JP2008049361A - ビーム成形方法及び該方法を用いたレーザ加工装置 - Google Patents

ビーム成形方法及び該方法を用いたレーザ加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】所定形状において均一なビームプロファイルを有するレーザビームを成形し、また成形されたレーザビームを用いて、加工対象物への高精度なレーザ加工を実現する。
【解決手段】円形のレーザビームを所定形状に成形するためのビーム成形方法において、円形のレーザビームから楕円形状のレーザビームを成形する楕円形状成形ステップと、楕円形状成形ステップにより得られる楕円形状のレーザビームを分岐させる分岐ステップと、分岐ステップにより得られる各楕円形状の角度が異なるように、少なくとも1つの楕円形状のレーザビームを回転させる回転ステップと、回転ステップにより得られる楕円形状のレーザビームを合成させる合成ステップと、合成ステップにより得られる合成されたレーザビームをマスク機構に通過させ、所定形状のレーザビームを切り出す切出ステップとを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ビーム成形方法及び該方法を用いたレーザ加工装置に係り、特に所定形状において均一なビームプロファイルを有するレーザビームを成形し、また成形されたレーザビームを用いて、加工対象物への高精度なレーザ加工を実現するための加工対象物への高精度なレーザ加工を実現するためのビーム成形方法及び該方法を用いたレーザ加工装置に関する。
従来、レーザ発振器から発生したレーザビームを用いてプリント配線基板等の加工対象物に対し、1又は複数発のレーザビームを照射してレーザ加工を行う技術が存在する。例えば、COガスレーザ発振器から出射されたパルス状のレーザビームは、マスク機構等により光量が調整され、イメージングレンズ等により加工対象物の加工点に集束される。
このとき、マスク等の光量調整機構を通過したレーザビームは、均一光学系(入射用集光レンズ、カライド反射鏡等)を介して加工対象物の所定領域に照射される。
また、上述の均一光学系では、例えば入射用の集光レンズにより集光されたレーザビームをカライド反射鏡に入射させ、カライド反射鏡では、その内部での多重反射を利用してレーザビームの光(エネルギー)強度分布(ビームプロファイル)を均一にする。なお、レーザビームのビームプロファイルを制御する技術としては、例えばホモジナイザ等がある。
そして、均一光学系により光強度分布を均一にされたレーザビームは、例えばガルバノスキャナ等による走査系により振られて、XYステージ上の加工対象物の所定領域に照射される。
ところで、上述したレーザ加工では、レーザビームの光強度分布がガウシアン状(つりがね状)の場合、レーザビームの軸心の光強度分布が最も強くなり、レーザビームの外周の光強度分布が弱くなる。
また、上述したようにマスク機構を用いた場合、例えば固定マスクの孔径によりレーザビームのビーム径を規制したとしても、固定マスクを通過したレーザビームの軸心付近の光強度分布が最も強い状態は変わらない。そのため、孔加工(バイアホール加工)された孔の内周がテーパ状になってしまい、孔加工の開口率の改善に限界があるという問題があった。
そこで、従来では、マスク機構に複数の孔又は複数のスリットからなる開口部を任意に配置し、そのマスクをレーザビームの光軸を回転軸として回転させることにより、レーザビームの光強度分布(ビームプロファイル)が均一になるように光量を制御する手法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−118831号公報
しかしながら、上述したように従来技術では、マスクを回転させて入射されるレーザビームの光強度分布(ビームプロファイル)が均一になるように調整しているが、マスクを回転させる制御が必要であったり、回転しているマスクによるレーザビームの損失が大きく効率的ではない。
