JP2008030756A - ガラス基板搬送用ボックス及びガラス基板搬送用包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス基板の保護性に優れ、且つガラス基板を効率良く搬送し得るガラス基板搬送用ボックスを提供すること。
【解決手段】上面が開口したボックス本体10と、該ボックス本体内に配置されるガラス基板当接部材30と、前記ボックス本体の上面開口を閉塞する蓋体50とから構成され、複数枚のガラス基板αを板厚方向に積層させた状態で収容するタイプのガラス基板搬送用ボックス1であって、前記ボックス本体と蓋体は見掛け密度が45〜300kg/m3の熱可塑性樹脂発泡体で形成されており、前記ガラス基板当接部材は見掛け密度が10〜90kg/m3の熱可塑性樹脂発泡体で上面が開口した箱状に形成されており、該箱状のガラス基板当接部材30Bは、前記ボックス本体内に入れ子式に配置されると共に、ボックス本体の四隅近傍において収容するガラス基板の角部には接しないように切欠き部43が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図13

Description

本発明は、ガラス基板搬送用ボックス及びガラス基板搬送用包装体に関し、詳しくは、樹脂発泡体で形成された搬送用ボックス内に、ガラス基板を板厚方向に積層させた状態で収容するタイプのガラス基板搬送用ボックス及びガラス基板搬送用包装体に関するものである。
従来より、ガラスメーカー、カラーフィルターメーカー、デバイスメーカー等の相互間におけるガラス基板(完成パネルも含む)の搬送のために、樹脂発泡体で形成されたガラス基板搬送用ボックスが使用されている。
かかるガラス基板搬送用ボックスとしては、特許文献1に記載されたような、上面が開口したボックス本体と、該ボックス本体の上面開口を閉塞する蓋体とからなり、前記ボックス本体の少なくとも対向する側壁内面に複数条の縦溝を設け、該縦溝間にガラス基板を個々にボックス本体の底面に対して垂直に支持させ、複数枚のガラス基板を所定の間隔を開けて板厚方向に平行に並べた状態で収容するタイプのものがある。
また、特許文献2には、上面に開口を有するボックス本体及び蓋体をポリオレフィン系樹脂発泡体で形成し、前記ボックス本体内にガラス基板とスペーサとを板厚方向に交互に積層して水平に収納するタイプのガラス基板搬送用ボックスが提案されている。
特開平7−132986号公報 特開2004−106892号公報
ところで、近年、大型液晶テレビの需要の高まりから、液晶テレビのガラス基板として一辺(長辺)が100cmを超えるような大型のガラス基板も採用されている。
ここで、上記特許文献1に記載されたような、ボックス本体の対向する側壁内面に形成された縦溝によってガラス基板の両端部を支持するタイプの搬送用ボックスにあっては、ガラス基板の大型化及びこれに起因する重量増に伴って、該ガラス基板自体が自重によって不当な曲げ変形等をきたす憂いがあると共に、ガラス基板の下端を受けている底板部に集中した圧縮荷重が働き、クッション機能或いは衝撃緩和機能を発揮できなくなる憂いがある。このため、特許文献1に記載されたガラス基板搬送用ボックスにあっては、大型のガラス基板を搬送するにあたっては、搬送時の衝撃等によってガラス基板が損傷する虞が高くなり、ガラス基板の保護性において改善の余地を残すものであった。
一方、特許文献2に記載されたような、ボックス本体内にガラス基板とスペーサとを板厚方向に交互に積層して水平に収納するタイプの搬送用ボックスにあっては、ガラス基板の板面はスペーサにより保護されると共に、スペーサがガラス基板を面で均等に受けるため、例え大型のガラス基板を搬送する場合であっても、ガラス基板が自重によって曲げ変形をきたす憂いはなく、ガラス基板の板面に対する保護性には優れたものとはなるが、この特許文献2に記載された技術にあっては、ガラス基板の端部に対する保護については何ら考慮されておらず、搬送中などに誤って該搬送用ボックスを落下させてしまった場合等には、その衝撃はガラス基板の端部、特に角部に集中し、ガラス基板が破損する憂いがあった。
本発明は、上述した背景技術が有する課題に鑑み成されたものであって、その目的は、ガラス基板、特に大型のガラス基板の保護性に優れ、且つガラス基板を効率良く搬送し得るガラス基板搬送用ボックス及びガラス基板搬送用包装体を提供することにある。
上記した目的を達成するため、請求項1の本発明は、上面が開口したボックス本体と、該ボックス本体内に配置されるガラス基板当接部材と、前記ボックス本体の上面開口を閉塞する蓋体とから構成され、その内部空間に複数枚のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で収容するタイプのガラス基板搬送用ボックスであって、前記ボックス本体と蓋体は見掛け密度(A)が45〜300kg/m3の熱可塑性樹脂発泡体で形成されており、該ボックス本体は底板部と、該底板部の周縁から立ち上がる側壁部とからなり、前記ガラス基板当接部材は見掛け密度(B)が10〜90kg/m3(但し、該見掛け密度(B)は前記見掛け密度(A)未満)の熱可塑性樹脂発泡体で上下面が開口した枠状に形成されており、該枠状のガラス基板当接部材は前記ボックス本体の側壁部内面に沿うように配置されると共に、ボックス本体の四隅近傍において収容するガラス基板の角部には接しないように該枠状のガラス基板当接部材に切欠き部が設けられていることを特徴とするガラス基板搬送用ボックスとした。
また、請求項2の本発明は、上面が開口したボックス本体と、該ボックス本体内に配置されるガラス基板当接部材と、前記ボックス本体の上面開口を閉塞する蓋体とから構成され、その内部空間に複数枚のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で収容するタイプのガラス基板搬送用ボックスであって、前記ボックス本体と蓋体は見掛け密度(A)が45〜300kg/m3の熱可塑性樹脂発泡体で形成されており、該ボックス本体は底板部と、該底板部の周縁から立ち上がる側壁部とからなり、前記ガラス基板当接部材は見掛け密度(B)が10〜90kg/m3(但し、該見掛け密度(B)は前記見掛け密度(A)未満)の熱可塑性樹脂発泡体で上面が開口した箱状に形成されており、該箱状のガラス基板当接部材は前記ボックス本体内に入れ子式に配置されると共に、ボックス本体の四隅近傍において収容するガラス基板の角部には接しないように該箱状のガラス基板当接部材に切欠き部が設けられていることを特徴とするガラス基板搬送用ボックスとした。
更に、請求項3の本発明は、上記請求項1又は2の発明において、上記枠状又は箱状のガラス基板当接部材の開口を塞ぐ見掛け密度(C)が10〜90kg/m3(但し、該見掛け密度(C)は上記見掛け密度(A)未満)の熱可塑性樹脂発泡体で形成された板状のガラス基板当接部材が、更に上記ボックス本体内及び/又は蓋体に配置されていることを特徴とするガラス基板搬送用ボックスとした。
更に、請求項4の本発明は、上記請求項1〜3のいずれかの発明において、上記ボックス本体の底板部が、短辺の寸法と長辺の寸法との比が1対1.3〜1対2の矩形状であり、上記ボックス本体の側壁部の高さが、該ボックス本体の前記底板部の短辺寸法の1/3以下であることを特徴とするガラス基板搬送用ボックスとした。
更に、請求項5の本発明は、上記請求項1〜4のいずれかの発明において、上記ボックス本体、ガラス基板当接部材及び蓋体を形成する熱可塑性樹脂発泡体が、ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子成形体であることを特徴とするガラス基板搬送用ボックスとした。
更に、請求項6の本発明は、上記請求項1〜5のいずれかの発明において、上記ボックス本体、ガラス基板当接部材及び蓋体の体積抵抗率が、1×103〜1×1013Ω・cmであることを特徴とするガラス基板搬送用ボックスとした。
