JP2008030337A - 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008030337A
JP2008030337A JP2006207355A JP2006207355A JP2008030337A JP 2008030337 A JP2008030337 A JP 2008030337A JP 2006207355 A JP2006207355 A JP 2006207355A JP 2006207355 A JP2006207355 A JP 2006207355A JP 2008030337 A JP2008030337 A JP 2008030337A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diaphragm
liquid
electrode
liquid discharge
discharge head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006207355A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuya Abe
修也 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2006207355A priority Critical patent/JP2008030337A/ja
Publication of JP2008030337A publication Critical patent/JP2008030337A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】大幅な工程増加、振動板面積率の低下を伴うことなく、全体的或いは局所的に振動板の剛性調整を行うことができない。
【解決手段】振動板12の振動板領域12Aと固定電極14Aとが空隙13を介して対向し、振動板12側には振動板短辺方向に沿う複数の梁となる凸部41を振動板長辺方向に所要の間隔で、所要の領域に並べて配置し、固定電極14A側には振動板12側の梁となる凸部41が入り込む溝部42を固定電極14Aを貫通するまで形成し、振動板12側の梁となる凸部41の配置や形成領域で振動板12の剛性が調整される。
【選択図】図6

Description

本発明は液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置に関し、特に、静電型液体吐出ヘッド、これを備える液体吐出装置、画像形成装置に関する。
一般に、プリンタ、ファックス、コピア、プロッタ、或いはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置としては、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。
なお、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。また、「液体」とは、記録液、インクに限るものではなく、吐出されるときに流体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。さらに、「液体吐出装置」は液体吐出ヘッドから液体を吐出させる装置であって画像を形成するものに限定されない。
液体吐出ヘッドとしては、液滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室(吐出室、圧力室、加圧室、インク流路等とも称される。)と、この液室の壁面を形成する振動板の少なくとも一部を構成する可変電極と、この可変電極に対向する対向電極とを有し、電極間に電圧が印加されることによって可変電極(振動板)を静電力で変位させて、振動板の機械的な復元力によって液室内に圧力を発生させる静電型アクチュエータを備えた静電型液体吐出ヘッドが知られている。
このような静電型液体吐出ヘッドにおいては、振動板の変位特性が安定した液滴吐出を行う上で重要な要素であり、この振動板の変位特性として振動板剛性が重要なパラメータの1つである。そこで、従来から振動板構成(形状)を工夫することで、工法面の精度などを変更することなく振動板の厚みのバラツキを小さくし、また、振動板剛性を場所(領域)ごとに細かく設定することで特性の向上を図ることが行われている。
例えば、特許文献1には、振動板が薄い場合には剛性が不足し、インク吐出に足る十分な吐出力が得られないが、一方で、振動板を厚くすることは難しく、厚みがバラツキ、印刷の品位及び信頼性が良くない、ということから、電極(固定電極)基板又は流路基板に、振動板の外周以外の部分を支持し、振動板の変形を一部規制する支柱を設けることが記載されている。
特開平07−246706号公報
特許文献2には、振動板の一部に他の部分より剛性の低い低剛性部からなる高駆動コンプライアンス部、例えば、他の部分より薄い部分、他の部分より広い幅を有する部分を形成して、この高駆動コンプライアンス部を従動振動手段とし、これに対向する対向壁を振動規制手段とすることが記載されている。
特開平09−314837号公報
特許文献3には、振動板と電極の間に微小空隙を形成する必要をなくし、比較的低電圧の印加によっても大きな振動板の変形を誘起できるようにするため、振動板の板厚に分布を持たせ、吐出口に近づくに従って厚くした構成が記載されている。
特開平10−211697号公報
特許文献4には、駆動電圧を低くするため振動板と固定電極間の空隙を狭くしてもインク吐出に充分な振動板の変位が得られ、かつ振動板が固定電極に接することなく駆動できるようにし、駆動周波数を向上させるため、振動板を短辺両端近傍では薄く中央部では厚くし、空隙内の振動板下の短辺両端に段差を具備し、固定電極と段差の側面とが凹構造をなし、振動板の厚い部分と前記段差上面との距離より前記振動板の厚い部分と個別固定電極との距離の方が遠くなるようにした構成が記載されている。
特開2000−052551号公報
特許文献5には、電極と振動板が非平行状態で配置されている場合、振動板に凹部又は凸部からなる変位制御パターンを設けた構成が記載されている。
特開2001−010036号公報
