JP2008061113A - 音響装置及び音量感補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
音場空間における音量感を適切に補正する。
【解決手段】
アタック抽出部230が、メイン音出力ユニット130Mから出力される音のアタック部分であるアタック音データATDを生成する。次に、遅延部240が、メイン音出力ユニット130Mの音出力位置、サブ音出力ユニット130Sの音出力位置及び音量感補正の着目位置の位置関係により定まる音出力タイミングでサブ音出力ユニット130Sからアタック部分の音が出力されるように信号遅延が施された遅延音データDADを生成する。そして、レベル調整部220Sが、騒音レベル検出部250の検出結果DNLを考慮して、遅延音データDADの音量レベルを調整し、サブ出力音データSADを生成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、音響装置及び音量感補正方法に関する。
従来から、車両等の移動体には様々な電装品が搭載され、利用者の利用に供されている。こうした電装品の一つとして、車に搭載される音響装置であるカーオーディオ装置がある。かかるカーオーディオ装置では、あらかじめ定められた位置に配置されたスピーカから車内空間に音楽等の再生音を出力するようになっている。そして、スピーカから出力された音を、車内の聴取者が聴取するようになっている。
ところで、車の走行時にはエンジン音、風切り音等の走行騒音が発生し、車内における再生音の聴取環境が悪化する。かかる走行騒音は、エンジンの回転数、路面の状態、窓の開閉の状態等によって変化する。
こうした走行騒音に対応し、聴取者に対して少しでも良好な聴取環境を提供するために、車内の騒音(以下、「ノイズ音」ともいう)レベル又は騒音レベルに対応する量を測定し、その測定結果に基づいてスピーカからの出力音量を調整する技術が提案されている(特許文献1,2等参照:以下、「従来例」という)。こうした従来例の技術では、騒音レベルが高くなる程、スピーカからの出力音量を大きくするようになっている。
特開昭57−41014号公報 特開平7−94985号公報
上述したように、従来例では、騒音レベルが高くなる程、スピーカからの出力音量を大きくする制御を行う。かかる制御においては、騒音レベルは車内では位置によって大きな変化はないが、スピーカから出力された音の音圧はスピーカからの距離が大きくなる程小さくなるので、スピーカから離れた位置にいる聴取者にとって適切な音量感となるようにスピーカからの出力音量を調節すると、スピーカに近い位置にいる聴取者にとっては、過大な音量となってしまう。一方、スピーカに近い位置にいる聴取者にとって適切な音量感となるようにスピーカからの出力音量を調節すると、スピーカから遠い位置にいる聴取者にとっては、過小な音量となってしまう。
このため、騒音レベルに対応して、スピーカから遠い位置の聴取者及びスピーカに近い位置の聴取者の双方にとっての音量感を適切に補正することが待望されている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、適切に音量感を補正することができる音響装置及び音量感補正方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、所定空間へ向けて音を出力するメイン音出力手段と;前記メイン音出力手段から出力される音のアタック部分を抽出するアタック抽出手段と;前記メイン音出力手段の音出力位置よりも前記所定空間内の特定位置に近い位置に音出力位置が設定され、前記特定位置へ向けて音を出力するサブ音出力手段と;前記特定位置におけるノイズレベルを測定するノイズ測定手段と;前記メイン音出力手段の音出力位置、前記サブ音出力手段の音出力位置及び前記特定位置の位置関係により定まる音出力タイミング、並びに、前記位置関係及び前記ノイズ測定手段による測定結果により定まる音量で、前記アタック部分の音の前記サブ音出力手段からの出力を制御する音量感補正手段と;を備えることを特徴とする音響装置である。
