JP2008054600A - 茶葉の保管方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な装置構成で且つ簡単な作業により茶葉を良好な状態で長期間保管することを可能とし、さらに茶葉の取り扱いが容易である茶葉の保管方法及び装置を提供する。
【解決手段】通気性袋(大海袋)10に茶葉を封入し、一又は複数の該通気性袋10を気密性容器2内に収納して密封した後、該気密性容器2内の通気性袋10周囲に所定流量の不活性ガスを流しながら、不活性ガスと通気性袋10内の酸素が該通気性袋を介して置換する圧力となるように気密性容器2内圧力を保持し、通気性袋10内の酸素濃度が所定濃度以下となったら不活性ガスの流入を停止して気密性容器2を密閉して保管する構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、摘採後乾燥させた茶葉の鮮度を保持して良好な状態で長期間貯蔵することができる茶葉の保管方法及び装置に関する。
近年、ペットボトルの普及によりお茶の需要が大幅に伸びてきているが、お茶のペットボトル生産のためには茶葉を常時供給できることが不可欠である。従って、収穫した茶葉を良好な状態で貯蔵し、年間を通して安定的に供給する方法が求められている。従来、家庭で飲むお茶はその年の新茶で対応していたが、ペットボトル用のお茶となると年間を通しての安定供給が求められる。特に、お茶の生産ラインを所有している工場は、稼働率を上げるため年間操業を目指しており、茶葉を供給する業者はこれに応えるために、摘採・加工した茶葉を如何に長く良い状態に保つことができるかが重要となる。
一般的に、茶葉の供給業者間で流通する茶葉は、摘採された生葉を蒸熱或いは釜炒りし、生葉にある酸化酵素を不活性化しながら生葉の青臭さを取り除き香味を発生させ、揉みや捻り加工した後に乾燥させた荒茶や、荒茶を更に炒って茶葉を均一化するように加工した再製茶などがある。
通常、これらの茶葉は通気性を有する紙製の大海袋と言われる袋に収納されて冷蔵庫に保管している。冷蔵庫の規模によって荷役作業形態は異なるが、規模が大きい場合、パレットに大海袋を積載してフォークリフト荷役或いは自動倉庫で10℃以下、場合によっては−25℃くらいで保管している。
茶葉の品質を決定する主要な要素として、色や光沢、滋味、香り等がある。茶葉の色の変化は温度と水分の影響が大きく、またこれらの品質劣化を抑える方法としては、低温で且つ酸化を防止する状態にて保管することが非常に有効である。酸化により劣化が進むのは、色(クロロフィル、カロチノイド)、渋み、香り、アスコルビン酸、脂質である。
茶葉は、低温度下に置くことで色や光沢、滋味等々の品質の劣化を抑えることができるが、その温度は低ければ低い程良く、−25℃程度で保管することが好ましいが、実際には低温になる程設備コストや運転コストが嵩むため、0〜5℃の冷蔵温度帯で保管するケースが多い。また、香りについては、茶葉は酸化によって変質するため茶葉の保管袋にN封入したり脱酸素剤を使用して酸化防止に努めている。
しかしながら、現在お茶用の冷蔵庫は非常に少なく、またN封入や脱酸素剤の使用については定期的な維持管理やその手間が非常に煩わしいのが実態である。
ここで、実際に実用化されている酸素除去方法としては、CA貯蔵やMA貯蔵といった方法が挙げられるが、これはリンゴやブドウ、カキ、ナシ等の果実類への適用が主である。また、酸素を減少させる方法として、燃焼法やガス透過膜法、N置換法等があり、現在ではN置換法が主流になってきている。一般に多く用いられるN置換法としては、吸着剤を利用したPSA方式と呼ばれるN発生装置を利用して酸素と窒素を置換する方法が挙げられる。
しかしながら茶葉においては、窒素充填は製茶のアルミパックや保管時において一部使用されているものの、茶葉を保管している期間中酸素除去するシステムは普及していないのが実状であった。
そこで、特許文献1(特開平9−202362号公報)では、大海袋に代わる茶貯蔵容器が提案されている。これは、気密性が高く伸縮自在でフレキシブルな素材により袋状の容器を形成し、袋の開口部を開閉自在なふたで密閉可能とし、蓋には窒素充填用のソケットを設けた構成となっている。この容器内に茶葉を収納して密封し、予め投入してある脱酸素剤により酸素を除去するか、若しくはソケットから窒素を充填するなどして茶葉の酸化を防止している。
