JP2008030566A - 空気吹出調整用レジスタ - Google Patents
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Abstract
【課題】正面の上下幅が狭い形状のレジスタとして好適であり、操作ノブの意匠バランスが良好で、1個の操作ノブを操作して良好に風向の調整を行なうことができる空気吹出調整用レジスタを提供する。
【解決手段】正面の意匠面を形成するベゼル1の略中央に空気吹出口11が形成され、空気吹出口11の一方の側部のベゼルの正面にノブ用開口部12が形成される。ノブ用開口部12に操作ノブ6が露出して配設される。操作ノブ6には、ノブホルダー61が固定部に対し第1ノブ軸63を介して回動可能に軸支されると共に、ノブホルダー61内にダイヤルノブ62が、第1ノブ軸63と直交する第2ノブ軸64を介して、ノブホルダー61に対し回動可能に軸支される。ノブホルダー61は前可動ルーバ3または後可動ルーバ4に対しリンク機構を介して各フィンを回動させるように連係される。
【選択図】図4
【解決手段】正面の意匠面を形成するベゼル1の略中央に空気吹出口11が形成され、空気吹出口11の一方の側部のベゼルの正面にノブ用開口部12が形成される。ノブ用開口部12に操作ノブ6が露出して配設される。操作ノブ6には、ノブホルダー61が固定部に対し第1ノブ軸63を介して回動可能に軸支されると共に、ノブホルダー61内にダイヤルノブ62が、第1ノブ軸63と直交する第2ノブ軸64を介して、ノブホルダー61に対し回動可能に軸支される。ノブホルダー61は前可動ルーバ3または後可動ルーバ4に対しリンク機構を介して各フィンを回動させるように連係される。
【選択図】図4
Description
本発明は、自動車の車内等の換気や空調の空気吹出口に使用される空気吹出調整用レジスタに関し、特に正面形状の上下幅が狭い形状のレジスタとして好適な空気吹出調整用レジスタに関する。
従来、この種の空気吹出調整用レジスタとして、通風路を形成するリテーナ内に、横可動ルーバと縦可動ルーバを前後して配設し、前方に位置する横可動ルーバの中央部のフィンに、操作ノブ(把手)を可動的に取り付けた構造の空気吹出調整用レジスタが、下記特許文献1などにより知られている。
この空気吹出調整用レジスタは、操作ノブが、横可動ルーバの中央部のフィン上に、その軸方向(横方向)に摺動可能に嵌合されると共に、その横可動ルーバのフィンと共に上下に回動可能に設けられ、操作ノブの先端に係合部が形成され、その係合部が後方に位置する縦可動ルーバのフィンの縦軸(フィンの回動軸とは偏倚した軸)に係合する構造である。そして、風の向きを左右に調整する場合、操作ノブを横可動ルーバのフィン上で左又は右に摺動させて、後の縦可動ルーバの向きを左右に変え、風の向きを上下に調整する場合、操作ノブを横可動ルーバのフィンと共に上又は下に回動させて風の向きを調整する。
実開平4−82645号公報
特開2004−256014号公報
しかしながら、この種の空気吹出調整用レジスタは、前方に位置する横可動ルーバの略中央部のフィンに操作ノブが嵌合されるため、操作ノブが通風路の中央に位置し、通風抵抗や圧力損失を増大させやすい。このため、この種のレジスタの操作ノブは、その形状が極力小形に形成され、空気抵抗や圧力損失を少なくしているが、操作ノブが小形になると、操作性が悪いという問題があった。
さらに、レジスタの通風路の中央に位置する操作ノブを、手で操作して風向調整を行なうことから、通風路の中央に手が入って通風の邪魔をするため、操作ノブを操作しながら正確な風向調整ができにくいという問題があった。
一方、空気吹出口を形成したベゼルの下部に、ノブ用開口部を設け、そのノブ用開口部に、前可動ルーバと後可動ルーバを操作するための操作ノブを設けたレジスタが、上記特許文献2などで提案されている。
このレジスタは、空気吹出口に連通するリテーナ内の通風路に、前可動ルーバと後可動ルーバが、各フィンを回動可能に軸支して配設され、ベゼルの正面下部に設けたノブ用開口部から露出するように操作ノブが設けられ、その操作ノブを上下に回動操作することにより、前可動ルーバの横フィンを上下に回動させ、その操作ノブを左右に移動させることより、後可動ルーバの縦フィンを左右に回動させて、風向を調整する。
