JP2008040756A - 電磁界回路連携解析プログラム、電磁界回路連携解析プログラムを格納した記録媒体、電磁界回路連携解析装置および電磁界回路連携解析方法 - Google Patents

電磁界回路連携解析プログラム、電磁界回路連携解析プログラムを格納した記録媒体、電磁界回路連携解析装置および電磁界回路連携解析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】正確な解析を行なう電磁界回路連携解析プログラムを提供する。
【解決手段】複数のセルに分割された解析対象となる領域において、複数のセルのうち、回路素子が挿入された回路セル以外のセルの電界について第1の電磁界解析を行なうステップ(S802)と、回路セルにおいて、現在の時刻を含む所定の期間における回路セルの電流値による補間式および電磁界解析における関係式を用いて現在の時刻での電流源の値を更新させながら、回路解析を行なうステップ(S804)と、第1の電磁界解析を行なうステップおよび回路解析を行なうステップの結果に基づき、セルの磁界について第2の電磁界解析を行なうステップ(S806)と、第1の電磁界解析を行なうステップと、回路解析を行なうステップと、第2の電磁界解析を行なうステップとを、所定の条件が満たされるまで繰り返すステップ(S810)とを備える、解析処理をコンピュータに実行させるための電磁界回路連携解析プログラムを提供する。
【選択図】図8

Description

本発明は、時間領域有限差分法による電磁界解析法と過渡電気回路解析による回路解析法を結合した連携解析に関する。
電磁界回路連携解析では、電磁界解析で定義される電界や磁界と回路解析で定義される電圧や電流を関連付けながら解析を行なう。電磁界解析と回路解析とを融合した数値シミュレーションは、回路素子の特性とその周囲の電磁界現象を統一的に解析できるといった特徴を持っており、回路中を伝搬する高周波信号の解析に非常に有用であることが一般に知られている。
上述したような電磁界解析の1つの手法である時間領域有限差分法(以下、「FDTD(Finite Difference Time Domain)法」と呼ぶ)は、解析領域を格子で分割し、格子点に未知電磁界を配置するものである。FDTD法では、未知電界を配置する格子と未知磁界を配置する格子とを、格子の半分の幅だけずらすYee格子という構造により解析が行なわれる。FDTD法は、これらの未知電界および磁界と、隣接する未知磁界および電界との間に働く関係式をマクスウェルの電磁界方程式を差分化することによって導き、それらに基づき未知電界および磁界をあるタイムステップを単位に更新していくことで全体の電磁界挙動を求める解析手法である。この解析手法に従えば、あるタイムステップで電界を更新し、1/2タイムステップ後に磁界を更新し、1タイムステップ後に電界を更新するということを繰り返して、電界および磁界を交互に求めることができる。
また、現在、過渡電気回路解析用のツールとして、カリフォルニア大学バークレイ校により開発された、SPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)シミュレータが知られている。そのツールは、非常に複雑な電子装置におけるプロセスをシミュレートする効率的な手法を提供する。
SPICE等の回路シミュレータでは、まず、解析対象となる回路の節点における電流/電圧値を変数とする。そして、回路素子間の接続情報及び回路素子のパラメータが記述されたネットリストに対し、修正節点解析法を適用することで、非線形連立微分方程式を導出する。さらに、これを時間領域における差分とニュートン反復法を用いて代数方程式に変換する。この代数方程式を解くことで、解析時刻における回路の電流/電圧値を求めることができる。その後、時間領域における差分の分だけ解析時刻を進め、上記計算を繰り返すことにより回路の電圧/電流の過渡状態を求める。
非特許文献1では、集積回路等の回路をシミュレーションする方法として、FDTD法とSPICE等の回路シミュレータを組み合わせた方法が提案されている。この従来のFDTD法と回路シミュレータ(この場合はSPICE)とを結合する電磁界回路連携解析では、FDTDのセル内に、回路素子が組み込まれ、セルの1辺に対応する端子間に電流源とキャパシタを配置することでFDTD法と回路解析を結合する手法(電流源法)が用いられている。
また、特許文献1では、上記の電流源法において、電流源として、一定値をとる電流源ではなく、FDTD法の磁界から算出した電流値から内挿および外挿することにより区分線形関数の電流源を与える方法が提案されている。これにより、非線形回路が接続されたときの精度改善を図っている。
特開2000−330973号公報 宇野亨、「FDTD法による電磁界およびアンテナ解析」、第1版、コロナ社、1998年。
しかしながら、非特許文献1および特許文献1で開示されているいずれの方法においても、回路解析で電界を導出する時刻よりも1/2タイムステップ前までの電流値をもとに電流源の関数を定めている。このため、電流値が極値を取る時刻がFDTD法の磁界から算出される電流値が取る時刻から遅れてしまうという欠点があった。
また、特許文献1で開示の方法では、回路解析の電流源関数の極値そのものがFDTD法の磁界から算出される電流値よりも大きくもしくは小さくなってしまうため、接続された回路素子によっては回路解析に悪影響を与えてしまうことがあった。
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、正確な解析を行なう電磁界回路連携解析プログラムを提供することである。
