JP2007531531A - 糞便残渣の酵素消化を用いてオーシストを精製する方法 - Google Patents

糞便残渣の酵素消化を用いてオーシストを精製する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、原虫オーシストを精製するための方法および組成物を提供する。特定の実施形態では、オーシストがアイメリアのオーシストである。本方法は、糞便材料および原虫オーシストを含む組成物を、組成物中の糞便材料の量を減少させるのに十分な条件下で、多糖分解酵素に接触させることを含む。

Description

関連出願情報
本願は、2004年3月31日に出願された米国仮出願第60/558,348号の利益を主張し、前記仮出願は参照することによりそのまま完全な形で本明細書に組み入れられる。
本発明は、原虫オーシストを精製するための方法および組成物を提供する。特に本発明は、ワクチンの製造に使用することができるアイメリア(Eimeria)オーシストを精製するための方法および組成物を提供する。
家禽のコクシジウム症は、アイメリア属の寄生原虫類が引き起こす疾患である。アイメリア属の種のオーシストは環境中に遍在し、家禽敷料中で何ヶ月も存続する。オーシストの摂取は、種特異的に、腸管のさまざまな領域の感染をもたらす。この生物は腸内で数日間にわたって増殖し、その結果、糞便中に次世代のオーシストを***する。複数サイクルの感染は免疫をもたらし、ある群れに対して感染が初期にかつ群内に均一な量で提示されると、数サイクルの曝露を経て発達した免疫は、極めて頑強になり得る。
対照的に、感染が鳥に均一な形で提示されない場合は、未感作の鳥が突然の大量感染を起こして、飼料要求率および体重増加の点で成績が低下し、二次感染の危険が高まるという状況が生じ得る。現在、家禽産業においてコクシジウム症の防除に用いられている最も一般的な方法はワクチン接種ではなく、飼料への抗コクシジウム薬の投与である。ワクチン接種率が低いのは、多くの場合、伝統的な投与経路および投与回数である育成施設における飼料もしくは水を介した投薬、または孵化場における噴霧室内ワクチン接種(spray cabinet vaccination)による投薬の均一性が、不確かであることに原因があると考えられる。孵化場における投与時の送達の均一性を改善することに対する関心が高まっている。
最近、生オーシストに基づくコクシジウム症ワクチンの投与に卵内(インオボ;in ovo)ワクチン接種技術を応用できることが見い出された(例えば、いずれもPfizer,Inc.に付与された、米国特許第6,500,438号、米国特許第6,495,146号、および米国特許第6,627,205号を参照されたい)。卵内投与経路は、個々の胚に対して、胚がまだ卵の中にある間に均一な用量のワクチンを送達する便利な方法になる。鳥類ワクチンの卵内への送達は、現在、米国内で毎年生産されるブロイラー鳥90億羽の約85%で実施されており、米国外で毎年生産されるブロイラー鳥210億羽でもその割合が増えつつある(例えば米国政府に付与された米国特許第4,458,630号を参照されたい)。したがって、卵内送達型コクシジウム症生ワクチンの潜在的市場は、現在の孵化後送達型コクシジウム症ワクチンの市場よりもかなり大きい。
コクシジウム症生ワクチンに使用されるオーシストは糞便から得られるが、この糞便には最初は大量の汚染微生物が含まれている。通例、規制行政機関は卵内送達型ワクチンが汚染微生物を本質的に含まないことを示すように要求する。汚染微生物数レベルが最終製品において完全に最少化されることを保証するために、オーシスト生産工程の各段階で汚染微生物のレベルを効果的に管理する組成物および方法論を使用することは有益である。不要固形物の減少は汚染微生物数減少方法論の効率を向上させ得る。
したがって当分野においては、特にワクチン製造に用いられる、原虫オーシストを精製する改良された方法が必要とされている。
本発明は、例えばワクチンの製造などに用いられる原虫オーシスト(例えばアイメリアオーシスト)を精製するための改良された方法および組成物に関する。特に家禽ワクチンに関して、本発明は、孵化後用ワクチンまたは卵内用ワクチンの生産に適している。また、本ワクチンは、ブロイラー鳥、産卵鳥、種鳥、シチメンチョウ、愛玩鳥および/または飼い鳥産業でも使用することができる。
本発明は、一つには、オーシストを含有する糞便材料を、オーシストの生存能および/または回収率に甚だしい影響を与えずに、多糖分解酵素で酵素消化することができるという発見に基づいている。したがって本発明は、オーシストを含む組成物中の糞便材料を減少させるための改良された方法であって、糞便材料を多糖分解酵素で消化することによる方法を提供する。本発明は、組成物中の糞便材料を多糖分解酵素で消化することを含む工程によって、糞便材料を含む組成物からオーシストを精製する方法も提供する。多糖分解酵素は、固形不溶性植物残渣を切断して、除去可能な可溶性小成分にするように働く。例えば、酵素消化の可溶性産物は、遠心分離またはタンジェンシャルフロー濾過などの技術を使ってオーシストを分離および濃縮することによって、除去することができる。
本発明の方法および組成物は、糞便負荷量を減少させ、より小さな工程規模の使用を容易にすることにより、商業的オーシスト生産工程(例えばワクチン用)にとって有利である。組成物中の不要糞便残渣の最少化は、汚染微生物の管理および所望であれば滅菌最終製品の生産にとって有益である。さらに、酵素消化は組成物中の固形物の量を実質的に減少させ、その結果、全ての下流工程について、それに見合った作業規模の減少をもたらすことができる。工程規模の減少により、その工程の効率および経済性を高めることができる。
酵素消化は、より大きな精製スキームに組み込むことができ、オーシストを精製するための現在の技術(例えば篩分、浮上分離、遠心分離など)と一緒に使用するか、それらの代替法として使用することができる。浮上分離工程を酵素消化により置き換える場合、その利点には、(1)装置に対して腐食性を持つ塩類が精製工程から除去されるか、減少すること、および/または(2)工程の頑強性が改善されることが含まれる。酵素消化を浮上分離に先だって使用する場合、その利益には、一般に糞便物の出発体積に直接比例する浮上分離溶液の体積の減少が含まれ得る。
したがって、第1の態様として、本発明は、糞便材料を含む組成物からオーシスト(例えば生存可能なオーシスト)を精製する方法であって、組成物中の糞便材料の量を減少させるのに十分な条件下で、組成物を多糖分解酵素に接触させることを含む方法を提供する。特定の実施形態では、多糖分解酵素がセルラーゼを含むか、本質的にセルラーゼからなるか、またはセルラーゼからなる。別の実施形態では、多糖分解酵素がセルラーゼおよびペクチナーゼを含むか、本質的にセルラーゼおよびペクチナーゼからなるか、またはセルラーゼおよびペクチナーゼからなる。さらなる代表的実施形態では、多糖分解酵素がセルラーゼ、ペクチナーゼおよびアミラーゼを含むか、本質的にセルラーゼ、ペクチナーゼおよびアミラーゼからなるか、またはセルラーゼ、ペクチナーゼおよびアミラーゼからなる。
さらにもう一つの態様として、本発明は、糞便材料を含む組成物からアイメリアオーシスト(例えば生存可能なアイメリアオーシスト)を精製する方法であって、組成物中の糞便材料の量を減少させるのに十分な条件下で、組成物を、セルラーゼを含む多糖分解酵素に接触させることを含む方法を提供する。
本発明は、ワクチンの生産に用いられるアイメリアオーシスト(例えば生存可能なアイメリアオーシスト)を精製する方法であって、組成物中の糞便材料の量を減少させるのに十分な条件下で、組成物を、セルラーゼを含む多糖分解酵素に接触させることを含む方法も提供する。
さらにもう一つの態様として、本発明は、本発明の方法を使って(例えばワクチンを製造するために)原虫オーシストを精製する際に用いられる、多糖分解酵素を含む組成物を提供する。
以下の発明の説明では、本発明のこれらの態様および他の態様を、さらに詳しく説明する。
以下に、発明の好ましい実施形態に関して、本発明を説明する。ただし本発明は、異なる形態で体現することもでき、本明細書に記載する実施形態に限定されるとみなしてはならならい。むしろこれらの実施形態は、この開示が綿密かつ完全になるように、そしてこの開示によって本発明の範囲が当業者に完全に伝わるように、記載するものである。
別段の定義がある場合を除き、本明細書において使用する技術用語および科学用語は全て、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解している意味と同じ意味を持つ。本明細書において発明の説明に用いられる術語は、特定の実施形態を説明するために過ぎず、本発明の限定を意図するものではない。
本明細書において言及する刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献はいずれも、参照することによりそのまま完全な形で本明細書に組み入れられる。
本明細書において発明の説明に用いられる術語は、特定の実施形態を説明するために過ぎず、本発明の限定を意図するものではない。発明の説明および本願請求項において使用される単数形「a」「an」および「the」は、文脈上そうでないことが明白である場合を除き、複数形も包含するものとする。
