JP2008030837A - 包装箱 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 シート材から形成された包装箱1であって、背面壁板21と背面壁板21に連設された両側面壁板22,22とを有する上面開口型の箱本体2と、背面壁板21の上縁に第1折罫線41を介して連設され且つ第1折罫線41に於いて折り曲げることによって箱本体2の上面開口部24bを閉じる蓋板3と、を具備し、蓋板3によって箱本体2の上面開口部24bを閉じた際に当該蓋板3を係止する係止手段32,51と、蓋板3を上面開口部24bから離れる方向に押し上げる開蓋補助手段5と、が設けられている包装箱。
【選択図】 図3
Description
このような包装箱の蓋板の開閉機構は、図8(a)及び(b)に示すような構造が知られている。
図8(a)の包装箱80は、上面開口型の箱本体81の背面壁板に折罫線を介して回動自在に連設された蓋板82と、箱本体81の両側面壁板の上縁に折罫線を介して連設された側部フラップ板83と、を備え、側部フラップ板83と正面壁板84の間に、蓋板82から延設された蓋フラップ板85を差し込むことにより、蓋板82によって箱本体81の上面開口部81bを開閉する。なお、かかる構造の包装箱80は、特許文献1の図8などに開示されている。
図8(b)の包装箱90は、上面開口型の箱本体91の背面壁板に折罫線を介して回動自在に連設された蓋板92と、箱本体91の両側面壁板の上縁に折罫線を介して連設された側部フラップ板93と、を備え、蓋板92から延設された係止片94を、箱本体91の正面壁板の切込み部95に差し込むことにより、蓋板92によって箱本体91の上面開口部91bを開閉する。なお、かかる構造の包装箱90は、特許文献2の図7などに開示されている。
ところで、収納した商品を上面開口部から取り出し易くするためには、図8(a)に示すように、蓋板82及び側部フラップ板83が、背面壁板及び側面壁板に対して平行となるぐらいまで開かれていることが好ましい。
しかしながら、包装箱の蓋板は、流通・保管時に於いては、折罫線に於いて背面壁板に対して約90度に折り曲げられた状態となっているため、折り癖が付いている。従って、蓋板を開けた後、蓋板から手を離すと、図9(a)に示すように、蓋板82が下がってしまう。このため、箱本体81の上面開口部81bを大きく開放することができず、収納された商品を取り出し難いという問題点がある。
一方、図9(b)に示すように、閉じられた蓋板82を背面壁板に対して180度以上回動させれば、箱本体81の上面開口部81bを大きく開放できる。しかしながら、蓋板82を大きく回動させる動作を繰り返すと、折罫線82aに於いて、亀裂が入り、蓋板82が千切れる虞もある。
一方、商品を取り出した後、再封する際には、蓋板及び側部フラップ板のそれぞれを折り曲げて上面開口部を閉じなければならない。
該包装箱は、蓋板を押し上げる開蓋補助手段が設けられているので、該包装箱から商品を取り出す際、蓋板に対する係止を解除することにより、蓋板が跳ね上がり、箱本体の上面開口部を大きく開放することができる。かかる開蓋補助手段の具備された蓋板は、手を離しても、蓋板が折れ曲がり難く、よって、上面開口部を大きく開放できる。従って、開放された上面開口部から商品を容易に取り出すことができる。
また、商品を取り出した後、蓋板を折り曲げて上面開口部を閉じつつ該蓋板を係止手段にて係止することにより、包装箱を再封することができる。
さらに、該補助板は、蓋板に対する係止を解除した際に反発力によって起立するので、蓋板に対する係止を解除することにより、蓋板を押し上げて箱本体の上面開口部を大きく開放することができる。
また、蓋板に連設された上記補助板は、蓋板を折り曲げた際に、これに追従して内側へ折れ曲がるため、再封時には、蓋板と補助板のそれぞれの折曲げ作業を別個に行う必要がない。
