JP2008062716A - ランフラットタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】通常走行時の乗り心地の悪化を抑制しつつランフラット耐久性能を向上させる。
【解決手段】トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5で折り返されて係止された少なくとも1枚のカーカスプライ6Aを有するカーカス6と、該カーカス6の外側に配されたベルト層7と、サイドウォール領域に配された断面略三日月状をなすサイド補強ゴム層9とを具えたランフラットタイヤ1である。サイド補強ゴム層9とカーカス6との間に、ラジアル方向に対して0〜45度の角度で並列された複数本のスチールコードを有する少なくとも1枚の補強プライからなる補強コード層10が配される。該補強コード層10は、タイヤ最大幅位置Mと前記ベルト層7の外端7eとで挟まれるサイド外側領域Saを、該領域Saからはみ出すことなく半径方向にのびる。
【選択図】図1

Description

本発明は、通常走行時の乗り心地の悪化を抑制しつつランフラット耐久性能を向上させ得るランフラットタイヤに関する。
従来、パンク等によってタイヤの空気が抜けた場合でも、比較的高速度で一定の距離を安全に継続走行しうるランフラットタイヤが種々提案されている。この種々のランフラットタイヤにあっては、サイドウォール部に断面略三日月状をなすサイド補強ゴム層が設けられており、空気が抜けた後は、このサイド補強ゴム層を含めサイドウォール部がタイヤの荷重を支えることになる。
従来より、パンク状態での走行(以下、このような走行を「ランフラット走行」と呼ぶことがある。)距離を増大させるために、サイド補強ゴム層の厚さを大きくする手法が採用されている。しかしながら、このような改善手法は、タイヤ質量の著しい増加を招くという欠点がある。これは、車両のいわゆるバネ下重量の増加を招き、操縦安定性に不利となるばかりか燃費性能を悪化させる。
また、近年では、サイド補強ゴム層とカーカスとの間に補強コード層を設けたランフラットタイヤが提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。しかしながら、このランフラットタイヤは、補強コード層として有機繊維コードが用いられているため、サイドウォール部の補強効果についてはさらなる改善の余地がある。
特開2005−262922号公報
発明者らは種々の実験を行ったところ、補強コード層にスチールコードを用いるとともに、そのコード角度を一定範囲に規制することにより、ランフラット走行時におけるサイド部の補強効果を最大限に高め得る一方、前記スチールコードの配設領域をサイド外側領域に限定すると、通常走行時の乗り心地の悪化等を抑制しうることを見出した。
以上のように、本発明は、通常走行時の乗り心地の悪化等を抑制しつつランフラット走行時の耐久性をより一層向上させることが可能なランフラットタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアで折り返されて係止された少なくとも1枚のカーカスプライを有するカーカスと、該カーカスの半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層と、前記カーカスの内側かつサイドウォール領域に配された断面略三日月状をなすサイド補強ゴム層とを具えたランフラットタイヤであって、前記サイド補強ゴム層と前記カーカスとの間に、ラジアル方向に対して0〜45度の角度で並列されたスチールコードを有する少なくとも1枚の補強プライからなる補強コード層が配され、かつ該補強コード層は、タイヤ最大幅位置と前記ベルト層の外端とで挟まれるサイド外側領域を、該領域からはみ出すことなく半径方向にのびていることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記スチールコードの線径が0.54〜0.78mmである請求項1記載のランフラットタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記サイド補強ゴム層は、最大厚さが8〜10mmである請求項1又は2記載のランフラットタイヤである。
また請求項4記載の発明は、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷である正規無負荷状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、タイヤ外面のプロファイルは、前記タイヤ外面とタイヤ赤道(C)との交点(CP)からタイヤ最大幅(SW)の45%の距離(SP)を隔てるタイヤ外面上の点を(P)とするとき、前記交点(CP)から前記点(P)までの区間においてタイヤ外面の曲率半径(RC)は徐々に減少するとともに、次の関係を満足する請求項1乃至3のいずれかに記載のランフラットタイヤである。
