JP2007535803A - 電力変換及び冷却用の薄膜熱電装置 - Google Patents

電力変換及び冷却用の薄膜熱電装置 Download PDF

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Abstract

熱電装置は、n型及びp型熱電素子の少なくとも1つの熱電対と、この熱電対の一方の側に結合された第1のヘッダと、熱電対の第2の側に結合された第2のヘッダとを含む少なくとも1つの熱電ユニットを有する。この熱電対は、熱伝導領域が第1のヘッダ又は第2のヘッダ領域の一部分であるように、第1のヘッダ又は第2のヘッダの領域よりも小さい熱伝導チャネルの領域を有する。

Description

[連邦政府後援の研究に関する記述]
米国政府は、下記の契約により、本発明に、支払い済みのライセンス、及び限定された環境の中で特許の所有者に他の人に妥当な条件でライセンスを供与することを要求する権利を有する。すなわち、このことは、「High-Performance Thin-film Thermoelectric Devices for Cooling and Power Generation」、DARPA/ONR契約番号N00014-97-C-0211、「Thin-film Thermoelectric Palm Power Technologies」、DARPA/ARO契約番号DAAD19-01-C-0070、及び「Meta-Material Structures for Super-Radiant Structures」、DARPA/AFOSR契約番号F49620-01-C-0038における条件によって規定される。
[関連文書との相互参照]
本願は、2002年4月15日に出願された「Thermoelectric device technology utilizing double-sided Peltier junctions」という名称の米国仮特許出願第60/372,139号に関連する。その特許の全内容は、参照することによって本願に組み込まれる。本願は、2001年10月9日に発行された「Thin-film thermoelectric device and fabrication method of same」という名称の米国特許第6,300,150号に関連する。その特許の全内容は、参照することによって本願に組み込まれる。本願は、2002年6月6日に発行された「Low temperature chemical vapor depositor and etching apparatus and method」という名称の米国特許第6,071,351号に関連し、その特許の全内容は、参照することによって本願に組み込まれる。本願は、2003年1月14日に発行された「Cascade cryogenic thermoelectric cooler for cryogenic and room temperature applications」という名称の米国特許第6,505,468号に関連する。その特許の全内容は、参照することによって本願に組み込まれる。本願は、2000年11月29日に出願された「Spontaneous emission enhanced heat transport method and structures for cooling, sensing, and power generation」という名称の米国仮特許出願第60/253,743号に関連し、その特許の全内容は、参照することによって本願に組み込まれる。前記特許は、引き続き、2001年11月29日にPCT出願第PCT/US01/44517号として出願された。本願は、2002年11月25日に出願された「Three-Thermal-Terminal (T3) Trans-Thermoelectric Device」という名称の米国仮特許出願第60/428,753号に関連する。その特許の全内容は、参照することによって本願に組み込まれる。
[発明の分野]
本発明は、薄膜の熱電材料を利用する電力変換及び冷却用の熱電装置に関する。
熱電装置は、熱流束が熱電材料の反対の導電型を流れるときに電気エネルギーを発生することができる。さらに、電流が適当な方向に熱電材料をぬけて流れるときに、熱電装置は、取り付けた物体を冷却することができる。例えば、熱電発生器では、熱電装置を通って発生したゼーベック電圧(Seebeck voltage)を使用して、接続した負荷回路の中の電流を駆動することができる。実際に、熱電発生器は、種々の熱源から電力を発生することができる。例えば、熱電力装置(thermoelectric power device)を燃焼器の壁に結合して、これにより燃焼器の壁から流れる熱流束から電力を発生することができる。この例では、燃料が熱電力発生用に熱流束を発生するために燃焼されるが、熱電発生器用に利用可能な他の熱源には、太陽熱源、ラジオアイソトープ熱源、及び原子炉廃熱源が含まれる。熱電発生器は一般に、低い電圧の熱電素子から電力を受け取り、より高い電圧で電力を配送するためのDC−DC変換回路又はDC−AC変換器などの外部電子回路を含む。
従来の熱電装置では、熱電変換の効率は約6から8%である。このため、例えば燃料電池装置などの他の直接エネルギー変換をするシステムと比較する場合、熱電変換効率が低いという欠点がある。熱電装置の変換効率が高い場合は、熱電力変換装置をまさに自動車にも有効に採用して、燃焼工程から浪費されている廃熱を電力に変換することによって、自動車の全体の燃料効率を向上させることができる。
効率が低いと、熱電装置の用途が冷却及び冷蔵の用途に限定されてしまう。Chenらの米国特許第5,713,208号では、熱電冷却装置(thermoelectric cooling apparatus)が説明されている。この特許はその全体が、参照することによって本願に組み込まれる。この熱電冷却装置は、それぞれがヒートシンクに接続されたホット側面(hot side)及び冷却する対象物に結合されたコールド側面(cold side)を有する複数の熱電冷却器を備えている。Chenらは、熱電冷却器はMelcor社がカタログ番号CP2−127−06Lで供給しているものなどの適当な熱電冷却器とすることができると説明するが、これらの冷却器の効率は、前述した電力変換用の熱電装置の効率と同様に限定される。
無次元の熱電気の性能指数(figure of merit)(ZT)は、冷却及び電力変換の用途の両方に対する材料の効率の尺度である。ゼーベック係数(S)は、電子が温度勾配を横切るときに電子(又はホール)が熱を電気エネルギーにいかに容易に変換するかに関する尺度である。所定の温度における所定の材料に対する熱電気の性能指数ZTは、最適なドーピングレベルで最大にされる。大抵の材料では、熱電気の性能指数ZTは、ドーピングレベルが約1019cm-3で最大にされる。現在では、最良の非超格子(non-superlattice)熱電材料の最大のZTは約1である。現在では、p型BixSb2-xTe3及びn型Bi2Te3-xSexに基づいた大部分の熱電材料は、多くの電力変換の状態において経済的に利用できるほど十分な性能指数(ZT)を有していない。
バルク材料と対照的に、超格子構造の熱特性は、バルク材料の熱特性よりも改善することができる。熱電材料における超格子構造は、その処理された特性がより良好な半導体特性及び熱電気特性をもたらすことができるような構造として研究されてきた。分子線エピタキシー(MBE)又は他の周知のエピタキシャル成長技術により超格子を製造することは、一般的に周知である。超格子を構成する材料の選択及び材料の相対量は、超格子の特性を決定する要因である。熱電材料として使用するために、熱電気の性能指数(ZT)及びゼーベック指数(S)が最大になるように材料及びその相対量を選択することが望ましい。このため、超格子材料は、バルク材料よりも高いZT値を持つことが期待される。超格子の薄膜材料のZTが高いにもかかわらず、薄膜の熱電装置は現在では、熱的な不整合及び温度勾配の問題のため限界があり、また薄膜超格子材料の高い費用によっても実際的に制限される。
本発明の1つの目的は、ZTが高い熱電材料を使用する熱電装置の構造体を提供することである。
本発明の別の目的は、装置の熱電特性が装置内の活性状態の熱電素子の周りの不慮の熱流束によって破られないような熱電装置の構造体を利用することである。
本発明のさらに別の目的は、電力放散装置(power-dissipating device)を冷却するための熱電装置の構造体を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、各種の中程度の熱源からの電力を、これに限定されることはないが、燃料源を含む高温の熱源に変換できる熱電装置の構造体を提供することである。
従って、本発明の1つの目的は、600Kの温度の熱源から850Kに電力変換するための多段式の熱電装置を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、電力変換装置からヒートポンプ装置に変換することができる熱電装置を提供することである。ここでは、熱電装置のヒートシンクに対する冷却液は使用する必要はない。
本発明のさらに別の目的は、バルクの熱電材料及び超格子の熱電フィルムの両方を利用して、これらの動作温度範囲で、各熱電材料にとり、最も好適な熱電特性を活用する熱電装置を提供することである。
従って、本発明の1つの目的は、個々の熱電段階の中には高い内部熱流束が、また熱電装置の全体にわたって低い外部熱流束が存在するような熱電装置を提供することである。
本発明の種々のこれら及び他の目的は、本発明の幾つかの実施形態の中で実現される。
1つの例証的な実施形態には、n型及びp型熱電素子の熱電対、熱電対の一方の側に接続された第1のヘッダ、熱電対の第2の側に接続された第2のヘッダ、及び熱電対と第1及び第2のヘッダの1つとの間に配置された熱インピーダンス増加装置(thermal impedance increasing device)を含む少なくとも1つの熱電ユニットを有する新規熱電装置が含まれる。
添付の図面に関連して考察する場合、下記の詳細な説明を参照することによって理解が深まり、本発明のより完全な評価及びその多くの付随する利点が容易に得られるであろう。
ここで図面を参照する。これらの図面では、同じ参照番号は幾つかの図面にわたって同一の又は対応する部分を示す。より詳細には図1Aを参照すると、本発明による熱電装置の1つの実施形態の概略図が示されている。図1Aに示すように、本発明の熱電装置1は、それぞれn型及びp型の熱電素子2a及び2bの熱電対を含んでいる。この熱電対は、熱伝導するために熱的に平行に、また電気伝導するために電気的には直列に接続される。n型及びp型の熱電素子2a及び2bの熱電対は、上側のヘッダ3に結合された側で電気的接続体6によって電気的に一緒に接続され、下側のヘッダ4に結合された側で電気的接続体7によって電気的に別々に接続される。図1Aに図示したように、n型及びp型の熱電素子2a及び2bの熱電対は、Si、SiC、AlNなどの熱伝導率が高い材料から作られたヒートパイプ5によって、上側のヘッダ3に接続することができる。本発明のこの実施例では、熱電装置1の中を流れる熱は、ヒートパイプ5を通ってn型及びp型の熱電素子2a及び2bの熱電対に向けられる。
本発明の1つの実施形態では、熱電素子2a及び2bのn型及びp型材料の異なる熱電特性により、これらの材料の中の電子及びホールは、それぞれのn型及びp型の熱電素子を通って異なる速度で拡散し、これによりn型及びp型の熱電素子の対にわたって電位差が作られる。この実施形態では、冷却装置(図示せず)が、熱を放散できるように下側のヘッダ4に結合される。別の方法では、上側のヘッダ3、n型及びp型の熱電素子2a及び2bの対、及び下側のヘッダ4が、全てほぼ同じ温度になる。結果として、n型及びp型の熱電素子2a及び2b内の電子及びホールは、下側のヘッダへの拡散を停止する。
