JP2008002630A - 伸縮軸 - Google Patents

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広 佐藤
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誠一 森山
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Abstract

【課題】通常使用する領域より収縮させてもトルク伝達時の位相ずれを発生することなく摺動抵抗を減少させることができ、組付性を向上させることができる収縮軸を提供する。
【解決手段】スプライン結合部で摺動自在に連結された雄軸21と雌軸22とで構成された伸縮軸であって、前記雄軸21の各スプライン歯の回転方向における一対の側壁21e,21fと当該一対の側壁21e,21fに対向する前記雌軸22のスプライン穴部22aにおける一対の側壁22b,22cとの間の合計間隙が、軸方向の一部で異なる間隙に設定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両のステアリング機構等にトルク伝達部材として組込可能なスプライン嵌合部で摺動自在に連結された雄軸と雌軸とで構成された伸縮軸に関する。
自動車のステアリング機構に組込まれる伸縮軸は、ステアリングホイールから入力される操舵トルクをステアリングギヤに伝達するものであるが、ステアリング機構への組付性が良いことが要求されている。
このような伸縮軸として、例えばアウタチューブにインナシャフトを軸方向に摺動自在にスプライン嵌合させ、アウタチューブは全長に亘って孔を有し、自在継手を構成するヨークの溶接部位近傍が素材鋼管のままとされ、雌スプラインの形成部位がハイドロフォーム等の塑性成形により縮径されて、ヨークの溶接部位近傍の内径D1が雌スプラインの外径D2より有意に大きくしたテレスコピックシャフトが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特願2004−262319号公報(第1頁、図4)
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、アウタチューブのヨーク溶接部位の内径が雌スプラインの外径より大きく形成されているので、インナシャフトが雌スプラインを超えて収縮する際に、インナシャフトの先端部がヨークの溶接部位を通過する場合、摺動抵抗が増大したり、雌スプライン及び雄スプラインが焼き付いたりすることを回避して円滑なテレスコピック動を実現することができるものであるが、インナシャフトをアウタチューブ内に押し込み過ぎると、インナシャフトの雄スプラインがアウタチューブの雌スプラインから外れてヨーク溶接部位に相当する雌スプラインが形成されていない内径部に到達してしまうことにより、トルク伝達時に位相ずれを発生させかねないことになり、組付時に注意深く作業することを強いられて、組付作業効率が低下したり、押し込み過ぎ防止ストッパの追加等が必要となり、コストアップとなったりするという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、通常使用する領域より収縮させてもトルク伝達時の位相ずれを発生することなく摺動抵抗を減少させることができ、組付性を向上させることができる収縮軸を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る伸縮軸は、スプライン結合部で摺動自在に連結された雄軸と雌軸とで構成された伸縮軸であって、前記雄軸の各スプライン歯の回転方向における一対の側壁と当該一対の側壁に対向する前記雌軸のスプライン穴部における一対の側壁との間の合計間隙が、軸方向の一部で異なる間隙に設定されていることを特徴としている。
また、請求項2に係る伸縮軸は、請求項1に係る発明において、収縮時における前記雄軸の各スプライン歯の回転方向における一対の側壁と当該一対の側壁に対向する前記雌軸のスプライン穴部における一対の側壁との間の合計間隙が他部に比較して広く設定されていることを特徴としている。
さらに、請求項3に係る伸縮軸は、車両のステアリング機構を構成するステアリングシャフト及びステアリングギヤ間に中間シャフトとして組込まれ、スプライン嵌合部で摺動自在に連結された雄軸と雌軸とで構成された伸縮軸であって、前記雄軸の各スプライン歯の回転方向における一対の側壁と当該一対の側壁に対向する前記雌軸のスプライン穴部における一対の側壁との間の合計間隙が、通常使用範囲を外れて収縮したときに当該通常使用範囲の間隙に比較して広く設定されていることを特徴としている。
