JP2008069834A - 変速伝動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数段階の各速度段階において無段階に変速可能な変速伝動装置の提供。
【解決手段】静油圧式無段変速部20と、遊星伝動部3aと、変速出力部3bとを備える。遊星伝動部3aは、静油圧式無段変速部20の出力とエンジン駆動力とを複数の遊星伝動機構PF,PRによって合成して出力するよう、サンギヤ60と一体回転自在なサンギヤ出力体43と、キャリヤ62と一体回転自在なキャリヤ出力体42と、リングギヤ63と一体回転自在なリングギヤ出力体41とを備える。変速出力部3bは、遊星伝動部3aから出力される合成駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして一つの出力回転体70から出力するよう、サンギヤ出力体43とキャリヤ出力体42とリングギヤ出力体41を各別に出力回転体70に連動させる複数の伝動機構71〜74と、これらを各別に断接状態とに切換える複数のクラッチCL1〜CL4とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの出力が入力される静油圧式無段変速部と、前記静油圧式無段変速部から出力される駆動力と前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力とを複数の遊星伝動機構によって合成する遊星伝動部と、前記遊星伝動部から出力される合成駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして一つの出力回転体から出力する変速出力部とを備えた変速伝動装置に関する。
上記した変速伝動装置は、静油圧式無段変速部が変速操作され、この変速操作に併せて変速出力部が適切に切り換え操作されることにより、エンジンからの駆動力が複数段階の速度レンジに段階分けして、かつ、各段階の速度レンジにおいて無段階に変速して出力されるものである。
この種の変速伝動装置として、従来、特許出願(特願2005−286072号)されたものを先に開発した。
図7は、先に開発した変速伝動装置3の線図である。この図に示すように、先に開発した変速伝動装置3は、静油圧式無段変速部20と遊星伝動部3aと変速出力部3bとを備えている。遊星伝動部3aは、一対の遊星伝動機構PF,PRを備えている。一対の遊星伝動機構PF,PRのうちの伝動方向上手側の遊星伝動機構PFは、静油圧式無段変速部20による変速作用を受けないエンジン駆動力が入力されるリングギヤと、静油圧式無段変速部20からの出力が入力されるサンギヤとを備えている。一対の遊星伝動機構PF,PRのうちの伝動方向上手側の遊星伝動機構PFの遊星ギヤ51と、伝動方向下手側の遊星伝動機構PRの遊星ギヤ61とは連動している。すなわち、遊星ギヤ51に回転軸51aを介して一体回転自在に連動している連動ギヤ51bと、遊星ギヤ61に回転軸61aを介して一体回転自在に連動している連動ギヤ61bとが噛み合っている。伝動方向上手側の遊星伝動機構PFのキャリヤと、伝動方向下手側の遊星伝動機構PRのキャリヤとは、共用のキャリヤKになっている。
変速出力部3bは、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッチC3と第4クラッチC4と遊星伝動機構PEとを備え、さらに、遊星伝動機構PFのリングギヤに作用するブレーキBKと、遊星伝動機構PEのキャリヤに連動した出力回転体70とを備えている。第1クラッチC1は、遊星伝動部3aの遊星伝動機構PRのリングギヤにギヤ連動機構G1を介して連動した入力ギヤC1aと、遊星伝動機構PEのサンギヤに回転軸150を介して一体回転自在に連動した出力ギヤC1bと、この出力ギヤC1bにシフト操作自在に支持されたクラッチギヤC1kとを備えている。第2クラッチC2は、遊星伝動部3aの遊星伝動機構PRのサンギヤに回転軸を介して連動された入力ギヤC2aと、第1クラッチC1の出力ギヤC1b及びクラッチギヤC1kと共用の出力ギヤC2b及びクラッチギヤC2kとを備えている。第3クラッチC3は、遊星伝動部3aのキャリヤKにギヤ連動機構G2を介して連動した入力ギヤC3aと、遊星伝動機構PEのキャリヤに連動した出力ギヤC3bと、この出力ギヤC3bにシフト操作自在に支持されたクラッチギヤC3kとを備えている。第4クラッチC4は、前記回転軸150に一体回転自在に支持された入力ギヤC4aと、第3クラッチC3の出力ギヤC3b及びクラッチギヤC3kと共用の出力ギヤC4b及びクラッチギヤC4kとを備えている。
図8は、先に開発した変速伝動装置3における静油圧式無段変速部20の変速状態と、速度レンジと、出力回転体70の回転速度(以下、出力速度と称する。)との関係を示す説明図である。図8に示す「−MAX」は、静油圧式無段変速部20の逆回転伝動状態での最高速度の変速状態を示し、「N」は、静油圧式無段変速部20の中立状態を示し、「+MAX」は、静油圧式無段変速部20の正回転伝動状態での最高速度の変速状態を示す。図9は、先に開発した変速伝動装置3における速度レンジと、第1,2,3,4クラッチC1,C2,C3,C4及びブレーキBKの操作状態との関係を示す説明図である。図9に示す「入り」は、第1,2,3,4クラッチC1,C2,C3,C4とブレーキBKの入り状態を示し、「−」は、第1,2,3,4クラッチC1,C2,C3,C4とブレーキBKの切り状態を示す。
