JP2008037974A - 光変色性粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホトクロミック化合物とは異なる新たな原理に基づいて色が変化し、色の変化が極めて明瞭な光変色性粒子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】カチオン性置換基を有し、光の照射によって酸が発生する光酸発生剤と、アニオン性置換基を有し、酸によって色が変化する変色性色素との複合体が高分子層に被覆されている。あるいは、光の照射によって酸が発生する光酸発生剤と、該酸によって色が変化する変色性色素と、高分子とが混合された固体粒子からなる。あるいは、光の照射によってラジカルが発生する光ラジカル発生剤と、ラジカルによって色が消えるラジカル消色色素と、高分子とが混合された固体粒子からなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、光を照射することによって色が変化する光変色性粒子及びその製造方法に関する。
従来より、光を照射することによって色が変化する光変色性粒子が知られている。例えば特許文献1には、ホトクロミック化合物溶液を内包するマイクロカプセルについて記載されている(特許文献1)。
特開平2−110174号公報
このマイクロカプセルに光を照射すれば、内包されているホトクロミック化合物の分子構造が変化し、色が変化する。
本発明は、ホトクロミック化合物とは異なる新たな原理に基づいて色が変化し、色の変化が極めて明瞭な光変色性粒子及びその製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
第1発明の光変色性粒子は、カチオン性置換基を有し、光の照射によって酸が発生する光酸発生剤と、アニオン性置換基を有し、酸によって色が変化する変色性色素との複合体が高分子層に被覆されていることを特徴とする。
発明者は、ホトクロミック化合物を用いない、新たな原理に基づく光変色性粒子として、光酸発生剤と、酸によって色が変化する変色性色素とが溶解している色素溶液を粒子化した光変色性粒子について研究を行っていた。その際、カチオン性置換基を有する光酸発生剤の溶液と、アニオン性置換基を有する変色性色素の溶液とを混合させることによって複合体となって析出することを発見した。そしてさらに、この複合体を高分子膜で被覆した粒子が、光照射によって極めて明瞭に色変化することを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、第1発明の光変色性粒子は、カチオン性置換基を有し、光の照射によって酸が発生する光酸発生剤と、アニオン性置換基を有し、酸によって色が変化する変色性色素との複合体が高分子層に被覆されていることを特徴とする。
第1発明の光変色性粒子に用いられる光酸発生剤としては、カチオン性置換基を有していれば、特に限定はなく、例えば、トリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムホスフェート、P−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、P−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−クロルフェニルジスルフェニルジスルフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−クロルフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオルアンチモネート、ビス[4−ジフェニル−スルフォニオ]フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロフォスフェート、ビス[4−ジフェニル−スルフォニオ]フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe−ヘキサフルオロホスフェート等を挙げることができる。また、特開2004−255564号公報に記載されているオニウム性光酸発生剤、ヒドロキシ基含有芳香族スルホン酸のジフェニルヨードニウム塩類のイオン性光酸発生剤等も用いることができる。また、これらの光酸発生剤は単独で用いる他、2種類以上組み合わせて用いることもできる。
光酸発生剤は、下記一般式(1)で示される化合物とすることが好ましい。
