ところで、画像は、例えば写真画像及びイメージ等のイメージ画や、例えばテキスト文字、色文字、線及び図形等の線画等の様々な種類の画像がある。イメージ画では、例えば8bpp(bits per pixel)等のように、階調が高い方が好ましいが、解像度は、必ずしも高い必要がなく、例えば300dpi(dots per inch)程度でも充分である。一方、線画では、例えば1200dpi等のように、解像度が高い方が好ましいが、階調は、必ずしも高い必要がなく、例えば1bppでもよい。よって、イメージ画が圧縮される場合には、解凍後の画像と圧縮前の画像とにおいて階調が保存されるように圧縮される方が好ましく、一方、線画が圧縮される場合には、解凍後の画像と圧縮前の画像とにおいて解像度が保存されるように圧縮される方が好ましい。
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術及び特許文献2に開示の技術は、圧縮対象の画像におけるこのような特性に応じて階調及び解像度の何れか一方を優先的に保存して圧縮対象の画像を圧縮することができないという不都合がある。
一方、仮に、圧縮対象の画像における上記特性に応じて階調及び解像度の何れか一方を優先的に保存して圧縮対象の画像を圧縮する圧縮技術があったとしても、圧縮対象の画像がイメージ画と線画とを含む画像である場合には、階調を優先的に保存すればこのような画像における線画の領域が適切に圧縮されず、また、解像度を優先的に保存すればこのような画像におけるイメージ画の領域が適切に圧縮されないという不都合が生じる。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、圧縮対象の画像における上記特性に応じて階調及び解像度を適切に保存して圧縮対象の画像の画像データを圧縮することができる画像圧縮装置、画像圧縮方法、画像圧縮プログラム及び画像圧縮プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。本発明は、圧縮された圧縮画像データを記録媒体に記録する記録装置及び記録方法を提供することを目的とする。本発明は、圧縮された圧縮画像データを記録した記録媒体を提供することを目的とする。本発明は、圧縮された画像データを記録媒体に記録するための圧縮画像フォーマットを提供することを目的とする。そして、本発明は、圧縮された圧縮画像データを解凍する画像解凍装置、画像解凍方法、画像解凍プログラム及び画像解凍プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。即ち、本発明の一態様に係る画像圧縮装置は、多値のデータが割り付けられた画素を複数備えた画像データを、複数の画素から成る複数のブロックに分割するブロック化部と、前記データが取り得る値の範囲のうちから複数の代表値を選定すると共に、前記代表値を指し示すインデックスを前記複数の代表値にそれぞれ付与するタグ情報生成部と、前記ブロックにおける各画素のデータについて、前記複数の代表値と前記画素のデータとに基づいて前記インデックスに前記画素のデータを変換する符号化部とを備えることを特徴とする。そして、本発明の他の一態様に係る画像圧縮方法は、多値のデータが割り付けられた画素を複数備えた画像データを、複数の画素から成る複数のブロックに分割するステップと、前記データが取り得る値の範囲のうちから複数の代表値を選定するステップと、前記代表値を指し示すインデックスを前記複数の代表値にそれぞれ付与するステップと、前記ブロックにおける各画素のデータについて、前記複数の代表値と前記画素のデータとに基づいて前記インデックスに前記画素のデータを変換するステップとを備えることを特徴とする。
この構成によれば、まず、画像データが複数の画像から成る複数のブロックに分割され、データが取り得る値の範囲のうちから複数の代表値が選定され、代表値を指し示すインデックスがこの選定された複数の代表値にそれぞれ付与される。このインデックスは、代表値を識別し特定するための識別子でもある。インデックスは、任意の符号でよいが、データ容量を少なくする観点から、少ないビット数で表現される符号が好適である。そして、ブロックごとに、ブロックの各画素のデータが複数の代表値と当該画素のデータとに基づいてインデックスに変換される。このため、ブロックの画像データは、各画素において、当該画素のデータがインデックスにそれぞれ変換されることによって生成された複数のインデックスから成る符号化画像データと、複数の代表値と複数の代表値に対応付けられている複数のインデックスとから成るタグ情報とに圧縮される。そして、各ブロックがこのように圧縮されることによって、画像データは、この圧縮されたブロックの画像データの集合として圧縮される。従って、圧縮対象の画像の画像データは、上記特性に応じて階調及び解像度を適切に保存して圧縮され得る。
また、本発明の他の一態様に係る、コンピュータに実行させるための画像圧縮プログラムは、多値のデータが割り付けられた画素を複数備えた画像データを、複数の画素から成る複数のブロックに分割するステップと、前記データが取り得る値の範囲のうちから複数の代表値を選定するステップと、前記代表値を指し示すインデックスを前記複数の代表値にそれぞれ付与するステップと、前記ブロックにおける各画素のデータについて、前記複数の代表値と前記画素のデータとに基づいて前記インデックスに前記画素のデータを変換するステップとを備えることを特徴とする。さらに、本発明の他の一態様に係る、コンピュータに実行させるための画像圧縮プログラムが記録されたコンピュータに読み取り可能な記録媒体において、前記画像圧縮プログラムは、多値のデータが割り付けられた画素を複数備えた画像データを、複数の画素から成る複数のブロックに分割するステップと、前記データが取り得る値の範囲のうちから複数の代表値を選定するステップと、前記代表値を指し示すインデックスを前記複数の代表値にそれぞれ付与するステップと、前記ブロックにおける各画素のデータについて、前記複数の代表値と前記画素のデータとに基づいて前記インデックスに前記画素のデータを変換するステップとを備えることを特徴とする。
この構成によれば、画像圧縮プログラムは、画像データを複数の画像から成る複数のブロックに分割し、データが取り得る値の範囲のうちから複数の代表値を選定し、代表値を指し示すインデックスをこの選定された複数の代表値にそれぞれ付与し、そして、ブロックごとに、ブロックの各画素のデータを複数の代表値と当該画素のデータとに基づいてインデックスに変換する。各ブロックがこのように圧縮されることによって、画像データは、この圧縮されたブロックの画像データの集合として圧縮される。従って、この構成によれば、圧縮対象の画像の画像データをその上記特性に応じて階調及び解像度を適切に保存して圧縮する画像圧縮プログラムが提供され、また、この画像圧縮プログラムを記録した記録媒体が提供される。