これらの図に示すように、先に開発した変速伝動装置3は,次の如きものである。
すなわち、第1クラッチC1とブレーキBKとが入り状態に操作され、静油圧式無段変速部20が「−MAX」から「+MAX」に向けて変速操作されると、変速伝動装置3が1速レンジになって変速作動し、出力速度が「0」から無段階に増速していく。静油圧式無段変速部20が「+MAX」の変速状態になると、出力速度が「B11」になる。これに伴って第2クラッチC2が入り状態に操作されるとともにブレーキBKが入り状態に維持され、かつ、静油圧式無段変速部20が「+MAX」から「-MAX」に向けて変速操作されると、変速伝動装置3が2速レンジになって変速作動し、出力速度が「B11」から無段階に増速していく。静油圧式無段変速部20が「-MAX」の変速状態になると、出力速度が「B12」になる。これに伴って第2クラッチC2が入り状態に維持されるとともに第3クラッチC3が入り状態に操作され、かつ、静油圧式無段変速部20が「-MAX」から「+MAX」に向けて変速操作されると、変速伝動装置3が3速レンジになって変速作動し、出力速度が「B12」から無段階に増速していく。静油圧式無段変速部20が「+MAX」の変速状態になると、出力速度が「B13」になる。これに伴って第2クラッチC2が入り状態に維持されるとともに第4クラッチC4が入り状態に操作され、静油圧式無段変速部20が「+MAX」から「−MAX」に向けて変速操作されると、変速伝動装置3が4速レンジになって変速作動し、出力速度が「B13」から無段階に増速していく。静油圧式無段変速部20が「−MAX」の変速状態になると、出力速度が最高速度の「B14」になる。
先に開発した変速伝動装置の場合、変速出力部にクラッチを備える他に、遊星伝動機構とブレーキとを備える必要があり、構造面で不利になっていた。
本発明の目的は、エンジン出力を複数段階の速度レンジに段階分けして、かつ、各速度段階において無段階に変速して出力できるものでありながら、構造簡単に得ることができる変速伝動装置を提供することにある。
本第1発明は、エンジンの出力が入力される静油圧式無段変速部と、前記静油圧式無段変速部から出力される駆動力と前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力とを複数の遊星伝動機構によって合成する遊星伝動部と、前記遊星伝動部から出力される合成駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして一つの出力回転体から出力する変速出力部とを備えた変速伝動装置において、
前記遊星伝動部に、この遊星伝動部の伝動方向での最も下手側に位置する遊星伝動機構のサンギヤと一体回転自在なサンギヤ出力体と、前記最下手側の遊星伝動機構のキャリヤと一体回転自在なキャリヤ出力体と、前記最下手側の遊星伝動機構のリングギヤと一体回転自在なリングギヤ出力体とを備え、
前記変速出力部に、前記サンギヤ出力体と前記キャリヤ出力体と前記リングギヤ出力体とを各別に前記出力回転体に連動させる複数の伝動機構と、前記複数の伝動機構を各別に伝動入り状態と伝動切り状態とに切換える複数のクラッチとを備えてある。
本第1発明の構成によると、前記複数のクラッチのうちの速度レンジに対応したクラッチが入り状態に切換え操作されると、変速出力部の複数の伝動機構のうちの適切な伝動機構が伝動入り状態になり、変速出力部は、遊星伝動部のサンギヤ出力体とキャリヤ出力体とリングギヤ出力体とのうちの適切な出力体を出力回転体に連動させた所定の速度レンジになる。これにより、遊星伝動部を先に開発した遊星伝動部が備えていた遊星伝動機構及びブレーキを備えない構造簡単な遊星伝動部にしても、静油圧式無段変速部の変速操作に併せて変速出力部の複数のクラッチが適切に切換え操作されると、遊星伝動部による出力合成と、変速出力部による合成駆動力の段階分けとにより、エンジン出力が複数段階の速度レンジに段階分けされ、かつ、各速度段階において無段階に変速して出力される。
従って、エンジン出力を複数段階の速度レンジに段階分けして、かつ、各速度段階において無段階に変速して出力でき、走行伝動装置に有利に使用できる変速伝動装置を、変速出力部の面で構造の簡略化を図り、安価に得ることができる。
本第2発明は、本第1発明の構成において、前記サンギヤ出力体と前記キャリヤ出力体と前記リングギヤ出力体とを、前記出力回転体の回転軸芯に平行な三重軸構造に構成し、前記複数の伝動機構を、前記出力回転体の回転軸芯に沿う方向に並列するよう配置してある。
本第2発明の構成によると、サンギヤ出力体とキャリヤ出力体とリングギヤ出力体とを同一の軸芯上に纏まって位置する状態に配置し、複数の伝動機構をサンギヤ出力体とキャリヤ出力体とリングギヤ出力体と、出力回転体との間に纏まって位置する状態に配置することができる。
従って、サンギヤ出力体とキャリヤ出力体とリングギヤ出力体との配置構成の面からも、複数の伝動機構の配置構成の面からも変速伝動装置をコンパクトに得ることができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
〔第一実施例〕