本発明の別の実施形態では、電圧を印加して、電子及びホール電流をn型及びp型の熱電素子2a及び2bを通過するように駆動し、これにより上側のヘッダ3を冷却することができる。電気的接続体6とn型及びp型の熱電素子2a及び2bの対との間の電気的な障壁のために、電子及びホール電流はより高い熱エネルギーを有するこれらの電子及びホールを優先的に移送するため、上側のヘッダ3を冷却する。下側のヘッダ4に結合された熱放散装置(図示せず)により、装置から熱を放散することができる。そうでない場合は、電子及びホール電流によって上側のヘッダ3から運ばれる熱に等しい速度で、熱がフォノンの拡散(diffusion of phonon)を介して上側のヘッダ3に逆流するような温度に下側のヘッダ4がなるので、冷却部を取り除くことができる。
オプションのヒートパイプ5は、上側のヘッダ3と下側のヘッダ4との間の(ギャップを通る)熱インピーダンスを、熱電対2a及び2bにわたる熱インピーダンスよりも著しく大きな値(100倍以上)に増加させる機構を表す。図1Aに示すように、ヒートパイプ5は、熱電装置1に対して直角方向に(すなわち、上側のヘッダ3に対して直角に)伸びる。ヒートパイプ5の断面積は、上側のヘッダ3の断面積よりも小さい。本発明のヒートパイプ5は、上側のヘッダ3を下側のヘッダ4から離すオフセットを提供する。このオフセットにより、例えば薄膜の熱電素子を上側のヘッダ3から下側のヘッダ4まで熱伝導なしで使用して、それらの間のギャップを分流することを可能にして、これにより熱流束が熱電素子2a及び2bを通過するようにする。本発明の1つの実施形態のオフセットは少なくとも25μmであり、250から500μmの範囲であることが好ましい。このため、オフセットが上側のヘッダ3と下側のヘッダ4との間の、熱電素子が存在しないギャップを挟んで熱インピーダンスを発生し、その値は熱電素子2a及び2bの対にわたる熱インピーダンスよりも遙かに大きい。例えば、エアギャップを挟む熱インピーダンスは、熱電素子2a及び2bに対する熱インピーダンスよりも大きく、一般に同じ面積のエアギャップは熱電材料に対しては、500から1000倍も大きい。それ故に、エアギャップに対する高い熱伝導率のオフセットを使用することにより、オフセットはこの比率を増加することができる。ギャップ内の圧力レベルを減少する場合、オフセットの厚さを減らすことができる、すなわち高い真空レベルを用いて、ギャップの熱伝導率を減らすことができるため、オフセットの厚さはそれほど必要としない。多くの用途に対しては、オフセットは少なくとも10μmであるが、用途によっては100〜500μmの範囲になる。
ヒートパイプに関係なく、本発明の熱電装置は高い活性の熱流束を処理し、同時に表面1及び4を通過する、すなわち熱電素子の対を通過する遙かに低い流束を維持するため、本発明はn型及びp型の熱電素子2a及び2bの対の中で、極めて高い比出力を実現することができる。それ故に、本発明は熱電装置の全体にわたって低い入力/出力の流束を有すると同時に、各熱電素子を通過する高い活性の流束を用いて動作する。本願で説明したように、本発明のこの態様は、高活性流束−低入力−出力流束(High Active Flux- Low Input-Output Flux)(HAF−LIOF)と呼ばれる。この態様は、図1Bに図示されている。この態様では、集熱器(heat gatherer)(例えば、上側のヘッダ3)及び放熱器(heat spreader)(例えば、下側のヘッダ4)を通過する熱流束は、熱電素子のパッキングフラクション(packing fraction)が減少しているために、n型及びp型の熱電素子2a及び2bを通る熱流束よりも小さい。放熱器の領域に対する熱電素子のパッキングフラクションにより、より薄い熱電素子を使用できるため、例えばZTが高い材料のより厚い部分が熱電装置全体にわたって必要な△Tを維持するために必要な場合に含まれる製造費用を減らすことができる。
本発明の1つの実施形態では、熱電素子のパッキングフラクション(すなわち、例えば上側のヘッダ3の単位面積に対してn型及びp型の熱電素子2a及び2bの対によって占められた面積の割合)は、50%未満、又は20%未満であり、また例えば0.5〜1%と著しく低くすることができる。放熱器に対する単位面積は、放熱器に取り付けられたn型及びp型の熱電素子の関連する対の1つに主に熱を伝える放熱器の全面積のフラクションとして規定される。図1Bに示したn型及びp型の熱電素子の1つの対に対しては、単位面積は上側のヘッダ3の全面積になる。例えば、上側のヘッダ3に入るまた下側のヘッダ4から出る全熱流束はおよそ10〜30W/cm2とすることができるが、各熱電対2a及び2bを通る熱流束は100倍も高くすることができる。
好ましいパッキングフラクションは、熱源で利用可能な熱流束、最大効率を達成するために熱電素子にわたって必要な△T、及びヒートシンクで消散することができる熱流束の関数である。例えば、必要な△Tを発生するために装置の素子を通る必要な熱流束が2500W/cm2で、ヒートシンクで効率的に消散することができる熱流束が25W/cm2である場合、1%のパッキングフラクションが使用される(すなわち、25/2500×100%)。しかしながら、シンクで効率的に消散できる熱流束がわずか2.5W/cm2である場合は、各熱電対を通過する同じ2500W/cm2の熱流束に対しては、必要なパッキングフラクションは0.1%になる。しかしながら、より小さいパッキングフラクションは、熱電モジュールのホット側とコールド側との間の(空気、窒素、ヘリウムなどの)任意の媒体を通過する寄生的な熱転送損失を結果として増加させる可能性がある。
その結果、本発明の熱電装置では、ヒートパイプを使用することに加えて、他の熱インピーダンス増加装置を採用することができる。例えば、低い熱インピーダンス媒体として部分真空(すなわち、約1トル)を、熱電装置を含むモジュール(例えば、図6Aに示した熱電装置を封入するモジュール10)の中で使用することができる。別の方法では、モジュール10を、例えばArなどの伝導率が低いガスで満たすことができる。
本発明のヘッダ及びヒートパイプは、熱伝導特性を有している。ヘッダ及びヒートパイプに対する適当な材料の例には、AlN、SiC及びダイヤモンドが含まれる。これらの材料は比較的高い熱伝導率(例えば、5〜20W/cm−K)を有し、電気的に絶縁する利点がある。あるいはまた、好適な電気的絶縁層8がこれらの材料の表面に加えられる場合は、金属又は他の半導体材料を本発明のヘッダ及びヒートパイプに対して使用することができる。電気的絶縁層を通る熱伝導率は、n型及びp型の熱電素子2a及び2bの対を通る縦方向の熱の流れをほとんど妨げないことが好ましい。
例えば、本発明のヘッダは、熱伝導率が約0.015W/cm−Kの薄い(すなわち、約10nmから1000nm)SiO2又はSixy層がその上に蒸着された熱伝導率が約1.2から1.6W/cm−KのSi基板から作ることができる。例えば、本発明のヘッダは、熱伝導率が約0.015W/cm−Kの薄い(すなわち、約100nmから1000nm)SiO2又はSixyの層がその上に蒸着された熱伝導率が約4W/cm−KのCu基板からも作ることができる。導電性(例えば、SiCがドープされた材料)のSiCのヘッダ又はヒートパイプが使用される場合、同様の絶縁層を適用することもできる。
熱電素子は低電圧で高電流の装置であるため、電気的接続は抵抗が小さく(好ましくは、熱電素子のオーム抵抗の1/10以下)導電性が高いことが好ましい。電気的接続に対して伝導性が低いと、熱電装置を通る電流フローの抵抗損失によって、熱電気段階の効率を損なうことになる。
従って、全体的に、本発明は、熱源に連結された第1のヘッダ(例えば、上側のヘッダ3)、第1のヘッダに接続されて、熱を第1のヘッダから伝導するように構成された一対のn型及びp型の熱電素子(例えば、n型及びp型の熱電素子2a及び2bの対)、n型及びp型の熱電素子の対に接続され、この熱電素子の対から熱を伝導するように構成された第2のヘッダ(例えば、下側のヘッダ4)、n型及びp型の熱電素子の対に接続され、第1のヘッダを第2のヘッダから分離するために熱電装置を横切って横方向に引き伸ばされたヒートパイプ(例えば、熱電素子の対2a及び2bに接続されたヒートパイプ5)を有する熱電装置を含む。
本発明の1つの実施形態では、熱電装置は、熱電素子2a及び2bを通る電気的接続体6及び7を電流が通過することによって第1のヘッダを冷却し(またこれにより、そこに連結された熱消散装置を冷却できる)、このように、電気的キャリア(すなわち、電子及びホール)内の熱を移送することにより、第1のヘッダを冷却する。本発明の別の実施形態では、熱が(熱源に連結された)第1のヘッダから熱電素子2a及び2bを通って(ヒートシンクに連結された)第2のヘッダに流れるときに、電気的接続体6及び7上に電圧を発生することによって、熱電装置は電力を発生する。
さらに、本発明は、単一段階及び/又は単一の対の熱電装置に限定されることはなく、複数の段階及び/又は単一段階で複数の対の熱電素子を利用できる。
図2は、本発明の多段式の実施形態を示す。特に、図2は、3つの熱電気段階すなわちユニットを含む、本発明の多段式のすなわち複数ユニットの熱電装置の概略図である。図2に示した装置は、一例として熱電力変換の構成を示しており、簡単にするために、電力変換の関係のみを以下に説明する。しかしながら、図2に示した、複数の段階及び/又は1つの段階で複数の熱電素子の対を使用する本発明の特徴は、本発明により、熱電冷却にも適用できることである。さらに、本発明の段階の数及び段階当たりの熱電対の数は、図2に示された数に限定されることはない。
図2に示すように、上側のヘッダ12は熱源14に連結され、また上側のヘッダ12に接続された少なくとも1つの上側の熱電段階16を備える。図2に示した熱電段階16,17及び18の中の、図示した熱電段階の少なくとも1つの大きさは次のようになる、すなわち、熱電素子20a及び20bの対を通る熱電段階における熱が伝導するための面積は、本願では活性状態の熱伝導チャネル領域と呼ばれ、熱電素子20a及び20bの対が接続されるヘッダ22の上記のユニット面積(unit area)よりも小さい。図1に関して説明したそのような寸法により、図2の多段式熱電装置に対してHAF−LIOFの態様が確立される。図2に示すように、上側の熱電段階16は、下側の熱電段階少なくとも1つ、すなわち段階17、に連結される。上側の熱電段階16と同様に下側の熱電段階17は、熱電素子20a及び20bの対を通る活性状態の熱伝導チャネル領域を有し、その面積はヘッダ22のユニット面積よりも小さい。図2に示した装置では、最も下側の熱電段階18からの熱は、熱電段階18に連結されたヒートシンク24によって消散される。このように、種々の段階のヒートパイプは、関連するヘッダのユニット面積よりも小さい少なくとも1つの熱伝導チャネル領域を有する。
図2に示した多段式の熱電装置では、高い内部熱流束が個々の熱電段階内に存在する(例えば、85Kの各段階を横切る△Tに対する約1800W/cm2から107Kの各段階を横切る△Tの約2300W/cm2まで)。一方では、低い外部熱流束が熱電装置の全体にわたって存在する(例えば、15から30W/cm2の範囲)。多段式の装置では、パッキングフラクション、従って各段階を通る活性状態の流束は、他の段階の活性状態の熱流束と異なる又は同じものとすることができる。
