JP2008049756A - ラック・ピニオン式ステアリング装置 - Google Patents

ラック・ピニオン式ステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ラックガイドホルダの変形を防止し、ラトル音の発生を防止できるラックガイドを備えたラック・ピニオン式ステアリング装置を提供する。
【解決手段】 ラックガイド13は、全体が略円筒状のラックガイドホルダ14と、その内部のピン挿入溝14bに配置されたピン15、及び中心部分にニードルベアリング16が圧入され、外周面が鼓状に形成されたローラ17から構成される。ローラ17の外周面はラック軸12の背面に転がり接触し、ラック軸12を噛合面に向けて押圧する。ピン15には端部に接近して弾性材料のOリング15aが装着され、ピン挿入溝14bにOリング15aを介して接触する。車両走行時にピン15とピン挿入溝14bとの間に伝達された振動はOリングで吸収・減衰され、ラック歯とピニオン歯との噛合面を安定させ、バックラッシュの増加、歯打ち音(ラトル音)の発生を抑えることができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車両用のラック・ピニオン式ステアリング装置に関する。
車両用のラック・ピニオン式ステアリング装置は、ピニオンの回転をピニオンに噛合するラックに伝達してラックの端部に取付られているタイロッドを移動させ、操向車輪の向きを操作する舵取り機構に伝達するように構成されている。
このうようなラック・ピニオン式ステアリング装置では水平方向に延びたラック軸にピニオン軸から回転力が伝達される構造のギア装置が使用されており、ギア装置は、ピニオンとラックとが適正に噛合するように、ラック軸の背面を噛合方向に弾性体、例えばばねなどを利用して押圧するラックガイドを備え、ピニオンとラックとの噛合状態を適正に維持するように構成されている。
また、ラックガイドには、ラック軸とラックガイドとを滑り接触させた滑り形式のものと、ラック軸をローラで支承する転がり形式のものがあり、転がり形式のものでは、ローラを支持するピンをラックガイドホルダに設けたピン挿入溝により支承するように構成されている(特許文献1参照)。
図6は、ラック・ピニオン式ステアリング装置100の構成のを説明する図である。略円筒状のラックハウジング101の内部には、図示されていないラック軸が水平方向に移動自在に配置されており、ラック軸の両端はタイロッド103、104に連結されている。また、ラックハウジング101には、後述するギア装置を収容するギアハウジング105が設けられており、その内部にピニオン軸106が回転自在に配置され、ピニオン軸106の図示されていないピニオンとこれも図示されていないラックが噛合し、ピニオン軸106の回転によりラック軸が左右に移動してタイロッド103、104を移動させ、図示されていない操舵機構を介して操向車輪に舵角が与えられる。
なお、図6で符号107、108はラック・ピニオン式ステアリング装置100を車体に装着するためにラックハウジング101に設けた取付部材を示しており、図示しない取付ボルトを介して取付部材107、108と車体フレームを固定する。
図7は、ラック軸をローラで支承する転がり形式のギア装置120の構成を説明する断面図で、ギア装置120はギアハウジング105の内部にピニオン軸106及びラック軸112が配置されて構成されている。ピニオン軸106は、玉軸受108及びニードル軸受109により回転自在に支承され、ラック軸112は、図示しないラックブッシュにより軸方向に移動可能に配置されており、ラック軸112のラック歯112aは、前記したピニオン軸106に一体に形成されたピニオンのピニオン歯106aと噛合している。
さらに、ギアハウジング105の内部には、ラック軸106のピニオン軸106と反対側にラックガイド114が配置され、ラック軸112を背面から押圧してピニオン歯106aとラック歯112aとの噛合状態を適正に維持するように構成されている。