本発明は、医学用および獣医学用のオーシストを精製するのに適している。用語「動物」および「動物対象」は、哺乳動物対象および/または鳥類対象を包含するが、それらに限定されるわけではない。
適切な哺乳動物対象には、ヒト対象および非ヒト霊長類対象、例えばサル、ブタ、ウシ(例えば畜牛)、ヤギ、ウマ、ネコ、ヒツジ、イヌ、ネズミ(例えばマウス、ラット)およびウサギ対象が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
本明細書において使用する用語「鳥類」および「鳥類対象」(すなわち「鳥」および「鳥対象」)は、任意の鳥類種の雄および雌を包含するものとするが、主として、卵もしくは肉を得るために、またはペットとして、商業的に飼育される家禽を包含するものとする。したがって、用語「鳥類」および「鳥類対象」は、特に、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、ウズラ、キジ、インコ、オウム、バタンインコ、オカメインコ、ダチョウ、エミューなどを包含するものとするが、それらに限定されるわけではない。特定の実施形態では、鳥類対象がニワトリ対象またはシチメンチョウ対象である。別の実施形態では、鳥類対象がニワトリである。本明細書において使用する「鳥類」または「鳥類対象」は、卵内の鳥類胚、または孵化後の鳥類を指すことができる。
本発明は、概して、原虫オーシストを精製するための方法および組成物に関する。そのような方法および組成物は、例えばワクチンを製造する方法に役立つ。さらに本方法は、例えば組換えタンパク質生産のために遺伝子改変されたオーシストを精製するためにも使用することができる。多くの原虫は「オーシスト」と呼ばれる生活段階を形成する。本発明は、任意の原虫種(アイメリア、クリプトスポリジウム(Cryptosporidium)、トキソプラズマ(Toxoplasma)、プラスモディウム(Plasmodia)およびイソスポラ(Isospora)を含むが、それらに限定されるわけではない)からオーシストを精製するために実施することができる。本発明の実施形態では、本発明の方法および組成物がアイメリアオーシストを精製するために使用される。
用語「原虫」「オーシスト」「スポロシスト」「スポロゾイト」および「メロゾイト」は、当分野において一般に容認されているそれぞれの意味を持つ。別段の表示がある場合を除き、これらの用語は、弱毒型を含む生きた(すなわち生存可能な)原虫、オーシスト、スポロシスト、スポロゾイトおよびメロゾイトを指すものとする。ただし、死滅した原虫、オーシスト、スポロシスト、スポロゾイトおよびメロゾイトを使ってワクチンを製剤化できることは当業者には理解されるだろう。死滅ワクチンが通常はまず生きた微生物を精製することによって調製されることは、当業者には理解されている。遺伝子改変された原虫、オーシスト、スポロシスト、スポロゾイトおよびメロゾイトも包含される。オーシストは胞子形成オーシストまたは非胞子形成オーシストであることができる。
用語「アイメリア」はアイメリア属の一つまたは複数の種を示す。用語「アイメリア」は、鳥類(例えばニワトリ、シチメンチョウ)または哺乳動物(例えば畜牛、ヒツジまたはウサギ)種に感染するアイメリアの株または種を包含するが、それらに限定されるわけではない。そのようなアイメリアの種には、ニワトリに見いだされるもの、例えばアイメリア・テネラ(E.tenella)、アイメリア・アセルブリナ(E.acervulina)、アイメリア・マキシマ(E.maxima)、アイメリア・ネカトリックス(E.necatrix)、アイメリア・ミチス(E.mitis)、アイメリア・プレコックス(E.praecox)、アイメリア・ミバチ(E.mivati)およびアイメリア・ブルネッチ(E.brunetti);シチメンチョウに見いだされるもの、例えばアイメリア・メレアグリミティス(E.meleagrimitis)、アイメリア・アデノイデス(E.adenoeides)、アイメリア・ガロパボニス(E.gallopavonis)、アイメリア・ディスパーサ(E.dispersa)、アイメリア・イノキュア(E.innocua)、およびアイメリア・サブロタンダ(E.subrotunda);畜牛に感染するもの、例えばアイメリア・ボビス(E.bovis)およびアイメリア・ツェルニィ(E.zuernii);ヒツジに感染するアイメリアの種、例えばアイメリア・アーサーター(E.ahsata)、アイメリア・バクエンシス(E.bakuensis)、アイメリア・クランダリス(E.crandallis)、アイメリア・ファウレイ(E.faurei)、アイメリア・グラニュローサ(E.granulosa)、アイメリア・イントリカータ(E.intricata)、アイメリア・マルシカ(E.marsica)、アイメリア・オビノイダリス(E.ovinoidalis)、アイメリア・パリダ(E.pallida)、アイメリア・パルバ(E.parva)、アイメリア・ウェイブリジェンシス(E.weybridgensis);ならびにウサギに感染するアイメリアの種、例えばアイメリア・インテスチナリス(E.intestinalis)、アイメリア・ベイドフスキイ(E.vejdovskyi)、アイメリア・ピリフォルミス(E.piriformis)、アイメリア・コエシコラ(coecicola)、アイメリア・イレシドゥア(E.irresidua)、アイメリア・フラベセンス(E.flavescens)、アイメリア・エキシグア(E.exigua)、アイメリア・マグナ(E.magna)、アイメリア・パーフォランス(E.perforans)、アイメリア・メディア(E.media)、およびアイメリア・スティダイ(E.stiedai)などがある。さらに用語「アイメリア」は、上述したアイメリアの種の全ての株(例えば野性株、早熟株または他の選択株、弱毒株、および例えば放射線照射、化学的処理などによって弱毒化されたオーシストを含むが、それらに限定されるわけではない)を包含する。さらにまた、用語「アイメリア」はアイメリアの任意の新発見株または新発見種も包含する。最後に、用語「アイメリア」は、生きたアイメリアおよび死滅したアイメリアを包含する。ただし、別段の表示がある場合を除き、生きたアイメリアを意味する。
生存能は、例えば、宿主におけるオーシストの感染性を決定することなどによって評価することができる。特定の実施形態では、本発明の方法に従って精製された「生存可能な」オーシストが、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、99%の本発明の酵素処理に付していないオーシストの感染性を持つ。
アイメリアオーシストを含む組成物は、鳥をコクシジウム症に対して免疫する方法に役立つ。鳥をコクシジウム症に対してワクチン接種する方法は当分野において公知であり、卵内ワクチン接種法(例えばPfizer Inc.に付与された米国特許第6,500,438号、米国特許第6,495,146号、および米国特許第6,627,205号)ならびに孵化後ワクチン接種法(例えばAuburn Research Foundationに付与された米国特許第3,147,186号;National Research Development Corporationに付与された米国特許第5,055,292号および米国特許第4,438,097号)が含まれる。
最終ワクチン組成物に使用される他の生活段階(例えばスポロゾイトまたはスポロシスト)を放出するように、またはワクチン接種用の抽出物もしくはタンパク質を生産するために、オーシストをさらに加工できることは、当業者には理解されるだろう。
用語「原虫」は、野生型株、早熟株または他の選択株、弱毒株、および例えば放射線照射、化学的処理などによって弱毒化されたオーシストを包含する。さらに用語「原虫」は、原虫の任意の新発見株または新発見種も包含する。最後に、用語「原虫」は生きた原虫と死滅した原虫の両方に適用される。ただし、別段の表示がある場合の除き、生きた原虫を意味する。
オーシストの「生産」、「生成」又は「製造」(「produce」「producing」または「production」)などの用語は、一般に、動物からオーシストを採取し、糞便材料からオーシストを精製する工程を指す。
別段の表示がある場合を除き、オーシストの調製物に関して本明細書において使用する用語「精製」(「purify(ies)」「purification」「purifying」および「purified」)は、オーシストを含有する調製物からの糞便残渣および他の不必要な材料の分離または除去を指す。これらの用語は、糞便中に存在する他の材料からのオーシストの単離度または分離度が強化されることを示すものであって、不要材料の全てがオーシスト調製物から完全に除去されることを示すわけではない(不要材料の大部分が除去されることを示すわけでさえない)ものとする。さらにオーシスト調製物は、最終調製物が意図する用途にとって(例えば孵化後ワクチンとして)適切である限り、ある程度の微生物汚染を含有していてもよい。特定の実施形態において、卵内投与用のワクチンは、不必要な微生物(すなわち関心対象の原虫オーシスト以外の微生物)、特に胚に対して病原性である(すなわち有意な病気または死亡を引き起こす)汚染微生物による検出可能な汚染を、本質的に含まない。
