。以下、まず各構成要素について図を用いて説明し、後に本システムの動作について説明する。
購買記録蓄積部8111は、例えば電子マネーの入ったモバイル端末に図96のように蓄積されている。例えば購買記録ID「004」において、時刻「2003/7/17 19:10」に「900円」を支払う購買行動が発生したことを示す。
出発地購買行動検知部8103は移動先履歴蓄積部3401から出発地及び出発地にいた時刻を検知し、出発地における購買行動を、購買記録蓄積部から検知する。具体的には、出発地にいた時刻の間に購買行動が発生したかどうかを検知する。例えば図86の移動履歴と図96の購買履歴があったとき、出発地「サンゼリア」にいた「2003/7/17 18:15」〜「2003/7/17 19:15」の間である「2003/7/17 19:10」に「900円」を支払う購買行動が発生しているため、出発地において購買行動が発生したとする。
目的達成判定部8105は、出発地購買行動検知部8103が検知した出発地における購買行動を用いて、ユーザが出発地において目的を達成したかどうかを判定する。具体的には出発地における購買行動が検知できなかったときに、目的を達成できなかったと判定する。
以下、本実施の形態のフローチャートを、図97を用いて説明する。前記実施の形態7で示した構成要素には同様の符号を付与し、説明を省略する。
まず、ステップS7701を行い、出発地購買行動検知部8103が、移動履歴蓄積部
3401に蓄積された移動履歴と購買記録蓄積部8111に記録された購買記録により、出発地における購買行動を検知する(ステップS8302)。目的達成判定部8105は
出発地における購買行動から目的達成の判定を行い(ステップS8303)、購買行動が
検知されなかったときは、目的が未達成であったと判定し(ステップS8303のyes)、ステップS7706へ、検知された場合は、目的を達成したと判定し(ステップS8303のno)、ステップS7705に進む。
以下実施の形態7と同様である。