ラックガイド114は、全体が略円筒状に形成されたラックガイドホルダ115と、その内部空間に形成されたピン受部115aにラック軸112の軸方向に直交する方向に配置されたピン116、及び中心部分にニードルベアリング117が圧入され、外周面が鼓状に形成されたローラ118から構成される。
前記ローラ118はピン116に装着されてラックガイドホルダ115の内部空間に回転自在に配置され、ローラ118の鼓状外周面はラック軸112の背面(噛合面と反対側の面)に転がり接触し、ラック軸112を噛合面に向けて押圧可能に構成されている。
ギアハウジング105には、ラックガイドホルダ115を案内する円筒状の孔からなるラックガイド案内部105aが設けられ、ラックガイドホルダ115の外周面がラックガイド案内部105aに嵌合している。また、ギアハウジング105のラックガイド案内部105aの下側(ラック軸112と反対側)には、調整スクリュー119が螺合するように内面にねじが形成されている。
調整スクリュー119は有底円筒上の部材であって、ラックガイド案内部105に螺合し、ラックガイドホルダ115との間に皿ばね119aを介在させてラックガイドホルダ115をラック軸112に向けて押圧するように構成されており、調整スクリュー119のねじ込み量を調整することで、ラック歯112aとピニオン歯106aとの噛合状態を適正に調整することができる。ラックガイドホルダ115は皿ばね115aの撓み量だけ変位することが可能である。
図8は、上記したラック軸をローラで支承する転がり形式のギア装置のラックガイドであって、ピンとローラとが一体に形成されたものである。前記図7に示す構成とはラックガイドの構成が相違するだけであるから、以下、同一部材には同一符号を付して詳細な説明は省略し、相違点について説明する(特許文献2参照)。
ギアハウジングの内部には、ラック軸112のピニオン軸106と反対側にラックガイド114が配置され、ラック軸112を背面から押圧してピニオン歯とラック歯との噛合状態を適正に維持するように構成されている点は、先に図7を参照して説明した構成と変わらない。
ラックガイド114は、全体が略円筒状に形成されたラックガイドホルダ115と、その内部に配置されたピンとローラとが一体に形成されたシャフト付きローラ120とから構成され、シャフト付きローラ120はラック軸112の軸方向に直交する方向に配置されている。
ラックガイド114は、ギアハウジング105に形成されたラックガイド114を案内する円筒状の孔からなるラックガイド案内部に摺動自在に嵌合しており、ギアハウジング105のラックガイド案内部の下側(ラック軸112と反対側)に配置されたバネ121によりラック軸112に向けて付勢されている。
この構成では、シャフト付きローラ120とラックガイド114との全体がバネ121により弾性的に支持されており、特にピンとローラとが一体に形成されているので、ピンとローラとの接触面での摩耗や異音の発生することがない。
図9は、ローラとピンとの間に弾性体を備えたブッシュ(滑り軸受)を介在させた転がり形式のラックガイドの一例を説明する断面図、図10は、ローラのピン挿入孔に弾性体を備えたブッシュ(滑り軸受)を挿入したローラの構成を説明する断面図である(特許文献3参照)。
図7に示す構成と同一部材には同一符号を付して、詳細な説明は省略するが、この構成においても、ギアハウジング105の内部にラック軸112のピニオン軸106と反対側にラックガイド114が配置され、ラック軸112を背面から押圧してピニオン歯106aとラック歯112aとの噛合状態を適正に維持している。
ギアハウジング105には、ラックガイド114を案内する円筒状の孔からなるラックガイド案内部105aが設けられ、ラックガイドホルダ115の外周面がラックガイド案内部105aに嵌合している。また、ギアハウジング105のラックガイド案内部105aの下側(ラック軸112と反対側)には内面にねじが形成され、調整スクリュー119が螺合している。
