JP2007537450A - バイオバーコードに基づく標的検体の検出 - Google Patents

バイオバーコードに基づく標的検体の検出 Download PDF

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Abstract

本発明は、試料中の1つまたは複数の標的検体、例えば生体分子の存否を検出するためのスクリーニング方法、組成物およびキットに関する。特に、本発明は、溶液中の多数のタンパク質構造体または他の標的検体を検出するための生化学バーコードとしてレポータオリゴヌクレオチドを利用する方法に関する。

Description

本発明は、1つまたは複数の標的検体、例えばタンパク質、核酸、または試料中の他の化合物の存否を検出するためのスクリーニング方法に関する。詳細には、本発明は、溶液中の1つまたは複数の検体を検出するための生化学バーコードとしてレポータヌクレオチドを利用する方法に関する。
相互参照
本出願は、ともにその全体を本願明細書に援用する、2004年6月25日に出願された米国特許出願第10/877,750号、および2004年6月25日に出願された国際出願PCT/US04/020493の一部継続である。本出願は、2004年5月12日に出願された仮出願第60/570,723号、2004年7月1日に出願された第60/585,294号、および2005年1月19日に出願された代理人整理番号第05−192号の利益を主張する。本出願は、また、2003年9月25日に出願された仮出願第60/506,708号、2003年6月27日に出願された第60/482,979号、2003年8月21日に出願された第60/496,893号、2003年10月28日に出願された第60/515,243号、および2003年12月18日に出願された第60/530,797号の利益を主張するものであり、2002年3月27日に出願された米国特許出願第10/108,211号の一部継続である。米国特許出願第10/108,211号は、その全体を本願明細書に援用する2000年3月28日に出願された米国仮出願第60/192,699号、および2001年11月13日に出願された第60/350,560号の利益を主張するものであり、2001年3月28日に出願された米国特許出願番号第09/820,279号の一部継続である。本出願に報告されている研究は、一部にNSF、ARO、AFOSR、DARPAおよびNIHの助成金を受けている。本明細書における研究は、また、一部に国立衛生研究所奨学金1DP1−0D000285−01、空軍科学技術事務所助成金F496−20−01−1−0401およびエジソン助成金6144601−05−0001の支援を受けた。よって、米国政府は、本出願に記載されている発明に対して一定の権利を有する。
検体の検出は、分子生物研究用途および医療用途の双方に重要である。現在では、蛍光、質量分析、ゲル電気泳動、レーザ走査および電気化学に基づく診断方法が、様々なタンパク質構造を識別するのに利用可能である1−4。血球の遺伝タンパク質変異体を識別し、疾病を診断し、組織に分子プローブを局在化させ、かつ分子を精製し、または分離ステップを行うのに、抗体に基づく反応が広く用いられている。医療診断用途(例:マラリアおよびHIV)では、酵素結合免疫吸着検定、ウェスタンブロッティングおよび間接的蛍光抗体試験の如き抗体試験は、単一の標的タンパク質構造を識別するのに極めて有用である6、7。多数の抗体の存在に対する高速同時試料スクリーニングは、研究および臨床の双方の用途において有益である。しかし、上記の関連プロトコルを用いた検定条件下でいくつかのタンパク質構造を同時に検出することは困難で、高価で、かつ時間がかかる。
ポリメラーゼ鎖反応(PCR)、および他の形態の標的増幅により、研究、法医学および臨床の用途に向けた対象DNA標的を検出、定量するための有力なツールの開発における急速な進歩が可能になった26−32。タンパク質に対する同等の標的増幅方法の開発により、医療診断、およびプロテオミクスの開発分野を著しく向上させることが可能になった33−36。タンパク質標的を化学的に複製することはまだ不可能であるが、後にPCRで増幅することが可能なオリゴヌクレオチドマーカで当該標的を標識し、次いでDNA検出を用いて、対象の標的を識別することが可能である37−45。しばしば免疫PC
Rと称するこの手法は、様々な異なる形式のDNA標識でタンパク質を検出することを可能にする(図5)。今日まで、すべての免疫PCR手法は、最初に標的検体を表面に固定し、続いてDNA標識とともに抗体を使用して検出を行うことを含む異種検定を含む(例:米国特許第5,635,602号および5,665,539号)。DNA標識は、通常、(共有結合相互作用またはストレパビジン−ビオチン結合を介して)抗体に強く結合する。これらの手法は、タンパク質検出における特筆すべき進歩ではあるが、いくつかの欠点がある。すなわち、1)DNA識別配列の検出抗体に対する割合が小さいため感度が制限される、2)標的捕獲手順の不均一な性質により標的結合速度が遅く、検定時間が長くなるとともに、検定感度が低下する(図5のステップ3)、3)抗体とDNAマーカを化学的に結合させるのに必要な結合化学現象が複雑である(図5のステップ4)、4)PCR増幅ステップが必要である45。したがって、多重化に適合し、実施が容易な、試料中の標的検体を検出するための高感度かつ迅速な方法が必要である。
DNA検出方法については、放射性標識、分子蛍光体、化学発光スキーム、電気化学標識、および最近ではナノ構造に基づく標識61−70を用いて多くの検定が開発されてきた。いくつかのナノ構造に基づく方法は、感度の点でPCRに近づいているが、これまでいずれも、PCRが提供する1〜10コピーの感度レベルを達成していない。PCRに伴う複雑さ、費用、および多大な時間および労力の側面を伴わずにPCRと同様のシグナル増幅を可能にする手法は、当該PCRに基づく方法に比べて大きな利点をもたらすことになる。
発明の開示
本発明は、1つの溶液中の多数の検体を検出するための生化学バーコードとしてオリゴヌクレオチドを利用する方法、プローブ、組成物およびキットに関する。その手法は、ナノ粒子によって直接または間接的に機能化された特異的結合対の認識要素、および金ナノ粒子凝集をもたらすハイブリダイゼーション事象が金ナノ粒子の物理特性(例:光学的、電気的、機械的特性)を変化させうるというこれまでの知見を利用している8−12。一般的な考え方は、特異的結合対の各認識要素を、個別かつ調節可能なハイブリダイゼーションおよび溶融特性ならびにナノ粒子に関する物理的性質を有する異なるオリゴヌクレオチド配列に対応づけることができるということである。個別的なハイブリダイゼーションおよび溶融特性を用いて、ナノ粒子に伴う物理的性質に変化を生じさせ、またはハイブリダイゼーション/脱ハイブリダイゼーションまたは溶融/アニーリング事象を通じてオリゴヌクレオチド配列を検出することにより、多検体検定における一連の検体をデコードすることが可能である。
本発明は、それぞれが試料中の特異的結合相補体との特異的結合相互作用のための少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存在を検出するための方法であって、
a)特定の標的検体の少なくとも第1の結合部位に結合する特定の標的検体の少なくとも1つの特異的結合相補体が結合した少なくとも1種類の捕獲基体を提供するステップと、
b)(i)特定の標的検体に対する少なくとも1つの特異的結合相補体と、(ii)場合によってはレポータ標識で標識される複数のDNAバーコードとが結合した微粒子を含む、少なくとも1種類の微粒子検出プローブを提供するステップであって、微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体は、標的検体の少なくとも第2の結合部位に結合するステップと、
c)標的検体を捕獲基体上に固定するように、捕獲基体に結合した特異的結合相補体に対する特定の標的検体の結合を可能にするのに有効な条件下で、標的検体を含有すると思われる試料に捕獲基体を接触させるステップと、
d)標的検体と、検体に対する微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体との結
合を可能にし、捕獲基体上の標的検体の存在下で複合体を形成するのに有効な条件下で、少なくとも1種類の微粒子検出プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
e)場合によって、捕獲基体を分離し、洗浄して、未結合の微粒子検出プローブを除去するステップと、
f)試料中の特定の標的検体の存在を示すDNAバーコードの存在を検出するステップと、を含む方法を提供する。
加えて、本発明は、それぞれが試料中の特異的結合相補体との特異的結合相互作用のための少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存在を検出するための方法であって、
a)特定の標的検体の少なくとも第1の結合部位に結合する特定の標的検体の少なくとも1つの特異的結合相補体が結合した少なくとも1種類の捕獲基体を提供するステップと、
b)(i)特定の標的検体に対する少なくとも1つの特異的結合相補体と、(ii)蛍光標識した複数のDNAバーコードとが結合した微粒子を含む、少なくとも1種類の微粒子検出プローブを提供するステップであって、微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体は、標的検体の少なくとも第2の結合部位に結合するステップと、
c)標的検体を捕獲基体上に固定するように、捕獲基体に結合した特異的結合相補体に対する特定の標的検体の結合を可能にするのに有効な条件下で、標的検体を含有すると思われる試料に捕獲基体を接触させるステップと、
d)標的検体と、検体に対する微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体との結合を可能にし、捕獲基体上の標的検体の存在下で複合体を形成するのに有効な条件下で、少なくとも1種類の微粒子検出プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
e)場合によって、捕獲基体を分離し、洗浄して、未結合の微粒子検出プローブを除去するステップと、
f)試料中の特定の標的検体の存在を示すDNAバーコードからの蛍光シグナルの存在を検出するステップと、を含む方法を提供する。
本発明は、また、それぞれが試料中の特異的結合相補体との特異的結合相互作用のための少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存在を検出するための方法であって、
a)特定の標的検体の少なくとも第1の結合部位に結合する特定の標的検体の少なくとも1つの特異的結合相補体が結合した少なくとも1種類の捕獲基体を提供するステップと、
b)(i)特定の標的検体に対する少なくとも1つの特異的結合相補体と、(ii)蛍光標識した複数のDNAバーコードとが結合した微粒子を含む、少なくとも1種類の微粒子検出プローブを提供するステップであって、微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体は、標的検体の少なくとも第2の結合部位に結合するステップと、
c)標的検体を捕獲基体上に固定するように、捕獲基体に結合した特異的結合相補体に対する特定の標的検体の結合を可能にするのに有効な条件下で、標的検体を含有すると思われる試料に捕獲基体を接触させるステップと、
d)標的検体と、検体に対する微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体との結合を可能にし、捕獲基体上の標的検体の存在下で複合体を形成するのに有効な条件下で、少なくとも1種類の微粒子検出プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
e)場合によって、捕獲基体を分離し、洗浄して、未結合の微粒子検出プローブを除去するステップと、
f)分離、洗浄された捕獲基体に、DNAバーコードを剥離させるのに有効な条件を施
すステップと、
g)試料中の特定の標的検体の存在を示すDNAバーコードの蛍光シグナルの存在を検出するステップと、を含む方法を提供する。
本発明は、また、それぞれが試料中の特異的結合相補体との特異的結合相互作用のための少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存在を検出するための方法であって、
a)特定の標的検体の少なくとも第1の結合部位に結合する特定の標的検体の少なくとも1つの特異的結合相補体が結合した少なくとも1種類の捕獲基体を提供するステップと、
b)(i)特定の標的検体に対する少なくとも1つの特異的結合相補体と、(ii)レポータ標識を含む複数のDNAバーコードとが結合した微粒子を含む少なくとも1種類の微粒子検出プローブを提供するステップであって、微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体は、標的検体の少なくとも第2の結合部位に結合するステップと、
c)標的検体を捕獲基体上に固定するように、捕獲基体に結合した特異的結合相補体に対する特定の標的検体の結合を可能にするのに有効な条件下で、標的検体を含有すると思われる試料に捕獲基体を接触させるステップと、
d)標的検体と、検体に対する微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体との結合を可能にし、捕獲基体上の標的検体の存在下で複合体を形成するのに有効な条件下で、少なくとも1種類の微粒子検出プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
e)場合によって、捕獲基体を分離し、洗浄して、未結合の微粒子検出プローブを除去するステップと、
f)分離、洗浄された捕獲基体に、DNAバーコードを剥離させるのに有効な条件を施すステップと、
g)試料中の特定の標的検体の存在を示すDNAバーコードのレポータ標識の存在を検出するステップと、を含む方法を提供する。
本発明は、また、それぞれが試料中の特異的結合相補体との特異的結合相互作用のための少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存在を検出するための方法であって、
a)特定の標的検体の少なくとも第1の結合部位に結合する特定の標的検体の少なくとも1つの特異的結合相補体が結合した少なくとも1種類の捕獲基体を提供するステップと、
b)(i)特定の標的検体に対する少なくとも1つの特異的結合相補体と、(ii)場合によってはレポータ標識で標識された複数のDNAバーコードが結合された微粒子またはナノ粒子と、を備えた少なくとも1種類の粒子検出プローブを提供するステップであって、粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体は、標的検体の少なくとも第2の結合部位に結合するステップと、
c)標的検体を捕獲基体上に固定するように、捕獲基体に結合した特異的結合相補体に対する特定の標的検体の結合を可能にするのに有効な条件下で、標的検体を含有すると思われる試料に捕獲基体を接触させるステップと、
d)標的検体と、検体に対する粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体との結合を可能にし、捕獲基体上の標的検体の存在下で複合体を形成するのに有効な条件下で、少なくとも1種類の粒子検出プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
e)場合によって、捕獲基体を分離し、洗浄して、未結合の粒子検出プローブを除去するステップと、
f)化学剥離剤によって粒子検出プローブからDNAバーコードを剥離させるステップと、
g)試料中の特定の標的検体の存在を示すDNAバーコードの存在を検出するステップ
と、を含む方法を提供する。
本発明は、また、それぞれが試料中の特異的結合相補体との特異的結合相互作用のための少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存在を検出するための方法であって、
a)特定の標的検体の少なくとも第1の結合部位に結合する特定の標的検体の少なくとも1つの特異的結合相補体が結合した、試料から分離可能な少なくとも1種類捕獲基体を提供するステップと、
b)標的検体を捕獲基体上に固定するように、捕獲基体に結合した特異的結合相補体に対する特定の標的検体の結合を可能にするのに有効な条件下で、標的検体を含有すると思われる試料に捕獲基体を接触させるステップと、
c)場合によっては捕獲基体、およびそれに結合した任意の標的検体を試料から分離するステップと、
d)(i)特定の標的検体に対する少なくとも1つの特異的結合相補体と、(ii)場合によってはレポータ標識で標識される複数のオリゴヌクレオチドとが結合した粒子を含む、少なくとも1種類の粒子検出プローブを提供するステップであって、粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体は、標的検体の少なくとも第2の結合部位に結合するステップと、
e)標的検体と、検体に対する粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体との結合を可能にし、捕獲基体上の標的検体の存在下で、標的検体、捕獲基体および粒子検出プローブを備えた複合体を形成するのに有効な条件下で、少なくとも1種類の粒子検出プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
f)場合によっては未結合の粒子検出プローブから複合体を分離するステップと、
g)試料中の特定の標的検体の存在を示す複合体の存在を検出するステップと、を含む方法を提供する。
本明細書に記載されるように、本発明の検定方法は、感度が極めて高く、酵素増幅または走査検出スキームを必要とせずに、60分間未満で実施されうる。本発明の方法は、感度を損なわずにPCRおよび走査方法の両方を除くことによって、長い検定時間および検定の複雑さの如き従来の方法の両方の欠点のいくつかを克服する。また、簡潔であるため、看護士、医師および兵士等の非科学者でも簡単なトレーニングの後に本発明の方法の利用法を習得できるはずである。異なる標的タンパク質に対して異なる蛍光体を使用することによって本発明の方法を容易に多重化することが可能であり、プローブ濃度および反応条件を最適化することによって全検定時間をさらに短くすることが可能である。加えて、本発明の方法を用いて、タンパク質、DNA、RNA、小分子および金属イオンを含む、サンドイッチ検定で検出できる任意の標的を検出することが可能である。また、他の種類のレポータ基をバーコードに貼付して、蛍光検出以外の方法でバーコードおよび増幅検出シグナルを識別することが可能である。これらの基としては、酸化還元基、電気特性を有する基、放射性基、触媒基、特徴的な吸収特性を有する基、およびラマン特性を有する基が挙げられるが、それらに限定されない。レポータ基は、特徴的かつ測定可能な化学または物理特性を有するものであれば、いかなるものであってもよい。
本発明の1実施形態において、試料中の少なくとも2つの結合部位を有する1つまたは複数の標的検体の存否を検出するための方法であって、
基体を提供するステップと、
特定の標的検体に対する1つまたは複数の特異的結合相補体と、1つまたは複数のDNAバーコードとが結合した粒子をそれぞれ備えた1つまたは複数の種類の粒子プローブを提供するステップであって、それぞれの種類の粒子プローブの特異的結合相補体は、特定の標的検体に特異的であり、それぞれの種類の粒子プローブに対するDNAバーコードは、特定の標的検体に対するマーカとして機能するステップと、
標的検体を基体上に固定するステップと、
標的検体と検体に対する特異的結合相補体との結合を可能にし、標的検体の存在下で複合体を形成するのに有効な条件下で、1つまたは複数の種類の粒子プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
基体を洗浄して、未結合の粒子プローブを除去するステップと、
場合によってはDNAバーコードを増幅させるステップと、
DNAの存否を検出し、マーカの存否は、試料中の特定の標的検体の存否を示すステップと、を含む方法が提供される。
本発明の本実施形態の1態様において、標的検体は、タンパク質またはハプテンであり、その特異的結合相補体は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体を含む抗体である。
本発明の別の態様において、DNAバーコードは、PCRによって増幅される。
本発明の別の態様において、粒子は、少なくとも2つのDNAバーコードで標識される。
本発明の別の態様において、基体は、標的検体に対する1つまたは複数の種類の捕獲プローブと整列される。
本発明の別の実施形態において、それぞれ少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存否を検出するための方法であって、
特定の標的検体の第1の結合部位に対する特異的結合相補部分をそれぞれ備えた、基体に結合した1つまたは複数の種類の捕獲プローブを提供するステップと、
オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子、特定の標的検体の第2の結合部位に対する1つまたは複数の結合相補体、および特定の標的検体に対するマーカとして機能する1つまたは複数のDNAバーコードをそれぞれ備えた1つまたは複数の種類の検出プローブを提供し、DNAバーコードの配列の少なくとも一部は、ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくともいくつかに対してハイブリダイズされるステップと、
標的検体とプローブとの特異的結合作用を可能にし、標的検体の存在下で凝集複合体を形成するのに有効な条件下で、試料と、捕獲プローブと、検出プローブとを接触させるステップと、
基体を洗浄して、未結合検出プローブを除去するステップと、
基体上の任意の凝集複合体におけるDNAバーコードの存否を検出し、DNAバーコードの存否の検出は、試料中の標的検体の存否を示すステップと、を含む方法が提供される。
本発明の本実施形態の1態様において、検出プローブは、(i)特定の標的検体の第2の結合部位に対する1つまたは複数の特異的結合相補体と、(ii)ナノ粒子に結合する少なくとも1種類のオリゴヌクレオチド、および少なくとも1種類のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に相補的な所定の配列を有するDNAバーコードとを備え、それぞれの種類の検出プローブに結合したDNAバーコードは、特定の標的検体に対するマーカとして機能する。
本実施形態の別の態様において、前記検出ステップの前に、該方法は、
凝集複合体に、凝集複合体を脱ハイブリダイズし、DNAバーコードを剥離させるのに有効な条件を施すステップと、
前記検出の前にDNAバーコードを増幅するステップと、をさらに含む。
本実施形態の別の態様において、PCRによってDNAバーコードを増幅する。
本実施形態の別の態様において、捕獲プローブは、磁性微粒子の如き磁性基体に結合す
る。
本実施形態の別の態様において、標的検体は、少なくとも2つの部分の配列を有する標的核酸であり、検出プローブは、オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子を備え、オリゴヌクレオチドの少なくとも一部は、DNAバーコードに相補的な配列を有し、検出プローブの特異的結合相補体は、標的核酸の第1の部分に相補的な配列を有する第1の標的認識オリゴヌクレオチドを備え、捕獲プローブの特異的結合相補体は、標的核酸の少なくとも第2の部分に相補的な配列を有する第2の標的認識オリゴヌクレオチドを備える。
本実施形態の別の態様において、標的検体は、少なくとも2つの部分の配列を有する標的核酸であり、検出プローブは、オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子を備え、DNAバーコードは、検出プローブに結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に相補的な配列を有し、特異的結合相補体は、少なくとも第1および第2の部分の配列を有する標的認識オリゴヌクレオチドを備え、第1の部分は、標的核酸の第1の部分に相補的であり、第2の部分は、ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に相補的であり、基体の特異的結合相補体は、標的核酸の第2の部分に相補的である少なくとも一部を有する標的認識オリゴヌクレオチドを備える。
本実施形態の別の態様において、検出プローブは、デンドリマーを備える。
本発明のさらに別の実施形態において、それぞれ少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存否を検出するための方法であって、
(i)磁性微粒子、および(ii)特定の標的検体の第1の結合部位に結合する、磁性微粒子に結合された第1の特異的結合対の第1の構成要素、をそれぞれ備えた1つまたは複数の種類の捕獲プローブを提供するステップと、
(i)ナノ粒子、(ii)標的検体の第2の結合部位に結合する、ナノ粒子に結合された第2の特異的結合対の第1の構成要素、(iii)ナノ粒子に結合された少なくとも1種類のオリゴヌクレオチド、および(iv)それぞれ特定の種類のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に相補的であり、特定の標的検体に対するマーカとして機能する所定の配列を有する少なくとも1種類のDNAバーコード、を備えた、それぞれの標的検体に対する1つまたは複数の種類の検出プローブを提供するステップと、
標的検体とプローブの特異的結合相互作用を可能にし、標的検体の存在下で磁性微粒子に結合した凝集複合体を形成するのに有効な条件下で、捕獲プローブおよび検出プローブに試料を接触させるステップと、
未結合の検出プローブを磁性微粒子から洗浄するステップと、
複合体中のDNAバーコードの存否を検出し、DNAバーコードの検出は、標的検体の存在を示すステップと、を含む方法が提供される。
本実施形態の1態様において、該方法は、前記検出ステップの前に、
磁界を印加することによって凝集複合体を分離するステップと、
DNAバーコードを脱ハイブリダイズし、凝集複合体から剥離させるのに有効な条件を凝集複合体に施すステップと、
剥離されたDNAバーコードを分離するステップと、をさらに含む。
本実施形態の別の態様において、該方法は、剥離されたDNAバーコードを増幅させるステップをさらに含む。
本実施形態の別の態様において、該方法は、
DNAバーコードの配列の少なくとも一部に相補的である配列を有するオリゴヌクレオチドが結合した基体を提供するステップと、
オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子を提供し、ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部が、DNAバーコードの少なくとも一部に相補的である配列を有す
るステップと、
少なくとも相補的オリゴヌクレオチドが、基体に結合したDNAバーコードの第1の部分と、およびオリゴヌクレオチドのいくつかが、ナノ粒子に結合したDNAバーコードの第2の部分とのハイブリダイゼーションを可能にするのに有効な条件下で、DNAバーコードと、基体に結合したオリゴヌクレオチドと、ナノ粒子とを接触させるステップと、をさらに含む。
本実施形態の別の態様において、検出の前に、PCRによってDNAバーコードを増幅する。
本実施形態の別の態様において、該方法は、凝集複合体を分析する前に、凝集複合体を分離するステップをさらに含む。
本実施形態の別の態様において、凝集複合体に磁界を印加することによって凝集複合体を分離する。
本実施形態の別の態様において、ナノ粒子は、金ナノ粒子または半導体ナノ粒子の如き金属ナノ粒子である。
本実施形態の別の態様において、特異的結合対は、抗体および抗原、受容体およびリガンド、酵素および基体、薬物および標的分子、アプタマーおよびアプタマー標的、少なくとも部分的に相補的なオリゴヌクレオチドの2つの鎖である。
本実施形態の別の態様において、DNAバーコードをビオチニル化、放射性標識または蛍光標識することができる。
本発明の他の実施態様において、試料中の1つまたは複数の標的検体の存否を検出するための方法であって、
結合したオリゴヌクレオチド、特定の標的検体の1つまたは複数の特異的結合相補体、および特定の標的検体に対するマーカとして機能する1つまたは複数のDNAバーコードをそれぞれ備えた少なくとも1つまたは複数の種類の粒子複合体プローブを提供し、DNAバーコードの配列の少なくとも一部は、ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくともいくつかに対してハイブリダイズされるステップと、
標的検体と粒子複合体プローブとの特異的結合相互作用を可能にし、標的検体の存在下で凝集複合体を形成するのに有効な条件下で、試料を粒子複合体プローブに接触させるステップと、
凝集複合体形成が生じたかどうかを確認するステップと、を含む方法が提供される。
本発明の別の実施形態は、少なくとも2つの結合部位をそれぞれ有する1つまたは複数の標的検体の存否を検出するための方法を提供する。該方法は、使用されるそれぞれの標的検体に対して、少なくとも1種類の捕獲プローブと、少なくとも1種類の検出プローブとを備える。これらのプローブは、実際の検定が実施される前、または検定が実施されている間に所定位置で生成されうる。捕獲プローブは、第1の特異的結合対の第1の構成要素を備え、第1の特異的結合対の第1の構成要素は、標的検体の第1の結合部位に結合し、第1の特異的結合対の第1の構成要素は、場合によっては基体に結合する。1つの好ましい実施形態において、基体は、磁性微粒子を備える。検出プローブは、(1)ナノ粒子と、(2)標的検体の第2の結合部位に結合する、ナノ粒子に結合された第2の特異的結合対の第1の構成要素と、(3)ナノ粒子に結合した少なくとも1種類のオリゴヌクレオチドと、(4)特定の種類のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に相補的である所定の配列をそれぞれ有する少なくとも1種類のDNAバーコードとを備える。標的検体を含有する試料に使用されると、捕獲プローブ上の第1の特異的結合対の第1の構成要素は、標的検体の第1の結合部位に結合し、検出プローブ上の第2の特異的結合対の第1の構成要素は、標的検体の第2の結合部位に結合する。標的検体によって捕獲プローブと検出プロ
ーブを一緒にすると、凝集が生じる。凝集体を分離し、さらなる溶融分析を施して、上述のような多数の標的が存在する特定の標的検体を識別することができる。あるいは、凝集体を脱ハイブリダイズして、DNAバーコードを剥離させることが可能である。
本実施形態の1態様において、それぞれの種類の粒子複合体プローブにおけるDNAバーコードは、異なる配列であり、特定の標的検体に対する識別子として機能する配列を有する。
本実施形態の別の態様において、該方法は、
凝集複合体を分離するステップと、
凝集複合体を分析して、異なる配列を有する1つまたは複数のDNAバーコードの存在を判断するステップと、をさらに含む。
本実施形態の別の態様において、該方法は、
凝集複合体を分離するステップと、
凝集複合体を脱ハイブリダイズさせ、DNAバーコードを剥離させるのに有効な条件を凝集複合体に施すステップと、
DNAバーコードを分離するステップと、
異なる配列を有する1つまたは複数のDNAバーコードの存在を検出し、それぞれのDNAバーコードは、試料中の特定の標的検体の存在を示すステップと、をさらに含む。
本実施形態の別の態様において、該方法は、
凝集複合体を分離するステップと、
凝集複合体を脱ハイブリダイズさせ、DNAバーコードを剥離させるのに有効な条件を凝集複合体に施すステップと、
DNAバーコードを分離するステップと、
分離されたDNAバーコードを増幅するステップと、
異なる配列を有する1つまたは複数の増幅DNAバーコードの存在を検出し、それぞれのDNAバーコードは、試料中の特定の標的検体の存在を示すステップと、をさらに含む。
本実施形態の別の態様において、標的は、3つ以上の結合部位を有し、少なくとも2種類の粒子複合体プローブが提供され、第1の種類のプローブは、標的検体上の第1の結合部位に対する特異的結合相補部分を有し、第2の種類のプローブは、プローブ上の第2の結合部位に対する特異的結合相補部分を有する。複数の粒子複合体プローブを提供することができ、それぞれの種類のプローブは、標的検体上の異なる結合部位に対する特異的結合相補部分を有する。
本実施形態の別の態様において、1つまたは複数のDNAバーコードの存在に対する検出ステップは、
DNAバーコードの配列の少なくとも一部に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドが結合した基体を提供するステップと、
オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子を提供し、ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部は、DNAバーコードの少なくとも一部に相補的である配列を有するステップと、
少なくとも基体に結合した相補的オリゴヌクレオチドとDNAバーコードの第1の部分、およびナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドのいくつかとDNAバーコードの第2の部分のハイブリダイゼーションを可能にするのに有効な条件下で、DNAバーコードと、基体に結合したオリゴヌクレオチドと、ナノ粒子とを接触させるステップと、