本発明の1つの局面に従うと、演算処理部を有するコンピュータに、電磁界回路連携解析を実行させるためのプログラムであって、演算処理部が、複数のセルに分割された解析対象となる領域において、複数のセルのうち、回路素子が挿入された回路セル以外のセルの電界または磁界の一方について第1の電磁界解析を行なうステップと、演算処理部が、回路セルにおいて、現在の時刻を含む所定の期間における回路セルの電流値または電圧値の一方による補間式および電磁界解析における関係式を用いて現在の時刻での電源値を更新させながら、回路解析を行なうステップと、演算処理部が、第1の電磁界解析を行なうステップおよび回路解析を行なうステップの結果に基づき、セルの磁界または電界の他方について第2の電磁界解析を行なうステップと、演算処理部が、第1の電磁界解析を行なうステップと、回路解析を行なうステップと、第2の電磁界解析を行なうステップとを、所定の条件が満たされるまで繰り返すステップとを備える。
好ましくは、電源値は電流源値であり、演算処理部が、複数のセルに分割された解析対象となる領域において、時刻t−1/2Δtまでの電界値および磁界値を求めるステップをさらに備え、第1の電磁界解析を行なうステップは、演算処理部が、複数のセルのうち、回路素子が挿入された回路セル以外のセルの時刻tでの電界値を求め、回路解析を行なうステップは、演算処理部が、回路セルにおいて、時刻t+1/2Δtでの電流値の推定値を初期化するステップと、演算処理部が、回路セルの電界値を求めるステップと、演算処理部が、回路セルの電流値を求めるステップとを含み、回路セルの電界値を求めるステップは、演算処理部が、回路セルにおいて、時刻t−1/2Δtでの磁界値から算出した電流値と推定値との補間式により、時刻tでの電流源の値を設定するステップと、演算処理部が、回路セルにおいて、設定された電流源の値に基づき回路解析を行なうことで、時刻tでの回路セルの電圧値を求めるステップと、演算処理部が、回路セルの電圧値から、時刻tにおける回路セルの電界値を求めるステップとを有し、回路セルの電流値を求めるステップは、時刻tでの電界値を回路セルと回路セルの近傍のセルとの間で成立する電磁界解析における関係式に代入して、回路セルにおける時刻t+1/2Δtでの電流値を求め、回路解析を行なうステップは、演算処理部が、回路セルの電流値を求めるステップで求めた電流値と推定値との差が所定の値より小さくなるまで、推定値を更新しながら、回路セルの電界値を求めるステップと回路セルの電流値を求めるステップとを繰り返すステップと、演算処理部が、推定値を更新しながら、回路セルの電界値を求めるステップと回路セルの電流値を求めるステップとを繰り返すステップの結果に基づき、時刻tでの回路セルの電界値を出力するステップとをさらに含み、第2の電磁界解析を行なうステップは、演算処理部が、時刻t+1/2Δtにおけるセルの磁界値を求め、演算処理部が、時刻tをt+Δtに更新するステップをさらに備える。
好ましくは、初期化するステップは、演算処理部が、時刻t−1/2Δtまでの磁界値から算出した電流値を用いて推定値の初期値を設定し、推定値を更新しながら、回路セルの電界値を求めるステップと回路セルの電流値を求めるステップとを繰り返すステップは、演算処理部が、回路セルの電流値を求めるステップにより求められた電流値を推定値として更新する。
本発明の他の局面に従うと、上記電磁界回路連携解析プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
本発明のさらに他の局面に従うと、電磁界解析と回路解析との連携解析を行なう電磁界回路連携解析装置であって、回路解析を行なう回路解析部を備え、回路解析部は、複数のセルに分割された解析対象となる領域において、複数のセルのうち、回路素子が挿入された回路セルにおいて、現在の時刻を含む所定の期間における回路セルの電流値または電圧値の一方による補間式および電磁界解析における関係式を用いて現在の時刻での電源値を更新させながら、回路解析を行なう手段を含み、電磁界解析を行なう電磁界解析部をさらに備え、電磁界解析部は、複数のセルのうち、回路セル以外のセルの電界または磁界の一方について第1の電磁界解析を行ない、第1の電磁界解析の結果を回路解析部に与える第1の手段と、第1の手段および回路解析部の結果に基づき、セルの磁界または電界の他方について第2の電磁界解析を行なう手段とを含み、第1の手段と、回路解析を行なう手段と、第2の電磁界解析を行なう手段とを、所定の条件が満たされるまで繰り返す解析制御部とをさらに備える。
本発明のさらに他の局面に従うと、電磁界解析と回路解析との連携解析を行なう電磁界回路連携解析方法であって、複数のセルに分割された解析対象となる領域において、複数のセルのうち、回路素子が挿入された回路セル以外のセルの電界または磁界の一方について第1の電磁界解析を行なうステップと、回路セルにおいて、現在の時刻を含む所定の期間における回路セルの電流値または電圧値の一方による補間式および電磁界解析における関係式を用いて現在の時刻での電源値を更新させながら、回路解析を行なうステップと、第1の電磁界解析を行なうステップおよび回路解析を行なうステップの結果に基づき、セルの磁界または電界の他方について第2の電磁界解析を行なうステップと、第1の電磁界解析を行なうステップと、回路解析を行なうステップと、第2の電磁界解析を行なうステップとを、所定の条件が満たされるまで繰り返すステップとを備える。
本発明によれば、連続な電源関数による正確な解析を行なうことができる。これにより、特に、非線形の回路において回路解析の安定性、電磁界回路連携解析の精度を向上させることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについては詳細な説明は繰り返さない。
