JP2008015312A - 反射体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】銀を含む金属層を有する、反射率の高い反射体の製造方法、及びその方法で得られる反射体を提供すること。
【解決手段】酸素及び水素を含む雰囲気中で、真空蒸着法によって基板上に銀を含む金属層を形成することにより、金属層を光入射面としたときの反射率が従来よりも高く、波長550nmにおいて反射率97.3%以上である反射体を得ることができる。銀を含む金属層を形成した後、低屈折率薄膜層、高屈折率薄膜層を設けることで、さらに反射率の高い反射体が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高い反射率を有する反射体、およびその製造方法に関する。
近年、液晶表示装置の高画素数化に伴い、バックライトの輝度向上が求められている。ここで、バックライトの輝度を上げるための手法として、光源からの光を余すこと無く利用できる反射率の高い反射体を用いることが挙げられる。現在は、真空蒸着で形成した銀層を用いる反射体が広く用いられているが、更なる反射率向上を要求されている状況にある。
従来、銀層をスパッタリングで形成する場合、希ガス(主にアルゴン)雰囲気下で行うことが一般的である。チャンバ内の残酸素ガス圧力が高いほど、特に短波長側での反射率が低下することが、例えば、J.Vac.Sci.Technol.A18(4),Jul/Aug2000、1632−1637等で知られている。したがって、銀層を用いる反射体の反射率は、希ガス雰囲気下で形成した反射体が有する反射率が限界であると考えられていた。
J.Vac.Sci.Technol.A18(4),Jul/Aug2000、1632−1637
本発明の課題は、高い反射率を有する反射体の製造方法、及びその製造方法で得られる反射体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、酸素及び水素を含む希ガス雰囲気中で真空蒸着法によって銀層を形成することで、従来の方法で作製した銀層と比べて反射率が向上することを見出した。
すなわち本発明の第一の発明は、
基材(A)、銀を含む金属層(B)を有する反射体の製造方法であって、酸素及び水素を含む雰囲気中で真空蒸着法によって、該金属層(B)を形成することを特徴とする反射体の製造方法である。
酸素及び水素及び希ガスを含む雰囲気中の酸素の体積濃度が1.0vol%以上、15vol%以下であると好ましい。
水素の体積濃度が1.0vol%以上、10vol%以下であると好ましい。
前記銀を含む金属層(B)の、該金属層(B)を光入射面とした波長550nmにおける反射率が97.3%以上であると好ましい。
前記銀を含む金属層(B)を形成した後、該金属層の上にさらに低屈折率透明薄膜層(C)、高屈折率透明薄膜層(D)を形成すると好ましい。
本発明の第二の発明は、
基材(A)、銀を含む金属層(B)を有する反射体であって、該金属層(B)を光入射面とした波長550nmにおける反射率が97.3%以上であることを特徴とする反射体である。
前記銀を含む金属層(B)の、基材(A)とは反対側の面上に、さらに低屈折率透明薄膜層(C)、高屈折率透明薄膜層(D)が形成されてなる反射体であると好ましい。
反射率の高い反射体が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、反射体の製造方法に関する。ここでいう反射体とは、基材(A)上に少なくとも銀を含む金属層(B)を形成したものである。
この反射体は高い反射率を有するため、液晶表示装置用の反射部材に適しているほか、複写機用反射体、照明用反射体、自動車のヘッドライト用反射体等、様々な用途がある。
(基材(A))
基材(A)は、高分子フィルム、ガラス、金属板等が用いられるが、これらに限定されるわけではない。この中でも、種々の形に成形するための加工性が良く、ロール・トゥー・ロールプロセス等を適用できて生産性が高い、高分子フィルムを用いることが好ましい。
高分子フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル類、ビスフェノールA系ポリカーボネートなどのポリカーボネート類等が好ましく用いられるがこれらに限定されるわけではない。ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、セルローストリアセテートなどのセルロース誘導体類、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、フッ素系樹脂などの各種プラスチックからなる板、シート、フィルム等でも良く、ある程度常用耐熱温度が高いものであれば使用できる。耐熱性の高い材料を用いれば、高温で使用できる反射体が得られることは言うまでもない。より好ましくは、PET等のポリエステル類やビスフェノールA系ポリカーボネートなどのポリカーボネート類等の炭素、酸素、水素を構成元素とするものが好ましい。尚、これらの炭素、酸素、水素を構成元素とする高分子フィルムには、当然ながら、他の元素を含む耐熱安定剤、酸化防止剤などの添加剤が含まれていても良い。
