JP2008014782A - 時計用歯車部品および時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性を向上させた時計用歯車部品、およびこれを備えた時計を提供すること。
【解決手段】時計の輪列を構成する時計用歯車部品3,4を、先端に形成されたほぞ173A,173Bが軸受け部16に挿通されて支持される軸17と、軸17に設けられたかな171と、軸17に設けられた歯車170とで構成し、かな171、およびほぞ173A,173Bに硬質炭素膜処理を施した。このため、ほぞ173A,173B、およびかな171に、高い耐磨耗性を有するとともに摩擦係数が低い硬質炭素膜を形成することができ、ほぞ173A,173B、およびかな171の耐久性を向上させることができる。また、これにより、この時計用歯車部品3,4を長期間使用しても運針の精度を保持することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、かなおよびほぞに硬質炭素膜処理が施された時計用歯車部品、およびこれを備えた時計であって、詳しくは、三番車にこの時計用歯車部品が用いられている電子制御式機械時計に関する。
近年、ゼンマイが開放する時の機械エネルギを、ゼンマイを内部に備えた香箱車(一番車)により回転に変え、この回転を、複数の時計用歯車部品である二〜六番車により構成されてゼンマイと連結した輪列により発電機のロータに伝達し、伝達された回転を発電機により電気エネルギに変換し、この電気エネルギにより回転制御装置を作動させてロータの回転を制御することにより、ロータに連結する輪列の回転を制御して輪列に結合された指針を正確に駆動し、時刻を表示する電子制御式機械時計の実用化が進められている。
このような電子制御式機械時計の輪列は、香箱車からの回転を増速させてロータに伝達する増速輪列となっており、上流に位置する番車ほど伝達されるトルクが大きくなっている。そして、このトルクの影響により、長期間使用すると番車が磨耗し、番車の早期の交換の必要が生じたり、運針の精度を低下させてしまうことがあるという問題があった。
二〜六番車は、軸の先端に形成されたほぞが軸受け部に挿入されて支持されている。ここで、上述のような構成の電子制御式機械時計において、二〜六番車に硬質Niメッキを施した場合の二〜六番車およびロータの上ほぞと下ほぞとにかかる面圧を測定し、その結果を図7のテーブルにまとめた。なお、上ほぞとは、輪列受側の軸受け部に挿入されるほぞのことをいい、下ほぞとは、地板側の軸受け部に挿入されるほぞのことをいう。以降も同様の呼び方をする。上ほぞおよび下ほぞの両方、あるいはどちらか片方を含んで説明する場合、以後、単にほぞという。また、二番車においては、軸受け部に挿通された部分(図3参照)を上ほぞとする。
図7に示される各番車およびロータの上ほぞと下ほぞとにかかる面圧を比較すると、三番車の下ほぞにかかる面圧が一番高くなり、三番車の下ほぞには、二番車、四番車および五番車の上ほぞや下ほぞにかかる面圧の5倍にもなる極めて高い面圧がかかっていることが分かる。従って、この極めて高い面圧により、電子制御式機械時計においては、特に三番車の下ほぞが非常に磨耗しやすいということが分かる。
ここで、ほぞの磨耗を防止する技術として、従来、ほぞまたは軸受け部に硬質炭素膜処理を施すことで、ほぞと軸受け部との間の摩擦を低減させ、ほぞの磨耗を防止する滑り軸受け装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−222135号公報
しかしながら、番車での磨耗は、ほぞだけではなく、歯車と噛み合ってトルクを授受するかなでも生じており、ほぞまたは軸受け部に硬質炭素膜処理を施すだけでは、番車に十分な耐久性を与えているとはいえなかった。つまり、長期間の使用により、かなを大きく磨耗させ、番車の消耗を早めるとともに、かなと歯車との噛み合いを不正確にし、運針の精度を低下させるおそれがあった。
本発明の目的は、耐久性を向上させた時計用歯車部品、およびこれを備えた時計を提供することにある。
本発明の時計用歯車部品は、時計の輪列を構成する時計用歯車部品であって、先端に形成されたほぞが軸受け部に挿通されて支持される軸と、前記軸に設けられたかなと、前記軸に設けられた歯車とを備え、前記かな、およびほぞには硬質炭素膜処理が施されていることを特徴とする。
このような本発明においては、磨耗しやすいほぞおよびかなには、硬質炭素膜処理が施されているので、ほぞおよびかなに、高い耐磨耗性を有するとともに摩擦係数が低い硬質炭素膜を形成することができ、歯車およびかなの耐久性を向上させることができる。また、これにより、この時計用歯車部品を長期間使用しても運針の精度を保持することができる。
さらに、かなに硬質炭素膜処理が施されていることにより、かなと、かなと噛み合ってかなを回転させる他の時計用歯車用部品の歯車との間で微小ながら発生するすべりを安定させることができる。つまり、かなと、他の時計用歯車用部品の歯車との間で生じるすべりを、安定して発生させることにより、時計用歯車用部品を滑らかに回転させることができ、運針の精度を向上させることができる。
そのうえ、かな、およびほぞには硬質炭素膜処理が施されているので、かな、およびほぞで生じる摩擦を低減でき、運針させるのに必要な最低のトルクを低下させることができて時計を運針させているエネルギ源の持続時間を向上させることができる。
