JP2008050666A - 脱脂液及びそれを用いた脱脂洗浄方法 - Google Patents

脱脂液及びそれを用いた脱脂洗浄方法 Download PDF

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淑子 中澤
Nariaki Hiura
成秋 日浦
Tsutomu Shigenaga
勉 重永
Toshihiro Yoshida
敏弘 吉田
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Abstract

【課題】環境汚染を引き起こすリン化合物や窒素化合物を実質的に含有することなくpH値が10.5〜12.0の範囲で優れた脱脂洗浄性を発揮することができ、しかも長期間の使用によって油脂類が比較的多量に含有した場合においても脱脂洗浄性を十分に維持することが可能な脱脂液を提供すること。
【解決手段】少なくとも1種のアルカリケイ酸塩を含む2種以上のアルカリビルダーと、下記一般式(1):
O−(CO)−H (1)
(式中、Rは、炭素数が10〜12であるアルキル基を示し、nは、7〜9の整数を示す。)
で表される第一の非イオン系界面活性剤と、下記一般式(2):
O−(CO)−H (2)
(式中、Rは、1分子中に少なくとも2つの芳香族環を有する基を示し、mは、6〜10の整数を示す。)
で表される第二の非イオン系界面活性剤と、を含むものであり、
pH値が10.5〜12.0であり、且つリン化合物及び窒素化合物を実質的に含まないことを特徴とする脱脂液。
【選択図】なし

Description

本発明は、脱脂液並びにそれを用いた脱脂洗浄方法に関する。
金属表面処理、特に金属表面化成処理の分野にあっては、被処理物に対してリン酸亜鉛等による化成処理等を施す前に、その被処理物の表面に付着している油脂類(例えば、鉱物油、動植物油等)を除去するために、脱脂液を用いて脱脂洗浄処理を施すのが一般的である。そのため、このような脱脂液の成分としては、それ自体又はその成分と反応して生成される反応生成物が被処理物の表面に残存して化成処理に悪影響を及ぼすようなものは不適当である。
このような脱脂液としては、酸やアルカリを主体とするビルダーと非イオン系又は陰イオン系界面活性剤とを主成分として含むものが採用されてきた。そして、このような脱脂液においては、脱脂洗浄力を高める有用なビルダーとしてアルカリリン酸塩やアルカリ縮合リン酸塩等のリン酸塩が配合されてきた。しかしながら、最近、リン酸塩は湖沼水の富栄養化、汚染の原因となるとの指摘がなされているため、このような脱脂液としては、リン酸塩非配合の脱脂液の開発が求められている。
このようなリン酸塩非配合の脱脂液としては、例えば、特開平5−125571号公報(特許文献1)において、アルカリケイ酸塩と、非イオン性界面活性剤と、水溶性ポリカルボン酸塩とが所定の条件を満たすようにして含有された脱脂液が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載のような脱脂液においては、そのpH値が12以下の場合には汚染の激しい部材や製品を必ずしも十分に脱脂することができなかった。そのため、このような従来の脱脂液を用いる際にはpH値を調整するために水酸化ナトリウム等の強塩基の継続的な添加が行われてきたが、このような強塩基の使用は作業者の安全性確保の点から避けるべきであり、また多量の塩基を用いることは経済性の点でも問題がある。また、pH値が12を超えた脱脂液を用い、表面処理の施された鋼板を被処理物とした場合には、その表面の皮膜が溶解し、被処理物の耐食性等の諸性能が低下するという問題もあった。
そこで、このような問題に対して、リン酸塩非配合で且つpH値が12以下であっても優れた脱脂洗浄性を発揮できる脱脂液の研究がなされてきた。例えば、特開2005−320598号公報(特許文献2)においては、少なくともアルカリケイ酸塩を含む2種以上のアルカリビルダーと、特定の非イオン系界面活性剤とを含有する脱脂液が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載のような脱脂液においても、これを長期間に亘って使用した場合に洗浄力を維持するという点では必ずしも十分なものではなかった。