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立的に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、炭素数1〜12のフェニルアルキル基、またはフェニル基であり、前記R1乃至R3の少なくとも一つが有する水素原子はハロゲン原子、ニトロ基またはチエニル基で置換されていてもよく、Xはメタンスルホネート(methanesulfonate)、トリフルオロメタンスルホネート(trifluoromethanesulfonate)、p−トルエンスルホネート(p-toluenesulfonate)、10−カンファースルホネート(10-camphorsulfonate)、シクロヘキサンスルファマート(cyclohexanesulfamate)、パーフルオロ−1−ブタンスルホネート(perfluoro-1-butanesulfonate)、Cl、Br、SbF6、BF4、PF6又はAsF6)である)これらの光酸発生剤は単独で用いる他、2種類以上組み合わせて用いることもできる。
発明者の試験結果によれば、上記一般式(1)で示される化合物であれば、アニオン性置換基を有し、酸によって色が変化する変色性色素と容易に複合体を形成し、これを高分子層に内包させることにより、色変色性粒子とすることができる。しかも、この色変色性粒子は固体であるため、光酸発生剤と変色性色素との混合溶液が内包されたマイクロカプセルに比べて安定性に優れ、変色性色素の含有量が多いため色の変化も極めて明瞭となる。
また、変色性色素のアニオン性置換基がスルホン酸基であれば、カチオン性置換基を有し、光の照射によって酸が発生する光酸発生剤と容易に複合体を形成し、色変化が明瞭な色変色性粒子とすることができる。このような変色製色素としては、例えば、コンゴーレッド、ブロモクレゾールグリーン、チモールブルー等が挙げられる。
また、高分子層を構成する高分子についても、何ら制限なく各種公知のものが使用できる。例えば、各種のアクリル系ポリマーや各種のウレタン等を用いることができる。
第1発明の光変色性粒子は、次のようにして製造することができる。
すなわち、
カチオン性置換基を有し、光の照射によって酸が発生する光酸発生剤の溶液と、アニオン性置換基を有し、酸によって色が変化する変色性色素の溶液とを混合した混合液を水又は水を含む溶媒中に加えることにより、該光酸発生剤と該変色性色素との複合体を析出させる複合化工程と、該複合体を高分子層で被覆する被覆工程と、を備えることを特徴とする光変色性粒子の製造方法である。
複合体を高分子層で被覆する方法としては特に限定はないが、例えば次のような方法が挙げられる。
(1)複合体を有機溶媒に溶解させて複合体溶液とし、高分子を有機溶媒に溶解させて高分子溶液とし、該複合体溶液と該高分子溶液とを混合した後、水又は水を含む溶媒中に添加して混合することにより、複合体溶液の液滴を高分子層で被覆した被覆粒子とする方法。
あるいは、
(2)複合体を有機溶媒に溶解させて複合体溶液とし、イソシアネート官能基を複数有する多官能イソシアネート化合物溶液を複合体溶液と混合し、この混合液を水又は水を含む溶媒中に加える方法。
等である。
第2発明の光変色性粒子は、光の照射によって酸が発生する光酸発生剤と、該酸によって色が変化する変色性色素と、高分子とが混合された固体粒子からなることを特徴とする。
発明者の試験結果によれば、光酸発生剤、変色性色素および高分子層から構成された粒子であれば、第1発明の光変色性粒子と同様、光によって極めて明瞭に色変化する。この場合において、変色性色素がロイコ色素であれば、色変化が特に明瞭であり、安定性に優れ、変化した色が元に戻ったり、退色したりすることも少ない。
第2発明の光変色性粒子において用いられる光酸発生剤としては特に限定はなく、第1発明において用いることのできる、カチオン性置換基を有する光酸発生剤の他、DNQ(diazonaphthoquinone)類の光酸発生剤、ニトロベンジルスルホン酸類の非イオン性光酸発生剤等を用いることもできる。これらの光酸発生剤は単独で用いる他、2種類以上組み合わせて用いることもできる。
第2発明の光変色性粒子は、次のようにして製造することができる。
すなわち、
光の照射によって酸が発生する光酸発生剤と、酸によって色が変化する変色性色素と、高分子とが含まれる混合液を用意する混合液準備工程と、
該混合液を水又は水を含む溶媒中に添加して混合することにより該混合液を粒状化する粒状化工程と、
を備えることを特徴とする光変色性粒子の製造方法である。
また、次の方法によって第2発明の光変色性粒子を製造することもできる。
すなわち、光の照射によって酸が発生する光酸発生剤と、酸によって色が変化する変色性色素との混合液を用意する混合溶液準備工程と、
イソシアネート官能基を複数有する多官能イソシアネート化合物溶液を該混合溶液と混合した後、水又は水を含む溶媒中に加えて重合させる重合工程と、
を備えることを特徴とする光変色性粒子の製造方法である。
第3発明の光変色性粒子は、光の照射によってラジカルが発生する光ラジカル発生剤と、ラジカルによって色が消えるラジカル消色色素と、高分子とが混合された固体粒子からなることを特徴とする。
発明者の試験結果によれば、光ラジカル発生剤と、ラジカルによって色が消えるラジカル消色色素との組み合わせによっても、第1発明の光変色性粒子と同様、光によって極めて明瞭に色変化する。