このレジスタの操作ノブは、ノブホルダーとノブダイヤルとから構成され、ノブホルダーの中央に回動可能に軸支したノブダイヤルを上下に回動操作して、前可動ルーバの横フィンを上下に回動させ、ノブダイヤルとノブホルダーを左右に摺動させて、後可動ルーバの縦フィンを左右に回動させる。したがって、このレジスタによれば、1つの操作ノブにより風向を上下左右に調整することができるものの、レジスタの正面を構成するベゼルの下部に操作ノブが配設されるため、レジスタの正面形状が縦長形状になりやすく、上下幅の小さいレジスタには適用が難しい。
さらに、操作ノブのノブホルダーがガイドレール部内を左右にスライド移動する構造のため、ノブホルダーの露出する摺動面に擦り傷が生じやすく、使用により操作ノブの外観が悪化しやすい。
また、この操作ノブの左右方向の操作は、ノブホルダーを左右横方向に摺動させ、クランクアームを介して後可動ルーバの縦フィンを回動させ、左右の風向を調整するため、ノブホルダーの左右の摺動範囲が比較的大きくなる。このため、レジスタの正面の縦長形状を改善するために、レジスタ正面の側縁部に操作ノブを単純に移したとしても、操作ノブのノブ用開口部の横幅が増大し、レジスタの正面形状の意匠バランスが悪くなるという課題があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、正面の上下幅が狭い形状のレジスタとして好適であり、操作ノブの意匠バランスが良好で、1個の操作ノブを操作して良好に風向の調整を行なうことができる空気吹出調整用レジスタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の空気吹出調整用レジスタは、通風路内に配設した前可動ルーバと後可動ルーバを有し、前可動ルーバと後可動ルーバの各フィンを1つの操作ノブにより回動させて空気の吹出方向を調整する空気吹出調整用レジスタであって、正面の意匠面を形成するベゼルの略中央に空気吹出口が形成され、該空気吹出口の一方の側部のベゼルの正面にノブ用開口部が形成され、該ノブ用開口部に該操作ノブが露出して配設され、該操作ノブには、ノブホルダーが固定部に対し第1ノブ軸を介して回動可能に軸支されると共に、該ノブホルダー内にダイヤルノブが、該第1ノブ軸と直交する第2ノブ軸を介して、該ノブホルダーに対し回動可能に軸支され、該ノブホルダーは該前可動ルーバまたは該後可動ルーバに対しリンク機構を介して各フィンを回動させるように連係され、該ダイヤルノブは該後可動ルーバまたは該前可動ルーバに対しリンク機構を介して各フィンを回動させるように連係され、該ノブホルダーが該第1ノブ軸を中心に回動する際、該ダイヤルノブの係合部分と該第2ノブ軸の係合する係合部分が、該ノブホルダーの回動を許容して係合する係合機構を有していることを特徴とする。
ここで、上記請求項1の空気吹出調整用レジスタにおいては、請求項2のように、上記前可動ルーバは複数の横フィンを前記通風路の前部に水平横方向に沿って且つ上下に間隔をおいて並設して構成され、該前可動ルーバの各横フィンは水平横方向に配設された前記第1ノブ軸に対しリンク機構を介して向きを上下方向に変えるように連係され、前記後可動ルーバは複数の縦フィンを前記通風路の後部に鉛直方向に沿って且つ左右に間隔をおいて並設して構成され、該後可動ルーバの各横フィンは鉛直方向に配設された前記第2ノブ軸に対しリンク機構を介して向きを左右方向に変えるように連係することができる。
また、上記請求項1の空気吹出調整用レジスタにおいては、請求項3のように、上記ノブホルダーの正面側にノブホルダー用意匠プレートが取り付けられ、前記ダイヤルノブはその一部が該ノブホルダー用意匠プレートに設けた開口部から露出する形態で該ノブホルダーに対し回動可能に軸支することができる。
また、上記請求項1の空気吹出調整用レジスタにおいては、請求項4のように、上記ダイヤルノブと第2ノブ軸が係合する係合機構として、該ダイヤルノブに突設されたリンク部に溝部が形成され、該第2ノブ軸に湾曲軸が形成され、該湾曲軸を該リンク部の溝部に摺動可能に嵌め込み係合するように構成することができる。