ラックガイドホルダ115には、ピニオン軸の軸心に平行にピン116が配置されており、ピン116には、滑り軸受として機能するブッシュ210が挿入され、外周面が鼓状に形成されたローラ118が回転自在に支持されている。ブッシュ210は、低摩擦材料で構成されたつば部210aと円筒部210bとからなり、その外表面は弾性体210cが固定されている。
ステアリング機構が作動するとき、ブッシュ210の低摩擦材料で構成されたつば部210aと円筒部210bとがローラ118の回転方向の摩擦抵抗を軽減するほか、ローラ118にスラスト方向の力が作用したとき、弾性体210cがラックガイド114とローラ118との間の摩擦抵抗を軽減する。
このほか、操舵の安定性を向上させる目的で、ラック軸を収容したラックハウジング(図6参照)を弾性体を介在させて車体フレームに固定する手段である取付ボルトや、弾性体を介在させることなく固定する手段である取付ボルトも知られている。
図11は、ラックハウジングを車体フレームに固定する取付ボルトの一例を示す断面図であって、図11(a)は弾性体を備えた取付ボルト、図11(b)は弾性体のない取付ボルトである。
図11(a)に示す取付ボルト150は、ボルト本体151の外側に弾性体152を配置したもので、取付ボルト150をラックハウジング101(図6参照)の取付部材107、108に挿入してナット153で車体フレーム160に固定するとき、弾性体152が取付部材107、108と車体フレーム160との間に挟まれるので、ラックハウジング101に伝達される車体の振動を軽減することができる。
図11(b)に示す取付ボルト155は、ボルト本体155の外側に弾性体が配置されていない。取付ボルト155をラックハウジング101(図6参照)の取付部材107、108に挿入してナット153で車体フレーム160に固定する。このとき、弾性体が介在しないのでラックハウジング101を強固に車体フレーム160に固定できるが、ラックハウジング101に伝達される車体の振動を軽減することはできない。
特開2004−34829号公報。 特開2005−35414号公報。 特開平11−105717号公報。
上記した転がり形式のラックガイドでは、車両走行時の振動等がタイロッドを経てラック軸に伝達され、ラック軸に接触するローラだけでなく、ローラを支持するピンとラックガイドホルダのピン受部にも大きな荷重が作用し、ローラを支持するピンとラックガイドホルダとの間の面圧が増大する。
また、従来のラックガイドでは、ピン116とラックガイドホルダ115のピン受部とは直接接触しているから、車両走行時の振動等が両者の接触面に繰り返し加わると接触面が徐々に押し潰されガタ付きが生じ、ラックとピニオンとの噛合面方向の押圧力も低下し、バックラッシュの増加、歯打ち音(ラトル音)の発生を招くという不都合があった。
接触面圧を低下させるためには、ピンの直径を大きくするという方法もあるが、ピンの直径を大きくするとローラの直径も大きくなるという不都合が発生し、また、ピンの長さを長くするという方法ではラックガイドホルダが大きくなるという不都合が発生する。
さらに、ラックハウジングを弾性体を介在させることなく車体フレームに固定する構成では、車両走行時の振動等が減衰されないのでローラを支持するピンの面圧を増大させることになり、やはりバックラッシュの増加、歯打ち音(ラトル音)の発生を招くという不都合を解決することができない。この発明は、上記した不都合を解決することを目的とするものである。
この発明は上記課題を解決するもので、請求項1の発明は、ローラでラック軸の背面をラックとピニオンとの噛合方向に向けて押圧する転がり型ラックガイドを備えたラック・ピニオン式ステアリング装置において、前記ラックガイドは、前記ラックとピニオンとの噛合方向に向けて移動可能に配置され、その内部にピン挿入溝が形成されたラックガイドホルダと、前記ローラが回転自在に装着され、前記ラックガイドホルダのピン挿入溝に配置されるピンとから構成され、前記ピンとラックガイドホルダのピン挿入溝との当接部には、ピンの表面側或いはピン挿入溝側のいずれか一方又は両方に弾性体が配置されることを特徴とするラック・ピニオン式ステアリング装置である。
