JP2008000301A - 細胞移植用器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】側面部に少なくと1つの貫通穴が形成された板状の担体3と、前記貫通穴に挿通される線状部材7と、前記貫通穴の各出口から出る前記線状部材7と係合する押込み部材9とを備えている細胞移植用器具1である。担体3は、生体分解材料又は生体吸収材料で形成され、移植用細胞を担持する。また、線状部材7は、担体3を支持するものであり、押込み部材9は、担体3並びに押込み部材9とと協働して移植用細胞を移植部に挿入するためのものである。
【選択図】図3
Description
しかしながら、細胞プラグ自体は細胞の集まりであるため大変柔らかいが、軟骨に形成した穴に挿入する際には鑷子などを用いて術者の手で行うため、細胞プラグを摘む際の力加減の調整などが非常に難しい。また、このことに起因して、軟骨の穴に対して最適な深さ位置に固定できない場合や、鑷子を引き抜かなければならないため健常細胞との間に隙間が残存することもあった。加えて、細胞プラグに対して直接的に力を加えて細胞欠損部に押し込む場合には、細胞プラグ自体が損傷してしまう場合もある。
また、前記押込み部材は、前記線状部材と直接係合するアーム部と、このアーム部を支持する押込み部材本体とを備え、前記アーム部は前記線状部材と係合した状態で前記担体と押込み部材本体との間に所定の間隔を形成するための長さを有している、という手段を採っている。
また、前記所定の間隔は前記担体上に載置される移植用細胞の高さより大きい、という手段を採っている。
また、前記アーム部の先端は例えばV字型を採ることができ、あるいは、先端に前記線状部材を通すことができる孔が形成されていてもよい。
また、前記担体の貫通穴は、例えば2つ形成されているが、穴の数に限定はない。また、前記各貫通穴は相互に交わらないように前記担体の厚さ方向の位置が異なっていてもよい。
また、前記担体は円板状に形成され、前記貫通穴は前記担体の中心を通る、という手段を採ることもできる。
また、前記各貫通穴の各出口穴は前記担体の円周方向に90°間隔で分布させることができる。
更に、前記担体は生体分解性材料又は生体吸収性材料(例えばトリリン酸カルシウム)から形成されていることが好ましい。
[全体概要]
図3に示すように、本実施形態に係る細胞移植用器具1は、移植用の細胞C(例えば、細胞プラグ)を担持する板状の担体3と、この担体3の側面部に形成された貫通穴5に挿通される線状部材7と、貫通穴5の出口近傍で線状部材と係合する押込み部材9とから構成されている。
先ず、担体3について説明する。図1に示すように、本実施形態の担体3は円板状の形態をしており、材質は生体分解性材料又は生体吸収性材料である。この担体3は移植用の細胞Cを担持するためのものであり、表面が平坦になっている。また、担体3の側面部には2つの貫通穴5が形成されており、結果として側面部に4つの出口穴が形成されている。この貫通穴5は後述する線状部材7を挿通させるためのものである。
次に、線状部材7について説明する。図2に示すように、線状部材7は担体3の貫通穴5に挿通されて、担体3を支持するためのものである。線状部材7に使用される材料は様々なものが考えられるが、本実施形態ではナイロン糸が用いられている。ナイロン糸の他には、金属ワイヤや天然繊維からなる糸などを用いてもよい。また、線状部材7の太さは最大でも担体3の貫通穴5を通る太さであればよく、それより細いものであってもよい。尚、図2では線状部材は一部しか図示していないが、実際には上方に向かって長く続いている。
次に、押込み部材9について説明する。押込み部材9は、担体3並びに線状部材7と協働して、担体3上に載置される細胞Cを細胞欠損部(移植部)に挿入するためのものである。図3に示すように、押込み部材9は、線状部材7と係合するアーム部9aと、このアーム部9aを支持する押込み部材本体9bと、押込み部材本体9bに連結される棒状部材9cを備えている。アーム部9aの先端(図では下端)はV字型に分岐しており、このV字型で線状部材7を挟み込めるようになっている。
本発明において使用される対象となる細胞は、幹細胞(ES細胞、臍帯血由来細胞、未分化間葉系幹細胞等)などの未分化細胞又はその分化型細胞である。骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞は未分化間葉系幹細胞から容易に分化誘導が可能なため、これらの分化誘導した細胞(関節軟骨細胞、骨細胞等)も使用することができる。また、成体間葉系幹細胞を使用することもできる。
担体3上に載置される細胞Cは立体的であることが好ましい。細胞Cを立体的に構築するには、公知の手法を採用することができる(例えば特開2004-357694号公報参照)。細胞を入れる培養用チャンバーを任意の形状とし、そのチャンバー内で細胞同士の凝集塊(スフェロイド)を培養することにより、その形状に対応する任意の形状に立体的に構築された細胞、すなわち細胞が多数集まって構成される細胞構造体を得ることができる。
次に、本実施形態に係る細胞移植用器具の作用について説明する。先ず、図2(A)に示すように、担体3の表面へ所望の移植用細胞Cを載置する。次に、図2(B)に示すように、担体3の側面部に形成された2つの貫通穴5に2本の線状部材7を挿通する。そして、各線状部材7の4つの端部を均等に摘み上げる。これにより、担体3は略水平を維持したまま持ち上げられる。この状態で、図3に示すように、押込み部材9を貫通穴5の4つの各出口穴から出ている線状部材7に近接させ、アーム部9aのV字型の先端部で各線状部材7を挟むように位置決めする。続いて、押込み部材9を更に下方へ僅かに押し下げてアーム部9aを線状部材7に係合させると、図4に示すように、線状部材7に所定の張力が発生し、押込み部材9と線状部材7との協働により、担体3を介して細胞Cを確実に保持することができるようになる。このとき、アーム部9aの長さは、押込み部材本体9bが細胞Cの上面に接触しないように、あるいは接触しても細胞Cの形態が変形しない程度に十分な長さが確保されている。このため、細胞Cには不要な外力が一切加わらず、細胞Cを損傷させることがない。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図9に示すように、当該実施形態は、押込み部材の構造が第1の実施形態と異なっており、その他の部分は第1の実施形態と同様である。この実施形態の押込み部材9は、細胞欠損部の周囲の表面に接触するストッパ部材9eを備えている点が特徴である。このストッパ部材9eは、アーム部9aの上端部を覆うように固定された管状の部材である。そして、ストッパ部材9eの位置は、ストッパ部材9eの下端が細胞欠損部の周りの表面に接触した時に、細胞Cが正しく位置決めされるように設定されている。