文脈によっては、「精製」工程が、ワクチン接種目的に適した調製物を生産するために糞便からオーシストを精製する工程全体を指す場合もある。あるいは、「精製」工程とは、精製スキーム全体の中で、ステップの任意のサブセットを指す場合もあり、単一ステップを指す場合すらある。
本発明は、オーシスト(例えばアイメリアオーシスト)を精製するための方法および組成物を提供する。本発明の消化方法は、精製スキームの一部として、一つまたは複数の他の精製ステップと組み合わせることができる。例えば本発明の方法は当分野において公知の他の方法と一緒に使用することができる。
アイメリアオーシストなどのオーシストを生産する方法は、当分野において公知である(例えばAuburn Research Foundationに付与された米国特許第3,147,186号;Internationale Octrooi Maatschappij「Octropa」B.V.の米国特許第4,544,548号;Unilever Patent Holdingsの米国特許第4,863,731号;国際特許公報WO 00/50072(Pfizer,Inc.);WO 03/020917(Embrex,Inc.);およびWO 02/37961(Novus International,Inc.);Hammond et al.,(1944)Amer.J.Vet.Res.5:70;Hill et al.,(1961)J.Parasit.47:357;Jackson,(1964)Parasitology 54:87;Lotze et al.,(1961)J.Parasit.47:588;Schmatz et al.,(1984)J.Protozool.31:181;Whitlock,(1959)Aust.Vet.J.35:310を参照されたい)。
本明細書において、あるステップまたは工程が別のステップまたは工程の「前に行なわれる」または「後に行なわれる」などの表現をする場合、それは精製スキームにおいて第1のステップまたは工程が第2のステップのそれぞれ前または後に行なわれることを意味し、中間ステップが存在する可能性を排除しない。
「微生物汚染」、「微生物による汚染」などの用語は、細菌、カビ、真菌、酵母およびウイルスを含む(ただしそれらに限定されるわけではない)検出可能かつ不必要で生存可能な微生物(すなわち関心対象の原虫オーシスト以外の微生物)の存在を示すものとする。特定の実施形態では、オーシスト調製物が検出可能な微生物汚染を本質的に含まない(有意なレベルの微生物汚染が調製物中に検出されないことをいう)か、検出可能な微生物汚染を全く含まない。微生物を検出する方法は当分野において公知であり、検出される微生物の種類に依存する。
「衛生化」(「sanitizing」または「sanitization」または「sanitized」などの用語)は、オーシスト調製物において微生物汚染(すなわち上で定義した生存可能な汚染微生物)の減少が起こることを意味する。最終調製物が意図する用途にとって(例えばワクチンとして)適切である限り、オーシスト調製物が微生物汚染を全く含有しないことは必要でない。鳥への卵内投与用の組成物について言えば、一般に調製物は検出可能な微生物汚染を本質的に含まない(すなわち有意なレベルの汚染微生物が検出されない)か、検出可能な微生物汚染を全く含まない(すなわち純培養である)だろう。
略号「v/v」は「体積/体積」を指す。略号「w/v」は「重量/体積」を指す。
本発明の個々の態様を以下に詳述する。
糞便残渣の酵素消化による原虫オーシストの精製
本発明者らは、多糖分解酵素による酵素消化を使って、オーシストの生存能および/または回収率を甚だしく減少させずに、糞便残渣を減少させることができるという発見をした。多糖分解酵素は、不溶性植物材料を、オーシストから容易に除去することができる可溶(例えば水溶液に可溶)な形態に分解するように働く。したがって本発明は、糞便材料を含む組成物からオーシストを精製する方法であって、組成物中の糞便材料の量を減少させる(すなわち固形糞便材料の一部または全てを可溶化することによって、容易に除去できるようにする)のに十分な条件下で、組成物を多糖分解酵素に接触させることを含む方法を提供する。特定の実施形態では、オーシストは、生存可能なオーシストである。
本発明の方法は、糞便材料およびオーシストを含む任意の組成物で実施することができる。例えばオーシストは感染動物の糞便、盲腸コア、腸壁または他の組織などから収集することができる。商業的目的の場合、オーシストは通例、感染動物の糞便から収集される。
本発明における多糖分解酵素は、一つまたは複数の多糖類分解性酵素を含むことができる。2以上の多糖類分解性酵素を本発明の方法で使用する場合は、それらの酵素を同時に使用するか、任意の順序で逐次的に使用することができる。多糖分解酵素は当分野において公知であり、セルラーゼ、ペクチナーゼ、アミラーゼ、キシラナーゼ、アラビナーゼ、α−ガラクトシダーゼ、ヘミセルラーゼ、β−グルカナーゼ、β−グルコシダーゼ、およびアミログルコシダーゼを含むが、それらに限定されるわけではない。
本発明の代表的一実施形態では、多糖分解酵素がセルラーゼを含むか、本質的にセルラーゼからなるか、またはセルラーゼからなる。「本質的にセルラーゼからなる」とは、その多糖分解酵素がセルラーゼ以外の多糖分解酵素を取るに足らないレベルしか含有していないことを意味する。
別の代表的実施形態では、組成物をセルラーゼおよびペクチナーゼと接触させる。別の例示的実施形態では、組成物をセルラーゼ、ペクチナーゼおよびアミラーゼによる消化に付す。そのような実施形態の一つでは、組成物をまずセルラーゼおよびペクチナーゼで消化し、次に(例えばセルラーゼおよびペクチナーゼによる酵素消化が完了した後に、または実質的に完了した後に、例えば少なくとも70%、80%もしくは90%完了した後に)アミラーゼによる消化に付す。
酵素消化の具体的反応条件は、所望する任意の終点、例えば純度、オーシストの回収率、オーシストの生存能、工程規模、時間効率、費用効率、その工程内の他のステップとの適合性、装置との適合性などが達成されるように、選択し、最適化することができる。
組成物に加える酵素の量は、オーシストの回収率および/または生存能に有害な影響を与えずに所望の精製レベルが達成されるように選択される。酵素消化の完了に要する期間が温度および酵素濃度ならびに使用する特定酵素に依存することは、当業者には理解されるだろう。したがって、同程度の消化を達成するには、通例、酵素濃度が低いほど長い反応時間および/または高い反応温度が用いられる。
特定の実施形態では、各酵素が、少なくとも約0.25×103単位/リットル、約0.5×103単位/リットル、約1×103単位/リットル、約2×103単位/リットル、約5×103単位/リットル、約1×104単位/リットル、約2×104単位/リットル、約4×104単位/リットル、約5×104単位/リットル、約1×105単位/リットル、約2×105単位/リットルまたは約3×105単位/リットルであり、かつ約2×104単位/リットル、約3×104単位/リットル、約5×104単位/リットル、約8×104単位/リットル、約10×104単位/リットル、約12×104単位/リットル、約15×104単位/リットル、約20×104単位/リットル、約25×104単位/リットル、約30×104単位/リットル、約40×104単位/リットル、約50×104単位/リットル、約10×105単位/リットル、約15×105単位/リットル、約20×105単位/リットル、約35×105単位/リットル、約50×105単位/リットル、約10×106単位/リットル、約20×106単位/リットル、約25×106単位/リットル、または約30×106以上より少ない濃度(上限と下限の組合せは任意)で存在する。
セルラーゼの場合、実例となる実施形態では、セルラーゼが、1リットルあたり約0.5×104〜35×105単位、約1×104〜15×105単位/リットル、約2×104〜50×104単位/リットル、約3×104〜30×104単位/リットル、約4×104〜25×104単位/リットル、または約8×104〜20×104単位/リットル以上の量で存在する。
ペクチナーゼの場合、代表的な実施形態では、ペクチナーゼが、約5×104〜20×106単位/リットル、約1×105〜10×106単位/リットル、約2×105〜5×106単位/リットル、または約3×105〜2.5×106単位/リットル以上の量で存在する。
アミラーゼの場合、代表的な実施形態では、アミラーゼが、約0.25×103〜15×104単位/リットル、約0.5×103〜8×104単位/リットル、約1×103〜5×104単位/リットル、または約2×103〜3×104単位/リットル以上の量で存在する。
酵素消化の継続時間は、オーシストの回収率および/または生存能に有害な影響を与えずに、所望する糞便残渣の減少が達成されるように選択される。上述のように、酵素反応の速度は一般に反応温度、酵素濃度および使用する特定の多糖分解酵素に依存する。特定の実施形態では、消化反応が少なくとも約30分、45分、1時間、2時間または3時間から、長くて約3、4、6、8、10、12、15、18、20、24、30または36時間以上(上限と下限の組合せは任意)にわたって行なわれる。酵素消化を行なう時間範囲の実例は、約30分〜24時間、約1〜20時間、約1〜15時間、約2〜10時間、約2〜8時間、および約2〜5時間である。場合によっては、酵素消化は、消化反応を完了するのに必要な期間より長く行なわれる。例えば、たとえ反応がもっと短期間で完了するとしても、消化を終夜行なうことが好都合な場合もあり得る。