基材(A)の厚さは、特に限定されるものではないが、高分子フィルムを用いる場合は、好ましくは10〜250μm、より好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜200μmである。ただし反射体そのものの剛性等を必要とする用途には、厚さが250μmを超えても構わない。
また、基材(A)の金属層(B)とは反対側となる面が凹凸形状を有しても良い。その場合の凹凸の高さは0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上、より好ましくは0.5〜30μmである。このような凹凸形状を形成することによって操作性の改善の他、接着力を向上出来る場合がある。
凹凸形状を形成する方法としては、基材(A)に高分子フィルムを使用した場合は、表面にエンボス加工を施し凹凸構造を形成する方法、酸化珪素などの粒子を高分子基体表面に高圧空気とともに吹き付けるサンドブラスト法、エッチング等の化学的方法、粒子を塗布する方法等があり、必要な形状に応じてその方法は適宜選択される。
(銀を含む金属層(B))
銀を含む金属層(B)には、銀単体或いは、銀を含む合金が好ましく用いられる。銀単体は、純度が100%であることが好ましいが、実際には僅かに酸素や硫黄などのヘテロ原子や他の金属を含まれてしまうことがある。このため、本発明では銀単体とは、純度が99.99質量%を超えるものと定義する。一方、銀を含む合金とは、例えば金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、タングステン、モリブデン、タンタル、クロム、インジウム、マンガン、チタン、パラジウム、ネオジム、カドミウム、アンチモン、スズ、亜鉛、ニオブ、ビスマスなどの金属を含有するものが挙げられる。また合金に限らず、反射率に大きな影響を与えない程度であれば、銀以外の物質を含有していても構わない。
上記のような銀とは異なる金属等の割合は、反射率を考慮すると0.01質量%以上、20.0質量%以下が好ましい。不純物含有量がこの範囲にあれば、上記の銀合金は、その組合せによって、耐久性が向上することがある。具体的な銀合金の例としては、銀と金とからなる合金、銀と銅とからなる合金、銀とニッケルとからなる合金、銀とパラジウムとからなる合金、銀とネオジムとからなる合金、銀とインジウムとからなる合金、銀とスズとからなる合金、銀とタングステンとからなる合金、銀とチタンとからなる合金、銀とクロムとからなる合金、銀とパラジウムと銅とからなる合金、銀とパラジウムと金とからなる合金、銀とネオジムと金とからなる合金、銀とネオジムと銅とからなる合金、銀とインジウムとスズとからなる合金、銀とビスマスとからなる合金等が挙げられるが、この限りではない。
銀を含む金属層(B)の厚さは50nm以上、1000nm以下であることが好ましい。より好ましくは80nm以上、1000nm以下であり、さらに好ましくは100nm以上、1000nm以下である。該層の厚さが100nm以上であれば、金属層の反射率はほとんど変わらず、1000nmを超える厚過ぎる層になるとコストが高くなる問題が生じることがある。50nmより薄い場合は、光が金属層を透過してしまい、反射率が低くなることがある。
複数の層を積層して銀を含む金属層(B)としてもよい。同じ材料を使用した層を積層してもよいし、異なる材料を含有する層を積層してもよい。例えば、単体の銀層と銀と金の合金層を積層し、この2層を併せて銀を含む金属層(B)としてもよい。複数の層を積層して銀を含む金属層(B)とした場合、各層の合計の厚さが50nm以上、1000nm以下であることが好ましい。
(銀を含む金属層(B)の形成方法)