更に、請求項7の本発明は、上記請求項1〜6のいずれかの発明において、上記ガラス基板当接部材が、上記ボックス本体内面及び/又は蓋体内面に係止されていることを特徴とするガラス基板搬送用ボックスとした。
更に、請求項8の本発明は、上記請求項1〜7のいずれかの発明において、上記枠状又は箱状のガラス基板当接部材が上記ボックス本体内に配置された状態において、該ガラス基板当接部材の上方がボックス本体の側壁部の上端面よりも上方に突出して突出部を形成しており、該ガラス基板当接部材の突出部と上記蓋体とが嵌合することにより蓋体が係止されることを特徴とするガラス基板搬送用ボックスとした。
また、上記した目的を達成するため、請求項9の本発明は、上記請求項1〜8のいずれかの発明に係るガラス基板搬送用ボックスに複数枚のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で収容してなるガラス基板搬送用包装体であって、前記積層させたガラス基板の相互間に、表面抵抗率が1.0×108〜5.0×1013Ωである樹脂シートを介在させたことを特徴とするガラス基板搬送用包装体とした。
上記請求項1に記載のガラス基板搬送用ボックスによれば、ボックス本体及び蓋体が見掛け密度(以下において、見掛け密度(A)ともいう。)が45〜300kg/m3である熱可塑性樹脂発泡体で形成されているので、軽量でありながらも、それ自体が壊れ難く、保形性、ガラス基板の保護性に優れたものとなる。また、ボックス本体内に配置されるガラス基板当接部材は見掛け密度(以下において、見掛け密度(B)ともいう。)が10〜90kg/m3(但し、該見掛け密度(B)は前記見掛け密度(A)未満)である熱可塑性樹脂発泡体で枠状に形成されているので、特に緩衝性に優れていると共に、該ガラス基板当接部材をボックス本体内へ装填する際の作業性に優れたものとなる。更に、ボックス本体の四隅近傍において収容するガラス基板の角部と接しないように該枠状のガラス基板当接部材に切欠き部が設けられているので、搬送中などに誤って該搬送用ボックスを落下させてしまった場合にも、その衝撃はガラス基板の角部に集中することなく分散するため、ガラス基板が割れ難く、ガラス基板の保護性に優れたものとなる。
また、上記請求項2に記載のガラス基板搬送用ボックスによれば、ボックス本体及び蓋体が見掛け密度(以下において、見掛け密度(A)ともいう。)が45〜300kg/m3である熱可塑性樹脂発泡体で形成されているので、軽量でありながらも、それ自体が壊れ難く、保形性、ガラス基板の保護性に優れたものとなる。また、ボックス本体内に配置されるガラス基板当接部材は見掛け密度(以下において、見掛け密度(B)ともいう。)が10〜90kg/m3(但し、該見掛け密度(B)は前記見掛け密度(A)未満)である熱可塑性樹脂発泡体で箱状に形成されているので、緩衝性に優れていると共に保形性にも優れ、該ガラス基板当接部材をボックス本体内へ装填する際の作業性が特に優れたものとなる。更に、ボックス本体の四隅近傍において収容するガラス基板の角部と接しないように該箱状のガラス基板当接部材に切欠き部が設けられているので、搬送中などに誤って該搬送用ボックスを落下させてしまった場合にも、その衝撃はガラス基板の角部に集中することなく分散するため、ガラス基板が割れ難く、ガラス基板の保護性に優れたものとなる。
更に、上記請求項3に記載のガラス基板搬送用ボックスによれば、枠状又は箱状のガラス基板当接部材の開口を塞ぐ見掛け密度(以下において、見掛け密度(C)ともいう。)が10〜90kg/m3(但し、該見掛け密度(C)は上記見掛け密度(A)未満)の熱可塑性樹脂発泡体で形成された板状のガラス基板当接部材が、更に上記ボックス本体内及び/又は蓋体に配置されているので、該緩衝性に優れた板状のガラス基板当接部材が収納したガラス基板の板面に当接することとなり、ガラス基板の板面側の保護性にも優れたものとなる。
更に、上記請求項4に記載のガラス基板搬送用ボックスによれば、ボックス本体の底板部が短辺の寸法と長辺の寸法との比が1対1.3〜1対2の矩形状であるので、同様の比率である矩形状ガラス基板を板厚方向に積層させた状態で収容する際、その収容効率が高いものとなる。また、ボックス本体の側壁部の高さが底板部の短辺寸法の1/3以下、即ち、ボックス本体が長さ、幅に対して高さの低い扁平な箱体であるので、ボックス本体内へのガラス基板の収容及び取り出しが容易なものとなる。
更に、上記請求項5に記載のガラス基板搬送用ボックスによれば、ボックス本体、ガラス基板当接部材及び蓋体が、ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子成形体で構成されているので、強度と柔軟性とのバランスに優れており、且つガラス基板との摩擦が生じた際に粉塵が発生し難く、しかも射出成形品などに比べて安価に製造することができる。
更に、上記請求項6に記載のガラス基板搬送用ボックスによれば、ボックス本体、ガラス基板当接部材及び蓋体の体積抵抗率が1.0×103〜1.0×1013Ω・cmであるので、導電性や帯電防止性に優れるため、ボックス本体、ガラス基板当接部材及び蓋体の表面にガラス基板表面を傷つける要因となるゴミや埃が付着することを防止できる。また、TFT(薄膜トランジスタ)形成済ガラス基板や液晶セルの静電気による破損を防止できる。
更に、上記請求項7に記載のガラス基板搬送用ボックスによれば、枠状、箱状或いは板状のガラス基板当接部材がボックス本体内面及び/又は蓋体内面に係止されているので、取扱い中や搬送中に発生する虞があるガラス基板当接部材のずれを効果的に防止することができる。
更に、上記請求項8に記載のガラス基板搬送用ボックスによれば、枠状又は箱状のガラス基板当接部材がボックス本体内に配置された状態において、該ガラス基板当接部材の上方がボックス本体の側壁部の上端面よりも上方に突出して突出部を形成しており、該ガラス基板当接部材の突出部と蓋体とが嵌合することにより蓋体が係止されるので、取扱い中や搬送中に発生する虞があるボックス本体と蓋体とのずれを効果的に防ぐことが可能となると共に、ボックス本体に、蓋体と嵌合させるための係合手段を設けなくてもよいので、ボックス本体の形状が単純な形状になるため、ボックス本体の成形が容易になる。
また、上記請求項9に記載のガラス基板搬送用包装体によれば、請求項1〜8のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックスに、表面抵抗率が1.0×108〜5.0×1013Ωである樹脂シートをガラス基板の相互間に介在させた状態でガラス基板を板厚方向に積層させて収容するので、樹脂シートの帯電防止性能が優れるため、樹脂シートにガラス基板表面を傷つける要因となるゴミや埃が付着することを防止でき、搬送する際にガラス基板を十分に保護することができるものとなる。
本発明に係るガラス基板搬送用ボックスは、上面が開口したボックス本体と、該ボックス本体内に配置されるガラス基板当接部材と、前記ボックス本体の上面開口を閉塞する蓋体とから構成され、その内部空間に複数枚のガラス基板が板厚方向に積層させた状態で水平に収容される。なお、前記「水平に」とは、収納したガラス基板の板面が、上記ボックス本体の底板部に対して水平に成っていることをいい、以下、同様の意味で使用する。
上記本発明に係るガラス基板搬送用ボックスに収容されるガラス基板としては、公知の様々なガラス基板が含まれ、例えば、素板ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示体用ガラス基板、サーマルヘッド用ガラス基板、カラーフィルタ等の各種ガラス基板、又はこれらのガラス基板を用いて製造したTFT(薄膜トランジスタ)形成済ガラス基板や液晶セルと呼ばれる完成パネル等のガラス基板が含まれる。これらの収容されるガラス基板の両板面には、手で剥離可能な保護フィルムが積層されていることが好ましい。