請求項7に記載の発明は、メイン音出力手段から所定空間へ向けて音を出力するメイン音出力工程と;前記メイン音出力手段から出力される音のアタック部分を抽出するアタック抽出工程と;前記所定空間内の特定位置におけるノイズレベルを測定するノイズ測定手段と;前記メイン音出力手段の音出力位置よりも前記所定空間内の特定位置に近い位置に音出力位置が設定され、前記特定位置へ向けて音を出力するサブ音出力手段の音出力位置、前記メイン音出力手段の音出力位置及び特定位置の位置関係により定まる音出力タイミング、並びに、前記位置関係及び前記ノイズ測定手段による測定結果により定まる音量で、前記アタック部分の音を前記サブ音出力手段から出力するアタック音出力工程と;を備える音量感補正方法である。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の音量感補正方法を、演算手段に実行させる、ことを特徴とする音量感補正プログラムである。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の音量感補正プログラムが、演算手段により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図6を参照して説明する。なお、以下の説明において、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[構成]
図1には、一実施形態に係る音響装置100の構成がブロック図にて示されている。この音響装置100は、車両CAR(図2参照)に搭載される音響装置であり、図1に示されるように、制御ユニット110と、記憶装置120とを備えている。また、音響装置100は、メイン音出力手段としてのメイン音出力ユニット130Mと、サブ音出力手段としてのサブ音出力ユニット130Sと、ノイズ測定手段の一部としての集音ユニット140とを備えている。さらに、音響装置100は、表示ユニット150と、操作入力ユニット160とを備えている。
なお、制御ユニット110以外の要素120〜170は、制御ユニット110に接続されている。
記憶装置120は、固定ディスク装置、DVD(Digital Versatile Disk)が挿入されたDVDドライブ装置等から構成されている。この記憶装置120には、楽曲等が圧縮された形式の音データ(以下、「音コンテンツデータ」と呼ぶ)1211,1212,…をはじめとして、音響装置100の動作のために必要な様々なデータが記憶される。制御ユニット110は、記憶装置120の記憶領域にアクセス可能であり、当該記憶領域へデータを書き込んだり、当該記憶領域からのデータを読み取ったりすることができるようになっている。
メイン音出力ユニット130Mは、(i)制御ユニット110から受信したデジタル音声データをアナログ信号に変換するDA変換器(Digital to Analog Converter)と、(ii)当該DA変換器から出力されたアナログ信号を増幅する増幅器と、(iii)増幅されたアナログ信号を音声に変換するスピーカ131Mとを備えて構成されている。このメイン音出力ユニット130Mは、制御ユニット110による制御のもとで、案内用音声、音楽等を再生して出力する。
サブ音出力ユニット130Sは、上記のメイン音出力ユニット130Mとほぼ同様に構成されている。すなわち、サブ音出力ユニット130Sは、(i)制御ユニット110から受信したデジタル音声データをアナログ信号に変換するDA変換器(Digital to Analog Converter)と、(ii)当該DA変換器から出力されたアナログ信号を増幅する増幅器と、(iii)増幅されたアナログ信号を音声に変換するスピーカ131Sとを備えて構成されている。このサブ音出力ユニット130Sは、制御ユニット110による制御のもとで、案内用音声、音楽等を再生して出力する。
なお、本実施形態では、図2に示されるように、メイン音出力ユニット130Mのスピーカ131Mは、車両CARの後部座席の後方における左側に配置されるとともに、サブ音出力ユニット130Sのスピーカ131Sは、運転席の背もたれの左側上部に配置されている。ここで、スピーカ131Sは、車内の音場空間ASPにおける着目位置である運転手席に着座した聴取者LSNの左耳の位置(以下、「特定位置」ともいう)Pとスピーカ131Mとを結ぶ線分上にほぼ位置するように設定されている。なお、スピーカ131Sと特定位置Pとの間の距離は、スピーカ131Mと特定位置Pとの間の距離の1/2以下であるとの条件が満たされることが望ましい。本実施形態では、この条件が満たされるようになっている。
図1に戻り、集音ユニット140は、(i)周囲の音を収集して電気的なアナログ音声信号とするマイクロフォン、(ii)マイクロフォンから出力されたアナログ音声信号を増幅する増幅器、(iii)増幅されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換するAD変換器(Analog to Digital Converter)とを備えて構成されている。ここで、マイクロフォンは、特定位置Pの近傍に配置されている。集音ユニット140による集音結果は制御ユニット110に報告される。