更に、レーザ発振器から出射されるレーザビームは、通常円形であるが、例えばレーザビームを4角形等の所定形状に成形して均一なビームプロファイルで加工対象物を加工する場合、例えばレーザビームを上述したマスクに形成された四角形のスリット等を通過させることで、所定形状のレーザビームを切り出す方式が用いられている。しかしながら、この方式を用いると、切り出されたレーザビームの中心部分が強く、周辺部分が弱いビームとなってしまい、特に中心軸から遠いスリットの角(隅)部が最も弱くなってしまう。そのため、加工対象物に対して高精度なレーザ加工が実現できなかった。
また、例えばレーザ加工装置としては、ガルバノスキャナ等を用いて加工対象物の所定領域に対してレーザビームを照射してレーザパターニング等を行う装置がある。この装置では、ガルバノスキャナから加工対象物までの距離が長く、また一般に角部を有する形状を加工対象物の加工点に転写する光学系が用いられるが、所望の加工点スポットサイズを得るために、幾つかの制約がある。
例えば、ガルバノスキャナの大きさが限られ、更に加工点のNA(Numerical Aperture)は、レーザ品質を示す「M=πdθ/4λ」の基準を満たすように、拡がり角θに制限がある。また、上述した加工対象物へ照射されるレーザビームの所望のスポットサイズ(例えば、100μm等)を得るためには、ある一定以上のビーム品質Mが必要となる。
したがって、均一な加工点プロファイルを得るためには、レーザ発振器が持つビームプロファイルが加工点に反映され易くするため、例えばホモジナイザ、ファイバ、カライド反射鏡等、ビーム品質Mを悪化させる構成を用いないほうが好ましい。
そのため、レーザビームの均一度をよくするためには、スリット面でレーザビームの中心部分のみを切り出すしかなく、その場合にも効率が悪くなっていた。したがって、加工対象物への高精度なレーザ加工が実現されていなかった。
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、所定形状において均一なビームプロファイルを有するレーザビームを成形し、また成形されたレーザビームを用いて、加工対象物への高精度なレーザ加工を実現するためのビーム成形方法及び該方法を用いたレーザ加工装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明は、円形のレーザビームを所定形状に成形するためのビーム成形方法において、前記円形のレーザビームから楕円形状のレーザビームを成形する楕円形状成形ステップと、前記楕円形状成形ステップにより得られる楕円形状のレーザビームを分岐させる分岐ステップと、前記分岐ステップにより得られる各楕円形状の角度が異なるように、少なくとも1つの楕円形状のレーザビームを回転させる回転ステップと、前記回転ステップにより得られる楕円形状のレーザビームを合成させる合成ステップと、前記合成ステップにより得られる合成されたレーザビームをマスク機構に通過させ、所定形状のレーザビームを切り出す切出ステップとを有することを特徴とする。これにより、所定形状において均一なビームプロファイルを取得することができる。また、成形されたレーザビームを用いて、加工対象物への高精度なレーザ加工を実現することができる。
更に、前記回転ステップは、前記楕円形状の長軸が前記マスク機構に形成された開口部の少なくとも1つの角と交わるように前記楕円形状のレーザビームを回転させることを特徴とする。これにより、マスクによる不要な損失をなくし、また所定形状における中心部分及び周辺部分が均一なビームプロファイルを形成することができる。
更に、前記分岐ステップは、偏光光学系を用いて前記楕円形状のレーザビームを前記開口部の角数に基づいて複数に分岐させ、前記合成ステップは、偏光光学系を用いて分岐した楕円形状のレーザビームを合成させることを特徴とする。これにより、レーザビームを偏光光学系により分岐、合成するため、ビーム品質の劣化を最小限に抑えることができる。