上記構成の空気吹出調整用レジスタによれば、操作ノブがノブホルダーとダイヤルノブとを備えて構成され、ノブホルダーが第1ノブ軸を中心に回動可能に支持され、ダイヤルノブがノブホルダー内で、第1ノブ軸と直交する第2ノブ軸を中心に回動可能に支持されるから、1つのダイヤルノブを上下または左右に回動操作して、風向を上下左右に簡単に調整することができる。
また、操作ノブは、スライド幅がないために、スライド式の操作ノブに比べ、スライド方向の幅を小形化することができる。このため、正面形状が横長で、上下幅の小さいレジスタにおいて、操作ノブを空気吹出口の側部に配置すれば、レジスタの上下幅を狭くしたまま、左右の幅も必要最小限に抑えることができ、意匠バランスの良好なレジスタとすることができる。
さらに、ノブホルダー、ダイヤルノブ共に軸を中心に回動する構造のため、スライド方式のものに比べ、回動するノブホルダーやダイヤルノブの露出表面が摺動摩擦により傷つくことはなく、操作ノブの外観を長期間良好に保持することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は空気吹出調整用レジスタの正面図を示し、図2はその斜視図を、図3はその底面図を、図4はその断面図を示し、図5はその分解斜視図を示している。
これらの図において、1は正面に空気吹出口11を形成したベゼルであり、後述のリテーナ2の前部に連結される。更に、ベゼル1の正面には空気吹出口11の右側位置に、ノブ用開口部12が形成され、空気吹出口11の左側のベゼル1の正面には、ダンパノブ用開口部13が形成される。
ベゼル1の正面の空気吹出口11は、横長の長方形状に形成され、そのベゼル1の側部にノブ用開口部12とダンパノブ用開口部13を配置することにより、ベゼル1全体は上下幅が左右幅に比べ短く、全体として横長形状に形成されている。
リテーナ2は、矩形のダクト状に形成され、内部に通風路21が形成されている。前縁部には縦軸受部22が上と下の水平壁部の前縁に所定間隔で形成され、両側の前縁部には横軸受部23が所定間隔で形成される。更に、一方の側壁にはダンパ用のダンパ軸孔24が設けられ、その前方にダンパノブ軸25が突設される。上記ベゼル1とリテーナ2は、その間に横方向の前可動ルーバ3と縦方向の後可動ルーバ4を組み付けて固定される。一方、リテーナ2の右側壁部の外側に、操作ノブ用の取付部26が枠状に設けられ、この取付部26に後述の操作ノブ6が装着され、操作ノブ6の前部がベゼル1のノブ用開口部12から露出する構造である。
前可動ルーバ3は、3枚の横フィン31を横方向に、且つ一定の上下間隔をおいて、その両側の回動軸32を回動可能に軸支し、それらをリンクバー34で相互に連結して構成される。各横フィン31の両側には回動軸32が突設され、それらの回動軸32は軸受部材36に軸支されると共に、上記横軸受部23に回動可能に嵌合される。更に、各横フィン31の末端の偏倚位置に偏倚軸35が突設され、各偏倚軸35はリンクバー34により相互に連結されている。
更に、1本の横フィン31の一方の回動軸32の先端に、溝部33aを設けた略U字状のリンク部材33が連結されている。リンク部材33の溝部33aには、図5、図11に示すように、リテーナ2の外壁に軸支された二股状のリンク部材65の一方の連結軸65aが係合し、リンク部材65は後述の操作ノブ6の第1ノブ軸63に連係される。
後可動ルーバ4は、図5に示すように、複数の縦フィン41を一定の間隔で回動可能に配置し、それらをリンクバー44で相互に連結して構成される。各縦フィン41の上部と下部には回動軸42が突設され、上部の回動軸42は軸受部材47に嵌合されて軸支され、下部の回動軸42は上記縦軸受部22に回動可能に嵌合される。
更に、図3に示すように、各縦フィン41の下部の回動軸42はリテーナ2の底壁の外側に突出し、回動軸42の先端に各々リンク部材43が連結され、末端の縦フィン41の回動軸42には二股状リンク部材45が連結される。更に、各リンク部材43の先端の連結軸43aを相互に連結するように、1本のリンクバー44が連結され、末端の縦フィン41の回動軸42に軸着される二股状リンク部材45の連結軸45aにも、このリンクバー44が連結される。