検出可能な変化を確認するステップと、を含む。
本実施形態の別の態様において、基体には、1つまたは複数の異なる種類のDNAバーコードの検出を可能にする配列で、複数の種類のオリゴヌクレオチドが結合されている。
本実施形態の別の態様において、検出可能な変化は、基体上の暗領域の形成である。
本実施形態の別の態様において、検出可能な変化は、光学スキャナで確認される。
本実施形態の別の態様において、基体を銀染料に接触させて、検出可能な変化を生じさせる。
本実施形態の別の態様において、DNAバーコードが、基体に結合した相補的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることを可能にするのに有効な条件下で、DNAバーコードを基体に接触させ、続いて、ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくともいくつかが、基体上のDNAバーコードの配列の一部にハイブリダイズすることを可能にするのに有効な条件下で、基体に結合したDNAバーコードをオリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子に接触させる。
本実施形態の別の態様において、DNAバーコードが、ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくともいくつかにハイブリダイズすることを可能にするのに有効な条件下で、オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子にDNAバーコードを接触させ、続いて、ナノ粒子に結合したDNAバーコードの配列の少なくとも一部が、基体に結合した相補的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることを可能にするのに有効な条件下で、ナノ粒子に結合したDNAバーコードを基体に接触させる。
本実施形態の別の態様において、接触ステップの前にDNAバーコードを増幅させる。
本実施形態の別の態様において、少なくとも2種類の粒子複合体プローブが提供され、第1の種類のプローブは、標的検体の第1の結合部位に対する特異的結合相補部分を有し、第2の種類のプローブは、標的検体の第2の結合部位に対する特異的結合相補部分を有する。
本発明の別の実施形態において、粒子複合体プローブが提供される。したがって、本実施形態の1態様において、粒子複合体プローブは、オリゴヌクレオチドが結合した粒子、1つまたは複数のDNAバーコード、および特定の標的検体に対する特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドを備え、(i)DNAバーコードは、少なくとも2つの部分を有する配列を有し、(ii)粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくともいくつかは、DNAバーコードの第1の部分に相補的である配列を有し、(iii)特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドは、DNAバーコードの第2の部分に相補的である配列を有し、(iv)それぞれの種類の粒子複合体プローブにおけるDNAバーコードは、異なる配列であり、特定の標的検体に対する識別子として機能する配列を有する。
本実施形態の別の態様において、粒子複合体プローブは、少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドが結合した粒子、1つまたは複数のDNAバーコード、および標的検体に対する特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドを備え、プローブに結合した第1の種類のオリゴヌクレオチドは、DNAバーコードの少なくとも一部に相補的である配列を有し、プローブに結合した第2の種類のオリゴヌクレオチドは、特異的結合相補体を有するオリゴヌクレオチドの配列の少なくとも一部に相補的である配列を有する。
本実施形態の別の態様において、粒子複合体プローブは、オリゴヌクレオチドが結合した粒子、1つまたは複数のDNAバーコード、および標的検体に対する特異的結合相補体を備え、粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部は、DNAバーコードの配列の少なくとも一部に相補的である配列を有し、DNAバーコードは、特定の標的検体に
対する識別子として機能する。
本発明のさらに別の実施形態において、粒子複合体プローブを提供する。したがって、本発明の1実施形態において、オリゴヌクレオチドが結合した粒子、DNAバーコード、および特定の標的検体に対する特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドを備え、(i)DNAバーコードは、少なくとも2つの部分を有する配列を有し、(ii)粒子に結合されたオリゴヌクレオチドの少なくともいくつかは、DNAバーコードの第1の部分に相補的である配列を有し、(iii)特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドは、DNAバーコードの第2の部分に相補的である配列を有し、(iv)それぞれの種類の粒子複合体プローブにおけるDNAバーコードは、異なる配列であり、特定の標的検体に対する識別子として機能する配列を有する粒子複合体プローブが提供される。
本発明の別の実施形態において、少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドが結合した粒子、DNAバーコード、および標的検体に対する特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドを備え、プローブに結合した第1の種類のオリゴヌクレオチドは、DNAバーコードの少なくとも一部に相補的である配列を有し、プローブに結合した第2の種類のオリゴヌクレオチドは、特異的結合相補体を有するオリゴヌクレオチドの配列の少なくとも一部に相補的である配列を有する粒子複合体プローブが提供される。
本発明のさらに別の実施形態において、オリゴヌクレオチドが結合した粒子、DNAバーコード、および標的検体に対する特異的結合相補体を備え、粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部は、DNAバーコードの配列の少なくとも一部に相補的である配列を有し、DNAバーコードは、特定の標的検体に対する識別子として機能する、粒子複合体プローブが提供される。
本発明のさらに別の実施形態において、ナノ粒子、ナノ粒子に結合した特異的結合対の構成要素、ナノ粒子に結合した少なくとも1種類のオリゴヌクレオチド、およびそれぞれ所定の配列を有する少なくとも1種類のDNAバーコードを備え、それぞれの種類のDNAバーコードは、少なくとも1種類のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に対してハイブリダイズされる、検出プローブが提供される。
本発明の別の実施形態において、上述の粒子複合体プローブを備えたキットが提供される。
本発明の以上のおよび別の実施形態は、以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
本明細書に用いられる場合、オリゴヌクレオチドが結合されたナノ粒子、複合体、粒子、ラテックスおよび微球体等の「種類」とは、同じ種類のオリゴヌクレオチドが結合された複数のそれらの項目を意味する。「オリゴヌクレオチドが結合されたナノ粒子」または「オリゴヌクレオチドが結合されたナノ粒子」とは、「ナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体」を意味することもあり、または本発明の検出方法の場合には、「ナノ粒子−オリゴヌクレオチドプローブ」、「ナノ粒子プローブ」もしくは単に「プローブ」を意味することもある。
本明細書に用いられる場合、「粒子」という用語は、好ましくは金属、シリカ、酸化珪素またはポリエチレンで構成されうる小片を意味する。「粒子」は、球状または棒状の如き任意の形状でありうる。本明細書に用いられる場合、「粒子」という用語は、具体的には、以下に定義かつ記載されるナノ粒子および微粒子の両方を包含する。
本発明の全体を通じて用いられるように、「バーコード」、「生化学バーコード」、「バイオバーコード」、「バーコードDNA」、「DNAバーコード」、「レポータバーコード」および「レポータバーコードDNA」等は、いずれも互いに区別なく、同一の意味を有する。DNAバーコードは、デオキシ核酸またはリボ核酸の如き核酸であってもよい。好ましくは、DNAバーコードは、所定の配列のオリゴヌクレオチドである。望まれる場合は、DNAバーコードを例えばビオチン、放射標識または蛍光標識で標識することができる。
「ナノ粒子複合体」または「ナノ粒子複合体プローブ」という用語は、ナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体、レポータオリゴヌクレオチド、および標的検体に対する特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドで構成される複合体を意味する。
「検体」または「標的検体」という用語は、薬物、代謝物質、殺虫剤および汚染物質等を含む検出対象化合物または組成物を意味する。検体は、特異的結合対(sbp)の構成要素で構成することが可能であり、一価(モノエピトープ)または多価(ポリエプトープ)、好ましくは抗原性またはハプテンであるリガンドであってもよく、単一化合物、または共通のエピトープまたは確定部位を共有する複数の化合物である。検体は、細菌如き細胞の一部、A、BおよびD等の血液型抗原もしくはHLA抗原を担持する細胞、または微生物(例:細菌、心筋、原虫もしくはウイルス)でありうる。検体がモノエピトープである場合、検体を例えば化学的にさらに修飾して、1つまたは複数の追加的な結合部位を提供することが可能である。本発明を実行する上で、検体は、少なくとも2つの結合部位を有する。
多価のリガンド検体は、通常は、ポリペプチドおよびタンパク質、多糖類、核酸、およびそれらの組合せの如き、しばしばポリマー特性を有するより大きい有機化合物である。当該組合せとしては、細菌、ウイルス、染色体、遺伝子、ミトコンドリア、核酸および細胞膜等が挙げられる。
たいていの場合は、本発明を適用することが可能であるポリエピトープリガンド検体は、分子量が少なくとも約5,000以上、より一般的には約10,000以上である。ポリマー分子の範疇では、対象のポリマーは、分子量が一般的には約5,000から5,000,000、より一般的には約20,000から1000,000であり、対象のホルモンの間では、分子量は、通常約5,000から60,000である。
広範なタンパク質が、類似の構造的特徴を有するタンパク質、特定の生物学的機能を有するタンパク質、および特定の微生物、特に病因微生物に関連するタンパク質等の族に属するものと見なすことができる。そのようなタンパク質としては、例えば、免疫グロブリン、サイトカイン、酵素、ホルモン、癌抗原、栄養マーカおよび組織特有抗原等が挙げられる。
タンパク質、血液凝固因子、タンパク質ホルモン、抗原性糖類、微生物および本発明における他の対象病原菌の種類は、その全体を本願明細書に援用する米国特許第4,650,770号に具体的に開示されている。
モノエピトープリガンド検体は、分子量が一般には約100から2,000、より一般的には125から1,000である。
検体は、宿主からの体液の如き試料中に直接見られる分子であってもよい。試料を直接調べることもできるし、検体がより容易に検出できるように前処理することもできる。また、対象の検体が試料中に存在する場合にのみその存在が検出されることになる対象の検体に相補的な特異的結合対構成要素の如き、対象の検体を示す薬剤を検出することによっ
て、対象の検体を決定することができる。したがって、検体を示す薬剤は、検定で検出される検体になる。体液は、例えば、尿、血液、血漿、血清、唾液、***、便、痰、脳脊髄液、涙および粘液でありうる。
「特異的結合対(sbp)構成要素」という用語は、他の分子の特定の空間および/または極性構造に結合し、相補的であると規定することができる2つの異なる分子のうちの1つを意味する。特異的結合対の構成要素をリガンドおよび受容体(アンチリガンド)と呼ぶことが可能である。これらは、通常は抗原−抗体の如き免疫対の構成要素であるが、ビオチン−アビチン、酵素−基質、酵素−拮抗剤、酵素−作用薬、薬物−標的分子、ホルモン−ホルモン受容体、核酸二重鎖、IgGタンパク質A/タンパク質G、DNA−DNA、DNA−RNA、タンパク質DNA、脂質−DNA、脂質−タンパク質、多糖−脂質、タンパク質−多糖、核酸アプタマーおよび関連する標的リガンド(例:小有機化合物、核酸、タンパク質、ペプチド、ウイルスおよび細胞等)等は、免疫対ではないが、本発明、およびsbp構成要素の定義に含まれる。特異的結合対の構成要素は、分子全体であるか、または構成要素が標的検体上の結合部位に特異的に結合して、特異的結合対を形成するのであれば分子の一部のみでありうる。
「リガンド」という用語は、それに対する受容体が本質的に存在するか、または製造できる、任意の有機化合物を意味する。リガンドという用語は、リガンド類似体を他の分子に接続させる修飾提供手段である受容体について類似リガンドと競合しうる、通常は分子量が100を上回る修飾リガンド、通常は有機ラジカルまたは検体類似体であるリガンド類似体をも含む。リガンド類似体は、リガンド類似体をハブまたは標識に結合させる結合で水素を置換すること以外の点でもリガンドと通常異なるが、それは必須ではない。リガンド類似体は、リガンドと同様にして受容体に結合することが可能である。リガンド類似体は、例えば、リガンドに対する抗体のイディオタイプに対して誘導される抗体である。
「受容体」または「アンチリガンド」という用語は、分子の特定の空間および極性構造、例えばエピトームまたは確定部位を認識することが可能な任意の化合物または組成物を意味する。例示的な受容体としては、天然受容体、例えばサイロキシン結合グロブリン、抗体、酵素、Fabフラグメント、レクチン、核酸、核酸アプタマー、アビジン、タンパク質A、バルスターおよび補体成分Clq等が挙げられる。アビジンは、ストレプタビジンの如き他の源からの卵白アビジンおよびビオチン結合タンパク質を含むことになる。
「特異的結合」という用語は、他の分子の認識が実質的により低いことに比較して、2つの異なる分子の他方に対する認識が特異的であることを意味する。一般に、分子は、2つの分子間の特異的認識をもたらす領域をその表面または空隙内に有する。特異的結合の典型例は、抗体−抗原相互作用、酵素−基体相互作用およびポリヌクレオチド相互作用等である。
「非特異的結合」という用語は、特異的表面構造とは相対的に無関係である分子間の結合を意味する。非特異的結合は、分子間の疎水相互作用を含むいくつかの要因に起因しうる。
「抗体」という用語は、他の分子の特定の空間および極性構造に特異的に結合するため該構造に相補的であると定義される免疫グロブリンを意味する。抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルであり、宿主の免疫化および血清(ポリクローナル)の回収の如き当該技術分野でよく知られている技術、または連続的なハイブリッド細胞系統を調製し、***タンパク質(モノクローナル)を回収すること、または天然抗体の特異的結合に必要な少なくともアミノ酸配列に対してコードするヌクレオチド配列またはその変位型を複製および発現することによって調製されうる。抗体としては、完全免疫グロブリンまたはそ
の断片を挙げることができ、免疫グロブリンとしては、様々なIgA、IgD、IgE、IgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3、IgM等の様々なクラスおよびイソタイプが挙げられる。その断片としては、Fab、FvおよびF(ab’)およびFab’等を挙げることができる。加えて、特定の分子に対する結合親和性が維持されるのであれば、免疫グロブリンの凝集体、ポリマーおよび複合体、あるいはそれらの断片を適宜使用することが可能である。
特定の実施形態において、本発明は、予め選択された標的化学種を特異的に結合させるいくつかの選択的結合部分と、および予め選択されたレポータ部分の多数の複製物とをその表面に含むように誘導された適切な大きさのレポータ粒子を含有する新規の検出試薬を提供する。レポータ部分は、標準的な化学化学作用を利用してレポータ粒子の表面に共有結合される。
この増幅材料を利用する好ましい検出方法は、サンドイッチ免疫検定に用いられるのと類似している。特に、分析される試料は、対象の種に選択的かつ特異的に結合することが可能な捕獲相に曝され、捕獲相は、不溶材料上に固定される。次いで、標準的な手段を通じて、固定された検体から未結合材料を分離する。次いで、固定された検体を本発明の検出試薬に接触させる。検出試薬は、そこに取り入れた選択的結合部分を通じて、固定された検体に結合する。したがって、そのようにして形成された「サンドイッチ」構造(不溶基体−検体−検出試薬)は、不溶基体上に検出試薬を効果的に固定する。未結合の検出試薬を、標準的な方法によりこの固定された構造から分離することが可能である。固定された不溶基体−検体−検出試薬サンドイッチをレポータ部分とレポータ粒子の結合を破壊する手段に接触させて、レポータ部分を媒体中に放出させることによって、増幅を行うことが可能である。レポータ部分とレポータ粒子に最初に結合した選択的結合部分との数の比は、検出試薬の調製時に1より大きい数値に設定されうるため、粒子からのレポータ部分の放出により、媒体に浸入するレポータ分子の方が、不溶基体に結合した標的検体分子より多くなる。レポータ部分の化学的性質に合った任意の方法を用いて、放出されたレポータ部分の検出、および場合によっては定量を行うことが可能である。個々の標的検体の分子の検出によるレポータ部分の検出シグナルの著しい増幅により、極めて高感度で、信頼性があり、適応性のある化学検出検定が得られる。
特定の実施形態において、本発明の検出試薬は、標的化学物質または標的検体に特異的に結合する選択的結合部分と、予め選択された複数のレポータ部分とをその表面に含むように誘導された適切な大きさのレポータ粒子で構成される。レポータ粒子は、標的検体を含む試料に適合し、選択的結合部分およびレポータ部分の双方を結合することが可能な任意の材料でありうる。好適なレポータ粒子の例としては、金属、シリカ、酸化珪素およびポリスチレンが挙げられるが、それらに限定されない。
選択的結合化合物は、標的検体を選択的に認識し、標的検体と捕獲相の結合に緩衝することなく標的検体に結合することが可能な任意の化合物でありうる。好適な選択的結合化合物の例としては、抗体、酵素、タンパク質、オリゴヌクレオチドおよび無機化合物が挙げられるが、それらに限定されない。
レポータ粒子は、典型的にはナノメートルからマイクロメートル範囲の直径を有する機能的大きさで選択される。レポータ部分と、レポータ粒子に最初に結合する選択的結合部分との数の比は、本発明の検出試薬の調製時に1より大きい値に設定されうるため、粒子からのレポータ部分の放出により、媒体に浸入するレポータ部分の方が、レポータ粒子に結合した検体分子より多くなる。この比は、標的検体分子の検出によるシグナルの増幅率を定める。例えば、固定された検体の1つの分子に結合するレポータ部分の1,000の複製物を担持する1つのレポータ粒子からレポータ部分を放出させると、1,000の分
子のレポータ部分が、本来のサンドイッチにおける検体の分子毎に媒体中に現れることになる。これにより、標的検体によって表される化学シグナルが1,000倍増幅される。レポータ粒子の表面積や、レポータ粒子の表面の選択的結合部分とレポータ部分の充填密度の比のようなパラメータを操作することによって、検出試薬の合成時に、この増幅を調節することが可能である。したがって、レポータ粒子の大きさは、放出されうるレポータ部分の数、および標識された標的分子に関して得られる最終的な増幅因子を規定する。例えば、13nmの金粒子は、レポータ部分として機能する200のチオール化された表面オリゴマーを担持することができ、それにより、検出検定で形成されたサンドイッチ内の単一レポータ粒子に対して200のレポータ部分の増幅因子を達成することが可能である。より大きいサイズ(例:マイクロメートルサイズの)粒子は、より大きい増幅因子になるのは明らかである。
レポータ部分は、好ましくは、検出方法のステップ中はレポータ部分の著しい非特異的放出を防ぐのに十分に強力であるが、同時に検出ステップの直前はレポータ部分の分離および放出を生じやすい手段によって、レポータ粒子の表面に結合される。好ましくは、レポータ部分は、検出ステップの直前に、固体支持体に添加される特定の試薬に接触すると破壊されうる二重結合を通じて、レポータ粒子の表面に結合される。二重結合を用いて、レポータ粒子にレポータ部分を固定する実施形態において、レポータ部分をレポータ粒子から放出させるのに使用される化学物質は、レポータ部分を変位させながらレポータ部分と優先的に結合または反応することによって、レポータ粒子の表面上にレポータ部分を効果的に配置させる分子である。
レポータ部分の例としては、蛍光体、発色団、蛍光体または発色団が、結合するかまたは結合していないオリゴヌクレオチド、酵素およびポルフィリン、脂質、炭水化物、合成ポリマー、および同位体または放射性標識のような標識を挙げることができるが、それらに限定されない。これらの化学物質は、チオール、二硫化物およびホスホリルチオレートの如き硫黄原子間の二重結合を通じてレポータ粒子に結合されうる。この場合、二重結合中の硫黄原子を優先的に結合させることによってレポータ部分を変位させる化学物質にレポータ粒子を接触させることにより、後の検出に向けてレポータ粒子を放出する。レポータ部分を効果的に変位させる化学物質は、他のチオール含有分子または二硫化物含有分子、ジチオスレイトール(DTT)、ジチオエリスリトール(DTE)およびメルカプトエタノール等のチオール結合を通じてレポータ粒子に優先的に結合することになる任意の分子を含む。同様に、水酸化ホウ素ナトリウムの如き還元剤は、レポータ部分を放出させる二硫化物結合を開裂させる。
本発明の具体的な実施形態において、レポータ部分および選択的結合化合物は、同じ化学物質である。例えば、好ましい実施形態において、レポータ部分および選択的結合化合物は、標的検体に相補的であり、レポータ粒子から除去された後に(例:オリゴヌクレオチドに存在する蛍光標識を通じて)追加的に検出されうる単一のオリゴヌクレオチドによって記述される。
本発明の検出方法の第1のステップにおいて、標的分子の存在について、分析試料を、抗体、オリゴヌクレオチド、レクチン、または対象の標的種に選択的かつ特異的に結合することが可能である同様の材料の如き捕獲相に接触させる。捕獲相は、化学検定に適合すると共に反応媒体から容易に分離されうる不溶材料に固定される。固定された捕獲相は、対象の検体を特異的に結合、捕獲、固定するが、好ましくは試料中に存在しうるあらゆる他の材料を結合させないように構成される。本発明の方法での使用に好適な不溶材料の例としては、マイクロタイタープレートのウェル、微粒子、繊維またはメンブレンフィルタ、あるいは当該不溶材料を挙げることができるが、それらに限定されない。
捕獲相は、好ましくは、検出試薬の選択的結合部分とは異なる検体上の決定基に結合するように選択される。次いで、例えばデンカンテーション、沈降、洗浄、遠心、またはこれらの方法の組合せを含む任意の好適な手段によって、固定された標的検体から未結合材料を分離する。この方法の正味の結果、対象の検体は、不溶材料の表面に精製および濃縮された状態で存在する。
本発明の方法の次にステップにおいて、固定された標的検体を、レポータ部分に結合するレポータ粒子、および少なくとも1つの選択的結合部分を含有する本発明の検出試薬に接触させる。選択的結合部分は、標的検体に特異的に結合し、検出試薬に結合する標的検体に結合した不溶基体を含む「サンドイッチ」構造を形成する。このサンドイッチ構造は、不溶基体に検出試薬を固定し、デカンテーション、沈降、洗浄、遠心、またはこれらの方法の組合せを含む任意の好適な方法によって、未結合検出試薬をこの固定構造から分離することが可能である。
本方法の他のステップにおいて、固定された不溶基体−標的検体−検出試薬サンドイッチを、レポータ部分をレポータ粒子から放出することが可能である化学物質を含む媒体に接触させることによって、標的検体の結合および検出によるシグナルを増幅する。次いで、放出されたレポータ部分は、上記に詳述したように標的検体に結合した検出試薬を取り囲む媒体に浸入する。
レポータ部分の化学的性質に合った任意の方法を用いて、放出されたレポータ部分の存在について、放出されたレポータ部分を含む媒体を分析することが可能である。例えば、蛍光標識されたレポータ部分を媒体の蛍光強度または蛍光消極の測定によって検出し、さらには定量することができるのに対し、適切なトリガ試薬を添加すると発生する発光を測定することによって、化学発光標識レポータの存在を判断することが可能である。オリゴヌクレオチドをベースとするレポータ部分を、ポリマー鎖反応によってさらに増幅するか、あるいは不溶基体に固定された相補的オリゴヌクレオチドによって捕獲し、核酸をベースとしたマイクロアレイと通常併用される方法を用いて検出、定量することが可能である。電気化学、インピーダンス、酵素および放射性検出を含む多くの他の選択肢も利用可能である。
したがって、特定の実施形態において、本発明は、それぞれが試料中の特異的結合相補体との特異的結合相互作用のための少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存在を検出するための方法であって、
a)特定の標的検体の少なくとも第1の結合部位に結合する特定の標的検体の少なくとも1つの特異的結合相補体が結合した少なくとも1種類の捕獲基体を提供するステップと、
b)(i)特定の標的検体に対する少なくとも1つの特異的結合相補体と、(ii)場合によってはレポータ標識で標識される複数のDNAバーコードとが結合した微粒子を含む少なくとも1種類の微粒子検出プローブを提供するステップであって、微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体は、標的検体の少なくとも第2の結合部位に結合するステップと、
c)標的検体を捕獲基体上に固定するように、捕獲基体に結合した特異的結合相補体に対する特定の標的検体の結合を可能にするのに有効な条件下で、標的検体を含有すると思われる試料に捕獲基体を接触させるステップと、
d)標的検体と、検体に対する微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体との結合を可能にし、捕獲基体上の標的検体の存在下で複合体を形成するのに有効な条件下で、少なくとも1種類の微粒子検出プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
e)場合によって、捕獲基体を分離し、洗浄して、未結合の微粒子検出プローブを除去
するステップと、
f)試料中の特定の標的検体の存在を示すDNAバーコードの存在を検出するステップと、を含む方法を提供する。
別の実施形態において、本発明は、それぞれが試料中の特異的結合相補体との特異的結合相互作用のための少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存在を検出するための方法であって、
a)特定の標的検体の少なくとも第1の結合部位に結合する特定の標的検体の少なくとも1つの特異的結合相補体が結合した少なくとも1種類の磁性基体を提供するステップと、
b)(i)特定の標的検体に対する少なくとも1つの特異的結合相補体と、(ii)蛍光標識した複数のDNAバーコードとが結合した微粒子を含む少なくとも1種類の微粒子検出プローブを提供するステップであって、微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体は、標的検体の少なくとも第2の結合部位に結合するステップと、
c)標的検体を磁性基体上に固定するように、磁性基体に結合した特異的結合相補体に対する特定の標的検体の結合を可能にするのに有効な条件下で、標的検体を含有すると思われる試料に磁性基体を接触させるステップと、
d)標的検体と、検体に対する微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体との結合を可能にし、磁性基体上の標的検体の存在下で複合体を形成するのに有効な条件下で、少なくとも1種類の微粒子検出プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
e)場合によって、磁性基体を分離し、洗浄して、未結合の微粒子検出プローブを除去するステップと、
f)試料中の特定の標的検体の存在を示すDNAバーコードからの蛍光シグナルの存在を検出するステップと、を含む方法を提供する。
さらなる実施形態において、本発明は、それぞれが試料中の特異的結合相補体との特異的結合相互作用のための少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存在を検出するための方法であって、
a)特定の標的検体の少なくとも第1の結合部位に結合する特定の標的検体の少なくとも1つの特異的結合相補体が結合した少なくとも1種類の磁性基体を提供するステップと、
b)(i)特定の標的検体に対する少なくとも1つの特異的結合相補体と、(ii)蛍光標識した複数のDNAバーコードとが結合した微粒子を含む少なくとも1種類の微粒子検出プローブを提供するステップであって、微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体は、標的検体の少なくとも第2の結合部位に結合するステップと、
c)標的検体を磁性基体上に固定するように、磁性基体に結合した特異的結合相補体に対する特定の標的検体の結合を可能にするのに有効な条件下で、標的検体を含有すると思われる試料に磁性基体を接触させるステップと、
d)標的検体と、検体に対する微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体との結合を可能にし、磁性基体上の標的検体の存在下で複合体を形成するのに有効な条件下で、少なくとも1種類の微粒子検出プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
e)場合によって、磁性基体を分離し、洗浄して、未結合の微粒子検出プローブを除去するステップと、
f)分離、洗浄された磁性基体に、DNAバーコードを剥離させるのに有効な条件を施すステップと、
g)試料中の特定の標的検体の存在を示すDNAバーコードの蛍光シグナルの存在を検出するステップと、を含む方法を提供する。
さらに別の実施形態において、本発明は、それぞれが試料中の特異的結合相補体との特異的結合相互作用のための少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存在を検出するための方法であって、
a)特定の標的検体の少なくとも第1の結合部位に結合する特定の標的検体の少なくとも1つの特異的結合相補体が結合した少なくとも1種類の磁性基体を提供するステップと、
b)(i)特定の標的検体に対する少なくとも1つの特異的結合相補体と、(ii)レポータ標識を含む複数のDNAバーコードとが結合した微粒子を含む少なくとも1種類の微粒子検出プローブを提供するステップであって、微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体は、標的検体の少なくとも第2の結合部位に結合するステップと、
c)標的検体を磁性基体上に固定するように、磁性基体に結合した特異的結合相補体に対する特定の標的検体の結合を可能にするのに有効な条件下で、標的検体を含有すると思われる試料に磁性基体を接触させるステップと、
d)標的検体と、検体に対する微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体との結合を可能にし、磁性基体上の標的検体の存在下で複合体を形成するのに有効な条件下で、少なくとも1種類の微粒子検出プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
e)場合によって、磁性基体を分離し、洗浄して、未結合の微粒子検出プローブを除去するステップと、
f)分離、洗浄された磁性基体に、DNAバーコードを剥離させるのに有効な条件を施すステップと、
g)試料中の特定の標的検体の存在を示すDNAバーコードのレポータ標識の存在を検出するステップと、を含む方法を提供する。
さらなる実施形態において、本発明は、それぞれが試料中の特異的結合相補体との特異的結合相互作用のための少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存在を検出するための方法であって、
a)特定の標的検体の少なくとも第1の結合部位に結合する特定の標的検体の少なくとも1つの特異的結合相補体が結合した少なくとも1種類の捕獲基体を提供するステップと、
b)(i)特定の標的検体に対する少なくとも1つの特異的結合相補体と、(ii)場合によってはレポータ標識で標識される複数のDNAバーコードとが結合した微粒子またはナノ粒子を含む、少なくとも1種類の粒子検出プローブを提供するステップであって、粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体は、標的検体の少なくとも第2の結合部位に結合するステップと、
c)標的検体を捕獲基体上に固定するように、捕獲基体に結合した特異的結合相補体に対する特定の標的検体の結合を可能にするのに有効な条件下で、標的検体を含有すると思われる試料に捕獲基体を接触させるステップと、
