JP2007530625A - 気管支炎症疾患の処置および予防のためのトリオキソピリミジンの使用 - Google Patents
気管支炎症疾患の処置および予防のためのトリオキソピリミジンの使用 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007530625A JP2007530625A JP2007505493A JP2007505493A JP2007530625A JP 2007530625 A JP2007530625 A JP 2007530625A JP 2007505493 A JP2007505493 A JP 2007505493A JP 2007505493 A JP2007505493 A JP 2007505493A JP 2007530625 A JP2007530625 A JP 2007530625A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mmp
- compound
- solution
- pyrimidin
- trioxopyrimidine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/70—Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
- A61K31/715—Polysaccharides, i.e. having more than five saccharide radicals attached to each other by glycosidic linkages; Derivatives thereof, e.g. ethers, esters
- A61K31/716—Glucans
- A61K31/724—Cyclodextrins
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/33—Heterocyclic compounds
- A61K31/395—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
- A61K31/495—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
- A61K31/505—Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
- A61K31/513—Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim having oxo groups directly attached to the heterocyclic ring, e.g. cytosine
- A61K31/515—Barbituric acids; Derivatives thereof, e.g. sodium pentobarbital
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P11/00—Drugs for disorders of the respiratory system
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P11/00—Drugs for disorders of the respiratory system
- A61P11/06—Antiasthmatics
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P43/00—Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
Abstract
a)MMP−2、MMP−9およびMMP−14についてのIC50値が各々5μM未満であり;
b)MMP−1:MMP−2、MMP−1:MMP−9、MMP−1:MMP−14についてのIC50値の比が100より大であり;そして、
c)MMP−3:MMP−2、MMP−3:MMP−9、MMP−3:MMP−14についてのIC50値の比が10より大である、
として定義される、MMP−1、MMP−2、MMP−3、MMP−9およびMMP−14に対する阻害活性を有するトリオキソピリミジン化合物の使用を提供する。
Description
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は、細胞外マトリックス(ECM)および基底膜を分解できる、亜鉛およびカルシウム依存プロテアーゼのファミリーである(Egeblad, M., and Werb, Z., Nat. Rev. Cancer 2 (2002) 161-174;Overall, C.M., and Lopez-Otin, C., Nat. Rev. Cancer 2 (2002) 657-672)。これらは、胚の発生および成長(Holmbeck, K.ら、Cell 99 (1999) 81-92;Vu, T.H.ら、Cell 93 (1998) 411-422)ならびに組織のリモデリングおよび修復(Shapiro, S.D., Curr. Opin. Cell Biol. 10 (1998) 602-608;Lund, L.R.ら、EMBO J. 18 (1999) 4645-4656)において中心的役割を有すると考えられる。故にMMPの過剰または不適当な発現は、腫瘍の進行(Egeblad, M., and Werb, Z., Nat. Rev. Cancer 2 (2002) 161-174;Overall, C.M., and Lopez-Otin, C., Nat. Rev. Cancer 2 (2002) 657-672)および動脈瘤の形成(Carmeliet, P.