そして、前記ピンの表面側に配置される弾性体は、前記ピンに装着されたOリングとすることができる。
また、前記ピンの表面側に配置される弾性体は、前記ピンに装着されたリング状の弾性体とすることもできる。
さらに、前記ピン挿入溝側に弾性体を配置する構成では、弾性体をピン挿入溝の底面に装着するとよい。
請求項5の発明は、ローラでラック軸の背面をラックとピニオンとの噛合方向に向けて押圧する転がり型ラックガイドを備えたラック・ピニオン式ステアリング装置において、前記ラックガイドは、前記ラックとピニオンとの噛合方向に向けて移動可能に配置され、その内部にピン挿入溝が形成されたラックガイドホルダと、前記ローラが回転自在に装着され、前記ラックガイドホルダのピン挿入溝に配置されるピンとから構成され、前記ラックガイドホルダのピン挿入溝とピンとはそれぞれが平面に形成された接触面を備え、該接触面により前記ローラに作用する負荷を支承する構成において、前記ピン挿入溝側の接触面と前記ピン側の接触面との間に弾性体が配置されることを特徴とするラック・ピニオン式ステアリング装置である。
この場合、前記ピンは中央部分が断面円形で、ピン軸方向の両端部付近がピン軸に対して平行に削られて平面に形成された接触面を備えるものとすることができる。
また、前記ラックガイドホルダのピン挿入溝は断面V字状に配置された2つの平面で構成された溝状の接触面を備え、前記ピンは中央部分が断面円形で、ピン軸方向の両端部付近が断面逆V字状に配置された2つの平面で構成された凸条からなる接触面を備えるものとしてもよい。
以上説明したとおり、請求項1の発明は、ローラでラック軸の背面をラックとピニオンとの噛合方向に向けて押圧する転がり型ラックガイドを備えたラック・ピニオン式ステアリング装置において、前記ラックガイドは、前記ラックとピニオンとの噛合方向に向けて移動可能に配置され、その内部にピン挿入溝が形成されたラックガイドホルダと、前記ローラが回転自在に装着され、前記ラックガイドホルダのピン挿入溝に配置されるピンとから構成され、前記ピンとラックガイドホルダのピン挿入溝との当接部には、ピンの表面側或いはピン挿入溝側のいずれか一方又は両方に弾性体が配置されることを特徴とするラック・ピニオン式ステアリング装置である。
この構成では、前記ピンとラックガイドホルダのピン挿入溝との当接部にピンの表面側或いはピン挿入溝側のいずれか一方又は両方に弾性体が配置されているので、車両走行時の振動等がタイロッドを経てラック軸に伝達され、ローラやこれを支持するピンとラックガイドホルダのピン受部にも大きな荷重が作用しても、その当接部に配置された弾性体により振動が減衰・吸収され、バックラッシュの増加、歯打ち音(ラトル音)の発生を抑えることができる。
また、請求項5の発明は、ローラでラック軸の背面をラックとピニオンとの噛合方向に向けて押圧する転がり型ラックガイドを備えたラック・ピニオン式ステアリング装置において、前記ラックガイドは、前記ラックとピニオンとの噛合方向に向けて移動可能に配置され、その内部にピン挿入溝が形成されたラックガイドホルダと、前記ローラが回転自在に装着され、前記ラックガイドホルダのピン挿入溝に配置されるピンとから構成され、前記ラックガイドホルダのピン挿入溝とピンとはそれぞれが平面に形成された接触面を備え、該接触面により前記ローラに作用する負荷を支承する構成において、前記ピン挿入溝側の接触面と前記ピン側の接触面との間に弾性体が配置されることを特徴とするラック・ピニオン式ステアリング装置である。
この構成では、前記ピン挿入溝側の接触面と前記ピン側の接触面との間に弾性体が配置されているので、車両走行時の振動等がタイロッドを経てラック軸に伝達され、ローラやこれを支持するピンとラックガイドホルダのピン受部にも大きな荷重が作用しても、その接触面間に配置された弾性体により振動が減衰・吸収され、バックラッシュの増加、歯打ち音(ラトル音)の発生を抑えることができる。
