特許文献1に記載されている水質改善装置は、大型の受水槽、第1段処理機および第2段処理機が複雑に組み合わされた装置である。
ところで、たとえば、インドネシアなどでは、水道設備のインフラが整っていない地域があり、このような地域においては、桶などで汲み出された赤水を含む井水もしくは河川の水や、溜められた雨水などが生活用水として利用されている。そのため、このような地域において、水質改善装置を導入したいという要望が高く、水質改善装置の構成は、なるべく簡単であることが望ましいが、上記水質改善装置のように、大型かつ複雑な構成の装置では、導入することが困難である。
また、上記水質改善装置では、オゾン発生装置がオゾン添加部よりも下方に配置されている。
一般に、オゾン発生装置は、周囲の空気を取り込んで高電圧の放電を行うことでオゾンを発生させる構成を有しているため、オゾン発生装置が水に晒されてしまうと、放電できなくなるという不具合がある。また、水に晒されたオゾン発生装置の電源をONにすると、漏電や感電してしまうおそれがあり、取り扱い上の問題もある。もちろん、オゾン発生装置に限らず、制御装置などの他の電装品も同様である。そのため、オゾン発生装置に水が浸入することを防止することが望まれるが、上記水質改善装置のように、オゾン発生装置がオゾン添加部より下方に配置されている構成では、オゾン添加部の水が、その自重により、オゾン導入管を介してオゾン発生装置に浸入するおそれがある。
そこで、これらの不具合を改善するため、特許文献2に記載されているオゾン水生成システムのように、流路条件によらず汎用的に用いることができ、さらに、オゾン発生器が、給水ライン内を流れる水にオゾンを混合する入口であるインジェクタより上方に設けられているシステムの構成を、上記水質改善装置に導入することが提案される。しかし、このシステムの構成を導入した場合であっても、システムの電源がOFFになったときに給水ライン内に水が満たされていると、インジェクタに設けられた逆止弁から微小な水漏れが生じ、やはりオゾン発生器に水が浸入する場合がある。
また、このような水質改善装置は、たとえば、部品交換・修理などのメンテナンスを要するため、メンテナンスを容易に行なえることが望まれる。
この発明は、かかる背景のもとになされたもので、メンテナンスを容易に行なうことができる水浄化装置を提供することを主たる目的とする。
また、この発明は、水を浄化する場合に、簡単な構成で、良好に水質を改善できる水浄化装置を提供することを別の目的とする。
また、この発明は、コンパクト化を図ることができる水浄化装置を提供することを別の目的とする。
また、この発明は、操作性の良い水浄化装置を提供することを別の目的とする。
また、この発明は、電装品の浸水を防止することができる水浄化装置および水オゾン混合装置を提供することを別の目的とする。
請求項1記載の発明は、水源から原水を汲むためのポンプと、水を浄化するための浄化装置と、前記ポンプで汲まれる原水を前記浄化装置へ導入するための導入路と、前記浄化装置で浄化された浄水を取り出すための導出路と、を備え、前記浄化装置は、筐体と、前記筐体の外面に設けられた操作部と、前記筐体内に配置されたオゾン発生装置、前記オゾン発生装置が発生するオゾンを水に混合するための気液混合器、ならびに前記ポンプおよび前記オゾン発生装置の運転を制御するための制御装置と、を含むことを特徴とする、水浄化装置である。
請求項2記載の発明は、前記制御装置は、前記ポンプの吐出側の水圧に基づいて、前記ポンプおよび前記オゾン発生装置の運転を連動制御することを特徴とする、請求項1記載の水浄化装置である。
請求項3記載の発明は、被浄化水の貯水源から水を汲むためのポンプと、水を浄化するための浄化装置と、前記ポンプで汲まれる水を前記浄化装置へ導入するための導入路と、前記浄化装置で浄化された浄水を前記貯水源へ戻すための返送路と、を備え、前記浄化装置は、筐体と、前記筐体の外面に設けられた操作部と、前記筐体内に配置されたオゾン発生装置、前記オゾン発生装置が発生するオゾンを水に混合するための気液混合器、ならびに前記ポンプおよび前記オゾン発生装置の運転を制御するための制御装置と、を含むことを特徴とする、水浄化装置である。
請求項4記載の発明は、前記貯水源は、生活水を溜める貯水タンクを含み、前記貯水タンクには、前記貯水タンクの水を取り出すためのユーザ用給水管が備えられ、前記貯水タンクは、前記ユーザ用給水管が開けられたときに重力で水が出るように高所に配置されており、前記ポンプおよび前記浄化装置は、前記貯水タンクよりも低い位置に配置されることを特徴とする、請求項3記載の水浄化装置である。
請求項5記載の発明は、前記浄化装置および前記ポンプが組付けられる被組付部材を備え、前記貯水タンクは、前記被組付部材の上方に配置され、前記浄化装置は、前記被組付部材の上端部に配置され、前記ポンプは、前記浄化装置よりも低い位置に配置されていることを特徴とする、請求項4記載の水浄化装置である。
請求項6記載の発明は、前記導入路の途中には、前記浄化装置へ導入される水の中の異物を捕獲するためのフィルタが設けられていることを特徴とする、請求項4または5記載の水浄化装置である。
請求項7記載の発明は、前記ポンプから前記フィルタまでの間を流れる水の圧力を検知するための圧力センサと、前記圧力センサによって検知された圧力の値に応じて前記フィルタの目詰りを判断するための制御装置と、前記制御装置によって前記フィルタの目詰りが判断されたときに前記フィルタの目詰りを報知するための報知手段と、を含むことを特徴とする、請求項6記載の水浄化装置である。
請求項8記載の発明は、前記筐体内には、一端が前記導入路に接続されていて、他端が前記導出路に接続されている水路と、前記水路の上方に区画された電装品領域と、前記電装品領域を前記水路から遮断するための遮断壁と、が備えられ、前記気液混合器は、前記水路に結合され、前記オゾン発生装置および前記制御装置は、前記電装品領域に配置されていることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の水浄化装置である。
請求項9記載の発明は、前記水路は、前記筐体内を左右方向に略水平に延びていて、一端は前記筐体の一側面外方へ突出し、外方において前記導入路に接続され、他端は前記筐体の他側面外方へ突出し、外方において前記導出路に接続されていることを特徴とする、請求項8記載の水浄化装置である。
請求項10記載の発明は、前記気液混合器は、前記水路の前記一端または前記他端を構成するように前記水路に結合されていることを特徴とする、請求項9記載の水浄化装置である。
請求項11記載の発明は、前記気液混合器は、水が流れる水流路を有し、前記水流路が前記水路を構成していることを特徴とする、請求項8または9記載の水浄化装置である。
請求項12記載の発明は、前記遮断壁は、前記水路および前記気液混合器の結合部分の上方に配置されていることを特徴とする、請求項8ないし11のいずれかに記載の水浄化装置である。
請求項13記載の発明は、前記水路は、メンテナンス時に取り外し可能な部品を含み、前記遮断壁は、前記部品の上方に配置されていることを特徴とする、請求項8ないし12のいずれかに記載の水浄化装置である。
請求項14記載の発明は、前記オゾン発生装置および前記制御装置は、前記筐体の奥側に配置され、前記水路は、前記筐体の手前側に配置されていることを特徴とする、請求項8ないし13のいずれかに記載の水浄化装置である。
請求項15記載の発明は、前記オゾン発生装置が発生するオゾンを前記気液混合器に導くための供給管を含み、前記制御装置は、上下方向と交差する交差方向において前記オゾン発生装置に並ぶように、かつ、前記気液混合器の上方に配置されていることを特徴とする、請求項8ないし14のいずれかに記載の水浄化装置である。
請求項16記載の発明は、前記オゾン発生装置は、前記制御装置の上方に配置されていることを特徴とする、請求項8ないし14のいずれかに記載の水浄化装置である。
請求項17記載の発明は、筐体と、前記筐体内に配置された、水を流すための水路と、前記筐体内の前記水路の上方に区画された電装品領域と、前記電装品領域に配置されたオゾン発生装置と、前記電装品領域に配置され、前記オゾン発生装置の運転を制御するための制御装置と、前記水路に結合され、前記オゾン発生装置が発生するオゾンを、前記水路を流れる水に混合するための気液混合器と、前記電装品領域を前記水路から遮断するための遮断壁と、を含むことを特徴とする、水オゾン混合装置である。
請求項18記載の発明は、前記遮断壁は、前記水路および前記気液混合器の結合部分の上方に配置されていることを特徴とする、請求項17記載の水オゾン混合装置である。
請求項19記載の発明は、前記水路は、メンテナンス時に取り外し可能な部品を含み、前記遮断壁は、前記部品の上方に配置されていることを特徴とする、請求項17または18記載の水オゾン混合装置である。
請求項20記載の発明は、筐体と、前記筐体内に配置され、一端は前記筐体の一側面外方へ突出し、他端は前記筐体の他側面外方へ突出し、前記筐体内を左右に延びる水を流すための水路と、前記筐体内に配置されたオゾン発生装置と、前記筐体内に配置され、前記オゾン発生装置の運転を制御するための制御装置と、前記水路に結合され、前記オゾン発生装置が発生するオゾンを、前記水路を流れる水に混合するための気液混合器と、を含むことを特徴とする、水オゾン混合装置である。
請求項21記載の発明は、前記気液混合器は、前記水路の一端または他端を構成するように前記水路に結合されていることを特徴とする、請求項17ないし20のいずれかに記載の水オゾン混合装置である。