0.05< Y60 /H ≦0.1
0.1< Y75 /H ≦0.2
0.2< Y90 /H ≦0.4
0.4< Y100 /H ≦0.7
(ここで、Y60、Y75、Y90及びY100 は、前記交点(CP)からタイヤ軸方向にタイヤ最大幅の半幅(SW/2)の60%、75%、90%及び100%のタイヤ軸方向距離をそれぞれ隔てるタイヤ外面上の各点P60、P75、P90及びP100 と、前記交点(CP)とのタイヤ半径方向の各距離、Hはタイヤ断面高さである。)
本発明のランフラットタイヤは、サイド補強ゴム層とカーカスとの間かつサイド外側領域に、ラジアル方向に対して0〜45度の角度で並列されたスチールコードを有する少なくとも1枚の補強プライからなる補強コード層が設けられる。ランフラット走行時には、前記サイド外側領域が最も大きな曲げ変形をなすので、該サイド外側領域にスチールコードからなる補強コード層を設けることによって前記曲げ変形を効果的に抑制し、ひいてはランフラット走行距離を増大させ得る。また、補強コード層は、前記サイド外側領域からはみ出すことなく設けられるため、通常走行時における乗り心地の悪化を最小限に抑制しうる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には本実施形態のランフラットタイヤ1の正規状態における断面図、図2には内圧を零としかつ正規荷重を負荷したその断面図、図3には図1の部分拡大図がそれぞれ示されている。なお特に言及が無い場合、タイヤ各部の寸法などは、前記正規状態での値とする。
ここで「正規状態」とは、タイヤの姿勢を一義的に定めるもので、正規リムJにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷の状態とする。また「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"とする。
さらに「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には一律に180kPaとする。さらに「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"とする。
ランフラットタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5で折り返されて係止された少なくとも1枚のカーカスプライ6Aを有するカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配置されたベルト層7と、前記ビードコア5のタイヤ半径方向の外側面から外側に先細状でのびるビードエーペックス8と、前記カーカス6の内側のサイドウォール領域に配された断面略三日月状をなすサイド補強ゴム層9とを含む乗用車用のラジアルタイヤが例示される。なおサイド補強ゴム層9のタイヤ軸方向内側には、空気を透過しにくいゴムからなるインナーライナゴム15が配されている。
前記カーカス6は、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。該カーカスプライ6Aは、カーカスコードをトッピングゴムにて被覆して形成される。前記カーカスコードとしては、ナイロン、ポリエステル、レーヨン又は芳香族ポリアミドなどの有機繊維が好適に用いられ、本実施形態ではポリエステルコードが採用される。本実施形態において、カーカスコードは、タイヤ赤道Cに対して75〜90度、より好ましくは90度の角度で傾けて配列される。
前記カーカスプライ6Aは、一対のビードコア5、5(図では一方のみを表示)間をトロイド状に跨る本体部6aと、この本体部6aの両端に連なりかつ前記ビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返されかつ前記ビードエーペックス8のタイヤ軸方向外側面に沿ってのびる折返し部6bとを含む。この例では、折返し部6bの外端6beが、ベルト層7のタイヤ軸方向の外端7eをタイヤ軸方向内側に超えた位置で終端するものが示されている。
このようなカーカスプライ6Aは、少ない枚数でサイドウォール部3を効果的に補強しうる。また、耐久性の低い折返し部6bの外端6beは、ランフラット走行中の撓みが大きいサイドウォール部3から遠ざけられ、歪の小さいベルト層7とカーカスプライの本体部6aとの間へ位置する結果、該外端6beを起点としたセパレーション等の損傷が抑制され、ランフラット耐久性が高められる。このような観点より、折返し部6bとベルト層7とが重なるタイヤ軸方向長さEWは、例えば5mm以上、好ましくは10mm以上、より好ましくは15〜25mmとするのが望ましい。なおカーカス6は、複数枚のカーカスプライ6Aで構成されても良いのは言うまでもない。
