JP2008013734A - 空気活性用の炭素系塗料 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気浄化効果やマイナスイオン発生効果や遠赤外線放射効果や抗菌性または害虫防御性または防黴性を向上させた、炭素系塗料の提供。
【解決手段】高気密・高断熱住宅に使用される空気浄化用の塗料であり、基材とする無機バインダーに、所定量の炭素系粉体、所定量の分極性鉱物粉体、所定量の多孔質無機粉体、所定量の耐水材を混練りして成り、前記バインダーや前記粉体や前記耐水化材がおのおの遠赤外線放射作用やマイナスイオン放出作用や防虫性または防黴性を備えた物質から選択されることを特徴とする、空気活性用の炭素系塗料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高気密・高断熱住宅に使用される空気浄化用の塗料であり、無機バインダー、炭素系粉体、分極性鉱物粉体、多孔質無機粉体、耐水材、という構成物が夫々遠赤外線放射作用やマイナスイオン放出作用や防虫性または防黴性または抗菌性を備えた物質から選択されることを特徴とする、空気活性用の炭素系塗料に関する。
近年、建築物内などでシックハウス症候群が問題となっており、例えば合板や壁紙などの内装材に接着剤に含まれる揮発性の化学物質が建築物内の空気中に放散され、頭痛や吐き気や化学物質過敏症(例えば、アレルギー)などを引き起こすとが一般的に知られるようになってきた。
原因の一つとして言われているのが、近年の建築物には断熱性が要求されるようになってきており、そのため高気密高断熱住宅が多く建築されるようになってきているから、というのがある。
例えば、高気密高断熱住宅の建材や内装材が湿度の高い条件下において使用されるようになってきており、特にアルミサッシやエアコンディショナー等の普及により、居住空間は一層密閉状態となり、浴室、台所、洗面台、便所、押し入れの中等は多湿な状態となっている場合が多く、その結果雑菌やカビの繁殖の絶好の場となっている場合が増えてきたからであり、壁板などに用いられるベニヤ板その他の合板は高湿状態において吸湿し、カビが合板間に発生し、合板にひずみを与え、合板が剥離したり、非常に不衛生な状態となり、壁紙においては、施行時、接着面に付着した菌が徐々に繁殖したり、黒カビなどにより屋内環境に悪影響を与えるという問題が生じたために、塗料や接着剤に防腐剤としてのフォルムアルデヒドが多用されるようになったのである。
このため平成15年7月1日よりJIS規格でシックハウスの原因の一つであるホルムアルデヒドの含有量を殆どゼロに設定しなければならなくなった。また、塗料やインキ等に含まれるトルエンやキシレン、ベンゼン等のVOC(揮発性有機化合物)に対する規制がなされるようになってきており、現状では塗料の根本的な改革が望まれるようになってきている。
また、近年になって、一般的な住宅においても、エネルギーコスト削減のために住宅の高気密化、高断熱化が図られて室内空調効率が大幅に改善されている。例えば、エアサイクル住宅とかパッシブエアサイクル住宅と呼ばれているシステムが知られているが、住宅内の壁体や断熱材への結露対策が充分でない施工例が多い。
そのために室内外の換気が不十分となり、室内は多湿となって結露やアレルギーの原因となるカビ、ダニの繁殖を生じさせることとなっている。
このことから上述した問題を解決するために多くの開発者たちによって下記の開発例が見られるようになってきた。
例えば、空気中に存在する有害物質を吸着・分解するだけでなく、水分を吸着・放出性に優れ、また、抗菌・抗カビに効果のある水性塗料の提供を課題とし、解決手段として、粉末組成物に対して100〜200重量%で水を練り合わせて生成される水性塗料において、粉末組成物を、(A)珪藻土を体積比率35%〜65%で含み、(B)ゼオライト、多孔質の炭酸カルシウム、粘土を体積比率30%〜60%で含み、前記(A)珪藻土及び(B)ゼオライト、多孔質の炭酸カルシウム、粘土を体積比率90%〜99%の範囲内で含むようにする開発案件が知られている。(特開2006−22141号公報を参照する)
また、例えば、シックハウス症候群の原因となっている施工後に発散される揮発性有機化合物を抑制し、塗膜の維持と単位施工面積の確保が可能な、経済効率と安全性に優れた住環境対策型の多機能塗料と多機能顔料の提供を課題とし、解決手段として、ブライオゾーア化石粉末が有する微量のマイナスイオン放出効果、木炭に匹敵する遠赤外線放出効果、そして、多くの構造化された元素群の触媒効果を持ち、あるいは、他の物質を取り入れ変化し易いキレート効果によって揮発性有機化合物の発散原因物質の抑制をする特徴を生かし、さらにブライオゾーア化石はミクロポーラス構造で反応しやすい状態にあるため、水性材料と接触することによって、その保水力と粘性で単位塗布面積を拡大することも可能とする開発案件が知られている。(特開2005−290337号公報を参照する)
また、例えば、シックハウス症候群の対策に適用でき、室内の居住環境悪化を防止することを課題とし、解決手段として、トルマリン、及び、希有元素類を含むセラミックスの混合物と、有効微生物群(EM菌)から抽出し精製された代謝物を、粘土に混入し焼成して製造されたEM−Xセラミックスや竹炭又は貝殻焼成カルシウムや、バインダとしてのポリビニルアルコールと、水又は温水と、脱臭剤と、耐水化剤とが攪拌されて混練された複合塗料を建築材料や構築された建築構造物に塗布する開発案件が知られている。(特開2003−89770号公報を参照する)
また、例えば、きわめて簡単な方法により多量の陰イオンを大気中に発生させて住空間における空気雰囲気を清浄化させ人間の生活環境の改善を課題とし、解決手段として、電気伝導性を有する塗料成分に、陰イオンを発生する鉱物の微粉末を添加することにより、塗膜から陰イオンを発生させるようにし、電気伝導性を有する塗料成分がアクリル酸エステル共重合エマルジョンであり、また導電性物質としては、銀微粉末、銅微粉末、その他の導電性金属微粉末、炭素微粉末、炭素繊維微粉末、チタン酸カリウムのウィスカーなどを用い、陰イオンを発生する鉱物としては、電気石及び/又はガーネット、若しくはバリウム、ジルコニウム、シリカ、ストロンチウム、カルシウム、燐、硫黄、塩素、希土類元素等を含む鉱物を用いる開発案件が知られている。(特開2001−214132号公報を参照する)
また、例えば、通気性と透湿性に優れ、また抗菌性・害虫防御性・防黴性・マイナスイオン効果性を高め、しかも環境にも優しい塗料組成物の提供を課題とし、解決手段として、樹脂固形分比5〜15%のポリアミド樹脂溶液に少なくとも白炭、黒炭、竹炭、備長炭等のいずれかの45〜70μmの300メッシュ粉末に加工した木炭粉末を0.5%配合して成る主材と、この主材に対し25〜50%の割合で使用直前に配合するよう少なくとも白炭、黒炭、竹炭、備長炭等のいずれかの木炭粉末による副材とから塗料組成物を形成し、また主材と副材とに加えてヒノキチオールを含有したヒバ精油を重量比0.1〜5%を含めて構成し、また主材と副材とに加えて塩素、硫黄、鉄や重金属が含有されたフマル酸溶液を重量比1〜10%を含めて構成し、また主材と副材とに加えてマイナスイオンを発生させる50〜100μmのトルマリン粉末を重量比1〜20%を含めて構成する開発案件が知られている。(特開2000−319587号公報を参照する)