そして、上述の画像圧縮において、タグ情報の生成では、圧縮対象のブロックにおける各画素のデータのうちから複数の代表値が選定されると共に、前記代表値を指し示すインデックスが前記複数の代表値にそれぞれ付与されることが好ましい。
この構成によれば、複数の代表値は、圧縮対象のブロックにおける各画素のデータのうちから選定される。このため、ブロックにおける各画素のデータがインデックスに変換される際に、当該画素のデータの値により近い代表値が選択可能となり、そして、この選択された代表値を指し示すインデックスに当該画素のデータが変換される。従って、この構成によれば、可逆性がより向上する。
また、上述の画像圧縮において、タグ情報の生成では、圧縮対象のブロックにおける各画素のデータのうち、値の等しいデータの個数が多い順に複数の代表値が選定されると共に、前記代表値を指し示すインデックスが前記複数の代表値にそれぞれ付与されることが好ましい。
この構成によれば、複数の代表値は、圧縮対象のブロックにおける各画素のデータのうち、値の等しいデータの個数が多い順に選定される。このため、ブロックにおける各画素のデータがインデックスに変換される際に、当該画素のデータの値にさらにより近い代表値が選択可能となり、そして、この選択された代表値を指し示すインデックスに当該画素のデータが変換される。従って、この構成によれば、可逆性がさらにより向上する。
さらに、上述の画像圧縮において、タグ情報の生成では、まず、圧縮対象のブロックにおける各画素のデータのうち、値の等しいデータの個数が多い順に複数の代表値が選定される。次に、前記複数の代表値に選定されなかった前記画素のデータが前記複数の代表値のうちから最も近い代表値に割り振られる。次に、この画素のデータが割り振られた代表値と当該画素のデータとの平均値でこの代表値が修正される。そして、前記代表値を指し示すインデックスが前記複数の代表値にそれぞれ付与される。このようにタグ情報の生成が処理されることが好ましい。
この構成によれば、複数の代表値は、まず、圧縮対象のブロックにおける各画素のデータのうち、値の等しいデータの個数が多い順に選定される。そして、代表値は、代表値に選定されなかった画素のデータが複数の代表値のうちから最も近い代表値に割り振られ、これら画素のデータと代表値との平均値で修正される。このため、ブロックにおける各画素のデータがインデックスに変換される際に、当該画素のデータの値にさらにより近い代表値が選択可能となり、そして、この選択された代表値を指し示すインデックスに当該画素のデータが変換される。従って、この構成によれば、可逆性がさらにより向上する。
そして、これら上述の画像圧縮において、符号化では、ブロックにおける各画素のデータについて、複数の代表値のうちから前記画素のデータに最も近い代表値が選ばれ、この選ばれた代表値のインデックスに前記画素のデータが変換されることが好ましい。
この構成によれば、ブロックにおける各画素のデータがインデックスに変換される際に、複数の代表値のうちから画素のデータに最も近い代表値が選ばれ、そして、この選ばれた代表値を指し示すインデックスに画素のデータが変換される。このため、この構成によれば、可逆性がより向上する。
さらに、これら上述の画像圧縮において、複数のブロックにおける各サイズが等しく、かつ、複数のブロックにおける各代表値の数が等しいことが好ましい。
この構成によれば、複数のブロックにおける各サイズが等しく、かつ、複数のブロックにおける各代表値の数が等しいので、圧縮された各ブロックのデータ容量が等しくなる。このため、記憶素子や記録媒体に圧縮された各ブロックを保存する場合に、等間隔に保存されるので、任意の圧縮されたブロックのデータを容易に読み出すことができる。よって、任意の圧縮されたブロックのデータを解凍することができる。
そして、本発明の他の一態様では、多値のデータが割り付けられた画素を複数備えた圧縮対象の画像データが、複数の画素から成る複数のブロックに分割され、前記複数のブロックのそれぞれについて、前記データが取り得る値の範囲のうちから選定された複数の代表値と、前記複数の代表値にそれぞれ対応付けられ、前記代表値を指し示す複数のインデックスと、前記複数の画素にそれぞれ対応付けられ、前記画素のデータが変換された複数のインデックスから成る符号化画像データとを記録媒体に記録する記録装置である。また、本発明の他の一態様では、多値のデータが割り付けられた画素を複数備えた圧縮対象の画像データが、複数の画素から成る複数のブロックに分割され、前記複数のブロックのそれぞれについて、前記データが取り得る値の範囲のうちから選定された複数の代表値と、前記複数の代表値にそれぞれ対応付けられ、前記代表値を指し示す複数のインデックスと、前記複数の画素にそれぞれ対応付けられ、前記画素のデータが変換された複数のインデックスから成る符号化画像データとを記録媒体に記録する記録方法である。
この構成によれば、圧縮対象の画像データが分割された各ブロックのそれぞれについて、データが取り得る値の範囲のうちから選定された複数の代表値と、複数の代表値にそれぞれ対応付けられ、代表値を指し示す複数のインデックスと、複数の画素にそれぞれ対応付けられ、画素のデータが変換された複数のインデックスから成る符号化画像データとが記録媒体に記録される。このため、圧縮対象の画像データが、その上記特性に応じて階調及び解像度を適切に保存され、そして、圧縮されて、記録媒体に記録される。そして、その容量は、圧縮対象の画像データの容量より小さいので、このような構成の記録装置及び記憶方法は、圧縮対象の画像データをそのまま保存する場合よりも小さい容量で記録媒体に保存することができる。
さらに、本発明の他の一態様に係る、圧縮画像データが記録されたコンピュータに読み取り可能な記録媒体において、前記圧縮画像データは、多値のデータが割り付けられた画素を複数備えた圧縮対象の画像データが、複数の画素から成る複数のブロックに分割され、前記複数のブロックのそれぞれについて、前記データが取り得る値の範囲のうちから選定された複数の代表値と、前記複数の代表値にそれぞれ対応付けられ、前記代表値を指し示す複数のインデックスと、前記複数の画素にそれぞれ対応付けられ、前記画素のデータが変換された複数のインデックスから成る符号化画像データとを備えることを特徴とする。
