JP2008027506A - 多層光記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光記録媒体を生産性よく製造できる多層光記録媒体の製造方法を提供する。また、信頼性の高い光記録媒体を提供する。
【解決手段】複数の情報記録トラックを構成するピットまたは案内溝からなるパターンを備えた2層以上の情報記録層を有する多層光記録媒体の製造方法において、情報記録層と積層される複数の樹脂層に、これらの樹脂層間でガラス転移点が特定の関係になる樹脂を用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は、多層の光記録媒体の製造方法に関し、特に光反応性硬化樹脂を基板に塗布し記録層を積層する多層光記録媒体の製造方法に関するものである。
近年、光記録媒体は、コンピュータをはじめ、オーディオビジュアルなどの分野で各種情報を記録する記録媒体として応用されつつある。さらに、モバイルコンピュータの普及や、情報の多様化が進み、小型大容量の光記録媒体が要求されている。
情報の記録もしくは再生を光によって行う光記録媒体は、基板上にトラッキングサーボ信号等を得るためのピットや案内溝等の微細凹凸パターンが形成されており、この上に記録層或いは反射層を形成し、さらに有機保護層を形成した単板構成を有している。また、2枚の基板を記録層或いは反射層面を対向させて貼り合せた構成を有する光記録媒体もある。
さらなる高密度化の要求に伴い、一方の基板面に複数の記録層を形成する光記録媒体が提案されている。具体的には、上記単板構成及び貼り合わせ構成の光記録媒体が一方の基板面に記録層を1つしか有しないことに対して、複数の記録層を形成するものである。すなわち、信号パターンが形成された支持基材上に記録層を形成し、さらにその記録層上に微細凹凸パターン形成層を介して記録層を形成している。必要に応じて、信号パターン形成層と記録層形成を繰り返し形成して、最後に記録層上に有機保護層(カバーシート)を形成することで一方の基板面に複数の記録層を有する光記録媒体が製造される。なお、情報の記録・再生及び消去を行うための光の入射面は、上記基板面側からでも記録層上の有機保護層面側からでも可能であり、一方の面又は両方の面を用いることができる。光の入射は、有機保護層面側から行う方が光透過基板の厚さを薄くすることが容易なため、ピックアップの対物レンズのNA(開口数)を高めることができ、高密度化を図るうえで有利であることが知られている。
一方の基板面に複数の記録層を形成する方法は、例えば特開2002−260307号公報(特許文献1)、特開2003−203402号公報(特許文献2)に開示されている。また、「松下テクニカルジャーナル,Vol.50,No.5,Oct.2004,p.64〜68」(非特許文献1)にも提案されている。
しかしながら、上記従来技術では、以下の問題があることがわかった。
特許文献1、特許文献2および非特許文献1では、多層構成の光記録媒体の製造方法として、次の方法が提案されている。
基板面にピットや案内溝を成形し、反射層や記録層を成膜して、第1の情報記録層を形成した後に以下の工程を実施する。
(1)第1の情報記録層上に、紫外線硬化樹脂またはドライフォトポリマーを形成する。
(2)その紫外線硬化樹脂またはドライフォトポリマーに樹脂スタンパを重ね合わせることによりピットや案内溝を形成し、スタンパを剥離する。
(3)ピットや案内溝上に半透明膜を形成する。
そして、(1)から(3)の工程を繰り返す(特許文献2の図9(a)または(b)参照)。
上記の技術は、従来のPhotopolymer(2P)法を応用したものである。各層間距離の均一性や各層の位置精度を比較的容易に制御することが可能であり、高品位な光記録媒体が得られる方法と考えられる。しかし、半透明膜により、紫外線硬化型樹脂やドライフォトポリマーを硬化させるための紫外線の減衰が生じるため、透明なスタンパを用いて、スタンパ側から紫外線を照射する必要があった。透明スタンパとしては、樹脂製スタンパを用いることができる。しかし、生産性や品質上、樹脂製スタンパを再利用することが困難なため、各層形成毎に樹脂製スタンパを使い捨てており、コストが高くなる問題があった。
多層構造を有する光記録媒体の従来の製造方法について、図6を用いて説明する。
図6A〜図6Dは、4層の情報記録面L0層〜L3層を有する光記録媒体の製造方法を示す。これらの図は中心孔を有する回転対称なディスク状の断面図の片側半分を示すものであり、基板やスタンパの中心孔は省略されている。
図6A(1)において、PC基板15は、射出成形用スタンパA21を用いて、射出成形されたポリカーボネート製の基板であり、基板上にはL0層の情報パターン16(ピットや案内溝)が形成されている。典型的には、PC基板15は厚さ1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmである。
図6A(2)において、L0層の情報パターン16上にL0層記録膜17が成膜される。L0層記録膜17は、典型的には、光を透過しない反射膜あるいは反射膜を含んで構成される。
図6A(3)において、L0層とL0層上に設けられるL1層との間の中間層3を構成するための中間層3用2p樹脂18がL0層記録膜17上に塗布される。樹脂厚は例えば10μmである。簡単のため、中間層3用2p樹脂18は単層としたが、転写性や剥離性、厚み精度を満足するために、複数の樹脂が組み合わされて使用される場合もある。
図6A(4)において、中間層3用2p樹脂18上に、L1層の情報パターンが予め形成された樹脂製の透明スタンパA19−1が、中心孔(図示せず)を用いて位置合わせされ、重ね合わされる。その後、UV光源5から紫外線が透明スタンパA越しに照射され、中間層3用2p樹脂18が硬化される。中間層3用2p樹脂18は、透明スタンパA19−1に塗布されてから、PC基板15上のL0層記録膜17と重ね合わされても良い。
図6A(5)において、中間層3用2p樹脂18が硬化後、透明スタンパA19−1が剥離され、基板上にはL1層の情報パターン13(ピットや案内溝)が形成される。剥離された透明スタンパAは、紫外線を照射されたために劣化し、スタンパとして再使用できないばかりか、再利用するにも用途が制限されてしまう。
図6A(6)において、L1層の情報パターン13上にL1層記録膜14が成膜される。L1層記録膜14は、半透明膜で構成される。
図6A(7)において、L1層とL1層上に設けられるL2層との間の中間層2を構成するための中間層2用2p樹脂11が、L1層記録膜14上に同様に塗布される。樹脂厚は例えば15μmである。
図6A(8)において、中間層2用2p樹脂11上に、L2層の情報パターンが予め形成された樹脂製の透明スタンパB19−2が、中心孔(図示せず)を用いて位置合わせされ、重ね合わされる。その後、同様にUV光源5から透明スタンパB越しに紫外線が照射され、中間層2用2p樹脂11が硬化される。
図6A(9)において、中間層2用2p樹脂11が硬化後、透明スタンパB19−2が剥離され、基板上にはL2層の情報パターン9(ピットや案内溝)が形成される。やはり、剥離された透明スタンパBは、紫外線を照射されたために劣化し、スタンパとして再使用できない。
図6A(10)において、L2層の情報パターン9上にL2層記録膜10が成膜される。同様にL2層記録膜10は、半透明膜で構成される。
図6A(11)において、L2層とL2層上に設けられるL3層との間の中間層1を構成するための中間層1用2p樹脂7が、L2層記録膜10上に同様に塗布される。樹脂厚は例えば10μmである。
図6A(12)において、中間層1用2p樹脂7上に、L3層の情報パターンが予め形成された樹脂製の透明スタンパC19−3が、中心孔(図示せず)を用いて位置合わせされ、重ね合わされる。その後、同様にUV光源5から透明スタンパC越しに紫外線が照射され、中間層1用2p樹脂7が硬化される。
図6A(13)において、中間層1用2p樹脂7が硬化後、透明スタンパC19−3が剥離され、基板上にはL3層の情報パターン4(ピットや案内溝)が形成される。やはり、剥離された透明スタンパCは、紫外線を照射されたために劣化し、スタンパとして再使用できない。
図6A(14)において、L3層の情報パターン4上にL3層記録膜6が成膜される。同様にL3層記録膜6は、半透明膜で構成される。
図6A(15)において、L3層記録膜6上に、L3層の上に形成されるカバーシートを構成するためのカバーシート用2p樹脂2が同様に塗布される。樹脂厚は例えば70μmである。
図6A(16)において、UV光源5から紫外線が照射され、カバーシート用2p樹脂2が硬化される。カバーシート用2p樹脂の代わりに厚さ70μmの樹脂シートを貼り付けても良い。
特開2002−260307号公報 特開2003−203402号公報 松下テクニカルジャーナル,Vol.50,No.5,Oct.2004,p.64〜68
このように従来技術においては、図6A(4)〜(5)、図6A(8)〜(9)及び図6C(12)〜(13)に示す工程において、樹脂製の透明スタンパA、B及びCがそれぞれ用いられる。しかし、これらは生産性や品質上再利用することが困難なため、各層の形成毎に使い捨てており、コストが大幅に高くなる問題があった。特に、多層構造の層数が増えるほど、樹脂製スタンパの使い捨てによるコスト増大の問題は深刻となっていた。
また、前記多層構造を有する光記録媒体の製造方法において、光反応性硬化樹脂は、スタンパに形成されている情報パターンの転写性が高いことが求められている他に、記録膜との密着性が高く、しかも硬化後にスタンパを容易に剥離できることが求められている。しかし、情報パターンの転写性と記録膜の密着性を維持しつつ、スタンパの剥離性を向上することは困難であり、各樹脂層の形成不良などによる歩留まりの低下の問題があった。
さらに、光反応性硬化樹脂が複数層形成された多層構造においては、光反応性硬化樹脂の硬化収縮による応力や弾性率などにより、温度や湿度変動、落下衝撃などが原因で、TILTの発生や光反応性樹脂が剥がれる問題が発生することがあった。
本発明の目的は、光記録媒体を生産性よく製造できる多層光記録媒体の製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、信頼性のある光記録媒体を作製可能な製造方法を提供することにある。
本発明によれば、第1の態様として、複数の情報記録トラックを構成するピットまたは複数の情報記録トラックを構成するピットまたは案内溝からなるパターンを備えた2層以上の情報記録層を有する多層光記録媒体の製造方法であって、
支持基板上に、第1のパターンが形成された第1の樹脂層を形成する工程と、
第1の樹脂層の第1のパターン形成面に第1の情報記録層を形成する工程と、
ベース基板上の第2のパターン形成面に第2の情報記録層を形成する工程と、
第1のパターン形成面側と第2のパターン形成面側を対向させ第2の樹脂層を介して前記支持基板と前記ベース基板とを貼り合わせる工程と、
前記支持基板を剥離する工程を有し、
第1の情報記録層は、記録光束を透過する半透明層であり、