より具体的には、図2に示したような多段式の熱電装置は、例えばN−SiGe/P−TAGS熱電対(例えば、約100μmの活性領域の厚さを有する)の高温熱電変換段階(すなわち、上側の熱電段階16)を備えることができる。TAGSとはテルル、アンチモン、ゲルマニウム、及び銀(TAGS)合金の組成物のことを指す。TAGS組成物は一般に、(AgSbTe21-x(GeTe)xで表される。本発明による最も最適な組成については、GeTeのモル分率のxが、約0.80から0.85である。図2に示すように、高温の熱電変換段階が、例えばN−PbTe/P−TAGSから成る熱電素子の中間温度の熱電変換段階(すなわち、段階17)に連結されている。図2に示すように、中間温度の熱電変換段階は、例えば厚さが5から10μmのn型及びp型のBi2Te3超格子薄膜から成る熱電対の低温の熱電変換段階(すなわち、熱電段階18)に連結される。図2に示すように、下側のヘッダ23は、熱膨張を緩和するために下側のヘッダ23の本体内に部分的(上側及び同様に、図示はしてないが、下側の幾つかの場所)に形成されたスリットを有するスプリット形ヘッダ(split-header)を構成する。本発明の1つの実施形態では、スプリットを装置の近くに配置しないことが好ましい。
図2に示した3段式の熱電装置は、設計効率が20%の範囲であり、5W/cm2を超える電力密度を有し、また約875Kの温度で熱源に連結される場合は、1Mワットという高いmワットの数十倍もの範囲で電力変換を行うことができる。20%を超える設計効率及び675Kから875Kの範囲で高温側と動作できるという特性により、現実のシステムに対して柔軟性及び適合性を提供できる。675Kから875Kの範囲の高温側と共により高いカルノー効率が利用可能であるため、例えば375Kから575Kの高温側に限定された熱電装置に対しても利用できる。同様に、より高いカルノー効率により、より高いシステム効率が提供され、このことは今度は、所定の熱流束を電力に変換するために必要なモジュールの数(すなわち、熱電対の数)を減らすことにより、負荷バランスを容易にする。
材料の選択
本発明の概念は熱電材料のどのような特定のファミリーにも限定されないが、超格子材料を使用することにより、本発明の多段式熱電装置の効率が向上される。Hi-Z社(San Diego、カリフォルニア)が提供する従来のバルク状のBi2Te3熱電装置は、約0.165W/gmの比出力に対して200Kの△Tにおいて0.34W/cm2の出力密度を示す。しかし、本発明のHAF−LIOFの態様によって製造された最適化されていない薄膜のBi2Te3超格子ミニモジュール装置でさえ、前述した中間温度及び高温の熱電力変換段階がなくても、△Tが77K及び比出力が16.7W/gmで0.7W/cm2の出力密度を実証した。比出力は、熱電装置の単位重量当たりに発生される出力として定義される。比出力及び出力密度のレベルは両方とも、中間温度及び高温の段階を追加すること及びさらに低温の超格子段階を最適化することで増加する。このため、本発明の熱電装置は、1W/gmより大きい比出力及び0.5W/cm2より大きい出力密度を実現できる。
他方においては、0.0001W/gm、0.001W/gm、及び0.01W/gmより小さい範囲の比出力は本発明を用いて可能であり、例えば生物医学的な装置などの用途に適用できる。これらの用途では、HAF−LIOF装置は、パーキンソン病又は他の神経病の症状を緩和するために使用されるペースメーカ又は神経刺激器(neuro-stimulator)に電力を供給するために、人体などの30〜40℃の範囲の低温の熱源から熱を収集するのに使用できる。
図3は、本発明に有用な様々な材料システムに関しての、温度に対する種々のZTを表すグラフである。図3に示したような、適当な温度安定した材料システムにおける温度によるZTの変動を知ることにより、前述した多段式の設計に対して適切な材料の選択を行うことができる。本発明によれば、材料の選択は、熱電段階が動作することを意図した温度範囲で頑強であるような材料を各熱電段階に提供すべきである。例えば、PbTe/PbSe及びSi/Geの超格子材料システムにおける装置は、本発明では、それぞれ475K〜675K及び675K〜875Kの温度範囲で有用である。
PbTe/PbSe超格子システムに関連する特性、格子不整合及びバンドギャップを表1に示す。
Figure 2007535803
PbTe及びPbSeの両方の材料の熱膨張係数は類似しているため、高温における格子不整合は300Kのものと同様である。また、500から650Kの温度におけるkTは約0.05eVであり、PbTeとPbSeとの間のバンドギャップ差に等しいかそれより大きい。このため、障壁又は量子コンファイメント効果(quantum confinement effect)は材料の中には存在しないが、熱伝導率がかなり低下することがこれらの超格子材料には期待される。
SiGe材料のファミリーに関しては、本発明によるSi/Ge超格子材料は、高温の用途(すなわち、650から850K)に対しては魅力的である。例えば、約1000Kで蒸着されたSi/Ge超格子材料は、熱伝導率が極めて大きな減少を示し、それに伴ってZTが増大する。Si/Ge超格子材料は300Kでは約0.8のZTしか示さないが、Bi2Te3/Sb2Te3又はBi2Te3/Bi2Te3-xSexの超格子材料のZtは著しく小さく、図2に示された上側の熱電段階に使用されているより高い温度では、Si/Ge超格子材料は遙かに大きなZTを示す傾向がある。さらに、SiGe超格子は、同じGe濃度の関連するSiGe合金よりも高いZT値を有し、より高い効率をもたらす。実際に、PbTe/PbSe及びSiGe材料システムにおける高いZTの薄膜の開発は、Appl. Phys. Lett., 70, 2957 (1997)の中でM. Leeらにより、Phys. Rev. B61, p. 3091 (2000)の中でR. Venkatasubramanianにより、Proc. of 17th International Conference on Thennoelectrics, 191, (1998)の中でR. Venkatasubramanianらにより説明されている。これらの内容の全体は、参照することによって本願に組み込まれる。
超格子に加えて、他の量子限定構造体(quantum-confined structure)を、本発明に基づいて使用できる。この構造体では、大きな熱伝導率の低下が得られると同時に、熱電段階の全体にわたって電気伝導が維持される。例えば、PbTeベースの量子ドット超格子(QDSL)は、本発明のn型及びp型の熱電素子に対する好適な材料である。これらの材料に対するZT値は、450K〜550Kの温度範囲では1.5から2の範囲で実現可能である。
さらに、ZnSb及び方コバルト鉱(すなわち、電力変換に対して適当な温度範囲にわたってZT>1であることが知られている材料)でさえも、これらの材料が薄い基板の形状(すなわち、厚さが100から200μm)をしており、また500Kから900Kの温度範囲で使用される場合は、本発明の中で使用できる。このため、本発明のHAF−LIOFで、出力密度が高い、多段式の電力変換装置の概念は、Bi2Te3超格子/PbTe/SiGeの材料の組合せに限定されることはない。実際に、Si/Ge、PbTe/PbSe、ZnSb/CdSb、InAs/InSb、CdTe/HgCdTe、GaxIn1-xAs/GayIn1-yAsの超格子は、前述した高温及び中間温度の熱電変換段階で使用できるため、全ての超格子材料を使用するカスケード式熱電装置を提供できる。
本発明の低温用の熱電変換段階及びほぼ室温で動作する単一段階の冷却装置に対して、Bi2Te3−Sb2Te3の超格子段階を使用できる。図4は、p型及びn型のBi2Te3ベースの超格子素子に対する最新技術のZT対キャリア濃度を示すグラフである。図4は、p型超格子における約3.5のZT及びn型超格子における約2.0のZTを示す。本発明によれば、ドーパントキャリアレベル(dopant carrier level)を制御及び運営することにより、p型のBi2Te3/Sb2Te3及びn型のBi2Te3/Bi2Te27Se0.3の超格子装置の素子を用いて達成可能な300Kの性能指数(ZT)は、従来の周知の値である約2.4と約1.2から、3.5より大と約2までの値にそれぞれ改善される。図4に示すように、p型材料のキャリアレベルは、超格子の固定された成長速度に対して成長時の有機金属のテルルの流動度を変化させることにより制御され、これは今度は、Bi2Te3用の有機金属のビスマス及びSb2Te3用の有機金属のSbの流動度によって制御できる。一定の成長速度に対するキャリアレベルは、限定された範囲にわたって成長温度を調整することによって制御することもできる。n型の材料については、図4に示したようなドーピングレベルは、成長温度に加えて、超格子内のBi2Te3及びBi2Te27Se0.3層の成長速度によって制御できる。10Å/50Åのp型のBi2Te3−Sb2Te3の超格子に対して本発明で実証された約2.9のピークZT値は、p型のBi2Te3−Sb2Te3の超格子材料システムに対して300Kで観察された最も高いピークZT値の1つである。そのようなZTにおける改良により、本発明の熱電装置に対する電力変換効率及び冷却効率を向上させることができる。
装置の性能
本発明においては、p型及びn型の超格子材料に関するZTの向上は、製造されたp−n熱電素子の対の一部となっている。厚さを限定して金属被覆されたヘッダ上に製造されたp−n対をフリップ(flip)するのとは対照的に、分割された半無限のCu板上に製造されたp−n対をフリップすることにより、製造されたp−n熱電素子の対の熱電特性のより正確な測定を行うことができる。例えば、p−n熱電素子の対のそれぞれは潜在的に大電流(すなわち、数アンペアの電流)を搬送する、低電圧の熱電装置である。そのため鉛の寄生抵抗は、測定された装置の効率に影響することがある。p−n熱電素子の対の特性は、分割された半無限のCu板上でp−n熱電素子の対を製造及び分析することによって発展されてきた。製造された熱電装置では、熱電装置内の電気的接触抵抗は、十分な電気的インターフェースが提供される場合は、金属被覆とp−n熱電素子の対との間で最小にされる。
電気的接触抵抗を管理することに加えて、熱インターフェース抵抗は、金属を誘電体バルクの中に深くアニールすることによって、又はAlN拡散Al−Cuインターフェースを用いることによって、本発明の金属誘電体間インターフェースの中で減少される。
さらに、アスペクト比が高い熱電装置(厚い超格子のフィルム又は小さい面積の装置のいずれか)が、p−n対(例えば、熱電対2a及び2b)を適当にパターニング及びエッチングすることによって提供される。素子のアスペクト比は、cm-1を単位にして素子の厚さ/面積の比として定義される。一般に、低温段階の熱電素子の厚さは約5から20ミクロンとすることができ、一方中間及び高温段階の厚さは50から250ミクロンの範囲にすることができる。アスペクト比、従って種々の段階の各素子の面積は、種々の段階の材料の熱伝導率(段階内のp型及びn型の素子の熱伝導率は異なることがあるため、各段階のp型及びn型素子の両方にわたって同じ△Tを可能にするそれらのアスペクト比は異なる可能性があることに注意されたい)及び段階の全組の効率を最大にするために各段階に対して必要な△Tに基づいている。各段階の△Tは材料の熱伝導率に対して逆比例し、アスペクト比に比例する。このため、各段階のアスペクト比(及び関連するパッキングフラクション)は、設計を各段階の△Tに適合するように、この基準を用いて調整される。