特許文献6には、一対の対向電極の対向面の少なくともいずれか一方に凸構造が設けられ、凸構造の対向部に相当する電極には内周形状が投影される凸形状と同じ、もしくは凸形状を含むスリットを形成する構成が記載されている。
特開2005−094948号公報
特許文献7には、犠牲層エッチングでギャップを形成することが記載されている。
特開2004−106089号公報
特許文献8には、液滴を吐出可能な駆動電圧の最小電圧をVminとし、振動板が対向する面に接触する最小当接電圧をVthとしたとき、Vth≦Vmin≦1.25×Vth、の関係を充足するように振動板の剛性を規定することが記載されている。
特開2005−001258号公報
特許文献9には、振動板と電極との吸着防止のために凸部を形成することが記載されている。
特開2004−284098号公報
その他、ピエゾ型液体吐出ヘッドの振動板については特許文献10に記載されている。
特開2003−276192号公報
上述した特許文献には、概ね、振動板の剛性を変える構成として、(1)振動板の幅(短辺長)を変える構成、(2)振動板の厚みを変える(凹部、凸部形成することを含む)構成、(3)振動板の変形を一部規制する支柱を設ける構成が開示されている。
ここで、(1)の構成では、振動板のレイアウト(形状)を変更するだけで良いので、工程増無しで振動板剛性の調整が可能になるという利点がある。しかしながら、振動板の幅(短辺長)を狭くした部分で、ノズルピッチ(ノズル間隔)及び加工精度で決まる最大振動板幅に対して振動板面積が小さくなる(振動板面積率が下がる)、振動板幅(短辺方向)内で振動板剛性を変える(例えば、振動板の短辺長両端付近で柔らかく、中央部で固くする)等の局所的な振動板の剛性調整や剛性に方向性を持たせることができないという課題がある。
(2)の構成では、振動板幅をノズルピッチ及び加工精度で決まる最大幅に保ったまま振動板剛性の調整が可能で、(1)の構成よりも振動板面積率が高く、また、振動板幅(短辺方向)内で振動板の剛性を変える等、局所的に振動板の剛性調整が可能であり、凹部、凸部の配置によっては、剛性に方向性を持たせることも可能であるという利点がある。しかしながら、振動板厚みの異なる部分を形成するために工程が増加するという課題がある。
(3)の構成では、固定電極側に支柱を作成する場合、工程を増加することなく振動板の剛性の調整が可能であるという利点がある。しかしながら、支柱によりある領域の剛性を調整すると、それに伴って他の領域も影響を受け、振動板として有効に働かない領域ができるので、(1)と異なって振動板面積自体は低下しないが、有効な振動板面積率が低下し、また、同様な理由で、振動板面積率の低下を伴わない局所的な剛性調整等が困難であり、支柱を形成するため、振動板側に支柱を形成する場合には工程数が増加するという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、大幅な工程増加を伴うことなく、振動板面積率を低下させることなく、全体的にも局所的にも振動板の剛性調整が可能で、振動板剛性に方向性を持たせることも可能な液体吐出ヘッド、この液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、液滴を吐出するノズルが連通する流路の壁面を形成する振動板と、この振動板に犠牲層エッチングにより形成された空隙を介して対向する電極とを備え、振動板を静電力で変形させて機械的な復元力により液滴を吐出させる液体吐出ヘッドにおいて、振動板の電極に対する面にこの振動板の梁となる凸部が形成され、電極側には、振動板の凸部を逃げる溝が形成されている構成とした。
ここで、電極側に形成された溝は、電極を形成する層を貫通し、電極を積層形成している下地層に入り込んでいない構成、電極側に形成された溝は、電極を形成する層を貫通し、更に電極を積層形成している下地層に入り込んでいる構成、電極を形成する層はこの電極を積層形成している下地層上のほぼ全域にわたって残存している構成、液体吐出ヘッドに液体を供給する液体収容部が一体化されている構成とすることができる。
本発明に係る液体吐出装置、本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えたものである。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、振動板の電極に対する面にこの振動板の梁となる凸部が形成され、電極側には、振動板の凸部を逃げる溝が形成されている構成としたので、大幅な工程増加を伴うことなく、振動板面積率を低下させることなく、全体的にも局所的にも振動板の剛性調整が可能で、振動板剛性に方向性を持たせることも可能になる。
本発明に係る液体吐出装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、安定した滴吐出特性が得られる。本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、安定した滴吐出特性が得られ、高画質画像を形成できる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図1ないし図8を参照して説明する。なお、図1は同液体吐出ヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドの平面説明図、図3は同ヘッドの振動板の説明図、図4は図2のX1−X1線に沿う断面説明図、図5は図2のX2−X2線に沿う断面説明図、図6は図4の部分拡大断面説明図、図7は図2のY1−Y1線に沿う断面説明図、図8は図2のY2−Y2線に沿う断面説明図である。なお、断面線としてのX1−X1、X2−X2、Y1−Y1、Y2−Y2線は各図の対応する箇所に入れている。
この液体吐出ヘッドは、第1の基板であるアクチュエータ基板1と第2の基板である流路基板2と第3の基板であるノズル板3を順次積層して構成し、これら3枚の基板1、2、2を接合することで、液滴を吐出するノズル4がノズル連通路(連通管)5を介して連通する液室(吐出室)6、液室6に液体(インク)を供給するための流体抵抗部7及び共通液室8を形成している。各液室8は液室間隔壁9で仕切られている。また、共通液室8にはアクチュエータ基板1の液供給口19から液体が供給される。