このような時計用歯車部品において、歯車にも硬質炭素膜処理が施されていることが望ましい。
歯車にも硬質炭素膜が形成されることで、より時計用歯車部品の耐久性を向上させることができる。
また、歯車は軸に組み付けられた歯車であって、組み付け後に硬質炭素膜処理が一括して施されていてもよい。なお、組み付け方としては、圧入や接着などがある。
歯車が軸に組み付けられた後に、時計用歯車部品の全体に一括して硬質炭素膜処理が施されることにより、軸と歯車とを別々に処理した際に生じる歯車の反りや、歯車を軸に圧入する時の軸部分での硬質炭素膜の剥離や、歯車の不十分な固定を防止することができるうえ、軸(かな、およびほぞ)と歯車とを別々に硬質炭素膜処理する必要が無く、コストを削減できる。
さらに、他の時計用歯車部品の筒状の本体に挿入される前記軸を有し、この軸には、他の時計用歯車部品の筒状の本体の内周面に接触する軸受け部位が設けられた時計用歯車部品である場合、この軸受け部位にも、硬質炭素膜処理が施されていることが望ましい。
他の時計用歯車部品の偏心などにより、軸受け部位は磨耗しやすく、硬質炭素膜が形成されることで、耐摩耗性が向上するとともに、摩擦の発生を低減できる。
そして、時計用歯車部品の軸は、貴石からなる軸受け部と共に滑り軸受け装置を構成していてもよい。
軸受け部に貴石を用い、ほぞ側に硬質炭素膜処理を施すことにより、貴石の美観を生かすことができ、外観のよい滑り軸受け装置とすることができる。
このような時計用歯車部品は増速輪列を構成していてもよい。
本発明の耐久性が向上された時計用歯車部品が増速輪列を構成していることで、増速輪列の耐久性を向上させることができる。
これらの時計用歯車部品を時計に組み込んでもよい。
このようにすれば、時計用歯車部品の耐久性を向上でき、長期間使用しても、時計用歯車部品がほとんど磨耗せず、正確な運針ができるうえ、前述のような効果を得ることができる。
この際、かな、歯車、ほぞ、および軸受け部位のいずれかには、潤滑油が塗布されていることが望ましい。
各摺動部における摩擦の発生をより低減でき、各摺動部が磨耗してしまうことを防止できる。
このような時計として、機械エネルギ源と、この機械エネルギ源に連結された輪列と、前記機械エネルギ源に蓄えられた機械エネルギを定期的に開放する調速機構と、輪列に結合された指針とを備える機械時計であり、前記輪列は、前記機械エネルギ源を内蔵し、この機械エネルギ源で駆動される一番車と、一番車に連結されているとともに分針が取り付けられている二番車と、二番車からの回転が伝達される三番車と、二番車の軸上に配置されて三番車からの回転が伝達されるとともに秒針が取り付けられている四番車とを備え、少なくとも二番車、三番車、四番車の一部が前記時計用歯車部品である機械時計であってもよい。
機械時計において、少なくとも二番車、三番車、四番車の一部に、本発明の時計用歯車部品を用いることにより、番車間で発生するすべりを安定させることができ、運針の精度を向上できる。また、番車の磨耗を低減させることができ、運針の精度を良好に保持できる。そのうえ、番車間で生じる摩擦を低減させることにより、運針させるのに必要な最低のトルクを低下させることができて機械エネルギ源の持続時間を向上させることができる。
また、このような時計として、機械エネルギ源と、この機械エネルギ源に連結された輪列により駆動されて誘起電力を発生し電気エネルギを出力する発電機と、前記輪列に結合された指針と、発電機から出力された電気エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子制御式機械時計であって、前記輪列は、前記機械エネルギ源を内蔵するとともに、この機械エネルギ源で駆動される一番車に連結されかつ分針が取り付けられている二番車と、二番車から回転が伝達される三番車と、二番車の軸上に配置されて三番車から回転が伝達されるとともに秒針が取り付けられている四番車とを備え、少なくとも前記二番車、三番車、四番車の一部が前記時計用歯車部品である電子制御式機械時計であってもよい。
この場合も、前述した機械時計と同様に、運針の精度を向上できるうえ、番車の磨耗を低減できて運針の精度を良好に保持できる。また、運針させるのに必要な最低のトルクを低下させることができて機械エネルギ源の持続時間を向上させることができる。
なお、電子制御式機械時計において、一般的に輪列は、機械エネルギ源のエネルギを回転に変え、増速させて発電機に伝達しているため、上流側に位置する番車ほど伝達されるトルクが大きい増速輪列となっている。そして、詳しくは後述するが、このような輪列を構成する各番車の上ほぞおよび下ほぞにかかる面圧を計測すると、三番車の下ほぞにかかる面圧が、全番車のほぞにかかる面圧のうち、一番大きな面圧になるということが分かった。
従って、電子制御式機械時計においては、三番車の下ほぞが一番磨耗しやすく、特に三番車に、少なくともかな、およびほぞに硬質炭素膜処理が施された本発明の時計用歯車部品を用いることで、効果的に運針の精度を向上させ、精度を良好に保持し、機械エネルギ源の持続時間を向上させることができる。