本発明の上記ボックス本体、ガラス基板当接部材及び蓋体は、いずれも熱可塑性樹脂発泡体で形成されている。この熱可塑性樹脂発泡体の基材樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン系共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、強度と柔軟性のバランスに優れており、且つガラス基板との間に擦れが生じた場合に粉塵が発生し難い等の観点から、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
本発明において言う上記ポリオレフィン系樹脂とは、次の(a)〜(e)のいずれかに該当するものである。
(a)エチレン及び、プロピレン、ブテン等のα−オレフィン(以下、これらを併せて単にオレフィンという。)の単独重合体。
(b)2種以上のオレフィンから選択される共重合体。
(c)オレフィン成分と他のモノマー成分とからなる共重合体であって、且つオレフィン単位成分比率が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の共重合体。
(d)上記(a)、(b)及び(c)の群から選ばれた2種以上の混合物。
(e)上記(a)、(b)、(c)及び(d)の群から選ばれた1種又は2種以上と、上記(a)、(b)、(c)又は(d)とは異なる他の合成樹脂成分又は/及び他の合成エラストマー成分との混合樹脂組成物であって、該組成物中のオレフィン成分単位比率が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の混合樹脂組成物。
ボックス本体及び蓋体の基材樹脂としては、上記ポリオレフィン系樹脂からなるものの中でも、ポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂が特に好ましい。ポリプロピレン系樹脂は強度に優れ、ポリエチレン系樹脂からなるものに比べて同じ重量でより高強度のものを実現でき、又は同じ強度をより軽量で実現できるため、高強度又は軽量性を求められる場合に特に好ましい。一方、ポリエチレン系樹脂は低温での耐衝撃性に優れるため、冬場等の低温時の輸送に使用される場合に特に好ましい。
また、ガラス基板当接部材の基材樹脂としては、上記ポリオレフィン系樹脂からなるものの中でも、やはりポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂が特に好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、前述したようにその強度と柔軟性とのバランスに優れており、且つガラス基板との摩擦が生じた際に粉塵が発生し難い特徴を持つが、その中でもポリプロピレン系樹脂は、特にその強度と柔軟性のバランスに優れており、ガラス基板の保護性に優れ、ガラス基板当接部材の基材樹脂として特に好適である。一方、特に緩衝性を要求される場合には、ポリプロピレン系樹脂よりも柔軟性に優れるポリエチレン系樹脂を基材樹脂として用いることが特に好ましい。
本発明において言う上記ポリプロピレン系樹脂とは、次の(f)〜(i)のいずれかに該当するものである。
(f)プロピレンの単独重合体。
(g)プロピレン成分と他のモノマー成分とからなる共重合体であって、且つプロピレン単位成分比率が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の共重合体。
(h)上記(f)及び(g)の群から選ばれた2種以上の混合物。
(i)上記(f)、(g)及び(h)の群から選ばれた1種又は2種以上と、上記(f)、(g)又は(h)とは異なる他の合成樹脂成分又は/及び他の合成エラストマー成分との混合樹脂組成物であって、該組成物中のプロピレン成分単位比率が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の混合樹脂組成物。
また、本発明において言う上記ポリエチレン系樹脂とは、次の(j)〜(m)のいずれかに該当するものである。
(j)エチレンの単独重合体。
(k)エチレン成分と他のモノマー成分とからなる共重合体であって且つエチレン単位成分比率が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の共重合体。
(l)上記(j)及び(k)の群から選ばれた2種以上の混合物。
(m)上記(j)、(k)及び(l)の群から選ばれた1種又は2種以上と、上記(j)、(k)又は(l)とは異なる他の合成樹脂成分又は/及び他の合成エラストマー成分との混合樹脂組成物であって、該組成物中のエチレン成分単位比率が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の混合樹脂組成物。
上記ボックス本体、ガラス基板当接部材及び蓋体を形成する熱可塑性樹脂発泡体の基材樹脂には、必要に応じて、帯電防止剤、気泡調節剤、難燃剤、難燃助剤、無機充填剤等の各種添加剤を必要量を添加することができる。
特に、本発明に係るガラス基板搬送用ボックスに、TFT(薄膜トランジスタ)形成済みのガラス基板や液晶セルの完成パネルを収容するときは、ボックスの少なくともガラス基板と接する箇所又は接する可能性のある箇所、好ましくはボックス本体、ガラス基板当接部材及び蓋体の全体を、体積抵抗率が1.0×103〜1.0×1013Ω・cmとなるように導電性物質や帯電防止性物質を含有させたポリオレフィン系樹脂を発泡させるなどの方法により、体積抵抗率が上記範囲内のポリオレフィン系樹脂発泡体とすることが望ましい。これにより必要な導電性や帯電防止性が得られので、ボックス本体、ガラス基板当接部材等の表面にゴミや埃が付着することを防止できる。また、TFT(薄膜トランジスタ)形成済ガラス基板や液晶セルの静電気による破損を防止することができる。
本発明の上記体積抵抗率の測定は、基本的にJIS K 6271(2001年)に準拠して行なうものとする。具体的には、ボックス本体、ガラス基板当接部材及び蓋体からそれぞれ3片切り出した試験片(縦100mm×横100mm×厚み2mm)をサンプルとし、該試験片を23℃、湿度50%の雰囲気下に24時間放置した後、23℃、湿度50%の雰囲気下にて、試験片を印加電圧500Vで印加してから1分後の電流値を測定して体積抵抗率を算出し、それぞれの試験片に対して得られた体積抵抗率を平均することにより体積抵抗率を求める。なお、ボックス本体、ガラス基板当接部材及び蓋体から上記寸法の試験片を切り出せない場合には、それぞれの部材から切り出せる最大限の試験片を切り出し、さらにその試験片の面積(縦寸法×横寸法)に適した電極を適宜使用することにより体積抵抗率を求める。測定装置はタケダ理研工業株式会社製「TR8601」を用いることができる。
ボックス本体、ガラス基板当接部材及び蓋体を上記した熱可塑性樹脂発泡体により形成する方法としては、ブロック状発泡体からの切り抜き加工、切削加工等により形成する方法を採用することもできるが、好適にはポリオレフィン系樹脂をビーズ状に発泡させてなる発泡粒子を金型内に充填し、所定の温度に加熱し、次いで冷却する成形方法、いわゆる型内発泡成形方法により製造される。この型内発泡成形方法は、ブロック状発泡体からの切り抜き加工、切削加工等に比して量産性に優れており、また射出発泡成形方法に比して高い型強度を必要としないので、金型としてはアルミニウム型のような低コストの金型を用いることができ、安価にボックス本体、ガラス基板当接部材及び蓋体を成形することができる。
上記熱可塑性樹脂発泡体により形成されるボックス本体及び蓋体の見掛け密度(A)は、45〜300kg/m3であり、好ましくは45〜120kg/m3である。ボックス本体及び蓋体の見掛け密度が小さすぎる場合には、強度が不足し易く、それを補うために板厚を厚くする必要が生じ、その結果、必要以上にボックスが大きなものになってしまう虞がある。また、見掛け密度があまりにも小さすぎると、ボックス自体が変形し易くなり、内部に収納されたガラス基板を損傷してしまう虞もある。一方、見掛け密度が大きすぎる場合には、軽量性を阻害する。なお、ボックス本体と蓋体の見掛け密度は、必ずしも同じ見掛け密度とする必要はない。