特開平5−125571号公報 特開2005−320598号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、環境汚染を引き起こすリン化合物や窒素化合物を実質的に含有することなくpH値が10.5〜12.0の範囲で優れた脱脂洗浄性を発揮することができ、しかも長期間の使用によって油脂類が比較的多量に含有した場合においても脱脂洗浄性を十分に維持することが可能な脱脂液並びにそれを用いた脱脂洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、少なくとも1種のアルカリケイ酸塩を含む2種以上のアルカリビルダーと、特定の構造を有する第一の非イオン系界面活性剤と、特定の構造を有する第二の非イオン系界面活性剤とを含有する脱脂液により、環境汚染を引き起こすリン化合物や窒素化合物を実質的に含有することなくpH値が10.5〜12.0の範囲で優れた脱脂洗浄性を発揮することができ、しかも長期間の使用によって油脂類が比較的多量に含有した場合においても脱脂洗浄性を十分に維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の脱脂液は、少なくとも1種のアルカリケイ酸塩を含む2種以上のアルカリビルダーと、
下記一般式(1):
O−(CO)−H (1)
(式中、Rは、炭素数が10〜12であるアルキル基を示し、nは、7〜9の整数を示す。)
で表される第一の非イオン系界面活性剤と、
下記一般式(2):
O−(CO)−H (2)
(式中、Rは、1分子中に少なくとも2つの芳香族環を有する基を示し、mは、6〜10の整数を示す。)
で表される第二の非イオン系界面活性剤と、
を含むものであり、pH値が10.5〜12.0であり、且つリン化合物及び窒素化合物を実質的に含まないことを特徴とするものである。
上記本発明の脱脂液としては、前記第一の非イオン系界面活性剤と、前記第二の非イオン性界面活性剤との固形分の質量換算による含有比率が、1:9〜9:1であることが好ましい。
また、上記本発明の脱脂液としては、前記2種以上のアルカリビルダーが水溶性ポリカルボン酸塩を更に含有するものであることが好ましい。
さらに、上記本発明の脱脂液としては、前記アルカリケイ酸塩の濃度が、ケイ素の元素換算で下記式(I):
300<Y<10(0.318X+2.72) (I)
(式中、Xは、脱脂液のpH値から10.5を引いて得られる値であり、Yは、アルカリケイ酸塩の濃度(単位:ppm)である。)
で表わされる不等式の条件を満たし、
前記水溶性ポリカルボン酸塩の濃度が100〜500ppmの範囲にあり、且つ、
前記第一の非イオン系界面活性剤及び前記第二の非イオン系界面活性剤の合計の濃度が1400〜2400ppmの範囲にあること、が好ましい。
本発明の脱脂洗浄方法は、上記本発明の脱脂液を用い、被処理物を脱脂洗浄することを特徴とする方法である。
上記本発明にかかる被処理物としては、少なくとも一部が表面処理鋼板であることが好ましい。
また、上記本発明にかかる被処理物としては、自動車車体であることが好ましい。
本発明によれば、環境汚染を引き起こすリン化合物や窒素化合物を実質的に含有することなくpH値が10.5〜12.0の範囲で優れた脱脂洗浄性を発揮することができ、しかも長期間の使用によって油脂類が比較的多量に含有した場合においても脱脂洗浄性を十分に維持することが可能な脱脂液並びにそれを用いた脱脂洗浄方法を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の脱脂液について説明する。すなわち、本発明の脱脂液は、少なくとも1種のアルカリケイ酸塩を含む2種以上のアルカリビルダーと、
下記一般式(1):
O−(CO)−H (1)
(式中、Rは、炭素数が10〜12であるアルキル基を示し、nは、7〜9の整数を示す。)
で表される第一の非イオン系界面活性剤と、
下記一般式(2):
O−(CO)−H (2)
(式中、Rは、1分子中に少なくとも2つの芳香族環を有する基を示し、mは、6〜10の整数を示す。)
で表される第二の非イオン系界面活性剤と、
を含むものであり、pH値が10.5〜12.0であり、且つリン化合物及び窒素化合物を実質的に含まないことを特徴とするものである。
本発明にかかる2種以上のアルカリビルダーは、少なくとも1種のアルカリケイ酸塩を含むものである。アルカリビルダーの1種としてアルカリケイ酸塩を含有することによって、リン酸塩を配合しなくても優れた脱脂洗浄性を発揮することが可能となる。このようなアルカリケイ酸塩としては特に限定されないが、環境保護の観点から窒素及びリンを含有しないものが好ましい。このようなアルカリケイ酸塩としては、例えば、オルソケイ酸ソーダ、オルソケイ酸カリウム等のオルソケイ酸のアルカリ金属塩;メタケイ酸ソーダ、メタケイ酸カリウム等のメタケイ酸のアルカリ金属塩;セスキケイ酸ナトリウム、セスキケイ酸カリウム等のセスキケイ酸のアルカリ金属塩等を挙げることができる。また、このようなアルカリケイ酸塩の中でも、より高い脱脂洗浄力が得られることから、メタ珪酸ソーダが好ましい。このようなアルカリケイ酸塩は1種を単独で使用してもよく或いは2種以上を混合して使用してもよい。
