本発明は画像データを合成する画像形成装置に関する。
近年のディジタル化された画像データを取り扱う画像形成装置では、ディジタルの画像データを取り扱う他の装置との親和性が高いため、コピー機能の他に、ファックス機能、スキャナ機能、プリンタ機能などの複数の機能を兼ね備えている。このような画像形成装置では、画像データを画像形成装置内に蓄積しておき、その情報が必要になった場合にこの画像データを再出力するものがある。
このような画像形成装置において、蓄積された画像データを再出力する場合には、画像データが蓄積されてから時間が経過していることが多く、再出力の際に画像データの用途やユーザの要求が変更されることが多く、蓄積された画像データの再出力時にこの変更に対応できない場合がある。
例えば画像形成装置においてコピー機能を使用した際の画像データを後にファクス送信するために再出力する場合などでは、画像データ自体がファックス送信に対応していないデータであったり、対応していても画質が大きく異なっていたりする場合があった。
これを考慮し、蓄積する画像データの画質を統一する画像形成装置がある。例えば特開2003−224716号公報(特許文献1)には、他の画像処理装置への転送前に、画像データを予め定められた画像特性に補正する画像処理システムが記載されている。
特開2003−224716号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、蓄積された画像データが常に一定の画像特性の画像データへ補正されるため、画像データの再出力時において、画像データ毎の要求の変更に対応できない。また、画像形成装置に蓄積される画像データを、例えばコンピュータ(以下、PC)等の外部機器により作成された画像データと合成し、合成画像データとして出力する場合には、合成画像データ毎に最適な補正が必要となる。
本発明は上記の問題点を鑑みて、これを解決すべくなされたものであり、画像形成装置内に蓄積された画像データ及びこれを合成した合成画像データを再出力する際に、再出力時における要求の変更に画像データ毎に対応でき、かつ最適な補正を行う画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は以下のような構成とする。
本発明の画像形成装置は、原稿を読み取り画像データとする画像読取手段と、画像データを補正する画像補正手段と、複数の画像データを合成する画像合成手段とを有する画像形成装置であって、前記画像補正手段は、合成される二つの画像データのうち一方又は両方を補正することにより、前記二つの画像データが適正に合成されるように補正し、前記画像合成手段は、前記画像補正手段により補正された、合成される前記二つの画像データを合成する構成とすることができる。
係る構成によれば、画像形成装置内に蓄積された画像データ及びこれを合成した合成画像データを再出力する際に、再出力時における要求の変更に画像データ毎に対応でき、かつ最適な補正を行うことができる。
また、本発明の画像形成装置は、画像データが格納された格納手段を有し、前記画像補正手段は、前記画像読取手段により読み取られた画像データを補正し、前記画像合成手段は、前記格納手段に格納された画像データと、前記画像補正手段により補正された画像データとを合成する構成とすることができる。
また、本発明の画像形成装置は画像データが格納された格納手段を有し、前記画像補正手段は、前記格納手段に格納された画像データを補正し、前記画像合成手段は、前記画像読取手段により読み取られた画像データと、前記画像補正手段により補正された画像データとを合成する構成とすることができる。
また、本発明の画像形成装置は、画像データが格納された格納手段を有し、前記画像補正手段は、前記格納手段に格納された画像データと、前記画像読取手段により読み取られた画像データとをそれぞれ補正し、前記画像合成手段は、前記画像補正手段により補正された二つの画像データを合成する構成とすることができる。
係る構成によれば、画像形成装置内に蓄積された画像データを合成する際に、合成する画像データを個別に補正するので、再出力時における要求の変更に画像データ毎に対応して最適な合成画像データを出力することができる。
また、本発明の画像形成装置は、画像データを出力する出力手段を有し、前記画像補正手段は、前記画像合成手段により合成された画像データを、前記出力手段により出力できるように補正する構成とすることができる。
係る構成によれば、合成した画像データを画像形成装置より出力する際に、画像データの用途に応じた出力方法において最適なデータに補正することができる。
また、前記画像補正手段は、合成される二つの画像データにおける色空間の補正を行う構成とすることができる。
係る構成によれば合成前の二つの画像データの色空間を独立して補正することができる。
また、前記画像補正手段は、合成される二つの画像データにおける空間周波数特性の補正を行う構成とすることができる。
係る構成によれば合成前の二つの画像データの空間周波数特性を独立して補正することができる。
また、前記画像補正手段は、合成される二つの画像データにおける解像度の補正を行う構成とすることができる。
係る構成によれば合成前の二つの画像データの解像度を独立して補正することができる。
また、前記画像補正手段は、合成される二つの画像データにおける濃度の補正を行う構成とすることができる。
係る構成によれば合成前の二つの画像データの濃度を独立して補正することができる。
また、前記画像補正手段は、合成される二つの画像データにおける地肌レベルの補正を行う構成とすることができる。
係る構成によれば合成前の二つの画像データの地肌レベルを独立して補正することができる。
また、前記画像補正手段は、合成される二つの画像データにおける色の補正を行う構成とすることができる。
係る構成によれば合成前の二つの画像データの色を独立して補正することができる。
本発明によれば、画像データの再出力時における要求の変更に画像データ毎に対応でき、かつ合成画像データとして出力する場合には、合成画像データ毎に最適な補正を行うことができる。