酵素消化工程は、通例、所望の反応速度(すなわち工程時間)が達成されるが、オーシストの回収率および/または生存能に有害な影響を与えないような温度で行なわれる。一般に、温度は通常は約31℃または32℃未満である。本発明の実施形態では、温度が少なくとも約12、15、18、20、21、22または24℃であり、かつ約26、27、28、29または30℃未満(上限と下限の組合せは任意)である。酵素消化の実例となる温度は、約15℃〜30℃、約18℃〜29℃、および約21℃〜27℃の範囲内にある。
同様に、反応のpHも、所望の酵素活性レベルおよび所望のオーシスト精製レベルが達成されるように、常法により選択することができる。例示的な実施形態では、セルラーゼおよび/またはペクチナーゼによる消化が、約pH1〜pH7.5、約pH2〜pH6.5、約pH3〜pH6、または約pH4〜pH5.5もしくは6の範囲内のpHで行なわれる。アミラーゼの場合は、一つにはアミラーゼの供給源(例えば細菌由来または真菌由来)に依存して、一般に約pH4〜pH7.5で反応が行なわれる。特定の実施形態では、約pH4.5〜pH7、約pH6〜pH8または約pH6.5〜pH7.5の範囲内で反応が行なわれる。
消化に使用する酵素が一つより多い場合は、各酵素反応に合わせて溶液のpHを調節することができる。例示的な方法では、組成物をまず、約pH3〜pH6または約pH4〜pH5.5もしくは6の範囲内のpHで、セルラーゼおよび/またはペクチナーゼによって消化する。次に、アミラーゼ消化のために、溶液のpHを、例えば塩基の添加または所望のpH範囲内にある溶液との交換(例えば遠心分離によるペレット化および新しい溶液への再懸濁)などによって、約pH4〜pH7.5または約pH6.5〜pH7.5に調節する。
ある温度またはpH「範囲」内で反応を行なうとは、それぞれ表示した温度またはpH範囲内の一つのまたは一つより多い温度またはpHで、反応を行ない得ることを意味する。
所望のレベルの酵素消化が達成された後に、要すれば、酵素(または複数の酵素)を(例えば遠心分離またはタンジェンシャルフロー濾過などの標準的技術によって液体材料からオーシストを分離することによって)除去するか、酵素を(例えば温度および/またはpHを変化させることによって、および/または化学的不活化によって)不活化することができる。したがって特定の実施形態では、本方法は、精製スキーム中の次のステップのため、衛生化のため、またはワクチン製造などの最終用途のために、酵素をオーシストとの接触から引き離すこと、および要すれば、オーシストを(例えば遠心分離、浮上分離またはタンジェンシャルフロー濾過などによって)収集することを、さらに含む。
本発明による例示的な酵素消化方法を以下に説明する。この実施形態によれば組成物はアイメリアオーシストを含む。組成物を、セルラーゼおよび要すればペクチナーゼにより、約21℃〜27℃の範囲内の温度および約pH4〜pH6の範囲内のpHで、約2〜18時間にわたって消化する。セルラーゼの濃度は約8×104〜20×104単位/リットルの範囲内にあり、ペクチナーゼが存在する場合、ペクチナーゼの濃度は約1×105〜10×106単位/リットルの範囲内にある。
本発明の酵素消化方法は単独で使用するか、より大きなオーシスト精製スキームに組み込むことができる。オーシストを生産する方法は当分野において公知であり、Auburn Research Foundationに付与された米国特許第3,147,186号;Internationale Octrooi Maatschappij「Octropa」B.V.に付与された米国特許第4,544,548号;Unilever Patent Holdingsに付与された米国特許第4,863,731号;国際特許公報WO 00/50072(Pfizer,Inc.);WO 03/020917(Embrex,Inc.);およびWO 02/37961(Novus International,Inc.);Hammond et al.,(1944)Amer.J.Vet.Res.5:70;Hill et al.,(1961)J.Parasit.47:357;Jackson,(1964)Parasitology 54:87;Lotze et al.,(1961)J.Parasit.47:588;Schmatz et al.,(1984)J.Protozool.31:181;Whitlock,(1959)Aust.Vet.J.35:310(これらの開示は参照することによりそのまま完全な形で本明細書に組み入れられる)に記載のアイメリアオーシスト生産方法が含まれる。
一般に、これらの方法は、動物を関心対象の原虫に感染させ、感染動物からオーシストを含有する糞便を収集し、篩分、遠心分離、濾過および/または密度浮上分離などの一連の分離手順によって糞便材料からオーシストを精製し、オーシストを胞子形成させることを含み、任意選択的な追加分離ステップ、および所望であれば、汚染微生物を不活化するために胞子形成オーシストを衛生化することを含む。次に、異なるオーシスト調製物(例えば異なる種または株に由来するもの)を組み合わせて、最終製品、例えば複数の原虫(例えばアイメリア)種に対するワクチンなどを形成させることができる。
酵素消化は、オーシスト精製工程内の任意の時点で行なうことができる。酵素消化は糞便の収集中または糞便収集の完了時に、篩分などの上流精製工程に先だって行なうことができる。別の代表的実施形態では、酵素消化工程を、篩分または遠心分離などの上流精製ステップ後に行なう。一般に、酵素消化工程は、工程規模を減少させるために、浮上分離などの下流精製ステップの前に使用することが有利であり得る。別の実施形態では、浮上分離などの下流精製ステップの前に、またはそのような下流精製ステップの代わりに、酵素消化が行なわれる。さらに、オーシストの胞子形成は、酵素消化前に、または酵素消化と同時に、または酵素消化後に行なうことができる。一部の実施形態では、胞子形成前または胞子形成後に、遠心分離でペレット化することによって、またはタンジェンシャルフロー濾過などの技術で液体を除去することによって、オーシストが濃縮される。酵素消化工程はそのような濃縮ステップの前または後に組み込むことができる。本発明の例示的な一実施形態では、糞便組成物中のオーシストが、上流精製ステップ(例えば遠心分離および/または篩分)に付された後、胞子形成に付される。この実施形態によれば、酵素消化は、胞子形成ステップ後に、密度浮上分離などの下流精製ステップ前の時点で(またはそのような下流精製ステップの代わりに)行なわれる。
特定の実施形態では、精製工程が、密度浮上分離ステップ、例えば塩(例えば硫酸マグネシウム)溶液またはグリセロール(例えばグリセロール−アルギニン)溶液における浮上分離を、さらに含む。塩および非イオン性密度浮上分離溶液、ならびに塩および非イオン性溶液を使った密度浮上分離方法は、国際特許公報WO 00/50072(Pfizer,Inc.)およびWO 03/020917(Embrex,Inc.)に記載されており、これらは参照によりそのまま完全な形で本明細書に組み入れられる。代表的実施形態では、酵素消化工程後に密度浮上分離工程が行なわれる。
オーシストの密度浮上分離を行なう方法は当分野において公知である。特定の実施形態では、密度浮上分離が、オーシストを含有する調製物を、高密度の液体を含む組成物に懸濁して、オーシストの浮上をもたらすのに十分な条件下で懸濁液を形成させる段階、および懸濁液からオーシストを回収することを含む。一般に、オーシストを含有する材料を浮上分離溶液と混合し、溶液を分離させると、オーシストは上清画分に残り、糞便残渣はペレットを形成する。遠心分離を使って分離を促進または改善することができる。
浮上分離媒質は、遠心分離/洗浄ステップ、透析および濾過(例えばタンジェンシャルフロー濾過)を含む、当分野において公知である任意の適切な方法によって、オーシストから除去することができる。
所望であれば、精製オーシストを衛生化して、滅菌溶液を生産することができる。衛生化ステップは、卵内鳥類ワクチン用のオーシストを生産する方法で通例使用される任意選択的なステップであり、時には、孵化後鳥類ワクチンにも使用される。当分野では公知であるように、ワクチン調製物に使用されるオーシストは、慣例的に、次亜塩素酸ナトリウム溶液を使って衛生化される。オーシストを衛生化する他の方法はWO 03/020917(Embrex,Inc.)に記載されており、その開示は参照することによりそのまま完全な形で本明細書に組み入れられる。
本発明の実施形態では、酵素消化(および任意選択的に他の精製ステップ)が抗微生物溶液中で行なわれる。単純糖質を遊離させる多糖分解酵素の作用は、汚染微生物の迅速な成長を潜在的に促進することができる。適切な抗微生物溶液の例は国際特許公報WO 03/020917(Embrex,Inc.)に開示されており、その開示は参照することによりそのまま完全な形で本明細書に組み入れられる。
特定の実施形態では、糞便材料およびオーシストを含む組成物を、多糖分解酵素だけでなくリパーゼおよび/またはプロテアーゼなどの他の酵素とも(同時にまたは任意の順序で逐次的に)接触させる。