このように第1折罫線が円弧線状に形成されていることにより、該第1折罫線に於いて折り曲げられた蓋板が跳ね上がり易くなる。
よって、本発明の包装箱によれば、収納した商品を容易に取り出すことができる。
また、本発明の好ましい態様の包装箱は、補助板によって側面壁板と蓋板の間に隙間が生じることがなく、又、再封時には、蓋板の折曲げ作業のみで補助板を閉じることができる。
図1〜図3において、1は、シート材から形成された自立可能な包装箱を示す。包装箱1は、複数の壁板を有し且つ下面が閉塞されている上面開口型の箱本体2と、この箱本体2の一の壁板の上縁に連設された蓋板3と、を備えている。
なお、「上面」とは、包装箱1の任意の一面において、包装箱1を自立させた場合に、上方に位置する面をいう。
厚紙を用いる場合には、厚み0.5〜2mm程度のものが好ましく、合成樹脂シートを用いる場合には、厚み0.4〜1mm程度のものが好ましい。
合成樹脂シートの樹脂材料は特に限定されず、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリエステル系などの汎用樹脂が例示される。
包装箱1は、1枚のシート材を所定形状に打ち抜いて組み立てることにより、直方体状に形成されている。従って、後述する箱本体2、蓋板3及び補助板5などの包装箱1の構成板は、一体的に形成されている。
箱本体2は、長方形状の背面壁板21と、背面壁板21の両側縁に連設された一対の側面壁板22,22と、両側面壁板22,22の側縁に連設された正面壁板23と、を備える四角柱状の筒状体と、この四角柱状の筒状体の下面開口部24aを閉塞する下面壁板25と、を有する。
背面壁板21、一対の側面壁板22及び正面壁板23は、それぞれの境界部分に形成された折罫線40に於いて直角状に折り曲げられ、それぞれ連設されている。
また、正面壁板23の上方中央部は、所定形状(例えば半円弧状など)に切り取られ、切除部26が形成されている。この切除部26は、商品の上部が覗き出る程度の大きさに形成されている。
例えば、図2に示すように、箱本体2の背面壁板21の下縁に下面壁板25が連設され、箱本体2の両側面壁板22,22の下縁に下部フラップ板27,27がそれぞれ連設され、正面壁板23の下縁に対向フラップ板28が連設されている。
両下部フラップ板27,27をそれぞれ内側に直角状に折り曲げ、それに重なるように対向フラップ板28を直角状に折り曲げ、該対向フラップ板28に重なるように下面壁板25を直角状に折り曲げ、下面壁板25を対向フラップ板28に接着することによって、箱本体2の下面開口部24aが閉塞されている。
なお、箱本体2の下面開口部24aを閉塞する構造は、上記態様に限られず、その他、従来公知の構造を採用できる。例えば、下面壁板に差し込み用フラップ板を延設し、該差し込み用フラップ板を正面壁板の下縁と下部フラップ板の間に差し込むことによって、箱本体の下面開口部を閉塞する構造でもよい(この構造は、図8(a)に示す、従来の箱本体の上面開口部の閉塞構造と同様の構造である)。
第1折罫線41は、直線状に形成されていても良いが、円弧線状に形成されていることが好ましい。特に、第1折罫線41は、図示したように、背面壁板21側に膨らんだ円弧線状に形成されていることがより好ましい。なぜなら、第1折罫線41が円弧線状に形成されていることにより、該第1折罫線41に於いて折り曲げられた蓋板3が跳ね上がり易くなるからである。
さらに、蓋板3と蓋フラップ板31の境界部両側には、折罫線40の延長線上に、線状の切込み部32が形成されている。この線状の切込み部32は、箱本体2から突設された突起部51に係脱可能である。
箱本体2の上面開口部24bを閉塞すべく、蓋板3を折り曲げた際、上記切込み部32を箱本体2の突起部51に嵌め入れることにより、蓋板3が箱本体2に係止される。この箱本体2の突起部51による係止によって、蓋板3は、箱本体2の上面開口部24bから離反せず、蓋板3による該上面開口部24bの閉状態が維持される。