d)標的検体と、検体に対する粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体との結合を可能にし、捕獲基体上の標的検体の存在下で複合体を形成するのに有効な条件下で、少なくとも1種類の粒子検出プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
e)場合によって、捕獲基体を分離し、洗浄して、未結合の粒子検出プローブを除去するステップと、
f)化学剥離剤によって、DNAバーコードを粒子検出プローブから剥離させるステップと、
g)試料中の特定の標的検体の存在を示すDNAバーコードの存在を検出するステップと、を含む方法を提供する。
特定の実施形態において、本発明の方法は、標的検体を固定した後で、捕獲基体を粒子検出プローブに接触させる前に、捕獲基体を洗浄するステップをさらに含むことが可能で
ある。
標的検体は、タンパク質またはハプテンであり、その特異的結合相補体は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体を含む抗体でありうる。標的検体は、核酸分子でもありうる。
微粒子を複数のDNAバーコードで標識することが可能である。
別の実施形態において、本発明の方法は、前記検出ステップの前で、前記分離および洗浄ステップの後に、微粒子検出プローブからDNAバーコードを剥離させるのに有効な条件を複合体に施すステップと、前記検出の前に、場合によってDNAバーコードを増幅させるステップとを含むことが可能である。
前記検出の前に、放出されたDNAバーコードを基体に固定することが可能である。
DNAバーコードは、微粒子に直接結合させるか、または任意の結合部分を通じて微粒子に結合させることが可能である。微粒子は、それに結合したオリゴヌクレオチドをさらに備えることが可能であり、DNAバーコードを、微粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に対してハイブリダイズすることが可能である。
本発明の方法に使用される微粒子は、ポリマー(ポリスチレン等)、ガラス、金属、半導体またはセラミックでありうる。
特異的結合対は、例えば、抗体および抗原、受容体およびリガンド、酵素および競合的阻害剤、薬物および標的分子、または少なくとも部分的に相補的なオリゴヌクレオチドでありうる。
特定の実施形態において、DNAバーコードは、ビオチン化、放射性標識、または蛍光標識される。
標的検体は、3つ以上の結合部位を有することが可能である。場合によって、その第1の結合部位に加えて、第2の結合部位を含むように標的検体を修飾することが可能である。
いくつかの実施形態において、本発明の方法で少なくとも2種類の微粒子検出プローブを提供し、第1の種類のプローブは、標的検体上の第1の結合部位に対する特異的結合相補部分を有し、第2の種類のプローブは、プローブ上の第2の結合部位に対する特異的結合相補部分を有する。
場合によって、それぞれが標的検体上の異なる結合部位に対する特異的結合相補部分を有する複数の微粒子検出プローブを提供する。
特異的結合相補体および標的検体は、特異的結合対の構成要素でありうる。「特異的結合対の構成要素」は、核酸、オリゴヌクレオチド、ペプチド核酸、ポリペプチド、抗体、抗原、炭水化物、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、ホルモン、ステロイド、ビタミン、薬物、ウイルス、多糖類、脂質、リポ多糖、糖タンパク質、リポタンパク質、核タンパク質、オリゴヌクレオチド、抗体、免疫グロブリン、アルブミン、ヘモグロビン、凝固因子、ペプチドおよびタンパク質ホルモン、非ペプチドホルモン、インターロイキン、インターフェロン、サイトカイン、腫瘍に特異的なエピトープを含むペプチド、細胞、細胞表面分子、微生物、微生物の断片、部分、成分または生成物、小有機分子、核酸およびオリゴヌクレオチド、上記の物質のいずれかの代謝物質または抗体を含むことが可能である。核酸およびオリゴヌクレオチドは、遺伝子、ウイルスRNAおよびDNA、細菌DNA、真菌DNA、哺乳類DNA、cDNA、mRNA、RNAおよびDNA断片、オリゴヌクレオチド、合成オリゴヌクレオチド、修飾オリゴヌクレオチド、一本鎖および二本鎖核酸、ならびに天然および合成核酸を含む。
標的検体および特異的結合相補体の非限定的な例を以下に示す。標的検体は、核酸であり、特異的結合相補体は、オリゴヌクレオチドでありうる。標的検体は、タンパク質またはハプテンであり、特異的結合相補体は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体を含む抗体でありうる。標的検体は、ゲノムDNA試料からの配列であり、特異的結合相補体は、ゲノム配列の少なくとも一部に相補的である配列を有するオリゴヌクレオチドでありうる。ゲノムDNAは、真核、細菌、真菌またはウイルスDNAでありうる。標的検体は、真核DNA試料からの配列であり、特異的結合相補体は、真核DNA配列の少なくとも一部に相補的である配列を有するオリゴヌクレオチドでありうる。特異的結合相補体および標的検体は、抗体−リガンド対の構成要素でありうる。
上述のように、かつ本開示を通じて、「捕獲基体」は、検体を固定することが可能である任意の不溶材料でありうる。本発明に用いられる「捕獲基体」は、試料からの標的検体を捕獲し、これらの捕獲された標的検体(検出プローブによる処理前および後のいずれも)を試料から分離しやすくすることが可能である。当該基体は、典型的には検体に比べて物理的に大きく、好ましくは試料に不溶である。特定の場合において、本発明の方法は、磁性基体に磁場を印加することによって分離されうる、本明細書に記載されている磁性基体の使用を含む。
本発明の方法におけるさらなる分離ステップは、当業者に知られている任意の分離方法を含むことが可能である。例えば、分離方法としては、濾過、沈降、浮揚、流動または勾配法が挙げられる。濾過ステップは、例えば、DNAバーコードを含まない試料成分を除去する膜を含むことが可能である。
上記、かつ本開示の他の個所に記載されているように、表面に対するバーコードの結合を破壊する化学剥離剤によって、DNAバーコードを、それらが結合された微粒子から剥離させることができる。本明細書に記載されている当該薬剤としては、他のチオールまたは二硫化物含有分子、ジチオスレイトール(DTT)、ジチオエリスルトール(DTE)およびメルカプトエタノール等のチオール結合を通じて微粒子に優先的に結合する任意の分子、および二硫化物結合を開裂させることにより、DNAバーコードを、それらが結合した微粒子から剥離させる水素化ホウ素ナトリウムの如き還元剤が挙げられるが、それらに限定されない。
バーコードを微粒子に結合させたオリゴヌクレオチドからDNAバーコードを脱ハイブリダイズする条件にバーコードに曝すことによって、DNAバーコードを微粒子から剥離させることも可能である。
本明細書に記載されているように、バーコードは検出可能なレポータ基で標識することが可能である。当該レポータ基としては、蛍光体、発色団、酸化還元基、電気特性を有する基、放射性基、触媒基またはラマン標識が挙げられるが、それらに限定されない。
ラマン標識は、異なるラマン散乱スペクトルを有するいくつかの分子のいずれか1つでありうる。酵素免疫検定で使用される酵素と異なり、これらの標識種は、必要に応じて化学修飾することができる安定で、単純で安価な分子である。以下の属性は、この用途における標識の効果を高める。(a)レーザ励起波長付近で強い吸収帯(吸光度は10付近)。(b)特異的結合構成要素に対する共有結合を可能にする官能基。(c)光安定性。(d)ナノグラム以下の範囲における検体の検出を可能にする十分な表面および共鳴強化。(e)標識特異的結合構成要素と非標識特異的結合構成要素との間の結合相互作用における干渉が最小限にとどめられる。(f)用いられる励起波長における強い蛍光発光の露出が最小限にとどめられる。(g)いくつかの強度ピークを伴う比較的単純な散乱パター
ン、および/または(h)互いに干渉しないため、いくつかの指標分子を同時に分析することができる散乱パターンを有する標識。
これらのラマン活性標識のすべてではないが、いくつかの潜在的な候補としては、4−(4−アミノフェニルアゾ)フェニルアルソン酸一ナトリウム塩、アルセナゾI、塩基性フクシン、シカゴスカイブルー、ダイレクトレッド81、ディスパースオレンジ3、HABA(2−(4−ヒドロキシフェニルアゾ)安息香酸)、エリスロシンB、トリパンブルー、ポンソーS、ポンソーSS、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン、クレシルバイオレットおよびp−ジメチルアミノアゾベンゼンが挙げられる。選択した標識を対象の特異的結合構成要素に共有結合させるか、または結合もしくは会合させることができる。
本発明の重要な態様は、多重ラマン標識を粒子に結合させて、異なる粒子に索引を付けるための多重コード化ラマン標識を提供することができる。したがって、本発明は、多重ラマン色素、ならびにDNA、RNA、抗体、抗原、および粒子に結合した小分子等の特異的結合基体を有する試薬を含む。粒子をベースとした検出プローブについては、ラマン標識または色素を直接または間接的に粒子に結合させることが可能である。ラマン標識を官能基、例えば金属ナノ粒子の如き粒子の表面に結合できるチオール、アミンまたはホスフィンで修飾することが可能である。望まれる場合は、ナノ粒子安定性を高めるためのオリゴヌクレオチド(例:ポリアデノシンおよびポリチミジン)の如き分子、または特異的結合対構成要素(核酸標的、または特定のリガンドのための受容体の少なくとも一部に相補的である配列を有するオリゴヌクレオチド等)でラマン色素をさらに機能化することが可能である。あるいは、ラマン標識を、粒子に結合させるための官能基を担持する分子または任意のリンカー、例えばポリAまたはポリTオリゴヌクレオチドと共役させることが可能である。例えば、本願明細書に援用する2003年5月7日出願の米国特許出願番号第10/431,341号に記載されているように、ラマン標識を検出することが可能である。
本明細書で提示している実施例1−10は、臨床標本、環境試料、工業工程の流れ試料、または標的検体を潜在的に含有する他の当該媒体における非常に低濃度の多数の異なる標的検体を同時に検出し、場合によっては定量する能力を実証する。実施例11および12では、より高い濃度と同様に濃度のより少ない異なる標的検体をより迅速に検出する能力を実証する。具体的には、実施例11および12では、該方法の有利な感度を維持しながらより簡単な様式で該方法を用いることを可能にする、実施例1−10に提示され、記載された方法の改造型を提示する。当該改造型方法は、代替的な検出技術の利用を容易にする。
より簡単な様式の1例は、実施例1−10に記載されている方法の範囲内にある数十から数百ではなく、ごく少量、典型的には1−10の標的検体の同時検出を必要とする。この場合、実施例11および12は、実施例1−10に記載されているように検出の前にオリゴヌクレオチドを回収/分離することによるのではなく、検出プローブのオリゴヌクレオチドに結合された蛍光標識の放射波長に基づいて、標的検体の差別化および識別を便利に行う。また、本明細書に記載されている方法は、本発明の特定の末端使用に応じて、基体と標的抗原と検出プローブの間に形成された三成分サンドイッチ上で検出ステップを直接実施することを可能にする。実施例1−10で実施されるオリゴヌクレオチドの回収および分離をより高速かつ簡単な様式でエミュレートするように、これらの方法をさらに拡張することが可能である。
本発明の方法は、標的が、互いに異なり、標的検体を含有する媒体中に存在するすべての他の材料から標的検体を区別することを可能にする少なくとも第1および第2の特徴を
有することを必要とする。例示を目的として、標的検体はタンパク質であり、異なる特徴は、それぞれが対応する抗体によって選択的に結合されうる異なるエピトームであると想定される。しかし、以降において本明細書に記載されている特異的結合相補体および結合対構成要素とも称するそれらの種類の特徴および相補的化学結合部分のいずれもこれらの改良型の実施において同様に利用できる。媒体に存在しうる多数の標的検体を検出することが望まれる場合は、1つの好ましい構成は、同じ媒体に存在しうる他の標的検体のすべてを特徴づける特異的特徴の対とは異なるように存在しうる標的検体のいずれか1つを特徴づける特異的特徴の対を対象とする。あるいは、1つの特異的特徴は、存在しうる標的検体の全てに対して同じでありうるのに対して、第2の特異的特徴は、それぞれの標的検体に特有のものである。いずれの場合も、媒体に存在しうる他の材料は、標的検体に伴ういずれの特異的特徴も有さないことが望ましい。
加えて、本発明の方法は、それぞれの標的検体上の第1の特徴に対応する相補的化学結合部分が結合される基体を利用する。本明細書に記載されている特定の方法において、標的検体の第1の特徴を結合する相補的化学結合部分を担持する個別の基体を標的検体毎に設ける。本発明は、追加的な基体構成の使用をさらに可能にする方法をも提供する。1つの当該構成において、標的検体のそれぞれに対応する相補的な化学結合部分を同じ基体に結合させる。他の当該構成において、標的検体のそれぞれの第1の特徴に対応する相補的な化学結合部分を、1つの標的検体に対応する相補的化学結合部分が、他の標的検体に対応する相補的化学結合部分である基体の異なる空間領域に局在化されるように、同じ基体に結合させるこれらの代替の構成はいくつかの使用および本発明の実施に有益である。
本発明の方法に使用される基体は、主な3つの目的を果たす。1つの目的は、標的検体を選択的に固定することができるが、標的検体ではない媒体中の材料は固定されない表面を提供することである。これは、標的検体の第1の特徴に対応する相補的化学結合部分を基体の表面に結合させ、標的検体が、相補的化学結合部分に結合し、基体の表面に固定することを可能にすることによって達成される。第2の目的は、基体の表面に固定された標的検体の媒体からの分離を容易にすることである。本発明の特定の実施形態において、基体は、磁界の印加によって、その表面に結合した任意の材料とともに媒体から分離されうる磁性材料で構成されうる。基体を媒体から分離する多くの他の手段は、知られており、同様に採用されうる。多くの可能な実例の2つは、媒体より多少高密度であるため、それぞれ沈降または浮揚により媒体から分離させることが可能である材料で構成される基体、および濾過によって媒体から分離できるほど十分に大きい基体である。基体は、本明細書に記載されている媒体に懸濁可能でありうる。あるいは、本発明の方法は、異なる相補的化学結合部分を含む空間的に分離された領域が形成されうる顕微鏡スライドを含むが、それに限定されない巨視的な基体の使用の恩恵を受けることができる。本発明の第3の目的は、標的検体を結合する能力により、基体の表面における標的検体の局所的濃度を、媒体中の標的検体の濃度より高くすることである。まとめると、これらの3つの目的は、検体の感度および特異性を著しく向上させ、あらゆる特定の用途または目的に対する本発明の最適な実施態様を選択することができる広範な選択肢を提供する。
本明細書に記載されている方法は、標的検体の第2の特徴および複数のオリゴヌクレオチドついに選択的に結合する相補的化学結合部分が結合される直径が約10から50nMの金微粒子を備える検出プローブを利用することが可能である。特定の検出プローブが応答する標的検体の識別情報を、金ナノ粒子に結合されたオリゴヌクレオチドの塩基配列でコードすることが可能である。特定の標的検体の識別情報をコードするオリゴヌクレオチドは、不定的に標的検体に対する「バーコード」または「バイオバーコード」と呼ばれてきた。
特定の実施形態において、本発明の方法は、本明細書に記載されている金ナノ粒子を利
用する方法の感度を維持しながら、代替的に、以下に記載されるような検出プローブを利用することができる。特に、球状粒子の表面積は、その直径の平方として測定される。直径1マイクロメートルの球体の表面積は、例えば、直径30nMの粒子の表面積の約1100倍である。このことは、直径1マイクロメートルの粒子は、30nMの粒子に比べて約1100倍のオリゴヌクレオチドを収容することが可能であり、これらの発明における測定可能なシグナルは、このオリゴヌクレオチドの数の関数であるため、1マイクロメートルの粒子を使用して構成された検出プローブは、30nMの粒子から入手可能な測定可能シグナルに比べて結合事象当たり約1100倍の測定可能シグナルをもたらすことが期待できる。より大きい粒子を使用することによるこの「利得」または「増幅」の増加により、感度を犠牲にすることなく、分析手順を著しく単純化させることが可能になる。しかし、粒子の拡散率、ならびにそれらが検出対象の標的検体に接触する頻度、および存在する標的検体の特定の部分との結合を達成するのに必要とされる時間は、その直径に反比例する。したがって、これらの結合事象に利用可能な時間は、採用できる最大の粒径に実用的な制限を課すが、本発明の特定の用途または実施態様によって課される時間的制限を満たす。したがって、特定の用途または実施態様に対する最適な粒径は、先述の要因間のバランスによって決定づけられ、典型的には0.5から5.0マイクロメートルの範囲にある。
1マイクロメートル(1000nM)のポリスチレン微粒子を採用することを除いて、1種類の検出プローブを、30nMの金粒子に基づいて先述のプローブと同様に構成することが可能である。第2の種類の検出プローブは、ごく少数の標的検体の存在を同時に判断しようとするときに特定の有用性を有する。第2の種類のこれらの検出プローブは、オリゴヌクレオチドに結合した「検出可能物体」の特性において標的検体の識別情報をコードし、次にそれが、オリゴヌクレオチドを備えた塩基の配列ではなくプローブ粒子に結合する。この文脈において、「検出可能な物体」とは、例えば、蛍光体の放射波長でコード化される標的検体の識別情報を有する蛍光体であってもよい。他の好適な検出可能な物体としては、放射性同位体、電気化学活性種、ラマン活性種および化学発光種等を挙げることができるが、それらに限定されない。この種類の検出プローブは、流動血球測定法の検出、および標的検体の原位置検出に特に好適である。第3の種類の検出プローブは、検出可能な物体を担持するオリゴヌクレオチドを、微粒子から化学的に開裂して、溶液中での検出を容易にすることをさらに可能にする。これらの改良検出プローブは、特定の用途または目的に対して本発明の実施態様を最適化するためのさらなる選択肢を提供する。
本発明は、試料中の多数の検体を検出するための生化学バーコードとしてオリゴヌクレオチドを利用する方法に関する。その手法は、ナノ粒子で直接または間接的に機能化された認識要素(例:タンパク質または核酸)、および金ナノ粒子の凝集をもたらすハイブリダイゼーション事象は、それらの物理特性(例:光学、電気、機械特性)を著しく変化させうるという従来の知見を利用している8−12。全体的な考え方は、個別的かつ調節可能なハイブリダイゼーションおよび溶融特性、ならびに溶解すると変化して、多検体検定における一連の検体をデコードするナノ粒子に伴う物理特性により、それぞれの認識要素を異なるオリゴヌクレオチド配列(DNAバーコード)に対応づけることができることである。したがって、多検体検定において、DNA結合凝集体の溶融温度、および溶融すると変化して、多検体検定における一連の検体をデコードするナノ粒子に伴う物理特性を利用することが可能である。本明細書におけるバーコードは、ナノロッド23、蛍光体標識ビーズ24および量子ロッド25との如き物理的診断マーカに基づくものとは、デコード情報が、予め設計されたオリゴヌクレオチド配列に格納された化学情報の形をとる点において異なっている。
本発明は、一試料中の様々な生体分子、例えば単一または多数の多価タンパク質を検出するように、オリゴヌクレオチドで強力に機能化されたナノ粒子プローブ(好ましくは金
ナノ粒子プローブ)に対するいくつかの広く適用可能な手法を提供する。特に、一試料中の多数のタンパク質を検出するための知られている方法は、複雑で、しばしば時間がかかり、高価な検定プロトコルである。この点において、他の方法では、一溶液中の多数のタンパク質標的を認識するために、蛍光体標識ペプチド核酸およびDNAマイクロアレイが使用されてきた15−17。しかし、この方法は、オリゴヌクレオチドで標識されたタンパク質のマイクロアレイ表面への結合に依存する。本明細書に記載されている方法の最後のステップは、通常のDNAの表面化学作用に専ら基づくものである。したがって、そのステップは、最新技術のナノ粒子DNA検出方法の高感度な側面の多くを取り入れることが可能であるが9、11、検出事象中に存在するタンパク質を有することなく、DNAではなくタンパク質の如き様々な生体分子を検出することを可能にする。表面検定については、タンパク質は、典型的には、固体の支持体に対するより強い非特異的結合を示す傾向があるため、短いオリゴヌクレオチドに対して作用することがより困難であり、しばしばより高いバックグラウンドシグナルをもたらす。最後に、均質検定については、これらのナノ粒子構造に伴う異常にシャープな溶融プロフィルは、通常の広いDNA溶融挙動を示すプローブによって可能なものより多くのバイオバーコードを設計することを可能にする。
本発明は、検出検定での使用に好適なオリゴヌクレオチドが結合した任意の好適な粒子の使用を想定している。しかし、本発明を実施する上で、微粒子およびナノ粒子が好ましい。粒子の径、形状および化学組成は、DNAバーコードを含む得られるプローブの特性に寄与することになる。これらの特性としては、光学特性、光電子特性、電気化学特性、電子特性、様々な溶液における安定性、孔およびチャネルサイズのばらつき、およびフィルタとして作用しながら生体活性分子を分離する能力等が挙げられる。異なる粒径、形状および/または化学組成を有する粒子の混合物の使用、ならびに均一の粒径、形状および化学組成を有するナノ粒子の使用が想定される。好適な粒子の例としては、ナノおよびマイクロサイズのコア粒子、凝集粒子、等方性粒子(球状粒子)および異方性粒子(非球状ロッド、四面体および角柱)、ならびに全体を本願明細書に援用する、2002年12月28日に出願された米国特許出願第10/034,451、および2002年12月28日に出願された国際出願第PCT/US01/50825号に記載されている粒子の如きコアシェル粒子が挙げられるが、それらに限定されない。本発明を実施する上で、検出プローブは、好ましくは、実際の検定を実施する前に生成される。あるいは、検定を実施しながら、検出プローブを原位置で生成することもできる。
したがって、本発明の1実施形態において、ナノ粒子複合体プローブが提供される。本発明の実施に有用なナノ粒子としては、金属(例:金、銀、銅および白金)、半導体(例:CdSe、CdS、およびZnSが塗布されたCdsまたはCdSe)および磁性(例:強磁性)コロイド材料が挙げられる。本発明の実施に有用な他のナノ粒子としては、ZnS、ZnO、TiO、AgI、AgBr、HgI、PbS、PbSe、ZnTe、CdTe、In、InSe、Cd、CdAs、InAsおよびGaAsが挙げられる。ナノ粒子の粒径は、好ましくは約5nmから約150nm(平均直径)、より好ましくは約30から約100nm、最も好ましくは約40から約80nmである。本発明の微粒子の粒径は、好ましくは約1μmから約150μm(平均直径)、好ましくは約1μmから約50μm、最も好ましくは約1μmである。本発明の方法で使用される微粒子またはナノ粒子の粒径をそれらの特定の用途または応用により必要に応じて変更することが可能である。粒径の変更を有利に利用して、ナノ粒子の特定の物理特性、例えば誘導可能な光学特性または量および表面積を最適化することが可能であるナノ粒子はまたロッド、プリズムあるいは四面体でありうる。
金属、半導体および磁性ナノ粒子の製造方法は、当該技術分野でよく知られている。例えば、Schmid,G(編)、Clusters and Colloids(VCH
、Weinheim、1994);Hayat,M.A.(編)Colloidal Gold、Principles,Methods,and Applications(Academic Press、San Diego、1991);Massart,R.の論文、IEEE Taransactions On Magnetics、17、1247(1981);Ahmadi,T.S.らの論文、Science、272、1924(1996);Henglein,A.らの論文、J.Phys.Chem.、99、14129(1995);およびCurtis,A.C.らの論文、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.、27、1530(1988)を参照されたい。
ZnS、ZnO、TiO、AgI、AgBr、HgI、PbS、PbSe、ZnTe、CdTe、In、InSe、Cd、CdAs、InAsおよびGaAsがナノ粒子の製造方法も当該技術分野でよく知られている。例えば、Wellerの論文、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.、32、41(1993);Hengleinの論文、Top.Curr.Chem.、143、113(1988);Hengleinの論文、Chem.Rev.、89、1861(1989);Brusの論文、Appl.Phys.A.、53、465(1991);Bahncmannの論文、「光化学変換および太陽エネルギーの保存」(Pelizetti and Schiavello編、1991)、251頁;Wang and Herron、J.Phys.Chem.、95、525(1991);Olshavskyらの論文、J.Am.Chem.Soc.、112、9438(1990);およびUshidaらの論文、J.Phys.Chem.、95、5382(1992)を参照されたい。
好適なナノ粒子は、例えば、Ted Pella,Inc.(金)、Amersham
corporation(金)およびNanoprobes,Inc.(金)からも市販されている。
現在では、核酸の検出に使用するには金ナノ粒子が好ましい。金コロイド粒子は、美しい色を発する帯域に対して高い吸光度を有する。これらの強い色は、粒径、濃度、粒子間距離、ならびに凝集体の凝集規模および形状(幾何学構造)に応じて変化するため、これらの材料は、比色検定にとって特に魅力的になっている。例えば、金ナノ粒子に結合されたオリゴヌクレオチドをオリゴヌクレオチドおよび核酸とハイブリダイズすると、裸眼に見える即座の色変化が生じる(例:実施例を参照)。
ナノ粒子、オリゴヌクレオチドまたは双方は、ナノ粒子にオリゴヌクレオチドを結合させるために機能化される。当該方法は、当該技術分野で知られている。例えば、その3’−末端または5’−末端がアルカンチオールで機能化されたオリゴヌクレオチドは、金ナノ粒子に容易に結合する。Whitesidesの論文、Proceedings of
the Robert A.Welch Foundation 39th Conference On Chemical Research Nanophase Chemistry(テキサス州Houston)、109〜121頁(1995)を参照されたい。また、Mucicらの論文、Chem.Commun.555−557(1996)(平坦な金の表面に3’チオールDNAを結合させる方法が記載されている。この方法を用いて、オリゴヌクレオチドをナノ粒子に結合させることが可能である)。アルカンチオール法を用いて、オリゴヌクレオチドを他の金属、半導体および金属コロイド、および上記の他のナノ粒子に結合させることも可能である。オリゴヌクレオチドを固体表面に結合させるための他の官能基としては、ホスホロチオエート基(例:オリゴヌクレオチド−ホスホロチオエートの金表面への結合についての米国特許第5,472,881号を参照)、および置換アルキルシロキサン(例:オリゴヌクレオチドのシリカおよびガラス表面への結合についてのBurwellの論文、Chemical Technology、4、370〜377(1974)およびMatteucciおよびCaruthers
の論文、J.Am.Chem.Soc.、103、3185−3191(1981)、ならびにアミノアルキルシロキサンの結合およびメルカプトアルキルシロキサンの同様の結合についてのGrabarらの論文、Anal.Chem.、67、735−743を参照)が挙げられる。オリゴヌクレオチドを固体表面に結合させるために、5’チオヌクレオシドまたは3’チオヌクレオシドを末端とするオリゴヌクレオチドを使用することもできる。以下の参考文献には、オリゴヌクレオチドをナノ粒子に結合させるのに採用できる他の方法が記載されている。Nuzzoらの論文、J.Am.Chem.Soc.、109、2358(1987)(金上のジスルフィド);AllaraおよびNuzzo、Langmuirの論文、1、45(1985)(アルミニウム上のカルボン酸);AllaraおよびTompkinsの論文、J.Colloid Interface Sci.、49、410−421(1974)(銅上のカルボン酸);Ilerの論文、「シリカの化学」、第6章(Wiley 1979)(シリカ上のカルボン酸);TimmonsおよびZismanの論文、J.Phys.Chem、69、984−990(1965)(白金上のカルボン酸);SoriagaおよびHubbardの論文、J.Am.Chem.Soc.、104、3937(1982)(白金上芳香族環化合物);Hubbardの論文、Acc.Chem.Res.、13、177(1980)(白金上のスルホラン、スルホキシドおよび他の機能化溶媒);Hisckmanらの論文、J.Am.Chem.Soc.、111、7271(1989)(白金上イソニトリル);MaozおよびSagivの論文、Langmuir、3、1045(1987)(シリカ上のシラン);MaozおよびSagivの論文、Langmuir、3、1034(1987)(シリカ上のシラン);Wassermanらの論文、Langmuir、5、1074(1989)(シリカ上のシラン);EltekovaおよびEltekovの論文、Langmuir、3、951(1987)(二酸化チタンおよびシリカ上の芳香族カルボン酸、アルデヒド、アルコールおよびメトキシ基);およびLecらの論文、J.Phys.Chem.、92、2597(1988)(金属上の硬質リン酸塩)。
本発明の本実施形態の1態様において、少なくとも二種類のオリゴヌクレオチドで標識されたデンドリマーと結合したナノ粒子が提供される。樹状分子は、多数の分枝単位モノマーで構成された構造体であり、様々な用途に使用される。例えば、Barthらの論文、Bioconjugate Chemistry 5:58−66(1994);Gitsov & Frechetの論文、Macromolecules 26:6536−6546(1993);Hawker & Frechetの論文、J.Amer.Chem.Soc.112:7638−7647(1990a);Hawker & Frechetの論文、Macromolecules 23:4726−4729(1990b);Hawkerらの論文、J.Chem.Soc.Perkin Trans.1:1287−1297(1993);Lochmannらの論文、J.Amer.Chem.Soc.115−7043−7044(1993);Millerらの論文、J.Amer.Chem.Soc.114:1018−1025(1992);Mousyらの論文、Macromolecules 25:2401−2406(1992);Naylorらの論文、J.Amer.Chem.Soc.111:2339−2341(1989);Spindler & Frechetの論文、Macromolecules
26:4809−4813(1993);Turnerらの論文、Macromolecules 26:4617−4623(1993);Wienerらの論文、Magnetic Resonance Med.31(1):1−8(1994);Service、267:458−459(1995);Tomalia、Sci.Amer.62−66(1995);ならびにいずれも全体を本願明細書に援用する米国特許第4,558,120号;4,507,466号;4,568,737号;4,587,329号;4,857,599号;5,527,524号;5,338,532号(Tomalia)および米国特許第6,274,723号(Nilsen)を参照されたい。樹状分子は、最小限の構造単位で最大限の体積に接触すること、サイズ、重量および成長特性をより
容易に制御する能力、ならびに多数の末端が、標識間の規定の間隔で高度に標識された分子を生成するように誘導され、または他の分子もしくはその混合物に対する結合の部位を与えることが可能であることなど、他の種類の超分子構造に比べて重要な利点を提供する。全体的に、米国特許第6,274,723号、および合成方法についての上記引用文献を参照されたい。
本発明の方法に有用である核酸デンドリマーは、核酸で機能化できる、または核酸/オリゴヌクレオチドから生成できる当該技術分野で知られているデンドリマーのいずれかである。当該デンドリマーは、Hudsonらの論文「核酸デンドリマー:バイオポリマー構造」、Am.Chem.Soc.115:2119−2124(1993);米国特許第6,274,723号および米国特許第5,561,043号(Cantor)等の開示内容に従って合成されうる。
本発明の本実施形態の別の態様において、汎用ナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体が提供される。その汎用プローブを、少なくとも2つの部分を含む任意の標的核酸に対する検定に使用することができる。この「汎用プローブ」は、(i)レポータオリゴヌクレオチド(例:バーコードDNA)の少なくとも一部、および標的認識オリゴヌクレオチドの一部に相補的である、プローブに結合した単一の「捕獲」配列のオリゴヌクレオチドを備える(汎用プローブの1実施形態は図16Aおよび16Bに記載されている)。標的認識オリゴヌクレオチドは、少なくとも2つの部分を有する配列を備え、第1の部分は、ナノ粒子に結合された捕獲配列に対する相補的配列を備え、第2の部分は、特定の標的核酸配列の第1の部分に対する相補的配列を備える。特定の試験溶液中の特定の標的核酸配列を選択するために、標的認識オリゴヌクレオチドのライブラリを切り換えまたは交換することができるように、様々な種類の標的認識オリゴヌクレオチドを汎用プローブとともに極めて有利に使用することが可能である。標的核酸の第2の部分に相補的な配列を備えた第2の種類のオリゴヌクレオチドを磁性微粒子またはガラススライドの如き支持体表面に結合させる。