以下の説明で明らかとなるように、本発明の電磁界回路連携解析プログラムでは、回路基板を電磁界解析する際、連続な電源関数を設定し、正確な解析を行なうことができる。これにより、特に、非線形の回路において回路解析の安定性、電磁界回路連携解析の精度を向上させることができる。なお、以下の説明では電源関数として電流源関数を設定して説明するが、電圧源関数を設定しても同様に電磁界回路連携解析を実行することができる。
(1. 本発明のシステム構成)
図1は、本発明に係る電磁界回路連携解析プログラムを実行するコンピュータ100の一例を示す概念図である。
図1を参照して、電磁界回路連携解析プログラムを実行するコンピュータ100について説明する。
コンピュータ100は、コンピュータ本体102と、コンピュータ本体102に接続された表示装置としてのディスプレイ104と、同じくコンピュータ本体102に接続された入力装置としてのキーボード110およびマウス112とを備える。
コンピュータ本体102は、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)118等の光ディスク上の情報を読み込むための光ディスクドライブ108およびフレキシブルディスク(Flexible Disk、以下「FD」と呼ぶ)116に情報を読み書きするためのFDドライブ106に加えて、それぞれバス105に接続されたCPU(Central Processing Unit)120と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ122と、直接アクセスメモリ装置、たとえば、ハードディスク124と、外部とデータの授受を行なうための通信インターフェイス128とを含んでいる。光ディスクドライブ108にはCD−ROM118などの光ディスクが装着される。FDドライブ106にはFD116が装着される。
ハードディスク124内には、解析対象となる回路基板について、基板の形状、基板の誘電率等の物理的性質を表現するパラメータ、解析条件等が格納された回路基板データ134と、時間領域の電磁界解析を行なう手法の一つであるFDTDを実行するプログラム135と、回路解析を実行するプログラム136などが格納される。ここで、たとえば、回路基板データ134は、通信インターフェイス128を介して、外部のデータベースから供給されてもよい。また、各プログラムは、FD116、またはCD−ROM118等の記録媒体によって供給されてもよいし、他のコンピュータにより通信回線を経由して供給されてもよい。また、FDTDや回路解析の実行は、通信インターフェイス128を介して、外部のコンピュータに実行させ、その結果をハードディスク124に格納させてもよい。
また、記憶装置、たとえば、ハードディスク124の記憶領域には、電磁界解析中の解析結果である電界値、磁界値を一時格納し、次のステップでそれらの値を更新するための電界値記憶領域137および磁界値記憶領域138、回路解析における内部状態を保存するための内部状態記憶領域139が設けられる。
なお、ここでは、FDTDを実行するプログラム135と回路解析を実行するプログラム136を総称して、電磁界回路連携解析プログラムとしている。
したがって、以下では、1つのコンピュータ装置内において、時間領域の電磁界解析と回路解析とが連携して実行されるものとして説明する。しかしながら、電磁界解析と回路解析とはそれぞれ別のコンピュータ装置で実行するものとして、この別々のコンピュータ装置間でデータを通信インターフェイス128を相互にやり取りして、連携解析を実行してもよい。
演算処理装置として機能するCPU120は、メモリ122をワーキングメモリとして、上述したFDTDを実行するプログラム135や回路解析を実行するプログラム136に対応した処理を実行する。
図2は、CPU120の機能的構成を示すブロック図である。
図2を参照して、CPU120の機能的構成を説明する。
CPU120は、FDTDを実行するプログラム135に従い電磁界解析を実行する電磁界解析部202と、回路解析を実行するプログラム136に従い回路解析を実行する回路解析部204とから構成される。
電磁界解析部202は、回路基板データ134から、セルサイズ、タイムステップ、回路基板の媒質情報などを取得する。そして、これらに基づき、FDTD法を実行し、電界値や磁界値を電界値記憶領域137および磁界値記憶領域138に書き込む。
回路解析部204は、回路基板データ134から、ネットリストや回路素子の結線情報を取得し、回路行列を生成する。また、電磁界解析部202が導出した電界値に基づき、電流源値を設定し、回路解析を実行する。この回路解析の詳細については、後の(2.2)において説明する。回路解析の結果、求めた電界値を電界値記憶領域137に書き込む。また、回路解析をする際、内部状態を内部状態記憶領域139に書き込む。
ここで、図1に戻って、CD−ROM118は、コンピュータ本体に対してインストールされるプログラム等の情報を記録可能な媒体であれば、他の媒体、たとえば、DVD−ROM(Digital Versatile Disc)やメモリーカードなどでもよく、その場合は、コンピュータ本体102には、これらの媒体を読み取ることが可能なドライブ装置が設けられる。
FDTDを実行するプログラム135や回路解析を実行するプログラム136は、上述の通り、CPU120により実行されるソフトウェアである。一般的に、こうしたソフトウェアは、CD−ROM118、FD116等の記録媒体に格納されて流通し、光ディスクドライブ108またはFDドライブ106等により記録媒体から読み取られてハードディスク124に一旦格納される。または、コンピュータ100がネットワークに接続されている場合には、ネットワーク上のサーバから一旦ハードディスク124にコピーされる。そうしてさらにハードディスク124からメモリ122中のRAMに読み出されてCPU120により実行される。なお、ネットワーク接続されている場合には、ハードディスク124に格納することなくRAMに直接ロードして実行するようにしてもよい。