以下、この発明の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態のラック・ピニオン式ステアリング装置は、先に説明した従来のラック・ピニオン式ステアリング装置において、ラックガイドの構成が相違するだけで、その他の構成は先に説明した従来の装置と変わらない。従って、以下、この発明の実施の形態のラック・ピニオン式ステアリング装置のラックガイドの構成について説明し、その他の構成については説明を省略する。
[第1の実施の形態]
図1は、この発明の第1の実施の形態のラック・ピニオン式ステアリング装置のラックガイドの構成を説明するラック軸の軸心方向からみた拡大断面図である。図1において、11はギアハウジング、12はラック軸、13はラックガイドである。ラックガイド13は、全体が略円筒状に形成されたラックガイドホルダ14と、その内部空間14aに形成されたピン挿入溝14bにラック軸12の軸方向に直交する方向に配置されたピン15、及び中心部分にニードルベアリング16が圧入され、外周面が鼓状に形成されたローラ17から構成される。
前記ローラ17はピン15に装着されてラックガイドホルダ14の内部空間に回転自在に配置され、鼓状に形成されたローラ17の外周面は、ラック軸12の背面(噛合面と反対側)に転がり接触し、ラック軸12を噛合面に向けて押圧可能に構成されている。
ギアハウジング11には、ラックガイドホルダ14を案内する円筒状の孔からなるラックガイド案内部11aが設けられ、ラックガイドホルダ14の外周面がラックガイド案内部11aに嵌合している。また、ギアハウジング11のラックガイド案内部11aの下側(ラック軸12と反対側)には、調整スクリュー19が螺合するように内面にねじが形成されている。
調整スクリュー19は有底円筒上の部材であって、ラックガイド案内部11aに螺合しており、調整スクリュー19とラックガイドホルダ14との間には皿ばね18が配置されていて、調整スクリュー19をねじ込むと、皿ばね18を介してラックガイドホルダ14をラック軸12に向けて押圧するように構成されている。調整スクリュー19のねじ込み量を調整してラック歯とピニオン歯との噛合状態を適正に調整することができる。
次に、ピン15の構成について説明する。
ピン15は、図1にピン軸に沿った方向の断面が示されているように、その端部に接近して弾性材料で構成された環状のOリング15aが装着され、ピン15は、ラックガイドホルダ14に形成されたピン挿入溝14bの底面にOリング15aを介して接触するように構成されている。
この構成によれば、車両走行時にピン15とピン挿入溝14bとの間に振動が伝達されても、振動は弾性材料で構成された環状のOリング15aにより吸収・減衰され、ピン15とピン挿入溝14bとの間の接触面が押し潰されることがなく、また、ラック歯とピニオン歯との噛合面を安定させ、バックラッシュの増加、歯打ち音(ラトル音)の発生を抑えることができる。
[第2の実施の形態]
図2は、この発明の第2の実施の形態のラック・ピニオン式ステアリング装置のラックガイドの構成を説明するラック軸の軸心方向からみた拡大断面図である。図1に示す第1の実施の形態との相違点はピン15の構成にあり、その他は第1の実施の形態と変わらないので、同一部材には同一符号を付して詳細な説明を省き、相違点について説明する。
第2の実施の形態のピン15は、図2にピン軸に沿った方向の断面が示されているように、その端部にリング状の弾性体15bが装着され、ピン15は、ラックガイドホルダ14に形成されたピン挿入溝14bにリング状の弾性体15bを介して接触するように構成されている。