表示ユニット150は、(i)液晶表示パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)等の表示デバイスと、(ii)制御ユニット110から送出された表示制御データに基づいて、表示ユニット150全体の制御を行うグラフィックレンダラ等の表示コントローラと、(iii)表示画像データを記憶する表示画像メモリ等を備えて構成されている。この表示ユニット150は、制御ユニット110による制御のもとで、操作ガイダンス情報等を表示する。
操作入力ユニット160は、音響装置100の本体部に設けられたキー部、あるいはキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、表示ユニット150の表示デバイスに設けられたタッチパネルを用いることができる。なお、キー部を有する構成に代えて、音声入力する構成を採用することもできる。
この操作入力ユニット160を利用者が操作することにより、音響装置100の動作内容の設定が行われる。例えば、再生楽曲の設定、楽曲の検索設定等を、利用者が操作入力ユニット160を利用して行う。こうした入力内容は、操作入力ユニット160から制御ユニット110へ送られる。
制御ユニット110は、音響装置100の全体を統括制御する。この制御ユニット110は、図3に示されるように、デジタル音データ生成部210と、レベル調整部220Mとを備えている。また、制御ユニット110は、アタック抽出手段としてのアタック抽出部230と、音量感補正手段の一部としての遅延部240と、音量感補正手段の一部としてのレベル調整部220Sとを備えている。さらに、制御ユニット110は、ノイズ測定手段の一部としての騒音レベル検出部250とを備えている。
デジタル音データ生成部210は、再生すべき音コンテンツの指定入力がなされたことが操作入力ユニット160から報告されると、当該再生すべき音コンテンツに対応する音コンテンツデータ121j(j=1,2,…)を記憶装置120からデータACDとして読み出して展開し、デジタル音データADDを生成する。こうして生成されたデジタル音データADDの時間的変化の例が図4(A)に示されている。デジタル音データ生成部210は、生成されたデジタル音データADDをレベル調整部220M及びアタック抽出部230へ送る。
レベル調整部220Mは、デジタル音データ生成部210から受けたデジタル音データADDの音量レベルを増幅又は減衰させて、メイン出力音データMADを生成する。かかる増幅又は減衰の増幅率又は減衰率は、騒音レベル検出部250からの検出結果DNLに従って、レベル調整部220Mにおいて定められる。
レベル調整部220Mは、生成されたメイン出力音データMADをメイン音出力ユニット130Mへ送る。この結果、音コンテンツデータ121jとして記憶装置120に記憶されている音コンテンツが再生されて、メイン音出力ユニット130Mのスピーカ131Mから音場空間ASPへ向けて出力される。
本実施形態においては、騒音レベル検出部250からの検出結果DNLが騒音無しであった場合には、特定位置P及び後部座席付近において適切な音量感となる音量でスピーカ131Mからの音出力がなされるように、レベル調整部220Mが音量レベルを調整する。そして、騒音レベル検出部250からの検出結果DNLにおける騒音レベルが高くになるにつれ、後部座席付近における音量感が適切となるように、レベル調整部220Mが音量レベルを調整するようになっている。なお、レベル調整部220Mにおけるレベル調整の態様は、事前の実験、事前のシミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
アタック抽出部230は、デジタル音データ生成部210から受けたデジタル音データADDのアタック部分を抽出する。このアタック抽出部230は、コンプレス部231とゲート部232とを備えている。
コンプレス部231は、閾値LTCを基準値として、デジタル音データADDを圧縮して、圧縮音データCPDを生成する。かかる圧縮の態様は、事前の実験、事前のシミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
なお、本実施形態では、基準値の差(符号付の差)に対応して、どのような圧縮をするのかを指定するテーブルがコンプレス部231に内蔵されるようになっている。そして、コンプレス部231では、当該テーブルを参照して、デジタル音データADDの各時点における音量レベルの値を変換する。こうして生成された圧縮信号CPDの例が、図4(B)に示されている。
図3に戻り、ゲート部232は、圧縮音データCPDの音量レベルが、閾値LTGの下方から当該閾値LTGの上方へ変化したこと、すなわち、音量レベルが閾値LTGを超えて立ち上がったことを検出する。こうした検出がなされると、ゲート部232は、閾値LTGを超えて立ち上がった場合における立ち上がり時点から所定時間TGが経過するまでの圧縮音データCPDを抽出して、アタック部データATDを生成する。こうして生成されたアタック部データATDの例が、図4(C)に示されている。なお、所定時間TGは、事前の実験、事前のシミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