本発明の例えば3段式の熱電装置で達成可能な電力変換効率は、周知の式に基づいて計算できる。最大効率は、負荷比rが全温度範囲にわたって平均のZT、ZTm、に対して最適化されるときに得られる。ここで、負荷比rはRL/RGで定義され、RLは負荷抵抗であり、RGは熱電装置の内部抵抗である。例えば、H.J. Goldsmidによる「Electronic Refrigeration」、Pion Limited、(1986)、を参照されたい。
下記に示した式(1)によりrが分かると、装置の効率Ψが所定の△T、温度差動、及び平均動作温度Tmに対して下記に示した式(2)によって得ることができる。
r=(1+ZTm1/2 (1)
Ψ=△T/{[(r+1)/(r−1)]*m+△T/2} (2)
各段階のZT値の範囲について、電力変換効率の評価が、図5の表2に示されている。電力変換効率の評価が、上側から中間へ、そこから下側への予測値の範囲で示されている。表2の予測値は、低温のBi2Te3−SLベースの段階では、150℃の△Tに対して9.6%から11.4%の範囲の効率を2から2.5のZT値に対して実現できることを示している。n型PbTe/p型TAGSベースの薄いN−PbTe/P−TAGS基板の中間温度の段階では、175から200℃の△Tに対して4.3から4.7%の範囲の効率を、約0.75のZT値に対して実現できる。N−SiGe/P−TAGSの薄い基板の高温段階では、200℃の△Tに対して3.4から3.7%の範囲の効率を、約0.75の一定のZTに対して実現できる。このように、本発明によれば、19.4%から17.7%の熱電効率及び5W/cm2を超える出力密度を、本発明の3段式熱電力変換装置で得ることができる。
実際に、表2は、ヒートシンクにおける熱管理のZT及び効果の関数として、本発明の3段式の熱電装置の種々の段階の性能を示している。表2の計算は、約33cm2のモジュール寸法に基づいている。これらの実施例に関しては、約30W/cm2の熱流束が、熱源(すなわち、一番上のヘッダ)からヒートシンク(すなわち、一番下のヘッダ)に流れて、これによりヒートシンクにおいて約24.7から22.7W/cm2の範囲の熱流束の消散が生じると推測される。出力密度は、低温のBi2Te3超格子段階においては厚さが5μmの超格子素子を仮定し、中間温度及び高温の段階のバルクの熱電素子については100μmの薄い基板を仮定して計算される。表2は、中間段階(460〜660K)及び高温段階(670〜890K)の両方に対してより高いZT材料が好適であることを示している。
所定の熱流束Q(ワット単位)に対して、アスペクト比が△Tを決定する。効率は、△T及びZTの関数である。生成された電力P(ワット単位)は、Q倍の効率の積である。このため、出力密度Pdは、面積、厚さ、ZT及びQの関数である。従って、本発明によれば、20W/cm2を超える出力密度を実現する1つの方法は、熱電素子の材料の薄い部分(例えば、好ましくは300μm未満)を使用することである。
フリップされた反転p−n対の全体にわたる内部△T及び効率方程式から得られたZTに対する、鉛抵抗に対して補正された熱電変換効率の計算は、外部△T(従って、熱流束)の約85%が装置全体にわたって適用されることを示している。15%の損失は主として、金属被覆とAlNヘッダとの間の熱インターフェース抵抗による。本発明によれば、熱インターフェース抵抗は、前述したように、金属を誘電体バルクの中に深くアニールすることによって、又はAlN拡散Al−Cuインターフェースを用いることによって、金属誘電体間インターフェースの中で減少させることができる。
本発明の電力変換の概念を実証するために利用する反転された対の計算されたZT値は、300Kにおいて約1.1であった。本発明のp−n対(例えば、熱電対2a及び2b)の平均のZTは温度と共に増加して、図3に示したZTの一般的な傾向と一致している。
本発明の1つのp−n対を、約1800W/cm2の熱電素子の中の活性状態の装置の熱流束に対応する、ほぼ85Kの△Tまで試験をした。この試験されたp−n対に関して、外部熱流束は約28W/cm2であり、ヒートシンクにおける温度の上昇は約28Kであった。改良された熱管理方法を、△Tが150Kで、現ZTが約1.5のこの試験装置を動作させるのに適用することにより、約8.6%の効率を実現できるであろう。ZT値が1.5から約2に向上することにより、本発明では150Kの△Tに対して約11%の効率を達成するであろう。
このため、1つの好ましい実施形態における本発明には、熱電力変換用のシステムが含まれる。このシステムには、n型及びp型の熱電素子の熱電対、熱電対の一方の側に結合された第1のヘッダ、熱電対の第2の側に結合された第2のヘッダ、熱電対と第1及び第2のヘッダの1つとの間に配置された熱インピーダンス増加装置、及び第2のヘッダの温度を第1のヘッダの温度以下に維持するような割合で熱を消散する、第2のヘッダに結合されたヒートシンクが含まれる。さらに、第1のヘッダを熱源に結合する結合部材を使用できる。この熱源は、燃焼熱源、放射性熱源、太陽熱源、及び電力装置とすることができる。本発明の1つの実施形態による結合部材は、少なくともAlの熱伝導係数を有し、前記第1の部材と前記第2の部材との間に延伸する熱伝導部材とすることができる。別の方法では、この結合部材は、例えば蒸気又は燃焼ガスなどの対流媒体によって熱流束を移送する蒸気管又は燃焼排気管とすることができる。
図6Aは、単一段上に一連のp−n対を一体化した、本発明による熱電装置のモジュールを示す概略図である。p−n対の装置に対する開回路電圧(Voc)、電力(P)、及び出力密度(W/cm2単位のPd)に関する試験が、図6Bに示されている。一体化された16個のp−n対の装置に対する試験は、期待された開回路電圧(Voc)、電力(P)、及び出力密度(W/cm2単位のPd)を示した。特に、開回路電圧は、個々のp−n対に対して同じ△Tの場合、単一対のものよりもほとんど16倍も熱電モジュールの中で拡大していることが観察され、これはHAF−LIOFの概念をさらに支援している。600μm×600μmの装置で約107Kの△Tに対する対当たり38mWの出力レベルは、約10.2W/cm2もの出力密度に相当する。出力レベルは、△Tが77Kの場合、16対のモジュールに対して対当たり166mWに拡大している。
本発明のp型及びn型の薄膜超格子熱電素子は、両方とも安定している。約450Kの温度に60時間までさらしても、下記の表3に示すように、装置内のこれらの素子のZTに大きな劣化は示されなかった。
Figure 2007535803
超格子のほかに、本発明の装置の製造方法及びHAF−LIOFの態様は、n−SiGe/p−TAGS及びn−PbTe/p−TAGSのシステムのバンドギャップに相当する、2つの非超格子材料システム、GaSb及びInAsからの薄い基板に適用できる。本発明による100素子のGaSb及びInAsの薄い基板のモジュールの中で△Tの関数としての開回路電圧は、約4.5ボルトから約3.5ボルトのVoc値が可能であり、また高い出力密度を実現するために必要な約300W/cm2の活性状態の熱流束に相当する、100Kを超える△Tを発生することができる。
熱電装置及びモジュールの製造
本発明の装置及び装置の部品を製造するために、種々の方法が利用可能である。本発明の個々のp型及びn型の熱電対の製造を含むステップ及び方法及び熱電対をモジュールに一体化するためのステップ及び方法が、説明するために以下に示されている。以下に説明されるステップ及び方法は例証するためのものであり、本発明に対してどのような制限も加えるものではない。
本発明のp型及びn型の熱電素子として使用される熱電材料は一般に、市販の基板上にオーバーグロースしたフィルムであり、このフィルムは、厚さが例えば5から20μmである。例えば薄膜の超格子又は他の薄膜の熱電構造体を成長させる基板は、過剰成長させるフィルムと同じ導電型とすることができるか、又は逆の導電型のフィルムをオーバーグロースさせることもできる。このオーバーグロースさせたフィルムは、低抵抗のペルチェ接点などの抵抗の低い接点を提供するために金属被覆することができる。
本発明の1つの製造方法では、本発明の熱電装置の製造は、反転された対を処理することによって容易にされる。図6Cに示した表4は、本発明による反転された処理方法を例証している。反転された対を処理する場合は、p型熱電素子の1つの脚部及びn型熱電素子の1つの脚部が、2つの素子に隣接する共通の電気部材に取り付けられる。熱電力変換段階の各脚部に別個のn型及びp型の熱電素子を製造することは、n型及びp型のフィルムを分離した基板上に形成し、また次に個々のn型及びp型の熱電素子を共通のヘッダに取り付けることによって、本発明の実施例の中で行うことができる。
別の方法では、特定の種類のフィルムを共通基板上に形成し、次に形成された熱電材料の異なる領域をn型及びp型の領域内に選択的に変換(例えば、選択的なイオン注入によって)することができる。例えば、熱電素子を固有に形成し(又は具体的に言うとドーピングして)、次に例えば不純物拡散によって他の種類に変換(すなわち、p型からn型への変換、又はn型からp型への変換)することができる。種類の変換は次に、製造処理における都合の良い段階で行われる。特定の細部にかまわずに、事前に配列されたパターンを有するp型及びn型材料の組は、SiC、AlN、低抵抗のシリコン、及び薄い絶縁層が付いたシリコンなどの共通のヘッダに取り付けられる。
本発明の1つの製造方法では、個々のn型及びp型の熱電素子を含む基板は、例えばけがき又はレーザダイシングによって個々の部分に分けられる。次に、個々の部分は、別のn型及びp型の導電性材料が各隣接する熱電素子の間に存在するように、ヘッダ上に結合される。n型及びp型の部分に接触するヘッダの表面は、隣接する熱電素子に電気的に相互接続するために必要な、隣接するn型及びp型の部分の間を電気的接続する場合の抵抗を小さくするために、組み立てる前に金属被覆することが好ましい。同様に、ヘッダと接触するようになる個々のn型及びp型の熱電素子の表面は、n型及びp型の熱電素子に対して低抵抗の電気的接続を行うために、組み立てる前に金属被覆することが好ましい。そうしないと、高い電気的接触抵抗により熱電段階の効率及び結果として生じた熱電装置の効率が制限される可能性がある。
n型及びp型の部分を結合した後で、各p型及びn型部分からの基板は、例えば選択的に腐食液を用いることによって除かれる。次に、熱電素子はフォトリソグラフィのパターニングを用いてパターン化され、続いて例えばエッチング又はレーザアブレーションにより、本発明に対して望ましい断面の熱伝導領域を作り出す(すなわち、アスペクト比を設定して、最終的にパッキングフラクションを決定する)。次に、低抵抗接点の金属被覆が、n型及びp型の熱電素子の上面に蒸着される。このステップでは、n型及びp型部分の両方に対して、接点抵抗の要求事項に基づいて同じ金属被覆又は異なる金属被覆(すなわち、別個の蒸着)のいずれかを使用できる。前に明確に述べたように、金属被覆に関連したシート抵抗又は伝導係数は、熱電装置の性能を制限しないように設計される。
上部の事前パターン化された金属被覆ヘッダは、本発明の1つの実施形態では、金属化された部分に取り付けられて、前述したヒートパイプとして機能することができる。別の方法では、ヘッダ自身が金属化の前にパターン化されて、前述したヒートパイプを提供できる。次に、取り付けられたヘッダを含む形成された熱電素子の対(すなわち、n型の熱電素子及びp型の熱電素子)はフリップされ、また第2のヘッダに結合されることができる。第2のヘッダは説明のために下部ヘッダと呼ばれ、n型の熱電素子とp型の熱電素子とを熱的に接続するが、図1A及び図1Bに示すように、n型の熱電素子及びp型の熱電素子が電気的に別々に接続されるように、パターン化された電気的接続部を含む。このように、下部ヘッダは、図1A及び図1Bに示すように、分割された電気的接点(すなわち、n型及びp型の熱電素子を単に個別に接続する電気的接点)を有する電気部材として機能し、同時に熱的部材として、下部ヘッダは連続的な熱的接点として機能する。
