JP2008067732A

JP2008067732A - 口腔筋トレーニング器具

Info

Publication number: JP2008067732A
Application number: JP2006246237A
Authority: JP
Inventors: Kiyoshi Yasumuro; 潔安室
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2006-09-12
Filing date: 2006-09-12
Publication date: 2008-03-27

Abstract

【課題】口輪筋、咀嚼筋群、舌筋群の３つからなる筋群を１つの器具で同時にトレーニングできるようにする。
【解決手段】本発明の口腔筋トレーニング器具は、弾性樹脂を成型してなり、実質的に人間の歯列に沿うＵ字形に形成された咬合部と、咬合部の中央から後方に延在する舌支え部と、咬合部の中央から前方に延在する棒状の突出部と、当該突出部と直交し咬合部とほぼ同一平面上に延在する横棒部を具えている。咬合部は、対象とする利用者層の左右の第一大臼歯の約半分まで延在する長さに形成され、両端部が幅広く略円形をなすよう形成されている。舌支え部は、咬合部から延在する細長い支持棒と、当該支持棒の先端に設けられた概略球形あるいは略俵形の舌支え本体とから構成されており、咬合部の延在面から約２０度下向きに延在している。
【選択図】図１

Description

本発明は口腔筋トレーニング器具に関し、特に、口輪筋、咀嚼筋群、舌筋群を同時にトレーニングして効率的に相乗効果を得られるようにした口腔筋トレーニング器具に関する。

従来より、口にくわえて力を入れることにより顔面やあごの筋肉を鍛える器具がある。例えば特許文献１には、錘を吊したマウスピースをくわえ、上下に振ることにより頚の皮下にある口頚筋を鍛える訓練具が開示されている。

また、特許文献２には、歯列弓に沿った弓型をなす弾性樹脂の噛み締め健康器具が開示されている。この器具は、咬圧部を上下歯列間へ挿入し、鍔が歯列の外側面へ当接する位置にセットして、咬圧部を咬み込むようにして用いる。これにより歯根膜中の血行がよくなり、歯周疾患の予防と治療がなされる。
実用新案登録第３０９７４８４号公報実開昭６０−１５３１１１号公報

食べる、話す、呼吸を行う器官である口腔の筋肉群は大別して、口を閉じる筋肉である口輪筋、主に物を噛むのに用いる咀嚼筋群、話したり嚥下するのに用いる舌筋群の３つに分けられる。例えば上記特許文献２の器具は咀嚼筋群を鍛えるものである。

しかしながら、食べる、話す、呼吸するといった動作はこれら３つの筋群の総合運動であり、いずれかの筋肉のみを鍛えても総合的な口腔機能の向上には直結しづらいという問題がある。したがって、口輪筋、咀嚼筋群、舌筋群の３つからなる筋群を同時にトレーニングすることができれば、各要素の相乗効果により口腔器官の機能を向上できると考えられる。

本発明の目的は、口輪筋、咀嚼筋群、舌筋群の３つからなる筋群を、１つの器具で、同時に、本来の動きに近い形でトレーニングすることができ、これらの相乗効果により口腔器官の機能全体を向上することにある。

本発明にかかる口腔筋トレーニング器具は、弾性樹脂を成型してなり、実質的に人間の歯列に沿ったＵ字形に形成された咬合部と、前記咬合部の中央部から後方に延在する舌支え部と、前記咬合部の中央部から前方に延在する棒状の突出部とを具えることを最も主要な特徴とする。

この口腔筋トレーニング器具において、前記咬合部は、対象とする利用者層の左右の第一大臼歯の約半分まで延在する長さに形成されていることが望ましい。

また、前記舌支え部は、前記咬合部から延在する細長い支持棒と、当該支持棒の先端に設けられた概略球形あるいは略俵形の舌支え本体とを具えるとともに、これらが前記咬合部の延在面から約１５−２５度、好適には約２０度下向きに延在していることが望ましい。