第1の樹脂層の樹脂のガラス転移点が第2の樹脂層の樹脂のガラス転移点よりも高い、多層光記録媒体の製造方法が提供される。
また本発明によれば、第2の態様として、複数の情報記録トラックを構成するピットまたは案内溝からなるパターンを備えた2層以上の情報記録層を有する多層光記録媒体の製造方法であって、
支持基板上に、下面および上面にそれぞれ第1のパターン形成面および第2のパターン形成面を有する第1の樹脂層を形成する工程と、
第2のパターン形成面に第1の情報記録層を形成する工程と、
前記支持基板の第2のパターン形成面側とベース基板を対向させ第2の樹脂層を介して貼りあわせる工程と、
前記支持基板を剥離する工程と、
第1の樹脂層の第1のパターン形成面に第2の情報記録層を形成する工程を有し、
第2の情報記録層は、記録光束を透過する半透明層であり、
第1の樹脂層の樹脂のガラス転移点が第2の樹脂層の樹脂のガラス転移点よりも高い、多層光記録媒体の製造方法が提供される。
また本発明によれば、上記第2の態様において、第2のパターン形成面に形成された第2の情報記録層上に樹脂保護層を形成する工程を有し、第1の樹脂層の樹脂のガラス転移点が、第2の樹脂層の樹脂のガラス転移温度と前記樹脂保護層の樹脂のガラス転移点よりも高い、多層光記録媒体の製造方法が提供される。
また本発明によれば、第3の態様として、複数の情報記録トラックを構成するピットまたは案内溝からなるパターンを備えた2層以上の情報記録層を有する多層光記録媒体の製造方法であって、
透明支持基板上に第1の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
第1のパターンを第1のスタンパから第1の光反応性硬化樹脂上に転写し、透明支持基板方向から光を照射して第1の光反応性硬化樹脂を硬化する工程と、
第1のパターン形成面に、第1の情報記録層を形成する工程と、
ベース基板上に第2のパターンを第2のスタンパから転写して形成する工程と、
前記ベース基板の第2のパターン形成面に第2の情報記録層を形成する工程と、
第1のパターン及び第2のパターンのいずれかのパターン形成面側に第2の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
第1のパターン形成面側と第2のパターン形成面側を対向して第2の光反応性硬化樹脂を介して前記透明支持基板と前記ベース基板とを重ね合わせ、透明支持基板方向から光を照射して第2の光反応性硬化樹脂を硬化して貼り合わせる工程と、
前記透明支持基板を剥離する工程を有し、
第1の情報記録層は、記録光束を透過する半透明層であり、
第1の光反応性硬化樹脂のガラス転移点が第2の光反応性硬化樹脂のガラス転移点よりも高い、多層光記録媒体の製造方法が提供される。
また本発明によれば、第4の態様として、複数の情報記録トラックを構成するピットまたは案内溝からなるパターンを備えた2層以上の情報記録層を有する多層光記録媒体の製造方法であって、
第1のパターンが形成された透明支持基板上に、第1の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
第1のパターンが形成された透明支持基板と第2のパターンが形成されたスタンパを、第1のパターン形成面と第2のパターン形成面が対向するように第1の光反応性硬化樹脂を介して重ね合わせ、透明支持基板方向から光を照射して第1の光反応性硬化樹脂を硬化し、第1及び第2のパターンを転写する工程と、
前記スタンパを剥離する工程と、
第1の光反応性硬化樹脂の第2のパターン形成面に第1の情報記録層を形成する工程と、
第2のパターン形成面側とベース透明基板を対向させ第2の光反応性硬化樹脂を介して前記透明支持基板と前記ベース透明基板を貼り合わせる工程と、
前記透明支持基板を剥離する工程と、
第1の光反応性硬化樹脂の第1のパターン形成面に第2の情報記録層を形成する工程と、
第2の情報記録層が形成された第1のパターン形成面に第3の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
第1のパターン形成面上の第3の光反応性硬化樹脂に光を照射して硬化し、硬化された第3の光反応性硬化樹脂からなる樹脂保護層を形成する工程を有し、
第2の情報記録層は、記録光束を透過する半透明層であり、
第1の光反応性硬化樹脂のガラス転移点が、第2の光反応性硬化樹脂のガラス転移点と第3の光反応性硬化樹脂のガラス転移点よりも高い、多層光記録媒体の製造方法が提供される。
また本発明は、第5の態様として、複数の情報記録トラックを構成するピットまたは案内溝からなるパターンを備えた4層以上の情報記録層を有する多層光記録媒体の製造方法であって、
透明支持基板上に第1の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
第1のパターンを第1のスタンパから第1の光反応性硬化樹脂上に転写し、透明支持基板方向から光を照射して第1の光反応性硬化樹脂を硬化する工程と、
第1の光反応性硬化樹脂の第1のパターン形成面に第1の情報記録層を形成する工程と、
第1の情報記録層が形成された第1のパターン形成面上に第2の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
第2のパターンを第2のスタンパから第2の光反応性硬化樹脂上に転写し、透明支持基板方向から光を照射して第2の光反応性硬化樹脂を硬化する工程と、
第2の光反応性硬化樹脂の第2のパターン形成面に第2の情報記録層を形成する工程と、
第2の情報記録層が形成された第2のパターン形成面上に第3の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
第3のパターンを第3のスタンパから第3の光反応性硬化樹脂上に転写し、透明支持基板方向から光を照射して第3の光反応性硬化樹脂を硬化する工程と、
第3の光反応性硬化樹脂の第3のパターン形成面に第3の情報記録層を形成する工程と、
ベース基板上に第4のパターンを第4のスタンパから転写して形成する工程と、
前記ベース基板の第4のパターン形成面に第4の情報記録層を形成する工程と、
第3のパターン及び第4のパターンのいずれかのパターン形成面側に第4の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
第3のパターン形成面側と第4のパターン形成面側を対向させ第4の光反応性硬化樹脂を介して前記透明支持基板と前記ベース基板とを重ね合わせ、透明支持基板方向から光を照射して第4の光反応性硬化樹脂を硬化して貼り合わせる工程と、
前記透明支持基板を剥離する工程を有し、
第1、第2及び第3の情報記録層は、記録光束を透過する半透明層であり、
第1の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg1、第2の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg2、第3の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg3、第4の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg4とした場合、下記関係:
Tg3≧Tg2>Tg1>Tg4
を満たす、多層光記録媒体の製造方法が提供される。
また本発明によれば、第6の態様として、複数の情報記録トラックを構成するピットまたは案内溝からなるパターンを備えた4層以上の情報記録層を有する多層光記録媒体の製造方法であって、
第1の透明支持基板上に第1の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
第1のパターンを第1のスタンパから第1の光反応性硬化樹脂上に転写し、第1の透明支持基板方向から光を照射して第1の光反応性硬化樹脂を硬化する工程と、
第1の光反応性硬化樹脂の第1のパターン形成面に第1の情報記録層を形成する工程と、
第1の情報記録層が形成された第1のパターン形成面上に第2の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
第2のパターンを第2のスタンパから第2の光反応性硬化樹脂上に転写し、第1の透明支持基板方向から光を照射して第2の光反応性硬化樹脂を硬化する工程と、
第2の光反応性硬化樹脂の第2のパターン形成面に第2の情報記録層を形成する工程と、
第3のパターンが形成された第2の透明支持基板上に、または第4のパターンが形成された第3のスタンパ上に、第3の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
第3のパターン形成面側と第4のパターンの形成面側を対向させ第3の光反応性硬化樹脂を介して第2の透明支持基板と第3のスタンパとを重ね合わせ、第2の透明支持基板方向から光を照射して第3の光反応性硬化樹脂を硬化し、硬化された第3の光反応性硬化樹脂からなる層の下面に第3のパターンおよび上面に第4のパターンを転写する工程と、
第3のスタンパを剥離する工程と、
第4のパターン形成面に第3の情報記録層を形成する工程と、
第3の情報記録層が形成された第4のパターン形成面と第3の透明支持基板とを対向させ第4の光反応性硬化樹脂を介して第2の透明支持基板と第3の透明支持基板とを貼り合わせる工程と、
第2の透明支持基板を剥離する工程と、
第3の光反応性硬化樹脂の第3のパターン形成面に第4の情報記録層を形成する工程と、
第2のパターン及び第3のパターンのいずれかのパターン形成面側に第5の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
第2のパターン形成面側と第3のパターン形成面側を対向させ第5の光反応性硬化樹脂を介して第1透明支持基板と第3透明支持基板とを重ね合わせ、第1の透明支持基板方向から光を照射して第5の光反応性硬化樹脂を硬化して貼り合わせる工程と、
第1の透明支持基板を剥離する工程を有し、
第1、第2及び第4の情報記録層は、記録光束を透過する半透明層であり、
第1の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg1、第2の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg2、第3の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg3、第4の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg4とした場合、下記の関係:
Tg2>Tg1>Tg4、且つ、Tg3>Tg4
を満たす、多層光記録媒体の製造方法が提供される。
また本発明によれば、上記第6の態様において、第1の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg1、第2の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg2、第3の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg3、第4の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg4、第5の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg5とした場合、下記の関係:
Tg2>Tg1>Tg4≧Tg5、且つ、Tg3>Tg4
を満たす、多層光記録媒体の製造方法が提供される。
本発明によれば、光記録媒体を生産性よく製造できる多層光記録媒体の製造方法を提供することができる。また、信頼性のある光記録媒体を提供することができる。
上記第3の態様において、前記透明支持基板上に塗布される第1の光反応性硬化樹脂からなる層の厚みは、第2の光反応性硬化樹脂からなる層の厚みよりも厚いことが効果的である。
また上記第3の態様において、前記透明支持基板は、前記の照射光により劣化しない透明材料からなることが効果的である。
また上記第3の態様において、前記ベース基板上に第2のパターンを第2のスタンパから転写して形成する工程は、射出成形によることが効果的である。
また上記第3の態様において、前記の第1スタンパおよび第2のスタンパは金属からなることが効果的である。
上記第4の態様において、前記透明支持基板と前記ベース透明基板を貼り合せる工程は、
第2のパターン形成面側または前記ベース透明基板側のいずれかに第2の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
第2のパターン形成面側と前記ベース透明基板を対向させ第2の光反応性硬化樹脂を介して前記透明支持基板と前記ベース透明基板を重ね合わせ、ベース透明基板方向から光を照射して第2の光反応性硬化樹脂を硬化する工程からなることが効果的である。
また上記第4の態様において、第3の光反応性硬化樹脂からなる層の厚みは、前記透明支持基板上に塗布される第1の光反応性硬化樹脂からなる層の厚みよりも厚いことが効果的である。
また上記第4の態様において、前記透明支持基板の第1のパターンは射出成形により形成されることが効果的である。
また上記第4の態様において、前記ベース基板として、先に行われた製造プロセスにおいて光照射された使用済の前記透明支持基板を再使用することが効果的である。
また上記第4の態様において、前記スタンパは金属からなることが効果的である。
上記第5の態様において、第1の光反応性硬化樹脂の厚みは、第2の光反応性硬化樹脂の厚み、第3の光反応性硬化樹脂の第3の一定な厚み、および第4の光反応性硬化樹脂の厚みよりも厚いことが効果的である。
また上記第5の態様において、前記透明支持基板は、前記の照射光により劣化しない透明材料からなることが効果的である。
また上記第5の態様において、前記ベース基板の第4のパターンは射出成形により形成されることが効果的である。
また上記第5の態様において、第1、第2、第3及び第4のスタンパは金属からなることが効果的である。
上記第6の形態において、第3の情報記録層が形成された第4のパターン形成面と第3の透明支持基板を対向させ、第2の透明支持基板と第3の透明支持基板とを貼り合せる工程は、次の工程からなることが効果的である。第4のパターン形成面側または第3の透明支持基板のいずれかに第4の光反応性硬化樹脂を塗布する工程。第4のパターン形成面側と第3の透明支持基板とを対向させ第4の光反応性硬化樹脂を介して第2の透明支持基板と第3の透明支持基板とを重ね合わせ、第3の透明基板方向から光を照射して第4の光反応性硬化樹脂を硬化して貼り合わせる工程。
また上記第6の形態において、第1の光反応性硬化性樹脂の厚みは、第2の光反応性硬化性樹脂の厚み、第3の光硬化性樹脂の厚み、および第5の光反応性硬化性樹脂の厚みよりも厚いことが効果的である。
また上記第6の形態において、第1の透明支持基板は、前記の照射光により劣化しない透明材料からなることが効果的である。
また上記第6の形態において、第2の透明支持基板の第3のパターンは射出成形により形成されることが効果的である。
また上記第6の形態において、第3の透明支持基板として、先に行われた製造プロセスにおいて光照射された使用済の前記第2の透明支持基板を再使用することが効果的である。
また上記第6の形態において、前記第1、第2及び第3のスタンパは金属からなることが効果的である。
上記第1、第2、第3及び第4の態様において、第1の樹脂層の樹脂のガラス転移点が70℃から200℃の範囲にあり、第2の樹脂層の樹脂のガラス転移点が25℃から150℃の範囲にあることが効果的である。第2の樹脂層の樹脂のガラス転移点は、25℃から100℃の範囲にあることがより効果的である。
また上記第2及び第4の態様において、樹脂保護層を有する場合は、第1の樹脂層の樹脂のガラス転移点が前記樹脂保護層の樹脂のガラス転移点より高いことが効果的である。前記樹脂保護層の樹脂のガラス転移点は、25℃から150℃の範囲にあることが効果的であり、25℃から100℃の範囲にあることがより効果的である。
上記第5の態様において、第1、第2及び第3の光反応性硬化樹脂のガラス転移点が70℃から200℃の範囲にあり、第4の光反応性硬化樹脂のガラス転移点が25℃から150℃の範囲にあることが効果的である。第4の光反応性硬化樹脂のガラス転移点は、25℃から100℃の範囲にあることがより効果的である。
上記第6の態様において、第1、第2及び第3の光反応性硬化樹脂のガラス転移点が70℃から200℃の範囲にあり、第4及び第5の光反応性硬化樹脂のガラス転移点が25℃から150℃の範囲にあることが効果的である。第4及び第5の光反応性硬化樹脂のガラス転移点は、25℃から100℃の範囲にあることがより効果的である。
以上の各態様において、前記樹脂及び光反応性硬化樹脂の弾性率が23℃において、0.5MP〜2.5GPaの範囲にあることが効果的であり、1MPa〜2GPaの範囲にあることがより効果的である。
ガラス転移点の測定は、JIS規格のK7121(プラスチックの転移温度測定方法)に従って示差走査熱量測定(DSC)あるいは示差熱分析(DTA)により測定することができる。また、JIS規格のK7244(プラスチックの動的機械特性の試験方法)によってもガラス転移点を測定することができる。弾性率は、上記JIS規格のK7244により測定できる。
上記の光反応性硬化樹脂は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリレート樹脂、シリコーン樹脂などの公知の樹脂及び2p(Photopolymer)樹脂として知られる公知の樹脂から適宜選択して用いることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
〔実施形態1〕
本発明における2層型の光記録媒体の製造方法の第1実施形態について、図1A及び図1Bを用いて説明する。図1A及び図1Bに示す製造方法より得られる光記録媒体は2つの情報記録層(L0層、L1層)を有する。図1A及び図1Bは、中心孔を有する回転対称なディスク状の断面図の片側半分を示すものであり、基板やスタンパの中心孔は省略されている。
図1A(1)において、ガラス基板(透明支持基板)1上に、L1層記録膜上に設けられるカバーシートを形成するためのカバーシート(樹脂保護層)用の光反応性硬化樹脂(以後「2p樹脂」と表す)2が塗布される。典型的には、ガラス基板1は厚さ1mm、直径120mm、中心孔径15mmである。カバーシート用2p樹脂2は、中心孔(図示しない)を有するガラス基板1の内周側に円環状に滴下され、ガラス基板を回転させて振り切り、均一の厚み(第1の一定な厚み)とした。この樹脂の厚みは例えば75μmである。このカバーシート用2p樹脂にはエポキシアクリレート系2p樹脂を用い、その硬化後のガラス転移点は80℃であり、弾性率は23℃において1.0GPaであった。
図1A(2)において、カバーシート用2p樹脂2上に、L1層の情報パターン(第1のパターン)13が予め形成された金属製のスタンパA(第1のスタンパ)3が中心孔(図示せず)を用いてガラス基板1と位置合わせされ、重ね合わされる。その後、UV光源5から紫外線がガラス基板1越しに照射され、カバーシート用2p樹脂2が硬化される。カバーシート用2p樹脂2は、スタンパA3に塗布されてから、ガラス基板1上に重ね合わされても良い。カバーシート用2p樹脂2は単層としたが、物理的な保護や透湿性を向上及び膜厚調整や硬化収縮によるTILT調整を行うために、後工程でのガラス基板剥離後に樹脂層あるいは無機材料を含有した樹脂層が形成される場合もある。
図1A(3)において、カバーシート用2p樹脂2が硬化後、スタンパA3が剥離され、ガラス基板上にはL1層の情報パターン13(ピットや案内溝)が形成される。剥離された金属製のスタンパAは、UV光束を照射しても劣化することはなく、繰り返し使用することが可能である。なお、ガラス転移点の高い2p樹脂を用いることで、金属スタンパとの剥離性は良好であった。ガラス基板にプラズマやUVオゾン、シランカップリング剤塗布などの公知の表面処理を行って、ガラス基板と2p樹脂の密着性を向上させることができる。また、金属スタンパにフッ素やシリコーンコートなどの公知の表面処理を行い、剥離性を向上させたることができる。さらに、2p樹脂にシランカップリング剤を含有させてガラス基板側のみの密着性を向上させて前記スタンパの剥離性を補助させることもできる。しかし、前記公知の表面処理技術だけでは、後工程でのガラス基板の剥離性や、スタンパの情報パターンの転写性、記録膜と2p樹脂の密着性の点で問題が発生する。本発明では、前記2p樹脂と後工程で用いる2p樹脂のガラス転移点により弾性率を調整することで、前記問題を解決したものである。
図1A(4)において、L1層の情報パターン13上にL1層記録膜14が成膜される。L1層記録膜14は、半透明膜で構成される。L1層の構成については、図2を用いて後で詳述する。
図1B(5)において、PC基板(ベース基板)15は、射出成形用スタンパ(第2のスタンパ)21を用いて射出成形されたポリカーボネート(PC)製の基板である。この基板上にはL0層の情報パターン(第2のパターン)16(ピットや案内溝)が形成されている。典型的には、PC基板15は厚さ1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmである。
図1B(6)において、L0層の情報パターン16上にL0層記録膜17が成膜される。L0層記録膜17は典型的には、光を透過しない反射膜か、反射膜を含んで構成される。L0層の構成については、図2を用いて後で詳述する。
図1B(7)において、L0層記録膜17とこのL0層記録膜17上に設けられるL1層との間の中間層1を形成するための中間層1用2p樹脂7がL0層の上に塗布される。中間層1用2p樹脂7は、中心孔(図示しない)を有するPC基板15の内周側に円環状に滴下され、PC基板を回転させて振り切り、均一の厚み(第2の一定な厚み)とした。この樹脂の厚みは例えば25μmである。この中間層1用2p樹脂には、ウレタンアクリレート系2p樹脂を用い、その硬化後のガラス転移点は25℃であり、弾性率は23℃において1.0MPaであった。