前記ビードエーペックス8は、ビードコア5の外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびており、例えばJISA硬さで65〜95度、より好ましくは70〜95度程度の硬質ゴムにより形成されるのが望ましい。これにより、ビード部4の曲げ剛性が高められ、タイヤ1の縦撓みが抑制される。なお、本明細書において、JISA硬さは、JIS−K6253に基づくデュロメータータイプAによる硬さを意味する。
ビードエーペックス8のビードベースラインBLからの高さhaは、特に限定されるものではないが、小さすぎるとランフラット走行時の耐久性が低下しやすく、逆に大きすぎてもタイヤ質量の過度の増加や著しい乗り心地の悪化を招くおそれがある。このような観点より、ビードエーペックス8の前記高さhaは、タイヤ断面高さHの10〜45%、より好ましくは25〜40%程度が望ましい。
前記ベルト層7は、例えばスチールからなるベルトコードをタイヤ赤道Cに対して例えば10〜35゜程度で傾けて配列した2枚のベルトプライ7A、7Bから構成されている。ベルトプライ7A、7Bは、前記ベルトコードが互いに交差するように重ね合わされ、カーカス6を強くタガ締めしトレッド部2の剛性を高め得る。前記ベルトコードは、スチール材料以外にも、アラミド、レーヨン等の高弾性の有機繊維材料を必要に応じて用いることができる。なお、本実施形態では、ベルト層7のタイヤ半径方向外側に、有機繊維コードをタイヤ周方向に沿って配列したバンドプライからなるバンド層12が設けられる。これにより、ベルト層7のリフティングなどが効果的に抑制される。
また本実施形態のランフラットタイヤ1は、ビード部4に、リムJのリムフランジJFのタイヤ半径方向外側を覆うように突出しかつタイヤ周方向に連続してのびるリムプロテクタ11が設けられる。該リムプロテクタ11は、図2に示されるように、ランフラット走行時のビード部4の変形により、リムフランジJFの外周面と広範囲でかつこれを覆うように密に接触する。これにより、ランフラット走行時のタイヤの縦たわみ量を効果的に抑制し、耐久性を向上させ得る。
前記サイド補強ゴム層9は、前記カーカス6の内側に配されている。サイド補強ゴム層9は、厚肉の中央部分9aからタイヤ半径方向の内端9i及び外端9oに向かってそれぞれ厚さが徐々に減じられた全体として断面略三日月状で形成される。前記内端9iは、ビードエーペックス8の外端8Tよりもタイヤ半径方向内側かつビードコア5よりもタイヤ半径方向外側に位置するのが好ましい。またサイド補強ゴム層9の外端9oは、トレッド部2の内腔側に至ってのびており、ベルト層7の外端7eよりもタイヤ軸方向内側の位置で終端する好ましい態様が例示されている。このようなサイド補強ゴム層9は、サイドウォール部3の全領域でタイヤの剛性を補強することができ、より効果的にランフラット走行時の縦撓み量を抑制するのに役立つ。
サイド補強ゴム層9において、前記内端9i、外端9o間のタイヤ半径方向の配設長さL(図1に示す)は特に限定されないが、該配設長さLが小さすぎると、ランフラット走行時において、図2に示されるような滑らかなサイドウォール部3の湾曲状態が得られ難い。逆に前記配設長さLが大きすぎると、内圧が適切に満たされている通常走行時において乗り心地が著しく悪化する他、リム組み性能も悪化する傾向がある。このような観点より、サイド補強ゴム層9の前記配設長さLは、好ましくはタイヤ断面高さHの35〜70%、より好ましくは40〜65%程度が望ましい。
ランフラット走行時におけるタイヤの縦撓みを抑えるために、サイド補強ゴム層9のJISA硬さは、好ましくは65度以上、より好ましくは70度以上、さらに好ましくは74度以上が望ましい。他方、サイド補強ゴム層9のJISA硬さが大きすぎると、タイヤの縦バネが大きくなり、通常走行時の乗り心地を著しく悪化させる傾向があるので、好ましくは99度以下、より好ましくは90度以下が望ましい。
サイド補強ゴム層9に用いられるゴムポリマーとしては、例えばジエン系ゴム、より具体的には天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム又はアクリロニトリルブタジエンゴムが好適であり、これらの1種又は2種以上をブレンドして用い得る。特に好ましくは、ランフラット走行時の発熱を抑えるために低発熱性のゴムが好適である。具体的には、損失正接tanδが0.03〜0.08、より好ましくは0.03〜0.06のゴム組成物が好適である。なお損失正接は、粘弾性スペクトロメータを用いて、測定温度70℃、周波数10Hz、初期伸長歪10%、片振幅1%にて測定される値である。