本発明者らはさらに、糞便残渣の酵素消化の効率が、糞便材料を収集する動物に与えられた飼料による影響を受け得ることも見い出した。特定の実施形態では、オーシスト収集期間中および/またはオーシスト収集期間前に、動物に大きな平均粒径を持つ飼料を与える。例示的な大粒子飼料は、オオムギ、トウモロコシ(例えば挽き割りトウモロコシ)、コムギ、エンバク、雑穀および/またはモロコシなどの全粒を含有する。例えばオオムギを含有する飼料を鳥に与えると、より効率よく消化される組成物が生じるようである。オオムギは家禽飼料における使用に適した任意の形態、例えば蒸煮圧扁オオムギなどの形態をとることができる。したがって本発明の方法は、オオムギを含有する飼料、例えばオオムギ−ダイズ飼料を与えた鳥から収集したオーシストを含有する糞便材料を使って行なうことができる。実例となる飼料は、少なくとも約15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%以上のオオムギ(w/w)を含有する。他の例示的な飼料は約15%〜70%(w/w)、約20%〜60%(w/w)、約20%〜50%(w/w)、約25%〜45%(w/w)、または約25%〜40%(w/w)のオオムギを含有する。代表的飼料の一つは、約35%(w/w)の蒸煮圧扁オオムギ、約35%(w/w)の高タンパク質大豆ミール、約10%(w/w)のクリンプ処理した(crimped)エンバク、約6%(w/w)の米ぬか、ならびに鳥の健康を支えるための他の脂肪、ミネラル、ビタミンおよび補助添加物を含有する。
大きな平均粒径を持つ動物飼料はWO 03/020917(Embrex,Inc.)に開示されており、これは参照することによりそのまま完全な形で本明細書に組み入れられる。
多糖含有飼料の消化可能性を改善するため(例えば米国再発行特許第38,047号参照;ヘミセルラーゼ)、成長速度を高めるため(例えば米国特許第6,333,062号参照;アルファ−ガラクトシダーゼ)、吸収不良(例えばU.S.WO 91/04673参照;セルラーゼまたはキシラナーゼ)および/またはペイスティ・ベント(pasty vent)症候群を処置するために鳥に酵素を与える方法は、当分野において公知である。したがって、そこから糞便材料を収集し、オーシストを採取する動物(例えば鳥)には、多糖分解酵素を与えることができる。例えばNatugrain(登録商標)、Selfeed(登録商標)、およびHemicell(登録商標)などの多酵素調製物が市販されている。
本発明の酵素消化方法を行なうことによって、糞便材料の望ましい減少、例えば少なくとも約30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%(v/v)、(w/w)または(w/v)以上の減少を達成することができる。
さらに特定の実施形態では、酵素消化工程からのオーシスト(任意選択的に、生存可能なオーシスト)の回収率は、少なくとも約60%、70%、80%、85%、90%、95%、98%(v/v)、(w/w)または(w/v)以上である。例えばオーシストの感染性を評価することなどによってオーシストの生存能を決定する方法は当分野において公知である(例えば実施例7参照)。
免疫原組成物
本発明の方法を使って生産される免疫原組成物は、原虫疾患に対するワクチン接種を行なうために、動物対象に投与することができる。本発明の方法を使って生産されたオーシストを含有する免疫原組成物(例えばワクチン)は、免疫応答を誘発するために投与することができる。通例、免疫原組成物は、本明細書に開示する免疫原量のオーシストを、薬学的に許容される担体と一緒に含む。「免疫原量」とは、免疫原組成物を投与する対象において免疫応答を開始または惹起するのに十分であるようなオーシストの量である。当業者には理解されるとおり、免疫原組成物は、生きた生物、弱毒化された生物および/または死滅した生物を使って製剤化することができる。このアプローチは、スポロゾイトまたはスポロシストなどの他の寄生生活段階にも適用可能である。
「薬学的に許容される」とは、生物学的にまたはその他の点で望ましくないことのない材料、すなわち望ましくない生物学影響を引き起こさずにその材料を対象に投与し得ることを意味する。したがってそのような薬学的組成物は、例えば、免疫処置用組成物の調製に使用することができる。薬学的に許容される担体は、当分野において公知であるように、他の化合物、例えば安定剤、塩類、緩衝剤、アジュバントおよび/または保存剤(例えば抗細菌剤、抗真菌剤および抗ウイルス剤)など(ただしそれらに限定されるわけではない)を含有してもよい。薬学的に許容される担体は滅菌状態である必要はないが、鳥類胚に卵内投与する場合には一般に滅菌状態であるだろう。
当分野において公知の免疫原組成物投与経路は、原虫に対する能動免疫応答(好ましくは防御免疫応答)が誘発される限り、どれでも使用することができる。対象が鳥である場合、免疫原組成物は卵内または孵化後に投与することができる。例示的な投与経路は孵化後経口投与または卵内注射(例えば羊膜への注射)である。本発明の特定の実施形態では、自動注射装置を用いる卵内投与が使用される。
用語「ワクチン接種」または「免疫処置」は当分野においてよく理解されている。例えば、ワクチン接種または免疫処置という用語は、抗原に対する対象の免疫反応を(したがって感染に抵抗するまたは感染を克服する対象の能力を)もたらすおよび/または増加させる工程であると理解することができる。アイメリアに対して鳥をワクチン接種する卵内法は当分野において公知である(例えば米国特許第6,500,438号、米国特許第6,495,146号、および米国特許第6,627,205号(Pfizer,Inc.))。
本明細書において使用する用語「防御免疫」または「防御免疫応答」とは、その後の曝露時またはチャレンジ時にその動物が感染と戦うことができるように、宿主動物がワクチンに対して能動免疫応答を開始することを意味するものとする。したがって防御免疫応答は、処置された動物の間で、その病原体に対するその後の曝露による罹病および死亡の発生率を低下させるだろう。商業的畜産業において、群れ(flockまたはherd)全体に対するワクチン接種の影響を評価することによって、防御免疫応答の生成を評価できることは、当業者には理解されるだろう。例えばワクチン接種した動物の少数には病気または罹病および脂肪の徴候がまだ存在し得る。
「能動免疫応答」とは、その原虫または原虫抗原に対するその後の曝露からの任意のレベルの保護であって、対象の集団において、死亡率の低下であるか、障害の低下であるか、飼料要求率の改善であるか、またはその疾患の他の任意の有害作用の減少などであるかを問わず、防御が不完全であるか完全であるかとは無関係に、何らかの利益をもたらすものを意味する。「能動免疫応答」または「能動免疫」は、「免疫原との遭遇後の宿主組織および宿主細胞の関与」を特徴とし、「これは、リンパ細網組織における免疫担当細胞の分化および増殖を伴い、それが抗体の合成もしくは細胞媒介性反応性の発達またはその両方につながる」(Herbert B.Herscowitz「Immunophysiology:Cell Function and Cellular Interactions in Antibody Formation」IMMUNOLOGY:BASIC PROCESSES 117(Joseph A.Bellanti ed.,1985))。別の言い方をすると、能動免疫応答は、感染による免疫原への曝露後に、または本件の場合のようにワクチン接種による免疫原への曝露後に、宿主によって開始される。能動免疫は、「能動免疫された宿主から非免疫宿主への既製物質(抗体、伝達因子、胸腺移植片、インターロイキン2)の移入」によって獲得される受動免疫と対比させることができる(同上書)。
以下の実施例は本発明を例示するために記載するものであり、本発明の限定であるとみなすべきではない。
酵素試験
消化酵素を使ったアイメリアオーシスト精製の実現可能性を調べるために、初期実験を行なった。アイメリア・マキシマのオーシストをブロイラーで生産させた。オーシストを含有する糞便を接種の5〜8日後に、10%クエン酸、0.75〜3%過酸化水素、および0.25%プロオピン酸からなる抗微生物溶液中に収集した。材料を篩い分けして大きな残渣を除去し、10%クエン酸、0.75〜3%過酸化水素、および0.25%プロピオン酸中で撹拌および曝気しながら少なくとも48時間にわたって胞子形成させた。胞子形成後に材料の試料を採取し、さまざまな酵素処理に付した(表1参照)。この実験に使用するために二つの供給業者(NovozymesおよびGenencor)から酵素(セルラーゼおよびアミラーゼ)を入手した。酵素は各調製物に20%(v/v)の濃度で加えた。セルラーゼ処理またはセルラーゼ+アミラーゼ処理の場合は試料のpHを約4.5に調節し、アミラーゼ処理だけの場合はpH7.0に調節した。材料を穏やかに撹拌しながら最高3日間インキュベートし、オーシスト数および残渣決定を行なった。オーシストはMcMastersの方法で数えた(Hodgson,J.N.,(1970)「Coccidiosis:oocysts counting technique for coccidiostat evaluation」Exper.Parasitol.28:99−102)。残渣値は、代表的副次試料を1800×gで10分間遠心分離し、ペレット化した固形物の体積を測定し、試料の単位体積あたりのペレット化可能な固形物の体積を計算することによって決定した。次に、試料1mLあたりのペレット化可能な固形物に関する値に総試料体積を掛けることによって、総固形物を決定した。結果を下記の表1に記載する。