形成方法(すなわち、直接蒸着又はボンディング)にかかわらず、本発明の1つの実施形態に基づいて、厚い金属被覆及びパターニングを使用して、注目の下部ヘッダを形成し、かつ前述の分割された電気接点を提供できる。蒸着又はボンディングによる直接取付けにより、多数の熱電素子をパターン化することができる。各熱電素子は電力変換又は冷却するための出力用電気的接点を提供するために、製造されまた電気的に直列に接続された必要な熱伝導領域を有する。次に、同じ方法を用いて、又は後続の事前製造された段階を取り付けることによって、又は後続の段階の部材を選択的に取り付けることによって、後続の熱電素子の段階を加えることができる。
反転された対を処理するための1つの例証的な実施例が、以下のように与えられる。
p型及びn型の超格子熱電フィルムが、GaAs基板上に蒸着される。この蒸着された超格子フィルムは、Cr/Au/Ni/Auの金属被覆を用いてパターン化される。蒸着された超格子フィルム及び/又はGaAs基板は、ダイシングに備えてエッチング処理される。次に、GaAs基板に取り付けられたp型及びn型の超格子フィルムのさいの目に切られたストリップは、交番する導電型のパターンの中でヘッダに結合される。このヘッダは、Ti/Au金属被覆(アニールされた)を有し、またその後にCu/No/Auの一番上の金属被覆を有するAlN基板を含む。Snのプリフォームはさいの目に切られたストリップをAlN基板(第1のヘッダとして機能している)に結合させる。次に、GaAs基板がエッチングで取り除かれて、Cr/Au/Ni/Auの接点がシャドーマスクを通して蒸着されるか、又は蒸着及びパターン化されて電気的接点を超格子の薄膜に形成する。次に、厚い金属パッドが蒸着された接点上に形成され、例えばヒートパイプの構造を規定する。超格子の薄膜を含むさいの目の切断物及び取り付けられたAlNヘッダは、別個の分離され金属被覆されたヘッダ(第2のヘッダとして機能する)に配置及び結合され、n型及びp型薄膜の熱電素子のそれぞれに個別に電気接続できるようにされる。
例証として、表5は図2に示した3段式の装置を製造するために使用する様々なボンディングステップを示す。
表5に示すように、熱電装置の段階3では(すなわち、一番上のヘッダ)、好ましい放熱器はAlN又はSiである。この段階では、AgCuの共晶が、放熱器を前述したN−SiGe/P−TAGSの熱電素子上の金属被覆層に結合させるためのはんだ材料として使用される。N−SiGe/P−TAGS熱電素子の対上の金属被覆層は、AgのN−SiGe及びP−TAGS材料への拡散を防ぐために、W、Mo、Ni、又は同様の耐熱金属の典型的な拡散障壁層を有する銀を含んでいる。
Figure 2007535803
表5に示すように、熱電装置の段階2では、好ましい放熱器はAlNである。この段階では、AgAuGeの共晶が、放熱器を前述したN−PbTe/P−TAGSの熱電素子の対上の金属被覆層に結合するためのはんだ材料として使用される。N−PbTe/P−TAGS熱電素子の対上の金属被覆層は、AgのN−PbTe及びP−TAGS材料への拡散を防ぐために、Ni、W、又はMoの典型的な拡散障壁層を有する銀を含んでいる。
表5に示すように、熱電装置の段階1では、好ましい放熱器はSiCである。この段階では、Sn共晶が、放熱器を前述したn型及びp型のBi2Te3超格子薄膜の対上の金属被覆層に結合するためのはんだ材料として使用される。n型及びp型のBi2Te3超格子薄膜の対上の金属被覆層は、CuのN−Bi2Te3 SL及び/又はP−Bi2Te3 SL材料への拡散を防ぐために、Ni又は同様の金属の拡散障壁層を有するCuを含んでいる。
表5に示すように、一番上の段階(すなわち、段階3)は、AgCuP共晶ボンドを用いて熱源用ヘッダ(例えば、Cu板)に結合できる。段階2及び段階3は、AuIn共晶を用いて一緒に共晶結合することができる。段階1は、InSn共晶ボンドを用いてヒートシンク用ヘッダ(例えば、Al板)に結合できる。このように、本発明では、連続するより低い融点の共晶が次に来る段階を結合するので、前に結合された段階が損なわれることはない。そのような方法は、後で行うボンディングが熱応力の原因になることがあるため、種々の段階の間の熱膨張係数に適合する又は熱膨張係数の不整合を減らす役目を果たす。
共晶金属を結合することによって各隣接するスタック間の効率的な熱インターフェースを得るために、種々の段階を積み重ねる実施例は、R. VenkatasubramanianらによるAppl. Phys. Lett.、第60巻、886(1992)の中で説明されている。この文献の全ての内容は、参照することによって本願に組み込まれる。
熱電装置及びモジュールの半導体チップのパッケージへの一体化
本発明の熱電装置は、熱グリース又はプラスチック接着剤の介在層を用いて又は介在層なしで、集積回路のダイ又はウェーファ素子に取り付ける(好ましくは裏側に)ことができる。熱グリース又はプラスチック接着剤の介在層を使用せずに直接取り付けるために、薄い電気的絶縁層又は一連の背面のp−n絶縁接合を用いて、熱電装置の中を流れる電流からダイ上の集積回路を電気的に絶縁することができる。この方法では、本発明の熱電装置を集積回路のダイに結合する「上部」ヘッダは、電気的接点及びp−n熱電素子へのヒートパイプを形成する厚い金属被覆から作られる。適当な熱電材料の蒸着/取付け/形成、型の変換、及びパターニングにより、p−n熱電素子及びヒートパイプの構造が形成される。その後の金属被覆により「下部」ヘッダが完成し、本発明の1つの実施形態では、ヒートシンク装置に取り付けるための場所(例えば、空冷式のプレートすなわちヒートパイプ)が提供される。
図7Aは、事前に製造された熱電装置72を半導体装置のチップ74に結合することを示す概略図である。この方法では、ボンディングを使用して、事前に製造された熱電装置を集積回路のダイに結合する。このため、この方法では、熱電装置の製造工程が半導体装置のチップから分離される。この方法では、多数のボンディング技術(後で説明される)を使用して、事前に製造された熱電装置72の上側のヘッダ75を半導体装置のチップ74に接合できる。このため、取り付けられた構成では、半導体装置のチップ74内の電力消散装置76からの熱は、熱電素子73を通って送られ、下側のヘッダ77に取り付けられたヒートシンク(図示せず)で消散される。
図7Bは、上部ヘッダがない本発明の熱電装置を半導体装置のチップに取り付けることを示す概略図である。具体的に言うと、図7Bは、熱電素子の対73を半導体装置のチップ74に結合することを示す。図7Bに示すように、半導体装置のチップ74への結合は、電気的な絶縁層82を半導体装置のチップ74上に事前蒸着又は成長させることによって容易にされる(例えば、Si装置のウェーファ上への二酸化ケイ素の形成)。図7Bに示すように、半導体装置のチップ74自体は、電力消散装置76からの熱を拡散するヘッダとしての役目を果たす。このように、本発明のこの実施形態では、上部ヘッダを使用せずに、熱電素子が半導体装置のチップ74に直接取り付けられる。
図7Cは、本発明の熱電装置72を半導体装置のチップ74上に逐次形成することを示す概略図である。この方法では、本発明の製造工程は、熱電材料及び/又は超格子の層を熱電装置の他の層に結合する方法、及び本発明の熱電装置を半導体装置のチップ74に直接取り付けるための手順を提供する方法の中の個々の工程においてボンディングを利用する。
図7Cに示した簡略化した方法においてステップ(a)では、電気的な絶縁層82が半導体装置のチップ74上に形成される。層82はSi装置のチップ上に成長させた熱酸化物とすることができ、また例えばスパッタリング又は蒸着によって付着形成されたSiO2又はSi34などの蒸着酸化物とすることもできる。ステップ(b)では、金属被覆83(簡略化するために図示していないが、熱電素子間の相互接続体を含む)が、熱電装置72のレイアウトに基づいて半導体装置のチップ74上に蒸着及びパターン化される。この金属被覆83は、例えば図1に示したようなヒートパイプ5を形成するための構造体を含むことができる。ステップ(c)では、熱電素子73の対が金属被覆83に取り付けられる(蒸着又はボンディングによる)。この熱電素子73の対は、例えば図1に示した熱電装置1の特徴を含むことができる。ステップ(d)においては、金属被覆85の組が熱電素子73上に形成される。ステップ(e)では、以下に詳述する方法を用いる接触及びアニーリングにより、ヘッダ84を金属被覆85に接合することによって製造が完了する。
従って、本発明の種々の方式には下記が含まれる、
(1)事前に製造された熱電素子のモジュールを装置ウェーファに取り付ける、
(2)熱電装置を装置ウェーファの背面から組み立てる、又は、
(3)熱電装置の一部を装置ウェーファの背面上に組み立てて(例えば、ヒートパイプを装置ウェーファの背面に組み立てる)、残りの事前に製造された構成部品を取り付けることによって製造を終了する。
取付けに関しては、下記を含む幾つかの取付け方法を使用できる、すなわち、(1)はんだ付け、(2)ろう付け、(3)摩擦接合、及び(4)ウェーファ結合に類似した絶縁体間結合、である。さらに、好ましい実施形態では、混成の「反応性」結合方法が利用される。この結合方法では、薄い反応性金属層を有する絶縁体表面が互いに対向して配置され、次に接触及び加熱されて、金属層を絶縁体表面と反応させることにより対向する構成部品を結合させる。そのような金属には、例えばTi、W、Cr、Moなど又はその合金が含まれる。これらの金属は容易に酸化され、好ましい実施形態では、300℃以下の温度で融解するケイ化物を形成する。本発明の混成の反応性結合方法は、薄い金属層がそれぞれの絶縁体と反応して結合する程度に依存する。本発明の1つの実施形態では、全ての反応層が消費される、すなわち絶縁層と反応するように、金属層は薄い(例えば、500Å未満)ことが好ましい。混成の反応性結合では、金属が1つ又は両方の絶縁表面と反応するように、表面が接触され次に加熱されると、結合が成し遂げられる。
さらに、本発明による摩擦接合を使用して、熱電材料及び/又は超格子層を熱電装置上の別の層に結合させることができ、また本発明の熱電装置を集積回路のダイ又はウェーファ素子に直接取り付ける方法を提供できる。本発明の1つの実施形態では、摩擦接合は、介在する反応層を用いて行うことができる。摩擦接合では、超音波変換器を用いて短い距離を直線運動することにより、結合を行う表面に熱を生じるために必要な摩擦が行われる。融解温度近くまで加熱し、次に摩擦接合技術を用いて局所熱を発生させて、接触面において融解又は塑性変形を生じることにより、適当な結合を行うことができる。ある方向から加熱し他の側から冷却することを使用して、接触面近くの小さな領域を局部的に加熱することができる。少量の材料又は薄いシートの材料は、熱電構成部品に適合するようなダイ又はストリップの寸法に切断される。
薄いシート又は薄膜形状の材料が本発明に基づいて使用されて、摩擦接合の間に熱電超格子の材料を保護するバッファを提供する。薄いシートの材料は、熱電材料の上部層に対する機械的な損傷を回避する。薄い層は、摩擦接合を可能にする共晶を形成するように選択される。摩擦接合においては、摩擦を高める、従って摩擦接合を形成する効果を向上するために必要な場合は、結合される材料の表面を粗くすることができる。
さらに、拡散接合又は熱アニーリングを使用して、熱電装置を半導体装置のチップに結合できる。