また、前記2種以上のアルカリビルダーとしては、アルカリケイ酸塩のみを2種以上含むものであってもよいが、アルカリケイ酸塩と、アルカリケイ酸塩以外の他のアルカリビルダーとを含むものが好ましい。このように、アルカリケイ酸塩と他のアルカリビルダーを含むことによって脱脂性がより向上する傾向にある。このような他のアルカリビルダーとしては特に限定されず、公知のアルカリビルダーを適宜用いることができ、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウム等のアルカリ金属炭酸塩等が挙げられる。
また、本発明の脱脂液中の前記アルカリケイ酸塩の濃度は、ケイ素の元素換算で下記式(I):
300<Y<10(0.318X+2.72) (I)
(式中、Xは、脱脂液のpH値から10.5を引いて得られる値であり、Yは、アルカリケイ酸塩の濃度(単位:ppm)である。)
で表わされる不等式の条件を満たすことが好ましい。このようなアルカリケイ酸塩の濃度Yが、Si元素換算で300ppm未満であると、化成処理性が低下し、更にはリン酸亜鉛皮膜の溶解を抑制する効果が低下する傾向にある。すなわち、アルカリケイ酸塩の濃度を前記式(I)で表される不等式の範囲内とすることで、リン酸亜鉛皮膜の溶解を抑制することができ、本発明の脱脂液をリン酸亜鉛被覆鋼板に、より好適に使用することが可能となる。また、このようなアルカリケイ酸塩の濃度の下限の値としては、1500ppmであることがより好ましい。
さらに、前記2種以上のアルカリビルダー中におけるアルカリケイ酸塩と他のアルカリビルダーとのモル比(アルカリケイ酸塩:他のアルカリビルダー)は、1:10〜1:2であることが好ましく、1:7〜1:3であることがより好ましい。このようなアルカリケイ酸塩のモル比が前記下限未満では、十分な脱脂洗浄性が得られない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、被処理物に吸着し、処理後にムラが発生する傾向にある。
また、本発明にかかる第一の非イオン系界面活性剤は、下記一般式(1):
O−(CO)−H (1)
(式中、Rは、炭素数が10〜12であるアルキル基を示し、nは、7〜9の整数を示す。)
で表されるものである。本発明においては、このような一般式(1)で表される非イオン系界面活性剤を含有させているため、優れた脱脂洗浄性が得られ、更に従来の脱脂液よりも比較的低いpH範囲で脱脂液を使用できる。そのため、例えば、リン酸亜鉛被覆鋼板、有機皮膜被覆鋼板等の表面処理鋼板を被処理物とした場合においても耐食性を損なうことなく優れた脱脂処理を行なうことが可能となる。また、このような一般式(1)で表される非イオン系界面活性剤を用いることで、必要により脱脂液に添加する水酸化ナトリウム等の強塩基成分の使用量を低減させることも可能となる。
このような式(1)中のRは、炭素数が10〜12であるアルキル基である。このようなアルキル基の炭素数が10未満では、油を乳化しにくくなり、他方、12を超えると、水に分散しにくくなる。また、このような式(1)中においてRとして表されるアルキル基としては直鎖のものであっても分岐を有するものであってもよく、更には、環状のものであってもよい。このようなRとしては、例えば、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基等が挙げられ、より高い洗浄性が得られるという観点から、デシル基が特に好ましい。
また、前記式(1)中のnは7〜9の整数である。このようなnの値が7未満では、水に分散しにくくなり、他方、9を超えると、発泡が大きくなり実用に適さなくなる。
なお、このような第一の非イオン系界面活性剤としては、公知の非イオン系界面活性剤を適宜使用することができ、例えば、下記のような市販の製品を使用することができる。
第一工業製薬社製
「DKS NL−60」(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
「DKS NL−70」(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
花王株式会社製
「エマルゲン108」(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
旭電化工業株式会社
「アデカトールUA−70」(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)。
また、本発明にかかる第二の非イオン系界面活性剤は、下記一般式(2):
O−(CO)−H (2)
(式中、Rは、1分子中に少なくとも2つの芳香族環を有する基を示し、mは、6〜10の整数を示す。)