この構成によれば、圧縮画像データは、圧縮対象の画像データが分割された各ブロックのそれぞれについて、データが取り得る値の範囲のうちから選定された複数の代表値と、複数の代表値にそれぞれ対応付けられ、代表値を指し示す複数のインデックスと、複数の画素にそれぞれ対応付けられ、画素のデータが変換された複数のインデックスから成る符号化画像データとを備える。このため、圧縮画像データには、圧縮対象の画像データがその上記特性に応じて階調及び解像度を適切に保存されて圧縮されている。そして、圧縮画像データの容量は、圧縮対象の画像データの容量より小さいので、圧縮画像データは、圧縮対象の画像データをそのまま保存する場合よりも小さい容量の記憶素子又は記録媒体に保存され得る。
そして、本発明の他の一態様では、圧縮された画像データを記録媒体に記録するための圧縮画像フォーマットにおいて、多値のデータが割り付けられた画素を複数備えた圧縮対象の画像データが、複数の画素から成る複数のブロックに分割され、前記複数のブロックのそれぞれについて、前記データが取り得る値の範囲のうちから選定された複数の代表値と、前記複数の代表値にそれぞれ対応付けられ、前記代表値を指し示す複数のインデックスと、前記複数の画素にそれぞれ対応付けられ、前記画素のデータが変換された複数のインデックスから成る符号化画像データとが配置されることを特徴とする。
この構成によれば、圧縮画像フォーマットは、圧縮対象の画像データが分割された各ブロックのそれぞれについて、データが取り得る値の範囲のうちから選定された複数の代表値と、複数の代表値にそれぞれ対応付けられ、代表値を指し示す複数のインデックスと、複数の画素にそれぞれ対応付けられ、画素のデータが変換された複数のインデックスから成る符号化画像データとが配置されている。このため、圧縮対象の画像データがその上記特性に応じて階調及び解像度を適切に保存されて圧縮されている圧縮画像データが適切に配置され得る。
また、本発明の他の一態様では、多値のデータが割り付けられた画素を複数備えた圧縮対象の画像データが、複数の画素から成る複数のブロックに分割され、前記複数のブロックのそれぞれについて、前記データが取り得る値の範囲のうちから選定された複数の代表値と、前記複数の代表値にそれぞれ対応付けられ、前記代表値を指し示す複数のインデックスと、前記複数の画素にそれぞれ対応付けられ、前記画素のデータが変換された複数のインデックスから成る符号化画像データとを備えた圧縮画像データを解凍する画像解凍装置において、前記符号化画像データにおける各インデックスについて、前記インデックスが指し示す代表値に前記インデックスを変換する復号化部を備えることを特徴とする。さらに、本発明の他の一態様では、多値のデータが割り付けられた画素を複数備えた圧縮対象の画像データが、複数の画素から成る複数のブロックに分割され、前記複数のブロックのそれぞれについて、前記データが取り得る値の範囲のうちから選定された複数の代表値と、前記複数の代表値にそれぞれ対応付けられ、前記代表値を指し示す複数のインデックスと、前記複数の画素にそれぞれ対応付けられ、前記画素のデータが変換された複数のインデックスから成る符号化画像データとを備えた圧縮画像データを解凍する画像解凍方法において、前記符号化画像データにおける各インデックスについて、前記インデックスが指し示す代表値に前記インデックスを変換するステップを備えることを特徴とする。
この構成によれば、符号化画像データにおける各インデックスについて、インデックスが指し示す代表値に当該インデックスが変換される。このため、圧縮画像データが適切に解凍され得る。
そして、本発明の他の一態様では、多値のデータが割り付けられた画素を複数備えた圧縮対象の画像データが、複数の画素から成る複数のブロックに分割され、前記複数のブロックのそれぞれについて、前記データが取り得る値の範囲のうちから選定された複数の代表値と、前記複数の代表値にそれぞれ対応付けられ、前記代表値を指し示す複数のインデックスと、前記複数の画素にそれぞれ対応付けられ、前記画素のデータが変換された複数のインデックスから成る符号化画像データとを備えた圧縮画像データを解凍する画像解凍処理をコンピュータに実行させるための画像解凍プログラムにおいて、前記符号化画像データにおける各インデックスについて、前記インデックスが指し示す代表値に前記インデックスを変換するステップを備えることを特徴とする。さらに、本発明の他の一態様では、多値のデータが割り付けられた画素を複数備えた圧縮対象の画像データが、複数の画素から成る複数のブロックに分割され、前記複数のブロックのそれぞれについて、前記データが取り得る値の範囲のうちから選定された複数の代表値と、前記複数の代表値にそれぞれ対応付けられ、前記代表値を指し示す複数のインデックスと、前記複数の画素にそれぞれ対応付けられ、前記画素のデータが変換された複数のインデックスから成る符号化画像データとを備えた圧縮画像データを解凍する画像解凍処理をコンピュータに実行させるための画像解凍プログラムが記録されたコンピュータに読み取り可能な記録媒体において、前記符号化画像データにおける各インデックスについて、前記インデックスが指し示す代表値に前記インデックスを変換するステップを備えることを特徴とする。
この構成によれば、画像解凍プログラムは、符号化画像データにおける各インデックスについて、インデックスが指し示す代表値に当該インデックスを変換する。従って、この構成によれば、圧縮画像データを適切に解凍する画像解凍プログラムが提供され、また、この画像解凍プログラムを記録した記録媒体が提供される。
本発明に係る画像圧縮装置、画像圧縮方法、画像圧縮プログラム及びこの画像圧縮プログラムを記録した記録媒体は、圧縮対象の画像における上記特性に応じて階調及び解像度を適切に保存して圧縮対象の画像の画像データを圧縮することができる。
本発明に係る記録装置及び記録方法は、圧縮対象の画像における上記特性に応じて階調及び解像度を適切に保存して圧縮対象の画像の画像データが圧縮された圧縮画像データを記録媒体に記録することができる。そして、本発明では、このような圧縮画像データを記録した記録媒体が提供され得る。また、本発明では、このような圧縮画像データを配置可能な圧縮画像フォーマットが提供され得る。
本発明に係る画像解凍装置、画像解凍方法、画像解凍プログラム及びこの画像解凍プログラムを記録した記録媒体は、上記圧縮画像データを適切に解凍することができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
