JP2008022812A - 植物育成用照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】植物育成用照明装置において、植物の葉面の光障害や焼けを抑制すると同時に、植物の生育を促し、植物が水平面上に拡がって複数在るときに、それらの生育を略均一に促進させる。
【解決手段】植物育成用照明装置は、光源2及び赤外線制限板4を有し、植物Pの上方に配置される。赤外線制限板4は、光源2と植物Pの間に配置され、光源2から出射された赤外線の透過量を制限する。この赤外線制限板4は、赤外線透過率が、光源2から照射面4aに立てた垂線と交じわる部位で最も低くなり、該部位から離れるにつれて高くなるように構成され、植物Pに対する赤外線照射量が略水平面上の位置に関わらず略均一となるように調整されている。上記構成によれば、赤外線制限板4により植物Pの葉面の光障害や焼けを抑制できると同時に、植物Pの生育を促す赤外線照射量を確保できる。また、水平面上に植物Pが複数在るとき、それらの生育を略均一に促進できる。
【選択図】図2
【解決手段】植物育成用照明装置は、光源2及び赤外線制限板4を有し、植物Pの上方に配置される。赤外線制限板4は、光源2と植物Pの間に配置され、光源2から出射された赤外線の透過量を制限する。この赤外線制限板4は、赤外線透過率が、光源2から照射面4aに立てた垂線と交じわる部位で最も低くなり、該部位から離れるにつれて高くなるように構成され、植物Pに対する赤外線照射量が略水平面上の位置に関わらず略均一となるように調整されている。上記構成によれば、赤外線制限板4により植物Pの葉面の光障害や焼けを抑制できると同時に、植物Pの生育を促す赤外線照射量を確保できる。また、水平面上に植物Pが複数在るとき、それらの生育を略均一に促進できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、植物の育成を促進するため植物に光を照射する植物育成用照明装置に関する。
従来より、植物への照射光に含まれる赤外線すなわち熱線の光量を制限する植物育成用照明装置として、例えば、光源から発せられた光線に含まれる熱線をコールドミラーで除去し、可視光のみを光伝送系に送り込み、栽培植物に近接して配置された発光体を発光させる植物栽培装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置において、上記発光体は、至近距離から植物に光線を照射すると共に、植物相互間で光線の反射及び吸収を繰り返させ、最終的に植物に吸収利用させる。この装置によれば、赤外線を除去されるので、葉面の光障害や焼けを抑制し、該装置が設置される棟内の温度上昇等を防止することができる。
特開平07−107868号公報
ところで、可視光である青色光及び赤色光に加え、波長が例えば730nmである近赤外線が植物に照射されることにより、植物の光合成が促され、植物の生育が促進されるというエマーソン効果を奏するためには、植物育成用照明装置において、植物に赤外線を照射する必要が生じる。また、気温が低い場合、植物を生長に適した温度に暖めるため、熱線である赤外線を植物に照射することが求められる。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、熱線すなわち赤外線が除去されて植物に照射されないので、葉面の光障害や焼けを抑制することはできるが、エマーソン効果を奏したり、植物の生育に適当な温度を維持したりすることにより植物の生育を促進することが困難であった。
また、赤外線を出射するものの、その量を制御せず、放射状に光を放射する光源が、植物育成用照明装置の照明に用いられた場合、赤外線量は距離の2乗に反比例して減少するので、光源と植物の距離によって植物が浴びる赤外線量に差異が生じる。このため、植物や苗が水平面上に拡がって複数在るとき、配置される位置によってそれらが浴びる赤外線量に差異が生じるので、複数の植物や苗を均一に生長させることが困難であった。