銀を含む金属層(B)は、真空蒸着法を用いて形成することが好ましい。真空蒸着法を具体的に例示すると、蒸着法、イオンビーム蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法、化学気相成長法等が挙げられる。特にイオンプレーディング法またはスパッタリング法が好適に用いられる。イオンプレーティング法では、反応ガスプラズマ中で所望の金属または化合物等を抵抗加熱したり、電子ビーム等により加熱したりすることにより真空蒸着を行う。スパッタリング法では、ターゲットに所望の金属または焼結体を使用する。スパッタリングガスにアルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン等の不活性ガスを用いうるが、好ましくはアルゴンが用いられる。ガスの純度は99.0%以上が好ましく、より好ましくは99.5%以上である。
銀を含む金属層(B)の形成には、上記希ガスと共に水素及び酸素を添加する。用いる酸素の体積濃度は、1.0vol%以上、15vol%以下であり、好ましくは3vol%以上、12vol%以下であり、さらに好ましくは、5vol%以上、10vol%以下である。また用いる水素の濃度は、1.0vol%以上、10vol%以下であり、好ましくは1.0vol%以上、8vol%以下であり、さらに好ましくは1.5vol%以上、5vol%以下である。
(反射体の反射率)
上記した方法で作製された反射体の、銀を含む金属層(B)を光入射面とした波長550nmの波長の光に対する反射率が、97.3%以上である。
一般的に、光を反射する層上に低屈折率透明薄膜層と高屈折率透明薄膜層を積層することで反射率を向上させる、いわゆる増反射膜が知られている。本発明において、光を反射する層は銀を含む金属層(B)である。本発明における銀を含む薄膜層(B)の形成方法は、増反射膜の作製にも好適に利用できる。本発明では、銀を含む金属層(B)や、金属層(B)の上に形成された低屈折率透明薄膜層、高屈折率透明薄膜層とをあわせて、反射層と呼ぶ。
(低屈折率透明薄膜層(C))
本発明における低屈折率透明薄膜層(C)とは、波長550nmにおける屈折率が1.20以上、1.80以下である薄膜層をいう。本発明で、屈折率はエリプソメータ−で測定することができる。
低屈折率透明薄膜層(C)には、珪素酸化物、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウム化合物、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化ランタン、フッ化ネオジム、酸化アルミニウム、フッ化セリウム等が好ましく用いられるが、特にこれに限定されるものではなく、無機物、有機物のいずれも使用できる。
低屈折率透明薄膜層(C)の膜厚は、20nm以上、200nm以下が好ましく、より好ましくは20nm以上、150nm以下である。膜厚は、目的とする反射率が得られるように、後述する高屈折率透明薄膜層(D)の厚さや、各層の積層数に応じて適宜選択する。
(高屈折率透明薄膜層(D))
本発明における高屈折率透明薄膜層(D)とは、波長550nmにおける屈折率が1.80以上、4.00以下である薄膜層をいう。本発明で、屈折率はエリプソメータ−で測定することができる。
高屈折率透明薄膜層(D)には、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化セリウム、酸化インジウム、酸化ネオジム、酸化スズ、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ビスマス、酸化インジウムと酸化スズの合金、酸化インジウムと酸化セリウムの合金、酸化亜鉛と酸化アルミニウムの合金、酸化亜鉛と酸化ガリウムの合金等が好ましく用いられるが、特にこれに限定されるものではなく、無機物、有機物のいずれも使用できる。
高屈折率透明薄膜層(D)の膜厚は、20nm以上、120nm以下が好ましく、より好ましくは25nm以上、100nm以下である。膜厚は、目的とする反射率が得られるように、低屈折率透明薄膜層(D)の厚さや、各層の積層数に応じて適宜選択する。
本発明において、増反射膜の構成は、銀を含む金属層(B)上に、低屈折率透明薄膜層(C)及び高屈折率透明薄膜層(D)が形成されたものであり、(C)、(D)各層の合計が2層以上であることが好ましい。好ましくは2層以上30層以下、より好ましくは2層以上、20層以下、更に好ましくは2層以上、10層以下である。
低屈折率透明薄膜層(C)、高屈折率透明薄膜層(D)各1層を、銀を含む金属層(B)上に形成したとき、高屈折率透明薄膜層(D)を光入射面とした波長550nmにおける反射率は98.4%以上となる。低屈折率透明薄膜層(C)、高屈折率透明薄膜層(D)の積層数が増えると、反射率は高くなる傾向にあるが、生産性やコストが問題となる場合があり、また低屈折率透明薄膜層(C)や高屈折率透明薄膜層(D)が僅かながら光を吸収する事による反射率低下が問題となる場合もある。