請求項22記載の発明は、前記気液混合器は、水が流れる水流路を有し、前記水流路が前記水路を構成していることを特徴とする、請求項17ないし20のいずれかに記載の水オゾン混合装置である。
請求項23記載の発明は、筐体と、前記筐体内に配置された、水を流すための水路と、前記筐体内に配置されたオゾン発生装置と、前記筐体内に配置され、前記オゾン発生装置の運転を制御するための制御装置と、前記水路に結合され、前記オゾン発生装置が発生するオゾンを、前記水路を流れる水に混合するための気液混合器と、を含み、前記オゾン発生装置および前記制御装置は、前記筐体の奥側に配置され、前記水路は、前記筐体の手前側に配置されていることを特徴とする、水オゾン混合装置である。
請求項24記載の発明は、筐体と、前記筐体内に配置された、水を流すための水路と、前記筐体内に配置されたオゾン発生装置と、前記筐体内に配置され、前記オゾン発生装置の運転を制御するための制御装置と、前記水路に結合され、前記オゾン発生装置が発生するオゾンを、前記水路を流れる水に混合するための気液混合器と、前記オゾン発生装置が発生するオゾンを前記気液混合器に導くための供給管と、を含み、前記制御装置は、上下方向と交差する交差方向において前記オゾン発生装置に並ぶように、かつ、前記気液混合器の上方に配置されていることを特徴とする、水オゾン混合装置である。
請求項25記載の発明は、前記オゾン発生装置は、前記制御装置の上方に配置されていることを特徴とする、請求項17ないし23のいずれかに記載の水オゾン混合装置である。
請求項26記載の発明は、前記オゾン発生装置が発生するオゾンを前記気液混合器に導くための供給管と、前記気液混合器に設けられ、前記オゾン発生装置が発生するオゾンを取り込むための気体入口と、前記気体入口より上方にて前記水路に合流される気体出口と、を有し、前記気体入口および前記気体出口を連通する気体通路と、前記気体通路に接続され、前記気体出口から前記気体通路に浸入してきた前記水路の水を排水するための排水路と、を含み、前記気体入口は、斜め上方を向いて前記供給管に接続されていることを特徴とする、請求項17ないし25のいずれかに記載の水オゾン混合装置である。
請求項1記載の発明によれば、水浄化装置の操作・制御・動作が筐体に関連した場所(筐体表面または筐体内部)で行なわれる。その結果、たとえば、定期的に行なう部品交換や、故障した箇所の修理などのメンテナンスを容易に行なうことができる。また、オゾン発生装置、気液混合器および制御装置を筐体にまとめることで、水浄化装置のコンパクト化を図ることもできる。
請求項2記載の発明によれば、扱いやすい水浄化装置を提供することができ、さらに、ユーザ使用側へ放出される水圧が常に適正に維持され、しかも操作性の良い水浄化装置とすることができる。
請求項3記載の発明によれば、水浄化装置の操作・制御・動作が筐体に関連した場所(筐体表面または筐体内部)で行なわれる。その結果、たとえば、定期的に行なう部品交換や、故障した箇所の修理などのメンテナンスを容易に行なうことができる。また、浄化された水は、再び貯水源に戻される。そのため、貯水源に浄水を溜めておくことができ、容易に浄水を利用することができる。さらに、装置を、太陽エネルギーで運転する場合など、昼間の日照時間内に、浄水を作り、夜間の利用などに備えられる。
請求項4記載の発明によれば、ユーザが貯水タンクに溜められた水を使用する際、たとえば、蛇口を開けるだけでよい。また、浄化装置が低い位置に配置される。そのため、浄化装置を容易に操作することができ、さらに、メンテナンスを一層容易に行なうことができる。
請求項5記載の発明によれば、浄化装置は、被組付部材の上端部に配置されることにより、被組付部材の上方に配置された貯水タンクに対して極力近付けて配置されるので、浄化装置と貯水タンクとの高低差を小さくでき、貯水タンクに溜められた水が浄化装置に到達したときの水頭の損失を抑えることができる。これにより、浄化装置の気液混合器を流れる水の圧力損失を防止することができるので、気液混合器において水に混合されるオゾンの、気液混合器への吸込流量の低下が抑えられ、気液混合の効率の低下を防止することができる。そのため、この水浄化装置では、簡単な構成で、良好に水質を改善できる。
また、一般的には重量物であるポンプが、浄化装置よりも低い位置に配置されているので、水浄化装置の姿勢を安定させることができる。
請求項6記載の発明によれば、フィルタによって異物が捕獲された水が、浄化装置へ導入されるので、気液混合器などの、浄化装置内部で水が流れる部分に異物が詰まることを防止できる。
そして、このフィルタは、導入路の途中に設けられているので、水の流れる方向に見て、浄化装置よりも上流側に配置されている。一般的に、水がフィルタを通過する際、フィルタが抵抗となるので、フィルタ付近の水には圧力損失が生じる。そこで、フィルタが浄化装置よりも下流側に配置されている場合では、上述した圧力損失が浄化装置の下流側で生じることにより、気液混合器において水に混合されるオゾンの、気液混合器への吸込流量の低下が懸念される。しかし、本発明では、フィルタが浄化装置よりも上流側に配置されているので、上述した気液混合器へのオゾンの吸込流量の低下が抑えられ、気液混合の効率の低下を防止することができる。これにより、この水浄化装置では、簡単な構成で、良好に水質を改善できる。
請求項7記載の発明によれば、フィルタの目詰りが生じると、導入路および浄化装置における水の流れが悪化するので、浄化装置の気液混合器において水に混合されるオゾンの、気液混合器への吸込流量の低下が懸念される。しかし、本発明では、圧力センサが、ポンプからフィルタまでの間を流れる水の圧力を検知することにより、フィルタの目詰り状態を管理することができる。そして、制御手段が、圧力センサによって検知された圧力の値に応じてフィルタの目詰りを判断し、その判断に応じて報知手段がフィルタの目詰りを報知することによって、フィルタの不慮の目詰りを防止することができるので、上述したオゾンの吸込流量の低下が抑えられ、気液混合の効率の低下を防止することができる。
また、貯水タンクが高い位置に配置されるほど、上述したように、気液混合器へのオゾンの吸込流量の低下が懸念される。そこへフィルタの目詰りが生じると、気液混合器へのオゾンの吸込流量のさらなる低下が懸念される。そのため、フィルタの目詰りに起因するオゾンの吸込流量の低下を防ぐためには、フィルタの目詰りがなるべく早く検知されることが望ましいが、貯水タンクよりも低い位置にポンプが配置される構成では、貯水タンクが高い位置に配置されるほど、圧力センサが圧力値を高めに検知するので、フィルタの目詰りが実際よりも早く判断されてユーザに報知される。これにより、フィルタの目詰りに起因する気液混合器へのオゾンの吸込流量の低下を防止することができる。
請求項8記載の発明によれば、オゾン発生装置および制御装置といった電装品は、水路の上方に区画された電装品領域に配置されるので、水路から水が漏れ出したとしても、漏れ出した水が自重によってオゾン発生装置および制御装置に到達する虞はない。さらに、この電装品領域は、遮断壁によって水路から遮断されているので、たとえば、メンテナンス時に水路から水が飛散しても、その水がオゾン発生装置および制御装置に浸水することを確実に防止することができる。
請求項9記載の発明によれば、筐体内を左右方向に略水平に延びる水路には、屈折部分が存在しない。屈折部分が存在すると、エルボー管などの連結部品を別途設ける必要があり、その場合には、部品点数の増加だけでなく、連結部品と水路との結合部分から水漏れが発生する虞があるが、本発明の水路によって、これらの虞は解消され、オゾン発生装置および制御装置の浸水を一層確実に防止することができる。
また、水路の一端は、筐体の一側面外方へ突出し、外方において導入路に接続され、他端は、筐体の他側面外方へ突出し、外方において導出路に接続されている。導入路および導出路との接続部分となる水路の一端および他端では、水漏れが発生する虞があるが、これらの一端および他端は、いずれも筐体の側面外方に突出しており、筐体内部には位置していない。そのため、水路の一端および他端において水漏れが発生しても、筐体内部のオゾン発生装置および制御装置の浸水を一層確実に防止することができる。
そして、水路は、筐体の一側面および他側面に支持されるので、筐体内に安定して配置することができ、水路の筐体への組付けも容易となる。
請求項10記載の発明によれば、気液混合器が、水路の一端または他端を構成するように水路に結合されているので、気液混合器が水路の途中で結合される場合と比べて、気液混合器と水路との結合部分、つまり水漏れが発生する虞がある部分を減らすことができ、オゾン発生装置および制御装置の浸水を一層確実に防止することができる。
請求項11記載の発明によれば、気液混合器の水流路が水路を構成しているので、気液混合器と水路との結合部分、つまり水漏れが発生する虞がある部分をなくすことができ、オゾン発生装置および制御装置の浸水を一層確実に防止することができる。
請求項12記載の発明によれば、水路および気液混合器の結合部分といった水漏れが発生する虞がある部分の上方に遮断壁が配置されているので、オゾン発生装置および制御装置の浸水を一層確実に防止することができる。
請求項13記載の発明によれば、水路とメンテナンス時に取り外し可能な部品との間には結合部分が存在し、その結合部分では水漏れが発生する虞があるが、遮断壁は、この部品の上方に配置されているので、オゾン発生装置および制御装置の浸水を一層確実に防止することができる。