ら、Nat. Genet. 17 (1997) 439-444)を包含する多くの組織破壊プロセスの病因に寄与し得る。MMPの作用はECM分解に限定されるものでは決してない(Chang, C. and Werb, D., Trends Cell Biol. 11 (2001) S37-43)。ECM蛋白によって捕促されたペプチド成長因子は、MMP−9により分解されると利用可能となる(Manes, S.ら、J. Biol. Chem. 274 (1999) 6935-6945)。MMPはVEGFのバイオアベイラビリティーを増大させ得る(Bergers, G.ら、Nat. Cell Biol. 2 (2000) 737-744)のみならず、プラスミノーゲンの開裂によってアンギオスタチンのような血管新生インヒビターを作り出す(Dong, Z.ら、 Cell 88 (1997) 801-810)。
驚くべき事に、MMP−2、MMP−9およびMMP−14に対して極めて選択的なトリオキソピリミジン型MMPインヒビターが気管支炎症疾患の処置または予防に有用であることが判明した。
a)MMP−2、MMP−9およびMMP−14についてのIC50値が各々5μM未満であり;
b)MMP−1:MMP−2、MMP−1:MMP−9、MMP−1:MMP−14についてのIC50値の比が100より大であり;そして、
c)MMP−3:MMP−2、MMP−3:MMP−9、MMP−3:MMP−14についてのIC50値の比が10より大である、
として定義されるMMP−1、MMP−2、MMP−3、MMP−9およびMMP−14に対する阻害活性を有するトリオキソピリミジン化合物の使用を提供する。
5−ビフェニル−4−イル−5−[4−(4−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物I)、
5−(4−フェノキシ−フェニル)−5−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物II)、
5−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−フェニル]−5−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物III)、
5−[4−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−フェニル]−5−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物IV)、
5−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)−フェニル]−5−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物V)。
− α−シクロデキストリンおよびその合成誘導体、例えばHPαCD、メチル化αCD、ヒドロキシブチルαCD、マルトシルαCD、グルコシルαCD、
− β−シクロデキストリンおよびその合成誘導体、例えばHPβCD、SBEβCD、RMβCD、DIMEβCD、TRIMEβCD、ヒドロキシブチルβCD、グルコシルβCD、マルトシルαCD、
− γ−シクロデキストリンおよびその合成誘導体、例えばHPγCD、RMγCDおよびDIMEγCD、ヒドロキシブチルγCD、グルコシルγCD、マルトシルγCD、
である。
CD シクロデキストリン
HPβCDまたはHP−β−CD ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン
I.V. 静脈内
MMP マトリックスメタロプロテアーゼ
OVA オボアルブミン
PBS リン酸緩衝化生理食塩水β−シクロデキストリン
化合物Iおよびシクロデキストリン(CD)の可溶性複合体の調製
1.1 20mgの化合物Iを秤量する。HPβCD200mMの溶液2mlを加える。37℃で24時間攪拌する。ミリポアフィルターMillex HV0.45μmで濾過する。濾過後に得られる溶液は、化合物I−CD複合体を溶液中に含有する。
L−リジン溶液添加による化合物Iおよびシクロデキストリン(CD)の可溶性複合体の溶解度の増大
Higuchi, T., and Connors, K.A., Advances in Analytical Chemistry and Instrumentation 4 (1965) 117-212に記載のように溶解度の研究を実施した。過剰量の化合物Iを、精製水またはL−リジン溶液(50mMまたは500mM)いずれかの溶解媒質5ml中の漸増濃度のHP−β−CD(0〜200mM)に加えた。ガラス容器を密封し、この懸濁液を、複合体形成が平衡に達するまで(7日間)25℃の水浴中で振盪した。アリコートを0.45μm PVDFメンブレンフィルターで濾過し、実証された液体クロマトグラフィー(LC)法により化合物Iの含有量について検定した。
MMP酵素活性の決定
Stack, M.S., and Gray, R.D., J. Biol. Chem. 264 (1989) 4277-4281に記載のようにして、改良蛍光検定でインヒビターを試験した。ヒトMMP−1、MMP−2、MMP−3、MMP−9およびMMP−14は市販品(例えばCalbiochem)である。試験の直前に1mM APMAでプロ酵素を活性化した(37℃で30分間のインキュベーション)。活性化した酵素をインキュベーション緩衝液(50mMトリス、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.6)で100ng/mlに希釈する。化合物は100%DMSOに溶解した。IC50決定のために、0.5〜1000nM間の最低8の希釈段階を用意した。DNP基質(Bachem M 1855、255μM)はインキュベーション緩衝液に溶解した。
