JP2007529485A - ピラゾロ’3,4−b!ピリジン化合物、および4型ホスホジエステラーゼ(pde4)阻害剤としてのその使用 - Google Patents

ピラゾロ’3,4−b!ピリジン化合物、および4型ホスホジエステラーゼ(pde4)阻害剤としてのその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)の化合物またはその塩を提供する:式(I)(式中、Wは、Ar、-CR4R5Ar、または基(y)もしくは(y1)であり、式中Arは、(x)または(z)であり:式(x)、(z)、(y)、(y1);R1は、C1〜4アルキル、C1〜3フルオロアルキル、または-CH2CH2OHであり;R2は、C2〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、または-(CH2)n 4-C3〜6シクロアルキルであり;かつR3は、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキル、場合によっては置換されていてもよいモノ-不飽和C5〜7シクロアルケニル、場合によっては置換されていてもよい複素環基(aa)、(bb)、もしくは(cc)(式中、Yは、O、S、SO2、またはNR10である)、または二環系基(ee)である:式(aa)、(bb)、(cc)、(ee))。本発明は、化合物の、IV型ホスホジエステラーゼ(PDE4)の阻害剤として治療における使用、ならびに/あるいは慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、リウマチ様関節炎、またはアレルギー性鼻炎など炎症性および/またはアレルギー性疾患の治療および/または予防のための使用にも関する。
Figure 2007529485

【選択図】 なし

Description

本発明は、ピラゾロ[3,4-b]ピリジン化合物、その調製のための方法、これらの方法に使用することができる中間体、および化合物を含有する薬剤組成物に関する。本発明は、治療において例えばIV型ホスホジエステラーゼ(PDE4)阻害剤としての、かつ/あるいは慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、リウマチ様関節炎、もしくはアレルギー性鼻炎などの炎症性および/またはアレルギー性疾患の治療および/または予防のための、ピラゾロ[3,4-b]ピリジン化合物の使用にも関する。
米国特許第3,979,399号、米国特許第3,840,546号、および米国特許第3,966,746号(E.R.Squibb & Sons)は、ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミドの4-アミノ誘導体であって、4-アミノ基NR3R4は、非環式アミノ基(式中、R3およびR4はそれぞれ、水素、低級アルキル(例えば、ブチル)、フェニルなどであり得る)とすることができ;あるいは、NR3R4は、ピロリジノ、ピペリジノ、およびピペラジノなどの3〜6員複素環基とすることができる4-アミノ誘導体を開示している。化合物を、精神安定剤、鎮痛剤、および降圧剤として有用な中枢神経抑制薬として開示している。
米国特許第3,925,388号、米国特許第3,856,799号、米国特許第3,833,594号、および米国特許第3,755,340号(E.R.Squibb & Sons)は、ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボン酸およびエステルの4-アミノ誘導体を開示している。4-アミノ基NR3R4は、非環式アミノ基(式中、R3およびR4はそれぞれ、水素、低級アルキル(例えば、ブチル)、フェニルなどであり得る)とすることができ;あるいは、NR3R4は、ピロリジノ、ピペリジノ、ピラゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、またはピペラジニルなど追加の窒素が存在する5〜6員複素環基とすることができる。化合物は、抗炎症性および鎮痛性を有するので精神安定剤またはトランキライザーとして有用な中枢神経抑制薬であると記述されている。化合物は、アデノシン-3',5'-環状一リン酸の細胞内濃度を上昇させること、および喘息の症状を緩和するためのものであると記述されている。
H.Hoehnら、J.Heterocycl.Chem.,1972,9(2),235-253は、4-ヒドロキシ、4-クロロ、4-アルコキシ、4-ヒドラジノ、および4-アミノ置換基を有する一連の1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボン酸誘導体を開示している。
カナダ特許第1003419号、スイス特許第553799号、およびT.Denzel、Archiv der Pharmazie,1974,307(3),177-186は、1位が置換されていない4,5-二置換1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジンを開示している。
2002年1月23日公開の特開2002-20386号(小野薬品工業株式会社)は、次式のピラゾロピリジン化合物を開示している:
Figure 2007529485
式中、R1は、1)基-OR6、2)基-SR7、3)C2〜8アルキニル基、4)ニトロ基、5)シアノ基、6)ヒドロキシ基もしくはC1〜8アルコキシ基で置換されているC1〜8アルキル基、7)フェニル基、8)基-C(O)R8、9)基-SO2NR9R10、10)基-NR11SO2R12、11)基-NR13C(O)R14、または12)基-CH=NR15を意味する。R6およびR7は、i)水素原子、ii)C1〜8アルキル基、iii)C1〜8アルコキシ基で置換されているC1〜8アルキル基、iv)トリハロメチル基、v)C3〜7シクロアルキル基、vi)フェニル基で置換されているC1〜8アルキル基、またはvii)1〜4個の窒素原子、1〜3個の酸素原子、および/もしくは1〜3個の硫黄原子を含有する3〜15員の一、二、もしくは三環状複素環を意味する。R2は、1)水素原子、または2)C1〜8アルコキシ基を意味する。R3は、1)水素原子、または2)C1〜8アルキル基を意味する。R4は、1)水素原子、2)C1〜8アルキル基、3)C3〜7シクロアルキル基、4)C3〜7シクロアルキル基で置換されているC1〜8アルキル基、5)1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基、または6)1〜4個の窒素原子、1〜3個の酸素原子、および/もしくは1〜3個の硫黄原子を含有する3〜15員の一、二、もしくは三環状複素環を意味する。R5は、1)水素原子、2)C1〜8アルキル基、3)C3〜7シクロアルキル基、4)C3〜7シクロアルキル基で置換されているC1〜8アルキル基、または5)1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基を意味する。基R3では、水素原子が好ましい。基R4では、メチル、エチル、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルが好ましい。特開2002-20386号の化合物は、PDE4阻害活性を有し、かつ炎症性疾患および他の多くの疾患の予防ならびに/または治療に有用であると記述されている。
特開2002-20386号のものと同様のまたは同一の5-C(O)NH2置換基を有する1,3-ジメチル-4-(アリールアミノ)-ピラゾロ[3,4-b]ピリジンが、小野薬品工業株式会社の著者による経口で活性なPDE4阻害剤として:H.Ochiaiら、Bioorg.Med.Chem.Lett.,5th January 2004 issue,vol.14(1),pp.29-32(この雑誌のウェブ版:「印刷中の論文(articles in press)」から、2003年12月4日以前に入手可能)に開示された。
欧州特許出願公開第0076035A1号(ICI Americas)は、不安および緊張状態の軽減のためのトランキライザーまたは精神安定剤として有用な中枢神経抑制薬として、ピラゾロ[3,4-b]ピリジン誘導体を開示している。
化合物カルタゾラート、4-(n-ブチルアミノ)-1-エチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]-ピリジン-5-カルボン酸エチルは知られている。J.W.Dalyら、Med.Chem.Res.,1994,4,293-306、およびD.Shiら、Drug Development Research,1997,42,41-56は、4-シクロペンチルアミノ-1-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボン酸エチルを含めて、一連の4-(アミノ)置換1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボン酸誘導体、ならびにA1-およびA2A-アデノシン受容体におけるその親和性およびアンタゴニスト活性を開示し、後者の論文は、GABAA-受容体チャネルの様々な結合部位におけるその親和性を開示している。S.Schenoneら、Bioorg.Med.Chem.Lett.,2001,11,2529-2531、およびF.Bondavalliら、J.Med.Chem.,2002,vol.45(22号、2002年10月24日、ウェブ09/24/2002で出版したとされている),pp.4875-4887は、一連の4-アミノ-1-(2-クロロ-2-フェニルエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボン酸エチルエステルをA1-アデノシン受容体リガンドとして開示している。
国際公開第02/060900A2号は、5-置換基として-C(O)-NR4-C(O)-NR5R6基を有し、かつ1、3、4、および/または6位において場合によっては置換されているイソオキサゾロ[5,4-b]ピリジンおよび1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(ピラゾロ[5,4-b]ピリジンと呼ばれる)を含めて、-C(O)-NR4-C(O)-NR5R6置換基を有する一連の二環系複素環化合物を、アレルギー性、炎症性、もしくは自己免疫性の障害または疾患の治療のためのMCP-1アンタゴニストとして開示しているようである。-C(O)-NR4-C(O)-NR5R6置換基の代わりに-C(O)NH2置換基を有する二環系複素環化合物は、国際公開第02/060900号で、-C(O)-NR4-C(O)-NR5R6置換化合物の合成における中間体として開示されているといわれている。
国際公開第00/15222号(Bristol-Myers Squibb)は、とりわけ、環系のとりわけ5位にC(O)-X1基、および4位に基E1を有するピラゾロ[3,4-b]ピリジンを開示している。とりわけ、X1は、例えば-OR9、-N(R9)(R10)、または-N(R5)(-A2-R2)とすることができ、E1は、例えば-NH-A1-シクロアルキル、-NH-A1-置換シクロアルキル、または-NH-A1-ヘテロシクロとすることができ;式中、A1は、1〜10個の炭素のアルキレンまたは置換アルキレン架橋であり、A2は、例えば直接結合、または1〜10個の炭素のアルキレンもしくは置換アルキレン架橋とすることができる。化合物は、cGMPホスホジエステラーゼ、特にV型PDEの阻害剤として、および***不全など様々なcGMP関連病態の治療において有用であると開示されている。国際公開第00/15222号には、ピラゾロ[3,4-b]ピリジン環系の4位の-NH-に直接接続させたシクロアルキルまたはヘテロシクロ基を有し、かつ/またはPDE4阻害活性を有する化合物は開示されていないようである。
Glaxo Group Limited名義で2003年9月12日出願の、参照により本明細書に援用する同時係属特許出願PCT/EP03/11814は、この式(I)による、4-NHR3基および5-C(O)-X基を有するピラゾロ[3,4-b]ピリジン化合物またはその塩を開示している:
Figure 2007529485
式中:
R1は、C1〜4アルキル、C1〜3フルオロアルキル、-CH2CH2OH、または-CH2CH2CO2C1〜2アルキルであり;
R2は、水素原子(H)、メチル、またはC1フルオロアルキルであり;