図1に示したコンピュータのハードウェア自体およびその動作原理は一般的なものである。したがって、本発明の機能を実現するに当り本質的な部分は、FD116、CD−ROM118、ハードディスク124等の記録媒体に記憶されたソフトウェアである。
なお、一般的傾向として、コンピュータのオペレーティングシステムの一部として様々なプログラムモジュールを用意しておき、アプリケーションプログラムはこれらモジュールを所定の配列で必要なときに呼び出して処理を進める方式が一般的である。そうした場合、当該ソフトウェア自体にはそうしたモジュールは含まれず、当該コンピュータでオペレーティングシステムと協働してはじめて電磁界回路連携解析が可能になる。しかし、一般的なプラットフォームを使用する限り、そうしたモジュールを含ませたソフトウェアを流通させる必要はなく、それらモジュールを含まないソフトウェア自体およびそれらソフトウェアを記録した記録媒体(およびそれらソフトウェアがネットワーク上を流通する場合のデータ信号)が実施の形態を構成すると考えることができる。
(2. 電磁界回路連携解析方法)
(2.1)では、非特許文献1で示されているような、電磁界回路連携解析の方法について説明する。次いで、(2.2)において、本発明に係る連携解析方法について説明する。
(2.1 電磁界解析と回路解析との連携解析方法)
まず、電磁界解析を行なう手法の一つであるFDTD法について説明し、次いで連携解析するのに用いられる解析手法の例として電流源法について説明する。
FDTD法は、マクスウェルの電磁界方程式を差分化することによって数値計算する方法である。まず、解析領域を格子で分割し、格子の各辺の中心に電界、各面の中心に磁界を配置する、いわゆるYee格子という構造を取る。そして、マクスウェルの方程式を差分化すると、電界・磁界は、空間的に半セル、時間的に半タイムステップずらした位置に配置される。ここで、求めたい未知電界、未知磁界と隣接する1タイムステップ前の既知電界、既知磁界の間に働く関係式を電磁気学に基づくマクスウェル方程式から導くと次の式(1)および式(2)のようになる。
Figure 2008040756
なお、式中で太字は、当該変数がベクトルであることを示す。
式(1)はnタイムステップの電界E(ベクトル)、式(2)は(n+1/2)タイムステップの磁界H(ベクトル)についての関係式である。ただし、Δtem,μ,ε,σは、それぞれ、タイムステップ、透磁率、誘電率、導電率とする。
これらをもとに未知電界、未知磁界をあるタイムステップΔtemを単位に更新していくことで、解析領域全体の電磁界挙動を時間領域で求めることができる。
なお、FDTD法におけるタイムステップΔtemは、セルのサイズに対し、次の式(3)に示すCourant安定条件を満たす必要がある。
Figure 2008040756
ただし、cは光速、Δx,Δy,Δzはセルの各辺の長さを示す。
タイムステップΔtemが式(3)を満たさない場合は、算出された値が発散されてしまうことが一般に知られている。
このように、FDTD法では解析領域内の未知電界、未知磁界を陽解法により逐次的に計算することで解析対象の時間領域電磁界応答を解析できる。
次に、電磁界回路連携解析に用いられる、FDTD法と回路解析を直接結合する手法の一つである電流源法について説明する。
図3は、電流源法による連携解析の模式図である。図3(A)は、回路解析の対象となる回路素子を含むFDTDセルを示す図であり、図3(B)は、図3(A)のセルに対応する、電流源法の等価回路を示す図であり、図3(C)は、電流源法の概略的な処理の流れを示す図である。
図3を参照して、電流源法について説明する。図3(A)では、実線で示される格子セルの辺に沿って矢印の向きに電界が、点線で示される格子セルの辺に沿って矢印の向きに磁界が割り当てられている。Δx,Δy,ΔzはFDTDセルの各辺の長さを示し、実線の格子セルと点線の格子セルは、1/2Δx,1/2Δy,1/2Δzずつ、ずれて配置されている。ここでは、電界の割り当てられた辺abに、回路解析で動作解析する対象の回路素子が配置されているとする。
図3(C)を参照して、電流源法の処理の流れを説明する。まず、FDTD法にてセルの磁界を計算する(ステップS300)。
そして、回路素子の含まれるセルにアンペアの法則を適用し、z成分について展開すると、以下の式(4)が得られる。さらに、式(4)の左辺第1項のε(ΔxΔy)/Δzを等価的に平行平板コンデンサの容量Cとし、右辺をセルに流れる全電流Iとすると、式(4)は、式(5)のように書き直すことができる。
Figure 2008040756
ただし、JLは素子に流れる導電電流密度、VLは回路素子両端の電圧、ILは回路素子に流れる全電流とする。
セルに流れる全電流Iは、アンペアの法則を用いて素子の周りの磁界を面31に沿って周回積分して求められるが、磁界は一定であるため、Iは定電流源と考えることができる。したがって、式(5)は、図3(B)に示すように、電流源32とコンデンサ33と回路網34を含む等価回路として考えられる。
再び図3(C)にもどって、FDTDで求めた磁界Hから電流Iを計算し、電流源値Iとして回路解析に渡す(ステップS302)ことで、回路解析によりVL、ILを求めることができる。そして、回路解析にてVLを求め、回路素子の含まれるセル辺の電界を計算するためVLをFDTD法に渡し(ステップS304)、ステップS306にて、電界Eが計算される。
以上のようにして、回路解析とFDTD法が直接結合されることになる。これにより、電磁界との結合は回路の入出力端子だけを考えて解析することができる。
図4は、回路解析とFDTD法とのデータの流れを時系列的に示した図である。