本発明に係る画像圧縮装置、画像圧縮方法、画像解凍装置、画像解凍方法、記録装置及び記録方法は、プリンタ、複写機、ファクシミリ及び複合機等の電子写真方式によって画像を形成する画像形成装置、スキャナ等の画像を読み取って画像データを生成する画像読取装置、並びに、画像データを生成するディジタルカメラ、画像データの画像処理や画像データの保存等を実行するコンピュータ等に適用することができるが、一例として、カラープリンタに適用した場合について以下に説明する。この場合では、以下の説明から分かるように、本発明に係る画像圧縮プログラムを記録した記録媒体、画像解凍プログラムを記録した記録媒体及び圧縮画像データを記録した記録媒体は、カラープリンタの記憶素子として実現される。そして、本発明に係る画像圧縮プログラム及び画像解凍プログラムは、カラープリンタの記憶素子に保持され、CPU(Central Processing Unit)によって実行される。また、本発明に係る圧縮画像フォーマットは、カラープリンタの記憶素子上に実現される。本発明が他の画像形成装置、画像読取装置、ディジタルカメラ及びコンピュータ等に適用される場合も同様である。
図1は、実施形態におけるカラープリンタの機械的構成を主として示す概略断面図である。図2は、実施形態におけるカラープリンタの電気的構成を主として示すブロック図である。
図1及び図2において、カラープリンタCPは、用紙貯留部10と、転写部20と、定着部30と、排紙部40と、用紙搬送路50と、制御部60と、インタフェース部(以下、「IF部」と略記する。)70とを備え、用紙貯留部10、転写部20、定着部30、用紙搬送路50、制御部60及びIF部70は、略箱形の装置本体1に内装され、排紙部40は、装置本体1の頂部に設けられている。
用紙貯留部10は、印刷処理に供する転写材の一例としての用紙Pを貯留し、制御部60の制御により用紙Pを繰り出て給紙するものである。用紙貯留部10には、所定数(本実施形態では1つ)の用紙カセット11が装置本体1に対して挿脱自在に設けられている。用紙カセット11の上流端(図1に示す例では用紙カセット11の左上方)には、用紙束から用紙Pを1枚ずつ繰り出させるピックアップローラ12が設けられている。このピックアップローラ12の駆動によって用紙カセット11から繰り出された用紙Pは、用紙搬送路50に給紙されるようになっている。
転写部20は、制御部60の制御によって、他のコンピュータ等からIF部70で受信した画像信号に基づき、用紙貯留部10に貯留された用紙束から繰り出された1枚ずつの用紙Pに対して画像の転写処理を施すものである。転写部20は、トナー像を形成する画像形成ユニット21と、この画像形成ユニット21で形成されたトナー像を用紙Pに転写する転写装置27とを備えて構成されている。
画像形成ユニット21は、上流側(図1の紙面の右側)から下流側へ向けて順次に略水平方向に配設されたイエロー用ユニット21Y、マゼンダ用ユニット21M、シアン用ユニット21C及びブラック用ユニット21Kと、これら各ユニットの下部位置に配設された露光ユニット24とを備える。これら各ユニット21Y、21M、21C、21Kは、同様の構成であり、装置本体1内における各機器に対して所定の相対的な位置関係で位置決めされて装着されている。なお、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
これら各ユニット21Y、21M、21C、21Kは、それぞれ、感光体ドラム(像担持体)22と、帯電器23と、現像装置25と、クリーニング装置26とを備え、感光体ドラム22は、前後方向(図1の紙面と直交する方向)に延びるドラム軸回りに回転可能に設けられ、当該感光体ドラム22の周面に沿うように当該感光体ドラム22の直下位置から、当該感光体ドラム22の回転方向である反時計方向に向けて、帯電器23、現像装置25及びクリーニング装置26が配設されている。
感光体ドラム22は、周面に静電潜像及びこの静電潜像に従ったトナー像(可視像)を形成させるためのものである。帯電器23は、ドラム軸回り反時計方向に回転している感光体ドラム22の周面に一様な電荷を形成させるものであり、例えば、周面が感光体ドラム22の周面と当接しながら従動回転しつつ当該感光体ドラム22へ電荷を付与する帯電ローラを備えて構成されている。現像装置25は、感光体ドラム22の周面にトナーを供給することによって周面の静電潜像が形成された部分にトナーを付着させ、これによって感光体ドラム22の周面にトナー像を形成するものである。本実施形態では、カラーに対応するために、イエロー用ユニット21Yの現像装置25Yには、イエロー(Y)のトナーが収容され、マゼンダ用ユニット21Mの現像装置25Mには、マゼンダ(M)のトナーが収容され、シアン用ユニット21Cの現像装置25Cには、シアン(C)のトナーが収容され、そして、ブラック用ユニット21Kの現像装置25Kには、ブラック(K)のトナーが収容されている。クリーニング装置26は、転写処理後の感光体ドラム22の周面に残留しているトナーを取り除いてクリーニングするためのものである。このクリーニング装置26によってクリーニングされた感光体ドラム22の周面は、次の画像形成処理のために再び帯電器23へ向かうことになる。
露光ユニット24は、画像データに基づき強弱の付与されたレーザ光を、回転している感光体ドラム22の周面に帯電器23と現像装置25との間において照射することによって、当該感光体ドラム22の周面に静電潜像を形成するものである。露光ユニット24は、カラーに対応するために、イエロー、マゼンダ、シアン及びブラックの各色にそれぞれ対応した各レーザ光を各ユニット21Y、21M、21C、21Kにおける各感光ドラム22Y、22M、22C、22Kに照射するように構成されている。帯電した感光体ドラム22の周面にレーザ光が照射されると、その照射された部分の電荷がレーザ光の強度に応じて消去され、これによって当該感光体ドラム22の周面に静電潜像が形成される。画像データは、IF部70で受信されたコンピュータ等の外部機器からの画像信号に公知の色補正処理やスクリーン処理等の画像処理を施すことによって制御部60が生成した現像色のイエロー、マゼンダ、シアン及びブラックの各画像データ(ラスタデータ)である。各画像データは、各画素に多値のデータとして階調データが割り付けられている。
転写装置27は、感光体ドラム22の周面に形成されたトナー像を用紙Pに転写するための装置であって、中間転写ベルト271、一次転写ローラ272、駆動ローラ273、従動ローラ274及び二次転写ローラ275を備えている。中間転写ベルト271は、無端状であり、一次転写ローラ272、駆動ローラ273及び従動ローラ274によって各ユニット21Y、21M、21C、21Kの直上位置に張架されており、駆動ローラ273の回転駆動力によって時計方向に回転可能となっている。
