JP2008066880A - パルス受信装置および同期タイミング推定方法 - Google Patents

パルス受信装置および同期タイミング推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インパルス無線信号を包絡線検波により復調する場合に、最適なサンプリングタイミングを推定すること。
【解決手段】ピークタイミング推定部2142は、タイミングT,T,T,Tを用いて、|T−T|≧|T−T|の場合には、立ち上がりはマルチパス歪みのないエッジであると判定し、|T−T|<|T−T|の場合には、立ち下がりはマルチパス歪みのないエッジであると判定する。さらに、ピークタイミング推定部2142は、マルチパス歪みのないエッジの包絡線信号と各閾値との交点のタイミングとピークタイミングとの時間的な対応関係と、マルチパス歪みがなく理想的な包絡線信号と各閾値との交点のタイミングおよびピークタイミングTとの時間的な対応関係とは一致するとして、実際の包絡線信号のピーク点のピークタイミングTを推定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、特に、インパルス無線通信が適用されるシステムにおいてパルスの同期タイミングを推定するパルス受信装置および同期タイミング推定方法に関する。
インパルス無線(IR:Impulse Radio)通信方式は、持続時間の非常に短い無線周波数(RF:Radio Frequency)パルスを使用することによって、情報ビットを送信する。この場合、パルス幅は一般にナノ秒未満である。従って、IR信号のエネルギーを数ギガヘルツ(GHz)の周波数帯域に拡散させることができる。この帯域幅は、現在の他の無線技術の帯域幅よりもずっと大きく、高データ速度の無線通信が可能である。平均パワースペクトル密度(PSD:Power Spectrum Density)は、パルス繰り返し周波数とパルス振幅レベルとに依存するが、極めて小さいレベルにあり、例えば1ヘルツあたり10−11ワットである。さらに、IR通信方式は、我々の日常生活における他の魅力的な用途として、例えば、ビデオ/音声の無線配信システム、位置標定/ナビゲーションアプリケーション、高データ速度のWPAN(Wireless Personal Area Network:無線パーソナルエリアネットワーク)などを提供することができる。現在、超広帯域(UWB:Ultra Wide Band)システムおよびミリ波(mmW)システムが、新しい有望な通信システムとして、IR通信方式を採用している。
IR通信方式では、接続時間が非常に短いため、IR信号の同期獲得が最も重要な課題となっている。従来、信号の同期獲得は、信号を取得し、信号を追従するという2つの動作ステップが必要である。信号取得の際は、同期精度はパルス幅以内であればよく、粗い同期でよいが、送信装置と受信装置との間のリンクを迅速に確立する必要があるため、高速処理が要求される。一方、信号追従は、同期を正確に取る必要があり、一般に、同期精度はパルス幅の1/4未満であることが要求される。IR通信方式において、パルス幅は一般にナノ秒未満であるため、信号追従では、250ピコ秒未満の同期精度が要求される。この結果、受信装置における検出アルゴリズムの設計とハードウェアの実装の双方において、厳しい要件が課せられている。
さらに、無線チャネルを通じて送信されるIR信号は、マルチパス干渉およびその他の広帯域ノイズの影響を受けて歪むことがある。マルチパス干渉は、送信される無線信号のエネルギーの一部が、発信源から送信信号が受信装置に到着する間に、建物や壁などの障害物によって反射されるために起こり、障害物が多いほど、多数の反射信号が生成される。反射信号には元の送信信号と同じ情報が含まれているものの、伝搬経路の長さが異なるため、反射信号と元の送信信号のタイミングや位相がずれ、多くの場合、マルチパス干渉によって、受信装置に到着する信号形状が歪んでしまう。すなわち、マルチパス干渉による歪みと広帯域ノイズによる歪みとが混在している中で、信号追従の同期精度を維持する必要がある。
IR通信方式における同期獲得の方法として、パルスベースのローカルテンプレートを使用する相関受信器に基づいた方法が多く使用されている。同期獲得では、同期速度および同期精度を高めるため、複数の相関器を使用する場合がある。例えば、特許文献1には、3つの同期相関器を使用するDLL(Delay Lock Loop)同期システムが開示されている。DLL同期システムにおいては、受信信号は、時間遅延の異なる3つの同期相関器(「前相関器」、「オンタイム相関器」、「後相関器」と称されている)に分割される。これら3つの同期相関器は、同一のパルスベースのローカルテンプレートに、時間遅延が異なる3つの受信信号のコピーを乗算し、3つの同期相関器の出力を比較することによって同期獲得を達成することができる。この信号追従アルゴリズムの詳細は、特許文献2および特許文献3に記載されている。特許文献2および特許文献3に開示されている信号追従アルゴリズムは、IRシステムの相関受信器に使用されている。
ところで、IR通信方式にOOK(On Off Keying)変調を使用する場合、IR受信器は、包絡線検波器を使用することで、相関処理を行うことなくデータ検出を行うことができる。包絡線検波器は、相関検出器に比べハードウェア実装が非常に簡単である。さらに、相関受信器においては、パルスベースのローカルテンプレートが不安定であるとき、あるいはパルスベースのローカルテンプレートと受信パルス信号との間に位相差があるときには、受信器における検出パフォーマンスが低下するという問題がある。これに対し、包絡線検波器は、パルスベースのローカルテンプレートを必要としないため、このような問題が生じない。以下、包絡線検波方法について説明する。