本発明のボックス本体及び蓋体の上記見掛け密度は、ボックス本体、蓋体全体の重量をそれぞれの全体の体積で除することにより求められる。なお、ガラス基板当接部材がボック本体から取り外せる場合には、これらを取り外した後、ボックス本体全体を試験片として求めた値である。一方、ガラス基板当接部材がボックス本体に接着、粘着、融着等により接合しており、ガラス基板当接部材が取り外せない場合には、ボックス本体とガラス基板当接部材とに切り分け、得られたボックス本体全体を試験片として求めた値をボックス本体の見掛け密度とする。
上記熱可塑性樹脂発泡体で形成される本発明のボックス本体は、底板部と、該底板部の周縁から立ち上がる側壁部とからなる。そして、前記底板部は、その短辺の寸法と長辺の寸法の比が1対1.3〜1対2の矩形状であることが好ましく、より好ましくは1対1.5〜1対1.9の矩形状であり、さらに好ましくは1対1.5〜1対1.8の矩形状である。収納するガラス基板の短辺の寸法と長辺の寸法の比は概ね3対4或いは9対16であるので、該ガラス基板を板厚方向に積層させた状態で収容するボックス本体の底板部の短辺寸法と長辺寸法の比は、ガラス基板と略同様の比である上記範囲とすることが収容効率の観点から好ましい。
また、本発明のボックス本体の側壁部の高さは、上記矩形状の底板部の短辺寸法の1/3以下であることが好ましく、より好ましくは1/5以下であり、さらに好ましくは1/10以下である。側壁部の高さが上記範囲のものである場合には、ボックス本体は深さの浅い箱体となり、ガラス基板の収容及び取り出しが容易なものとなり、作業性が向上する。なお、側壁部の高さの下限は、収容効率の観点から底板部の短辺寸法の1/20程度である。
一方、熱可塑性樹脂発泡体により形成される上記ガラス基板当接部材の見掛け密度(B)は、10〜90kg/m3(但し、この見掛け密度(B)は上記見掛け密度(A)未満)であり、好ましくは10〜50kg/m3(但し、この見掛け密度(B)は上記見掛け密度(A)未満)であり、さらに好ましくは15kg/m3以上45kg/m3未満であり、特に好ましくは20〜40kg/m3である。ガラス基板当接部材の見掛け密度が大きすぎる場合には、クッション性が不足するため、搬送時や取扱い時における振動や衝撃等によりガラス基板が破損する虞がある。また、見掛け密度(B)が上記ボックス本体や蓋体の見掛け密度(A)以上の場合には、荷重を受けた際に、ガラス基板当接部材よりもボックス本体や蓋体の変形が大きくなる可能性があるため、ガラス基板を破損する虞がある。一方、ガラス基板当接部材の見掛け密度が小さすぎる場合には、クッション性は十分であるが荷重を受けた際の変形が大きくなり過ぎ、搬送時にガラス基板が安定せず、ガラス基板に傷或いは破損が生じる虞がある。
本発明のガラス基板当接部材の上記見掛け密度は、試験片としてガラス基板当接部材を用いる以外は、前述したボックス本体や蓋体の場合と同じ方法により求める。なお、ガラス基板当接部材が取り外せる場合には、ボックス本体から取り外したガラス基板当接部材の全体を試験片として求めた値である。一方、ガラス基板当接部材がボックス本体に接着、粘着、融着等により接合しており、ガラス基板当接部材が取り外せない場合には、ボックス本体とガラス基板当接部材とに切り分け、得られたガラス基板当接部材の全体を試験片として求めた値をガラス基板当接部材の見掛け密度とする。
上記ガラス基板当接部材は、上下面が開口した枠状の部材であり、上記ボックス本体の側壁部内面に沿うように配置され、収納するガラス基板の端面に当接してガラス基板を保護する。また、該枠状のガラス基板当接部材には、ボックス本体の四隅近傍(図8中に扇形の点線で示した部分)において収納するガラス基板の角には接しないように切欠き部が形成されている。これにより、搬送中などに誤って該搬送用ボックスを落下させてしまった場合にも、その衝撃はガラス基板の角部に集中することなく分散するため、ガラス基板が割れ難く、ガラス基板の保護性に優れたものとなる。
上記枠状のガラス基板当接部材内に複数のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で水平に収容する際、該枠状のガラス基板当接部材の上下開口を塞ぐように、熱可塑性樹脂発泡成形体からなる板状のガラス基板当接部材を更に配置してもよい。この板状のガラス基板当接部材は、枠状のガラス基板当接部材の枠内に配置してもよく、枠状のガラス基板当接部材の枠の内寸よりも大きく且つボックス本体の内寸よりも小さな寸法の板状のガラス基板当接部材を、枠状のガラス基板当接部材とボックス本体の底板部との間及び/又は枠状のガラス基板当接部材と蓋体との間に配置してもよい。これらの板状のガラス基板当接部材を枠状のガラス基板当接部材の開口に配置することにより、ガラス基板の板面側を保護することができるので、さらにガラス基板の保護性に優れたものとなる。この目的を達成するためには、前記板状のガラス基板当接部材はポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とした発泡成形体からなることが好ましく、その見掛け密度(以下、見掛け密度(C)ともいう。)は10〜90kg/m3(但し、この見掛け密度(C)は上記見掛け密度(A)未満)が好ましく、より好ましくは10〜50kg/m3(但し、この見掛け密度(C)は上記見掛け密度(A)未満)であり、さらに好ましくは15kg/m3以上45kg/m3未満であり、特に好ましくは20〜40kg/m3である。なお、上記板状のガラス基板当接部材の形成方法としては前記したように型内発泡成形方法が挙げられるが、その形状が単純な板状であるために、該当接部材は押出発泡成形方法によって製造されてもよい。また、この板状のガラス基板当接部材の基材樹脂及び見掛け密度は、前記枠状のガラス基板当接部材の基材樹脂及び見掛け密度と必ずしも同じ必要はない。
また、上記ボックス本体内に配置されるガラス基板当接部材は、上記ボックス本体内に入れ子式に配置される上面が開口した箱状のガラス基板当接部材としてもよい。この箱状のガラス基板当接部材とすると、ガラス基板の保護に優れたものとなると共に、該当接部材の形状保持性を上記枠状のものに比して更に向上させることがきるので、該当接部材をボックス本体内へ装填する際の作業性、及び該当接部材内へガラス基板を収容する際の作業性がより優れたものになる。
上記箱状のガラス基板当接部材を使用する場合には、該箱状のガラス基板当接部材の底板部に貫通孔を設けることが好ましい。底板部に貫通孔を設けることにより、ガラス基板当接部材をボックス本体内へ装填する際に、ボックス本体と該当接部材との間に存在する空気を貫通孔を介して抜くことができるので、該当接部材をボックス本体内へ装填する際の作業性に特に優れたものとなる。この貫通孔の形成方法としては、該ガラス基板当接部材を熱成形する際に金型形状を利用して貫通孔を形成してもよく、成形品を切削することにより貫通孔を形成してもよい。
また、上記箱状のガラス基板当接部材の上面開口を塞ぐように、熱可塑性樹脂発泡成形体からなる板状のガラス基板当接部材(前記枠状のガラス基板当接部材の上下開口を塞ぐ板状のガラス基板当接部材と同じもの)を配置してもよい。この板状のガラス基板当接部材と箱状のガラス基板当接部材の底板部とで、収容するガラス基板をその板面の両側から狭持することにより、さらにガラス基板の保護性に優れたものとなる。この目的を達成するためには、該板状のガラス基板当接部材はポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とした発泡成形体からなることが好ましく、その見掛け密度(以下、見掛け密度(C)ともいう。)は10〜90kg/m3(但し、この見掛け密度(C)は上記見掛け密度(A)未満)が好ましく、より好ましくは10〜50kg/m3(但し、この見掛け密度(C)は上記見掛け密度(A)未満)であり、さらに好ましくは15kg/m3以上45kg/m3未満であり、特に好ましくは20〜40kg/m3である。なお、上記板状のガラス基板当接部材の形成方法としては前記したように型内発泡成形方法が挙げられるが、その形状が単純な板状であるために、該当接部材は押出発泡成形方法によって製造されてもよい。また、この板状のガラス基板当接部材の基材樹脂及び見掛け密度は、前記箱状のガラス基板当接部材の基材樹脂及び見掛け密度と必ずしも同じ必要はない。