R3は、場合によっては置換されているC3〜8シクロアルキル、または場合によっては置換されているモノ-不飽和-C5〜7シクロアルケニル、または場合によっては置換されている下位式(aa)、(bb)、もしくは(cc)の複素環基であり;
Figure 2007529485
式中、n1およびn2は独立に、1または2であり;かつ式中、Yは、O、S、SO2、またはNR10であり;
あるいはR3は、二環系基(dd)または(ee)であり:
Figure 2007529485
かつ式中、Xは、NR4R5またはOR5aである。
PCT/EP03/11814では、R4は、水素原子(H);C1〜6アルキル;C1〜3フルオロアルキル;または1個の置換基R11で置換されているC2〜6アルキルである。
PCT/EP03/11814では、R5は、水素原子(H);C1〜8アルキル;C1〜8フルオロアルキル;C1〜2アルキル基で場合によっては置換されているC3〜8シクロアルキル;-(CH2)n 4-部分またはC3〜8シクロアルキル部分中、C1〜2アルキル基で場合によっては置換されている-(CH2)n 4-C3〜8シクロアルキル(式中、n4は、1、2、または3である);1または2個の独立した置換基R11で置換されているC2〜6アルキル;-(CH2)n11-C(O)R16;-(CH2)n12-C(O)NR12R13;-CHR19-C(O)NR12R13;-(CH2)n12-C(O)OR16;-(CH2)n12-C(O)OH;-CHR19-C(O)OR16;-CHR19-C(O)OH;-(CH2)n12-SO2-NR12R13;-(CH2)n12-SO2R16;または-(CH2)n12-CN;-(CH2)n13-Het;または場合によっては置換されているフェニルとすることができる。
あるいは、PCT/EP03/11814では、R5は、下位式(x)、(y)、(y1)、または(z)を有することができる:
Figure 2007529485
式中、下位式(x)では、n=0、1、または2;下位式(y)および(y1)では、m=1または2;かつ式中、下位式(z)では、r=0、1、または2;ならびに下位式(x)および(y)および(y1)では、A、B、D、E、およびFのうちの0、1、または2個は独立に、窒素または窒素-オキシド(N+-O-)である(ただしA、B、D、E、およびFのうちの1個以下が窒素-オキシドであり、かつA、B、D、E、およびFの残りが独立に、CHまたはCR6であることを条件とし;ならびに下位式(x)においてnが0である場合、A、B、D、E、およびFのうちの1または2個は独立に、窒素または窒素-オキシド(N+-O-)であり、かつA、B、D、E、およびFのうちの1個以下は窒素-オキシドであることを条件とする)。
PCT/EP03/11814では、R6はそれぞれ、存在している他のR6とは独立に:ハロゲン原子;C1〜6アルキル;C1〜4フルオロアルキル;C1〜4アルコキシ;C1〜2フルオロアルコキシ;C3〜6シクロアルキルオキシ;-C(O)R16a;-C(O)OR30;-S(O)2-R16a;R16a-S(O)2-NR15a-;R7R8N-S(O)2-;C1〜2アルキル-C(O)-R15aN-S(O)2-;C1〜4アルキル-S(O)-;Ph-S(O)-;R7R8N-CO-;-NR15-C(O)R16;R7R8N;OH;C1〜4アルコキシメチル;C1〜4アルコキシエチル;C1〜2アルキル-S(O)2-CH2-;R7R8N-S(O)2-CH2-;C1〜2アルキル-S(O)2-NR15a-CH2-;-CH2-OH;-CH2CH2-OH;-CH2-NR7R8;-CH2-CH2-NR7R8;-CH2-C(O)OR30;-CH2-C(O)-NR7R8;-CH2-NR15a-C(O)-C1〜3アルキル;-(CH2)n 14-Het1(式中、n14は、0または1である);シアノ(CN);Ar5b;あるいは独立にフルオロ、クロロ、C1〜2アルキル、C1フルオロアルキル、C1〜2アルコキシ、またはC1フルオロアルコキシのうちの1もしくは2個で場合によっては置換されているフェニル、ピリジニル、またはピリミジニルであり;
あるいは隣接する2個のR6が一緒になって、-O-(CMe2)-O-または-O-(CH2)n 14a-O-(式中、n14aは、1または2である)とすることができる。
PCT/EP03/11814では、下位式(z)において、Gは、OまたはS、またはNR9(式中、R9は、水素原子(H)、C1〜4アルキルまたはC1〜4フルオロアルキルである)であり、J、L、M、およびQのうちの0、1、2、または3個は、窒素であり、かつJ、L、M、およびQの残りは独立に、CHまたはCR6(式中、R6は、存在している他のR6とは独立に、その中に定義する通りである。
PCT/EP03/11814に開示されている式(I)のピラゾロ[3,4-b]ピリジン化合物およびその塩は、IV型ホスホジエステラーゼ(PDE4)の阻害剤であること、ならびに炎症性および/またはアレルギー性疾患、例えば慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、リウマチ様関節炎、またはアレルギー性鼻炎の治療および/または予防に有用であることが開示されている。
今回、IV型ホスホジエステラーゼ(PDE4)を阻害する、ピラゾロ[3,4-b]ピリジン環系の5位に-C(O)-NH-W置換基を有する新規ピラゾロ[3,4-b]ピリジン化合物を見出した。
したがって、本発明は、式(I)の化合物またはその塩(具体的には、薬剤として許容できるその塩)を提供する:
Figure 2007529485
式中:
Wは、Ar、-CR4R5Ar、または基(y)もしくは(y1)であり、
Figure 2007529485
であり、
R1は、C1〜4アルキル、C1〜3フルオロアルキル、または-CH2CH2OHであり;
R2は、C2〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、または-(CH2)n 4C3〜6シクロアルキル(式中、n4は1または2である)であり;
R3は、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキル、または場合によっては置換されていてもよいモノ-不飽和C5〜7シクロアルケニル、または場合によっては置換されていてもよい下位式(aa)、(bb)、もしくは(cc)の複素環基
Figure 2007529485
(式中、n1およびn2は独立に、1または2であり;かつ式中、Yは、O、S、SO2、またはNR10であり、式中、R10は、水素原子(H)、C1〜2アルキル、C1〜2フルオロアルキル、CH2C(O)NH2、C(O)NH2、C(O)NHMe、C(O)-C1〜2アルキル、C(O)-C1フルオロアルキル、または-C(O)-CH2O-C1〜2アルキルである)であり;
かつ式中、R3において、C3〜8シクロアルキル、または下位式(aa)、(bb)、もしくは(cc)の複素環基は、独立にオキソ(=O);OH;C1〜2アルコキシ;C1〜2フルオロアルコキシ;NHR21(式中、R21は、水素原子(H)またはC1〜4直鎖アルキルである);C1〜2アルキル;C1〜2フルオロアルキル;-CH2OH;-CH2CH2OH;-CH2NHR22(式中、R22は、HまたはC1〜2アルキルである);-C(O)OR23(式中、R23は、HまたはC1〜2アルキルである);-C(O)NHR24(式中、R24は、HまたはC1〜2アルキルである);-C(O)R25(式中、R25はC1〜2アルキルである);フルオロ;ヒドロキシイミノ(=N-OH);または(C1〜4アルコキシ)イミノ(=N-OR26、式中、R26はC1〜4アルキルである)である1または2個の置換基で環炭素において場合によっては置換されていてもよく;かつ式中、OH、アルコキシ、フルオロアルコキシ、またはNHR21置換基はどれも、式(I)の-NH-基に接続している(結合している)R3環炭素において置換しておらず、かつ複素環基(aa)、(bb)、または(cc)のY基に結合しているどちらのR3環炭素においても置換しておらず;
かつ式中、R3が、場合によっては置換されていてもよいモノ-不飽和C5〜7シクロアルケニルである場合は、シクロアルケニルは、フルオロもしくはC1〜2アルキルである1個の置換基、または独立にフルオロもしくはメチルである2個の置換基で場合によっては置換されていてもよく、かつ式(I)の-NH-基に結合しているR3環炭素は、シクロアルケニル二重結合に関与せず;
あるいはR3は、下位式(ee)の二環系基であり:
Figure 2007529485
式中、Y1、Y2、およびY3のうちの1個以下が酸素(O)であることを条件として、Y1、Y2、およびY3は独立に、CH2または酸素(O)であり;
かつ式中、
R4およびR5は独立に、水素原子(H)、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、C1〜2フルオロアルキル、シクロプロピル、-CH2OR4a、-CH(Me)OR4a、または-CH2CH2OR4aであり、式中、R4aは、水素原子(H)、メチル(Me)、またはCF3もしくはCHF2などのC1フルオロアルキルであり、
かつ式中、下位式(x)、(y)、および(y1)において、
Aは、C-R6A、窒素(N)、または窒素-オキシド(N+-O-)であり、
Bは、C-R6B、窒素(N)、または窒素-オキシド(N+-O-)であり、
Dは、C-R6D、窒素(N)、または窒素-オキシド(N+-O-)であり、
Eは、C-R6E、窒素(N)、または窒素-オキシド(N+-O-)であり、
Fは、C-R6F、窒素(N)、または窒素-オキシド(N+-O-)であり、
式中、R6A、R6B、R6D、R6E、およびR6Fは独立に、水素原子(H)、ハロゲン原子;C1〜6アルキル(例えば、C1〜4アルキルまたはC1〜2アルキル);C1〜4フルオロアルキル(例えば、C1〜2フルオロアルキル);C3〜6シクロアルキル;C1〜4アルコキシ(例えば、C1〜2アルコキシ);C1〜2フルオロアルコキシ;C3〜6シクロアルキルオキシ;-C(O)R16a;-C(O)OR30;-S(O)2-R16a(例えば、C1〜2アルキル-S(O)2-);R16a-S(O)2-NR15a-(例えば、C1〜2アルキル-S(O)2-NH-);R7R8N-S(O)2-;C1〜2アルキル-C(O)-R15aN-S(O)2-;C1〜4アルキル-S(O)-、Ph-S(O)-、R7R8N-CO-;-NR15-C(O)R16a;R7R8N;ニトロ(-NO2);OH(その互変異性体を含めて);
C1〜4アルコキシメチル;C1〜4アルコキシエチル;C1〜2アルキル-S(O)2-CH2-;R7R8N-S(O)2-CH2-;C1〜2アルキル-S(O)2-NR15a-CH2-;-CH2-OH;-CH2CH2-OH;-CH2-NR7R8;-CH2-CH2-NR7R8;-CH2-C(O)OR30;-CH2-C(O)-NR7R8;-CH2-NR15a-C(O)-C1〜3アルキル;-(CH2)n 14-Het1(式中、n14は、0または1である);シアノ(CN);Ar5b;あるいは独立にフルオロ、クロロ、C1〜2アルキル、C1フルオロアルキル、C1〜2アルコキシ、またはC1フルオロアルコキシのうちの1もしくは2個で場合によっては置換されているフェニル、ピリジニル、またはピリミジニルであり;
かつ/あるいはR6A、R6B、R6D、R6E、およびR6Fから選択された隣接する2個の基は一緒になって、-CH=CH-CH=CH2-、-(CH2)n 14a-(式中、n14aは、3、4、または5(例えば、3または4)である)、-O-(CMe2)-O-、-O-(CH2)n 14b-O-(式中、n14bは1または2である);-CH=CH-NR15b-;-N=CH-NR15b-;-CH=N-NR15b-;-N=N-NR15b-;-CH=CH-O-;-N=CH-O-;-CH=CH-S-;または-N=CH-S-;(式中、R15bは、HまたはC1〜2アルキルである)となり;
ただし、
A、B、D、E、およびFのうちの2個以上は独立に、C-H(炭素-水素)、C-F(炭素-フッ素)、窒素(N)、または窒素-オキシド(N+-O-)であり;
かつA、B、D、E、およびFのうちの2個以下は独立に、窒素または窒素-オキシド(N+-O-)であり、
かつA、B、D、E、およびFの1個以下は、窒素-オキシド(N+-O-)であることを条件とし;
かつ式中、下位式(z)において、
Gは、OまたはSまたはNR9(式中、R9は、水素原子(H)、C1〜4アルキル、またはC1〜2フルオロアルキルである)であり;