一次転写ローラ272は、各ユニット21Y、21M、21C、21Kの各感光ドラム22Y、22M、22C、22Kに対応するようにそれぞれ設けられ、中間転写ベルト271を押さえ感光体ドラム22から中間転写ベルト271が浮き上がるのを防止するように配置されている。二次転写ローラ275は、中間転写ベルト271の外周面において駆動ローラ273に対向する位置に配置されている。駆動ローラ273は、接地されている。一次転写ローラ272は、画像領域におけるトナー像が感光体ドラム22から中間転写ベルト271へ一次転写される間、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が一次転写バイアスとして印加されるようになっている。また、二次転写ローラ275は、中間転写ベルト271上のトナー像が用紙Pへ二次転写される間、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が二次転写バイアスとして印加されるようになっている。このように本実施形態に係るカラープリンタCPは、間接転写方式が採用されている。
そして、従動ローラ274の紙面右側には、中間転写ベルト用クリーニング装置276が設けられており、用紙Pへトナー像を転写処理した後における中間転写ベルト271の表面に残留しているトナーがこの中間転写ベルト用クリーニング装置276によって取り除かれ、これによって清浄化した中間転写ベルト271が感光体ドラム22へ供給されるようになっている。
定着部30は、制御部60の制御により、転写部20によって転写処理の施された用紙Pのトナー像に、加熱による定着処理を施すものであり、内部に通電発熱体が装着されたヒートローラ31と、このヒートローラ31と対向して周面同士が対向配置された加圧ローラ32とを備えている。そして、転写処理後の用紙Pは、ローラ軸回りに時計方向に向けて駆動回転しているヒートローラ31と、ローラ軸回りに反時計方向に向けて従動回転している加圧ローラ32との間のニップ部を通過することによって、ヒートローラ31からの熱を得て定着処理が施されるようになっている。定着処理の施された用紙Pは、用紙搬送路50によって排紙部40へ排出される。
排紙部40は、定着部30で定着処理の施された用紙Pが排紙され、この排紙された用紙Pを貯留するものである。排紙部40は、装置本体1の頂部が凹没されることによって形成され、この凹没した凹部の底部に排紙された用紙Pを受ける排紙トレイ41が形成されている。
用紙搬送路50は、制御部60の制御により、用紙貯留部10から給紙された用紙Pを転写部20及び定着部30を介して排紙部40まで搬送するものである。
制御部60は、用紙貯留部10、転写部20、定着部30、用紙搬送路50及びIF部70に接続され、これらを当該機能に従って制御することにより、カラープリンタCPの各部の制御を司るものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)61、CPU61によって実行される種々のプログラムやその実行に必要なデータ等を予め記憶すると共にCPU61のいわゆるワーキングメモリとなる記憶素子62及びその周辺回路等を備えたマイクロコンピュータによって構成される。
制御部60の記憶素子62は、例えば、不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)、書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)及び揮発性の記憶素子であるRAM(Random Access Memory)等を備えて構成される。そして、記憶素子62は、機能的に、画像データを記憶する画像記憶部621と、圧縮された画像データ(圧縮画像データ)を記憶する圧縮画像記憶部622とを備える。圧縮画像記憶部622は、複数の代表値と複数の代表値にそれぞれ対応付けられたインデックスとから成るタグ情報を記憶するタグ情報記憶部6221と、ブロックにおける複数の画素にそれぞれ対応付けられ、画素のデータが変換された複数のインデックスから成る符号化画像データを記憶する符号化画像記憶部6222とを備える。代表値は、階調データが取り得る値の範囲のうちから選定された値である。インデックスは、代表値を指し示す符号であり、代表値を識別し特定するための識別子でもある。任意の符号を用いることができるが、インデックスのデータ容量を少なくする観点から、少ないビット数で表現される符号が好適である。本実施形態では、後述するように、番号が用いられる。ブロックは、複数の画素を備えた圧縮対象の画像データから分割された小さな領域であり、複数の画素から成る。もちろん、ブロックの画素数は、圧縮対象の画像データの画素数よりも少ない。
そして、制御部60のCPU61は、画像処理を行う画像処理プログラム、画像データを圧縮する画像圧縮プログラム及び圧縮画像データを解凍する画像解凍プログラム等が実行されることにより、機能的に、色補正処理やスクリーン処理等の画像処理を施す画像処理部611と、画像データを圧縮する圧縮部612と、圧縮画像データを解凍する解凍部613とを備える。圧縮部612は、圧縮対象の画像データからブロックごとに画像データを読み出すことによって、圧縮対象の画像データを複数のブロックに分割するブロック読出し部6121と、複数の代表値を選定すると共にインデックスを複数の代表値にそれぞれ付与することによって、タグ情報を生成するタグ情報生成部6122と、ブロックにおける各画素のデータについて、複数の代表値と画素のデータとに基づいてインデックスに画素のデータを変換することによって、符号化画像データを生成する符号化部6123と、ブロックの圧縮画像データを圧縮画像記憶部622に保存する圧縮画像書込み部6124とを備える。ブロック読出し部6121は、請求項のブロック化部の一例に相当する。解凍部613は、ブロックの圧縮画像データを圧縮画像記憶部622から読み出す圧縮画像読出し部6131と、符号化画像データにおける各インデックスについて、インデックスが指し示す代表値にインデックスを変換する復号化部6132と、代表値に変換されたブロックの画像データを、圧縮前の画像データ(圧縮対象の画像データ)に再構築されるように、画像記憶部621における所定の記憶領域に書き込むブロック書込み部6133とを備える。
IF部70は、コンピュータ等の外部機器にLAN(Local Area Network)やUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等を介して接続され、制御部60と例えばコンピュータ等の外部機器との間で種々の信号を送受信する回路であり、例えば、ネットワークインタフェース(10/100Base−TX)やUSBインタフェース等が用いられる。