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであり、植物の葉面の光障害や焼けを抑制すると共に、植物の生育を促し、植物が水平面上に拡がって複数在るときに、それらの生育を略均一に促進させることができる植物育成用照明装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、植物の育成を促進するため植物に光を照射する植物育成用照明装置において、筺体と、前記筺体の内部に配置され、光を出射する光源と、前記光源から出射された可視光及び赤外線を反射する反射板と、前記光源と植物との間に配置され、前記光源から出射された可視光及び前記反射板により反射された可視光を透過すると共に、前記光源から出射された赤外線及び前記反射板により反射された赤外線の透過量を制限し、植物に光を照射する照射面を有する赤外線制限部材と、を備え、前記赤外線制限部材は、該部材の単位面積あたりの赤外線透過率が、前記光源から前記照射面に立てた垂線と交じわる部位で最も低くなるように構成され、植物に対する赤外線の照射量が略水平面上の位置に関わらず略均一となるようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の植物育成用照明装置において、前記赤外線制限部材は、該部材の単位面積あたりの赤外線透過率が、前記光源から前記照射面に立てた垂線と交じわる部位から離れるにつれて高くなるように構成されたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の植物育成用照明装置において、前記光源と前記反射板との間に配置され、該光源から出射された可視光を透過すると共に、該光源から出射された赤外線を反射する赤外線反射部材を備えたものである。
請求項1又は請求項2の発明によれば、植物の葉面の光障害や焼けを抑制できると同時に、植物の生育に必要な赤外線の照射量を確保できる。また、植物に対する赤外線の照射量が略水平面上の位置に関わらず略均一となるので、水平面上に拡がって複数在る植物の生育を略均一に促進させることができる。
請求項3の発明によれば、赤外線反射部材により赤外線の進行方向を変え、赤外線制限部材の赤外線透過率が高い部位に赤外線を入射させることができるので、赤外線を効率良く出射することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る植物育成用照明装置(以下、本装置と略す)について図面を参照して説明する。図1及び図2は、本装置の要部の構成及び使用状態を示す。本装置は、植物Pの育成を促進するため植物Pに光を照射する装置であり、植物Pの上方に配置される。光が照射される植物Pは、複数株在り、例えば、1株ずつ鉢に植えられ、水平面上に散在している。また、複数株在る植物Pは、鉢に植えられておらず、水平面上に拡がって土壌に植えられていても構わない。さらに、植物Pは、複数株ではなく、1株だけ在って、水平面上に拡がって伸びていてもよい。
本装置は、筺体1と、この筺体1の内部に配置され、光を出射する発光部21を有する光源2と、光源2から出射された可視光及び赤外線を反射する反射板3と、光源2と植物Pとの間に配置された赤外線制限板4と、光源2と反射板3との間に配置された赤外線反射板5と、を備える。反射板3は、その形状が例えば半円筒形であり、光源2をその上方から覆うように設けられ、光源2は反射板3の内方に配置されている。このように配置された反射板3は、光源2から放射されて植物Pが在る方向とは異なった方向に進む光を内面3aで反射し、その光の進行方向を植物Pが在る方向に変える。赤外線制限板4は、光源2から出射された可視光及び反射板3により反射された可視光を透過すると共に、光源2から出射された赤外線及び反射板3により反射された赤外線の透過量を制限する(赤外線制限部材)。また、赤外線反射板5は、光源2から出射された可視光を透過させると共に、光源2から出射された赤外線を反射させる(赤外線反射部材)。以下に、本装置の構成部品について詳細に説明する。なお、本実施形態において、可視光の波長は例えば400〜720nmであり、赤外線の波長は例えば720nm〜1mmである。
