JP2008066552A - セラミック積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セラミック層10とその上面全体を覆う内部回路層2、3とからなる単位ユニット層11を、接着層5を介して繰り返し積層してなるセラミック積層体1の製造方法において、内部回路層2、3は、セラミック層10の表面に印刷形成された略同一膜厚の複数の印刷層からなり、隣り合う印刷層の境界部において、該印刷層の端縁の少なくとも一部が重なることにより、内部回路層全体の膜厚が均一になるように順に印刷、乾燥し、単位ユニット層11を形成する工程と、得られた単位ユニット層11の表面に接着層5を印刷形成し、単位ユニット層11同士を接着させてセラミック積層成形体1Gとする工程と、セラミック積層成形体1Gを脱脂、焼成して上記セラミック積層体1を得る工程とを備える。
【選択図】 図1
Description
図16中S1〜S8の工程に示すように、先ず、図略のドクターブレード法等により形成された薄いセラミックグリーンシート100から、金型等により所定の大きさのシート101を切り出し(S1)、これを取り扱い容易となるよう固定枠200に貼付けし(S2)、外観を検査した後(S3)、これに導電性材料からなる内部電極層2を印刷、乾燥する(S4)。更に焼失性材料からなるスリット層4を印刷、乾燥し(S5)、これを複数枚積層し加熱圧着等により積層成形体17Gを形成する(S6〜S8)。
そこで、図16中S9〜S13の工程に示すように、圧着後の積層成形体17Gをユニット積層成形体170Gに切断し(S9)、セッター80に並べ図略の脱脂炉等により脱脂し(S10)、これを匣鉢90に収納し、図略の焼成炉等により焼成して、ユニット積層焼成体170Sを得た(S11)後、当該ユニット積層焼成体170Sの上下2面を研削修正し(S12)、更に、外周を側面4面とC面4面の計8面に渡って研削修正を施すことによって、八角柱状のユニット積層修正体170RSを得ている(S13)。
このように、従来方法は、図16中S20の検査に至るまでの工程が複雑で、寸法精度要求の厳しい自動車用ピエゾスタックとして使用するためには、積層体圧着形成後および焼成後の寸法修正が不可欠である上、また、加熱圧着による積層方法では圧着力の伝播に限界があるので積層可能な枚数が限られ、積層体を更に接着積層する手間が掛かる。従って、生産コストが大きく、高品質なセラミック積層体を大量に生産することには不適である。
特許文献2には、セラミック積層体をデラミネーション(層間剥離)が生じ難く、一体的に形成する方法として、セラミック用スラリーを用いてセラミック層を形成し、その一部表面に内部電極用スラリーを用いて内部電極層用印刷部を形成し、印刷部未形成部分に略同じ厚みとなるようスペーサ用スラリーを用いてスペーサ用印刷部を形成し、次いで上記内部電極層用印刷部と上記スペーサ用印刷部の表面に接着層用スラリーを積層して接着層印刷部を形成し、これにより未焼ユニットを得て、該未焼ユニットを加圧圧着しながら積層し未焼積層体となし、これをその後焼成してセラミック積層体を製造する方法が開示されている。
また、特許文献3の方法では、グリーンシートが損傷しにくく、内部欠陥の発生を抑制できる。
そこで、数百層以上の積層体を形成しても、歪みが生じ難く、簡易で大量生産に好適な製造方法の開発望まれている。
従って、上記単位ユニット層を繰り返し積層しても、上記内部回路層の局部的な膜厚変動が累積的に拡大されることが無くなり、極めて歪みの少ないセラミック積層成形体を形成することができ、これを脱脂、焼成することにより、均質で歪みの極めて少ない一体のセラミック積層体を得ることができる。
また、局部的な膜厚の変動が無いので、上記接着層と上記内部回路層および上記セラミック層との密着性が良好となりデラミネーションの発生を抑えることができる。
従って、上記単位ユニット層を繰り返し積層しても、上記内部電極層と上記スペーサ層とで構成される上記内部回路層の局部的な膜厚変動が累積的に拡大されることが無くなり、極めて歪みの少ないセラミック積層成形体を形成することができ、これを脱脂、焼成することにより、均質で歪みの極めて少ない一体のセラミック積層体を得ることができる。