アクチュエータ基板1は、液室6の一部の壁面を形成する振動板領域(変形可能領域)12Aを形成する振動板12と、この振動板12の振動板領域12Aに犠牲層エッチングによって形成した空隙(ギャップ)13を介して対向する固定電極14A備え、これらの空隙13を介して対向する振動板領域12Aと固定電極14Aによって各液室6に対応する静電型アクチュエータを構成している。
このアクチュエータ基板1は、シリコン基板21上に下地層である絶縁膜22が積層され、この絶縁膜22上に固定電極14A、固定電極引出し部14B、ダミー電極(スペーサ)部14Cが電極形成層をエッチングして形成されている。これらの固定電極14A、固定電極引出し部14B、スペーサ部14Cの表面には固定電極側絶縁層25が形成されている。この絶縁層25上には空隙13、スペーサ部(残存犠牲層)26が犠牲層エッチングで形成されている
この空隙13を挟んで固定電極14A側に対向する振動板12は、振動板側絶縁膜27と、この絶縁膜27上に積層された振動板電極層をエッチングして形成される振動板電極28A及びダミー振動板電極(スペーサ部)28Bと、これらの振動板電極28A及びダミー振動板電極(スペーサ部)28B上に順次積層された応力調整層29(図6以外では図示省略、例えば四窒化三ケイ素膜)、振動板割れ防止膜30(例えば二酸化ケイ素膜)、接液膜(耐腐食膜)31で構成されている。
なお、このアクチュエータ基板1の固定電極14Aは固定電極引出し部14Bから配線33を介して外部への電気的接続部34に接続されている。
アクチュエータ基板1の上に接着剤層35を介して接合する流路基板2は、例えば、結晶面方位(110)のシリコン基板に、液室(吐出室)6と、各々の液室6に流体抵抗部7を介して連通する共通液室8を設けている(実際に溝部又は凹部である。)。
流路基板2の上に接着剤層36を介して接合するノズル板3は、例えば、厚さ50μmのニッケルを用い、ノズル4はドライ又はウェットエッチングやレーザー加工など周知の方法で形成することができる。
このように構成した液滴吐出ヘッドにおいては、各液室6内に記録液(インク)が満たされた状態で、図示しない制御部からの画像データに基づいて、記録液の吐出を行いたいノズル4に対応する固定電極14Aに対して、発振回路により40Vのパルス電圧を印加する。この電圧を印加することにより固定電極14の表面にプラス電荷が帯電し、個別電極14と、振動板電極28Aを含む振動板領域12Aとの間に静電力による吸引作用が働いて、振動板領域12Aが下方へ撓む。これにより、液室6の容積が広げられることから、その容積分の記録液が共通液室8より流体抵抗部7を介して液室6へ流入する。
その後、固定電極14Aへのパルス電圧を0Vにする(印加を止める)ことにより、静電力により下方へ撓んだ振動板領域12Aは自身の剛性による復元力により元の位置に戻る。これにより、液室6内の圧力が急激に上昇して、液室6に連通するノズル4より記録液の液滴が吐出される。そして、この動作を繰り返してノズル4から記録液を連続的に吐出することにより、液体吐出ヘッドに対向して送られる用紙に画像を形成する。
そこで、アクチュエータ基板1のうちの本発明に係る特徴的部分について説明する。
振動板12側の固定電極14A側表面には、液室6の短手方向に所要の長さを有する複数の梁となる凸部(突条部)41を液室6の長手方向に沿って並べて形成している。ここでは、複数の凸部41は、図3に示すように、振動板12の振動領域12Aのノズル4側からほぼ同じ間隔で長手方向の長さのほぼ1/2まで配置し、流体抵抗部7側には形成していない。
一方、固定電極14A側には、振動板12側の凸部41が入り込む溝42を形成している。この溝42は固定電極14Aを形成する固定電極形成層を貫通している(固定電極形成層がないという意味で、絶縁層25は残存している。)している深さまで形成している。
ここで、固定電極14A側の溝42は、固定電極形成層をエッチングして固定電極14Aなどを分離形成するときに、溝42が形成される固定電極パターニング用フォトマスクを用いることで形成できる。そのため、従前の固定電極14Aなどをエッチングで形成する工法や工程の変更を行うことなく溝42を形成することができる。
この場合、溝42は、他の固定電極14Aを分離する分離溝と同様に、固定電極形成層を貫通し下地層である絶縁膜22まで到達するように形成される。この溝42は、固定電極形成層を下地層である絶縁膜22に対して選択性のあるエッチングにて形成することで、ほぼ固定電極形成層の部分にのみ形成され、絶縁膜22部分にはほとんど形成されない(選択比は無限大ではないのでわずかな窪みは形成される。)。これにより、溝42の深さは固定電極形成層(固定電極14A)の厚みとほぼ同じになり、また、その結果、振動板12側の凸部41の高さもそれに等しくなり、凸部41の高さを精度よく形成することができる。
このように、振動板側の固定電極側の面に梁となる凸部を形成することで、振動板の剛性を調整することできるので、振動板の幅はノズルピッチ及び加工精度で決まる最大幅に保つことが可能で、振動板面積率は低下しない。また、凸部を形成することにより、例えば、振動板の幅(短辺方向)内で局所的に振動板剛性を変えること、振動板の剛性に方向性を持たせることなど、細かい調整ができる。
また、固定電極側に凸部が入り込む溝を形成することで、この溝を利用して振動板側の凸部を形成し、また、固定電極の溝形成は、固定電極パターン形成用のマスクで行うことができるから、従前の犠牲層エッチングプロセスによる製造工程を増加することなく、振動板側に凸部を形成することができる。
この場合、固定電極側の溝(振動板側の凸部に対応した溝)は、固定電極を形成する層を貫通して固定電極を積層形成する下地層まで到達するように形成することで、工程の増加を全く招くことがなく形成することができ(固定電極を形成する従前の工程と全く同じ工程で形成できる。)とともに、下地層でエッチングをストップさせることができるので、溝の深さを精度良く形成することができ、つまりは振動板側の凸部の高さを精度よく形成することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第2実施形態について図9を参照して説明する。なお、図9は同ヘッドの振動板の電極側表面の平面説明図である。