Jは、C-R6J、C-[式(I)への接続点]、または窒素(N)であり、
Lは、C-R6L、C-[式(I)への接続点]、または窒素(N)であり、
Mは、C-R6M、C-[式(I)への接続点]、または窒素(N)であり、
Qは、C-R6Q、C-[式(I)への接続点]、または窒素(N)であり、
式中、R6J、R6L、R6M、およびR6Qは独立に、水素原子(H)、ハロゲン原子;C1〜4アルキル(例えば、C1〜2アルキル);C1〜3フルオロアルキル(例えば、C1〜2フルオロアルキル);C3〜6シクロアルキル;C1〜4アルコキシ(例えば、C1〜2アルコキシ);C1〜2フルオロアルコキシ;C3〜6シクロアルキルオキシ;OH(その互変異性体を含めて);または独立にフルオロ、クロロ、C1〜2アルキル、C1フルオロアルキル、C1〜2アルコキシ、もしくはC1フルオロアルコキシである1もしくは2個の置換基で場合によっては置換されていてもよいフェニルであり;
ただし、
J、L、M、およびQのうちの2個以上は独立に、C-H、C-F、C-C1〜2アルキル(例えば、C-Me)、C-[式(I)への接続点]、または窒素(N)であり;
かつJ、L、M、およびQのうちの3個以下は窒素(N)であることを条件とし;
かつ式中:
R7およびR8は独立に、水素原子(H);C1〜4アルキル(例えば、メチルなどのC1〜2アルキル);C3〜6シクロアルキル;または独立に、フルオロ、クロロ、C1〜2アルキル、C1フルオロアルキル、C1〜2アルコキシ、もしくはC1フルオロアルコキシである1または2個の置換基で場合によっては置換されているフェニルであり;
あるいはR7およびR8は一緒になって、-(CH2)n 6-、または-C(O)-(CH2)n 7-、または-C(O)-(CH2)n 10-C(O)-、または-(CH2)n 8-X7-(CH2)n 9-、または-C(O)-X7-(CH2)n 10-(式中、n6は、3、4、5、または6であり(適切には、n6は、4または5である)、n7は、2、3、4、または5であり(適切には、n7は、3または4である)、n8およびn9およびn10は独立に、2または3(適切には、独立に2)であり、かつX7は、OまたはNR14である)であり;
R7aは、水素原子(H)またはC1〜4アルキル(適切にはHまたはC1〜2アルキル、より適切にはHまたはメチル)であり;
R8aは、水素原子(H)またはメチル(適切にはH)であり;
R14、R17、およびR17aは、独立に、水素原子(H);C1〜4アルキル(例えば、C1〜2アルキル);C1〜2フルオロアルキル(例えば、CF3);シクロプロピル;-C(O)-C1〜4アルキル(例えば、-C(O)Me);-C(O)NR7aR8a(例えば、-C(O)NH2);または-S(O)2-C1〜4アルキル(例えば、-S(O)2Me)(R14、R17、および/またはR17aは、独立に、好ましくはH、C1〜2アルキル、または-C(O)Meである)であり;
R15aは、他のR15aとは独立に、水素原子(H)またはC1〜4アルキル(例えば、H、tBu、またはメチルなどのC1〜2アルキル;R15aは、好ましくはHまたはC1〜2アルキル、より好ましくはHである)であり;
R16aは:
C1〜6アルキル(例えば、C1〜4アルキルまたはC1〜2アルキル);
1個のオキソ(=O)、OH、またはC1〜2アルキル置換基で場合によっては置換されているC3〜6シクロアルキル(例えば、C5〜6シクロアルキル)(例えば、C5〜6シクロアルキル環の3または4位において場合によっては置換されている;および/または好ましくは非置換C3〜6シクロアルキル);
C3〜6シクロアルキル-CH2-(例えば、C5〜6シクロアルキル-CH2-);
環炭素原子においてハロゲン原子、C1〜2アルキル、C1フルオロアルキル、C1〜2アルコキシ、またはC1フルオロアルコキシのうちの1個で場合によっては置換されているピリジニル(例えば、ピリジン-2-イル);
Ar5c;
独立にハロゲン原子、C1〜2アルキル、C1フルオロアルキル、C1〜2アルコキシ、もしくはC1フルオロアルコキシである1または2個の置換基で場合によっては置換されているフェニル;
その環において独立にハロゲン原子、C1〜2アルキル、C1フルオロアルキル、C1〜2アルコキシ、もしくはC1フルオロアルコキシである1または2個の置換基で場合によっては置換されているベンジル;あるいは
環炭素において連結し、かつO、S、およびNから独立に選択される1または2個の環ヘテロ原子を含有する4、5、6、または7員の飽和複素環(式中、存在する環窒素は、NR27(式中、R27は、H、C1〜2アルキル、または-C(O)Meである)として存在し;かつ式中、環は、炭素において1個のC1〜2アルキルまたはオキソ(=O)置換基で場合によっては置換されており(ただし、オキソ(=O)置換基は、環窒素に結合している環炭素原子に置換していることを条件とする)であり;
R30は、他のR30とは独立に、水素原子(H)、C1〜4アルキル、またはC3〜6シクロアルキルであり;
Ar5bおよびAr5cは独立に、5員環に1個のO、S、またはNR15aを含有する5員芳香族複素環(式中、5員環は、さらに1または2個のN原子を場合によっては含有することができ、かつ複素環は、環炭素原子においてハロゲン原子、C1〜2アルキル、C1フルオロアルキル、-CH2OH、-CH2-OC1〜2アルキル、OH(そのケト互変異性体を含む)、または-CH2-NR28R29(式中、R28およびR29は独立に、Hまたはメチルである)の1個で場合によっては置換されている)であり;かつ
Het1は、環炭素において連結し、かつO、S、およびNから独立に選択される1または2個の環ヘテロ原子を含有する4、5、6、または7員の飽和複素環(式中、存在する環窒素は、NR31(式中、R31は、H、C1〜2アルキル、または-C(O)Meである)として存在し;かつ式中、環は、炭素において1個のC1〜2アルキルまたはオキソ(=O)置換基で場合によっては置換されている(ただし、オキソ(=O)置換基は、環窒素に結合している環炭素原子に置換していることを条件とする))である。
化合物、例えば式(I)の化合物(または式(IA)もしくは式(IB)、後記参照)では、「アルキル」基または部分は、直鎖または分枝状とすることができる。使用することができるアルキル基、例えばC1〜8アルキル、またはC1〜6アルキル、またはC1〜4アルキル、またはC1〜3アルキル、またはC1〜2アルキルには、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、もしくはn-ヘキシルなどのC1〜6アルキル、またはC1〜4アルキル、またはC1〜3アルキル、またはC1〜2アルキル、あるいはイソプロピル、t-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、3-メチルブタン-2-イル、2-エチルブタン-1-イルなどその分枝状異性体が含まれる。
「アルコキシ」、「アルキレン」、およびアルキルに由来する同様の用語について、対応する意味が意図されている。例えば、C1〜6アルコキシ、またはC1〜4アルコキシ、またはC1〜2アルコキシなどの「アルコキシ」には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、および上記に挙げたアルキルのオキシ誘導体が含まれる。C1〜4アルキルスルホニルなどの「アルキルスルホニル」には、メチルスルホニル(メタンスルホニル)、エチルスルホニル、および上記に挙げたアルキルに由来する他のものが含まれる。C1〜4アルキルスルホニルオキシなどの「アルキルスルホニルオキシ」には、メタンスルホニルオキシ(メチルスルホニルオキシ)、エタンスルホニルオキシ、およびその他のものが含まれている。
「シクロアルキル」、例えばC3〜8シクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが含まれる。好ましくは、C3〜8シクロアルキル基は、C3〜6シクロアルキルまたはC5〜6シクロアルキルであり、3〜6員または5〜6員の炭素環系環を含む。
「フルオロアルキル」には、1、2、3、4、5個、またはそれ以上のフッ素置換基を有するアルキル基、例えばモノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル(CF3CH2-)、2,2-ジフルオロエチル(CHF2CH2-)、2-フルオロエチル(CH2FCH2-)など、C1〜4フルオロアルキル、またはC1〜3フルオロアルキル、またはC1〜2フルオロアルキルが含まれる。「フルオロアルコキシ」には、トリフルオロメトキシ、ペンタフルオロエトキシ、モノフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシなど、C1〜4フルオロアルコキシまたはC1〜2フルオロアルコキシが含まれる。C1〜4フルオロアルキルスルホニルなどの「フルオロアルキルスルホニル」には、トリフルオロメタンスルホニル、ペンタフルオロエチルスルホニルなどが含まれる。
化合物、例えば式(I)の化合物中に存在するハロゲン原子(「ハロ」)は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子(「フルオロ」、「クロロ」、「ブロモ」、または「ヨード」)、例えばフルオロ、クロロ、またはブロモを意味する。
明細書に、原子または部分Aが原子または部分Bに「結合されている」または「接続されている」と記載されている場合、文脈上から別の意味が意図されていると明らかでない限り、原子/部分Aが、通常は共有結合または二重共有結合によって原子/部分Bに直接結合されていることを意味し、1個または複数の中間体原子/部分を経由してBに間接接続されているAを除外する(例えば、A-C-Bを除外する)。
R1は、C1〜4アルキルまたはC1〜3フルオロアルキルである場合、直鎖状または分枝状とすることができる。R1がC1〜4アルキルである場合、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、またはn-ブチルとすることができる。R1がC1〜3フルオロアルキルである場合、R1は、例えばモノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなどのC1フルオロアルキルとすることができ;あるいはR1は、ペンタフルオロエチルなどのC2フルオロアルキル、より好ましくは2,2,2-トリフルオロエチル(CF3CH2-)、2,2-ジフルオロエチル(CHF2CH2-)、または2-フルオロエチル(CH2FCH2-)などのC1フルオロアルキル-CH2-とすることができる。
好ましくは、R1は、C1〜3アルキル(例えば、メチル、エチル、またはn-プロピル)、C1〜3フルオロアルキル、または-CH2CH2OHである。R1は、より好ましくは、C1〜3アルキル、C1〜2フルオロアルキル、または-CH2CH2OHとすることができる。さらにより好ましくは、R1は、C2〜3アルキル(例えば、エチルまたはn-プロピル)、C2フルオロアルキル(例えば、CF3-CH2-などのC1フルオロアルキル-CH2-)、または-CH2CH2OH;具体的には、エチル、n-プロピル、または-CH2CH2OHである。さらにより好ましくは、R1は、C2アルキルまたはC2フルオロアルキルである。R1は、最も好ましくはエチルである。
R1の代表例としては、エチルがある。
本発明の別の態様では、R2は、C2〜4アルキル、C3〜5シクロアルキル、または-CH2シクロプロピルである。
R2の代表例としては、エチル、プロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロプロピルメチルがある。
好ましくは、R3において、置換基は1個、または置換基は0個である。
一実施形態では、R3は、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキル、または場合によっては置換されていてもよい下位式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基である。
オプションの一実施形態では、R3は、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルである場合、非置換C5シクロアルキルではなく、すなわち非置換シクロペンチルではない。この場合、より適切には、R3は、場合によっては置換されていてもよいC6〜8シクロアルキルである。