従って、上記単位ユニット層を繰り返し積層しても、上記内部回路層の膜厚分布が累積的に拡大されることが無く、極めて歪みの少ないセラミック積層成形体を形成することができ、これを脱脂、焼成することにより、更に、均質で歪みの極めて少ない一体のセラミック積層体を得ることができる。
したがって、請求項4の発明によれば、上記内部回路層の膜厚分布の幅を最も狭くできる。
た、上記セラミック層をキャリアフィルムにから剥離せずに上記内部回路層および上記接着層の印刷を行うので、上記大型シート片の取り扱いが極めて容易である。
更に、複数の上記単位ユニット層を形成し得る状態の上記大型グリーンシート片を複数枚積層してから単位シート小片に打ち抜くのではなく、上記単位ユニット層の積層と同時に単位シート小片に打ち抜きながら上記セラミック積層成形体を形成していくので寸法精度が極めて良い。
更に、上記焼失層は焼成によってスリット層となり、ピエゾスタックとして使用したときに応力の分散ができ、より信頼性の高いピエゾスタックを製造できる。
図1に示すように、ピエゾスタックを構成するセラミック積層成形体1Gは、セラミック層10と内部回路層(2A、2B、3A、3B)とを有する単位ユニット層11A、11Bが接着層5A、5Bを介して繰り返し積層され、上下端に絶縁層6が接着層5、5A、を介して積層された構成となっている。
上記内部電極層2A、2Bは第1内部電極層201A、201Bと第2内部電極層202A、202Bとに2分割されて印刷形成される。
上記単位ユニット層11A、11Bは、上記単位ユニット11A、11Bを構成する上記内部電極層2A、2Bとスペーサ層3A、3Bと、上記内部電極層2A、2Bを構成する上記第1内部電極層201A、201Bと上記第2内部電極層202A、202Bとの各印刷層の隣り合う境界部において、該印刷層の端縁の少なくとも一部が重なることにより、上記内部回路層(2A、2B、3A、3B)全体の膜厚が均一になるように順に印刷、乾燥されている。
上記内部電極層2A、2Bは、例えば、Ag、Pb等の導電性材料とPVB等の結合材とを分散媒に分散せしめてペースト状となした内部電極用ペーストを上記セラミック層10の表面にスクリーン印刷等により印刷、乾燥して形成される。
上記スペーサ層3A、3Bは、例えば、上記セラミック層10と同材質のセラミック材料とPVB等の結合材とを分散媒に分散せしめてペースト状となしたスペーサ用ペーストを上記セラミック層10の表面で、上記内部電極層2A、2Bの形成されていない部分にスクリーン印刷等により印刷、乾燥して形成される。
上記焼失層4A、4Bは、例えば、PVB等の結合材のみあるいは結合材とカーボン等の焼成時に焼失する材料とを分散媒に分散せしめてペースト状となしたスペーサ用ペーストを上記内部電極層2A、2Bと上記スペーサ層3A、3Bとの表面の一部にスクリーン印刷等により印刷、乾燥して形成される。
上記接着層5、5A、5Bは、例えば上記セラミック層10と同材質のセラミック材料とPVB等の結合材とを分散媒に分散せしめてペースト状となした接着層用ペーストを上記焼失層4A、4Bの形成されていない上記内部電極層2A、2Bと上記スペーサ層3A、3Bとの表面および上記絶縁層6の表面にスクリーン印刷等により印刷形成される。
図2(a)に示すように、上記内部電極層2A、2Bは外周が上記セラミック層10の内側に控えるように一回り小さい同心の略小判形(例えば、外径約φ8.16mm×膜厚約7μm)に形成される上記内部電極層2A、2Bと、該内部電極層2A、2Bの左右いずれか一方側に、上記セラミック層10の端面に向かって左右交互に電極を引き出すように突出する内部電極引き出し部21A、21Bが形成される。
図2(b)、(c)に、上記内部電極層2A、2Bを上記第1内部電極層201A、201Bと上記第2内部電極層202A、202Bとに分割した例を示す。
図2(b)に示すように、上記第1内部電極層201A、201Bおよび第1内部電極引き出し部211A、211Bは、上記内部電極層2A、2Bと上記内部電極引き出し部21A、21Bとのそれぞれの複数箇所を円形にくり抜いた形状に形成される。上記複数の円形のくりぬき部分は略等間隔で千鳥に配設される。
