JP2008058633A - 導電性ローラ、帯電ローラおよび導電性ローラの評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性軸体の外周面上に1層以上の被覆層が設けられた導電性ローラであって、回転させたときの外周面の振れが、軸線方向で50μm以下であり、ローラとほぼ並行においた測定基準棒とローラの被覆層表面との離間距離Eを両端側(P1、P3)と中央部(P2)でローラ一周分測定し、ローラ回転角θでの測定値をそれぞれE1θ、E3θ、E2θとし、そのローラ回転角θでの離間距離差ΔE{=E1θ(またはE3θ)−E2θ}を求めたとき、これらのローラ一周中の最大値と最小値の差(ω値)が30μm以下であること。
【選択図】図1
Description
・形状測定
E1θ、E2θ及びE3θの測定は、図1に示すようにして行った。すなわち、導電性ローラ両端部に露出した軸体1の支点A及びBでローラが回転しないように支持して、この軸体1の軸方向に対する中心線とほぼ平行にある測定基準棒3と40mm離間して配置した。この状態で、測定基準棒3ローラ外周面との距離をP1、P2及びP3で測定し、それぞれE10、E20及びE30とした。そして、(E10−E20)及び(E30−E20)を算出した。次にローラを30°回転させて上記と同様に測定し、(E130−E230)及び(E330−E230)を算出した。この作業を順次30°回転させて1周分測定し、(E1θ−E2θ)及び(E3θ−E2θ)に相当する値をそれぞれ12個ずつ、計24個を算出した。そしてこの中から最大値と最小値を選び出し、その差(ω値)を算出し、このω値を元に効果を評価した。なお、実施例1での測定結果を、図6(E1θ〜E3θ)及び図7((E1θ−E2θ)及び(E3θ−E2θ))に示す。
・振れ測定
上記形状測定でE1θ〜E3θを測定したときのE1θ〜E3θのそれぞれついて最大値、最小値を選定し、その差を振れとした。
・マイクロ硬さ
マイクロ硬さは、高分子計器株式会社製の硬さ計「マイクロ硬度計MD−1型」(商品名)にて、23.5℃/60%RH環境において測定した。測定方法としては、導電性ローラを金属製の板の上に置き、金属製のブロックでローラが転がらないように簡単に固定し、測定端子が金属板に対して垂直方向から該ローラの中心に正確に当たるようにし、ピークホールドモードで測定した時の値を読み取った。これを当該ローラの被覆層端部から30mmの位置(2箇所)及び中央部のそれぞれ周方向に3箇所ずつ、計9箇所を測定し、得られた値を平均値してローラのマイクロ硬さとした。
・画像評価
帯電ローラを、ヒューレット・パッカード製の電子写真装置「Color LaserJet 3700」(商品名)の帯電ローラとして組み込み、連続12000枚の耐久を行った。耐久にかける前(初期)、耐久6000枚直後(耐久1)及び耐久12000枚終了後(耐久2)にハーフトーン画像を出力した。得られたハーフトーン画像に表れる帯電不良による異常画像の発生を、下記基準で評価した。なお、帯電ローラには−1500Vの直流電圧を印加し、感光体の周速を100mm/sec.とした。さらに、ここで用いた電子写真装置は図5に示すような構造を有しているものである。
◎:ハーフトーン画像において、帯電不良に起因される黒帯状のムラがない。
○:ハーフトーン画像において、帯電不良に起因される黒帯状のムラがわずかに認められるが、実用上問題ない。
×:ハーフトーン画像において、帯電不良に起因される黒帯状のムラがある。
実施例1
・ゴムローラの製造
エピクロロヒドリンゴム「エピクロマーCG102」(商品名、ダイソー株式会社製)100質量部、酸化亜鉛(2種、ハクスイテック株式会社製)5質量部、ステアリン酸「ステアリン酸S」(商品名、花王株式会社製)1質量部、カーボンブラック「旭#15」(商品名、旭カーボン株式会社製)5質量部、炭酸カルシウム「シルバーW」(商品名、白石工業株式会社製)40質量部、可塑剤「ポリサイザーP−202」(商品名、セバシン酸系ポリエステル、大日本インキ株式会社製)5質量部、イオン導電剤「KS−555」(商品名、第4級アンモニウム塩、花王株式会社製)2質量部、ジベンゾチアジルジサルファイド「ノクセラーDM」(商品名、大内新興化学株式会社製)1質量部、テトラメチルチウラムモノスルフィド「ノクセラーTS」(商品名、大内新興化学株式会社製)1質量部及び硫黄「サルファックス200S」(商品名、鶴見化学株式会社製)1質量部を、密閉型混練機及びオープンロール機を用いて混練を行なうことにより未加硫のゴム組成物を得た。