本発明の画像形成装置は、原稿を読み取り画像データとする画像読取手段と、画像データを補正する画像補正手段と、複数の画像データを合成する画像合成手段とを有する。また、画像形成装置内には、画像読取手段により読み取られた画像データと、画像形成装置の外部から取得された画像データが蓄積されている。画像形成装置は、蓄積された画像データのうち、画像読取手段に読み取られた画像データと、外部より取得された画像データとを合成して出力する。この画像データの合成の際に、画像補正手段はこれら二つの画像データが適正に合成されるように適宜補正する。画像合成手段は、前記画像補正手段により補正された二つの画像データを合成する。そしてこの合成された画像データは、再度画像補正手段により出力補正を施され、画像データの用途に応じた最適の画像データとされて出力される。
以下に図面を参照して本発明の実施例1について説明する。図1は本発明の画像形成装置100の全体構成の一例を示す図である。
画像形成装置100は、読取り部10、画像処理制御部20、出力部30、ハードディスク(以下、HDD)40、操作部50、通信部60、設定保持部70とから構成されている。
画像形成装置100では、操作部50が操作されることにより、読取り部10が紙原稿などを読み取り、画像データとする。この画像データには、画像処理制御部20において各種の処理が施される。画像処理制御部20で処理を施された画像データは、出力部30により印刷出力されても良いし、HDD40に格納されて蓄積されても良い。またこの画像データは、通信部60より画像形成装置100の外部に接続された外部機器へ送出されても良い。設定保持部70には、画像形成装置100を機能させるための設定やプログラムが保存されている。
以下に上記各部について詳細に説明する。
読取り部10は、例えば図示しないCCD光電素子からなるラインセンサA/Dコンバータと、これらの駆動回路を備えていても良い。読取り部10では、紙原稿をスキャンすることにより原稿の濃淡情報を取得し、この情報からRGB各8ビットのディジタルの画像データを生成する。
画像処理制御部20は、読取り部10で生成された画像データを出力する際の出力方法に適した補正する処理を施す。画像処理制御部20は、CPU22、バス制御部23、画像補正部26、画像補正部27、画像合成部28、メモリ27とから構成されている。ここで、画像データの出力方法とは、例えば印刷出力や外部装置への出力を示す。
CPU22は、画像形成装置100全体の制御を司るマイクロプロセッサであり、画像形成装置100の動作全体及び画像処理制御部20内の処理を制御する。本実施例ではこのCPU22には、CPU単体の機能だけでなく、その他の機能も組み込まれた統合型CPUを使用した。CPU22は、例えば汎用規格I/F(interface)との接続機能や、クロスバースイッチを用いたバス接続機能などが統合されていることが好ましい。
バス制御部23は、画像形成装置100において画像データや制御コマンド等の各種データのやり取りを行うデータバスを制御し、複数種のバス規格間のブリッジ機能も備える。本実施例のバス制御部23は、CPU22、画像補正部26、画像補正部27、画像合成部28とはPCIExpressバスで、HDD40とはATA(AT Attachment)バスで接続されて集積化されている。
メモリ24は、揮発性のメモリであって、各種処理において一時的にやりとりするデータを記憶するものである。
画像補正部26は、読取り部10で生成された画像データが、予め設定された形式又は条件の画像データとなるよう補正を行う。ここで言う予め設定された形式又は条件の画像データとは、例えば出力部30及び通信部60の両者において出力可能な画像データである。画像補正部26で行われる補正としては、例えば画像の明るさを調整するガンマ変換処理、画像データの空間周波数特性を調整するフィルタ処理、RGBと各色空間の変換を行う色変換処理、画像データの解像度の調整を行う解像度変換処理などである。画像補正部26で行われる補正についての詳細は後述する。
画像補正部27は、画像補正部26で補正された画像データや、通信部60を介して外部より取得された画像データに対して、これらの画像データが適正に合成されるように補正している。ここでいう適正に合成されることとは、例えば合成後の画像データの画質が、画像補正部26で補正された画像データにおける色や解像度、濃度、地肌レベルなどに基づく画質と同様の画質となることであっても良い。また、例えば合成後の画像データの画質が、通信部60を介して外部より取得された画像データにおける色や解像度、濃度、地肌レベルなどに基づく画質と同様の画質となることであっても良い。
また、例えば画像補正部27は、画像合成部28で合成された合成画像データに対して、この合成画像データを出力する際の出力補正を行う。画像補正部27で行われる補正としては、画像補正部26で行われる各処理の他に、画像データの階調の調整を行う中間調処理がある。画像補正部27で行われる補正についての詳細は後述する。
画像合成部28は、画像補正部27で補正された二つの画像データを合成した合成画像データを生成する。
出力部30は、画像データを印刷出力する手段であり、プロッタI/F部32、プロッタ部34により構成されている。プロッタ部34は、プロッタI/F部32を介して画像処理制御部20より補正された画像データを受けとり、レーザビームを用いた電子写真プロセスにより、画像データを転写紙へ転写する。
HDD40は、例えばデスクトップ型のコンピュータ等にも使用される大容量の記憶装置であり、画像データが格納されて蓄積される。HDD40に蓄積されている画像データは、読取り部10で読み取られた画像データの他に、例えば通信部60を介して外部装置や外部メディアから取得された画像データなどであって、標準化された色空間の画像データである。本実施例のHDD40は、例えばATAバス接続のHDDなどが好ましい。
操作部50は、ユーザが画像形成装置100の操作を行うための部材であり、例えばLCD(liquid crystal monitor)などの図示しない表示手段とキースイッチなどとから構成される。この表示手段には、例えば画像形成装置100の装置状態や操作方法などが表示されても良い。本実施例の操作部50は、PCIExpressバスによりCPU22と接続されていることが好ましい。