さらにまた、請求項4に係る伸縮軸は、請求項1又は3に係る発明において、前記スプライン穴部は、スプライン軸部に回転方向の遊びがない状態でスプライン結合する通常使用範囲と、該通常使用範囲より収縮させたときに前記スプライン軸に所定の遊びを持ってスプライン結合する組付時使用範囲とを備えていることを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係る伸縮軸は、請求項4に係る発明において、前記通常使用範囲のスプライン穴部及びスプライン軸部の少なくとも一方に四フッ化エチレン樹脂を含有した無電解メッキ層が形成されていることを特徴としている。
また、請求項6に係る伸縮軸は、請求項4に係る発明において、前記通常使用範囲のスプライン穴部及びスプライン軸部の少なくとも一方にポリエーテルエーテルケトンのコーティング層が形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、雄軸の各スプライン歯の回転方向における一対の側壁と当該一対の側壁に対向する前記雌軸のスプライン穴部における一対の側壁との間の合計間隙が軸方向の一部で異なる間隙に設定されているので、対向側壁間の合計間隙が狭い領域でトルク伝達を行い、対向側壁間の合計間隙が広い領域で組付作業を行うことにより、組付時の摺動抵抗を減少させて組付作業効率を向上させることができると共に、対向側壁間の間隙が広い領域でもスプライン結合状態を維持するので、組付位置を誤ってもトルク伝達に支承をきたすことがないという効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る伸縮軸を自動車のステアリング機構に適用した場合の一実施形態を示す側面図である。
図1において、車体側のメンバ1にアッパブラケット2とロアブラケット3とを介して取付けられたステアリングコラム4と、このステアリングコラム4に回転自在に支持されたステアリングシャフト5と、このステアリングシャフト5の上端に装着されたステアリングホイール6と、ステアリングシャフト5の下端にカルダン軸継手7を介して連結された中間(インターミディエイト)シャフト8と、この中間シャフト8にカルダン軸継手9を介して連結されたピニオンシャフト10と、ピニオンシャフト10に連結したステアリングラック軸11と、このステアリングラック軸11を支持して車体の別のフレーム12に弾性体13を介して固定されたステアリングラック支持部材14とからステアリング機構15が構成されている。
ここで、ステアリングシャフト5及び中間シャフト8に本発明に係る伸縮軸が適用される。
中間シャフト8は、雄軸と雌軸とを嵌合したものであるが、このような中間シャフト8には自動車が走行する際に発生する軸方向の変位を吸収し、ステアリングホイール6にその変位や振動を伝えない性能が要求される。
このような性能は、車体がサブフレーム構造となっていて、ステアリング機構15の上部を固定するメンバ1とステアリングラック支持部材14が固定されているフレーム12とが別体となっておりステアリングラック支持部材14がゴムなどの弾性体13を介してフレーム12に締結固定されている構造の場合に要求される。
また、その他のケースとして中間シャフト8をカルダン軸継手9位置でピニオンシャフト10に締結する組付作業時に、作業者が伸縮軸を一旦収縮させからピニオンシャフト10に嵌合させて締結させるために伸縮機能が必要とされる。
さらに、ステアリング機構15の上部にあるステアリングシャフト5も雄軸5aと雌軸5bとを嵌合したものであるが、このようなステアリングシャフト5には、運転者が自動車を運転するのに最適な運転姿勢を確保するためにステアリングホイール6の位置を軸方向に移動し、その位置を調整するテレスコ機能が要求されるため、軸方向に伸縮する機能が要求される。
前述の全ての場合において、伸縮軸には雄軸及び雌軸の嵌合部におけるガタ音を低減することと、ステアリングホイール6上のガタ感を低減することと、軸方向摺動時における摺動抵抗を低減することが要求される。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るカルダン軸継手付き伸縮軸の縦断面図である。
図2に示すように、中間シャフト8は、カルダン軸継手7に連結された雄軸21と、この雄軸21の外周側にスプライン嵌合され且つカルダン軸継手9に連接された雌軸22とを備えている。
ここで、カルダン軸継手7は、図2に示すように、一対のヨーク23及び24と、これら一対のヨーク23及び24を連結する十字軸25とで構成されている。ヨーク23は、一対のアーム部23a及び23bと、これらアーム部23a及び23bの基部間を連結する連結部23cとでU字状に形成されている。