で表されるものである。本発明においては、このような一般式(2)で表される非イオン系界面活性剤を含有させているため、得られる脱脂液に油脂類等が比較的多量に含有しても、一般式(1)で表される非イオン系界面活性剤の乳化を十分に抑制して、経時による脱脂洗浄力の低下を防止することができる。
このような一般式(2)中のRは1分子中に少なくとも2つの芳香族環を有する基である。このようなRで表される置換基の1分子中の芳香族環の数が2未満では、脱脂処理に複数回使用した場合に、経時による脱脂洗浄力の低下を十分に抑制できない傾向にある。また、このようなRで表される置換基の1分子中の芳香族環の数としては、2〜4であることが好ましい。このような芳香族環の数が4を超えると、水に溶解しにくくなる傾向にある。このような芳香族環としては、例えば、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、ピロール、フラン、チオフェン、ピリジン、インドール等が挙げられる。また、このようなRとしては、安全性等の観点から、ノニルフェノール基以外のものが好ましい。
また、前記一般式(2)中のmは、6〜10(より好ましくは7〜9)の整数である。このようなmが6未満では、水に分散しにくくなり、他方、10を超えると、発泡が大きくなり実用に適さなくなる。
なお、このような第二の非イオン系界面活性剤としては、公知の非イオン系界面活性剤を適宜使用することができ、例えば、下記のような市販の製品を使用することができる。
旭電化工業株式会社製
「アデカトールPC−6」(特殊フェノールエトキシレート、曇点10℃、HLB値11.1)
「アデカトールPC−8」(特殊フェノールエトキシレート、曇点51℃、HLB値12.4)
「アデカトールPC−10」(特殊フェノールエトキシレート、曇点67℃、HLB値13.5)
ローディア日華株式会社
「サンモールMP−80N」(ポリオキシエチレン芳香族系誘導体、pH値:約6、有効成分99質量%)
また、本発明の脱脂液中における第一の非イオン系界面活性剤及び第二の非イオン系界面活性剤の合計の濃度としては、1400〜2400ppmの範囲内であることが好ましい。このような非イオン系界面活性剤の濃度が1400ppm未満では、脱脂洗浄力が十分に向上せず、更には複数回使用した際に経時的に脱脂洗浄力が低下する傾向にあり、他方、2400ppmを超えると、それ以上の効果の向上が得られないばかりか、経済性も低下する傾向にある。
また、前記第一の非イオン系界面活性剤と、前記第二の非イオン性界面活性剤との固形分の質量換算による含有比率としては、1:9〜9:1であることが好ましく、3:7〜7:3であることがより好ましい。このような第一の非イオン性界面活性剤の含有比率が前記下限未満では、十分な脱脂力が得られにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると経時的な脱脂力を維持しにくくなる傾向にある。
また、本発明の脱脂液のpH値は、10.5〜12.0の範囲内である。このようなpH値が10.5未満では、脱脂洗浄力の経時劣化及び被処理物の化成性や塗装性の劣化を引き起こし、他方、12.0を超えると、リン酸亜鉛皮膜の溶解抑制が損なわれる。すなわち、本発明の脱脂液は、pH値が前記範囲内にあるため、リン酸亜鉛処理等により表面処理された金属基材に対して好適に用いることができる。更に、このような脱脂液のpH値としては、10.9〜11.7の範囲内となることがより好ましい。
このようなpH値を調整する方法は特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができ、例えば、上記必須成分に加えてpHを上げるための塩基性化合物を適宜配合し、pH値を10.5〜12.0の範囲内にする方法を採用することができる。このような塩基性化合物としては特に限定されないが、例えば、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等のアルカリ重炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム等のアルカリ炭酸塩;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の苛性アルカリ等を挙げることができる。また、このような塩基性化合物としては、環境保護の観点から窒素及びリンを含有しない化合物が好ましく、中でも、経済性の観点から、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。なお、このような塩基性化合物は、1種を単独で使用してもよく、或いは2種以上を混合して使用してもよい。