熱電装置の上部ヘッダと半導体装置のチップとの間の結合は、本願で説明されたどのような方法によっても行うことができ、また結合材料を利用して、半導体装置のチップ間のカプリングを容易にすることができる。方式のいかんを問わず、上部ヘッダと半導体装置のチップとの間には、熱的に伝導性で機械的に安定な接続又は結合が好ましい。半導体装置のチップの本発明による熱電装置への結合は、下記例によって達成できるが、これらの例に限定されることはない。
1.熱接着剤又は熱伝導性のエポキシの利用
2.はんだ付け
3.電気めっき又は蒸着された金属接点を用いる拡散接合
4.異方性熱接着剤の利用
5.熱可塑性の伝導性ポリマーの利用
6.シリコン間の分子結合の利用(熱電装置の冷却用ヘッダがシリコンで作られている場合)
半導体装置のチップからの熱流束は、半導体装置のチップの温度よりも高い温度で動作するヒートシンクによって、本発明の熱電装置から消散することができる。さらに、いったん結合されると、本発明の取り付けられた熱電装置は冷却でない場合は、チップからの熱流束を感知することができ、このため装置のチップの動作が活動中であることを検出できる。このため、そのような熱電装置のテンプレートは、本発明の1つの実施形態では、装置の構成部品の利用に関するマッピングを提供する(すなわち、より高く利用されているこれら装置の構成部品は、より多量の熱流束を最も近い熱電装置に対して発生する)。
このように、前述したように、本発明は結合を使用する多数の方式を利用して、1つの熱電力変換段階から別の段階へ熱伝導によって熱の移送を容易にできる。そのような技術及び技術的に周知の他の技術を使用して、様々な段階を適切に結合することができる。本発明によるこれらの方式は、高品質の熱インターフェースを実現する。
種々の熱電変換段階を一体化するための本発明の別の方式は、1つの熱電力変換段階から別の段階へ熱を移送するための、「Spontaneous emission enhanced heat transport method and structures for cooling, sensing, and power generation」という名称の前述した米国暫定出願第60/253,743号の中で説明されているような、パーセル・エンハンスメントキャビティ(Purcell-enhancement cavity)トランスミッタ/レシーバ構造体を用いる放射熱エネルギー移送方式を使用する。この方式では、放射部分は、主要なプロセスではない場合は、厳格ではない結合のインターフェース(less-rigidly-bonded interface)を提供することによって、熱応力の管理において重要な役割を演じる。図9は、放射結合が隣接する熱電変換段階の間で使用される概略図である。
図8に示すように、熱源14は、放射結合機構216を介して熱電段階16に結合される。段階16は今度は、放射結合機構217を介して熱電段階17に結合される。段階17は順に、放射結合機構218を介して熱電段階18に結合される。電気接続体220は、各段階の熱電素子への接続を行う。
さらに、本発明は、放熱器上の特定の温度に対してパターン化された/μm寸法の範囲の適当に間隔を空けた構造体を用いる増加された自然放出のための、小形の構造体の中で増加された放射密度のモード(量子拘束システム(quantum-confined system)内の状態の増加された電子密度に類似している)からパーセルエンハンスメント(Purcell enhancement)を利用できる。このため、設計されたマイクロフィン(micro-fin)も、潜在的に自然の放射熱移送を向上させることができる。これらのμm寸法の形状は、費用効果的に行うために大面積ウェーファのフォトリソグラフィを用いて実現できる。
自然放出強化熱移送(Spontaneous emission enhanced heat transport)(SEEHT)は、300K近くの赤外波長で放出を付加的に増加させることができる。ミクロン又はサブミクロン寸法のパーセルキャビティ(Purcell cavity)を組み込むことにより、10μmのピーク波長で理論的に最大の放射放出が提供される。このことは、300Kで1000倍も熱の移送を増大させて、44W/cm2のΦSEEHTの放射消散流束をもたらす。注入又は自己集合によって、その後オーバーグロースによって結合されたそのようなミクロン寸法の粒子は、放射熱移送機構の範囲を著しく増大させることができる。SiC、AlN、Si、ダイヤモンドなどの熱伝導率が高い放熱器の中に、そのような粒子をさらに組み込むことができる。構造依存及び波長依存の両方を示す、高い放射(Ti)面と比較された、こうした強度の増大が、図9に示されている。実際に、図9は、本発明に基づいて種々に設計された構造体の表面温度の関数としての、見掛けの放出強度のプロットである。このため、本発明の1つの実施形態では、放射結合機構は、金属、半金属、及び半導体粒子の1つを含む中に分散された粒子を有する熱伝導層を含み、これにより熱伝導層からの黒体放射を増加させ、物理的に結合する必要なしに熱電装置の構成部品のインターフェースの全体にわたって放射熱の移送を支援する。
下記の理論には限定されないが、これらのパーセルキャビティの構造体を用いる増加された放出は、エミッタ内の「増加された状態密度」がレシーバ/吸収体の「増加された状態密度」と適合する場合、すなわち共鳴熱エネルギーの移送がある場合は、さらに増加/実現することができることを本発明は認識している。パーセルキャビティ効果による「共鳴熱エネルギーの移送」に加えて、他の「放出赤外モードの近接結合」もまた、本発明の中で活用することができる。本発明に基づいて放射結合を利用することにより、様々な段階間の(強い)物理的な層間の接触が除かれて、熱応力が減少される。さらに、共鳴構造体の機械的な位置合わせは、反転された対のヘッダの代表的な寸法が約300μmx300μmと仮定すると、重要な問題にはならないだろう。
熱電モジュール
前述したモジュールの自動組立てについては、ダイサー及び(IC産業では標準の)ピックアンドプレイス工具(pick-and-place tool)を使用できる。ウェーファ用ダイサー及びロボットのピックアンドプレイス工具は、費用効率だけでなく小形モジュール及び大規模モジュールの両方を信頼性高く製造できるようにする。この工具は、処理されたウェーファからp−n対をさいの目に切り、またこれらの反転された対のダイスを装置の範囲に、小形のモジュールから大きなアレイまで、組み立てるのに使用される。前述したダイサー及びピックアンドプレイス工具は、本発明に基づいて、薄い基板(すなわち、厚さが100μmから250μm)のバルクモジュール及び前述した超格子の薄膜基板を含む基板を組み立てることにも使用できる。
本発明の1つの態様では、大規模なヘッダが使用される。この場合、小形モジュールの大きなアレイが組み立てられて、大規模なモジュール及びこれに比例した大電力を作り出す。
図10は、下部段階18に分割されたヘッダを有して熱膨張を緩和する、本発明の3段式すなわち3ユニット式の熱電装置の配列の概略図である。本発明の別の態様では、複数段階の熱電装置の下部段階18は、ほぼ即座に短い期間ヒートポンプに変換することができ、これにより例えば冷却液の流れが中断されることによる破局的な装置の損傷を避けることができ、信頼性をさらに高めることができる。このため、図10は本発明の多段式の熱電装置を示し、この装置では電気的な再構成により、下部段階18への冷却液の流れが損なわれる間の破局的な故障が避けられるため、この段階の熱電素子の熱電特性が劣化する危険(すなわち、熱電材料及び/又は接点の劣化による)が最小にされる。
破局的な故障を避けることができる電気的構成が、図11に示されている。図11は、ヒートポンプモード又は電力変換モードのいずれかで、本発明の熱電装置を動作させるための典型的な構成を示す電気回路図である。図11に示すように、熱電装置102の各段階の温度は、温度モニタブロック104によってモニタされる。各段階は、スイッチブロック106及びコントローラ108によって電気的に制御/感知される。電力変換モードでは、コントローラ108は、熱電装置102からの電力を外へ供給する。コントローラは、フィルタ及びdc−ac変換器を備えてac電力を出力することができ、またdc−dc電力変換器を備えて、熱電装置102から直接利用できる電力よりも高い電圧のdc電力を出力することができる。図11は、冷却システム110を表し、これは、液体をヒートシンク板116にポンプ114を用いて送るために利用される熱交換器112を説明するために示される。流量センサ118は、ヒートシンク板116への冷却液の流れをモニタする。下部段階の温度及び下部段階からの出力電力は、電力ユニット120によってモニタされる。冷却液系が故障した場合は、コントローラ108は電力変換モードからヒートポンプモードに熱電装置を電気的に再構成することができる。その結果、この電気的な再構成により熱が熱源に送られて、これにより下部段階の装置の温度が少なくとも一瞬の間にオーバーヒート及び破局的な破壊を避けることができる。冷却液系の故障が回復した時点で、又は冷却システム110が永久的に故障する場合、熱源がオフに切り換えられる、取り除かれる、又はさもなければ、熱電装置102から切り離されるまで、熱電装置は「冷却」モードを続けることができる。このため、破局的な故障を避けることができる。
さらに、個々の段階に接続されたコントローラ108は、上記の電力変換モード及びヒートポンプ(すなわち、冷却モード)から熱流束感知モードにスイッチを切り換えることができる。熱感知モードでは、熱電素子を通る電流は、熱源から来る熱電素子を通る熱流束の指標として測定される。そのような情報は、熱源から分散された熱の尺度として使用できる。このように、コントローラは、n型及びp型の熱電素子の熱電対からの熱流束を示す信号を処理することができる。
従って、本発明の熱電装置に電気的に接続された本発明のコントローラは、冷却モード、ヒートポンプモード、電力変換モード、及び熱流束感知モードのうちの少なくとも1つに熱電装置を切り換えるように構成することができる。
電子技術の適用
従って、本発明による熱電装置及び熱電装置のモジュールを半導体チップのパッケージなどの電子装置に組み込むことは、多数の手順を通して達成できる。熱電装置は、動作温度が限界値を超えることに最も敏感な装置の部品を「ホットスポット」冷却する目的の装置に結合することができる。
ホットスポット冷却を必要とする一体化された半導体装置は、シリコン、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、又は任意のこうした半導体材料で製造された、例えばマイクロプロセッサ、グラフィックプロセッサ、及び他の電力分散装置を含む。一体化は、半導体チップ及び/又はヘッダ内の例えば凹部を介して行うことができる。この方式では、縦方向及び横方向の通路又は凹部が、半導体チップ及び/又は放熱器の中に製造される。上記の結合技術により、半導体チップは放熱器に接合される。
図12Aは、本発明の熱電装置を半導体装置のチップに結合するための結合構造を示す概略図である。具体的に言うと、図12Aは、半導体装置のチップ74に取り付けられた熱電装置を示す。この半導体装置のチップ74は、凹部78に最も近い領域内に前述した電力分散装置76を備える。選択的な冷却は、半導体装置のチップ74内の凹部78を冷却することによって行われる。凹部78により、電力分散装置76に対する熱電装置72の位置合わせが可能となる。