図8に、IR通信方式においてOOK変調を施した場合の模範的なパルス列を示す。図8に示すパルス列は、情報ビット列が「1 0 1 1」の場合の例である。OOK変調は、単純なバイナリ変調方式で、入力ビットが「1」のときに送信装置はパルスを送信し、入力ビットがゼロ(「0」)のときには送信装置は何も送信しない。従って、図8に示すように、情報ビット列「1 0 1 1」の場合には、3つのパルス402,404,406が送信される。各パルスのパルス幅は一定値ΔWであり、各パルスは、フレーム幅を所定の幅Tbとするビットフレームに位置する。なお、パスル形状は、任意の形状にすることができる。ここでは、パルス形状が二乗余弦パルスの場合を例に説明する。このようにして送信されたOOKパルス列は、所定の閾値Thとの比較による単純な包絡線検波方法を使用して情報ビットを復調することができる。なお、OOK変調に限らず、BPSK(Binary Phase Shift Keying)変調方式やPPM(Pulse Position Modulation:パルス位置変調)方式など他の変調方式においても、単純な包絡線検波方法を使用して情報ビットを復調することができる。
包絡線検波方法において、フレームあたり一回、つまり、各パルスピークのタイミングにおいてパルス列をサンプリングする方法が提案されている。これにより、サンプリング周波数を低くすることができるため、ハードウェアの実装を単純にすることができる。例えば、図8においては、パルス404のピークタイミングのST3のタイミングでピーク値414がサンプリングされている。サンプリングされた値が閾値Th以上の場合(例えば、図8においてはST1,3,4の場合)、パルスが検出され、情報ビットとして「1」が復調される。サンプリングされた値が閾値Thより小さい場合(例えば、図8においてはST2の場合)、パルスは検出されず、情報ビットとして「0」が復調される。すなわち、包絡線検波方法における同期獲得は、各フレーム内のパルスのピークタイミングにサンプリングタイミングを維持することであり、このことは、最終的な検出パフォーマンスにとって重要となる。図8からわかるように、ST3のサンプリングタイミングがパルスのピーク値414から外れST3aに遅延すると、サンプリングされる振幅が閾値Thより小さくなり、これにより誤り検出が生じることになる。なお、閾値Thのレベルは、最適な閾値検出が行えるように、チャネルのノイズレベルの測定値に基づいて調整するようにされている。
上述したように、同期獲得において重要となる機能は、受信信号の包絡線のピーク点のタイミングを、サンプリングタイミングとして、閾値検出部に提供することである。低いサンプリング周波数を使用してサンプリングする場合、サンプリングタイミングは、図8に示すように各パルスのピーク点に一致している必要がある。そして、各パルスのピーク点のタイミングTを精度良く取得することが受信品質を維持する上で重要となる。
ピーク点のタイミングTを取得する方法として、従来から、エッジを検出し、検出したエッジからタイミングTを追従する方法が用いられている。図9を参照しながら、検出したエッジからタイミングTを取得する従来の追従方法を説明する。従来の追従方法では、包絡線信号402の立ち上がりエッジが検出され、検出された立ち上がりエッジと閾値Thとが交わる点Aが検出され、点AのタイミングTが記録される。このとき、閾値はあらかじめ所定の閾値Thに設定されているため、点Aと点Pとの間の時間差ΔTは既知である。すなわち、包絡線信号402のピーク点PのタイミングTは、式(1)より推定することができる。
=T+ΔT …(1)
したがって、上式(1)から算出したTpをサンプリングタイミングに用いることで、包絡線信号402をピーク点Pでサンプリングすることができる。
図10に、従来の同期タイミング推定方法を用いて同期タイミングを推定する同期部500の要部構成を示す。図10に示す同期部500は、立ち上がりエッジ検出部520と、遅延部530とを備え、同期部500は、包絡線検波部510の後段に設けられている。包絡線検波部510は、受信信号に対し包絡線検波を施し、包絡線検波後の包絡線信号512を立ち上がりエッジ検出部520へ出力する。立ち上がりエッジ検出部520には、予め所定の閾値Thが設定されていて、包絡線信号512が閾値Th以上となるタイミングを検出し、検出したタイミング522を、遅延部530へ出力する。遅延部530は、タイミング522を所定の値ΔTだけ遅延し、同期タイミング532とする。
ところで、図9に示す包絡線信号402のパルス形状は、ノイズ歪みがない理想的な形状で、伝搬路がノイズレスの場合の形状である。しかしながら、伝搬路にノイズが存在する場合、受信信号から検出される包絡線信号の形状は、包絡線信号402のような理想的な形状とはならず、一般に、ノイズによってパルス幅ΔW’に増大する(ΔW’>ΔW)。さらに、マルチパス伝搬路を経由する場合には、複数の反射信号によってもパルス形状は歪むことになる。
図11に、ノイズが存在する伝搬路を経由した受信信号に対し、包絡線検波を施し得られた包絡線信号602のパルス形状を示す。図11に示すように、包絡線信号602のピーク点は、理想的な包絡線信号402のピーク点Pと同じであるが、パルス幅がΔW’に広がる。そして、包絡線信号402のエッジ検出に用いた閾値Thを使用して、包絡線信号602のエッジを検出し、さらに、閾値Thと包絡線信号602とが交わる点を検出すると、閾値Thと包絡線信号402とが交わる点Aとは異なる点Bが、閾値Thと包絡線信号402とが交わる点として検出される。したがって、式(1)を使用して、ピーク点のタイミングTを推定すると、点Pの左側の点P1のタイミングが、タイミングTと誤って推定されてしまうことになる。
このような推定誤りを回避する方法として、閾値とパルスの立ち上がりエッジとの交点と、立ち下がりエッジとの交点とを検出し、これらの交点のタイミングからピーク点PのタイミングTを推定する方法が提案されている。以下、図12を参照しながら説明する。図12において、包絡線信号402は、ノイズのない伝搬路を経由して受信された理想的なパルス形状を示し、包絡線信号702は、ノイズの存在する伝搬路を経由して受信された実際のパルス形状の一例を示している。包絡線信号402に対しては、エッジ検出部520によって、パルス402の立ち上がりエッジと閾値Thとの交点AのタイミングTと、立ち下がりエッジと閾値Thとの交点CのタイミングTとが検出される。
一方、包絡線信号702に対しては、エッジ検出部520によって、包絡線信号702の立ち上がりエッジと閾値Thとの交点BのタイミングTと、立ち下がりエッジと閾値Thとの交点DのタイミングTとが検出される。図12からわかるように、立ち上がりエッジと閾値Thとの交点Aと交点Bとのタイミングは異なり、立ち下がりエッジと閾値Thとの交点Cと交点Dとのタイミングは異なるが、ピーク点は共通で、交点Aと交点Cとの中央に位置するとともに、交点Bと交点Dとの中央に位置する。つまり、ピーク点PのタイミングTは、式(2)から推定することができる。