筐体1は、下底面に開口部1aを有し、その開口部1aの開口面積は、反射板3の平面視面積と略同じである。この筐体1は、半円筒形の反射板3を覆い、開口部1aに合わせて反射板3を内部に備える。また、筐体1は、内部に配置された反射板3の強度を増し、且つ、反射板3に対する衝撃を吸収するように反射板3を支持する支持部(不図示)を備え、さらに反射板3との間に空隙を設けた外郭構造を有する。この外郭構造により、筐体1に対する衝撃を反射板3に伝わり難くすることができ、光源2からの放射熱による反射板3の温度上昇に伴って筐体1の温度が上昇することにより人が筐体1に触れたときに火傷することを防げる。筐体1の材質は、湿度の高い農業用ビニールハウスやガラスハウス内においても、錆び難く、光源2、反射板3等を保持するために十分な強度を有する必要があるので、ステンレスや表面に腐食防止のための塗装が施された鉄等が望ましい。
光源2は、光を放射する発光部21を有し、例えば、高輝度放電灯や白熱電球から成る。光源2が高輝度放電灯である場合、その発光部21は発光管から成り、光源2が高輝度放電灯である場合、その発光部21はフィラメントから成る。この光源2は、例えば横向きに設けられており、青色光、赤色光及び赤外線を含む光を放射する。この赤外線には、近赤外線及び遠赤外線が含まれる。なお、光源2は蛍光灯であってもよい。蛍光灯の表面温度は45℃を超えることがあり、植物の生育に必要な光量の赤外線を放射する。
反射板3は、その形状が上記のように半円筒形であり、反射光の光量が赤外線制限板4の上面において略均一となるように成形されている。このよう形状の反射板3は、内方に配置された光源2から放射された可視光及び赤外線を高効率で反射するものであり、横向きの光源2と平行に設けられている。なお、反射板3の形状は、半円筒に限定されず、例えば、半楕円筒、又は断面の外形が真円又は楕円の円弧となる形状であっても構わない。さらに、光源2が縦向きに設けられている場合、反射板3の形状は、下方に拡径した椀状であってもよい。
また、反射板3は、重さを軽量にし、且つ、高い反射率を確保するため、例えば、アルマイト処理、蒸着めっき、研磨等により反射率が高められたアルミニウムから成る。なお、反射板3は、例えば、銀やアルミニウムの蒸着処理が行なわれた鉄、反射率を高める塗装が施された鉄、さらに、銀やアルミニウム等の蒸着処理が施されたフィルム等から成る高反射シートが貼り付けられた金属、ガラス又は樹脂等で構成されていてもよい。また、反射板3は、耐腐食性を備えさせるため、又は高強度なものとするため、例えばステンレスで構成されていても構わない。
赤外線制限板4は、その平面視形状が正方形又は長方形である板状であり、可視光を高効率で透過し、且つ、赤外線の透過量を制限する部材から成る。この部材は、例えば、透明樹脂又は高熱にも耐え得る耐熱性を備えた透明ガラス等から成る基材を有し、この基材の表面には、赤外線透過量を制限するため赤外線反射材又は赤外線吸収材が塗布されるか、或いは蒸着されて赤外線反射膜又は赤外線吸収膜が製膜されている。赤外線透過量の制限は、赤外線制限板4の赤外線透過率を調整することによりなされる。この赤外線透過率の調整は、赤外線反射膜又は赤外線吸収膜の厚さ若しくは材質に基づいて行なわれる。この調整において、赤外線透過率が略零に設定され、赤外線が略全て除去されることはない。
赤外線制限板4の面積は、反射板3の平面視面積又は筐体1の開口部1aの面積と略同じである。また、赤外線制限板4は、反射板3の中心軸側方の端部3bと接合されて固定されているか、或いは、筐体1の開口部1aを閉塞するように配置されている。従って、光源2は、反射板3及び赤外線制限板4に囲われた空間内に位置し、赤外線制限板4は、その光源2と、本装置の下方に配置された植物Pとの間に位置することになる。この位置関係により、赤外線制限板4は、光源2から出射された可視光及び反射板3により反射された可視光を透過すると共に、光源2から出射された赤外線及び反射板3により反射された赤外線の透過量を制限する。赤外線制限板4を透過した可視光及び赤外線から成る光(実線で示す)は、赤外線制限板4の下面である照射面4aから出射され、下方の植物Pに照射される。
上記のように、赤外線制限板4において赤外線透過量が制限されるので、植物Pに対する赤外線の照射量を制限できる。従って、植物Pの葉面の光障害や焼けを抑制できる。また同時に、植物Pに照射される赤外線は赤外線制限板4において略全て除去されるのではなく、赤外線透過率の調整により、その透過量が制限されるだけであるため、植物Pの生育に必要な赤外線の照射量を確保できる。例えば、赤外線は熱線であるので、赤外線が植物Pに対して放射されることにより、植物Pに対して熱放射が行なわれる。このため、秋季や冬季のような寒い時期にいても、植物Pの温度を生育に適したものにすることができ、植物Pの生長を促進することができる。また、赤外線制限板4は、可視光と、量が制限された赤外線とを透過させ、この赤外線には近赤外線が含まれているので、可視光である青色光及び赤色光に加え、近赤外線が植物Pに照射される。このため、エマーソン効果により、植物の光合成が促し、植物の生育を促進することができる。