薬学的組成物
異なる組成物の製剤を、すべてではないが例として記載する。
− HP−βCD 200mM;化合物I 1mg/ml;注射用滅菌水適量。
a)溶液の調製
HPβCD(4.2%のH2O)6.77gを秤量し、これを注射により水25mlに溶解する。化合物I 25mgを加え、これが完全に溶解するまで水浴中で加熱する。この溶液を濾過滅菌する。
この溶液の浸透圧は308mOs/kgである。pHは7.2である。
200mlの溶液のために:
− 化合物I 0.1g
− 発熱性物質を除去したHPβCD 20.15g(75mM)
− 塩化ナトリウム 1.42g(等張性)
− 発熱性物質を含まない滅菌精製水 200mlになる量
b)化合物I 0.1gおよび塩化ナトリウム1.42gを秤量し、これらを強く攪拌することにより溶液(a)に加えて溶解させる。
c)水を加えて200mlの溶液を得る。
d)0.22μmポリプロピレンメンブレンで濾過滅菌する。
喘息モデルマウスにおけるアレルゲン誘発気道炎症および気管支過敏症治療のための、化合物IおよびHPβCDを含有する製剤の使用
HP−β−CD(置換度=0.64)はRoquette(France)からのものである。非発熱性リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)はBio-Wittaker(Verviers, Belgium)から、そしてメタコリンはSigma-Aldrich(Germany)から購入した。他の材料はすべて分析等級のものであった。この実験全体を通じて注射用滅菌水を使用した。滅菌、非発熱性および等張性のCD溶液を20、50および75mMで調製した。市販の吸入用フルチカゾン溶液(Flixotide(登録商標) 1mg/ml)はGlaxo-Smithkline(Genval, Belgium)から購入した。
化合物Iの腹腔内注射による気道炎症の調節を調べるため、アルミン吸着させオボアルブミン(aluminject, perbio, Erembodegem, Belgium)10μg腹腔内注射でマウスを0日目および7日目に感作し、その後21日目から24日目までOVA1%またはPBSエアロゾルに30分間暴露した。腹腔内注射をOVA吸入の30分前に実施した。注射された異なる製剤は、クレモフォル10%−DMSO 10%−PBS 80%−化合物I 30mg/kg(懸濁液);クレモフォル10%−DMSO 10%−PBS 80%−化合物I 3.75mg/kg(溶液);HPβCD 200mM 化合物I 7.5mg/kg(溶液);HPβCD 200mMであった。すべての結果を、感作しPBSに暴露したマウス、およびOVAで処理しPBSを腹腔内注射したマウスと比較した。吸入した化合物Iによる気道炎症の調節を調べるため、マウスを前記のように感作した。短期間暴露チャレンジおよび長期間暴露チャレンジと称する二つのプロトコルを使用した。短期間暴露チャレンジでは、プレクシガラスの暴露試験箱(30 × 20 × 15cm)中で、21日目から27日目まで、マウスを水溶液中の活性化合物濃度0.03および0.3mg/mlの化合物I複合体のエアロゾルに30分間暴露させた。23日目から27日目まで、マウスを化合物I吸入の30分後にOVAエアロゾルに暴露させた。いわゆる長期間吸入チャレンジでは、マウスを、水溶液中のHPβCDと複合体形成させた濃度0.03および0.3mg/mlの化合物Iのエアロゾルに、30分間ずつ奇数週に5日間、そしてOVAエアロゾルに奇数週に3日間、11週間の間、暴露させた。偶数週には吸入を行わなかった。
最後のアレルゲン暴露の24時間後に、Hamelmann, E.ら、Am. J Respir. Crit. Care Med. 156 (1997) 766-775により提唱されたように、気圧プレチスモグラフを用いてPenhを測定することにより気管支過敏性を測定した。Penhを、ベースライン、および漸増用量(25、50、75および100mM)のメタコリン(Mch)吸入の5分後に測定した。
気道反応性の評価直後にマウスを殺処理し、イオン化カルシウムおよびマグネシウムを含まず0.05mMEDTAナトリウムを添加したPBS 1mlを気管カニューレから4回滴注し、穏やかに手動吸引することにより回収した。回収した気管支肺胞洗浄液(BAL)を遠心した(4℃、1800rpmで10分間)。この細胞ペレットを2回洗浄し、最後にPBS 1mlに再懸濁した。総細胞数の計数をThoma chamber中で実施し、少なくとも400個の細胞について、Diff-Quick(Dade, Germany)で染色後に、標準的形態学基準を用いて細胞遠心調製物に対する個別細胞計数を行った(Cytospin 2; Cytospin, Shandon td., Runcorn, Cheshire, U.K.)。BALの後、胸郭を切開し、左主気管支をクランプで止めた。左肺を切除し、蛋白化学反応およびmRNA抽出のために液体N2中で直ちに凍結し、右肺は組織像用に処理した。上述したように(Cataldo, D.D.ら、Am. J. Pathol. 161 (2002) 491-498)、右肺に4%パラホルムアルデヒドを注入し、パラフィン包埋した。すべての裂片から取った厚さ5μmの切片をヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。気管支周囲の浸潤程度を炎症スコアによって評価した。