第3発明に用いられる光ラジカル発生剤としては、特に限定はないが、例えば、tert−ブチルペルオキシ−iso−ブタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルジオキシ)へキサン、1,4−ビス[α−(tert−ブチルジオキシ)−iso−プロポキシ]ベンゼン、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルジオキシ)へキセンヒドロペルオキシド、α−(isoープロピルフェニル)−iso−プロピルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチルへキサン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、1,1−ビス(tert−ブチルジオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロへキサン、ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルジオキシ)バレレート、シクロへキサノンペルオキシド、2,2’,5,5’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−アミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ビス(tert−ブチルペルオキシカルボニル)−4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−tert−ブチルジペルオキシイソフタレート等の有機過酸化物や、9,10−アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン等のキノン類や、ベンゾインメチル、ベンゾインエチルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン等のベンゾイン誘導体などを挙げることができる。これら光ラジカル発生剤は単独で用いる事も、2種類以上組み合わせて用いることもできる。
また、第3発明に用いられるラジカル消色色素としては、ラジカルと反応して色が消失する色素であれば特に限定はなくい。このような色素として、例えば、Solvent Orange 80、 コンゴーレッド、Acid Red等が挙げられる。
第3発明の光変色性粒子は、次のようにして製造することができる。
すなわち、
光の照射によってラジカルが発生する光ラジカル発生剤と、ラジカルによって色が消えるラジカル消色色素と、高分子とが含まれる混合液を用意する混合液準備工程と、
該混合液を水又は水を含む溶媒中に添加して混合することにより該混合液を粒状化する粒状化工程と、
を備えることを特徴とする光変色性粒子の製造方法である。
また、次の方法によって第3発明の光変色性粒子を製造することもできる。
すなわち、
光の照射によってラジカルが発生する光ラジカル発生剤と、ラジカルによって色が消えるラジカル消色色素との混合液を用意する混合溶液準備工程と、
イソシアネート官能基を複数有する多官能イソシアネート化合物溶液を該混合溶液と混合した後、水又は水を含む溶媒中に加えて重合させる重合工程と、
を備えることを特徴とする光変色性粒子の製造方法である。
以下、第1発明を具体化した実施例1〜3、第2発明を具体化した実施例4〜7及び第3発明を具体化した実施例8について説明する。
(実施例1)
実施例1の光変色性粒子は、カチオン性置換基を有する光酸発生剤として、下記化学式の光酸発生剤(a)(旭電化工業株式会社製、アデカオプトマーSP-152)を用い、アニオン性置換基を有し、酸によって色が変化する変色性色素としてコンゴーレッドを用い、高分子層の材料としてポリメタクリル酸メチルを用いた。製造方法は以下のとおりである。
<複合化工程>
コンゴーレッド(15mg)と光酸発生剤(a)(15mg)とをジエチレングリコールモノメチルエーテル(以下DEGMEという)50mlに溶解し、水の中にこの溶液を滴下した後、24時間撹拌し、析出物を遠心分離によって回収して複合体を得た。
<複合体溶解工程>
上記のようにして得られた複合体(30mg)をジエチレングリコール0.15gとメタノール0.15gmlに溶解して複合体溶液とする。
<高分子溶解工程>
PMMAの10%酢酸エチル溶液を準備する。
<被覆工程>
上記複合体溶液 0.33gmlとPMMAの10%酢酸エチル溶液 2gmlとを混合し、混合液をポリビニルアルコール4%水溶液に滴下し、20時間撹拌した。こうして複合体溶液がPMMA層に被覆された粒子の分散液を得た。
<乾燥工程>
さらに、上記分散液を遠心分離し、粒子を水で洗浄してから真空乾燥させて実施例1の光変色性粒子を得た。
(実施例2)