これにより、二股状リンク部材45をその回動軸42を中心に回動させたとき、全ての縦フィン41が、連動してその向きを変えるように回動する。図3のように、二股状リンク部材45の他方の先端の連結軸45bは、リンク部材66,67を介して、後述の操作ノブ6の第2ノブ軸64に連係される。
操作ノブ6は、第1ノブ軸63を軸に回動可能なノブホルダー61と、ノブホルダー61内に第2ノブ軸64を軸に回動可能に装着されたダイヤルノブ62とを備えて構成される。ノブホルダー61は、図7に示すように、第1ノブ軸63の側部に一体的に形成され、図5のように、その内側にダイヤルノブ62を前方から挿入し、そのダイヤルノブ62を所定の角度範囲で回動可能に保持する。
第1ノブ軸63の両側の軸端は、固定部となるリテーナ2の側壁と取付部26の側壁に設けた軸孔に挿通され、回動可能に支持される。第1ノブ軸63の左端部近傍にリンク部材69が固定され、このリンク部材69の先端(長孔)が、二股状のリンク部材65の他方の連結軸65bに連結される。図5に示すように、二股状のリンク部材65の回動軸65cは、リテーナ2の側壁の下部の軸孔に回動可能に嵌合される。
ダイヤルノブ62は、図10に示すように、ダイヤル本体の軸心位置の上下に軸62bを突設すると共に、端部水平方向にリンク部62aを突設して形成され、そのリンク部62aから先にノブホルダー61内に挿入される。そのとき、ダイヤルノブ62の上下の軸62bは、ノブホルダー61に設けた軸受部61a(図7)に嵌合して支持される。さらに、ダイヤルノブ62をノブホルダー61内に挿入した状態で、その前方からノブホルダー用意匠プレート68が、ノブホルダー61の前部に嵌着される。
ノブホルダー用意匠プレート68は、図9に示すように、意匠面を有する円弧状のプレートを有して形成され、その中央に矩形の開口部68aを設け、背面側に係止片68bを突設して構成される。このノブホルダー用意匠プレート68は内側に挿入されたダイヤルノブ62の一部を開口部68aから露出した状態で、その係止片68bをノブホルダー61の両壁部に係止して、ノブホルダー61の前部に嵌着される。
ダイヤルノブ62の軸62bは縦方向に位置し、第1ノブ軸63は水平横方向に位置するため、その軸62bと第1ノブ軸63は略直交する関係となる。さらに、図5、図6に示すように、取付部26内には、第2ノブ軸64が第1ノブ軸と直交する形態である縦方向に軸支される。
第2ノブ軸64は、図8に示すように、略U字状の湾曲した湾曲軸64aを有し、その湾曲軸64aの上部と下部に軸端を上下に向けて突設した縦軸として形成され、下部の軸端には、リンク部材67が固定されている。この第2ノブ軸64は取付部26の枠内に縦に挿入され、その上下の軸端が取付部26の上枠と下枠に設けた軸孔に嵌合され、回動可能に支持される。
この第2ノブ軸64の湾曲軸64aは、図6に示すように、ダイヤルノブ62との干渉を回避し、且つダイヤルノブ62の上下回動を許容するために、略U字状に曲折され、その湾曲軸64aには、上記ダイヤルノブ62のリンク部62aの溝部62cが係合するように組み付けられる。つまり、上述のノブホルダー61が第1ノブ軸63を中心に回動する際、ダイヤルノブ62の係合部分と第2ノブ軸64の係合する係合部分が、ノブホルダー61の回動を許容して係合する係合機構は、この湾曲軸64aとリンク部62aの溝部62cから構成される。
第2ノブ軸64の下部の軸端は、図3に示すように、リンク機構となるリンク部材67,66及び二股状リンク部材45を介して後可動ルーバ4の縦フィン41に連係される。また、第1ノブ軸63は、図11に示すように、リンク機構となるリンク部材69を介して、側壁に軸支された二股状のリンク部材65に連係され、リンク部材65はリンク部材33を介して前可動ルーバ3の横フィン31の回動軸32に連係される。
したがって、ダイヤルノブ62を左右に回動操作したとき、第2ノブ軸64がその縦軸の回りで回動し、リンク部材67,66及び二股状リンク部材45を介して、後可動ルーバ4の各縦フィン41が回動軸42を軸に回動し、その向きを左右方向に変える。