ハイブリダイゼーションを可能にする条件下でレポータオリゴヌクレオチド(バーコードDNA)および標的認識オリゴヌクレオチドを含む溶液に汎用プローブを接触させると、標的核酸を含有しうる溶液との接触に向けて「活性化される」汎用プローブが作製される(図16A、上部反応スキーム)。順次、または支持体に結合される「活性化」汎用プローブまたは第2の種類のオリゴヌクレオチドのいずれかまたは双方と組み合わせて、試験用液を、ハイブリダイゼーションを可能にする条件下で接触させることが可能である。複合体形成のための十分な時間が確保されると、複合化されていない試験溶液成分が複合体から除去され、レポータオリゴヌクレオチドが検出される。この検定の1実施形態は図16Bに描かれている。
実施される特定の検定に応じた有益性を高めるために汎用プローブを操作することが可能である。第2の部分が、対象の標的核酸に対する相補的配列を備えるように、標的認識オリゴヌクレオチドを単に置換または交換することによって、プローブを様々な単一標的核酸配列に合わせて「調整」することが可能である。同様に、多数の標的核酸配列を単一試験溶液中で検定する場合には、レポータオリゴヌクレオチドは、それぞれの標的核酸に特有の配列を備えることが可能である。したがって、知られている特異的配列のレポータオリゴヌクレオチドの検出は、試験溶液中の特定の標的核酸の存在を示すことになる。
本発明の本実施形態の別の態様において、硫黄系官能基を使用して、オリゴヌクレオチドをナノ粒子に結合させる。米国特許出願第09/760,500号および09/820,279号ならびに国際出願第PCT/US01/01190号およびPCT/US01/10071号には、本発明を実施する上で有用である環式ジスルフィドで機能化された
オリゴヌクレオチドが記載されている。環式ジスルフィドは、好ましくは、2つの硫黄原子を含めて、環内に5または6の原子を有する。好適な環式ジスルフィドは、商業的に入手可能であるか、または知られている手順によって合成されうる。環式ジスルフィドの還元形態を使用することも可能である。
好ましくは、リンカーは、環式ジスルフィドに結合された炭化水素成分をさらに備える。好適な炭化水素は、商業的に入手可能であり、環式ジスルフィドに結合される。好ましくは、炭化水素成分は、ステロイド残基である。環式ジスルフィドに結合されたステロイド残基を備えたリンカーを使用して調製されたオリゴヌクレオチド−ナノ粒子複合体は、意外にも、リンカーとしてアルカンチオールまたは非環式ジスルフィドを使用して調製された複合体と比較して、チオール(例:ポリメラーゼ鎖反応(PCR)溶液)に対して顕著に安定性を有することが認められた。実際、本発明のオリゴヌクレオチド−ナノ粒子複合体は、300倍もの安定性を有することが確認された。この予想外の安定性は、おそらくそれぞれのオリゴヌクレオチドが、単一の硫黄原子ではなく、2つの硫黄原子を通じてナノ粒子に固定されるためである。特に、環式ジスルフィドの2つの隣接硫黄原子は、オリゴヌクレオチド−ナノ粒子複合体を安定化させる上で有利であるキレート化効果を有するものと考えられる。リンカーの大きな疎水性ステロイド残基も、ナノ粒子の表面への水溶性分子の接近によりナノ粒子をスクリーニングすることによって、複合体の安定性に寄与するものと思われる。
先述の内容に鑑み、環式ジスルフィドの2つの硫黄原子は、好ましくは、双方の硫黄原子がナノ粒子に同時に結合できるように、十分に接近している必要がある。最も好ましくは、2つの硫黄原子が互いに隣接する。また、炭化水素成分は、ナノ粒子の表面をスクリーニングする大きい疎水性表面を示す程大きいものである必要がある。
環式ジスルフィドリンカーを採用するオリゴヌクレオチド−環式ナノ粒子を、米国特許出願第09/760,500号および09/820,279号ならびに国際出願第PCT/US01/01190号およびPCT/US01/10071号に記載されているように試料中の標的検体を検出するための診断検定のプローブとして使用できる。これらの複合体は、それらを使用する診断検定の感度を向上させることが認められた。特に、環式ジスルフィドに結合されたステロイド残基を備えたリンカーを使用して調製されたオリゴヌクレオチド−ナノ粒子複合体を採用する検定は、アルカンチオールまたは非環式ジスルフィドをリンカーとして使用して調製された複合体を採用する検定に比べて感度が約10倍であることが認められた。
それぞれのナノ粒子には、複数のオリゴヌクレオチドが結合されることになる。結果として、それぞれのナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体は、相補的配列を有する複数のオリゴヌクレオチドまたは核酸に結合することが可能である。
規定の配列のオリゴヌクレオチドは、本発明の実施における様々な目的に使用される。所定の配列のオリゴヌクレオチドを製造する方法はよく知られている。例えば、Sambrookらの論文、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版、1989)およびF.Eckstein(編)、Oligonucleotides and Analogues、第1版(Oxford University Press、New York、1991)を参照されたい。オリゴヌクレオチドおよびオリゴデオキシリボヌクレオチドの双方に対して固相合成方法が好ましい(よく知られているDNA合成方法は、RNAの合成にも有用である)。オリゴヌクレオチドおよびオリゴデオキシリボヌクレオチドを酵素的に調製することも可能である。標的検体に対する特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドについては、オリゴヌクレオチドに対するタンパク質の如き特異的結合相補体を結合させるための任意の好適な方法を
用いることができる。
粒子、ナノ粒子またはナノ球体表面にオリゴヌクレオチドを結合させるための任意の好適な方法を用いることができる。オリゴヌクレオチドを表面に結合させるための特に好ましい方法は、その開示内容を全体を本願明細書に援用する、1999年6月25日に出願された米国出願第09/344,667号;2000年6月26日に出願された09/603,830号、2001年1月12日に出願された09/760,500号;2001年3月28日に出願された09/820,279号、および2001年8月10日に出願された09/927,777号、ならびに1997年7月21日に出願された国際出願第PCT/US97/12783号、2000年6月26日に出願されたPCT/US00/17507号、2001年1月12日に出願されたPCT/US01/01190号、および2001年3月28日に出願されたPCT/US01/10071号に記載されている熟成ステップに基づく。熟成ステップは、予想外の高い安定性および選択性を有するナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体を提供する。
該方法は、好ましくはナノ粒子に結合することが可能である官能基を備えた部分が共有結合したオリゴヌクレオチドを提供するステップを含む。それらの部分および官能基は、オリゴヌクレオチドをナノ粒子に結合(すなわち化学吸着または共有結合によって結合)させることを可能にする部分である。例えば、アルカンチオール、アルカンジスルフィドまたは環式ジスルフィドが5’または3’末端に共有結合したオリゴヌクレオチドを使用して、金ナノ粒子を含む様々なナノ粒子にオリゴヌクレオチドを結合させることが可能である。
官能基により、オリゴヌクレオチドの少なくともいくつかをナノ粒子に結合させることを可能にするのに十分な時間にわたって、オリゴヌクレオチドを水中のナノ粒子に接触させる。当該時間は経験的に決定されうる。例えば、約12から24時間の時間が良好な結果をもたらすことが確認された。オリゴヌクレオチドを結合させるための他の好適な条件も経験的に決定することが可能である。例えば、ナノ粒子の濃度を10から20nMとすること、および室温で温置することにより良好な結果が与えられる。
次に、少なくとも1つの塩を水に添加して、塩溶液を形成する。その塩は、任意の好適な水溶性塩でありうる。例えば、その塩は、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、これらの塩の2つ以上の組合せ、またはこれらの塩のうちの1つをリン酸緩衝液に含めたものであってもよい。その塩を濃縮液に添加することが好ましいが、固体に添加することも可能である。その塩を一時に水に添加することも可能であり、または時間をかけて徐々に添加する。「時間をかけて徐々に」とは、塩を一定時間の間隔をおいて少なくとも二回に分けて添加することを意味する。好適な時間間隔は経験的に決定されうる。
塩溶液のイオン強度は、オリゴヌクレオチド同士の静電反発力、および正電荷を帯びたナノ粒子に対する負電荷を帯びたオリゴヌクレオチドの静電引力、または負電荷を帯びたナノ粒子に対する負電荷を帯びたオリゴヌクレオチドの静電反発力を少なくとも部分的に克服するのに十分なものでなければならない。時間をかけて徐々に塩を添加することにより静電引力および反発力を徐々に低減することは、ナノ粒子状のオリゴヌクレオチドの最大の表面密度を与えることが確認された。好適なイオン強度は、それぞれの塩または塩の組合せに対して経験的に決定されうる。好ましくは塩化ナトリウムの濃度を経時的に徐々に増加させて、リン酸緩衝液における約0.1Mから約1.0Mの塩化ナトリウムの最終濃度とすることは、良好な結果を与えることが確認された。
塩を添加した後に、十分な追加的なオリゴヌクレオチドがナノ粒子に結合して、安定し
たナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体を生成することを可能にするのに十分な追加的時間にわたって、オリゴヌクレオチドおよびナノ粒子を塩溶液中で温置する。以下に詳細に記載するように、ナノ粒子上のオリゴヌクレオチドの表面密度が高くなると、複合体が安定することが確認された。この温置の時間は、経験的に決定されうる。約24から48時間、好ましくは40時間の合計温置時間は、良好な結果を与えることが確認された(これは、温置の合計時間である。上記のように、この合計時間にわたって塩濃度を徐々に高くすることが可能である)。塩溶液におけるこの第2の温置時間は、本明細書では、「熟成」ステップと称する。この「熟成」ステップに対する他の好適な条件は経験的に決定されうる。例えば、室温でpH7.0の温置は良好な結果を与える。
「熟成」ステップを用いることによって製造された複合体は、「熟成」ステップを用いずに製造された複合体よりはるかに安定していることが確認された。上記のように、この安定性の向上は、「熟成ステップ」によって達成される、ナノ粒子の表面上のオリゴヌクレオチドの密度の増加によるものである。「熟成」ステップによって達成される表面密度は、ナノ粒子の粒径および種類、ならびにオリゴヌクレオチドの長さ、配列および濃度に依存することになる。ナノ粒子とオリゴヌクレオチドの所望の組合せに対して、ナノ粒子を安定させるのに十分な表面密度、およびそれを得るのに必要な条件は、経験的に決定されうる。一般に、少なくとも10ピコモル/cmの表面密度は、安定なナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体を提供するのに十分である。好ましくは、表面密度は少なくとも15ピコモル/cmである。表面密度が大きすぎる場合は、核酸およびオリゴヌクレオチド標的にハイブリダイズする複合体のオリゴヌクレオチドの能力が低下しうるため、表面密度は、約35から40ピコモル/cmを上回らないことが好ましい。
本明細書に用いられる場合、「安定」とは、複合体が製造された後少なくとも6ヶ月の期間にわたって、オリゴヌクレオチドの大半がナノ粒子に結合されたままであり、オリゴヌクレオチドは、核酸検出方法およびナノ製造方法で用いられる標準的な条件下で核酸およびオリゴヌクレオチド標的にハイブリダイズすることができることを意味する。
ナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体のハイブリダイゼーションの効率を、認識部およびスペーサ部を備える認識オリゴヌクレオチドの使用によって、飛躍的に高めることが可能であることが確認されている。「認識オリゴヌクレオチド」は、核酸またはオリゴヌクレオチド標的の配列の少なくとも一部に相補的な配列を備えるオリゴヌクレオチドである。本実施形態において、認識オリゴヌクレオチドは、認識部およびスペーサ部を備え、認識部が核酸またはオリゴヌクレオチド標的に対してハイブリダイズする。認識オリゴヌクレオチドのスペーサ部は、ナノ粒子に結合できるように設計される。例えば、スペーサ部には、ナノ粒子に結合できる官能基を含む成分が共有結合することが可能である。これらは、上述したものと同じ成分および官能基である。認識オリゴヌクレオチドのスペーサ部がナノ粒子に結合することにより、認識部は、ナノ粒子の表面から離れ、標的とのハイブリダイゼーションがより容易になる。認識部のナノ粒子からの間隔を良好にするスペーサ部の長さおよび配列は、経験的に決定されうる。少なくとも10のヌクレオチド、好ましくは10から30のヌクレオチドを備えたスペーサ部が良好な結果を与えることが確認されている。スペーサ部は、ナノ粒子または核酸もしくはオリゴヌクレオチド標的に結合する認識オリゴヌクレオチドの能力を損なわない任意の配列を有することができる。例えば、スペーサ部は、互いに相補的な配列、認識オリゴヌクレオチドの配列に相補的な配列、または認識オリゴヌクレオチドの核酸もしくはオリゴヌクレオチド標的の配列に相補的な配列を有することはない。好ましくは、これにより上述した問題が全く生じなければ、スペーサ部のヌクレオチドの塩基はすべてアデニン、すべてチミン、すべてシチジニンまたはすべてグアニンである。より好ましくは、塩基はすべてアデニンまたはすべてチミジンである。最も好ましくは、塩基は、すべてチミンである。
認識オリゴヌクレオチドに加えて、希釈ヌクレオチドを使用すると、所望のレベルのハイブリダイゼーションを与える複合体を調製する手段が提供される。希釈および認識オリゴヌクレオチドは、複合体を調製するためにナノ粒子と接触させる溶液における割合とほぼ同じ割合でナノ粒子に結合することが確認された。したがって、ナノ粒子に結合した認識オリゴヌクレオチドに対する希釈オリゴヌクレオチドの割合を、複合体が所望の数のハイブリダイゼーション事象に関与するように制御することが可能である。希釈オリゴヌクレオチドは、ナノ粒子に結合する、または核酸もしくはオリゴヌクレオチド標的に結合する認識オリゴヌクレオチドの能力を損なわない任意の配列を有することができる。例えば、希釈オリゴヌクレオチドは、認識オリゴヌクレオチドの配列、または認識オリゴヌクレオチドの核酸もしくはオリゴヌクレオチド標的の配列に相補的な配列を有することはない。希釈オリゴヌクレオチドは、また、認識オリゴヌクレオチドがそれらの核酸またはオリゴヌクレオチド標的に結合できるように、認識オリゴヌクレオチドよりも短いことが好ましい。認識オリゴヌクレオチドがスペーサ部を備える場合は、希釈オリゴヌクレオチドは、最も好ましくは、スペーサ部と長さがほぼ同じである。このように、希釈オリゴヌクレオチドは、核酸またはオリゴヌクレオチド標的にハイブリダイズする認識オリゴヌクレオチドの認識部の能力を損なわない。さらにより好ましくは、希釈オリゴヌクレオチドは、認識オリゴヌクレオチドのスペーサ部の配列と同じ配列を有する。
本発明の別の実施形態において、粒子複合体プローブが提供される。それぞれの種類の粒子複合体プローブは、特定の標的検体に対する所定のレポータオリゴヌクレオチドまたはバーコードを含む。標的検体の存在下では、粒子複合体と標的検体との結合相互作用の結果として凝集体が生成される。これらの凝集体を任意の好適な手段、例えば熱変性によって分離、分析して、1つまたは複数の異なる種類のレポータオリゴヌクレオチドの存在を検出することが可能である。本発明を実施する上で、ナノ粒子複合体プローブが好ましい。
したがって、本発明の1態様において、粒子複合体プローブは、オリゴヌクレオチドが結合した粒子、1つまたは複数のDNAバーコード、および特定の標的検体に対する特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドを備え、(i)DNAバーコードは、少なくとも2つの部分を有する配列を有し、(ii)粒子に結合されたオリゴヌクレオチドの少なくともいくつかは、DNAバーコードの第1の部分に相補的である配列を有し、(iii)特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドは、DNAバーコードの第2の部分に相補的である配列を有し、(iv)それぞれの種類の粒子結合体プローブにおけるDNAバーコードは、異なる配列であり、特定の標的検体に対する識別子として機能する配列を有する。
本実施形態の別の態様において、粒子複合体プローブは、少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドが結合した粒子、1つまたは複数のDNAバーコード、および標的検体に対する特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドを備え、プローブに結合した第1の種類のオリゴヌクレオチドは、DNAバーコードの少なくとも一部に相補的な配列を有し、プローブに結合した第2の種類のオリゴヌクレオチドは、特異的結合相補体を有するオリゴヌクレオチドの配列の少なくとも一部に相補的である配列を有する。
本実施形態の別の態様において、粒子複合体プローブは、オリゴヌクレオチドが結合した粒子、1つまたは複数のDNAバーコード、および標的検体に対する特異的結合相補体を備え、粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部は、DNAバーコードの配列の少なくとも一部に相補的である配列を有し、DNAバーコードは、特定の標的検体に対する識別子として機能する。
本発明のさらに別の実施形態において、粒子複合体プローブが提供される。したがって
、本発明の1実施形態において、オリゴヌクレオチドが結合した粒子、DNAプローブ、および特定の標的検体に対する特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドを備え、(i)DNAバーコードは、少なくとも2つの部分を有する配列を有し、(ii)粒子に結合されたオリゴヌクレオチドの少なくともいくつかは、DNAバーコードの第1の部分に相補的である配列を有し、(iii)特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドは、DNAバーコードの第2の部分に相補的である配列を有し、(iv)それぞれの種類の粒子複合体プローブにおけるDNAバーコードは、異なる配列であり、特定の標的検体に対する識別子として機能する配列を有する粒子複合体プローブが提供される。
本発明の別の実施形態において、少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドが結合した粒子、DNAバーコード、および標的検体に対する特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドを備え、プローブに結合した第1の種類のオリゴヌクレオチドは、DNAバーコードの少なくとも一部に相補的である配列を有し、プローブに結合した第2の種類のオリゴヌクレオチドは、特異的結合相補体を有するオリゴヌクレオチドの配列の少なくとも一部に相補的である配列を有する粒子複合体プローブが提供される。
本発明のさらに別の実施形態において、オリゴヌクレオチドが結合した粒子、DNAバーコード、および標的検体に対する特異的結合相補体を備え、粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部は、DNAバーコードの配列の少なくとも一部に相補的である配列を有し、DNAバーコードは、特定の標的検体に対する識別子として機能する粒子複合体プローブが提供される。
本発明のさらに別の実施形態において、ナノ粒子、ナノ粒子に結合した特異的結合対の構成要素、ナノ粒子に結合した少なくとも1種類のオリゴヌクレオチド、およびそれぞれ所定の配列を有する少なくとも1種類のDNAバーコードを備え、それぞれの種類のDNAバーコードは、少なくとも1種類のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に対してハイブリダイズされる検出プローブが提供される。
好ましくは、粒子は、金属、半導体、絶縁体または磁性ナノ粒子の如き上述のナノ粒子を含む。好ましくは、粒子は、金属ナノ粒子である。特異的結合相補体または結合対構成要素および標的検体は、核酸、オリゴヌクレオチド、ペプチド核酸、ポリペプチド、抗体、抗原、炭水化物、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、ホルモン、ステロイド、ビタミン、薬物、ウイルス、多糖類、脂質、リポ多糖、糖タンパク質、リポタンパク質、核タンパク質、オリゴヌクレオチド、抗体、免疫グロブリン、アルブミン、ヘモグロビン、凝固因子、ペプチドおよびタンパク質ホルモン、非ペプチドホルモン、インターロイキン、インターフェロン、サイトカイン、腫瘍に特異的なエピトープを含むペプチド、細胞、細胞表面分子、微生物、微生物の断片、部分、成分または生成物、小有機分子、核酸およびオリゴヌクレオチド、上記の物質のいずれかの代謝物質または抗体を含む特異的結合対の構成要素である。
本発明の別の実施形態において、試料中の少なくとも2つの結合部位を有する1つまたは複数の標的検体の存否を検出するための方法が提供される。本発明の本実施形態の1態様において、
基体を提供するステップと、
特定の標的検体に対する1つまたは複数の特異的結合相補体、および1つまたは複数のDNAバーコードが結合された粒子をそれぞれ備えた1つまたは複数の種類の粒子プローブを提供し、それぞれの種類の粒子プローブの特異的結合相補体は、特定の標的検体に特異的であり、それぞれの種類の粒子プローブに対するDNAバーコードは、特定の標的検体に対するマーカとして機能するステップと、
標的検体を基体上に固定するステップと、
標的検体と検体に対する特異的結合相補体との結合を可能にし、標的検体の存在下で複合体を形成するのに有効な条件下で、固定された標的検体を1つまたは複数の粒子プローブに接触させるステップと、
基体を洗浄して、未結合の粒子プローブを除去するステップと、
場合によってはDNAバーコードを増幅するステップと、
増幅されたDNAバーコードの存否を検出し、マーカの存否は、試料中の特定の標的検体の存否を示すステップと、を含む方法が提供される。
本発明の本実施形態の1態様において、標的検体は、タンパク質またはハプテンであり、特異的結合相補体は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体を含む抗体である。
本発明の別の態様において、任意の好適な基体を使用することができる。基体を標的検体に対する1つまたは複数の種類の捕獲プローブと整列させることができる。
本発明の本態様において、バーコードを分離することができる。検体検出は、DNAチップの如き任意の好適な手段によってレポータオリゴヌクレオチドまたはバイオバーコードの存在を確認することにより間接的に行われる。
DNAバーコードは、場合によって、PCR増幅を含む任意の好適な手段によって増幅され、次いで任意の好適な検出プローブを使用する任意の好適なDNA検出システムによって検出されうる。粒子は、好ましくは、十分なシグナル増幅を提供し、DNAバーコード増幅の必要性を排除するのに十分な量のDNAバーコードで標識される。本発明を実施する上で、PCR法による増幅が好ましい。DNAバーコードのPCR増幅(本明細書ではBPCRとも称する)は、アトモルレベルでタンパク質標的を検出することを可能にする。図6に例示されている検定は、ハイブリダイズされたオリゴヌクレオチド(バイオバーコード)36およびポリクローナル検出抗体で強く機能化された新しい種類のナノ粒子を利用して、標的検体、すなわち前立腺特有抗原(PSA)を認識する(実施例5)。加えて、磁性酸化鉄芯を有するポリアミン微粒子(1μm直径)をPSAモノクローナル抗体で機能化する(図6および実施例5)。金粒子とポリアミン微粒子は、PSA標的を挟み、タンパク質標的に対するバーコードDNAの割合が大きい複合体を生成する(それぞれの粒子が200鎖までのDNAを支持することが可能な13nmの粒子について。これは、この粒径の粒子に対する上限である)。磁界の印加により、数秒間で磁性微粒子が反応容器の壁に引きつけられ、反応混合物から反応済および未反応の両微粒子、そして反応済ナノ粒子を分離することが可能になる。凝集構造体をナノ純水(18メガオーム)で洗浄することにより、バーコードDNAをナノ粒子−固定相補体から脱ハイブリダイズする。磁性分離器を使用して、凝集体を検定溶液から容易に除去し、バーコードDNAを残し、PCRを使用してそれを増幅し、続いて即座に標準的なDNA検出法(走査法11、ゲル電気泳動または蛍光体標識手法)によって識別することが可能である。PSAは、米国の男性の中で最も多い癌の1つで二番目の死因である前立腺癌の早期検出において重要であるため、これらの試験のための最初の標的として選択された47、48。重要なことは、PSAを低量(数十部)で存在するマーカとして使用して前立腺癌の外科治療に続く疾病再発を確認することは、極めて有益であり、治療補助剤の配達を可能にする46、49
実施例5〜6では、BPCRは、ゲル電気泳動または走査マイクロアレイ検出を用いて背景タンパク質の存在下で低アトモル濃度でタンパク質検体、すなわちPSAを検出するための極めて有力な方法であることを実証する。この方法は、現行のタンパク質検定方法に比べていくつかの利点がある。第1に、検定の標的結合タンパク質は均質である。したがって、大量の磁性微粒子を反応容器に添加して、検出抗体と標的検体との結合運動を促進させることが可能である。これは、捕獲ステップがより効率的であるため、不均一系より高速であるとともに感度を高めることができる検定をもたらすものである。第2に、ナ
ノ粒子バイオバーコードを使用すると、PCR増幅可能DNAの標識抗体に対する割合が高くなり、検定感度を実質的に高めるように機能する。例えば、本明細書に報告されているBPCR検定は、3aM濃度でPSAを検出することが可能であるが、PCRをベースとした免疫検定は、同じ標的検体に対して3fMの検出限界を有することが報告されている43。第3に、この検定は、DNAを標識抗体に結合するための複雑な共役化学作用を不要とする。バーコードDNAは、標識反応の開始時にハイブリダイゼーションを通じてナノ粒子プローブに結合され、単純な洗浄ステップを用いたPCR増幅に向けて放出される。標識抗体およびDNAが同じ粒子上に存在するため、バーコードDNAのPCR増幅の前にさらなる抗体またはDNA−タンパク質複合体を添加する必要はない。加えて、バーコードDNAは、検出検定から除去され、PCRは、PSAのないバーコードDNAの試料、たいていの生体試料、微粒子およびナノ粒子上で実施される。これにより、実質的には、バックグラウンドシグナルが低下する。最後に、このタンパク質検出スキームは、1つの溶液中の多くの検体の大量多重および同時検出の潜在性を有する。PSAシステムは、概念の証明に用いられるが、知られている結合相手によるほぼあらゆる標的に対して汎用的であり、ナノ粒子をベースとしたバイオバーコード手法36を用いることによって、実質的にあらゆる対象標的に対する特異的な識別可能バーコードを調製することが可能である。
実施例9は、本発明のプローブは試料中の標的検体の量の直接的な検出および測定を行うことが可能であることを実証する。したがって、バーコードDNAを増幅させるためのBPCRを含むステップを必要とせずに、優れた感度および検出限界(図6B(ステップ4)、図9(挿入図)および図12)が達成される。
複合体形成後に基体の表面から未結合のプローブを除去する任意の好適な洗浄液を使用することができる。代表的な例としては、PBS(リン酸緩衝液)が挙げられるが、それに限定されない。
標的検体の存在下で、ナノ粒子複合体プローブと標的検体との結合相互作用の結果として、ナノ粒子凝集複合体が生成される。これらの凝集体は、分離され、凝集体を脱ハイブリダイズし、レポータオリゴヌクレオチドを放出するのに有効な条件が施される。次いで、レポータオリゴヌクレオチドが分離される。望まれる場合は、PCR増幅を含む任意の好適な手段によってレポータオリゴヌクレオチドを増幅させることができる。検体検出は、DNAチップの如き任意の好適な手段によってレポータオリゴヌクレオチドまたはバイオバーコードの存在を確認することにより間接的に行われる。
次いで、任意の好適な手段によってDNAバーコードまたはレポータオリゴヌクレオチドを検出することができる。一般には、DNAバーコードは、検出前に、脱ハイブリダイゼーションを介して複合体から剥離される。DNAバーコードを脱ハイブリダイズさせ、複合体から剥離させる任意の好適な溶液または媒体を使用することができる。代表的な媒体は水である。
捕獲オリゴヌクレオチドが結合した基体を使用して、凝集体の脱ハイブリダイゼーションにより剥離されたDNAバーコードを直接検出することが可能である。オリゴヌクレオチドは、レポータオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分に相補的な配列を有する。DNAバーコードを検出する方法のいくつかの実施形態は、相補的オリゴヌクレオチドが結合した基体を利用して、レポータオリゴヌクレオチドを捕獲する。次いで、任意の好適な手段によってこれらの捕獲レポータオリゴヌクレオチドを検出する。基体を採用することによって、検出可能な変化(シグナル)を増幅させ、検定の感度を高めることが可能である。
オリゴヌクレオチドを基体に結合させるための任意の好適な方法を用いることができる。例えば、Chriseyらの論文、Nucleic Acids Res.24、3031−3039(1996);Chriseyらの論文、Nucleic Acids Res.、24、3040−3047(1996);Mucicらの論文、Chem.Commun.、555(1996);ZimmermannおよびCox、Nucleic Acids Res.、22、492(1994);Bottomleyらの論文、J.Vac.Sci.Technol.A、10、591(1992);およびHegnerらの論文、FEBS Lett.、336、452(1993)に記載されているように、オリゴヌクレオチドを基体に結合させることが可能である。
基体に結合されたオリゴヌクレオチドは、検出すべきレポータオリゴヌクレオチドの配列の第1の部分に相補的な配列を有する。基体上のオリゴヌクレオチドのレポータオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを可能にするのに有効な条件下で、レポータオリゴヌクレオチドを基体に接触させる。このように、レポータオリゴヌクレオチドが基体に結合される。好ましくは、ナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体の如き検出プローブを添加する前に、未結合レポータオリゴヌクレオチドを基体から洗浄する。
本発明の1態様において、基体上のオリゴヌクレオチドに結合したレポータオリゴヌクレオチドを、オリゴヌクレオチドが結合された第1の種類のナノ粒子に接触させる。オリゴヌクレオチドは、レポータオリゴヌクレオチドの配列の第2の部分に相補的な配列を有し、ナノ粒子上のオリゴヌクレオチドのレポータオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを可能にするのに有効な条件下で接触が行われる。このようにして、第1の種類のナノ粒子が基体に結合される。ナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体が基体に結合された後に、基体を洗浄して、未結合のナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体を除去する。
第1の種類のナノ粒子上のオリゴヌクレオチドは、すべて同じ配列を有していてもよいし、検出すべきレポータオリゴヌクレオチドの異なる部分にハイブリダイズする異なる配列を有していてもよい。異なる配列を有するオリゴヌクレオチドが使用される場合は、それぞれのナノ粒子は、すべての異なるオリゴヌクレオチドが結合されていてもよく、あるいは、好ましくは、異なるオリゴヌクレオチドが異なるナノ粒子に結合される。あるいは、第1の種類のナノ粒子のそれぞれにおけるオリゴヌクレオチドは、複数の異なる配列を有することができ、その少なくとも1つが、検出すべきレポータオリゴヌクレオチドの一部にハイブリダイズされなければならない。
場合によって、基体に結合した第1の種類のナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体を、オリゴヌクレオチドが結合された第2の種類のナノ粒子に接触させる。これらのオリゴヌクレオチドは、第1の種類のナノ粒子に結合されたオリゴヌクレオチドの配列の少なくとも一部に相補的な配列を有し、第1の種類のナノ粒子上のオリゴヌクレオチドの第2の種類のナノ粒子上のオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを可能にするのに有効な条件下で接触が行われる。ナノ粒子が結合した後に、基体を洗浄して、未結合のナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体を除去するのが好ましい。