さらに、電気的絶縁中間層82を好適なことに、熱電装置とチップの半導体材料との間に挿入することができる。前述したように、電気的絶縁中間層82の特性は、半導体装置のチップ74と熱電装置との間の熱流束を妨げることなく、電気的絶縁を可能にすることである。SiO2などの電気的に絶縁性の材料は、電気的絶縁中間層82に対して好適であるが、当業者に周知の他の絶縁性材料も同様に適用できる。電気的絶縁中間層82は少なくとも、熱電装置が取り付けられる領域の半導体チップに適用される。電気的絶縁中間層82を取り付けた後で、金属被覆された接点83をこの中間層82上に作り、熱電装置と電気的に接続する。金属被覆された接点は、例えば蒸着、電気めっき、又ははんだ付けなどの1つ以上の周知の金属化技術を用いて作ることができるが、これに限定されることはない。金属化の後で、拡散結合又は熱アニーリングを使用して、熱電装置をチップに結合することができる。
熱電装置の上部ヘッダ79と半導体装置のチップ74との間の結合は、前述した任意の処理を用いて行うことができ、半導体装置のチップ74同士の結合を容易にするために結合材料80を使用できる。方式のいかんを問わず、上部ヘッダ79と半導体装置のチップ74との間には、熱的に伝導性で機械的に安定な接続又は結合が好ましい。
半導体装置のチップ74からの熱流束は、半導体装置のチップ74の温度以上の温度で動作するヒートシンクによって、熱電装置72から追い払われる。このため、電力分散装置76からの熱流束は、ヒートシンクと周囲の温度の間に存在する温度差が、半導体装置のチップ74と周囲の温度の間の差よりも大きいために、より効率的に外部環境に放散される。
図12Bは、熱電装置を半導体装置のチップに結合するための別の結合構造を示す概略図である。図12Bに示すように、熱電装置72は、凹部78を利用せずに、半導体装置のチップ74に直接取り付けることができる。この結合構造では、半導体装置のチップ74上に熱電装置72を配置する場合、電力分散装置76の反対側に熱電装置72を位置合わせする。
このように、熱電装置72の半導体装置のチップ74との結合は、凹部を利用して又は利用しないで行う。図13は、熱電装置を半導体装置のチップに結合するための別の結合構造を示す概略図である。図13に示すように、熱電装置72は、半導体装置のチップ74及び放熱器板90の両方に存在する凹部78に取り付けられる。放熱器板90は結合材料80を利用して、放熱器84を放熱器板90に結合する。
図14は、熱電装置を半導体装置のチップに結合するための別の結合構造を示す概略図である。この結合構造は、熱電装置に電気的に接続するための通路を備えている。熱電装置に対する電力についての要求事項は、電気的に絶縁された熱電装置への導線を必要とする。図14に示すように、導体92は通路94によって直接ヘッダ(例えば、ヘッダ板90)内に組み込むことができ、これにより縦方向又は横方向のどちらかに導電性のチャネルが提供される。通路94がヘッダ板90を通過するように、通路94をエッチング又は事前製造のいずれかで作ることができる。通路94用の絶縁材料96は、金属(例えば、銅、金又は任意の高い導電性の金属)を封入するのに十分な誘電性の品質を有する任意の高温用プラスチック又はセラミックとすることができる。ヘッダ板90内の通路は、レーザアブレーションによって作ることができ、そこに電気めっきした溶着金属を含むことができる。絶縁された導体を有するこの図14に示した構造により、別々に通電すること又は個々の熱電装置を感知することが容易にされる。ヘッダ板90は、シリコンの熱膨張係数に一致した材料(例えば、線形膨張率の点では5%未満の適合度)から作られる。
図15は、熱電装置を半導体装置のチップに結合するための別の結合構造を示す概略図である。この結合構造は、熱電装置に電気的に接続するための通路を備えており、またヘッダ板90の中に高い熱伝導材料を含んでいる。高温用の熱分解グラファイト、炭素発泡体、グラファイト発泡体などの高い熱伝導材料の組合せ98を使用して、熱電装置の高温側からの熱の排除を一層良くすることができる。これらの材料は、放熱器板90の一部又は全体として使用できる。これらの材料の熱伝導率は、銅の熱伝導率の5倍である。これらの材料は、熱電装置72のヒートシンク84からの熱を消散することに対して極めて効率的である。図15に示すように、横方向の電気的接続体100は、熱電装置72に接続する。導体92に類似した横方向の電気的接続体100は、導電性の材料で形成され、ヒートシンク板90から絶縁される。
本発明の多くの修正及び変更は、上記の教義に照らして可能である。従って、添付の請求の範囲の範囲内で、本発明は特に本願で記述されたものとは別の方法で実施することができることが理解される。
本発明による熱電装置の1つの実施形態の概略図である。 高活性流束−低入力−出力流束モードにおける、本発明による熱電装置の概略図である。 本発明による多段式の熱電装置の概略図である。 本発明において有用な各種の材料システムについての温度によるZTの変動値を示すグラフである。 p型及びn型のBi2Te3ベースの超格子素子に関する技術水準のZT対キャリア濃度を示すグラフである。 本発明の3段式の熱電装置に対する評価された設計効率の表である。 一連のp−n対を単一の段上に一体化した、本発明の熱電装置のモジュールを示す概略図である。 開放電圧(Voc)、電力(P)、及び出力密度(W/cm2に対するPd)に関する本発明のp−n対装置に対する試験を示す。 本発明の反転された処理方法を例証する表である。 本発明の事前に製造された熱電装置を半導体装置のチップ上に取り付ける状態を示す概略図である。 本発明の熱電装置を半導体装置のチップ上に取り付けた状態を示す概略図である。 本発明の熱電装置を半導体装置のチップ上に逐次形成する状態を示す概略図である。 パーセル−キャビティ増進効果(Purcell-cavity enhancement effect)と、各種の段階間のIRモードの近接結合(proximity-coupling)とを使用する共鳴熱エネルギー転送(resonant thermal energy transfer)を採用する、本発明の多段式熱電装置の概略図である。 本発明による種々の加工した構造体(engineered structure)の表面温度の関数としての、見掛けの放射強度のプロットである。 熱膨張を緩和するための分割ヘッダを有する、本発明の3段式の熱電装置の概略的な配置を示す図である。 冷却モード又はヒートポンプモードのいずれかで、本発明の熱電装置を動作させるための構成を示す電気回路図である。 熱電装置を半導体装置のチップに結合するための結合構造を示す概略図である。 熱電装置を半導体装置のチップに結合するための別の結合構造を示す概略図である。 熱電装置を半導体装置のチップに結合するための別の結合構造を示す概略図である。 熱電装置に電気的接続するためのバイアスを含む結合構造を示す概略図である。 ヒートシンクのプレートに熱伝導率が高い材料を含む結合構造を示す概略図である。

Claims (89)

  1. n型及びp型熱電素子の熱電対少なくとも1つと、
    前記熱電対の一方の側に結合された第1のヘッダと、
    前記熱電対の第2の側に結合された第2のヘッダと、
    を備える熱電ユニット少なくとも1つを含み、
    前記熱電対が、熱伝導チャネルの領域を有し、この熱伝導領域は、前記第1のヘッダ及び第2のヘッダの少なくとも1つの領域の一部分であり、前記一部分が50%未満であるように、前記第1のヘッダ及び第2のヘッダのうちの少なくとも1つの領域よりも小さい、熱電装置。
  2. 前記一部分が20%未満である、請求項1に記載の装置。
  3. 前記一部分が10%未満である、請求項1に記載の装置。
  4. 前記一部分が1%未満である、請求項1に記載の装置。
  5. 前記一部分が0.5%未満である、請求項1に記載の装置。
  6. 前記熱電対と前記第1及び第2のヘッダのうちの1つとの間に配置され、前記第1及び第2のヘッダ間のギャップ全体にわたる熱インピーダンスを前記熱電対の全体にわたる熱インピーダンスに少なくとも相当するように設定して、構成される熱インピーダンス増加装置をさらに備える、請求項1に記載の装置。
  7. 前記熱インピーダンス増加装置が、前記第1及び第2のヘッダの1つの間に配置され、前記熱電対に結合され、また前記第1のヘッダを前記第2のヘッダから離間させるために横方向に伸長されたヒートパイプを備える、請求項6に記載の装置。
  8. 前記ヒートパイプが、前記熱電対と前記第1及び第2のヘッダのうちの1つとの間に配置され、前記横方向に伸長し、前記熱電対の幅に相当する幅を有する金属部材を備える、請求項7に記載の装置。
  9. 前記ヒートパイプが、前記第1及び第2のヘッダ間のギャップ全体にわたる熱インピーダンスが前記熱電対の全体にわたる熱インピーダンスに少なくとも相当するような距離だけ、前記第1のヘッダを前記第2のヘッダから分離するように構成される、請求項7に記載の装置。
  10. 前記距離が少なくとも100から500μmである、請求項9に記載の装置。
  11. 前記距離が少なくとも10μmである、請求項9に記載の装置。
  12. 前記熱インピーダンス増加装置が、
    前記熱電対並びに前記第1及び第2のヘッダのうちの1つを囲む真空ハウジングを備える、請求項6に記載の装置。
  13. 前記ハウジングの真空レベルが1トール以下である、請求項12に記載の装置。
  14. 前記熱インピーダンス増加装置が、前記熱電対並びに前記第1及び第2のヘッダのうちの1つを囲み、前記第1及び第2のヘッダ間のギャップ全体にわたる熱インピーダンスが前記熱電対の全体にわたる熱インピーダンスに少なくとも相当するまで減らすために、低い熱伝導率の媒体で充填されるハウジングを備える、請求項6に記載の装置。
  15. 前記低い熱伝導率の媒体がArガスを含む、請求項14に記載の装置。
  16. 前記熱電対が、前記熱電素子を通って熱が伝導すると電位を発生する、請求項1に記載の装置。
  17. 前記熱電対が、前記熱電素子を通って電流が流れると前記第1のヘッダを冷却する、請求項1に記載の装置。
  18. 前記熱電対への電気的接続体をさらに含み、これは熱電対のオーム抵抗の1/10未満の抵抗を有する、請求項1に記載の装置。
  19. 前記電気的接続体が金属の接続体を含む、請求項18に記載の装置。
  20. 前記金属の接続体が、前記熱電対に対してCr/Au/Ni/Auの接点を含む、請求項19に記載の装置。
  21. 前記熱電対が、性能指数が少なくとも1の熱電材料を含む、請求項1に記載の装置。
  22. 前記熱電対が、性能指数が少なくとも2の熱電材料を含む、請求項1に記載の装置。
  23. 前記熱電対が、超格子及び量子ドット超格子の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
  24. 前記超格子が、Bi2Te3/Sb2Te3超格子、SiGe超格子、及びPbTe/PbSe超格子の少なくとも1つを含む、請求項23に記載の装置。
  25. 前記第1のヘッダ及び第2のヘッダの少なくとも1つが、熱伝導部材を含む、請求項1に記載の装置。
  26. 前記熱伝導部材が、
    導電性部材及び前記導電性部材上に形成された絶縁部材と、
    前記絶縁部材上に形成され、前記熱電対に接続するパターン化された導体と、
    を備える、請求項25に記載の装置。
  27. 前記導電性部材がAl、Cu、ドープされたSi、及びドープされたSiCの少なくとも1つを含む、請求項26に記載の装置。
  28. 前記パターン化された導体によって直列に接続された複数の熱電対をさらに備える、請求項26に記載の装置。
  29. 熱伝導部材が、
    電気絶縁板と、
    前記電気絶縁板上に設けられて、前記熱電対に接続するパターン化された導体と、
    を備える、請求項25に記載の装置。
  30. 前記電気絶縁板がAlN、SiC、Si及びダイヤモンドの少なくとも1つを含む、請求項29に記載の装置。