このような構成のカラープリンタCPにおける画像形成動作について概説すると、まず、帯電器23によって感光体ドラム22に帯電が行われた後、露光ユニット24によって露光が行われ、静電潜像が感光体ドラム22の表面に形成される。この静電潜像は、現像装置25でトナー像化され、感光体ドラム22の表面に形成されたこのトナー像は、一次転写ローラ272に印加された転写バイアスによって中間転写ベルト271上に転写される。そして、中間転写ベルト271に転写されずに感光体ドラム22に残留した残留トナーは、クリーニング装置26によってクリーニングされ、図略の回収ボトルへ収容される。このような露光、現像及び転写の動作がイエロー、マゼンダ、シアン及びブラックの各現像色に対して順次に行われ、中間転写ベルト271の表面には、各色のトナー像が重ねられ、中間転写ベルト271上にフルカラーのトナー像が形成される。
フルカラーのトナー像が中間転写ベルト271に形成されると、二次転写ローラ275が中間転写ベルト271に当接され、タイミングを合わせて用紙貯留部10から用紙搬送路50によって転写位置まで搬送された用紙Pに、二次転写ローラ275に印加された二次転写バイアスにより中間転写ベルト271に形成されたフルカラーのトナー像が転写される。そして、用紙Pに転写されたフルカラーのトナー像は、定着部30による加熱及び加圧によって用紙Pに定着され、用紙Pは、排紙部40に排出される。なお、中間転写ベルト271に残留したトナーは、中間転写ベルト271の中間転写ベルト用クリーニング装置276を二次転写後の中間転写ベルト271に当接させることによってクリーニングされ、図略の回収ボトルに収容される。
ここで、感光体ドラム22の周面に静電潜像を形成する際に、露光ユニット24がレーザ光に強弱を付与するために用いる画像データは、次のように生成される。
図3は、実施形態のカラープリンタにおける圧縮の動作を示すフローチャートである。図4は、実施形態のカラープリンタにおける解凍の動作を示すフローチャートである。図5は、画像データを複数のブロックに分割する動作を説明するための図である。図5の各矩形は、ブロックを表し、矢印線は、分割の順序を示す。図6は、実施形態のカラープリンタにおける圧縮及び解凍の動作を説明するための図である。図6Aは、圧縮前におけるブロックの画像データを示し、図6Bは、圧縮後におけるブロックの画像データ(符号化画像データ)を示し、図6Cは、解凍後のブロックの画像データを示す。図6A、図6B左側及び図6Cの各矩形は、画素を表し、図6B右側は、代表値と代表値に割り振られたインデックスとから成るタグ情報を表す。図6A及び図6Cの矩形における数値は、当該画素の階調データを表し、図6B左側の矩形における数値は、当該画素のインデックスを表す。図7は、各ブロックにおける代表値、インデックス及び符号化画像データの記憶素子への格納状態(圧縮画像フォーマット)を説明するための図である。
まず、画像読取装置、ディジタルカメラ及びコンピュータ等の外部機器からの画像信号がIF部70で受信され、制御部60のCPU61によって、この画像信号に基づいて画像データが生成され、原画データとして画像記憶部621に記憶される。原画データは、外部機器からの画像信号に基づいて生成された画像データであって、印刷出力に当たって例えば色補正処理やスクリーン処理等の画像処理が施される前の画像データである。
図3において、1ブロック分以上の原画データが画像記憶部621に記憶されると、圧縮部612のブロック読出し部6121は、1ブロック分の原画データを画像記憶部621から読み出す(S11)。この1ブロック分の原画データの読み出しは、予め設定された所定の規則に基づいて実行される。例えば、この読み出しは、図5に示すように、原画像の先端の一方端から他方端に向かって順次に行われ、他方端に到達すると、次段の一方端に戻る。このような順序の読み出しが原画像の先端から後端まで行われる。原画像は、原画データによって表される画像である。これによって原画像の原画データは、複数のブロックB1、B2、B3、・・・、Bn−1、Bnに分割されることになる。
次に、圧縮部612のタグ情報生成部6122は、画素に割り付けられたデータが取り得る値の範囲のうちから複数の代表値を予め設定された個数だけ選定する(S12)。本実施形態では、画素に割り付けられたデータは、階調を表す階調データである。この選定される代表値の個数は、仕様等により適宜に設定されるが、代表値の個数が多いと圧縮率が低くなり、代表値の個数が少ないと圧縮率が高くなる。
これら複数の代表値は、例えば、圧縮対象のブロックにおける各画素の階調データのうちから選定される。後述するように、処理S14で各画素の階調データが代表値で置き換えられるが、このように代表値が選定されると、代表値に選定された階調データを持つ画素は、その階調データがその階調データの通りの代表値で置き換えられるので、可逆性が向上する。また例えば、これら複数の代表値は、圧縮対象のブロックにおける各画素のデータのうち、値の等しいデータの個数が多い順に複数の代表値が選定されてもよい。このように代表値が選定されると、当該画素が持つ階調データの通りに代表値に置き換えられる画素の個数が増えるので、より可逆性が向上する。本実施形態では、さらに可逆性を向上するために、まず、タグ情報生成部6122は、圧縮対象のブロックにおける各画素の階調データのうち、値の等しい階調データの個数が多い順に複数の代表値を予め設定された個数だけ仮に選定する(S121)。そして、次に、タグ情報生成部6122は、この処理S121で複数の代表値に選定されなかった画素の階調データを、この処理S121で仮に選定された複数の代表値のうちから最も近い代表値に割り振り、この割り振った画素の階調データとこの割り振られた代表値との平均値でこの割り振られた代表値を修正する(S122)。本実施形態では、このように代表値が選定される。このように代表値が選定されると、代表値に選定されなかった階調データもより近い値の代表値に置き換え可能となるので、さらに可逆性が向上される。
例えば、図6Aに示すように、階調データが3である1個の画素と、階調データが6である1個の画素と、階調データが8である2個の画素と、階調データが67である4個の画素と、階調データが153である5個の画素と、階調データが255である3個の画素とから成る4×4の正方形ブロックの場合について、より具体的に処理S12(処理S121、処理122)を説明すると、次のようになる。なお、各画素には、8bppの階調データが割り付けられている。このため、階調データが取り得る値の範囲は、0〜255の整数値である。
値の等しい階調データの個数が多い順に階調データを並べると、153、67、255、8、6、3となる。仕様等により代表値が例えば4個だけ選定されるとすると、処理S121において、複数の代表値として、153、67、255及び8が仮に選定される。そして、処理S122において、まず、処理S121で選定されなかった階調データである6及び3がこの仮に選定された153、67、255及び8のうちから最も近い値の代表値である8に割り振られる。次に、この割り振った階調データである6及び3と、この割り振られた代表値である8との平均値6(≒(8×2+6×1+3×1)/(2+1+1))が演算される。なお、階調データは、整数値であるので、少数点以下が四捨五入され、平均値も整数値とされる。そして、この平均値である6で代表値である8が置き換えられることによって代表値である8が修正される。このように処理S121及び処理S122が実行されることによって図6Aに示す画素数が16のブロックについて、代表値6、153、67及び255が選定される。