R3は、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルである場合、より好ましくは場合によっては置換されていてもよいC6〜7シクロアルキル、または場合によっては置換されていてもよいC6シクロアルキル(すなわち、シクロヘキシル)である。
適切には、R3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルである場合、R3は、独立にオキソ(=O);OH;C1アルコキシ;C1フルオロアルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシまたはジフルオロメトキシ);NHR21(式中、R21は、水素原子(H)またはC1〜2アルキル(より好ましくは、R21はHである));メチルなどのC1〜2アルキル;-CH2Fもしくは-CHF2などのC1フルオロアルキル;-CH2OH;-CH2NHR22(式中、R22はHである);-C(O)OR23(式中、R23はHまたはメチルである);-C(O)NHR24(式中、R24はHまたはメチルである);-C(O)R25(式中、R25はメチルである);フルオロ;ヒドロキシイミノ(=N-OH);または(C1〜4アルコキシ)イミノ(=N-OR26、式中、R26はC1〜4アルキルである)である1または2個の置換基で場合によっては置換されていてもよく、かつOH、アルコキシ、フルオロアルコキシ、またはNHR21置換基がどれも、式(I)の-NH-基に接続している(結合している)R3環炭素において置換しておらず、かつ複素環基(aa)、(bb)、または(cc)のY基に結合しているどちらのR3環炭素においても置換していないC3〜8シクロアルキル(例えば、C6〜7シクロアルキル)である。
好ましくは、R3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルである場合、R3は、独立にオキソ(=O);OH;NHR21(式中、R21は水素原子(H)である);メチルなどのC1〜2アルキル;-CH2Fもしくは-CHF2などのC1フルオロアルキル;-C(O)OR23(式中、R23は、Hまたはメチルである);-C(O)NHR24(式中、R24は、Hまたはメチルである);フルオロ;ヒドロキシイミノ(=N-OH);または(C1〜2アルコキシ)イミノ(=N-OR26、式中、R26はC1〜2アルキルである)である1または2個の置換基で場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキル(例えば、C6〜7シクロアルキル)である。
より好ましくは、R3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルである場合、R3は、独立にオキソ(=O);OH;NHR21(式中、R21は水素原子(H)である);メチル;-CH2F;-CHF2;-C(O)OR23(式中、R23はHである);-C(O)NHR24(式中、R24は、Hまたはメチル(好ましくはH)である);フルオロ;ヒドロキシイミノ(=N-OH);またはメトキシイミノ(=N-OR26、式中、R26はメチルである)である1または2個の置換基で場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキル(例えば、C6〜7シクロアルキル)である。
さらにより好ましくは、R3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルである場合、R3は、独立にオキソ(=O);OH;メチル;-C(O)NHR24(式中、R24はHである);フルオロ;ヒドロキシイミノ(=N-OH);またはメトキシイミノ(=N-OR26、式中、R26はメチルである))である1または2個の置換基で場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキル(例えば、C6〜7シクロアルキル)である。
さらにより好ましくは、R3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルであり場合、R3は、独立にOH;-C(O)NHR24(式中、R24はHである);オキソ(=O)またはヒドロキシイミノ(=N-OH)である1または2個の置換基で場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキル(例えば、C6〜7シクロアルキル)である。
オプションの一実施形態では、R3において、C3〜8シクロアルキルは非置換とすることができる。
R3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルまたは場合によっては置換されていてもよいC5〜7シクロアルケニル、例えば場合によっては置換されていてもよいC6シクロアルキル(場合によっては置換されていてもよいシクロヘキシル)など場合によっては置換されていてもよいC5〜8シクロアルキルもしくはC5〜7シクロアルキル、または場合によっては置換されていてもよいシクロヘキセニルである場合、オプションの置換基が1または2個存在する場合それは、適切にはR3のシクロアルキルまたはシクロアルケニル環の3、4、および/または5位、例えば3および/または4位に、置換基を含むことができる(例えば、1個または複数の置換基である)。
(この文脈および一般に本明細書では、R3環、例えばR3のシクロアルキルまたはシクロアルケニル環の1位は、式(I)における-NH-への接続点=式(I)における-NH-に接続している環原子)であると見なされる。
適切には、R3について、具体的にはR3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルまたは場合によっては置換されていてもよいC5〜7シクロアルケニルである場合に、R3は、式(I)の-NH-に接続している環原子において(場合によってはアルキルまたはフルオロアルキルによる以外)置換されておらず、かつR3は、接続原子(に結合している)両側の2個の環原子においても(場合によってはアルキル、フルオロアルキル、またはNHR21による以外)置換されていない。例えば、適切には、R3について、具体的にはR3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルまたは場合によっては置換されていてもよいC5〜7シクロアルケニルである場合に、R3は、式(I)の-NH-に接続している環原子において置換されておらず、かつR3は、接続原子(に結合している)両側の2個の環原子においても置換されていない。
適切には、R3について、具体的にはR3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルまたは場合によっては置換されていてもよいC5〜7シクロアルケニルである場合に、オプションのR3置換基が1または2個存在する場合それは、
(a)R3のシクロブチル環の3位において、または
(b)R3のシクロペンチルもしくはシクロペンテニル環の3位および/もしくは4位において、または
(c)R3のシクロヘキシルもしくはシクロヘキセニル環の3、4、および/もしくは5位において、または
(d)R3のシクロヘプチルもしくはシクロヘプテニル環の3、4、5、および/もしくは6位において、または
(e)R3のシクロオクチル環の3、4、5、6、および/もしくは7位において、
かつ/または
(f)アルキルもしくはフルオロアルキル置換基の場合、R3のシクロアルキルもしくはシクロアルケニル環の1、2、および/もしくは最高位において、かつ/または
(g)NHR21もしくはフルオロ置換基の場合、R3のシクロアルキルもしくはシクロアルケニル環の2位および/もしくは最高位において、置換基を含むことができる(例えば、1個または複数の置換基である)。
R3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルの場合、OH、アルコキシ、フルオロアルコキシ、-CH2CH2OH、または-CH2NHR22置換基はどれも(具体的には、OH置換基)、R3のシクロアルキル(例えば、C6〜8シクロアルキル)環の3、4、または5位、例えば3位または5位に存在することが適切である。場合によっては、OH、アルコキシ、フルオロアルコキシ、-CH2CH2OH、または-CH2NHR22置換基(具体的には、OH置換基)はいずれも、R3のシクロブチル環の3位;またはR3のC5シクロアルキル(シクロペンチル)環の3位もしくは4位;またはR3のC6シクロアルキル(シクロヘキシル)環の3、4、もしくは5位、例えば特にOH置換基の場合R3のシクロヘキシル環の3位もしくは5位;またはR3のシクロヘプチル環の3、4、5、もしくは6位、またはR3のシクロオクチル環の3、4、5、6、もしくは7位に存在することができる。OH、アルコキシ、フルオロアルコキシ、-CH2CH2OH、または-CH2NHR22置換基(具体的には、OH置換基)はいずれも、適切には、R3のC5シクロアルキル(シクロペンチル)環の3位もしくは4位;またはより適切には、R3のC6シクロアルキル(シクロヘキシル)環の3、4、もしくは5位、さらにより適切には、3位もしくは5位に存在する。
適切には、R3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルまたは場合によっては置換されていてもよいC5〜7シクロアルケニルである場合、-C(O)OR23、-C(O)NHR24、-C(O)R25、-CH2OH、またはフルオロ置換基はいずれも、R3のシクロブチル環の3位;またはR3のC5シクロアルキル(シクロペンチル)もしくはシクロペンテニル環の3位もしくは4位;またはR3のC6シクロアルキル(シクロヘキシル)もしくはシクロヘキセニル環の3、4、もしくは5位、好ましくは4位;またはR3のシクロヘプチルもしくはシクロヘプテニル環の3、4、5、もしくは6位、またはR3のシクロオクチル環の3、4、5、6、もしくは7位に存在する。-C(O)OR23、-C(O)NHR24、-C(O)R25、-CH2OH、またはフルオロ置換基はいずれも、例えば-C(O)NHR24またはフルオロ置換基はいずれも、R3のC6シクロアルキル(シクロヘキシル)またはシクロヘキセニル環の、適切には3、4、または5位、より適切には4位に存在する。-C(O)NHR24置換基は、R3のシクロヘキシル環の4位に存在することが特に好ましい。
R3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルである場合、NHR21置換基は、1位(式(I)の-NH-に接続している環原子)以外のいずれかの位置、例えば3、4、5、6、7、または8位である。NHR21置換基は、R3のシクロヘキシル環の、好ましくは2、3、5、もしくは6位、またはより好ましくは3位もしくは5位に存在する。
R3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルまたは場合によっては置換されていてもよいC5〜7シクロアルケニルである場合、アルキルまたはフルオロアルキル置換基のいずれも、例えばR3環の1、2、3、4、5、6、7、または8位、例えば1、2、3、5、または6位、例えば1位に存在することができる。アルキルまたはフルオロアルキル置換基はいずれも、R3のシクロヘキシルもしくはシクロヘキセニル環の、好ましくは1、2、3、5、もしくは6位、またはより好ましくは1、3、もしくは5位に存在する。
R3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルである場合、オキソ(=O)、ヒドロキシイミノ(=N-OH);または(C1〜4アルコキシ)イミノ(=N-OR26)置換基はいずれも、適切にはR3のシクロアルキル(例えば、C6〜8シクロアルキル、例えばシクロヘキシル)環の3、4、または5位、例えば4位に存在する。好ましくは、このような置換基はいずれも、R3のシクロヘキシル環の4位に存在する。