図1B(8)において、中間層1用2p樹脂7上に、図1A(4)に示す工程後の積層体がガラス基板1の中心孔(図示せず)を用いて位置合わせされ、重ね合わされる。その後、UV光源5から紫外線がガラス基板1越しに照射され、中間層1用2p樹脂7が硬化される。この時、L1層記録膜14はUV光束の波長において、半透明である必要があり、望ましくは透過率が20%以上である。また、L1層記録膜14の透過率が50%以上となるように、UV光源の代わりに可視光源を用い、可視光束の波長において、硬化する樹脂を選択すると硬化時間の短縮を図ることができる。中間層1用2p樹脂7は、L1層記録膜14上に塗布されてから、PC基板15上のL0層記録膜17と重ね合わされても良い。
図1B(9)において、中間層1用2p樹脂7が硬化後、ガラス基板1が剥離され、本発明における2層型の光記録媒体が完成する。
次に、図2を用いて、L0層記録膜17とL1層記録膜14の構成について詳述する。図2は完成した本発明の2層型の光記録媒体の断面図である。PC基板15上に、PC基板側から記録膜であるL0層17とL1層14が中間層7を介して配置され、カバー層2がL1層上を覆っている。記録再生のための光束は矢印23の方向から光記録媒体に入射する。
記録膜であるL0層17とL1層14は、記録型のものを例に説明する。それぞれの記録膜は、追記型でも書き換え型でも良いし、それらの組み合わせでも良い。
図1A(4)に示す工程において形成された、L1層の情報パターン13上のL1層記録膜14は、図2に示すように以下の手順で成膜される。まず、案内溝やピットで形成されたL1層の情報パターン13上に、L1誘電体層34が成膜され、必要に応じてL1界面層33、L1記録層32、必要に応じてL1界面層31、L1反射層30、必要に応じてL1高屈折率層29が順次成膜される。すなわち、情報パターン上に、誘電体層−記録層−反射層の順番で成膜される。
一方、図1B(6)に示す工程において形成された、L0層の情報パターン16上のL0層記録膜17は、図2に示すように以下の手順で成膜される。まず、案内溝やピットで形成されたL0層の情報パターン16上に、L0反射層24が成膜され、必要に応じてL0界面層25、L0記録層26、必要に応じてL0界面層27、L0誘電体層28が順次成膜される。すなわち、情報パターン上に、L1層とは逆順に反射層−記録層−誘電体層の順番で成膜される。
従来例の2層型の光記録媒体においては、いずれの層も反射層−記録層−誘電体層の順番で成膜されていた。
本発明の光記録媒体の製造方法を採用することにより、コスト高の要因であった再利用が困難な透明スタンパを使用することなく、安価な2層型の光記録媒体を製造することが可能となった。
また、カバーシート樹脂のガラス転移点を中間層樹脂のガラス転移点よりも高くすることで、スタンパの情報パターンの転写性を維持しつつ、ガラス基板を容易に剥離することが可能になった。すなわち、中間層用2p樹脂のガラス転移点が低いため、PC基板とL0層記録膜と中間層が強固に形成され、また中間層とL1記録膜とカバーシート樹脂が強固に形成されることになる。結果、ガラス転移点の高いカバーシート層に密着しているガラスのみを容易に剥離することができる。また、前記カバーシート樹脂の硬化収縮に伴い応力が発生するものの、中間層の硬化に伴い発生する応力が小さく、かつ基板に強固に密着されるため、温度湿度変化や落下衝撃などによるTILTの発生や樹脂層の剥がれが発生しなかった。
〔実施形態2〕
本発明における2層型の光記録媒体の製造方法の第2実施形態について、図3A、図3B及び図3Cを用いて説明する。図3A、図3B及び図3Cに示す製造方法より得られる光記録媒体は2つの情報記録層(L0層、L1層)を有する。図3A、図3B及び図3Cは図1A及び図1Bと同様に中心孔を有する回転対称なディスク状の断面図の片側半分を示すものであり、基板やスタンパの中心孔は省略されている。また、図1A及び図1Bと同様の部材には同様の符号を用いている。
図3A(1)において、ポリカーボネート(PC)製の透明スタンパ(透明支持基板)19は、射出成形用スタンパB22を用いて射出成形された透明なスタンパである。この透明スタンパ19上にはL1層の情報パターン(第1のパターン)13(ピットや案内溝)が形成されている。典型的には、透明スタンパ19は厚さ1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmである。
図3A(2)において、L0層とL1層との間の中間層1を形成するための中間層1用2p樹脂(光反応性硬化樹脂)7が塗布される。中間層1用2p樹脂7は、中心孔(図示しない)を有する透明スタンパ19の内周側に円環状に滴下され、透明スタンパを回転させて振り切り、均一の厚み(第1の一定な厚み)とした。この樹脂の厚みは例えば25μmである。この中間層1用2p樹脂には、エポキシアクリレート系2p樹脂を用い、その硬化後のガラス転移点は200℃であり、弾性率は23℃において2.0GPaであった。
図3A(3)において、中間層1用2p樹脂7上に、L0層の情報パターン(第2のパターン)16が予め形成された金属製のスタンパA’(金属スタンパ)3が中心孔(図示せず)を用いて透明スタンパ19と位置合わせされ、重ね合わされる。その後、UV光源5から紫外線が透明スタンパ19越しに照射され、中間層1用2p樹脂7が硬化される。中間層1用2p樹脂7は、金属スタンパA’3に塗布されてから、透明スタンパ19上に重ね合わされても良い。
図3A(4)において、中間層1用2p樹脂7が硬化後、金属スタンパA’3が剥離され、透明スタンパ19上にはL0層の情報パターン16が形成される。剥離された金属スタンパA’3は、UV光束を照射しても劣化することはなく、繰り返し使用することが可能である。
図3B(5)において、L0層の情報パターン16上にL0層記録膜17が成膜される。L0層記録膜17は典型的には、光を透過しない反射膜か反射膜を含んで構成される。L0層の構成は、実施形態1の図2で示したものと同様であるが、L0層記録膜を構成する各層の成膜の順番は図2で示したものと逆順となる。
図3B(6)において、L0層とPC基板を接着するためのPC基板接着用2p樹脂20が塗布される。PC基板接着用2p樹脂20は、中心孔(図示しない)を有する透明スタンパ19の内周側に円環状に滴下され、透明スタンパを回転させて振り切り、均一の厚みとした。樹脂厚は例えば10〜20μmであるが、一定厚みでありさえすれば良い。PC基板接着用2p樹脂20は転写性を考慮する必要がなく、剥離性と厚み精度を満足すれば良い。このPC基板接着用2p樹脂には、ウレタンアクリレート系2p樹脂を用い、その硬化後のガラス転移点は、60℃であり、弾性率は23℃において10.0MPaであった。
図3B(7)において、中間層1用2p樹脂7、L0層記録膜17及び接着用2p樹脂20が形成された透明スタンパ19上に、PC基板(ベース透明基板)15が中心孔(図示せず)を用いて位置合わせされ、重ね合わされる。その後、UV光源5から紫外線がPC基板15越しに照射され、PC基板接着用2p樹脂20が硬化される。PC基板15は厚さ1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmである。このPC基板15は、使用済の透明スタンパ19を流用することが可能である。UV照射により透過率などの光学特性が多少劣化していても、記録再生のための光束はPC基板15を通過することはないので、問題はない。これにより、使用済の透明スタンパ19を廃棄することがないので、コストダウンが可能となる。
図3B(8)において、PC基板接着用2p樹脂20が硬化後、透明スタンパ19が剥離され、PC基板15上にはL1層の情報パターン(第1のパターン)13が形成される。剥離された透明スタンパ19は、図3B(7)を用いて説明したように、次に製造する多層光記録媒体の基板として使用することが可能である。
図3C(9)において、L1層の情報パターン13上にL1層記録膜14が成膜される。L1層記録膜14は、半透明膜で構成される。L1層の構成は、実施形態1の図2で示したものと同様であるが、L1層記録膜を構成する各層の成膜の順番は図2で示したものと逆順となる。
図3C(10)において、L1層記録膜14上に設けられるカバーシート(樹脂保護層)を形成するためのカバーシート用2p樹脂2が同様に塗布される。カバーシート用2p樹脂2は、中心孔(図示しない)を有するPC基板15の内周側に円環状に滴下され、PC基板を回転させて振り切り、均一の厚み(第2の一定な厚み)とした。この樹脂の厚みは例えば75μmである。このカバーシート用2p樹脂には、ウレタンアクリレート系2p樹脂を用い、その硬化後のガラス転移点は60℃であり、弾性率は23℃において10.0MPaであった。実施形態1と同様に、このカバーシート上に樹脂層及び無機材料を含む樹脂層を形成することもでき、カバーシートと樹脂及び無機材料を含む樹脂層の厚さを75μmに各層を調整することもできる。
図3C(11)において、カバーシート用2p樹脂2が硬化し、本発明における2層構成の光記録媒体が完成する。
L0層の記録膜17及びL1層の記録膜14は、記録型のものを例に説明する。それぞれの記録膜は、追記型でも書き換え型でも良いし、それらの組み合わせでも良い。
図3B(5)を用いて説明したように、L0層の情報パターン16上にL0層記録膜17が以下の手順で成膜される。まず、案内溝やピットで形成されたL0層の情報パターン16上に、L0誘電体層28が成膜され、必要に応じてL0界面層27、L0記録層26、必要に応じてL0界面層25、L0反射層23が順次成膜される。すなわち、情報パターン上に、誘電体層−記録層−反射層の順番で成膜がなされる。
一方、図3C(9)を用いて説明したように、L1層の情報パターン13上にL1層記録膜14が以下の手順で成膜される。まず、案内溝やピットで形成されたL1層の情報パターン13上に、必要に応じてL1高屈折率層29、L1反射層30が成膜され、必要に応じてL1界面層31、L1記録層32、必要に応じてL1界面層33、L1誘電体層34が順次成膜される。すなわち、情報パターン上に、L0層とは逆順に反射層−記録層−誘電体層の順番で成膜がなされる。
従来例の2層型の光記録媒体においては、いずれの層も反射層−記録層−誘電体層の順番で成膜されていた。
本発明の光記録媒体の製造方法を採用することにより、コスト高の要因であった再利用が困難な透明スタンパを基板として流用して、安価な2層型の光記録媒体を製造することが可能となった。
また、L0層パターン及びL1層パターンを形成する樹脂層7のガラス転移点を高くすることでスタンパの剥製性が向上した。これは、ガラス転移点が高い程剛性率が高まり、その結果、硬化収縮に伴い発生する応力が蓄積されて、スタンパの剥離性に寄与しているものと考えられる。また、前記のL0層パターンとL1層パターンを形成する樹脂層7の膜厚は25μm程度であり、その他に形成される樹脂層の応力が低いと考えられるため、TILTの悪化や各樹脂層の剥がれなどの問題は発生しなかった。さらに、情報パターンが転写される樹脂層7のガラス転移点が高いため、記録膜成膜において温度が上昇しても情報パターン形状の変形が発生しないため、高いパワーで短時間成膜を行うことが可能になり、生産性を向上することができた。