また、本発明の脱脂液においては、前記2種以上のアルカリビルダー及びpH値を調整するために添加される前記塩基性化合物に含有されている合計アルカリ量が、9000ppm〜16000ppmの範囲内であることが好ましい。このような合計アルカリ量が9000ppm未満であると、良好な脱脂洗浄性を発揮できない傾向にあり、他方、16000ppmを超えると、リン酸亜鉛皮膜の溶解抑制効果が低下する傾向にある。また、このような合計アルカリ量としては、10000ppm〜13000ppmの範囲内であることがより好ましい。
さらに、本発明の脱脂液においては、遊離アルカリ度(FA)が10〜15ポイントの範囲内となることが好ましい。このような遊離アルカリ度が10ポイント未満であると、脱脂液のpHが10.5未満となり、脱脂洗浄力の経時劣化及び被処理物の化成性や塗装性の劣化を引き起こす傾向にあり、他方、15ポイントを超えると、それ以上の効果が得られず、脱脂液の成分の消費量がいたずらに増加する傾向にある。ここで、遊離アルカリ度は、フェノールフタレインを指示薬として脱脂液10mlを中和するのに要する0.1Nの塩酸(又は硫酸)溶液の量〔ml〕をポイントで表示したものである。
また、本発明の脱脂液は、リン化合物及び窒素化合物を実質的に含まないものである。ここで、本発明にいう「リン化合物及び窒素化合物を実質的に含まない」とは、リン化合物及び窒素化合物が脱脂液中の成分として作用する程含まれていないことを意味し、リン化合物及び窒素化合物の含有量が10ppm未満であることが好ましく、リン化合物及び窒素化合物を全く含有しないことがより好ましい。このように、本発明の脱脂液は、実質的にリン化合物及び窒素化合物を実質的に含まないことから、湖沼水の富栄養化、汚染等の環境負荷を低減することができる。
また、本発明の脱脂液においては、キレート剤を更に含有することが好ましい。このようなキレート剤を含有させることで、キレート剤がカルシウム塩やマグネシウム塩と結合するため、脱脂液中にカルシウム塩やマグネシウム塩が混入した場合にカルシウム塩やマグネシウム塩が本発明にかかるアルカリケイ酸塩と結合することを防止でき、これにより脱脂洗浄力の低下をより十分に抑えることができる傾向にある。このようなキレート剤としては特に制限されず、公知のキレート剤を適宜用いることができるが、脱脂洗浄力の低下をより高度に防止できることから、水溶性ポリカルボン酸塩を用いることが特に好ましい。すなわち、本発明の脱脂液においては、水溶性ポリカルボン酸塩を更に含有することが好ましい。
このような水溶性ポリカルボン酸塩としては特に制限されないが、0℃以上の水に0.01g/L以上溶解するポリカルボン酸塩が好ましい。また、このような水溶性ポリカルボン酸塩としては、重合性二重結合を1つ有する不飽和カルボン酸類の単独重合体及び共重合体等であって、そのカルボキシル基がナトリウムやカリウム等のアルカリ金属で中和された塩がより好ましい。
また、このような水溶性ポリカルボン酸塩の質量平均分子量としては特に制限されないが、5000〜100000の範囲内であることが好ましく、10000〜100000の範囲内であることがより好ましい。このような質量平均分子量が5000未満又は100000を超えると、脱脂洗浄力が十分に向上せず、経時的に脱脂洗浄力が低下するおそれがある。
本発明の脱脂液中における水溶性ポリカルボン酸塩の濃度としては、100〜500ppm(より好ましくは150〜400ppm)の範囲内に維持されることが好ましい。このような水溶性ポリカルボン酸塩の濃度が100ppm未満では、脱脂洗浄力が十分に向上せず、経時的に脱脂洗浄力が劣化する傾向にある。他方、前記水溶性ポリカルボン酸塩濃度が500ppmを超えると、脱脂液が増粘化して被処理物に付着して消費される量が多くなるとともに効果の向上が不十分となり、更には経済的も低下する傾向にある。
また、このような水溶性ポリカルボン酸塩としては公知の水溶性ポリカルボン酸塩を適宜使用することができ、例えば、下記のような市販の製品を使用することができる。
BASF社製
「ソカランCP−5」(質量平均分子量70000のマレイン酸−アクリル酸共重合体のナトリウム塩を40質量%含む樹脂液)
「ソカランCP−7」(質量平均分子量50000のマレイン酸−アクリル酸共重合体のナトリウム塩を40質量%含む樹脂液)
「ソカランPA−40」(質量平均分子量15000のポリアクリル酸ソーダを40質量%含む樹脂液)
花王株式会社製
「ポイズ520」(特殊ポリカルボン酸塩を40質量%含む樹脂液)
「ポイズ521」(特殊ポリカルボン酸塩を40質量%含む樹脂液)
「ポイズ531」(特殊ポリカルボン酸塩を40質量%含む樹脂液)
旭電化工業社製
「アデカコールW−193」(ジイソブチレン/オレフィン/無水マレイン酸共重合体のソーダ塩を25質量%含む樹脂液)
「アデカコールW−304」(ポリアクリル酸ソーダを40質量%含む樹脂液)
「アデカコールW−370」(マレイン酸−アクリル酸共重合体のナトリウム塩を40質量%含む樹脂液)。