また、特許文献2(特開2000−175552号公報)では、断熱容器内に茶葉を収納し、断熱容器内に液化炭酸ガスを噴出させて容器内を低温に保つようにした茶葉の貯蔵方法が提案されている。この構成により、液化炭酸ガスの昇華作用により容器内が冷却されるとともに、容器内が不活性ガス雰囲気となり茶葉の劣化を防止できる。さらに、特許文献3(特開2002−369655号公報)では、気密性を有する茶葉保管袋内に茶葉を収納し、この茶葉保管袋内をドライアイスの昇華ガスでパージして袋内を低温乾燥状態の不活性ガス雰囲気にして茶葉を保管する方法が開示されている。
特開平9−202362号公報 特開2000−175552号公報 特開2002−369655号公報
上記したように、茶葉の品質を長期間に亘って良好に維持するためには、酸化を防止することが重要である。酸化を防止する方法としては、袋の中に脱酸素剤を投入したり、直接窒素ガスを封入して酸素を除去する方法が多く用いられているが、大量の茶葉を保管する場合には脱酸素剤では不十分であり、窒素ガスを封入する場合には保管中に次第に酸素濃度が上昇し、その都度窒素ガスを再度注入しなければならないという問題があった。また、茶葉の入った袋に直接窒素ガスを封入する方法では、袋が破れたりピンホール等によって酸素濃度が上昇し窒素濃度が保てないなどの原因により濃度管理が難しく、また手間もかかるという問題があった。
さらに、特許文献1乃至3に記載される方法では、複雑な構成を有する容器を新たに製作する必要がありコストがかかる上に、茶葉を容器内に直接収納するため、茶葉を移送する際に再度袋詰めし直さなければならず、手間がかかり取り扱いが容易ではないという問題があった。
従って、本発明は上記従来の技術の問題点に鑑み、簡単な装置構成で且つ簡単な作業により茶葉を良好な状態で長期間保管することができ、さらに茶葉の取り扱いが容易である茶葉の保管方法及び装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、通気性袋に茶葉を封入し、一又は複数の該通気性袋を気密性容器内に収納した後、該気密性容器内の通気性袋周囲に不活性ガスを流しながら、該不活性ガスと前記通気性袋内の酸素が該通気性袋を介して置換する圧力となるように前記気密性容器内圧力を保持し、前記通気性袋内の酸素濃度が所定濃度以下となったら前記不活性ガスの流入を停止して前記気密性容器を密閉して保管することを特徴とする。
本発明によれば、従来より用いられていた大海袋のような通気性袋の特性を利用して、その周囲に不活性ガスを流すことにより不活性ガスが通気性袋内に透過するようにし、簡単に通気性袋内を不活性ガス充填することを可能とした。尚、不活性ガス流入時には、気密性容器内のガスは容器内圧力を十分に維持しながら排出するようにし、置換した酸素が外部に排出されるようにすることが好ましい。
さらに、通気性袋に封入した茶葉を気密性容器内に収納する構成としたため、茶葉を移送する際にも詰め替え等の作業が不要となり、取り扱いが容易で効率がよい。さらにまた、大海袋のままで長期保存が可能となり、現状のガスバリアー性包材への詰め替えが不必要となり大幅なコストダウンが図れるとともに、無駄な袋の使用がなくなり廃棄物問題への貢献が期待される。
また、茶葉の入った袋に直接不活性ガスを注入するのではなく、通気性袋の周囲を不活性ガス充填するようにしたため、濃度管理が容易で且つ操作が容易であるという利点を有する。さらにまた、不活性ガス流入時に、該不活性ガスと通気性袋内の酸素が置換する圧力に保持することにより、通気性袋内への不活性ガスの流入が促進され、不活性ガスによる酸化防止効果が向上する。
また、前記気密性容器内に流す不活性ガスと前記通気性袋内の酸素の置換時に、前記気密性容器内圧力を0.005MPa〜0.05MPaに保持することを特徴とする。
これにより、不活性ガスが通気性袋内に十分に透過して茶葉の周囲が不活性ガスで満たされるため、確実に酸化を防止することができる。
茶葉の入っている通気性袋内外のガス交換、即ち通気性袋内の酸素と袋周囲の不活性ガスとの置換をスムーズに行うには、気密性容器内の圧力を少なくとも0.005MPa以上に保つことが重要である。一方、気密性容器内の圧力を高くすればする程より高い気密性が求められ、又その圧力に対応できるような強度や構造が要求されるため、コスト面が高くなるだけでなく取り扱いも難しくなってくる。特に、気密性容器の出入り口の構造や強度が大きく必要となる。従って、ガス交換率(ガス濃度の変化)が高く、且つ上記したコスト面や取り扱い性を考慮した上限値として、気密性容器内圧力の上限は0.05MPaであることが好ましい。