スライドを暗号化し、気管支周囲の炎症を、他所(Cataldo, D.D.ら、Am. J. Pathol. 161 (2002) 491-498)に記載された再現性ある採点系を用いてブラインド方式で等級付けた。採点した各組織切片について、1基準あたり0ないし3の値で判定した。炎症が検出できない場合に値0、時折見られる炎症細胞を伴うカフィングに値1、殆どの気管支が炎症細胞の薄層(1ないし5個の細胞)に取り囲まれている場合に値2、そして殆どの気管支が炎症細胞の厚層(>5個の細胞)に取り囲まれている場合に値3と判定した。マウス1匹につき5−7枚の無作為に選択した組織切片を採点するので、炎症スコアを1動物あたりの平均値で表し、群間で比較することができた。気管支壁に浸潤している好酸球の量を具体的に反映する、組織好酸球浸潤スコアと称するもう一つのスコアを以下のように測定した:コンゴーレッド染色の後、マウス1匹につき7個の気管支を調べた。気道壁の範囲内で気管支周辺の好酸球を計数し、上皮基底膜の周長を測定して結果を好酸球数/mm(基底膜)として表した。左肺を液体窒素で迅速凍結し、Mikro-Dismembrator S(Braun Biotech International, Melsungen, Germany)を用いて圧搾し、抽出物を研究前に−80℃で保存した。腎臓を切除してパラフィン包埋し、5μm切片をヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。心臓穿刺により血液をサンプリングし、分析を実施するまで血清を−80℃で保存した。
化合物I(溶液または沈殿物)の腹腔内注射は、プラセボと比較した場合、3.75ないし30mg/kgの用量でBALのアレルゲン誘発気道好酸球性炎症を低下させた(図1a)。同用量において、気管支周辺の炎症スコアもまた、化合物Iによって著明に低下し、これはすべての被検製剤について同等の有効性であった(図1b)。組織好酸球浸潤スコアは、7.5および25mg/kg用量の化合物Iの腹腔内注射により著明に低下した。
短期間暴露に40mg/mlの化合物Iの純DMSO溶液を用いることにより、まず、局所活性抗炎症薬としての化合物Iの固有活性を評価した。DMSOのみの吸入と比較した場合、この製剤の吸入は、BAL好酸球(p<0.005)、気管支周辺炎症スコア(p<0.01)、および気管支過敏性(p<0.05)の著明な低下を導いた。
バイオアベイラビリティーに関する薬物動態学的研究
生体適合性のpH値で高い化合物Iの濃度を実現する、HP−β−CDおよびL−リジンの組み合わせを有する、薬物動態学研究のための溶液を開発した。
HP−β−CD(200mM)、L−リジン(20mM)および注射用水を含む溶液に化合物I(10mg/ml)を溶解することにより、化合物I/HP−β−CD静脈用溶液を得た。この溶液の浸透圧(約325mOsmol/kg)およびpH(約8.2)値は、静脈注射に適合する。この溶液を無菌条件下で0.20μm滅菌酢酸セルロースフィルターを通過させることにより滅菌した。
体重45ないし82kgの範囲の6頭の健康なヒツジ(雄2頭、雌4頭)を実験動物に使用した。試験中、動物には餌と水を自由に摂らせた。
血清中のこの化合物のLC測定のために完全自動化法を開発した。限定アクセス材料(RAM)、即ちLiChrospher RP-8 ADS(アルキルジオールシリカ)を充填したプレカラムを、カラムスイッチング法によって分析カラムにオンライン結合させることにより、試料のクリーンアップを実施した。ADS吸着剤は内表面逆相支持体の群に属し、LC分析前の生体試料のクリーンアップにうまく適用されている(Yu, Z., and Westerlund, D., Chromatographia 44 (1997) 589-594;Hubert, Ph.ら、S. T. P. Pharma Pratiques 9 (1999) 160-180;Souverain, S.ら、Journal of Chromatography B 801 (2004) 141-156)。稼働条件は過去の文献に記載されている(Chiap, P.ら、Journal of Chromatography B 817 (2005), 109-117)。この方法を、全測定誤差を考慮した、正確性プロファイルに基づく新規なアプローチに従って完全にバリデーションした(Hubert, P.ら、Analytica Chimica Acta 391 (1999) 135-148;Hubert, Ph.ら、S. T. P. Pharma Pratiques 13 (2003) 27-64;Hubert, Ph.ら、J. Pharm. Biomed. Anal. 36 (2004) 579-586)。
静脈内投与の研究のため、一次分布および排出を伴う線型2−コンパートメントモデルを用いて、各動物について薬物動態パラメータを決定した(Boroujerdi, M., Pharmacokinetics, Principles and Applications. McGrow-Hill Companies, USA, 2002)。線型台形公式により、サンプリング期間中の曲線下面積値(AUC0-168)を算出した。コンパートメント分析に随伴する従来の等式を用いて、無限大まで外挿したAUC(AUC0-∞)、全身クリアランス値(Clt)、生物学的半減期(T1/2β)および総分布容積(Vdt)を算出した(Boroujerdi, M., Pharmacokinetics, Principles and Applications, McGrow-Hill Companies, USA, 2002)。