ここでは、複数の梁となる凸部41を、振動板12の振動板領域12Aのノズル4側で密に、中央部で疎に、流体抵抗部7側には配置しない構成としている。この場合、図10に示すように、振動板領域12Aのノズル側の剛性が相対的に高く、中央部で中間、流体抵抗部7側で低い、3段階の剛性分布を持たせている。また、複数の梁となる凸部41は、振動板短辺方向の幅と略同じ長さW1に形成している。この梁となる凸部41の配置の仕方(密度)により、さらに多段階の変化をつけることも可能である。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第3実施形態について図10を参照して説明する。なお、図10は同ヘッドの振動板の電極側表面の平面説明図である。
ここでは、複数の梁となる凸部41は、振動板短辺方向の長さW2が振動板短辺方向の幅よりも短く、振動板短辺方向で振動板中央付近に、振動板長手方向に沿って所要の間隔(一定である場合、一定でない場合のいずれも含む。)で配置している。これにより、短辺方向の振動板中央付近は相対的に剛性が高く、短辺方向両端部で低くすることができる。
それにより、振動板の短辺方向の剛性が均一な場合の振動板の撓み形状は図11に示すように、中央部付近(中心)で大きく、両端が小さい形状になるのに対し、この実施形態のように、短辺方向の振動板中央部付近は相対的に剛性が高く、短辺方向両端部で低い場合の撓み形状は図12に示すようになり、同じ変位量(ピーク位置)でより大きな体積変化を得ることができるようになる。
なお、ギャップ形状を、ギャップ内の振動板下の短辺両端に段差を備え、対向電極と段差の側面とが凹構造をなし、振動板の梁となる凸部と段差上面との距離より振動板の梁となる凸部と対向電極との距離の方が遠い構成とすることで、ギャップを狭くしても液滴吐出に充分な振動板の変位が得られ、かつ振動板が対向電極に接することなく駆動でき、このため、駆動周波数を向上することができるようになる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第4実施形態について図13及び図14を参照して説明する。なお、図13は同ヘッドの振動板の電極側表面の平面説明図、図14は図13のX1―X1線に沿う断面説明図である。
ここでは、本発明における剛性調整用の梁となる凸部41の間に、振動板側と固定電極側との固着防止・耐久性向上用の凸部43を形成している。なお、剛性調整用の梁となる凸部41は振動板短辺方向に沿って長さL2を有し、振動板長辺方向に沿って並べて配置している。
固着防止・耐久性向上用の凸部43については、凸部43の部分でのみ振動板と固定電極が当接し、他の部分では当接しないように振動板剛性、ギャップ長及び凸部寸法(平面寸法、高さ)とする。また、固着防止・耐久性向上用の凸部43の周辺では、振動板電極、固定電極間に電圧が印加されないような構成とすることでより耐久性向上が可能となるが、一方で、その場合その部分に電圧印加されないために、振動板を変形させる力(振動板−固定電極間の静電力)が小さくなる(空隙長、印加電圧が同じ場合で比較)。そのため、この点からは、凸部の大きさはできるだけ小さく、数は少なくしたいという要求がある。
この例では、固着防止・耐久性向上用の凸部43の周りの振動板剛性を剛性調整用の梁となる凸部41により調整することにより、固着防止用・耐久性向上用の凸部43の寸法を小さく、個数を少なくしている。もちろん、振動板剛性調整用の凸部41の部分では振動板電極と固定電極間に振動板を撓ませるような静電力が発生しないが、振動板剛性調整用の梁となる凸部41と固着防止・耐久性向上用の凸部43、それぞれの配置・寸法を適切に設定することにより、トータルで振動板を変形させる力を大きくすることができる(空隙長、印加電圧が同じ場合で比較)。
これらの振動板剛性調整用の梁となる凸部41と固着防止・耐久性向上用の凸部43の形成は、いずれもパターニング用フォトマスクの設計変更のみで対応することができ、工程の変更なしで作製することができる。
ここで、振動板剛性調整用の梁となる凸部41と固着防止・耐久性向上用の凸部43の違いについて表1にて説明している。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第5実施形態について図15及び図16を参照して説明する。なお、図15は同ヘッドの振動板の電極側表面の平面説明図、図16は図15のX1―X1線に沿う断面説明図である。
ここでは、本発明における剛性調整用の梁となる凸部41の間に、振動板側と固定電極側との固着防止・耐久性向上用の凸部43を形成している。なお、剛性調整用の梁となる凸部41は振動板長辺方向に沿って長さL3(長辺方向両端部の凸部41は長さL3より短い)を有し、振動板長辺方向に沿って並べて配置している。
このように構成しても第4実施形態と同様の作用効果が得られる。
なお、これらの第2ないし第5実施形態の構成以外にも、単純振動板の全面に梁となる凸部を均一に形成することで、薄い振動板で高い剛性を得ることもできる。
本発明の第6実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図17及び図18を参照して説明する。なお、図17は図18のX1−X1線に沿う液室長手方向の断面説明図、図18は図17のY1−Y1線に沿う液室短手方向の断面説明図である。
ここでは、振動板12側の梁となる凸部51に対応する固定電極14A側の溝52は、固定電極形成層を貫通せず、溝52の底部分に固定電極形成層が残るようにしている。このような構成としたので、剛性を大きくする効果は前記第1実施形態よりも小さくなるが、一方で、電圧が印加される部分(振動板電極と固定電極が対向する部分)の面積が相対的に大きくなるので、同一空隙長・同一電圧で比較した場合、振動板変形力(振動板−固定電極間の静電引力)は第1実施形態よりも大きくすることができる。
この第6実施形態の工程電極側の製造工程の一例について図19を参照して説明する。
図19(a)に示すように、絶縁膜22上に形成した固定電極形成層24上に、ポジレジスト55を塗布し、固定電極パターニング用マスク56を用いて露光を行う。
固定電極パターニング用マスク56は、図20(a)にも示すように、固定電極に分離するための溝部に対応する透明部56a、凸部51を形成する溝(窪み)に対応する半透明部56bを有する。透明部56a、半透明部56bの透過率は図20(b)に示すようになる。また、半透明領部56bの透過率、露光量、(次ステップでの)現像時間はレジストの感度特性に応じて適切に設定する。