図1は、本発明の第一実施例に係る変速伝動装置3の線図である。この図に示すように、本発明の第一実施例に係る変速伝動装置3は、トラクタが備える走行伝動装置に装備されている。走行伝動装置は、エンジン1の出力軸1aからの出力が入力される主クラッチ2と、この主クラッチ2の出力軸2aに入力軸21が連動されている前記変速伝動装置3と、この変速伝動装置3の出力回転体としての出力軸70に入力軸31が連動されている前後進切換え装置30と、この前後進切換え装置30の出力軸32に入力ギヤ5aが連動されている後輪差動機構5と、前記前後進切換え装置30の前記出力軸32に伝動ギヤ6a,6bを介して連動されている前輪用出力軸7と、この前輪用出力軸7に伝動軸8を介して入力軸9aが連動されている前輪差動機構9とを備えている。
尚、図1に示す如くミッションケース10の後部に設けた動力取り出し軸11は、トラクタの車体後部に連結されたロータリ耕耘装置(図示せず)など、各種の作業装置に前記エンジン1の駆動力を伝達するものである。この動力取り出し軸11は、伝動軸12と、作業クラッチ13と、伝動ギヤ14a,14bとを介して前記変速伝動装置3の入力軸21に連動されている。
図1に示すように、前記変速伝動装置3は、前記入力軸21となっているポンプ軸(以下、入力軸21をポンプ軸21と呼称する。)を有した静油圧式無段変速部20(以下、無段変速部20と略称する。)と、一対の遊星伝動機構PF,PRを有した遊星伝動部3aと、前記出力軸70を有した変速出力部3bとを備えて構成してある。前記無段変速部20は、ミッションケース10の外部に設け、前記遊星伝動部3aおよび前記変速出力部3bと、前記前後進切換え装置30と、前記後輪差動機構5とは、前記ミッションケース10の内部に設けてある
前記無段変速部20は、前記ポンプ軸21を有した油圧ポンプ23と、この油圧ポンプ23からの圧油によって駆動される油圧モータ24とを備えている。油圧ポンプ23は、アキシャルプランジャ形で、かつ可変容量形の油圧ポンプによって構成してある。油圧モータ24は、アキシャルプランジャ形の油圧モータによって構成してある。
すなわち、無段変速部20は、エンジン1の出力軸1aからの出力を主クラッチ2を介してポンプ軸21に入力し、油圧ポンプ23の斜板角が変更されることにより、入力したエンジン駆動力を正回転方向の駆動力と、逆回転方向の駆動力とに変換して、かつ、正回転方向においても逆回転方向においても無段階に変速してモータ軸22から出力する。
図1に示すように、遊星伝動部3aは、車体前後方向に並んだ前記一対の遊星伝動機構PF,PRを備える他、この一対の遊星伝動機構PF,PRのうち車体後方側に位置する後遊星伝動機構PRの車体後方側に位置した三つの出力体41,42,43とを備えている。
前記一対の遊星伝動機構PF,PRのうち車体前方側に位置する前遊星伝動機構PFは、筒軸形の回転支軸56に一体回転自在に支持されたサンギヤ50と、このサンギヤ50の外周囲にサンギヤ50の周方向に分散して位置するとともにサンギヤ50に噛み合った複数個の遊星ギヤ51と、各遊星ギヤ51を回転自在に支持するキャリヤ52と、前記各遊星ギヤ51に内歯で噛み合ったリングギヤ53とを備えている。
前記一対の遊星伝動機構PF,PRのうちの前記後遊星伝動機構PRは、回転支軸67に一体回転自在に支持されたサンギヤ60と、このサンギヤ60の外周囲にサンギヤ60の周方向に分散して位置するとともにサンギヤ60に噛み合った複数個の遊星ギヤ61と、各遊星ギヤ61を回転自在に支持するキャリヤ62と、前記各遊星ギヤ61に内歯で噛み合ったリングギヤ63とを備えている。
図2に示すように、前遊星伝動機構PFおよび後遊星伝動機構PRのサンギヤ50,60の周囲の複数箇所において対応し合っている前遊星伝動機構PFの遊星ギヤ51と後遊星伝動機構PRの遊星ギヤ61とは、遊星ギヤ51の後端部と遊星ギヤ61の前端部とで噛み合っている。図1に示すように、前遊星伝動機構PFの各遊星ギヤ51を回転自在に支持する支軸57は、前遊星伝動機構PFのキャリヤ52と後遊星伝動機構PRのキャリヤ62とにわたって支持されているとともに各キャリヤ52,62に対して相対回転する。後遊星伝動機構PRの各遊星ギヤ61を回転自在に支持する支軸68は、前遊星伝動機構PFのキャリヤ52と後遊星伝動機構PRのキャリヤ62とにわたって支持されているとともに各キャリヤ52,62に対して相対回転する。前遊星伝動機構PFのサンギヤ50の前記回転支軸56は、無段変速部20のモータ軸22に一体回転自在に連動されている。
前遊星伝動機構PFのリングギヤ53は、このリングギヤ53に一端側が一体回転自在に連結されている回転連動体58と、この回転連動体58の他端側に一体回転自在に連結された伝動ギヤ59aと、この伝動ギヤ59aに噛み合った状態で無段変速部20のポンプ軸21に一体回転自在に支持された伝動ギヤ59bとを介してポンプ軸21に連動されている。
前記三つの出力体41,42,43は、出力軸70の回転軸芯に平行な回転軸芯を備えた三重軸構造に相対回転自在に重なり合った軸体によって構成してある。三つの出力体41,42,43のうちのリングギヤ出力体41は、三重軸構造の最も外側に位置した筒軸で成り、後遊星伝動機構PRのリングギヤ63に回転連動体69を介して一体回転自在に連結されている。三つの出力体41,42,43のうちのキャリヤ出力体42は、三重軸構造の中間に位置した筒軸で成り、後遊星伝動機構PRのキャリヤ62に一体回転自在に連結されている。三つの出力体41,42,43のうちのサンギヤ出力体43は、三重軸構造の最も内側に位置した軸体で成り、後遊星伝動機構PRのサンギヤ60の回転支軸67と一体回転し、サンギヤ60と一体回転する。