上記の多層構造における各層の位置関係は、銀を含む金属層(B)上に、金属層(B)側から、低屈折率透明薄膜層(C)/高屈折率透明薄膜層(D)の順になる組合せが一つ以上あればよく、他の層が含まれていても良い。他の層として具体的には、クロム、チタン、タングステン等の金属層又は酸化亜鉛、酸化アルミニウム等の金属酸化物層を例とする界面接着性を向上させる層、耐傷付き性を高めるハードコート層等が挙げられる。
本発明の反射体の例を図1、図2に示した。図1の反射体は、基材10上に銀を含む金属層20を形成させたものである。また図2の反射体は、銀を含む金属層20上に低屈折率透明薄膜層30、高屈折率透明薄膜層40を形成した、増反射膜を基材11上に設けた構成である。この場合の反射面は高屈折率透明薄膜層40側となる。
また上述したような凹凸形状を有する反射体の例を図3に示した。図3の反射体は、凹凸形状面50を有する基材10上に、銀を含む金属層20を形成させたものである。凹凸形状面は易滑層としても利用される。
(ランプリフレクターへの応用)
前述の反射体をそのまま使用することもできるが、フィルムやシート状の反射体(以後、反射シートと称する。)を板状やシート状成形体である支持体に固定したものであっても良い。反射シートを固定する方法は、接着剤や粘着剤による貼合や、基材(A)が支持体との接着面である場合は基材(A)と支持体を熱融着する方法、基材(A)の表面を溶剤で選択的に溶解させた後に支持体と接着する方法などが挙げられるが、接着剤、粘着剤を用いる方法が好ましく用いられる。上記の接着剤、粘着剤、支持体は公知の物を使用することが出来る。
本発明の反射体の例を図4、図5に示した。図4の反射体は、反射シートと支持体70とを接着剤層60で貼合させたものである。図5の反射体は、反射シートが増反射膜の構成となっているものである。
本発明の反射体は、反射率、耐久性、成形性に優れるので液晶表示装置に用いられるサイドライト型のバックライト用ランプリフレクターに好適であり、高輝度で美しい画像を提供できる。上記の反射体および必要に応じて支持体を貼した反射体を所定の形状に打ち抜き加工し、例えば図6に示すような形状に曲げ加工して冷陰極菅を覆うような形状に作製されたランプリフレクター80を好ましい例として挙げることが出来る。また、上記打ち抜き加工を行う場合、事前に好適なサイズに枚葉化しても良い。枚葉加工、打ち抜き加工、曲げ加工を異なる設備で行う等の理由で輸送が必要となる場合、数十枚単位のシートを重ねた後、真空パック包装して輸送することが好ましい。この際、包装材は平滑性の良いものが好ましく、エアキャップなど凹凸のあるものを用いるとシート表面に微少な変形が起こりランプリフレクターとしての性能を低下させることがある。
上記の曲げ加工をする際には、例えば図7に示した断面図のように、銀を含む金属層20が内側となり、支持体70が外側になるように配置する。図8に示すように反射シートが増反射膜の構成であっても良い。
曲げ加工後の形状は使用方法によって異なるが、ランプリフレクターに用いる場合、U字型、コの字型、V字型などが好ましい。その際の曲げ加工時の曲率半径は好ましくは5mm以下、より好ましくは4mm以下である。
具体的な加工法としてはプレスを用いたV字曲げ、U字曲げ、またはダンゼントベンダーを用いた折り畳み曲げ等が挙げられる。
上記の基材10が高分子フィルムである場合、本発明の反射体は特に成形性に優れており、上記の様な加工を行っても反射シートに皺や浮き上がりが発生しない。このことにより本発明の反射体から得られるランプリフレクターはサイドライト型バックライト装置に組み込むと高輝度で輝線の発生しない美しい映像を実現できる。
使用する光源としては、例えば、白熱電球、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光ランプ、メタルハライドランプなどが挙げられ、中でも蛍光ランプが好ましく用いられる。蛍光ランプにはその電極構造、点灯方式により熱陰極型と、冷陰極型に大別され、電極、インバーターとも熱陰極型の方が大きくなる傾向にある。熱陰極型は、発光に寄与しない電極近傍の電飾損失が小さく効率がよく、冷陰極型に比べ数倍優れた発光効率を示し発光も強いが、寿命は冷陰極型の方が優れており、低消費電力性、耐久性などの点から冷陰極型がより好ましく用いられる。
蛍光ランプに電流を供給する導線としては一般的な被覆導線が用いられるが、被覆材に硫黄が含有されていると、経時劣化により硫化水素などの硫化物を発生させ、反射層や他の部材を劣化させる可能性があるので、硫黄フリーの被覆材を用いた導線を用いることが好ましい。