また本発明は、円形のレーザビームを所定形状に成形するためのビーム成形方法を用いて加工対象物に所定の加工を行うレーザ加工装置において、前記レーザビームを照射するレーザ発振器と、前記レーザ発振器から出射された円形のレーザビームから楕円形状のレーザビームを成形する楕円形状成形手段と、前記楕円形状成形手段により得られる楕円形状のレーザビームを分岐させる分岐手段と、前記分岐手段により得られる各楕円形状の角度が異なるように、少なくとも1つの楕円形状のレーザビームを回転させる回転手段と、前記回転手段により得られる楕円形状のレーザビームを合成させる合成手段と、前記合成手段により得られる合成されたレーザビームを所定形状に切り出すマスク機構を有することを特徴とする。これにより、所定形状において均一なビームプロファイルを取得することができる。また、成形されたレーザビームを用いて、加工対象物への高精度なレーザ加工を実現することができる。
更に、前記回転手段は、前記楕円形状の長軸が前記マスク機構に形成された開口部の少なくとも1つの角と交わるように前記楕円形状のレーザビームを回転させることを特徴とする。これにより、マスクによる不要な損失をなくし、また所定形状における中心部分及び周辺部分が均一なビームプロファイルを形成することができる。
更に、前記分岐手段は、前記楕円形状のレーザビームを前記開口部の角数に基づいて複数に分岐させる偏光光学系を有し、前記合成手段は、分岐した楕円形状のレーザビームを合成させる偏光光学系を有することを特徴とする。これにより、レーザビームを偏光光学系により分岐、合成するため、ビーム品質の劣化を最小限に抑えることができる。
本発明によれば、所定形状において均一なビームプロファイルを取得することができる。また、成形されたレーザビームを用いて、加工対象物への高精度なレーザ加工を実現することができる。
<本発明の概念>
本発明では、均一なレーザビームのビームプロファイルを成形する場合、光学系等により容易に成形することができる楕円ビーム(長尺ビーム)を利用する。また、成形した楕円ビームを所定数に分岐させる。また、分岐させた楕円ビームのそれぞれが異なる角度になるように少なくとも1つの楕円ビームを、ビームの中心を軸にして回転させる。更に、回転させた楕円ビームを中心が交わるように合成してマスクを通過させる。これにより、マスクによる不要な損失をなくし、また所定形状における中心部分及び周辺部分が均一なビームプロファイルを取得することができる。
なお、本発明では、楕円ビームを回転させる場合には、楕円の長軸がマスクに形成される開口部(スリット等)により形成される所定形状の少なくとも1つの角(隅)と交わるように位置付けるのが好ましい。
この手法により、例えばガルバノスキャナ等を用いたレーザ発振器から加工対象物までの距離(ワークディスタンス)の長いレーザパターニング加工を行う加工装置において、レーザ発振器から出射されるレーザビームのビーム品質を落とすことなく、また、光学系での伝送効率を悪化させずに、均一なスリット形状に対応する加工点のビームプロファイルを有する成形されたレーザビームを用いて、加工対象物への高精度なレーザ加工を実現することができる。これにより、加工品質を向上させることができる。
<レーザビームの例>
ここで、所定形状のビームを成形するためにマスク機構に形成された開口部に入射されるレーザビームの例について図を用いて説明する。図1は、マスク機構に形成された開口部に入射されるレーザビームの一例を示す図である。
なお、図1では、開口部の一例として正方形のスリットが形成されている。また、図1(a)はスリットに入射される従来のレーザビームの一例を示し、図1(b)はスリットに入射される本発明のレーザビームの一例を示している。なお、図1(a)、(b)では、大きさの異なる波紋状のビーム形状が示されているが、これはビームプロファイルの強さを示しており、中心に向かうほどビームは強くなっている。
図1(a)に示すように、所定の形状のビームを成形するために、正方形のスリット11に入射される従来のレーザビームは、円形状のレーザビーム(円形ビーム12)であるため、スリット11により切り出されるレーザビームのビームプロファイルは、中心が強く、スリット11内の周辺部分が弱いビームとなる。したがって、特にスリット11の角部は中心からの距離が遠いため、最も弱いビームとなる。