実施例2では変色性色素としてブロモクレゾールグリーンを用いた。また。複合化工程では、DEGMEではなく、メタノールを用いた。その他は実施例1と同様にして光変色性粒子を得た。
なお、クリスタルバイオレットラクトンや、ニュートラルレッドを用いて、実施例1や実施例2と同様な方法により化合物(a)と複合体を形成させようとしたが、複合体の析出は起こらなかった。この原因は、クリスタルバイオレットラクトンやニュートラルレッドにはアニオン性置換基が存在しないため(下記化学式参照)、光酸発生剤(a)が有しているカチオン性置換基との結合がされないためであると考えられる。
(実施例3)
実施例3の光変色性粒子は、変色性色素としてチモールブルーを用い、複合体溶解工程において複合体を溶解する溶媒としてメタノールを用いた。他は実施例2と同様であり、説明を省略する。
<発色試験>
実施例1〜3の光変色性粒子を白色の上質紙の上に置き、低圧高圧水銀ランプによる紫外線照射を2分間7秒間行い、照射前後の色の変化を目視によって判定した。その結果、実施例1では、図1に示すように、紫外線照射前ではピンク色であったのが、照射後では淡い青色に明瞭な変化を示した。また、図2に示すように、実施例2では黄緑色から黄色に、実施例3ではオレンジ色から赤色に明瞭な変化を示した。
なお、上記実施例1〜3の製造方法の代わりに、複合体を溶解させた複合体溶液を、トリレンジイソシアネート等のイソシアネート官能基を複数有する多官能イソシアネート化合物溶液と混合し、この混合液を水又は水を含む溶媒中に加える方法を用いてもよい。これにより、多官能イソシアネート化合物が水によって架橋され、光変色性粒子が得られる。この場合において、イソシアネートと反応するポリオール等を存在させておいてもよい。
(実施例4)(実施例5)(実施例6)(実施例7)
実施例4〜7では、ロイコ色素を用いて光変色性粒子を製造した。ロイコ色素の種類としては、実施例4では黒色の色素であるODB-2、実施例5では赤色の色素であるRed-40、実施例6では青色の色素であるBlue-63、実施例7では緑色の色素であるGreen-118を用いた。製造方法は以下のとおりである。
<混合液準備工程>
ロイコ色素2%含有ジエチレングリコールモノメチルエーテル(DEGME)溶液0.275gと、PAG(SP-152)50%含有プロピレンカーボネート溶液0.025gと、PMMA(分子量:約9万)10%含有酢酸エチル溶液2gとの混合液を調製する。
<粒状化工程>
上記混合液を10%PMMA(分子量9万)酢酸エチル溶液2gに加えて撹拌し、さらにこれを部分鹸化ポリビニルアルコール4%溶液5g中に加えて20時間の撹拌を行い、酢酸エチルが揮発してほぼ無くなった状態とした後、遠心分離と水洗を繰り返し、実施例4〜7の光変性粒子を得た。
なお、上記実施例4〜7の製造方法の代わりに、ロイコ色素と、PAG(SP-152)とが混合した混合液を用意し、これをトリレンジイソシアネート等のイソシアネート官能基を複数有する多官能イソシアネート化合物溶液を複合体溶液と混合し、この混合液を水又は水を含む溶媒中に加える方法を用いてもよい。これにより、多官能イソシアネート化合物が水によって架橋され、光変色性粒子が得られる。この場合において、イソシアネートと反応するポリオール等を存在させておいてもよい。
<発色試験>
実施例4〜7の光変色性粒子白色の上質紙の上に置き、高圧水銀ランプによる紫外線照射を7秒間行い、照射前後の色の変化を目視によって判定した。その結果、図3に示すように、実施例4では、淡い茶色から濃い茶色へ、実施例5では、薄いピンク色から濃いピンク色に、実施例6では、淡い青から群青色へ、実施例7では、淡い緑色から緑色へと明瞭な変化を示した。
(実施例8)
実施例8の光変色性粒子は、光ラジカル発生剤とラジカル消色色素とを組み合わせたものであり、光ラジカル発生剤として下記構造式で示されるチバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製 Irg184を用いた。また、ラジカル消色色素としてSolvent Orange80を用いた。以下に製造方法を示す。
<混合溶液準備工程>
光ラジカル発生剤としてのIrg184(0.1g)と、ラジカル消色色素としてのSolvent Orange80の0.5wt%アセトン溶液(0.2g)と、PMMA10wt%酢酸エチル溶液の混合液を準備する。
<粒状化工程>
さらに上記混合液をポリビニルアルコール4%溶液5g中に滴下して粒状化し、実施例7の光変色性粒子を得る。
なお、上記実施例8の製造方法の代わりに、光ラジカル発生剤とラジカル消色色素とが混合した混合液を用意し、これをトリレンジイソシアネート等のイソシアネート官能基を複数有する多官能イソシアネート化合物溶液を複合体溶液と混合し、この混合液を水又は水を含む溶媒中に加える方法を用いてもよい。これにより、多官能イソシアネート化合物が水によって架橋され、光変色性粒子が得られる。この場合において、イソシアネートと反応するポリオール等を存在させておいてもよい。