図2(c)に示すように、上記第2内部電極層202A、202Bおよび第2内部電極引き出し部212A、212Bは、上記第1内部電極層201A、202Bおよび上記第1内部電極引き出し部211A、211Bのくり抜き部分を埋めるように形成される。
上記第1内部電極層201A、201Bおよび第1内部電極引き出し部211A、211Bと上記第2内部電極層202A、202Bおよび第2内部電極引き出し部212A、212Bとが組み合わされると一つの上記内部電極層2A、2Bおよび上記内部電極引き出し部21A、21Bが形成される。
図4(a)に示すように、上記第1内部電極層201A、201Bは、膜厚分布の幅を一定に保った状態で印刷形成される。
図4(b)に示すように、上記第2内部電極層202A、202Bは、一定の膜厚分布の幅を保った状態で、上記第1内部電極層201A、2Bの外周縁の一部を覆い隠すように接しながら上記第1内部電極層201A、201Bと略同一の膜厚で形成され、上記第1内部電極層201A、201Bと上記第2内部電極層とで略一定膜厚の上記内部電極層2A、2Bが形成され、上記第1電極引き出し部211A、211Bと上記第2電極引き出し部212A、212Bとで上記電極引き出し部21A、21Bが略同一の膜厚に形成される。
図4(d)に示すように、上記焼失層4A、4Bは上記内部電極引き出し部21A、21Bを覆うように形成される。
上記焼失層4A、4Bは上記内部電極層2A、2Bの膜厚分布の幅が狭いので、上記焼失層4A、4Bを形成する際に影響を受けることがないので膜厚分布の幅を狭くすることができる。
上記内部電極層2A、2Bと上記スペーサ層3A、3Bとの境界部が重なるように形成されているので、該境界部での上記接着層5A、5Bの膜厚の落ち込みが無く、上記接着層5A、5Bの膜厚分布の幅は比較的狭くなる。
更に、上記接着層5A、5Bが上記焼失層4A、4Bの端縁の一部を覆うように形成されているので上記焼失層4A、4Bと上記接着層5A、5Bとの境界部での膜厚の局部的な落ち込みが無くなる。
図5(a)に示すように、上記境界部の重なりが10μmの場合、上記境界部の膜厚の落ち込みは、膜厚の3分の1程度(約3μm以下)に抑えられる。
図5(b)に示すように、上記境界部の重なりが50μmの場合、上記境界部の膜厚の落ち込みは1μm以下に抑えられる。
図5(d)に示すように、上記境界部の重なりが50μmより大きい場合、上記第1内部電極層20A、202Bの膜厚にダレの無い部分に重なって、上記第2内部電極層202A、202Bが形成されるので、過剰に上記境界部の膜厚が厚くなってしまう。
図6(a)〜(d)は一度に複数の上記単位ユニット層11A、11Bを印刷形成するために用いられる各層の印刷用スクリーンのパターン配置例を示す。
上記印刷用スクリーンは、例えば、ステンレス等の線材を編んだスクリーンを、図略の30cm角程度の大きさの枠にテンションを張った状態で、スキージ方向に対しバイアスに固定し、印刷の不要な部分が乳剤によってパターン形成されて固められている。
図6(b)に示すように、第2内部電極層用スクリーン322は、上記第1内部電極層印刷用スクリーン321の上記第1内部電極層201A、201Bと中心軸を揃えてパターン形成される。
図7(b)に示すように、上記焼失層用スクリーン34を、上記第1内部電極層印刷用スクリーン321の上記内部電極層201A、201Bと中心軸を揃えてパターン形成する。
図7(c)に示すように、上記接着層用スクリーン35を、上記内部電極層印刷用スクリーン321の上記内部電極層201A、201Bと中心軸を揃えてパターン形成する。
上記各層印刷用スクリーン321、322、33、34、35のパターン配置は行と列とを入れ替えたものでも良い。
図7(c)に示すように、更に上記トムソン型70を上記大型グリーンシート片101に押し付けると上記トムソン型70の先端に設けられた上記トムソン刃71によって上記セラミック層10が切断され上記単位ユニット層11Aと上記接着層5Aからなる単位シート小片12Aが形成される。