また、本発明の脱脂液においては、前記第一及び第二の非イオン系界面活性剤以外の他の非イオン系界面活性剤を更に含有してもよい。このような他の非イオン系界面活性剤としては特に制限されず、従来公知のものを挙げることができる。また、このような他の非イオン系界面活性剤の中でも、洗浄力に優れ、魚毒性が低いという観点からは、ポリエチレンオキサイドのモノアルキルエーテルが好ましく、洗浄力に優れ、魚毒性が低く且つ消泡性に優れている(低起泡性)という観点からは、ポリエチレンオキサイドポリプロピレンオキサイドのモノアルキルエーテルが好ましい。
なお、本発明の脱脂液において用いる溶媒としては、水を好適に用いることができる。更に、本発明の脱脂液においては、その効果を損なわない範囲において脱脂液に用いることが可能なその他の添加剤を適宜用いてもよい。このような添加剤としては、例えば、灯油等が挙げられる。
以上、本発明の脱脂液について説明したが、次に、本発明の脱脂洗浄方法について説明する。
本発明の脱脂洗浄方法は、上記本発明の脱脂液を用い、被処理物を脱脂洗浄することを特徴とする方法である。このように、本発明の脱脂洗浄方法においては、上記本発明の脱脂液が用いられているため、金属基材等の種々の被処理物に対して処理を行うことができ、これにより被処理物を十分に脱脂できるとともに、脱脂処理後の被処理物の表面に優れた化成処理性を付与することができる。
また、本発明において具体的な洗浄の方法は特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法、それらの組み合わせからなる接液法等の通常の脱脂洗浄方法を適宜採用することができる。更に、このような脱脂洗浄方法の処理条件としては、例えば、処理温度室温〜70℃、好ましくは30〜50℃、より好ましくは35〜43℃、処理時間10秒〜30分の条件を挙げることができる。このような処理温度が室温未満であるか又は処理時間が10秒未満であると、脱脂洗浄力が不十分となる傾向にあり、処理温度が70℃を超えるか又は処理時間が30分を超える場合には、亜鉛材の化成性が低下する傾向にある。
また、本発明にかかる被処理物としては特に限定されず、例えば、鉄系基材、アルミニウム系基材、亜鉛系基材等の金属基材を挙げることができる。前記鉄系基材、前記アルミニウム系基材、及び、前記亜鉛系基材は、それぞれ、鉄及び/又はその合金からなる鉄系基材、アルミニウム及び/又はその合金からなるアルミニウム基材、亜鉛及び/又はその合金からなる亜鉛系基材を意味する。更に、本発明の脱脂洗浄方法においては、鉄系基材、アルミニウム系基材及び亜鉛系基材等の複数の金属基材からなる複合構造材料の脱脂処理に対しても好適に使用することができる。
さらに、このような鉄系基材としては特に限定されず、例えば、冷延鋼板、熱延鋼板等を挙げることができる。前記アルミニウム系基材としては特に限定されず、例えば、5000番系アルミニウム合金、6000番系アルミニウム合金等を挙げることができる。更に、前記亜鉛系基材としては特に限定されず、例えば、亜鉛めっき鋼板、亜鉛−ニッケルめっき鋼板、亜鉛−鉄めっき鋼板、亜鉛−クロムめっき鋼板、亜鉛−アルミニウムめっき鋼板、亜鉛−チタンめっき鋼板、亜鉛−マグネシウムめっき鋼板、亜鉛−マンガンめっき鋼板等の亜鉛系の電気めっき、溶融めっき、蒸着めっき鋼板等の亜鉛又は亜鉛系合金めっき鋼板等を挙げることができる。
また、本発明における被処理物としては、少なくとも一部が表面処理された鋼板であってもよい。このよう表面処理としては特に限定されず、例えば、リン酸亜鉛処理、ジルコニウム処理等を挙げることができる。すなわち、本発明の脱脂洗浄方法は、上記本発明の脱脂液を用いているため、ジルコニウム皮膜等が少なくとも一部に形成された表面処理鋼板に対しても採用することができ、更には、リン酸亜鉛皮膜の溶解を抑制できることから少なくとも一部がリン酸亜鉛により被覆された表面処理鋼板(リン酸亜鉛被覆鋼板)にも好適に採用することができる。このようなリン酸亜鉛被覆鋼板としては特に限定されず、市販の製品であってもよく、例えば、住友金属工業社製の商品名「SPC P5−W」等を挙げることができる。更に、本発明の被処理物としては、自動車車体であることが好ましい。
また、本発明にかかる被処理物は、脱脂処理の前に、予備脱脂処理を行ったものであってもよい。本発明の脱脂洗浄方法により脱脂処理された被処理物は、脱脂後において更に水洗処理されることが好ましい。このような水洗処理の方法としては、脱脂処理後において、脱脂液を水洗するために大量の水洗水によって1回又はそれ以上スプレー処理又は浸漬処理する方法を採用することができる。