また、ダイヤルノブ62を上下に操作すると、ダイヤルノブ62と共にノブホルダー61が第1ノブ軸63を中心に回動し、第1ノブ軸63の回動がリンク部材69を介して二股状のリンク部材65を回動させ、リンク部材65の回動がリンク部材33を介して前可動ルーバ3の横フィン31の回動軸32に伝達され、前可動ルーバ3の各横フィン31が回動軸32を軸に回動し、その向きを上下方向に変える。
リテーナ2内の後部に通風路21を閉鎖するためのダンパ5が回動開閉可能に軸支される。図5に示すように、ダンパ5の一側には回動軸51が突設され、その回動軸51をリテーナ2側壁のダンパ軸孔24に嵌入させ、他方の側壁のダンパ軸孔24にはアーム付き軸52が外側から挿入され、このアーム付き軸52と回動軸51によってダンパ5は通風路21内で回動可能に支持される。
アーム付き軸52の先端部には長孔が形成され、その長孔にダンパノブ53の背面側に突設されたアーム54の先端の軸54aが係合する。ダンパノブ53の軸心位置には軸受凹部53aが設けられ、この軸受凹部53aが弾性部材53bを介して、リテーナ2の側壁に突設したダンパノブ軸25に、回動可能にはめ込まれる。ダンパノブ軸25に軸支されたダンパノブ53の一部は、ベゼル1のダンパノブ用開口部13から露出した状態となる。
この状態で、図14(a)に示すように、ダンパノブ53を下方に回動操作すると、通風路21内のダンパ5が水平となって開放され、図14(b)のように、ダンパノブ53を上方に回動操作すると、ダンパ5が図の時計方向に回動して通風路21内を閉鎖する。さらに、リテーナ2の後部には、図示しない通風ダクトとの接続部のシール用に、シール部材9が図2、図5のように嵌着される。
上記構成の空気吹出調整用レジスタは、自動車の車内のインストルメントパネルやダッシュボードの部分に、そのリテーナ2の末端を図示しない通風ダクトに接続するようにして装着される。通風ダクトから送られる空気は、リテーナ2内の通風路21から空気吹出口11を通して吹き出される。
空気の吹出向きを上または下に調整する場合、ベゼル1のノブ用開口部12から露出する操作ノブ6のダイヤルノブ62に指を当て、上または下に回動させる。このとき、図6、図11に示すように、操作ノブ6のダイヤルノブ62はノブホルダー61と共に、第1ノブ軸63を中心に上または下に回動する。
例えば、ダイヤルノブ62を上方に回動操作した場合、図6(b)、図11(b)に示すように、第1ノブ軸63が図の時計方向に回動し、リンク部材69を介して二股状のリンク部材65に回動力が伝達され、リンク部材65は図の反時計方向に回動する。このリンク部材65の回動により、リンク部材33を介して前可動ルーバ3の横フィン31が回動軸32を中心に図の時計方向に回動し、前可動ルーバ3の各横フィン31の向きが上方に調整される。
一方、ダイヤルノブ62を下方に回動操作した場合、図6(c)、図11(c)に示すように、第1ノブ軸63が図の反時計方向に回動し、リンク部材69を介して二股状のリンク部材65に回動力が伝達され、リンク部材65は図の時計方向に回動する。このリンク部材65の回動により、リンク部材33を介して前可動ルーバ3の横フィン31が回動軸32を中心に図の反時計方向に回動し、前可動ルーバ3の各横フィン31の向きが下方に調整される。
空気の吹出向きを左右に調整する場合、操作ノブ6のダイヤルノブ62に指を当て、それを左または右に回動させる。このとき、図12、図13に示すように、ダイヤルノブ62はノブホルダー61内で、その軸62bを中心に左または右に回動する。ダイヤルノブ62はノブホルダー61内で回動可能に支持されるため、ノブホルダー61が図6のように何れの角度位置にあっても、回動操作することができ、その回動力は第2ノブ軸64に伝達される。
例えば、ダイヤルノブ62を図12のように右側に回動操作した場合、ダイヤルノブ62のリンク部62aは、軸62bを中心に反時計方向に回動し、リンク部62aの回動力がそこに係合する湾曲軸64aを介して第2ノブ軸64に伝達され、第2ノブ軸64が図の反時計方向に回動する。このとき、第2ノブ軸64の反時計方向の回動力がリンク部材67,66、二股状リンク部材45を介して後可動ルーバ4の縦フィン41に伝達され、後可動ルーバ4の各縦フィン41が図12のように、その回動軸42を中心に反時計方向に回動し、各縦フィン41の角度が右側に調整される。