上記トムソン型70に対して上記大型グリーンシート片101を相対的に傾けた状態で、上記トムソン型70を上記大型グリーンシート片101に相対的に近づけていくと、上記絶縁層6および上記単位ユニット層11A、11Bと上記接着層5、5A、5Bとが片側から徐々に接着されるので、より効果的に空気の噛み込みを防止することができる上に、上記キャリアフィルム110か上記単位シート小片12A、12Bを剥離する際には片側から徐々に剥離されるのでデラミネーションの発生が更に効果的に防止される。
先ず工程P1では、セラミックグリーシート100から、複数の上記単位ユニット層11A、11Bを取り出せるよう大型のセラミックシート101を上記キャリアフィルム110と共に例えば、打ち抜き金型等を用いて切り出す。
上記セラミックグリーンシート100は次のように形成する。
例えば、PZTを主成分とするセラミック材料をPVB(ポリビニルブチラール)等の結合材とDBP(ジブチルフタレート)等の可塑剤と分散剤等とをトルエン−エタノール等の分散媒に分散せしめ、粘度調整し、スラリー状となし、これをドクターブレード法等によりキャリアフィルム110上に薄く塗工し、乾燥して、板厚90μmの薄い上記セラミックグリーンシート100を得る。
この時、大型グリーンシート片101は上記キャリアフィルム110から剥離されることなく工程を移動するので取り扱いが容易である。
上記導電性ペースト20は、例えば、Ag、Pd等の導電性材料とPVB等の結合材とを分散媒に分散せしめてペースト状になした。
上記スペーサ用ペースト30は、例えば、上記セラミックグリーンシート100と同じ組成のセラミック材料とPBVB等の結合材とを分散媒に分散せしめてペースト状となした。
上記焼失層用ペースト40は、例えば、カーボンとPVB等の結合材あるいは結合材のみを分散媒に分散せしめてペースト状となした。
上記焼失層4A、4Bは必ずしも全層に設ける必要はなく、数層から20層毎に設けても良い。
上記接着層用ペースト50は、例えば、上記セラミックグリーンシート100と同じ組成のセラミック材料とPVB等の結合材とを、テレピノール等の不揮発性の分散媒に分散せしめてペースト状となした。
焼成により上記焼失層4A、4Bは焼失し、スリット4Sとなり、上記スペーサ層3A、3B、上記接着層5A、5Bは上記セラミック層11A、11Bと完全一体のセラミック焼結体となり、上記内部電極層2A、2Bと上記セラミック層10とが交互に積層され、上下端部の絶縁層6も同時に焼結された完全一体のセラミック積層焼結体1Sとなる。
本実施形態によれば、焼成後の歪み、変形が少なくなるので、従来に比べて、仕上げのための研削時間を大幅に短縮できる。
次いで、工程P17で、検査し、問題が無ければ、極めて精度良く形成された一体のセラミック積層体であるピエゾスタック1Pが完成する。
上述した形状に限定するものではなく、上記内部電極層2A、2Bの表面積を小さくし、上記内部電極層2A、2Bの外周縁近傍内側に局部的な膜厚の変動を防ぐべく、上記内部電極層2A、2Bの上記第1内部電極層201A、201Bと上記第2内部電極層202A、202Bとに分割する方法は、以下に例示する様に様々な形状が適用し得る。
図10(a)に示すように、上記第1内部電極層201A、201Bと上記第2内部電極層202A、202Bとを千鳥格子状に形成しても良い。
図10(b)に示すように、上記第1内部電極層201A、201Bおよび第1内部電極引き出し部211A、211Bを、上記内部電極層2A、2Bと上記内部電極引き出し部21A、21Bとのそれぞれの複数箇所を六角形にくり抜いた形状に形成しても良い。上記複数の六角形のくりぬき部分は略等間隔で千鳥に配設される。
この時、上記第2内部電極層202A、202Bおよび第2内部電極引き出し部212A、212Bは、上記第1内部電極層201A、202Bおよび上記第1内部電極引き出し部211A、211Bのくり抜き部分を埋めるように形成される。
図10(c)に示すように、上記第1内部電極層201A、201Bを、上記内部電極層2A、2Bの複数箇所を同心円状にくり抜いた形状に形成しても良い。
この時、上記第2内部電極層202A、202Bおよび第2内部電極引き出し部212A、212Bは、上記第1内部電極層201A、202Bおよび上記第1内部電極引き出し部211A、211Bのくり抜き部分を埋めるように同心円状に形成される。