請求項14記載の発明によれば、オゾン発生装置および制御装置といった電装品は、外部から電力を取り込む関係上、筐体の奥側に配置されることが望ましい。一方、水路は、手前側に配置されることで、メンテナンスを容易に行うことができる。また、このような配置関係により、奥側に配置されるオゾン発生装置および制御装置と、手前側に配置される水路との間に隔たりが生じるので、水路から水が漏れ出したとしても、オゾン発生装置および制御装置の浸水を確実に防止することができる。
請求項15記載の発明によれば、オゾン発生装置が気液混合器の上方に配置されている場合、オゾン発生装置と気液混合器との間隔が比較的狭くなる。この場合、供給管は、適正な曲率をもってオゾン発生装置と気液混合器との間をつなぐことができずに途中で不自然に曲がってしまい、オゾン発生装置からのオゾンを気液混合器に円滑に供給することができなくなる虞がある。しかし、本発明では、気液混合器の上方に制御装置が配置され、オゾン発生装置は、上下方向と交差する交差方向において制御装置に並ぶように配置されている。これにより、オゾン発生装置と気液混合器との間隔を比較的広くすることができるので、供給管は、適正な曲率をもってオゾン発生装置と気液混合器との間をつなぐことができ、オゾン発生装置からのオゾンを気液混合器に円滑に供給することができる。
請求項16記載の発明によれば、オゾン発生装置は、他の電装品以上に浸水への対策を講じる必要があるが、制御装置の上方に配置されることで、水路から一層隔てて配置されるので、オゾン発生装置の浸水を一層確実に防止することができる。
請求項17記載の発明によれば、オゾン発生装置および制御装置といった電装品は、水路の上方に区画された電装品領域に配置されるので、水路から水が漏れ出したとしても、漏れ出した水が自重によってオゾン発生装置および制御装置に到達する虞はない。さらに、この電装品領域は、遮断壁によって水路から遮断されているので、たとえば、メンテナンス時に水路から水が飛散しても、その水がオゾン発生装置および制御装置に浸水することを確実に防止することができる。
請求項18記載の発明によれば、水路および気液混合器の結合部分といった水漏れが発生する虞がある部分の上方に遮断壁が配置されているので、オゾン発生装置および制御装置の浸水を一層確実に防止することができる。
請求項19記載の発明によれば、水路とメンテナンス時に取り外し可能な部品との間には結合部分が存在し、その結合部分では水漏れが発生する虞があるが、遮断壁は、この部品の上方に配置されているので、オゾン発生装置および制御装置の浸水を一層確実に防止することができる。
請求項20記載の発明によれば、筐体内を左右方向に略水平に延びる水路には、屈折部分が存在しない。屈折部分が存在すると、エルボー管などの連結部品を別途設ける必要があり、その場合には、部品点数の増加だけでなく、連結部品と水路との結合部分から水漏れが発生する虞があるが、本発明の水路によって、これらの虞は解消され、オゾン発生装置および制御装置の浸水を一層確実に防止することができる。
また、水路の一端は、筐体の一側面外方へ突出し、他端は、筐体の他側面外方へ突出している。他の部品との接続部分となる水路の一端および他端では、水漏れが発生する虞があるが、これらの一端および他端は、いずれも筐体の側面外方に突出しており、筐体内部には位置していない。そのため、水路の一端および他端において水漏れが発生しても、筐体内部のオゾン発生装置および制御装置の浸水を一層確実に防止することができる。
そして、水路は、筐体の一側面および他側面に支持されるので、筐体内に安定して配置することができ、水路の筐体への組付けも容易となる。
請求項21記載の発明によれば、気液混合器が、水路の一端または他端を構成するように水路に結合されているので、気液混合器が水路の途中で結合される場合と比べて、気液混合器と水路との結合部分、つまり水漏れが発生する虞がある部分を減らすことができ、オゾン発生装置および制御装置の浸水を一層確実に防止することができる。
請求項22記載の発明によれば、気液混合器の水流路が水路を構成しているので、気液混合器と水路との結合部分、つまり水漏れが発生する虞がある部分をなくすことができ、オゾン発生装置および制御装置の浸水を一層確実に防止することができる。
請求項23記載の発明によれば、オゾン発生装置および制御装置といった電装品は、外部から電力を取り込む関係上、筐体の奥側に配置されることが望ましい。一方、水路は、手前側に配置されることで、メンテナンスを容易に行うことができる。また、このような配置関係により、奥側に配置されるオゾン発生装置および制御装置と、手前側に配置される水路との間に隔たりが生じるので、水路から水が漏れ出したとしても、オゾン発生装置および制御装置の浸水を確実に防止することができる。
請求項24記載の発明によれば、オゾン発生装置が気液混合器の上方に配置されている場合、オゾン発生装置と気液混合器との間隔が比較的狭くなる。この場合、供給管は、適正な曲率をもってオゾン発生装置と気液混合器との間をつなぐことができずに途中で不自然に曲がってしまい、オゾン発生装置からのオゾンを気液混合器に円滑に供給することができなくなる虞がある。しかし、本発明では、気液混合器の上方に制御装置が配置され、オゾン発生装置は、上下方向と交差する交差方向において制御装置に並ぶように配置されている。これにより、オゾン発生装置と気液混合器との間隔を比較的広くすることができるので、供給管は、適正な曲率をもってオゾン発生装置と気液混合器との間をつなぐことができ、オゾン発生装置からのオゾンを気液混合器に円滑に供給することができる。
請求項25記載の発明によれば、オゾン発生装置は、他の電装品以上に浸水への対策を講じる必要があるが、制御装置の上方に配置されることで、水路から一層隔てて配置されるので、オゾン発生装置の浸水を一層確実に防止することができる。
請求項26記載の発明によれば、気液混合器において、気体出口から気体通路に浸入してきた水路の水は、自重により、気体出口の下方に位置する気体入口に到達するが、気体入口は、斜め上方を向いて供給管に接続されているので、気体通路に浸入してきた水が気体入口および供給管を介してオゾン発生装置に到達する虞はない。そのため、オゾン発生装置の浸水を確実に防止し、さらに、気体通路に浸入してきた水を排水路で確実に排水することができる。
<実施例1>
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明をする。
(水浄化装置1の構成)
図1は、この発明の一実施形態に係る水浄化装置1の概略斜視図である。図2は、水浄化装置1の構成例を示すシステム図である。なお、方向について言及する場合には、図示した、方向を示す矢印を参照する。また、図2のシステム図において、実線矢印は水の流れ、破線矢印は電気の流れを、それぞれ表している。
主として図2を参照して、この水浄化装置1は、この発明に係る水オゾン混合装置2を含んでおり、この水オゾン混合装置2によって水にオゾンが混合されて、水の浄化が行なわれる。より具体的には、水浄化装置1は、井戸または河川などの水源3から吸込管4を通して原水を吸い込むためのポンプ5と、ポンプ5から吐出される原水の水路である導入路としての原水給水管6と、原水給水管6に接続され、原水にオゾンを混合させる気液混合器としてのオゾン混合器7と、オゾンを発生し、発生したオゾンをオゾン混合器7へ供給するオゾン供給装置8と(これらオゾン混合器7およびオゾン供給装置8が水オゾン混合装置2に含まれる。)、オゾン混合器7でオゾンが混合されて浄化された浄水をユーザ使用側へ供給するための浄水給水管9(導出路)と、浄水給水管9に介挿され、浄水中に残存するオゾンを分解するためのオゾン脱臭カラム10とを備えており、これらによって水源3の水が浄化され、さらに、残存オゾンも分解されて、生活用水としてユーザに供給される。
ポンプ5には、原水給水管6の流路圧力(吐出側の流路圧力)を検知するための圧力センサ11と、インペラ(図示せず)と、このインペラを回転させるためのモータ(図示せず)とが備えられている。圧力センサ11は、吐出側流路圧力が所定圧力以上であればOFFし、所定圧力未満であればONするセンサである。圧力センサ11のON/OFF信号は、後述する制御部49へ与えられ、制御信号によって、圧力センサ11がONすると、ポンプ5が駆動される。よって、原水は、常に所定圧以上でオゾン混合器7へ送られる。
ここで、図3を参照して、オゾン混合器7の構成について説明する。図3は、オゾン混合器7の図解図である。なお、図3において、実線矢印は水の流れ、破線矢印は気体の流れを、それぞれ表している。
オゾン混合器7は、一端に水の流入口12、他端に水の流出口13を有する水流路14を備える。
水流路14は、その途中が絞られ、内径が狭くされた絞り部15を有している。また、絞り部15には、気体通路16が接続されている。気体通路16は、その途中に逆止弁17を有し、その下方に3方分岐18を有している。3方分岐18の側方に開口した、気体入口としての入口19が、オゾンが入ってくる入口であり、オゾンが出る上端の、気体出口としての出口20は、絞り部15に対し、T字状に連通している。
流入口12から流入する水は、絞り部15においてその流速が増す。この流速の増した水の流れによって、絞り部15内は負圧になるので、この負圧により、気体通路16内に流入したオゾンは、出口20から水流路14内へ吸い込まれ、たとえば、直径が50μm以下の超微細気泡(いわゆるマイクロバブル)として水に混入される。このように、水流路14に絞り部15を設けてベンチュリ構造にすると、たとえば、ブロアなどの装置を設けず、絞り部15内の水の流れにより発生する負圧を利用して、水流路14内にオゾンを効率的に取り込むことができる。