赤外線反射板5は、その平面視形状が正方形又は長方形の板状であり、その長さは、半円筒形の反射板3の長さと略同じである。また、赤外線反射板5は、可視光を略100%透過する透明部材から成り、この透明部材は、例えば、透明樹脂又は透明ガラスから成る基材を有し、この基材の表面には透明導電膜がスパッタリング、真空蒸着又はゾル・ゲル法により製膜されている。この透明導電膜には、スズがドープされた酸化インジウム(In2O3(Sn))、酸化スズ(SnO2)、フッ素がドープされた酸化スズ(SnO2(F))、アンチモンがドープされた酸化スズ(SnO2(Sb))等が含まれる。
上記形状及び構成を有する赤外線反射板5は、反射板3及び赤外線制限板4により囲われた空間内であって、且つ、光源2と反射板3との間で、光源2の上方に、反射板3と接して配置されている。このように配置された赤外線反射板5は、光源2から出射された可視光を透過すると共に、自反射板5を透過して反射板3の内面3aで反射した可視光を再度透過する。さらに、赤外線反射板5は、下底面において、光源2から出射された赤外線と、赤外線制限板4で反射された赤外線とを反射する。
次に、図3(a)(b)を参照して、部位に応じて異なる赤外線制限板4の赤外線透過率について説明する。赤外線制限板4は、該制限板4の単位面積あたりの赤外線透過率が、光源2の発光部21から照射面4aに立てた垂線Vと交じわる部位又は該部位を含むその付近で最も低くなるように、且つ、該部位から離れるにつれて高くなるように構成される。部位によって異なるこの赤外線透過率は、光源2の発光部21との距離に応じて設定される。上記垂線Vと交わる部位は、例えば照射面4aの中心に位置する。このように赤外線制限板4の赤外線透過率は部位よって変化するように構成され、植物Pに対する赤外線の照射量は略水平面上の位置に関わらず略均一となるように赤外線透過率が調整されている。従って、植物Pが水平面上に拡がって複数在るときに、生育を促す赤外線が水平面上の位置に関わらず略均一な光量でもってそれらに照射されるので、複数の植物Pの生育を略均一に促進させることができる。なお、赤外線透過率は、赤外線制限板4の照射面4aから均一な水平照度でもって赤外線が出射されるように設定されていてもよい。
ここで、照射面4aが長方形である赤外線制限板4において、例えば、照射面4aの中心で上記垂線Vが本制限板4と交わり、その中心から四方に赤外線透過率が変化するように設定されたものについて説明する。この赤外線制限板4において、上記垂線Vと交わる部位を含み、本制限板4の平面の縦横比と同一の縦横比を有する長方形の領域A1では、赤外線透過率がT1に設定されている。また、領域A1と中心位置が同じで、且つ、領域A1を囲む枠状であり、外郭が上記縦横比を有する長方形である領域A2においては、赤外線透過率が、T1より高い値であるT2に設定されている。同様に、領域A3、A4のそれぞれにおいても、赤外線透過率T3、T4が設定されている。これらの領域A1、A2、A3、A4が足し合わされて、一面の照射面4aとなる。上記の領域A2、A3、A4のそれぞれの内辺と外辺との距離が、短手方向又は長手方向において、同じであっても異なっていてもよい。
赤外線透過率T1、T2、T3、T4の間には、T1<T2<T3<T4という式が成り立つ。上記の設定により、赤外線透過率は、照射面4aの中心から離れるに従い、短手方向又は長手方向に平行して四方に変化し、1枚の赤外線制限板4において4つの値をとる。
上記のように部位に応じて赤外線透過率が変化する赤外線制限板4を作製する方法には、例えば赤外線透過率を低めに設定したい部位をマスキングして、該部位に赤外線反射材又は赤外線吸収材を厚めに塗布したり、幾度も蒸着して該部位の赤外線反射膜又は赤外線吸収膜の膜厚を厚くしたり、赤外線透過率が調整された塗料を該部位に塗り重ねたりする方法がある。さらには、透明ガラス等の基材の生成時に赤外線反射材又は赤外線吸収材を練り込んで、赤外線透過率の異なる複数の基材を作製し、それらを所望の位置に並べて1枚の赤外線制限板4を作製しても構わない。