すなわち、遊星伝動部3aは、前遊星伝動機構PFの遊星ギヤ51と、後遊星伝動機構PRの遊星ギヤ61とが噛み合い連動して自転回転し、この連動状態を維持しながらサンギヤ50,60の周りを公転回転するよう前遊星伝動機構PFと後遊星伝動機構PRとを連結した複合遊星型式になっている。そして、遊星伝動部3aは、無段変速部20による変速作用を受けないエンジン駆動力としてのモータ軸21の駆動力を前遊星伝動機構PFのリングギヤ53に入力し、無段変速部20のポンプ軸22からの出力を前遊星伝動機構PFのサンギヤ50に入力し、無段変速部20による変速作用を受けないエンジン駆動力と、無段変速部20の出力とを前遊星伝動機構PFと後遊星伝動機構PRとによって合成し、この合成駆動力をリングギヤ出力体41とキャリヤ出力体42とサンギヤ出力体43とから出力する。
図1に示すように、変速出力部3bは、前記出力軸70を備える他、この出力軸70と前記リングギヤ出力体41とにわたって設けた第1伝動機構71と、前記出力軸70と前記サンギヤ出力体43とにわたって設けた第2伝動機構72と、前記出力軸70と前記キャリヤ出力体42とにわたって設けた第3伝動機構73と、前記出力軸70と前記サンギヤ出力体43とにわたって設けた第4伝動機構74と、前記四つの伝動機構71,72,73,74に設けたクラッチCL1,CL2,CL3,CL4とを備えている。
前記第1伝動機構71と前記第2伝動機構72と前記第3伝動機構73と前記第4伝動機構74とは、出力軸70の回転軸芯に沿う方向に並列している。第1伝動機構71は、リングギヤ出力体41に一体回転自在に設けた入力ギヤ71aと、この入力ギヤ71aに噛み合った状態で出力軸70に相対回転自在に取り付けた出力ギヤ71bとを備えて構成してある。第2伝動機構72は、サンギヤ出力体43に一体回転自在に設けた入力ギヤ72aと、この入力ギヤ72aに噛み合った状態で出力軸70に相対回転自在に取り付けた出力ギヤ72bとを備えて構成してある。第3伝動機構73は、キャリヤ出力体42に一体回転自在に設けた入力ギヤ73aと、この入力ギヤ73aに噛み合った状態で出力軸70に相対回転自在に取り付けた出力ギヤ73bとを備えて構成してある。第4伝動機構74は、サンギヤ出力体43に一体回転自在に設けた入力ギヤ74aと、この入力ギヤ74aに噛み合った状態で出力軸70に相対回転自在に取り付けた出力ギヤ74bとを備えて構成してある。
各伝動機構71〜74が備える前記クラッチCL1〜CL4は、前記出力ギヤ71b,72b,73b,74bに一体回転自在に設けた入力側回転部材95と、前記出力軸70に一体回転自在に支持された出力側回転部材96と、この出力側回転部材96と前記入力側回転部材95との間に設けた多板式の摩擦クラッチ本体97と、出力側回転部材96の内部に設けた油圧ピストン98とを備えて構成してある。各クラッチCL1〜CL4は、油圧ピストン98によって摩擦クラッチ本体97の複数枚のクラッチ板(図示せず)が圧接操作されることにより、入力側回転部材95と出力側回転部材96とを摩擦によって一体回転させるよう入り状態になり、油圧ピストン98による摩擦クラッチ本体97のクラッチ板の圧接操作が解除されることにより、入力側回転部材95と出力側回転部材96との連動を絶つよう切り状態になる。
各伝動機構71〜74は、この伝動機構71〜74が備えている前記クラッチCL1〜CL4が入り状態に切換え操作されることにより、リングギヤ出力体41あるいはキャリヤ出力体42あるいはサンギヤ出力体43の駆動力を入力ギヤ71a,72a,73a,74aと、出力ギヤ71b,72b,73b,74bと、クラッチCL1,CL2,CL3,CL4とによって出力軸70に伝達するよう伝動入り状態になる。各伝動機構71〜74は、前記クラッチCL1〜CL4が切り状態に切換え操作されることにより、リングギヤ出力体41あるいはキャリヤ出力体42あるいはサンギヤ出力体43から出力軸70への伝動を絶つよう伝動切り状態になる。
出力軸70が各伝動機構71〜74によって駆動された場合の出力軸70の回転速度が次の如く相違するように各伝動機構71〜74の伝動比を設定してある。第2伝動機構72によって駆動された場合の回転速度が、第1伝動機構71によって駆動された場合の回転速度よりも速くなる。第3伝動機構73によって駆動された場合の回転速度が、第2伝動機構72によって駆動された場合の回転速度よりも速くなる。第4伝動機構74によって駆動された場合の回転速度が、第3伝動機構73によって駆動された場合よりも速くなるよう設定してある。
図3は、前記各クラッチCL1〜CL4の操作状態と、変速出力部3bの操作状態としての速度レンジとの関係を示す説明図である。図3に示す「入り」は、各クラッチCL1〜CL4の入り状態を示し、「−」は、各クラッチCL1〜CL4の切り状態を示す。図4は、無段変速部20の変速状態と、変速出力部3bの速度レンジと、変速出力部3bの出力軸70による出力速度との関係を示す説明図である。図4の横軸は、無段変速部20の変速状態を示し、縦軸は、出力軸70による出力速度を示す。横軸の「−MAX」は、無段変速部20のモータ軸22による出力速度が逆回転方向での最高速度になる変速状態を示し、「N」は、無段変速部20の中立状態を示し、「+MAX」は、無段変速部20のモータ軸22による出力速度が正回転方向での最高速度になる変速状態を示す。