また、サイド補強ゴム層9の最大厚さt(図3に示す)は、特に限定されないが、小さすぎると、ランフラット走行時におけるサイドウォール部の撓みが大きくなり、ランフラット耐久性能が低下するおそれがある。逆に、前記最大厚さtが大きすぎると、タイヤ質量の増加や通常走行時の乗り心地の悪化を招くおそれがある。このような観点より、サイド補強ゴム層9の最大厚さtは、好ましくは8〜10mmが望ましい。なお前記最大厚さtは、サイド補強ゴム層9の厚さの中心線Vに対して直角方向に測定される厚さのうち最も大きい厚さとする。
またサイド補強ゴム層9とカーカス6との間には、補強コード層10が設けられる。図4は、補強コード層10をそのタイヤ軸方向外側から見た透視図を示し、該補強コード層10は、ラジアル方向RLに対して0〜45゜の角度θで並列された複数本のスチールコード13を有する少なくとも1枚、本実施形態では1枚の補強プライ10Aによって構成される。
図2に示されるように、ランフラット走行時、サイドウォール部3は大きく撓む。これにより、サイド補強ゴム層9のタイヤ軸方向の内側面9Aには圧縮応力が、また外側面9Bには引張応力がそれぞれ作用する。他方、サイド補強ゴム層9の外側面9Bに添設されている補強コード層10のスチールコードは、ゴムや有機繊維コードに比べると、非常に大きな引張弾性率を有するため、サイド補強ゴム層9の外側面9Bと一体となって該外側面9Bないしその近傍の引張強度を効果的に向上させ、その伸びを抑制しうる。これにより、サイド補強ゴム層9の内側面9Aに作用する圧縮歪が軽減され、タイヤの縦撓み及び発熱を抑えることで、ランフラット性能を向上させ得る。なお、補強プライ10Aのコードが有機繊維コードの場合には、スチールコードに比べると引張弾性率が小さいため、上記作用効果を十分に期待することができない。
また、補強プライ10Aのスチールコード13は、ラジアル方向RLに対して0〜45゜の角度θで配されることが必要である。発明者らの種々の実験の結果、前記角度θが45゜を超えると、前記スチールコード13がタイヤ周方向に近づくため、半径方向の補強効果が低下する他、成型時のシェーピング工程において、サイドウォール部におけるカーカスコードの目開きなどを妨げ生タイヤの成形が困難になる。このような観点より、前記角度θは、好ましくは0〜30゜が望ましい。なお、前記ラジアル方向とは、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面の切り口の方向を意味し、また、前記角度θは、前記補強コード層10の半径方向長さの中間位置で測定されるものとする。
前記スチールコード13の線径dは、好ましくは0.54mm以上、より好ましくは0.70mm以上が望ましく、また上限に関しては、好ましくは1.20mm以下、より好ましくは1.10mm以下、さらに好ましくは0.85mm以下が望ましい。スチールコード13の線径dが0.54mm未満の場合、コード剛性が低下し、ひいてはサイド補強ゴム層9への補強効果が低下するおそれがある。逆にスチールコード13の線径dが0.78mmを超える場合、コード剛性が過度に上昇し通常走行時の乗り心地を悪化させるおそれがある他、タイヤ質量を増加させる傾向がある。
また、前記スチールコード13は、複数のフィラメントを撚り合わせたマルチフィラメントコードでも良いし、1本のフィラメントからなるモノフィラメントコードでも良い。特に好ましくは、マルチフィラメントコードであり、とりわけ2+2×0.25、2+7×0.22又は3×0.20+6×0.35といったコード構成が望ましい。
また、補強プライ10Aにおけるスチールコード13の打ち込み本数は、そのプライ幅5cm当たり、好ましくは20本以上、より好ましくは30本以上が望ましい。前記打ち込み本数が、20本/5cm未満になると、サイド補強ゴム層9への補強効果が十分に得られない傾向がある。他方、前記打ち込み本数が多すぎると、タイヤ質量の増加や通常走行時の乗り心地の悪化を招くおそれがある。このような観点より、スチールコードの打ち込み本数は、プライ幅5cm当たり、好ましくは50本以下、より好ましくは45本以下が望ましい。
また、図3に示されるように、補強コード層10は、タイヤ最大幅位置Mとベルト層7の外端7eとで挟まれるサイド外側領域Saを、該領域Saからはみ出すことなく半径方向にのびるように設けられる。即ち、補強コード層10のタイヤ半径方向の内端10iは、タイヤ最大幅位置Mと同じ位置か又はこれよりも半径方向外側に設けられる。同様に、補強コード層10のタイヤ半径方向の外端10oは、ベルト層7の外端7eと同じ位置か又はそれよりも半径方向内側に設けられる。好ましい態様として、サイド外側領域Saの曲げ変形をより効果的に抑制するために、補強コード層10は、前記サイド外側領域Saの80%以上、より好ましくは90%以上に亘って配されているのが特に望ましい。
ここで、前記タイヤ最大幅位置Mは、正規状態において、サイドウォール部3の外面に設けられたリムプロテクタ11、文字及び模様を除いて最もタイヤ軸方向外側にはみ出した位置とし、該位置は、通常、カーカスプライ6Aの本体部6aの最もタイヤ軸方向外側に張り出した位置mと同じ高さに設けられる。