通信部60は、回線I/F部62、外部I/F部64とから構成されている。回線I/F部62は、PCIExpressバスと電話回線を接続するためのものである。この回線I/F部62により、画像形成装置100は電話回線を介して各種データの通信を行う。例えばFAX機能などは、この電話回線を用いて外部のFAX装置とデータの通信を行っている。
外部I/F部64はPCIExpressバスと外部装置とを接続するためのものである。画像形成装置100は、外部I/F部64を介してネットワークなどに接続されて外部装置と各種データの通信を行っても良い。また、画像形成装置100は、外部I/F部64を介して例えばSDカードやUSBメモリなどの外部メディアに接続されて、これらの外部メディアと各種データのやりとりを行っても良い。
設定保持部70は、S.B.(South Bridge)72とROM(Read Only Memory)74とから構成されている。ROM74は、バスのブリッジ機能を汎用回路化した電子デバイスであるS.B.72を介して画像処理制御部20に接続されている。ROM74には、画像形成装置100を備える各種機能を実現するために、CPU22などで実行されるプログラムなどが格納されている。
以下に本実施例の画像形成装置100の動作を説明する。
まず始めに、画像形成装置100における画像データの蓄積動作について説明する。図2は、画像形成装置100における画像データの蓄積を説明するフローチャートの例である。
本実施例の画像形成装置100において、HDD40には、読取り部10により読み取られた画像データと、通信部60を介して外部より取得された画像データとの二種類の画像データが蓄積される。画像形成装置100では、この二種類の画像データのそれぞれから選択された画像データを合成する。
以下に読取り部10により読み取られた画像データが蓄積される場合について説明する。
読取り部10では、紙原稿などを読み取り画像データとする(S21)。S21において画像データが読み取られると、この画像データは、画像補正部26により出力部30及び通信部60の両者において出力可能な画像データとなるよう補正される(S22)。S22における補正についての詳細は後述する。S22において補正された画像データは、CPU22により、バス制御部23を介しHDD40へ格納されて蓄積される(S23)。ここで、読取り部10により読み取られ、画像補正部26により補正されて蓄積された画像データを画像データ1とした。
次に、通信部60を介して外部より取得された画像データが蓄積される場合について説明する。CPU22は、通信部60を介して外部装置より画像データが取得されると(S25)、この画像データをバス制御部23を介してHDD40へ格納して蓄積する(S23)。ここで、通信部60を介して外部より取得されて蓄積された画像データを画像データ2とした。本実施例の画像データ2は、例えば色空間が標準化された画像データであっても良い。
次に、本実施例のS22における処理の詳細を説明する。図3は、実施例1の画像補正部26における画像データの補正を説明する図の例である。
画像補正部26では、読取り部10で読み取られた画像データに対し、ガンマ変換処理、フィルタ処理、色変換処理、解像度変換処理の順に処理を施して補正する。
まずガンマ変換処理について説明する。画像補正部26は、ガンマ変換処理において画像データのガンマ特性を予め設定された値に補正する。ここでは、例えばガンマ値=2.2となるように画像データを補正しても良い。
次にフィルタ処理について説明する。画像補正部26は、フィルタ処理において読取り部10の持つ空間周波数特性を予め設定された特性値に補正する。本実施例におけるフィルタ処理では、例えば図4に示すような基準チャートのパターンをスキャンしたときに、線数毎に対して予め定めた空間周波数特性値になるように補正した。尚、図4は基準チャートのパターンの一例を示す図である。
次に色変換処理について説明する。画像補正部26は、色変換処理において画像データの色空間を、予め設定された色空間へ変換する。本実施例では、予め設定された色空間を規格化された色空間の一つであるAdobeRGBとし、読取り部10で読み取られた画像データの色空間をAdobeRGBに変換する。尚このとき、ここで設定される色空間はAdobeRGBに限定されるものではなく、階調段差の問題が発生せず、かつクリップや圧縮がかからない程度の大きさの色空間であれば良い。
次に解像度変換処理について説明する。画像補正部26では、解像度変換処理において画像データの解像度を予め設定された値に変換する。本実施例では、予め設定された解像度を600dpiとし、読取り部10により読み取られた画像データの解像度を600dpiに変換する。
画像補正部26では、このようにして読取り部10で読み取られた画像データを出力部30及び通信部60の両者において出力可能な画像データ1となるように補正している。
次に、本発明の画像形成装置100における特徴的な動作である画像データの合成と、合成された合成画像データの出力について説明する。
画像形成装置100では、読取り部10により読み取られ、画像補正部26で補正された画像データ1と、通信部60を介して外部から取得された画像データ2を適宜補正して合成し、この合成画像データを生成する。この合成画像データは、画像補正部27により出力補正された後、画像形成装置100より出力される。
図5は画像形成装置100における画像データの合成と、合成画像データの出力を説明するフローチャートの一例である。
画像形成装置100では、図2のS23においてHDD40に画像データ1と画像データ2が蓄積されている。画像形成装置100において、複数の画像データを合成して再出力する操作がなされた場合(S41)、CPU22はこの指示をうけて、画像処理制御部20において画像データの合成処理を開始する。
尚このとき操作部50には、例えばHDD40内に蓄積された画像データ1と画像データ2のそれぞれの一覧などがユーザに対して閲覧可能に表示されても良い。そして、ユーザは、操作部50において、この一覧から合成される画像データを複数選択することができても良い。尚、本実施例では合成される画像データは、画像データ1と画像データ2の中からそれぞれ1つずつ、合計二つの画像データとした。