R3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキル(例えば、C6〜7シクロアルキル)である場合、R3は、好ましくはシクロヘキシル(すなわち、非置換);またはシクロヘプチル(すなわち、非置換);またはオキソ(=O)、OH、NHR21、C1〜2アルキル、C1〜2フルオロアルキル、-CH2OH、-C(O)OR23、-C(O)NHR24、-C(O)R25、フルオロ、ヒドロキシイミノ(=N-OH)、もしくは(C1〜4アルコキシ)イミノ(=N-OR26)である1個の置換基で置換されているシクロヘキシル;または2個のフルオロ置換基で置換されているシクロヘキシルである。より好ましくは、R3は、シクロヘキシル(すなわち、非置換);またはシクロヘプチル(すなわち、非置換);またはオキソ(=O)、OH、NHR21、C1〜2アルキル、C1〜2フルオロアルキル、-C(O)OR23、-C(O)NHR24、フルオロ、ヒドロキシイミノ(=N-OH)、もしくは(C1〜2アルコキシ)イミノ(=N-OR26、式中、R26はC1〜2アルキルである)である1個の置換基で置換されているシクロヘキシル;または2個のフルオロ置換基で置換されているシクロヘキシルである。さらにより好ましくは、R3は、シクロヘキシル(すなわち、非置換)、または1個のオキソ(=O)、ヒドロキシイミノ(=N-OH)、-C(O)NH2、メチル、もしくはOH置換基で置換されているシクロヘキシルである。オプションの置換基は、例えばR3のシクロヘキシル環の3位または4位に存在することができる。好ましくは、OH置換基は、好ましくはR3のシクロヘキシル環の3位にあり、かつ/またはオキソ(=O)、ヒドロキシイミノ(=N-OH)、(C1〜4アルコキシ)イミノ(=N-OR26)もしくは-C(O)NH2置換基は、好ましくはR3のシクロヘキシル環の4位にあり、かつ/またはアルキルもしくはフルオロアルキル置換基は、好ましくはR3のシクロヘキシル環の1、3、もしくは5位に存在する。
R3が、場合によっては置換されていてもよいC6〜7シクロアルキルである場合、R3は、例えば4-ヒドロキシ-シクロヘキシル(すなわち、4-ヒドロキシシクロヘキサン-1-イル)、4-メチルシクロヘキシル、3-フルオロシクロヘキシル、2-アミノシクロヘキシル、3-(HO(O)C)シクロヘキシル、または3-オキソシクロヘキシルとすることができるが、R3は、より好ましくはシクロヘキシル(すなわち、非置換)、シクロヘプチル(すなわち、非置換)、3-ヒドロキシ-シクロヘキシル(すなわち、3-ヒドロキシシクロヘキサン-1-イル)(例えば、シス配置)、4-オキソ-シクロヘキシル(すなわち、4-オキソシクロヘキサン-1-イル)、4-(ヒドロキシイミノ)シクロヘキシル(すなわち、4-(ヒドロキシイミノ)シクロヘキサン-1-イル)、4-(C1〜2アルコキシイミノ)シクロヘキシル、4-(アミノカルボニル)シクロヘキシル(すなわち、4-(アミノカルボニル)シクロヘキサン-1-イル)(例えば、シス配置)、1-メチルシクロヘキシル、3-メチルシクロヘキシル、4,4-(ジフルオロ)シクロヘキシル、または3-アミノシクロヘキシルである。
R3が、場合によっては置換されていてもよいC6〜7シクロアルキルである場合、R3は、最も好ましくはシクロヘキシル(すなわち、非置換)、3-ヒドロキシ-シクロヘキシル(すなわち、3-ヒドロキシシクロヘキサン-1-イル)(例えば、シス配置)、4-オキソ-シクロヘキシル(すなわち、4-オキソシクロヘキサン-1-イル)、4-(ヒドロキシイミノ)シクロヘキシル(すなわち、4-(ヒドロキシイミノ)シクロヘキサン-1-イル)、または4-(アミノカルボニル)シクロヘキシル(すなわち、4-(アミノカルボニル)シクロヘキサン-1-イル)(例えば、シス配置)である。
R3が、場合によっては置換されていてもよいC5シクロアルキル(場合によっては置換されていてもよいシクロペンチル)である場合、R3は、例えばシクロペンチル(すなわち、非置換)、またはより適切には3-ヒドロキシ-シクロペンチルとすることができる。
R3は、場合によっては置換されていてもよいモノ-不飽和C5〜7シクロアルケニルである場合、好ましくは場合によっては置換されていてもよいモノ-不飽和C5〜6シクロアルケニル、より好ましくは場合によっては置換されていてもよいモノ-不飽和C6シクロアルケニル(すなわち、場合によっては置換されていてもよいモノ-不飽和シクロヘキセニル=場合によっては置換されていてもよいシクロヘキセニル)である。例えば、R3のシクロヘキセニルは、場合によっては置換されていてもよいシクロヘキサ-3-エン-1-イルとすることができる。
R3が、場合によっては置換されていてもよいモノ-不飽和C5〜7シクロアルケニルである場合、オプションの一実施形態では、R3のシクロアルケニルは、独立にフルオロまたはメチルである1または2個の置換基で場合によっては置換されていてもよい。好ましくは、この実施形態では、置換基が2個ある場合、両方がメチルであることはない。
別のオプションの実施形態では、R3のシクロアルケニル(例えば、シクロヘキセニル)は、フルオロまたはC1〜2アルキル(好ましくは、フルオロまたはメチル)である1個の置換基で場合によっては置換されていてもよい。より好ましくは、R3は、シクロアルケニル(例えば、シクロヘキセニル)は、1個のフルオロ置換基で置換されており、または置換されていない。例えば、R3の場合によっては置換されていてもよいシクロアルケニルは、シクロヘキサ-3-エン-1-イル(すなわち、非置換)または4-フルオロ-シクロヘキサ-3-エン-1-イルとすることができる。
R3のシクロアルケニルについて、オプションの置換基は、例えばシクロアルケニル環の1、2、3、4、5、または6位に存在することができる。
R3が、下位式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基である場合、Yは、好ましくはOまたはNR10、最も好ましくはOである。
適切には、R10は、水素原子(H)、メチル、エチル、C(O)NH2、C(O)-C1〜2アルキル、またはC(O)-C1フルオロアルキルである。好ましくは、R10は、C1〜2アルキルでもC1〜2フルオロアルキルでもない。適切には、R10はCH2C(O)NH2でない。
より好ましくは、R10は、水素原子(H)、C(O)NH2、C(O)-C1〜2アルキル(例えば、C(O)メチル)、またはC(O)-C1フルオロアルキル(例えば、C(O)-CF3)である。さらにより好ましくは、R10は、H、C(O)NH2、またはC(O)メチル;例えば、C(O)NH2である。
R3が、下位式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基である場合、R3は、下位式(aa)または(bb)、より好ましくは下位式(bb)の複素環基であることが好ましい。
下位式(bb)では、n1は好ましくは1である。下位式(cc)では、n2は好ましくは1である。すなわち、R3の複素環基において、6員環が好ましい。
適切には、R3では、下位式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基は、環炭素が置換されていない。(この文脈では、YがNR10である場合、R10は、環炭素上の置換基でない)。
R3の下位式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基では、1または2個のオプションの置換基は、好ましくはOH;オキソ(=O);C1〜2アルキル(例えば、メチル)、またはC1〜2フルオロアルキル(例えば、-CH2Fや-CHF2などのC1フルオロアルキル)を含む(例えば、それらであり、または独立にそれらである)。より好ましくは、R3の下位式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基では、1または2個のオプションの置換基は、C1〜2アルキル(例えば、メチル)またはオキソを含む(例えば、それらであり、または独立にそれらである)。最も好ましくは、1または2個のオプションの置換基は、オキソ(=O)を含む(例えば、それであり、または独立にそれである)。
R3の下位式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基では、オキソ(=O)置換基は、好ましくはYに結合している(隣接する)炭素原子にあり、例えばYがOまたはNR10である場合のみ、Yに結合している(隣接する)炭素原子上にある。
R3の下位式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基では、オキソ(=O)置換基は、適切にはR3の複素環の2、3、4、5、または6位に存在することができる。例えば、オキソ(=O)置換基は、R3の下位式(aa)の複素環基の2、4、または5位(例えば、2位もしくは4位、または2位および4位に2個のオキソ置換基)、R3の下位式(cc)(式中、n2は1である)の6員複素環基の2、4、5、または6位(例えば、4位)、R3の下位式(bb)(式中、n1は2である)の7員複素環基の2、3、5、6、または7位(例えば、5位)、またはR3の下位式(cc)(式中、n2は2である)の7員複素環基の2、4、5、6、または7位(例えば、2位)に存在することができる。
(この文脈および一般に本明細書では、R3の複素環の1位は、式(I)の-NH-への接続点=式(I)の-NH-に接続している環原子であると見なされ、次いで環の残りの位置を、環ヘテロ原子ができる限り低い番号になるように番号付ける)。
R3の下位式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基では、アルキルまたはフルオロアルキル置換基のいずれも、例えばR3の複素環の1、2、3、4、5、または6位、例えば1位、例えばR3の6員複素環の1、3、または5位に存在することができる。
R3の下位式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基では、OH置換基は、R3の下位式(cc)(式中、n2は1である)の6員複素環基の5位;R3の下位式(cc)(式中、n2は2である)の7員複素環基の5位または6位;またはR3の下位式(bb)(式中、n1は2である)の7員複素環基の6位に存在することができる。
R3の複素環基の他のいかなる置換基も、R3が場合によっては置換されていてもよいC5〜7シクロアルキルである場合について本明細書に記載するような番号で示された位置で、R3の複素環上に場合によっては配置することができ、必要な表現の変更をすべて行う。
R3の下位式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基では、R3の複素環の2位および最高位のそれぞれ(例えば、R3の6員複素環の2位および6位のそれぞれ)において独立に、好ましくはC1〜2アルキル、C1〜2フルオロアルキル、フルオロ、もしくはオキソ(=O)の置換しか、またはどの置換も可能でなく、かつ/あるいは、R3の複素環の1位において、C1〜2アルキル、C1〜2フルオロアルキルもしくはフルオロの置換しか、またはどの置換も可能でない。
R3が下位式(aa)の複素環基であり、かつYがNR10である場合、R10は、C(O)-C1〜2アルキル、C(O)-C1フルオロアルキル、または-C(O)-CH2O-C1〜2アルキルでない。オプションの一実施形態によれば、R3が下位式(aa)の複素環基であり、かつYがNR10である場合、R10は、場合によってはC(O)NHMe、C(O)-C1〜2アルキル、C(O)-C1フルオロアルキル、または-C(O)-CH2O-C1〜2アルキルでない。
好ましい一実施形態では、R3が下位式(aa)の複素環基である場合、YはO、S、SO2、またはNHである。
R3が下位式(bb)の複素環基であり、n1が1であり、かつYがNR10である場合(例えば、NHR3
Figure 2007529485
である場合)、R10は、C1〜2アルキルでもC1〜2フルオロアルキルでもない。より好ましくは、R3が下位式(bb)(式中、n1は1または2であり、かつYはNR10である)の複素環基である場合、R10は、好ましくはC1〜2アルキルでもC1〜2フルオロアルキルでもない。
一実施形態では、R3が下位式(bb)の複素環基である場合、好ましくは、YはO、S、SO2、またはNR10(式中、R10はH、C(O)NH2、C(O)-C1〜2アルキル(例えば、C(O)メチル)またはC(O)-C1フルオロアルキル(例えば、C(O)-CF3)であり、あるいはより好ましくは、R10はH、C(O)NH2、またはC(O)Me、例えばC(O)NH2またはC(O)Me、最も好ましくはCONH2である)である。