〔実施形態3〕
本発明における4層型の光記録媒体の製造方法の第1実施形態について、図4A、図4B、図4C及び図4Dを用いて説明する。図4A、図4B、図4C及び図4Dに示す製造方法より得られる光記録媒体は4つの情報記録層(L0、L1、L2およびL3層)を有する。図4A、図4B、図4C及び図4Dは中心孔を有する回転対称なディスク状の断面図の片側半分を示すものであり、基板やスタンパの中心孔は省略されている。また、図1A及び図1Bと同様の部材には同様の符号を用いている。
図4A(1)において、ガラス基板(透明支持基板)1上に、L3層記録膜上に設けられるカバーシート(樹脂保護層)を形成するためのカバーシート用2p樹脂(光反応性硬化樹脂)2が塗布される。典型的には、ガラス基板1は厚さ1mm、直径120mm、中心孔径15mmである。カバーシート用2p樹脂2は、中心孔(図示しない)を有するガラス基板1の内周側に円環状に滴下され、ガラス基板を回転させて振り切り、均一の厚み(第1の一定な厚み)とした。この樹脂の厚みは例えば70μmである。このカバーシート用2p樹脂にはエポキシアクリレート系2p樹脂を用い、その硬化後のガラス転移点は70℃であり、弾性率は23℃において500MPaであった。
図4A(2)において、カバーシート用2p樹脂2上に、L3層の情報パターン(第1のパターン)が予め形成された金属製のスタンパA(第1のスタンパ)3が中心孔(図示せず)を用いてガラス基板1と位置合わせされ、重ね合わされる。その後、UV光源5から紫外線がガラス基板1越しに照射され、カバーシート用2p樹脂2が硬化される。カバーシート用2p樹脂2は、スタンパA3に塗布されてから、ガラス基板1上に重ね合わされても良い。簡単のため、カバーシート用2p樹脂2は単層としたが、実施形態1と同様に、後工程でガラス基板を剥離後に樹脂層あるいは無機材料を含有した樹脂層がカバーシート用2p樹脂上に形成される場合もある。
図4A(3)において、カバーシート用2p樹脂2が硬化後、スタンパA3が剥離され、ガラス基板上にはL3層の情報パターン4(ピットや案内溝)が形成される。剥離された金属製のスタンパAは、UV光束を照射しても劣化することはなく、繰り返し使用することが可能である。
図4A(4)において、L3層の情報パターン4上にL3層記録膜6が成膜される。L3層記録膜6は、半透明膜で構成される。
図4B(5)において、L3層記録膜6上に、L3層とこのL3層の上に設けられるL2層との間の中間層1を形成するための中間層1用2p樹脂7が塗布される。中間層1用2p樹脂7は、中心孔(図示しない)を有するガラス基板1の内周側に円環状に滴下され、ガラス基板を回転させて振り切り、均一の厚み(第2の一定な厚み)とした。この樹脂の厚みは例えば10μmである。この中間層1用2p樹脂には、エポキシアクリレート系2p樹脂を用い、その硬化後のガラス転移点は120℃であり、弾性率は1.2GPaであった。
図4B(6)において、中間層1用2p樹脂7上に、L2層の情報パターン(第2のパターン)が予め形成された金属製のスタンパB(第2のスタンパ)8が中心孔(図示せず)を用いてガラス基板1と位置合わせされ、重ね合わされる。その後、UV光源5から紫外線がガラス基板1越しに照射され、中間層1用2p樹脂7が硬化される。中間層1用2p樹脂7は、スタンパB8に塗布されてから、ガラス基板1上に重ね合わされても良い。
図4B(7)において、中間層1用2p樹脂7が硬化後、スタンパB8が剥離され、L3層記録膜6上の樹脂層にはL2層の情報パターン9(ピットや案内溝)が形成される。剥離された金属製のスタンパB8は、UV光束を照射しても劣化することはなく、繰り返し使用することが可能である。
図4B(8)において、L2層の情報パターン9上にL2層記録膜10が成膜される。L2層記録膜10は、半透明膜で構成される。
図4C(9)において、L2層記録膜10上に、L2層とこのL2層の上に設けられるL1層との間の中間層2を形成するための中間層2用2p樹脂11が塗布される。中間層2用2p樹脂11は、中心孔(図示しない)を有するガラス基板1の内周側に円環状に滴下され、ガラス基板を回転させて振り切り、均一の厚み(第3の一定な厚み)とした。樹脂厚は例えば15μmである。この中間層2用2p樹脂には、エポキシアクリレート系2p樹脂を用い、その硬化後のガラス転移点は140℃であり、弾性率は1.5GPaであった。
図4C(10)において、中間層2用2p樹脂11上に、L1層の情報パターン(第3のパターン)が予め形成された金属製のスタンパC(第3のスタンパ)12が中心孔(図示せず)を用いてガラス基板1と位置合わせされ、重ね合わされる。その後、UV光源5から紫外線がガラス基板1越しに照射され、中間層2用2p樹脂11が硬化される。中間層2用2p樹脂11は、スタンパC12に塗布されてから、ガラス基板1上に重ね合わされても良い。
図4C(11)において、中間層2用2p樹脂11が硬化後、スタンパC12が剥離され、L2層記録膜10上の樹脂層にはL1層の情報パターン13(ピットや案内溝)が形成される。剥離された金属製のスタンパCは、UV光束を照射しても劣化することはなく、繰り返し使用することが可能である。
図4C(12)において、L1層の情報パターン13上にL1層記録膜14が成膜される。L1層記録膜14は、半透明膜で構成される。
図4D(13)において、PC基板(ベース透明基板)15は、射出成形用スタンパ(第4のスタンパ)21を用いて射出成形されたポリカーボネート(PC)製の基板である。この基板上にはL0層の情報パターン(第4のパターン)16(ピットや案内溝)が形成されている。典型的には、PC基板15は厚さ1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmである。
図4D(14)において、L0層の情報パターン16上にL0層記録膜17が成膜される。L0層記録膜17は典型的には、光を透過しない反射膜か、反射膜を含んで構成される。
図4D(15)において、L0層記録膜17上に、L0層とこのL0層の上に形成されるL1層との間の中間層3を形成するための中間層3用2p樹脂18が塗布される。中間層3用2p樹脂18は、中心孔(図示しない)を有するPC基板15の内周側に円環状に滴下され、PC基板を回転させて振り切り、均一の厚み(第4の一定な厚み)とした。この樹脂の厚みは例えば10μmである。この中間層3用2p樹脂には、ウレタンアクリレート系2p樹脂を用い、その硬化後のガラス転移点は30℃で、弾性率は23℃において1.0MPaであった。
図4D(16)において、中間層3用2p樹脂18上に、図4C(12)に示す工程後の積層体がガラス基板1の中心孔(図示せず)を用いて位置合わせされ、重ね合わされる。その後、UV光源5から紫外線がガラス基板1越しに照射され、中間層3用2p樹脂18が硬化される。この時、L1層記録膜14、L2層記録膜10及びL3層記録膜6はUV光束の波長において半透明である必要があり、望ましくは積算された透過率が20%以上である。また、L1層記録膜14、L2層記録膜10及びL3層記録膜6の積算された透過率が50%以上となるように、UV光源の代わりに可視光源を用い、可視光束の波長において硬化する樹脂を選択すると硬化時間の短縮を図ることができる。中間層3用2p樹脂18は、L1層記録膜14上に塗布されてから、PC基板15上のL0層記録膜17と重ね合わされても良い。
図4D(17)において、中間層3用2p樹脂18が硬化後、ガラス基板1が剥離され、本発明における4層構成の光記録媒体が完成する。
図4D(17)には、完成した本実施形態の4層型の光記録媒体の断面図が示されている。PC基板15上に、PC基板側から4層の記録層L0(17)、L1(14)、L2(10)、L3(6)がそれぞれL0層とL1層の間に中間層3(18)、L1層とL2層の間に中間層2(11)、L2層とL3層の間に中間層1(7)を介して配置されている。そして、カバー層2がL3層上を覆っている。記録再生のための光束はカバー層2の方向から媒体に入射する。
図4A(4)、図4B(8)及び図4C(12)において説明したように、L1〜L3層の情報パターン上にそれぞれL1〜L3層記録膜14、10、6が以下の手順で成膜される。まず、案内溝やピットで形成されたL1〜L3層の情報パターン13、9、4上に、誘電体層が成膜され、必要に応じて界面層、記録層、必要に応じて界面層、反射層、必要に応じて高屈折率層が順次成膜される。すなわち、情報パターン上に、誘電体層−記録層−反射層の順番で成膜がなされる。
一方、図4D(14)において説明したように、L0層の情報パターン16上にL0層記録膜17が以下の手順で成膜される。まず、案内溝やピットで形成されたL0層の情報パターン16上に、反射層が成膜され、必要に応じて界面層、記録層、必要に応じて界面層、誘電体層が順次成膜される。すなわち、情報パターン上に、L1〜L3層とは逆順に反射層−記録層−誘電体層の順番で成膜がなされる。
本発明の光記録媒体の製造方法を採用することにより、コスト高の要因であった再利用が困難な透明スタンパを使用することなく、安価な4層型の光記録媒体を製造することが可能となった。
2p樹脂のガラス転移点Tgは、[中間層2用2p樹脂のTg3]≧[中間層1用2p樹脂のTg2]>[カバーシート用2p樹脂のTg1]>[中間層3用2p樹脂のTg4]の関係にある。
Tg2>Tg1により、中間層1用2p樹脂7からスタンパB8を剥離する際、ガラス基板1とカバーシート用2p樹脂2の接着性が高く、相対的に中間層1用2p樹脂7とスタンパB8の界面における接着力が弱い。また、基板の内周部及び外周部の記録膜が形成されない領域で中間層1用2p樹脂7とカバーシート用2p樹脂2が強固に接着される。結果、スタンパBを容易に剥離することができた。
中間層2用樹脂11からスタンパC12を剥離する場合は、Tg3≧Tg2>Tg1により、ガラス基板1から中間層2用2p樹脂11までの積層構造が強固に形成され、相対的に中間層2用2p樹脂11とスタンパC12の界面における接着力が弱い。結果、スタンパC12を容易に剥離できた。
ガラス基板1の剥離においては、Tg1>Tg4により、樹脂中間層3用2p樹脂18とPC基板15との接着力が最も強くなり、相対的にカバーシート用2p樹脂2とガラス基板1の界面における接着力が弱い。結果、ガラス基板1を剥離することが可能となった。
本実施形態の製造方法により製造された4層型の光記録媒体は、温度湿度変化や落下衝撃などがあっても、TILTの悪化が抑制されると共に、各樹脂層が剥がれるなどの問題は発生せず、信頼性の高い光記録媒体が得られた。
〔実施形態4〕
本発明における4層型の光記録媒体の製造方法の第2実施形態について、図5A、図5B、図5C、図5D及び図5Eを用いて説明する。図5A、図5B、図5C、図5D及び図5Eに示す製造方法により得られる光記録媒体は4つの情報記録層(L0、L1、L2およびL3層)を有する。図5A、図5B、図5C、図5D及び図5Eは中心孔を有する回転対称なディスク状の断面図の片側半分を示すものであり、基板やスタンパの中心孔は省略されている。また、図1A及び図1Bと同様の部材には同様の符号を用いている。