また、前記サイド外側領域Saは、図3に示されるように、タイヤ最大幅位置Mを通りかつタイヤ外面と垂直な直線N1と、ベルト層7の外端7eを通りかつタイヤ外面と垂直な直線N2とで挟まれる両端を含む領域とする。
発明者らは、ランフラット走行中のタイヤを解析したところ、前記サイド外側領域Saに最も大きな曲げモーメントが作用し、その曲げ変形によってタイヤ内腔面側からのゴムの圧縮破壊が進行することを知見した。そこで、本発明では、このサイド外側領域Saにスチールコード13を有する補強コード層10を設けることにより、サイド補強ゴム層9を大型化することなく効率良く前記曲げ変形を抑制する。
一方、補強コード層10は、前記サイド外側領域Saからはみ出すことなく設けられるため、タイヤ質量の増加や通常走行時の乗り心地の悪化を抑制できる。特に、タイヤ最大幅位置Mよりもタイヤ半径方向内側のサイド内側領域Sbには、補強コード層10のスチールコード13が配されていないため、該領域にて走行中の振動を効果的に吸収させ、乗り心地の悪化を防止することができる。同様に、補強コード層の外端10oをベルト層7の外端までに止めることにより、タイヤ質量の増加や乗り心地の悪化を抑制しうる。
また、本実施形態のランフラットタイヤ1は、図6(正規状態)に示されるようなタイヤ外面のプロファイル(輪郭線)TLを有する。該プロファイルTLはトレッド部2の溝がないと仮定して特定される。前記正規無負荷状態において、該プロファイルTLは、タイヤ外面とタイヤ赤道Cとの交点CPからタイヤ最大幅SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面上の点をPとするとき、前記交点CPから前記点Pまでの区間においてタイヤ外面の曲率半径RCがタイヤ軸方向外側に向かって徐々に減少するとともに、次の関係を満足する。
0.05< Y60 /H ≦0.1
0.1< Y75 /H ≦0.2
0.2< Y90 /H ≦0.4
0.4< Y100 /H ≦0.7
ここで、Y60、Y75、Y90及びY100 は、タイヤ赤道Cからタイヤ軸方向にタイヤ最大幅の半幅(SW/2)の60%、75%、90%及び100%のタイヤ軸方向距離をそれぞれ隔てるタイヤ外面上の各点P60、P75、P90及びP100 と、前記交点CPとのタイヤ半径方向の各距離である。また、前記”H”はタイヤ断面高さである。
また、RY60=Y60/H
RY75=Y75/H
RY90=Y90/H
RY100 =Y100 /H
とすると、上記関係を満足する範囲は図7にグラフとして示される。これらから明らかなように、前記関係を満足するタイヤ外面のプロファイルTLは非常に丸くなる。このため、本プロファイルTLを有するタイヤの接地形状は、接地幅が小さく、また接地長さが大きくなる。これは、走行中のタイヤノイズを減らし、かつ、ハイドロプレーニング性能を向上するのに役立つ。
また、本プロファイルTLは、トレッド部2において撓みやすい領域を増大させる反面、サイドウォール部3の領域を短くする。このため、該プロファイルを具えたランフラットタイヤ1は、タイヤを大幅に軽量化しうる。従って、慣例的なトレッドプロファイルを有するランフラットタイヤに比べ、実質的なタイヤ質量の増加が抑制される。なお、前記曲率半径RCは、好ましくは本実施形態のように連続的に減少するものが望ましいが、段階的に減少させることもできる。さらに、該プロファイルTLは、タイヤの縦バネを減少させるので、通常走行時の乗り心地に優れる。
以上説明したように、本実施形態のランフラットタイヤ1は、サイド補強ゴム層9とカーカス6との間かつサイド外側領域Saにスチールコードからなる補強コード層10を設けたことにより、通常走行時の乗り心地を悪化させることなくランフラット走行性能を向上しうる。また、サイド補強ゴム層9の薄肉化をも可能としタイヤ質量の軽減にも寄与しうる。なお、上記実施形態では、乗用車用のタイヤを例に挙げて説明したが、本発明はこのような実施態様に限定されるものではなく、他のカテゴリのタイヤについても適用できるのは言うまでもない。また、必要に応じて、補強コード層10を複数枚のスチールコードプライで形成しうるのは言うまでもない。
本発明の効果を確認するために、表1の仕様に基づきサイズ245/40R18のランフラットタイヤを複数種類試作し、ランフラット耐久性能、乗り心地、一般耐久性及びタイヤ質量を評価した。なお表1に示されるパラメータ以外は同一である。
また、実施例のタイヤには、以下の仕様を持っている2種類のタイヤ外面プロファイルA、Bが採用された。
プロファイルA:
RY60=0.06
RY75=0.08
RY90=0.19
RY100=0.57
プロファイルB:
RY60=0.09
RY75=0.14
RY90=0.37
RY100=0.57
テスト方法は、次の通りである。
<ランフラット耐久性能>