図4を参照して、回路解析とFDTD法との間のデータの受け渡しについて説明する。なお、図4では、時刻(n−1)Δtemにおける電界強度En-1(ベクトル)および時刻(n−3/2)Δtemにおける磁界強度Hn-3/2(ベクトル)が既知であるとする。
時刻(n−1/2)Δtemにおける磁界強度Hn-1/2(ベクトル)は、既知であるEn-1、Hn-3/2を式(2)に代入し求めることができる。
しかしながら、時刻nΔtemにおける電界強度Enは、回路素子を含むセル(以下、「回路セル」と呼ぶ)と含まないセルで算出方法が異なる。
回路素子を含まないセルに関しては、式(1)にEn-1およびHn-1/2を代入することにより求める。
回路セルに関しては、次のようにして算出する。図3(B)の等価回路において、コンデンサ33の初期電圧値をVn-1=E n-1Δz、また、等価電流源を一定値In-1/2=Δx・Δy・∇×Hn-1/2とする。そして、時刻(n−1)ΔtemからnΔtemまでの時間刻み幅を十分細かく取って回路シミュレーションを行なう。
時刻nΔtemにおける回路素子の電圧値Vnは、回路セルの電界強度Eに変換されてFDTD法へと引き渡される。
時刻(n+1/2)Δtemでは、磁界強度Hn+1/2は、回路解析により求めた電圧から変換されたEn、およびFDTD法により求めたHn-1/2を、式(2)に代入して求めることができる。
以上のようにしてΔtemを単位に更新していくことで、解析領域全体の電磁界挙動を時間領域で求めることができる。
なお、電圧源法においても、同様にFDTD法で求めた電界から電圧源値を求め、FDTD法で磁界を求める時刻における電流値をSPICE等の回路シミュレータにより解析し、磁界に変換してFDTD法に渡して解析を進めることができる。
(2.2 本発明の電磁界解析連携方法)
上述したように、非特許文献1で開示されている方法では、時刻nΔtemの回路セルの電界を導出するのに、時刻(n−1/2)Δtemまでの電流値に基づいて一定値をとる電流源を定めていた。本発明では、時刻(n−1/2)Δtemから(n+1/2)Δtemまでの電流源関数in(t)を、FDTD法において、時刻(n−1/2)Δtemの磁界値より算出された電流値In-1/2と、時刻(n+1/2)Δtemの磁界値により算出される電流値In+1/2とを用いた補間式により表わす。ここでは、例として次の式(6)のような線形関数として定義する。
Figure 2008040756
ただし、(n−1/2)Δtem<t≦(n+1/2)Δtemとする。
ここで、In-1/2に関しては、時刻nΔtemにおいて、すでにFDTD法で計算済みの磁界値から求められる値であるが、In+1/2に関しては、計算中の時刻nΔtemよりもさらに1/2Δtemだけ進んだ時刻における磁界値から求める値である。このため、In+1/2の値を定めることはできない。そこで、FDTD法の計算式からIn+1/2の満たすべき関係式を求める。以下では、具体例を挙げて説明する。
電界セルE(i,j,k)の位置に回路素子が埋め込まれている場合を考える。このとき、時刻nΔtemの電界値E (i,j,k)を回路解析により求めることを考える。電界値E (i,j,k)の位置での式(6)の電流源関数i(t)をiy(i,j,k) n(t)とする。すると、式(6)は、次のような式(7)で表わすことができる。
Figure 2008040756
ただし、(n−1/2)Δtem<t≦(n+1/2)Δtemとする。
また、電界値E n(i,j,k)の位置での電流源法により定式化した回路方程式はFDTD法から見ると、次の式(8)のような内部状態を持つブラックボックスな関数として表わすことができる。
Figure 2008040756
図5は、セルの磁界変数の配置を示す図である。
図5に示すように、電流値I n+1/2(i,j,k)は、回路セルの近傍の磁界値を用いて以下のアンペアの式(9)で表わすことができる。
Figure 2008040756
ここで、磁界値H n+1/2(i,j,k−1)は、FDTD法において次の式(10)で算出される。
Figure 2008040756
ただし、C1hx(i,j,k-1)、C2hx(i,j,k-1)は、x方向磁界成分位置(i,j,k−1)における媒質やセルサイズ、タイムステップΔtemなどによって定まる定数である。
同様に、磁界値H n+1/2(i,j,k)、H n+1/2(i−1,j,k)、H n+1/2(i,j,k)は、FDTD法において式(2)より、次の式(11)、(12)、(13)から算出される。
Figure 2008040756
したがって、I n+1/2(i,j,k)は、回路セルの近傍の磁界値を用いたアンペアの式に対し、FDTD法において未知磁界と隣接する半タイムステップ前の既知磁界、および1タイムステップ前の既知磁界の間に働く関係式を代入して導出される式により表わすことができる。具体的には、式(9)に式(10)〜(13)を代入して、次の式(14)のように電磁界解析における関係式で表わすことができる。ただし、式(14)におけるCIy(i,j,k)は、式(15)で表わされる定数である。
Figure 2008040756
図6は、セルの電界変数、磁界変数の配置を示す図である。
図6および式(14)に示すように、電流値I n+1/2(i,j,k)は、近傍の電界値とI n-1/2(i,j,k)によって決定される。
ここで、式(14)の電磁界変数のうち、磁界から算出される電流値については時間に関する添え字がn−1/2であるため、既知の値となる。また、電界については時間に関する添え字がnとなるが、これらのうち、回路セルの電界値であるE n(i,j,k)以外のものについては、別の回路素子が埋め込まれていない限り、前もってFDTD法により計算することが可能である。以下では、簡単のため、これらの電界セルに回路素子が埋め込まれていないと仮定する。