そこで、本発明では、図1(b)に示すように、スリット11に対して入射するレーザビームは、まず楕円状のレーザビームを成形し、その楕円ビームを分岐してそれぞれの向きが異なるように一方又は両方の楕円ビームを楕円形状の中心を軸にして回転させて、それぞれの楕円ビームを中心が交わるように合成させ、合成させた楕円ビーム13の中心がスリット11の中心と交わるようにスリット11内を通過させることで、スリット11内の周辺部分のレーザビームのビームプロファイルを強くすることができる。そのため、加工スポット内のプロファイルが均一化され、加工品質を向上させることができる。
なお、本発明において、成形された楕円ビーム13は、スリットの形状に対応させて回転させることが好ましい。具体的には、楕円形状の長軸が、スリット形状の少なくとも1つの角(隅)の位置と交わる位置に位置付けられるように楕円ビームを回転させる。これにより、スリット11により成形されたビームの周辺部、特に角部のビームプロファイルを強めることができる。したがって、ビームプロファイルを均一にすることができる。
ここで、図2は、本発明におけるスリットに入射されるレーザビームの他の例を示す図である。例えば、図2(a)に示すように、長方形のスリット21である場合には、長方形のそれぞれの角(隅)に楕円ビームの長軸を対応させるように楕円ビーム22−1,22−2を回転させる。また、図2(b)に示すように、例えば6角形のスリット23である場合には、3つの楕円ビーム24−1〜24−3をそれぞれ6角形のスリット23の角に長軸が交わるように回転させ、回転させた楕円ビーム24−1〜24−3を図2(b)に示すように合成することで、均一なビームプロファイルを有するレーザビームを成形することができる。また、成形されたレーザビームを加工対象物に照射して加工することにより、加工対象物への高精度なレーザ加工を実現することができる。
なお、上述した各楕円ビームは、スリットの2つの角に長軸が交わるように位置付けられているが、本発明においてはこれに限定されず、少なくとも1つの角に長軸が交わるように位置付けられていればよい。したがって、上述したスリット形状以外にも、例えば、3角形や星型でもよく、更に菱形、楕円等のスリットに対してもそれぞれの角に対応するように楕円ビームを所定数に分岐させ、所定の角度に回転させて合成した楕円ビームを用いてスリットを通過させることにより、均一なビームプロファイルを取得することができる。
ここで、上述した実施例においては、楕円ビームを成形する場合に損失を少なくするためレンズ光学系を用いるのが好ましく、例えば縦と横で倍率の異なる光学系を実現できるシリンドリカルレンズ等を用いることができる。これにより、円形ビームの入射することで、容易に楕円ビームを成形することができる。なお、楕円ビームを成形する方法については、本発明においてはこれに限定されない。
また、楕円ビームを分岐する場合には、例えばビームスプリッタ等の偏光光学系を分岐手段として用いることができる。また、スプリッタは、ハーフミラーや偏光ビームスプリッタを用いることが好ましい。なお、偏光ビームスプリッタでP波、S波に分岐する場合は、λ/2波長板やλ/4波長板を使用することで、分岐割合を容易に調整することができる。
また、分岐した楕円ビームを所定角度に回転させ、回転させた楕円ビームを合成する場合には、分岐手段と同様に偏光光学系を合成手段として用いることができる。例えば、分岐する手段として偏光ビームスプリッタを用いた場合、P波、S波を合成する合成偏光ビームスプリッタ等を用いる。合成偏光ビームスプリッタによるPS合成では、例えばPS合成のためにλ/2波長板を挿入して直線偏光の方向を調整する。このように、レーザビームを偏光光学系により分岐、合成するため、ビーム品質の劣化を最小限に抑えることができる。また、合成ビームのビーム品質(M、拡がり角θ)に変化がないため、光学系での損失が少ない。したがって、高精度なレーザビームを成形することができる。
また、楕円ビームを回転させる場合には、上述した偏光光学系やミラーユニット等を用いてレーザビームの入射方向に対して所定の角度に傾けて反射をさせることにより、楕円ビームを所定角度に回転させる。