CPU22は、操作部50においてユーザに選択された二つの画像データを、バス制御部23を介してHDD40より読み出す。そして、画像補正部27は、この読み出された二つの画像データを補正する(S42)。S42における処理の詳細は後述する。
S42において補正された二つの画像データは、画像合成部28において合成されて合成画像データとなる(S43)。S43における合成処理では、例えば一つの画像データにもう一つの画像データが上書きされて合成画像データとされても良い。この合成画像データは、出力時に再度画像補正部27において出力補正され、合成画像データの用途に合致した画像データに補正される(S44)。S44における処理の詳細は後述する。S44において出力補正された合成画像データが、画像形成装置100より出力される(S45)。
尚ここで、画像形成装置100は、S41において画像データの合成の操作がなされず、選択された画像データの再出力のみの操作であった場合、図2のS23において蓄積された画像データをそのまま出力しても良いし、出力前にS44における出力補正のみを行ってから出力しても良い。
このように、画像形成装置100において、蓄積された画像データの合成及び再出力される画像データ毎に補正を行うようにすれば、各画像データに対して再出力時における要求の変更に対応した補正を行うことができる。また、合成画像データとして出力する場合には、合成画像データ毎に最適な補正を行うことができる。
次に本実施例のS42における処理の詳細を説明する。図6は、実施例1の画像補正部27における画像データの補正を説明する図の例である。
S42において画像補正部27が行う処理として、画像データ1を補正して画像データ2と合わせる処理、画像データ2を補正して画像データ1へ合わせる処理、画像データ1と画像データ2をそれぞれ補正して、両者を合わせる処理とがある。また、画像データ1及び画像データ2の補正としては、色空間の調整、空間周波数特性の補正、解像度の補正、濃度の補正、地肌レベルの補正、色の補正などがある。
本実施例では、画像データ2の色空間を補正して画像データ1と合わせる補正を行う。
画像データ1は、図2のS22において色空間をAdobeRGB、解像度を600dpiに補正されている。よって、画像補正部27は、S42において画像データ2の色空間をAdobeRGB色空間に変更する補正を行う。
この色空間の補正により、画像データ2は画像データ2Aとなる。この画像データ2Aは、画像補正部27で補正された後一端HDD40に格納されても良い。
HDD40に格納された画像データ1と画像データ2Aは、CPU22によりHDD40からメモリ24上に読み出され、S43において画像合成部28により合成される。尚、本実施例では、S43の合成処理において、画像データ1の上に画像データ2Aを上書きして合成するものとした。
次に本実施例のS44における処理の詳細を説明する。図7は、実施例1の画像補正部27における合成画像データの出力補正を説明する図の例である。
画像合成部27における出力補正では、フィルタ処理、色変換処理、解像度変換処理、ガンマ変換処理、中間調処理の順に補正が行われる。尚、以下の説明では、合成画像データが出力部30より印刷出力される場合の出力補正について説明する。
フィルタ処理では、例えば合成画像データを出力部30より出力する場合に、合成画像データの再現性が向上するように鮮鋭性やSN比を調整する。具体的には、例えば合成画像データが文書データであった場合には、文字をくっきりと再現するために鮮鋭化処理を行っても良い。また、合成画像データが写真などであった場合には、滑らかに階調性を表現するために平滑化処理を行っても良い。
色変換処理では、AdobeRGBの色空間を、出力部30に対応した色空間であるCMYK色空間に変換する。この変換処理において、画像補正部27は、例えばユーザにより設定された彩度も合わせて調整を行っても良い。
解像度変換処理では、CMYK色空間に変換された合成画像データの解像度を出力部30の性能に合わせた解像度に変換する。本実施例では、合成画像データの解像度は出力部30の性能と一致しているため、ここでは解像度の変換は行わない。
ガンマ変換では、CMYK色空間に変換された合成画像データのガンマ特性を出力部30の特性に合わせて調整する。
中間調処理では、CMYK色空間に変換された合成画像データに対し、出力部30の階調処理能力に基づいた中間調処理を行う。例えば合成画像データがCMYK各8ビットの画像データとしたとき、本実施例では、この合成画像データをCMYK各2ビットとし、擬似中間調処理の一つである誤差拡散法を用いても良い。
このように、画像データ1と画像データ2Aが合成された合成画像データは、出力補正が施された画像データ3となる。画像データ3が、画像形成装置100から出力される画像データとなる。
このように、合成画像データの出力時に必要に出力補正を行うことで、合成画像データの出力方法に応じた最適の出力補正を行うことができる。このため、出力された合成画像データの画質を大幅に向上させることができる。
また、次に合成画像データが回線I/F部62を介してFAX送信される場合の出力補正について説明する。
画像形成装置100では、操作部50により合成画像データをFAX送信する旨の操作が成された場合、画像補正部27は画像合成部28により合成された合成画像データをFAX送信に対応した画像データとする出力補正を行う。以下にFAX送信時の合成画像データの出力補正について説明する。
フィルタ処理では、合成画像データの鮮鋭性を、FAX送信する場合の合成画像データの再現性がよくなるように調整する。
色変換処理では、合成画像データをFAX装置において一般的な単色(モノクロ)8ビットの画像データに変換する。
解像度変換処理では、色変換処理でモノクロ画像データとされた合成画像データを、FAX装置で送受信可能な解像度に変換する。本実施例では、主走査が200dpi、副走査が100dpiとなるように変換した。