上記板状のガラス基板当接部材の見掛け密度は、前述した枠状又は箱状のガラス基板当接部材の場合と同じ方法で求める。
ボックス本体内に上記した枠状又は箱状のガラス基板当接部材を配置するにあたっては、発泡体同士の間の摩擦力が大きいので単なる嵌め込みで充分であるが、ボックス本体内に何らかの手段により係止されることが好ましく、取扱い中や搬送中に発生する虞があるガラス基板当接部材のずれを効果的に防止することができる。上記係止方法としては、例えば、ボックス本体の内面、具体的にはボックス本体の底板部上面及び/又は側壁部内面にガラス基板当接部材を接着剤や熱融着により接合する方法、更には、ボックス本体の底板部上面及び/又は側壁部内面とガラス基板当接部材とに各々溝等やそれに対応した凸部等の係合手段を設け、該係合手段によって両者を着脱自在に取付ける方法等が挙げられる。
上記した方法の中でも、係合手段を用いてボックス本体と枠状又は箱状のガラス基板当接部材とを着脱自在に固定する方法が特に好ましい。これらのガラス基板当接部材が着脱自在であると、該部材が破損した場合や汚れた場合に取替えができると共に、収容するガラス基板のサイズに応じてガラス基板当接部材の形状及びサイズを変更することにより、様々なサイズのガラス基板を収容することが可能となる。
また、上記枠状又は箱状のガラス基板当接部材の収容するガラス基板の端面と当接する内面側には、凸部が形成されていることが好ましい。この凸部が収容するガラス基板の端面と当接することにより、輸送中や取扱い中の振動や衝撃等によってガラス基板からガラス基板当接部材に荷重がかかったとき、該ガラス基板当接部材に形成した凸部が大きく変形することにより荷重によって生じたエネルギーをより効果的に吸収することができるので、ガラス基板の保護性により優れたものとなる。
上記ガラス基板当接部材が配置され、ガラス基板が収容されたボックス本体の上面開口は、蓋体により閉塞される。ボックス本体と蓋体との係合方法としては、ボックス本体の側壁部に設けた係合手段と蓋体を嵌合させることにより係合する方法、枠状又は箱状のガラス基板当接部材の上方の一部をボックス本体の側壁部の上端面よりも上方に突出させて突出部を形成し、該ガラス基板当接部材の突出部に蓋体を嵌合させることにより係合する方法等が挙げられる。これらの方法の中でも、枠状又は箱状のガラス基板当接部材の突出部と蓋体とを嵌合させる方法が好ましく、これにより、取扱い中や搬送中に発生する虞があるボックス本体と蓋体とのずれを効果的に防ぐことが可能となると共に、ボックス本体に蓋体と嵌合させるための係合手段を設けなくてもよいので、ボックス本体の形状が単純な形状になり、ボックス本体の成形が容易になる。嵌合方法は、発泡体同士の間の摩擦力が大きいので、単なる嵌め込みで充分である。但し、その係合を強固にする必要がある場合には、両者が係合する箇所を波形に形成するなど、係合部の面積を大にすればよい。また、ボックス内の減圧を行う場合には、ボックス本体、蓋体或いはガラス基板当接部材の適当な箇所に吸引口を設置する。
また、蓋体の内面、具体的には蓋体の天板部裏面に凹部を形成し、該凹部に前記した板状のガラス基板当接部材を挿入する構成としてもよい。これにより、取扱い中や搬送中の振動等によって枠状又は箱状のガラス基板当接部材から該板状のガラス基板当接部材がずれるのを効果的に防ぐことができると共に、ガラス基板の収容効率を下げることなく、板状のガラス基板当接部材の板厚を厚くすることができるので、より効果的に収容するガラス基板の板面を保護することができる。また、該蓋体内面に形成した凹部等に板状のガラス基板当接部材を接着、熱融着、係合手段を用いること等によって係止してもよく、この場合には、上記した板状のガラス基板当接部材のずれをより効果的に防ぐことができる。
次に、本発明に係るガラス基板搬送用包装体は、上記した本発明に係るガラス基板搬送用ボックスに複数枚のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で水平に収容してなるガラス基板搬送用包装体であって、前記積層させたガラス基板の相互間に、特定物性の樹脂シートを介在させたものである。
上記樹脂シートの表面抵抗率は、1.0×108Ω〜5.0×1013Ωである。表面抵抗率が上記範囲内であれば、十分な帯電防止性能が発揮でき、樹脂シートにガラス基板表面を傷つける要因となるゴミや埃が付着することを防止できる。また、TFT(薄膜トランジスタ)形成済みのガラス基板や液晶セルの完成パネル、或いはこれらの表面に保護フィルムが積層されたガラス基板は、搬送用包装体との摩擦等により発生する静電気によって損傷が生じる虞があるため、特に表面抵抗率の低い樹脂シートを使用する必要がある。
上記のような低い表面抵抗率を有する樹脂シートを達成するためには、導電性物質や帯電防止性物質を含有させて上記表面抵抗率となるように調整した熱可塑性樹脂を押出成形することにより樹脂シートを得る方法、樹脂シートの表面に上記表面抵抗率を持つフィルムを積層する方法、導電性物質や帯電防止性物質を含有させて上記表面抵抗率になるように調整した熱可塑性樹脂を共押出により樹脂シートの表面に積層する方法などがある。表面に上記表面抵抗率を持つ樹脂層を積層する場合には、上記表面抵抗率を達成できれば、積層される樹脂シートには必ずしも導電性物質や帯電防止性物質を含まなくてもよく、また、帯電防止層が必ずしも樹脂シートの表面にある必要はなく、導電性物質や帯電防止性物質を含まない樹脂層が表面に存在してもよい。
上記帯電防止性物質としては、高分子型帯電防止剤が好ましく、該高分子型帯電防止剤は、表面抵抗率が1×1011Ω以下の樹脂からなる。具体的には、金属イオンとしてカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれたアルカリ金属を含むアイオノマー樹脂、ポリエーテルエステルアミドやポリエーテルを主成分とする親水性樹脂が好ましい。また、樹脂シートの基材樹脂としてポリオレフィン系樹脂を使用する場合、高分子型帯電防止剤には樹脂シートを構成するポリオレフィン系樹脂との相溶性を向上させ、優れた帯電防止効果を与えると共に、帯電防止剤を添加することによる物性低下を抑制する効果を得るために、ポリオレフィン系樹脂と同種のポリオレフィン系樹脂をブロック共重合させたものを用いることが更に好ましい。
特に好ましい高分子型帯電防止剤は、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の一部又は全部がカリウム,ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれたアルカリ金属で中和されているアイオノマーや特開2001−278985号公報に記載されている組成物が挙げられる。特開2001−278985号公報記載の組成物は、ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω・cmの親水性樹脂(b)のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有する数平均分子量(Mn)が2000〜60000のブロックポリマー(A)である。上記(a)のブロックと(b)のブロックとは、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するものである。
本明細書における上記表面抵抗率の測定は、基本的にJIS K 6271(2001年)に準拠して行なうものとする。具体的には、樹脂シートから3片切り出した試験片(縦100mm×横100mm×厚み:試験片厚み)をサンプルとし、該試験片を23℃、湿度50%の雰囲気下に24時間放置した後、23℃、湿度50%の雰囲気下にて、試験片に印加電圧500Vで印加してから1分後の電流値を測定して表面抵抗率を算出し、それぞれの試験片に対して得られた表面抵抗率を平均することにより表面抵抗率を求める。測定装置はタケダ理研工業株式会社製「TR8601」を用いることができる。