なお、レーザビームを分岐、回転、合成させるための構成は、上述した内容に限定されることはなく、他の構成を用いてもよい。
<レーザ加工装置>
次に、上述したような手法で成形されたレーザビームを用いて加工対象物に照射してレーザ加工を行うレーザ加工装置について、図を用いて説明する。なお、以下に示すレーザ加工装置については、一例として2つの楕円ビームを合成して4角形のスリットを通過させ、均一のビームプロファイルで加工対象物に照射し加工を行う例について説明するが、本発明において、スリット形状等については、これに限定されるものではない。
図3は、本発明におけるビーム成形により加工を行うレーザ加工装置の一構成例を示す図である。図3に示すレーザ加工装置30は、制御手段31と、レーザ発振器32と、ガルバノスキャナ33と、ガルバノミラー34と、ステージ駆動手段としてのステージドライバ35と、ステージ36と、楕円形状成形手段としてのシリンドリカルレンズ37と、分岐手段としての偏光光学系であるビームスプリッタ38と、回転手段としてのミラーユニット39−1〜39−3と、合成手段としての偏光光学系である合成偏光ビームスプリッタ40と、マスク機構としての開口部であるスリット41と、スリット結像光学系42とを有するよう構成されている。なお、図3(a)〜(g)は、その時点でのレーザビームの形状を概略的に示したものである。
図3に示すレーザ加工装置30において、制御手段31は、レーザ加工装置30全体の制御を行う。具体的には、制御手段31は、加工対象物51をどのように加工するかを定めた各種制御情報等からなる加工計画パラメータ52に基づいて加工条件を設定し、レーザ発振器32、ガルバノスキャナ33、及びステージドライバ35に対してそれぞれ対応する制御情報(照射条件設定情報、照射開始情報、整定情報、ステージ目標位置情報等)を出力する。
レーザ発振器32は、制御手段31から得られる加工対象物51の所定の加工領域を加工するためのレーザビームの周波数やパワー、ショット数、パルス幅、照射タイミング情報、照射位置等の照射条件設定情報に基づいて、レーザビームの照射条件を設定する。また、レーザ発振器32は、制御手段31から得られる照射開始情報に基づいて所定のレーザビームを照射する。
ここで、レーザビームの種類としては、YAGレーザやエキシマレーザ、COレーザ等、通常のレーザビームを用いることができる。本実施例では、一例としてYAGレーザの第2高周波(例えば、波長532nm等)、レーザ強度80W(例えば、8mJ、10kHz等)、ビームサイズ直径5mm、ビーム品質M=20のレーザビームを用いるが、本発明におけるレーザビームの強度等については特に制限されない。
次に、ガルバノスキャナ33は、制御手段31から得られるガルバノミラー34の位置や角度等の整定情報に基づいて、ガルバノミラー34を所定の位置に移動及び整定させ、ガルバノミラー34により、入射されるレーザビームの方向を変えて加工対象物51の所定の加工位置に照射させる。ガルバノスキャナ33を用いることで、例えば加工対象物51の水平方向(XY方向)に対するレーザビームの照射位置を変更し、所定の領域(ブロック)に対してレーザビームを振って照射させることができる。
ステージドライバ35は、制御手段31から得られる加工対象物51を吸着等により固定したステージ36を加工条件に対応した所定の高さ(Z方向)及び/又は水平方向(XY方向)に位置付けるためのステージ目標位置情報に基づいて、ステージ36を移動させる。
シリンドリカルレンズ37は、レーザ発振器32から出射された円形ビーム(図3(a))の縦と横の倍率を変え、楕円ビーム(図3(b))を成形する。なお、楕円ビームを成形する光学系については、シリンドリカルレンズに限定されるものではなく、他のレンズ光学系やビーム変形機構を有する構成を用いることができる。