そして、連結部23cには、中心位置に連結孔23dが貫通形成されている。この連結孔23dに、後述する雄軸21の連結軸部21cが連結され、連結部23cと連結軸部21cとが、例えば溶接、加締め等の固着手段によって一体に連結されている。
また、他方のヨーク24も、ヨーク23と同様に一対のアーム部24a及び24bとこれらアーム部24a及び24bの基部間を連結する連結部24cとでU字状に形成され、連結部24cにステアリングシャフト5の雄軸5aがボルト27によって抱き締めされている。
さらに、十字軸25は、図2に示すように、胴部25aと、この胴部に十字状に夫々形成した4個の軸部25bとで構成されている。各軸部25bはその先端部に中心軸位置にスパイダーピン25cが埋設されていると共に、外周面にニードルベアリング25dが配設され、スパイダーピン25c及びニードルベアリング25dを覆うようにベアリングカップ25eが配設されている。そして、十字軸25の各軸部25bが、ヨーク23及び24のアーム部23a,23b及び24a,24bに形成されたベアリングカップ挿通孔26に挿通されている。
一方、カルダン軸継手9も、カルダン軸継手7と同様の構成を有し、中間シャフト8の雌軸22に連結されたヨーク23とピニオンシャフト10に連結されたヨーク24と、これらヨーク23及び24を連結する十字軸25とを備えている。
さらに、雄軸21は、図2に示すように、小径の中央軸部21aとその左端に形成された中央軸部21aより大径に形成されたスプライン軸部21b及び右端に形成された連結軸部21cとを有し、スプライン軸部21bの中央軸部21a側端部がテーパー面21dとされている。
また、雌軸22は、図2に示すように、円筒状に形成され、その左端にカルダン軸継手9のヨーク23が連結され、且つ内周面に全長に亘ってスプライン穴部22aが形成されている。
この雌軸22は、カルダン軸継手9のヨーク23が連結された端部とは反対側の右端部から雄軸21が挿通されてスプライン結合され、この右端から左端側に所定長さの収縮可能範囲A1が設定され、この収縮可能範囲A1のうち右端から収縮可能範囲A1の中央よりやや左端側位置までの間を雄軸21のスプライン軸部21bの軸方向長さより長いトルク伝達領域となる通常使用範囲A2に設定し、収縮可能範囲A1の残りの範囲を組付時使用範囲A3に設定している。
そして、雄軸21のスプライン軸部21b及び少なくとも雌軸22のスプライン穴部22aの通常使用範囲A2の少なくとも一方例えば雄軸21のスプライン軸部21bには、図2のA−A線断面図である図3(a)に示すように、低摩擦抵抗を有する低摩擦抵抗被膜30が形成されている。
この低摩擦抵抗被膜30は、雄軸21のスプライン軸部21bに対する四フッ化エチレン樹脂(PTFE)を含有した無電解メッキ処理によって形成した無電解メッキ層で構成されている。ここで、無電解メッキ処理は、ニッケルを主成分としこれに燐を加えた無電解メッキ液中に四フッ化エチレン微粒子を分散させた無電解メッキ液を使用してメッキ処理するようにしたもので、四フッ化エチレンの含有量が増加するに応じて摩擦係数が小さくなる。
そして、雌軸22のスプライン穴部22aは、通常使用範囲A2と組付時使用範囲A3とで異なるスプライン幅に設定されている。すなわち、通常使用範囲A2では、図2のA−A線断面図である図3(a)に示すように、スプラインのピッチ円直径を15〜20mmとした場合左右の側壁22b及び22cと雄軸21のスプライン軸部21bにおける各スプライン歯の左右側壁21e及び21fとの間隙LSを左右合わせた合計間隙が例えば0〜0.01mm程度の僅かな間隙即ち遊びが殆ど無いように設定されている。
また、組付時使用範囲A3では、図2のB−B線断面図である図3(b)に示すように、左右の側壁22b及び22cと雄軸21のスプライン軸部21bにおける各スプライン歯の左右側壁21e及び21fとの間隙LLを左右合わせた合計間隙が通常使用範囲A2での左右合わせた合計間隙0〜0.01mmにさらに0.01〜0.05mm程度を加算した比較的広い間隙即ち遊びが大きくなるように設定されている。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
先ず、ステアリング機構15を車体に組付けるには、ステアリングシャフト5のステアリングコラム4から突出した下端にカルダン軸継手7を介して中間シャフト8の雄軸21を連結した状態で、ステアリングコラム4をアッパブラケット2及びロアブラケット3によって、車体側のメンバ1に固定する。また、ピニオンシャフト10に連結したステアリングラック軸11を支持するステアリングラック支持部材14を、弾性体13を介してフレーム12に固定する。