また、固定電極パターニング用マスク56としては、図21に示すように、解像しない寸法のガラスエリア(透明エリア)56cをクロムエリア(遮光エリア)56dに対して残存部分(遮光部分)が格子状になるように配置することで半透明部56bを構成したものなども使用できる。この場合、開口率にて透過率を設定することができる。さらに、ネガレジスト及びコントラストが反転したマスクを用いても良い。
図19(b)に戻って、現像処理を行うことにより、固定電極形成層24上に、分割溝に対応してレジスト55が完全に除去された開口部55aと凸部に対応してレジスト55の一部が除去されて薄くなっているが開口していない部分55bを有するレジストパターンが得られる。
図19(c)に示すように、レジスト55と固定電極形成層24の両方がエッチングされる条件にてエッチングを行うことで、固定電極分離溝用の開口部55aに対応する部分は固定電極形成層24の途中までエッチングされ、凸部51に対応する部分55bに対応した部分では、レジスト55が膜減り消失する。なお、レジスト55と固定電極形成層24の選択比によってはこの段階で分離溝部分がすべてエッチングされるが、それでも良い。
その後、エッチングが進み、エッチング時間を適切に設定することで、図19(d)に示すように、固定電極形成層24に分離溝24aが形成されて固定電極24Aなどに分離されるとともに、固定電極24Aには振動板側の凸部51に対応する部分24bが途中までエッチングされた状態になり、この上に絶縁膜23を形成することで溝52が形成される。その後、図示しないが、犠牲層や振動板12の構成層を形成してエッチングを行うことで、凸部51が形成される。
また、図示しないが、電極形成層に分離溝部をエッチングで形成する(途中まで又はすべて)工程(第1ステップ)、レジストをエッチングしてレジストマスクの凸部対応窪み部を開口する工程(第2ステップ)、電極形成層をエッチングして溝部分離を完了し、凸部対応窪み部を形成する工程(第3ステップ)の3ステップのエッチングを行うようにすることもできる。
これらのいずれによっても、同一のエッチングチャンバー内で連続的に処理した場合には、従来の工程に対し工程時間の増加はほとんどなく、コスト増加もほとんどない。
本発明の第7実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図22ないし図25を参照して説明する。なお、図22は図23のX1−X1線に沿う液室長手方向の断面説明図、図23は図22のY1−Y1線に沿う液室短手方向の断面説明図、図24は図22のY3−Y3線に沿う拡大断面説明図、図25は図22のY4−Y4線に沿う拡大断面説明図である。
ここでは、振動板12に形成した梁となる凸部61に対応する固定電極14A側の溝62は、固定電極14Aを貫通し、更に固定電極14Aを積層形成した下地層である絶縁層22にまで同一のパターンで形成されている。
この場合、アクチュエータ基板1表面の段差が大きくなり、レジストや接液膜31のスピンコート時に塗布厚ムラが発生することを防止するために、固定電極形成層24をアクチュエータ基板1の概ね全面(電極引き出し部33、電極取り出し部34、その他)に亘って残存させている。
また、製造工程は固定電極14Aの加工工程で固定電極形成層24をエッチングした後、同一マスクで連続的に下地絶縁層22のエッチングをする工程を増加するだけで、その他は第1実施形態と同様に行うことができる。固定電極形成層24をアクチュエータ基板1の概ね全面に亘って残存させる点も、固定電極パターニング用のマスクを変更するのみで、工程的にはなんら変わりなく行える。
このような構成とすることで、溝62の深さがより深くなり、振動板側の凸部61の高さを高くすることができるので、その部分でより大きく振動板剛性を高めることができる。一方、製造工程上も、固定電極の下地層も固定電極形成層と同一マスクで連続的にエッチングすることで、工程増加も極わずかであり、コスト増加もほとんどない。
また、図24及び図25に示すように、電極配線33、外部への電気的接続部34の下に残存させた固定電極形成層24については、隣接する電極配線33、外部への電気的接続部34の間で固定電極形成層24を分離することで、浮遊容量を低減させるようにした。
なお、本実施形態では、固定電極形成層をアクチュエータ基板の概ね全面(電極引き出し部、電極取り出し部、その他)に亘って残存させることでアクチュエータ基板表面の平坦化を図っているが、第5実施形態の固定電極加工工程の例とは逆に、凸部61に対応した溝62に対応する部分が透明で、固定電極分離溝部分が半透明のフォトマスクを使用することで、工程増加無しに、凸部61に対応した窪み部分は下地層にも溝を形成し、固定電極分離溝部分は電極形成層のみエッチングした形状とすることで平坦化を図ることもできる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第7実施形態について図26を参照して説明する。なお、図26は同液体吐出ヘッドの一例を示す斜視説明図である。
この液体吐出ヘッド90は、ノズル91を有する液体吐出ヘッド部92に液体としての例えば記録液を供給する液体収容部(タンク)93とを一体的に備えている。これにより、タンク一体化型液体吐出ヘッドを得ることができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る液体吐出装置を含む画像形成装置の一例について図27を参照して説明する。なお、図27は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図である。
この画像形成装置は、媒体の印字領域幅以上の長さのノズル列(ノズル4を並べたもの)を有するフルライン型ヘッドからなる記録ヘッドを搭載したライン型画像形成装置である。
この画像形成装置は、例えばブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の液滴を吐出する、フルライン型の4個の本発明に係る液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッド101k、101c、101m、101y(色を区別しないときには「記録ヘッド101)という。)を備え、各記録ヘッド101はノズル4を形成した面を下方に向けて図示しないヘッドホルダに装着している。また、各記録ヘッド101に対応してヘッドの性能を維持回復するための維持回復機構102を備え、パージ処理、ワイピング処理などのヘッドの性能維持動作時には、記録ヘッド101と維持回復機構102とを相対的に移動させて、記録ヘッド101のノズル面に維持回復機構102を構成するキャッピング部材などを対向させる。