=(T+T)/2=(T+T)/2 …(2)
図13に、式(2)を用いて同期タイミング推定を行う同期部800の要部構成を示す。図13に示す同期部800は、立ち上がりエッジ検出部820−1と、立ち下がりエッジ検出部820−2と、ピークタイミング推定部830とを備え、同期部800は、包絡線検波部810の後段に設けられている。
包絡線検波部810は、受信信号に対し包絡線検波を施し、包絡線検波後の包絡線信号812を立ち上がりエッジ検出部820−1および立ち下がりエッジ検出部820−2へ出力する。立ち上がりエッジ検出部820−1は、包絡線信号812が予め設定されている所定の閾値Th以上となるタイミングTを検出し、検出したタイミングTを、ピークタイミング推定部830へ出力する。また、立ち上がりエッジ検出部820−1は、包絡線信号812が閾値Th以上となると、立ち下がりエッジ検出部820−2に起動信号824を出力する。立ち下がりエッジ検出部820−2は、立ち上がりエッジ検出部820−1から起動信号824が出力されると、包絡線信号812が予め設定されている所定の閾値Th以下となるタイミングTを検出し、検出したタイミングTを、ピークタイミング推定部830へ出力する。ピークタイミング推定部830は、タイミングTおよびタイミングTの結果を式(2)に代入して、ピーク点PのタイミングTを推定する。
このように、ノイズの影響を受けて、パルスの立ち上がりエッジと閾値との交点とパルスの立ち下がりエッジと閾値との交点とが、ピーク点に対して対称となるようにパルス幅が広がった場合には、式(2)を用いてピーク点のタイミングを推定することができる。
国際公開第01/93441号明細書 米国特許出願第2003/0067963号明細書 米国特許出願第2005/0175076号明細書
しかしながら、受信信号のパルス形状がマルチパス干渉によって歪む(以下「マルチパス歪み」という)場合には、上述した方法によって、ピーク点のタイミングを正確に推定することが難しい。図14に、マルチパス伝搬路を経由して歪んだパルス902を示す。なお、同図において、破線で示したパルス402は、送信パルスの理想的な形状である。
図14に示す包絡線信号902の立ち上がりエッジと閾値Thとの交点Bと、包絡線信号902の立ち下がりエッジと閾値Thとの交点Dとは、ピーク点Pに対して対称的でない。したがって、上式(2)を用いてピーク点のタイミングを推定すると、点P2のタイミングがピーク点のタイミングとして誤って推定されてしまう。また、上式(1)を用いると、点P1のタイミングがピーク点のタイミングとして誤って推定されてしまう。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、インパルス無線信号を包絡線検波により復調する場合に、最適なサンプリングタイミングを推定することができる受信装置および同期タイミング推定方法を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、本発明に係る受信装置は、受信したパルス信号の包絡線を検波することにより包絡線信号を得る包絡線検波手段と、前記包絡線信号と第1の閾値とが交わる第1のタイミングを検出する第1の閾値判定手段と、前記包絡線信号と第2の閾値とが交わる第2のタイミングを検出する第2の閾値判定手段と、前記包絡線信号の立ち上がりエッジに対する前記第1および第2のタイミングの時間差と、前記包絡線信号の立ち下がりエッジに対する前記第1および第2のタイミングの時間差とを比較して、前記立ち上がりエッジまたは前記立ち下がりエッジのうち、前記時間差が小さいエッジを選択する選択手段と、選択されたエッジに対する前記第1および第2のタイミングを用いて、前記包絡線信号が最大となるピークタイミングを推定するピークタイミング推定手段と、前記ピークタイミングで前記包絡線信号をサンプリングして、バイナリーデータを復号する復号手段と、を具備する構成を採る。
この構成によれば、ノイズやマルチパスの影響を受けて包絡線信号が歪んだ場合においても、包絡線信号と第1および第2の閾値とが交わる第1および第2のタイミングとを用いてマルチパス歪みが小さいエッジを選択することができ、また、選択したエッジに対する第1および第2のタイミングを用いて、比較的単純な計算によって、当該包絡線信号のピークタイミングを推定することができるため、サンプリング周波数が低い場合にも、適切なサンプリングを行うことができるようになる。
本発明によれば、インパルス無線信号を包絡線検波により復調する場合に、適切なサンプリングタイミングを推定することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1に、本実施の形態に係るパルス送信装置1000の要部構成を示す。図1に示すパルス送信装置1000は、チャネル符号部1040と、インターリーバ1060と、IR変調部1080と、パルス生成部1100と、発振器1120と、タイミング発生部1140と、フィルタ1160と、送信アンテナ1180とを備えている。バイナリデータストリーム1020は、入力メッセージを表している。入力メッセージは、テキスト、映像、画像、音声などのうちのいずれか、またはこれらの組合せを含んでいる。チャネル符号部1040は、バイナリデータストリーム1020に対し、誤り訂正符号化処理を施す。誤り訂正符号としては、例えばブロック符号や畳み込み符号など、あらゆる種類の前方誤り訂正(FEC:Forward Error Collection)符号を使用することができる。チャネル符号部1040は、誤り訂正符号化後のバイナリデータストリームを、インターリーバ1060へ出力する。
インターリーバ1060は、符号ワード内のバーストエラーが受信装置において独立して現れるように、符号化されたビットを拡散する目的で、誤り訂正符号化後のバイナリデータストリームをインターリーブし、インターリーブ後のバイナリビットをIR変調部1080へ出力する。なお、インターリーバ1060は必須ではなく、省略することも可能である。