なお、この実施形態においては、オゾン混合器7をベンチュリ構造として説明したが、オゾン混合器7として、たとえば、T字管なども使用することができる。T字管であれば、絞り部15がなく、水路中に径の細い部分がないため、水路が異物などによって目詰まりすることを防止することができる。
図2を参照して、オゾン供給装置8は、空気に対して放電を行なうことにより、空気中の酸素をオゾンに変換するオゾン発生装置21を有する。
オゾン発生装置21は、その内部に放電素子回路(図示せず)および放電電極板(図示せず)を有しており、制御部49(後述)と電気的に接続されている。
また、オゾン供給装置8には、後述する筐体27外の空気を吸い込むための吸気管22、吸気管22に挿入されたフィルタ23、供給管としてのオゾン供給管24、オゾン供給管24に挿入された逆止弁17が含まれており、吸気管22は、オゾン発生装置21の吸気口25に接続され、オゾン供給管24は、オゾン発生装置21の排気口26に接続されている。制御部49(後述)によってオゾン発生装置21がONにされると、吸気口25からオゾン発生装置21内に取り込まれた空気に対し、電極板(図示せず)で放電(たとえば、沿面放電、無声放電など)されることにより、オゾンが生成する。吸気口25から流入する空気に含まれる塵埃は、フィルタ23によって捕獲されるため、オゾン発生装置21に塵埃が混入して、放電素子(図示せず)や電極板(図示せず)が破損することを防止することができる。
生成されたオゾンは、排気口26から流出し、逆止弁17、オゾン供給管24を通って3方分岐18の入口19へ供給され得る(図3参照)。
オゾン混合器7でオゾンが供給され、オゾンによる除菌・殺菌が行なわれて浄化された水は、浄水給水管9を流れ、オゾン脱臭カラム10において残存オゾンが分解され、ユーザ使用側に供給される。オゾン脱臭カラム10におけるオゾン分解について具体的に説明すると、オゾン脱臭カラム10には、たとえば、活性炭などが充填されており、この活性炭と浄水中に残存している未反応のオゾンが酸化反応することにより、未反応のオゾンが分解される。このように分解されることによって、ユーザ使用側に供給される水中にオゾンは存在せず、ユーザは安心して浄水を使用することができる。
以上説明した流れで水の浄化が行なわれ、浄化された水がユーザに供給される。水浄化装置1においては、このような水の浄化が、水オゾン混合装置2が収容される筐体27内で行なわれる(図1参照)。
筐体27は、ポンプ5より上方に配置され、その表面には、水浄化装置1の運転に関する各種操作や各種表示を行なう操作部としての操作表示部55が形成されている。操作表示部55は、制御部49(後述)と電気的に接続されている。そのため、ユーザは操作表示部55を操作することにより、制御部49(後述)に指示を与え、水浄化装置1の運転を行なうことができ、また、その運転状態を知ることができる。
また、筐体27には、上述したように、ポンプ5およびオゾン発生装置21と電気的に接続されている制御部49が収容されている。このように、水の浄化の操作・制御・動作に関連する、浄化装置として、操作表示部55が筐体27に形成され、オゾン発生装置21、オゾン混合器7および制御部49が筐体27に収容されているため、ユーザは、たとえば、定期的な部品交換や、故障した箇所の修理などのメンテナンスを容易に行なうことができる。なお、制御部49の電気的構成については、図7を参照して、後に詳述する。
また、筐体27の外側面には、オゾン脱臭カラム10が取り付けられている。オゾン脱臭カラム10が、筐体27の近傍に設けられているため、オゾン脱臭カラム10のメンテナンス、たとえば、オゾン脱臭カラム10の中に充填されている活性炭の交換やオゾン脱臭カラム10本体の交換などを容易に行なうことができる。さらに、筐体27の内部ではなく、外部に設けられているため、メンテナンスをする際、筐体27の蓋などを開ける必要もない。
また、筐体27内において、オゾン発生装置21は、3方分岐18より上方に配置されている。このため、たとえ3方分岐18に水が浸入することがあっても、その水がオゾン発生装置21まで浸入することは防止できる。
なお、図1に示す、たとえば、原水給水管6(エルボー管28の下流側)および浄水給水管9(オゾン脱臭カラム10の上流側)を着脱可能とし、筐体27を、水の浄化が必要される場所に持ち運ぶことができる構成にすることもできる。
再び図3を参照して、水流路14に接続された気体通路16には、逆止弁17が介挿されている。逆止弁17は、気体通路16内を下から上へ流れる流れ(特にオゾンの流れ)は許容するが、上から下へ流れる流れ(特に水の流れ)を防止するためのものである。
ここで、図4を参照して、逆止弁17の構成例について説明する。図4は、逆止弁17の図解図であり、図4(a)は水流路14に水が流れていないとき(以下、通常時とする。)の状態を示し、図4(b)は水流路14に水が流れているとき(以下、吸引時とする。)の状態を示す。なお、図4において、破線矢印は気体の流れを示す。
逆止弁17は、弁室29と、弁室29内を移動し得るボール弁30と、弁室29の一側(たとえば、下側)および他側(たとえば、上側)に形成された入口31および出口32と、ボール弁30が常時入口31を塞ぐように付勢するばね33とを有する。弁室29の形状は、この例では上方に向けて先細りとなるロケット形状であるが、これに限定されない。要は、ボール弁30が弁室29内を移動でき、入口31を塞がないときに、入口31と出口32との間を流体が移動できる形状であればよい。
ボール弁30は、たとえば、公知のゴムまたは樹脂などの球体であり、入口31の径より大きい径で形成されている。
ばね33は、吸引時に、負圧によりボール弁30が上方へ移動可能な付勢力を備えている。ばね33は、コイルばねを例示しているが、たとえば、棒状ばねや板状ばねなどでもよい。
逆止弁17は、その入口31が、通常時には、図4(a)に示すように、ボール弁30の自重およびばね33の付勢力によって塞がれている。そのため、仮に水が弁室29内に浸入してきても、その水は、弁室29内において塞き止められる。
一方、吸引時には、図4(b)に示すように、ボール弁30が負圧により吸引されて、塞がれていた入口31が、弁室29内部と連通する状態となる。そのため、オゾン発生装置21→オゾン供給管24→3方分岐18の入口19→気体通路16とつながる経路が連通する状態となり、オゾンは、気体通路16に供給される。なお、吸引時には、水は水流路14内を流れているため、その水が出口20から気体通路16へ漏れ出すことはない。
また、逆止弁17が設けられていれば、たとえば、吸引状態から通常状態に切り替わり、水流路14内の水の流れが急に止められることにより生じるウォーターハンマー現象などが原因で、水流路14の水が出口20から気体通路16内に浸入してきても、弁室29の入口31は、ボール弁30によって塞がれているため、その浸入した水は、逆止弁17で塞き止められる。そのため、水が逆止弁17より下流側、つまり、オゾン発生装置21側に浸入することを阻止することができる。また、万一、気体通路16に介挿された逆止弁17が破損などして、水がその逆止弁17を通過した場合であっても、オゾン供給管24にも、さらに逆止弁17が介挿されているため、この逆止弁17によって、水を塞き止めることができ、オゾン発生装置21に水が浸入することを阻止することができる。
なお、気体通路16の逆止弁17は、必要に応じて、直列状に複数配置してもよい。
図3を参照して、3方分岐18には、上述した入口19の他に、下方に向かって開口された排水口34が備えられており、排水口34には、気体通路16へ浸入した水を排水するための排水路としての排水管35が接続されている(図2参照)。
排水管35は、3方分岐18から下方に伸びており、その途中には、オゾン供給中に、排水管35を通って空気が流入することを抑制するためのドレン弁36が設けられている。また、排水管35の下端の出口には、出口から流れ出る水を受けるための水受け皿37が備えられている(図2参照)。
排水管35は、気体通路16に浸入した水を外部に排水するためのものである。上述したように、気体通路16には逆止弁17が介挿されているため、通常時、浸入した水は、ボール弁30によって塞き止められるが、時間の経過と共に、ボール弁30と入口31とのわずかな隙間から水が漏れ出し、3方分岐18を経て、排水管35へ流れ落ちる場合がある。たとえそのような場合であっても、排水管35が設けられているので、逆止弁17で塞き止めることができなかった水を外部に排水することができる。
また、排水管35の流路径は、一定時間(たとえば、10分)あたり出口20から気体通路16に漏れ出す水量以上の水量を排水できるように設計されている。よって、たとえば、逆止弁17が設けられていない場合や、逆止弁17が破損した場合でも、気体通路16に漏れ出した水は、排水管35内で停滞せずに、円滑に外部に排水される。つまり、水が、排水管35内に停滞して、3方分岐18の入口19からオゾン発生装置21側に流れ出ることを防止することができる。
ドレン弁36は、オゾン供給中に、排水管35の水の流れ方向とは逆方向に空気が流入することを抑制するための弁である。
ここで図5を参照して、ドレン弁36および水受け皿37などの構成例について説明する。図5は、ドレン弁36の一例を示す図解図であり、図5(a)は通常時の状態を示し、図5(b)は吸引時の状態を示す。なお、図5において、実線矢印は水の流れを示し、破線矢印は気体の流れを示す。また、図5(b)については、図5(a)に示す水受け皿37などの構成を示す図を省略する。
図5を参照して、ドレン弁36は、弁室38と、弁室38内に収容されたボール弁39とを有する。