なお、ここでは、記録ヘッド101は、用紙搬送方向上流側から、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの順に各色の液滴を吐出する配置としているが、配置及び色数はこれに限るものではない。また、ライン型ヘッドとしては、各色の液滴を吐出する複数のノズル列を所定間隔で設けた1又は複数のヘッドを用いることもできるし、ヘッドとこのヘッドに記録液を供給する記録液カートリッジを一体とすることも別体とすることもできる。
給紙トレイ103は、用紙104を載置する底板105と、用紙104を給送するための給紙コロ(半月コロ)106を備えている。底板105はベース108に取り付けられた回転軸109を中心に回転可能であって、加圧ばね110によって給紙コロ106側に付勢されている。なお、給紙コロ106に対向して、用紙104の重送を防止するため、人工皮、コルク材等の摩擦係数の大きい材質からなる図示しない分離パッドが設けられている。また、底板105と給紙コロ106の当接を解除する図示しないリリースカムが設けられている。
そして、この給紙トレイ103から給紙された用紙104を搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込むために用紙104を案内するガイド部材110、111を設けている。
搬送ローラ112は、図示しない駆動源によって回転されて、送り込まれる用紙104を記録ヘッド101に対向して配置したプラテン115に向けて搬送する。プラテン115は、記録ヘッド101と用紙104とのギャップを維持することができるものであれば、剛体構造体でもよいし、搬送ベルトなどを用いることもできる。
プラテン115の下流側には、画像が形成された用紙104を排紙するための排紙ローラ116及びこれに対向する拍車117を配置し、排紙ローラ116によって画像が形成された用紙104を排紙トレイ118に排紙する。
また、排紙トレイ118と反対側には、用紙104を手差し給紙するための手差しトレイ121と、手差しトレイ121に載置された用紙104を給紙する給紙コロ122を配置している。この手差しトレイ121から給紙される用紙104はガイド部材111に案内されて搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込まれる。
この画像形成装置においては、待機状態では、リリースカムが給紙トレイ103底板105を所定位置まで押し下げ、底板105と給紙コロ106との当接を解除している。そして、この状態で、搬送ローラ112が回転されることによって、この回転駆動力が図示しないギア等により給紙コロ106及び図示しないリリースカムに伝達されて、リリースカムが底板105から離れて底板105が上昇し、給紙コロ106と用紙104が当接し、給紙コロ106の回転に伴って用紙104がピックアップされて給紙が開始され、図示しない分離爪によって一枚ずつ分離される。
そして、給送コロ106の回転によって用紙104がガイド部材110、111に案内されて搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込まれ、搬送ローラ112によって用紙104がプラテン115上に送り出される。その後、用紙104の後端は給紙コロ106のDカット部に対向して当接が解除され、搬送ローラ112によってプラテン115上に搬送される。なお。給紙コロ106と搬送ローラ112との間に、補助的に、搬送回転対を設けることもできる。
このようにしてプラテン115上を搬送される用紙104に対して、記録ヘッド1から液滴を吐出して画像を形成し、画像が形成された用紙104は排紙ローラ116によって排紙トレイ118に排紙される。なお、画像形成時における紙搬送の速度と液滴吐出のタイミングは図示しない制御部によって制御される。
このように、この画像形成装置においては本発明を実施した振動板剛性を調整可能な液体吐出ヘッドを備えて安定した液体吐出を行うことができる液体吐出ヘッドを搭載しているので、高密度化も可能となり高画質、高速記録に対応できる画像形成装置を得ることができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る液体吐出装置を含む画像形成装置の他の例について図28及び図29を参照して説明する。なお、図28は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図、図29は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板201A、201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図29で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド234a、234b(区別しないときは「記録ヘッド234」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク235a、235b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。このサブタンク235には各色の供給チューブ36を介して、各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによって図29のベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、図29に示すように、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む本発明に係るヘッドの維持回復装置である維持回復機構281を配置している。