上記樹脂シートは、好ましくはポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とした樹脂シートであり、より好ましくはポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とした樹脂発泡シートである。該ポリオレフィン系樹脂とは、前記のポリオレフィン系樹脂と同じものを言う。ポリオレフィン系樹脂は、その強度と柔軟性とのバランスに優れ、またガラス基板との摩擦で生じる粉塵等も発生し難いため、本発明におけるガラス基板を保護する樹脂シートの基材樹脂として好適である。さらに、樹脂シートを樹脂発泡シートとすることで、発泡体が持つ緩衝機能により、さらにガラス基板の保護性が高くなる。
上記樹脂シートの見掛け密度は、300kg/m3以下であることが好ましい。樹脂シートの見掛け密度が大きすぎる場合は、発泡体が本来有している緩衝機能を十分に発揮することができず、ガラス基板表面に対する保護に支障が生じる虞がある。なお、見掛け密度の下限は、概ね20kg/m3程度である。本発明の樹脂シートの見掛け密度は、樹脂シートから測定片を切り出し、該測定片の重量を該測定片の外形寸法から求められる体積にて除することにより求めることができる。
また、上記樹脂シートの厚みは、0.3〜5mmが好ましく、好ましくは0.5〜3mmであり、さらに好ましくは0.5〜2mmである。樹脂シートの厚みが薄すぎる場合は、発泡体が本来有している緩衝機能を十分に発揮することができず、ガラス基板に対する保護に支障が生じる虞がある。一方、樹脂シートの厚みが厚すぎる場合には、ガラス基板の収容効率が低下してしまう。なお、本発明における樹脂シートの厚みは、樹脂シートの短辺方向の全幅に亘って等間隔に10個所の厚みを測定し、求められた各測定値の算術平均をいう。また、樹脂シートが積層物の場合、前記樹脂シートの見掛け密度及び厚みは、積層物全体の見掛け密度及び厚みのことを指す。
本発明に係るガラス基板搬送用包装体は、上面が開口したボックス本体内にガラス基板当接部材を配置し、該当接部内に複数枚のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で水平に収容し、ボックス本体の上面開口を蓋体により閉塞した後、必要に応じて面ファスナーの付いた結束バンド、PPバンド等の結束部材でボックス本体と蓋体とが外れるのを防止することができる。また、遠方への輸送(例えば輸出)に際しては、ガラス基板を収容した本発明に係る搬送用ボックス全体を、ポリオレフィンフィルムやアルミニウムラミネートフィルム等の防湿性を有する包材で包装したり、全体をテープ掛けなどすることができる。さらに、ガラス基板の梱包に際し、ボックス内部にシリカゲル等の吸湿剤を入れておくこともできる。
以下、上記した本発明に係るガラス基板搬送用ボックス及びガラス基板搬送用包装体の実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。
ここで、図1及び図2は、本発明のガラス基板搬送用ボックスのボックス本体を示した図であって、図1は斜め上方から見たボックス本体の斜視図、図2は斜め下方から見たボックス本体の斜視図である。図3及び図4は、上記ボックス本体内に配置される枠状のガラス基板当接部材を示した図であって、図3は枠状のガラス基板当接部材を斜め上方から見た斜視図、図4は枠状のガラス基板当接部材の平面図である。また、図5及び図6は、上記ボックス本体内に配置される箱状のガラス基板当接部材を示した図であって、図5は斜め上方から見た箱状のガラス基板当接部材の斜視図、図6は箱状のガラス基板当接部材の平面図である。図7は、板状のガラス基板当接部材を示した斜視図である。また、図8は、上記ボックス本体内に箱状のガラス基板当接部材を配置した状態を示した平面図であり、図9は図8のA−A線に沿う部分の断面図である。図10及び図11、上記ボックス本体の開口を閉塞する蓋体を示した図であって、図10は斜め上方から見た蓋体の斜視図、図11は斜め下方から見た蓋体の斜視図である。図12は、上記蓋体に板状のガラス基板当接部材を配置した状態を示した図11のB−B線に沿う部分に相当する部分の断面図である。
本発明に係るガラス基板搬送用ボックス1は、ボックス本体10と、ガラス基板当接部材30と、蓋体50とから構成されている。ガラス基板当接部材30には、枠状のガラス基板当接部材30Aと、箱状のガラス基板当接部材30Bと、板状のガラス基板当接部材30Cとがある。
図面は、ガラス基板のサイズが、短辺寸法が418mm、長辺寸法が720mm、厚さが1.4mmである大型ガラス基板αを収容する場合の、ボックス本体10、ガラス基板当接部材30、及び蓋体50の実施例を示したものである。
このボックス本体10及び蓋体50は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を金型内に充填し、所定の温度に加熱し、次いで冷却する方法、いわゆる型内発泡成形法により製造されており、該発泡体の見掛け密度は、ボックス本体10及び蓋体50共に67kg/m3であり、その体積抵抗率は1.0×1011Ω・cmである。また、ガラス基板当接部材30は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内成形してなる、見掛け密度が30kg/m3である発泡体からなり、その体積抵抗率は2.0×1011Ω・cmである。
ボックス本体10は、図1及び図2に示したように、矩形状の底板部11と、該底板部11の周縁から垂直に立ち上がる側壁部12とから構成されている。前記底板部11の短辺の寸法L1は505mmであり、長辺の寸法L2は806mmである。また、側壁部12の高さH1は34mmである。従って、底板部11の短辺の寸法L1と長辺の寸法L2との比は1対1.60であり、側壁部12の高さH1は、底板部11の短辺寸法L1の1/14.9である。また、底板部11の板厚は16mmであり、該底板部11の短辺側から立ち上がる側壁部12aの板厚は31mmであり、該底板部11の長辺側から立ち上がる側壁部12bの板厚は35mmであることから、該ボックス本体10の外形寸法は、短辺の寸法L3が575mm、長辺の寸法L4が868mm、高さH2が50mmである。ガラス基板αは、上記底板部11と側壁部12とによって形成される空間部に、ガラス基板当接部材30を介して板厚方向に積層させた状態で水平に収容される。
ボックス本体10の長辺側の側壁部12bの外面側及び底板部11の裏面には、図2に示したように、結束バンドを掛ける溝13が適宜な間隔を隔てて4本形成されている。また、長辺側の側壁部12bの片方の外面側には、蓋体50を取り外す際に指などを挿入するための凹部14が4箇所形成されている。さらに、底板部11の裏面には、リフターのフォークを挿入する切欠き15が4箇所形成されている。
枠状のガラス基板当接部材30Aは、図3及び図4に示したように、上下面が開口した矩形状の枠体、具体的には長短2組の枠材31をその端部においてそれぞれ接続した構成の枠体に形成されている。該枠状のガラス基板当接部材30Aの外形寸法は、短辺の寸法L5が503mm、長辺の寸法L6が802mmであり、高さH3が50mmである。一方、短辺側の枠材31aの板厚は38mmであり、長辺側の枠材31bの板厚は42mmであることから、該枠状のガラス基板当接部材30Aの枠内の寸法は、短辺の寸法L7が419mmであり、長辺の寸法L8が726mmである。
上記枠状のガラス基板当接部材30Aの四隅には、収容するガラス基板の角部に該当接部材30Aの内面が接触しないように、該枠状のガラス基板当接部材30Aの内面側の角部に、該角部から長辺方向及び短辺方向のそれぞれに向かってそれぞれ長さ18mm、深さ10mmの切欠き部32が全高に渡って形成されている。