この構成によっても、車両走行時にピン15とピン挿入溝14bとの間に振動が伝達されても、振動は弾性材料で構成されたリング状の弾性体15bにより吸収・減衰され、ピン15とピン挿入溝14bとの間の接触面が押し潰されることがなく、また、ラック歯とピニオン歯との噛合面を安定させ、バックラッシュの増加、歯打ち音(ラトル音)の発生を抑えることができる。
[第3の実施の形態]
図3は、この発明の第3の実施の形態のラック・ピニオン式ステアリング装置のラックガイドの構成を説明するラック軸の軸心方向からみた拡大断面図である。図1に示す第1の実施の形態との相違点はピン挿入溝14bの構成にあり、その他は第1の実施の形態と変わらないので、同一部材には同一符号を付して詳細な説明を省き、相違点について説明する。
第3の実施の形態のピン挿入溝14bは、図3にピン軸に沿った方向の断面が示されているように、ピン挿入溝14bの底面に弾性体14cが装着され、ピン15は、ラックガイドホルダ14に形成されたピン挿入溝14bの底面に弾性体14cを介して接触するように構成されている。
この構成によっても、車両走行時にピン15とピン挿入溝14bとの間に振動が伝達されても、振動は弾性体14cにより吸収・減衰され、ピン15とピン挿入溝14bとの間の接触面が押し潰されることがなく、また、ラック歯とピニオン歯との噛合面を安定させ、バックラッシュの増加、歯打ち音(ラトル音)の発生を抑えることができる。また、ピン15とピン挿入溝14bとの間の接触による音の発生も抑えることができる。
[第4の実施の形態]
図4は、この発明の第4の実施の形態のラック・ピニオン式ステアリング装置のラックガイドの構成を説明する断面図で、図4(a)はラックガイドをラック軸の軸心方向からみた拡大断面図、図4(b)はラックガイドホルダをピンの軸心方向から見た断面図、図4(c)はそのラックガイドホルダとピンとの接触状態を説明する拡大断面図である。
第4の実施の形態は、第1の実施の形態のものにおいて、ピン15と、ラックガイドホルダ14のピン挿入溝の構成が相違するだけであるから、第1の実施の形態のものと同一部材には同一符号を付して詳細な説明は省略し、相違点について説明する。
ピン15は、その中央部15cは、円形断面に形成され、ニードルベアリング16を介してローラ17を回転自在に支持するように構成されている。また、ピン15の両端部とその付近は、それぞれ円形断面の一部がピン軸に平行な平面に沿って削り取られた平面からなる接触面15dが形成されている。即ち、ピン15は中央部は断面が円柱状、両端部とその付近は断面がカマボコ状で、カマボコ状に削り取られた下側の面が接触面15dとなる。
一方、ラックガイドホルダ14は、外形が略円筒状に形成された部材であって、その中央部分には、内部に収容されるローラ17の形状に沿った形状の、底面が半円筒状でその上に矩形断面の孔からなる内部空間14aが形成され、その内部空間14aのラックガイドホルダ14の直径方向の左右には、矩形断面の溝からなるピン挿入溝14bが形成され、ピン挿入溝14bの底面は前記したピン15の両端部とその付近に形成された接触面15dに接触する接触面14dが形成されている。
そして、ピン挿入溝14bの接触面14dとピン15の接触面15dとのいずれか、或いは両方に弾性体Mを接着などの手段で設ける。
この構成によれば、ピン15の両端部とその付近に形成された接触面15dと、ラックガイドホルダ14のピン挿入溝14bの接触面14dとが弾性体Mを介して面接触するから、接触面積が従来の線接触に比較して飛躍的に拡大し、接触面圧が低下するほか、振動は弾性体Mにより吸収・減衰され、ピン15とピン挿入溝14bとの間の接触面が押し潰されることがなく、また、ラック歯とピニオン歯との噛合面を安定させ、バックラッシュの増加、歯打ち音(ラトル音)の発生を抑えることができる。
[第5の実施の形態]
図5は、この発明の第5の実施の形態のラック・ピニオン式ステアリング装置のラックガイドの構成を説明する断面図で、図5(a)はラックガイドをラック軸の軸心方向からみた拡大断面図、図5(b)はラックガイドホルダをピンの軸心方向から見た断面図、図5(c)はそのラックガイドホルダとピンとの接触状態を説明する拡大断面図である。