この実施例および以下の実施例において、製造業者から受け取った酵素調製物の比活性は、以下のとおりだった:セルラーゼ(8.4×105単位/リットル);ペクチナーゼ(2.6×107単位/リットル);およびアミラーゼ(3×105単位/リットル)。材料は、各実験について表示するとおりに、v/vベースで希釈した。
Figure 2007531531
結果
対照試料は正常であるように見えた。最善の結果は1日インキュベーション時のNovozymesセルラーゼで観察された。本質的に定量的なオーシストの回収が得られ、オーシストは正常な外観を持っていた。残渣の約73%は1日間のインキュベーション後に可溶性になった。残渣の減少はさらにインキュベーションを行なってもあまり変化しなかった。これらの結果に基づき、セルラーゼおよび/またはアミラーゼ処理に焦点を合わせて、さらなる研究を行なった。
多酵素実験I:オーシストが除去された後の糞便固形物を用いる研究
ブロイラー鳥にアイメリア・マキシマのオーシストを感染させ、オーシスト含有糞便を感染の5〜8日後に収集した。糞便は10%クエン酸、0.75〜3%過酸化水素および0.25%プロピオン酸中に収集した。その懸濁液を篩い分けして、大きな粒子を除去し、10%クエン酸、0.75〜3%過酸化水素、および0.25%プロピオン酸中で撹拌および曝気しながら少なくとも48時間にわたってオーシストを胞子形成させた。胞子形成後に、懸濁液を遠心分離してオーシストおよび糞便残渣をペレット化し、上清を捨てた。密度1.2g/mLに調節した硫酸マグネシウム浮上分離溶液にペレットを再懸濁し、1800×gで約10分間遠心分離した。上清に含有されるオーシストを水で希釈し、他の実験で使用するためにさらに加工した。生産鳥からの未消化糞便材料に相当する残りのペレット化した材料を、10%クエン酸および0.25%プロピオン酸に再懸濁した。これらの固形物は、酵素消化によって可溶化されるべき糞便由来の標的不溶性植物残渣に相当する。これらの固形物を一連の実験で使用することにより、さまざまな酵素消化条件を評価した。残渣の減少は実施例1に記載したように評価した。
セルラーゼおよびセルラーゼ+キシラナーゼを用いる処理
上述した固形物の一部を遠心分離することによって9個のレプリケート15mLペレットを調製した。ペレットをPBSで1回洗浄した。次にその懸濁液を遠心分離し、ペレットを適切な処理溶液に再懸濁した。
Figure 2007531531
全てのレプリケートを穏やかに撹拌しながら室温で終夜インキュベートした。次にその懸濁液を3000rpmで10分間遠心分離し、ペレット化した固体の体積を測定した。
Figure 2007531531
結果
セルラーゼ処理により残渣が67%減少した。セルラーゼ+キシラナーゼ処理には、セルラーゼ処理だけの場合と比較して、何も利点はないようだった。
実験Iの処理2−セルラーゼで得た3本のレプリケート試験管を使って追加実験を行なった。ペクチナーゼ、アミログルコシダーゼまたはベータ−グルコシダーゼを、セルラーゼ処理物に直接加え、穏やかに撹拌しながら終夜インキュベートした。
Figure 2007531531
結果
セルラーゼ+ペクチナーゼ処理は、重い残渣ペレットの上に清澄な上清を与えた。アミログルコシダーゼ処理およびベータ−グルコシダーゼ処理には、セルラーゼ処理だけの場合と比較して、どちらも目に見える利点がなかった。
多酵素実験II:アイメリアオーシストを含有する糞便材料を用いる研究
ブロイラーニワトリにアイメリア・アセルブリナ、アイメリア・マキシマまたはアイメリア・テネラのいずれかのオーシストを接種した。オーシストを含有する糞便はそれぞれの種のピークオーシスト排出期間中に収集した。10%クエン酸、約0.75〜3%過酸化水素、および0.25%プロピオン酸からなる抗微生物溶液中に、糞便を収集した。試料を篩い分けして大きな残渣粒子を除去し、遠心分離して残渣をペレット化した。
PBS(pH5.0)に懸濁した5mLのペレット化固形物をそれぞれが含む3個のレプリケート試料を各処理の対照とした。各酵素処理につき3個のレプリケート試料を調製した。試料を、PBS(pH5.0)中の20%セルラーゼ溶液または20%セルラーゼ+4%ペクチナーゼに再懸濁し、穏やかに撹拌しながら室温で少なくとも4時間インキュベートした。対照試料および処理試料中のオーシストをMcMastersの方法を使って数え、実施例1に記載した方法によって固形物を決定した。対照試料との比較で残渣減少率およびオーシスト回収率を計算した。
固形物の調製
各試料から約5mLのレプリケートペレットを9個調製した。PBSを使ってペレットを1回洗浄した。下記表5に示す処理1〜3用の適切な酵素溶液に、洗浄したペレットを再懸濁した。
Figure 2007531531
手順
処理1〜3を調製したら、処理1緩衝液対照についてオーシスト数の計数および残渣決定を行なった。処理2および処理3は穏やかに撹拌しながら終夜インキュベートした。インキュベーション後に、処理2および処理3について、オーシスト数を数え、残渣決定を行なった。
次に、処理2および処理3で生じた残存材料を使って、表6に示すとおり、処理2−アミラーゼおよび処理3−アミラーゼを調製した。
Figure 2007531531
処理2および処理3で生じた残存材料を含有する試験管を遠心分離し、ペレットをPBSで1回洗浄した。洗浄したペレットをアミラーゼ溶液に再懸濁した。穏やかに撹拌しながら室温で終夜インキュベートした後、処理番号2および処理番号3について、オーシスト数を数え(Hodgson,J.N.,(1970)「Coccidiosis:oocysts counting technique for coccidiostat evaluation」Exper.Parasitol.28:99−102)、残渣決定を行なった。
Figure 2007531531
結果
セルラーゼ+ペクチナーゼ処理では、セルラーゼ処理だけの場合よりも高い残渣減少率が得られた。アミラーゼ処理は、試料をまずセルラーゼ+ペクチナーゼで処理すると、より良い残渣減少を与えた。セルラーゼ+ペクチナーゼ処理後のアミラーゼ処理により、残渣の約79%が除去された。これらの処理では総オーシスト回収率が57〜68%の間で変動した。酵素処理では、標準的な浮上分離技術によって通例達成される50〜90%の回収率に匹敵するかそれを上回るという、許容できるオーシスト回収率が得られた。
Figure 2007531531
結果
セルラーゼ+ペクチナーゼでは、セルラーゼ処理だけの場合の約2倍という、はるかに高い残渣減少率が得られた。アミラーゼ処理は、試料をまずセルラーゼ+ペクチナーゼで処理すると、より良い残渣減少を与えた。セルラーゼ+ペクチナーゼ処理後のアミラーゼ処理により、残渣の約73%が除去された。この実験セットでは、総オーシスト回収率は本質的に定量的だった。
Figure 2007531531
結果
セルラーゼ+ペクチナーゼでは、セルラーゼ処理だけの場合よりも高い残渣減少率が得られた。アミラーゼ処理は、試料をまずセルラーゼ+ペクチナーゼで処理すると、はるかに良好な減少(約4倍高い減少率)を与えた。セルラーゼ+ペクチナーゼ処理後のアミラーゼ処理により、残渣の約81%が除去された。この実験セットでは、総オーシスト回収率は約70%だった。
総合的結論
セルラーゼ+ペクチナーゼでは、セルラーゼ処理だけの場合よりも高い残渣減少率が得られた。アミラーゼ処理は、試料をまずセルラーゼ+ペクチナーゼで処理すると、はるかに良好な減少(約5倍高い減少率)を与えた。セルラーゼ+ペクチナーゼ処理後のアミラーゼ処理により、残渣の約80%が除去された。この実験セットでは、総オーシスト回収率は約75〜95%だった。
要約
pH5でセルラーゼとペクチナーゼの組合せを使った酵素消化では、胞子形成後の残渣レベルが、全てのワクチン株について約60%減少し、オーシスト回収率は平均約82%だった。
セルラーゼ+ペクチナーゼ処理後にpH7でアミラーゼによる消化を行なうと、胞子形成後の残渣減少率が合計80%になり、アミラーゼ処理後のオーシスト回収率は、このステップについて94.4%だった。この一連の酵素処理を使っての総オーシスト回収率は平均76%だった。
3種のアイメリアに関するセルラーゼおよびペクチナーゼを使った残渣消化
ブロイラーニワトリに、アイメリア・アセルブリナ、アイメリア・マキシマまたはアイメリア・テネラのオーシストを接種した。オーシストを含有する糞便はそれぞれの種のピークオーシスト排出期間中に収集した。10%クエン酸、約0.75〜3%過酸化水素、および0.25%プロピオン酸からなる抗微生物溶液中に、糞便を収集した。試料を篩い分けして大きな残渣粒子を除去し、遠心分離して残渣をペレット化した。
PBS(pH5.0)に懸濁した5mLのペレット化固形物をそれぞれが含む3個のレプリケート試料を各処理の対照とした。各酵素処理につき3個のレプリケート試料を調製した。試料を、PBS(pH5.0)中の20%セルラーゼ溶液または20%セルラーゼ+4%ペクチナーゼに再懸濁し、穏やかに撹拌しながら室温で少なくとも4時間インキュベートした。対照試料および処理試料中のオーシストを標準的顕微鏡技術を使って数え、試料の遠心分離およびペレット体積の測定によって固形物を決定した。対照試料との比較で残渣減少率およびオーシスト回収率を計算した。結果を以下の表10に示す。