ビームスプリッタ38は、シリンドリカルレンズ37により変形した楕円ビーム(図3(b)を入射し、入射したレーザビームを例えばP波及びS波に分岐して、それぞれ楕円ビームを所定の方向へ出力する(図3(c))。なお、ビームスプリッタ38は、ハーフミラー、偏光ビームスプリッタ等を用いることができる。また、偏光ビームスプリッタで分岐する場合は、λ/2波長板又はλ/4波長板を使用することで分岐の割合を調整することができ、種々の分岐を実現することができる。
ミラーユニット39は、入射されたレーザビームを所定の方向へ導く。このとき、ミラーユニット39に対して入射されるレーザビームの入射角度によりレーザビームを所定の角度に回転させて出力することができる。
具体的には、図3に示すミラーユニット39−1及びミラーユニット39−2は、ビームスプリッタ38から得られるそれぞれのレーザビームを反射させ所定の方向へ導く。このとき、ミラーユニット39−2は、ミラーにより所定の向きに90°回転させることができる(図3(d))。また、ミラーユニット39−3は、合成偏光ビームスプリッタ40からの合成レーザビームを所定の方向へ導く。このとき、上述したように、ミラーによりレーザビームを45°回転させることができる((図3(f))。なお、各ミラーユニット39−1〜39−3についての具体的な構成については後述する。
合成偏光ビームスプリッタ40は、ミラーユニット39−1,39−2から得られるP波、S波の楕円ビームを中心が交わるようにPS合成する。つまり、P波、S波の2つの楕円ビームが同一光軸上を伝搬するように、合成偏光ビームスプリッタ40が配置される。なお、PS合成を行う場合、光学系にλ/2波長板を挿入し、直線偏光の方向を調整する。
このようにして、レーザビームが同一光軸上に合成され、同一光軸上を伝搬する。なお、合成されたレーザビームのパワーは、それぞれのレーザビームのパワーを合算した値となる(図3(e))。このように、PS合成を行うことにより、合成ビームのビーム品質に変化がないため、光学系での損失を少なくすることができる。
スリット41は、予め設定された形状に開口され、そこにレーザビームを通過させることで、所望の形状のレーザビームを得ることができる(図3(g))。なお、本実施例では、例えば、スリットサイズとして一辺が0.5mm〜2mmの正方形を用いることができ、入射されるレーザビームに対して1/4〜1/5程度の縮小光学系を成形するものとするが、本発明においてはこれに限定されない。また、スリット結像光学系42は、スリット41を通過したレーザビームに対して拡大又は縮小して加工対象物51に照射するレーザビームを所定の形状に成形する。例えば、一例として加工対象物51の加工点の加工サイズが一辺100μm〜500μmの正方形となるようにビーム形状を成形する。
次に、図3に示す装置構成に基づく具体的な動作内容について説明する。まず、制御手段31の制御によりレーザ発振器32からレーザビームを出射し(図3(a))、シリンドリカルレンズ37により楕円ビームが成形される(図3(b))。
また、楕円ビームは、ビームスプリッタ38により、2つの楕円ビームに分岐される(図3(c))。分岐された2つの楕円ビームは、ミラーユニット39−1,39−2により所定の方向へと導かれるが、このときミラーユニット39−1,39−2によりそれぞれの楕円ビームが角度の異なる楕円ビームとなる。具体的には、分岐した楕円ビームの片方をミラーユニット39−2により90°回転させる(図3(d))。
次に、角度の異なった楕円ビームを合成偏光スプリッタ40により合成させ、十字の楕円ビームが成形される(図3(e))。また、得られた十字の楕円ビームをミラーユニット39−3により45°回転させて十字から×字のレーザビームを成形し(図3(f))、所定の方向に導く。
次に、スリット41により4角形に切り出し(図3(g))、スリット結像光学系42により形状を縮小させて、ガルバノミラー34へ入射し、ガルバノミラー34により振られたレーザビームが加工対象物51の所定位置に照射され、レーザ加工が行われる。
なお、ビームスプリッタ38や、ミラーユニット39、合成偏光スプリッタ40については、分岐するレーザビームの数や、各楕円ビームの回転させる角度等により数や設置位置が任意に設定される。