図5A(1)において、ガラス基板(第1の透明支持基板)上1に、L3層記録膜上に設けられるカバーシート(樹脂保護層)を形成するためのカバーシート用2p(光反応性硬化樹脂)樹脂2が塗布される。典型的には、ガラス基板1は厚さ1mm、直径120mm、中心孔径15mmである。カバーシート用2p樹脂2は、中心孔(図示しない)を有するガラス基板1の内周側に円環状に滴下され、ガラス基板を回転させて振り切り、均一の厚み(第1の一定な厚み)とした。この樹脂の厚みは例えば70μmである。このカバーシート用2p樹脂には、エポキシアクリレート系2p樹脂を用い、その硬化後のガラス転移点は80℃であり、弾性率は23℃において1.0GPaであった。
図5A(2)において、カバーシート用2p樹脂2上に、L3層の情報パターン(第1のパターン)が予め形成された金属製のスタンパA(第1のスタンパ)3が中心孔(図示せず)を用いてガラス基板1と位置合わせされ、重ね合わされる。その後、UV光源5から紫外線がガラス基板1越しに照射され、カバーシート用2p樹脂2が硬化される。カバーシート用2p樹脂2は、スタンパA3に塗布されてから、ガラス基板1上に重ね合わされても良い。
図5A(3)において、カバーシート用2p樹脂2が硬化後、スタンパA3が剥離され、ガラス基板上にはL3層の情報パターン4(ピットや案内溝)が形成される。剥離された金属製のスタンパAは、UV光束を照射しても劣化することはなく、繰り返し使用することが可能である。
図5A(4)において、L3層の情報パターン4上にL3層記録膜6が成膜される。L3層記録膜6は、半透明膜で構成される。
図5B(5)において、L3層記録膜6上に、L3層とこのL3層の上に設けられるL2層との間の中間層1を形成するための中間層1用2p樹脂7が塗布される。中間層1用2p樹脂7は、中心孔(図示しない)を有するガラス基板1の内周側に円環状に滴下され、ガラス基板を回転させて振り切り、均一の厚み(第2の一定な厚み)とした。この樹脂の厚みは例えば10μmである。この中間層1用2p樹脂にはエポキシアクリレート系2p樹脂を用い、その硬化後のガラス転移点は180℃であり、弾性率は23℃において1.9GPaであった。
図5B(6)において、中間層1用2p樹脂7上に、L2層の情報パターン(第2のパターン)が予め形成された金属製のスタンパB(第2のスタンパ)8が中心孔(図示せず)を用いてガラス基板1と位置合わせされ、重ね合わされる。その後、UV光源5から紫外線がガラス基板1越しに照射され、中間層1用2p樹脂7が硬化される。中間層1用2p樹脂7は、スタンパB8に塗布されてから、ガラス基板1上に重ね合わされても良い。
図5B(7)において、中間層1用2p樹脂7が硬化後、スタンパB8が剥離され、L3層記録膜6上の樹脂層にはL2層の情報パターン9(ピットや案内溝)が形成される。剥離された金属製のスタンパB8は、UV光束を照射しても劣化することはなく、繰り返し使用することが可能である。
図5B(8)において、L2層の情報パターン9上にL2層記録膜10が成膜される。L2層記録膜10は、半透明膜で構成される。
図5C(9)において、ポリカーボネート(PC)製の透明スタンパ(第2の透明支持基板)19は、射出成形用スタンパ22を用いて射出成形されたものである。この透明スタンパ19上には、L1層の情報パターン(第3のパターン)13(ピットや案内溝)が形成されている。典型的には、透明スタンパ19は厚さ1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmである。
図5C(10)において、L0層とL1層との間の中間層3を形成するための中間層3用2p樹脂18が塗布される。中間層3用2p樹脂18は、中心孔(図示しない)を有する透明スタンパ19の内周側に円環状に滴下され、透明スタンパを回転させて振り切り、均一の厚み(第3の一定な厚み)とした。この樹脂の厚みは例えば10μmである。この中間層3用2p樹脂にはエポキシアクリレート系2p樹脂を用い、その硬化後のガラス転移点は170℃であり、弾性率は23℃で1.8GPaであった。
図5C(11)において、中間層3用2p樹脂18上に、L0層の情報パターン(第4のパターン)16が予め形成された金属製のスタンパC(第3のスタンパ)12が中心孔(図示せず)を用いて透明スタンパ19と位置合わせされ、重ね合わされる。その後、UV光源5から紫外線が透明スタンパ19越しに照射され、中間層3用2p樹脂18が硬化される。中間層3用2p樹脂18は、スタンパC12に塗布されてから、透明スタンパ19上に重ね合わされても良い。
図5C(12)において、中間層3用2p樹脂18が硬化後、スタンパC12が剥離され、透明スタンパ上の樹脂層にはL0層の情報パターン16が形成される。剥離された金属製のスタンパC12は、UV光束を照射しても劣化することはなく、繰り返し使用することが可能である。
図5C(13)において、L0層の情報パターン16上にL0層記録膜17が成膜される。L0層記録膜17は典型的には、光を透過しない反射膜か、反射膜を含んで構成される。
図5D(14)において、L0層とPC基板(透明基板)を接着するためのPC基板接着用2p樹脂20が塗布される。PC基板接着用2p樹脂20は、中心孔(図示しない)を有する透明スタンパ19の内周側に円環状に滴下され、透明スタンパを回転させて振り切り、均一の厚みとした。樹脂厚は例えば10〜20μmであるが、一定厚みでありさえすれば良い。PC基板接着用2p樹脂20は転写性を考慮する必要がなく、剥離性と厚み精度を満足すれば良い。このPC基板接着用2p樹脂には、ウレタンアクリレート系2p樹脂を用い、その硬化後のガラス転移点は35℃であり、弾性率は23℃で20MPaであった。
図5D(15)において、中間層3用2p樹脂18、L0層記録膜17及び接着用2p樹脂20が形成された透明スタンパ19上に、PC基板15が中心孔(図示せず)を用いて位置合わせされ、重ね合わされる。その後、UV光源5から紫外線がPC基板15越しに照射され、PC基板接着用2p樹脂20が硬化される。PC基板15は厚さ1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmである。このPC基板15は、使用済の透明スタンパ19を流用することが可能である。UV照射により透過率などの光学特性が多少劣化していても、記録再生のための光束はPC基板15を通過することはないので、問題はない。これにより、使用済の透明スタンパ19を廃棄することがないので、コストダウンが可能となる。
図5D(16)において、PC基板接着用2p樹脂20が硬化後、透明スタンパ19が剥離され、PC基板15上にはL1層の情報パターン13が形成される。剥離された透明スタンパ19は、図5D(15)において説明したように、次に製造する多層光記録媒体の基板として使用することが可能である。
図5D(17)において、L1層の情報パターン13上にL1層記録膜14が成膜される。L1層記録膜14は、半透明膜で構成される。
図5E(18)において、L1層記録膜14上に設けられる中間層2を形成するための中間層2用2p樹脂11が塗布される。中間層2用2p樹脂11は、中心孔(図示しない)を有するPC基板15の内周側に円環状に滴下され、PC基板を回転させて振り切り、均一の厚み(第4の一定な厚み)とした。この樹脂の厚みは例えば15μmである。この中間層2用2p樹脂はウレタンアクリレート系2p樹脂を用い、その硬化後のガラス転移点は25℃であり、弾性率は1MPaであった。
図5E(19)において、中間層2用2p樹脂11上に、図5B(8)に示す工程後の積層体がガラス基板1の中心孔(図示せず)を用いて位置合わせされ、重ね合わされる。その後、UV光源5から紫外線がガラス基板1越しに照射され、中間層2用2p樹脂11が硬化される。この時、L3層記録膜6とL2層記録膜10はUV光束の波長において、半透明である必要があり、望ましくは積算された透過率が20%以上である。また、L3層記録膜6とL2層記録膜10の積算された透過率が50%以上となるように、UV光源の代わりに可視光源を用い、可視光束の波長において硬化する樹脂を選択すると硬化時間の短縮を図ることができる。中間層2用2p樹脂11は、L2層記録膜10上に塗布されてから、PC基板15上のL1層記録膜14と重ね合わされても良い。
図5E(20)において、中間層2用2p樹脂11が硬化後、ガラス基板1が剥離され、本発明における4層構成の光記録媒体が完成する。
図5E(20)には、完成した本実施形態の4層型の光記録媒体の断面図が示されている。PC基板15上に、PC基板側から4層の記録層L0(17)、L1(14)、L2(10)、L3(6)がそれぞれL0層とL1層の間に中間層3(18)、L1層とL2層の間に中間層2(11)、L2層とL3層の間に中間層1(7)を介して配置されている。そして、カバー層2がL3層上を覆っている。記録再生のための光束はカバー層2の方向から媒体に入射する。
図5A(4)、図5B(8)及び図5C(13)において説明したように、L3層、L2層およびL0層の情報パターン上にそれぞれの記録膜6、10、17が以下の手順で成膜される。まず、案内溝やピットで形成されたL3、L2およびL0層の情報パターン4、9、16上に、誘電体層、必要に応じて界面層、記録層、必要に応じて界面層、反射層、必要に応じて高屈折率層が順次成膜される。すなわち、情報パターン上に、誘電体層−記録層−反射層の順番で成膜がなされる。
一方、図5D(17)において説明したように、L1層の情報パターン13上にL1層記録膜14が以下の手順で成膜される。まず、案内溝やピットで形成されたL1層の情報パターン13上に、反射層が成膜され、必要に応じて界面層、記録層、必要に応じて界面層、誘電体層が順次成膜される。すなわち、情報パターン上に、L3層、L2層およびL0層とは逆順に反射層−記録層−誘電体層の順番で成膜がなされる。
本発明の光記録媒体の製造方法を採用することで、繰り返し使用可能な金属スタンパを用いることにより、安価な4層構成の光記録媒体を製造することが可能となった。また、コスト高の要因であった再利用が困難な透明スタンパを基板として流用することにより、安価な4層構成の光記録媒体を製造することが可能となった。
中間層用の2p樹脂のガラス転移点Tgは、[中間層1用2p樹脂のTg2]≧[中間層3用2p樹脂のTg3]>[カバーシート用2p樹脂のTg1]>[PC基板接着用2p樹脂のTg4]≧[中間層2用2p樹脂のTg5]の関係を満たす。
本実施形態の構成により、前記実施形態と同様に、スタンパA、スタンパB及びスタンパCは、カバーシート用2p樹脂、中間層1用2p樹脂および中間層3用2p樹脂からそれぞれ容易に剥離できた。同様に、透明スタンパ及びガラス基板においても、中間層3用2p樹脂及びカバーシート用2p樹脂からそれぞれ容易に剥離できた。
Tg2>Tg1により、スタンパB8は中間層1用2p樹脂7から容易に剥離でき、Tg3>Tg4により、透明スタンパ19は中間層3用2p樹脂18から容易に剥離できた。また、Tg1>Tg4により、ガラス基板1はカバーシート用2p樹脂2から容易に剥離できた。したがって、Tg2>Tg1>Tg4、且つ、Tg3>Tg4を満たすことにより、スタンパや基板を容易に剥離することが可能になる。