一方、箱状のガラス基板当接部材30Bは、図5及び図6に示したように、上面が開口した矩形状の箱体、具体的には矩形状の底板部41と、該底板部41の周縁から垂直に立ち上がる側壁部42とから構成された箱体に形成されている。この箱状のガラス基板当接部材30Bの外形寸法は、前記枠状のガラス基板当接部材30Aと同様に、短辺の寸法L9が503mm、長辺の寸法L10が802mmであり、高さH4が50mmである。また、底板部41の板厚は12mmであり、該底板部41から立ち上がる短辺側の側壁部42aの板厚は36mmであり、長辺側の側壁部42bの板厚は40mmであることから、該箱状のガラス基板当接部材30Bの箱内の寸法は、短辺の寸法L11が423mmであり、長辺の寸法L12が730mmであり、高さH5が38mmである。
上記箱状のガラス基板当接部材30Bの四隅には、収容するガラス基板の角部に該当接部材30Bの内面が接触しないように、該箱状のガラス基板当接部材30Bの内面側の角部に、該角部から長辺方向及び短辺方向のそれぞれに向かってそれぞれ長さ18mm、深さ10mmの切欠き部43が側壁部42の全高に渡って形成されている。
また、上記箱状のガラス基板当接部材30Bの側壁部42の内面側には、ガラス基板の端面と当接する凸部44が形成されている。該凸部44は、幅が35mm、高さが2mmで、図6に示したように、短辺側の側壁部42aの内面側に3個の凸部44が適当な間隔を隔てて形成され、相対する短辺側の側壁部42aの内面側にもそれぞれ対抗する位置に3個の凸部44が形成されている。また、長辺側の側壁部42bの内面側にも適当な間隔を隔てて4個の凸部44が形成され、相対する長辺側の側壁部42bの内面側にもそれぞれ対抗する位置に4個の凸部44が形成されている。これにより、長辺側の凸部44の対峙する内面間の距離は419mmとなり、短辺側の凸部44の対峙する内面間の距離は726mmとなっている。
更に、上記箱状のガラス基板当接部材30Bの底板部41には、該箱状のガラス基板当接部材30Bをボックス本体10に装填する際に、該当接部材30Bの底体部41とボックス本体10の底板部11との間に存在する空気を抜くための貫通孔45が適当な間隔を隔てて大小5個設けられている。
板状のガラス基板当接部材30Cは、上記した枠状のガラス基板当接部材30Aの上下面の開口、或いは上記箱状のガラス基板当接部材30Bの上面の開口をそれぞれ塞ぐもので、図7に示したように、矩形状の板体に形成されている。該板状のガラス基板当接部材30Cは、短辺の寸法L13が409mmであり、長辺の寸法L14が718mmであり、板厚T1が14mmである。
上記枠状のガラス基板当接部材30Aは、ボックス本体10の側壁部12の内面側に沿うように配置され、また、上記箱状のガラス基板当接部材30Bは、図8及び図9に示したように、ボックス本体10に入れ子式に配置される。そして、両ガラス基板当接部材30A、30Bは、ボックス本体10に配置された状態において、図9に示した(この図9は、箱状のガラス基板当接部材30Bをボックス本体10に配置した断面図を示したものであるが、枠状のガラス基板当接部材30Aを配置した場合には、底板部41の有無及び凸部44の有無が相違する。)ように、該ガラス基板当接部材30A、30Bの上方の一部(枠状のガラス基板当接部材30Aにあっては枠材31の上方部、箱状のガラス基板当接部材30Bにあっては側壁部42の上方部)が、ボックス本体10の側壁部12の上端面から16mm上方に突出し、突出部46が形成されるように設計されている。
また、板状のガラス基板当接部材30Cは、上記ボックス本体10に配置された枠状のガラス基板当接部材30Aの上下面の開口を塞ぐ状態に配置され、また上記ボックス本体10に配置された箱状のガラス基板当接部材30Bの上面の開口を塞ぐ状態に配置される。
蓋体50は、図10及び図11に示したように、矩形状の天板部51と、該天板部51の周縁から下方に突出した環状凸部52とから構成され、該蓋体50の外形寸法は、短辺の寸法L15が575mm、長辺の寸法L16が868mm、高さH6が47mmである。また、天板部51の板厚は29mmであり、該天板部51から突出する短辺側の凸部52aの板厚は30mmであり、長辺側の凸部52bの板厚は35mmであることから、該蓋体50の内面の寸法は、短辺の寸法L17が505mm、長辺の寸法L18が808mm、高さH7が18mmである。
上記蓋体50の天板部51の表面には、図10に示したように、長辺側の両側面から上面にかけて、結束バンドを掛ける溝53が適宜な間隔を隔てて4本形成されている。また、環状凸部52の外面側には、ボックス本体10に形成された凹部14と対応する位置に、該蓋体50を取り外す際に指などを挿入するための凹部54が4箇所形成されている。
また、上記蓋体50の天板部51の裏面には、図11に示したように、矩形状の凹部55が形成されており、該凹部55の短辺の寸法L19は413mmであり、長辺の寸法L20は726mmであり、深さD1は10mmである。該蓋体50の凹部55に、図12に示したように、上記板状のガラス基板当接部材30Cを挿入させることにより、取扱い中や搬送中の振動等によって該板状のガラス基板当接部材30Cがずれるのを効果的に防ぐことができると共に、ガラス基板の収容効率を下げることなく該板状のガラス基板当接部材30Cの板厚を厚くすることができるので、より効果的に収容するガラス基板の板面側を保護することができる。
上記蓋体50は、該蓋体50の環状凸部52が、上記ボックス本体10の側壁部12の上端面から上方に突出した枠状のガラス基板当接部材30Aの上方部(枠材31の上方部)、或いは箱状のガラス基板当接部材30Bの上方部(側壁部42の上方部)、即ち、図9に示した突出部46と嵌合することにより、ボックス本体10の上面開口を閉塞する状態で該ボックス本体10に係止される。
本発明に係るガラス基板搬送用包装体は、上記したボックス本体10と、ガラス基板当接部材30と、蓋体50とからなるガラス基板搬送用ボックス1の内部空間に、複数枚のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で水平に収容してなるガラス基板搬送用包装体であって、前記積層させたガラス基板の相互間に、特定物性の樹脂シートを介在させたものである。
図13は、大型のガラス基板αを収容する場合の、ボックス本体10と、箱状のガラス基板当接部材30Bと、板状のガラス基板当接部材30Cと、蓋体50と、更に樹脂シート60を用いた本発明に係るガラス基板搬送用包装体70の包装形態を示した分解斜視図である。
収容するガラス基板αは、短辺寸法が418mm、長辺寸法が720mmであり、厚みが1.4mmの液晶セルの完成パネルである。図13に示したように、上記ボックス本体10に配置された箱状のガラス基板当接部材30B内には、ガラス基板αと樹脂シート60とを、それぞれ箱状のガラス基板当接部材30Bの底板部41と平行な状態で、板厚方向に交互に積み重ねたことによって収容される。収容後、箱状のガラス基板当接部材30Bの上面開口は、板状のガラス基板当接部材30Cにより塞がれ、次いで蓋体50によってボックス本体10の開口が閉塞される。
上記樹脂シート60は、見掛け密度が225kg/m3、厚みが1mm、表面抵抗率が2.1×1012Ωであるポリプロピレン系樹脂発泡シートであり、その短辺の寸法及び長辺の寸法は、上記ガラス基板αの短辺の寸法及び長辺の寸法と同一である。
図14は、本発明に係るガラス基板搬送用包装体70の外観を示した図であり、ボックス本体10と蓋体50とが、結束バンド71によって強固に結束され、輸送中等において蓋体50がボックス本体10から外れるのを防止している。また、図示は省略したが、遠方への輸送(例えば輸出)に際しては、搬送用ボックス1全体を、ポリオレフィンフィルムやアルミニウムラミネートフィルム等の防湿性を有する包材で包装することもできる。