ハイブリダイゼーションの組合せは、検出可能な変化をもたらす。検出可能な変化は、多重ハイブリダイゼーションが検出可能な変化をもたらすことを除いて、上述の変化と同じである。特に、第1の種類のナノ粒子のそれぞれには多数のオリゴヌクレオチド(同一または異なる配列を有する)が結合されているため、第1の種類のナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体のそれぞれは、複数の第2の種類のナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体に対してハイブリダイズすることが可能である。また、第1の種類のナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体を、検出すべきレポータオリゴヌクレオチドの2つ以上の部分に対してハイブリダイズすることができる。多重ハイブリダイゼーションによってもたらされる増
幅は、変化を初めて検出可能にすることができ、あるいは検出可能な変化の規模を増大させることができる。この増幅は、検定の感度を高め、少量のレポータオリゴヌクレオチドの検出を可能にする。
望まれる場合は、第1および第2の種類のナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体を連続的に添加することによって、追加的なナノ粒子の層を提供することができる。このように、標的核酸の分子毎に固定されたナノ粒子の数をさらに増加させ、それに対応してシグナルの強度を高めることが可能である。
また、互いに直接ハイブリダイズするように設計された第1および第2の種類のナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体を使用する代わりに、結合オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションの結果としてナノ粒子同士を結合するように機能するオリゴヌクレオチドを担持するナノ粒子を使用することも可能である。
基体を採用する場合は、標的レポータオリゴヌクレオチドの多数の部分を検出するために、多数の異なるレポータオリゴヌクレオチドを検出するために、またはその双方のために、複数の最初の種類のナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合体またはオリゴヌクレオチドを基体にアレイ状に結合させることが可能である。例えば、標的レポータオリゴヌクレオチドの一部に結合するように設計された異なる種類のオリゴヌクレオチドをそれぞれ含むスポットの列を基体に設けることができる。1つまたは複数のレポータオリゴヌクレオチドを含む試料を各スポットに塗布し、適切なオリゴヌクレオチド−ナノ粒子複合体を使用して、上述の方法の1つで検定の残りを実施する。
さらに別の態様において、BPCRによる検体検出の方法、ならびに直接的検出を、基体、例えばガラス、金、シリコン、ニッケルおよびプラスチック上の検体検出を含む方法で使用されるように構成することが可能である。これらの方法を、DNA−タンパク質結合事象、生理的タンパク質−タンパク質結合または二量化、および先述した他の生体分子相互作用の如き他の生物および化学的認識事象を検出するように構成することも可能である。
本態様の一実施形態において、該方法は、それぞれの標的検体に対する1つまたは複数の種類の捕獲プローブを基体に結合させるステップと、基体を試験溶液に接触させるステップと、場合によっては試験溶液を基体から洗浄するステップと、続いて基体をそれぞれの標的検体に対する1つまたは複数の検出プローブに接触させるステップと、未結合の検出プローブを除去するステップと、観察可能なシグナルを検出するステップとを含み、観察可能なシグナルの検出は、試験溶液中の標的検体の存在を示す。
本発明の本態様において、本明細書に記載されている任意の方法を用いて、観察可能なシグナルを検出することが可能である。例えば、バーコードDNAの直接的検出、BPCR増幅バーコードDNAの検出、1つまたは複数の種類の検出プローブの凝集の検出(例:目視検査、蛍光、比色、電気化学、電子、濃度測定および放射活性等による)、あるいはバーコードDNAの少なくとも一部に相補的である配列、および検出可能なシグナル部分(例:蛍光標識)を備えたレポータヌクレオチドを使用することによる。
基体が採用される場合は、検出可能な変化を生成するか、または銀もしくは金染色の如き染色によってさらに増強させることが可能である。銀染色は、銀の還元を触媒する任意の種類のナノ粒子に採用されうる。貴金属(例:金および銀)製のナノ粒子が好ましい。Bassellらの論文、J.Cell Biol.、126、863−876(1994);およびBraun−Howlandらの論文、Biotechniques、13、928−931(1992)を参照されたい。核酸の検出に対して採用されるナノ粒子
が銀の還元を触媒しない場合は、銀イオンを核酸に複合させて、還元を触媒することが可能である。Braunらの論文、Nature、391、775(1998)を参照されたい。また、核酸上のリン酸塩基と反応することができる銀染料が知られている。
銀染色を用いて、上述の変化を含めて、基体上で実施される任意の検定における検出可能な変化を生成または増強することが可能である。特に、銀染色は、ナノ粒子の層の使用をしばしば除外できるように、単一の種類のナノ粒子を採用する検定の感度を著しく高めることが確認された。
基体上で実施されるレポータオリゴヌクレオチドの検出のための検定において、検出可能な変化を光学スキャナで観察することが可能である。好適なスキャナとしては、反射モードで動作することが可能である、コンピュータに文書を走査するのに使用されるスキャナ(例:平床式スキャナ)、この機能を果たすことが可能である、または同じ種類の光学素子を利用する他のデバイス、任意の種類のグレースケール感応測定デバイス、および本発明による基体を走査するように改造された標準的なスキャナ(例:基体用ホルダを含むように改造された平床式スキャナ)(今日まで、透過モードで動作するスキャナを使用することが可能であると見なされていなかった)がある。スキャナの解像度は、基体上の反応面積がスキャナの単一の画素より大きくなる程度のものでなければならない。検定によって生成された検出可能な変化を基体に対して観察することが可能であれば、スキャナを任意の基体に使用できる(例:銀染色によって生成されたグレースポットの如きグレースポットは、白色の背景に対して観察することができるが、グレーの背景に対しては観察することができない)。スキャナは白黒スキャナ、または好ましくはカラースキャナでありうる。最も好ましくは、スキャナは、文書をコンピュータに走査するのに使用される種類の標準的なカラースキャナである。当該スキャナは安価で、商業的に容易に入手可能である。例えば、Epson Expression 636(600×600dpi)、UMAX Astra 1200(300×300dpi)またはMicrotec 1600(1600×1600dpi)を使用することが可能である。スキャナは、基体を操作することによって得られる画像を処理するためのソフトウェアがロードされたコンピュータに接続される。ソフトウェアは、Adobe Photoshop 5.2およびCorel Photopaint 8.0の如き商業的に容易に入手可能である標準的なソフトウェアでありうる。そのソフトウェアを用いてグレースケール測定値を計算することは、検定の結果を定量する手段となる。そのソフトウェアは、着色スポットに対する色数を与え、核酸の存在の定性測定、核酸の定量または双方を行うために精査することができるスキャンの画像(例:印刷出力)を生成することも可能である。コンピュータは、商業的に容易に入手可能である標準的なパーソナルコンピュータでありうる。したがって、標準的なソフトウェアがロードされた標準的なコンピュータに接続された標準的なスキャナを使用することは、検定を基体上で実施する場合に核酸の検出および定量を行う便利、容易かつ安価な手段となりうる。さらなる参照または使用のためにスキャンをコンピュータに格納して、その結果の記録を維持することも可能である。勿論、望まれる場合は、より精密な計器およびソフトウェアを使用することが可能である。
本発明の別の実施形態において、それぞれが少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存否を検出するための方法であって、
それぞれが特定の標的検体の第1の結合部位に対する特異的結合相補部分を備えた、基体に結合した1つまたは複数の種類の捕獲プローブを提供するステップと、
オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子、特定の標的検体の第2の結合部位に対する1つまたは複数の特異的結合相補体、特定の標的検体に対するマーカとして機能する1つまたは複数のDNAバーコードをそれぞれ備えた1つまたは複数の種類の検出プローブを提供し、DNAバーコードの配列の少なくとも一部が、ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくともいくつかに対してハイブリダイズされるステップと、
標的検体とプローブの特異的結合相互作用を可能にし、標的検体の存在下で凝集複合体を形成するのに有効な条件下で、試料と捕獲プローブと検出プローブとを接触させるステップと、
基体を洗浄して、未結合検出プローブを除去するステップと、
基体上の任意の凝集複合体におけるDNAバーコードの存否を検出し、DNAバーコードの存否の検出は、試料中の標的検体の存否を示すステップと、を含む方法が提供される。
本発明の本実施形態の1態様において、検出プローブは、(i)特定の標的検体の第2の結合部位に対する1つまたは複数の特異的結合相補体、(ii)ナノ粒子に結合した少なくとも1種類のオリゴヌクレオチド、および少なくとも1種類のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に相補的である所定の配列を有するDNAバーコードを備え、それぞれの種類の検出プローブに結合したDNAバーコードは、特定の標的検体に対するマーカとして機能する。
本実施形態の別の態様において、該方法は、前記検出ステップの前に、
複合体を脱ハイブリダイズさせ、DNAバーコードを剥離させるのに有効な条件を凝集複合体に施すステップと、
前記検出前に、場合によってはDNAバーコードを増幅させるステップと、を含む。
本発明の別の態様において、捕獲プローブは、磁性微粒子、例えば磁性酸化鉄を有するポリスチレンMMPの如き磁性基体に結合される。これにより、複合体が溶液から容易に除去される。次いで、上述の基体をベースとした検出技術を用いて直接的に、または増幅、そしてその後の検出技術によって間接的にDNAバーコードを検出することが可能である。以下の実施例において、オリゴヌクレオチド修飾ナノ粒子(NP)、磁性微粒子(MMP)、およびそれに続く1つまたは複数の核酸配列の増幅器として機能するバーコードDNAの検出に基づく方法が記載されている。好ましくは、オリゴヌクレオチド修飾ナノ粒子は、金ナノ粒子を備える。標的DNAシグナルの存否の(バーコードDNAの検出による)検出は、好ましくは、上述の基体をベースとした検出を用いて実施される。
1態様において、本発明は、PCR法に依存せず、オリゴヌクレオチド修飾ナノ粒子(NP)、磁性微粒子(MMP)、およびバーコードDNAの形の増幅標的核酸の検出に基づく標的核酸増幅法を提供する。本態様の1実施形態において、オリゴヌクレオチド修飾ナノ粒子(NP)は、金ナノ粒子である。本態様の別の実施形態において、チップをベースとした検出方法を用いて、増幅DNAシグナル(標的配列に特異的なバーコードDNA)の検出を行う。本態様の別の実施形態において、バーコードDNAは、対象となるそれぞれの標的核酸分子に特異的な配列を備え、試験溶液中の多数の標的核酸配列の特異的検出を可能にする。
本発明の別の態様において、バーコードDNAは、試験試料中の対象となるそれぞれの特定の標的検体に特異的な配列を備え、単一の検定/試験溶液中の多数の特定の標的の検出を可能にする。実施例に示されるように、約500ゼプトモル(zM)程度の検出限界を達成することが可能である(「ゼプト」の桁は10−21である。例えば、全量20μLの試料に10部)。当該検出限界は、標的核酸分子のPCRなしの検出の感度の著しい向上を表す。
本態様において、標的DNA検出(DNA−BCA)のための二種類のプローブが提供される。特定の実施形態において、第1の種類のプローブは、標的配列の少なくとも一部に相補的であるオリゴヌクレオチドで機能化された磁性酸化鉄芯を有するポリスチレンMMPである。MMPのオリゴヌクレオチドの相補的部分は、特定の検出条件(例:緩衝シ
ステム、標的核酸配列および温度等)に応じて様々な長さを有することが可能である。
別の実施形態において、第2のプローブは、二種類のオリゴヌクレオチドで修飾されたナノ粒子を備え、一方の種類は、MMPによって認識される標的上の領域と異なる標的配列の少なくとも一部に相補的である配列を備え、他方の種類は、バーコードDNA配列の少なくとも一部に相補的である配列を備え、そのDNAバーコードは、特定の標的配列に対する独自の識別標識を提供する。特定の実施形態において、ナノ粒子は金ナノ粒子である。さらなる実施形態において、金ナノ粒子は、13、20または30nmの金ナノ粒子を含む。
ナノ粒子表面上の標的結合配列に対するバーコードDNAの比をそれぞれの検定に応じて変更することが可能である。バーコードDNAのPCRなしの検出に対応させるために、バーコードDNAの標的結合DNAの比は、1:1より大きく、好ましくは約25:1であり、より好ましくは約50:1であり、最も好ましくは約100:1である。標的配列ではなく、バーコードDNAは、DNA−BCA法で識別され、検出されるため、より高い比がPCRなしの標的増幅に対応する。例えば、13nmの金ナノ粒子は、粒子毎に少なくとも100のチオール化DNA鎖を収容することが可能である73。20および30nmのナノ粒子については、オリゴヌクレオチド量が同等で、それぞれの粒子が球状であると仮定すると、それらの粒子は、それぞれ約240および530の固定オリゴヌクレオチドを収容することが可能である。
本実施形態の別の態様において、ナノ粒子に結合した特異的結合相補体は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体である。
本実施形態の別の態様において、捕獲プローブに結合した特異的結合相補体は、モノクローナル抗体である。
本実施形態の別の態様において、抗体は抗PSA抗体である。
本実施形態の別の態様において、該方法は、前記洗浄ステップの前に、
磁性微粒子に結合した凝集複合体に磁界を印加することによって、洗浄前に凝集複合体を分離するステップをさらに含む。
本実施形態の別の態様において、該方法は、凝集複合体を脱ハイブリダイズさせ、DNAバーコードを剥離させるのに有効な条件を、分離された凝集複合体に施すステップをさらに含む。
本実施形態の別の態様において、剥離されたDNAバーコードをPCRの如き任意の好適な技術で増幅させる。
本実施形態の別の態様において、標的検体は、少なくとも2つの部分を有する核酸である。
本実施形態の別の態様において、標的検体は、少なくとも2つの部分の配列を有する標的核酸であり、検出プローブは、DNAバーコードに相補的である配列を有するオリゴヌクレオチドを有し、検出プローブの特異的結合相補体は、標的核酸の第1の部分に相補的である配列を有する第1の標的認識オリゴヌクレオチドを備え、捕獲プローブの特異的結合相補体は、標的核酸の少なくとも第2の部分に相補的である配列を有する第2の標的認識オリゴヌクレオチドを備える。
本実施形態の別の態様において、標的検体は、少なくとも2つの部分の配列を有する標的核酸であり、検出プローブは、オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子を備え、DNAバーコードは、検出プローブに結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に相補的で
ある配列を有し、特異的結合相補体は、少なくとも第1および第2の部分の配列を有する標的認識オリゴヌクレオチドを備え、第1の部分は、標的核酸の第1の部分に相補的であり、第2の部分は、ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に相補的であり、基体の特異的結合相補体は、標的核酸の第2の部分に相補的である少なくとも一部分を有する標的認識オリゴヌクレオチドを備える。
本実施形態の別の態様において、検出プローブは、上述したデンドリマーナノ粒子を備える。
本発明のさらに別の実施形態において、それぞれが少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存否を検出するための方法であって、
それぞれが(i)磁性微粒子、および(ii)特異的標的検体の第1の結合部位に結合する、磁性微粒子に結合された第1の特異的結合対の第1の構成要素を備えた1つまたは複数の種類の捕獲プローブを提供するステップと、
それぞれが、(i)ナノ粒子、(ii)標的検体の第2の結合部位に結合する、ナノ粒子に結合された第2の特異的結合対の第1の構成要素、(iii)ナノ粒子に結合した少なくとも1種類のオリゴヌクレオチド、および(iv)それぞれが特定の種類のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に相補的であり、特定の標的検体に対するマーカとして機能する所定の配列を有する少なくとも1種類のDNAバーコードを備えた、それぞれの標的検体に対する1つまたは複数の種類の検出プローブを提供するステップと、
標的検体とプローブの特異的結合相互作用を可能にし、標的検体の存在下で磁性微粒子に結合した凝集複合体を形成するのに有効な条件下で、試料を捕獲プローブおよび検出プローブに接触させるステップと、
未結合検出プローブを磁性微粒子から洗浄するステップと、
複合体中のDNAバーコードの存否を検出し、DNAバーコードの検出は、標的検体の存否を示すステップと、を含む方法が提供される。
本実施形態の1態様において、該方法は、前記検出ステップの前に、
磁界を印加することによって凝集複合体を分離するステップと、
DNAバーコードを脱ハイブリダイズさせ、凝集複合体から剥離させるのに有効な条件を凝集複合体に施すステップと、
剥離されたDNAバーコードを分離するステップと、をさらに含む。
本実施形態の別の態様において、本発明は、剥離されたDNAバーコードを増幅させるステップをさらに含む。
本実施形態の別の態様において、該方法は、
DNAバーコードの配列の少なくとも一部に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドが結合した基体を提供するステップと、
オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子を提供し、ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部が、DNAバーコードの少なくとも一部に相補的である配列を有するステップと、
DNAバーコードの少なくとも第1の部分を基体に結合した相補的なオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせ、DNAバーコードの第2の部分をナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドのいくつかにハイブリダイズさせることを可能にするのに有効な条件下で、DNAバーコードと、基体に結合したオリゴヌクレオチドと、ナノ粒子とを接触させるステップと、をさらに備える。
本実施形態の別の態様において、検出の前に、PCRによってDNAバーコードを増幅する。
本実施形態の別の態様において、該方法は、凝集複合体を分析する前に、凝集複合体を分離するステップをさらに含む。
本実施形態の別の態様において、磁界を凝集複合体に印加することによって凝集複合体を分離する。
本実施形態の別の態様において、ナノ粒子は、金ナノ粒子または半導体ナノ粒子の如き金属ナノ粒子である。
本実施形態の別の態様において、特異的結合対は、抗体および抗原、受容体およびリガンド、酵素および基体、薬物および標的分子、アプタマーおよびアプタマー標的、少なくとも部分的に相補的なオリゴヌクレオチドの2つの鎖である。
本実施形態の別の態様において、DNAバーコードをビオチニル化、放射性標識または蛍光標識することができる。
任意の実施形態において、少なくとも2種類の粒子複合体プローブを提供し、第1の種類のプローブは、標的検体上の第1の結合部位に対する特異的結合相補部分を有し、第2の種類のプローブは、プローブ上の第2の結合部位に対する特異的結合相補部分を有する。それぞれが標的検体上の異なる結合部位に対する特異的結合相補部分を有する複数の粒子複合体プローブを提供する。
特異的結合相補体および標的検体は、特異的結合対の構成要素であり、これは、核酸、オリゴヌクレオチド、ペプチド核酸、ポリペプチド、抗体、抗原、炭水化物、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、ホルモン、ステロイド、ビタミン、薬物、ウイルス、多糖類、脂質、リポ多糖、糖タンパク質、リポタンパク質、核タンパク質、オリゴヌクレオチド、抗体、免疫グロブリン、アルブミン、ヘモグロビン、凝固因子、ペプチドおよびタンパク質ホルモン、非ペプチドホルモン、インターロイキン、インターフェロン、サイトカイン、腫瘍に特異的なエピトープを含むペプチド、細胞、細胞表面分子、微生物、微生物の断片、部分、成分または生成物、小有機分子、核酸およびオリゴヌクレオチド、上記の物質のいずれかの代謝物質または抗体を含む。
核酸およびオリゴヌクレオチドは、遺伝子、ウイルスRNAおよびDNA、細菌DNA、真菌DNA、哺乳類DNA、cDNA、mRNA、RNAおよびDNA断片、オリゴヌクレオチド、合成オリゴヌクレオチド、修飾オリゴヌクレオチド、一本鎖および二本鎖核酸、天然および合成核酸、ならびにアプタマーを含む。
標的検体は、核酸であり、特異的結合相補体は、オリゴヌクレオチドである。あるいは、標的検体は、タンパク質またはハプテンであり、特異的結合相補体は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を含む抗体である。あるいは、標的検体は、ゲノムDNA試料からの配列であり、特異的結合相補体は、ゲノム配列の少なくとも一部に相補的である配列を有するオリゴヌクレオチドである。ゲノムDNAは、真核、細菌、真菌またはウイルスDNAでありうる。
特異的結合相補体および標的検体は、抗体−リガンド対の構成要素である。
その第1の結合部位に加えて、第2の結合部位を含むように標的検体を修飾した。
この方法は、凝集複合体を除去する濾過ステップをさらに含むことができ、濾過ステップは、凝集複合体を分析する前に実施する。濾過ステップは、DNAバーコードを含まない試料成分を除去する膜を含む。
本発明の他の実施態様において、試料中の1つまたは複数の標的検体の存否を検出するための方法であって、
結合したオリゴヌクレオチド、特定の標的検体の1つまたは複数の特異的結合相補体、および特定の標的検体に対するマーカとして機能する1つまたは複数のDNAバーコード
をそれぞれ備えた少なくとも1つまたは複数の種類の粒子複合体プローブを提供し、DNAバーコードの配列の少なくとも一部は、ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくともいくつかに対してハイブリダイズされるステップと、
標的検体と粒子複合体プローブとの特異的結合相互作用を可能にし、標的検体の存在下で凝集複合体を形成するのに有効な条件下で、試料を粒子複合体プローブに接触させるステップと、
凝集複合体形成が生じたかどうかを確認するステップと、を含む方法が提供される。
本発明の本態様において、本明細書に記載されている任意の方法を用いて、観察可能なシグナルを検出することが可能である。例えば、バーコードDNAの直接的検出、BPCR増幅バーコードDNAの検出、1つまたは複数の種類の検出プローブの凝集の検出(例:目視検査、蛍光、比色、電気化学、電子、濃度測定および放射活性等による)、あるいはバーコードDNAの少なくとも一部に相補的である配列、および検出可能なシグナル部分(例:蛍光標識)を備えたレポータヌクレオチドを使用することによる。
十分な複合体が存在すると、バックグラウンド基体があろうとなかろうとこの複合体を視覚的に確認することができる。検出可能な変化の確認を可能にする任意の基体を使用することができる。好適な基体には、透明固体表面(例:ガラス、石英、プラスチック、および他のポリマー)、不透明固体表面(例:TLCシリカプレート、ろ紙、ガラス繊維フィルタ、ニトロセルロース膜、ナイロン膜などの白色固体表面)、および導電性固体表面(例:酸化インジウムスズ(ITO))が含まれる。基体は、任意の形または厚さとすることができるが、通常平坦で薄い。ガラス(例:スライドガラス)またはプラスチック(例:マイクロタイタープレートのウェル)などの透明基体が好ましい。
本発明の1態様において、試料中の標的検体、例えば抗体の存在を検出するための方法が提供される。下記の実施例に示される免疫グロブリンE(IgE)または免疫グロブリンG1(IgG1)などの抗体は、適切なハプテン(IgG1の場合はビオチン、IgEの場合はジニトロフェニル(DNP);図1A)で修飾されたオリゴヌクレオチド鎖で予めハイブリダイズされたオリゴヌクレオチド修飾プローブにより検出することができる13,14。下記の実施例に示される概念実証検定におけるDNA配列は、IgG1およびIgEとのプローブ反応から形成する2つの異なる凝集体が、異なる温度で融解することが保証されるように設計した(図1B)。IgG1用プローブは、IgE用プローブよりも長い配列を有し、G、C塩基含有量が高い。したがって、前者の配列は、後者の配列よりも高い温度で融解する。このような配列の差異により、どの標的がプローブと反応してナノ粒子凝集体を形成したかを同定するための暗号として使用することができる異なる融解特性を有するプローブを調製することが可能となる。3つの異なるシステム、すなわち(1)1つの標的抗体(IgG1またはIgE)が存在する2つのプローブ、(2)2つの異なる標的抗体が存在する2つのプローブ、および(3)標的抗体が存在しない対照について検討した。
本発明の本態様において、試料中の標的検体、例えば抗体の存在を検出するための方法であって、オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子プローブを、標的検体を含有する可能性のある試料と接触させるステップを含む方法が提供される。ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部は、ハイブリダイゼーションの結果、レポータオリゴヌクレオチドの第1の部分と結合する。リポータオリゴヌクレオチドの第2の部分は、ハイブリダイゼーションの結果、検体に対する特異的結合相補体(例:抗原)が結合したオリゴヌクレオチドと結合する。接触は、検体とナノ粒子プローブとの間の特異的結合相互作用を可能にするのに有効な条件下で行う。標的検体の存在下で、ナノ粒子凝集体を生成する。このような凝集体は、任意の好適な手段によって検出することができる。
本発明の別の態様において、粒子複合体プローブ、好ましくはナノ粒子複合体プローブを使用する。これらの粒子複合体は、実際の検定が実施される前、または検定が実施されている間に所定位置で生成されうる。これらの複合体は、オリゴヌクレオチドが結合した粒子、好ましくはナノ粒子と、ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に結合したレポータオリゴヌクレオチドと、標的検体の特異的結合相補体とを含む。特異的結合相補体は、ナノ粒子と直接的または間接的に結合することができる。例えば、特異的結合相補体を、リンカーまたはオリゴヌクレオチドと結合することができ、次いで、標識したリンカーまたはオリゴヌクレオチドをナノ粒子に結合する。1実施形態において、DNAバーコードまたはレポータオリゴヌクレオチドは、少なくとも2つの部分を有する配列を有し、オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子と、特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドとをハイブリダイゼーションを介して結合させる。ナノ粒子が結合したオリゴヌクレオチドは、レポータオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に相補的である配列を有し、特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドは、レポータオリゴヌクレオチドの第2の部分に相補的である配列を有する。レポータオリゴヌクレオチドは、少なくとも2つの部分を有し、オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子と、特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドとをハイブリダイゼーションを介して結合させる。標的検体を含有する試料に採用されると、ナノ粒子複合体は、標的検体に結合し、凝集が生じる。凝集体を分離し、さらなる溶融分析を施して、上述のような多数の標的が存在する特定の標的検体を識別することができる。あるいは、凝集体を脱ハイブリダイズして、レポータオリゴヌクレオチドを剥離させることが可能である。これらのレポータオリゴヌクレオチドまたはDNAバーコードは、場合によって、増幅され、次いで任意の好適な検出プローブを使用する任意の好適なDNA検出システムによって検出されうる。
本発明を実施する際に、オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子を、標的検体に対する特異的結合相補体で修飾されたオリゴヌクレオチド、およびレポータオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることによってナノ粒子複合体プローブを調製する。ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部は、レポータオリゴヌクレオチドの第1の部分と相補的である配列を有する。特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドは、レポータオリゴヌクレオチドの第2の部分と相補的である配列を有する。成分間のハイブリダイゼーションを可能にするのに十分な条件下で、レポータオリゴヌクレオチドは、ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部および特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドとハイブリダイズし、ナノ粒子複合体プローブを形成する。成分の十分なハイブリダイゼーションを可能にするナノ粒子複合体溶液を調製する際に、任意の好適な溶媒およびハイブリダイゼーション条件を用いることができる。成分を、0.3M NaClおよび10mMリン酸緩衝液(pH7)からなるリン酸緩衝溶液(PBS)中で室温にて約2〜3時間ハイブリダイズさせることが好ましい。ハイブリダイゼーション混合物中のナノ粒子−オリゴヌクレオチド複合物の濃度は、約2nMから約50nM、好ましくは約13nMである。ハプテン修飾オリゴヌクレオチドの濃度は一般に、約50から約900nM、好ましくは約300nMである。レポータオリゴヌクレオチドの濃度は一般に、約50〜約900nM、好ましくは約300nMである。未反応のハプテン修飾オリゴヌクレオチドおよびレポータオリゴヌクレオチドは、任意の好適な手段、好ましくはハイブリダイゼーション混合物を遠心分離(12,000rpm、20分間)し、続いて上清のデカンテーションによって任意選択で除去してよいが、除去することが好ましい。調製した複合体は、0.3M NaClおよび10mMリン酸緩衝液(pH7〜7.4)、0.01%アジド溶液中で4〜6℃で保存した。
試料中の標的検体、例えば抗体の存在を検出するための典型的な検定は以下の通りである。オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子、レポータオリゴヌクレオチド、および標的検体に対する特異的結合相補体を有するオリゴヌクレオチドからなるナノ粒子複合体プローブを含有する溶液を、標的タンパク質を含有すると考えられる試料水溶液と混合する。
試料水溶液中の総タンパク質含有量は一般に、約5から約100ug/ml、通常は約43ug/mlである。反応混合物中のナノ粒子の濃度は一般に、約2から約20nM、通常は約〜13nMである。得られる混合物の総体積は一般に、約100から約1000uL、好ましくは約400uLである。標的検体を含有すると考えられる試料水溶液を調製する際に、任意の好適な溶媒、好ましくは、0.3M NaClおよび10mMリン酸緩衝液(pH7〜7.4)からなるPBSを用いることができる。
次いで、得られた検定混合物を、特異的結合対、例えばタンパク質−ハプテンの複合体形成を容易にするのに十分な、約35から約40℃の温度、好ましくは37℃で、約30から約60分の間、好ましくは約50分間インキュベートする。標的タンパク質が存在する場合、粒子の凝集が起き、沈殿とともに金ナノ粒子プラズモンバンドのシフトおよび赤色から紫色への変色をもたらす。ハイブリダイズした生成物を遠心分離し(例:3000rpmで2分間)、未反応成分を含有する上清を分析の前にデカンテーションする。