本発明の口腔筋トレーニング器具は、Ｕ字形の咬合部を上下歯列間で噛むことにより咀嚼筋群が鍛えられ、咬合部を噛んだまま突出部を中心に口をすぼめて閉じることにより口輪筋が鍛えられ、舌を舌支え部の上に位置させることにより舌位置が矯正され、さらに舌支え部を舌で押しはじくことにより舌筋群が鍛えられる。食べる、話す、呼吸するといった動作に大きな役割を果たす３つの筋群を同時に、本来の動きに近い形でトレーニングすることができ、これらの相乗効果により歯並びの矯正、顎の育成、姿勢矯正と運動能力の向上、鼻呼吸の促進、均整のとれた顔や首筋などを実現することができる。また、突出部が口の外に延在するため、その向きを直接あるいは鏡で見て口腔内におけるトレーニング器具の向きを確認することができ、噛み合わせの歪みやバランスのチェックやその矯正を行うことができる。

咬合部は第一大臼歯の約半分まであれば、奥歯の全域まであるものと効果は殆ど差がなく十分な効果が得られ、本発明によれば、咬合部を左右の第一大臼歯の約半分までの大きさとすることにより、噛むことによる効能を確保しつつ咬合部をなるべく小さくして、利用者が口腔内に入れる際の違和感を軽減することができる。

また、舌支え部を斜め下約２０度の角度に延在させることにより、舌を自然にあるべき位置へと導くトレーニングを行うことができる。すなわち、人間の咀嚼、嚥下、会話、呼吸などの際には通常舌は上顎寄りにあり、あるいは上顎に接触している。逆に、舌が下顎側にあると低位舌、無力舌といわれ、咀嚼の回数が減り、噛まずにすぐ飲み込んで消化に悪く、会話が円滑でなくなり、発音が不明瞭となり、呼吸が浅い口呼吸となり、思考も低下する。このため従来から呼吸法、健康法では舌を意識的に上顎側に持ってくるよう推奨されている。本願発明は舌支え部を下向きに延在させることにより自然に舌が上顎寄りとなるようにして、健康の増進を図ることができる。さらに、舌支え部が外略球形あるいは略俵形の本体部と支持棒とを具えており、これらは弾性樹脂で成型されているため、口腔内で舌を使って本体部を上下左右に押しはじいて舌筋群を鍛えることができる。

本発明に係る口腔筋トレーニング器具を実施するための最良の形態を、添付の図面を参照しながら以下に詳細に説明する。

図１は、本発明にかかる口腔筋トレーニング器具１の実施例の構成を示す斜視図であり、図２（ａ）がその平面図、図２（ｂ）が側面図である。これらの図に示すように、本実施例の口腔筋トレーニング器具１は、実質的に人間の歯列に沿ったＵ字形に形成された咬合部１１と、咬合部１１の中央から後方に延在する舌支え部１２と、咬合部１１の中央から前方に延在する棒状の突出部１３と、当該突出部１３と直交し咬合部１１とほぼ同一平面上に延在する横棒部１４とを具えている。この口腔筋トレーニング器具１は適度な弾力性を有し人体に影響のない熱可塑性エラストマーを一体成型してなり、口腔筋機能を鍛えるため利用者が口腔内で咬むようにして用いるものである。この素材については特に限定するものではないが、例えば株式会社クラレのセプトン（登録商標）を好適に用いることができる。この器具のサイズは適用対象となる人間の歯列の大きさに合ったものとし、予め例えばＳ（子供用），Ｍ（女性用），Ｌ（男性用）のように数種類のサイズが提供されてもよい。

咬合部１１は図に示すように扁平なＵ字形に形成されており、その長さは、この口腔筋トレーニング器具１の適用対象となる利用者層の平均的な歯列の人間の、左右の第一大臼歯の約半分まで延在する長さに形成されている。これは、嵌合部を例えば一番奥の奥歯まで延在する長さとすると過大となり、口に含むのが困難で、口に入れた場合にも利用者が強い違和感、不快感を覚えるため、口に入る部分をなるべく小さくして利用者の違和感や負担を低減したものである。逆に、奥歯まで届かないような長さでは目的とする咀嚼筋群のトレーニング効果が得られないが、少なくとも左右の第一大臼歯の半分まで延在すれば十分な効果を得ることができ、またそれより長くしても効果は殆ど変わらない。

この咬合部１１は厚さ約５ｍｍ、幅約１ｃｍに形成され、ある程度の口の大きさのばらつきに対応できるようにしている。さらに、図２（ａ）に示すように咬合部１１の両端部を少し幅広く直径１．５ｃｍ程度の略円形に形成し、確実に第一大臼歯で咬み込まれるようにして、咬み応えや使用時の安定感が確保されるようにしている。