ガンマ変換処理では、モノクロ画像データに変換された合成画像データのガンマ特性を、FAX送信する場合に再現性が良くなるように調整する。例えば文字がはっきりと識別できるようにコントラストを高めにする調整を行っても良い。また、合成画像データが写真などの場合には、滑らかに階調表現できるように調整する。
中間調処理では、FAX装置の中間調処理能力に基づいて中間調処理を行う。本実施例では、モノクロ8ビットの画像データを、擬似中間調処理の一つである誤差拡散法を用いて二値のデータとしても良い。
次に、合成画像データが外部I/F部64を介してネットワーク接続された外部機器へスキャナ配信される場合の出力補正について説明する。
ここでいうスキャナ配信とは、画像形成装置100に蓄積された画像データを、ネットワークを介して画像形成装置100に接続された他の外部装置へ送信することを示す。このときの外部装置とは、例えばコンピュータなどである。このコンピュータに画像データを送信する場合は、複数の画像データを一度に送信出来ても良いし、画像形成装置100から複数台のコンピュータに一度に送信出来ても良い。
画像形成装置100では、操作部50により合成画像データをスキャナ配信する旨の操作がなされた場合、画像補正部27は、画像合成部28により合成された合成画像データをスキャナ配信に対応した画像データとする出力補正を行う。以下にスキャナ配信時の合成画像データの出力補正について説明する。
フィルタ処理では、合成画像データの鮮鋭性を、スキャナ配信する場合の合成画像データの再現性がよくなるように調整する。
色変換処理では、合成画像データの色空間を指定された色空間に変換する。本実施例では指定された色空間をスキャナ配信で一般的なsRGB色空間とした。ここでの合成画像データの色空間はAdobeRGBとなっているので、これを各8ビットのsRGBへ変換する。
解像度変換処理では、合成画像データをスキャナ配信で送受信可能な解像度に変換する。本実施例では、主走査が200dpi、副走査が200dpiとなるように変換した。
ガンマ変換処理では、合成画像データのガンマ特性を、スキャナ配信する場合に再現性が良くなるように調整する。本実施例では、この場合の合成画像データはsRGB色空間の画像データとなっており、既に規格化された色空間にマッチングされているため、ガンマ変換は行われない。
中間調処理では、スキャナ配信で送受信される中間調処理能力に基づいて中間調処理を行う。本実施例では、sRGB規格においてRGB各8ビットの16万色が指定されているため、階調の調整は行わない。
また、本実施例のS42における色空間の補正において、色空間の補正と合わせて特定の色を補正する処理を行うことにより、合成後の出力画像の特定部分を目立たせることができる。
例えば画像補正部27は、S42において、画像データ2に対し、色空間変換処理と合わせて黒の画像データを赤の画像データに置き換える処理を行う。このときの置き換えられる色は、例えばS41において画像合成の指示が出されたときに、ユーザにより決定されても良い。
このように画像データ毎に独立して色を調整することにより、合成画像データを出力する際に的確にユーザの要求に対応することができる。
以上に説明したように、本実施例では、画像形成装置100に蓄積された画像データ及びこれを合成した合成画像データを再出力する際に、再出力時における要求の変更に画像データ毎に対応でき、かつ最適な補正を行うことができる。また、画像形成装置100は、合成画像データの出力方法に応じた出力補正を行うことができる。また、本実施例では、二つの画像データを合成する前に、それぞれの画像データを独立して補正することができるので、画像データを合成する際にユーザの要求に応じた合成画像データを生成することができる。
以上で実施例1の説明を終了する。次いで、実施例2乃至実施例6について説明する。実施例1を含む各実施例は、S42の処理によって分類している。
つまり、S42において画像補正部27が行う処理が、画像データ2を補正して画像データ1と合わせる処理を行う場合が実施例2である。S42におけて画像補正部27が行う処理が、画像データ1と画像データ2のそれぞれを補正し、両者が適正に合成されるようにする処理である場合が実施例3乃至実施例6である。
以下に本発明の実施例2について説明する。実施例2では、実施例1と同様の構成を有する画像形成装置100において、図5のS42とS44で行われる処理が実施例1と異なる。よって、実施例2ではS42とS44における処理についてのみ説明し、画像形成装置100を構成する各部については実施例1と同様の符号を用い、その説明を省略する。
以下に本実施例のS42における処理の詳細を説明する。図8は、実施例2の画像補正部27における画像データの補正を説明する図の例である。
本実施例では、画像データ1の空間周波数特性を補正して画像データ2と合わせる補正を行う。
画像補正部27は、S42において画像データ1に対しフィルタ処理を施し、画像データ1の空間周波数特性を画像データ2と一致するように補正する。ここで行われるフィルタ処理とは、例えば画像データ1の鮮鋭性やSN比を調整する。具体的には、例えば画像データ1が文書データであった場合には、文字をくっきりと再現するために鮮鋭化処理を行っても良い。また、画像データ1が写真などであった場合には、滑らかに階調性を表現するために平滑化処理を行っても良い。
この空間周波数特性の補正により、画像データ1は画像データ1Aとなる。画像データ1Aは、画像補正部27で補正された後一端HDD40に格納されても良い。
このようにして補正された画像データ1Aと画像データ2は、CPU22によりHDD40からメモリ24上に読み出され、S43において画像合成部28により合成される。尚、本実施例では、S43の合成処理において、画像データ2の上に画像データ1Aを上書きして合成するものとした。
次に本実施例のS44における処理の詳細を説明する。図9は、実施例2の画像補正部27における合成画像データの出力補正を説明する図の例である。以下の説明では、合成画像データが出力部30より印刷出力される場合の出力補正について説明する。
画像合成部27における出力補正では、S42において画像データ1Aにフィルタ処理が施されており、画像データ2は、コンピュータから取得された画像データであり、フィルタ処理は不要であるため、ここではフィルタ処理は行わない。