この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、図29に示すように、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける液体回収容器であるインク回収ユニット(空吐出受け)288を配置し、このインク回収ユニット288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このようなシリアル型画像形成装置であっても、本発明を実施した振動板剛性を調整可能な液体吐出ヘッドを備えて安定した液体吐出を行うことができる液体吐出ヘッドを搭載しているので、高密度化も可能となり高画質、高速記録に対応できる画像形成装置を得ることができる。
なお、上記実施形態では本発明に係る液体吐出装置をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置にも適用することができる。また、記録液以外の液体を用いる液体吐出装置や画像形成装置、例えば、前述したように、DNA試料、レジスト、パターン材料などを吐出する液体吐出装置や画像形成装置で用いる液体吐出ヘッドにも適用することができる。また、液体吐出ヘッドを構成してる静電型アクチュエータは、液体吐出ヘッドだけでなく、マイクロポンプ、光学デバイス(光変調デバイス)のみならず、マイクロスイッチ(マイクロリレー)、マルチ光学レンズのアクチュエータ(光スイッチ)、マイクロ流量計、圧力センサなどにも適用することができる。
本発明の第1実施形態に係る液体吐出ヘッドの分解斜視説明図である。 同ヘッドの平面説明図である。 同ヘッドの振動板の電極側表面の平面説明図である。 図2のX1−X1線に沿う断面説明図である。 図2のX2−X2線に沿う断面説明図である。 図4の部分拡大断面説明図である。 図2のY1−Y1線に沿う断面説明図である。 図2のY2−Y2線に沿う断面説明図である。 本発明の第2実施形態に係る液体吐出ヘッドの振動板の電極側表面の平面説明図である。 本発明の第3実施形態に係る液体吐出ヘッドの振動板の電極側表面の平面説明図である。 振動板剛性が均一な場合の撓み形状の説明図である。 振動板中央部の剛性が高く、両端で低い場合の撓み形状の説明図である。 本発明の第4実施形態に係る液体吐出ヘッドの振動板の電極側表面の平面説明図である。 図13のX1−X1線に沿う拡大断面説明図である。 本発明の第5実施形態に係る液体吐出ヘッドの振動板の電極側表面の平面説明図である。 図15のX1−X1線に沿う拡大断面説明図である。 本発明の第6実施形態に係る液体吐出ヘッドの図18のX1−X1線に沿う液室長手方向の断面説明図である。 同じく図17のY1−Y1線に沿う液室短手方向の断面説明図である。 同じく固定電極側の溝の形成工程の説明に供する断面説明図である。 同形成工程で用いる固定電極形成用マスクの一例を説明する説明図である。 同じく固定電極形成用マスクの他の例を説明する説明図である。 本発明の第7実施形態に係る液体吐出ヘッドの図23のX1−X1線に沿う液室長手方向の断面説明図である。 同じく図22のY1−Y1線に沿う液室短手方向の断面説明図である。 同じく図22のY3−Y3線に沿う拡大断面説明図である。 同じく図22のY4−Y4線に沿う拡大断面説明図である。 本発明の第8実施形態に係る液体吐出ヘッドの説明に供する斜視説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドを含む液体吐出装置を備えた本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明に係る液体吐出装置を含む画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。 同じく要部平面説明図である。
符号の説明
1…アクチュエータ基板
2…流路基板
3…ノズル板
4…ノズル
5…ノズル連通路
6…液室(吐出室)
7…流体抵抗部
8…共通液室
12…振動板
13…空隙
14A…固定電極
41、51、61…梁となる凸部
42、52、62…溝
90…液体吐出ヘッド
101…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
234…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)

Claims (7)

  1. 液滴を吐出するノズルが連通する流路の壁面を形成する振動板と、この振動板に犠牲層エッチングにより形成された空隙を介して対向する電極とを備え、前記振動板を静電力で変形させて機械的な復元力により前記液滴を吐出させる液体吐出ヘッドにおいて、
    前記振動板の前記電極に対する面にこの振動板の梁となる凸部が形成され、前記電極側には、前記振動板の凸部を逃げる溝が形成されている
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記電極側に形成された溝は、前記電極を形成する層を貫通し、前記電極を積層形成している下地層に入り込んでいないことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  3. 請求項1に記載されている液体吐出ヘッドにおいて、前記電極側に形成された溝は、前記電極を形成する層を貫通し、更に前記電極を積層形成している下地層に入り込んでいることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記電極を形成する層はこの電極を積層形成している下地層上のほぼ全域にわたって残存していることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、この液体吐出ヘッドに液体を供給する液体収容部が一体化されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  6. 液体吐出ヘッドから液滴を吐出させる液体吐出装置において、前記液体吐出ヘッドが請求項1ないし5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする液体吐出装置。
  7. 液滴を吐出する液体吐出ヘッドを搭載して画像を形成する画像形成装置において、前記液体吐出ヘッドが請求項1ないし5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする画像形成装置。