舌支え部１２は、図に示すように、咬合部１１の中央から後方に突出する細長い支持棒１２ａと、その先端に設けられた略俵形の舌支え本体１２ｂとで形成されている。この口腔筋トレーニング器具１は全体が熱可塑性エラストマーで一体成型されているため、舌支え本体１２ｂにある程度の力を加えると支持棒１２ａの部分が撓み、舌支え本体１２ｂを上下左右に動かすことができる。後に別途説明するが、この構成により舌支え本体１２ｂを舌で押しはじいて舌筋群のトレーニングを行うことができる。

さらに、この舌支え部１２は咬合部１１の延在面から約２０度下向きに延びており、利用者が口に含んだ場合に舌の下側に位置するよう構成されている。上述したように、人間の舌は上顎寄りにあるのが好ましい位置であるため、通常時に舌支え部１２が舌の下側に入り込むことにより、自然に舌を上顎寄りとすることができる。本発明の口腔筋トレーニング器具１を口に含みトレーニングを続けることにより、自然と舌が上顎寄りとなり、咀嚼、嚥下、会話、呼吸などに適した口腔環境へと導くことができる。また、トレーニングとして、舌支え部１２の下に舌を潜り込ませ、舌支え部１２を上側に押し上げる訓練を繰り返し行うことにより、舌筋群が鍛えられるとともに自然と上顎寄りの舌を定着させることができる。

突出部１３は咬合部１１の中央部から前方に約３ｃｍほど延在しており、その根本側１ｃｍ程度の箇所に横棒部１４が十字形をなすように左右両側に約１ｃｍほど延在している。この十字形をなす突出部１３と横棒部１４は、後述するように、口にくわえたときの口腔筋トレーニング器具１の姿勢（向き）をチェックするためのものであり、利用者の噛み癖や歯列の歪みなどを補正して顔や首筋のバランス矯正を図るために役立つものである。なお、この突出部１３と横棒部１４は、口腔筋トレーニング器具１の使用時に口の外に出て口腔筋トレーニング器具１の姿勢が判るものであればどのような構成であってもよい。突出部１３の先端にはリング部材１５を通す穴が設けられており、このリング部材１５に紐（図示せず）を通して首から下げられるようにしている。

このように構成された口腔筋トレーニング器具１は、咬合部１１（および舌支え部１２）を口腔内に含み、突出部１３が口から真っ直ぐ前方に延びるように咬合部１１を上下歯列間に挟んで使用する。図３は、口腔筋トレーニング器具１を使用したトレーニング方法を説明するための図である。図３（ａ）に示すように、上下の歯で咬合部１１を繰り返し強く噛むことにより、咀嚼筋群を鍛えることができる。この口腔筋トレーニング器具１は全体が弾性エラストマーで形成されているため、強く噛んだ場合にも力を吸収して歯に悪影響が生じたりするようなことはない。また、咬合部１１は幅が１ｃｍ程度あり、両端部が幅広の略円形に形成されているため、歯列にばらつきがあってもしっかりと第１大臼歯で咬み込むことができ、ある程度の歯列のばらつきにも対応することができる。

口腔筋トレーニング器具１を口に含んだ際には、鏡などで口の外に出ている十字形の突出部１３と横棒部１４の向きをチェックして、自身の噛み合わせを確認し必要に応じて口腔筋トレーニング器具１の向きを修正するようにする。すなわち、顔をまっすぐにしたときに突出部１３が真っ直ぐ前方へ出ていなかったり、横棒部１４が地面と水平でない場合にはどこかしら歪みがあることが分かり、口腔筋トレーニング器具１の向きが正しくなるようにトレーニングを行っていくとその歪みを矯正することができる。なお、突出部１３と横棒部１４は口の外側で十字形をなしており、鏡がない場合にも利用者が視線を下に向ければその向きをある程度確認することが可能である。

口腔筋トレーニング器具１の使用時には、利用者は上下の歯列間に咬合部１１を挟んでおり、また突出部１３が口腔内から外に突出するため、力を抜いた体勢では***が若干開いた状態となる。このとき、図３（ｂ）に示すように、突出部１３を中心に意識的に***を閉じる運動を繰り返すことにより、口輪筋を鍛えることができる。この運動の際にも咬合部１１はしっかりと上下歯列間に固定するようにする。