また本発明のランプリフレクターは、高い反射率を有するため内部温度も低くなり、耐久性が向上する効果もある。
(本発明の評価方法)
本発明品である反射体の反射率、構成等の代表的な評価方法を以下に説明する。本発明品である反射体の反射率測定は、コニカミノルタホールディングス株式会社製 分光測色計(型式CM―2500d)を用いて測定することができる。ここでいう反射率は、アルミナ白板の反射率を100%として換算する。基材(A)、銀を含む金属層(B)、低屈折率透明薄膜層(C)、高屈折率透明薄膜層(D)、接着層、板状成形体の各部の厚さは、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することで直接測定できる。低屈折率透明薄膜層(C)、高屈折率透明薄膜層(D)の材料の屈折率は、エリプソメーターで測定することができる。また接着剤の材料分析は基材(A)と板状成形体を引き剥がして接着剤を露出させ、適当な溶媒にそれを溶かした試料を作製し、その赤外分光(IR)測定を行うことで可能である。基材、銀を含む金属層及び、板状成形体の材料分析は、蛍光X線分光(XRF)測定により可能である。さらに、電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)では蛍光X線分光より微細な部分の元素分析が行える。また、オージェ電子分光法(AES)、二次イオン質量分析法(SIMS)により組成分析、及び深さプロファイルをとることで厚さも知ることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これに限定されるものではない。反射面は、銀を含む金属層(B)側とし、反射率は、コニカミノルタホールディングス株式会社製分光測色計(型式CM―2500d)で測定した。
(実施例1)
市販のPETシート(厚さ:25μm)上に、DCマグネトロンスパッタ法で、住友金属鉱山株式会社製の銀(純度99.99%)をターゲットとし、純度99.5%のアルゴンと、酸素、水素をスパッタガスとして、膜厚150nmになるように形成した。この時、酸素の体積濃度は6.6vol%に、水素の体積濃度は3.3vol%となるように調整した。
この様にして得られた反射体の銀層側の波長550nmにおける反射率を測定したところ、97.4%であった。
(実施例2)
実施例1と同様に、PETシート上に、DCマグネトロンスパッタ法で、銀をターゲットとし、アルゴンと酸素、水素をスパッタガスとして、膜厚150nmになるように形成した。このとき、酸素の体積濃度は8.3vol%に、水素の体積濃度は3.3vol%となるように調整した。
この様にして得られた反射体の銀層側の波長550nmにおける反射率を測定したところ、97.4%であった。
(実施例3)
実施例1と同様に、PETシート上に、DCマグネトロンスパッタ法で、銀をターゲットとし、アルゴンと酸素、水素をスパッタガスとして、膜厚150nmになるように形成した。このとき、酸素の体積濃度は8.3vol%に、水素の体積濃度は5.0vol%となるように調整した。
この様にして得られた反射体の銀層側の波長550nmにおける反射率を測定したところ、97.5%であった。
(実施例4)
実施例1と同様に、PETシート上に、DCマグネトロンスパッタ法で、銀をターゲットとし、アルゴンと酸素、水素をスパッタガスとして、膜厚150nmになるように形成した。このとき、酸素の体積濃度は6.6vol%に、水素の体積濃度は1.6vol%となるように調整した。
この様にして得られた反射体の銀層側の波長550nmにおける反射率を測定したところ、97.3%であった。
(実施例5)
実施例1と同様に、PETシート上に、DCマグネトロンスパッタ法で、銀をターゲットとし、アルゴンと酸素、水素をスパッタガスとして、膜厚150nmになるように形成した。このとき、酸素の体積濃度は6.6vol%に、水素の体積濃度は5.0vol%となるように調整した。
この様にして得られた反射体の銀層側の波長550nmにおける反射率を測定したところ、97.3%であった。
(実施例6)
実施例1と同様に、PETシート上に、DCマグネトロンスパッタ法で、銀をターゲットとし、アルゴンと酸素、水素をスパッタガスとして、膜厚150nmになるように形成した。このとき、酸素の体積濃度は5.0vol%に、水素の体積濃度は1.6vol%となるように調整した。
この様にして得られた反射体の銀層側の波長550nmにおける反射率を測定したところ、97.3%であった。
(実施例7)