また、上述した実施例の構成以外に、例えば合成偏光ビームスプリッタ40から出射したレーザビームに対して、例えば電気光学変調器等を用いて所定の電圧を印加することにより、それを通過する直線偏光の偏光方向を所定角度回転させてもよい。
<ミラーユニットの構成例>
ここで、図4は、本実施例におけるミラーユニットの構成例を示す図である。なお、図4では、レーザビーム60の光軸に垂直な平面の軸としてXY軸を示しており、また点線で示した立方体61は、3次元上でのレーザビーム60の進行方向を明確にするためのものである。
更に、図4(a)は、上述したミラーユニット39−1に対応するミラーユニットを示し、図4(b)は、上述したミラーユニット39−2に対応するミラーユニットを示し、図4(c)は、上述したミラーユニット39−3に対応するミラーユニットを示している。
ミラーユニット39−1では、レーザビーム60を回転させずに所定の方向に反射させればよいため、例えば折り返しミラー62をレーザビーム60の進行方向に対して図4(a)に示す位置に設置することにより、レーザビーム60を回転させずに(回転0°)で反射させることができる。
また、ミラーユニット39−2では、レーザビーム60を90°回転させて所定の方向に反射させる必要があるため、例えば2つの折り返しミラー63,64をレーザビーム60の進行方向に対して図4(b)に示す位置に設置することにより、レーザビーム60を90°回転させて反射させることができる。
更に、ミラーユニット39−3では、レーザビーム60を45°回転させて所定の方向に反射させる必要があるため、例えば2つの折り返しミラー65,66をレーザビーム60の進行方向に対して図4(c)に示す位置に設置することにより、レーザビーム60を45°回転させて反射させることができる。
上述した図4(a)〜図4(c)に示すようなミラーユニットを1又は複数選択して設置することにより1又は複数のレーザビームをビームの中心を軸にして任意の角度に回転させることができる。なお、上述したミラーユニットにおける折り返しミラーの形状や大きさ、設置位置等についてはこれに限定されるものではない。
<ビーム形状例>
ここで、図5は、本実施例におけるビーム形状の一例を示す図である。なお、図5(a)は、従来におけるビーム形状の一例を示し、図5(b)は、本発明により成形されたビーム形状の一例を示す図である。また、図5における波紋状に示している各領域は、レーザ強度の大きさを示すものであり中心にいくほど強度は大きいことを示している。
図5(a)に示すように、従来の円形ビームの場合には、その強度分布も円形状に広がるため、例えば正方形等のスリットで切り出した場合にスリット内の周辺部分の強度が均一にならず、特に正方形等の角の部分の強度が不足してしまう。
そこで、図5(b)に示すように、本発明における楕円ビームの合成形状を用いることにより、正方形等のスリットで切り出した場合でもスリット内の周辺部分の強度を均一にすることができ、特に正方形等の角の部分は高精度な加工ができる十分な強度を持つことができる。したがって、均一なビームプロファイルを有するレーザビームを成形することができ、このレーザビームを加工対象物に照射して加工することにより、加工対象物への高精度なレーザ加工を実現することができる。
上述したように、本発明によれば、所定形状において均一なビームプロファイルを取得することができる。また、成形されたレーザビームを用いて、加工対象物への高精度なレーザ加工を実現することができる。具体的には、円形ビームから楕円ビームに成形し、成形したレーザビームをスプリッタ等の偏光光学系により分岐、再合成することにより、ビーム品質の劣化を最小限に抑えることができる。また、合成ビームのビーム品質(M、拡がり角θ)に変化がないため、光学系での損失を少なくすることができる。
更に、本発明によれば、楕円ビームの長軸をマスク機構の開口部としてのスリット形状の角に合わせるように回転させることで、スリット形状に対応する加工スポットに適したビームプロファイルを取得することができる。更に、加工スポット内のプロファイルが均一化されることにより、加工品質を向上させることができる。