一方、ダイヤルノブ62を図13のように左側に回動操作した場合、ダイヤルノブ62のリンク部62aは、軸62bを中心に時計方向に回動し、リンク部62aの回動力がそこに係合する湾曲軸64aを介して第2ノブ軸64に伝達され、第2ノブ軸64が図13の時計方向に回動する。このとき、第2ノブ軸64の時計方向の回動力がリンク部材67,66、二股状リンク部材45を介して後可動ルーバ4の縦フィン41に伝達され、後可動ルーバ4の各縦フィン41が図13のように、その回動軸42を中心に時計方向に回動し、各縦フィン41の角度が左側に角度調整される。
ダンパ5を開閉する場合、図14(a)に示すように、ダンパノブ53を下方に回動操作すると、通風路21内のダンパ5が水平となって開放される。また、図14(b)のように、ダンパノブ53を上方に回動操作すると、ダンパ5が図の時計方向に回動して通風路21内を閉鎖することができる。
このように、操作ノブ6がノブホルダー61とダイヤルノブ62とを備えて構成され、ノブホルダー61が第1ノブ軸63を中心に上下に回動可能に支持され、ダイヤルノブ62がノブホルダー61内で第2ノブ軸64を中心に左右に回動可能に支持されるから、1つのダイヤルノブ62を上下または左右に回動操作して、風向を上下左右に簡単に調整することができる。
また、操作ノブ6の外形形状は、スライド式の操作ノブに比べ、スライド幅がないために、スライド方向の幅を小形化することができる。このため、正面形状が横長で、上下幅の小さいレジスタにおいて、操作ノブ6を空気吹出口11の側部に配置すれば、レジスタの上下幅を狭くしたまま、左右の幅も必要最小限に抑えることができ、意匠バランスの良好なレジスタとすることができる。
さらに、ノブホルダー61、ダイヤルノブ62共に軸を中心に回動する構造のため、スライド方式のものに比べ、回動するノブホルダー61やダイヤルノブ62の露出表面が摺動摩擦により傷つくことはなく、操作ノブ6の外観を良好に保持することができる。
なお、上記実施形態では、前可動ルーバ3に横フィン31を設け、後可動ルーバ4に縦フィン41を設けたが、それらを90度回転させた状態とし、前可動ルーバに縦フィンを設け、後可動ルーバに横フィンを設けるように構成することもできる。この場合、操作ノブはノブホルダーを左右方向に回動可能に軸支し、ダイヤルノブはノブホルダー内で上下方向に回動可能に軸支し、前可動ルーバの縦フィンをノブホルダーの左右方向の回動操作により調整し、後可動ルーバの横フィンをダイヤルノブの上下方向の回動により調整する構造とすることができる。
1 ベゼル
2 リテーナ
3 前可動ルーバ
4 後可動ルーバ
6 操作ノブ
11 空気吹出口
12 ノブ用開口部
21 通風路
26 取付部
31 横フィン
32 回動軸
34 リンクバー
41 縦フィン
42 回動軸
43 リンク部材
61 ノブホルダー
62 ダイヤルノブ
62a リンク部
62b 軸
62c 溝部
63 第1ノブ軸
64 第2ノブ軸
64a 湾曲軸
65 リンク部材
68 ノブホルダー用意匠プレート
68a 開口部
2 リテーナ
3 前可動ルーバ
4 後可動ルーバ
6 操作ノブ
11 空気吹出口
12 ノブ用開口部
21 通風路
26 取付部
31 横フィン
32 回動軸
34 リンクバー
41 縦フィン
42 回動軸
43 リンク部材
61 ノブホルダー
62 ダイヤルノブ
62a リンク部
62b 軸
62c 溝部
63 第1ノブ軸
64 第2ノブ軸
64a 湾曲軸
65 リンク部材
68 ノブホルダー用意匠プレート
68a 開口部
Claims (4)
- 通風路内に配設した前可動ルーバと後可動ルーバを有し、該前可動ルーバと後可動ルーバの各フィンを1つの操作ノブにより回動させて空気の吹出方向を調整する空気吹出調整用レジスタであって、