さらに、このような時計は、回転錐と、回転錐の回転を増速し伝える伝達輪列と、この伝達輪列と噛み合い発電する発電機を備える自動巻発電時計であって、前記伝達輪列は、回転錐と共に回転する回転錐車と、この回転錐車、および発電機の一部を構成する磁石を設けた発電ロータの間に配置され回転錐の回転を増速する伝え車とを備え、少なくとも前記伝達輪列の一部が前記時計用歯車部品である自動巻発電時計であってもよい。
少なくとも伝達輪列の一部に本発明の時計用歯車部品を用いることで、伝達輪列中に生じる摩擦を低減させることができ、発電効率を高めることができる。また、伝達輪列中の車の耐久性を向上させることができるので、発電効率を良好なまま保つことができる。
このような本発明によれば、時計用歯車部品の耐久性を向上でき、この時計用歯車部品を時計に適用することで、運針の精度を向上させることができるうえ、長期間運針の精度を良好に保持することができ、また、時計を運針させるエネルギ源の持続時間を向上させることができるという効果がある。
〔第1実施形態〕
以下に本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る番車を備えた電子制御式機械時計の要部を示す平面図であり、図2および図3は、その断面図である。
電子制御式機械時計は、機械エネルギ源であるゼンマイ1a、香箱歯車1b、香箱真1c及び香箱蓋1dからなる香箱車1を備えている。ゼンマイ1aは、外端が香箱歯車1b、内端が香箱真1cに固定されている。香箱真1cは、地板10と輪列受11に支持され、角穴車12と一体で回転するように角穴ネジ13により固定されている。
角穴車12は、時計方向には回転するが反時計方向には回転しないように、こはぜ14(図1参照)と噛み合っている。なお、角穴車12を時計方向に回転しゼンマイ1aを巻く方法は、機械式腕時計の自動巻または手巻機構と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態では、香箱歯車1bの回転は、本発明に係る時計用歯車部品である二番車2、三番車3、四番車4、五番車5および六番車6からなる増速輪列100を介して増速されてロータ7に伝達される。具体的には、香箱歯車1bの回転は、7倍に増速され二番車2に伝達され、二番車2から三番車3へは6.4倍増速され、三番車3から四番車4へは9.375倍増速され、四番車4から五番車5へは3倍増速され、五番車5から六番車6へは10倍増速され、六番車6から発電機を構成するロータ7へは10倍増速され、合計126,000倍に増速されてロータ7へ伝達されている。
また、増速輪列100の二番車2には筒かな2cが、筒かな2cには分針200が、筒かな2cから日の裏車20を介して回転される筒車21には時針210が、四番車4には秒針400が、それぞれ固定されている。従って、二番車2を1rphで、四番車4を1rpmで回転させるためには、ロータを8rpsで回転するように制御すればよい。この時、香箱車は1/7rphで回転する。
電子制御式機械時計の発電機8は、調速機を兼ね、ロータ7、ステータ81、およびコイルブロック82を備えている。
ロータ7は、ロータ磁石70、ロータかな7a、ロータ慣性円板71から構成されている。ロータ慣性円板71は、香箱車1からの駆動トルク変動に対しロータ7の回転速度変動を少なくするためのものである。
ステータ81は、ステータ体81aに4万ターンのステータコイル81bを巻線したものである。コイルブロック82は、磁心82aに11万ターンのコイル82bを巻線したものである。コイル82bは、出力電圧の変動を検出することでロータ7の回転を検出するように構成されている。また、このコイル82bとステータコイル81bとは、各々の発電電圧を加えた出力電圧が出るように直列に接続されている。ステータ体81aと磁心82aとはPCパーマロイ等で構成されている。
図4は、本実施形態の電子制御式機械時計の構成を示すブロック図である。
電子制御式機械時計は、前述のようにゼンマイ1aと、ゼンマイ1aの回転を増速して発電機8に伝達する増速輪列100と、増速輪列100に結合されて時刻表示を行う指針200,210,400とを備えている。
発電機8は、増速輪列100を介してゼンマイ1aによって駆動され、誘起電力を発生して電気エネルギを供給する。この発電機8からの交流出力は、整流回路83を通して昇圧、整流され、コンデンサ84に充電供給される。
このコンデンサ84から供給される電力によってワンチップICで構成された回転制御装置85が駆動される。この回転制御装置85は、発振回路86、ロータ7の回転検出回路87およびブレーキの制御回路88を備えて構成されている。
発振回路86は、時間標準源である水晶振動子89を用いて発振信号(32768Hz)を出力し、この発振信号を所定の分周回路で分周し、基準信号fsとして制御回路88に出力している。
回転検出回路87は、発電機8から出力される発電波形からロータ7の回転速度を検出し、その回転検出信号FGを制御回路88へ出力する。
制御回路88は、基準信号fsに対する回転検出信号FGの位相差等に基づいて発電機8(調速機)にブレーキ信号を入力し、調速している。ここで、回転制御装置85、発電機8、および増速輪列100からゼンマイ1aを内蔵した香箱車1の回転が制御されてゼンマイ1aに蓄えられた機械エネルギが開放されており、本実施形態では、調速機構は、回転制御装置85、発電機8、増速輪列100、および香箱車1から構成されている。