Figure 2007531531
結果は、セルラーゼをペクチナーゼと組合せると、セルラーゼ処理だけの場合よりも残渣減少率が高くなることを示している。どちらの処理でも、標準的な浮上分離技術によって通例達成される50〜90%の回収率に匹敵するかそれを上回るという、許容できるオーシスト回収率が得られた。
20%セルラーゼおよび4%ペクチナーゼを用いる糞便残渣消化の時間経過
ブロイラーニワトリにアイメリア・マキシマのオーシストを接種した。オーシストを含有する糞便を接種の5〜8日後に収集した。糞便は、10%クエン酸、約0.75〜3%過酸化水素、および0.25%プロピオン酸からなる抗微生物溶液中に収集した。試料を篩い分けして大きな残渣粒子を除去し、遠心分離して残渣をペレット化した。
ペレット化した固形物のレプリケート5mL試料を20個調製した。試料のpHを約pH5.0に調節した。試料を遠心分離して固形物をペレット化した。pH5.0に調節したPBS中に2個の対照試料を再懸濁した。これら2個の試料を遠心分離して固形物をペレット化し、ペレットの体積を測定した。残り18個の試料は、pH5.0に調節したPBS中の20%セルラーゼ+4%ペクチナーゼに再懸濁した。試料を穏やかに撹拌しながら室温でインキュベートした。約半時間おきに1個のレプリケートを遠心分離し、ペレットの体積を測定した。2個の対照試料の平均ペレット体積との比較で残渣減少率を計算した。結果を図1に示す。
結果は、セルラーゼとペクチナーゼの組合せを使った残渣の酵素消化が約1時間で約90%完了し、3〜5時間で約99%完了したことを示している。全体として、セルラーゼおよびペクチナーゼは、試料中の残渣の約57%を可溶化した。
飼料への酵素の使用
ニワトリ飼料への酵素の使用は、飼料の総合的消化性に寄与することが知られている。試料中の酵素がオーシスト収集時の糞便固形物レベルも低下させる可能性を評価した。製剤中に酵素を添加して、および製剤中に酵素を添加せずに、トウモロコシ/ダイズ飼料を試験した。酵素含有飼料には3種類の市販酵素調製物(Natugrain(登録商標)、Selfeed(登録商標)、およびHemicell(登録商標))の組合せを含めた。2つの飼料処置のそれぞれについて、5つのレプリケートペンを使用し、ブロイラーを1つのペンにつき9羽ずつ配置した。鳥にアイメリア・マキシマオーシストを接種した。オーシストを含有する糞便を、接種の5〜8日後に収集した。10%クエン酸、約0.75〜3%過酸化水素、および0.25%プロピオン酸からなる抗微生物溶液中に糞便を収集した。各レプリケート飼料を総体積8mLに調節し、よく撹拌し、副次試料を採取した。各試料から約50mLの副次試料を2個採取し、4℃で保存した。試料を残渣含量およびオーシスト濃度について分析した。2個のレプリケート8L試料をプールし、篩い分けして大きな残渣粒子を除去し、遠心分離して残渣をペレット化した。この研究で評価した変量には、1羽あたりの初期残渣レベルおよびオーシスト排出量を含めた。
接種の5〜8日後に収集した糞便中の1羽あたりの平均ペレット材料および1羽あたりの平均オーシスト数を、表11に示す。死亡が起こったペンでは、鳥の平均数を死亡日に基づいて計算した。酵素を飼料に加えると1羽あたりのペレットは数字上低下したものの、独立試料t検定を使って処置を比較したところ、1羽あたりのペレットまたは1羽あたりのオーシスト排出量に有意な処置差は見られなかった。
酵素を含む実験飼料と酵素を含まない実験飼料の間で、1羽あたりのペレット体積または1羽あたりのオーシスト排出量に有意差は見られなかった。
Figure 2007531531
酵素を含むトウモロコシ/ダイズ飼料および酵素を含まないトウモロコシ/ダイズ飼料から得た糞便材料の試料を篩い分けして、結果を比較した。各処理について、合計18羽に相当する2つのレプリケート試料をプールし、順次、18メッシュ、60メッシュおよび230メッシュの篩いを使って篩い分けした。各篩分段階で体積を記録し、代表的副次試料を採取した。試料を残渣含有量およびオーシスト濃度について分析した。篩分工程によるオーシスト回収率および残渣減少率を計算した。
Figure 2007531531
Figure 2007531531
結果は、どちらの飼料でもオーシストの回収率および最終ペレットレベルが似ていたことを示している。篩分工程中に、トウモロコシ/ダイズ+酵素飼料から得た試料は、非酵素処理試料よりも粘度が低く、篩いを通過しやすいことが、定性的に認められた。
全体的に見て、飼料への酵素の使用は、収集時または篩分後の固形物の体積を有意に減少させなかった。しかし、酵素含有飼料を消費する鳥では、ペイスティ・ベント問題の軽減が観察された。これはおそらく酵素の粘度低下効果に起因すると考えられる。飼料中の酵素は出発固形物の量を減らすことには成功しなかったが、オーシスト生産時の飼料に酵素を含めることにより、鳥の全体的健康の改善および篩分特性の改善などといった付随的利益を得ることができる。
酵素処理後に、または酵素処理を行なわずに、2つの異なる浮上分離溶液を使って浮上分離を行なう下流工程により、酵素を含むトウモロコシ/ダイズ飼料または酵素を含まないトウモロコシ/ダイズ飼料を使って生産される材料、ならびに酵素を含むオオムギ/ダイズ飼料を使って生産される材料を、さらに試験した。
浮上分離のみ
篩い分けした材料の試料3Lを3000rpmで10分間の遠心分離によってペレット化した。上清を捨て、ペレット体積を見積った。3体積の浮上分離溶液(硫酸マグネシウムまたはグリセロール−アルギニン)を使ってペレットを再懸濁した。試料を3000rpmで10分間遠心分離して、オーシストを浮上させた。浮上させたオーシストを含む上清全体をもう一つの容器にデカントし、4体積の水で希釈した。試料を3000rpmで10分間遠心分離してオーシストをペレット化した。上清をデカントして捨てた。オーシストペレットを5%クエン酸200mLに再懸濁した。
酵素処理後の浮上分離
篩い分けした材料の試料3Lを3000rpmで10分間の遠心分離によってペレット化した。上清をデカントし、ペレット体積を見積った。2体積の水を使ってペレットを再懸濁した。リン酸二カリウムを加えてpHを5.0に調節した。セルラーゼを20%になるように加え、ペクチナーゼを4%になるように加えた。試料を室温でインキュベートし、約4時間撹拌した。試料を3000rpmで10分間遠心分離した。上清をデカントし、ペレット体積を見積った。3体積の浮上分離溶液(硫酸マグネシウムまたはグリセロール−アルギニン)を使ってペレットを再懸濁した。試料を3000rpmで10分間遠心分離してオーシストを浮上させた。浮上させたオーシストを含む上清全体をもう一つの容器に移し、4体積の水で希釈した。希釈した試料を3000rpmで10分間遠心分離することにより、オーシストをペレット化した。上清を捨て、オーシストペレットを5%クエン酸200mLに再懸濁した。
Figure 2007531531
酵素による工程内処理を行なった後、グリセロール−アルギニンを使って浮上分離を行なうと、他の処理より良い残渣除去結果が得られた。一般に、オオムギ系飼料を使用すると、オーシスト回収率が改善された。
酵素を使って生産したオーシストの生存能
飼料または加工に酵素を使用することがアイメリア・マキシマオーシストの生存能に及ぼす影響を調べた。アイメリア・マキシマオーシストを、飼料中に酵素を使用して、または飼料中に酵素を使用せずに、ブロイラーで生産した。次に、どちらかの飼料を使って生産されたオーシストを、精製工程に酵素を使用して、または酵素を使用せずに、精製した。
上述のように生産された精製オーシストの生存能を調べるために、バタリーケージで各処置につき5つのペンを使用し、1つのペンにつき5羽のブロイラーを配置した。鳥には試験中常に通常のブロイラースターター飼料を与えた。鳥に、適切な処理の胞子形成アイメリア・マキシマオーシスト1000個を、経口胃管によって投与した。オーシストは投与の時点で2ヶ月未満の古さだった。紙を引き、チャレンジ後5日目に、各パンに2Lの収集液(10%クエン酸および0.25%プロピオン酸)を加えた。チャレンジ後8日目に、鳥を安楽死させ、糞便を各パンから個別に収集した。各試料を水で総体積4Lに調節し、市販の混合機中、中速で手短に混合し、副次試料を採取した。McMastersの方法を使ってオーシスト濃度を決定した。結果は以下の表に示すとおりだった。
Figure 2007531531
結論
飼料中もしくは加工時またはその両者に酵素を使用しても、オーシスト排出量によって決定されるオーシストの生存能には影響がない。
オーシスト精製法への酵素の生産規模使用
ニワトリをアイメリアに感染させ、その結果得られるオーシストに富む糞便を、各種のピーク排出期間中に、10%クエン酸、0.75%過酸化水素、および0.25%プロピオン酸の溶液に収集した。糞便を篩い分けして大きな粒子を除去し、オーシストを胞子形成させた。その懸濁液を遠心分離してオーシストをペレット化し、オーシストを含まない上清を捨てた。ペレット化したオーシスト含有材料をpH約5のリン酸緩衝液に再懸濁した。セルラーゼおよびペクチナーゼ酵素を、体積ベースでそれぞれ約5〜10%の濃度で加え、その懸濁液を室温で終夜撹拌した。総オーシスト数および総固形物を酵素処理の前後に決定した。