・導電性弾性層の調整
次いで、ローラの両端部に露出した軸体を双方からコレットチャックで把持固定して回転できる機構を備えたNC研削機を使用して、軸方向において中央部から両端に近づくにつれて外径が減少するようなクラウン形状を有するゴムローラを調整した。具体的には、NC研削機の取り付けられている砥石(φ220mm、幅240mm)を逆クラウン状にドレッシングし、ローラ研磨時に砥石の形状を転写することによりローラをクラウン形状とした。クラウン量の調整は砥石をドレッシングする際の逆クラウン量にて調整し、研磨後100μmとなるようにした。また、導電性弾性層の長さが230mmで、軸方向中央部においてφ9.0mmとなるように研磨した。
・表面層の作成
ε−カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液(希釈溶剤:MEK(メチルエチルケトン)、固形分20質量%、水酸基価50)100質量部及び導電性酸化スズ20質量部の混合液を、分散メディアがジルコニアビーズ(平均粒径0.5mm)である横型サンドミルを3回通して、分散した。この分散液からビーズを瀘過分離し、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)をOH/NCO=1.0になるように添加して、表層用塗料を調製した。
実施例2
実施例1と同様に作成した導電性ローラからω値が15μmで、振れが50μmより小さいが実施例1におけるより大きいものを選択し、帯電ローラBとした。以下、実施例1と同様に形状、振れ、マイクロ硬さ及び画像評価を行った。これらの結果を表1に示した。なお、形状測定の結果は図8及び図9に示した。
実施例3
実施例1と同様に作成した導電性ローラからω値が29μmで、振れが50μmより小さいが実施例1におけるより大きく、振れ精度のあまりよくないものを選択し、帯電ローラCとした。以下、実施例1と同様に形状、振れ、マイクロ硬さ及び画像評価を行った。これらの結果を表1に示した。なお、形状測定の結果は図10及び図11に示した。
実施例4
実施例1と同様に作成した導電性ローラから、比較的振れ精度は良いが、ω値が29μmと大きかったものを選択し、帯電ローラDとした。以下、実施例1と同様に形状、振れ、マイクロ硬さ及び画像評価を行った。これらの結果を表1に示した。なお、形状測定の結果は図12及び図13に示した。
実施例5
未加硫ゴム組成物として、エピクロロヒドリンゴム「エピクロマーCG102」(商品名)100質量部、酸化亜鉛(2種)5質量部、ステアリン酸「ステアリン酸S」(商品名)1質量部、カーボンブラック「旭#70」(商品名、旭カーボン株式会社製)40質量部、炭酸カルシウム「シルバーW」(商品名)40質量部、イオン導電剤「KS−555」(商品名)2質量部、ジベンゾチアジルジサルファイド「ノクセラーDM」(商品名)1質量部、テトラメチルチウラムモノスルフィド「ノクセラーTS」(商品名)1質量部及び硫黄「サルファックス200S」(商品名)1質量部を実施例1と同様に混練して得たものを使用した。また、クラウン量が48μmとなるように研磨した以外は、実施例1と同様にして導電性ローラを作成した。得られた導電性ローラから、比較的振れ精度は良いが、ω値が23μmであるものを選択して、帯電ローラEとした。以下、実施例1と同様に形状、振れ、マイクロ硬さ及び画像評価を行った。これらの結果を表1に示した。
実施例6
未加硫ゴム組成物として、エピクロロヒドリンゴム「エピクロマーCG102」(商品名)100質量部、酸化亜鉛(2種)5質量部、ステアリン酸「ステアリン酸S」(商品名)1質量部、カーボンブラック「サーマックスMT N990」(商品名、Can Carb製)5質量部、炭酸カルシウム「シルバーW」(商品名)30質量部、可塑剤「ポリサイザーP−202」(商品名、セバシン酸系ポリエステル)15質量部、イオン導電剤「KS−555」(商品名、第4級アンモニウム塩)2質量部、ジベンゾチアジルジサルファイド「ノクセラーDM」(商品名)1質量部、テトラメチルチウラムモノスルフィド「ノクセラーTS」(商品名)1質量部及び硫黄「サルファックス200S」(商品名)1質量部を実施例1と同様に混練して得たものを使用した。また、クラウン量が220μmとなるように研磨した以外は、実施例1と同様にして導電性ローラを作成した。得られた導電性ローラから、比較的振れ精度は良いが、ω値が27μmであるものを選択して、帯電ローラFとした。以下、実施例1と同様に形状、振れ、マイクロ硬さ及び画像評価を行った。これらの結果を表1に示した。