IR変調部1080は、インターリーブ後のバイナリビットを、OOK、BPSK、PPM、またはその他のIR変調方式を用いて変調し、IR変調後のIR信号をパルス生成部1100へ出力する。
パルス生成部1100は、所定のパルス形状(例えば、正弦波モノパルス、ガウシアンモノパルス、ガウシアン微分モノパルス(Gaussian derivative mono pulse)など)に基づいて、IR信号からIRパルス信号を生成する。
発振器1120は、IRパルス信号を所定の周波数帯域までシフトさせる。なお、発振器1120は必須でなく、省略することが可能である。
タイミング発生部1140は、IRパルス信号のタイミングをランダム化する。例えば、タイミング発生部1140は、変調されたパルスの時間遅延を、疑似雑音符号に従ってタイムホッピングしながら前方または後方に調整する。これにより、周波数領域において、なめらかなパワースペクトル密度(PSD:Power Spectrum Density)を得ることができる。なお、タイミング発生部1140は必須ではなく、省略することが可能である。
フィルタ1160は、IRパルス信号に帯域制限を施し、送信アンテナ1180は、帯域制限後のIRパルス信号を放射する。フィルタ1160は、低域フィルタ(LPF)、帯域フィルタ(BPF)、または異なるフィルタの組合せとすることができる。なお、フィルタ1160は必須ではなく、省略することが可能である。
図2に、本実施の形態に係るパルス受信装置2000の要部構成を示す。図2に示すパルス受信装置2000は、受信アンテナ2020と、フィルタ2040と、AGC(Auto Gain Control:自動利得制御部)2060と、包絡線検出部2080と、クロック信号発生部2100と、タイミング発生部2120と、同期部2140と、閾値検出部2160と、IR復調部2180と、デインターリーバ2200と、チャネル復号部2220とを備えている。
フィルタ2040は、受信アンテナ2020を介して受信されたIRパルス信号に含まれる不要な周波数帯域におけるノイズやその他の干渉信号を取り除く。
AGC2060は、チャネルの特定の測定値(例えば、チャネルの信号対雑音比(SNR:Signal to Noise Ratio)の測定値)に基づいて、適応的に受信したIRパルス信号の利得を制御する。
包絡線検出部2080は、受信したIRパルス信号に対して包絡線検波を施し、検波後の包絡線信号2090を閾値検出部2160に出力するとともに、同期部2140へ出力する。
クロック信号発生部2100は、パルス繰り返しレートがIRパルス信号の所定のフレームレートに等しい方形パルス列のクロック信号2110を同期部2140に出力する。
タイミング発生部2120は、パルス送信装置1000のタイミング発生部1140によって、送信タイミングがランダム化されている場合に、同期部2140のタイミングを調整する。
同期部2140は、包絡線信号2090のピークのピークタイミングを推定し、ピークタイミングに同期したタイミング信号2150を閾値検出部2160に出力する。なお、同期部2140の詳細な動作については、後述する。
閾値検出部2160は、包絡線信号2090に対して、タイミング信号2150のタイミングで閾値検出を行い、得られたサンプリング値2170をIR復調部2180へ出力する。閾値検出の方法については後に詳述する。
IR復調部2180は、サンプリング値2170をバイナリビットに復調し、デインターリーバ2200へ出力する。
デインターリーバ2200は、バイナリビットに対しデインターリーブを施し、デインターリーブ後のバイナリビットをチャネル復号部2220へ出力する。
チャネル復号部2220は、デインターリーブ後のバイナリビットに対し復号化処理を施し、バイナリデータストリーム2240を得る。
図3に、同期部2140の要部構成例を示す。図3に示す同期部2140は、エッジ検出部2140−1,2140−2,2140−3,2140−4と、ピークタイミング推定部2142とを備えている。以下では、同期部2140によるピークタイミング検出の動作について、図4に示す包絡線信号の形状を参照しながら説明する。図4は、マルチパスチャネルを経由したIRパルス信号の包絡線信号の形状の代表例を示している。
エッジ検出部2140−1は、予め設定された閾値Th1と包絡線信号2090とを比較し、包絡線信号2090が閾値レベルTh1以上(点M)となるタイミングTを検出し、検出した点MのタイミングTをピークタイミング推定部2142へ出力するとともに、起動信号2141−1をエッジ検出部2140−2へ出力する。
エッジ検出部2140−2は、他方のエッジ検出部2140−1から起動信号2141−1が出力されると、予め設定された閾値Th1と包絡線信号2090とを比較し、包絡線信号2090が閾値レベルTh1以下(点N)となるタイミングTを検出し、検出したタイミングTをピークタイミング推定部2142へ出力する。
同様に、エッジ検出部2140−3は、予め設定された閾値Th2と包絡線信号2090とを比較し、包絡線信号2090が閾値レベルTh2以上(点X)となるタイミングTを検出し、検出した点Xのタイミングをピークタイミング推定部2142へ出力するとともに、起動信号2141−2をエッジ検出部2140−4へ出力する。
エッジ検出部2140−4は、他方のエッジ検出部2140−3から起動信号2141−2が出力されると、予め設定された閾値Th2と包絡線信号2090とを比較し、包絡線信号2090が閾値レベルTh2以下(点Y)となるタイミングTを検出し、検出したタイミングTをピークタイミング推定部2142へ出力する。
ピークタイミング推定部2142は、エッジ検出部2140−1,2140−2,2140−3,2140−4によって検出されたタイミングT,T,T,Tを用いて、包絡線信号2090のピーク点PのタイミングTを算出する。具体的には、ピークタイミング推定部2142は、始めに立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジから、マルチパス歪みのないエッジを選択し、選択したエッジの包絡線信号と各閾値との交点のタイミングから、ピーク点PのタイミングTを推定する。
マルチパス歪みのないエッジの選択は、次のようにして行う。すなわち、|T−T|≧|T−T|の場合には、立ち上がりはマルチパス歪みのないエッジであると判定する。また、|T−T|<|T−T|の場合には、立ち下がりはマルチパス歪みのないエッジであると判定する。