次に、第3の実施形態について説明する。当該実施形態も押込み部材の構造に特徴を有しており、その他の部分は第1の実施形態と同様である。本実施形態の押込み部材39は、アーム部39aの先端がV字型ではなく円形で、その中心領域に孔39fが形成されている。このようにアーム部39aの先端に孔39fを形成し、この孔39fに線状部材を通すことにより、線状部材の張力が緩んだ場合でも線状部材がアーム部39aから外れてしまうことがない。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。当該実施形態は担体の構造が第1の実施形態と異なっており、その他の部分については第1の実施形態と同様である。この実施形態の担体33は、2つの貫通穴35の位置関係に特徴を有する。具体的には、図11に示すように、各貫通穴35が担体33の厚さ方向に相互にずれて形成されている。これは、各貫通穴35が担体33の中心部で直接交わらないようにするためである。このようにするのは、相互に直交する貫通穴35に線状部材を挿通する場合に、一方の線状部材が他方の線状部材の挿通の障害にならないようにするためである。すなわち、各貫通穴35が相互に独立していれば、2本の線状部材はお互いに出会うことが無く、容易に貫通穴35に挿通することができる。
次に、第5の実施形態について説明する。当該実施形態も担体の構造が第1の実施形態と異なっており、その他の部分については第1の実施形態と同様である。この実施形態の担体43も、2つの貫通穴45の位置関係に特徴を有する。具体的には、図12に示すように、各貫通穴45が担体43の中心を通らず、担体43の外周に対して弦を形成するような位置に形成されている。特に、本実施形態では2つの貫通穴45は相互に平行に形成されている。このような構成にすることにより、第4の実施形態で説明したのと同様に、2本の線状部材はお互いに出会うことが無く、容易に貫通穴45に挿通することができる。
次に、第6の実施形態について説明する。当該実施形態も担体の構造が第1の実施形態と異なっており、その他の部分については第1の実施形態と同様である。この実施形態の担体53は、貫通穴55の数が1つである点に特徴を有している。具体的には、図13に示すように、貫通穴55が担体53の中心を通るように形成され、この貫通穴55に1本の線状部材が挿通されるようになっている。このように貫通穴55を1つに減らすことで、担体53の製造コストを低減することが可能である。ただし、貫通穴55を1つしか形成しない場合、何ら工夫をしなければ細胞が担体53と共に倒れてしまう。これを防ぐために、押込み部材のアーム部を貫通穴からずれた位置にも設ける必要がある。
3 担体
5 貫通穴
7 線状部材
9 押込み部材
9a アーム部
9b 押込み部材本体
13 細胞欠損部
Claims (11)
- 側面部に少なくとも1つの貫通穴が形成された板状の担体と、前記貫通穴に挿通される線状部材と、前記貫通穴の各出口から出る前記線状部材と係合する押込み部材とを備えていることを特徴とする細胞移植用器具。
- 前記押込み部材は、前記線状部材と直接係合するアーム部と、このアーム部を支持する押込み部材本体とを備え、前記アーム部は前記線状部材と係合した状態で前記担体と押込み部材本体との間に所定の間隔を形成するための長さを有していることを特徴とする請求項1に記載の細胞移植用器具。
- 前記所定の間隔は前記担体上に載置される移植用細胞の高さより大きいことを特徴とする請求項2に記載の細胞移植用器具。
- 前記アーム部の先端はV字型であることを特徴とする請求項2又は3に記載の細胞移植用器具。
- 前記アーム部の先端には前記線状部材を通すことができる孔が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の細胞移植用器具。
- 前記押込み部材には、移植する細胞を細胞欠損部の最適な位置に挿入した場合に前記細胞欠損部の周囲の表面と接触するストッパ部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の細胞移植用器具。
- 前記担体の貫通穴は2つ形成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の細胞移植用器具。
- 前記各貫通穴は相互に交わらないように前記担体の厚さ方向の位置が異なっていることを特徴とする請求項7に記載の細胞移植用器具。
- 前記担体は円板状に形成され、前記貫通穴は前記担体の中心を通ることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の細胞移植用器具。
- 前記各貫通穴の各出口穴は前記担体の円周方向に90°間隔で分布していることを特徴とする請求項7〜9の何れか一項に記載の細胞移植用器具。
- 前記担体は生体分解性材料又は生体吸収性材料から形成されていることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の細胞移植用器具。
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WO2005004755A1 (en) * | 2002-06-13 | 2005-01-20 | Kensey Nash Corporation | Devices for treating defects in the tissue of a living being |
WO2005051242A1 (en) * | 2003-10-28 | 2005-06-09 | Xiros Plc | Repair of damaged tissue on a bone site |
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2006
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