ところが、特開2006−22141号公報の開発案件では、粉末組成物に対して100〜200重量%で水を練り合わせて生成される水性塗料において、粉末組成物を、(A)珪藻土を体積比率35%〜65%で含み、(B)ゼオライト、多孔質の炭酸カルシウム、粘土を体積比率30%〜60%で含み、前記(A)珪藻土及び(B)ゼオライト、多孔質の炭酸カルシウム、粘土を体積比率90%〜99%の範囲内で含むようにする開発案件であるが、この案件では成分の中に接着性を備えた組成物を用いていないので、この案件で用いられる無機粉末組成物を主原料にした水性塗料を、例えば、木質系材料に使用すると、前記塗料付着面は水分の浸透がよいので前記塗料の乾燥後にヒビや割れが生じやすくなり、前記木質系材料の耐久性や防虫性や防カビ性が減少しやすくなることを指摘されている。
また、特開2005−290337号公報の開発案件では、ブライオゾーア化石粉末が有する微量のマイナスイオン放出効果、木炭に匹敵する遠赤外線放出効果、そして、多くの構造化された元素群の触媒効果を持ち、あるいは、他の物質を取り入れ変化し易いキレート効果によって揮発性有機化合物の発散原因物質の抑制をする特徴を生かし、さらにブライオゾーア化石はミクロポーラス構造で反応しやすい状態にあることを利用するが、バインダとしてのアクリルスチレンエマルジョンは溶媒としては水性ではあるが成分はアクリル基とスチレン基のポリマーであり、多孔質体としてのブライオゾーア化石粉末に多数存在するマイクロポーラスの中にアクリル基とスチレン基のポリマーが吸着浸入され空気との接触が遮断されてしまうため、これらの成分の持つ例えばマイナスイオン効果や遠赤放射効果や空気浄化効果などの機能が阻害されてしまう。また、トルマリン粉末が備えたマイナスイオン効果や遠赤放射効果などの機能もアクリル基とスチレン基ポリマー塗料によるマスキング効果(通気作用を阻害する作用)によりこれらの機能が劣化してしまう点を指摘されている。
さらに、溶媒中にトルマリン粉末や松鉱石粉末を分散させるにあたり、前記鉱石粉末の比重は約5.0であって比較的大きく、前記鉱石粉末を溶媒中に分散させるときにアクリル基とスチレン基ポリマーは溶媒としての比重が小さいために、拡散しても時間が経過すると分離し、沈降してしまうために溶媒中に均一に分散しないという問題点がある。不均一な分散状態で一定以上の効果を与えるためには前記鉱石粉末の添加量を増やさねばならず、高価なトルマリンや松鉱石の増量は製品コストの上昇となり、特開2005−290337号公報の開発案件ではこの問題について解決を示唆する記述は記載されていない。
また、特開2003−89770号公報の開発案件では、トルマリン、及び、希有元素類を含むセラミックスの混合物と、有効微生物群(EM菌)から抽出し精製された代謝物を、粘土に混入し焼成して製造されたEM−Xセラミックスや竹炭又は貝殻焼成カルシウムや、バインダとしてのポリビニルアルコールと、水又は温水と、脱臭剤と、耐水化剤とが攪拌されて混練された複合塗料を建築材料や構築された建築構造物に塗布することを特徴とするが、バインダとしてのポリビニルアルコールは溶媒としては水性ではあるが成分はビニル基のポリマーであり、多孔質体としてのEM−Xセラミックスや竹炭又は貝殻焼成カルシウムに多数存在するマイクロポーラスの中にビニル基ポリマーが吸着浸入され空気との接触が遮断されてしまうため、これらの成分の持つ例えばマイナスイオン効果や遠赤放射効果や空気浄化効果などの機能が阻害されてしまう。また、トルマリン粉末が備えたマイナスイオン効果や遠赤放射効果などの機能もビニル基ポリマー塗料によるマスキング効果(通気作用を阻害する作用)によりこれらの機能が劣化してしまう点を指摘されている。
さらに、溶媒中にトルマリン粉末を分散させるにあたり、トルマリンの比重は約5.0であって比較的大きく、トルマリン粉末を溶媒中に分散させるときにビニル基ポリマーは溶媒としての比重が小さいために、拡散しても時間が経過すると分離し、沈降してしまうために溶媒中に均一に分散しないという問題点がある。不均一な分散状態で一定以上の効果を与えるためにはトルマリン粉末の添加量を増やさねばならず、高価なトルマリンの増量は製品コストの上昇となり、特開2003−89770号公報の開発案件ではこの問題について解決を示唆する記述は記載されていない。
また、特開2001−214132号公報の開発案件では、塗料成分に電気伝導性を有する導電性物質、例えば銀微粉末、銅微粉末、その他の導電性金属微粉末、炭素微粉末、炭素繊維微粉末、チタン酸カリウムのウィスカーなどを用いることで陰イオンの発生を増大させることを特徴とするが、これらの導電性物質は一般的には入手しずらいか入手コストが増加する傾向にあるため、利用者から製品コストの低減を要求された場合は不利な条件になる。また、前記導電性物質に銀微粉末や銅微粉末を用いる場合には溶媒中に分散させるときに溶媒の比重が小さい場合には、拡散しても時間が経過すると分離し、沈降してしまうために溶媒中に均一に分散しないという問題点がある。
また、特開2000−319587号公報の開発案件では、樹脂固形分比5〜15%のポリアミド樹脂溶液に少なくとも白炭、黒炭、竹炭、備長炭等のいずれかの45〜70μmの300メッシュ粉末に加工した木炭粉末を0.5%配合して成る主材と、この主材に対し25〜50%の割合で使用直前に配合するよう少なくとも白炭、黒炭、竹炭、備長炭等のいずれかの木炭粉末による副材とから塗料組成物を形成し、また主材と副材とに加えてヒノキチオールを含有したヒバ精油を重量比0.1〜5%を含めて構成し、また主材と副材とに加えて塩素、硫黄、鉄や重金属が含有されたフマル酸溶液を重量比1〜10%を含めて構成し、また主材と副材とに加えてマイナスイオンを発生させる50〜100μmのトルマリン粉末を重量比1〜20%を含めて構成することを特徴とするが、この開発案件のようにポリアミド樹脂塗料に配合量1〜50%の木炭粉末を混合させた塗料組成物では、木炭粉末1gにつき表面積約300平方メートル以上存在するように微細な無数の穴が存在しており、その穴の中にポリアミド樹脂が吸着浸入され、木炭と空気との接触が遮断されてしまうため、木炭自体の持つ例えばマイナスイオン効果や遠赤放射効果や空気浄化効果などの機能が阻害されてしまう。また、トルマリン粉末が備えたマイナスイオン効果や遠赤放射効果などの機能もポリアミド樹脂塗料の有機物塗膜によるマスキング効果(通気作用を阻害する作用)によりこれらの機能が劣化してしまう点を指摘されている。
また、特開2000−319587号公報の開発案件では、溶媒中にトルマリン粉末を分散させるにあたり、トルマリンの比重は約5.0であって比較的大きく、トルマリン粉末を溶媒中に分散させるときに溶媒の比重が小さい場合には、拡散しても時間が経過すると分離し、沈降してしまうために溶媒中に均一に分散しないという問題点がある。不均一な分散状態で一定以上の効果を与えるためにはトルマリン粉末の添加量を増やさねばならず、高価なトルマリンの増量は製品コストの上昇となるが、前述の特開2000−319587号公報にはこの問題について解決を示唆する記述は記載されていない。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、高気密高断熱住宅に使用されるのが好適であり、空気中の有害物質の吸着作用やマイナスイオン発生効果や遠赤外線放射効果や抗菌性や害虫防御性や防黴性を期待できる従来の水性塗料組成物の性能を改善できる技術を見出したことで、本発明に至ったが、より一層の遠赤外線放射効果や空気中の有害物質の吸着作用やマイナスイオン発生効果を向上させ、その結果抗菌性または害虫防御性または防黴性を向上させることが可能な、主に高気密高断熱住宅に用いられる炭素系塗料の提供を目的とする。