オプションの一実施形態では、R3が下位式(cc)の複素環基である場合、場合によっては、YはO、S、SO2、またはNR10(式中、R10はH、C(O)NH2、C(O)-C1〜2アルキル(例えば、C(O)メチル)、またはC(O)-C1フルオロアルキル(例えば、C(O)-CF3)である。この場合、R10は、例えばH、C(O)NH2、またはC(O)Me、例えばHとすることができる。
場合によっては、下位式(bb)および/または下位式(cc)について、Yは、OまたはNR10である。
R3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキル(例えば、C6〜7シクロアルキル)、または場合によっては置換されていてもよいモノ-不飽和C5〜7シクロアルケニル、または場合によっては置換されていてもよい下位式(aa)、(bb)、もしくは(cc)の複素環基である場合、置換基は、R3が接続している(結合している)式(I)の-NH-基に対してシスまたはトランスの配置とすることができる。これには、配置の混合物が含まれ、記載の配置が主要な成分である。例えば、C6〜7シクロアルキル上のOHまたは-C(O)NHR24置換基は、例えばシス配置とすることができ、かつ/あるいはC6〜7シクロアルキル上のNHR21置換基は、例えばR3が接続している(結合している)式(I)の-NH-基に対してシスまたはトランスの配置とすることができ、記載の配置が主要な成分である配置の混合物が含まれる。
R3が下位式(ee)の二環系基である場合、好ましくは、Y1、Y2、およびY3はすべてCH2である。
好ましくは、NHR3は、下位式(a)、(a1)、(b)、(c)、(c1)、(c2)、(c3)、(c4)、(c5)、(c6)、(c7)、(d)、(e)、(f)、(g)、(g1)、(g2)、(g3)、(g4)、(h)、(i)、(j)、(k)、(k1)、(k2)、(L)、(m)、(ml)、(m2)、(m3)、(m5)、(n)、(o)、(o1)、(o2)、(o3)、(p)、(p1)、(p2)、(p3)、(p4)、(p5)、(p6)、(p7)、(p8)、(p9)、(p10)、(p11)、または(q)を有する:
Figure 2007529485
上記の下位式(a)〜(q)などでは、式(I)のピラゾロピリジンの4位へのNHR3基の-NH-接続点を下線で示す。
好ましくは、NHR3は、下位式(c)、(c1)、(c2)、(c3)、(c4)、(c5)、(c6)、(c7)、(d)、(e)、(f)、(g1)、(g4)、(h)、(i)、(j)、(k)、(k1)、(k2)、(L)、(m)、(m1)、(m2)、(m3)、(m5)、(n)、(o)、(o1)、(o2)、(o3)、(p)、(p2)、(p5)、(p6)、(p7)、(p9)、(p10)、(p11)、または(q)を有する。より好ましくは、NHR3は、下位式(c)、(c1)、(c4)、(c5)、(h)、(i)、(j)、(k)、(k2)、(m1)、(m2)、(n)、(o)、(o2)、(o3)、(p2)、(p5)、(p6)、(p9)、(p11)、または(q)を有する。NHR3は、例えば下位式(c)、(p11)、(h)、(k)、(k2)、(n)、(o)、(o2)、もしくは(p9);またはさらにより好ましくは、(c)、(p11)、(h)、(k2)、(n)、(o)、(o2)、もしくは(p9)を有することができる。最も好ましくは、R3は、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルまたは1-(アミノカルボニル)-4-ピペリジニルである。すなわち、NHR3は、上記に示すように、最も好ましくは下位式(h)または(k2)を有する。
本発明の別の態様では、R3は、独立に、オキソ(=O);OH;メチル;-C(O)NHR24(式中、R24はHである);フルオロ;ヒドロキシイミノ(=N-OH);またはメトキシイミノ(=N-OR26、式中、R26はメチルである)である1または2個の置換基で場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキル(例えば、C6〜7シクロアルキル)である。
本発明の別の態様では、R3は、下位式(aa)の4-(アミノカルボニル)シクロヘキシル(すなわち、4-(アミノカルボニル)シクロヘキサン-1-イル)基、または下位式(bb)のN-アミノカルボニル-ピペリジニルもしくはN-アミノカルボニル-ピロリジニルもしくはテトラヒドロピラニル基である;
Figure 2007529485
(式中、YはOまたはNCONH2であり、かつn1は0または1である);
かつ式中、下位式(aa)のシクロヘキシル基、または下位式(bb)のピペリジニル、ピロリジニル、もしくはテトラヒドロピラニル基は、さらに環炭素上においてC1〜2アルキル;C1〜2フルオロアルキル;CH2OH;-C(O)OR23(式中、R23はHまたはC1〜2アルキルである);-C(O)NHR23;またはフルオロから独立に選択される1または2個の置換基で、ならびに(aa)のシクロヘキシル基のC2、C3、C5、およびC6、(bb)のピペリジニル環のC2もしくはC6、またはピロリジニル環のC5上においてOH;C1〜2アルコキシ;C1〜2フルオロアルコキシ;もしくはアルコキシから選択される置換基で場合によっては置換されていてもよい。
R3の代表例としては、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルがある。
NHR3が下位式(n)を有する場合、好ましくはシス配置であり、すなわち、好ましくはシス-(3-ヒドロキシシクロヘキサン-1-イル)アミノ基、例えばいずれかのエナンチオマーの形、またはラセミ混合物など形の混合物である。
NHR3が下位式(p9)である場合、好ましくはシス配置であり、すなわち、好ましくはシス-[4-(アミノカルボニル)シクロヘキサン-1-イル]アミノ基である。
R4がC1〜2フルオロアルキルである場合、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルなどのC1フルオロアルキルとすることができる。
R4aは、適切には水素原子(H)またはメチル(Me)、より適切にはHとすることができる。
R4は、例えば水素原子(H);メチル、エチル、C1フルオロアルキル、-CH2OH、-CH(Me)OH、-CH2CH2OH、もしくは-CH2OMe;または好ましくは、水素原子(H)、メチル、エチル、-CH2OH、もしくは-CH2OMeとすることができる。より好ましくは、R4は、H、メチル、エチル、-CH2OH、または-CH2OMeである。
R4の代表例としては、H、メチル、およびエチルがある。
本発明の別の態様では、R5は、水素原子(H)、メチル、エチル、n-プロピル、またはiso-プロピルである。
R5の代表例としては、Hがある。
本発明の別の態様では、下位式(y)および(y1)において、mは1であり、AはC-R6Aであり、BはC-R6Bであり、DはC-R6Dであり、かつEはC-R6Eである。
(y)の代表例としては、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イルがある。
Arは、下位式(x)を有することが好ましい。
好ましくは、下位式(x)では、A、B、D、E、およびFのうちの2個以上(より好ましくは3個以上)は、独立にC-H(炭素-水素)、C-F(炭素-フッ素)または窒素(N)である。
好ましくは、下位式(x)では、A、B、D、E、およびFのうちの3個以上は、独立にC-H(炭素-水素)、C-F(炭素-フッ素)、窒素(N)、または窒素-オキシド(N+-O-)である。
好ましくは、下位式(x)では、A、B、D、E、およびFのうちの2個以上(例えば、3個以上)は、独立にC-H(炭素-水素)、C-F(炭素-フッ素)、または窒素(N)であり、かつA、B、D、E、およびFのうちの他の1個または複数(例えば、2個以上)は独立に、C-H(炭素-水素)、C-F(炭素-フッ素)、C-Cl(炭素-塩素)、C-Me、C-OMe、または窒素(N)である。より好ましくは、下位式(x)では、A、B、D、E、およびFのうちの2個以上(例えば、3個以上)は、C-H(炭素-水素)であり、かつA、B、D、E、およびFのうちの他の1個または複数(例えば、2個以上)は、独立にC-H(炭素-水素)、C-F(炭素-フッ素)、C-Cl(炭素-塩素)、C-Me、C-OMe、または窒素(N)である。
好ましくは、下位式(x)では、A、B、D、E、およびFのうちの2個以上(例えば3個以上、例えば4個以上)は、C-Hである。
好ましくは、下位式(x)では、A、B、D、E、およびFのうちの1個以下(より好ましくは0個)は、独立に窒素または窒素-オキシド(N+-O-)である。
好ましくは、下位式(x)では、A、B、D、E、およびFはどれも、窒素-オキシド(N+-O-)でない。
好ましくは、Arは、下位式(x1)、(x2)、(x3)、(x4)、(x5)、(x6)、(x7)、(x8)、(x9)、(x10)、(x11)、(x12)、(x13)、(x14)、(x15)、または(x16)である下位式(x)を有する:
Figure 2007529485
より好ましくは、Arは、下位式(x1)、(x2)、(x3)、(x8)、(x13)、または(x14)である下位式(x)を有する。さらにより好ましくは、Arは、下位式(x1)、(x8)、(x13)、または(x14)である下位式(x)を有する。最も好ましくは、Arは、下位式(x1)である下位式(x)を有する。
下位式(x)では、好ましくは、R6A、R6B、R6D、R6E、および/またはR6Fは相互に独立に、水素原子(H)、フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素原子、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、C4アルキル、トリフルオロメチル、-CH2OH、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、C1フルオロアルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシまたはジフルオロメトキシ)、シクロヘキシルオキシ;シクロペンチルオキシ;ニトロ(-NO2)、OH、C1〜3アルキルS(O)2-(MeS(O)2-など)、Me-S(O)2-NH-などのC1〜3アルキルS(O)2-NH-、Me2N-S(O)2-、H2N-S(O)2-、-CONH2、-CONHMe、-C(O)OH、シアノ(-CN)、NMe2、またはMe-S(O)2-CH2-などのC1〜2アルキル-S(O)2-CH2-である。
より好ましくは、R6A、R6B、R6D、R6E、および/またはR6Fは相互に独立に、水素原子(H)、フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素原子、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、イソブチル、トリフルオロメチル、-CH2OH、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、C1フルオロアルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシまたはジフルオロメトキシ)、ニトロ(-NO2)、OH、MeS(O)2-などのC1〜3アルキルS(O)2-、Me-S(O)2-NH-などのC1〜2アルキルS(O)2-NH-、-CONH2、シアノ(-CN)、またはMe-S(O)2-CH2などのC1〜2アルキルS(O)2-CH2-である。
さらにより好ましくは、R6A、R6B、R6D、R6E、および/またはR6Fは相互に独立に、水素原子(H)、フッ素、塩素、もしくは臭素原子、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、トリフルオロメチル、-CH2OH、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、ジフルオロメトキシ、OH、またはMeS(O)2-である。