ここで、本実施形態では、図3に示されるように、地板10、輪列受11、および二番受15には、ルビーから構成され装飾を兼ねている軸受け部16が圧入されており、各番車2〜6のほぞ173A,173B、およびロータ7のほぞ173A,173Bは、この滑り軸受け部16に支持されている。すなわち、各番車2〜6およびロータ7は、軸17と軸受け部16とを有する滑り軸受け装置160により支持されている。なお、ルビーから構成された各軸受け部16の硬度はHv2000程度になっている。軸受け部16は、ルビーに限らず、美観がよくて耐摩耗性を有するものなら、他の貴石を使用してもよい。また、五番車5、六番車6、およびロータ7の滑り軸受け装置160には耐震構造が適用されているが、その構成は公知の構成であるので、説明は省略する。
以上のような電子制御式機械時計では、前述したように、三番車3の下ほぞ173Bには他の番車2〜6のほぞ173A,173Bにかかる面圧と比べて極めて高い面圧がかかることが分かっており、この極めて高い面圧により、三番車3の下ほぞ173Bは、他の番車2,4〜6のほぞ173A,173Bに比べて非常に磨耗しやすく、三番車3は、長期間使用されることで、早期の交換が必要になったり、運針の精度を低下させてしまうおそれがあった。また、かなにも、二番車2の歯車と噛み合ってトルクが伝達されるために大きな力がかかっており、長期間の使用により、磨耗し、歯車との噛み合いが不正確になり、運針の精度を低下させてしまうおそれがあった。
図5は、二番車2、三番車3、および四番車4の要部を示す断面図である。
そこで、本実施形態では、三番車3には全体に硬質炭素膜(DLC:Diamond Like Carbon)処理が施されている。これにより、三番車3は、下ほぞ173B、およびかな171に硬質炭素膜が形成され、硬質炭素膜は、高い耐磨耗性を有しているとともに摩擦係数が低いので、下ほぞ173Bおよびかな171の耐摩耗性を向上できるとともに、摩擦の発生を低減できる。
このような三番車の軸には、上端側(図5中上側)から上ほぞ173A、上側のあがき決め部172、歯車170、かな171、下側のあがき決め部172、および下ほぞ173Bが設けられている。あがき決め部172と軸受け部16との間には隙間(あがき)が設けられており、三番車3は、軸方向に衝撃を受けた際に、この隙間分軸方向に動くことで衝撃を吸収できるようになっている。
そして、三番車3には全体に硬質炭素膜処理が施されているので、下ほぞ173Bおよびかな171だけでなく、上ほぞ173A、あがき決め部172、および歯車170などにも硬質炭素膜が形成され、それら各部分の耐磨耗性が向上されているとともに、摩擦の発生が低減されている。
また、本実施形態では、三番車3のみならず、二番車2、四番車4、五番車5、および六番車6にも、硬質炭素膜処理が全体に一括して施されている。ここで、番車5〜6の構成は三番車3と略同様なので、説明を省略し、以下には、四番車4、および二番車2について説明する。
四番車4の軸17の下端側(図5中下側)には、そろばん玉174が設けられ、下端には秒針400が取り付けられている。そろばん玉174は、二番車2の筒状の本体22の内周面に接触する軸受け部位であり、指針200,400などの重みによって二番車2および四番車4が偏心回転してしまうことを防止している。なお、軸17の上端部には、三番車3と同様な構成のあがき決め部172が設けられている。
このように構成された四番車4にも、硬質炭素膜処理が全体に施されているので、上ほぞ173Aおよびかな171だけでなく、あがき決め部172、歯車170、かな171の軸受け部16との摺動面1700、およびそろばん玉174などにも硬質炭素膜が形成され、各部分の耐磨耗性が向上されているとともに、摩擦の発生が低減されている。
二番車2は、歯車170およびかな171を備えて四番車4の軸17が挿入された筒状の本体22に、分針200を備えた筒かな2cが取り付けられて構成されている。本体の上端側(図5中上側)は、細く形成されて軸受け部16に挿入された上ほぞ173Aとなっている。この上ほぞ173Aの上端は、四番車4と接触する摺動部23となっている。このように構成された二番車2にも、硬質炭素膜処理が全体に施されているので、上ほぞ173A、およびかな171だけでなく、四番車4のかな171との摺動部23、および歯車170などにも硬質炭素膜が形成され、耐磨耗性が向上されているとともに、摩擦の発生が低減されている。なお、本体22の内周面には、硬質Niメッキが施され、本体22の内周面は、そろばん玉174との間で磨耗および摩擦の発生が低減されるように構成されている。
ここで、これらの番車2〜6は、かな171が一体に形成され端部にほぞ173A,173Bが設けられた軸17に、歯車170が圧入されることで構成されている。そして、本実施形態では、番車2〜6は、軸17に歯車170が圧入され、軸17と歯車170とが一体になった状態で、硬質炭素膜が一度の処理で全体に施されている。
つまり、歯車170の表側と裏側とに、別々に硬質炭素膜処理が施された場合、歯車170は、非常に薄く平らに形成されているので、表側および裏側に形成された硬質炭素膜内の膜応力の差によって、反りが発生することがある。また、歯車170の表側と裏側とに形成された硬質炭素膜が合わさる境界部分で、硬質炭素膜の剥離が生じたりすることがあるが、番車2〜6の全体を一回で処理することで、歯車170の表側および裏側に同時に硬質炭素膜内が形成されるので、このような歯車170の反りや、硬質炭素膜の剥離を確実に防ぐことができる。