これらの図に示すように、この変速伝動装置3は、無段変速部20が変速操作され、この変速操作に併せて変速出力部3bの各クラッチCL1,CL2,CL3,CL4が適切に切り換え操作されることにより、エンジン1からの駆動力を4段階の速度レンジに段階分けして、かつ、各段階の速度レンジにおいて無段階に変速して出力軸70から前後進切換え装置30に伝達する。
すなわち、1速クラッチCL1が入り状態に操作され、2速クラッチCL2と3速クラッチCL3と4速クラッチCL4とが切り状態に操作されると、変速出力部3bは、遊星伝動部3aのリングギヤ出力体41とキャリヤ出力体42とサンギヤ出力体43とから出力される合成駆動力を第1伝動機構71と1速クラッチCL1とによって1速レンジの速度段階の駆動力となるようにして出力軸70に伝達し、この出力軸70から前後進切換え装置30に伝達する。遊星伝動部3aがこのように操作された状態において、無段変速部20が「−MAX」から「+MAX」に向けて変速操作されると、これに伴って出力軸70の回転速度が「0」から無段階に増速する。無段変速部20が「+MAX」の変速状態になると、出力軸70の回転速度が「B1」になる。
2速クラッチCL2が入り状態に操作され、1速クラッチCL1と3速クラッチCL3と4速クラッチCL4とが切り状態に操作されると、変速出力部3bは、遊星伝動部3aのリングギヤ出力体41とキャリヤ出力体42とサンギヤ出力体43とから出力される合成駆動力を第2伝動機構72と2速クラッチCL2とによって2速レンジの速度段階の駆動力となるようにして出力軸70に伝達し、この出力軸70から前後進切換え装置30に伝達する。変速出力部3bがこのように操作された状態において、無段変速部20が「+MAX」から「−MAX」に向けて変速操作されると、これに伴って出力軸70の回転速度が「B1」から無段階に増速する。無段変速部20が「−MAX」の変速状態になると、出力軸70の回転速度が「B2」になる。
3速クラッチCL3が入り状態に操作され、1速クラッチCL1と2速クラッチCL2と4速クラッチCL4とが切り状態に操作されると、変速出力部3bは、遊星伝動部3aのリングギヤ出力体41とキャリヤ出力体42とサンギヤ出力体43とから出力される合成駆動力を第3伝動機構73と3速クラッチCL3とによって3速レンジの速度段階の駆動力となるようにして出力軸70に伝達し、この出力軸70から前後進切換え装置30に伝達する。変速出力部3bがこのように操作された状態において、無段変速部20が「−MAX」から「+MAX」に向けて変速操作されると、これに伴って出力軸70の回転速度が「B2」から無段階に増速する。無段変速部20が「+MAX」の変速状態になると、出力軸70の回転速度が「B3」になる。
4速クラッチCL4が入り状態に操作され、1速クラッチCL1と2速クラッチCL2と3速クラッチCL3とが切り状態に操作されると、変速出力部3bは、遊星伝動部3aのリングギヤ出力体41とキャリヤ出力体42とサンギヤ出力体43とから出力される合成駆動力を第4伝動機構74と4速クラッチCL4とによって4速レンジの速度段階の駆動力となるようにして出力軸70に伝達し、この出力軸70から前後進切換え装置30に伝達する。変速出力部3bがこのように操作された状態において、無段変速部20が「+MAX」から「−MAX」に向けて変速操作されると、これに伴って出力軸70の回転速度が「B3」から無段階に増速する。無段変速部20が「−MAX」の変速状態になると、出力軸70の回転速度が最高速度の「B4」になる。
図1に示すように、前記前後進切換え装置30は、前記入力軸31と前記出力軸32とを備える他、入力軸31に連動部材34を介して入力側回転部材が一体回転自在に連結され、出力側回転部材が連動部材35を介して出力軸32に一体回転自在に連結された前進クラッチCFと、入力軸31に逆転伝動ギヤ機構33を介して入力側回転部材が連動され、出力側回転部材が前記連動部材35を介して出力軸32に一体回転自在に連結された後進クラッチCRとを備えている。
すなわち、前後進切換え装置30は、前進クラッチCFが入り状態に、後進クラッチCRが切り状態にそれぞれ操作されることにより、入力軸31の駆動力を前進クラッチCFを介して出力軸32に伝達するよう前進状態になる。前後進切換え装置30は、前進クラッチCFが切り状態に、後進クラッチCRが入り状態にそれぞれ操作されることにより、入力軸31の駆動力を逆転伝動ギヤ機構33及び後進クラッチCRを介して出力軸32に伝達するよう後進状態になる。
図5は、トラクタが備える走行操作装置のブロック図である。この図に示すように、走行操作装置は、トラクタの運転部に設けた主変速レバー80および前後進レバー81と、主変速レバー80に連動された変速検出手段82と、前後進レバー81に連動された前後進検出手段83と、この前後進検出手段83および前記変速検出手段82に連係された制御手段84とを備えている。制御手段84は、無段変速部20を変速操作する変速バルブ85と、前記各クラッチCL1〜CL4を切換え操作するクラッチバルブ86〜89と、前記前進クラッチCFを切換え操作する前進バルブ90と、前記後進クラッチCRを切換え操作する後進バルブ91とのそれぞれの電磁操作部に連係されている。制御手段84は、無段変速部20に設けた変速状態検出手段92に連係されている。
主変速レバー80は、中立位置S1から最高速位置Maxに至る操作域で揺動操作するようになっている。主変速レバー80の操作域のうち、中立位置S1から中間位置Cまでは、主として作業時に使用する低速域Lとなり、中間位置Cから最高速位置Maxまでは、主として移動走行時に使用する高速域Hとなっている。前後進レバー81は、中立位置S2と前進位置Fと後進位置Rとに切換え操作するようになっている。