図3に戻り、以上のコンプレス部231及びゲート部232の機能により、アタック抽出部230は、デジタル音データADDに基づいて、当該デジタル音データADDのアタック部分の抽出結果として、アタック部データATDを生成する。そして、アタック抽出部230は、生成されたアタック部データATDを遅延部240へ送る。
遅延部240は、アタック抽出部230からアタック部データATDを受け、予め定められた遅延時間TDだけ遅延させて、遅延音データDADを生成する。かかる遅延音データDADの図5(A)に再掲されるアタック部データATDに対する遅延の例が、図5(B)に示されている。
ここで、遅延時間TDは、メイン音出力ユニット130Mのスピーカ131Mから出力された音が特定位置Pに到達する時刻よりも、サブ音出力ユニット130Sのスピーカ131Sから出力された音が特定位置Pに到達する時刻が僅かに遅くなるように、予め定められる。すなわち、遅延時間TDは、メイン音出力ユニット130Mのスピーカ131Mから特定位置Pまでの距離と、サブ音出力ユニット130Sのスピーカ131Sから特定位置Pまでの距離との差、及び、音場空間ASP内で音聴取中において想定される最低温度に基づいて、予め設計段階で定められる。かかる遅延時間TDの情報は、遅延部240に組み込まれている。
レベル調整部220Sは、遅延部240から受けた遅延音データDADの音量レベルを増幅又は減衰させて、サブ出力音データSADを生成する。かかる増幅又は減衰の増幅率又は減衰率は、メイン音出力ユニット130Mのスピーカ131Mから特定位置Pまでの距離と、サブ音出力ユニット130Sのスピーカ131Sから特定位置Pまでの距離と、騒音レベル検出部250からの検出結果DNLに従って、レベル調整部220Sにおいて定められる。なお、レベル調整部220Sは、特定位置Pにおけるスピーカ131Sから出力された音の音量が、特定位置Pにおけるスピーカ131Mから出力された音の音量を超えない範囲で、サブ出力音データSADの音量レベルを調整する。こうして生成されたサブ出力音データSADの例が、図5(C)に示されている。
レベル調整部220Sは、生成されたサブ出力音データSADをサブ音出力ユニット130Sへ送る。この結果、スピーカ131Mから出力された音のアタック部分の音が、騒音レベル検出部250による検出結果に応じた音量で、音出力ユニット130Sのスピーカ131Sから音場空間ASPへ向けて出力される。
騒音レベル検出部250は、集音ユニット140からの集音データAADに基づいて、特定位置Pの周辺の騒音レベルを検出する。なお、特定位置Pの周辺の騒音レベルと、音場空間ASP内の全般における騒音レベルとは相関があることから、特定位置Pの周辺の騒音レベルを検出することにより、音場空間ASP内の全般における騒音レベルを推定できる。かかる相関は、音場空間ASPを車内空間として有する車種によって異なるが、事前に実験、シミュレーションなどによって求められているものとする。
本実施形態では、騒音レベル検出部250は、メイン音出力ユニット130M又はサブ音出力ユニット130Sから出力される音には通常は含まれないか、含まれたとしてもパワーの小さな周波数帯域の音の集音データAADにおけるパワーに基づいて、特定位置Pの周辺の騒音レベルを検出するようになっている。騒音レベル検出部250による検出結果は、上述したように、検出結果DNLとして、レベル調整部220M,220Sへ送られる。
[動作]
次に、上記のように構成された音響装置100の動作について、主に音量感の補正処理に着目して説明する。
音響装置100では、通電が開始されると、集音ユニット140による集音動作と、騒音レベル検出部250による特定位置Pにおける騒音レベルの検出動作とが開始される。そして、当該検出動作は、通電期間にわたって継続される。
利用者が、操作入力ユニット160に再生すべき音コンテンツの指定を入力すると、操作入力ユニット160からその旨が制御ユニット110に報告される。この報告を受けた制御ユニット110では、まず、デジタル音データ生成部210が、指定された音コンテンツに対応する音コンテンツデータ121j(j=1,2,…)を記憶装置120からデータACDとして読み出す。
引き続き、デジタル音データ生成部210は、読み出された音コンテンツデータ121jを展開し、デジタル音データADD(図4(A)参照)を生成する。こうして生成されたデジタル音データADDは、デジタル音データ生成部210から、レベル調整部220M及びアタック抽出部230へ送られる。