各テストタイヤをバルブコアを取り去った正規リム(18×8JJ)にリム組し内圧零の状態でドラム試験機上を速度90km/hかつ縦荷重5.74kNで走行させ、タイヤが破壊するまでの走行時間を測定した。結果は比較例1を100とする指数により表示した。数値が大きいほど良好である。
<乗り心地>
各テストタイヤを18×8JJのリムに組み付け内圧230kPaを満たして排気量3000cm3 の国産FR車の4輪に装着するとともに、ドライバー1名乗車の下、ドライアスファルト路面の段差路、ベルジャン路(石畳の路面)、ビッツマン路(小石を敷き詰めた路面)等において、ゴツゴツ感、突き上げ、ダンピングに関して官能評価を行い、比較例1を100とする指数で表示しており、数値が大きいほど良好である。
<一般耐久性>
各テストタイヤを、上記正規リムにリム組みし、内圧200kPa、縦荷重6.8KN及び速度60km/Hでテストドラム上を走行させ、タイヤが破壊するまでの走行時間を調べた。結果は比較例1を100とする指数により表示した。数値が大きいほど良好である。
<タイヤ質量>
タイヤ1本当たりの質量を測定し、比較例1を100とする指数で表示した。数値が大きいほど軽量であることを示す。テストの結果等を表1に示す。
Figure 2008062716
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例に比べて、通常走行時の乗り心地を大幅に損ねることなくランフラット耐久性能を向上していることが確認できた。
本発明の実施形態を示すランフラットタイヤの断面図である。 そのランフラット状態の断面図である。 図1のビード部を拡大して示す部分断面図である。 側面から見た補強コード層の透視図である。 図4のB−B断面図である。 タイヤ外面のプロファイルを示す線図である。 タイヤ外面の各位置におけるRYiの範囲を示す線図である。
符号の説明
1 ランフラットタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
7e ベルト層の外端
9 サイド補強ゴム層
10 補強コード層
10A 補強プライ
13 スチールコード
Sa サイド外側領域

Claims (4)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアで折り返されて係止された少なくとも1枚のカーカスプライを有するカーカスと、
    該カーカスの半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層と、
    前記カーカスの内側かつサイドウォール領域に配された断面略三日月状をなすサイド補強ゴム層とを具えたランフラットタイヤであって、
    前記サイド補強ゴム層と前記カーカスとの間に、ラジアル方向に対して0〜45度の角度で並列されたスチールコードを有する少なくとも1枚の補強プライからなる補強コード層が配され、かつ
    該補強コード層は、タイヤ最大幅位置と前記ベルト層の外端とで挟まれるサイド外側領域を、該領域からはみ出すことなく半径方向にのびていることを特徴とするランフラットタイヤ。
  2. 前記スチールコードの線径が0.54〜0.78mmである請求項1記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記サイド補強ゴム層は、最大厚さが8〜10mmである請求項1又は2記載のランフラットタイヤ。
  4. 正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷である正規無負荷状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、
    タイヤ外面のプロファイルは、前記タイヤ外面とタイヤ赤道(C)との交点(CP)からタイヤ最大幅(SW)の45%の距離(SP)を隔てるタイヤ外面上の点を(P)とするとき、前記交点(CP)から前記点(P)までの区間においてタイヤ外面の曲率半径(RC)は徐々に減少するとともに、
    次の関係を満足する請求項1乃至3のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
    0.05< Y60 /H ≦0.1
    0.1< Y75 /H ≦0.2
    0.2< Y90 /H ≦0.4
    0.4< Y100 /H ≦0.7
    (ここで、Y60、Y75、Y90及びY100 は、前記交点(CP)からタイヤ軸方向にタイヤ最大幅の半幅(SW/2)の60%、75%、90%及び100%のタイヤ軸方向距離をそれぞれ隔てるタイヤ外面上の各点P60、P75、P90及びP100 と、前記交点(CP)とのタイヤ半径方向の各距離、Hはタイヤ断面高さである。)
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