但し、上記第1内部電極層201A、201Bと上記第2内部電極層202A、202Bとの境界部において、上記第1内部電極層201A、201Bが印刷乾燥された後に印刷される上記第2内部電極層202A、202Bが上記第1内部電極層201A、201Bの外周縁の一部を覆う様に形成されなければ成らない。
図11(a)に示すように、スクリーン印刷においては、上記電極用スクリーン32を図略の枠に固定し、該枠内に上記内部電極用ペースト20を流し込み、ゴム等からなるスキージ25を上記電極用スクリーン32に上面を押し付けながら移動させると、上記内部電極用ペースト20が上記内部電極用スクリーン32の編目を通過し、被印刷物である上記大型グリーンシート片101の表面に押し出されるとともに上記スキージ25によって上記内部電極用スクリーン32上の余分な上記電極用ペースト20が掻き取られる。
この時、上記電極用スクリーン32と上記大型グリーンシート片101との間で上記内部電極用ペースト20を奪い合い、上記電極用スクリーン32のテンションにより上記内部電極用ペースト20が引きちぎられることにより上記内部電極用ペースト20が上記大型グリーンシート片101に転写される。
このため、上記スクリーンメッシュ23の縦糸と横糸が交差した紗部230の厚みと上記乳剤24の乳剤厚tによって上記スクリーンメッシュ23の下面側に形成される空隙の厚みとを合わせた総厚231は、上記内部電極層2の外周縁が最も厚く、上記内部電極層2の中心部に向かって薄くなっている。
従って、上記内部電極層2の印刷膜厚は、上記総厚231に対応して上記内部電極層2の外周縁が最も厚く、上記内部電極層2の中心部に向かって薄くなる傾向に加え、濡れ広がろうとする作用が加わるので、より上記内部電極層2の外周縁が最も厚く、上記内部電極層2の中心部に向かって薄くなる。
図12(a)に示すように、印刷時のスキージ方向に対して平行方向に膜厚分布を測定した結果、上記内部電極層2の外周縁近傍が最も厚く最大値は8.101μmで、最小値は5.910μmで、上記内部電極層2のスキージ方向の膜厚差は最大で4.781μmであった。図12(b)に示すように印刷時のスキージ方向に対して垂直方向に膜厚分布を測定した結果も同様に上記内部電極層2の外周縁が最も厚く、中心部に近い位置が最も薄い傾向があった。
また、上記内部電極層2と上記スペーサ層3との境界部には局部的に膜厚の落ち込み部が形成されている。
図13(a)は上記内部電極層2およびスペーサ層3の膜厚分布を示し、図13(b)は上記焼失層4および上記接着層5bの膜厚分布を示し、(c)は全面に形成された上記接着層5cの膜厚分布を示し、図13(d)は上記測定結果をもとに作成した各層の印刷形成された断面を示す模式図である。
特に、上記内部電極層2と上記スペーサ層3、上記焼失層4と上記接着層4bとの境界部にはそれぞれ大きな膜厚変動が見られ、これらの印刷層の表面に上記接着層5cを印刷形成しても、この局部的な膜厚変動部が吸収されず残ってしまう。
また、上記内部電極層2の外周縁近傍内側に形成される最も膜厚の厚い部分の影響は、上記接着層5cの印刷形成によっても吸収されず残ってしまう。
従って、従来の印刷方法では各印刷層の膜厚分布が局部的に大きく変動する部分が生じてしまう。
従来の圧着による積層方法では、この局部的な膜厚分布の変動によって、圧着時に上記セラミック層10が変形し、これが累積されることによりセラミック積層体全体としては歪みの大きいものとなってしまう。
例えば、本発明の実施形態において、内部電極層はスペーサ層よりも先に形成した場合について説明したが、スペーサ層を先に形成し次いで内部電極層を形成しても良い。
また、内部電極層、スペーサ層、焼失層等の内部回路層はスクリーン印刷により形成した場合について説明したが、例えば、転写等により形成されるものでも良い。
10 セラミック層
11A、11B 単位ユニット層
2A、2B 内部電極層
201A、201B 第1内部電極層
202A、202B 第2内部電極層
21A、21B 内部電極引き出し部
211A、211B 第1内部電極引き出し部
212A、212B 第2内部電極引き出し部
3A、3B スペーサ層
4A、4B 焼失層
5、5A、5B 接着層
6 絶縁層
Claims (7)
- セラミック層とその上面全体を覆う内部回路層とからなる単位ユニット層を、接着層を介して繰り返し積層してなるセラミック積層体の製造方法において、