デジタル音データ生成部210からのデジタル音データADDを受けたレベル調整部220Mは、騒音レベル検出部250からの検出結果DNLに従って、デジタル音データADDの音量レベルを増幅又は減衰させて、メイン出力音データMADを生成する。かかるメイン出力音データMADの生成に際し、レベル調整部220Mは、騒音レベル検出部250からの検出結果DNLが騒音無しであった場合には、特定位置P(図2参照)及び後部座席付近において適切な音量感となる音量でスピーカ131Mからの音出力がなされるように、メイン出力音データMADの音量レベルを調整する。そして、レベル調整部220Mは、騒音レベル検出部250からの検出結果DNLにおける騒音レベルが高くになるにつれ、主に後部座席付近における音量感が適切となる音量でスピーカ131Mからの音出力がなされるように、メイン出力音データMADの音量レベルを調整するようになっている。
上記のようにして生成されたメイン出力音データMADは、レベル調整部220Mからメイン音出力ユニット130Mへ送られる。メイン出力音データMADを受けたメイン音出力ユニット130Mは、メイン出力音データMADを再生して、スピーカ130Mから音場空間ASPへ向けて出力する。スピーカ131Mから出力された音は、音場空間ASP内を伝搬し、音場空間ASP内の聴取者により聴取される。こうして図4(A)を再掲する図6(A)に示されるデジタル音データADDのメイン音出力ユニット130Mによる再生結果の特定位置Pにおける音MNSの音量レベル変化の例が、図6(B)において破線にて示されている。
上記のようにして行われるメイン音出力部130Mの音再生の結果、後部座席付近における聴取者は、常にほぼ適切な音量感でスピーカ131Mから出力された音を聴取することができる。一方、特定位置Pにおいて聴取する聴取者は、騒音レベルが低いうちは、ほぼ適切な音量感でスピーカ131Mから出力された音を聴取することができるが、騒音レベルが高くなると、スピーカ131Mから出力された音のみでは音量不足を感じるようになる。
以上のレベル調整部220Mによるメイン出力音データMADの生成及びメイン音出力ユニット130Mによる音出力の動作と並行して、アタック抽出部230、遅延部240及びレベル調整部220Sにより、デジタル音データADDに基づくサブ音出力データSADの生成及びサブ音出力ユニット130Sによる音出力の動作が行われる。この動作においては、まず、デジタル音データ生成部210からのデジタル音データADDを受けたアタック抽出部230が、デジタル音データADDにおけるアタック部分の抽出を行う。
かかるアタック部分の抽出に際して、アタック抽出部230では、コンプレス部231が、デジタル音データADDの音量レベルの圧縮を行う。かかる音量レベルの圧縮は、上述したように、コンプレス部231が、内蔵された音量レベルの変換テーブルを参照して実行する。かかるコンプレス部231による圧縮により生成された圧縮音データCPD(図4(B)参照)は、コンプレス部231からゲート部232へ送られる。
圧縮音データCPDを受けたゲート部232は、圧縮音データCPDの音量レベルが閾値LTGを超えて立ち上がったか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合には、ゲート部232は、閾値LTGを超えて立ち上がった時点から所定時間TGが経過するまでの圧縮音データCPDを抽出して、アタック部データATD(図4(C)参照)を生成する。こうして生成されたアタック部データATDは、ゲート部232から、アタック抽出部230の出力として、遅延部240へ送られる。
アタック部データATDを受けた遅延部240は、アタック部データATDを遅延時間TDだけ遅延させて、遅延音データDAD(図5(B)参照)を生成する。こうして生成された遅延音データDADは、レベル調整部220Sへ送られる。なお、遅延時間TDは、上述にように定められているので、メイン音出力ユニット130Mのスピーカ131Mから出力された音が特定位置Pに到達する時刻よりも、スピーカ131Mから出力された音のアタック部分であるサブ音出力ユニット130Sのスピーカ131Sから出力される音は、特定位置Pに到達する時刻が僅かに遅くなるようになる。
遅延部240からの遅延音データDADを受けたレベル調整部220Sは、上述したように、騒音レベル検出部250からの検出結果DNLを考慮しつつ、特定位置Pにおけるスピーカ131Sから出力された音の音量が、特定位置Pにおけるスピーカ131Mから出力された音の音量を超えない範囲で、特定位置Pにおける聴取者の音量感を改善すべく音量レベルを調整して、サブ出力音データSAD(図5(C)参照)を生成する。こうして生成されたサブ出力音データSADは、レベル調整部220Sからサブ音出力部130Sへ送られる。