このとき、式(7)、式(8)、式(14)は、連立方程式の形になっている。よって、これらは、たとえば、以下のような手順により説くことができる。
(手順1)I n+1/2(i,j,k)の近似値として、既知のI n-1/2(i,j,k)を設定する。
(手順2)式(7)により電流源関数を定めた後、式(8)を解いてE n(i,j,k)を求める。そして、求めたE n(i,j,k)を式(14)に代入することで、I n+1/2(i,j,k)の新しい近似値を求める。
(手順3)現在のI n+1/2(i,j,k)の近似値と、上記(手順2)で求めたI n+1/2(i,j,k)の新しい近似値の差が予め設定しておいた収束条件を満たしていなければ、I n+1/2(i,j,k)の近似値を、現在の値から新しい近似値へ更新し、(手順2)へ戻る。
(手順4)収束条件を満たしていれば、I n+1/2(i,j,k)およびE n(i,j,k)の近似値を出力する。
図7は、上記手順による電磁界解析と回路解析のデータ受け渡しと電流源関数について表わした図である。
図7において、回路解析のグラフにおける破線は電流源関数の更新していく様子を示している。
また、式(14)に現れる電界セルのいくつかに他の回路素子が内蔵されている場合にも、回路素子の内蔵されているセルそれぞれについて、式(7)、式(8)、式(14)を導出し、それらを連立させることにより同様に解くことができる。
なお、電圧源法を用いても同様に電磁界回路連携解析を実行できる。この場合、まず、FDTD法で求めた電界値から補間により電圧源関数を設定する。そして、回路セルの近傍の電界値を用いたファラデーの式に対し、FDTD法において未知電界と隣接する1タイムステップ前の既知電界および半タイムステップ前の既知磁界の間に働く関係式を代入して導出される式に基づき、電圧値を更新する。これを収束条件を満たすまで繰り返す。
(3. コンピュータ100への実装)
以上の発明に係る電磁界回路連携解析は、以下の手続きによってコンピュータソフトウェアとして実装できる。
以下、その手続きについてまとめる。
図8は、本発明に係る電磁界回路連携解析の処理を示したフローチャートである。
図8を参照して、連携解析の処理の流れを説明する。
まず、ステップS800において、CPU120は、ハードディスク124に格納されている回路基板データ134から、解析の設定を記述した解析条件、回路情報等のデータを読み込み、次の1から7に挙げる初期化処理を行なう。
1.CPU120は、FDTD法の電界・磁界変数の係数初期化を行なう。ここでは、FDTD法の電界、磁界変数の更新計算のための係数を、解析条件に記述された各電界、磁界変数の存在位置での媒質情報およびセルサイズ、タイムステップなどから計算する。
2.CPU120は、回路解析に必要な行列の初期化を行なう。ここでは、解析条件で指定された複数の埋め込み回路について、読み込んだ回路情報から回路解析の係数行列の初期化を行なう。
3.CPU120は、FDTD解析・回路解析の連携時に用いる係数の初期化を行なう。ここでは、解析条件で指定された複数の埋め込み回路と、対応する回路セルでの上記1で導出した電界、磁界変数の更新計算のための係数から、FDTD解析と回路解析の連携に必要な係数の初期化を行なう。たとえば、E n(i,j,k)については、CIy(i,j,k)を式(15)によって計算する。
4.CPU120は、電界・磁界変数の初期値を設定する。ここでは、各電界・磁界変数を0に初期化する。もしくは、ファイルなどに記録された初期電磁界分布情報を元に、各電界、磁界変数を初期化する。
5.CPU120は、回路解析の内部状態に初期値を設定する。ここでは、回路解析で用いる、接点電位等の内部状態を動作点解析などによって求め、内部状態記憶領域139に書き込む。
6.CPU120は、タイムステップΔtem単位での時刻を表す変数iの初期化を行なう。ここでは、変数iを初期値0で初期化する。
7.CPU120は、回路解析連携用の変数の初期化を行なう。ここでは、解析時刻範囲を定義する変数t1,t2の設定を行なう。解析時刻範囲の開始時刻を表すt1を−1/2Δtemに、t2を1/2Δtemに設定する。また、式(9)などに磁界の初期値を代入して、時刻t1での、各々の電界変数に対応した電流値Iを計算する。
次いで、ステップS802において、CPU120は、FDTD法において、時刻nΔtemにおける電界計算処理を各電界変数について行なう。このとき、回路セルの電界変数計算は省略することができる。CPU120は、算出した電界値を電界値記憶領域137に書き込む。
そして、ステップS804において、CPU120は、回路セルの電界値を埋め込み回路解析によって計算する。なお、詳細については後述する。
続いて、ステップS806において、CPU120は、FDTD法において、時刻(n+1/2)Δtemにおける磁界計算処理を各磁界変数について行なう。そして算出した磁界値を磁界値記憶領域138に書き込む。
次いで、ステップS808において、CPU120は、タイムステップΔtem単位での時刻を表わす変数iに1を加える。また、解析時刻範囲を定義するt1,t2を更新する。
最後に、ステップS810において、CPU120は、予め指定された解析終了条件に基づき解析終了判定を行なう。解析終了条件の例としては、解析条件によって指定したステップ数nとiとを比較し、i>nとなった場合に終了と判定するなどがある。
終了条件を満たさないと判断すればステップS802の処理に戻る。そうでなければ、解析を終了する。
次に、ステップS804の処理である埋め込み回路解析について詳しく説明する。
図9は、埋め込み回路解析処理を示したフローチャートである。
図9を参照して、埋め込み回路解析について説明する。なお、以下では、回路素子が電界セルE (i,j,k)に埋め込まれている場合について考える。