ヒツジへの静脈用溶液(5mg/kg)1回投与後に得られた化合物Iの平均血清中濃度対時間曲線を、図5aに示す。図5b(化合物Iの平均血清中濃度の対数対時間曲線)は、化合物Iの薬物動態が2−コンパートメントモデルに従うことを示している。この静脈内投与後に算出された異なる薬物動態パラメータを表4に列挙する。
化合物1の溶液および懸濁液の単一用量(15mg/kg)を経口投与した後に得られた化合物Iの平均血清中濃度対時間のプロファイルを図6aに示す。平均血清中濃度の対数変換の後、経口投与後の薬物動態は1−コンパートメントモデルに従うようである(図6b)。薬物動態パラメータを表5にまとめる。
Claims (6)
- 気管支炎症疾患の処置を必要とする宿主哺乳動物において該疾患を処置する医薬を製造するための、
a)MMP−2、MMP−9およびMMP−14についてのIC50値が各々5μM未満であり;
b)MMP−1:MMP−2、MMP−1:MMP−9、MMP−1:MMP−14についてのIC50値の比が100より大であり;そして、
c)MMP−3:MMP−2、MMP−3:MMP−9、MMP−3:MMP−14についてのIC50値の比が10より大である、
として定義される、MMP−1、MMP−2、MMP−3、MMP−9およびMMP−14に対する阻害活性を有するトリオキソピリミジン化合物の使用。 - 前記トリオキソピリミジン化合物が、
5−ビフェニル−4−イル−5−[4−(4−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]ピリミジン−2,4,6−トリオン、
5−(4−フェノキシ−フェニル)−5−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン−2,4,6−トリオン、
5−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−フェニル]−5−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン−2,4,6−トリオン、
5−[4−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−フェニル]−5−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン−2,4,6−トリオン、
5−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)−フェニル]−5−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン−2,4,6−トリオン、
より成る群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の使用。 - トリオキソピリミジン化合物が水溶性シクロデキストリンと複合体を形成していることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
- 気管支炎症疾患の処置を必要とする宿主哺乳動物において該疾患を処置または予防するための、
a)MMP−2、MMP−9およびMMP−14についてのIC50値が各々5μM未満であり;
b)MMP−1:MMP−2、MMP−1:MMP−9、MMP−1:MMP−14についてのIC50値の比が100より大であり;そして、
c)MMP−3:MMP−2、MMP−3:MMP−9、MMP−3:MMP−14についてのIC50値の比が10より大である、
として定義される、MMP−1、MMP−2、MMP−3、MMP−9およびMMP−14に対する阻害活性を有するトリオキソピリミジン化合物の使用。 - 前記トリオキソピリミジン化合物が、
5−ビフェニル−4−イル−5−[4−(4−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]ピリミジン−2,4,6−トリオン、
5−(4−フェノキシ−フェニル)−5−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン−2,4,6−トリオン、
5−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−フェニル]−5−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン−2,4,6−トリオン、
5−[4−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−フェニル]−5−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン−2,4,6−トリオン、
5−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)−フェニル]−5−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン−2,4,6−トリオン、
より成る群から選ばれることを特徴とする、請求項4に記載の使用。 - トリオキソピリミジン化合物が水溶性シクロデキストリンと複合体を形成していることを特徴とする、請求項4または5に記載の使用。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP04007920 | 2004-04-01 | ||
PCT/EP2005/003345 WO2005097133A1 (en) | 2004-04-01 | 2005-03-31 | Use of a trioxopyrimidine for the treatment and prevention of bronchial inflammatory diseases |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007530625A true JP2007530625A (ja) | 2007-11-01 |
