JP2008026036A - 含有物測定装置 - Google Patents

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JP2008026036A JP2006196233A JP2006196233A JP2008026036A JP 2008026036 A JP2008026036 A JP 2008026036A JP 2006196233 A JP2006196233 A JP 2006196233A JP 2006196233 A JP2006196233 A JP 2006196233A JP 2008026036 A JP2008026036 A JP 2008026036A
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剛 小野
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Abstract

【課題】常に適切な濃度検体に含まれる含有物の測定が常に適切にでき得る検体測定装置を提供する。
【解決手段】検体測定装置10は、波長および変調周波数が違いに異なる光を発する第一光源12および第二光源22を備える。二つの光源12,22からの光はビームスプリッタ30等を含む光学ユニットにより同一光路上に導かれ、血清104において合焦する。血清104を透過した透過光の強度は検出器36により検出される。検出された透過光強度は、BPFにより周波数ごと、ひいては、波長ごとに弁別される。演算処理部は、波長ごとに弁別された透過光強度に基づいて、波長ごとの血清による吸光量を算出し、この吸光量に基づいて溶血や乳び等の濃度を算出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、透光容器に収容された検体に含まれる含有物の濃度を測定する含有物測定装置に関する。
検体検査を行う際には、予め、当該検体に含まれる含有物の濃度測定が必要な場合がある。例えば、血液を遠心分離して得られた血清には、溶血、乳び、ビリルビンといった物質が含有している。このうち溶血や乳びは、妨害物質と呼ばれており、血清の検査精度に影響を与えることが知られている。したがって、血清検査をする際は、事前に、当該血清に含有される妨害物質(乳びおよび溶血)の濃度を測定しておき、その測定結果に基づいて血清の検査結果を評価することが望ましい。
この妨害物質の測定技術としては、従来から種々の技術が提案されている。その一つとして、CCDカメラを用いて血清の色情報を取得し、妨害物質を測定する技術が提案されている。この技術によれば、比較的簡易に妨害物質の測定をすることができる。しかしながら、この技術は、検体を収容している検体容器の側面にバーコードラベル等の識別媒体が貼着されている場合には適用し難いという問題がある。すなわち、検体容器には、検体を識別するための識別媒体が貼着されている場合が多いが、かかる識別媒体があると検体の色情報を取得することが困難となる。その結果、検体に含まれる含有物を測定することができない。
特開2005−140615号公報 特開2006−10453号公報
特許文献1,2には、バーコードラベルの有無に関係なく検体検査を行う技術が開示されている。これは、物質種類ごとに光の吸収度(吸光度)が異なることを利用して、遠心分離処理により血清、血餅等に分離された検体の境界面を測定する技術である。遠心分離処理後の検体に対して所定の波長の光を照射しながら走査し、その際得られる吸光度の変化に基づいて検体の境界面を特定する。このとき、バーコードラベルによる吸光度の変化も考慮しているため、検体容器の全周囲がバーコードラベルで覆われていても、適切に検体の境界面を測定することができる。ただし、この技術は、あくまで境界面測定技術であり、既述の妨害物質等、検体に含まれる含有物の測定には適用できない。
そこで、本発明では、検体に含まれる含有物の測定が常に適切にでき得る検体測定装置を提供することを目的とする。
本発明の含有物測定装置は、透光容器に収容された検体に含まれる含有物の濃度を測定する含有物測定装置であって、波長および変調周波数が互いに異なる光を発する複数の光源と、複数の光源からの光を、透明容器に収容された検体へ導いて、検体中において合焦させる光学手段と、少なくとも検体を透過した光の強度を検出する検出手段と、検出手段で検出された光強度を変調周波数に基づいて弁別する弁別手段と、変調周波数ごとに弁別された光強度に基づいて、各波長ごとに検体による吸光量を算出するとともに、算出された吸光量に基づいて検体に含まれる含有物の濃度を算出する算出手段と、を備えることを特徴とする。
好適な態様では、検出手段は、検体で散乱した光の強度も検出する。他の好適な態様では、複数の光源は、透光容器の正面に配された第一光源と、第一光源の光軸から外れた位置に配された第二光源と、を含み、光学手段は、第一光源の光軸と第二光源の光軸との交差位置に配された半反射体であって、第一光源からの光を透過させるとともに第二光源からの光を反射させて第一光源および第二光源からの光を同一光路へと導く半反射体を含む。
他の好適な態様では、弁別手段は、各光源ごとに対応して設けられた複数のバンドパスフィルタを備え、各バンドパスフィルタの通過帯域は、対応する光源の変調周波数を含み、対応しない光源の変調周波数は含まない値に設定されている。
他の好適な態様では、複数の光源は、被測定物である第一含有物で吸収されにくい第一波長の光を発する光源と、第一含有物により吸収されやすい第二波長の光を発する光源と、を含み、算出手段は、検体による第一波長の光の吸光量から、他の含有物による第二波長の光の吸光量を推定し、検体による第二波長の光の吸光量から、推定された他の含有物による第二波長の光の吸光量を除算することで、第一含有物による第二波長の光の吸光量を算出し、算出された第一含有物による第二波長の光の吸光量に基づいて、第一含有物の濃度を算出する。この場合において、透光容器の側面に各検体の識別情報が記録された識別媒体が付加されている場合、第一波長は、被測定物である第二含有物および識別媒体に吸収されやすい波長とし、算出手段は、検体による第一波長の光の吸光量から、予め測定されている識別媒体による第一波長の光の吸光量を除外することにより、第二含有物による第一波長の光の吸光量を算出し、算出された第二含有物による第一波長の光の吸光量に基づいて、第二含有物の濃度を算出することが望ましい。
本発明によれば、変調周波数ごとに弁別された光強度に基づいて、各波長ごとに検体による吸光量を算出するとともに、算出された吸光量に基づいて検体に含まれる含有物の濃度を算出している。そのため、透光容器に識別媒体が貼着されている場合であっても、適切な濃度測定を短時間で行うことができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。はじめに、本実施形態において測定対象である血清について簡単に説明する。図1は、遠心分離処理により血清104と血餅108に分離された血液検体100の概略側面図である。通常、被検体から採取された血液検体100は、試験管などの透光性のある検体容器102に収容された状態で、遠心分離処理が施される。遠心分離処理により、血液検体100は、分離剤106を挟んで血清104と血餅106に分離される。遠心分離処理で得られた血清104には、乳びや溶血、ビリルビンが含有していることが知られており、このうち、乳びおよび溶血は後工程で行われる血清分析に悪影響を与える場合があるため、妨害物質と呼ばれている。本実施形態では、この血清分析に悪影響を与える妨害物質の濃度を測定する。
ここで、妨害物質を測定する技術としては、CCDカメラにより血清の色情報を取得し、当該色情報に基づいて妨害物質の濃度を測定する技術が知られている。この技術によれば、比較的簡易に妨害物質の測定が可能となる。しかしながら、一般に、検体容器102の側面には、当該検体容器に収容されている検体を識別するためにバーコードラベル等の識別媒体110が貼着されている。この識別媒体110が貼着されている状態では、色情報を取得することができない。そのため、色情報に基づいて妨害物質の測定を行う場合は、遠心分離処理後、血清のみを別容器に取り出すなどの処理が必要となる。この別容器への移し変えは、煩雑であり、血清の測定効率低下の原因となる。そこで、本実施形態では、遠心分離処理後により得られた血清104を、別容器に移し替えることなく、そのままの状態、すなわち、識別媒体110が貼着された検体容器102に収容された状態で測定する。
図2は、かかる血清測定を実現する検体測定装置10の概略構成図である。この検体測定装置10は、互いに異なる波長の光を発する二つの光源12,22を備えている。各光源12,22から照射される光の波長は、被測定物である溶血および乳びそれぞれの吸光特性に基づいて決定される。具体的には、第一光源12から照射される光の波長である第一波長λ1は、乳びによる吸光度が高く、かつ、他の含有物質、すなわち、溶血やビリルビンによる吸光度が低くなる波長に設定される。また、第二光源22から照射される光の波長である第二波長λ2は、溶血による吸光度が高く、かつ、ビリルビンによる吸光度が低くなる波長に設定される。
これについて、図3を用いて説明する。図3は、血清に含有される三種類の含有物質、すなわち、溶血、乳び、ビリルビンの吸光特性を示すグラフである。図3において、横軸は波長を、縦軸は吸光度を示す。また、実線は溶血、太実線は乳び、破線はビリルビンの吸光特性を示している。
周知のとおり、吸光度は、物質によって光が吸収される強度を示す値であり、具体的には、吸光度Mは、以下の式1で求められる。なお、式1において、Iinは照射された光の強度を、Ioutは、物質を透過した光の強度を示す。
M=log(Iin/Iout)・・・式1
この式1に基づいて、溶血、乳び、ビリルビンそれぞれの吸光度を測定した結果が図3である。図3から明らかなように、ビリルビンの吸光度は、波長λa未満の領域では大きく変動しており、基準値Mst以上の値を維持している。波長λa以上になると、ビリルビンの吸光度は、殆ど変化せず、基準値Mst未満の値で安定する。また、溶血の吸光度は、波長がλb(λb<λa)より小さい領域では大きく変動しており、基準値Mst以上の値を維持している。波長λb以上になると、溶血の吸光度は、殆ど変化せず、基準値Mst未満の値で安定する。乳びの吸光度は、全体として急激な変動はなく、波長が長くなるにつれて徐々に小さくなっていくものの、基準値Mstを下回ることはない。そのため、溶血およびビリルビンの吸光度が基準値Mst以下になる波長λb以降でも、乳びの吸光度は、基準値Mb以上の値を維持し続けている。
したがって、乳びの吸光度が高く、かつ、溶血およびビリルビンの吸光度が低くなる(λb以上)波長である第一波長λ1は、図3におけるλb以上の範囲Eaから選択される。本実施形態では、波長λbからある程度離れた波長を、第一波長λ1として選択している。また、溶血の吸光度が高く(λb未満)、かつ、ビリルビンの吸光度が低くなる(λa以上)波長である第二波長λ2は、図3におけるλa以上、λb未満の範囲Ebから選択される。本実施形態では、この範囲Ebのうち、溶血の吸光度が最も高くなる波長を第二λ2として選択している。
再び図2に戻り、検体測定装置10の構成について説明する。各光源12,22には、それぞれ、駆動回路14,24とオシレータ16,26が接続されている。駆動回路14,24は、オシレータ16,26から出力される発振周波数にしたがって、光源12,22を駆動し、各光源12,22からの照射される光を変調する。そのため、二つの光源12,22から照射される光は、互いに異なる周波数に変調される。すなわち、第一光源12からの光(波長λ1)は第一周波数f1に、第二光源22からの光(波長λ1)は第二周波数f2に、それぞれ、変調される。この二つの周波数f1、f2の値は、後述するバンドパスフィルタによる光の弁別が可能であるならば、その値は特に限定されない。
検体測定装置10には、二つの光源12,22から照射された光を、検体容器102に収容された血清104へと導くための光学ユニットも設けられている。この光学ユニットは、二つの光源12,22から照射された二種類の光を、最終的に、同一光路上に導き、検体容器102のほぼ中央で集光させるための光学部材群である。具体的には、光学ユニットは、各光源12,22の正面に配されたピンホール18,28、第二光源24からの光を屈曲させつつ第一光源12からの光を透過させるビームスプリッタ30、同一光路上に導かれた二つの光源12,22からの光を集光する一つの集光レンズ32によって構成されている。また、第一光源12は検体容器の正面に、第二光源は22、第一光源12の光軸から外れた位置に配置されている。
第一光源12から照射された光は、当該第一光源12の正面に配されたピンホール18によって絞られた後、ビームスプリッタ30を透過して、集光レンズ32によって集光される。そして、透光性のある検体容器102を透過して、当該検体容器102に収容された血清104で焦点を結ぶ。
第二光源22は、その光軸が第一光源12の光軸に交差し得る位置に配置されている。この第二光源22の光軸と、第一光源12の光軸との交差位置にはビームスプリッタ30が設けられている。ビームスプリッタ30は、波長λ1の光を透過し、波長λ2の光を反射する、換言すれば、ビームスプリッタ30は、第一光源12からの光は透過させ、第二光源22からの光は反射させ半反射部材である。このビームスプリッタ30は、その反射面が第二光源22の光軸に対して傾斜するべく配置されており、第二光源22から照射された光を屈曲させる。ビームスプリッタ30により反射された第二光源22からの光は、第一光源12からの光と同じ光路を進み、集光レンズ32により集光される。そして、第一光源12からの光と同様に、透光性のある検体容器102を透過して、当該検体容器102に収容された血清104において焦点を結ぶ。
なお、ここで、説明した光学ユニットの構成や各光源12,22の配置位置等は、一例である。したがって、複数の光源12,22から照射された光を、同一光路上に導き、検体容器102のほぼ中央で集光でき得るのであれば、当然、他の構成の光学ユニットを用いてもよい。また、各光源12,22の配置位置も適宜、変更可能である。
検体容器102を挟んで第一光源12に対向する位置、換言すれば、光源12,22から照射された二種類の光の光路延長線上には、血清104を透過した光を集光する集光レンズ34と、集光された透過光の強度を検出する検出器36が設けられている。
ここで、検体容器102の側面に識別媒体110が貼着されている場合、血清に入射した光および血清から出射(透過)した光が識別媒体110を通過する回数が、常に一定になるべく、光源12,22と検体容器102との位置関係を調整しておくことが望ましい。血清に入射した光および血清から出射(透過)した光が識別媒体110を通過する回数が検体ごとに異なっていると、後述する識別媒体110による吸光度も検体ごとに異なることになり、結果として正確な濃度測定が出来ないためである。
次に、図4を用いて検出器36以降の構成を説明する。検出器36で検出された透過光の強度信号は、第一増幅器38で電圧値に変換された後、第二増幅器40で増幅される。第二増幅器40の後段には、二つのバンドパスフィルタ(BPF)42,52が設けられている。
各BPF42,52の通過帯域は、各光源12,22の変調周波数に対応付けられている。すなわち、第一BPF42の通過帯域は、第一光源12の変調周波数f1を含み、第二光源22の変調周波数f2を含まない帯域に設定されている。同様に、第二BPF52の通過帯域は、第二光源22の変調周波数f2を含み、第一光源12の変調周波数f1を含まない帯域に設定されている。
この二種類のBPF42,52により、検出器36で検出された強度信号は、各光源12,22ごとに弁別される。すなわち、検出器36で検出された強度信号は、波長λ1の光の透過光強度および波長λ2の光の透過光強度が混在した信号である。この混在した状態では、後述する、妨害物質の濃度測定が困難であるため、本実施形態では、各光の変調周波数に対応したBPF42,52を設け、強度信号の弁別を図っている。
ここで、各波長ごとの透過光強度を取得する方法としては、異なる波長の光をタイミングをずらして照射し、各波長ごとに透過光強度を測定する方法も考えられる。すなわち、まず第一波長λ1の光のみを血清に照射し、その透過光強度を受光器等で検出する。続いて、第二波長λ2の光のみを血清に照射し、その透過光強度を受光器等で検出する構成も考えられる。しかし、この場合、各波長ごとに光照射の時間が必要となり、測定時間が長くなるという問題があった。また、波長の変更が可能な光照射機構が必要となり、その構成が複雑になりやすいという問題もあった。
一方、本実施形態のように、互いに異なる波長の光を同時に照射し、得られた透過光強度を、変調周波数で弁別する構成とすれば、光照射に要する時間を大幅に短縮することができ、ひいては、短時間での濃度測定が可能となる。また、上述の説明で明らかなように、比較的簡易な構成で光照射機構を実現することができる。
変調周波数ごとに、ひいては、波長ごとに弁別された強度信号は、演算処理部60に入力される。演算処理部は60は、入力された二種類の強度信号に基づいて、血清104に含有される乳びおよび溶血の濃度を算出する。この算出の詳細な流れについては、後に詳説する。
次に、この検体測定装置10による乳びおよび溶血の濃度測定の流れについて図5を用いて説明する。図5は、濃度測定の流れを示すフローチャートである。乳びおよび溶血の濃度測定を行う場合は、まず、検体容器102に収容された血清に対して波長λ1、λ2の光を同時に照射する(S10)。この光照射は、上述したとおり、第一光源12および第二光源22を駆動することにより行われる。このとき、第一光源12から照射される波長λ1の光は第一周波数f1に、第二光源22から照射される波長λ2の光は第二周波数f2に、それぞれ変調した状態で照射する。
血清に照射された光の一部は、検体容器102の側面に貼着された識別媒体110や、血清に含まれる乳びや溶血などに吸収され、他の一部は血清を透過して検出器36に到達する。検出器36は、この透過光の強度を検出する(S12)。
検出された透過光強度は、電圧信号への変換処理、増幅処理などを経た後、二つのBPF42,52に入力される。この二つのBPF42,52により、強度信号は、周波数f1、f2の信号にそれぞれ弁別される(S14)。ここで、既述したとおり波長λ1の光は周波数f1に、波長λ2の光は周波数f2に変調されているため、周波数に応じて弁別された光は、波長ごとに弁別されているといえる。
演算処理部60は、周波数ごと、波長ごとに弁別された強度信号に基づいて、乳びおよび溶血の濃度を算出する。具体的には、演算処理部60は、まず、第一BPF42から出力された強度信号に基づいて、識別媒体110が貼着された検体容器102に収容された血清104(乳びや溶血等が含有)に対する第一波長λ1の光の吸光度(以下「第一吸光度M1」という)を算出する(S16)。この第一吸光度M1は、上述の式1を用いて算出される。
ここで、この第一吸光度M1について簡単に説明する。第一波長λ1は既述した通り、乳びに吸光されやすいが、溶血やビリルビンには殆ど吸光されない波長である。また、第一波長λ1は、検体容器102の側面に貼着されたバーコードラベル等の識別媒体110にもある程度吸光される波長である。したがって、検体容器102に収容された血清104に対する吸光度である第一吸光度M1は、第一波長の光における識別媒体110による吸光度および血清104に含有されている乳びによる吸光度が混在した値といえる。
続いて、演算処理部60は、第二BPF52から出力された強度信号に基づいて、検体容器102に収容された血清104に対する第二波長λ2の光の吸光度(以下「第二吸光度M2」という)を算出する(S16)。ここで、第二波長λ2は、乳びおよび溶血に吸光されやすいが、ビリルビンには殆ど吸光されない波長である。また、第二波長λ2は、検体容器102の側面に貼着されたバーコードラベル等の識別媒体110にもある程度吸光される波長である。したがって、第二波長λ2の光の血清に対する吸光度である第二吸光度M2は、第二波長の光における識別媒体110による吸光度、血清104に含有されている乳びによる吸光度、血清104に含有されている溶血による吸光度が混在した値といえる。
次に、演算処理部60は、第一吸光度M1に基づいて、第一波長λ1における乳びの吸光度Ma1を算出する(S22)。すなわち、ステップS16で算出された第一吸光度M1には、第一波長λ1における血清に含有されている乳びによる吸光度Ma1と、第一波長λ1における識別媒体110による吸光度Mc1が混在した値である。このうち、乳びによる吸光度Ma1は、血清104における乳びの濃度が高くなるほど大きくなり、検体毎の固体差が生じる。一方、識別媒体110は、いずれの検体であっても、その光学的特性は殆ど変化しないため、識別媒体110による吸光度Mc1は、検体毎の固体差は殆ど存在せず、常にほぼ一定と仮定できる。換言すれば、第一吸光度M1に混在している識別媒体110による吸光度Mc1は、固定値と見なすことができる。
そこで、本実施形態では、予め、波長λ1の光における識別媒体110の吸光度Mc1を測定しておく。そして、第一吸光度M1から、波長λ1の光における識別媒体110の吸光度Mc1を除算した値を、波長λ1における乳びによる吸光度Ma1とする(Ma1=M1−Mc1)。この吸光度Ma1は、乳びの濃度に比例する値であるため、演算処理部60は、この吸光度Ma1に基づいて血清中の乳び濃度を算出する(S24)。
乳び濃度が算出できれば、続いて、第二波長λ2における溶血の吸光度Mb2を算出する(S26)。ここで、第二吸光度M2は、波長λ2における、血清に含有されている溶血の吸光度Mb2と、血清に含有されている乳びの吸光度Ma2と、識別媒体110の吸光度Mb2と、が混在した値である。この第二吸光度M2から、波長λ2の光における乳びの吸光度Mb2および識別媒体110の吸光度Mc2を除外すれば、波長λ2の光に対する溶血の吸光度Mb2、ひいては、血清中の溶血濃度が算出できる。ここで、乳び及び識別媒体110の吸光度は、波長が長くなるにつれ徐々に減少する。したがって、ステップS22で算出した波長λ1の光に対する乳びMa1および予め測定している識別媒体110の吸光度Mc1に所定係数を乗じれば、波長λ2の光に対する乳びおよび識別媒体110の吸光度Ma2,Mc2が得られる。すなわち、Ma2=α×Ma1、Mc2=β×Mc1となる。なお、αおよびβは波長変化に伴う乳びおよび識別媒体110の吸光度変化率を示す係数である。
この波長λ2の光における乳びおよび識別媒体110の吸光度Ma2,Mc2を、第二吸光度M2から除算すれば、波長λ2における溶血の吸光度Mb2が得られる(Mb2=M2−(Ma2+Mc2))。そして、演算処理部60は、この波長λ2に対する溶血の吸光度Mb2に基づいて、血清に含有される溶血の濃度を算出する(S28)。
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、バーコードラベル等の識別媒体が検体容器に貼着されている場合であっても、容易に、妨害物質の量を測定することができる。また、濃度測定の際、異なる波長の複数種類の光を血清に照射するが、この複数種類の光を波長ごとに周波数変調し、必要に応じて、周波数で弁別している。したがって、複数種類の光を同時に照射しても、各波長ごとの透過光強度を得ることができる。その結果、濃度測定のための光照射に要する時間、ひいては、濃度測定に要する時間を大幅に短縮することができる。
なお、本実施形態では、透過光のみを検出する構成としているが、当然、散乱光も検出する構成としてもよい。すなわち、図6に図示するように、照射光の光路延長線上だけでなく、検体容器102の側方、かつ、照射光の光路から外れた位置にも集光レンズ70および検出器72を設け、血清に含有された乳び等で散乱された散乱光強度を検出するようにしてもよい。この場合も、上述の実施形態と同様に、検出器72の後段に二つのBPFを設けておき、周波数ごと、ひいては、波長ごとに散乱光強度を弁別すればよい。このように散乱光強度も検出する構成とすることで、より正確な濃度測定が可能となる。
また、上述の実施形態では、血清に含まれる乳びおよび血清濃度を測定する場合を例に説明しているが、用いる光の波長を適宜、変更することにより、当然、他の物質濃度の測定にも応用できる。例えば、溶血や乳び、ビリルビンなどを除いた純粋な血清の量を測定したい場合には、水分を吸収しやすい波長の光と、水分を吸収しにくい波長の光と、を用い、この二つの光の吸光度の比較に基づいて水分量、ひいては、純粋な血清量を算出するようにすればよい。また、本実施形態では二波長の光を用いているが、被測定物の特性に応じて、より多種類の光を用いてもよい。
遠心分離処理後の血液検体の様子を示す図である。 本発明の実施形態である検体測定装置の概略構成を示す図である。 血清に含有される物質の吸光特性を示すグラフである。 検出器以降の構成を示すブロック図である。 濃度測定の流れを示すフローチャートである。 他の検体測定装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
10 検体測定装置、12,22 光源、14,24 駆動回路、16,26 オシレータ、18,28 ピンホール、30 ビームスプリッタ、32,34、70 集光レンズ、36 検出器、38,40,72 増幅器、42,52 BPF、60 演算処理部、102 検体容器、104 血清、110 識別媒体。

Claims (6)

  1. 透光容器に収容された検体に含まれる含有物の濃度を測定する含有物測定装置であって、
    波長および変調周波数が互いに異なる光を発する複数の光源と、
    複数の光源からの光を、透明容器に収容された検体へ導いて、検体中において合焦させる光学手段と、
    少なくとも検体を透過した光の強度を検出する検出手段と、
    検出手段で検出された光強度を変調周波数に基づいて弁別する弁別手段と、
    変調周波数ごとに弁別された光強度に基づいて、各波長ごとに検体による吸光量を算出するとともに、算出された吸光量に基づいて検体に含まれる含有物の濃度を算出する算出手段と、
    を備えることを特徴とする含有物測定装置。
  2. 請求項1に記載の含有物測定装置であって、
    検出手段は、検体で散乱した光の強度も検出することを特徴とする含有物測定装置。
  3. 請求項1または2に記載の含有物測定装置であって、
    複数の光源は、透光容器の正面に配された第一光源と、第一光源の光軸から外れた位置に配された第二光源と、を含み、
    光学手段は、第一光源の光軸と第二光源の光軸との交差位置に配された半反射体であって、第一光源からの光を透過させるとともに第二光源からの光を反射させて第一光源および第二光源からの光を同一光路へと導く半反射体を含むことを特徴とする含有物測定装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の含有物測定装置であって、
    弁別手段は、各光源ごとに対応して設けられた複数のバンドパスフィルタを備え、
    各バンドパスフィルタの通過帯域は、対応する光源の変調周波数を含み、対応しない光源の変調周波数は含まない値に設定されていることを特徴とする含有物測定装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の含有物測定装置であって、
    複数の光源は、
    被測定物である第一含有物で吸収されにくい第一波長の光を発する光源と、
    第一含有物により吸収されやすい第二波長の光を発する光源と、
    を含み、
    算出手段は、
    検体による第一波長の光の吸光量から、他の含有物による第二波長の光の吸光量を推定し、
    検体による第二波長の光の吸光量から、推定された他の含有物による第二波長の光の吸光量を除算することで、第一含有物による第二波長の光の吸光量を算出し、
    算出された第一含有物による第二波長の光の吸光量に基づいて、第一含有物の濃度を算出する
    ことを特徴とする含有物測定装置。
  6. 請求項5に記載の含有物測定装置であって、
    透光容器の側面に各検体の識別情報が記録された識別媒体が付加されている場合、
    第一波長は、被測定物である第二含有物および識別媒体に吸収されやすい波長とし、
    算出手段は、検体による第一波長の光の吸光量から、予め測定されている識別媒体による第一波長の光の吸光量を除外することにより、第二含有物による第一波長の光の吸光量を算出し、
    算出された第二含有物による第一波長の光の吸光量に基づいて、第二含有物の濃度を算出する
    ことを特徴とする含有物測定装置。
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