図3に戻って、次に、タグ情報生成部6122は、代表値を指し示すインデックスを、処理S12で選定した複数の代表値にそれぞれ付与する(S13)。
図6に示す例では、図6Bの右側に示すように、処理S12で選定された代表値6、153、67及び255のそれぞれにインデックス0、1、2及び3が付与される。
図3に戻って、次に、圧縮部612の符号化部6123は、ブロックにおける各画素の階調データについて、処理S12で選定された複数の代表値と当該画素の階調データとに基づいて、処理S13で付与されたインデックスに当該画素の階調データを変換する(S14)。より具体的には、例えば、符号化部6123は、ブロックにおける各画素の階調データについて、処理S12で選定された複数の代表値のうちから当該画素の階調データに最も近い代表値を選び、この選んだ代表値のインデックスに当該画素の階調データを変換する。これによってブロックにおける各画素の階調データが代表値のインデックスにそれぞれ変換される結果、ブロックにおける複数の画素にそれぞれ対応付けられ、画素の階調データが変換された複数のインデックスから成る符号化画像データが生成される。
図6に示す例では、図6Bの左側に示すように、階調データが3、6及び8である画素には、インデックスの0が割り振られ、階調データが153である画素には、インデックスの1が割り振られ、階調データが67である画素には、インデックスの2が割り振られ、そして、階調データが255である画素には、インデックスの3が割り振られる。この結果、ブロックにおける各画素の階調データがインデックスにそれぞれ変換され、図6Aに示すブロックは、図6Bの左側に示す符号化画像データとなる。
図3に戻って、そして、圧縮部612の圧縮画像書込み部6124は、代表値と、インデックスと、符号化画像データとから成る1ブロック分の原画の圧縮画像データを記憶素子62の圧縮画像記憶部622に記憶する(S15)。
より具体的には、例えば、図7に示すように、記憶素子62のメモリ領域における所定の領域に圧縮画像記憶部622が設定されており、代表値及びインデックスと符号化画像データとがこの順でこの所定の領域にメモリアドレス順に記憶される。これによって代表値及びインデックスと符号化画像データとが対応付けられて記憶される。
そして、例えば、代表値と当該代表値を指し示すインデックスとが組となって記憶されることによって、インデックスが代表値と対応付けられて記憶される。図6Bに示す例では、6015316722553と記憶される。また例えば、複数の代表値がまず記憶され、代表値が記憶された順に従って当該代表値に対応するインデックスが記憶される。図6Bに示す例では、6153672550123と記憶される。
さらに、例えば、各画素のインデックスが画素の順に従ってメモリアドレス順に記憶されることによって、各画素にそれぞれ対応付けられて各インデックスが記憶される。
このような処理S11乃至処理S15が原画の画像データにブロックごとに順次に実行されることによって、原画の画像データがブロックごとに順次に圧縮され、原画の圧縮画像データがブロックごとに順次に、記憶素子62の圧縮画像記憶部622にメモリアドレス順に記憶される。
この結果、図7に示すように、ブロックB1の原画の圧縮画像データがアドレスaから記憶素子62に記憶され、ブロックB2の原画の圧縮画像データがアドレスbから記憶素子62に記憶され、ブロックB3の原画の圧縮画像データがアドレスcから記憶素子62に記憶され、・・・、そして、ブロックBnの原画の圧縮画像データがアドレスnから記憶素子62に記憶される。そして、各ブロックの原画の圧縮画像データを記憶している各領域では、上述したように、代表値及びインデックスと符号化画像データとがアドレス順に記憶されている。各ブロックの原画の圧縮画像データにおける代表値及びインデックスを記憶している領域がタグ情報記憶部6221を構成し、各ブロックの原画の圧縮画像データにおける符号化画像データを記憶している領域が符号化画像記憶部6222を構成している。このように記憶素子62は、複数の代表値と、これら複数の代表値に対応付けられた複数のインデックスと、複数の画素にそれぞれ対応付けられた複数のインデックスから成る符号化画像データとが配置されている。
このように動作することによって、外部機器からの画像信号がIF部70で受信され、制御部60のCPU61によって、この画像信号に基づいて生成された原画データは、ブロックごとに圧縮され、ブロックごとにブロック順に従って圧縮画像記憶部622にメモリアドレス順に記憶される。
図6に示す例では、圧縮前の原画データが8bppであり、ブロックが4×4の正方形であり、符号化画像データが2bppであり、代表値の個数が4であるので、圧縮率は、0.75となる。
そして、感光体ドラム22の周面に静電潜像を形成する際には、図4に示すように、まず、解凍部613の圧縮画像読出し部6131は、ブロック順に従って1ブロック分の圧縮画像データを記憶素子62の圧縮画像記憶部622から読み出す(S21)。
次に、解凍部613の復号化部6132は、符号化画像データの各画素について、当該画素に対応付けられているインデックスを、当該インデックスが指し示す代表値で置き換えることによって、1ブロック分の圧縮画像データを復号する(S22)。これによって1ブロック分の圧縮画像データが解凍され、1ブロック分の画像データ(原画データ)になる。
図6に示す例では、図6Cに示すように、インデックスが0である画素には、その階調データとして代表値の6が割り振られ、インデックスが1である画素には、その階調データとして代表値の153が割り振られ、インデックスが2である画素には、その階調データとして代表値の67が割り振られ、そして、インデックスが3である画素には、その階調データとして代表値の255が割り振られる。この結果、ブロックにおける各画素のインデックスが代表値に変換され、図6Bの左側に示す符号化画像データは、図6Cに示す画像データになる。
図4に戻って、そして、解凍部613のブロック書込み部6133は、解凍した1ブロック分の画像データ(原画データ)を、露光ユニット24がレーザ光に強弱を付与するために用いる画像データを展開する画像記憶部621にブロック順に従って書き込む(S23)。