変速検出手段82は、主変速レバー80に操作部が連動された回転ポテンショメータによって構成してあり、主変速レバー80が操作された操作位置を検出し、この検出結果を制御手段84に出力する。前後進検出手段83は、前後進レバー81に操作部が連動された回転ポテンショメータによって構成してあり、前後進レバー81が操作された操作位置を検出し、この検出結果を制御手段84に出力する。変速状態検出手段92は、無段変速部20の変速状態を検出し、この検出結果を制御手段84にフィードバックする。
制御手段84は、マイクロコンピュータを利用して構成してあり、変速検出手段82及び変速状態検出手段92による検出情報を基に、変速伝動装置3が主変速レバー80の操作位置に対応した回転速度の出力を出力軸70から出力する操作状態になるよう、変速バルブ85を操作することによって無段変速部20を変速操作し、かつ、各クラッチバルブ86〜89を切換え操作することによって各クラッチCL1〜CL4を切換え操作する。
制御手段84は、前後進検出手段83による検出情報を基に、前後進切換え装置30が前後進レバー81の操作位置に対応した操作状態になるよう、前進バルブ90を切換え操作することによって前進クラッチCFを切換え操作し、かつ、後進バルブ91を切換え操作することによって後進クラッチCRを切換え操作する。
つまり、トラクタを走行させるに当たり、主変速レバー80を中立位置S1から揺動操作することによってトラクタが走行し、主変速レバー80の中立位置S1からの操作ストロークを大にするほど、トラクタの走行速度が速くなり、主変速レバー80を最高速位置Maxに操作すると、トラクタの走行速度が最高速度になる。
すなわち、主変速レバー80が中立位置S1から揺動操作されて低速域Lの設定位置La(以下、低速設定位置Laと呼称する。)に至るまでの間、制御手段84が1速クラッチCL1を入り状態に維持操作し、変速伝動装置3が1速レンジになって変速作動する。また、主変速レバー80が中立位置S1から揺動操作されるに伴い、制御手段84が無段変速部20を「−MAX」の変速状態から「+MAX」の変速状態に向けて変速操作していく。これにより、主変速レバー80が中立位置S1から操作されるに伴い、出力軸70の出力回転速度が「0」から無段階に増速していく。主変速レバー80が低速設定位置Laに至ると、出力軸70の出力回転速度が「B1」になる。このとき、制御手段84が1速クラッチCL1を切り状態に、2速クラッチCL2を入り状態にそれぞれ切換え操作し、変速伝動装置3が2速レンジに切り換わる。この後、主変速レバー80が低速設定位置Laから中間位置Cに至るまでの間、制御手段84が2速クラッチCL2を入り状態に維持操作し、変速伝動装置3が2速レンジに維持されて変速作動する。また、主変速レバー80が低速設定位置Laから揺動操作されるに伴い、制御手段84が無段変速部20を「+MAX」の変速状態から「−MAX」の変速状態に向けて変速操作していく。これにより、主変速レバー80が設定低速位置Laから操作されるに伴い、出力軸70による出力回転速度が「B1」から無段階に増速していく。主変速レバー80が中間位置Cに至ると、出力軸70による出力回転速度が「B2」なる。このとき、制御手段84が2速クラッチCL2を切り状態に、3速クラッチCL3を入り状態にそれぞれ切換え操作し、変速伝動装置3が3速レンジに切り換わる。この後、主変速レバー80が中間位置Cから高速域Hの設定位置Ha(以下、高速設定位置Haと呼称する。)に至るまでの間、制御手段84が3速クラッチCL3を入り状態に維持操作し、変速伝動装置3が3速レンジになって変速作動する。また、主変速レバー80が中間位置Cから揺動操作されるに伴い、制御手段84が無段変速部20を「−MAX」の変速状態から「+MAX」の変速状態に向けて変速操作していく。これにより、主変速レバー80が中間位置Cから揺動操作されるに伴い、出力軸70による出力回転速度が「B2」から無段階に増速していく。主変速レバー80が高速設定位置Haに至ると、出力軸70による出力回転速度が「B3」になる。このとき、制御手段80が3速クラッチCL3を切り状態に、4速クラッチCL4を入り状態にそれぞれ切換え操作し、変速伝動装置3が4速レンジに切り換わる。この後、主変速レバー80が高速設定位置Haから最高速位置Maxに至るまでの間、制御手段84が4速クラッチCL4を入り状態に維持操作し、変速伝動装置3が4速レンジになって変速作動する。また、主変速レバー80が高速設定位置Haから揺動操作されるに伴い、制御手段84が無段変速部20を「+MAX」の変速状態から「−MAX」の変速状態に向けて変速操作していく。これにより、主変速レバー80が高速設定位置Haから揺動操作されるに伴い、出力軸70による出力回転速度が「B3」から無段階に増速していく。主変速レバー80が最高速位置Maxに至ると、制御手段84が4速クラッチCL4を入り状態に維持操作していて変速伝動装置3が4速レンジになっており、かつ、制御手段84が無段変速部20を「−MAX」の変速状態に操作する。これにより、出力軸70による出力回転速度が最高速度の「B4」になる。