さらに、本発明によって脱脂処理された被処理物としては、脱脂処理後に化成処理及び各種塗装等を行なうものであってもよい。本発明の脱脂洗浄方法においては、上記本発明の脱脂液が優れた脱脂洗浄性を発揮するものであるため、化成処理に対する阻害要因となる油分や汚れを被処理物表面から効果的に且つ十分に除去することができる。従って、例えば、本発明の脱脂洗浄方法により脱脂した被処理物にリン酸亜鉛系化成処理を行なうと、リン酸亜鉛の良質の結晶性皮膜(X線回折法で151型結晶面が多い)を形成することができる。このように、本発明の脱脂洗浄方法は、被処理物に良好な化成性を付与することができる。
また、本発明の脱脂洗浄方法を継続的に行なう場合においては、上記本発明の脱脂液に含まれる前記各成分及びその濃度を上述の範囲に保つために、前記各成分からなる補充用薬剤を補充する必要がある。このような補充用薬剤の補充は、遊離アルカリ度10〜15ポイントを維持しつつ、脱脂液のSi濃度、pH値が上述のそれぞれの好ましい範囲に入るように調節しながら行なわれることが好ましい。このような補充用薬剤の補充方法としては特に制限されないが、例えば、アルカリケイ酸塩、pH値を調整するためのアルカリ化合物からなる補充用A剤、及び、水溶性ポリカルボン酸塩、非イオン系界面活性剤からなる補充用B剤を調製し、補充用A剤の配合を決定した後、補充用B剤の補充用A剤に対する補給割合を決定する方法を採用することができる。Siは原子吸光分析で濃度を把握でき、水溶性ポリカルボン酸塩は液体クロマトグラフィー法等で、非イオン系界面活性剤はリンモリブデン酸法で定量できる。
このような補充用A剤及び補充用B剤の好適な一例を以下に挙げる。
補充用A剤:
アルカリケイ酸塩1〜6質量%(全アルカリ化合物に対してSi換算で)
アルカリ炭酸塩20〜60質量%(全アルカリ化合物に対して)
苛性アルカリ10〜50質量%(全アルカリ化合物に対して)
補充用B剤:
水溶性ポリカルボン酸塩5〜40質量%、
非イオン系界面活性剤10〜60質量%、
水0〜85質量%(B剤の質量%は3者の合計100質量%に対する数値である。)
このような補充用A剤を用いる場合においては、補充用A剤中の全アルカリ成分中に占める前記苛性アルカリの含有率は、10〜50質量%の範囲で選定されることが好ましい。このような苛性アルカリの含有率が10質量%未満であると、脱脂液の遊離アルカリ度を10〜15ポイントに保つべく補充用A剤を補給しても脱脂液の平衡pH値を10.5以上に保つことが困難となったり、上記式(I)を満足する脱脂液組成を保つことが困難となるため、脱脂洗浄力の経時劣化及び被処理物の化成性や塗装性の劣化を引き起こす傾向にある。他方、前記苛性アルカリの含有率が50質量%を超えると、脱脂液の遊離アルカリ度を上記範囲内に保つべくA剤を補給すると、脱脂液中のケイ酸塩濃度が経時で低下し、脱脂洗浄力が初期に比べて低下する傾向にある。
また、補充用A剤中の全アルカリ成分中に占める前記アルカリケイ酸塩濃度は、Si換算で1〜6質量%の範囲内で選択されることが好ましい。前記アルカリケイ酸塩濃度が6質量%を超えると上記式(I)を満足する脱脂液組成を保つことが困難となり、被処理物の化成性や塗装性の劣化を引き起こす傾向にある。他方、前記アルカリケイ酸塩濃度が1質量%未満であると、脱脂液中の遊離アルカリ度を10〜15ポイントに保つべく補充用A剤を補給しても脱脂液中のアルカリケイ酸塩濃度が経時的に低下し、脱脂洗浄力が経時劣化を引き起こす傾向にある。なお、補充用A剤の成分をそれぞれ単独で脱脂液に補充しても良いが、それらの補給割合は上記の比率であることが望ましい。
また、脱脂液中の水溶性ポリカルボン酸塩濃度及び非イオン系界面活性剤濃度を保つために補充用B剤を用いる場合には、補充用B剤中のそれぞれの含有率は、脱脂液中のそれぞれの管理濃度に対応して適宜選択すればよい。また、このような補充用B剤の補給方法は特に制限されず、脱脂液中の当該成分濃度を分析し、その減量に応じて補給すればよいが、便宜的には前記補充用A剤の補給に対して一定量の比率で補給してもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下に示す実施例中において「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味し、「%」は特に断りのない限り「質量%」を意味する。
(実施例1〜6及び比較例1〜4)
表1に示す組成を有する脱脂液をそれぞれ調製した。なお、アルカリビルダーに関しては、アルカリケイ酸塩としてメタケイ酸ナトリウム5水塩(NaO・SiO・5HO)を使用し、他のアルカリビルダーとして炭酸ナトリウム(NaCO)を使用した。また、第一の非イオン性界面活性剤、第二の非イオン系界面活性剤、並びに、水溶性ポリカルボン酸塩の各成分に関しては、前述の市販の製品をそれぞれ用いた。なお、表中の各成分の濃度単位は、ppmである。