また、軸17および歯車170を別々に硬質炭素膜処理した場合、歯車170を軸17に圧入した際に、歯車170が圧入される軸部分で硬質炭素膜に割れが発生し、この割れが進行することにより、軸17の膜全体の密着力に影響を与えてしまうという問題や、硬質炭素膜の摩擦係数が低いため、歯車170の固定が不十分になるという問題があるが、軸17に歯車170を圧入し、軸17と歯車170とが一体になった状態の番車2〜6に硬質炭素膜処理を施すことで、歯車170が圧入される軸部分での硬質炭素膜の割れの発生を防ぐことができるうえ、歯車170の固定が不十分になることもない。
硬質炭素膜処理が施されることによって番車2〜6に形成される硬質炭素膜の膜厚は、0.5μm以上、3μm以下が好ましく、より好ましくは1μm程度である。硬質炭素膜は、例えば、メタンを原料としたプラズマCVD法、ベンゼンを原料としたイオン化蒸着法、グラファイトを原料としたアークプラズマ法等により形成されるが、形成された硬質炭素膜の表面の平滑性、時計部品のような微細、複雑構造への均質膜形成を考慮するとプラズマCVD法またはイオン化蒸着法により形成することが好ましい。このような方法で形成された硬質炭素膜の硬度はHv1000からHv5000程度となる
ただし、本実施形態のように、軸17と歯車170とが一体となった状態の番車2〜6に硬質炭素膜処理を施す場合、例えば径の細いほぞ173の近傍に径の大きなかな171や歯車170があることで、番車2〜6周りの硬質炭素膜原料ガス濃度に、番車2〜6の部位による差が生じる。また、プラズマCVD法やイオン化蒸着法では、部品に電圧を印可することで硬質炭素膜原料ガスを被処理物に引き寄せ、立体形状物での部位による膜厚および硬度の差を緩和するバイアス電圧印可を行っているが、この印可されたバイアス電圧が前述したような番車2〜6の形状により、番車2〜6の部位ごとに一定とはならない。これらの理由により、軸17と歯車170とが一体となった状態の番車2〜6に硬質炭素膜処理を施した場合、部位ごとによる硬質炭素膜厚み、および硬度に差が出てしまう。
このため、より詳しくは、耐久性が要求されるほぞ173、かな171の歯面、および歯車170の歯面などには、1μm程度の硬質炭素膜が形成されることが望ましく、耐久性は要求されないが摺動性能(低摩擦)が要求されるあがき決め部172、およびかな171の軸受け部16との摺動面1700などには、少なくとも0.5μm程度の硬質炭素膜が形成される事が望ましい。
また、同様に硬度についても耐久性が要求される箇所については、Hv1000からHv5000程度とし、摺動性のみが要求される箇所については、Hv1000を下回る硬度であることが望ましい。このような膜厚、硬度構成とすることで、耐久性を確保しつつ各部に充分な摺動性能を付与することができる。
このような番車2〜6の各摺動部分、四番車4を例に挙げると、上ほぞ173A、あがき決め部172、歯車170、かな171、かな171の軸受け部16との摺動面1700、かなの171の二番車2の摺動部23との摺動部分、およびそろばん玉174には、潤滑油が塗布されている。潤滑油としては、例えば、MOEBIUS社製の商品名SYNT−A−LUBE油、SYNTA−VISCO−LUBE油、SYNTA−FRIGO−LUBE油等を使用することができる。これらは各摺動部分に掛かる圧力や、潤滑油の粘度等を考慮して適宜使い分ければよい。
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
各番車2〜6は、磨耗しやすいほぞ173A,173B、およびかな171に硬質炭素膜処理が施されている。そのため、ほぞ173A,173B、およびかな171には硬質炭素膜が形成され、ほぞ173A,173B、およびかな171の耐摩耗性を向上できるとともに摩擦の発生を低減でき、番車2〜6の耐久性を向上できる。また、これにより、番車2〜6を長期間使用しても磨耗しづらいので、精度の高い運針ができる。
さらに、かな171、およびほぞ173A,173Bで生じる摩擦を低減できるので、運針させるのに必要な最低のトルクを低下させることができてゼンマイ1aの持続時間を向上させることができる。また、かな171、および歯車170に硬質炭素膜処理が施されていることにより、かな171と歯車170との間で微小ながら発生するすべりを安定させることができる。つまり、かな171と歯車170との間で生じるすべりを、安定して発生させることにより、各番車2〜6を滑らかに回転させることができ、運針の精度を向上させることができる。
なお、ほぞ173A,173Bに硬質炭素膜処理が施されない場合、ほぞ173A,173Bの硬度は、約800Hv程度と軸受け部16の硬度2000Hvと比べ柔らかく、それゆえ、磨耗しやすかったが、硬質炭素膜処理が施された場合、ほぞ173A,173Bの硬度は、Hv1000からHv5000の間になり、大幅に硬くなるので、軸受け部16と比べても固さの差がほとんどなくなり、軸受け部16との硬さの差からくるほぞ173A,173Bの磨耗を低減させることができる。