そして、制御部60は、この画像記憶部621に書き込まれた原画データを用いて露光ユニット24が照射するレーザ光に強弱を付与し、露光ユニット24によって感光体ドラム22の周面に静電潜像を形成する。
ここで、露光ユニット24が感光体ドラム22のドラム軸方向にレーザ光を走査することによって1ライン分の静電潜像を形成した後に、感光体ドラム22が1ライン分だけ回転し、露光ユニット24が次の1ライン分の静電潜像を形成する。これによって静電潜像が感光体ドラム22の周面に形成される。このため、全てのブロックを一度に解凍して画像記憶部621に展開する必要はなく、例えば、露光ユニット24が1ライン分の静電潜像を形成するために必要とされる原画データのブロックだけ解凍すればよい。従って、画像記憶部621の記憶容量を少なくすることができる。
図8は、線画及びイメージ画の場合におけるブロックを説明するための図である。図8Aは、線画の場合におけるブロックの一例を示し、図8B及びCは、イメージ画の場合におけるブロックの一例を示す。
線画の階調データは、一般に、原稿の地に当たる例えば0の値と、線の部分に当たる例えば255の値との2値で構成される。このため、図8Aに示すように、1ブロック内における各画素の階調データが取り得る値は、これら0と255との2値となる。従って、ブロックが4×4の正方形であり、代表値の個数が2であり、圧縮対象の画像データが1200dpiで8bppである場合、上述の処理S11乃至処理S15によって画像データを圧縮すると、符号化画像データが1bppとなって、1200dpiのままで、圧縮率が0.25で圧縮される。しかも、画素の階調データは、その階調データの通りの代表値で置き換えられるので、可逆圧縮される。このため、解像度が高く階調(色数)の少ない部分は、上述の処理S11乃至処理S15が実行されることによって、解像度を保存して圧縮される。
一方、イメージ画の場合では、例えば300dpiでは、1200dpiの場合における4×4の16画素が1画素とみなすことが可能である。このため、図8Bに示すように、1ブロック内における各画素の階調データが取り得る値は、例えば65の1つの値であったり、図8Cに示すように、1ブロック内における各画素の階調データが取り得る値は、例えば65と78の2値であったりするので、1ブロック内における各画素の階調データが取り得る値の数は、あまり多くない。従って、ブロックが4×4の正方形であり、代表値の個数が2であり、圧縮対象の画像データが300dpiで8bppである場合、上述の処理S11乃至処理S15によって画像データを圧縮すると、符号化画像データが1bppとなって、300dpiのままで、圧縮率が0.25で圧縮される。しかも、画素の階調データは、その階調データの通りの代表値で置き換えられる可能性が高いので、高い可逆性で圧縮され得る(図8B及びCに示し例では可逆圧縮される)。このため、階調(色数)の多い部分は、上述の処理S11乃至処理S15が実行されることによって、階調(色数)を保存して圧縮される。
このように上述の処理S11乃至処理S15で圧縮することによって、圧縮対象の画像における上記特性に応じて階調及び解像度を適切に保存して圧縮対象の画像の画像データが圧縮され得る。特に、本実施形態における圧縮及び解凍は、線画やイメージ画を印刷するプリンタに好適である。
また、上述の実施形態では、各ブロックにおける各サイズが4×4で等しく、かつ、各ブロックにおける各代表値の数が4で等しい。このため、各ブロックの圧縮画像データにおける各データ容量が互いに等しくなる。このため、各ブロックの圧縮画像データは、図7に示すように記憶素子62の圧縮画像記憶部622にメモリアドレス上において等間隔に保存されるので、任意のブロックの圧縮画像データを容易に読み出すことができる。よって、任意のブロックの圧縮画像データを解凍することができる。
なお、上述の実施形態では、ブロックは、正方形であるが、全ての画像データをブロックに分割可能であれば、任意の形状でよい。例えば、ブロックは、三角形、菱形及び六角形等でもよい。
また、上述の実施形態では、図7に示すように、タグ情報及び符号化画像データは、ブロックごとに纏められて圧縮画像記憶部622に記憶されたが、各ブロックのタグ情報が纏められて圧縮画像記憶部622に記憶されると共に、各ブロックの符号化画像データが纏められて圧縮画像記憶部622に記憶されてもよい。このような場合でも、各ブロックのタグ情報と各ブロックの符号化画像データとは、例えばこれらがブロック順に従って圧縮画像記憶部622にメモリアドレス順でそれぞれ記憶されることによって、互いに対応付けることができる。
さらに、上述の実施形態では、圧縮画像データは、記憶素子62に保存されたが、例えば、フレキシブルディスク、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD−RW(Digital Versatile Disc Read Write)、USBメモリ等の記録媒体に記録されてもよい。
そして、上述の実施形態において、制御部60が実行する、画像圧縮プログラムや画像解凍プログラム等のプログラムは、ROM或いはCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記録媒体を通じて供給することも、ネットワーク等の伝送媒体を通じて供給することも可能である。伝送媒体は、有線の伝送媒体に限らず無線の伝送媒体であってもよい。また、伝送媒体には、通信線路のみでなく、通信線路を中継する中継装置、例えばルータ等をも含む。
プログラムがROMを通じて供給される場合には、当該プログラムが記録されたROMを制御部60に搭載することによって、制御部60による実行に供することができる。プログラムがCD−ROMを通じて供給される場合には、CD−ROM読取装置を接続し、当該プログラムを例えばEEPROM或いはハードディスク装置(HDD、Hard Disk Drive)へ一旦格納しておくことによって、制御部60による実行に供することができる。また、プログラムが伝送媒体を通じて供給される場合には、ネットワークを介して受信したプログラムを例えばEEPROM或いはHDDへ一旦格納しておくことによって、制御部60による実行に供することができる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更及び/又は改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。従って、当業者が実施する変更形態又は改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態又は当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。