Figure 2008050666
<初期の脱脂洗浄性の評価>
実施例1〜6及び比較例1〜4で得られた各脱脂液を用い、40℃の温度条件下で冷延鋼板(SPC材)に対して撹拌ディップ処理を2分間施してSPC材の表面を脱脂した(脱脂処理)。次いで、脱脂した後のSPC材を用い、水のヌレ面積を目視で確認して脱脂性(水ヌレ性)を測定した。なお、このような脱脂性(水ヌレ性)を測定は、評価用洗浄液ごとにそれぞれ2回ずつ行った。得られた結果を表2に示す。
<経時後の脱脂洗浄性の評価>
金属基材を複数回の脱脂処理した後(経時後)の脱脂洗浄性を評価するために、実施例1〜6及び比較例1〜4で得られた各脱脂液に、それぞれ油分を混入させて混合液を調製し、これを用いて前述の初期の脱脂洗浄性の評価方法と同様の方法で脱脂洗浄性を評価した。得られた結果を表2に示す。なお、このような混合液は、実施例1〜6及び比較例1〜4で得られた各脱脂液に対して、それぞれ油分として防錆油(出光興産株式会社製の「ダフニーオイルコートRL−55」)を3750ppm混入させて調製した。
Figure 2008050666
表2に示す結果からも明らかなように、本発明の脱脂液(実施例1〜5)は高度な初期脱脂洗浄性を示し、経時後の脱脂洗浄性も十分に高いことが確認された。これに対して、比較例1で得られた脱脂液は、初期の脱脂洗浄性及び経時後の脱脂洗浄性がともに十分なものではなかった。更に、比較例2〜4で得られた脱脂液は、初期の脱脂洗浄性には優れるものの、経時後の脱脂性は十分なものではなく、経時的に脱脂液の洗浄性が低下することが確認された。このような結果から、本発明の脱脂液は、初期の脱脂洗浄性に優れるとともに、長期間の使用によって油脂類が比較的多量に含有した場合においても脱脂洗浄性を十分に維持することが可能であることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、環境汚染を引き起こすリン化合物や窒素化合物を実質的に含有することなくpH値が10.5〜12.0の範囲で優れた脱脂洗浄性を発揮することができ、しかも長期間の使用によって油脂類が比較的多量に含有した場合においても脱脂洗浄性を十分に維持することが可能な脱脂液並びにそれを用いた脱脂洗浄方法を提供することが可能となる。
したがって、本発明の脱脂液は、金属基材(例えばリン酸亜鉛被服鋼板)の表面に脱脂処理を施す際に用いる脱脂液として特に有用である。

Claims (7)

  1. 少なくとも1種のアルカリケイ酸塩を含む2種以上のアルカリビルダーと、
    下記一般式(1):
    O−(CO)−H (1)
    (式中、Rは、炭素数が10〜12であるアルキル基を示し、nは、7〜9の整数を示す。)
    で表される第一の非イオン系界面活性剤と、
    下記一般式(2):
    O−(CO)−H (2)
    (式中、Rは、1分子中に少なくとも2つの芳香族環を有する基を示し、mは、6〜10の整数を示す。)
    で表される第二の非イオン系界面活性剤と、
    を含むものであり、pH値が10.5〜12.0であり、且つリン化合物及び窒素化合物を実質的に含まないことを特徴とする脱脂液。
  2. 前記第一の非イオン系界面活性剤と、前記第二の非イオン性界面活性剤との固形分の質量換算による含有比率が、1:9〜9:1であることを特徴とする請求項1に記載の脱脂液。
  3. 前記脱脂液が、水溶性ポリカルボン酸塩を更に含有するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱脂液。
  4. 前記アルカリケイ酸塩の濃度が、ケイ素の元素換算で下記式(I):
    300<Y<10(0.318X+2.72) (I)
    (式中、Xは、脱脂液のpH値から10.5を引いて得られる値であり、Yは、アルカリケイ酸塩の濃度(単位:ppm)である。)
    で表わされる不等式の条件を満たし、
    前記水溶性ポリカルボン酸塩の濃度が100〜500ppmの範囲にあり、且つ、
    前記第一の非イオン系界面活性剤及び前記第二の非イオン系界面活性剤の合計の濃度が1400〜2400ppmの範囲にあること、
    を特徴とする請求項3に記載の脱脂液。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の脱脂液を用い、被処理物を脱脂洗浄することを特徴とする脱脂洗浄方法。
  6. 前記被処理物が、少なくとも一部が表面処理鋼板であることを特徴とする請求項5に記載の脱脂洗浄方法。
  7. 前記被処理物が自動車車体であることを特徴とする請求項5又は6に記載の脱脂洗浄方法。
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