まず、ステップS900において、CPU120は、I n+1/2(i,j,k)の推定値I n+1/2(i,j,k)_estに初期値を設定する。ここでは、初期値として、図8のステップS800で予め計算しておいた値I1(i,j,k)を設定する。なお、他の外挿などの方法により初期値を設定してもよい。
次いで、ステップS902において、CPU120は、回路解析を反復して実行するために、現在の回路解析の内部状態をハードディスク124内の内部状態記憶領域139に書き込む。
そして、ステップS904において、CPU120は、時刻t(ただし、(n−1/2)Δtem<t≦(n+1/2)Δtem)について、式(8)の回路解析を行なう。このとき、式(7)の電流源関数において、I n-1/2(i,j,k)としてI1(i,j,k)を、I n+1/2(i,j,k)としてI n+1/2(i,j,k)_estを用いる。さらに、CPU120は、回路解析の結果得られる時刻nΔtemでの回路セルにかかる電圧値V (i,j,k)_estから、次の式(16)より、電界値E (i,j,k)_estを求める。
Figure 2008040756
続いて、ステップS906において、CPU120は、ステップS904で得られた電界値E (i,j,k)_estを式(14)に代入し、I n+1/2(i,j,k)を求める。
次いで、ステップS908において、CPU120は、I n+1/2(i,j,k)とI n+1/2(i,j,k)_estとが次の式(17)で示される収束条件を満たすかどうかを判定する。
Figure 2008040756
ただし、αは解析条件として予め設定された定数である。
ここで、収束条件を満たさないと判断した場合(ステップS908において、NO)、ステップS916において、CPU120は、I n+1/2(i,j,k)_estにステップS906で求めたI n+1/2(i,j,k)の値を代入して更新する。
次いで、ステップS918において、CPU120は、現在の回路解析の内部状態を読み込み、復元する。そして、ステップS904の処理を行なう。
一方、収束条件を満たすと判断した場合(ステップS908において、YES)、ステップS910において、CPU120は、時刻t(ただし、nΔtem<t≦(n+1/2)Δtem)について、式(8)の回路解析を行なう。このとき、式(7)の電流源関数において、I n-1/2(i,j,k)としてI1(i,j,k)を、I n+1/2(i,j,k)としてI n+1/2(i,j,k)_estを用いる。これにより、回路解析の内部状態は次のステップの計算開始時刻(n+1/2)Δtemまで進められる。そして、CPU120は、回路解析の内部状態をハードディスク124内の内部状態記憶領域139に書き込む。
次いで、ステップS912において、CPU120は、I1(i,j,k)にI n+1/2(i,j,k)の値を代入して初期電流源値を更新する。
最後に、ステップS914において、CPU120は、回路セルの電界値E (i,j,k)にステップS904で求めたE (i,j,k)_estの値を代入し、電界値記憶領域137に書き込む。
以上のようにして、埋め込み回路解析を行なう。
上述したように、本発明によれば、連続な電源関数を設定して回路解析を行なう。これにより、精度の高い解析を行なうことができる。特に、非線形の回路において回路解析の安定性、連携解析の精度を向上させることができる。
また、本発明によれば、大量のデータを高速に処理することが求められる電子機器製品開発において、レイアウト設計の段階で信号品質、電磁ノイズなどを、非線形部品を含めた詳細なモデルによりシミュレーションすることで、基板レイアウト設計品質を向上させ、必要な試作回数の削減、設計期間の短縮効果を得ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係る電磁界回路連携解析プログラムを実行するコンピュータ100の一例を示す概念図である。 CPU120の機能的構成を示すブロック図である。 電流源法による連携解析の模式図である。 回路解析とFDTD法とのデータの流れを時系列的に示した図である。 セルの磁界変数の配置を示す図である。 セルの電界変数、磁界変数の配置を示す図である。 上記手順による電磁界解析と回路解析のデータ受け渡しと電流源関数について表わした図である。 本発明に係る電磁界回路連携解析の処理を示したフローチャートである。 埋め込み回路解析処理を示したフローチャートである。
符号の説明
32 電流源、33 コンデンサ、34 回路網、100 コンピュータ、102 コンピュータ本体、104 ディスプレイ、106 FDドライブ、108 光ディスクドライブ、110 キーボード、112 マウス、116 FD、118 CD−ROM、120 CPU、122 メモリ、124 ハードディスク、128 通信インターフェイス、134 回路基板データ、135 FDTDを実行するプログラム、136 回路解析を実行するプログラム、137 電界値記憶領域、138 磁界値記憶領域、139 内部状態記憶領域。

Claims (6)

  1. 演算処理部を有するコンピュータに、電磁界回路連携解析を実行させるためのプログラムであって、
    前記演算処理部が、複数のセルに分割された解析対象となる領域において、前記複数のセルのうち、回路素子が挿入された回路セル以外のセルの電界または磁界の一方について第1の電磁界解析を行なうステップと、
    前記演算処理部が、前記回路セルにおいて、現在の時刻を含む所定の期間における前記回路セルの電流値または電圧値の一方による補間式および電磁界解析における関係式を用いて現在の時刻での電源値を更新させながら、回路解析を行なうステップと、
    前記演算処理部が、前記第1の電磁界解析を行なうステップおよび前記回路解析を行なうステップの結果に基づき、前記セルの磁界または電界の他方について第2の電磁界解析を行なうステップと、