また、本発明は、上記のような問題点を解決するために成されたものであり、高気密高断熱住宅に使用され、この住宅内に塗布したときに調湿作用や耐火作用や難燃作用や耐熱性を発揮し、また、塗料成分の分散性が良好であり、しかも環境にも優しい塗料組成物を主原料にする、従来の炭塗料を改良した炭素系塗料の提供を目的とする。
課題を解決するための第一の手段は、高気密・高断熱住宅に使用される空気浄化用の塗料であり、基材とする無機バインダーに、所定量の炭素系粉体、所定量の分極性鉱物粉体、所定量の多孔質無機粉体、所定量の耐水材を混練して成り、前記バインダーや前記粉体や前記耐水材が夫々遠赤外線放射作用やマイナスイオン放出作用や防虫性または防黴性または抗菌性を備えた物質から選択されることを特徴とする、空気活性用の炭素系塗料を提供することにある。
前記高気密・高断熱住宅に関しては、エアサイクル住宅等の建築、構築物の土間に土間暖房機能、蓄熱機能、水蒸気の供給抑制機能を付加し、エアサイクルを確実に行わせてダニ、カビの発生を防止し、しかも住宅等の居住空間を所定の温度まで到達させるようにして人間の健康、住宅の耐久性を強化し、住みやすいクリーンな空気の中で居住できる住宅とした建築物構造を提案するものである。
前記無機バインダーに関しては、アルキルシリケート、ハロゲン化ケイ素およびこれらの部分加水分解物などの加水分解性ケイ素化合物を加水分解して得られた生成物、有機ポリシロキサン化合物の重縮合物、シリカ、コロイダルシリカ、水ガラス、オルガノポリシロキサン、などのケイ素化合物の中から少なくとも1種類選択して用いるものとする。
例えば、前記水ガラスに関しては、一般的には珪酸カリウムや珪酸ナトリウム等の濃厚水溶液のことを示し、一般的に市販されている水ガラスは水を100重量部であるとすると、前記珪酸カリウムや珪酸ナトリウムは10〜30重量部位の濃厚水溶液が利用されており、本発明では珪酸ナトリウムの約20重量部程度の濃厚水溶液を適量用いるものとする。また、水ガラスは融点が1,000℃以上であり、木材の耐火塗料として公知である。また、主成分のケイ素化合物が遠赤放射体でありマイナスイオン発生体であることは公知である。また前記水ガラスに関しては、強アルカリ性という性質から防虫剤または防黴剤または抗菌剤としての性質も知られている。
前記炭素系粉体に関しては、竹炭、木炭、活性炭の粉体、活性化木炭の粉体、白炭、黒炭、備長炭、椰子ガラ活性炭、カーボンブラック、アスファルト、その他炭素化合物、などの中から少なくとも1種以上組合せて用いることが、本発明では好ましい。
また、前記炭素系粉体に関しては、無機顔料と、黒色顔料(例えばカーボンブラック)を含む有機高分子材料との、複合物であってもよい。
また、前記活性炭粉体に関しては、鋸屑、ヤシ殻炭などの植物、石炭コークス、石油ピッチなどの鉱物、家畜の骨等の動物、アクリル樹脂、フェノール樹脂などのプラスチック廃棄物などの合成樹脂等を原料としてもよい。
また、前記炭素系粉体の作用に関しては、一般的に知られている木炭の場合では数ミクロンから数百ミクロンの微細孔を備えており、塗装面表面において木炭粉末の粒子が空気と接触することでこの微細孔が湿度の高いときは水分を吸着し、乾燥しているときには水分を放出する調湿効果や、人体に悪影響を及ぼすとされるプラスイオンの吸着若しくは中和をする効果が知られている。
また、前記炭素系粉体の平均粒径に関しては、平均粒径が0.1μmから100μmの粉末の使用が好ましい。0.1μm以下ではコスト的条件が厳しくなり本発明の普及という使命から好ましくなく、100μm以上では分散性の問題と本発明における性能要求の観点から好ましくない。本発明では1μmから10μmの粉末の使用が好適である。
また、前記炭素系粉体の含有量に関しては、前記無機バインダー100重量部に対して約1重量%〜30重量%の範囲内で含有させるようにすると良いが、好適には、5重量%〜20重量%である。前記炭素系粉体の含有量が1重量%以下では効果は余り期待できず、30重量%以上では分散性やコストパフォーマンスの面では有利でないからである。
前記分極性鉱物に関しては、自発分極している極性結晶体であり、結晶の両端にプラス極、マイナス極が自発的に生じて電位が永久に保存されるので、プラス極からマイナス極へ常時微弱な電流が流れている。そして、結晶粒子の周囲塗膜の表面固有抵抗が大きくて電気伝導度が低いと、帯電性が大きくなって微弱電流の電流値が低くなる為に、マイナスイオンの発生が抑えられる。また、結晶粒子の周囲塗膜の表面固有抵抗が小さくて電気伝導度が高いと、隣接する結晶粒子間での電位が中和されてマイナスイオンの発生が抑えられる。したがって、塗膜状態において、鉱物の結晶粒子の周囲物質の表面固有抵抗が10〜10Ωcmの範囲であると、適度の電気伝導性を有するので、前記分極性鉱物の粉体を本発明によって塗膜にすることで、塗膜表面におけるマイナスイオンの発生を高いレベルで維持することが可能となる。
また、前記分極性鉱物の一例としては、トルマリンが知られており、バインダー中に分散したトルマリン粉末は、トルマリン粉末自体が永久磁極を備えることによりトルマリンから発生するマイナスイオンがプラスイオンの吸着若しくは中和効能を持つとされているので、このトルマリン粉末により、室内大気中のマイナスイオンの増加と脱臭および湿度調整の効果が得られる。
また、前記分極性鉱物の平均粒径に関しては、平均粒径が0.1μmから100μmの粉末の使用が好ましい。0.1μm以下ではコスト的条件が厳しくなり本発明の普及という使命から好ましくなく、100μm以上では分散性の問題と本発明が求める性能の観点から好ましくない。本発明では1μmから10μmの粉末の使用が好適である。
また、前記分極性鉱物の含有量に関しては、前記無機バインダー100重量部に対して約0.1重量%〜10重量%の範囲内で含有させるようにすると良いが、好適には、1重量%〜5重量%である。前記分極性鉱物の含有量が0.1重量%以下では効果は余り期待できず、10重量%以上では分散性やコストパフォーマンスの面では有利でないからである。
前記多孔質無機粉体に関しては、ゼオライト、タルク、カオリン、珪藻土、活性白土、イライト、モンモリロナイト、クレイ、コージェライト、セピオライトなどが知られており、単独で用いても効果は十分であるが、組合わせて用いることで効果は向上する、例えばモンモリロナイトとカオリナイト、例えば珪藻土とカオリナイト、例えばモンモリロナイトと珪藻土等であるが、とにかく数多くの組合わせが可能なのでここでは一例を記した。
このように構成すれば、前記炭素系塗料中に有害な化学物質を殆ど含んでいないため、ホルムアルデヒド等のような化学物質の発生を防止することができるようになる。また、珪藻土を体積比率で1%〜20%含むようにすると、空気中の水分を吸着・放出することができ、また、化学物質の吸着・分解を行うことができるようになる。
前記珪藻土に関しては、細粉化して1μm〜10μmの粒子径となるようにしたもので、例えば、平均粒径5μmの場合で1g当たり20平方メートルもの表面積を有し、この粒子の多孔構造によって空気中の水分を吸着・放出する性質を有する。このため、このような性質を有する珪藻土を本発明に使用することで、この多孔の性質によってコーティング面に付着した水滴を吸収することができ、また、空気中に含まれる水分を吸着・放出して室内空間の湿度を均一に保つことができるようになる。なお、この珪藻土の含有率を高くし過ぎた場合は、相対的に固化剤である粘土の割合が低くなるため、塗装後において壁面から珪藻土の粒子が剥離し、手にうっすらと珪藻土の粒子が付着してしまう可能性がある。