所望の場合には、オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子、レポータオリゴヌクレオチド、およびハプテン修飾オリゴヌクレオチドの全てを、標的検体を含有すると考えられるサンプルと混合することにより、検定混合物内で所定位置でナノ粒子複合体プローブを調製してもよい。すべての成分、特に相補DNA鎖間の完全なハイブリダイゼーションを確実にするため、検定混合物を−15℃で20分間インキュベートしてハイブリダイゼーションを促進させ(ベケル社(Boekel)製Tropicooler(登録商標)Hot/Cold Block Incubator)、4℃で24時間保存する。しかし、本発明を実施する際に、検定反応を実施する前にナノ粒子複合体プローブを調製し、ナノ粒子複合体プローブ内のDNAバーコードの量を増加させることが好ましい。
どのタンパク質が存在するかを判定するために、温度の関数として260nmにおける吸光度をモニターする、凝集体の融解分析を溶液中で実施することができる。例えば、1つまたは2つの既知の標的検体:IgG1およびIgEを含有する試料の分析を説明する実施例3の図2を参照されたい。実施例3で説明するように、前述のプロトコルによりIgG1をプローブで処理すると、溶液はピンクがかった青色に変わり、したがってナノ粒子凝集体の形成が示される。標的タンパク質は存在しないがバックグラウンドタンパク質が存在する対照実験では、識別可能な沈殿は認められない。溶液の融解分析から、融解温度(Tm)55℃とともに鋭い相転位が示される。これは、IgG1標的について予想された相転位である(図2A(破線))。新たなプローブ溶液にIgEを添加すると、同様の変色が観察されるが、融解分析から、この標的について予想される相転位であるTm36℃を伴う曲線が得られる(図2A(実線))。有意には、プローブ溶液に両方のタンパク質標的を添加すると、溶液は濃紫色に変化し、融解分析から、2つの明確な相互作用が示される。この曲線の一次導関数は、それぞれ36および55℃に中心のある2つのピークを示す(図2B)。これは、2つの別個の会合体が形成し、オリゴヌクレオチドバーコードに由来するその融解特性を用いて2つのタンパク質標的を区別することが可能であることを実証する。
本発明の別の態様において、上記の凝集方法戦略の変形を用いて、前述のシステムの感度を高め、ある溶液中で調べることが可能な標的の数を増加させることができる。例えば、実施例4の図3を参照されたい。この戦略により、特定の標的検体に割り当てられたDNAバイオバーコードまたは独自のレポータオリゴヌクレオチドにより、タンパク質標的を間接的に検出することができる。一般に、標的検体用のレポータオリゴヌクレオチドの好適な長さ、GC含量、および配列、ならびに選択は、検定の前に予め定められる。例えば、12merのオリゴヌクレオチドは、412種類の異なる配列を有し、その多くを用いて図1Aに示すように対象の多価タンパク質用のバーコードを調製することができる。検定のこの変形では、形成する凝集体の融解特性を溶液中では測定せず、遠心分離(例:
3000rpmで2分間)により、未反応のプローブおよび標的分子から凝集体内のレポータオリゴヌクレオチドまたはDNAバイオバーコードを分離する。次いで、任意の好適な手段によって、例えば、溶液に水を加えることによって凝集体を変性させ、レポータオリゴヌクレオチドまたはバーコードを遊離させる。レポータオリゴヌクレオチドが少量である場合、当技術分野で知られている方法によって増幅することができる。例えば、サンブルックら(Sambrook et al.)、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版1989)およびビー ディー ヘイムズとエス ジェイ ヒギンズ(B.D.Hames and S.J.Higgins)編集、Gene Probes 1(IRL Press、ニューヨーク(New York)、1995)を参照のこと。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅が好ましい。粒子およびタンパク質を、任意の好適な手段、例えば、遠心濾過装置(ミリポア社(Millipore)製Microcon(登録商標)YM−100、3500rpmで25分間)によってレポータオリゴヌクレオチドから分離することができる。レポータオリゴヌクレオチドを分離すると、オリゴヌクレオチドアレイ上に捕獲し、多くの好適なDNA検出検定のうちの1つを用いて同定することができる(図3)。IgG1およびIgEが関与する、本明細書に記載の実施例の場合に、対象のバーコード(図1のA3およびB3)の半分と相補的であるオリゴヌクレオチドで機能化された(直径250μmのスポット)顕微鏡用スライド上にレポータオリゴヌクレオチドを捕獲する。バーコードがオリゴヌクレオチドアレイによって捕獲されると、バーコードの残りの部分と相補的であるDNA修飾粒子をアレイとハイブリダイズさせることができる(実験の項を参照のこと)。標準的なスキャン測定手法[11](写真現像溶液による処理を含む)によって現像すると、フラットベッドスキャナを用いて結果を定量することが可能である(図4)11。IgG1が存在する場合、IgG1のために設計されたスポットのみが測定可能なシグナルを示す。同様に、IgEが、存在する唯一のタンパク質である場合、IgEのために設計されたスポットのみがシグナルを示す。最後に、両方のタンパク質が存在する場合、両スポットが強いシグナルを示す。
本実施形態の1態様において、それぞれの種類の粒子複合体プローブにおけるDNAバーコードは、異なる配列であり、特定の標的検体に対する識別子として機能する配列を有する。
本実施形態の別の態様において、該方法は、
凝集複合体を分離するステップと、
凝集複合体を分析して、異なる配列を有する1つまたは複数のDNAバーコードの存在を判断するステップと、をさらに含む。
本実施形態の別の態様において、該方法は、
凝集複合体を分離するステップと、
凝集複合体を脱ハイブリダイズさせ、DNAバーコードを剥離させるのに有効な条件を凝集複合体に施すステップと、
DNAバーコードを分離するステップと、
異なる配列を有する1つまたは複数のDNAバーコードの存在を検出し、それぞれのDNAバーコードは、試料中の特定の標的検体の存在を示すステップと、をさらに含む。
本実施形態の別の態様において、該方法は、
凝集複合体を分離するステップと、
凝集複合体を脱ハイブリダイズさせ、DNAバーコードを剥離させるのに有効な条件を凝集複合体に施すステップと、
DNAバーコードを分離するステップと、
分離されたDNAバーコードを増幅するステップと、
異なる配列を有する1つまたは複数の増幅DNAバーコードの存在を検出し、それぞれのDNAバーコードは、試料中の特定の標的検体の存在を示すステップと、をさらに含む。
本実施形態の別の態様において、標的は、3つ以上の結合部位を有し、少なくとも2種類の粒子複合体プローブが提供され、第1の種類のプローブは、標的検体上の第1の結合部位に対する特異的結合相補部分を有し、第2の種類のプローブは、プローブ上の第2の結合部位に対する特異的結合相補部分を有する。複数の粒子複合体プローブを提供することができ、それぞれの種類のプローブは、標的検体上の異なる結合部位に対する特異的結合相補部分を有する。
本実施形態の別の態様において、特異的結合相補体および標的検体は、核酸、オリゴヌクレオチド、ペプチド核酸、ポリペプチド、抗体、抗原、炭水化物、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、ホルモン、ステロイド、ビタミン、薬物、ウイルス、多糖類、脂質、リポ多糖、糖タンパク質、リポタンパク質、核タンパク質、オリゴヌクレオチド、抗体、免疫グロブリン、アルブミン、ヘモグロビン、凝固因子、ペプチドおよびタンパク質ホルモン、非ペプチドホルモン、インターロイキン、インターフェロン、サイトカイン、腫瘍に特異的なエピトープを含むペプチド、細胞、細胞表面分子、微生物、微生物の断片、部分、成分または生成物、小有機分子、核酸およびオリゴヌクレオチド、上記の物質のいずれかの代謝物質または抗体を含む特異的結合対の構成要素である。
核酸およびオリゴヌクレオチドは、遺伝子、ウイルスRNAおよびDNA、細菌DNA、真菌DNA、哺乳類DNA、cDNA、mRNA、RNAおよびDNA断片、オリゴヌクレオチド、合成オリゴヌクレオチド、修飾オリゴヌクレオチド、一本鎖および二本鎖核酸、天然および合成核酸、ならびにアプタマーを含む。
1態様において、標的検体は、核酸であり、特異的結合相補体は、オリゴヌクレオチドでありうる。あるいは、標的検体は、タンパク質またはハプテンであり、特異的結合相補体は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を含む抗体でありうる。
本実施形態の別の態様において、標的検体は、ゲノムDNA試料からの配列であり、特異的結合相補体は、ゲノム配列の少なくとも一部に相補的である配列を有するオリゴヌクレオチドでありうる。
本実施形態の別の態様において、ゲノムDNAは、真核、細菌、真菌またはウイルスDNAでありうる。
別の態様において、特異的結合相補体および標的検体は、抗体−リガンド対の構成要素でありうる。
本実施形態の別の態様において、1つまたは複数のDNAバーコードの存在に対する検出ステップは、
DNAバーコードの配列の少なくとも一部に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドが結合した基体を提供するステップと、
オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子を提供し、ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部は、DNAバーコードの少なくとも一部に相補的である配列を有するステップと、
少なくとも相補的オリゴヌクレオチドが基体に結合したDNAバーコードの第1の部分、およびオリゴヌクレオチドのいくつかがナノ粒子に結合したDNAバーコードの第2の部分のハイブリダイゼーションを可能にするのに有効な条件下で、DNAバーコードと、基体に結合したオリゴヌクレオチドと、ナノ粒子とを接触させるステップと、
検出可能な変化を確認するステップと、を含む。
本実施形態の別の態様において、基体は、1つまたは複数の異なる種類のDNAバーコードの検出を可能にする配列で、そこに結合された複数の種類のオリゴヌクレオチドを備える。
本実施形態の別の態様において、検出可能な変化は、基体上の暗領域の形成である。
本実施形態の別の態様において、検出可能な変化は、光学スキャナで確認される。
本実施形態の別の態様において、基体を銀染料に接触させて、検出可能な変化を生じさせる。
本実施形態の別の態様において、DNAバーコードが、基体に結合した相補的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることを可能にするのに有効な条件下で、DNAバーコードを基体に接触させ、続いて、ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくともいくつかが、基体上のDNAバーコードの配列の一部にハイブリダイズすることを可能にするのに有効な条件下で、基体に結合したDNAバーコードをオリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子に接触させる。
本実施形態の別の態様において、DNAバーコードが、ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくともいくつかにハイブリダイズすることを可能にするのに有効な条件下で、オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子にDNAバーコードを接触させ、続いて、ナノ粒子に結合したDNAバーコードの配列の少なくとも一部が、基体に結合した相補的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることを可能にするのに有効な条件下で、ナノ粒子に結合したDNAバーコードを基体に接触させる。
本実施形態の別の態様において、接触ステップの前にDNAバーコードを増幅させる。
本実施形態の別の態様において、少なくとも2種類の粒子複合体プローブが提供され、第1の種類のプローブは、標的検体の第1の結合部位に対する特異的結合相補部分を有し、第2の種類のプローブは、標的検体の第2の結合部位に対する特異的結合相補部分を有する。
先に述べたように、核酸およびオリゴヌクレオチドは、遺伝子、ウイルスRNAおよびDNA、細菌DNA、真菌DNA、哺乳類DNA、cDNA、mRNA、RNAおよびDNA断片、オリゴヌクレオチド、合成オリゴヌクレオチド、修飾オリゴヌクレオチド、一本鎖および二本鎖核酸、天然および合成核酸、ならびにアプタマーを含む。
本発明の別の実施形態において、上述の粒子複合体プローブを備えたキットが提供される。
本実施形態の別の態様において、少なくとも2つの結合部位をそれぞれ有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存否を検出するためのキットが提供される。該キットは、
(i)ナノ粒子、(ii)ナノ粒子に結合した特異的結合対の構成要素、(iii)ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチド、および(iv)オリゴヌクレオチドの少なくとも一部に相補的であり、所定の配列を有するDNAバーコードを備えた、それぞれの標的検体に対する1つまたは複数の種類の検出プローブを含む。
本実施形態の別の態様において、該キットは、
(i)基体、(ii)標的検体の第1の結合部位に結合する、基体に結合された第1の特異的結合対の第1の構成要素を備えた少なくとも1種類の捕獲プローブ、および
(i)ナノ粒子と、(ii)標的検体の第2の結合部位に結合する、ナノ粒子に結合された第2の特異的結合対の第1の構成要素と、(iii)ナノ粒子に結合した少なくとも
1種類のオリゴヌクレオチドと、(iv)特定の種類のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に相補的である所定の配列をそれぞれ有する少なくとも1種類のDNAバーコードとを備えた少なくとも1種類の検出プローブを含む。
任意の好適な基体をキットで使用することができる。基体は、磁性微粒子など、磁性であることが好ましい。
本実施形態の別の態様において、該キットは、
(i)磁性微粒子、(ii)標的検体の第1の結合部位に結合する、基体に結合された第1の特異的結合対の第1の構成要素を備えた少なくとも1種類の捕獲プローブ、および
(i)ナノ粒子と、(ii)標的検体の第2の結合部位に結合する、ナノ粒子に結合された第2の特異的結合対の第1の構成要素と、(iii)ナノ粒子に結合した少なくとも1種類のオリゴヌクレオチドと、(iv)特定の種類のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に相補的である所定の配列をそれぞれ有する少なくとも1種類のDNAバーコードとを備えた少なくとも1種類の検出プローブを含む。
本実施形態の別の態様において、該キットは、
オリゴヌクレオチドが結合した粒子、DNAバーコード、および標的検体に対する特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドを備え、DNAバーコードは、少なくとも2つの部分を有する配列を有し、粒子に結合されたオリゴヌクレオチドの少なくとも一部は、DNAバーコードの第1の部分に相補的である配列を有し、特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドは、DNAバーコードの第2の部分に相補的である配列を有し、DNAバーコードは、粒子に結合したオリゴヌクレオチドの少なくとも一部および特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドとハイブリダイズする粒子複合体プローブを含む少なくとも1つの容器、ならびに検出可能な変化を確認するための任意選択の基体を含む。
本実施形態の別の態様において、該キットは、
オリゴヌクレオチドが結合した粒子、DNAバーコード、および特定の標的検体に対する特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドを備え、(i)DNAバーコードは、少なくとも2つの部分を有する配列を有し、(ii)粒子に結合されたオリゴヌクレオチドの少なくともいくつかは、DNAバーコードの第1の部分に相補的である配列を有し、(iii)特異的結合相補体が結合したオリゴヌクレオチドは、DNAバーコードの第2の部分に相補的である配列を有し、(iv)それぞれの種類の粒子複合体プローブにおけるDNAバーコードは、異なる配列であり、特定の標的検体に対する識別子として機能する配列を有する1種類の粒子複合体プローブを収容した少なくとも1つまたは複数の容器を含み、該キットは、場合によって、検出可能な変化を確認するための基体を含む。
本実施形態の別の態様において、該キットは、
少なくとも1対の容器および検出可能な変化を確認するための任意選択の基体を含み、
該対の第1の容器は、オリゴヌクレオチドが結合した粒子、および少なくとも2つの部分からなる配列を有するDNAバーコードを備えた粒子プローブを含み、粒子に結合されたオリゴヌクレオチドの少なくともいくつかは、DNAバーコードの第1の部分に相補的である配列を有し、
該対の第2の容器は、DNAバーコードの第2の部分に相補的である配列を有するオリゴヌクレオチドであって、標的検体の特異的結合対相補体と共有結合するために使用することができる部分を有するオリゴヌクレオチドを含む。
本実施形態の別の態様において、該キットは、
少なくとも2対以上の容器を含み、
それぞれの対の該第1の容器は、オリゴヌクレオチドが結合した粒子、および少なくと
も2つの部分からなる配列を有するDNAバーコードを有する粒子複合体プローブを含み、粒子に結合されたオリゴヌクレオチドの少なくともいくつかは、少なくとも2つの部分を有するDNAバーコードの第1の部分に相補的である配列を有し、
それぞれの対の該第2の容器は、DNAバーコードの第2の部分に相補的である配列を有するオリゴヌクレオチドであって、標的検体の特異的結合対相補体と共有結合するために使用することができる部分を有するオリゴヌクレオチドを含み、
粒子複合体プローブの種類についてのDNAバーコードは、異なる配列であり、標的検体に対する識別子として機能する配列を有し、該キットは、場合によって、検出可能な変化を確認するための基体を含む。
本実施形態の別の態様において、該キットは、
第1の容器および少なくとも2対以上の容器を含み、
該第1の容器は、オリゴヌクレオチドが結合した粒子を有する粒子複合体プローブを含み、
該対の第1の容器は、少なくとも2つの部分からなる配列を有するDNAバーコードを含み、粒子に結合されたオリゴヌクレオチドの少なくともいくつかは、DNAバーコードの第1の部分に相補的である配列を有し、
それぞれの対の該第2の容器は、DNAバーコードの第2の部分に相補的である配列を有するオリゴヌクレオチドであって、標的検体の特異的結合対相補体と共有結合するために使用することができる部分を有するオリゴヌクレオチドを含み、
それぞれの対の容器の該第1の容器内に存在するDNAバーコードは、標的検体に対する識別子として機能し、別の対の容器内のDNAバーコードと異なる配列を有し、該キットは、場合によって、検出可能な変化を確認するための基体を含む。
本実施形態の別の態様において、該キットは、
特定の標的検体の存在に対する識別子として機能するオリゴヌクレオチド配列を含む。
上記キットに、検査をまとめ、また実施するための使用説明書を含めることができる。
数詞を表さないものは、そのものが1つまたは複数であることを指すことに留意されたい。例えば、「1つの特性」とは、1つまたは複数の特性あるいは少なくとも1つの特性を指す。このように、用語「1つの(aまたはan)」、「1つまたは複数の」、および「少なくとも1つの」は、本明細書では同義的に使用される。用語「からなる(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」は、同義的に使用されていることにも留意されたい。以下の実施例は、例示を目的とするものにすぎず、本発明の趣旨または範囲を限定するものと決して解釈すべきではない。
オリゴヌクレオチド修飾金ナノ粒子の調製
A.金ナノ粒子の調製
オリゴヌクレオチド修飾した13nmの金粒子を、文献の方法によって調製した(〜110個のオリゴヌクレオチド/粒子)18〜20。金コロイド(直径13nm)は、フレンス(Frens)、Nature Phys.Sci.、第241巻、20頁(1973年)およびグラバール(Grabar)、Anal.Chem.、第67巻、735頁(1995年)に記載のようにHAuClのクエン酸塩の還元によって調製した。簡潔に説明すると、すべてのガラス器具を王水(HClを3部、HNOを1部)で洗浄し、ナノピュア水ですすぎ、次いで使用前にオーブンで乾燥した。HAuClおよびクエン酸ナトリウムは、Aldrich Chemical社から購入した。HAuClの水溶液(1mM、500mL)を撹拌しながら還流させ、次いで38.8mMクエン酸3ナトリウム溶液50mLを素早く加えると、溶液の色が淡黄色から深赤色に変化した。変色後、溶液をさらに15分還流し、室温まで冷却させ、続いてMicron Separa
tions社の0.45μmナイロンフィルタで濾過した。金コロイドの特徴は、Hewlett Packard社の8452Aダイオードアレイ分光光度計を用いる紫外可視分光法、およびHitachi 8100透過型電子顕微鏡を用いる透過型電子顕微鏡法(TEM)によって明らかにした。直径13nmの金粒子の典型的な溶液は、518〜520nmに中心がある特徴的な表面プラズモンバンドを示した。直径13nmの金粒子は、10〜72ヌクレオチドの範囲の標的およびプローブオリゴヌクレオチド配列と凝集した場合に目に見える変色を生じる。
B.オリゴヌクレオチドの合成
オリゴヌクレオチドは、ホスホアミダイト化学反応を用いる単一カラム式のMilligene Expedite DNA合成装置を用い、1マイクロモルのスケールで合成した。エクスタイン エフ(Eckstein F.)(編)Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach(IRL Press、Oxford、1991年)。すべての溶液はMilligene社から購入した(DNA合成用)。平均カップリング効率は98から99.8%まで変化し、最後のジメトキシトリチル(DMT)保護基はオリゴヌクレオチドから切断せず、精製に役立てた。
3’チオール−オリゴヌクレオチドの場合には、Thiol−Modifier C3
S−S CPG支持体をGlen Research社から購入し、自動合成装置で使用した。最後のジメトキシトリチル(DMT)保護基は除去せず、精製に役立てた。合成後、担持されたオリゴヌクレオチドを濃水酸化アンモニウム1mL中に55℃で16時間置き、固体支持体からオリゴヌクレオチドを切断し、塩基から保護基を除去した。
アンモニアを蒸発させた後、254nmにおけるDNAの紫外シグナルをモニターしながら、流速1mL/分で0.03M酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)、pH7および95%CHCN/5%0.03M TEAAの1%/分グラジエントによるHP ODS Hypersil(登録商標)カラム(5μm、250×4mm)を用いた分取用逆相HPLCによってオリゴヌクレオチドを精製した。DMT保護された12塩基の修飾オリゴマーの保持時間は30分であった。続いて、精製オリゴヌクレオチドを80%酢酸溶液中に30分間浸漬することによってDMTを切断し、続いて蒸発させた。オリゴヌクレオチドを水500μL中に再分散させ、その溶液を酢酸エチル(3×300μL)で抽出した。溶媒の蒸発後、オリゴヌクレオチド(10OD)を50℃において一晩、0.04M DTT、0.17Mリン酸緩衝液(pH8)溶液100μL中に再分散させ3’ジスルフィドを切断した。この溶液(<10OD)の一定量を脱塩用NAP−5カラムにより精製した。オリゴヌクレオチドの量は、260nmにおける吸光度によって決定した。純度は、254nmにおけるDNAの紫外シグナルをモニターしながら、流速1mL/分で10mM NaOH(pH12)および10mM NaOHの2%/分グラジエントによるDionex Nucleopac(登録商標)PA−100カラム(250×4mm)を用いるイオン交換HPLCによって評価した。保持時間(T)が18.5、18.9および22分である3本のピークが観察された。T=22.0分の主要な単一ピークはジスルフィドによるものとされ、面積で79%であった。より短い18.5および18.9分という保持時間の2本のピークは、面積がそれぞれ〜9%および12%であり、酸化された不純物および残留チオールオリゴヌクレオチドによるものとされた。
5’アルキルチオール修飾オリゴヌクレオチドは、以下のプロトコルを用いて調製した。1)CPGに結合し、脱トリチル化されたオリゴヌクレオチドは、標準的手順を用いる自動DNA合成装置(Expedite)で合成した;2)CPGカートリッジを取り外し、使い捨てタイプのシリンジを両端に接続した;3)5−Thiol−Modifier C6−ホスホアミダイト(Glen Research社)20μMを含有する乾燥
アセトニトリル溶液200μLを標準的「テトラゾール活性化剤溶液」200μLと混合し、シリンジのうち1本を経由してオリゴヌクレオチド−CPGが入ったカートリッジ中に導入した;4)同溶液を、カートリッジ内でゆっくりと10分間前後運動させ、次いで排出し、続いて乾燥アセトニトリル(2×1mL)で洗浄した;5)THF/ピリジン/水に溶かした0.02Mヨウ素700μLで中間体のホスファイトを酸化し(30秒)、続いてアセトニトリル/ピリジン(1:1、2×1mL)および乾燥アセトニトリルで洗浄した。次いで、3’−アルキルチオールオリゴヌクレオチドで記載したように、トリチルオリゴヌクレオチド誘導体を分離し精製した。次いで、乾燥オリゴヌクレオチドサンプルに50mM AgNO溶液15μL(10ODの場合)を加えることによって(20分間)トリチル保護基を切断すると、乳白色の懸濁液が得られた。DTTの10mg/mL溶液20μLを加えることによって過剰の硝酸銀を除去すると(5分の反応時間)、直ちに黄色の沈殿を生成し、これを遠心分離によって除去した。次いで、オリゴヌクレオチド溶液(<10OD)の一定量を精製のために脱塩用NAP−5カラムに移した。得られた5’アルキルチオールオリゴヌクレオチドの最終的な量および純度は、3’アルキルチオールオリゴヌクレオチドについて前述した技法を用いて評価した。イオン交換HPLCによって2本の主要ピークが観察され、保持時間は19.8分(チオールのピーク、面積で16%)および23.5分(ジスルフィドのピーク、面積で82%)であった。
C.オリゴヌクレオチドの金粒子への取り付け
金コロイドの水溶液1mL(17nM)を、水に溶かした過剰(3.68μM)のチオール−オリゴヌクレオチド(長さ22塩基)と混合し、混合物を室温に12〜24時間放置した。次いで、溶液を0.1M NaCl、10mMリン酸緩衝液(pH7)とし、40時間放置した。この「エージング」ステップは、チオール−オリゴヌクレオチドによる表面被覆率を増大させ、金表面からオリゴヌクレオチド塩基を解離させるために設計された。次に、Eppendorf Centrifuge5414において14,000rpmで約25分間溶液を遠心分離すると、(260nmにおける吸光度が示すように)大部分のオリゴヌクレオチドを含有する極めて淡いピンク色の上清が(520nmにおける吸光度が示すように)7〜10%のコロイド状の金とともに、およびチューブの底には堅くしまり暗色のゼラチン状の残渣が得られた。上清を除去し、緩衝液(10mMリン酸塩、0.1M NaCl)約200μL中に残渣を再懸濁し、再度遠心分離した。上清溶液を除去後、残渣を緩衝液(10mMリン酸塩、0.3M NaCl、0.01%NaN)1.0mL中に入れた。得られた赤色のマスター溶液は、室温で数ヶ月の放置、シリカ薄層クロマトグラフィ(TLC)プレート上へのスポッティング(実施例4を参照のこと)、および1M NaCl、10mM MgCl、または高濃度のサケ***DNAを含有する溶液への添加に際して安定であった(すなわち、赤色のままであり凝集しなかった)。
ハプテン修飾オリゴヌクレオチドの調製
ハプテン修飾オリゴヌクレオチドは、標準的な固相DNA合成手順を用い、A1の場合にはビオチン−トリエチレングリコールホスホアミダイトおよびB1の場合には2,4−ジニトロフェニル−トリエチレングリコールホスホアミダイト(Glen research社)で調製した21
ビオチン修飾オリゴヌクレオチドは、以下のプロトコルを用いて調製した:CPGに結合し、脱トリチル化されたオリゴヌクレオチドは、標準的手順21を用いる自動DNA合成装置(Expedite)で合成した。次いで、CPGカートリッジを取り外し、使い捨てタイプのシリンジを両端に接続した。ビオチン−トリエチレングリコールホスホルアミダイト20μmoleを含有する乾燥アセトニトリル溶液200μLを標準的「テトラゾール活性化剤溶液」200μLと混ぜ、シリンジのうち1本を経由してオリゴヌクレオ
チド−CPGが入ったカートリッジに導入した。同溶液を、カートリッジ内でゆっくりと10分間前後運動させ、次いで排出し、続いて乾燥アセトニトリル(2×1mL)で洗浄した。その後、THF/ピリジン/水に溶かした0.02Mヨウ素700μLで中間体のホスファイトを酸化し(30秒)、続いてアセトニトリル/ピリジン(1:1、2×1mL)および乾燥アセトニトリルで洗浄し、続いて窒素流でカラムを乾燥した。トリチル保護基は除去せず、精製に役立てた。担持されたオリゴヌクレオチドを濃水酸化アンモニウム1mL中に55℃で16時間置き、固体支持体からオリゴヌクレオチドを切断し、塩基から保護基を除去した。アンモニアを蒸発後、254nmにおけるDNAの紫外シグナルをモニターしながら、流速1mL/分で0.03M酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)、pH7および95%CHCN/5%0.03MのTEAAの1%/分グラジエントによるHP ODS Hypersil(登録商標)カラム(5μm、250×4mm)を用いる分取用逆相HPLCによってオリゴヌクレオチドを精製した。DMTで保護されたオリゴヌクレオチドの保持時間は〜32分であった。続いて、精製オリゴヌクレオチドを80%酢酸溶液中に30分間浸漬することによってDMTを切断し、続いて蒸発させた。オリゴヌクレオチドを水500μL中に再分散させ、その溶液を酢酸エチル(3×300μL)で抽出し乾燥した。同様のプロトコルを用い、2,4−ジニトロフェニル−トリエチレングリコールホスホアミダイトを用いてDNP修飾オリゴヌクレオチドを合成した。
ナノ粒子複合体プローブを用いるアッセイ
オリゴヌクレオチドで修飾した13nmの金粒子を、実施例1に記載のように調製した。ハプテン修飾オリゴヌクレオチドを、標準的な固相DNA合成手順21を用い、A1の場合にはビオチン−トリエチレングリコールホスホアミダイトおよびB1の場合には2,4−ジニトロフェニル−トリエチレングリコールホスホアミダイト(Glen research社)で実施例2に記載のように調製した。本研究で用いるPBS緩衝溶液は、0.3M NaClおよび10mMリン酸緩衝液(pH7)からなる。IgEおよびIgG1は、Sigma Aldrich社(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー)から購入し、使用前に0.05%Tween20およびバックグラウンドタンパク質(10ug/mlリゾチーム、1%ウシ血清アルブミン、および5.3ug/ml抗ジゴキシン;各10uL)を含む0.3M PBS緩衝液に溶かした(最終濃度:4.3×10−8b/μl)。
プローブを調製するため、オリゴヌクレオチド修飾粒子(13nM、300μL)を、図1に配列を示すハプテン修飾相補オリゴヌクレオチド(10μMを10μL)およびバイオバーコードDNA(10μMを10μL)と室温で2〜3時間ハイブリダイズさせた。未反応のハプテン修飾オリゴヌクレオチドおよびバイオバーコードを、ナノ粒子プローブの遠心分離(12,000rpm、20分)および続く上清のデカンテーションによって除去した。
IgEおよび/またはIgG1の典型的なアッセイでは、プローブ(〜13nM)を含有する溶液に標的タンパク質(各々43μg/mlを40μl)を加え、混合物を37℃で50分間インキュベートしてタンパク質−ハプテン複合体形成を促進した。すべての成分、特に相補DNA鎖間の完全な反応を確実にするため、溶液を−15℃で20分間インキュベートしてハイブリダイゼーションを促進し(Boekel社製Tropicooler(登録商標)Hot/Coldブロックインキュベータ)、4℃で24時間保存した。標的タンパク質が存在する場合には、粒子凝集が起こり、沈殿とともに金ナノ粒子プラズモンバンドのシフトおよび赤色から紫色への変色をもたらす。ハイブリダイズした生成物を遠心分離し(3000rpmで2分間)、未反応成分を含有する上清を分析に先立ってデカンテーションにより除去した。どのタンパク質が存在するかを決定するため、温度
の関数として260nmにおける吸光度をモニターする融解分析を溶液中で行う(図2)。前述のプロトコルによりIgG1をプローブで処理する場合、溶液はピンクがかった青色に変化し、ナノ粒子凝集体の生成を示す。標的タンパク質は存在しないがバックグラウンドタンパク質が存在する対照実験では、識別可能な沈殿は認められない。溶液の融解分析は、融解温度(Tm)55℃とともに鋭い相転位を示している。これは、IgG1標的についての予想相転位である(図2A(点線))。新たなプローブ溶液にIgEを添加すると、同様の変色が観察されるが、融解分析からは、この標的について予想される相転位であるTm36℃を伴う曲線が得られる(図2A(実線))。注目すべきことに、プローブ溶液に両方のタンパク質標的を添加すると、溶液は濃紫色に変化し、融解分析は、2つの明確なトランザクションを示す。この曲線の一次導関数は、それぞれ36および55℃に中心のある2つのピークを示す(図2B)。このことは、2つの別個の会合体が生成し、オリゴヌクレオチドバーコードに由来するそれらの融解特性を用いて2つのタンパク質標的を区別することが可能であることを示している。