弁室38の上面には、入口40が形成されている。弁室38の下面には、ボール弁39が自重で位置する凹所41が形成されていて、この凹所41を避けた下面に出口42が形成されている。そして、ドレン弁36は、これら入口40と出口42とを連通させる流路が、排水管35の流路の一部となるように、排水管35に介挿されている。
ボール弁39は、たとえば、公知のゴムまたは樹脂などの球体であり、入口40の径より大きく形成されている。
ボール弁39は、通常時には、図5(a)に示すように、その自重により、弁室38内の凹所41に位置する。そのため、排水管35を落下する水は、ドレン弁36を通り排水される。
一方、吸引時には、図5(b)に示すように、ボール弁39が負圧により吸引されて、入口40が塞がれる。そのため、ドレン弁36より上流側に位置する排水管35が、ドレン弁36を隔てて外部と遮断される。
水受け皿37は、その内部が、水受け皿37の周面壁の高さより低い仕切り壁73によって2つの部屋に仕切られており、その2つの部屋の一方の部屋が、排水管35の出口から排水される水を受ける水受け室74であり、他方の部屋が、水受け室74から仕切り壁73を超えて溢れ出した水が入ってくる溢水室75である。そして、溢水室75には、筐体27の外部に通じる排出管76が接続されている(図2参照)。排水管35の出口から排水された水は、いったん水受け室74で受けられ、その水位が仕切り壁73の高さ以下の場合には、溢水室75に溢れ出さず、時間の経過と共に蒸発する。一方、その水位が仕切り壁73の高さを超える場合には、その超えた分が、図5(a)の実線矢印に示すように、溢水室75に溢れ出し、排出管76から外部に排出される。
また、水受け皿37周面壁の、仕切り壁73の上端部よりやや低い位置には、水漏れセンサ45が設けられている。
水漏れセンサ45は、水受け室74に溜められた水の水位が、所定水位(たとえば、図5(a)における破線の高さ)以上であると検知するとONし、それ以外の場合にはOFFするセンサである。水漏れセンサ45のON/OFF信号は、制御部49へ与えられ、制御信号によって、水漏れセンサ45がONし、所定の時間経過すると、ポンプ5およびオゾン発生装置21が制御部49によってOFFにされる。なお、水漏れセンサ45による検知の流れについては、図9を参照して、後に詳説する。
図6を参照して、ドレン弁36の第2の構成例について説明する。
この第2の構成例のドレン弁36は、弁室38と、弁室38内に収容されたディスク弁46を有する。また、弁室38内には、ディスク弁46を受けるストッパー47が備えられている。弁室38は、上面に入口40が形成され、ストッパー47下方の下面に大きな出口42が形成されている。
ディスク弁46は、たとえば、公知のゴムまたは樹脂などの円板形状の弁であり、入口40の径より大きい径で形成されている。
ストッパー47は、ディスク弁46を受け止めた場合に、ディスク弁46の周囲と弁室38の内壁との間に隙間48が形成されるような高さに配置される。
ディスク弁46は、通常時には、図6(a)に示すように、その自重により、ストッパー47によって受け止められる。そのため、入口40側の排水管35と出口42側の排水管35とが、ドレン弁36の内部を介して連通する状態となり、漏れ出す水は、排水管35を介して排水される。
一方、吸引時には、図6(b)に示すように、ディスク弁46が負圧により吸引されて、入口40が塞がれる。ドレン弁36より上流側に位置する排水管35が、ドレン弁36を隔てて外部と遮断される。
このように、吸引時、つまり入口19へのオゾン供給中には、排水管35がドレン弁36を隔てて外部と遮断されており、外部の空気が排水管35から3方分岐18を経て、気体通路16へ流入してくることがないため、供給されるオゾンの濃度が低くなることを防止でき、一定の濃度のオゾンを安定して供給することができる。その結果、効率的に水の浄化処理を行なうことができる。また、このような排水管35の遮断を、絞り部15で発生する負圧を利用して行なうことができるため、別に操作をする必要がなく自動的に、外部からの空気の流入を防止できる。
なお、この実施形態においては、オゾン供給時における空気の流入をドレン弁36によって阻止したが、ドレン弁36の代わりに、たとえば、電磁バルブなどを設けて、制御部49(後述)によって制御することもできる。この場合、水浄化装置1の運転中には、電磁バルブを閉じて空気が流入しないようにし、停止中には、電磁バルブを開けて出口20から漏れ出す水を排水できるようにする。
この水浄化装置1には、たとえば、ポンプ5やオゾン発生装置21などを制御するためのオゾン供給制御手段および制御装置としての制御部49が備えられており、制御部49は、筐体27の内部に収容され、外部の電源50と接続されている(図2参照)。ここで、図7を参照して、制御部49について説明する。
図7は、この水浄化装置1の電気的構成を示すブロック図であって、この発明に関連する部分を示した図である。
制御部49は、たとえば、マイクロコンピュータなどで構成されており、CPU51と、ROM52と、RAM53と、タイマ54とを備えている。また、制御部49は、操作表示部55、オゾン発生装置21、ポンプ5、水漏れセンサ45および圧力センサ11と、それぞれ電気的に接続されている。
操作表示部55には、制御部49のON/OFFを行なうための電源スイッチ56、オゾン発生装置21のON/OFFを行なうためのオゾンスイッチ57ならびにユーザに対して各種表示を行なうための電源LED58、オゾンLED59および異常LED60などがそれぞれ設けられている。
以上説明したこの水浄化装置1の構成中、オゾン混合器7と、オゾン供給装置8と、排水管35と、ドレン弁36とから構成される部分が、この発明に係る水オゾン混合装置2として機能し、水浄化装置1においては、ユーザが操作表示部55を操作することにより、水オゾン混合装置2が制御部49に制御されることによって、水にオゾンが混合されて水の浄化が行なわれる。
(水浄化装置1の制御)
図8は、水浄化装置1の浄化給水に関する制御部49の制御動作を示すフローチャートである。以下、図8を参照して、水浄化装置1の浄化給水に関する制御について説明する。
ユーザにより電源スイッチ56がONにされると(ステップS1のYes)、オゾンスイッチ57がONにされたか否か判別される(ステップS2)。オゾンスイッチ57がONにされないと(ステップS2のNo)、ポンプ5が単独制御される(ステップS9)。つまり、ポンプ5のみがONにされ、水源3の水にはオゾンが供給されずに、そのままユーザの使用側へ供給される。一方、オゾンスイッチ57がONにされると(ステップS2のYes)、ポンプ5とオゾン発生装置21が連動制御される(ステップS3)。つまり、ユーザが蛇口などを開けることにより、流路内の水圧が降下し、圧力センサ11がONすると(ステップS4のYes)、ポンプ5およびオゾン発生装置21がともにONにされ(ステップS5)、水源3の水がオゾンにより浄化されて供給される浄化給水が行なわれる。
そして、浄化給水中、圧力センサ11がOFFすると(ステップS6のYes)、圧力センサ11がOFFしてからT1秒、たとえば、1秒経過したか否か判別される(ステップS7)。T1秒経過すると(ステップS7のYes)、ポンプ5およびオゾン発生装置21がOFFにされ(ステップS8)、浄化給水が終了する。また、ユーザは、電源スイッチ56をOFFにすることによっても浄化給水を終了することができる。なお、上記給水終了後、ユーザが再び浄水を使用したい場合には、蛇口を開けるだけでよい。つまり、ユーザが蛇口を開けると、圧力センサ11が再びONして(ステップS4のYes)、それに連動してポンプ5およびオゾン発生装置21が自動的にONにされるため、ユーザは浄水を使用することができる。
このように、ポンプ5とオゾン発生装置21とを連動制御することにより、操作が簡単で、扱いやすい水浄化装置1を提供することができる。また、流路内の水圧が圧力センサ11により制御されるため、ユーザ使用側へ放出される水圧が常に適正に維持され、しかも操作性の良い水浄化装置1とすることができる。
図9は、水浄化装置1の水漏れ異常検知に関する制御部49の制御動作を示すフローチャートである。以下、図9を参照して、水浄化装置1の水漏れ異常検知に関する制御について説明する。なお、ここでいう水漏れ異常検知とは、気体通路16から漏れ出した水がオゾン発生装置21へ浸入するおそれがあることを検知することである。
図8で示したユーザへの浄化給水中に、水受け室74に所定水位以上の水が溜められ、水漏れセンサ45がONすると(ステップS11のYes)、水漏れセンサ45がONしてからT2秒、たとえば、1秒経過しているか否か判別される(ステップS12)。そして、T2秒経過すると(ステップS12のYes)、ポンプ5およびオゾン発生装置21がOFFにされ(ステップS13)、異常LED60が点灯され、オゾンLED59が点滅され(ステップS14)、ユーザへの給水が停止される。
なお、上記給水停止後、ユーザが再び浄水を使用したい場合には、再度電源スイッチ56をONにすることで水浄化装置1を再始動させることができる。このとき、水漏れセンサ45は初期状態にリセットされる。つまり、水漏れセンサ45がONした状態で給水停止となった場合でも、再始動後は、OFFしている状態にリセットされる。なお、給水停止後も水受け室74に所定水位以上の水が残っている場合には、再始動直後に再び上記処理および判断(ステップS11〜14)が行なわれ、給水が停止される。
このように、水漏れセンサ45の検知に応じて、ポンプ5およびオゾン発生装置21を停止させることによって、漏電・感電などを未然に防止することができ、水浄化装置1を安全に稼動させることができる。