なお、本発明におけるレーザ加工は、ビア形成や溶接、切断、アニール等のレーザ加工全般に適用することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
マスク機構に形成された開口部に入射されるレーザビームの一例を示す図である。 本発明におけるスリットに入射されるレーザビームの他の例を示す図である。 本発明におけるビーム成形により加工を行うレーザ加工装置の一構成例を示す図である。 本実施例におけるミラーユニットの構成例を示す図である。 本実施例におけるビーム形状の一例を示す図である。
符号の説明
11,21,23,41 スリット(開口部)
12 円形ビーム
13,22,24 楕円ビーム
30 レーザ加工装置
31 制御手段
32 レーザ発振器
33 ガルバノスキャナ
34 ガルバノミラー
35 ステージドライバ
36 ステージ
37 シリンドリカルレンズ
38 ビームスプリッタ
39 ミラーユニット
40 合成偏光ビームスプリッタ
42 スリット結像光学系
51 加工対象物
52 加工計画パラメータ
60 レーザビーム
61 立方体
62〜66 折り返しミラー

Claims (6)

  1. 円形のレーザビームを所定形状に成形するためのビーム成形方法において、
    前記円形のレーザビームから楕円形状のレーザビームを成形する楕円形状成形ステップと、
    前記楕円形状成形ステップにより得られる楕円形状のレーザビームを分岐させる分岐ステップと、
    前記分岐ステップにより得られる各楕円形状の角度が異なるように、少なくとも1つの楕円形状のレーザビームを回転させる回転ステップと、
    前記回転ステップにより得られる楕円形状のレーザビームを合成させる合成ステップと、
    前記合成ステップにより得られる合成されたレーザビームをマスク機構に通過させ、所定形状のレーザビームを切り出す切出ステップとを有することを特徴とするビーム成形方法。
  2. 前記回転ステップは、
    前記楕円形状の長軸が前記マスク機構に形成された開口部の少なくとも1つの角と交わるように前記楕円形状のレーザビームを回転させることを特徴とする請求項1に記載のビーム成形方法。
  3. 前記分岐ステップは、偏光光学系を用いて前記楕円形状のレーザビームを前記開口部の角数に基づいて複数に分岐させ、
    前記合成ステップは、偏光光学系を用いて分岐した楕円形状のレーザビームを合成させることを特徴とする請求項1又は2に記載のビーム成形方法。
  4. 円形のレーザビームを所定形状に成形するためのビーム成形方法を用いて加工対象物に所定の加工を行うレーザ加工装置において、
    前記レーザビームを照射するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から出射された円形のレーザビームから楕円形状のレーザビームを成形する楕円形状成形手段と、
    前記楕円形状成形手段により得られる楕円形状のレーザビームを分岐させる分岐手段と、
    前記分岐手段により得られる各楕円形状の角度が異なるように、少なくとも1つの楕円形状のレーザビームを回転させる回転手段と、
    前記回転手段により得られる楕円形状のレーザビームを合成させる合成手段と、
    前記合成手段により得られる合成されたレーザビームを所定形状に切り出すマスク機構を有することを特徴とするレーザ加工装置。
  5. 前記回転手段は、
    前記楕円形状の長軸が前記マスク機構に形成された開口部の少なくとも1つの角と交わるように前記楕円形状のレーザビームを回転させることを特徴とする請求項4に記載のレーザ加工装置。
  6. 前記分岐手段は、前記楕円形状のレーザビームを前記開口部の角数に基づいて複数に分岐させる偏光光学系を有し、
    前記合成手段は、分岐した楕円形状のレーザビームを合成させる偏光光学系を有することを特徴とする請求項4又は5に記載のレーザ加工装置。
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