サブ出力音データSADを受けたサブ音出力ユニット130Sは、サブ出力音データSADを再生して、スピーカ130Sから音場空間ASPへ向けて出力する。スピーカ131Sから出力された音は、音場空間ASP内を伝搬し、音場空間ASP内の聴取者により聴取される。こうしてデジタル音データADDから生成されたサブ出力音データSADのサブ音出力ユニット130Sによる再生結果の特定位置Pにおける音SBSの音量変化の例が、図6(B)において実線にて示されている。
この結果、特定位置Pの聴取者は、メイン音出力ユニット130Mを出力源とする音MNS、及び、騒音下において音MNSによる音量感の不足を改善するためのサブ音出力ユニット130Sを出力源とする音SBSの双方を聴取することになる。
以上説明したように、本実施形態では、音場空間ASP内における騒音レベルにより不足する特定位置Pにおける音量感を補正するために、メインのスピーカ131Mよりも特定位置に近接されたサブのスピーカ131Sから、メインのスピーカ131Mから出力される音のアタック部分(アタック音)を出力する。このため、スピーカ131Sから出力される音による近接音圧迫を低減しつつ、特定位置Pにおける聴取者の音量感を改善することができる。
また、本実施形態では、サブのスピーカ131Sから出力されたアタック音の特定位置Pにおける音量が、メインのスピーカ131Mから出力された音の音量よりも小さくなるように、サブのスピーカ131Sから出力される音の音量レベルが調整される。このため、近接音圧迫を更に低減することができる。
また、本実施形態では、サブのスピーカ131Sが、メインのスピーカ131Mと特定位置Pとを結ぶ線分の近傍であって、特定位置Pからの距離がメインのスピーカ131Mと特定位置Pとの間の距離の1/2以下の位置に配置される。このため、サブのスピーカ131Sからアタック音が出力されない場合の特定位置Pにおける音出力方向に関する感覚が、サブのスピーカ131Sからアタック音が出力された場合も維持できる。
また、本実施形態では、サブのスピーカ131Sから出力されたアタック音が、メインのスピーカ131Mから出力された音よりも遅れて特定位置Pに到達するように、サブのスピーカ131Sからのアタック音の出力タイミングが調整される。このため、いわゆる先行音効果により、近接音圧迫が更に低減されるとともに、上記の音出力方向に関する感覚の維持にも貢献できる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の実施形態においては、メイン音出力ユニット130Mのスピーカ131Mは、車両CARの後部座席の後方における左側に配置されるとともに、サブ音出力ユニット130Sのスピーカ131Sは、運転席の背もたれの左側上部に配置されていたが、同様の距離条件を満たし、かつ、同様の処理を行うのであれば、他の位置に配設されていてもよい。
また、上記の実施形態においては、スピーカ131Mとスピーカ131Sは一対のみ配設されていたが、いわゆるステレオ構成のように複数の対で配設されていてもよい。
また、上記の実施形態においては、騒音レベル検出部250は、集音ユニット140からの集音データに基づいて特定位置Pの周辺の騒音レベルを検出したが、複数の位置にそれぞれ配設された複数の集音ユニットからの集音結果を基にして総合的に騒音レベルの検出を行ってもよい。
また、上記の実施形態においては、コンプレス部231は、内蔵された音量レベルの変換テーブルを参照してデジタル音データADDの音量レベルの圧縮を行ったが、予め定められた計算式に従って演算を行い、デジタル音データADDの音量レベルの圧縮を行ってもよい。
また、車両に搭載され、音響装置としても機能するナビゲーション装置等が、本実施形態の音響装置100の機能を有するようにしてもよい。
また、上記の実施形態においては、車両に搭載される音響装置に本発明を適用したが、車両以外の他の移動体に搭載される音響装置にも本発明を適用することもできるし、移動体に搭載されない音響装置にも本発明を適用することもできる。
なお、上記の実施形態における制御ユニット110を中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、読出専用メモリ(ROM:Read Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)等を備えた演算手段としてのコンピュータとして構成し、上記の実施形態における処理を、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体から読み出されて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配送の形態で取得されるようにしてもよい。