また、これと同時にユーザに対しては、異常LED60の点灯やオゾンLED59の点滅により異常報知されるため、ユーザは、水漏れ異常検知に対して迅速に対処することができる。また、水受け室74の水位が所定水位(たとえば、図5(a)における破線の高さ)未満であれば、水漏れセンサ45が水漏れ異常であると検知せず、さらに、水漏れセンサ45がONした場合でも、T2秒経過しなければ(ステップS12のNo)水漏れ異常検知は行なわれない。そのため、ユーザが不用な水漏れ異常に対して対処を強いられることを防止することができ、効率的に水の浄化処理を行なうことができる。
以上のように、この水浄化装置1では、水流路14内の水が、入口19から漏れ出した場合であっても、その水は、3方分岐18において、入口19からオゾン発生装置21側に浸入せずに、排水口34から排水管35を通って排水される。このように、水がオゾン発生装置21内に浸入することを防止することができるため、オゾン発生装置21が水に晒されて放電できなくなることを防止でき、安定してオゾンを供給することができる。つまり、水質の改善効率(オゾンの混合効率)の低下を防止することができる。
また、入口19へのオゾン供給中、排水管35がドレン弁36を隔てて外部と遮断されており、外部の空気が排水管35から3方分岐18を経て、気体通路16へ流入してくることがないため、供給されるオゾンの濃度が低くなることを防止でき、一定の濃度のオゾンを安定して供給することができる。その結果、効率的に水の浄化処理を行なうことができる。
さらに、水漏れセンサ45による水漏れ異常検知によってポンプ5およびオゾン発生装置21が停止されるため、漏電・感電などを未然に防止することができ、水浄化装置1を安全に稼動させることができる。
<変形例1>
(水浄化装置1の構成)
図10は、この発明の変形例1に係る水浄化装置1の概略斜視図である。図11は、変形例1に係る水浄化装置1の構成例を示すシステム図である。なお、図1および図2と重複する部分については、同じ符号を付してその説明を省略する。また、図11のシステム図において、実線矢印は水の流れ、破線矢印は電気の流れを、それぞれ表している。
主として図11を参照して、この変形例1に係る水浄化装置1には、図2で示したようなポンプ5および圧力センサ11が備えられておらず、原水給水管6に、原水給水管6を開閉するための開閉バルブ61が備えられている。
開閉バルブ61は、たとえば、電気的に開閉される電磁バルブなどのバルブであり、制御部49と電気的に接続されている。そのため、原水給水管6が、たとえば、水道の蛇口などに接続され、開閉バルブ61が適宜開閉されることにより、ユーザは浄水を使用することができる。なお、ユーザに供給される浄水は、上記実施例1と同様の方法により生成される。
図12は、変形例1に係る水浄化装置1の操作表示部55の概略平面図である。図13は、変形例1に係る水浄化装置1の電気的構成を示すブロック図であって、変形例1に関連する部分を示した図である。なお、図7と重複する部分については、同じ符号を付してその説明を省略する。
この変形例1に係る水浄化装置1の制御部49は、たとえば、マイクロコンピュータなどで構成されている。また、制御部49は、操作表示部55、オゾン発生装置21、開閉バルブ61および水漏れセンサ45と、それぞれ電気的に接続されている。
操作表示部55には、電源スイッチ56、電源LED58、オゾンLED59および異常LED60の他に、給水される水にオゾンを混入させるか選択するためのコーススイッチ62、開閉バルブ61の開閉操作を行なうための給水スイッチ63および給水中であるか否かを表示するための給水LED64がそれぞれ設けられている。そのため、ユーザは、操作表示部55を操作することにより、開閉バルブ61を開閉させて給水したり、給水される水にオゾンを混入させて浄水を生成したりすることができる。
(水浄化装置1の制御)
図14は、変形例1に係る水浄化装置1の浄化給水に関する制御部49の制御動作を示すフローチャートである。以下、図14を参照して、変形例1に係る水浄化装置1の浄化給水に関する制御について説明する。
ユーザにより電源スイッチ56がONにされると(ステップS21)、ROM52からコース設定が読み出される(ステップS22)。ここでコース設定とは、たとえば、給水中の水に供給されるオゾンの量などが設定されているプログラム内容であり、ユーザはROM52の内容を適宜変更することにより、コース設定を変更することができる。そして、コーススイッチ62がONにされると(ステップS23のYes)、オゾン発生装置21がONにされる(ステップS24)。
そして、給水スイッチ63がONにされ(ステップS25)、開閉バルブ61が開かれることにより給水が開始されると(ステップS26)、負圧によりオゾン混合器7にオゾンが供給される。このとき、コーススイッチ62がONにされずに(ステップS23のNo)、給水スイッチ63がONにされた場合でも給水は開始される。なお、このときは、オゾンが混合されていない水がユーザ使用側に送られる。また、ユーザは、コーススイッチ62をONにせずに給水を開始した場合でも、給水中にコーススイッチ62をONにすることによって、オゾン混合器7にオゾンを供給することができる。その後、電源スイッチ56がOFFにされると(ステップS27)、浄化給水が終了する。
このように、原水給水管6に開閉バルブ61が設けられ、ユーザが適宜操作することによって浄水の給水を行なうことができる構成にすれば、たとえば、水源(たとえば、井戸、河川など)とユーザの使用場所が離れている場合でも、汲み出しポンプなどを水源の近くで駆動させておき、開閉バルブ61をユーザの使用場所の近くに設けておけば、使用の都度汲み出しポンプなどを駆動する必要がなく、使用時に合わせて開閉バルブ61を操作するだけで浄化された水を利用することができる。
また、実施例1のように圧力センサ11によるポンプ5の駆動といった構成でないため、ユーザ側に蛇口などの流路開閉部品などを設ける必要もない。つまり、原水給水管6および浄水給水管9の端部が通じる先の状況(たとえば、蛇口の有無など)がどのような場合であっても、この変形例1に係る水浄化装置1によって、浄水を使用することができる。
なお、この変形例1に係る水浄化装置1の水漏れ異常検知の制御については、実施例1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
<変形例2>
(水浄化装置1の構成)
図15は、変形例2に係る水浄化装置1の構成例を示すシステム図である。なお、図1および図2と重複する部分については、同じ符号を付してその説明を省略する。
この変形例2に係る水浄化装置1は、図2で示した水源3が、水を溜めるための貯水タンクとしてのタンク65である。
タンク65は、家屋77の屋根と略同じ高さに、たとえば、専用の鉄塔などを組み、その上に設置される。タンク65には、水源(たとえば、井戸や河川など)から水を汲み出すためのタンク用ポンプ66を含む貯水管69が接続されており、タンク用ポンプ66の駆動力により、タンク65内に水が溜められる。
また、タンク65より低い位置、より具体的には、家屋77の床78にポンプ5が設置され、家屋77の内壁79に筐体27が設置されており、ポンプ5と筐体27(より具体的にはオゾン混合器7(図1参照))とは、原水給水管6により接続されている。
ポンプ5には、タンク65内部から下方に伸びる吸込管4が接続されており、筐体27(より具体的にはオゾン混合器7(図1参照)には、返送路としての浄水給水管9の一端が接続され、浄水給水管9の他端は、タンク65の上方から、タンク65内部につながっている。
そのため、タンク65内の水は、ポンプ5の駆動力により、タンク65→吸込管4→ポンプ5→原水給水管6→筐体27→浄水給水管9→タンク65となる経路(循環用流路)を、筐体27内で浄化されながら循環する。このように、タンク65内の水が浄化循環されるため、タンク65に浄水を溜めておくことができる。また、ポンプ5および筐体27が、床78および内壁79という低い位置にそれぞれ設置されているため、ユーザは、水浄化装置1の運転操作やメンテナンスを容易に行なうことができる。
また、タンク65には、タンク65の下方に伸び、途中で屈曲して家屋77の内部に伸びるユーザ用給水管67の一端が接続され、ユーザ用給水管67の他端には蛇口68が設けられている。そのため、ユーザが水を使用する際に、たとえば、汲み出しポンプなどの特別な装置を設ける必要がなく、ユーザは、蛇口68が開けるという簡単な操作をするだけでタンク65内の水を使用できる。
さらに、この水浄化装置1を、太陽エネルギーで運転する場合など、昼間の日照時間内に浄化水を作り、夜間の利用などに備えられる。
なお、この変形例2では、タンク65を、専用の鉄塔などの上に設置したが、たとえば、家屋77の屋根の上に設置することもできる。また、タンク65に溜める水は、水源からタンク用ポンプ66で汲み上げる水に限られず、たとえば、タンク65に雨水を溜めることもできる。さらに、タンク65を例として挙げたが、貯水管69とユーザ用給水管67を省略し、タンク65を、たとえば、プールや浴槽などに置換した構成にすれば、プールや浴槽などに溜められた水に含まれる雑菌などを浄化循環によって除去することができるため、定期的な水の入れ替えをせずに、清潔な水を溜めておくことができる。
<変形例3>
図16は、変形例3に係るオゾン水生成装置70の構成例を示すシステム図である。なお、図1および図2と重複する部分については、同じ符号を付してその説明を省略する。また、図16のシステム図において、実線矢印は水の流れ、破線矢印は電気の流れを、それぞれ表している。