そして、中間シャフト8の雄軸21のスプライン軸部21bを、雌軸22のスプライン穴部22aに、そのカルダン軸継手9のヨーク23とは反対側から挿通させて雄軸21と雌軸22とをスプライン結合させる。この状態で、雄軸21のスプライン軸部21bを雌軸22の組付時使用範囲A3内に完全に収まるように押し込む。
このように雄軸21のスプライン軸部21bを雌軸22の組付時使用範囲A3内にスプライン結合させることにより、この組付時使用範囲A3では、スプライン穴部22aの溝幅が広く、スプライン穴部22aの左右側壁22b,22cと雄軸21のスプライン軸部21bの左右側壁21e,21fとの間に遊びがあるので、雌軸22を軸方向に移動させる場合の摺動抵抗が小さくなる。
したがって、雄軸21のスプライン軸部21bを雌軸22のスプライン穴部22aの組付時使用範囲A3にスプライン結合させた状態で、雌軸22に連結させたカルダン軸継手9のヨーク24内にピニオンシャフト10を挿通させるように中間シャフト8を伸張させ、雄軸21のスプライン軸部21bが雌軸22のスプライン穴部22aに通常使用範囲A2でスプライン結合する状態に復帰させた状態で、ボルト27によってヨーク24でピニオンシャフト10を抱き締めすることにより、ステアリング機構15の車体への組付作業を終了する。
このように、本発明によれば、ステアリング機構15の組付作業時に、中間シャフト8を収縮させて、雄軸21のスプライン軸部21bが雌軸22のスプライン穴部22aにおける組付時使用範囲A3にスプライン結合する状態として組付作業を行うので、雄軸21のスプライン軸部21bと雌軸22のスプライン穴部22aとの間に比較的大きな遊びがあり摩擦抵抗が小さい状態で中間シャフト8を伸縮させてカルダン軸継手9のヨーク24とピニオンシャフト10とを連結することができ、組付作業を容易且つ短時間で行うことができる。
そして、組付作業の終了時には、雄軸21のスプライン軸部21bが雌軸22のスプライン穴部22aにおける通常使用範囲A2でスプライン結合されるので、ステアリングホイール6を操舵したときの操舵トルクがステアリングシャフト5及びカルダン軸継手7を介して中間シャフト8に伝達されたときに、雄軸21のスプライン軸部21bと雌軸22のスプライン穴部22aとの間の遊びが略無い状態となっているので、雄軸21に伝達された操舵トルクを雌軸22にガタツキを生じることなく円滑に伝達することができる。
しかも、雄軸21のスプライン軸部21b及び雌軸22の少なくともスプライン穴部22aにおける通常使用範囲A2の少なくとも一方に、四フッ化エチレン(PTFE)を含有した無電解メッキ層でなる低摩擦抵抗被膜30が形成されているので、この低摩擦抵抗被膜30での摩擦係数を小さくすることができ、雄軸21及び雌軸22の伸縮時の摩擦抵抗が小さくなり、自動車が走行する際に発生する中間シャフト8の軸方向の変位を確実に吸収し、ステアリングホイール6にその変位や振動が伝達されることを確実に防止することができる。この無電解メッキ層でなる低摩擦抵抗被膜30を使用することにより、合成樹脂製のコーティング材に比較して表面硬度が高く、その結果、耐摩耗性に優れ、傷がつき難いと共に、剥離も防止することができる。
さらに、組付作業時に、誤って中間シャフト8の雄軸21のスプライン軸部21bが雌軸22のスプライン穴部22aの組付時使用範囲A3にスプライン結合した状態で、組付作業を完了した場合でも、この組付時使用範囲A3においても雄軸21のスプライン軸部21bと雌軸22のスプライン穴部22aとの間に遊びがあるもののスプライン結合は確保されているので、ステアリングホイール6を操舵したときの操舵トルクがステアリングシャフト5及びカルダン軸継手7を介して中間シャフト8の雄軸21に伝達されたときでも、この操舵トルクを雌軸22に確実に伝達することができる。
なお、上記実施形態においては、中間シャフト8の雄軸21のスプライン軸部21b及び雌軸22のスプライン穴部22aの少なくとも通常使用範囲A2の少なくとも一方に、形成した低摩擦抵抗被膜30を四フッ化エチレンを含有する無電解メッキ層とした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、石油系バインダー中に二硫化モリブデン(MoS2)の小さな粒体、好ましくは1μm以下の粒体を分散混合した有機溶剤を、スプライン軸部21b及びスプライン穴部22aの少なくとも一方に対してスプレー或いはディッピィングにより塗布してから加熱乾燥させることにより形成した耐摩耗性の