図3(c)は、赤外線制限板4の第1の変形例を示す。第1の変形例に係る赤外線制限板4は、同図(b)に示される実施形態の構成と比較して、照射面4aから2方向にのみ赤外線透過率が変化する点で異なる。第1の変形例に係る赤外線制限板4において、上記垂線Vと交わる部位を含み、縦の長さが本制限板4と同一である長方形の領域A5では、赤外線透過率がT5に設定されている。また、領域A5を挟み、縦の長さが本制限板4と同じである長方形の領域A6、A6’においては、赤外線透過率が、T5より高い値であるT6に設定されている。
同様に、領域A6、A5、A6’を挟む領域A7、A7’においては、赤外線透過率が、T6より高い値であるT7に設定され、さらに、領域A7、A6、A5、A6’、A7’を挟む領域A8、A8’においては、赤外線透過率が、T7より高い値であるT8に設定されている。これらの領域A8、A7、A6、A5、A6’、A7’、A8’が足し合わされて、一面の照射面4aとなる。上記の領域A8、A7、A6、A5、A6’、A7’、A8’のそれぞれの幅は、同一であっても、異なっていてもよい。
赤外線透過率T5、T6、T7、T8の間には、T5<T6<T7<T8という式が成り立つ。上記の設定により、赤外線透過率は、照射面4aの中心から離れるに従い、短手方向に平行して2方向に変化し、1枚の赤外線制限板4において4つの値をとる。本変形例においても、植物Pの葉面の光障害や焼けを抑制できる効果と、植物Pの生育に必要な赤外線の照射量を確保できる効果と、水平面上に拡がって複数在る植物の生育を略均一に促進させることができる効果とが得られる。
図3(d)は、赤外線制限板4の第2の変形例を示す。第2の変形例に係る赤外線制限板4は、同図(c)に示される第1の変形例の構成と比較して、4値ではなく、部位に応じて2値の異なる赤外線透過率を有する点で異なる。第2の変形例に係る赤外線制限板4において、上記垂線Vと交わる部位を含み、縦の長さが本制限板4と同一である長方形の領域A9では、赤外線透過率がT9に設定されている。また、領域A9を挟み、縦の長さが本制限板4と同じである長方形の領域A10、A10’においては、赤外線透過率が、T9より高い値であるT10に設定されている。これらの領域A10、A9、A10’が足し合わされて、一面の照射面4aとなる。上記の領域A10、A9、A10’のそれぞれの幅は、同一であっても、異なっていてもよい。
赤外線透過率T9、T10の間には、T9<T10という式が成り立つ。上記の設定により、赤外線透過率は、照射面4aの中心から離れるに従い、短手方向に平行して2方向に変化し、1枚の赤外線制限板4において2つの値をとる。本変形例においても、植物Pの葉面の光障害や焼けを抑制できる効果と、植物Pの生育に必要な赤外線の照射量を確保できる効果と、水平面上に拡がって複数在る植物の生育を略均一に促進させることができる効果とが得られる。なお、赤外線制限板4の構成は、図3(b)(c)(d)に示される上記構成に限定されない。
図4(a)(b)は、赤外線制限板4及び赤外線反射板5の有無に応じて変化する赤外線の照射量を示す。上記の通り、本装置は植物Pの上方に配置されている。このように配置された本装置において、赤外線制限板4及び赤外線反射板5が無い場合(同図(a)参照)、赤外線量は距離の2乗に反比例して減少するため、光源2の発光部21から出射されて下方の植物Pに照射される赤外線L1(ブロック矢印で示す)の照射量が光源2の真下では多くなり、その周辺では少なくなる。このため、水平面上に拡がって複数の植物Pが在るとき、位置に応じて植物Pに対する赤外線の照射量が異なり、赤外線照射量の多い植物Pが速く生長する。従って、複数の植物Pの間で、育成の速さにばらつきが生じる。なお、可視光L2(破線で示す)は、光源2から直接に、又は反射板3により反射されて水平照度が略均一とされ、植物Pに照射される。
次に、本装置において赤外線制限板4及び赤外線反射板5が設けられた場合(図4(b)参照)の赤外線照射量について説明する。まず、光源2から放射された光の光路を説明する。光源2から放射される光には可視光と赤外線とが含まれている。可視光L2(破線で示す)は、光源2から直接に、又は反射板3により反射されて水平照度が略均一とされ、植物Pに照射される。光源2から放射されて赤外線反射板5に直接到達した赤外線L3(実線で示す)は、該反射板5により反射される。また、光源2から放射されて赤外線制限板4の赤外線透過率が低い部位に到達し、該部位で反射された赤外線L4(実線で示す)は、例えば赤外線反射板5でさらに反射され、進行方向が変えられる。進行方向が変えられた赤外線L4は、赤外線制限板4の赤外線透過率が高い部位に入射する。該部位に入射した赤外線L4は、赤外線制限板4を透過する。このため、赤外線を効率良く活用して植物Pに照射することができる。さらに、筺体1内に熱がこもり難くなるため、本装置の長寿命化を図ることができる。
上述のように光源2直下の赤外線制限板4に入射した、光量の多い赤外線は量が制限されて透過される。また、光源2直下から離れたところの赤外線透過率が高い部位に入射した、光源2からの赤外線と、赤外線反射板5により反射された赤外線とは、高い透過率で透過される。このため、複数の植物Pが浴びる赤外線L1(ブロック矢印で示す)の光量を、略水平面上の位置に関わらず略均一にすることが可能になる。従って、水平面上に拡がって複数在る植物Pの生育速度を揃えることができる。
本発明は、上記のような実施形態の構成に限定されるものでなく、使用目的に応じ、様々な変形が可能である。例えば、赤外線制限板4は、該制限板4の単位面積あたりの赤外線透過率が、光源2の発光部21から上面に立てた垂線と交じわる部位又は該部位を含むその付近で最も低くなるように、且つ、該部位から離れるにつれて高くなるように構成されていてもよい。また、植物Pに照射される可視光を抑制する場合、赤外線制限板4は、ガラス等の基材に、不透明な赤外線反射材が塗布又は蒸着されたものであっても構わない。該制限板4においては、赤外線制限板4の赤外線透過率が、赤外線反射材が在る箇所と無い箇所とで部位に応じて変化する。
1 筐体
2 光源
3 反射板
4 赤外線制限板(赤外線制限部材)
4a 照射面
5 赤外線反射板(赤外線反射部材)
L1、L3、L4 赤外線
L2 可視光
V 垂線
P 植物
2 光源
3 反射板
4 赤外線制限板(赤外線制限部材)
4a 照射面
5 赤外線反射板(赤外線反射部材)
L1、L3、L4 赤外線
L2 可視光
V 垂線
P 植物
Claims (3)
- 植物の育成を促進するため植物に光を照射する植物育成用照明装置において、
筺体と、
前記筺体の内部に配置され、光を出射する光源と、
前記光源から出射された可視光及び赤外線を反射する反射板と、
前記光源と植物との間に配置され、前記光源から出射された可視光及び前記反射板により反射された可視光を透過すると共に、前記光源から出射された赤外線及び前記反射板により反射された赤外線の透過量を制限し、植物に光を照射する照射面を有する赤外線制限部材と、を備え、
前記赤外線制限部材は、該部材の単位面積あたりの赤外線透過率が、前記光源から前記照射面に立てた垂線と交じわる部位で最も低くなるように構成され、植物に対する赤外線の照射量が略水平面上の位置に関わらず略均一となるようにしたことを特徴とする植物育成用照明装置。 - 前記赤外線制限部材は、該部材の単位面積あたりの赤外線透過率が、前記光源から前記照射面に立てた垂線と交じわる部位から離れるにつれて高くなるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の植物育成用照明装置。
- 前記光源と前記反射板との間に配置され、該光源から出射された可視光を透過すると共に、該光源から出射された赤外線を反射する赤外線反射部材を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の植物育成用照明装置。
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2006
- 2006-07-25 JP JP2006201655A patent/JP2008022812A/ja not_active Withdrawn
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