さらに、前記通気性袋内の酸素濃度が1%以下となったら前記不活性ガスの流入を停止することを特徴とする。このように、上記範囲内まで通気性袋内の酸素濃度を低下させることにより、長期保管にも耐えうる酸化防止効果が得られる。
さらにまた、前記通気性袋を複数積載したパレットを前記気密性容器内に収納するようにしたことを特徴とする。
これにより、茶葉を封入した通気性袋をパレットに積載して複数単位で作業することができるため、容易に且つ効率よく大量の茶葉を処理できる。
また、装置の発明として、茶葉が封入された通気性袋を収納する気密性容器と、該気密性容器内の通気性袋周囲に不活性ガスを流す不活性ガス注入手段と、前記気密性容器内の圧力を、前記不活性ガスと前記通気性袋内の酸素が該通気性袋を介して置換する圧力となるように制御する圧力制御手段とを備えるとともに、前記通気性袋内の酸素濃度が所定濃度以下となったら前記不活性ガスの流入を停止して前記気密性容器を密閉する密閉手段とを備えることを特徴とする。
また、前記圧力制御手段は、前記気密性容器内に流す不活性ガスと前記通気性袋内の酸素の置換時に前記気密性容器内圧力を0.005MPa〜0.05MPaに保持することを特徴とする。
さらに、前記通気性袋を複数積載するパレットを備え、前記気密性容器は該パレットが収納される形状、大きさとし、該気密性容器に前記パレットの搬出口を設けたことを特徴とする。
さらにまた、前記気密性容器を断熱構造にするとともに、該気密性容器に冷却手段を設けたことを特徴とする。このように、茶葉を冷蔵することにより、茶葉の色や光沢、滋味等の品質の劣化を抑えることが可能となる。
以前記載のごとく本発明によれば、従来より用いられていた大海袋のような通気性袋を活用し、この特性を利用して通気性袋の周囲を大気圧以上で不活性ガス充填することにより通気性袋内に不活性ガスを透過させ、茶葉の酸化を防止することができる。これにより簡単な装置構成で且つ簡単な操作で以って茶葉を良好な状態で長期間保管できる状態を作ることが可能となる。また、通気性袋に封入した茶葉を取り扱い単位としているため、移送する際に詰め替え等の手間が省け、取り扱いが容易となる。さらに、パレットを取り扱い単位とすることにより、大量の茶葉にも好適に適用可能である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施例に係る茶葉保管装置の概略構成図、図2は本実施例の装置構成を用いた試験装置の構成を示す概略斜視図、図3は試験機におけるガス濃度変化を示すグラフである。
本実施例にて保管対象とされる茶葉は、摘採後に蒸熱工程、揉み・捻り工程、乾燥工程を経た荒茶であることが好ましいが、その他にも、荒茶に再度炒り、切断等の加工を施した再製茶等にも適用可能である。
図1に示すように、本実施例の茶葉保管装置1は、所定量の茶葉を収納する通気性袋(大海袋10)と、茶葉が封入された大海袋10を積載するパレット11と、該大海袋10を複数積載したパレット11が収納される気密性容器2と、該気密性容器2内の圧力を検出する圧力計8と、該気密性容器2内にNガスを注入するNガス注入手段と、を備える。Nガス注入手段は、Nガスタンク6と、ガス流路上に設けたガス流量計7とからなる。また、気密性容器2内の圧力を制御する圧力制御手段を備え、この圧力制御手段は、前記圧力計8、前記ガス流量計7、ガス排出口4に設けられた開閉弁5等から構成される。
尚、本実施例では気密性容器2内に注入するガスとしてNガスを用いているが、これに限定されるものではなく、安全性が高い不活性ガスであれば何れでもよい。また、Nガス注入手段では、Nガスタンクの代わりにNガス発生装置を用いることもできる。
通気性袋は、気体が流通する袋であれば何れでもよく、従来より茶葉の保管、運搬用に用いられている大海袋10が好適に用いられる。