<発色試験>
実施例8の光変色性粒子の発色試験を行った結果を図4に示す。その結果、紫外線照射前では濃いオレンジ色であったのが、照射後ではほぼ色が消失するという明瞭な変化を示した。
本発明は光の照射によって色が変化するインキ等に利用可能である。
実施例1の光変色性粒子の紫外線照射前後の写真である。 実施例2(BCG)及び実施例3(TB)の光変色性粒子の紫外線照射前後の写真である。 実施例4〜実施例7の光変色性粒子の紫外線照射前後の写真である。 実施例8の光変色性粒子の紫外線照射前後の写真である。

Claims (12)

  1. カチオン性置換基を有し、光の照射によって酸が発生する光酸発生剤と、アニオン性置換基を有し、酸によって色が変化する変色性色素との複合体が高分子層に被覆されていることを特徴とする光変色性粒子。
  2. 光酸発生剤は、下記一般式(1)で示される化合物であることを特徴とする請求項1記載の光変色性粒子。
    式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立的に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、炭素数1〜12のフェニルアルキル基、またはフェニル基であり、前記R1乃至R3の少なくとも一つが有する水素原子はハロゲン原子、ニトロ基またはチエニル基で置換されていてもよく、Xはメタンスルホネート(methanesulfonate)、トリフルオロメタンスルホネート(trifluoromethanesulfonate)、p−トルエンスルホネート(p-toluenesulfonate)、10−カンファースルホネート(10-camphorsulfonate)、シクロヘキサンスルファマート(cyclohexanesulfamate)、パーフルオロ−1−ブタンスルホネート(perfluoro-1-butanesulfonate)、Cl、Br、SbF6、BF4、PF6又はAsF6)である。
  3. アニオン性置換基はスルホン酸基であることを特徴とする請求項1又は2記載の光変色性粒子。
  4. 高分子層はアクリル系樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の光変色性粒子。
  5. 光の照射によって酸が発生する光酸発生剤と、該酸によって色が変化する変色性色素と、高分子とが混合された固体粒子からなることを特徴とする光変色性粒子。
  6. 変色性色素はロイコ色素であることを特徴とする請求項5記載の光変色性粒子。
  7. 光の照射によってラジカルが発生する光ラジカル発生剤と、ラジカルによって色が消えるラジカル消色色素と、高分子とが混合された固体粒子からなることを特徴とする光変色性粒子。
  8. カチオン性置換基を有し、光の照射によって酸が発生する光酸発生剤の溶液と、アニオン性置換基を有し、酸によって色が変化する変色性色素の溶液とを混合した混合液を水又は水を含む溶媒中に加えることにより、該光酸発生剤と該変色性色素との複合体を析出させる複合化工程と、
    該複合体を高分子層で被覆する被覆工程と、
    を備えることを特徴とする光変色性粒子の製造方法。
  9. 光の照射によって酸が発生する光酸発生剤と、酸によって色が変化する変色性色素と、高分子とが含まれる混合液を用意する混合液準備工程と、
    該混合液を水又は水を含む溶媒中に添加して混合することにより該混合液を粒状化する粒状化工程と、
    を備えることを特徴とする光変色性粒子の製造方法。
  10. 光の照射によって酸が発生する光酸発生剤と、酸によって色が変化する変色性色素とが含まれる混合液を用意する混合溶液準備工程と、
    イソシアネート官能基を複数有する多官能イソシアネート化合物溶液を該混合液と混合した後、水又は水を含む溶媒中に加えて重合させる重合工程と、
    を備えることを特徴とする光変色性粒子の製造方法。
  11. 光の照射によってラジカルが発生する光ラジカル発生剤と、ラジカルによって色が消えるラジカル消色色素と、高分子とが含まれる混合液を用意する混合液準備工程と、
    該混合液を水又は水を含む溶媒中に添加して混合することにより該混合液を粒状化する粒状化工程と、
    を備えることを特徴とする光変色性粒子の製造方法。
  12. 光の照射によってラジカルが発生する光ラジカル発生剤と、ラジカルによって色が消えるラジカル消色色素とが含まれる混合液を用意する混合液準備工程と、
    イソシアネート官能基を複数有する多官能イソシアネート化合物溶液を該混合液と混合し、この混合液を水又は水を含む溶媒中に加える重合工程と、
    を備えることを特徴とする光変色性粒子の製造方法。
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