第5の実施の形態は、第1の実施の形態のものにおいて、ピン15と、ラックガイドホルダ14のピン挿入溝の構成が相違するだけであるから、第1の実施の形態のものと同一部材には同一符号を付して詳細な説明は省略し、相違点について説明する。
第5の実施の形態は、第1の実施の形態のものにおいて、ピン15と、ラックガイドホルダ14のピン挿入溝の構成が相違するだけであるから、第1の実施の形態のものと同一部材には同一符号を付して詳細な説明は省略し、相違点について説明する。
ピン15は、その中央部15eは、円形断面に形成され、ニードルベアリング16を介してローラ17を回転自在に支持するように構成されている。また、ピン15の両端部とその付近は、左右対称に断面逆V字状(例えば角度45°)に配置された2つの平面で構成された凸条により接触面15fが構成される。必要に応じてその先端が僅かに丸めることができる。
一方、ラックガイドホルダ14は、外形が略円筒状に形成された部材であって、その中央部分には、内部に収容されるローラ17の形状に沿った形状の、底面が半円筒状でその上に矩形断面の孔からなる内部空間14aが形成され、その内部空間14aのラックガイドホルダ14の直径方向の左右にはピン挿入溝14bが形成され、ピン挿入溝14bの底面は断面V字状(例えば角度45°)に配置された2つの平面で構成された溝状の接触面14eが形成されている。
そして、ピン挿入溝14bの接触面14eとピン15の接触面15fとのいずれか、或いは両方に弾性体Mを接着などの手段で設ける。
この構成によれば、ピン15の両端部とその付近に形成された断面逆V字状(例えば角度45°)の凸条からなる接触面15fと、ラックガイドホルダ14のピン挿入溝14bに形成された断面V字状(例えば角度45°)の接触面14eとが弾性体Mを介して面接触するから、接触面積が従来の線接触に比較して飛躍的に拡大し、接触面圧が低下するほか、振動は弾性体Mにより吸収・減衰され、ピン15とピン挿入溝14bとの間の接触面が押し潰されることがなく、また、ラック歯とピニオン歯との噛合面を安定させ、バックラッシュの増加、歯打ち音(ラトル音)の発生を抑えることができる。
ラックガイドホルダの変形を防止し、ラトル音の発生を防止できるラックガイドを備えたラック・ピニオン式ステアリング装置であって、ラックガイドホルダとローラを保持するピンとの間に弾性体を介在させ、接触面圧を低下させるほか、接触面の振動を吸収・減衰させてラックガイドホルダの変形を防止し、ラトル音の発生を防止できるラックガイドを備えたラック・ピニオン式ステアリング装置を提供する。
第1の実施の形態のラック・ピニオン式ステアリング装置のラックガイドの構成を説明するラック軸の軸心方向からみた拡大断面図。 第2の実施の形態のラック・ピニオン式ステアリング装置のラックガイドの構成を説明するラック軸の軸心方向からみた拡大断面図。 第3の実施の形態のラック・ピニオン式ステアリング装置のラックガイドの構成を説明するラック軸の軸心方向からみた拡大断面図。 第4の実施の形態のラック・ピニオン式ステアリング装置のラックガイドの構成を説明する断面図。 第5の実施の形態のラック・ピニオン式ステアリング装置のラックガイドの構成を説明する断面図。 ラック・ピニオン式ステアリング装置の構成を説明する断面図。 従来の転がり形式のギア装置の構成を説明する断面図。 従来の転がり形式のギア装置のラックガイドの構成を説明する断面図。 従来のローラとピンの間に弾性体を備えたブッシュを介在させた転がり形式のラックガイドの構成を説明する断面図。 従来のローラとピン挿入孔に弾性体を備えたブッシュを挿入したローラの構成を説明する断面図。 従来のラックハウジングを車体フレームに固定する取付ボルトの一例を示す断面図。
符号の説明
11 ギアハウジング
11a ラックガイド案内部
12 ラック軸
13 ラックガイド
14 ラックガイドホルダ
14a 内部空間
14b ピン挿入溝