正面の意匠面を形成するベゼルの略中央に空気吹出口が形成され、該空気吹出口の一方の側部のベゼルの正面にノブ用開口部が形成され、該ノブ用開口部に該操作ノブが露出して配設され、該操作ノブには、ノブホルダーが固定部に対し第1ノブ軸を介して回動可能に軸支されると共に、該ノブホルダー内にダイヤルノブが、該第1ノブ軸と直交する第2ノブ軸を介して、該ノブホルダーに対し回動可能に軸支され、該ノブホルダーは該前可動ルーバまたは該後可動ルーバに対しリンク機構を介して各フィンを回動させるように連係され、該ダイヤルノブは該後可動ルーバまたは該前可動ルーバに対しリンク機構を介して各フィンを回動させるように連係され、該ノブホルダーが該第1ノブ軸を中心に回動する際、該ダイヤルノブの係合部分と該第2ノブ軸の係合する係合部分が、該ノブホルダーの回動を許容して係合する係合機構を有していることを特徴とする空気吹出調整用レジスタ。 - 前記前可動ルーバは複数の横フィンを前記通風路の前部に水平横方向に沿って且つ上下に間隔をおいて並設して構成され、該前可動ルーバの各横フィンは水平横方向に配設された前記第1ノブ軸に対しリンク機構を介して向きを上下方向に変えるように連係され、前記後可動ルーバは複数の縦フィンを前記通風路の後部に鉛直方向に沿って且つ左右に間隔をおいて並設して構成され、該後可動ルーバの各横フィンは鉛直方向に配設された前記第2ノブ軸に対しリンク機構を介して向きを左右方向に変えるように連係されたことを特徴とする請求項1記載の空気吹出調整用レジスタ。
- 前記ノブホルダーの正面側にノブホルダー用意匠プレートが取り付けられ、前記ダイヤルノブはその一部が該ノブホルダー用意匠プレートに設けた開口部から露出する形態で該ノブホルダーに対し回動可能に軸支されたことを特徴とする請求項1記載の空気吹出調整用レジスタ。
- 前記ダイヤルノブと第2ノブ軸が係合する係合機構として、該ダイヤルノブに突設されたリンク部に溝部が形成され、該第2ノブ軸に湾曲軸が形成され、該湾曲軸が該リンク部の溝部に摺動可能に嵌め込まれて係合することを特徴とする請求項1記載の空気吹出調整用レジスタ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006204768A JP2008030566A (ja) | 2006-07-27 | 2006-07-27 | 空気吹出調整用レジスタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006204768A JP2008030566A (ja) | 2006-07-27 | 2006-07-27 | 空気吹出調整用レジスタ |
Publications (1)
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JP2008030566A true JP2008030566A (ja) | 2008-02-14 |
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ID=39120441
Family Applications (1)
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JP2006204768A Withdrawn JP2008030566A (ja) | 2006-07-27 | 2006-07-27 | 空気吹出調整用レジスタ |
Country Status (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009241637A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-22 | Toyoda Gosei Co Ltd | 空調用レジスタ |
JP2016055764A (ja) * | 2014-09-09 | 2016-04-21 | ダイキョーニシカワ株式会社 | 車両用ベンチレータ |
JP2020049986A (ja) * | 2018-09-25 | 2020-04-02 | しげる工業株式会社 | 車両用レジスタ装置 |
CN111473503A (zh) * | 2020-04-15 | 2020-07-31 | 中铁建设集团天津工程有限公司 | 一种可变送风形式的散流器风口 |
-
2006
- 2006-07-27 JP JP2006204768A patent/JP2008030566A/ja not_active Withdrawn
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