    前記演算処理部が、前記第1の電磁界解析を行なうステップと、前記回路解析を行なうステップと、前記第2の電磁界解析を行なうステップとを、所定の条件が満たされるまで繰り返すステップとを備える、解析処理をコンピュータに実行させるための電磁界回路連携解析プログラム。
  2. 前記電源値は電流源値であり、
    前記演算処理部が、複数のセルに分割された解析対象となる領域において、時刻t−1/2Δtまでの電界値および磁界値を求めるステップをさらに備え、
    前記第1の電磁界解析を行なうステップは、前記演算処理部が、前記複数のセルのうち、回路素子が挿入された回路セル以外のセルの時刻tでの電界値を求め、
    前記回路解析を行なうステップは、
    前記演算処理部が、前記回路セルにおいて、時刻t+1/2Δtでの電流値の推定値を初期化するステップと、
    前記演算処理部が、前記回路セルの電界値を求めるステップと、
    前記演算処理部が、前記回路セルの電流値を求めるステップとを含み、
    前記回路セルの電界値を求めるステップは、
    前記演算処理部が、前記回路セルにおいて、前記時刻t−1/2Δtでの前記磁界値から算出した電流値と前記推定値との前記補間式により、前記時刻tでの電流源の値を設定するステップと、
    前記演算処理部が、前記回路セルにおいて、前記設定された電流源の値に基づき回路解析を行なうことで、前記時刻tでの前記回路セルの電圧値を求めるステップと、
    前記演算処理部が、前記回路セルの電圧値から、前記時刻tにおける前記回路セルの電界値を求めるステップとを有し、
    前記回路セルの電流値を求めるステップは、前記時刻tでの前記電界値を前記回路セルと前記回路セルの近傍のセルとの間で成立する電磁界解析における前記関係式に代入して、前記回路セルにおける前記時刻t+1/2Δtでの電流値を求め、
    前記回路解析を行なうステップは、
    前記演算処理部が、前記回路セルの電流値を求めるステップで求めた前記電流値と前記推定値との差が所定の値より小さくなるまで、前記推定値を更新しながら、前記回路セルの電界値を求めるステップと前記回路セルの電流値を求めるステップとを繰り返すステップと、
    前記演算処理部が、前記推定値を更新しながら、前記回路セルの電界値を求めるステップと前記回路セルの電流値を求めるステップとを繰り返すステップの結果に基づき、前記時刻tでの前記回路セルの電界値を出力するステップとをさらに含み、
    前記第2の電磁界解析を行なうステップは、前記演算処理部が、前記時刻t+1/2Δtにおける前記セルの磁界値を求め、
    前記演算処理部が、前記時刻tをt+Δtに更新するステップをさらに備える、請求項1記載の解析処理をコンピュータに実行させるための電磁界回路連携解析プログラム。
  3. 前記初期化するステップは、前記演算処理部が、前記時刻t−1/2Δtまでの磁界値から算出した電流値を用いて前記推定値の初期値を設定し、
    前記推定値を更新しながら、前記回路セルの電界値を求めるステップと前記回路セルの電流値を求めるステップとを繰り返すステップは、前記演算処理部が、前記回路セルの電流値を求めるステップにより求められた電流値を前記推定値として更新する、請求項2記載の電磁界回路連携解析プログラム。
  4. 請求項1記載の電磁界回路連携解析プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  5. 電磁界解析と回路解析との連携解析を行なう電磁界回路連携解析装置であって、
    回路解析を行なう回路解析部を備え、
    前記回路解析部は、複数のセルに分割された解析対象となる領域において、前記複数のセルのうち、回路素子が挿入された回路セルにおいて、現在の時刻を含む所定の期間における前記回路セルの電流値または電圧値の一方による補間式および電磁界解析における関係式を用いて現在の時刻での電源値を更新させながら、回路解析を行なう手段を含み、
    前記電磁界解析を行なう電磁界解析部をさらに備え、
    前記電磁界解析部は、
    前記複数のセルのうち、前記回路セル以外のセルの電界または磁界の一方について第1の電磁界解析を行ない、前記第1の電磁界解析の結果を前記回路解析部に与える第1の手段と、
    前記第1の手段および前記回路解析部の結果に基づき、前記セルの磁界または電界の他方について第2の電磁界解析を行なう手段とを含み、
    前記第1の手段と、前記回路解析を行なう手段と、前記第2の電磁界解析を行なう手段とを、所定の条件が満たされるまで繰り返す解析制御部とをさらに備える、電磁界回路連携解析装置。
  6. 電磁界解析と回路解析との連携解析を行なう電磁界回路連携解析方法であって、
    複数のセルに分割された解析対象となる領域において、前記複数のセルのうち、回路素子が挿入された回路セル以外のセルの電界または磁界の一方について第1の電磁界解析を行なうステップと、
    前記回路セルにおいて、現在の時刻を含む所定の期間における前記回路セルの電流値または電圧値の一方による補間式および電磁界解析における関係式を用いて現在の時刻での電源値を更新させながら、回路解析を行なうステップと、
    前記第1の電磁界解析を行なうステップおよび前記回路解析を行なうステップの結果に基づき、前記セルの磁界または電界の他方について第2の電磁界解析を行なうステップと、
    前記第1の電磁界解析を行なうステップと、前記回路解析を行なうステップと、前記第2の電磁界解析を行なうステップとを、所定の条件が満たされるまで繰り返すステップとをさらに備える、電磁界回路連携解析方法。
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