また、本実施例において、画像補正部27におけるフィルタ処理以降の色変換処理から中間調処理においては実施例1と同様であるから説明を省略する。
画像データ1Aと画像データ2が合成された合成画像データは、出力補正が施された画像データ3となる。画像データ3が、画像形成装置100から出力される画像データとなる。
このように、合成画像データの出力時に出力補正を行うことで、合成画像データの出力方法に応じた最適の出力補正を行うことができる。このため、出力された合成画像データの画質を大幅に向上させることができる。
また、本実施例における合成画像データがFAX送信される場合の出力補正及びスキャナ配信される場合の出力補正についても、印刷出力される場合の出力補正と同様にフィルタ処理が行われない以外は実施例1と同様である。よってここでの説明は省略する。
以下に本発明の実施例3について説明する。実施例3では、実施例1と同様の構成を有する画像形成装置100において、図5のS42とS44で行われる処理が実施例1と異なる。よって、実施例3ではS42とS44における処理についてのみ説明し、画像形成装置100を構成する各部については実施例1と同様の符号を用い、その説明を省略する。
以下に本実施例のS42における処理の詳細を説明する。図10は、実施例3の画像補正部27における画像データの補正を説明する図の例である。
本実施例では、画像データ1と画像データ2の解像度を補正して両者が適正に合成されるようにする。本実施例では、画像データ1と画像データ2の解像度を所定の解像度に合わせる補正を行った。
画像補正部27は、S42において画像データ1と画像データ2の解像度を所定の解像度へ変換する処理を行う。本実施例では所定の解像度を例えば600dpiとし、所定の解像度に変換された画像データ1を画像データ1B、所定の解像度に変換された画像データ2を画像データ2Bとした。この画像データ1Bと画像データ2Bは、一端HDD40に格納されても良い。
ここで補正された画像データ1Bと画像データ2Bは、CPU22によりHDD40からメモリ24上に読み出され、S43において画像合成部28により合成される。尚、本実施例では、S43の合成処理において、画像データ1Bの上に画像データ2Bを上書きして合成するものとした。
次に本実施例のS44における処理の詳細を説明する。図11は、実施例3の画像補正部27における合成画像データの出力補正を説明する図の例である。
画像合成部27における出力補正では、S42において画像データ1と画像データ2の解像度は印刷出力に最適な解像度に変更されているため、解像度変換処理は行われず、それ以外の処理が、フィルタ処理、色変換処理、ガンマ変換処理、中間調処理の順に行われる。本実施例における解像度変換処理以外の処理は実施例1と同様であるから説明を省略する。
画像データ1Bと画像データ2Bが合成された合成画像データは、出力補正が施された画像データ3となる。画像データ3が、画像形成装置100から出力される画像データとなる。
このように、合成画像データの出力時に必要に応じて出力補正を行うことで、合成画像データの出力方法に応じた最適の出力補正を行うことができる。このため、出力された合成画像データの画質を大幅に向上させることができる。
また、本実施例における合成画像データがFAX送信される場合について説明する。
本実施例において合成画像データがFAX送信される場合、S42において画像データ1と画像データ2の解像度は、FAX送信に最適な解像度に変換される。本実施例では、このときの解像度を主走査200dpi、副走査100dpiに変換するものとした。
また、合成画像データがFAX送信される場合の出力補正は、解像度変換処理が行われない点を除き、実施例1と同様であるから説明を省略する。
次に、本実施例における合成画像データがスキャナ配信される場合について説明する。
本実施例において合成画像データがスキャナ配信される場合、S42において画像データ1と画像データ2の解像度は、スキャナ配信に最適な解像度に変換される。本実施例では、このときの解像度を200dpiに変換するものとした。
また、合成画像データがスキャナ配信される場合の出力補正は、解像度変換処理が行われない点を除き、実施例1と同様であるから説明を省略する。
本実施例では、合成される画像データ1と画像データ2の解像度をそれぞれ独立して指定の解像度となるように調整することができるので、印刷出力時、FAX送信時、スキャナ配信時のそれぞれにおいて、ユーザの手を煩わせることなく最適な合成画像データとすることができる。
以下に本発明の実施例4について説明する。実施例4では、実施例1と同様の構成を有する画像形成装置100において、図5のS42とS44で行われる処理が実施例1と異なる。よって、実施例4ではS42とS44における処理についてのみ説明し、画像形成装置100を構成する各部については実施例1と同様の符号を用い、その説明を省略する。
以下に本実施例のS42における処理の詳細を説明する。図12は、実施例4の画像補正部27における画像データの補正を説明する図の例である。
本実施例では、画像データ1と画像データ2の濃度を補正して両者が適正に合成されるようにする。本実施例では、画像データ1と画像データ2の濃度を所定の濃度に合わせる補正を行った。
尚このときの所定の濃度とは、例えばユーザにより設定された濃度でも良く、この濃度は、例えばS41において、ユーザにより画像を合成する旨の指示が出される際に、同時に設定されても良い。または設定保持部70において予め設定された濃度に関する情報が保持されていても良い。
画像補正部27は、S42においてガンマ変換処理により画像データ1と画像データ2の濃度を所定の濃度へ変換する処理を行う。本実施例では、所定の濃度に変換された画像データ1を画像データ1C、所定の濃度に変換された画像データ2を画像データ2Cとした。この画像データ1Cと画像データ2Cは、一端HDD40に格納されても良い。
ここで補正された画像データ1Cと画像データ2Cは、CPU22によりHDD40からメモリ24上に読み出され、S43において画像合成部28により合成される。尚、本実施例では、S43の合成処理において、画像データ1Cの上に画像データ2Cを上書きして合成するものとした。