さらに、ピークタイミング推定部2142は、マルチパス歪みのないエッジの包絡線信号と2つの閾値との交点のタイミングから式(3)または式(4)を用いて、ピーク点PのタイミングTを算出する。
=(1+RTH)/RTH×T−1/RTH×T …(3)
=(1+RTH)/RTH×T−1/RTH×T …(4)
ここで、閾値比RTHは、ノイズやマルチパスの影響がない理想的な受信パルス形状から予め算出された値で、式(5)から算出される。
TH=|T−T|/|T−T| …(5)
図5を用いて閾値比RTHの算出方法について説明する。図5に点線で示された包絡線信号402は、ノイズやマルチパスの影響を受けていない理想的なパルスを示している。点Aは、閾値Th1と包絡線信号402の交点で、点Eは、閾値Th2と包絡線信号402との交点である。例えば、閾値比RTHを1に設定した場合、交点Eは、点Aとピーク点Pのちょうど中央に位置する。理想的な包絡線信号402は所定の形状であるため、設定したい閾値比RTHに応じて、閾値Th2の値を決めることができる。例えば、ピーク点の振幅がΔAで、包絡線信号402が[cos(2πft)+1]ΔA/2のように二乗余弦関数として与えられる場合、Th1の値をΔA/2に設定し、Th2の値を[cos(π/4)+1]ΔA/2に設定すると、Th2による交点Eは、ピーク点PとTh1による交点Aのちょうど中央に位置するようになる。
ノイズやマルチパスの影響を受けず理想的な包絡線信号402と閾値Th1との交点Aと、ノイズやマルチパスの影響を受けて歪んだ包絡線信号404と閾値Th1との交点Mとは異なるが、閾値Th2との交点Xは、交点Mとピーク点Pとの間に位置しており、この場合の閾値比RTHは、理想的な包絡線信号402の場合とほぼ同じとなると考えられる。したがって、ノイズやマルチパスの影響を受けて歪んだ包絡線信号404に対して、式(3),式(4),式(5)を用いて、ピーク点PのタイミングTを推定することができる。
次いで、上記のように構成されたパルス受信装置2000による同期タイミング推定方法について説明する。
まず、パルス送信装置1000から、バイナリデータストリーム1020に対しチャネル符号部1040によって誤り訂正符号化処理が施され、インターリーバ1060によって誤り訂正符号化後のバイナリデータストリームがインターリーブされる。そして、IR変調部1080によって、インターリーブ後のバイナリビットに対しIR変調が施され、パルス生成部1100によってIRパルス信号が生成され、IRパルス信号は、フィルタ1160および送信アンテナ1180を経由して、パルス受信装置2000へ送信される。
そして、パルス受信装置2000の受信アンテナ2020を介して受信されたIRパルス信号は、フィルタ2040によって帯域制限が施され、AGC2060によって利得が制御される。そして、包絡線検出部2080によって利得制御後のIRパルス信号に対し包絡線検波が施され、得られた包絡線信号2090は、同期部2140および閾値検出部2160へ出力される。
そして、同期部2140によって包絡線信号2090のピークのピークタイミングが推定され、ピークタイミングに同期したタイミング信号2150が閾値検出部2160に出力される。
ピークタイミングの推定方法について再度図4に示す包絡線信号の形状を参照しながら説明する。エッジ検出部2140−1によって、予め設定された閾値Th1と包絡線信号2090とが比較され、包絡線信号2090が閾値レベルTh1以上(点M)となるタイミングTが検出される。点MのタイミングTは、ピークタイミング推定部2142へ出力されるとともに、起動信号2141−1がエッジ検出部2140−1からエッジ検出部2140−2へ出力される。そして、起動信号2141−1がエッジ検出部2140−1からエッジ検出部2140−2へ出力されると、エッジ検出部2140−2によって、予め設定された閾値Th1と包絡線信号2090とが比較され、包絡線信号2090が閾値レベルTh1以下(点N)となるタイミングTが検出される。検出されたタイミングTはピークタイミング推定部2142へ出力される。
同様に、エッジ検出部2140−3によって、予め設定された閾値Th2と包絡線信号2090とが比較され、包絡線信号2090が閾値レベルTh2以上(点X)となるタイミングTが検出される。検出された点Xのタイミングはピークタイミング推定部2142へ出力されるとともに、起動信号2141−2がエッジ検出部2140−3からエッジ検出部2140−4へ出力される。
そして、起動信号2141−2が出力されると、エッジ検出部2140−4によって、予め設定された閾値Th2と包絡線信号2090とが比較され、包絡線信号2090が閾値レベルTh2以下(点Y)となるタイミングTが検出される。検出したタイミングTはピークタイミング推定部2142へ出力される。
そして、ピークタイミング推定部2142によって、エッジ検出部2140−1,2140−2,2140−3,2140−4によって検出されたタイミングT,T,T,Tが用いられて、包絡線信号2090のピーク点PのタイミングTが算出される。具体的には、ピークタイミング推定部2142によって、始めに立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジを用いて、マルチパス歪みのないエッジが検出される。
すなわち、|T−T|≧|T−T|の場合には、立ち上がりはマルチパス歪みのないエッジであると判定される。また、|T−T|<|T−T|の場合には、立ち下がりはマルチパス歪みのないエッジであると判定される。
そして、次に、歪んでいないエッジの包絡線信号と各閾値との交点のタイミングを用いて、式(3),式(4),式(5)が用いられてピーク点PのタイミングTが算出される。
すなわち、図4に示すように、ノイズやマルチパスの影響を受けず理想的な包絡線信号402と閾値Th1との交点Aと、ノイズやマルチパスの影響を受けて歪んだ包絡線信号404と閾値Th1との交点Mとは異なるが、閾値Th2との交点Xは、交点Mとピーク点Pとの間に位置しており、この場合の閾値比RTHは、理想的な包絡線信号402の場合とほぼ同じとなると考えられるとして、ノイズやマルチパスの影響を受けて歪んだ包絡線信号404に対して、式(3),式(4),式(5)を用いて、ピーク点PのタイミングTを推定するようにした。