結果
結果を以下の表16に示す。
Figure 2007531531
酵素消化は固形物の体積を平均で59%減少させることに成功した。オーシスト回収率はいずれの場合も本質的に定量的だった。
加工すべき固形物の量の減少は、1)下流の加工に必要な試薬の量の減少、2)下流の加工に必要な装置の規模の減少、および3)以降の精製ステップの効率の改善を含むいくつかの良い影響を、工程に与える。
以上、明快に理解されるように、具体例および実施例を挙げて、本発明をいくらか詳しく説明したが、本願請求項およびその等価物の範囲内で、一定の変更および修正を実施できることは、明白だろう。
20%(v/v)セルラーゼおよび4%(v/v)ペクチナーゼを用いる糞便残渣消化の時間経過を表す。

Claims (38)

  1. 糞便材料を含む組成物からオーシストを精製する方法であって、組成物中の糞便材料の量を減少させるのに十分な条件下で、組成物を多糖分解酵素に接触させるステップを含む方法。
  2. 多糖分解酵素をオーシストとの接触から引き離すステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 多糖分解酵素との接触後にオーシストを収集するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
  4. 多糖分解酵素が、セルラーゼ、ペクチナーゼ、アミラーゼ、キシラナーゼ、アラビナーゼ、アルファ−ガラクトシダーゼ、ヘミセルラーゼ、ベータ−グルカナーゼ、ベータ−グルコシダーゼ、アミログルコシダーゼ、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される酵素を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 多糖分解酵素がセルラーゼを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 多糖分解酵素がセルラーゼおよびペクチナーゼを含む、請求項5に記載の方法。
  7. セルラーゼが2×104〜50×104単位/リットルの範囲内の量で存在する、請求項5に記載の方法。
  8. セルラーゼが4×104〜25×104単位/リットルの範囲内の量で存在する、請求項5に記載の方法。
  9. 組成物を、セルラーゼおよびペクチナーゼを含む多糖分解酵素に接触させるステップと、
    次に、組成物を、アミラーゼを含む多糖分解酵素と接触させるステップと
    を含む、請求項1に記載の方法。
  10. オーシストが胞子形成オーシストである、請求項1に記載の方法。
  11. オーシストがアイメリア(Eimeria)オーシストである、請求項1に記載の方法。
  12. アイメリアオーシストが、アイメリア・マキシマ(E.maxima)オーシスト、アイメリア・ミチス(E.mitis)オーシスト、アイメリア・テネラ(E.tenella)オーシスト、アイメリア・アセルブリナ(E.acervulina)オーシスト、アイメリア・ブルネッチ(E.brunetti)オーシスト、アイメリア・ネカトリックス(E.necatrix)オーシスト、アイメリア・プレコックス(E.praecox)オーシスト、アイメリア・ミバチ(E.mivati)オーシスト、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
  13. アイメリアオーシストが、アイメリア・メレアグリミティス(E.meleagrimitis)オーシスト、アイメリア・アデノイデス(E.adenoeides)オーシスト、アイメリア・ガロパボニス(E.gallopavonis)オーシスト、アイメリア・ディスパーサ(E.dispersa)オーシスト、アイメリア・イノキュア(E.innocua)オーシスト、およびアイメリア・サブロタンダ(E.subrotunda)オーシスト、ならびにそれらの任意の組合せからなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
  14. アイメリアオーシストが、アイメリア・ツェルニィ(E.zuernii)オーシスト、アイメリア・ボビス(E.bovis)オーシスト、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
  15. アイメリアオーシストが、アイメリア・アーサーター(E.ahsata)オーシスト、アイメリア・バクエンシス(E.bakuensis)オーシスト、アイメリア・クランダリス(E.crandallis)オーシスト、アイメリア・ファウレイ(E.faurei)オーシスト、アイメリア・グラニュローサ(E.granulosa)オーシスト、アイメリア・イントリカータ(E.intricata)オーシスト、アイメリア・マルシカ(E.marsica)オーシスト、アイメリア・オビノイダリス(E.ovinoidalis)オーシスト、アイメリア・パリダ(E.pallida)オーシスト、アイメリア・パルバ(E.parva)オーシスト、アイメリア・ウェイブリジェンシス(E.weybridgensis)オーシスト、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
  16. アイメリアオーシストが、アイメリア・インテスチナリス(E.intestinalis)オーシスト、アイメリア・ベイドフスキイ(E.vejdovskyi)オーシスト、アイメリア・ピリフォルミス(E.piriformis)オーシスト、アイメリア・コエシコラ(coecicola)オーシスト、アイメリア・イレシドゥア(E.irresidua)オーシスト、アイメリア・フラベセンス(E.flavescens)オーシスト、アイメリア・エキシグア(E.exigua)オーシスト、アイメリア・マグナ(E.magna)オーシスト、アイメリア・パーフォランス(E.perforans)オーシスト、アイメリア・メディア(E.media)オーシスト、アイメリア・スティダイ(E.stiedai)オーシスト、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
  17. 組成物を多糖分解酵素に30分〜24時間接触させる、請求項1に記載の方法。
  18. 組成物を多糖分解酵素に2時間〜10時間接触させる、請求項15に記載の方法。
  19. 組成物を多糖分解酵素に15℃〜30℃の範囲内の温度で接触させる、請求項1に記載の方法。
  20. 組成物を多糖分解酵素に21℃〜27℃の範囲内の温度で接触させる、請求項19に記載の方法。
  21. 組成物を多糖分解酵素にpH1〜pH7.5の範囲内のpHで接触させる、請求項1に記載の方法。
  22. 組成物を多糖分解酵素にpH4〜pH6の範囲内のpHで接触させる、請求項21に記載の方法。
  23. 異なるpHで行なわれる2つの酵素消化ステップを含む、請求項1に記載の方法。
  24. 組成物を、セルラーゼおよびアミラーゼを含む多糖分解酵素に、pH4〜pH5.5の範囲内のpHで接触させるステップと、
    次に 組成物を、アミラーゼを含む多糖分解酵素に、pH4〜pH7.5の範囲内のpHで接触させるステップと
    を含む、請求項23に記載の方法。
  25. 密度浮上分離工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  26. 密度浮上分離工程が、組成物を多糖分解酵素に接触させた後に行なわれる、請求項25に記載の方法。
  27. 密度浮上分離溶液が塩溶液である、請求項25に記載の方法。
  28. 塩溶液が硫酸マグネシウム溶液である、請求項25に記載の方法。
  29. 密度浮上分離溶液がグリセロール溶液である、請求項25に記載の方法。
  30. グリセロール溶液がグリセロール−ポリアルギニン溶液である、請求項29に記載の方法。
  31. 糞便材料が、収集期間前に大きな平均粒径を持つ飼料が与えられていた動物から収集されたものである、請求項1に記載の方法。
  32. 大きな粒径を持つ飼料がオオムギを含む、請求項31に記載の方法。
  33. 大きな粒径を持つ飼料がオオムギ−ダイズを含む、請求項32に記載の方法。
  34. 糞便材料を含む組成物からアイメリアオーシストを精製する方法であって、組成物中の糞便材料の量を減少させるのに十分な条件下で、組成物を、セルラーゼを含む多糖分解酵素に接触させることを含む方法。
  35. 多糖分解酵素をオーシストとの接触から引き離すことをさらに含む、請求項34に記載の方法。
  36. 多糖分解酵素との接触後にオーシストを収集するステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
  37. 多糖分解酵素がペクチナーゼをさらに含む、請求項34に記載の方法。
  38. 糞便材料を含む組成物からアイメリアオーシストを精製する方法であって、組成物中の糞便材料の量を減少させるのに十分な条件下で、組成物を、セルラーゼおよびペクチナーゼからなる多糖分解酵素と接触させるステップを含む方法。
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