開蓋補助手段は、箱本体2の上面開口部24bを閉塞している蓋板3を、該上面開口部24bから離れる方向に押し上げる機能を有する。
開蓋補助手段としては、補助板5を用いることができる。この補助板5は、蓋板3の側縁と両側面壁板22,22の上縁の間に設けられている。補助板5は、図4(a)に示すように、蓋板3を閉じた際に内側へ折れ曲がる。一方、蓋板3を開いた際に、補助板5は、図3に示すように、シート材の反発力によって起立する。
具体的には、該補助板5は、左右2枚設けられている。一方の補助板5は、蓋板3の一側縁と一方の側面壁板22の上縁に連設されている。他方の補助板5は、蓋板3の他側縁と他方の側面壁板22の上縁に連設されている。なお、左右の補助板5,5は、対照的な構造であるため、一方の補助板について説明し、他方の補助板の説明は省略する。
補助板5は、蓋板3を開いた状態において、該蓋板3と側面壁板22の間に起立するものであればその形状は特に限定されず、例えば、略直角二等辺三角形状に形成されている。この略直角二等辺三角形の直角を挟む2辺は、蓋板3の側縁の長さ及び側面壁板22の上縁の長さと略同じ長さに形成されている。
この第2折罫線42は、直線状に形成されていても良いが、円弧線状に形成されていることが好ましい。特に、第2折罫線42は、図示したように、補助板5側に膨らんだ円弧線状に形成されていることがより好ましい。なぜなら、第2折罫線42が円弧線状に形成されていることにより、折り曲げられた蓋板3が跳ね上がり易くなるからである。
補助板5と蓋板3の境界部分には、折罫線43が形成されている(補助板5と蓋板3の間に形成された折罫線43を、他の折罫線と区別するため「第3折罫線」という)。この第3折罫線43は、直線状に形成されている。もっとも、円弧線状に形成してもよい。
図4(a)に示すように、補助板5は、蓋板3を折り曲げた際、該蓋板3に追従して、第2折罫線42及び第3折罫線43に於いて山折りされ且つ第4折罫線44に於いて谷折りされ、内側に折り畳まれる。
該突起部51は、補助板5が折り畳まれた際、正面壁板23の上縁から前方に突出する。この突起部51に、折り曲げた蓋板3の切込み部32を嵌めることによって、蓋板3が係止され、蓋板3の閉状態が保持される(図4(b)も参照のこと)。
また、補助板5の面内には、側面壁板22と蓋板3の交点部分を切り抜いた抜き穴53が形成されている。かかる抜き穴53は必ずしも必要なものではないが、該抜き穴53を設けることにより、補助板5、側面壁板22及び蓋板3の3点の基部の集中を防止することができる。このため、蓋板3の変形などを防止できる。なお、抜き穴53は、図示したような円形状に限られず、楕円状、三角形状などの適宜な形状に形成することができる。
各折罫線40〜44は、かかる目的に合致するものであれば特に限定されず、公知の手段を採用できる。例えば、各折罫線40〜44としては、押圧線、ハーフカット線、ミシン線などを用いることができる。シート材が厚紙を主体とする場合には、折罫線40〜44としては押圧線が好ましく、シート材が合成樹脂シートを主体とする場合には、折罫線40〜44としてはハーフカット線が好ましい。
なお、押圧線とは、図5(a)に示すように、円盤ローラーなどを用いてシート材の表面を押し込み、シート材に線状の凹みを形成するものである。ハーフカット線は、図5(b)に示すように、カッターなどを用いて、シート材を分断しない程度にシート材を厚み方向に切り込んで形成するものである。ハーフカット線は、Vノッチとも呼ばれる。ミシン目は、シート材を貫通する貫通孔(短線の貫通孔または円状の貫通孔)を断続的に形成したもので、恰もミシン針によって開けた断続孔の如きものである。
展開シート100は、1枚のシート材を所定形状に打ち抜く又は切り取ることによって形成されている。