また、前記多孔質無機粉体に関しては、前記無機バインダー100重量部に対して1重量%〜20重量%の範囲内で含ませるようにすると良い。好適には、5重量%〜10重量%である。
前記ゼオライトに関しては、ケイ酸(SiO)や酸化アルミニウム(AlO)を主成分とするもので、イオン交換性能を有し、脱水しても結晶構造が変化せず、脱水した後に分子サイズの多孔が得られるという性質を有するものである。このため、このような性質を有するゼオライトを成分として含むと、空気中に存在する化学物質やアンモニア系の臭い、タバコの臭い、ペットの臭い等を吸着分解することができるようになる。このゼオライトには、天然に存在する天然ゼオライトと、人工的に合成した合成ゼオライトが存在するが、どちらも使用可能である。
前記多孔質無機粉体に関しては、例えば粘土鉱物と称されているタイプもあり、例えば、岩石・鉱物が風化分解、あるいは変成作用によってできた、きわめて微細な粒子の集合体であり、一般的には平均粒径5μm未満のものをいうが、成分が、SiO、SiO、AL、Fe、MgO、CaO、TiO、KO、MnO、ZnO、AgO、GeO、GeO、SnO、SnO、Fe、FeO、CuO、などから一種以上含まれたタイプであれば何を用いても構わない。
また、前記多孔質無機粉体の平均粒径に関しては、0.1μmから100μmの粉末を用いるのが好ましい。0.1μm以下ではコスト的条件が厳しくなり本発明の普及という使命から好ましくなく、100μm以上では分散性の問題と本発明が求める性能の観点から好ましくない。本発明では1μmから10μmの粉末の使用が好適である。
また、前記多孔質無機粉体の含有量に関しては、前記無機バインダー100重量部に対して約0.1重量%〜10重量%の範囲内で含有させるようにすると良いが、好適には、1重量%〜5重量%である。前記多孔質無機粉体の含有量が0.1重量%以下では効果は余り期待できず、10重量%以上では分散性やコストパフォーマンスの面では有利でないからである。
さらに、上述した前記多孔質無機粉体に関しては、夫々単独で用いてもよいし組合わせて用いてもよいが夫々の配合比率に関しては特に制限は設けない。
前記耐水材に関しては、本発明者たちは、珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、などのカルシウム化合物を添加することで、前記無機バインダーの硬化剤として作用することで耐水性が生じることを見出した。本発明で使用する場合は、前記耐水材が粉体であれば、平均粒径0.1μmから100μmの粉末を用いるのが好ましく、前記耐水材が液体であれば、前記カルシウム化合物を水に溶解または分散させた物質を用いればよい。
また、上述した前記耐水材に関しては、夫々単独で用いてもよいし組合わせて用いてもよいが夫々の配合比率に関しては特に制限は設けない。
前記混練の手段に関しては、一般的に水性塗料の製造に利用されている手段を用いればよく、例えば手動的混練手段や動力的混練手段や電磁気的混練手段や機械的混練手段や超音波使用混練手段の中から選択して用いればよい。
前記遠赤外線放射作用に関しては、赤外線は波長0.75〜4.0μmの近赤外線と、波長4.0〜1,000μmの遠赤外線とに、波長により区分される。遠赤外線は、近赤外線に比べ光子エネルギーは小さいが浸透力が強く、生体内部にまで到達し加温する。物体は外部から種々の形でエネルギーを受け、これをまた種々の形で外部に放射しているが、このうち遠赤外線を多く放射するものが遠赤外線放射体であり、植物や人体などの生命体に有益な作用があることが一般的に知られている。なお、前記バインダーの中の少なくとも一部、前記炭素系粉体の中の少なくとも一部、前記多孔質無機粉体の中の少なくとも一部、前記分極性鉱物粉体の中の少なくとも一部、前記耐水材の中の少なくとも一部、が一般的に遠赤外線放射体であることが知られていて、本発明ではこれらの中の物質を少なくとも4種以上組合わせて活用するものとする。
前記マイナスイオン放出作用に関しては、「人体に好影響を及ぼす」ことが公知になってきているが、マイナスイオンは、自然界では「滝の周囲」で一番多く観測されており、本発明では、近年になって主流になりつつある、放電式によるマイナスイオン発生方法とは異なり、「滝の周囲」でのマイナスイオン発生方法に近い「水分子摩擦」方式または(及び)空気摩擦方式を利用している。なお、前記バインダーの中の少なくとも一部、前記炭素系粉体の中の少なくとも一部、前記多孔質無機粉体の中の少なくとも一部、前記分極性鉱物粉体の中の少なくとも一部、前記耐水材の中の少なくとも一部、が一般的にマイナスイオン放射物質であることが知られていて、本発明ではこれらの中の物質を少なくとも4種以上組合わせて活用するものとする。
本発明での空気活性ということに関しては、空気中に存在する水分子を活性化させることで、空気中の悪臭分子や異臭分子や微生物(黴やバクテリア)を除去したり分解したり不活性化したりすることをいう。
上述された水分子に改変を生じさせ有用な機能性を向上させた空気に関しては、自然界に置いては水分子が空気中では単独で存在する事は稀であり、水分子同士が水素結合によりグループ化されて存在していることが一般的に知られていて、このような水分子グループの大小によって、空気の機能性が影響を受けることが一般的に知られるようになってきた。ところが、水分子集合体またはクラスターの大きさを変化させるためには、水分子同士の結合手段である水素結合を切断または分離させたりする必要があり、そのための化学的または物理的エネルギーが必要になる。そこで、本発明では、前記バインダーの遠赤外線放射作用や前記粉体の遠赤外線放射作用や前記耐水材の遠赤外線放射作用と前記バインダーのマイナスイオン放出作用や前記粉体のマイナスイオン放出作用や前記耐水材のマイナスイオン放出作用などの物理的作用や化学的作用を複合化作用によって水分子同士の水素結合を切断または分離させることで、水分子グループが小さくなることを見出したことで、本発明は成された。また、水分子グループに対する前記遠赤外線放射作用や前記マイナスイオン放出作用によって、水分子の振動が活発になり、水分子同士の水素結合を切断または分離させることで、水分子グループは小さくなり、イオン化されやすくなるという仮説が見出された。一般的には、遠赤外線を水分子に照射すると、水分子の固有振動数に近い約3〜14μm程度の波長が、水分子に効率よく吸収され、水分子の振動が活性化されることが公知になっている。
また、遠赤外線で水分子の振動が活性化されると、物理的に水分子が水素イオンHと水酸イオンOHに解離したりするが、水酸イオンOHはマイナスイオンの一種であることが知られている。
したがって、マイナスイオンを測定することで、空気の活性度を知る手がかりになるという仮説を本発明者たちは見出した。
本発明において、前記塗料を対象物の表面に使用する方法としては、ロールコーターによる塗布、リンガーロールによる塗布、バーコーターによる塗布、スプレーによる塗布、刷毛塗りなど通常の塗料の塗布方法を利用することができ、また塗膜厚においても通常の塗料と同様でよい。