上記内部回路層は、上記セラミック層の表面に印刷形成された略同一膜厚の複数の印刷層からなり、
上記複数の印刷層を、隣り合う印刷層の境界部において、該印刷層の端縁の少なくとも一部が重なることにより、上記内部回路層全体の膜厚が均一になるように順に印刷、乾燥し、上記単位ユニット層を形成する工程と、
得られた上記単位ユニット層の表面に上記接着層を印刷形成し、上記単位ユニット層同士を接着させてセラミック積層成形体とする工程と、
上記セラミック積層成形体を脱脂、焼成して上記セラミック積層体を得る工程とを備えることを特徴とするセラミック積層体の製造方法。 - 上記内部回路層は、セラミック層の少なくとも一部の表面に設けられた内部電極層と該内部電極層の形成されていないセラミック層の表面を覆うスペーサ層とからなり、上記複数の印刷層としての上記内部電極層または上記スペーサ層のいずれか一方を印刷、乾燥した後、両印刷層の外周縁の一部が重なるように他方を印刷形成する請求項1に記載のセラミック積層体の製造方法。
- 上記内部回路層は、セラミック層の少なくとも一部の表面に設けられた内部電極層と該内部電極層の形成されていないセラミック層の表面を覆うスペーサ層とからなり、上記内部電極層を上記複数の印刷層としての第1内部電極層と第2内部電極層とに分割し、上記第1内部電極層を印刷、乾燥した後、上記第2内部電極層を、両電極層の外周縁の一部が重なるように印刷形成し、上記内部電極層とする請求項2に記載のセラミック積層体の製造方法。
- 上記印刷層の境界部の重なりを10μm以上50μm以下に形成する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のセラミック積層体の製造方法。
- 上記内部電極層は、電極材料と結合材とを分散媒に分散させペースト状となした内部電極用ペーストを用いて印刷形成し、
上記スペーサ層は、上記セラミック層と同一の組成のセラミック材料と結合材とを分散媒に分散させてペースト状になしたスペーサ層用ペーストを上記内部電極層と略同じ厚みで上記セラミック層表面の上記内部電極層の形成されていない部分に印刷形成し、
上記接着層は、上記セラミック層と同一の組成のセラミック材料と結合材とを分散媒に分散させペースト状になした接着層用ペーストを用いて印刷形成する請求項1ないし4のいずれか1項に記載のセラミック積層体の製造方法。 - 上記セラミック層は、セラミック材料と結合材と可塑剤とを分散媒に分散せしめたセラミックスラリーをキャリアフィルム上にシート状に塗工、乾燥することによりセラミックグリーンシートとして形成し、上記セラミックグリーンシートから複数の上記セラミック層を取ることが可能な大きさの大型グリーンシート片を上記キャリアフィルムとともに切り出し、該大型グリーンシート片上に上記内部回路層を複数印刷形成して複数の単位ユニット層を形成し、各内部回路層の表面に上記接着層を印刷形成した後、トムソン型を用いて上記大型グリーンシート片から上記単位ユニット層と上記接着層とからなる単位シート小片を打ち抜きつつ上記キャリアフィルムから剥離し、上記トムソン型内に収納し、該単位シート小片の下面を次の単位シート小片上に形成された上記接着層に接触させることによりこれらの単位シート小片同士を密着せしめ、これを繰り返すことにより上記単位シート小片の打ち抜き、積層、接着を同時に行い上記セラミック層と上記内部回路層とが上記接着層を介して交互に積層されたセラミック成形積層体を形成する請求項1ないし5のいずれか1項に記載のセラミック積層体の製造方法。
- 上記セラミック層は、PZTを主成分とする圧電セラミックからなり、上記セラミック積層体は一部にスリット層を有するピエゾスタックであって、
上記スリット層は、結合材もしくは焼失する粒子と結合材とを分散媒に分散させペースト状になし、焼成によって焼失する焼失層用ペーストを用いて、上記内部回路層の表面に形成された上記接着層の一部を、焼失層に置き換えて印刷形成し、これを焼成することにより形成する請求項1ないし6のいずれか1項に記載のセラミック積層体の製造方法。
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