JP4584981B2 JP4584981B2 (ja) | 2010-11-24 |
Family
ID=34924546
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007505493A Expired - Fee Related JP4584981B2 (ja) | 2004-04-01 | 2005-03-31 | 気管支炎症疾患の処置および予防のためのトリオキソピリミジンの使用 |
Country Status (13)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20070225253A1 (ja) |
EP (1) | EP1737464B1 (ja) |
JP (1) | JP4584981B2 (ja) |
CN (1) | CN100558362C (ja) |
AT (1) | ATE401889T1 (ja) |
AU (1) | AU2005230379B2 (ja) |
BR (1) | BRPI0509562A (ja) |
CA (1) | CA2561828C (ja) |
DE (1) | DE602005008418D1 (ja) |
ES (1) | ES2311220T3 (ja) |
MX (1) | MXPA06011030A (ja) |
RU (1) | RU2402329C2 (ja) |
WO (1) | WO2005097133A1 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002542485A (ja) * | 1999-04-20 | 2002-12-10 | オイ メディックス バイオケミカ エービー | 気道炎症の存在及び重症度を評価するための方法及びテストキット |
JP2003511376A (ja) * | 1999-10-01 | 2003-03-25 | エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー | 新規なピリミジン−2,4,6−トリオン誘導体、その製造方法及びそれらを含む医薬製剤 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19548624A1 (de) * | 1995-12-23 | 1997-06-26 | Boehringer Mannheim Gmbh | Neue Barbitursäure-Derivate, Verfahren zu deren Herstellung und diese Verbindungen enthaltende Arzneimittel |
JP2002504916A (ja) * | 1997-06-21 | 2002-02-12 | ロシュ ダイアグノスティクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 抗転移及び抗腫瘍活性を有するバルビツール酸誘導体 |
DE19726427A1 (de) * | 1997-06-23 | 1998-12-24 | Boehringer Mannheim Gmbh | Pyrimidin-2,4,6-trion-Derivate, Verfahren zu deren Herstellung und diese Verbindungen enthaltende Arzneimittel |
PL362919A1 (en) * | 2000-10-26 | 2004-11-02 | Pfizer Products Inc. | Pyrimidine-2,4,6-trione metalloproteinase inhibitors |
KR20040004412A (ko) * | 2000-10-26 | 2004-01-13 | 화이자 프로덕츠 인크. | 스피로-피리미딘-2,4,6-트리온 메탈로프로테이나제 억제제 |
-
2005
- 2005-03-31 CN CNB2005800108091A patent/CN100558362C/zh not_active Expired - Fee Related
- 2005-03-31 ES ES05734016T patent/ES2311220T3/es active Active
- 2005-03-31 DE DE602005008418T patent/DE602005008418D1/de active Active
- 2005-03-31 WO PCT/EP2005/003345 patent/WO2005097133A1/en active IP Right Grant
- 2005-03-31 US US10/594,101 patent/US20070225253A1/en not_active Abandoned
- 2005-03-31 AT AT05734016T patent/ATE401889T1/de active
- 2005-03-31 CA CA2561828A patent/CA2561828C/en not_active Expired - Fee Related
- 2005-03-31 JP JP2007505493A patent/JP4584981B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2005-03-31 RU RU2006138430/15A patent/RU2402329C2/ru not_active IP Right Cessation