次に本実施例のS44における処理の詳細を説明する。図13は、実施例4の画像補正部27における合成画像データの出力補正を説明する図の例である。ここでの出力補正は、実施例1と同様の処理であるから説明を省略する。
また、本実施例における合成画像データがFAX送信される場合には、S42において画像データ1と画像データ2の濃度は、FAX送信に最適な濃度となるよう、濃度を濃くするように変換されても良い。また、合成画像データがFAX送信される場合の出力補正は、実施例1と同様であるから説明を省略する。
さらに、本実施例における合成画像データがスキャナ送信される場合には、S42において画像データ1と画像データ2の濃度は、スキャナ配信後に最適な濃度となるよう、濃度を濃くするように変換されても良い。また、合成画像データがスキャナ配信される場合の出力補正は、実施例1と同様であるから説明を省略する。
本実施例では、合成される画像データ1と画像データ2の濃度をユーザの設定した濃度にそれぞれ独立して調整することができるので、印刷出力時、FAX送信時、スキャナ配信時のそれぞれにおいて、ユーザの手を煩わせることなく最適な合成画像データとすることができる。
また、本実施例のS42におけるガンマ変換処理において、画像データ1と画像データ2の地肌レベルの調整を行っても良い。画像補正部27は、S42においてガンマ変換処理により画像データ1と画像データ2の地肌レベルを所定のレベルへ変換する処理を行っても良い。ここで言う所定の地肌レベルは、例えばS41において、ユーザにより画像を合成する旨の指示が出される際に、同時に設定されても良い。または設定保持部70において予め設定された地肌レベルに関する情報が保持されていても良い。
合成される画像データ1と画像データ2の地肌レベルをユーザの設定した地肌レベルにそれぞれ独立して調整することができるので、印刷出力時、FAX送信時、スキャナ配信時のそれぞれにおいて、ユーザの手を煩わせることなく最適な合成画像データとすることができ、さらは画質を向上させることができる。
以下に本発明の実施例5について説明する。実施例5では、実施例1と同様の構成を有する画像形成装置100において、図5のS42とS44で行われる処理が実施例1と異なる。よって、実施例5ではS42とS44における処理についてのみ説明し、画像形成装置100を構成する各部については実施例1と同様の符号を用い、その説明を省略する。
本実施例のS42では、画像データ1と画像データ2に対し、それぞれ異なる補正を行い、主に画像データ2を画像データ1にあわせる補正を行っている。以下に本実施例のS42における処理の詳細を説明する。図14は、実施例5の画像補正部27における画像データ1の補正を説明する図の例である。
画像補正部27は、S42において画像データ1に対してフィルタ処理を施し、画像データ1の空間周波数特性を画像データ2の空間周波数特性と一致するように補正する。この補正により画像データ1は画像データ1Dとなる。画像データ1Dは、一端HDD40に格納されても良い。
次に画像補正部27は、S42において画像データ2に対して色変換処理と解像度変換処理を施し、画像データ2の色空間と解像度が画像データ1の色空間と解像度と一致するように補正する。図15は、実施例5の画像補正部27における画像データ2の補正を説明する図の例である。
画像補正部27では、まず画像データ2の色空間をsRGB色空間からAdobeRGB色空間に変換する。次に画像データ2の解像度を600dpiに変更する。画像データ2は、この補正により画像データ2Dとなる。画像データ2Dは一端HDD40に格納されても良い。
ここで補正された画像データ1Dと画像データ2Dは、CPU22によりHDD40からメモリ24上に読み出され、S43において画像合成部28により合成される。尚、本実施例では、S43の合成処理において、画像データ1Dの上に画像データ2Dを上書きして合成するものとした。
次に本実施例のS44における処理の詳細を説明する。図16は、実施例5の画像補正部27における合成画像データの出力補正を説明する図の例である。尚ここでは、合成画像データが出力部30より印刷出力される場合の出力補正について説明する。
本実施例では、S42において画像データ1Dにフィルタ処理が施されており、画像データ2Dは、コンピュータから取得された画像データであって、フィルタ処理は不要であるため、ここではフィルタ処理は行わない。
また、本実施例において、画像補正部27におけるフィルタ処理以降の色変換処理から中間調処理においては実施例1と同様であるから説明を省略する。
画像データ1Dと画像データ2Dが合成された合成画像データは、出力補正が施された画像データ3となる。画像データ3が、画像形成装置100から出力される画像データとなる。
このように、合成画像データの出力時に出力補正を行うことで、合成画像データの出力方法に応じた最適の出力補正を行うことができる。このため、出力された合成画像データの画質を大幅に向上させることができる。
また、本実施例における合成画像データがFAX送信される場合の出力補正及びスキャナ配信される場合の出力補正についても、印刷出力される場合の出力補正と同様にフィルタ処理が行われない以外は実施例1と同様である。よってここでの説明は省略する。
このように、本実施例の画像形成装置100では、上記各実施例で説明した処理を組み合わせて画像データを補正し、合成画像データを生成することができる。さらに本実施例では、合成される各画像データにそれぞれ異なる処理を施して補正することができるので、合成される画像データをそれぞれ独立して補正することができる。
以下に本発明の実施例6について説明する。実施例6では、実施例1と同様の構成を有する画像形成装置100において、図5のS42とS44で行われる処理が実施例1と異なる。よって、実施例6ではS42とS44における処理についてのみ説明し、画像形成装置100を構成する各部については実施例1と同様の符号を用い、その説明を省略する。