実施例3に記載の銀層の上に、DCマグネトロンスパッタ法で、酸化亜鉛と酸化アルミニウムの合金をターゲットとし、アルゴン及び酸素及び水素の雰囲気下で膜厚5nmの酸化亜鉛と酸化アルミニウムの合金層を形成した。さらにその上に、ケイ素と炭化ケイ素の合金をターゲットとし、アルゴン及び酸素の雰囲気下で膜厚48nmの低屈折率透明薄膜層である酸化ケイ素層を形成した。さらにその上にチタンをターゲットとし、アルゴン及び酸素の雰囲気下で膜厚55nmの高屈折率透明薄膜層である酸化チタン層を形成した。
この様にして得られた反射体の酸化チタン層側の波長550nmにおける反射率を測定したところ、98.6%であった。
(比較例1)
実施例1と同様に、PETシート上に、DCマグネトロンスパッタ法で、銀をターゲットとし、アルゴンのみをスパッタガスとして、膜厚150nmになるように形成した。
この様にして得られた反射体の550nmにおける銀層側の反射率の測定を行ったところ、97.1%であった。
(比較例2)
実施例1と同様に、PETシート上に、DCマグネトロンスパッタ法で、銀をターゲットとし、アルゴンと酸素をスパッタガスとして、膜厚150nmになるように形成した。このとき、酸素の体積濃度は5.0vol%となるように調整した。
この様にして得られた反射体の550nmにおける銀層側の反射率の測定を行ったところ、97.1%であった。
(比較例3)
実施例1と同様に、PETシート上に、DCマグネトロンスパッタ法で、銀をターゲットとし、アルゴンと酸素をスパッタガスとして、膜厚150nmになるように形成した。このとき、酸素の体積濃度は6.6vol%となるように調整した。
この様にして得られた反射体の550nmにおける銀層側の反射率の測定を行ったところ、97.0%であった。
(比較例4)
実施例1と同様に、PETシート上に、DCマグネトロンスパッタ法で、銀をターゲットとし、アルゴンと水素をスパッタガスとして、膜厚150nmになるように形成した。このとき、水素の体積濃度は1.6vol%となるように調整した。
この様にして得られた反射体の550nmにおける銀層側の反射率の測定を行ったところ、96.9%であった。
(比較例5)
実施例1と同様に、PETシート上に、DCマグネトロンスパッタ法で、銀をターゲットとし、アルゴンと水素をスパッタガスとして、膜厚150nmになるように形成した。このとき、水素の体積濃度は3.3vol%となるように調整した。
この様にして得られた反射体の550nmにおける銀層側の反射率の測定を行ったところ、97.0%であった。
Figure 2008015312
本発明の反射体の一例を示す断面図 本発明の反射体の一例を示す断面図 本発明の反射体の一例を示す断面図 本発明の反射体の一例を示す断面図 本発明の反射体の一例を示す断面図 本発明の反射体を成形加工したランプリフレクターの一例 本発明のランプリフレクターの一例を示す断面図 本発明のランプリフレクターの一例を示す断面図
符号の説明
10 基材
20 銀を含む金属層
30 低屈折率透明薄膜層
40 高屈折率透明薄膜層
50 凹凸形状面
60 接着剤層
70 支持体
80 ランプリフレクター

Claims (7)

  1. 基材(A)、銀を含む金属層(B)を有する反射体の製造方法であって、酸素及び水素を含む雰囲気中で真空蒸着法によって、該金属層(B)を形成することを特徴とする反射体の製造方法。
  2. 酸素及び水素及び希ガスを含む雰囲気中の酸素の体積濃度が1.0vol%以上、15vol%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の反射体の製造方法。
  3. 酸素及び水素及び希ガスを含む雰囲気中の水素の体積濃度が1.0vol%以上、10vol%以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の反射体の製造方法。
  4. 前記銀を含む金属層(B)の、該金属層(B)を光入射面とした波長550nmにおける反射率が97.3%以上であることを特徴とする、請求項1乃至3に記載の反射体の製造方法。
  5. 前記銀を含む金属層(B)を形成した後、該金属層の上にさらに低屈折率透明薄膜層(C)、高屈折率透明薄膜層(D)を形成することを特徴とする、請求項4に記載の反射体の製造方法。
  6. 基材(A)、銀を含む金属層(B)を有する反射体であって、該金属層(B)を光入射面とした波長550nmにおける反射率が97.3%以上であることを特徴とする反射体。
  7. 前記銀を含む金属層(B)の、基材(A)とは反対側の面上に、さらに低屈折率透明薄膜層(C)、高屈折率透明薄膜層(D)が形成されてなる、請求項6に記載の反射体。
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