高い0.03mm〜0.06mmの被膜を適用するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、中間シャフト8の雄軸21のスプライン軸部21b及び雌軸22のスプライン穴部22aの少なくとも通常使用範囲A2の少なくとも一方に、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)を含有した無電解メッキ層30を形成した場合について説明したが、これに限定されるものでなく、無電解メッキ層30に代えてポリアミド(PA)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂をコーティングするようにしてもよい。
ここで、ポリアミド(PA)樹脂は、限界PV値が大きい、摩擦係数が小さい、摩耗量が少ない、摩擦時の騒音レベルが低い等の良い摩擦摩耗特性を有し、潤滑油なしでも良好な摩擦摩耗性能を発揮して自己潤滑性があるが、フッ素樹脂、二硫化モリブデン、グラファイト等を添加するとさらに摩擦摩耗特性が向上する。また、耐熱性としては、グレードPA6、PA66のガラス転移温度は60℃近辺であり、且つ吸湿するとガラス転移温度が低くなるので、これらのグレードは実用温度範囲ではゴム状態であるので、雄軸21と雌軸22との遊びを防止する弾性体として適している。
また、ポリアセタール(POM)樹脂も、摩擦摩耗特性に優れていて自己潤滑性もある。PV値は摩擦による溶融現象を基準として測定されるので、実際の使用可能範囲は摩耗量基準で判断しなければならない。例えば荷重一定で滑り速度を速くしていくと摩擦係数が上昇に転じる速度がある。摩擦係数が大きくなるにつれて摩耗量も多くなるので、摩擦係数が一定となる範囲が使用可能範囲と考えるべきである。摩擦特性は摩擦する相手が金属である場合には、金属の摩耗面が粗いとざらつき摩耗となり摩耗しやすいので、雄軸21及び雌軸22の摺動面の双方にポリアセタールをコーティングするか又は摩擦する相手に金属メッキを施すことが好ましい。さらに、ポリアセタール樹脂は、疲れ強さはプラスチックの中では大きく106回で29.4N/mm2前後である。
また、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂は、疲労強さが107回で49N/mm2程度であり、ポリアミド(PA)樹脂やポリアセタール(POM)樹脂に比較して十分に大きく、比較的伝達トルクが大きい状況で摺動させられる使用条件での変形(ヘタリ)が少なく、回転方向の遊びの増加抑制に効果があると共に、線膨張係数が4.6×10-5/℃)と低いため温度による寸法変化がなく、雄軸21及び雌軸22間の回転方向における遊びの温度依存性を低くすることができる。
このように、スプライン軸部21b及びスプライン穴部22aの少なくとも一方に樹脂コーティングを行うことにより、トルク伝達領域となる通常使用範囲A2で、スプライン結合をタイトに設定する必要がなく、回転方向のガタつきを防止しながら円滑な摺動を確保することができる。因みに、通常使用範囲A2でタイトなスプライン結合にすると、実際に車両に組付ける時に摺動力が変化して重くなってしまったり、逆に隙間設定ギリギリでスプライン結合すると、組付けた後に回転方向遊びが大きく過ぎたりすることが生じるが、樹脂コーティングを行うことにより、これらを解決することができる。
さらに、上記実施形態においては、雌軸22のスプライン穴部22aの通常使用範囲A2及び組付時使用範囲A3において、異なる溝幅として、スプライン軸部21bとの間隙を変化させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図2のスプライン結合部を拡大して表す図4(a)に示すように、雌軸22を通常使用範囲A2の円筒部22fに対して組付時使用範囲A3での円筒部22gを拡径することにより、スプライン穴部22aの組付時使用範囲A3でのスプライン幅を広くするようにしてもよく、この場合には、円筒部22f及び22gとの連接位置でスプライン穴部22aの段差を図4(b)に示すように、段差としたり、図4(c)に示すようにテーパー形状としたり、図4(d)に示すようにテーパー部の前後をR形状としたR付き形状としたりすることができる。