R6A、R6B、R6D、R6E、およびR6Fから選択される2個の隣接する基が一緒になる場合、好ましくは一緒になる場合、-CH=CH-CH=CH2-、-(CH2)n 14a-(式中、n14aは3、4、または5(例えば、3または4)である)、-O-(CMe2)-O-、-O-(CH2)n 14b-O-(式中、n14bは1または2である);-CH=CH-NR15b-;-N=CH-NR15b-;-N=N-NR15b(式中、R15bはHまたはC1〜2アルキル(好ましくは、R15bはHである)である)である。より好ましくは、この実施形態では、R6A、R6B、R6D、R6E、およびR6Fから選択される2個の隣接する基は一緒になって、-CH=CH-CH=CH2-または-(CH2)n 14a-(式中、n14aは3、4、または5(例えば、3または4)である)である。
下位式(x)、例えば下位式(x1)では、適切には、R6B、R6D、およびR6Eのうちの1、2、または3個は、水素原子(H)以外である。
下位式(x)、例えば下位式(x1)では、好ましくは、R6AおよびR6Fの片方または両方は独立に、水素原子(H)、フッ素原子(F)、またはメチルである。例えば、R6AおよびR6Fの片方または両方は、水素原子(H)とすることができる。
下位式(x)、例えば下位式(x1)では、適切には、環または環系は、非置換、モノ置換、ジ置換、またはトリ置換であり、好ましくは、環または環系は、モノ置換またはジ置換である。下位式(x)、例えば下位式(x1)では、環または環系のモノ置換の場合、R6A、R6B、R6D、R6E、およびR6Fから選択される1個の置換基は、適切には-(CR4R5)-側鎖(すなわち、DはCR6D(式中、R6DはH以外である)である)に対して3位または4位に存在し、あるいは2-メチル2-エチル、2-フルオロまたは2-クロロ置換基である。下位式(x)、例えば下位式(x1)では、環または環系のジ置換の場合、3,4-ジ置換、2,4-ジ置換、2,3-ジ置換または3,5-ジ置換が適切である。
好ましい一実施形態では、Arは下位式(x1)を有し、フェニル、モノアルキル-フェニル-、モノ(フルオロアルキル)-フェニル-、モノハロ-フェニル-、モノアルコキシ-フェニル-、モノ(フルオロアルコキシ)-フェニル-、モノ(N,N-ジメチルアミノ)-フェニル-、モノ(メチル-SO2-NH-)-フェニル-、モノ(メチル-SO2-)-フェニル-、ジアルキル-フェニル-、モノアルキル-モノハロ-フェニル-、モノ(フルオロアルキル)-モノハロ-フェニル-、ジハロ-フェニル-、ジハロ-モノアルキル-フェニル-、ジハロ-モノ(ヒドロキシメチル)-フェニル-(例えば、2,3-ジクロロ-6-(ヒドロキシメチル)-フェニル-)、または3,4-ジメトキシ-フェニル-などのジアルコキシ-フェニル-である。置換基は、好ましくはさらに本明細書の好ましい実施形態で定義するように定義することができる。
好ましい一実施形態では、Arは下位式(x1)を有し、モノアルキル-フェニル-、モノ(フルオロアルキル)-フェニル-、モノハロ-フェニル-、モノアルコキシ-フェニル-、モノ(フルオロアルコキシ)-フェニル-、ジアルキル-フェニル-、モノアルキル-モノハロ-フェニル-、ジハロ-フェニル-、またはジハロ-モノアルキル-フェニル-である。
より好ましくは、この実施形態では、Arは
-4-C1〜4アルキル-フェニル-(例えば、4-C1〜3アルキル-フェニル-)や2-C1〜2アルキル-フェニル-などのモノC1〜4アルキル-フェニル-またはモノC1〜3アルキル-フェニル-;
-4-C1フルオロアルキル-フェニル-などのモノC1フルオロアルキル-フェニル-;
-4-C1〜3アルコキシ-フェニル-や3-C1〜3アルコキシ-フェニル-などのモノC1〜3アルコキシ-フェニル-;
-4-C1フルオロアルコキシ-フェニル-などのモノ(C1フルオロアルコキシ)-フェニル-;
-ジC1〜3アルキル-フェニル-、またはジC1〜2アルキル-フェニル-、または3,4-ジメチル-フェニル-、2,4-ジメチル-フェニル-、3,5-ジメチル-フェニル-、2,3-ジメチル-フェニル-、もしくは2,5-ジメチル-フェニル-などのジメチル-フェニル-;例えば、3,4-ジメチル-フェニル-、2,4-ジメチル-フェニル-、2,3-ジメチル-フェニル-、または3,5-ジメチル-フェニル-;
-モノC1〜2アルキル-モノハロ-フェニル-などのモノC1〜3アルキル-モノハロ-フェニル-、および/またはモノC1〜3アルキル-モノクロロ-フェニル-もしくはモノC1〜3アルキル-モノフルオロ-フェニル-、例えば4-メチル-3-クロロ-フェニル-、3-メチル-4-クロロ-フェニル-、もしくは2-メチル-4-クロロ-フェニル-;
-2-クロロ-4-フルオロフェニル-、または2,4-ジフルオロ-フェニル-、または4-ブロモ-2-フルオロフェニル-、または好ましくは4-クロロ-2-フルオロフェニル-などのジハロ-フェニル-;例えば、3,4-ジクロロ-フェニル-、または2,4-ジクロロ-フェニル-、または2,6-ジクロロ-フェニル-、または好ましくは2,3-ジクロロ-フェニル-などのジクロロ-フェニル-;あるいは
-ジハロ-モノC1〜2アルキル-フェニル-、例えば2,4-ジクロロ-6-メチル-フェニル-である。
一代替実施形態では、Arは下位式(z)を有する。
好ましくは、下位式(z)では、J、L、M、およびQのうちの3個以上(例えば全部)は独立に、C-H、C-F、C-C1〜2アルキル(例えば、C-Me)、C-[式(I)への接続点]、または窒素(N)である。
好ましくは、下位式(z)では、J、L、M、およびQのうちの2個以下(例えば、1個以下)は窒素(N)である。
適切には、Qは、C-[式(I)への接続点]である。
適切には、R9は、水素原子(H)またはメチルである。
適切には、R6J、R6L、R6M、および/またはR6Qは独立に、水素原子(H);フルオロ;クロロ;C1〜2アルキル(例えば、メチル);C1フルオロアルキル(例えば、CF3);C1〜2アルコキシ(メトキシ);C1フルオロアルコキシ(例えば、CF2HO-);OH(その互変異性体を含めて);またはフルオロ、メチル、C1フルオロアルキル、メトキシ、もしくはC1フルオロアルコキシである1個の置換基で場合によっては置換されていてもよいフェニルである。より適切には、R6J、R6L、R6M、および/またはR6Qは独立に、H、OH(そのケト互変異性体を含めて)、またはより好ましくは、C1〜2アルキル(例えば、メチル)またはC1フルオロアルキルである。
Arが下位式(z)を有する場合、下位式(z)は、適切には下記の1個とすることができる:
Figure 2007529485
本発明の別の態様では、Arはフェニルであり、かつR6A、R6B、R6D、R6E、およびR6Fは独立に、H、C1〜2アルキル、C1〜2アルコキシ、またはハロゲンである。
Arの代表例としては、4-クロロ-2-メチルフェニル、4-メトキシフェニル、3,4-ジメチルフェニル、4-クロロフェニル、およびフェニルがある。
好ましくは、式(I)の化合物またはその塩は、式(IA)の化合物またはその塩である:
Figure 2007529485
式(IA)は、存在する化合物または塩の50%超がR4およびR5基を有する炭素原子において上に示すような立体化学を有することを意味する。
好ましくは、R4およびR5基を有する炭素原子における立体化学は、R4およびR5基を有する炭素原子におけるエナンチオマー過剰率(e.e.)が50%以上であるようなものである(他のいかなる炭素原子における立体化学を無視する)。より好ましくは、R4およびR5基を有する炭素原子におけるエナンチオマー過剰率(e.e.)は、70%以上または80%以上、さらにより好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上である(他のいかなる炭素原子における立体化学を無視する)。
「エナンチオマー過剰率」(e.e.)を、存在する微量の異性体の百分率を差し引いた存在する主要な異性体の百分率として定義する。例えば、主要な異性体が95%存在し、かつ微量の異性体が5%存在する場合、e.e.は90%であるはずである。
本発明の別の態様では、式(IA)において、R4は水素原子(H)ではない。この態様では、式(IA)において、R4は、例えばメチル、エチル、C1フルオロアルキル(CF3など)、-CH2OH、または-CH2OMeとすることができる。
本発明の別の態様では、式(IA)において、R5は水素原子(H)であるが、R4は水素原子(H)でない。
式(I)の化合物またはその塩は、
N-[(4-クロロ-2-メチルフェニル)メチル]-6-シクロプロピル-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
6-シクロプロピル-1-エチル-N-(フェニルメチル)-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
6-シクロプロピル-1-エチル-N-{[4-(メチルオキシ)フェニル]メチル}-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
6-シクロプロピル-N-[(3,4-ジメチルフェニル)メチル]-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
N-[1-(4-クロロフェニル)エチル]-6-シクロプロピル-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
N-[1-(4-クロロフェニル)プロピル]-6-シクロプロピル-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
1-エチル-N-(フェニルメチル)-6-プロピル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
1-エチル-N-{[4-(メチルオキシ)フェニル]メチル}-6-プロピル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
N-[(4-クロロ-2-メチルフェニル)メチル]-1-エチル-6-プロピル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
N-[(3,4-ジメチルフェニル)メチル]-1-エチル-6-プロピル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-1-エチル-6-プロピル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
1,6-ジエチル-N-(フェニルメチル)-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
1,6-ジエチル-N-{[4-(メチルオキシ)フェニル]メチル}-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
N-[(3,4-ジメチルフェニル)メチル]-1,6-ジエチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-1,6-ジエチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
N-[1-(4-クロロフェニル)プロピル]-1,6-ジエチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
6-シクロブチル-1-エチル-N-(フェニルメチル)-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
6-シクロブチル-1-エチル-N-{[4-(メチルオキシ)フェニル]メチル}-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメチル)-N-[(3,4-ジメチルフェニル)メチル]-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
6-シクロブチル-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
N-[(4-クロロ-2-メチルフェニル)メチル]-6-シクロブチル-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
N-[1-(4-クロロフェニル)エチル]-6-シクロブチル-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