本発明の一実施形態に係る音響装置の構成を概略的に示すブロック図である。 図1のメイン音出力部のスピーカ及びサブ音出力部のスピーカの配置位置を説明するための図である。 図1の制御ユニットの構成を説明するためのブロック図である。 図2のアタック抽出部におけるアタック音抽出処理を説明するための図である。 図2の遅延部による遅延処理結果、及び、図3のレベル調整部(220S)による調整結果の例を示す図である。 特定位置における聴取される音量を説明するための図である。
符号の説明
100 … 音響装置
130M … メイン音出力ユニット(メイン音出力手段)
130S … サブ音出力ユニット(サブ音出力手段)
140 … 集音ユニット(ノイズ測定手段の一部)
220S … レベル調整部(音量感補正手段の一部)
230 … アタック抽出部(アタック抽出手段)
240 … 遅延部(音量感補正手段の一部)
250 … 騒音レベル検出部(ノイズ測定手段の一部)

Claims (9)

  1. 所定空間へ向けて音を出力するメイン音出力手段と;
    前記メイン音出力手段から出力される音のアタック部分を抽出するアタック抽出手段と;
    前記メイン音出力手段の音出力位置よりも前記所定空間内の特定位置に近い位置に音出力位置が設定され、前記特定位置へ向けて音を出力するサブ音出力手段と;
    前記特定位置におけるノイズレベルを測定するノイズ測定手段と;
    前記メイン音出力手段の音出力位置、前記サブ音出力手段の音出力位置及び前記特定位置の位置関係により定まる音出力タイミング、並びに、前記位置関係及び前記ノイズ測定手段による測定結果により定まる音量で、前記アタック部分の音の前記サブ音出力手段からの出力を制御する音量感補正手段と;を備えることを特徴とする音響装置。
  2. 前記サブ音出力手段の音出力位置は、前記メイン音出力手段の音出力位置と前記特定位置とを結ぶ線分の近傍に設定される、ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
  3. 前記サブ音出力手段の音出力位置と前記特定位置との距離は、前記メイン音出力手段の音出力位置と前記特定位置との距離の1/2以下である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の音響装置。
  4. 前記音量感補正手段は、前記サブ音出力手段から出力されたアタック部分の音であるサブアタック音が、当該サブアタック音に対応する前記メイン音出力手段から出力されたアタック部分の音であるメインアタック音よりも遅れて前記特定位置に到達するように、前記サブ音出力手段からの音出力を制御する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の音響装置。
  5. 前記音量感補正手段は、前記サブアタック音の前記特定位置における音量を、前記メインアタック音の前記特定位置における音量よりも小さくなるように、前記サブ音出力手段からの音出力を制御する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の音響装置。
  6. 移動体に搭載されるとともに、前記所定空間が前記移動体の内部空間である、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の音響装置。
  7. メイン音出力手段から所定空間へ向けて音を出力するメイン音出力工程と;
    前記メイン音出力手段から出力される音のアタック部分を抽出するアタック抽出工程と;
    前記所定空間内の特定位置におけるノイズレベルを測定するノイズ測定手段と;
    前記メイン音出力手段の音出力位置よりも前記所定空間内の特定位置に近い位置に音出力位置が設定され、前記特定位置へ向けて音を出力するサブ音出力手段の音出力位置、前記メイン音出力手段の音出力位置及び特定位置の位置関係により定まる音出力タイミング、並びに、前記位置関係及び前記ノイズ測定手段による測定結果により定まる音量で、前記アタック部分の音を前記サブ音出力手段から出力するアタック音出力工程と;を備える音量感補正方法。
  8. 請求項7に記載の音量感補正方法を、演算手段に実行させる、ことを特徴とする音量感補正プログラム。
  9. 請求項8に記載の音量感補正プログラムが、演算手段により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11557275B2 (en) * 2018-09-11 2023-01-17 Kawasaki Motors, Ltd. Voice system and voice output method of moving machine

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