さらにまた、上記実施形態においては、スプライン穴部22aの溝幅を通常使用範囲A2と組付時使用範囲A3とで異ならせた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、雄軸21の斜視図を表す図5に示すように、雄軸21に形成されたスプライン軸部21bを通常使用範囲A2で幅広のスプライン軸部21gとし、組付時使用範囲A3で、幅狭のスプライン軸部21hとし、これに応じて図示しないが雌軸22の通常使用範囲A2にスプライン穴部22aを形成し、組付時使用範囲A3では、スプライン穴部22aの谷径より大きい内径を有する円筒面を形成し、通常使用範囲A2ではスプライン穴部22aにスプライン軸部21fがスプライン結合して回転方向に遊びの無い状態となり、組付時使用範囲A3ではスプライン穴部22aにスプライン軸部21gがスプライン結合するようにしてもよい。
なおさらに、上記実施形態においては、本発明の伸縮軸を中間シャフト8に適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、雄軸5aと雌軸5bとを有するステアリングシャフト5に本発明を適用することができる。
また、上記実施形態においては、本発明の伸縮軸をマニュアル式のステアリング機構に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図6に示すように、ステアリングシャフト5の出力側に減速機16を介して電動モータ17を接続した電動パワーステアリング装置の中間シャフト8及びステアリングシャフト5の少なくとも一方にも本発明を適用することができる。
本発明に係る伸縮軸を適用した自動車のステアリング装置の概略的側面図である。 本発明の第1実施の形態に係るカルダン軸継手付き中間シャフトの縦断面図である。 図2の断面図であって、(a)は図2のA−A線断面図、(b)は図2のB−B線断面図である。 本発明の他の実施形態を示す図2のスプライン結合部の拡大断面図である。 本発明の更に他の実施形態を示す中間シャフトの雄軸の斜視図である。 本発明に係る伸縮軸を適用した電動パワーステアリング装置の概略的側面図である。
符号の説明
1…メンバ、2…アッパブラケット、3…ロアブラケット、4…ステアリングコラム、5…ステアリングシャフト、5a…雄軸、5b…雌軸、6…ステアリングホイール、7,9…カルダン軸継手、8…中間シャフト、10…ピニオンシャフト、11…ステアリングラック軸、12…フレーム、13…弾性体、14…ステアリングラック支持部、21…雄軸、21a…連結部、21b…スプライン軸部、21d,21e…左右側壁、21f,21g…スプライン軸部、22…雌軸、22a…スプライン穴部、22b,22c…左右側壁、22f,22g…円筒部、30…低摩擦抵抗被膜

Claims (6)

  1. スプライン結合部で摺動自在に連結された雄軸と雌軸とで構成された伸縮軸であって、
    前記雄軸の各スプライン歯の回転方向における一対の側壁と当該一対の側壁に対向する前記雌軸のスプライン穴部における一対の側壁との間の合計間隙が、軸方向の一部で異なる間隙に設定されていることを特徴とする伸縮軸。
  2. 収縮時における前記雄軸の各スプライン歯の回転方向における一対の側壁と当該一対の側壁に対向する前記雌軸のスプライン穴部における一対の側壁との間の合計間隙が他部に比較して広く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の伸縮軸。
  3. 車両のステアリング機構を構成するステアリングシャフト及びステアリングギヤ間に中間シャフトとして組込まれ、スプライン嵌合部で摺動自在に連結された雄軸と雌軸とで構成された伸縮軸であって、
    前記雄軸の各スプライン歯の回転方向における一対の側壁と当該一対の側壁に対向する前記雌軸のスプライン穴部における一対の側壁との間の合計間隙が、通常使用範囲を外れて収縮したときに当該通常使用範囲の間隙に比較して広く設定されていることを特徴とする伸縮軸。
  4. 前記スプライン穴部は、スプライン軸部に回転方向の遊びが無い状態でスプライン結合する通常使用範囲と、該通常使用範囲より収縮させたときに前記スプライン軸部に所定の遊びを持ってスプライン結合する組付時使用範囲とを備えていることを特徴とする請求項1又は3に記載の伸縮軸。
  5. 前記通常使用範囲のスプライン穴部及びスプライン軸部の少なくとも一方に四フッ化エチレン樹脂を含有した無電解メッキ層が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の伸縮軸。
  6. 前記通常使用範囲のスプライン穴部及びスプライン軸部の少なくとも一方にポリエーテルエーテルケトン樹脂のコーティング層が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の伸縮軸。
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