また、番車2〜6のほぞ173A,173Bの中で、一番面圧のかかるほぞは、三番車3の下ほぞ173Bであるため、三番車3のほぞ173A,173B、およびかな171に硬質炭素膜処理を施すことは、番車2〜6の耐久性および運針の精度の向上という点で、他のどの番車2,4〜6に硬質炭素膜処理を施すことよりも最も効果的だということがいえる。つまり、本発明に係る電気制御式機械時計は、三番車のほぞ173A,173B、およびかな171に硬質炭素膜処理が施されていればよい。さらには、少なくとも三番車3の下ほぞ173B、およびかな171に硬質炭素膜処理が施されていればよい。
二番車2の本体22内周面に接触するそろばん玉174は、各指針200,400の重み等により磨耗しやすく、従来、これを解決するため、本体22内周面およびそろばん玉174には、硬質Niメッキが施されていた。そのため、潤滑油が切れると、硬質Niメッキ同士、つまり同金属同士で共金となるので、本体22内周面およびそろばん玉174の間の摩擦係数が急激に上がり、そろばん玉174を磨耗させていた。しかし、四番車4の全体に硬質炭素膜処理が施されていることにより、上ほぞ173A、およびかな171だけでなく、そろばん玉174にも硬質炭素膜が形成されるので、そろばん玉174の耐摩耗性を向上できるとともに摩擦の発生を低減でき、四番車4の耐久性を一層向上できる。
また、番車2〜6の全体に硬質炭素膜処理が施されていることにより、ほぞ173A,173B、およびかな171だけでなく、歯車170、あがき決め部172、およびかな171の軸受け部16との摺動面1700などの各摺動部にも硬質炭素膜が形成されるので、番車2〜6の耐久性をより一層向上できる。
さらに、番車2〜6の全体に一括して硬質炭素膜処理を施したので、軸17と歯車170とを別々に硬質炭素膜処理する必要が無く、コストを削減できる。また、番車2〜6の全体を一括して処理することで、軸17と歯車170とを別々に処理した際に生じる歯車170の反りや、歯車170圧入時の軸部分での硬質炭素膜の剥離や、歯車170の不十分な固定を防止することができる。
滑り軸受け装置160の軸受け部16としてルビーを用い、ほぞ173A,173B側に硬質炭素膜処理を施したので、ルビーの美観を生かすことができ、外観のよい滑り軸受け装置160とすることができる。
番車2〜6の各摺動部分には潤滑油が塗布されているので、滑りをより良好にし、各摺動部分での磨耗および摩擦の発生をさらに低減させ、番車の耐久性をさらに向上させることができる。
〔第2実施形態〕
図6は、本発明の第2実施形態に係る二番車2、三番車3、および四番車4の要部を示す断面図である。なお、本実施形態以降において、第1実施形態と同一機能部位には、同一符号を付し、それらの説明を省略する。
本第2実施形態の電子制御式機械時計は、二番受15と四番車4との間に二番車押さえ150が設けられ、この二番車押さえ150の裏表両面には、硬質炭素膜処理が施されている点と、四番車4を押さえる秒押さえばね110が設けられている点とが特徴である。本第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様であり、各番車2〜6には、第1実施形態と同様に硬質炭素膜処理が施されているうえ、各摺動部分には、潤滑油が塗布されている。
二番車押さえ150は、二番車2の上ほぞ173Aと四番車4のかな171とが摺動することを防ぎ、四番車4(秒針400)の動きに連動して二番車2(分針200)が動いてしまうことを防止している。秒押さえばね110は、薄く形成されて可撓性を有しており、四番車4を二番車押さえ150に押し付けることにより、四番車4(秒針400)のふらつきを抑えている。
なお、この秒押さえばね110を設ける構成は、クオーツ時計に適用した場合に特に有効であり、秒押さえばね110が四番車4を二番車押さえ150に押し付けることにより、四番車4が運針(一秒分のパルスを発した)した際に、かな171および歯車170の噛み合わせ部分での歯面間の遊び(バックラッシュ)によって、四番車4(秒針400)がふらついてしまうことを防止できる。
本第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏することができる。従来、二番車押さえ150および秒押さえばね110を用いた場合、秒押さえばね110が四番車4を二番車押さえ150に押し付けるので、二番押さえ150の四番車4との摺動面1500が磨耗しやすく、磨耗粉が発生しやすかった。そして、この磨耗粉が摺動面1500、および四番車4のかな171に塗布される少量の潤滑油に混入し、潤滑油の粘度を増加させ、トルク伝達率を低減させ、ゼンマイの寿命を早めていた。
しかしながら、本第2実施形態では、二番車押さえ150の裏表両面に硬質炭素膜処理を施すことにより、これらの各摺動部分の耐摩耗性を向上させるとともに摩擦の発生を低減させるので、磨耗粉の発生を防止でき、ゼンマイが早期に消耗してしまうことを防止できる。
〔第3実施形態〕
図8は、本発明の第3実施形態に係る時計用歯車部品を適用した自動巻発電時計の平面図であり、図9は、その断面図である。
自動巻発電時計は、回転錘ねじ90でボールベアリング91に固着されている回転錘9を備えている。回転錘9の下には、回転錘9と同様に回転錘ねじ90でボールベアリング91に固着されて回転錘9と共に回転する回転錘車92が設けられている。回転錘車92の歯車部170は、伝え車93のかな171と噛み合い、伝え車93の歯車170は、発電ロータ94のロータかな94aと噛み合っている。本実施形態では、回転錘9の回転は、回転錘車92および伝え車93からなる伝達輪列900により、約100倍に増速されて発電ロータ94に伝達される。