比較例1〜3
導電性弾性層を研磨する際にコレットチャックの軸体把持部にわざとゴミケバ(市販のティッシュペーパー)を付着させた以外は実施例1と同様に導電性ローラを作成した。作成した導電性ローラから、振れが比較的良好なものの中から作成したから、ω値が30μmを超えたものを抜き出して、帯電ローラG(ω値33μm、比較例1)、帯電ローラH(ω値37μm、比較例2)及び帯電ローラI(ω値42μm、比較例3)とした。以下、実施例1と同様に形状、振れ、マイクロ硬さ及び画像評価を行った。これらの結果を表1に示した。なお、形状測定の結果はそれぞれ図14と図15、図16と図17及び図18と図19に示した。
比較例4
実施例1と同様に作成した導電性ローラからω値が22μmと良好であるが、振れが50μmを超えるものを選択し、帯電ローラJとした。以下、実施例1と同様に形状、振れ、マイクロ硬さ及び画像評価を行った。これらの結果を表1に示した。なお、形状測定の結果は図20及び図21に示した。
2 導電性被覆層
3 測定基準棒
4 帯電ローラ
5 感光体
6 基体
7 現像機
8 転写ローラ
9 クリーニングブレード
10 プロセスカートリッジ
11 定着機
12 レーザビーム(情報の書き込み)
13 転写部材(紙)
Claims (7)
- 導電性軸体の外周面上に1層以上の被覆層が設けられた導電性ローラであって、
回転させたときの外周面の振れが、軸線方向で50μm以下であり、
ローラとほぼ並行においた測定基準棒とローラの被覆層表面との離間距離Eを両端側(P1、P3)と中央部(P2)でローラ一周分測定し、ローラ回転角θでの測定値をそれぞれE1θ、E3θ、E2θとするとき、そのローラ回転角θでの離間距離差ΔE{=E1θ(またはE3θ)−E2θ}のローラ一周中の最大値と最小値の差(ω値)が30μm以下であることを特徴とする導電性ローラ。 - ローラ形状がクラウン形状であり、離間距離Eを求めたP1、P2及びP3でのローラ外径をそれぞれD1、D2、D3としたとき、ローラのクラウン量{D2−(D1+D3)/2}が30μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性ローラ。
- ローラ表面で測定したマイクロ硬さが30°から85°の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性ローラ。
- 被覆層の少なくとも一つが導電性弾性層であり、かつ該導電性弾性層は軸体の両端をコレットチャックまたはダイヤフラムチャックで把持され、プランジ方式で外周面を研削する工程にて整形されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
- 被覆層が、軸体上に設けられた導電性弾性層表面に被覆層塗料の塗工により、あるいはシームレスチューブの被覆により設けられた1層あるいはそれ以上の表層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性ローラであることを特徴とする帯電ローラ。
- 真直の測定基準棒に対しほぼ並行に導電性ローラを置き、その測定基準棒とローラの被覆層表面との離間距離Eを両端側(P1、P3)と中央部(P2)でローラ一周分測定し、ローラ回転角θでの測定値をそれぞれE1θ、E3θ、E2θとしたとき、
離間距離E1θ、E2θ、E3θそれぞれでローラ一周での最大値、最小値を算出し、その差の最大値を求め、ローラの外周面の振れとし、また、
ローラ回転角θでの離間距離差ΔE{=E1θ(またはE3θ)−E2θ}を求め、これらのローラ一周中の最大値と最小値の差を求め、ω値とし、
これら振れ及びω値よりローラ性状を評価する
ことを特徴とする導電性ローラの評価方法。
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