このように走行するとき、前後進レバー81を前進位置Fに操作しておく。すると、制御手段84が前進クラッチCFを入り状態に、後進クラッチCRを切り状態にそれぞれ操作する。これにより、前後進切換え装置30が前進状態になって出力軸70からの出力が前進駆動力にして後輪差動機構5および前輪差動機構9に伝達され、トラクタが前進走行する。一方、前後進レバー81を後進位置Rに操作しておくと、制御手段84が前進クラッチCFを切り状態に、後進クラッチCRを入り状態にそれぞれ操作する。これにより、前後進切換え装置30が後進状態になって出力軸70からの出力が後進駆動力にして後輪差動機構5および前輪差動機構9に伝達され、トラクタが後進走行する。
尚、前後進レバー81を中立位置S2に操作すると、制御手段84が前進クラッチCF及び後進クラッチCRを切り状態に切換え操作する。これにより、前後進切換え装置30が中立状態になって後輪差動機構5および前輪差動機構9への伝動が停止され、トラクタが停止状態になる。
〔第二実施例〕
図6は、本発明の第二実施例に係る変速伝動装置3の線図である。この図に示すように、本発明の第二実施例に係る変速伝動装置3は、トラクタが備える走行伝動装置に装備されている。この走行伝動装置は、エンジン1の出力軸1aからの出力が入力される主クラッチ2と、この主クラッチ2からの出力が入力される前記変速伝動装置3と、この変速伝動装置3の出力回転体としての出力軸70に連動された前後進切換え装置30と、この前後進切換え装置30の出力軸32に連動された後輪差動機構5と、前記前後進切換え装置30の出力軸32に連動された前輪差動機構9とを備えている。
本第二実施例の変速伝動装置3が装備された走行伝動装置と、本第一実施例の変速伝動装置3が装備された走行伝動装置とを比較すると、主クラッチ2と前後進切換え装置30と後輪差動機構5と前輪差動機構9との点において、本第二実施例の変速伝動装置3が装備された走行伝動装置と、本第一実施例の変速伝動装置3が装備された走行伝動装置とは、同一の構成を備えている。
次に、本第二実施例の変速伝動装置3について詳述する。本第二実施例の変速伝動装置3は、前記主クラッチ2の車体後方側に位置した静油圧式無段変速部20(以下、無段変速部20と略称する。)と、この無段変速部20の車体後方側に位置した遊星伝動部3aと、前記前後進切換え装置30の車体前方側に位置した変速出力部3bとを備えている。
本第二実施例の変速伝動装置3と、本第一実施例の変速伝動装置3とを比較すると、無段変速部20と変速出力部3bとの点において、本第二実施例の変速伝動装置3と、本第一実施例の変速伝動装置3とは、同一の構成を備えている。遊星伝動部3aの点において、本第二実施例の変速伝動装置3と、本第一実施例の変速伝動装置3とは、相違した構成を備えている。次に、本第二実施例の遊星伝動部3aについて説明する。
図6に示すように、本第二実施例の遊星伝動部3aは、車体前後方向に並んだ3つの遊星伝動機構P1,P2、P3を備えている。三つ遊星伝動機構P1,P2,P3のうち、最も車体前方側に位置する第1遊星伝動機構P1は、筒軸形の回転支軸100に一体回転自在に支持されたサンギヤ101と、このサンギヤ101の外周囲にサンギヤ101の周方向に分散して位置するとともにサンギヤ101に噛み合った複数個の遊星ギヤ102と、各遊星ギヤ102を回転自在に支持するキャリヤ103と、前記各遊星ギヤ102に内歯で噛み合ったリングギヤ104とを備えている。三つの遊星伝動機構P1,P2,P3のうち、車体前後方向での中央に位置する第2遊星伝動機構P2は、筒軸形の回転支軸110に一体回転自在に支持されたサンギヤ111と、このサンギヤ111の外周囲にサンギヤ111の周方向に分散して位置するとともにサンギヤ111に噛み合った複数個の遊星ギヤ112と、各遊星ギヤ112を回転自在に支持するキャリヤ113と、前記各遊星ギヤ112に内歯で噛み合ったリングギヤ114とを備えている。三つの遊星伝動機構P1,P2,P3のうち、最も車体後方側に位置する第3遊星伝動機構P3は、前記回転支軸110に一体回転自在に支持されたサンギヤ121と、このサンギヤ121の外周囲にサンギヤ121の周方向に分散して位置するとともにサンギヤ121に噛み合った複数個の遊星ギヤ122と、各遊星ギヤ122を回転自在に支持するキャリヤ123と、前記各遊星ギヤ122に内歯で噛み合ったリングギヤ124とを備えている。第1遊星伝動機構P1のキャリヤ103と、第2遊星伝動機構P2のリングギヤ114と、第3遊星伝動機構P3のキャリヤ123とは、連動部材130によって一体回転自在に連動されている。第1遊星伝動機構P1のリングギヤ104と、第2遊星伝動機構P2のキャリヤ113とは、連動部材131によって一体回転自在に連動されている。第2遊星伝動機構P2のサンギヤ111と、第3遊星伝動機構P3のサンギヤ121とは、前記回転支軸110によって一体回転自在に連動されている。前記連動部材131は、回転軸132と、伝動ギヤ133と、伝動ギヤ134と、回転支軸135とを介して無段変速部20のポンプ軸21に連動されている。すなわち、エンジン1の出力軸1aからポンプ軸21の前端側に伝達され、無段変速部20による変速作用を受けることがない状態でポンプ軸21の後端側から出力されるエンジン駆動力が第1遊星伝動機構P1のリングギヤ104に伝達される。前記回転支軸100は、伝動ギヤ136と、伝動ギヤ137と、回転支軸138とを介して無段変速部20のモータ軸22に連動されている。すなわち、無段変速部20のモータ軸22からの出力が第1遊星伝動機構P1のサンギヤ101に伝達される。