発電ロータ94にはロータ磁石940が固着されており、発電ロータ94が回転されることにより、発電ロータ94、発電ステータ96、および発電コイル97を含んで構成される発電機8が駆動され、キャパシタからなる二次電池80が充電される。そして、この二次電池80の電気エネルギにより、ロータ7、ステータ81、およびコイルブロック82を備えた調速機が駆動されて、ロータ7を回転させる。その際、水晶ユニットやICチップを備えた回転制御装置によってロータ7の回転は制御される。このように、本実施形態では、二次電池80に蓄えられた電気エネルギは、回転制御装置、および調速機を含んで構成された調速機構によって開放されている。
ロータ7の回転は、五番車5を介して四番車4、三番車3、二番車2、および筒車21へと伝達され、四番車4に取り付けられた図示しない秒針、二番車2に取り付けられた分針、および筒車21に取り付けられた時針が回転される。本実施形態では、五番車5、四番車4、三番車3、および二番車2から輪列100が構成され、輪列100は、発電機8を介して二次電池80に連結されている。また、伝え車93、および番車2〜5は、軸17に歯車170が圧入されて組み立てられている。伝達輪列900と輪列100中の各車93、2〜5のかな171、歯車170、およびほぞ173などの各摺動部には、潤滑油が塗布されている。
以上のような本実施形態では、伝え車93のかな171、歯車170、および下ほぞ173Bを含む全体に一括して硬質炭素膜処理が施されている。
これにより、回転錘車92と伝え車93との間、および伝え車93と発電ロータ94との間で生じる摩擦を低減させることができ、発電効率を高めることができる。また、伝え車93の耐久性を向上させることができるので、発電効率を良好なまま保つことができる。
さらに、本実施形態では、番車2〜5の全体に一括して硬質炭素膜処理が施されている。
これにより、第1実施形態と同様に、番車2〜5間で生じるすべりを安定して発生させることができて運針の精度を向上させることができる。さらに、番車2〜5の磨耗を低減させることができ、耐久性を向上できて運針の精度を良好なまま保持することができる。そのうえ、運針させるのに必要な最低のトルクを低下させることができて二次電池80の持続時間を向上させることができる。
〔実施形態の変形〕
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
前記各実施形態の番車には、全体に一括して硬質炭素膜処理が施されていたが、少なくともかな、およびほぞに硬質炭素膜処理が施されていればよい。かな、およびほぞに硬質炭素膜処理が施されていれば、輪列中に生じる主な摩擦を抑えることができるからである。
前記各実施形態の時計用歯車部品では、歯車は軸に圧入されて組み付けられていたが、歯車は軸に接着されて組み付けられていてもよい。また、歯車と軸とが一体成形されていてもよい。
本発明の時計用歯車部品は、電子制御式機械時計や自動巻発電時計に限らず、機械時計に適用されてもよい。詳述すると、機械エネルギ源であるゼンマイと、ゼンマイを内蔵した香箱車と噛み合う二番車等から構成された輪列と、ガンギ車、アンクル、およびテンプ等から構成されてゼンマイに蓄えられた機械エネルギ源を定期的に開放する調速機構と、輪列に結合された指針とを備える機械時計において、輪列を構成する番車のうち、少なくとも分針が取り付けられる二番車、二番車からの回転が伝達される三番車、および二番車の軸上に配置されて三番車からの回転が伝達されるとともに秒針が取り付けられる四番車の一部に本発明の時計用歯車部品が適用されてもよい。
この場合でも、全体に一括して硬質炭素膜処理が施された本発明の時計用歯車部品を、少なくとも輪列を構成する二〜四番車の一部に適用することにより、時計用歯車部品が適用された番車と、この番車と噛み合う他の番車との間の滑りを安定させることができて運針の精度を向上させることができるとともに、適用された番車の耐久性を向上できて運針の精度を良好に保持することができる。また、時計用歯車部品が適用された番車のかな、ほぞ、および歯車等の摺動部で生じる摩擦を低減できるので、ゼンマイの持続時間を向上させることができる等、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、機械時計の構成は、前記第1実施形態で説明した電子制御式機械時計において、発電機8(調速機)を、ガンギ車、アンクル、およびテンプ等から構成される調速機構に置き換えた構成と同じ構成であるうえ、その構成は公知であるので、ここではその図示を省略する。また、前記各第1、2実施形態の電子制御式機械時計、および本実施形態の変形における機械時計において、機械エネルギ源をゼンマイとしたが、ゴムやスプリングなどでもよく、機械エネルギ源はゼンマイに限定されない。