また、本実施形態では、上記のTgに係る関係に加えて、Tg4≧Tg5を満たすことにより、すなわち、Tg2>Tg1>Tg4≧Tg5、且つ、Tg3>Tg4を満たすことが好ましい。この要件を満たすことにより、本実施形態のように、ガラス転移点の高い中間層用樹脂層と低い中間層用樹脂層が交互に形成されることになる。これにより、樹脂層の応力が緩和されて、温度湿度変化や落下衝撃などがあっても、TILTの悪化や各樹脂層が剥がれるなどの問題は発生せず、長期信頼性の高い光記録媒体が得られる。
本発明によれば、繰り返し使用可能な金属スタンパを用いて、低コストで光記録媒体を製造することが可能となった。また、コスト高の要因であった再利用が困難な透明スタンパを基板として流用することで、安価な光記録媒体を供給することが可能となった。
また本発明によれば、樹脂のガラス転移点及び弾性率に着目して、スタンパに形成されている情報パターンの転写性を維持しつつ、記録膜との密着性と、スタンパの剥離性を両立させることができ、生産性を向上することができた。
さらに本発明によれば、温度湿度変化や落下衝撃などによるTILTの悪化や各樹脂層の剥がれなどの不良を防止でき、長期信頼性の高い光記録媒体を提供することが可能になった。
本発明による2層型の光記録媒体の製造方法の第1実施形態を説明するための工程断面図 本発明による2層型の光記録媒体の製造方法の第1実施形態を説明するための工程断面図 本発明による2層型の光記録媒体の構成を説明するための断面図 本発明による2層型の光記録媒体の製造方法の第2実施形態を説明するための工程断面図 本発明による2層型の光記録媒体の製造方法の第2実施形態を説明するための工程断面図 本発明による2層型の光記録媒体の製造方法の第2実施形態を説明するための工程断面図 本発明による4層型の光記録媒体の製造方法の第1実施形態を説明するための工程断面図 本発明による4層型の光記録媒体の製造方法の第1実施形態を説明するための工程断面図 本発明による4層型の光記録媒体の製造方法の第1実施形態を説明するための工程断面図 本発明による4層型の光記録媒体の製造方法の第1実施形態を説明するための工程断面図 本発明による4層型の光記録媒体の製造方法の第2実施形態を説明するための工程断面図 本発明による4層型の光記録媒体の製造方法の第2実施形態を説明するための工程断面図 本発明による4層型の光記録媒体の製造方法の第2実施形態を説明するための工程断面図 本発明による4層型の光記録媒体の製造方法の第2実施形態を説明するための工程断面図 本発明による4層型の光記録媒体の製造方法の第2実施形態を説明するための工程断面図 4層型の光記録媒体の製造方法の従来例を説明するための工程断面図 4層型の光記録媒体の製造方法の従来例を説明するため工程断面図 4層型の光記録媒体の製造方法の従来例を説明するための工程断面図 4層型の光記録媒体の製造方法の従来例を説明するための工程断面図
符号の説明
1 ガラス基板
2 カバーシート用2p樹脂
3 スタンパA
4 L3層パターン
5 UV光源
6 L3層記録膜
7 中間層1用2p樹脂
8 スタンパB
9 L2層パターン
10 L2層記録膜
11 中間層2用2p樹脂
12 スタンパC
13 L1層パターン
14 L1層記録膜
15 PC基板
16 L0層パターン
17 L0層記録膜
18 中間層3用2p樹脂
19 透明スタンパ
19−1 透明スタンパA
19−2 透明スタンパB
19−3 透明スタンパC
20 PC基板接着用2p樹脂
21 射出成形用スタンパA
22 射出成形用スタンパB
23 光束入射方向
24 L0反射層
25 L0界面層
26 L0記録層
27 L0界面層
28 L0誘電体層
29 L1高屈折率層
30 L1反射層
31 L1界面層
32 L1記録層
33 L1界面層
34 L1誘電体層

Claims (31)

  1. 複数の情報記録トラックを構成するピットまたは案内溝からなるパターンを備えた2層以上の情報記録層を有する多層光記録媒体の製造方法であって、
    支持基板上に、第1のパターンが形成された第1の樹脂層を形成する工程と、
    第1の樹脂層の第1のパターン形成面に第1の情報記録層を形成する工程と、
    ベース基板上の第2のパターン形成面に第2の情報記録層を形成する工程と、
    第1のパターン形成面側と第2のパターン形成面側を対向させ第2の樹脂層を介して前記支持基板と前記ベース基板とを貼り合わせる工程と、
    前記支持基板を剥離する工程を有し、
    第1の情報記録層は、記録光束を透過する半透明層であり、
    第1の樹脂層の樹脂のガラス転移点が第2の樹脂層の樹脂のガラス転移点よりも高い、多層光記録媒体の製造方法。
  2. 複数の情報記録トラックを構成するピットまたは案内溝からなるパターンを備えた2層以上の情報記録層を有する多層光記録媒体の製造方法であって、
    支持基板上に、下面および上面にそれぞれ第1のパターン形成面および第2のパターン形成面を有する第1の樹脂層を形成する工程と、
    第2のパターン形成面に第1の情報記録層を形成する工程と、
    前記支持基板の第2のパターン形成面側とベース基板を対向させ第2の樹脂層を介して貼りあわせる工程と、
    前記支持基板を剥離する工程と、
    第1の樹脂層の第1のパターン形成面に第2の情報記録層を形成する工程を有し、
    第2の情報記録層は、記録光束を透過する半透明層であり、
    第1の樹脂層の樹脂のガラス転移点が第2の樹脂層の樹脂のガラス転移点よりも高い、多層光記録媒体の製造方法。
  3. 第2のパターン形成面に形成された第2の情報記録層上に樹脂保護層を形成する工程を有し、
    第1の樹脂層の樹脂のガラス転移点が、第2の樹脂層の樹脂のガラス転移温度と前記樹脂保護層の樹脂のガラス転移点よりも高い、請求項2に記載の多層光記録媒体の製造方法。
  4. 複数の情報記録トラックを構成するピットまたは案内溝からなるパターンを備えた2層以上の情報記録層を有する多層光記録媒体の製造方法であって、
    透明支持基板上に第1の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
    第1のパターンを第1のスタンパから第1の光反応性硬化樹脂上に転写し、透明支持基板方向から光を照射して第1の光反応性硬化樹脂を硬化する工程と、
    第1のパターン形成面に、第1の情報記録層を形成する工程と、
    ベース基板上に第2のパターンを第2のスタンパから転写して形成する工程と、
    前記ベース基板の第2のパターン形成面に第2の情報記録層を形成する工程と、
    第1のパターン及び第2のパターンのいずれかのパターン形成面側に第2の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
    第1のパターン形成面側と第2のパターン形成面側を対向して第2の光反応性硬化樹脂を介して前記透明支持基板と前記ベース基板とを重ね合わせ、透明支持基板方向から光を照射して第2の光反応性硬化樹脂を硬化して貼り合わせる工程と、
    前記透明支持基板を剥離する工程を有し、
    第1の情報記録層は、記録光束を透過する半透明層であり、
    第1の光反応性硬化樹脂のガラス転移点が第2の光反応性硬化樹脂のガラス転移点よりも高い、多層光記録媒体の製造方法。
  5. 前記透明支持基板上に塗布される第1の光反応性硬化樹脂からなる層の厚みは、第2の光反応性硬化樹脂からなる層の厚みよりも厚い、請求項4記載の多層光記録媒体の製造方法。
  6. 前記透明支持基板は、前記の照射光により劣化しない透明材料からなる、請求項4記載の多層光記録媒体の製造方法。
  7. 前記ベース基板上に第2のパターンを第2のスタンパから転写して形成する工程は、射出成形による、請求項4記載の多層光記録媒体の製造方法。
  8. 前記の第1スタンパおよび第2のスタンパは金属からなる、請求項4記載の多層光記録媒体の製造方法。
  9. 複数の情報記録トラックを構成するピットまたは案内溝からなるパターンを備えた2層以上の情報記録層を有する多層光記録媒体の製造方法であって、
    第1のパターンが形成された透明支持基板上に、第1の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
    第1のパターンが形成された透明支持基板と第2のパターンが形成されたスタンパを、第1のパターン形成面と第2のパターン形成面が対向するように第1の光反応性硬化樹脂を介して重ね合わせ、透明支持基板方向から光を照射して第1の光反応性硬化樹脂を硬化し、第1及び第2のパターンを転写する工程と、
    前記スタンパを剥離する工程と、
    第1の光反応性硬化樹脂の第2のパターン形成面に第1の情報記録層を形成する工程と、
    第2のパターン形成面側とベース透明基板を対向させ第2の光反応性硬化樹脂を介して前記透明支持基板と前記ベース透明基板を貼り合わせる工程と、
    前記透明支持基板を剥離する工程と、
    第1の光反応性硬化樹脂の第1のパターン形成面に第2の情報記録層を形成する工程と、
    第2の情報記録層が形成された第1のパターン形成面に第3の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
    第1のパターン形成面上の第3の光反応性硬化樹脂に光を照射して硬化し、硬化された第3の光反応性硬化樹脂からなる樹脂保護層を形成する工程を有し、
    第2の情報記録層は、記録光束を透過する半透明層であり、
    第1の光反応性硬化樹脂のガラス転移点が、第2の光反応性硬化樹脂のガラス転移点と第3の光反応性硬化樹脂のガラス転移点よりも高い、多層光記録媒体の製造方法。
  10. 前記透明支持基板と前記ベース透明基板を貼り合せる工程は、
    第2のパターン形成面側または前記ベース透明基板側のいずれかに第2の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
    第2のパターン形成面側と前記ベース透明基板を対向させ第2の光反応性硬化樹脂を介して前記透明支持基板と前記ベース透明基板を重ね合わせ、ベース透明基板方向から光を照射して第2の光反応性硬化樹脂を硬化する工程からなる、請求項9記載の多層光記録媒体の製造方法。
  11. 第3の光反応性硬化樹脂からなる層の厚みは、前記透明支持基板上に塗布される第1の光反応性硬化樹脂からなる層の厚みよりも厚い、請求項9記載の多層光記録媒体の製造方法。
  12. 前記透明支持基板の第1のパターンは射出成形により形成される、請求項9記載の多層光記録媒体の製造方法。
  13. 前記ベース基板として、先に行われた製造プロセスにおいて光照射された使用済の前記透明支持基板を再使用する、請求項9記載の多層光記録媒体の製造方法。
  14. 前記スタンパは金属からなる、請求項9記載の多層光記録媒体の製造方法。