14c 弾性体
14d 接触面(平面の接触面)
14e 接触面(断面V字状の溝状の接触面)
15 ピン
15a Oリング
15b リング状の弾性体
15c 中央部(ピンの中央部)
15d 接触面(平面の接触面)
15e 中央部(ピンの中央部)
15f 接触面(断面逆V字状の凸条の接触面)
16 ニードルベアリング
17 ローラ
18 皿ばね
19 調整スクリュー
M 弾性体


Claims (7)

  1. ローラでラック軸の背面をラックとピニオンとの噛合方向に向けて押圧する転がり型ラックガイドを備えたラック・ピニオン式ステアリング装置において、
    前記ラックガイドは、前記ラックとピニオンとの噛合方向に向けて移動可能に配置され、その内部にピン挿入溝が形成されたラックガイドホルダと、前記ローラが回転自在に装着され、前記ラックガイドホルダのピン挿入溝に配置されるピンとから構成され、
    前記ピンとラックガイドホルダのピン挿入溝との当接部には、ピンの表面側或いはピン挿入溝側のいずれか一方又は両方に弾性体が配置されること
    を特徴とするラック・ピニオン式ステアリング装置。
  2. 前記ピンの表面側に配置される弾性体は、前記ピンに装着されたOリングであること
    を特徴とする請求項1に記載のラック・ピニオン式ステアリング装置。
  3. 前記ピンの表面側に配置される弾性体は、前記ピンに装着されたリング状の弾性体であること
    を特徴とする請求項1に記載のラック・ピニオン式ステアリング装置。
  4. 前記ピン挿入溝側に配置される弾性体は、ピン挿入溝側の底面に装着された弾性体であること
    を特徴とする請求項1に記載のラック・ピニオン式ステアリング装置。
  5. ローラでラック軸の背面をラックとピニオンとの噛合方向に向けて押圧する転がり型ラックガイドを備えたラック・ピニオン式ステアリング装置において、
    前記ラックガイドは、前記ラックとピニオンとの噛合方向に向けて移動可能に配置され、その内部にピン挿入溝が形成されたラックガイドホルダと、前記ローラが回転自在に装着され、前記ラックガイドホルダのピン挿入溝に配置されるピンとから構成され、
    前記ラックガイドホルダのピン挿入溝とピンとはそれぞれが平面に形成された接触面を備え、該接触面により前記ローラに作用する負荷を支承する構成において、
    前記ピン挿入溝側の接触面と前記ピン側の接触面との間に弾性体が配置されること
    を特徴とするラック・ピニオン式ステアリング装置。
  6. 前記ピンは中央部分が断面円形で、ピン軸方向の両端部付近がピン軸に対して平行に削られて平面に形成された接触面を備えること
    を特徴とする請求項5に記載のラック・ピニオン式ステアリング装置。
  7. 前記ラックガイドホルダのピン挿入溝は断面V字状に配置された2つの平面で構成された溝状の接触面を備え、前記ピンは中央部分が断面円形で、ピン軸方向の両端部付近が断面逆V字状に配置された2つの平面で構成された凸条からなる接触面を備えること
    を特徴とする請求項5に記載のラック・ピニオン式ステアリング装置。



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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011162186A (ja) * 2010-02-10 2011-08-25 Mando Corp 自動車操向装置のラックバー支持装置
CN110259901A (zh) * 2019-06-27 2019-09-20 珠海格力电器股份有限公司 基于齿轮齿条机构的回转支承限位装置及其应用
CN112298339A (zh) * 2019-07-30 2021-02-02 株式会社万都 一种转向机齿条间隙补偿机构、转向机及车辆

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