本発明の第1実施形態に係る時計用歯車部品を適用した電子制御式機械時計の要部を示す平面図。 前記実施形態の電子制御式機械時計の要部を示す断面図。 前記実施形態の電子制御式機械時計の要部を示す他の断面図。 前記実施形態の電子制御式機械時計の構成を示すブロック図。 前記実施形態の二番車、三番車、および四番車の要部を示す断面図。 本発明の第2実施形態に係る二番車、三番車、および四番車の要部を示す断面図。 従来の輪列を構成する各番車およびロータの上ほぞと下ほぞとにかかる面圧のテーブルを示す図。 本発明の第3実施形態に係る時計用歯車部品を適用した自動巻発電時計の平面図。 前記実施形態の自動巻発電時計の要部を示す断面図。
符号の説明
1a…機械エネルギ源であるゼンマイ、2〜6…時計用歯車部品である番車、8…発電機、9…回転錘、16…軸受け部、17…軸、22…本体、85…回転制御装置、92…回転錘車、93…伝え車、94…発電ロータ、100…増速輪列、160…軸受け装置、170…歯車、171…かな、173A,173B…ほぞ、174…軸受け部位であるそろばん玉、200…分針(指針)、210…時針(指針)、400…秒針(指針)、900…伝達輪列、940…磁石であるロータ磁石。

Claims (11)

  1. 時計の輪列を構成する時計用歯車部品であって、
    先端に形成されたほぞが軸受け部に挿通されて支持される軸と、
    前記軸に設けられたかなと、
    前記軸に設けられた歯車とを備え、
    前記かな、およびほぞには硬質炭素膜処理が施されている
    ことを特徴とする時計用歯車部品。
  2. 請求項1に記載の時計用歯車部品において、
    前記歯車には硬質炭素膜処理が施されている
    ことを特徴とする時計用歯車部品。
  3. 請求項1または請求項2に記載の時計用歯車部品において、
    前記歯車は前記軸に組み付けられた歯車であり、
    組み付け後に、硬質炭素膜処理が一括して施されている
    ことを特徴とする時計用歯車部品。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の時計用歯車部品において、
    他の時計用歯車部品の筒状の本体に挿入される前記軸を有し、
    この軸には、前記他の時計用歯車部品の筒状の本体の内周面に接触する軸受け部位が設けられ、
    前記軸受け部位には、硬質炭素膜処理が施されている
    ことを特徴とする時計用歯車部品。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の時計用歯車部品において、
    前記軸は、貴石からなる軸受け部と共に滑り軸受け装置を構成している
    ことを特徴とする時計用歯車部品。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の時計用歯車部品において、
    増速輪列を構成している
    ことを特徴とする時計用歯車部品。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の時計用歯車部品を備えている
    ことを特徴とする時計。
  8. 請求項7に記載の時計において、
    前記かな、歯車、ほぞ、および軸受け部位のいずれかには、潤滑油が塗布されている
    ことを特徴とする時計。
  9. 請求項7または請求項8に記載の時計は、機械エネルギ源と、この機械エネルギ源に連結された輪列と、前記機械エネルギ源に蓄えられた機械エネルギを定期的に開放する調速機構と、輪列に結合された指針とを備える機械時計であり、
    前記輪列は、前記機械エネルギ源を内蔵し、この機械エネルギ源で駆動される一番車と、一番車に連結されているとともに分針が取り付けられている二番車と、二番車からの回転が伝達される三番車と、二番車の軸上に配置されて三番車からの回転が伝達されるとともに秒針が取り付けられている四番車とを備え、
    少なくとも前記二番車、三番車、四番車の一部が前記時計用歯車部品である
    ことを特徴とする機械時計。
  10. 請求項7または請求項8に記載の時計は、機械エネルギ源と、この機械エネルギ源に連結された輪列により駆動されて誘起電力を発生し電気エネルギを出力する発電機と、前記輪列に結合された指針と、発電機から出力された電気エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子制御式機械時計であり、
    前記輪列は、前記機械エネルギ源を内蔵するとともにこの機械エネルギ源で駆動される一番車に連結されかつ分針が取り付けられている二番車と、二番車から回転が伝達される三番車と、二番車の軸上に配置されて三番車から回転が伝達されるとともに秒針が取り付けられている四番車とを備え、
    少なくとも前記二番車、三番車、四番車の一部が前記時計用歯車部品である
    ことを特徴とする電子制御式機械時計。
  11. 請求項7または請求項8に記載の時計は、回転錐と、回転錐の回転を増速し伝える伝達輪列と、この伝達輪列と噛み合い発電する発電機を備える自動巻発電時計であり、
    前記伝達輪列は、回転錐と共に回転する回転錐車と、この回転錐車、および発電機の一部を構成する磁石を設けた発電ロータの間に配置され回転錐の回転を増速する伝え車とを備え、
    少なくとも前記伝達輪列の一部が前記時計用歯車部品である
    ことを特徴とする自動巻発電時計。
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