このように、これら本発明を建築構造物に塗膜を形成すれば、防虫、防ダニ、除湿、除臭、除菌効果を奏することが期待できる。なお、効果の出にくい場合は、本発明の塗料を繰り返し塗布して、塗膜の膜厚を厚くするようにしてもよい。
また、前記炭素系粉体の防蟻性に関しては、一般的に知られている手段を応用開発するものとし、例えば、下記のような特開2000−319587号公報のような開発例を参考にした。「〜塗料組成物は、白炭、黒炭、竹炭、備長炭等のいずれか1つ又は任意の組み合わせであり、農林水産省の森林総合研究所において、建築用部材をイエシロアリの巣の中に入れて約1カ月の間放置して観察を行なった。その結果、イエシロアリの食害を全く受けないことが判明した。また、木造住宅の土台・柱等の建築用部材には、従来の危険な防蟻剤に比べて安全性の高いことが証明された。また、塗料組成物は、木炭の自重の約5倍までの水分を吸収する高い吸湿作用と、高い放湿作用と、ホルムアルデヒド、アンモニア、黴等の臭いの分子を吸着して分解する脱臭作用と、ゴキブリ、シロアリ、ダニ等の害虫防御作用と、炭素原子の電位差特性によるマイナスイオン化の促進に伴い、周辺に高磁場環境を形成し、動植物等の新陳代謝の促進を行なわせる磁場安定作用と、空気中の有害微粒子を吸着分解する空気清浄作用と、断熱効果と、野菜、果物等から発生する熟成腐敗を促進させるエチレンガスを吸着分解する鮮度保持作用とを有している。〜」
また、前記多孔質無機粉体の防虫性に関しては、一般的に知られている手段を応用開発するものとし、例えば、下記のような特開2006−22141号公報のような開発例を参考にした。「〜その他、珪藻土配合比率50%以上含む水性塗料を施工済み建物の床下部分および地表面に塗布したところ、二日目には床下からのカビの臭いがなくなり、また、ムカデや蟻、蜘蛛がいなくなった旨の報告を受けた。〜」
課題を解決するための第二の手段は、前記炭素系粉体が、ババスの実の炭化物を粉体化したものであることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段に記載の空気活性用の炭素系塗料を提供することにある。
前記ババスの実に関しては、ババスはアマゾン川流域の森林とブラジル北東部の半乾気候地帯の間に自生しており、ブラジル原産の扇形をした野生の樹林(ヤシ科)で、殻の繊維は食品や燃料用のアルコールや炭の原料としても使用されている。
また、前記ババスの実に関しては、一本の樹に400個程度もなり、この果殻を焼いて造った木炭は化学薬品等の瀘過用として木炭以上の効験あるばかりではなく米国陸軍では毒瓦斯の吸収に用いられ、例えば、クロールガスの85%を吸収し一回分にて一時間以上毒気抹殺作用を継続すると云う報告がある。また、前記ババスの炭化物を、パリー工業大学の分析では炭素90重量%、揮発物5重量%、ミネラル成分4重量%、水分0.85重量%とある。上述した資料は神戸新聞1929.3.30−1929.7.6(昭和4)から引用した。
前記ババスの成分である、揮発物5重量%には相当量のタール成分が含有されているものと思われ、このタール成分による防虫、防黴、防蟻、などの効果が期待できる。この仮説の根拠としては、石炭には、一般的に4〜5%に相当するコールタールが含有されていることが知られており、またコールタールには、ナフタレン、ナフタレン化合物、石炭酸、クレゾール、クレゾール化合物、などの防虫性または防黴性または抗菌性を備えた物質も知られているからである。
課題を解決するための第三の手段は、前記炭素系粉体が、石炭を粉体化したものであることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段に記載の空気活性用の炭素系塗料を提供することにある。
前記石炭に関しては、地質時代に堆積した植物の遺体が、その後の地圧や地熱によって炭化してできた可燃性の岩石であり、日本標準規格では、発熱量・燃料比(固定炭素との揮発分の比で、炭化度の尺度となる)などを基準に褐炭、亜瀝青炭、瀝青炭、無煙炭などに分類されており、火力発電の燃料、ガス・コークスの製造原料、燃料、石炭化学の原料、製鉄用コークスの原料として利用されてきたが、塗料の材料としては一般的ではなかった。本発明者たちは前記石炭が空気活性用の塗料の材料として有用であることを見出して本発明に至った。
また、前記石炭に関しては、主成分が炭素であり、一般的に4〜5%に相当するコールタールが含有されていることが知られており、またコールタールには、ナフタレン、ナフタレン化合物、石炭酸、クレゾール、クレゾール化合物、などの防虫性または防黴性または抗菌性を備えた物質も知られている。
課題を解決するための第四の手段は、前記炭素系粉体が、黒鉛の粉体物であることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段に記載の空気活性用の炭素系塗料を提供することにある。
前記黒鉛に関しては、炭素の同素体の一種であり、金属光沢のある黒色不透明の六角板状結晶であり、電気をよく伝え、融点が高く、化学的に安定している。天然に産出するものとしては石炭が地殻内で変質し炭化の度が進んだものが知られている。人工的にも無定形炭素を原料として工業的に量産されている。天然黒鉛にしても人工黒鉛にしても産業界では、電極、るつぼ、減摩剤、鉛筆の芯、などに利用されてきたが、塗料の材料としては一般的ではなかった。本発明者たちは前記黒鉛が空気活性用の塗料の材料として有用であることを見出して本発明に至った。なお、前記黒鉛は、石墨、グラファイトなどと呼ばれることもある。
課題を解決するための第五の手段は、前記バインダーが第一遠赤外線放射体であり、前記炭素系粉体が第二遠赤外線放射体であり、前記分極性鉱物粉体が第三遠赤外線放射体であり、前記多孔質無機粉体が第四遠赤外線放射体であり、前記耐水材が第五遠赤外線放射体であり、夫々が放射する遠赤外線の波長または強度が異なるように調製されることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第四の手段のいずれかに記載の空気活性用の炭素系塗料を提供することにある。
前記バインダーが第一遠赤外線放射体であることに関しては、前記バインダーが、例えば、水ガラスである場合には、水ガラスの主成分は珪素化合物であり、特開2002−105907号公報を参考文献として、珪素化合物の遠赤外線の放射スペクトルのピーク波長が略7〜12μmという公知データを利用するものとし、第一遠赤外線放射体の波長を略7〜12μmとする。
前記炭素系粉体が第二遠赤外線放射体であることに関しては、特開2002−105907号公報を参考文献として、炭素化合物の遠赤外線の放射スペクトルのピーク波長が略5〜10μmという公知データを利用するものとし、第二遠赤外線放射体の波長を略5〜10μmとする。
前記分極性鉱物粉体が第三遠赤外線放射体であることに関しては、分極性鉱物粉体が例えばトルマリンである場合には、特開2000−308677号公報を参考にすると、トルマリンの遠赤外線の放射スペクトルのピーク波長が略11μmという公知データを利用するものとし、第三遠赤外線放射体の波長を略11μmとし、また、特開平11−57026号公報を参考文献とすると、トルマリンの遠赤外線の分光放射率が略4.0μm〜6.0μmと8.0μm以上という公知データを利用するものとし、この場合の第三遠赤外線放射体の波長を略4.0μm〜6.0μmと8.0μm以上とする。