JP2006207355A 2006-07-31 2006-07-31 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置 Pending JP2008030337A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006207355A JP2008030337A (ja) 2006-07-31 2006-07-31 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006207355A JP2008030337A (ja) 2006-07-31 2006-07-31 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008030337A true JP2008030337A (ja) 2008-02-14

Family

ID=39120247

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006207355A Pending JP2008030337A (ja) 2006-07-31 2006-07-31 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008030337A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140019734A (ko) * 2012-08-06 2014-02-17 제록스 코포레이션 잉크젯 프린터의 정전구동기용 다이아프램

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140019734A (ko) * 2012-08-06 2014-02-17 제록스 코포레이션 잉크젯 프린터의 정전구동기용 다이아프램
JP2014031009A (ja) * 2012-08-06 2014-02-20 Xerox Corp インクジェットプリンタにおける静電気アクチュエータ用ダイヤフラム
KR101979032B1 (ko) * 2012-08-06 2019-05-15 제록스 코포레이션 잉크젯 프린터의 정전구동기용 다이아프램

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007305967A (ja) 圧電アクチュエータ、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置
JP5633200B2 (ja) 圧電アクチュエータ、液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP2013063551A (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP5375667B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP2010099880A (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP2009274226A (ja) 液滴吐出ヘッド、インクカートリッジ、画像形成装置、圧電アクチュエータ、マイクロポンプ及び光変調デバイス
JP2009172969A (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP5515469B2 (ja) 液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びに画像形成装置
JP2009214303A (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP2014162192A (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP5327435B2 (ja) 液体吐出ヘッド及びその製造方法、画像形成装置
JP5668382B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP2008030337A (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置
JP2008055818A (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの製造方法、画像形成装置
JP2010284960A (ja) 画像形成装置
JP5796347B2 (ja) 圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの製造方法、液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP5338715B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP5212181B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP2011000738A (ja) 画像形成装置
JP2012192705A (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP5982761B2 (ja) 液体吐出ヘッドの製造方法
JP5444971B2 (ja) 圧電アクチュエータの製造方法、圧電アクチュエータ、液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP2003245897A (ja) 静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及びインクジェット記録装置
JP5365553B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP2012187714A (ja) 液滴吐出ヘッド、画像形成装置及び液滴吐出ヘッドの製造方法