- 2005-03-31 MX MXPA06011030A patent/MXPA06011030A/es active IP Right Grant
- 2005-03-31 EP EP05734016A patent/EP1737464B1/en not_active Not-in-force
- 2005-03-31 AU AU2005230379A patent/AU2005230379B2/en not_active Ceased
- 2005-03-31 BR BRPI0509562-0A patent/BRPI0509562A/pt not_active IP Right Cessation
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002542485A (ja) * | 1999-04-20 | 2002-12-10 | オイ メディックス バイオケミカ エービー | 気道炎症の存在及び重症度を評価するための方法及びテストキット |
JP2003511376A (ja) * | 1999-10-01 | 2003-03-25 | エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー | 新規なピリミジン−2,4,6−トリオン誘導体、その製造方法及びそれらを含む医薬製剤 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP1737464A1 (en) | 2007-01-03 |
AU2005230379B2 (en) | 2010-07-22 |
CN1950087A (zh) | 2007-04-18 |
RU2402329C2 (ru) | 2010-10-27 |
RU2006138430A (ru) | 2008-06-10 |
WO2005097133A1 (en) | 2005-10-20 |
EP1737464B1 (en) | 2008-07-23 |
CA2561828C (en) | 2012-05-22 |
DE602005008418D1 (de) | 2008-09-04 |
AU2005230379A1 (en) | 2005-10-20 |
CN100558362C (zh) | 2009-11-11 |
JP4584981B2 (ja) | 2010-11-24 |
BRPI0509562A (pt) | 2007-09-25 |
ATE401889T1 (de) | 2008-08-15 |
MXPA06011030A (es) | 2007-03-21 |
US20070225253A1 (en) | 2007-09-27 |
CA2561828A1 (en) | 2005-10-20 |
ES2311220T3 (es) | 2009-02-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10512697B2 (en) | Formulations containing clopidogrel and sulfoalkyl ether cyclodextrin and methods of use | |
JP4989481B2 (ja) | 気管支炎症性疾患の治療及び予防のためのシクロデキストリンの使用 | |
US8044035B2 (en) | Pharmaceutical compositions of pyrimidine-2,4,6-triones | |
JP4584981B2 (ja) | 気管支炎症疾患の処置および予防のためのトリオキソピリミジンの使用 | |
KR100837137B1 (ko) | 기관지 염증성 질환의 치료 및 예방을 위한트리옥소피리미딘의 용도 | |
AU2015255164B2 (en) | Formulations containing clopidogrel and sulfoalkyl ether cyclodextrin and methods of use |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100316 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20100412 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20100412 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100412 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20100616 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20100623 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100715 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100824 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100902 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130910 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |