JP2008025669A - 自動二輪車のエンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン作動時においてクラッチ室内のエンジンオイルを積極的かつ効率良くミッション室側に排出し、メカニカルロスを回避するとともにエンジンオイルの劣化を防ぐ。
【解決手段】クラッチカバー14に設けられてクラッチユニット37およびプライマリードリブンギヤ38を覆うクラッチ収容部43の内周面を車幅方向外側から内側に向かって内径が拡大する略円錐面形状に形成した。また、クラッチ室の隔壁21のクラッチユニット37の上部背面に対向する部位に、クラッチ室20内のエンジンオイルをミッション室19側に誘導可能な斜面ダクト状のオイル排出口60を設け、このオイル排出口60の開口面をクラッチユニット37上部の回転方向に略直交させた。
【選択図】 図4

Description

本発明は、クラッチユニットの回転を利用してクラッチ室内のエンジンオイルを積極的にミッション室側に排出するようにした自動二輪車のエンジンに関する。
自動二輪車のエンジンの多くは、ケース本体の一側面にクラッチカバーが被装されてエンジンケースが構成され、ケース本体の内部にミッション室が形成されてミッション装置が配設され、クラッチカバーの内部にクラッチ室が形成されてクラッチユニットおよびプライマリードリブンギヤが配設されている。ミッション室とクラッチ室との間にはケース本体側に一体な隔壁が設けられている。
このように構成されたエンジンケースの底部にはエンジンオイルが貯留され、ミッション装置、クラッチユニット(湿式クラッチの場合)、プライマリードリブンギヤ等の回転部品が、それら各々の下部をエンジンオイルの液面下に浸しながら回転し、その際に巻き上げるエンジンオイルの飛沫により潤滑を受ける。隔壁にはミッション室とクラッチ室とを連通させる連通孔が形成されているため、エンジン停止時におけるミッション室とクラッチ室のオイル液面は同一に保たれる。
オフロード走行用の自動二輪車のように、エンジンケースの最低地上高を大きく確保しなければならない場合は、エンジンケースの底部に深いオイル貯留部(オイルパン)を設置し難い。このため、必然的にエンジンケース内部におけるエンジンオイルの液面高が高く設定され、クラッチユニットやプライマリードリブンギヤのように直径の大きな回転部品はエンジンオイル中に深く浸されて回転する結果となる。
このように直径の大きなクラッチユニットやプライマリードリブンギヤがエンジンオイル中に深く浸されて回転した場合、大きな回転抵抗(メカニカルロス)が発生すると同時に、エンジンオイルが激しく撹拌されて過熱(劣化)したり、エンジンケースの内部圧力が高まって一部のエンジンオイルがブリーザー孔から噴き出しやすくなるといった懸念がある。
そこで、特許文献1〜3に記載されているように、エンジン作動時にクラッチ室のエンジンオイルをミッション室側に排出(汲み出す)ことにより、クラッチ室内におけるオイル液面をミッション室内におけるオイル液面よりも低く保つ技術が開発されている。
特開2004-84603号公報 実開昭61-186714号公報 実公平2-13688号公報
しかしながら、このような従来の自動二輪車のエンジンは、クラッチ室内のエンジンオイルを積極的かつ効率良くミッション室側に排出することができなかった。特に、専用のオイル貯留室を持たないドライサンプ式エンジンにおいては、必要量のオイルを全てミッション室とクラッチ室に貯留しなければならず、どうしてもクラッチ室の液面が高くなる傾向があり、改善を余儀無くされていた。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、エンジン作動時においてクラッチ室内のエンジンオイルを積極的かつ効率良くミッション室側に排出し、メカニカルロスを回避するとともにエンジンオイルの劣化を防ぐことのできる自動二輪車のエンジンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る自動二輪車のエンジンは、ケース本体の一側面にクラッチカバーが被装されてエンジンケースが構成され、上記ケース本体の内部にミッション室が形成されてミッション装置が配設され、上記クラッチカバーの内部にクラッチ室が形成されてクラッチユニットおよびプライマリードリブンギヤが配設され、上記ミッション室とクラッチ室との間にはケース本体側に一体な隔壁が設けられ、上記ミッション装置とクラッチユニットとプライマリードリブンギヤは各々の下部がエンジンケースの底部に貯留されたエンジンオイルの液面下に没して回転する自動二輪車のエンジンにおいて、上記クラッチカバーに設けられて上記クラッチユニットおよびプライマリードリブンギヤを覆うクラッチ収容部の内周面を車幅方向外側から内側に向かって内径が拡大する略円錐面形状に形成したことを特徴とする。
また、本発明に係る自動二輪車のエンジンは、上記隔壁の上記クラッチユニットの上部背面に対向する部位に、上記クラッチ室内のエンジンオイルを上記ミッション室側に誘導可能な斜面ダクト状のオイル排出口を設け、このオイル排出口の開口面を上記クラッチユニット上部の回転方向に略直交させたことを特徴とする。
さらに、本発明に係る自動二輪車のエンジンは、平面視で上記オイル排出口の斜面部を上記ケース本体と上記クラッチカバーとの合面よりもケース本体側に配置したことを特徴とする。
そして、本発明に係る自動二輪車のエンジンは、上記オイル排出口の斜面部の最外周部に、上記クラッチユニット側に延びる捕集部を形成し、この捕集部のクラッチユニット側の端部をケース本体とクラッチカバーとの合面に合わせたことを特徴とする。
また、本発明に係る自動二輪車のエンジンは、上記クラッチカバーのクラッチ収容部の半径を、その上半部を構成する基本円の半径よりも下半部を構成する基本円の半径を大きくし、上半部を構成する基本円の中心を上記クラッチユニットの中心に一致させるとともに、下半部を構成する基本円の中心を、上半部を構成する基本円の中心よりも下方にオフセット配置したことを特徴とする。
さらに、本発明に係る自動二輪車のエンジンは、上記クラッチカバーのクラッチ収容部の下部に、クラッチユニットおよびプライマリードリブンギヤの最下点よりも大きく下方に湾入する湾入部を設けたことを特徴とする。
本発明に係る自動二輪車のエンジンによれば、エンジン作動時においてクラッチユニットおよびプライマリードリブンギヤの回転を利用しながら積極的かつ効率良くクラッチ室のエンジンオイルをミッション室に排出し、メカニカルロスを回避するとともにエンジンオイルの劣化を防ぐことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るエンジンが搭載された自動二輪車の右側面図である。この自動二輪車1はオフロード走行用であり、その車体フレーム2の下部にエンジン3が搭載されている。エンジン3は最低地上高を稼ぐため前輪4および後輪5に対して高い位置に配置されている。
エンジン3は、エンジンケース7の上面に単気筒のシリンダーアッセンブリー8が設置された構成である。エンジンケース7は図2〜図5に示すように、左ケース半身11と右ケース半身12とが合わせられて構成されたケース本体13の例えば右側面にさらにクラッチカバー14が被装された構成である。クラッチカバー14は、右ケース半身12の開口部を全面的に覆うカバー本体15と、このカバー本体15に被装されて後述するクラッチユニット37の部分を覆うカバーリッド16とを備えている。なお、図3はクラッチカバー14を取り外したエンジンケース7(右ケース半身12=ケース本体13)の右側面図であり、図4は図3のIV-IV線に沿うエンジンケース7の縦断面図である。
ケース本体13の内部にはミッション室19が形成され、クラッチカバー14の内部にはクラッチ室20が形成されている。ケース本体13(右ケース半身12)側に一体に設けられた隔壁21によりミッション室19とクラッチ室20との間が隔離されている。また、図5に示すように左ケース半身11と右ケース半身12には隔壁22が設けられ(図5には右ケース半身12のみを図示)、この隔壁22によりミッション室19の前方にクランク室23が画成されている。
右ケース半身12にはベアリング嵌合部26,27,28,29が形成されており、そのうちベアリング嵌合部27にはベアリング30(図4参照)が嵌合されてカウンター軸31が軸支され、ベアリング嵌合部26には図示しないベアリングが嵌合されてクランク軸(非図示)が軸支される。同様にしてベアリング嵌合部28,29にそれぞれドライブ軸とシフトドラム(どちらも非図示)が回転自在に軸支される。クランク軸はクランク室23内に配置され、カウンター軸31とドライブ軸とシフトドラムはミッション室19内に配置される。これらの回転軸は全て車幅方向に沿い、各々の回転軸の右端部が隔壁21を貫通してクラッチ室20に突入している。
カウンター軸31に軸装された数段のミッションドライブギヤ35と、ドライブ軸に軸装された数段のミッションドリブンギヤ(非図示)とが互いに噛み合うことによりミッション室19内にミッション装置36が構成される。一方、カウンター軸31の右端部には湿式潤滑のクラッチユニット37およびプライマリードリブンギヤ38が軸装され、これらの部材37,38はクラッチ室20内に配設されている。プライマリードリブンギヤ38はクラッチユニット37の車幅方向内側に位置し、その外径がクラッチユニット37とほぼ同じである。さらに、プライマリードリブンギヤ38の内側にポンプドライブギヤ39が設けられている。
図4に示すように、クラッチカバー14のカバーリッド16の外周部41と、このカバーリッド16が被装されるカバー本体15の裾野部分42とで短い略円錐面形状のクラッチ収容部43が構成されている。このクラッチ収容部43によってクラッチユニット37とプライマリードリブンギヤ38が覆われる形となる。
クランク軸(非図示)に設けられた図示しないプライマリードライブギヤがプライマリードリブンギヤ38に噛み合い、クランク軸の回転がプライマリードライブギヤ→プライマリードリブンギヤ38→クラッチユニット37→カウンター軸31→ミッション装置36→ドライブ軸の順に伝達され、ドライブ軸の回転がエンジン3の出力として外部に取り出される。カウンター軸31とクラッチユニット37とプライマリードリブンギヤ38は図2中に矢印Aで示す回転方向に回転する。
図2〜図5に示すように、エンジンケース7の底部には液面高Lまでエンジンオイルが貯留される。クラッチカバー14(カバーリッド16)の上部にはエンジンオイル注入キャップ46が設けられ、ケース本体13の底部にはエンジンオイルを抜くドレンボルト47が設けられている。また、クラッチカバー14のカバー本体15には、カバーリッド16の前方上部に位置するオイルフィルター48が設けられている。
隔壁21に形成された開口部、例えばエンジンオイルの液面高Lよりも低い位置に開口するシフトドラム用のベアリング嵌合部29により、エンジン3の停止時におけるミッション室19内とクラッチ室20内のエンジンオイル液面の高さ(L)が同一に保たれる。エンジン3の停止時において、ミッション装置36、クラッチユニット37、プライマリードリブンギヤ38等の回転部材は、その各々の下部が上記液面高L下に没しており、エンジン3の作動時にエンジンオイルを巻き上げながら回転し、その飛沫により潤滑を受ける。
隔壁21の下部にはオイルポンプアッセンブリー51が設けられている。このオイルポンプアッセンブリー51は車幅方向に沿うポンプ軸52を備えており、その軸方向外側にフィードポンプ53、内側にスカベンジポンプ54が並設された構成である。ポンプ軸52に設けられたポンプドリブンギヤ55がポンプアイドルギヤ(非図示)を介してポンプドライブギヤ39に駆動されてオイルポンプアッセンブリー51が駆動されるとフィードポンプ53とスカベンジポンプ54が同時に作動する。
図4に示すように、クラッチカバー14のクラッチ収容部43の内周面57は、車幅方向外側から内側に向かって内径が拡大する略円錐面形状に形成されている。この円錐面の勾配度は、クラッチカバー14(カバー本体15、カバーリッド16)を製造するための金型から抜き外すために付与される一般的な抜き勾配よりも急な勾配とされる。特に、この急勾配を持つ略円錐面形状は、少なくとも後述のオイル排出口60の近傍に設けるのが好ましい。
また、クラッチ収容部43(裾野部分42)の下部には湾入部58が設けられている。この湾入部58は、クラッチユニット37およびプライマリードリブンギヤ38の最下点よりも大きく下方に湾入するポケット状に形成されており、その最下部はオイルポンプアッセンブリー51の下端をカバーできる高さまで垂下している。
一方、隔壁21の上部、つまりクラッチユニット37の上部背面に対向する部位にオイル排出口60が設けられている。このオイル排出口60は、図6にも示すように隔壁21の上部にクラッチユニット37側に膨出する膨出部61を形成し、この膨出部61は開口部62と斜面部63を備えた斜面ダクト状に形成されており、クラッチ室20内のエンジンオイル(あるいは空気)をミッション室19側に誘導可能な形状である。開口部62の開口面はクラッチユニット37の上部背面においてクラッチユニット37の回転方向Aに対して略直交しており、さらにはクラッチユニット37の回転方向Aの上流側(ここでは車体前方)に指向している。また、平面視(図6)でオイル排出口60の斜面部63が右ケース半身12(ケース本体13)とクラッチカバー14(カバー本体15)との合面64よりも右ケース半身12側(ケース本体13側)に配置されている。
さらに、図3、図4に示すように、オイル排出口60の斜面部63の最外周部には、クラッチユニット37側に延びるリブ状の捕集部65が形成されており、この捕集部65のクラッチユニット37側の端部がケース本体13とクラッチカバー14との合面64に合わせられている。なお、プライマリードリブンギヤ38は合面64とカウンター軸31の軸方向に重なる(跨る)位置に配置されている。
一方、図2に示すように、クラッチカバー14のクラッチ収容部43、つまりカバーリッド16とカバー本体15の裾野部分42の半径は、その上半部を構成する基本円Cの半径Rよりも下半部を構成する基本円Cの半径Rが大きく設定されている。また、上半部を構成する基本円Cの中心Oがクラッチユニット37(カウンター軸31)の中心に一致しており、下半部を構成する基本円Cの中心OがOよりも数ミリ程度の寸法Xだけ下方にオフセット配置されている。このため、図4にも示すように、クラッチユニット37の上部とクラッチ収容部43との間隔Yよりも、クラッチユニット37の下部とクラッチ収容部43との間隔Yの方が大きくなっている。
以上のように構成されたエンジン3の作動時には、クランク室23内のエンジンオイルがクランク軸の回転により隔壁22に形成されたオイル排出部66(図5参照)からクランク室23の底部に送られる。このようにクランク室23の底部に送られたエンジンオイルはスカベンジポンプ54の作動により図3と図5に示すストレーナー68から吸入されてミッション室19に吐出される。このため、エンジン作動時におけるクランク室23内のオイル液面高がエンジン停止時における液面高Lよりも低くなり、逆にミッション室19内のオイル液面高はLよりも高くなる。したがって、クランク軸に発生するメカニカルロスが低減されるとともに、高速回転するクランク軸によりエンジンオイルが激しく撹拌されることが防止される。
また、フィードポンプ53の作動により、ミッション室19内のエンジンオイルが図3〜図5に示すストレーナー69から吸入されて図2に示すオイル通路70とオイルフィルター48とオイル通路49を経てクランク軸受潤滑室72やピストン冷却用のオイルジェットノズル73(図5参照)に供給される。オイルジェットノズル73にはオイルフィルター48付近から延びるオイル通路74(図3参照)よりエンジンオイルが供給される。
一方、カウンター軸31の回転とともにクラッチユニット37、プライマリードリブンギヤ38が回転方向Aに回転すると、クラッチ室20内のエンジンオイルがクラッチユニット37とプライマリードリブンギヤ38に巻き上げられて遠心力によりクラッチ収容部43の内周面57を周方向に流れる。
クラッチ収容部43の内周面57は車幅方向外側から内側に向かって内径が拡大する略円錐面形状に形成されているため、この内周面57を周方向に流れるエンジンオイルは円錐面が発生させる車幅方向内側へのベクトル分力F(図4参照)によって隔壁21側へ流れる。隔壁21側に流れたエンジンオイルは依然としてクラッチユニット37の回転方向Aにも流れるため、この回転方向Aの上流側に指向してダクト状に開口しているオイル排出口60に入る。
このように、クラッチユニット37やプライマリードリブンギヤ38が巻き上げたエンジンオイルをクラッチ収容部43の内周面57の円錐面が発生させる車幅方向内側へのベクトル分力Fによって隔壁21側へ流すことができるため、クラッチ室20内のエンジンオイルを積極的にオイル排出口60に流し込んでミッション室19に排出することができる。その際、捕集部65によりクラッチ収容部43の内周面を伝って隔壁21側へ流れるエンジンオイルを確実に捕捉し、オイル排出口60へ一層効率良くエンジンオイルを導くことができる。
また、エンジンオイルがオイル排出口60から排出されなかったとしても、このような構成により、クラッチユニット37やプライマリードリブンギヤ38のオイル切れを良好なものとできるので、そのエンジンオイルをいち早く湾入部58に流下させてクラッチユニット37およびプライマリードリブンギヤ38に触れさせなくすることができる。そういった面からも、クラッチユニット37のメカニカルロスを低減できる。
しかも、クラッチ収容部43の上半部を構成する基本円Cの半径Rよりも下半部を構成する基本円Cの半径Rを大きく設定し、基本円Cの中心Oをクラッチユニット37の中心に一致させる一方、基本円Cの中心OをOよりも寸法Xだけ下方にオフセット配置し、クラッチユニット37の上部とクラッチカバー14との間隔Yよりも、クラッチユニット37の下部とクラッチカバー14との間隔Yの方を大きくしたため、クラッチユニット37およびプライマリードリブンギヤ38の回転に伴いエンジンオイルを上方かつ車幅方向で隔壁21側、なおかつオイル排出口60に向かって圧送しようとするポンピング作用が発生する。
即ち、クラッチ室20の下部に貯留されたエンジンオイルは、クラッチユニット37とプライマリードリブンギヤ38が回転方向Aに回転することにより側面視で後回り(図2における反時計回り)に上方に巻き上げられるが、クラッチユニット37とプライマリードリブンギヤ38の周囲とクラッチ収容部43との間隔が下方から上方に向かってY→Yと狭くなるため、この間を上方に巻き上げられたエンジンオイルは圧縮される傾向を受けて必然的に隔壁21側かつオイル排出口60に向かって流れる。そして、前述の如くクラッチ収容部43の内周面が略円錐面形状に形成されていることに起因するベクトル分力Fの作用と相まって効率良くエンジンオイルがオイル排出口60に給送される。
このように、エンジン3の作動時にはクラッチユニット37およびプライマリードリブンギヤ38の回転を利用しながら積極的かつ効率的にクラッチ室20内のエンジンオイルをオイル排出口60を経てミッション室19に排出できるため、エンジン作動時におけるクラッチ室20内のオイル液面高をエンジン停止時における液面高Lよりも格段に低いLまで下げることができる。これにより、クラッチユニット37およびプライマリードリブンギヤ38がエンジンオイルの液面中に深く没してメカニカルロスが発生することを防止するとともに、エンジンオイルが激しく撹拌されることを回避してエンジンオイルの劣化を防ぐことができる。
なお、本実施形態では単気筒エンジンについて説明したが、直列多気筒エンジンやV型エンジン等であっても、カウンター軸等の回転軸の一端にクラッチユニットが設けられ、それがクラッチカバー(クラッチ収容部)に覆われる構成であれば、本発明に係るオイル排出構造を適用することができる。
本発明に係るエンジンが搭載された自動二輪車の右側面図。 エンジンケース(クラッチカバー)の一部をカットした右側面図。 クラッチカバーを取り外したエンジンケース(右ケース半身)の右側面図。 図3のIV-IV線に沿うエンジンケースの縦断面により本発明の一実施形態を示す図。 図4のV-V矢視による右ケース半身の左側面図。 図3のVI-VI線に沿う横断面図。
符号の説明
1 自動二輪車
3 エンジン
7 エンジンケース
11 左ケース半身
12 右ケース半身
13 ケース本体
14 クラッチカバー
15 カバー本体
16 カバーリッド
19 ミッション室
20 クラッチ室
21 隔壁
31 カウンター軸
36 ミッション装置
37 クラッチユニット
38 プライマリードリブンギヤ
43 クラッチ収容部
51 オイルポンプアッセンブリー
57 クラッチ収容部の内周面
58 湾入部
60 オイル排出口
61 膨出部
62 開口部
63 斜面部
64 ケース本体とクラッチカバーとの合面
65 捕集部
A クラッチユニットの回転方向
クラッチ収容部の上半部を構成する基本円
クラッチ収容部の下半部を構成する基本円
エンジン停止時におけるエンジンケース内のエンジンオイルの液面高
エンジン作動時におけるクラッチ室内のエンジンオイルの液面高
クラッチ収容部の上半部を構成する基本円の中心
クラッチ収容部の上半部を構成する基本円の中心
クラッチ収容部の上半部を構成する基本円の半径
クラッチ収容部の下半部を構成する基本円の半径
X オフセット量
クラッチユニットの上部とクラッチカバーとの間隔
クラッチユニットの下部とクラッチカバーとの間隔

Claims (6)

  1. ケース本体の一側面にクラッチカバーが被装されてエンジンケースが構成され、上記ケース本体の内部にミッション室が形成されてミッション装置が配設され、上記クラッチカバーの内部にクラッチ室が形成されてクラッチユニットおよびプライマリードリブンギヤが配設され、上記ミッション室とクラッチ室との間にはケース本体側に一体な隔壁が設けられ、上記ミッション装置とクラッチユニットとプライマリードリブンギヤは各々の下部がエンジンケースの底部に貯留されたエンジンオイルの液面下に没して回転する自動二輪車のエンジンにおいて、上記クラッチカバーに設けられて上記クラッチユニットおよびプライマリードリブンギヤを覆うクラッチ収容部の内周面を車幅方向外側から内側に向かって内径が拡大する略円錐面形状に形成したことを特徴とする自動二輪車のエンジン。
  2. 上記隔壁には上記クラッチユニットの上部背面に対向する部位に、上記クラッチ室内のエンジンオイルを上記ミッション室側に誘導可能な斜面ダクト状のオイル排出口を設け、このオイル排出口の開口面を上記クラッチユニット上部の回転方向に略直交させたことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車のエンジン。
  3. 平面視で上記オイル排出口の斜面部を上記ケース本体と上記クラッチカバーとの合面よりもケース本体側に配置したことを特徴とする請求項2に記載の自動二輪車のエンジン。
  4. 上記オイル排出口の斜面部の最外周部に、上記クラッチユニット側に延びる捕集部を形成し、この捕集部のクラッチユニット側の端部をケース本体とクラッチカバーとの合面に合わせたことを特徴とする請求項2または3に記載の自動二輪車のエンジン。
  5. 上記クラッチカバーのクラッチ収容部の半径を、その上半部を構成する基本円の半径よりも下半部を構成する基本円の半径を大きくし、上半部を構成する基本円の中心を上記クラッチユニットの中心に一致させるとともに、下半部を構成する基本円の中心を、上半部を構成する基本円の中心よりも下方にオフセット配置したことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車のエンジン。
  6. 上記クラッチカバーのクラッチ収容部の下部に、クラッチユニットおよびプライマリードリブンギヤの最下点よりも大きく下方に湾入する湾入部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車のエンジン。
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