図15は、本発明に係るガラス基板搬送用包装体70を、パレット72に積載して搬送する場合の該包装体70の積載例を示した図である。この積載例においては、先ず、該ガラス基板搬送用包装体70を2,3個積層させて積層体80を形成し、該積層体80をポリエチレンフィルム73で包装する。続いて、形成した積層体80を、搬送用パレット72上に配置されたトレイ74内に、上記包装体70の長辺側側面が下側になるように垂直方向に立てて載置し、その角部を補強板75にて補強する。そして、その上方からトレイ76を被せ、積層体80を固定する。なお、図16に示したように、積層体80を二段に積載してもよい。また、図示は省略したが、本発明に係るガラス基板搬送用包装体70の底板部下面が下側になるように、積層体80をパレット72に積載して搬送してもよい。また、前記トレイ74、76、及び補強板75は、紙或いは合成樹脂(発泡体を含む)で形成することができるが、輸送中に発生する埃、塵等を考慮した場合、合成樹脂で形成することが好ましい。
以上、本発明に係るガラス基板搬送用ボックス及びガラス基板搬送用包装体の実施例を説明したが、本発明は、何ら既述の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲において、種々の変形及び変更が可能であることは当然である。
斜め上方から見たボックス本体の斜視図である。 斜め下方から見たボックス本体の斜視図である。 斜め上方から見た枠状のガラス基板当接部材の斜視図である。 枠状のガラス基板当接部材の平面図である。 斜め上方から見た箱状のガラス基板当接部材の斜視図である。 箱状のガラス基板当接部材の平面図である。 板状のガラス基板当接部材の斜視図である。 ボックス本体内に箱状のガラス基板当接部材を配置した状態を示した平面図である。 図8のA−A線に沿う部分の断面図である。 斜め上方から見た蓋体の斜視図である。 斜め下方から見た蓋体の斜視図である。 蓋体に板状のガラス基板当接部材を配置した状態を示した図11のB−B線に沿う部分に相当する部分の断面図である。 ガラス基板搬送用包装体の包装形態を示した分解斜視図である。 ガラス基板搬送用包装体の外観を示した斜視図である。 ガラス基板搬送用包装体のパレットへの積載例を示した斜視図である。 ガラス基板搬送用包装体のパレットへの他の積載例を示した斜視図である。
符号の説明
1 ガラス基板搬送用ボックス
10 ボックス本体
11 底板部
12 側壁部
12a 短辺側の側壁部
12b 長辺側の側壁部
13 溝
14 凹部
15 切欠き
30 ガラス基板当接部材
30A 枠状のガラス基板当接部材
30B 箱状のガラス基板当接部材
30C 板状のガラス基板当接部材
31 枠材
31a 短辺側の枠材
31b 長辺側の枠材
32 切欠き部
41 底板部
42 側壁部
42a 短辺側の側壁部
42b 長辺側の側壁部
43 切欠き部
44 凸部
45 貫通孔
46 突出部
50 蓋体
51 天板部
52 環状凸部
52a 短辺側の凸部
52b 長辺側の凸部
53 溝
54 凹部
55 矩形状の凹部
60 樹脂シート
70 ガラス基板搬送用包装体
71 結束バンド
72 パレット
73 ポリエチレンフィルム
74 トレイ
75 補強板
76 トレイ
80 積層体
α ガラス基板

Claims (9)

  1. 上面が開口したボックス本体と、該ボックス本体内に配置されるガラス基板当接部材と、前記ボックス本体の上面開口を閉塞する蓋体とから構成され、その内部空間に複数枚のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で収容するタイプのガラス基板搬送用ボックスであって、前記ボックス本体と蓋体は見掛け密度(A)が45〜300kg/m3の熱可塑性樹脂発泡体で形成されており、該ボックス本体は底板部と、該底板部の周縁から立ち上がる側壁部とからなり、前記ガラス基板当接部材は見掛け密度(B)が10〜90kg/m3(但し、該見掛け密度(B)は前記見掛け密度(A)未満)の熱可塑性樹脂発泡体で上下面が開口した枠状に形成されており、該枠状のガラス基板当接部材は前記ボックス本体の側壁部内面に沿うように配置されると共に、ボックス本体の四隅近傍において収容するガラス基板の角部には接しないように該枠状のガラス基板当接部材に切欠き部が設けられていることを特徴とする、ガラス基板搬送用ボックス。
  2. 上面が開口したボックス本体と、該ボックス本体内に配置されるガラス基板当接部材と、前記ボックス本体の上面開口を閉塞する蓋体とから構成され、その内部空間に複数枚のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で収容するタイプのガラス基板搬送用ボックスであって、前記ボックス本体と蓋体は見掛け密度(A)が45〜300kg/m3の熱可塑性樹脂発泡体で形成されており、該ボックス本体は底板部と、該底板部の周縁から立ち上がる側壁部とからなり、前記ガラス基板当接部材は見掛け密度(B)が10〜90kg/m3(但し、該見掛け密度(B)は前記見掛け密度(A)未満)の熱可塑性樹脂発泡体で上面が開口した箱状に形成されており、該箱状のガラス基板当接部材は前記ボックス本体内に入れ子式に配置されると共に、ボックス本体の四隅近傍において収容するガラス基板の角部には接しないように該箱状のガラス基板当接部材に切欠き部が設けられていることを特徴とする、ガラス基板搬送用ボックス。
  3. 上記枠状又は箱状のガラス基板当接部材の開口を塞ぐ見掛け密度(C)が10〜90kg/m3(但し、該見掛け密度(C)は上記見掛け密度(A)未満)の熱可塑性樹脂発泡体で形成された板状のガラス基板当接部材が、更に上記ボックス本体内及び/又は蓋体に配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のガラス基板搬送用ボックス。
  4. 上記ボックス本体の底板部が、短辺の寸法と長辺の寸法との比が1対1.3〜1対2の矩形状であり、上記ボックス本体の側壁部の高さが、該ボックス本体の前記底板部の短辺寸法の1/3以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックス。
  5. 上記ボックス本体、ガラス基板当接部材及び蓋体を形成する熱可塑性樹脂発泡体が、ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子成形体であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックス。
  6. 上記ボックス本体、ガラス基板当接部材及び蓋体の体積抵抗率が、1.0×103〜1.0×1013Ω・cmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックス。
  7. 上記ガラス基板当接部材が、上記ボックス本体内面及び/又は蓋体内面に係止されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックス。
  8. 上記枠状又は箱状のガラス基板当接部材が上記ボックス本体内に配置された状態において、該ガラス基板当接部材の上方がボックス本体の側壁部の上端面よりも上方に突出して突出部を形成しており、該ガラス基板当接部材の突出部と上記蓋体とが嵌合することにより蓋体が係止されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックス。
  9. 上記請求項1〜8のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックスに複数枚のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で水平に収容してなるガラス基板搬送用包装体であって、前記積層させたガラス基板の相互間に、表面抵抗率が1.0×108〜5.0×1013Ωの樹脂シートを介在させたことを特徴とする、ガラス基板搬送用包装体。
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