ナノ粒子複合体プローブを用いるアッセイ
この戦略の変形形態を用い、前述のシステムの感度を増加させ、1溶液中で調べることが可能である標的数を増やすことが可能である(図3)。この戦略により、DNAバイオバーコードを用いてタンパク質標的を間接的に検出することが可能である。12merオリゴヌクレオチドは、412種類の異なる配列を有し、それらの多くを用いて図1Aに示すように目的の多価タンパク質用のバーコードを調製することが可能である。アッセイのこの変形形態では、生成する凝集体の融解特性を溶液中では測定せず、遠心分離(3000rpmで2分間)により未反応のプローブおよび標的分子から凝集体内のDNAバイオバーコードを分離する。次いで、溶液に水を加えることによって凝集体を変性させ、複合体形成したDNAを遊離させる。粒子およびタンパク質は、遠心濾過装置(Millipore Microcon(登録商標)YM−100、3500rpmで25分間)によってDNAバーコードから分離することが可能である。DNAバーコードを分離したら、それらをオリゴヌクレオチドアレイ上に捕獲し、多くのDNA検出アッセイのうちの1つを用いて同定することが可能である(図3)。本願明細書に記載のIgG1およびIgEに関する実施例の場合には、該バーコードの半分と相補的であるオリゴヌクレオチドで機能化された(直径250μmのスポット)顕微鏡用スライド上にバーコードを捕獲する(図1のA3およびB3)。バーコードがオリゴヌクレオチドアレイによって捕獲されると、バーコードの残りの部分と相補的であるDNA修飾粒子をアレイとハイブリダイズさせることが可能である(実験の項を参照)。標準的なスキャン測定の手法[11](写真現像溶液による処理を含む)により現像されれば、フラットベッドスキャナを用いて結果を定量することが可能である(図4)11。IgG1が存在する場合には、IgG1のために設計されたスポットのみが測定可能なシグナルを示す。同様に、IgEが存在する唯一のタンパク質である場合には、IgEのために設計されたスポットのみがシグナルを示す。最後に、両方のタンパク質が存在する場合には、両スポットが強いシグナルを示す。
スキャン法によるDNAバイオバーコード検出の場合には、DNA/金ナノ粒子会合体をポリスチレンの1.5mLバイアル中で遠心分離し(3000rpmで2分間)、上清を除去した。凝集体にPBS緩衝溶液(700μl)を加え、この手順を繰り返して未反応タンパク質およびアッセイ成分から凝集体を確実に分離した。次いで、凝集体の入ったバイアルに水500μlを加えて凝集体を変性させた。マイクロアレイを用意し、文献の方法に従ってDNAハイブリダイゼーション法を用いた11、22。分離したDNAバイオバーコードを、A2修飾ナノ粒子またはB2修飾ナノ粒子(2nM)と予め混合し、DNAマイクロアレイに曝露し、ハイブリダイゼーション用チャンバ(GRACE BIO−LABS社)中で室温で3時間インキュベートした。次いで、0.3M NaNOおよび10nMのNaHPO/NaHPO緩衝液(pH4)でアレイを洗浄し、室
温で3分間Silver Enhancer Solution(Sigma社)中に浸した。スライドを水で洗浄し、次いでフラットベッドスキャナで分析した
ナノ粒子複合プローブを用いたアッセイ
バイオバーコードPCR(BPCR)プロトコルを実行して、タンパク質標的である遊離前立腺特異抗原(PSA)を3aMの感度で検出した(図6)。これはPSAを検出するための現行の従来の臨床アッセイよりも感度が6桁大きい(46)。pH9.0の13nm金ナノ粒子水溶液(コロイド懸濁液中の10mlの13nM溶液、クエン酸(〜38mM)で安定化させた)にポリクローナル抗PSA抗体(7μg)を添加することによってナノ粒子検出プローブを調製した。20分後、抗PSA修飾ナノ粒子をアルキルチオールでキャップしたバーコードDNA捕獲鎖(0.2OD;5’CAA CTT CAT CCA CGT TCA ACG CTA GTG AAC ACA GTT GTG T−A10−SH3’配列番号9)と12時間反応させ、次いでpH7の 0.1MのNaCl/0.01Mリン酸緩衝液まで塩で安定化させた。続いて、この溶液を1mlの10%BSA溶液で20分間処理して金ナノ粒子を不活化および安定化させた。この最終溶液を4℃で1時間遠心分離し(20,000g)、上清を除去した。この遠心分離手順を繰り返してさらに精製した。次いで、このPSA特異的バーコードDNA鎖(1OD;5’ACA CAA CTG TGT TCA CTA GCG TTG AAC GTG
GAT GAA GTT G3’ 配列番号10)をナノ粒子と調整したバーコードDNA捕獲鎖と反応させ、同様の遠心分離手順を用いて精製した。
アミノ基で官能化した直径1μmの磁性微粒子をPolysciences社から入手した。次いで、市販のグルタルアルデヒド−アミンカップリング化学反応を用いこれらをタンパク質と結合させた。UV−vis分光分析によってタンパク質が粒子に結合する前後の270nmでの吸光度を比較することによってカップリング効率は90%であると決定した。この粒子、すなわち磁性捕獲プローブを使用前に40mlの0.1MのPBS緩衝液(pH7.4)中に懸濁させた。
典型的なPSA検出試験では(図6B)、モノクローナル抗PSA抗体で官能化した磁性捕獲プローブの水分散液(50μlの3mg/ml磁性プローブ溶液)を遊離PSA(10μlのPSA)の水溶液(0.1MのPBS)と混合し、37℃で30分間撹拌した(図6Bのステップ1)。磁界を加えることによって、PSA結合磁性検出プローブを未結合のPSAから容易に分離することができる。磁気分離を生じさせるために、このアッセイ溶液を入れた1.5mlの管を室温でBioMag(登録商標)微小遠心管分離器(Polysciences社)に入れる。15秒後、磁性捕獲プローブ−PSAハイブリッドが管の壁上に濃縮される。上清(未結合のPSA分子の溶液)を除去し、この時点では管の側部でペレット状である磁性捕獲プローブを50μlの0.1MのPBSに再懸濁させる(2回繰り返す)。次いで、ポリクローナル抗PSA 抗体およびハイブリッドバーコードDNA鎖で官能化したナノ粒子検出プローブ(1nMで50μl)を添加する。この検出プローブは捕獲プローブ上に固定化されたPSAと反応し、シグナル増幅およびタンパク質同定用のDNA鎖を提供する(図6Bのステップ2)。この溶液を37℃で30分間激しく撹拌する。次いで、磁気分離器を用いてこの磁性微粒子を0.3MのPBSで洗浄し、磁性微粒子を分離した。このステップを4回(各時1分間を要する)繰り返し、(PSA結合ナノ粒子検出プローブとともに)磁性捕獲プローブを除くすべてを除去する。最後の洗浄ステップ後、磁性捕獲プローブをナノピュア(18MΩ)水(50μl)中に再懸濁させてナノ粒子検出プローブ表面からバーコードDNA鎖を2分間脱ハイブリダイズさせる。ここで、脱ハイブリダイズさせたバーコードDNAは容易に分離され、磁気分離器を用いてプローブから収集される(図6Bのステップ3)。
バーコードDNA増幅のために(図6Bのステップ4)、分離したバーコードDNAを適したプライマーを含んだPCR反応混合物(最終容量20μl)に添加し、次いで以下の手順に従ってこの溶液を熱サイクル試験する。0.3μlの適したプライマー(各25μM、プライマー1:5’CAA CTT CAT CCA CGT TCA AC3’配列番号11、プライマー2:5’ACA CAA CTG TGT TCA CTA GC3’配列番号12)、0.4μlのDMSO(最終濃度2%)、およびEasyStart(商標)系(5U/μl、Fisher Scientific社)と互換性があることが示されるポリメラーゼである0.1μLのTaqDNAポリメラーゼとともに、遊離バーコードDNAのアリコート(8.9μl)をEasyStart(商標)Micro20PCR Mix−in−A−Tube(Molecular Bio−Products社、カリフォルニア州サンディエゴ)の1番上のワックス層に加えて最終容量を20μlとする。PCR反応混合物の最終濃度は次の通り:プライマー1および2は0.37μM;dNTP混合物は0.2mM;PCR緩衝液は1X;およびMgClは2mM。次いで、PCR管を熱サイクラー(GeneAmp9700、Applied Biosystems社)に装填し、94℃で7分間「ホットスタート」に供し、94℃で30秒間、58℃で30秒間および72℃で1分間を25回熱サイクルにかけ、最終的に72℃で7分間熱サイクルにかけた後で4℃でソークした。
まず対照試験を行って、PCR増幅後にプライマーの二量体形成を評価した。ジメチルスルホキシド(DMSO)を添加して偽のハイブリダイズしたプライマーの融点を下げ、プライマーの二量体形成および増幅の可能性を最小化した。(図7、レーン1〜5およびレーン6〜10では0〜2%左から右に0.5%増大)。また、熱サイクルの回数を25に設定した。図7に示すように、バーコードDNA単位複製配列(レーン1〜5)を有する明白なバンドが存在する一方で、ポリメラーゼの存在下でプライマーのみを熱サイクルにかけたときにはバンドが観察されない(レーン6〜10)。したがって、バーコードDNAについて増幅を維持している間はその濃度では観察できるバンドの痕跡が存在しないので(図7、レーン10)、2%DMSOをBPCR反応すべてに添加した。
このバーコードDNA単位複製配列をエチジウムブロマイドで染色し、ゲルローディングダイと混合した。次いで、ゲル電気泳動を行って増幅が生じたかどうかを決定した(図8、パネルAおよびC)。すべての電気泳動試験について、PCR混合物のアリコート(15μl)をエチジウムブロマイド(1mg)で染色し、ゲル電気泳動ローディングダイ(3μl、6X、Promega社、ウィスコンシン州マジソン)と混合し、1X TAEランニング緩衝液中でゲル電気泳動を行った(2%アガロースゲル、110V、35分間)。バーコード標準液(1μl、6μMのバイオバーコード二本鎖)を基準用のゲルに添加した。バイオバーコードDNAを0.3MのPBS中のその相補鎖に加えることによってこのバイオバーコード標準液(40mer)を作成した。ゲル画像およびバンド強度の決定はすべてKodakDC−120デジタルカメラおよびKodak ID2.0.2イメージングソフトウェアを用いて行った。電気泳動後、エチジウムブロマイドにゲルを35分間浸漬することによって(1X TAEランニング緩衝液中の0.5μg/ml)ゲルのバンドもエチジウムブロマイドで染色し、電気泳動を得る前にエチジウムブロマイドをPCR反応に添加した場合の結果と同様の定量的な結果が得られた。
エチジウムブロマイドで染色されたバンドの相対強度により、PSA相対濃度を推定することが可能となる(図8、パネルBおよびD)。PCR単位複製配列の染色強度は300aM、3fM、30fM、300fM、3pMおよび30pMのレーン3〜8のPSA濃度をそれぞれ表す。PSAが存在しないときにBPCRはごく僅かしかシグナルを発生しなかったので(図8、パネルAのレーン1および2、パネルCのレーン1)、ナノ粒子プローブの磁性プローブに対する非特異的結合は無視してよいものでった。パネルBによれば、対照バンドの強度はPSAが存在しているバンドよりも少なくとも8倍低い。低い
濃度(図8、パネルB、それぞれ3aM〜300fM、レーン2〜7)PSA検出を表すグラグでは、3aM(レーン2)に相当するゲルバンドは陰性対照(レーン1)よりも2.5倍高い相対強度を有する。
ナノ粒子複合プローブを用いたアッセイ
ゲル電気泳動を定期的に用いてアッセイの結果を分析したが、一般にスキャン法はより高い感度を提供し、ゲルベースの方法よりも実施が容易である。したがって、スキャンアッセイの結果をここで報告する。標的バーコード配列(40mer)の半分と相補的であるチップ固定化DNA20merを用いて、増幅されたバーコードDNA配列を捕獲し、金ナノ粒子を用いてサンドイッチアッセイフォーマットの配列の他方の半分を標識した。バーコードDNAとチップ表面と金ナノ粒子プローブとの間をハイブリダイズするためには、この増幅された二本鎖バーコードDNAをまず変性させなければならない。このため、バーコードDNA単位複製配列を元のPCR管から取り出し、金ナノ粒子プローブの溶液(5μl、0.3MのPBS中10nM)に(5μl)添加した。この溶液を0.3MのPBS(90μl)を用いて清潔な0.2mlPCR管の中で最終容量100μlまで希釈した。バーコードDNA一本鎖(40mer)およびナノ粒子結合相補体(20mer)をハイブリダイズさせるために、PCR管をサーマルサイクラーに加え、95℃まで3分間加熱してバーコードDNA二本鎖を変性させ、次いで、45℃のハイブリダイゼーション温度間で2分間冷却してナノ粒子プローブをそのバーコードDNA相補配列に結合した。この混合物をPCR管から取り出して、捕獲鎖(20mer)が固定化されたマイクロアレイ化した(GMC417 Arrayer、Genetic MicroSystems社)チップに加えた。100μlハイブリダイゼーションウェル(Grace BioLabs社、オレゴン州ベンド)を有するアレイの活性領域の上に各実験用の試験溶液を湿度室中で45分間閉じ込めた。ハイブリダイゼーション後、pH7.0の0.1MのNaNO/0.01Mのリン酸緩衝液で45℃でチップを濯いで余分な金粒子を除去した(2回繰り返した)。次いで、ナノ粒子プローブをハイブリダイズさせたチップを銀増強液を用いて銀増幅に供し(反応時間6分、Ted Pella社、カリフォルニア州レディング)、ナノピュア(18MΩ)水で濯ぎ、ベンチトップ型遠心分離を用いて乾燥させた。金ナノ粒子を結合した後に銀増幅を行うことにより、現像されたスポットから散乱される光を測定するVerigene IDシステム(Nanosphere社)を用いて読み取ることのできるグレースポットが得られる11,51。この方法を用いれば、300fM〜3aMの標的PSA濃度を容易に検出すうることができる(図9)。3aMの試料は試料全体中の18個のタンパク質分子と相関する。非相補的な捕獲DNA(5’SH−C6−A10−GGCAGCTCGTGGTGA−3’ 配列番号13)を有する(図9、スポット鋳型)対照スポットからシグナルがないことおよびPSAが存在しないときに(図9、対照)識別可能なシグナルが殆どないという観察結果から明らかなように、バーコードDNA配列に対する選択性は優れている。
BPCRを用いたタンパク質検出の理論的限界
BPCRを用いたタンパク質検出の論理的下限を試験するために、PCR増幅についてのバーコードDNA濃度の希釈系列を用いてPCR/ゲル電気泳動を実施した(図10)。バーコードDNA単位複製配列が存在したときのシグナルは、たった30コピーのDNAバーコードをPCR反応に加えた場合(レーン9)でも対照バンド(レーン10)から完全に識別可能である。各ナノ粒子プローブが約50本のバーコードDNA鎖を有すると仮定すれば、理論的にはBPCRは結合した単一のナノ粒子プローブで検出シグナルを発生することができる。
複合培地中のPSAの検出
臨床セッティングにより匹敵する試料溶液におけるBPCR増幅法の適用可能性を実証するために、PSA標的をヤギ血清に溶解することによって実施例5および6に記載のようなアッセイを行い、BPCR増幅ステップ後にバーコードを検出した。PSAを0.1MのPBS中に連続的に希釈し、次いで未希釈のヤギ血清(ICN Biomedicals社、オハイオ州オーロラ)に添加した。このヤギ血清は1Xの生理食塩緩衝液(例:イオン強度およびpHに関する限り、任意の生物系)を効果的に模倣する。
データは、複合培地中で本発明の方法は30aMもの低さの濃度の標的検体(ここではPSA)を検出することができることを実証している。この濃度で生じたシグナルは対照実験とは明白に識別できる(図11)。汚染成分の大半を除去することのできる膜でバーコードDNA試料を濾過する任意のステップを導入することによって、バックグラウンドシグナルを低減することができる。この任意の濾過ステップは、例えば、大きさ(分子量)、形状、電荷または疎水性/親水性などの任意の方法によって不純物からバーコードDNAを分離することが可能である。
バーコードDNA(BPCR増幅されていない)の直接検出および測定
金ナノ粒子(NP)プローブを実質的に実施例5に記載のように調製した。簡単に言えば、PSA(3.5μg)へのポリクローナル抗体(Ab)を30nmの金NP水溶液(pH9.0の40pMのNP溶液1ml)に添加した。20分後、Ab修飾NPをアルキルチオールでキャップしたバーコードDNA捕獲鎖(30nmの金粒子について1OD;5’−CAA CTT CAT CCA CGT TCA ACG CTA GTG AAC ACA GTT GTGT−A10−(CH−SH 3’)と16時間反応させ、次いで塩で0.1MのNaClに安定化させた。この溶液を0.3mlの10%BSA溶液で30分間処理し、金NPを安定化し、安定化させた。この最終溶液を4℃で1時間遠心分離し(20,000g)、上清を除去した。この遠心分離手順を繰り返してさらに精製した。最終的なNPプローブをpH7.4の0.1MのNaCl/0.01Mのリン酸緩衝液に再分散させた。次いで、PSA特異的バーコードDNA鎖(1OD;5’−ACA CAA CTG TGT TCA CTA GCG TTG AAC GTG
GAT GAA GTT G−3’)をNPに調整したバイオバーコードDNA捕獲鎖とハイブリダイズさせ、同様の遠心分離手順を用いて精製した。オリゴヌクレオチドのローディングをデマースら(Demers et al.)(エル エム デマースら(L.M.Demers et al.)、Anal.Chem.第72号、5535頁(2000年)を参照)の方法に従って決定した。アミノ基で官能化した直径1μmのMMPをPolysciences社から入手した。mAbとPSAに市販のグルタルアルデヒド−アミンカップリング化学反応を用いてMMPを結合させた。MMPへタンパク質をカップリングする前後の270nmでの吸光度を比較することによって、カップリング効率はUV−vis分光分析により90%であると決定した。このMMPを使用前に40mlの0.1MのPBS緩衝液(pH7.4)に懸濁させた。
チップ型アッセイを用いて実施例6に全般に記載のように溶液中のバーコードDNAの量を直接測定したが、BPCRによる増幅ステップは用いなかった。PCRを用いなかったので、この方法はPCR増幅中に形成される二本鎖DNAを変性させなくて済む。このため、バーコードDNAのタンパク質検出および分離の後、分離したバーコード試料のアリコート(10μl)を0.6MのPBS(85μl)および13nmの金検出プローブ(5μl、500pMの最終濃度、上記と同配列)と混合した。上記のような適した捕獲鎖がアレイ化されたVerigeneオンチップハイブリダイゼーション室のウェルにこの混合物を加えた。この試料を42℃で2時間インキュベートした。インキュベート後、反応混合物を取り出し、チップを0.5MのNaNO/0.01Mリン酸緩衝液で洗浄
して余分な金ナノ粒子を除去した。すべて上記のように、表面固定化金粒子を銀増強液(Ted Pella社)で6分間染色し、ナノピュア水で洗浄し、Verigene IDシステムで画像化した。
この例では30nmの金NPを用いたが、13nmの金NPをバーコードDNAの直接検出のためのこの手順に使用することも想定される。それにかかわらず、タンパク質検出ステップにおいてNPプローブの大きさを大きくすることによって各NPについてのDNA鎖の数を著しく増大させることができ、直接検出が容易になる(理論上、100本のDNA鎖が13nmの金NPに付着されていると仮定すれば、532本ものDNA鎖が各30nmの金NP上にあると考えられる)。特定のナノ粒子プローブの大きさを調節してある種の特徴を最適化することができる。
この結果(図12)はBPCR増幅を行わずに30nmの金NP(20pMで)を用いてPSA標的が30アトモルもの低い濃度で直接的に検出可能であったことを実証している。これはBPCR増幅法よりも桁違いの感度損があることを示しているが、この方法は依然として非常に感度があり、PCRステップが不要なことで費用、労力および時間が著しく低減される。
ゼプトモル濃度での標的核酸配列の直接検出
この実験のために、生物テロ用途および生物戦争用途に重要であり、文献63,67〜69で十分に試験されているため、炭疽菌の致死因子に関係するDNA配列(5’−GGA TTA TTG TTA AAT ATT GAT AAG GAT−3’;配列番号14)を最初の標的として選択した。2つの対照DNA配列[1μLの10 pM(5’−CTA TTA TAA TAA AAT ATT TAT ATA GCA−3’;配列番号15)および1μLの10pMの対照2(5’−GAA TTA TAG TTA ACT ATA GCT AAG GAT−3’;配列番号16)を20μLの試験試料各々に添加した。使用前に、ハイブリダイゼーションによりナノ粒子プローブにバーコードDNAをロードした(400pMで20nmのプローブ;200pMで30nmのプローブ)。バーコードDNAを10μMの濃度で導入して適したハイブリダイゼーション緩衝液中でハイブリダイゼーションを行った。続いて、この粒子を遠心分離し、PBS緩衝液で洗浄した。次いで、プローブを保存用緩衝液中で懸濁させ、使用時まで保存した。
MMPについては、ポリアミン官能化したポリスチレン粒子を、MMP上の1級アミンおよび標的配列の特異的認識結合部位を形成するオリゴヌクレオチド上のチオール基と反応するスルホスクシンイミジル4−[p−マレイミドフェニル]ブチレート(スルホ−SMPB)二官能性リンカーと反応させることによって、アルキルチオールでキャップされたDNAと結合した。使用前に、それを含んだ溶液に10%BSAを添加することによって、ウシ血清アルブミンでMMPを不活化した。次いで、このプローブを遠心分離し、PBS緩衝液で洗浄し、2mg/mLで再懸濁させて活性プローブを得た(図13A)。
一本鎖形態で標的DNAを含んだ溶液に50μLのMMPプローブ(2mg/mLで)を添加することによってこのアッセイを行った。この系を室温で10分間放置した。10分の放置期間後、50μLのNPプローブ[400pMで50μL(20nmのNPプローブ溶液)または200pMで50μL(30nmのNPプローブ溶液]をこの溶液に加え、50分間ハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後、この反応容器(BioMag multi−6微小遠心管分離器、Polysciences社、ペンシルバニア州ウォリントン)に磁界を加えたところ、MMPおよびNPならびに未反応のMMPでサンドイッチされた標的DNA鎖が反応容器の壁へ引き寄せられた。未反応の反応溶液成
分、特にMMPに特異的にハイブリダイズされなかったNPが残っている場合にはPBS緩衝液で数回洗い流した。次いで、磁界を取り除き、50μlのナノピュア水(Barnstead International社、アイオワ州ドゥビューク)をこの反応容器に加え、この系を55℃まで3分間加熱してバーコードDNAを放出した。磁界を再度導入して、検出のためにバーコードDNAを残しながら、溶液からMMPをすべて除去した。
最終の反応溶液中のバーコードDNAの量を分析し、同定するために、スキャン法を用いた67。スキャン法とはオリゴヌクレオチド修飾金NPプローブ(5’−TCT CAA CTC GTA GCT−A10−SH−3’−金;配列番号17)およびNPで促進されるシグナル増幅用の銀(1)の還元に依存するチップ型DNA検出法である。この特定のアッセイのために、DNAマイクロアレイ装置(スポット径は175μmで、2つのポット間の距離は375μmである;GMS417 Arrayer、Genetic
MicroSystems社、マサチューセッツ州ウォバーン)を用いて、マレイミド修飾ガラスチップを5’捕獲DNA鎖(5’−SH−A10−CGT CGC ATT CAG GAT−3’;配列番号18)でスポットした。この表面の非スポット領域をA10配列(10μMの5’−SH−AAA AAA AAA A−3’;配列番号19)で一晩不活化した。チップ表面をバーコードDNA溶液に接触させたら、標的配列溶液と混合したNPプローブをバーコード/捕獲DNA修飾チップに添加した。あるチップ上のスポットをNPプローブおよび標的DNA鎖で標識した。次いで、このスポット化したチップを銀増強液(Ted Pella社、カリフォルニア州レディング)に曝露してシグナルをさらに増強した。次いで、現像されたスポットをVerigene ID(同定)システム(Nanosphere社、イリノイ州ノースブルック)を用いて読み取った。このVerigene IDシステムは現像されたスポットから散乱された光を測定し、アッセイ用に永久的な記録を提供する。図14Aは「増幅された」バーコードDNAの検出に使用される20nmのNPプローブを示す。5fM〜50aMまでの標的DNA濃度についてのスポット強度は対照スポットよりも強いことは明白である。各濃度のスポット強度を測定するために、3つのスポットをチップ上にパターン化し、Verigene IDシステムで画像化した。このスポットのグレーレベルをグラフィックソフトウェア(Adobe Photoshop)を用いて算出し、このスポット強度グラフを図15に示す。このグラフは20nmのNPプローブは50aMにおいて標的DNAをはっきりと検出することができるが、5aMの濃度においてはバックグラウンドとシグナルを区別することができないことを示している。
30nmのNPプローブをDNA−BCA検出に用いた場合、500zMもの低さの標的DNA濃度が検出された(図14B)。20nmのNPプローブと30nmのNPプローブについての検出限界のこの差は、異なる表面積のNPプローブ上にあるバーコードDNA鎖の絶対数の差に起因するものと思われる。この強度グラフはすべての試料濃度で30nmのNPプローブシステムは20nmのNPプローブシステムよりも強いスポットシグナルを提供することを示唆している(図15)。500zMで20μLの試料容量であれば、約10本の標的DNA鎖の総試料数を表し、フルオロフォアプローブと組み合わせたPCRベースの方法を利用するアッセイに匹敵する感度を提供する58〜60
単純化したレポータベースのバイオバーコードアッセイ
前立腺特異抗原(PSA)の検出は、実施例8との一貫性を保つために例示的な例として用いる。臨床的に有意なレベルのPSAはこの癌マーカに現在使用される試験の検出限界に近いので、PSAをこの実施例のために選択した。したがって、感度の高い方法が望ましい。基体と以下に記載のように調製される検出プローブとを混合して後で以下に記載のように使用されるそれに対応する試薬「カクテル」を形成することによって、同じ培地
中の多様な標的検体の検出に対するこの例の一般化を実施することができる。同じ基体上の異なる標的検体のために空間的に分離された結合ゾーンを形成することなどの代替的な実施も実用的であり、本発明の特定の使用に望ましいであろう。先に記載の実施例との一貫性を保つために磁性基体を記載するが、他のタイプの基体が本発明の特定の使用にとってはより適する場合もあり得る。
a)基体の作成
グルタルアルデヒド−アミンカップリング化学反応を用いてPSAのある抗原決定基に特異的なモノクローナル抗体(Maine Biotechnologies社、マサチューセッツ州メイン)をアミノ官能化磁性微粒子(Polysciences社.、ペンシルバニ州ウォリントン)と結合することによって、磁性微粒子検出プローブ(MMP)を調製した。アミノ官能化MMP(5mg)をピリジン洗浄緩衝液 (PWB)中の5mlの5%グルタルアルデヒドで室温にて3時間活性化した。次いで、活性化されたMMPを磁気的に分離し、上清を除去した。この磁気分離ステップを2回繰り返し、MMPをPWB中で再懸濁させた。次いで、このモノクローナル抗体(750μg)をMMPに添加し、この溶液を室温で10時間混合した。1mgのウシ血清アルブミン(BSA)をMMP溶液に添加して室温でさらに10時間混合することによって、非特異的結合部位を遮断した。この磁気分離ステップを2回繰り返し、MMPを5mlのPWBに再懸濁させた。次いで、3mlのグリシン溶液(pH8.0で1M)を得られた溶液に添加して未反応のグルタルアルデヒドをすべて消光し、30分間撹拌した。磁気分離ステップ(2回繰り返した)後、5mlの洗浄緩衝液をモノクローナル抗体官能化MMPとともに激しく混合し、MMPを再度磁気的に分離した(この洗浄ステップを3回繰り返した)。最後に、MMPプローブを0.15Mのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液中に再懸濁させた。タンパク質をMMPにカップリングさせる前後の280μmでの吸光度を比較することによって、UV−vis分光分析によってカップリング効率は90%であると決定した。
b)プローブの調製
直径1μmのアミノ官能化ポリスチレン微粒子(Polysciences社、ペンシルバニア州ウォリントン)を用いて検出プローブを調製した。アミノ官能化ポリスチレン微粒子の1.25%水性懸濁液1mlを10,000rpmで5分間遠心分離し、上清を除去した。次いで、このペレットをPBS中に再懸濁させ、遠心分離ステップをもう1回繰り返した。得られたポリスチレン粒子のペレットをpH7.4のPBS中の1mlの8%グルタルアルデヒド中に再懸濁させ、ロッキングシェーカーで5時間混合した。次いで、この粒子を10,000rpmで5分間沈殿させ、上清を捨てた(このステップを2回繰り返した)。得られたペレットをPBS中に再懸濁させ、PSA用の10μgのポリクローナル抗体(Maine Biotechnologies社、マサチューセッツ州メイン)を添加して、ロッキングシェーカーで室温にて一晩反応させた。加えた抗体の量は表面部位が多数のオリゴヌクレオチドを次ステップで同じ粒子に付着させるのに使用可能であるように粒子表面を完全に修飾するのに要する抗体の量の20〜30倍未満である。先に記載のような懸濁および沈殿によって、これらの粒子を10,000rpmで5分間沈殿させ、PBSで2回洗浄した。
前ステップからのペレット状の活性化微粒子を1mlの100μMの適した3’アミノ−官能化オリゴヌクレオチド中に再懸濁させ、ロッキングシェーカーで室温にて一晩反応させることによって、オリゴヌクレオチド官能化微粒子を調製した。以下のパラグラフに記載のオリゴヌクレオチドおよび方法を用いて、以前の発明のものに類似する「バーコード」検出プローブを調製した。標的検体の同定がヌクレオチド配列にコードされない検出プローブの場合、任意の配列を有する蛍光標識3’−アミノで官能化した30塩基のオリゴヌクレオチドを用いた。上記のような懸濁および沈殿によって、反応した粒子を10,000rpmで5分間沈殿させ、PBSで2回洗浄した。得られたペレットを1mlの0
.2Mエタノールアミンに再懸濁させて微粒子上の未反応のグルタルアルデヒド部位すべてを室温で30分間不活化し、10,000RPMで5分間沈殿させ、上清をデカンテーションによって除去した。続いて、ウシ血清アルブミン(10%BSA)溶液を添加して粒子表面のタンパク質に不活性の領域をさらに安定化させた。遠心分離ステップを2回繰り返して上清を除去し、ペレットを1mlの0.15MのPBS溶液中に再懸濁させた。ジスルフィドが結合した蛍光標識した化学的に切断可能なオリゴヌクレオチドを同様に活性化微粒子に付着させたが、アミノ官能化オリゴヌクレオチドとの最初の反応は省略した;不活化ステップにおいてチオエタノールアミンをエタノールアミンに置換した;ジスルフィドへの酸化によって、蛍光標識した3’チオール官能化オリゴヌクレオチドを得られたチオール基にカップリングした。
1mlの3’アミノ官能化オリゴヌクレオチド5’CGTCGCATTCAGGATTCTCAACTCGTAGCT−A10−C6−アミン3’(配列番号20)の100μMの溶液中のペレット状の微粒子をグルタルアルデヒドで活性化した前ステップの微粒子に再懸濁させることによって、以前の発明のものに類似する「バーコード」検出プローブを調製し、ロッキングシェーカーで室温にて一晩反応させた。同じオリゴヌクレオチド対または単一のオリゴヌクレオチドをすべての標的検体に用いてもよい。先に記載したような懸濁および沈殿によって、これらの粒子を10,000RPMで5分間沈殿させ、PBSで2回洗浄した。得られたペレットを1mlの0.2Mエタノールミンに再懸濁させて微粒子上の未反応グルタルアルデヒドすべてを室温で30分間不活化し、10,000RPMで5分間沈殿させ、デカンテーションにより上清を除去した。続いて、ウシ血清アルブミン(10%BSA)溶液を添加して、粒子表面のタンパク質に不活性の領域をさらに安定化させた。遠心分離ステップを2回繰り返して上清を除去し、ペレットを1mlの0.15MのPBS溶液中に再懸濁させた。次いで、200μlの5mg/mlのポリスチレンプローブ粒子の懸濁液を200μlの相補的なAlexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes社、オレゴン州ユージン)で標識したオリゴヌクレオチド5’AGCTACGAGTTGAGAATCCTGA−ATGCGACG3’(配列番号21、Integrated DNA Technologies社(アイオワ州コーラルビル)から購入、または文献の方法35を用いて合成および精製)の33μM溶液と併せ、ポリスチレン粒子上の相補的オリゴヌクレオチド鎖にハイブリダイズさせた。次いで、使用前に懸濁および沈殿によってこの粒子を洗浄した。100μlの500μg/ml粒子懸濁液を沈殿させ、上清を廃棄し、ペレットを100μlのナノピュア水に再懸濁させることにより脱ハイブリダイズさせることによって、各粒子に対するオリゴヌクレオチドローディングを決定した。この粒子を沈殿により除去し、SPEX Fluorolog−3分光光度計(JOBIN YVON社)を用いて50μlの蛍光マイクロキュベット(Starna Cells社、カリフォルニア州アタスカデロ)において、溶液中の放出されたオリゴヌクレオチドの蛍光度を測定した。純粋なAlexa Fluor(登録商標)647で標識したバーコードDNA溶液についての較正曲線に対して、測定された試料の蛍光度を比較することにより定量化した。各ポリスチレン粒子に対するバーコードDNA鎖の平均数は〜1.1×10であると決定した。