そして、タイミングTに同期したタイミング信号2150が閾値検出部2160へ出力され、閾値検出部2160によって包絡線信号2090に対してタイミング信号2150のタイミングで閾値検出が行なわれ、得られたサンプリング値2170がIR復調部2180へ出力される。
そして、IR復調部2180によってサンプリング値2170がバイナリビットに復調後、デインターリーバ2200へ出力され、デインターリーバ2200によって、バイナリビットに対しデインターリーブが施され、デインターリーブ後のバイナリビットがチャネル復号部2220へ出力され、チャネル復号部2220によって、デインターリーブ後のバイナリビットに対し復号化処理が施されて、バイナリデータストリーム2240が取得される。
以上のように、本実施の形態によれば、受信したIRパルス信号の包絡線信号が2つの閾値と交わる交点のタイミングを用いて、立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジからマルチパス歪みのないエッジを選択し、マルチパス歪みのないエッジの包絡線信号と各閾値との交点のタイミングとピークタイミングとの時間的な対応関係と、マルチパス歪みがなく理想的な包絡線信号と各閾値との交点のタイミングおよびピークタイミングTとの時間的な対応関係とは一致するとして、実際の包絡線信号のピーク点のピークタイミングTを推定するようにしたので、マルチパス干渉を受け、受信したIRパルス信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとが非対称に歪んだ場合にも、最適なピーク点のピークタイミングを推定することができ、この結果、低いサンプリング周波数を用いた場合にも、受信品質の劣化を防止することができる。
なお、本実施の形態において、複数のIRパルス信号に対する包絡線信号のピーク点のタイミングを推定し、推定したピーク点のタイミングの平均値を最終的なピーク点のタイミングとするようにしてもよい。平均値を用いることで、同期タイミング推定の精度を高めることができる。さらに、ピーク点のタイミングでサンプリングしたサンプリング値を平均して、ピーク点におけるサンプリング値を求めるようにしてもよい。受信したIRパルス信号がノイズやマルチパル干渉の影響を受けて歪んだ場合においても、サンプリング値の精度を向上させることができる。ピーク点のタイミングの平均処理と、サンプリング値の平均処理は、いずれも連続的または周期的に行うことができる。周期的に行う場合、スリープモードから周期的に平均処理を行うようにすると、処理負荷を小さくすることができる。
また、上述した同期部2140では、2つの閾値Th1,Th2を用いる場合について説明したが、可変可能な閾値Thを用い、閾値Thを2つの閾値Th1とTh2とに周期的に切り替えるようにしてもよい。例えば、タイミングインデックスが奇数の場合には、閾値Thに閾値Th1を設定し、交点M,NのタイミングT,Tを検出するようにし、タイムインデックスが偶数の場合には、閾値Thに閾値Th2を設定し、交点X,YのタイミングT,Tを検出するようにし、点M,N,X,YのタイミングT,T,T,Tから、式(3),式(4),式(5)を用いて、ピーク点PのタイミングTを推定するようにする。
このように、可変可能な閾値Thを使用し、閾値Thを切り替えて、交点のタイミングを算出するようにした場合には、推定時間が長くなり、タイミングインデックスが奇数の場合と、偶数の場合とで包絡線信号の形状が大きく変動する場合に、推定精度が劣化してしまう場合があるものの、ハードウェア実装を単純化することができるようになる。
(実施の形態2)
本実施の形態2に係るパルス受信装置2000の要部構成は、図2と同様であるため、その説明を省略する。
図6に、同期部2140の要部構成例を示す。なお、図6の同期部2140において、図3と共通する構成部分には、図3と同一の符号を付して説明を省略する。図6は、図3に対して、ピークタイミング推定部2142に代えて、ピークタイミング推定部2144を設け、歪み判定部2143を追加した構成を採る。
歪み判定部2143は、エッジ検出部2140−1,2140−2,2140−3,2140−4から出力される包絡線信号2090と各閾値Th1,Th2との交点M,N,X,YのタイミングT,T,T,Tを用いて、包絡線信号2090の歪み方を判定し、判定結果をピークタイミング推定部2144へ出力する。具体的には、歪み判定部2143は、式(6),式(7)を用いて、包絡線信号2090の歪み方を判定する。
|T−T|−ΔTMN≦I …(6)
|T−T|−|T−T|≦I …(7)
式(6)において、ΔTMNは、ノイズがない伝搬路を経由した理想的な包絡線信号に対する交点Mと交点Nとの間のタイミング差を示す。また、Iは、同期タイミング推定方法の選択精度を制御するインデックス値で、I=0の場合に、式(6)を満たす場合には、包絡線信号2090が理想的な包絡線信号402と一致することを示す。しかしながら、通常、包絡線信号2090が理想的な包絡線信号402と完全に一致するとは考えにくいので、ある程度のジッタやマージンを許容する目的で、許容するジッタやマージンに応じてインデックス値Iの値を設定する。
すなわち、タイミングT,Tが式(6)を満たす場合には、伝搬路にノイズがなく、または、ノイズが存在してもSN比が高く、包絡線信号2090はほぼ理想的なパルス形状をしており、マルチパス歪みがないと判定される。
一方、タイミングT,T,T,Tが式(7)を満たす場合は、立ち下がりエッジの歪み方と、立ち下がりエッジの歪み方がほぼ等しいと判断することができる。
ピークタイミング推定部2144は、歪み判定部2143から出力される歪み判定結果に応じて、上述した従来の方法による同期タイミング推定方法と、実施の形態1に係る同期タイミング推定方法とを所定時間ごとに選択し、選択した同期タイミング推定方法を用いて、ピークタイミングを推定する。
具体的には、タイミングT,Tが式(6)を満たし、伝搬路にノイズがなく、または、ノイズが存在してもSN比が高く、包絡線信号2090はほぼ理想的なパルス形状をしており、マルチパス歪みがないと判定された場合には、ピークタイミング推定部2144は、立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのいずれか一方のエッジと閾値Th1が交わる交点のタイミングを用いて、式(1)からピーク点のタイミングを推定する従来の同期タイミング推定方法を選択して、ピークタイミングを推定する。