また、口腔筋トレーニング器具１の舌支え部１２は下向きに延在しているため、口腔筋トレーニング器具１を着用すると自然に舌支え部１２が舌の下側に入り込み、舌が自然と上顎寄りの位置となる。この口腔筋トレーニング器具１を継続的に使用することにより、舌を正しい位置に導いて定着させることができる。さらに、図３（ｃ）に示すように、舌でこの舌支え部１２を上下左右に押しはじいたり、舌支え部１２の周りで舌を時計回りあるいは反時計回りに回すことにより、舌筋群を鍛えることができる。この運動の場合にも咬合部１１を上下歯列間にしっかりと固定する必要があるため、同時に咀嚼筋群が鍛えられることになる。

本発明の口腔筋トレーニング器具１は、例えば、図３（ａ）の噛む練習、（ｂ）の***を閉じる練習、（ｃ）の舌を上顎に寄せる練習を各１０回でワンセットとし、これを毎朝１セット、毎晩３セット繰り返すようにする。これにより、口輪筋、咀嚼筋群、舌筋群の３つが同時に総合的に鍛えられ、歯並びや顎の育成、脳機能の促進、良い姿勢と運動能力の向上、鼻呼吸の促進、均整のとれた顔や首筋といった効能を得ることができる。

特に、食べる、話す、呼吸するといった動作は口輪筋と咀嚼筋群と舌筋群の３つからなる筋群が連携した総合的な運動であるため、これらの動作により近い形で、３つの筋群を同時に正しくトレーニングすることにより、口腔器官の機能や外観をバランスよく向上することができる。すなわち、例えば噛むトレーニングをすると唾液が多量に分泌される。すると、唾液が口からこぼれないように口を閉じる筋肉も活発化し、同時に嚥下に用いる筋肉や舌の運動も活性化する。同様に、口を閉じる筋肉を動かしていると噛む筋肉も誘発され、同時に働く。実際には同時に総合的に動作する３つの筋群を同時に効果的に鍛えることにより、これらの筋群を単独で鍛えるより相乗的かつ効果的な効果を得ることができる。

以上に本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、他の様々な変形例として実施することができる。特に、本発明にかかる器具の各部位の寸法は限定されるものではなく、利用者に応じて様々な大きさとすることができる。また、本発明の別の実施例では、上述した口腔筋トレーニング器具１から横棒部１４を省略して、突出部１３のみが口の外に出る構成としてもよい。さらに、咬合部のＵ字形状が利用者の歯列に合っていれば咬合部両端は円形としなくてもよい。また、舌支え部１２は下向き１５〜２５度の範囲であれば、２０度以外の角度で延在してもよい。

本発明に係る器具は、熱可塑性エラストマーを成型して製造するものであり樹脂成型製造業で利用することができる。また、本発明の器具は口に入れて口腔筋をトレーニングするものであり、歯科衛生や口腔ケア業界で利用することができる。

図１は、本発明の口腔筋トレーニング器具の構成を示す斜視図である。図２（ａ）は口腔筋トレーニング器具の平面図であり、図２（ｂ）は口腔筋トレーニング器具の側面図である。口腔筋トレーニング器具の使用方法を説明するための図である。

符号の説明

１口腔筋トレーニング器具
１１咬合部
１２舌支え部
１２ａ支持棒
１２ｂ舌支え本体
１３突出部
１４横棒部
１５リング部材

Claims

弾性樹脂を成型してなり、実質的に人間の歯列に沿ったＵ字形に形成された咬合部と、前記咬合部の中央部から後方に延在する舌支え部と、前記咬合部の中央部から前方に延在する棒状の突出部とを具えることを特徴とする口腔筋トレーニング器具。
請求項１に記載の口腔筋トレーニング器具において、前記咬合部は、対象とする利用者層の左右の第一大臼歯の約半分まで延在する長さに形成されていることを特徴とする口腔筋トレーニング器具。
請求項１または２のいずれかに記載の口腔筋トレーニング器具において、前記舌支え部が、前記咬合部から延在する細長い支持棒と、当該支持棒の先端に設けられた概略球形あるいは略俵形の舌支え本体とを具えるとともに、これらが前記咬合部の延在面から約１５−２５度、好適には約２０度下向きに延在していることを特徴とする口腔筋トレーニング器具。