図示した展開シート100に於いて、上記包装箱1の構成説明で示した各壁板及び各部などに対応する部分に、上記と同一符号を付している。なお、29は、上記包装箱1の構成説明では出てこなかった糊代板を示す。該糊代板29は、正面壁板23の側縁から延設されている。
この展開シート100を用いて包装箱1を作製するには、折罫線40に於いて、正面壁板23、両側面壁板22、背面壁板21及び糊代板29をそれぞれ直角状に折り曲げ、一方の側面壁板22の内側に、糊代板29を接着する。得られた筒状体の下面開口部を閉塞するため、両下部フラップ板27,27をそれぞれ内側へ直角状に折り曲げ、対向フラップ板28を同様に内側へ直角状に折り曲げる。そして、下面壁板25を内側へ直角状に折り曲げ、下面壁板25の内面を対向フラップ板28に重ね合わせ、当該重ね合わせ部分を接着剤にて接着する。得られた上面開口型の箱本体内に、商品を入れる。次に、蓋板3を、第1折罫線41に於いて折り曲げる。蓋板3を折り曲げると、補助板5は、該蓋板3に押されて、第2折罫線42及び第3折罫線43に於いて山折りされ且つ第4折罫線44に於いて谷折りされる。このように補助板5が、内側へ折り畳まれると、補助板5が正面壁板23の上縁に平行になり、補助板5の突出部51が、正面壁板23の上縁から突出する。最後に、この突出部51に蓋板3の切込み部32を嵌め入れることにより、蓋板3が係止され、蓋板3によって上面開口部が閉じられる。
ただし、機械的製造に於いては、上記順序と異なる場合がある。例えば、糊代板を接着して筒状体を作製した後に商品を入れ、その後、下面開口部又は/及び上面開口を閉塞する場合もある。従って、本発明の包装箱の組み立てや商品収納の手順は、上記に詳細に説明した手順に限定されるものではない。
包装箱1に収納される商品としては、特に限定されず、スティックシュガーなどの個包装された棒状商品、袋詰めキャンディなどの個包装された粒状商品、非包装の商品など、様々な商品を収納することができる。
そして、開放された上面開口部24bから商品を取り出した後、蓋板3を折り曲げ、且つ蓋板3の切込み部32を突出部51に嵌め入れることにより、再び、蓋板3によって箱本体2の上面開口部24bを閉じることができる。
上記実施形態では、蓋板3を係止する係止手段として、補助板5の一部分から突起部51が突設されているが、例えば、正面壁板23の一部分から突起部が突設されていてもよい。
また、正面壁板23に線状の切込み部を形成し、この切込み部に蓋フラップ板31の一部分を嵌め入れることにより、閉じられた蓋板3を箱本体2に係止するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、補助板5は、両側面壁板22,22と蓋板3の間にそれぞれ設けられているが、両側面壁板22の何れか一方と蓋板3の間に設けられていてもよい。つまり、補助板5は、上記実施形態のように左右一対設けられていることが好ましいが、何れか一方だけでも構わない。
Claims (3)
- シート材から形成された包装箱であって、背面壁板と背面壁板に連設された両側面壁板とを有する上面開口型の箱本体と、背面壁板の上縁に第1折罫線を介して連設され且つ第1折罫線に於いて折り曲げることによって箱本体の上面開口部を閉じる蓋板と、を具備する包装箱に於いて、
蓋板によって箱本体の上面開口部を閉じた際に当該蓋板を係止する係止手段と、蓋板を上面開口部から離れる方向に押し上げる開蓋補助手段と、が設けられていることを特徴とする包装箱。 - 開蓋補助手段が、側面壁板の上縁と蓋板の側縁に連設された補助板を有し、補助板は、蓋板を折り曲げて上面開口部を閉じた際に内側へ折れ曲げ可能で、且つ、蓋板に対する係止を解除した際に反発力によって起立する請求項1に記載の包装箱。
- 第1折罫線が、円弧線状に形成されている請求項1または2に記載の包装箱。
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