本実施例のS42では、画像データ1と画像データ2に対し、それぞれ異なる補正を行い、主に画像データ1を画像データ2にあわせる補正を行っている。以下に本実施例のS42における処理の詳細を説明する。図17は、実施例6の画像補正部27における画像データ1の補正を説明する図の例である。
画像補正部27は、S42において画像データ1に対してフィルタ処理、色変換処理、解像度変換処理、ガンマ変換処理の順に処理を施し補正を行う。
フィルタ処理において画像データ1の空間周波数特性を、画像データ2の空間周波数特性と一致するように補正する。色変換処理では、画像データ1の色空間はAdobeRGB色空間から画像データ2の色空間であるsRGB色空間に変換される。解像度変換処理では、画像データ1の解像度は、出力部30の性能に基づく所定の解像度に変換される。ここで所定の解像度とは600dpiであり、画像データ1の解像度も600dpiであるから、実際には解像度は変換されない。ガンマ変換処理では、画像データ1の濃度を画像データ2の濃度と一致する濃度に変換する。
この補正により画像データ1は画像データ1Eとなる。画像データ1Eは、一端HDD40に格納されても良い。
次に画像補正部27は、S42において画像データ2に対して解像度変換処理を施し、画像データ2の色解像度が画像データ1と解像度と一致するように補正する。図18は、実施例6の画像補正部27における画像データ2の補正を説明する図の例である。画像データ2の解像度は本実施例では600dpiに変換される。この補正により画像データ2は画像データ2Eとなる。画像データ2Eは一端HDD40に格納されても良い。
ここで補正された画像データ1Eと画像データ2Eは、CPU22によりHDD40からメモリ24上に読み出され、S43において画像合成部28により合成される。尚、本実施例では、S43の合成処理において、画像データ2Eの上に画像データ1Eを上書きして合成するものとした。
次に本実施例のS44における処理の詳細を説明する。図19は、実施例6の画像補正部27における合成画像データの出力補正を説明する図の例である。尚ここでは、合成画像データが出力部30より印刷出力される場合の出力補正について説明する。
本実施例では、S42において画像データ1Eにフィルタ処理が施されており、画像データ2Eは、コンピュータから取得された画像データであってフィルタ処理は不要であるため、ここではフィルタ処理は行わない。
また本実施例では、S42において画像データ1と画像データ2の解像度がそれぞれ一致するように補正を行っているため、S44の出力補正では解像度変換処理は行わない。さらに本実施例ではS42において画像データ1の濃度を画像データ2の濃度と一致するように補正を行っているため、S44の出力補正ではガンマ変換処理を行わない。
よって本実施例の出力補正で行われる処理は、色変換処理と中間調処理であり、これらの処理は実施例1と同様であるから説明は省略する。
また、本実施例における合成画像データがFAX送信される場合には、S42における画像データ1の解像度変換処理及び画像データ2の解像度変換処理において、それぞれの画像データの解像度を主走査200dpi、副走査100dpiに変換すればよい。本実施例における合成画像データがスキャナ配信される場合の出力補正でも同様に、S42における画像データ1の解像度変換処理及び画像データ2の解像度変換処理において、それぞれの画像データの解像度を200dpiに変換すれば良い。
また、本実施例において合成画像データがFAX送信される場合の出力補正及び合成画像データがスキャナ配信される場合の出力補正については、合成画像データが印刷出力される場合と同様に、色変換処理と中間調処理のみが行われる。この色変換処理と中間調処理については実施例1と同様であるから説明を省略する。
このように、本実施例の画像形成装置100では、上記各実施例で説明した処理を組み合わせて画像データを補正し、合成画像データを生成することができる。さらに本実施例では、合成される各画像データにそれぞれ異なる処理を施して補正することができるので、合成される画像データをそれぞれ独立して補正することができる。
以上、各実施例に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施例にあげた構成、順序その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
本発明は画像データを合成する画像形成装置に関する。
本発明の画像形成装置100の全体構成の一例を示す図である。
画像形成装置100における画像データの蓄積を説明するフローチャートである。
実施例1の画像補正部26における画像データの補正を説明する図である。
基準チャートのパターンの一例を示す図である。
画像形成装置100における画像データの合成と、合成画像データの出力を説明するフローチャートである。
実施例1の画像補正部27における画像データの補正を説明する図である。
実施例1の画像補正部27における合成画像データの出力補正を説明する図である。
実施例2の画像補正部27における画像データの補正を説明する図である。
実施例2の画像補正部27における合成画像データの出力補正を説明する図である。
実施例3の画像補正部27における画像データの補正を説明する図である。
実施例3の画像補正部27における合成画像データの出力補正を説明する図である。
実施例4の画像補正部27における画像データの補正を説明する図である。
実施例4の画像補正部27における合成画像データの出力補正を説明する図である。
実施例5の画像補正部27における画像データ1の補正を説明する図である。
実施例5の画像補正部27における画像データ2の補正を説明する図である。
実施例5の画像補正部27における合成画像データの出力補正を説明する図である。
実施例6の画像補正部27における画像データ1の補正を説明する図である。
実施例6の画像補正部27における画像データ2の補正を説明する図である。
実施例6の画像補正部27における合成画像データの出力補正を説明する図である。
符号の説明
10 読取り部
20 画像処理制御部
22 CPU
26、27 画像補正部
28 画像合成部
30 出力部
34 プロッタ部
40 ハードディスク(HDD)
50 操作部
60 通信部
100 画像形成装置