一方、式(6)を満たさないが、式(7)を満たし、立ち下がりエッジの歪み方と、立ち下がりエッジの歪み方がほぼ等しいと判定された場合には、ピークタイミング推定部2144は、立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジの双方と閾値Th1,Th2とが交わる交点のタイミングを用いて式(2)からピーク点のタイミングを推定する従来の同期タイミング推定方法を選択して、ピークタイミングを推定する。
そして、式(6)および式(7)の双方を満たさず、ノイズに加え、マルチパスの影響を受けて受信信号の包絡線信号が歪んでいると判定された場合には、式(3),式(4),式(5)を用いてピーク点のタイミングを推定する実施の形態1に係る同期タイミング推定方法を選択し、ピークタイミングを推定する。
図7に、同期タイミング推定方法の選択動作におけるフロー図を示す。
始めに、同期タイミング推定方法を更新してからの経過時間が測定され、経過時間から同期タイミング推定方法の更新時か否かが判定される(S102)。そして、同期タイミング推定方法の更新時の場合には、包絡線信号と閾値Th1が交わる交点M,NのタイミングT,Tと、包絡線信号と閾値Th2が交わる交点X,YのタイミングT,Tとが算出される(S104)。
そして、包絡線信号と閾値Th1が交わる交点M,NのタイミングT,Tが用いられて、始めに、式(6)を満たすか否かが判定される(S106)。
そして、式(6)を満たす場合には、上述したように、伝搬路にノイズがなく、または、ノイズが存在してもSN比が高く、受信した包絡線信号がほぼ理想的なパルス形状をしているとみなすことができるため、立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのいずれか一方のエッジと閾値Th1が交わる交点のタイミング用いて式(1)からピーク点のタイミングを推定する従来の同期タイミング推定方法が選択される(S118)。
一方、式(6)を満たさない場合には、さらに、包絡線信号と閾値Th2が交わる交点X,YのタイミングT,Tも用いられて、式(7)を満たすか否かが判定される(S110)。上述したように、式(7)を満たす場合には、立ち下がりエッジの歪み方と、立ち下がりエッジの歪み方がほぼ等しいとみなすことができるため、立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジの双方と閾値Th1,Th2とが交わる交点のタイミングを用いて式(2)からピーク点のタイミングを推定する従来の同期タイミング推定方法が選択される(S112)。
一方、式(7)を満たさない場合には、ノイズに加え、マルチパスの影響を受けて受信信号の包絡線信号が歪んでいるとみなすことができるので、式(3),式(4),式(5)を用いてピーク点のタイミングを推定する実施の形態1に係る同期タイミング推定方法が選択される(S114)。
以上のように、本実施の形態によれば、包絡線信号と各閾値Th1,Th2との交点M,N,X,YのタイミングT,T,T,Tから、包絡線信号の歪み方を判定し、包絡線信号の歪み方に応じて、同期タイミング推定方法を選択するようにした。すなわち、包絡線信号に歪みがなく、ノイズレス、若しくはノイズが存在してもS/N比が高い場合には、包絡線信号の立ち上がりまたは立ち下がりのいずれか一方のエッジを用いてピーク点のタイミングを推定する従来の同期タイミング推定方法を用いようにしたので、少ない演算量でピーク点のタイミングを推定することができる。また、包絡線信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの歪み方がほぼ等しい場合には、式(2)を用いてピーク点のタイミングを推定する従来の同期タイミング推定方法を用いるようにしたので、歪みのエッジを検出する必要がなくなる分、実施の形態1に係る同期タイミング推定方法に比べ、演算量を削減することができるようになる。
なお、上述した実施の形態では、IRパルス信号に包絡線検波を施し、検波後の包絡線信号と閾値との交点のタイミングを用いて、ピークタイミングを推定する場合について説明したが、包絡線検波に限らず、相関器による同期検波を行い、相関演算結果のピーク点のタイミングを推定する場合にも適用することができる。
本発明のパルス受信装置の一つの態様は、受信したパルス信号の包絡線を検波することにより包絡線信号を得る包絡線検波手段と、前記包絡線信号と第1の閾値とが交わる第1のタイミングを検出する第1の閾値判定手段と、前記包絡線信号と第2の閾値とが交わる第2のタイミングを検出する第2の閾値判定手段と、前記包絡線信号の立ち上がりエッジに対する前記第1および第2のタイミングの時間差と、前記包絡線信号の立ち下がりエッジに対する前記第1および第2のタイミングの時間差とを比較して、前記立ち上がりエッジまたは前記立ち下がりエッジのうち、前記時間差が小さいエッジを選択する選択手段と、選択されたエッジに対する前記第1および第2のタイミングを用いて、前記包絡線信号が最大となるピークタイミングを推定するピークタイミング推定手段と、前記ピークタイミングで前記包絡線信号をサンプリングして、バイナリーデータを復号する復号手段と、を具備する構成を採る。
この構成によれば、ノイズやマルチパスの影響を受けて包絡線信号が歪んだ場合においても、包絡線信号と第1および第2の閾値とが交わる第1および第2のタイミングとを用いてマルチパス歪みが小さいエッジを選択することができ、また、選択したエッジに対する第1および第2のタイミングを用いて、比較的単純な計算によって、当該包絡線信号のピークタイミングを推定することができるため、サンプリング周波数が低い場合にも、適切なサンプリングを行うことができるようになる。
本発明のパルス受信装置の一つの態様は、前記ピークタイミング推定手段は、前記第2のタイミングと前記ピークタイミングとの間の時間差と、前記第2のタイミングと前記第1のタイミングとの時間差との比である閾値比が常に一定であると仮定して、前記第1および第2のタイミングと、前記閾値比とを用いて、前記ピークタイミングを推定する構成を採る。