前記多孔質無機粉体が第四遠赤外線放射体であることに関しては、前記多孔質無機粉体が、例えば、ゼオライトである場合には、特開2001−322868号公報を参考文献として、ゼオライト等の多孔構造を有する鉱石の遠赤外線の放射スペクトルのピーク波長が略5〜7.4μmという公知データを利用するものとし、第四遠赤外線放射体の波長を略5〜7.4μmとする。
前記耐水材が第五遠赤外線放射体であることに関しては、前記耐水材を例えば、炭酸カルシウムやカルシウム化合物にすると、特開平9−313628号公報を参考文献として、遠赤外線の波長を略5〜20μmという公知データを利用するものとし、第五遠赤外線放射体の波長を略5〜20μmとする。
課題を解決するための第六の手段は、前記バインダーが第一マイナスイオン発生体であり、前記炭素系粉体が第二マイナスイオン発生体であり、前記分極性鉱物粉体が第三マイナスイオン発生体であり、前記多孔質無機粉体が第四マイナスイオン発生体であり、前記耐水材が第五マイナスイオン発生体であり、夫々が放射するマイナスイオンの強度が異なるように調製されることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第四の手段のいずれかに記載の空気活性用の炭素系塗料を提供することにある。
前記バインダーが第一マイナスイオン発生体であることに関しては、前記バインダーが、例えば、水ガラスである場合には、JIS3号を選択して、原液を100×100mmのt=10mmのコンクリート板に塗膜が略0.1mmになるようにして塗布し、室温で約8時間自然乾燥させた後にマイナスイオン測定機器によりマイナスイオン発生量を測定し表1に示した。
前記炭素系粉体が第二マイナスイオン発生体であることに関しては、前記炭素系粉体に前記ババス炭化物を選択して、前記水ガラス100重量部に前記ババス30重量部を混練させた組成物を100×100mmのt=10mmのコンクリート板に塗膜が略1mmになるようにして塗布し、室温で約8時間自然乾燥させた後にマイナスイオン測定機器によりマイナスイオン発生量を測定し表1に示した。
前記分極性鉱物粉体が第三マイナスイオン発生体であることに関しては、前記分極性鉱物粉体にトルマリンを選択して、前記水ガラス100重量部にトルマリン粉末30重量部を混練させた組成物を100×100mmのt=10mmのコンクリート板に塗膜が略1mmになるようにして塗布し、室温で約8時間自然乾燥させた後にマイナスイオン測定機器によりマイナスイオン発生量を測定し表1に示した。
前記多孔質無機粉体が第四マイナスイオン発生体であることに関しては、前記多孔質無機粉体にゼオライトを選択して、前記水ガラス100重量部にゼオライト粉末30重量部を混練させた組成物を100×100mmのt=10mmのコンクリート板に塗膜が略1mmになるようにして塗布し、室温で約8時間自然乾燥させた後にマイナスイオン測定機器によりマイナスイオン発生量を測定し表1に示した。
前記耐水材が第五マイナスイオン発生体であることに関しては、前記耐水材に炭酸カルシウムを選択して、前記水ガラス100重量部に炭酸カルシウム粉末5重量部を混練させた組成物を100×100mmのt=10mmのコンクリート板に塗膜が略1mmになるようにして塗布し、室温で約8時間自然乾燥させた後にマイナスイオン測定機器によりマイナスイオン発生量を測定し表1に示した。
なお、本発明で使用したマイナスイオン測定機器は、キョウリツエレクトロニクス株式会社(川崎市)製の「エアーイオンカウンター、KEC−880」であり、測定環境は、天候は晴れ、室温は22℃、湿度は46%、測定時の室内マイナスイオン数は平均で約100個/cmであり、測定結果を表1と表2に示した。
Figure 2008013734
Figure 2008013734
表1における、空気強摩擦とは、例えば家庭用扇風機の送風レベルが小または弱の場合の風流を試験体に当てて測定した場合であり、空気弱摩擦とは、前記測定機器に付属している吸引手段のみを用いて測定した場合である。
また、前記第一マイナスイオン発生体から前記第五マイナスイオン発生体の組合せによる、マイナスイオン発生量に関しての一例を、表2に示した。
Figure 2008013734
Figure 2008013734
表2における空気強摩擦とは、例えば家庭用扇風機の送風レベルが小または弱の場合の風流を試験体に当てて測定した場合であり、空気弱摩擦とは、前記測定機器に付属している吸引手段のみを用いて測定した場合である。
課題を解決するための第七の手段は、前記炭素系粉体を第一粘度調節物質として、前記分極性鉱物粉体を第二粘度調節物質として、前記多孔質無機粉体を第三粘度調節物質として、夫々平均粒径を調製することを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第四の手段のいずれかに記載の空気活性用の炭素系塗料を提供することにある。
前記炭素系粉体が第一粘度調節物質であることに関しては、例えばババス炭粉末の場合では、平均粒径が0.1μmから100μmの粉末の使用が好ましく、好適には1μmから10μmであったが、このババス炭粉末の平均粒径が1μmより小さいとババス炭粉末が大気と接触する割合が低下してしまい、消臭効果が充分に発揮されず、また効果の持続性も低下する。ところが、前記炭素系粉体の平均粒径が1μmより小さいと多孔質粉体の特徴の一つであるボゾラン効果という粒子結合作用が生じやすくなり粘度が上昇する効果が知られている。そこで本発明では、必要によっては、前記炭素系粉体を粘度調節物質として利用できるものとする。
前記分極性鉱物粉体が第二粘度調節物質であることに関しては、例えば前記トルマリン粉末の場合では、平均粒径が0.1μmから100μmの粉末の使用が好ましく、好適には1μmから10μmであったが、このトルマリン粉末の平均粒径が1μmより小さいとトルマリン粉末が大気と接触する割合が低下し、トルマリン粉末の添加量に対するマイナスイオン発生の効率が低下する。ところが、前記トルマリン粉末の平均粒径が1μmより小さいと分極性鉱物粉体の特徴の一つである電気的結合作用が生じやすくなり粘度が上昇する効果が知られている。そこで本発明では、必要によっては、前記分極性鉱物粉体を粘度調節物質として利用できるものとする。
前記多孔質無機粉体が第三粘度調節物質であることに関しては、例えばゼオライト粉末の場合では、平均粒径が0.1μmから100μmの粉末の使用が好ましく、好適には1μmから10μmであったが、このゼオライト粉末の平均粒径が1μmより小さいとゼオライト粉末が大気と接触する割合が低下してしまい、悪臭分解効果またはイオン交換作用が充分に発揮されず、また効果の持続性も低下する。ところが、前記多孔質無機粉体の平均粒径が1μmより小さいと多孔質性微粒子の特徴の一つである粒子凝集効果という微粒子相互結合作用またはチキソトロピー作用が生じやすくなり粘度が上昇する効果が知られている。そこで本発明では、必要によっては、前記多孔質無機粉体を粘度調節物質として利用できるものとする。
以上の説明から本発明の空気活性用の炭素系塗料は以下の優れた効果を奏する。
第一マイナスイオン発生体である無機バインダーを基材とする水性塗料に第二マイナスイオン発生体である炭素系粉体と第三マイナスイオン発生体である分極性鉱物粉体と第四マイナスイオン発生体である多孔質無機粉体とを混練することで得られる炭素系塗料を建築物内の所定の場所に塗布したときに湿度調整作用や少なくとも4種類のマイナスイオン発生機能などが塗装面において効果的に発揮されることで建築物内の空気を効果的に活性化させる炭素系塗料となる。また、この結果少ない塗料原料や塗装面で効率的に性能を発揮する経済性に優れた空気活性用の炭素系塗料となる。