c)PSA試験(反応)
10μlの臨床試料またはPSAを含んだ較正標準(Sigma Chemical社、ウィスコンシン州ミルウォーキー)を1.5mL BioMag(登録商標)微小遠心管中のモノクローナル抗PSA抗体(500μg/ml)で官能化したMMPプローブ50μlに添加し、この溶液をオービタルシェーカーを用いて37℃で23分間振盪した(図18のステップ1)。次いで、このアッセイ溶液を入れた管をBioMag(登録商標)微小遠心管分離器(Polysciences社)に室温で設置した。15秒後、MMP−PSAハイブリッドが管の壁上に濃縮された。上清を除去し、MMPを50μlの0.1M PBSに再懸濁させた(2回繰り返した)。次いで、上記のいずれかのタイプの
検出プローブ(1.25mg/mlで50μlをこの溶液に加え(図18のステップ1)、37℃で23分間激しく撹拌した。次いで、上記のような磁気分離器を用いて反応混合物から磁性微粒子を分離し、0.15MのPBSで2回洗浄した(図18のステップ2)。
d)PSA試験(バーコード検出版)
磁性微粒子をナノピュア(18MΩ)水(50μl)に再懸濁させて、ポリスチレンプローブ表面上の相補的オリゴヌクレオチドから蛍光標識したバーコードオリゴヌクレオチドを脱ハイブリダイズした。この磁性微粒子を磁気分離器を用いて懸濁液から除去し(図18のステップ3)、SPEX Fluorolog−3分光蛍光計(Alexa Fluor(登録商標)647については650nm励起/665nm発光)を用いて660〜670nmのスペクトル域にわたる放出されたオリゴヌクレオチドの蛍光発光積分強度を測定した。660〜670nmのスペクトル域にわたる蛍光発光積分強度を決定し、最初の培地のPSA濃度の尺度として用いた。
e)PSA試験(化学的放出版)
磁性微粒子をジチオスレイトール(DTT)を含むPBS(50μl)に再懸濁させ、50℃で10分間加熱してポリスチレンプローブ表面から蛍光標識したオリゴヌクレオチドを放出した。磁気分離器を用いてこの懸濁液から磁性微粒子を除去し(図18のステップ3)、SPEX Fluorolog−3分光蛍光計(Alexa Fluor(登録商標)647については650nm励起/665nm発光)を用いて660〜670nmのスペクトル域にわたる放出されたオリゴヌクレオチドの蛍光発光積分強度を測定した。660〜670nmのスペクトル域にわたる発光積分強度を決定し、最初の培地のPSA濃度の尺度として用いた。
f)PSA試験(in−situ検出版)
磁性微粒子をPBSに再懸濁させて、粒子が結合したオリゴヌクレオチドの蛍光発光積分強度をSPEXFluorolog−3分光蛍光計(Alexa Fluor(登録商標)647については650nm励起/665nm発光)を用いて測定した。
磁性微粒子の蛍光度も標準的な手順に従ってフローサイトメータを用いて決定した。
g)PSA試験(結果)
30aM〜300fM濃度範囲にわたるすべての標的検体濃度をそれに対応する陰性対照から容易に微分することができる(図19A)。重要なことは、上記の本発明の改善はこれまでの発明の30aMの標的濃度の感度を保持したが、4時間以上から50分未満までのアッセイの合計時間の短縮を可能にし、またステップ数および必要な機器類の複雑さを大幅に低減した。
粒子が結合した分子の化学的放出
図20から22に示したように、蛍光アッセイを構成した。メッセンジャーRNA(mRNA)は検出用の標的検体として機能した。ポリTで標識した磁性ビーズは3’−ポリA標的検体を捕獲してそれらを磁性支持体に対して固定化し、試料液からそれらを分離する。使用した検出試薬はmRNA標的の5’末端と相補的なオリゴヌクレオチドで官能化された金ナノ粒子から構成した。この相補的なオリゴヌクレオチドはレポータ部分および選択的結合化合物の両方として機能し、金−チオール結合を介して金ナノ粒子に結合した。検出試薬を溶液に添加し、mRNA標的を該相補的レポータ部分に結合させてポリT標識ビーズ−標的mRNA検体−相補的オリゴヌクレオチド結合化合物−金ナノ粒子のサンドイッチを形成した。洗浄後、形成されたサンドイッチ構造を含んだ水にジチオスレイトール(DTT)を加え、50℃になるまで10分間加熱した。この水と熱によって、標的
mRNA分子によって一緒にされている磁性微粒子構造体および金ナノ粒子構造体を脱ハイブリダイズさせた。このDTTは13nm金ナノ粒子表面上のチオール化されたDNAレポータ部分と置き換わって、磁性微粒子および金粒子を除去した後で次の検出のためにDNAレポータを溶液に放出する。蛍光光度計を用いて溶液放出されたプローブ配列を検出できるように蛍光分子(Alexa488)をそのチオール基近傍に加えた。図23に示すように、6pMまで低下する標的mRNA濃度が検出され、約1nMの濃度でAlexa488で標識されたmRNAプローブ鎖が放出されたことを表す;これは50μL容量中のAlexa488ダイの蛍光光度計測検出の限界である。この実施例は本発明が主張する検出方法を核酸標的検出に使用することは標的配列を酵素増幅しなくてもポリメラーゼ連鎖反応と同じほど感度があり得ることを実証する。
上記開示は本発明のある特定の実施形態を強調するものであり、それと同等の改変例および代替例はすべて添付の特許請求の範囲に定める本発明の精神および範囲内にあることを理解されたい。

Figure 2007537450
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DNA/Auナノ粒子ベースのタンパク質検出スキームを示す図。(A)はハプテン修飾ナノ粒子プローブの調製を示す。(B)はタンパク質結合プローブを用いたタンパク質検出を示す。配列Aには9個のG,C対があり、配列BにはG、C対が2対しかないことに留意されたい。 DNAおよびタンパク質によって連結された金ナノ粒子凝集体についての熱変性プロファイルを示す図。260nmにおける吸光度を上昇する温度(毎分1℃、1分の保持時間)の関数としてモニターした。各紫外可視スペクトルを、凝集体を懸濁させるために絶え間なく撹拌しながら測定した。融解分析を行う前に、すべての凝集体を0.3M PBS1mlに懸濁した。A)1つの標的抗体を含む2つのプローブは、IgE(実線)、IgG1(点線)を示す;すべてのデータは正規化されている;(B)両標的抗体を含む2つのプローブを示す。挿入図;熱変性曲線の一次導関数。 タンパク質のバイオバーコードとしてDNAを用いる、アレイ型のタンパク質検出スキームを示す図。 DNAバイオバーコードのスキャン測定によるDNAアレイ検出を示す図。左のカラムはIgG1に関するバイオバーコードの検出用であり、右のカラムはIgEに関するバイオバーコード用である。捕獲オリゴヌクレオチドは、IgG1システムの場合には5’チオール修飾−ATAACTAGAACTTGA(配列番号1)であり、IgEシステムの場合には5’チオール修飾−TTATCTATTATT(配列番号2)である。各スポットは直径が約250umであり、Epson Expression 1640XLフラットベッドスキャナ(米国エプソン社(Epson America)[米国カリフォルニア州ロングビーチ(Longbeach)所在])でグレースケールにより読み取る。これらのアッセイについて検討したが、同アッセイは20nMから700nMの標的濃度範囲にわたって比較的有効である。 一般的なタイプの免疫PCRベースの検体検出スキームを示す図。 バーコードPCR (BPCR)プロトコルを用いて標的検体である前立腺特異抗原(PSA)を検出する図。パネルAは設計および調製を示す。パネルBはPSA検出ならびにバーコードDNAの増幅および同定を示す。 プライマー−二量体形成、DNAバーコード増幅、および25回のサーマルサイクルを用いてDMSO濃度を上昇させることの効果を評価するための対照試験を示す図。レーン1から5はPCR反応混合物中に存在するDNAバーコードを有するものであり、レーン6から10にはDNAバーコードが存在しない。DMSOはレーン1から5および6から10まで上昇されていることに留意されたい(0.5%の上昇で0〜2%)。 PCA検出後にPCRで増幅したバーコードDNAを示す電気泳動画像およびバンドの相対強度グラフ。パネルAのレーン1および2は対照試験(レーン1:PSAのないバックグラウンドのタンパク質の抗ジニトロフェニルおよびβガラクトシダーゼ、レーン2:タンパク質無し)。レーン3から8まで、試料(10μl)中のPSA濃度はそれぞれ300aM、3fM、30fM、300fM、3pMおよび30pMである。PSA用の標準的なバイオバーコードDNA40merをレーン9で行ってPCR後の他のゲルバンドと比較した。パネルBはBPCR後のゲル電気泳動のバンドの相対強度グラフである。パネルCはPSAの低濃度の検出である。濃度はレーン2(3aM)からレーン7(300fM)まで10x希釈液で3aM〜300fMである。バックグラウンドタンパク質のみの陰性対照をレーン1に示し、標準的なバーコード40mer(6μMバイオバーコード二本鎖)を最初のレーン(レーンC)に示す。パネルDはBPCR後のゲル電気泳動のバンドの相対強度グラフである。 PSA特異的バーコードDNAのスキャン検出を示す図。PSA濃度(試料容量10ml)は300fMから3aMまで変化し、PSAを加えていない(対照)陰性対照試料を示す。7例の試料すべてにつき、2mlの抗ジニトロフェニル(10pM)および2mlのβ−ガラクトシダーゼ(10pM)をバックグラウンドタンパク質として加えた。30nmのNPプローブを用いたPSA(30aMおよび対照)のPCRなしの検出も示す(挿入図)。Verigene IDシステムを用いてチップを画像化した。 BPCRの理論的検出限界を示す図。左のパネルでは、ゲル画像はPCR後のバンドを示しており、バーコードDNA濃度は始まりから減少している。レーン1:3×10コピー、レーン2:3×10コピー、レーン3:3×10コピー、レーン4:3×10コピー、レーン5:3×10コピー、レーン6:3×10コピー、レーン7:3×10コピー、レーン8:3×10コピー、レーン9:3×10コピー、レーン10:バーコードDNAなし。右のパネルはゲル電気泳動のバンドの相対強度グラフである。 PSAを複合ヤギ血清培地に溶解したPSA特異的バーコードDNAの検出を示す図。各パネルはBPCRで増幅されたバーコードDNAによって生成されたシグナルを種々の検体濃度(3pM〜3aM)で示す。 30nmのNPプローブを用いたPSAのPCRなしの検出を示す図。各パネルおよび棒グラフの関連する相対強度値は、バーコードDNA(すなわち、非BPCR増幅された)の直接検出によって生成されたシグナルを種々の濃度(30aM〜3pM、対照)で示す。Verigene IDシステム(Nanosphere社、イリノイ州ノースブルック)を用いてチップを画像化した。 DNA−BCAアッセイを示す図。(A)ナノ粒子および磁性微粒子プローブの調製。(B)ナノ粒子ベースのPCRなしのDNA増幅スキーム。 Verigene IDシステムによる増幅された炭疽菌バーコードDNA検出を示す図。(A)20nmのNPプローブを用いた炭疽菌バーコードDNA検出。(B)30nmのNPプローブを用いた炭疽菌バーコードDNA検出。 20nmおよび30nmのNPプローブに関する銀増強後のバーコードDNAおよびNPプローブのサンドイッチされたスポットを示す強度グラフ。 「ユニバーサル」ナノ粒子プローブ検出スキームの1実施形態を示す図。(A)1つ以上の標的核酸配列に特異的なユニバーサルプローブを合成した。この標的認識DNAを用いて標的に対するプローブの特異性を制御することができる。このプローブは単一または複数の標的核酸配列が所与の試験溶液中に存在するアッセイ系において用いることができる。(B)このユニバーサルプローブは、磁性微粒子またはスライドガラスなどの基体に結合した第2のタイプの認識オリゴヌクレオチドと併せて用いられる。第2のタイプの認識オリゴヌクレオチド、ユニバーサルプローブ、および標的核酸を含むと考えられる試験溶液をハイブリダイゼーションおよび複合体形成を可能にする条件下で混合、反応させた。この複合体を未反応のユニバーサルプローブおよび試験溶液から分離し、レポータオリゴヌクレオチドを検出する。 ユニバーサルナノ粒子プローブの別の実施形態を、デンドリマープローブ、増幅されたデンドリマープローブおよびデンドリマー−ナノ粒子ハイブリッドプローブとともに示す図。第1のタイプのデンドリマープローブは認識オリゴヌクレオチド配列およびバーコードDNAなどのレポータオリゴヌクレオチドと相補的な核酸配列を含む。第1のタイプのデンドリマープローブ上の認識オリゴヌクレオチド配列を第2のタイプのデンドリマープローブにハイブリダイズすることができる。ハイブリダイゼーション条件下で、これは必要に応じて延長することのできるデンドリマープローブ複合体(またはマトリクス)を生成する。第2のタイプのデンドリマープローブは複数のデンドリマープローブおよび機能を結合して、マトリクス全体に含まれたレポータオリゴヌクレオチドの量を増幅することができる。同様に、錯体形成のより多くの部位に第2のタイプのデンドリマーを提供するため、またはより多くのレポータオリゴヌクレオチドを提供するために、第1のタイプのデンドリマー上に存在する認識オリゴヌクレオチドの量を増大または低減することができる。第1または第2のタイプのデンドリマープローブを、特定のアッセイの要求に応じて、金ナノ粒子プローブ、またはハイブリッドプローブ複合体(またはマトリクス)システムを生成するための磁性微粒子プローブなどの他の粒子プローブとともに用いることができる。 フルオロフォアベースのバイオバーコード増幅アッセイを示す図。各ポリスチレンプローブ用のバーコードDNAは約1.1×10、アッセイの総時間は約50分であった。 前立腺特異抗原(PSA)(10μL試料)用の蛍光シグナル(Alexa−647を示す図。感度は約30aM PSAであった。マイクロ蛍光光度計セル(50マイクロL容量)をAlexa−647とともに用いた。 本発明の例示的アッセイを示す略図。金ナノ粒子プローブの表面上のプローブ鎖はレポータ部分も表す。mRNA 特異的標的配列およびレポータ部分用のプローブとして二重にするチオール化オリゴヌクレオチドを、金ナノ粒子表面に共有結合させた。図示のように、金ナノ粒子表面の次の球は蛍光読み取り用のフルオロフォアまたはスキャンによる金ナノ粒子の標識に用いることのできる「ユニバーサル」DNA配列のいずれかを表す。 偽のmRNA標的の検出を示す略図。プローブは図20と同様である。蛍光読み取りを用いて、検出されたmRNA標的に特異的な、DTTが放出された蛍光標識プローブを検出した。 任意の標準的な方法を用いて逐次読み取られる、高密度マイクロアレイ上にソートされた多数の核酸標的配列の多重検出を示す略図。重要なことは、この球は、蛍光読み出し法を表すことができるか、スキャン法で「ユニバーサル」金ナノ粒子プローブを用いて探査が可能なユニバーサル捕獲配列を表すことができる。 図20に示したような偽のmRNA配列検出後に放出された蛍光標識プローブ鎖の蛍光光度計測検出を示す図。6pMの蛍光4の検出限界は、Alexa488に対して約1nMの蛍光検出限界の光において検出事象当たり約100個の蛍光標識レポータ部分を放出する13nmのプローブを用いると可能な限り低くなる。

Claims (50)

  1. それぞれが試料中の特異的結合相補体との特異的結合相互作用のための少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存在を検出するための方法であって、
    a)該特定の標的検体の少なくとも第1の結合部位に結合する特定の標的検体の少なくとも1つの特異的結合相補体が結合した少なくとも1種類の捕獲基体を提供するステップと、
    b)(i)特定の標的検体に対する少なくとも1つの特異的結合相補体と、(ii)場合によってはレポータ標識で標識される複数のDNAバーコードとが結合した微粒子からなる少なくとも1種類の微粒子検出プローブを提供するステップであって、該微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体は、該標的検体の少なくとも第2の結合部位に結合するステップと、
    c)標的検体を該捕獲基体上に固定するように、捕獲基体に結合した該特異的結合相補体に対する特定の該標的検体の結合を可能にするのに有効な条件下で、標的検体を含有すると思われる試料に捕獲基体を接触させるステップと、
    d)該標的検体と、該検体に対する該微粒子検出プローブに結合した該特異的結合相補体との結合を可能にし、該捕獲基体上の標的検体の存在下で複合体を形成するのに有効な条件下で、少なくとも1種類の微粒子検出プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
    e)場合によって、該捕獲基体を分離し、洗浄して、未結合の微粒子検出プローブを除去するステップと、
    f)該試料中の特定の標的検体の存在を示す該DNAバーコードの存在を検出するステップと、からなる方法。
  2. 前記標的検体は、タンパク質またはハプテンであり、その特異的結合相補体は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体からなる抗体である請求項1に記載の方法。
  3. 前記標的検体は、核酸分子である請求項1に記載の方法。
  4. それぞれのDNAバーコードは、検出可能なレポータ基で標識される請求項1に記載の方法。
  5. 前記検出可能なレポータ基は、蛍光体、発色団、酸化還元基、電気特性を有する基、放射性基、触媒基またはラマン標識からなる請求項1に記載の方法。
  6. 微粒子を複数のDNAバーコードで標識する請求項1に記載の方法。
  7. 前記標的検体を固定した後で、前記捕獲基体を微粒子検出プローブに接触させる前に捕獲基体を洗浄するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  8. 前記検出ステップの前で、前記分離および洗浄ステップの後に、
    a)前記DNAバーコードを前記微粒子検出プローブから剥離させるのに有効な条件を複合体に施すステップと、
    b)前記検出の前に、場合によって、該DNAバーコードを増幅させるステップと、をさらに含む請求項1に記載の方法。
  9. 前記検出前に、剥離されたDNAバーコードを基体に固定する請求項8に記載の方法。
  10. 前記DNAバーコードを前記微粒子に直接結合させる請求項1に記載の方法。
  11. 化学剥離剤によって、前記DNAバーコードを前記微粒子検出プローブから剥離させる請求項10に記載の方法。
  12. 前記微粒子は、それに結合したオリゴヌクレオチドをさらに備え、前記DNAバーコードは、該微粒子に結合した該オリゴヌクレオチドの少なくとも一部に対してハイブリダイズされる請求項1に記載の方法。
  13. 前記DNAバーコードを脱ハイブリダイゼーションによって剥離させる請求項12に記載の方法。
  14. 前記捕獲基体は、磁性基体である請求項1に記載の方法。
  15. 前記分離は、前記磁性基体に磁界を受けさせることからなる請求項14に記載の方法。
  16. 前記分離および洗浄ステップの後で、前記検出ステップの前に、前記DNAバーコードを剥離させるのに有効な条件を複合体に施すステップをさらに含む請求項15に記載の方法。
  17. 前記分離は、濾過、沈降、浮揚または流動からなる請求項1に記載の方法。
  18. 前記濾過ステップは、DNAバーコードを含まない試料成分を除去する膜からなる請求項17に記載の方法。
  19. 前記微粒子は、ポリマー、ガラス、金属、半導体またはセラミックである請求項1に記載の方法。
  20. 前記ポリマーは、ポリスチレンからなる請求項19に記載の方法。
  21. 前記特異的結合対は、抗体および抗原である請求項1に記載の方法。
  22. 前記特異的結合対は、受容体またはリガンドである請求項1に記載の方法。
  23. 前記特異的結合対は、酵素および競合阻害剤である請求項1に記載の方法。
  24. 前記特異的結合対は、薬物および標的分子である請求項1に記載の方法。
  25. 前記特異的結合対は、少なくとも部分的に相補的なオリゴヌクレオチドの2つの鎖である請求項1に記載の方法。
  26. 前記DNAバーコードはビオチン化されている請求項1に記載の方法。
  27. 前記DNAバーコードは放射活性標識されている請求項1に記載の方法。
  28. 前記DNAバーコードは蛍光標識されている請求項1に記載の方法。
  29. 前記標的は、3つ以上の結合部位を有する請求項1に記載の方法。
  30. 少なくとも2種類の微粒子検出プローブを提供し、第1の種類のプローブは、前記標的検体上の第1の結合部位に対する特異的結合相補部分を有し、第2の種類のプローブは、
    前記標的検体上の第2の結合部位に対する特異的結合相補部分を有する請求項1に記載の方法。
  31. 複数の微粒子検出プローブを提供し、それぞれの種類のプローブは、前記標的検体上の異なる結合部位に対する特異的結合相補部分を有する請求項30に記載の方法。
  32. 前記特異的結合相補体および標的検体は、特異的結合対の構成要素である請求項1に記載の方法。
  33. 特異的結合対の構成要素は、核酸、オリゴヌクレオチド、ペプチド核酸、ポリペプチド、抗体、抗原、炭水化物、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、ホルモン、ステロイド、ビタミン、薬物、ウイルス、多糖類、脂質、リポ多糖、糖タンパク質、リポタンパク質、核タンパク質、オリゴヌクレオチド、抗体、免疫グロブリン、アルブミン、ヘモグロビン、凝固因子、ペプチドおよびタンパク質ホルモン、非ペプチドホルモン、インターロイキン、インターフェロン、サイトカイン、腫瘍に特異的なエピトープからなるペプチド、細胞、細胞表面分子、微生物、微生物の断片、部分、成分または生成物、小有機分子、核酸およびオリゴヌクレオチド、前記物質のいずれかの代謝物質または抗体からなる請求項32に記載の方法。
  34. 核酸およびオリゴヌクレオチドは、遺伝子、ウイルスRNAおよびDNA、細菌DNA、真菌DNA、哺乳類DNA、cDNA、mRNA、RNAおよびDNA断片、オリゴヌクレオチド、合成オリゴヌクレオチド、修飾オリゴヌクレオチド、一本鎖および二本鎖核酸、ならびに天然および合成核酸からなる請求項33に記載の方法。
  35. 前記標的検体は核酸であり、前記特異的結合相補体はオリゴヌクレオチドである請求項1に記載の方法。
  36. 前記標的検体は、タンパク質またはハプテンであり、前記特異的結合相補体は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体からなる抗体である請求項1に記載の方法。
  37. 前記標的検体は、ゲノムDNA試料からの配列であり、前記特異的結合相補体はオリゴヌクレオチドであり、該オリゴヌクレオチドは、該ゲノム配列の少なくとも一部に相補的である配列を有する請求項1に記載の方法。
  38. 前記ゲノムDNAは、真核、細菌、真菌またはウイルスDNAである請求項37に記載の方法。
  39. 前記標的検体は、エピソームDNA試料からの配列であり、前記特異的結合相補体はオリゴヌクレオチドであり、該オリゴヌクレオチドは、該エピソームDNA配列の少なくとも一部に相補的である配列を有する請求項1に記載の方法。
  40. 前記特異的結合相補体および標的検体は、抗体−リガンド対の構成要素である請求項1に記載の方法。
  41. その第1の結合部位に加えて、第2の結合部位を含めるように前記標的検体を修飾した請求項1に記載の方法。
  42. それぞれが試料中の特異的結合相補体との特異的結合相互作用のための少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存在を検出するための方法であって、
    a)該特定の標的検体の少なくとも第1の結合部位に結合する特定の標的検体の少なくとも1つの特異的結合相補体が結合した少なくとも1種類の捕獲基体を提供するステップと、
    b)(i)特定の標的検体に対する少なくとも1つの特異的結合相補体と、(ii)蛍光標識した複数のDNAバーコードとが結合した微粒子からなる少なくとも1種類の微粒子検出プローブを提供するステップであって、該微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体は、該標的検体の少なくとも第2の結合部位に結合するステップと、
    c)標的検体を該捕獲基体上に固定するように、捕獲基体に結合した該特異的結合相補体に対する特定の該標的検体の結合を可能にするのに有効な条件下で、標的検体を含有すると思われる試料に捕獲基体を接触させるステップと、
    d)場合によって、該捕獲基体を洗浄して、未結合材料を除去するステップと、
    e)該標的検体と、検体に対する該微粒子検出プローブに結合した該特異的結合相補体との結合を可能にし、該捕獲基体上の標的検体の存在下で複合体を形成するのに有効な条件下で、少なくとも1種類の微粒子検出プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
    f)場合によって、該捕獲基体を分離し、洗浄して、未結合の微粒子検出プローブを除去するステップと、
    g)該試料中の特定の標的検体の存在を示す該DNAバーコードからの蛍光シグナルの存在を検出するステップと、からなる方法。
  43. それぞれが試料中の特異的結合相補体との特異的結合相互作用のための少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存在を検出するための方法であって、
    a)該特定の標的検体の少なくとも第1の結合部位に結合する特定の標的検体の少なくとも1つの特異的結合相補体が結合した少なくとも1種類の捕獲基体を提供するステップと、
    b)(i)特定の標的検体に対する少なくとも1つの特異的結合相補体と、(ii)蛍光標識した複数のDNAバーコードとが結合した微粒子からなる少なくとも1種類の微粒子検出プローブを提供するステップであって、該微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体は、該標的検体の少なくとも第2の結合部位に結合するステップと、
    c)標的検体を該捕獲基体上に固定するように、捕獲基体に結合した該特異的結合相補体に対する特定の該標的検体の結合を可能にするのに有効な条件下で、標的検体を含有すると思われる試料に捕獲基体を接触させるステップと、
    d)場合によって、該捕獲基体を洗浄して、未結合材料を除去するステップと、
    e)該標的検体と、検体に対する該微粒子検出プローブに結合した該特異的結合相補体との結合を可能にし、該捕獲基体上の標的検体の存在下で複合体を形成するのに有効な条件下で、少なくとも1種類の微粒子検出プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
    f)場合によって、該捕獲基体を分離し、洗浄して、未結合の微粒子検出プローブを除去するステップと、
    g)分離、洗浄された該捕獲基体に、該DNAバーコードを剥離させるのに有効な条件を施すステップと、
    h)該試料中の特定の標的検体の存在を示す該DNAバーコードの蛍光シグナルの存在を検出するステップと、からなる方法。
  44. それぞれが試料中の特異的結合相補体との特異的結合相互作用のための少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存在を検出するための方法であって、
    a)該特定の標的検体の少なくとも第1の結合部位に結合する特定の標的検体の少なくとも1つの特異的結合相補体が結合した少なくとも1種類の捕獲基体を提供するステップ
    と、
    b)(i)特定の標的検体に対する少なくとも1つの特異的結合相補体と、(ii)レポータ標識からなる複数のDNAバーコードとが結合した微粒子からなる少なくとも1種類の微粒子検出プローブを提供するステップであって、該微粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体は、該標的検体の少なくとも第2の結合部位に結合するステップと、
    c)標的検体を該捕獲基体上に固定するように、捕獲基体に結合した該特異的結合相補体に対する特定の該標的検体の結合を可能にするのに有効な条件下で、標的検体を含有すると思われる試料に捕獲基体を接触させるステップと、
    d)場合によって、該捕獲基体を洗浄して、未結合材料を除去するステップと、
    e)該標的検体と、検体に対する該微粒子検出プローブに結合した該特異的結合相補体との結合を可能にし、該捕獲基体上の標的検体の存在下で複合体を形成するのに有効な条件下で、少なくとも1種類の微粒子検出プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
    f)場合によって、該捕獲基体を分離し、洗浄して、未結合の微粒子検出プローブを除去するステップと、
    g)分離、洗浄された該捕獲基体に、該DNAバーコードを剥離させるのに有効な条件を施すステップと、
    h)該試料中の特定の標的検体の存在を示す該DNAバーコードのレポータ標識の存在を検出するステップと、からなる方法。
  45. それぞれが試料中の特異的結合相補体との特異的結合相互作用のための少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存在を検出するための方法であって、
    a)該特定の標的検体の少なくとも第1の結合部位に結合する特定の標的検体の少なくとも1つの特異的結合相補体が結合した少なくとも1種類の捕獲基体を提供するステップと、
    b)(i)特定の標的検体に対する少なくとも1つの特異的結合相補体と、(ii)場合によってはレポータ標識で標識される複数のDNAバーコードとが結合した粒子からなる少なくとも1種類の粒子検出プローブを提供するステップであって、該粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体は、該標的検体の少なくとも第2の結合部位に結合するステップと、
    c)標的検体を該捕獲基体上に固定するように、捕獲基体に結合した該特異的結合相補体に対する特定の該標的検体の結合を可能にするのに有効な条件下で、標的検体を含有すると思われる試料に捕獲基体を接触させるステップと、
    d)場合によって、該捕獲基体を洗浄して、未結合材料を除去するステップと、
    e)該標的検体と、検体に対する該粒子検出プローブに結合した該特異的結合相補体との結合を可能にし、該捕獲基体上の標的検体の存在下で複合体を形成するのに有効な条件下で、少なくとも1種類の粒子検出プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
    f)場合によって、該捕獲基体を分離し、洗浄して、未結合の粒子検出プローブを除去するステップと、
    g)化学剥離剤によって、該DNAバーコードを該粒子検出プローブから剥離させるステップと、
    h)該試料中の特定の標的検体の存在を示す該DNAバーコードの存在を検出するステップとからなる方法。
  46. 前記粒子は、ナノ粒子または微粒子である請求項45に記載の方法。
  47. それぞれが試料中の特異的結合相補体との特異的結合相互作用のための少なくとも2つの結合部位を有する、試料中の1つまたは複数の標的検体の存在を検出するための方法で
    あって、
    a)該特定の標的検体の少なくとも第1の結合部位に結合する特定の標的検体の少なくとも1つの特異的結合相補体が結合した、該試料から分離可能な少なくとも1種類の捕獲基体を提供するステップと、
    b)標的検体を該捕獲基体上に固定するように、捕獲基体に結合した該特異的結合相補体に対する特定の該標的検体の結合を可能にするのに有効な条件下で、標的検体を含有すると思われる試料に捕獲基体を接触させるステップと、
    c)場合によって、該捕獲基体、およびそれに結合した標的検体を、該試料から分離するステップと、
    d)(i)特定の標的検体に対する少なくとも1つの特異的結合相補体と、(ii)場合によってレポータ標識で標識される複数のオリゴヌクレオチドとが結合した粒子からなる少なくとも1種類の粒子検出プローブを提供するステップであって、該粒子検出プローブに結合した特異的結合相補体は、該標的検体の少なくとも第2の結合部位に結合するステップと、
    e)該標的検体と、検体に対する該粒子検出プローブに結合した該特異的結合相補体との結合を可能にし、該捕獲基体上の標的検体の存在下で、標的検体、捕獲基体および粒子検出プローブを備えた複合体を形成するのに有効な条件下で、少なくとも1種類の粒子検出プローブに、固定された標的検体を接触させるステップと、
    f)場合によって、未結合の粒子検出プローブから該複合体を分離するステップと、
    g)該試料中の特定の標的検体の存在を示す該複合体の存在を検出するステップと、からなる方法。
  48. 2つ以上の標的検体の第1の結合部位に対応する前記特異的結合相補体を同じ基体に結合させる請求項47に記載の方法。
  49. 前記基体に結合する1つの標的検体の第1の結合部位に対応する前記特異的結合相補体を、異なる標的検体の第1の結合部位に対応する特異的結合相補体である該基体の異なる物理的領域に局在化させる請求項48に記載の方法。
  50. 前記検出前に、前記オリゴヌクレオチドを前記検出プローブから剥離させる請求項49に記載の方法。
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