遊星伝動部3aは、第3遊星伝動機構P3の車体後方側に位置した三つ出力体41,42,43を備えている。前記三つの出力体41,42,43は、同軸芯状の三重軸構造に相対回転自在に重なり合った軸体によって構成してある。三つの出力体41,42,43のうちのリングギヤ出力体41は、三重軸構造の最も外側に位置した筒軸で成り、三つの遊星伝動機構P1,P2.P3のうち遊星伝動部3aにおける伝動方向での最も下手側に位置する第3遊星伝動機構P3のリングギヤ124に回転連動体139を介して一体回転自在に連結されている。三つの出力体41,42,43のうちのキャリヤ出力体42は、三重軸構造の中間に位置した筒軸で成り、第3遊星伝動機構P3のキャリヤ123に一体回転自在に連結されている。三つの出力体41,42,43のうちのサンギヤ出力体43は、三重軸構造の最も内側に位置した軸体で成り、第3遊星伝動機構P3のサンギヤ121の回転支軸110と一体回転し、サンギヤ121と一体回転する。
遊星伝動部3aは、無段変速部20による変速作用を受けないエンジン駆動力としてのモータ軸21の駆動力を第1遊星伝動機構P1のリングギヤ104に入力し、無段変速部20のモータ軸22からの出力を第1遊星伝動機構P1のサンギヤ101に入力し、無段変速部20による変速作用を受けないエンジン駆動力と、無段変速部20の出力とを第1遊星伝動機構P1と第2遊星伝動機構P2と第3遊星伝動機構P3とによって合成し、合成駆動力をリングギヤ出力体41とキャリヤ出力体42とサンギヤ出力体43とから出力する。
〔別実施例〕
上記の各実施例の変速伝動装置に替え、遊星伝動部のリングギヤ出力体41とキャリヤ出力体42とサンギヤ出力体43と、変速出力部3bの出力回転体70とにわたって設けた三つの伝動機構と、この三つの伝動機構を各別に切換え操作する三つのクラッチとを備え、エンジン出力が3段階の速度レンジに段階分けされ、かつ、1速から3速の各速度レンジにおいて無段階に変速して出力される変速伝動装置の場合にも本発明は適用できる。また、遊星伝動部3aのリングギヤ出力体41とキャリヤ出力体42とサンギヤ出力体43と、変速出力部3bの出力回転体70とにわたって設けた五つの伝動機構と、この五つの伝動機構を各別に切換え操作する五つのクラッチとを備え、エンジン出力が5段階の速度レンジに段階分けされ、かつ、1速から5速の各速度レンジにおいて無段階に変速して出力される変速伝動装置など、4段階よりも少数あるいは多数の複数段階の速度レンジに段階分けされる変速伝動装置の場合にも本発明は適用できる。
上記の各実施例に示した前記クラッチCL1〜CL4に替え、シンクロメッシュを利用したクラッチギヤのシフト操作によって入り状態と切り状態に切換え操作されるよう構成したクラッチを採用してもよく、この場合も、本発明の目的を達成することができる。
トラクタの走行伝動装置の線図 遊星伝動部の正面視での線図 クラッチの操作状態と、変速出力部の操作状態との関係を示す説明図 無段変速部の変速状態と、変速出力部の速度レンジと、出力速度との関係を示す説明図 走行操作装置のブロック図 第二実施例の変速伝動装置を備えた走行伝動装置の線図 先に開発した変速伝動装置の線図 先に開発した変速伝動装置の無段変速部の変速状態と、変速出力部の速度レンジと、出力速度との関係を示す説明図 先に開発した変速伝動装置のクラッチの操作状態と、変速出力部の操作状態との関係を示す説明図
符号の説明
1 エンジン
3a 遊星伝動部
3b 変速出力部
20 静油圧式無段変速部
41 リングギヤ出力体
42 キャリヤ出力体
43 サンギヤ出力体
60,121 最下手側の遊星伝動機構のサンギヤ
62,123 最下手側の遊星伝動機構のキャリヤ
63,124 最下手側の遊星伝動機構のリングギヤ
70 出力回転体
71,72,73,74 伝動機構
PF,PR,P1,P2,P3,P4 遊星伝動機構
CL1,CL2,CL3,CL4 クラッチ

Claims (2)

  1. エンジンの出力が入力される静油圧式無段変速部と、前記静油圧式無段変速部から出力される駆動力と前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力とを複数の遊星伝動機構によって合成する遊星伝動部と、前記遊星伝動部から出力される合成駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして一つの出力回転体から出力する変速出力部とを備えた変速伝動装置であって、
    前記遊星伝動部に、この遊星伝動部の伝動方向での最も下手側に位置する遊星伝動機構のサンギヤと一体回転自在なサンギヤ出力体と、前記最下手側の遊星伝動機構のキャリヤと一体回転自在なキャリヤ出力体と、前記最下手側の遊星伝動機構のリングギヤと一体回転自在なリングギヤ出力体とを備え、
    前記変速出力部に、前記サンギヤ出力体と前記キャリヤ出力体と前記リングギヤ出力体とを各別に前記出力回転体に連動させる複数の伝動機構と、前記複数の伝動機構を各別に伝動入り状態と伝動切り状態とに切換える複数のクラッチとを備えてある変速伝動装置。
  2. 前記サンギヤ出力体と前記キャリヤ出力体と前記リングギヤ出力体とを、前記出力回転体の回転軸芯に平行な三重軸構造に構成し、前記複数の伝動機構を、前記出力回転体の回転軸芯に沿う方向に並列するよう配置してある請求項1記載の変速伝動装置。
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