この変形例3に係るオゾン水生成装置70は、水道水などを溜めるためのタンク65と、タンク65に溜められた水を吸込管4を通して吸い込むためのポンプ5と、ポンプ5から吐出され、原水給水管6を通して送られる水にオゾンを混合するための水オゾン混合装置2と、水オゾン混合装置2で生成されるオゾン水を放出するための浄水給水管9とを備えている。なお、この発明においては、浄水給水管9がオゾン水出力管に相当する。
より具体的には、図2に示す水浄化装置1の水源3がタンク65に置換され、オゾン脱臭カラム10が省略されている。また、タンク65には、たとえば、水道水などが溜められる。そのため、タンク65に溜められた水道水は、水オゾン混合装置2においてオゾンが混合され、浄水給水管9から除菌・消臭機能に優れるオゾン水として放出される。
また、図2に示す水浄化装置1においては、ポンプ5を筐体27の外部に設置したが、このオゾン水生成装置70では、タンク65およびポンプ5を含む部品も、たとえば、タイヤ71などが取り付けられた移動式筐体72に収容され、浄水給水管9および吸気管22の端部が移動式筐体72から露出されている。そのため、ユーザは、オゾン水を使用したい場合に、浄水給水管9の端部に、たとえば、蛇口やシャワーノズルなどを取り付けることによって、オゾン水で手足を洗ったり、オゾン水を散水したりすることができる。
さらに、上記のように移動式筐体72を用いると、簡単に持ち運ぶことができる。たとえば、鮮魚運搬用トラックなどの荷台に乗せておき、鮮魚を積み下ろした後、その鮮魚が入っていたトロ箱に散水することによって、トロ箱の除菌・消臭・ぬめり取りなどをすることができる。なお、ユーザが使用するオゾン水は、上記実施例1と同様の方法により生成される。
<変形例4>
図17は、変形例4に係る水浄化装置1における筐体27の正面側斜視図である。図18は、筐体27の内部の正面側斜視図である。図19は、筐体2の内部の平面図である。図20は、図18においてオゾン発生装置21が制御部49の上方に配置される態様を示したものである。
変形例4に係る水浄化装置1において、筐体27は、図17に示すように、左右方向に長く、前後方向(筐体27の正面側と背面側とを結ぶ方向)に薄いボックス状に形成されており、正面右上側には、上述した操作表示部55が配置されている。筐体27において、奥側となる背面部分が設置面として壁などに固定される。そして、オゾン混合器7の流入口12は、筐体27の右側面外方へ突出するように設けられ、筐体27の左側面には、オゾン混合器7の流出口13(図18参照)に結合される連結管83(後述する)の、連結側出口84が、筐体27の左側面外方へ突出するように設けられている。
この筐体27の内部は、図18に示すように、略直方体形状に区画されており、上下方向略中央位置には、水平方向に延びる遮断壁80が設けられている。遮断壁80は、平面視において、筐体27の平面形状とほぼ等しい大きさをなす矩形薄板状に形成されており、筐体27の内部は、遮断壁80によって、上下方向に並ぶ2つの領域に区画されている。以下では、筐体27の内部において区画された2つの領域のうち、上側の領域を電装品領域81とし、下側の領域を水路領域82とする。
水路領域82には、オゾン混合器7および連結管83(まとめて水路87とする。)が、図19に示すように、筐体27の手前側(つまり正面側、図19における下側)に配置されている。連結管83は、左右方向に略水平に延びる円管であり、左端部には、上述した連結側出口84が設けられ、右端部には連結側入口85が設けられている。連結管83において、連結側出口84は、筐体27の外方において浄水給水管9(図2参照)に接続され、連結側入口85は、オゾン混合器7の流出口13に結合されている。また、オゾン混合器7の流入口12は、筐体27の外方において原水給水管6(図2参照)に接続されており、この水路87では、右側から左側へ向かって水が流れる。
オゾン混合器7の水流路14も、連結管83と同様に、左右方向に略水平に延びるように形成されている。そのため、水路87は、全体として左右方向に略水平に延びるように形成されている。
また、このオゾン混合器7では、メンテナンス時に、図18に示す逆止弁17およびドレン弁36が取り外し可能となっている。
電装品領域81は、遮断壁80によって水路87から遮断されており、上述したオゾン発生装置21および制御部49が、図19に示すように、筐体27の奥側(つまり背面側、図19における上側)に配置されている。詳しくは、図18に示すように、正面視において、オゾン発生装置21は、電装品領域81の左側に配置され、制御部49は、オゾン発生装置21に対して、その右側に並ぶように、かつ、遮断壁80を挟んでオゾン混合器7の上方に配置されている。
オゾン発生装置21の、上述したオゾン供給管24は、可撓性を有する素材、詳しくは、オゾン劣化に対して優れた耐久性を有するテフロン(登録商標)やシリコンのゴムから構成されており、オゾン発生装置21から下方に延びて、遮断壁80に形成された貫通穴91を貫通した後、斜め右側下方へ延びてオゾン混合器7の入口19に接続されている。
このように、変形例4では、オゾン発生装置21および制御部49といった電装品は、水路87の上方に区画された電装品領域81に配置されるので、水路87から水が漏れ出したとしても、漏れ出した水が自重によってオゾン発生装置21および制御部49に到達する虞はない。さらに、この電装品領域81は、遮断壁80によって水路87から遮断されているので、たとえば、メンテナンス時に水路87から水が飛散しても、その水がオゾン発生装置21および制御部49に浸水することを確実に防止することができる。
特に、遮断壁80は、水路87とオゾン混合器7との結合部分(つまり、流出口13および連結側入口85付近)といった水漏れが発生する虞がある部分の上方に配置されているので、オゾン発生装置21および制御部49の浸水を一層確実に防止することができる。また、上述したように、オゾン混合器7では、メンテナンス時に、逆止弁17およびドレン弁36が取り外し可能となっているので、これらの取り外し可能な部品と水路87との間には結合部分が存在する。これらの結合部分では水漏れが発生する虞があるが、遮断壁80は、逆止弁17およびドレン弁36の上方に配置されているので、オゾン発生装置21および制御部49の浸水を一層確実に防止することができる。なお、遮断壁80の、上述したオゾン供給管24が貫通する貫通穴91は、上述した結合部分から離れた位置にあるので、水漏れが生じても、この貫通穴91を介して水が電装品領域81に浸入する虞はない。
そして、筐体27内を左右方向に略水平に延びる水路87には、屈折部分が存在しない。屈折部分が存在すると、エルボー管などの連結部品を別途設ける必要があり、その場合には、部品点数の増加だけでなく、連結部品と水路87との結合部分から水漏れが発生する虞があるが、本発明の水路87によって、これらの虞は解消され、オゾン発生装置21および制御部49の浸水を一層確実に防止することができる。
また、水路87における一端をなすオゾン混合器7の流入口12は、筐体27の右側面外方へ突出し、筐体27の外方において原水給水管6(図2参照)に接続され、水路87における他端をなす連結管83の連結側出口84は、筐体27の左側面外方へ突出し、筐体27の外方において浄水給水管9(図2参照)に接続されている。このように、原水給水管6および浄水給水管9との接続部分となる流入口12および連結側出口84では、水漏れが発生する虞があるが、これらの流入口12および連結側出口84は、いずれも筐体27の側面外方に突出するように設けられており、筐体27内部には位置していない。そのため、流入口12および連結側出口84において水漏れが発生しても、筐体27内部のオゾン発生装置21および制御部49の浸水を一層確実に防止することができる。
また、オゾン混合器7の流入口12が筐体27の右側面に設けられ、連結管83の連結側出口84が筐体27の左側面に設けられていることにより、水路87は、筐体27の左右方向両側面に支持されているので、筐体27内に安定して配置することができ、水路87の筐体27への容易と組付けもなる。なお、オゾン混合器7には、上方へ延びるボス部92が形成されており、そのボス部92が遮断壁80にねじ等で固定されることにより、オゾン混合器7は、遮断壁80にも支持されている(図18参照)。
また、オゾン混合器7の流入口12は、水路87の一端を構成するように水路87に結合されているので、オゾン混合器7が水路87の途中で結合される場合と比べて、オゾン混合器7と水路87との結合部分、つまり水漏れが発生する虞がある部分を減らすことができ、オゾン発生装置21および制御部49の浸水を一層確実に防止することができる。同様の効果を奏する為に、オゾン混合器7の流出口13が水路87の他端(つまり、図18においては連結側出口84)を構成してもよい。この場合、連結管83が省略され、流出口13が筐体27の左側面外方に突出するように、オゾン混合器7の水流路14が延長される。もちろん、オゾン混合器7の水流路14が、水路87自体を構成すれば、上述した連結部分をなくすことができ、オゾン発生装置21および制御部49の浸水をより一層確実に防止することができる。
また、オゾン発生装置21および制御部49といった電装品は、外部から電力を取り込む関係上、図19に示すように、筐体27の奥側(つまり背面側、図19における上側)に配置されることが望ましい。一方、水路87は、手前側(つまり正面側、図19における下側)に配置されることで、メンテナンスを容易に行うことができる。また、このような配置関係により、奥側に配置されるオゾン発生装置21および制御部49と、手前側に配置される水路87との間に隔たりが生じるので、水路87から水が漏れ出したとしても、オゾン発生装置21および制御部49の浸水を確実に防止することができる。