気密性容器2は、定形若しくは不定形で、気体が通流しない鉄板やFRP板等の材質で形成された容器であり、大海袋10が直接若しくは大海袋10を積載したパレット11が一又は複数収納できるようになっており、大海袋10若しくはパレット11を出し入れする搬出口2aが設けられている。また気密性容器2には、Nガス注入口3と、容器内ガス排出口4と、を備え、該Nガス注入口はNガスタンク6に接続されている。さらに、該気密性容器2は、温度調整機能を有することが好ましく、茶葉保管空間を冷却するための冷却装置9を備えることがより好ましい。また、気密性容器2には、容器内圧力を検出する圧力計8が設けられる。
本実施例では、茶葉を一旦、所定量ずつ大海袋10内に封入した後に、必要に応じて一又は複数個ずつパレット11に積載し、搬出口2aからパレット11ごと気密性容器2内に収納する。このとき、大海袋10をパレット11に積載せずに、そのまま気密性容器2内に収納してもよい。一般に茶葉の取り扱いにおいては、大海袋10が基本となるので大海袋一体または、大海袋10をパレット11に積載して荷役することが多いため、最小単位を大海袋一体から数パレットとする。重量に換算すると約30kg〜720kgを最小単位として保管すると効率良く作業できる。例えば、30kgの大海袋一体を最小取り扱い単位とする場合、若しくは30kgの大海袋を24個載置した1パレットを最小取り扱い単位とする場合などが挙げられる。
そして、気密性容器2の搬出口2aを閉じて密封した後、Nガスタンク6からを気密性容器2内にNガスを注入して大海袋10の周囲にNガスを流す。Nガスを注入する際には、ガス排出口4の開閉弁5を開放して、容器内圧力を十分に維持しながら容器内ガスを排出するとよい。尚、Nガスは、圧力計8で容器内圧力が所定圧力になるように維持し、ガス流量計7により所定流量で注入する。
本実施例において気密性容器2内圧力は、大海袋周囲のNガスと大海袋内の酸素が該大海袋を介して置換する圧力となるように保持する。好適には、ガス注入時に容器内圧力が0.005MPa〜0.05MPaとなるように保持する。
そして、大海袋10内の酸素濃度が所定濃度以下となったらNガスの流入を停止し、開閉弁5を封止して気密性容器2を密閉した状態で保管する。このとき、大海袋10内の酸素濃度を1%以下まで低下させることが好ましい。
気密性容器2はガス透過性がないため、容器内空間はNガスで充填され、容器内の酸素は窒素に置換される。一度酸素濃度が下がると、密閉性の容器であるためその後酸素濃度が上昇することはない。そのため、中にある茶葉は酸素の殆んどない環境で保管されるので非常に長く品質が保てる条件を維持できることになる。
このような状態で気密性容器2を保管することにより、Nガスが通気性袋内に十分に透過して茶葉の周囲がNガスで満たされるため、茶葉の酸化を確実に防止することができる。
茶葉保管装置1に冷蔵機能をもたせる場合、気密性容器2を断熱構造にするとともに冷却装置9を設けて容器内を冷却する。これは、周知の冷蔵庫と同様の構成により達成できる。尚、気密性容器2として既存の冷蔵庫を用い、これにNガス注入手段、Nガス注入口3、ガス排出口4を付設するようにしてもよい。勿論、これらの構成を有する冷蔵庫を新設することもできる。
本実施例によれば、従来より用いられていた大海袋10のような通気性袋の特性を利用して、その周囲を窒素充填することによりNガスが通気性袋内に透過するようにし、簡単に窒素充填することを可能とした。さらに、大海袋10に封入した茶葉を気密性容器2内に収納する構成としたため、茶葉を移送する際にも詰め替え等の作業が不要となり、取り扱いが容易で効率がよい。また、大海袋10に直接Nガスを注入するのではなく、大海袋10の周囲を窒素充填するようにしたため、濃度管理が容易で且つ操作が容易である。さらにまた、陽圧条件下とすることにより、大海袋10内への窒素の流入が促進され、Nガスによる酸化防止効果が向上し、高い品質のまま長期間保管することが可能となる。また、大海袋10をパレット11に積載して複数単位で取り扱うことにより、容易に且つ効率よく大量の茶葉を処理できる。
ここで、上記した構成を有する装置を用いて保管状態を形成した際に、茶葉を封入した大海袋10内及び大海袋10周囲のガス濃度がどのように変動するか確認する試験を行った。
本試験では、図2に示されるような試験機1Aを用いた。試験機1Aは、気密性容器としてドラム缶2Aを用い、ドラム缶2AにNガス注入手段と、ガス流量計7と、圧力計8と、缶内ガス排出口に設けた開閉弁5とを取り付けて作製した。