この構成によれば、包絡線信号の前記第2のタイミングと前記ピークタイミングとの間の時間差と、前記第2のタイミングと前記第1のタイミングとの時間差との比である閾値比を記憶しておくようにすれば、実際の包絡線信号と第1および第2の閾値とが交わる第1および第2のタイミングとから、単純な計算によって、実際の包絡線信号のピークタイミングを推定することができる。
本発明のパルス受信装置の一つの態様は、前記閾値比は、歪みがない理想的なパルス信号の包絡線を検波して得られた包絡線信号に対する前記第1のタイミングと、前記第2のタイミングと、前記ピークタイミングとを用いて設定される構成を採る。
この構成によれば、閾値比を理想的なパルス信号の包絡線信号の形状と、第1および第2のタイミングとから計算により設定することができるため、閾値比の実測が不要となる。
本発明のパルス受信装置の一つの態様は、前記第1および第2のタイミングを用いてから、前記包絡線信号の歪み方を判定する歪み判定手段、をさらに具備し、前記歪み判定手段によって、前記包絡線信号の立ち上がりと立ち下がりの歪み方が異なると判定された場合に、前記ピークタイミング推定手段を用いて、前記ピークタイミングを推定する構成を採る。
この構成によれば、実際の包絡線信号がマルチパス歪みを含まないような場合には、従来の方法によりピークタイミングを推定することができるため、処理演算量を少なくすることができる。
本発明のパルス受信装置および同期タイミング推定方法は、インパルス無線信号を包絡線検波により復調する場合に、最適なサンプリングタイミングを推定することができ、例えばインパルス無線通信が適用されるシステムにおいてパルスの同期タイミングを推定するパルス受信装置および同期タイミング推定方法に有用である。
本発明の実施の形態1に係るパルス送信装置の要部構成を示すブロック図 実施の形態1に係るパルス受信装置の要部構成を示すブロック図 同期部の要部構成例を示すブロック図 ピークタイミング検出の動作を説明するための図 THの算出方法を説明するための図 同期部の要部構成例を示すブロック図 本発明の実施の形態2に係る同期タイミング推定方法の動作を説明するためのフロー図 IR通信方式においてOOK変調を施した場合の模範的なパルス列を示す図 従来のピークタイミング検出の動作を説明するための図 従来の同期部の要部構成を示す図 ノイズが存在する伝搬路を経由した受信信号の包絡線の波形を示す図 従来のピークタイミング検出の動作を説明するための図 従来の同期部の要部構成を示す図 従来のピークタイミング検出方法を用いた場合の問題点を説明するための図
符号の説明
1000 送信装置
1040 チャネル符号部
1060 インターリーバ
1080 IR変調部
1100 パルス生成部
1120 発振器
1140 タイミング発生部
1160 フィルタ
1180 送信アンテナ
2000 受信装置
2020 受信アンテナ
2040 フィルタ
2060 AGC
2080 包絡線検出部
2100 クロック信号発生部
2120 タイミング発生部
2140 同期部
2160 閾値検出部
2180 IR復調部
2200 デインターリーバ
2220 チャネル復号部
2140−1〜2140−4 エッジ検出部
2142,2144 ピークタイミング推定部
2143 歪み判定部

Claims (5)

  1. 受信したパルス信号の包絡線を検波することにより包絡線信号を得る包絡線検波手段と、
    前記包絡線信号と第1の閾値とが交わる第1のタイミングを検出する第1の閾値判定手段と、
    前記包絡線信号と第2の閾値とが交わる第2のタイミングを検出する第2の閾値判定手段と、
    前記包絡線信号の立ち上がりエッジに対する前記第1および第2のタイミングの時間差と、前記包絡線信号の立ち下がりエッジに対する前記第1および第2のタイミングの時間差とを比較して、前記立ち上がりエッジまたは前記立ち下がりエッジのうち、前記時間差が小さいエッジを選択する選択手段と、
    選択されたエッジに対する前記第1および第2のタイミングを用いて、前記包絡線信号が最大となるピークタイミングを推定するピークタイミング推定手段と、
    前記ピークタイミングで前記包絡線信号をサンプリングして、バイナリーデータを復号する復号手段と、
    を具備するパルス受信装置。
  2. 前記ピークタイミング推定手段は、
    前記第2のタイミングと前記ピークタイミングとの間の時間差と、前記第2のタイミングと前記第1のタイミングとの時間差との比である閾値比が常に一定であると仮定して、前記第1および第2のタイミングと、前記閾値比とを用いて、前記ピークタイミングを推定する
    請求項1に記載のパルス受信装置。
  3. 前記閾値比は、歪みがない理想的なパルス信号の包絡線を検波して得られた包絡線信号に対する前記第1のタイミングと、前記第2のタイミングと、前記ピークタイミングとを用いて設定される
    請求項2に記載のパルス受信装置。
  4. 前記第1および第2のタイミングを用いて、前記包絡線信号の歪み方を判定する歪み判定手段、をさらに具備し、
    前記歪み判定手段によって、前記包絡線信号の立ち上がりと立ち下がりの歪み方が異なると判定された場合に、前記ピークタイミング推定手段を用いて、前記ピークタイミングを推定する
    請求項1に記載のパルス受信装置。
  5. 受信したパルス信号の包絡線を検波することにより包絡線信号を得るステップと、
    前記包絡線信号と第1の閾値とが交わる第1のタイミングを検出するステップと、
    前記包絡線信号と第2の閾値とが交わる第2のタイミングを検出するステップと、
    前記包絡線信号の立ち上がりエッジに対する前記第1および第2のタイミングの時間差と、前記包絡線信号の立ち下がりエッジに対する前記第1および第2のタイミングの時間差とを比較して、前記立ち上がりエッジまたは前記立ち下がりエッジのうち、前記時間差が小さいエッジを選択するステップと、
    選択されたエッジに対する前記第1および第2のタイミングを用いて、前記包絡線信号が最大となるピークタイミングを推定するステップと、
    を有する同期タイミング推定方法。
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