  15. 複数の情報記録トラックを構成するピットまたは案内溝からなるパターンを備えた4層以上の情報記録層を有する多層光記録媒体の製造方法であって、
    透明支持基板上に第1の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
    第1のパターンを第1のスタンパから第1の光反応性硬化樹脂上に転写し、透明支持基板方向から光を照射して第1の光反応性硬化樹脂を硬化する工程と、
    第1の光反応性硬化樹脂の第1のパターン形成面に第1の情報記録層を形成する工程と、
    第1の情報記録層が形成された第1のパターン形成面上に第2の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
    第2のパターンを第2のスタンパから第2の光反応性硬化樹脂上に転写し、透明支持基板方向から光を照射して第2の光反応性硬化樹脂を硬化する工程と、
    第2の光反応性硬化樹脂の第2のパターン形成面に第2の情報記録層を形成する工程と、
    第2の情報記録層が形成された第2のパターン形成面上に第3の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
    第3のパターンを第3のスタンパから第3の光反応性硬化樹脂上に転写し、透明支持基板方向から光を照射して第3の光反応性硬化樹脂を硬化する工程と、
    第3の光反応性硬化樹脂の第3のパターン形成面に第3の情報記録層を形成する工程と、
    ベース基板上に第4のパターンを第4のスタンパから転写して形成する工程と、
    前記ベース基板の第4のパターン形成面に第4の情報記録層を形成する工程と、
    第3のパターン及び第4のパターンのいずれかのパターン形成面側に第4の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
    第3のパターン形成面側と第4のパターン形成面側を対向させ第4の光反応性硬化樹脂を介して前記透明支持基板と前記ベース基板とを重ね合わせ、透明支持基板方向から光を照射して第4の光反応性硬化樹脂を硬化して貼り合わせる工程と、
    前記透明支持基板を剥離する工程を有し、
    第1、第2及び第3の情報記録層は、記録光束を透過する半透明層であり、
    第1の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg1、第2の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg2、第3の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg3、第4の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg4とした場合、下記関係:
    Tg3≧Tg2>Tg1>Tg4
    を満たす、多層光記録媒体の製造方法。
  16. 第1の光反応性硬化樹脂の厚みは、第2の光反応性硬化樹脂の厚み、第3の光反応性硬化樹脂の第3の一定な厚み、および第4の光反応性硬化樹脂の厚みよりも厚い、請求項15記載の多層光記録媒体の製造方法。
  17. 前記透明支持基板は、前記の照射光により劣化しない透明材料からなる、請求項15記載の多層光記録媒体の製造方法。
  18. 前記ベース基板の第4のパターンは射出成形により形成される、請求項15記載の多層光記録媒体の製造方法。
  19. 第1、第2、第3及び第4のスタンパは金属からなる、請求項15記載の多層光記録媒体の製造方法。
  20. 複数の情報記録トラックを構成するピットまたは案内溝からなるパターンを備えた4層以上の情報記録層を有する多層光記録媒体の製造方法であって、
    第1の透明支持基板上に第1の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
    第1のパターンを第1のスタンパから第1の光反応性硬化樹脂上に転写し、第1の透明支持基板方向から光を照射して第1の光反応性硬化樹脂を硬化する工程と、
    第1の光反応性硬化樹脂の第1のパターン形成面に第1の情報記録層を形成する工程と、
    第1の情報記録層が形成された第1のパターン形成面上に第2の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
    第2のパターンを第2のスタンパから第2の光反応性硬化樹脂上に転写し、第1の透明支持基板方向から光を照射して第2の光反応性硬化樹脂を硬化する工程と、
    第2の光反応性硬化樹脂の第2のパターン形成面に第2の情報記録層を形成する工程と、
    第3のパターンが形成された第2の透明支持基板上に、または第4のパターンが形成された第3のスタンパ上に、第3の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
    第3のパターン形成面側と第4のパターンの形成面側を対向させ第3の光反応性硬化樹脂を介して第2の透明支持基板と第3のスタンパとを重ね合わせ、第2の透明支持基板方向から光を照射して第3の光反応性硬化樹脂を硬化し、硬化された第3の光反応性硬化樹脂からなる層の下面に第3のパターンおよび上面に第4のパターンを転写する工程と、
    第3のスタンパを剥離する工程と、
    第4のパターン形成面に第3の情報記録層を形成する工程と、
    第3の情報記録層が形成された第4のパターン形成面と第3の透明支持基板とを対向させ第4の光反応性硬化樹脂を介して第2の透明支持基板と第3の透明支持基板とを貼り合わせる工程と、
    第2の透明支持基板を剥離する工程と、
    第3の光反応性硬化樹脂の第3のパターン形成面に第4の情報記録層を形成する工程と、
    第2のパターン及び第3のパターンのいずれかのパターン形成面側に第5の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
    第2のパターン形成面側と第3のパターン形成面側を対向させ第5の光反応性硬化樹脂を介して第1透明支持基板と第3透明支持基板とを重ね合わせ、第1の透明支持基板方向から光を照射して第5の光反応性硬化樹脂を硬化して貼り合わせる工程と、
    第1の透明支持基板を剥離する工程を有し、
    第1、第2及び第4の情報記録層は、記録光束を透過する半透明層であり、
    第1の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg1、第2の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg2、第3の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg3、第4の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg4とした場合、下記の関係:
    Tg2>Tg1>Tg4、且つ、Tg3>Tg4
    を満たす、多層光記録媒体の製造方法。
  21. 第1の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg1、第2の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg2、第3の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg3、第4の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg4、第5の光反応性硬化樹脂のガラス転移点をTg5とした場合、下記の関係:
    Tg2>Tg1>Tg4≧Tg5、且つ、Tg3>Tg4
    を満たす、請求項20に記載の多層光記録媒体の製造方法。
  22. 第3の情報記録層が形成された第4のパターン形成面と第3の透明支持基板を対向させ、第2の透明支持基板と第3の透明支持基板とを貼り合せる工程は、
    第4のパターン形成面側または第3の透明支持基板のいずれかに第4の光反応性硬化樹脂を塗布する工程と、
    第4のパターン形成面側と第3の透明支持基板とを対向させ第4の光反応性硬化樹脂を介して第2の透明支持基板と第3の透明支持基板とを重ね合わせ、第3の透明基板方向から光を照射して第4の光反応性硬化樹脂を硬化して貼り合わせる工程からなる、請求項20又は21記載の多層光記録媒体の製造方法。
  23. 第1の光反応性硬化性樹脂の厚みは、第2の光反応性硬化性樹脂の厚み、第3の光硬化性樹脂の厚み、および第5の光反応性硬化性樹脂の厚みよりも厚い、請求項20又は21記載の多層光記録媒体の製造方法。
  24. 第1の透明支持基板は、前記の照射光により劣化しない透明材料からなる、請求項20又は21記載の多層光記録媒体の製造方法。
  25. 第2の透明支持基板の第3のパターンは射出成形により形成される、請求項20又は21記載の多層光記録媒体の製造方法。
  26. 第3の透明支持基板として、先に行われた製造プロセスにおいて光照射された使用済の前記第2の透明支持基板を再使用する、請求項20又は21記載の多層光記録媒体の製造方法。
  27. 前記第1、第2及び第3のスタンパは金属からなる、請求項20又は21記載の多層光記録媒体の製造方法。
  28. 第1の樹脂層の樹脂のガラス転移点が70℃から200℃の範囲にあり、第2の樹脂層の樹脂のガラス転移点が25℃から150℃の範囲にある、請求項1から14のいずれかに記載の多層光記録媒体の製造方法。
  29. 第1の樹脂層の樹脂のガラス転移点が70℃から200℃の範囲にあり、第2の樹脂層の樹脂のガラス転移点および樹脂保護層の樹脂のガラス転移点が25℃から150℃の範囲にある、請求項3、9から14のいずれかに記載の多層光記録媒体の製造方法。
  30. 第1、第2及び第3の光反応性硬化樹脂のガラス転移点が70℃から200℃の範囲にあり、第4の光反応性硬化樹脂のガラス転移点が25℃から150℃の範囲にある、請求項15から19のいずれかに記載の多層光記録媒体の製造方法。
  31. 第1、第2及び第3の光反応性硬化樹脂のガラス転移点が70℃から200℃の範囲にあり、第4及び第5の光反応性硬化樹脂のガラス転移点が25℃から150℃の範囲にある、請求項20から27のいずれかに記載の多層光記録媒体の製造方法。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009294468A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Dainippon Printing Co Ltd 映像表示装置、及び光学シート
JP2010073235A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Nec Corp 微細パターン構造体の製造方法及び微細パターン構造体

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