大海袋10内に荒茶を封入し、この大海袋10をドラム缶2Aに入れて密封し、大海袋10の外側且つドラム缶2Aの内側の空間部分にNガスを封入し、大海袋10の中のガス濃度(酸素濃度、窒素濃度)の変化を検出した。本試験では、ドラム缶2A内の密閉空間にNガスを封入して供給圧力と流量を変えて、大海袋10内の酸素濃度の変化を時系列的に測定した。
図3に、試験機1Aにて得られたガス濃度変化のグラフを示す。このグラフから、密閉容器2内の雰囲気(ドラム缶2A内)は窒素流量が多い時、酸素濃度の低下も速いが、圧力の差は小さいことがわかる。また、大海袋10内の酸素濃度は圧力依存性が見られ無圧ではほとんど酸素濃度の低下は見られない。圧力が高いほど短時間で酸素濃度が低下する。本試験では0.01MPa程度で10時間以上であれば長期貯蔵に耐える酸素濃度に到達する。
この試験結果より、0.01MPaで10時間以上窒素を供給すると、大海袋10内の酸素濃度の減少は長期貯蔵が可能な濃度に達することが判った。尚、勿論圧力を高くすることにより10時間より短い時間で酸素濃度の低下が見られる。従って、本実施例の構成を用いることにより、茶葉を大海袋10のままで長期保存することが可能となる。これにより、現状のガスバリアー性包材への詰め替えが不必要となり大幅なコストダウンが図れるとともに、無駄な袋の使用をなくすことによる廃棄物問題への貢献が期待できる。
また、既存の貯蔵施設においてもガスバリアー性フィルムの使用により応用可能な技術となる。この場合、有圧下での資材の膨張や耐久性対策を施す必要がある。フィルム使用下では減圧も可能となり、窒素置換が単時間でできることも期待できる。さらに、本構成は貯蔵中の安全性も高く、茶葉の長期保存において大規模装置からプレハブ冷蔵庫まで、幅広い可能性が期待できる。
本発明の実施例に係る茶葉保管装置の概略構成図である。 本実施例の装置構成を用いた試験装置の構成を示す概略斜視図である。 試験機におけるガス濃度変化を示すグラフである。
符号の説明
1 茶葉保管装置
2 気密性容器
3 Nガス注入口
4 ガス排出口
5 開閉弁
6 Nガスタンク
7 ガス流量計
8 圧力計
9 冷却装置
10 大海袋(通気性袋)
11 パレット

Claims (8)

  1. 通気性袋に茶葉を封入し、一又は複数の該通気性袋を気密性容器内に収納した後、該気密性容器内の通気性袋周囲に不活性ガスを流しながら、該不活性ガスと前記通気性袋内の酸素が該通気性袋を介して置換する圧力となるように前記気密性容器内圧力を保持し、前記通気性袋内の酸素濃度が所定濃度以下となったら前記不活性ガスの流入を停止して前記気密性容器を密閉して保管することを特徴とする茶葉の保管方法。
  2. 前記気密性容器内に流す不活性ガスと前記通気性袋内の酸素の置換時に、前記気密性容器内圧力を0.005MPa〜0.05MPaに保持することを特徴とする請求項1記載の茶葉の保管方法。
  3. 前記通気性袋内の酸素濃度が1%以下となったら前記不活性ガスの流入を停止することを特徴とする請求項1記載の茶葉の保管方法。
  4. 前記通気性袋を複数積載したパレットを前記気密性容器内に収納するようにしたことを特徴とする請求項1記載の茶葉の保管方法。
  5. 茶葉が封入された通気性袋を収納する気密性容器と、該気密性容器内の通気性袋周囲に不活性ガスを流す不活性ガス注入手段と、前記気密性容器内の圧力を、前記不活性ガスと前記通気性袋内の酸素が該通気性袋を介して置換する圧力となるように制御する圧力制御手段とを備えるとともに、前記通気性袋内の酸素濃度が所定濃度以下となったら前記不活性ガスの流入を停止して前記気密性容器を密閉する密閉手段とを備えることを特徴とする茶葉の保管装置。
  6. 前記圧力制御手段は、前記気密性容器内に流す不活性ガスと前記通気性袋内の酸素の置換時に前記気密性容器内圧力を0.005MPa〜0.05MPaに保持することを特徴とする請求項5記載の茶葉の保管装置。
  7. 前記通気性袋を複数積載するパレットを備え、前記気密性容器は該パレットが収納される形状、大きさとし、該気密性容器に前記パレットの搬出口を設けたことを特徴とする請求項5記載の茶葉の保管装置。
  8. 前記気密性容器を断熱構造にするとともに、該気密性容器に冷却手段を設けたことを特徴とする請求項5記載の茶葉の保管装置。

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