また、オゾン発生装置21がオゾン混合器7の上方に配置されている場合、オゾン発生装置21とオゾン混合器7との間隔が比較的狭くなる。この場合、オゾン供給管24は、適正な曲率をもってオゾン発生装置21とオゾン混合器7との間をつなぐことができずに途中で不自然に曲がってしまい、オゾン発生装置21からのオゾンをオゾン混合器7に円滑に供給することができなくなる虞がある。しかし、本発明では、図18に示すように、オゾン混合器7の上方に制御部49が配置され、オゾン発生装置21は、制御部49に対して、その左側に並ぶように配置されている。これにより、オゾン発生装置21とオゾン混合器7との間隔を比較的広くすることができるので、オゾン供給管24は、適正な曲率をもってオゾン発生装置21とオゾン混合器7との間をつなぐことができ、オゾン発生装置21からのオゾンをオゾン混合器7に円滑に供給することができる。
また、図3に示すオゾン混合器7の出口20から気体通路16に浸入してきた水路87(詳しくは水流路14)の水は、自重により、出口20の下方に位置する入口19に到達するが、図18に示すように、入口19は、斜め上方を向いてオゾン供給管24に接続されている。そのため、気体通路16に浸入してきた水が入口19およびオゾン供給管24を介してオゾン発生装置21に到達する虞はない。そのため、オゾン発生装置21の浸水を確実に防止し、さらに、気体通路16に浸入してきた水を図5に示す排水管35で確実に排水することができる。
また、図18に示すように、電装品領域81において、オゾン発生装置21および制御部49は、左右方向に並ぶように配置されていたが、これに代え、図20に示すように、オゾン発生装置21が制御部49の上方に配置されていても構わない。オゾン発生装置21は、他の電装品以上に浸水への対策を講じる必要があるが、制御部49の上方に配置されることで、水路87から一層隔てて配置されるので、オゾン発生装置21の浸水を一層確実に防止することができる。さらに、筐体27を、図18での構成に比べて左右方向に小さく(幅狭)にすることができるので、水路87を、オゾン混合器7だけで構成することも可能となる。
<変形例5>
図21は、変形例5に係る水浄化装置1の正面側斜視図である。
図21に示すように、変形例5に係る水浄化装置1では、上下方向に長手の直方体をなす格子状の、被組付部材としてのフレーム90の内部に、上述した浄化装置(筐体27と、筐体27に配置された操作表示部55、オゾン発生装置21、オゾン混合器7および制御部49)、吸込管4、ポンプ5および原水給水管6が組付けられている。なお、変形例5に係る筐体27および筐体27の内部構造は、変形例4で示したものと同じである。そして、図21では、オゾン発生装置21、オゾン混合器7および制御部49は、図示されていない(図18参照)。
筐体27は、フレーム90の正面側上端部に配置されている。ポンプ5は、筐体27よりも低い位置、詳しくは、フレーム90の右側下端部に配置されている。なお、ポンプ5の斜め左側上方には、上述した圧力センサ11が隣接配置されている。
原水給水管6は、右側面視において、ポンプ5から、時計回りの螺旋を3回巻きながら左側へ延びている。原水給水管6の各螺旋部分は、右側面視において上下方向に長手の略矩形状に形成されており、各螺旋部分の奥側部分には、上下方向に長手の円筒状のフィルタ89が1つずつ介挿されている。つまり、原水給水管6では、3つのフィルタ89が、直列状に配置されている。ここで、上述した圧力センサ11は、ポンプ5から、フレーム90内で右端に位置するフィルタ89までの間を流れる水の圧力を検知している。そして、圧力センサ11が検知する圧力値は、上述した制御部49に与えられる。
また、原水給水管6は、フレーム90内で左端に位置するフィルタ89から下方に延び、屈折して上方へ延びて筐体27の水路87に接続されている。原水給水管6の、水路87に接続される部分の近傍部分には、手動バルブ88が介挿されている。この手動バルブ88を手動で開閉することによって、原水給水管6を、開放または遮断することができる。なお、手動バルブ88は、原水給水管6の、圧力センサ11の近傍部分にも介挿されている。
また、図示されていないが、フレーム90の上方には、変形例2および3で示したタンク65が配置されており、吸込管4は、タンク65から下方に延びてポンプ5に接続されている。そして、上述した筐体27は、タンク65に対して、その下方で隣接している。
水浄化装置1において、タンク65内に溜められた水は、吸込管4において下方へ流れてからポンプ5に吸い込まれて原水給水管6に吐出される。その後、この水は、原水給水管6において、原水給水管6の形状に沿って螺旋を巻きつつ、さらに、フィルタ89で異物(鉄分やマンガン成分等)が除去されながら左側へ流れて筐体27の水路87に到達する。水路87に到達した水は、図18に示すように、オゾン混合器7でオゾンが混合されて浄化されてから、水路87に接続される浄水給水管9(図2、図15および図16参照)を流れて、上述したように、ユーザ使用側へ供給される。
このように、変形例5に係る水浄化装置1では、図21に示すように、浄化装置(筐体27と、筐体27に配置された操作表示部55、オゾン発生装置21、オゾン混合器7および制御部49)は、上述したように、タンク65に対して極力近づけて配置されるので、浄化装置とタンク65との高低差を小さくでき、タンク65に溜められた水が浄化装置に到達したときの水頭の損失を抑えることができる。これにより、浄化装置のオゾン混合器7を流れる水の圧力損失を防止することができるので、オゾン混合器7へのオゾンの吸込流量の低下が抑えられ、気液混合の効率の低下を防止することができる。そのため、この水浄化装置1では、簡単な構成で、良好に水質を改善できる。
また、一般的には重量物であるポンプ5が、浄化装置よりも低い位置に配置されているので、水浄化装置1の姿勢を安定させることができる。
また、フィルタ89によって異物が捕獲された水が、浄化装置へ導入されるので、オゾン混合器7などの、浄化装置内部で水が流れる部分に異物が詰まることを防止できる。
そして、このフィルタ89は、原水給水管6の途中に設けられているので、水の流れる方向に見て、浄化装置よりも上流側に配置されている。一般的に、水がフィルタ89を通過する際、フィルタ89が抵抗となるので、フィルタ89付近の水には圧力損失が生じる。そこで、フィルタ89が浄化装置よりも下流側に配置されている場合では、上述した圧力損失が浄化装置の下流側で生じることにより、オゾン混合器7へのオゾンの吸込流量の低下が懸念される。しかし、本発明では、フィルタ89が浄化装置よりも上流側に配置されているので、オゾン混合器7へのオゾンの吸込流量の低下が抑えられ、上述した気液混合の効率の低下を防止することができる。これにより、この水浄化装置1では、簡単な構成で、良好に水質を改善できる。
また、上述したように、圧力センサ11は、ポンプ5から、フレーム90内で右端に位置するフィルタ89までの間を流れる水の圧力を検知しており、この圧力値は、上述した制御部49に与えられる。この圧力値は、フィルタ89が目詰りすると上昇するので、制御部49は、圧力センサ11によって検知された圧力値が所定の値まで上昇すると、フィルタ89が目詰りしたと判断する。そして、制御部49によってフィルタ89の目詰りが判断されると、制御表示部55に備えられたフィルタ目詰りLED(図示せず)が点灯され、フィルタ89の目詰りがユーザに報知される。ここで、制御表示部55は、報知手段として機能する。なお、フィルタ目詰りLED(図示せず)に代えて、ブザー等によって音で報知してもよい。
すなわち、フィルタ89の目詰りが生じると、原水給水管6および浄化装置における水の流れが悪化するので、オゾン混合器7において水に混合されるオゾンの、オゾン混合器7への吸込流量の低下が懸念される。しかし、本発明では、圧力センサ11が、ポンプ5からフィルタ89までの間を流れる水の圧力を検知することにより、フィルタ89の目詰り状態を管理することができる。そして、制御部49が、圧力センサ11によって検知された圧力の値に応じてフィルタ89の目詰りを判断し、その判断に応じて制御表示部55がフィルタ89の目詰りを報知することによって、フィルタ89の不慮の目詰りを防止することができるので、上述したオゾンの吸込流量の低下が抑えられ、気液混合の効率の低下を防止することができる。
また、タンク65が高い位置に配置されるほど、上述したように、オゾン混合器7へのオゾンの吸込流量の低下が懸念される。そこへフィルタ89の目詰りが生じると、オゾン混合器7へのオゾンの吸込流量のさらなる低下が懸念される。そのため、フィルタ89の目詰りに起因するオゾンの吸込流量の低下を防ぐためには、フィルタ89の目詰りがなるべく早く検知されることが望ましいが、タンク65よりも低い位置にポンプ5が配置される構成では、タンク65が高い位置に配置されるほど、圧力センサ11が圧力値を高めに検知するので、フィルタ89の目詰りが実際よりも早く判断されてユーザに報知される。これにより、フィルタ89の目詰りに起因するオゾン混合器7へのオゾンの吸込流量の低下を防止することができる。
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、この発明に係る水オゾン混合装置2、水浄化装置1またはオゾン水生成装置70の構成を、風呂水を利用して洗濯を行なう洗濯機などおける、風呂水の浄化処理などに用いることができる。また、変形例4および5で示した構成は、水浄化装置1に限らず、水オゾン混合装置2にも適用可能である。