  31. パターン化された導体によって直列に接続された複数の熱電対をさらに備える、請求項29に記載の装置。
  32. 前記ヒートパイプが、前記第1のヘッダ及び第2のヘッダの1つの領域よりも小さい熱伝導チャネルの領域を有する、請求項3に記載の装置。
  33. 前記ヒートパイプが、約25W/cm2の範囲の熱流束に対して5K未満の温度低下を行うヒートパイプを含む、請求項3に記載の装置。
  34. 前記ヒートパイプが、金属接着によって前記熱電対並びに前記第1及び第2のヘッダのうちの1つに結合されたヒートパイプを含む、請求項3に記載の装置。
  35. 前記金属接着が、はんだバンプ接着、摩擦接合、及び反応型金属接着の少なくとも1つを含む、請求項34に記載の装置。
  36. 前記ヒートパイプが、前記ヒートパイプからの熱を前記第1のヘッダ、前記熱電対、及び前記第2のヘッダの少なくとも1つに連結する放射結合機構を備える、請求項3に記載の装置。
  37. 前記放射結合機構が、パーセル・エンハンスメント・キャビティ・トランスミッタ/レシーバ構造体を含む、請求項36に記載の装置。
  38. 前記パーセル・エンハンスメント・キャビティ・トランスミッタ/レシーバ構造体が、金属、半金属、及び半導体粒子の1つがその中に分散された熱伝導層を含む、請求項37に記載の装置。
  39. 前記パーセル・エンハンスメント・キャビティ・トランスミッタ/レシーバ構造体が、 自然な放射熱移送を向上させるように構成された、μm寸法及びサブミクロン寸法である放射フィンを少なくとも1つ含む、請求項37に記載の装置。
  40. 前記熱電装置が冷却モード、ヒートポンプモード、電力変換モード、及び熱流束感知モードの少なくとも1つで動作するように、前記熱電対を通る電流を制御するように構成されたコントローラをさらに備える、請求項1に記載の装置。
  41. 前記コントローラが、前記熱電対を通る前記電流を測定するために前記熱流束感知モードで構成される、請求項40に記載の装置。
  42. 前記第2のヘッダが、スリットを有する本体を備え、前記スリットが部分的に前記本体を通って形成される、請求項1に記載の装置。
  43. 前記第2のヘッダが、Cuよりも大きい熱伝導率を有する材料を含む、請求項1に記載の装置。
  44. 前記第1のヘッダが、
    集積回路素子と、
    前記集積回路素子と前記熱電対との間に配置された放熱器と、
    を備える、請求項1に記載の装置。
  45. 前記少なくとも1つの熱電ユニットが、1W/gmよりも大きい比出力を持つように構成される、請求項1に記載の装置。
  46. 前記少なくとも1つの熱電ユニットが、0.0001W/gmから0.01W/gmの範囲の比出力を持つように構成される、請求項1に記載の装置。
  47. 前記第1のヘッダが30〜40℃の範囲の熱源に結合される、請求項46に記載の装置。
  48. 前記少なくとも1つの熱電ユニットが0.5W/cm2よりも大きい出力密度を発生するように構成される、請求項1に記載の装置。
  49. 前記少なくとも1つの熱電ユニットが0.0005〜0.5W/cm2の範囲の出力密度を発生するように構成される、請求項1に記載の装置。
  50. 複数のカスケード式熱電ユニットを備える熱電装置であって、前記各ユニットが、
    n型及びp型の熱電素子の熱電対少なくとも1つと、
    前記熱電対の一方の側に結合された第1のヘッダと、
    前記熱電対の第2の側に結合された第2のヘッダと、
    を備え、
    前記少なくとも1つの熱電対が、前記第1のヘッダ及び前記第2のヘッダの少なくとも1つの領域よりも小さい熱伝導チャネルの領域を有し、前記熱伝導領域が前記第1のヘッダ及び前記第2のヘッダの少なくとも1つの領域の一部分であり、
    前記一部分が50%未満である、熱電装置。
  51. 前記複数のカスケード式熱電ユニットの1つが、
    熱源に結合された少なくとも1つの上側の熱電ユニットと、
    前記少なくとも1つの上側の熱電ユニットに結合された少なくとも1つの下側の熱電ユニットと、
    前記少なくとも1つの下側の熱電ユニットに熱的に接続され、かつ前記少なくとも1つの下側の熱電ユニットからの熱を消散するように構成されたヒートシンクと、
    を備える、請求項50に記載の装置。
  52. 前記少なくとも1つの上側の熱電ユニットにおける前記一部分が80%から10%の範囲である、請求項51に記載の装置。
  53. 前記少なくとも1つの下側の熱電ユニットにおける前記一部分が20%から0.5%の範囲である、請求項51に記載の装置。
  54. 前記少なくとも1つの下側の熱電ユニットにおける前記一部分が0.5%未満である、請求項51に記載の装置。
  55. 少なくとも1つの上側の熱電ユニット及び少なくとも1つの下側の熱電ユニットのうちの少なくとも1つにおける前記熱電対が、Bi2Te3、Sb2Te3、SiGe、(AgSbTe21-x(GeTe)x、PbTe、PbSe、ZnSb及びスクッテルド鉱の少なくとも1つを含む、請求項51に記載の装置。
  56. (AgSbTe21-x(GeTe)xが約0.80から0.85のモル比率のGeTeを含む、請求項55に記載の装置。
  57. 前記少なくとも1つの上側の熱電ユニットが、670Kから870Kの温度で動作するように構成される、請求項51に記載の装置。
  58. 前記少なくとも1つの下側の熱電ユニットが、470Kから670Kの温度で動作するように構成される、請求項51に記載の装置。
  59. 前記少なくとも1つの下側の熱電ユニットが、300Kから470Kの温度で動作するように構成される、請求項51に記載の装置。
  60. 前記複数のカスケード式熱電ユニットが、1W/gmよりも大きい比出力を有するように構成される、請求項51に記載の装置。
  61. 前記複数のカスケード式熱電ユニットが、0.0001W/gmから0.01W/gmの範囲の比出力を有するように構成される、請求項51に記載の装置。
  62. 前記第1のヘッダが30〜40℃の範囲の前記熱源に結合される、請求項61に記載の装置。
  63. 前記複数のカスケード式熱電ユニットが、0.5W/cm2より大きい出力密度を発生するように構成される、請求項51に記載の装置。
  64. 前記複数のカスケード式熱電ユニットが、0.0005W/cm2から0.5W/cm2の範囲の出力密度を発生するように構成される、請求項51に記載の装置。
  65. n型及びp型熱電素子のそれぞれのドーピング濃度が1×1019から6×1019/cm3の範囲のn型及びp型熱電素子の熱電対少なくとも1つと、
    前記熱電対の一方の側に結合された第1のヘッダと、
    前記熱電対の第2の側に結合された第2のヘッダと、
    を備える、熱電装置。
  66. 少なくとも1つの前記n型及びp型熱電素子が1より大きいZTを有する、請求項65に記載の装置。
  67. 少なくとも1つの前記n型及びp型熱電素子が超格子の構造体を備える、請求項66に記載の装置。
  68. 熱電力変換用のシステムであって、
    n型及びp型熱電素子の熱電対と、
    前記熱電対の一方の側に結合された第1のヘッダと、
    前記熱電対の第2の側に結合された第2のヘッダと、
    前記第2のヘッダに接続され、前記第2のヘッダの温度が前記第1のヘッダの温度よりも低く維持される速度で熱を消散するように構成されたヒートシンクと、
    を備え、
    前記熱電対が、熱伝導チャネルの領域を有し、この熱伝導領域は、前記第1のヘッダ及び第2のヘッダの少なくとも1つの領域の一部分であり、前記一部分が50%未満であるように、前記第1のヘッダ及び第2のヘッダの少なくとも1つの領域よりも小さい、システム。
  69. 前記一部分が20%未満である、請求項68に記載のシステム。
  70. 前記一部分が10%未満である、請求項68に記載のシステム。
  71. 前記一部分が1%未満である、請求項68に記載のシステム。
  72. 前記一部分が0.5%未満である、請求項68に記載のシステム。
  73. 前記第1のヘッダを熱源に結合する結合部材をさらに備える、請求項68に記載のシステム。
  74. 前記結合部材が、蒸気管、燃焼排気管、及び少なくともAlの熱伝導係数を有する前記第1のヘッダから前記熱源に伸びる熱伝導部材のうちの少なくとも1つを備える、請求項73に記載のシステム。
  75. 前記熱電対と前記第1及び第2のヘッダのうちの1つとの間に配置された熱インピーダンス増加装置をさらに備える、請求項68に記載のシステム。
  76. それぞれが前記第1のヘッダ、前記熱電対、及び前記第2のヘッダを含む複数のカスケード式熱電ユニットをさらに備える、請求項68に記載のシステム。
  77. 前記複数のカスケード式熱電ユニットの1つが、
    熱源に結合された少なくとも1つの上側の熱電ユニットと、
    前記少なくとも1つの上側の熱電ユニットに結合された少なくとも1つの下側の熱電ユニットと、
    前記少なくとも1つの下側の熱電ユニットに熱的に接続され、かつ前記少なくとも1つの下側の熱電ユニットからの熱を消散するように構成されたヒートシンクと、
    を備える、請求項76に記載のシステム。
  78. 前記少なくとも1つの上側の熱電ユニット及び前記少なくとも1つの下側の熱電ユニットのうちの少なくとも1つにおける前記熱電対が、Bi2Te3、Sb2Te3、SiGe、(AgSbTe21-x(GeTe)x、PbTe、PbSe、ZnSb及びスクッテルド鉱の少なくとも1つを含む、請求項77に記載のシステム。
  79. (AgSbTe21-x(GeTe)xが約0.80から0.85のモル比率のGeTeを含む、請求項78に記載のシステム。
  80. 前記少なくとも1つの上側の熱電ユニット及び前記少なくとも1つの下側の熱電ユニットのうちの少なくとも1つにおける前記熱電対が、超格子及び量子ドット超格子の少なくとも1つを含む、請求項77に記載のシステム。
  81. 前記超格子が、Si/Ge、PbTe/PbSe、ZnSb/CdSb、InAs/InSb、CdTe/HgCdTe、GaxIn1-xAs/GayIn1-yAsの超格子の少なくとも1つを含む、請求項80に記載のシステム。
  82. 前記少なくとも1つの上側の熱電ユニットが、670Kから870Kの温度で動作するように構成される、請求項77に記載のシステム。
  83. 前記少なくとも1つの下側の熱電ユニットが、470Kから670Kの温度で動作するように構成される、請求項77に記載のシステム。
  84. 前記少なくとも1つの下側の熱電ユニットが、300Kから470Kの温度で動作するように構成される、請求項77に記載のシステム。
  85. 前記複数のカスケード式熱電ユニット及び前記ヒートシンクが、1W/gmよりも大きい比出力を有するように構成される、請求項76に記載のシステム。
  86. 前記複数のカスケード式熱電ユニットが、0.0001W/gmから0.01W/gmの範囲の比出力を有するように構成される、請求項76に記載のシステム。
  87. 前記第1のヘッダが30〜40℃の範囲の熱源に結合される、請求項86に記載のシステム。
  88. 前記複数のカスケード式熱電ユニット及び前記ヒートシンクが、0.5W/cm2よりも大きい電力密度を発生するように構成される、請求項76に記載のシステム。
  89. 前記複数のカスケード式熱電ユニットが、0.0005W/cm2から0.5W/cm2の範囲の出力密度を発生するように構成される、請求項76に記載のシステム。
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