第一遠赤外線放射体である無機バインダーを基材とする水性塗料に第二遠赤外線放射体である炭素系粉体と第三遠赤外線放射体である分極性鉱物粉体と第四遠赤外線放射体である多孔質無機粉体とを混練することで得られる炭素系塗料を建築物内の所定の場所に塗布したときに湿度調整作用や少なくとも4種類の遠赤外線放射機能などが塗装面において効果的に発揮されることで建築物内の空気を効果的に活性化させる炭素系塗料となる。また、この結果少ない塗料原料や塗装面で効率的に性能を発揮する経済性に優れた空気活性用の炭素系塗料となる。
上述した発明の効果により、本発明の炭素系塗料は、少なくとも4種類の遠赤外線放射体から成る炭素系塗料であり、しかも、第一遠赤外線放射体から第四遠赤外線放射体まで、電磁波としての遠赤外線の波長が夫々異なるように選択され調製されることで、遠赤外線領域の振幅波が生じ、この遠赤外線振幅波によって周囲の空気の窒素や酸素やCOや水分のHOが活性化したりマイナスイオン発生作用が強化されたりして、空気浄化作用や脱臭作用が向上する。
第一粘度調節物質である無機バインダーを基材とする水性塗料に第二粘度調節物質である炭素系粉体と第三粘度調節物質である分極性鉱物粉体と第四粘度調節物質である多孔質無機粉体の機能を利用することで、例えば、前記分極性鉱物粉体に比較的比重の重いトルマリン粉体を用いた場合でも、前記トルマリン粉体の分散性を確保するために無理に粒径を小さくしなくとも前記トルマリン粉体の分散性を確保することが可能な、空気活性用の炭素系塗料を提供できる。その結果前記トルマリン粉体のマイナスイオン発生作用をより効果的に発揮させることが可能になる水性の炭素系塗料となる。
上述した発明の効果により、複数の組み合わされたマイナスイオン発生作用により、建築物内の空気を活性化させることで、前記無機バインダーが硬化した後に生じるマイクロポーラスの吸着効果を向上させたり、前記炭素系粉体のマイクロポーラスの吸着効果を向上させたり、前記多孔質無機粉体のマイクロポーラスの吸着効果を向上させることが可能な、炭素系塗料を提供できる。
また、前記無機バインダーが硬化した後に生じるマイクロポーラスの寸法及び前記炭素系粉体の平均粒径や前記分極性鉱物粉体の平均粒径や前記多孔質無機粉体の平均粒径を夫々適当に異なる大きさとすることにより、湿度調整作用やマイナスイオン発生機能などが向上する炭素系塗料を提供できる。
また、上述した発明の効果を持つ空気活性用の炭素系塗料を、建築物の台所や浴室などの水まわり、下駄箱、畳の下板、床下収納庫、部屋の床、基礎コンクリート、建築物の土台部、土間、押入の壁などに塗布することにより湿度調整機能、脱臭機能、マイナスイオン発生機能、遠赤外線放射機能、などにより屋内環境を改善することができることで、結露発生を阻止して、カビ、ダニ、シロアリの発生を阻止することが可能になる。
また、上述した発明の効果を持つ空気活性用の炭素系塗料を、建築物の台所や浴室などの水まわり、下駄箱、畳の下板、床下収納庫、部屋の床、基礎コンクリート、建築物の土台部、土間、押入の壁などに塗布することにより湿度調整機能、脱臭機能、マイナスイオン発生機能、遠赤外線放射機能、などにより屋内大気の汚染物質の除去や清浄化という作用によって人体のアレルギー疾患やアトピー、または皮膚炎の症状の緩和が可能になる。
また、上述した発明の効果を持つ空気活性用の炭素系塗料を、強制的なエアサイクル手段を備えた高気密・高断熱住宅の内部に用いることで、本発明の炭素系塗料を構成する少なくとも4種類のマイナスイオン発生作用などを備えた塗装面を持つことで、一般的に知られているマイナスイオン発生物質への空気摩擦によるマイナスイオン発生作用、すなわち空気摩擦式マイナスイオン発生効率が増大するので、上述した発明の効果をより一層強化することが可能になる。
さらに、前記粉体の粒径が夫々異なるように選択して使用することで、塗膜面に凹凸が生じることにより、空気摩擦式マイナスイオン発生効率が増大し、その結果、空気の浄化効率が増大する。さらに、前記粉体の粒径が不均一になることで、塗装後の塗膜の耐久性が向上する。
また、上述した発明の効果を持つ空気活性用の炭素系塗料を、土間暖房構造を備えた高気密・高断熱住宅の内部に用いることで、本発明の炭素系塗料を構成する少なくとも4種類の遠赤外線放射作用などを備えた塗装面への温熱作用が生じ、一般的に知られている遠赤外線放射物質への温熱作用による遠赤外線増強作用が生じることにより、遠赤外線放射量が増大し、上述した発明の効果をより一層強化することが可能になる。
また、上述した発明の効果に加えて本発明の空気活性用の炭素系塗料を土間暖房構造を備えた高気密・高断熱住宅の内部に用いることで、本発明を構成する少なくとも4種類のマイナスイオン発生作用などを備えた塗装面への温熱作用が生じ、一般的に知られているマイナスイオン発生物質への温熱作用によるマイナスイオン発生作用により、マイナスイオン発生量が増大し、上述した発明の効果をより一層強化することが可能になる。
また、上述した発明の効果により、少なくとも4種類のマイナスイオン発生作用により、建築物内の空気を活性化させることで、前記無機バインダーが硬化した後に生じるマイクロポーラスの吸着効果を向上させたり、前記炭素系粉体のマイクロポーラスの吸着効果を向上させたり、前記多孔質無機粉体のマイクロポーラスの吸着効果を向上させることが可能になる、空気活性用の炭素系塗料を提供できる。
さらに、上述した発明の効果を備えた空気活性用の炭素系塗料を前記住宅または前記建築物に加えて一般的な住宅の内部に利用しても、有機溶剤や防腐剤等の使用も必要なく、取り扱いの面でも非常に安全性の高い塗料として利用することができ、また、取り扱いが容易であり、工事用、家庭用を問わず安全性に優れ、その施工に対しても技術を要しない炭素系塗料を提供できる。
また、上述した発明の効果に加えて、前記空気活性用の炭素系塗料を前記住宅または前記建築物に加えて一般的な住宅の建材や内装材にコーティングすることで、前記建材や内装材に難燃性や断熱性や防虫防黴性を付与し従来の建築物の安全性を向上させることと屋内環境を改善または向上できるので、住人の健康を増進し安心感を与えることが可能な炭素系塗料を提供できる。
また、前記空気活性用の無機塗料を前記住宅または前記建築物に加えて一般的な住宅の床下に本発明の炭素系塗料を使用することで、前記床下空間の環境を常に良好な状態に保持させることが可能になる。さらに、前記住宅の通気空間の下地に使用することで、前記通気空間の環境を常に良好な状態に保持させることが可能にな炭素系塗料を提供できる。
また、本発明の空気活性用の炭素系塗料を前記住宅または前記建築物に加えて一般的な住宅に用いられる合板建材の裏面に塗布することにより、ホルムアルデヒド、アンモニアを吸着し分解するので健康住宅の資材とすることができる。また、不織布、紙に塗布すると前記炭素系粉体や前記多孔質無機粉体や硬化後の無機バインダーのマイクロポーラスにより断熱性の高い資材となる。
また、本発明の炭素系塗料を構成する無機バインダーに、例えば水ガラスを用いることで、そのアルカリ成分による防虫性や耐蟻性、前記炭素系粉体の炭素成分による防虫性や耐蟻性、前記分極性鉱物粉体の電気分解性による防虫性や耐蟻性、前記多孔質無機粉体に例えば珪藻土による防虫性や耐蟻性を備えているので、従来の殺虫・防蟻剤にみられる人体にも害を及ぼす薬剤の代わりに安全な天然の防虫性や耐蟻性を備えた空気活性用の炭素系塗料を提供できる。
本発明の炭素系塗料は、上述のように炭素系粉体や多孔質無機粉体を含有し、これらを無機バインダーに混合して塗料を形成させる。この水性塗料組成物は、通気性、調湿性に優れ、建築物内の調湿機能を行なうとともに効果的に悪臭吸着や異臭吸着や消臭機能に優れている。また、耐水材を用いているので耐水性も有する。
次に、本発明に係わる空気活性用の炭素系塗料に関しての一実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
樹脂製2l容器の中に、水ガラス(JIS3号)を600gと珪藻土(片山化学工業株式会社製)150gとババス炭粉末(株式会社フタバ:新潟市、から購入)200gとトルマリン粉末50g(株式会社フタバ:新潟市、から購入)を入れ、ハンドミキサーを用いて500回転/1分間で約10分間混練して炭素系塗料1000gを生成した。
次に、100×100mmのt=10mmのコンクリート板に実施例1で得られた炭素系塗料を10g分刷毛を用いて塗布し、室温で約8時間自然乾燥させて試験体100部を作成した。この試験体100部には、T1からT100までの記号を付与し各種試験に用いることにした。
試験例1
試験体T1・T2・T3を1000mm×1000mm×1000mmの透明アクリルケースの中に入れ、30℃、相対湿度80%の雰囲気中に1ケ月間放置したところ試験体T1・T2・T3のいずれにも黴の発生は認められなかった。この結果から、この炭素系塗料はカビ抵抗性を有していることが分かる。
試験例2
試験体T4〜T13を用いて、脱臭効果を検証した。
試験体T4〜T13を1000mm×1000mm×1000mmの透明アクリルケースの中に入れ密封し、その後試験用ガスである8ppmのホルムアルデヒドを10リットル注入した。試験開始直後における濃度は8ppmであったが、1時間経過後にはアクリルケース内のホルムアルデヒドの残存濃度は1.2ppmに低下し、2時間経過後には0.2ppm、8時間経過後においては検出することができなかった。
尚、ホルムアルデヒドガス濃度はガス検知管(ガステック、100mL吸引1回)を用い経時的に測定した。
試験例3
試験体T14とT15のマイナスイオン濃度を測定した。
なお、この実施例で使用したマイナスイオン測定機器は、キョウリツエレクトロニクス株式会社(川崎市)製の「エアーイオンカウンター、KEC−880」であり、測定環境は、天候は曇り、室温は21℃、湿度は42%、測定時の室内マイナスイオン数は平均で約100個/cmであり、測定結果を表3に示した。
尚、表3の結果より、試験体T14とT15には、充分な空気活性効果があることがわかった。
Figure 2008013734
表3における、空気強摩擦とは、例えば家庭用扇風機の送風レベルが小または弱の場合の風流を試験体に当てて測定した場合であり、空気弱摩擦とは、前記測定機器に付属している吸引手段のみを用いて測定した場合である。
試験例4
試験体T16〜T25を用いて、調湿性を検証した。
試験体T16〜T25と市販されている湿度計を1000mm×1000mm×1000mmの透明アクリルケースの中に入れ、アクリルケース内の湿度が80%になるように調節した後に密封し、経時的に測定した。試験開始直後における湿度は80%であったが、1時間経過後にはアクリルケース内の湿度は65%に低下し、2時間経過後には50%以下になり、4時間経過後においては40%以下になった。
試験例5
試験体T26を用いて、耐火性を検証した。
比較例として100×100mmのt=10mmのコンクリート板を用意した。
試験体T26とコンクリート板の表面を、ガスバーナーで3分間熱して夫々の表面を観察した。コンクリート板の表面は焼け焦げてひび割れが生じた。試験体T26の表面はガスの発生もなく、焼け焦げることもなくひび割れも生じなかった。このことから、本発明の炭素系塗料はコンクリート板に対しての防火性や耐火性を認めることができた。
試験例6
試験体T27〜T30を用いて、防蟻性を検証した。
試験体T27〜T30と比較例として100×100mmのt=10mmのコンクリート板3部を1000mm×1000mm×1000mmの透明アクリルケースの中に入れ、夫々の上面に10mm×50mm×10mmのクロマツの角材を載置した。次に、シロアリの兵アリ10頭、職アリ100頭をアクリルケースの中に入れて、内部が、平均25℃、湿度60%になるように調節し、30日間飼育した。その結果、シロアリはコンクリート板3部の上のクロマツの角材に集まっていたが、試験体T27〜T30の上のクロマツの角材にはシロアリは全く認められず、試験体T27〜T30には明らかにシロアリの忌避効果が認められた。
本発明に係る空気活性用の炭素系塗料によれば、本来は高気密・高断熱住宅に使用される空気浄化用の塗料として開発されたが、その構成の中でも特に、無機バインダー、分極性鉱物粉体、多孔質無機粉体、耐水材、という成分が不燃材料で耐火材料であることから、高気密・高断熱住宅はもちろんのことそれ以外の住宅や建築物の内装の下地材に用いることで、難燃性を備えた高気密・高断熱住宅や一般住宅や一般建築物の提供が可能となる。

Claims (7)

  1. 高気密・高断熱住宅に使用される空気浄化用の塗料であり、基材とする無機バインダーに、所定量の炭素系粉体、所定量の分極性鉱物粉体、所定量の多孔質無機粉体、所定量の耐水材を混練して成り、前記バインダーや前記粉体や前記耐水材が夫々遠赤外線放射作用やマイナスイオン放出作用や防虫性または防黴性または抗菌性を備えた物質から選択されることを特徴とする、空気活性用の炭素系塗料。
  2. 前記炭素系粉体が、ババスの実の炭化物を粉体化したものであることを特徴とする、請求項1に記載の空気活性用の炭素系塗料。
  3. 前記炭素系粉体が、石炭の粉体物であることを特徴とする、請求項1に記載の空気活性用の炭素系塗料。
  4. 前記炭素系粉体が、黒鉛の粉体物であることを特徴とする、請求項1に記載の空気活性用の炭素系塗料。
  5. 前記バインダーが第一遠赤外線放射体であり、前記炭素系粉体が第二遠赤外線放射体であり、前記分極性鉱物粉体が第三遠赤外線放射体であり、前記多孔質無機粉体が第四遠赤外線放射体であり、前記耐水材が第五遠赤外線放射体であり、夫々が放射する遠赤外線の波長または強度が異なるように調製されることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の空気活性用の炭素系塗料。
  6. 前記バインダーが第一マイナスイオン発生体であり、前記炭素系粉体が第二マイナスイオン発生体であり、前記分極性鉱物粉体が第三マイナスイオン発生体であり、前記多孔質無機粉体が第四マイナスイオン発生体であり、前記耐水材が第五マイナスイオン発生体であり、夫々が放射するマイナスイオンの強度が異なるように調製されることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の空気活性用の炭素系塗料。
  7. 前記炭素系粉体を第一粘度調節物質として、前記分極性鉱物粉体を第二粘度調節物質として、前記多孔質無機粉体を第三粘度調節物質として、夫々平均粒径を調製することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の空気活性用の炭素系塗料。
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