N-[1-(4-クロロフェニル)プロピル]-6-シクロブチル-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメチル)-1-エチル-N-(フェニルメチル)-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメチル)-N-[(3,4-ジメチルフェニル)メチル]-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメチル)-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
N-[1-(4-クロロフェニル)エチル]-6-(シクロプロピルメチル)-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
6-シクロペンチル-1-エチル-N-(フェニルメチル)-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;または
6-シクロペンチル-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド
またはその塩、例えば薬剤として許容できるその塩であることが特に好ましい。
これらの特有の化合物の構造を、本明細書の下記の実施例1〜29に示す。
あるいは、式(I)の化合物またはその塩は、化合物またはその塩、例えば薬剤として許容できるその塩として、実施例1〜29のうちの1つであることが特に好ましい。これらの特有の化合物の構造を、本明細書の下記の実施例1〜29に示し、その名称を実施例のセクションに記載する。
別の態様では、本発明は、
N-[(4-クロロ-2-メチルフェニル)メチル]-6-シクロプロピル-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
6-シクロプロピル-1-エチル-N-(フェニルメチル)-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
6-シクロプロピル-1-エチル-N-{[4-(メチルオキシ)フェニル]メチル}-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
6-シクロプロピル-N-[(3,4-ジメチルフェニル)メチル]-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;
N-[1-(4-クロロフェニル)エチル]-6-シクロプロピル-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド;または
N-[1-(4-クロロフェニル)プロピル]-6-シクロプロピル-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド
またはその塩、例えば薬剤として許容できるその塩からなる群から選択される式(I)の化合物またはその塩を提供する。
潜在的に医薬にそれを使用するため、式(I)の化合物の塩は、好ましくは薬剤として許容できる。適切な薬剤として許容できる塩としては、酸または塩基付加塩があり得る。
薬剤として許容できる酸付加塩は、式(I)の化合物と適切な無機または有機酸(臭化水素酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、コハク酸、マレイン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、安息香酸、サリチル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸などのナフタレンスルホン酸、またはヘキサン酸など)を、場合によっては有機溶媒など適切な溶媒中で反応させて、塩を得ることにより形成することができ、通常は例えば結晶化および濾過により単離される。式(I)の化合物の薬剤として許容できる酸付加塩は、場合によっては、例えば臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩(例えば、2-ナフタレンスルホン酸塩)またはヘキサン酸塩であり、あるいはそれを含むことができる。
薬剤として許容できる塩基付加塩は、式(I)の化合物と適切な無機または有機塩基(例えば、トリエチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン、コリン、アルギニン、リジン、またはヒスチジン)を、場合によっては有機溶媒など適切な溶媒中で反応させて、塩基付加塩を得ることにより形成することができ、通常は例えば結晶化および濾過により単離される。
薬剤として許容できる他の適切な塩には、薬剤として許容できる金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、またはマグネシウム塩など薬剤として許容できるアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩;具体的には、式(I)の化合物に存在している場合がある1個または複数のカルボン酸部分の薬剤として許容できる金属塩が含まれる。
他の薬剤として許容できない塩、例えばシュウ酸塩は、例えば本発明の化合物の単離において使用してもよく、本発明の範囲内に含まれる。
本発明は、その範囲内に、式(I)の化合物のあり得る化学量論型および非化学量論型の塩をすべて含む。
本発明の範囲内には、本発明の化合物および塩の溶媒和物、水和物、および錯体も含まれる。
本発明に含まれるいくつかの基、置換基、化合物、または塩は、異性体として存在することができる。本発明は、その範囲内に、ラセミ化合物、エナンチオマー、およびその混合物を含めて、そのような異性体をすべて含む。
定義された異性体配置、例えば立体化学的配置が記述または特許請求されている本発明による化合物または塩、薬剤組成物、使用、治療/予防方法、調製方法などでは、本発明は、(a)記述または特許請求されている配置である化合物または塩の主成分を、(b)記述または特許請求されている配置でない化合物または塩の1つまたは複数の微量成分と共に含む混合物を含む。好ましくは、このような混合物では、記述または特許請求されている配置である化合物または塩の主成分は、モル濃度基準で、混合物に存在する化合物または塩の全量の70%以上、または75%以上、より好ましくは85%以上、さらにより好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、さらにより好ましくは98%以上である。
様々な異性体/立体化学成分の混合物中の一異性体/立体化学成分の百分率、ならびに適切な場合にはエナンチオマーおよび/またはジアステレオマー過剰率は、当技術分野で知られている技法を使用して測定することができる。このような方法には、下記が含まれる:
(1)キラル剤の存在下、NMR(例えば、1H NMR)分光法を使用した測定。様々な異性体中の所与の原子のNMRピークを様々なピーク位置に分割する適切なキラル剤の存在下で、化合物/塩混合物の核磁気共鳴(NMR)スペクトル(好ましくは、1H NMRスペクトル、および/または例えばCDCl3またはD6-DMSO溶媒での液相NMRスペクトル)を測定することができる。キラル剤は、i)化合物/塩と反応して、例えばジアステレオマーの混合物を形成する光学的に純粋な試薬、ii)キラル溶媒、iii)化合物/塩と一緒になって、過渡種(例えば、ジアステレオマー種)を形成するキラル分子、またはiv)キラルシフト試薬とすることができる。例えば、J.March、「Advanced Organic Chemistry」、4th edn.,1992,125-126、およびその中に引用されている参考文献138〜146を参照のこと。キラルシフト試薬は、トリス[3-トリフルオロアセチル-d-カンフォラート]ユウロピウム-(III)や、Morrill、「Lanthanide Shift Reagents in Stereochemical Analysis」、VCH,New York,1986に記載のような他のものなどのキラルランタニドシフト試薬とすることができる。使用するキラル剤がどんなものであれ、通常は、様々な異性体中の所与の原子または基のNMRピークの相対積分値(強度)は、存在する各異性体の相対量の測定値を与えることができる。
(2)キラルクロマトグラフィーを使用する、特に分析規模での測定。様々な異性体成分を分離する適切なキラムカラムを使用して、例えばHPLCなどのガスまたは液体クロマトグラフィーを使用し、かつ/あるいは例えば分析規模で分離を行うことができる。各異性体のピークを積分することができ(各ピーク下面積)、かつ存在する様々な異性体の積分値の比較または比は、存在する各異性体成分の百分率の測定値を与えることができる。例えば、「Chiral Chromatography」、Separation Science Series Author:T.E.BeesleyおよびR.P.W.Scott,John Wiley & Sons,Ltd.、英国チェチェスター(Chichester,UK)、1998、電子ブックISBN:0585352690,Book ISBN:0471974277を参照のこと。
(3)本発明の化合物/塩である既存のジアステレオマー混合物の分離は、(通常は、誘導体化せず直接に)ガスまたは液体クロマトグラフィーなどの分離技法を使用して実現することができる。それによって、ジアステレオマー比および/または過剰を、例えば相対ピーク面積または相対分離質量から導くことができる。
(4)キラル/光学活性剤を用いた変換、および得られた異性体、例えばジアステレオマーのその後の分離。変換は、化合物/塩の誘導体化できる基(例えば、-OH、-NHR)を光学活性誘導体化基(例えば、光学活性酸塩化物または酸無水物)で誘導体化することを経由する場合があり、あるいは+や-のジ-para-トルオイル酒石酸などの光学活性酸または塩基で化合物を処理することにより、化合物の酸または塩基付加塩を形成することを経由する場合がある。誘導体化した後、得られた異性体、例えばジアステレオマーは、ガスまたは液体クロマトグラフィー(通常は、非キラル)を使用して分離することができ、あるいは(特に異性体塩では)、単一の異性体塩、例えばジアステレオ異性体塩の選択的結晶化によって分離することができる。クロマトグラフィーピーク面積または分離した各異性体の質量の測定値を使用して、異性体比および/または過剰を決定することができる。
例えば、J.March、「Advanced Organic Chemistry」、4th edn.,1992,120-121および126、ならびにこの中に引用されている参考文献105〜115および147〜149を参照のこと。
(5)混合物の光学活性[α]の測定、および可能である場合は純粋な異性体[α]maxの光学活性との比較(例えば、J.March、「Advanced Organic Chemistry」、4th edn.,1992,125、およびその中に引用されている参考文献138〜139を参照のこと)。これから、[α]と濃度の実質的に直線の関係が推定される。
式(I)の化合物またはその塩に含まれる特定の基、例えばヘテロ芳香族環系は、1つまたは複数の互変異性型として存在することができる。本発明は、その範囲内に、混合物を含めてそのような互変異性型をすべて含む。
特に、薬剤の経口使用を意図している場合、式(I)の化合物は、場合によっては、1000以下、例えば800以下、具体的には650以下、または600以下の分子量を有することができる。分子量は、ここでは付加塩、溶媒(例えば、水)分子などによって寄与された分子量を除外した溶媒和していない「遊離塩基」化合物のそれを指す。
下記のプロセスを使用して、本発明の化合物を作製することができる:
Figure 2007529485
プロセスA
式(I)(式中、W=-CR4R5Ar)の化合物を形成するために、式(II)のカルボン酸を式(III)の活性化合物(式中、X1=アミン(下記に定義する)で置換可能な離脱基)に変換することができ、続いて活性化合物を式ArCR4R5NH2のアミンと反応させることができる。
Figure 2007529485
例えば、活性化合物(式(III)の化合物)は、酸塩化物とすることができる。これは、カルボン酸(II)から、例えばクロロホルムなどの有機溶媒中、または溶媒なしで塩化チオニルと反応させることによって形成することができる。あるいは、活性化合物(式(III)の化合物)は、活性エステル(式中、離脱基X1は下記である)とすることができる。
Figure 2007529485
後者の式(III)の活性化合物は、カルボン酸(II)から、
(a)通常はジメチルホルムアミド(DMF)やアセトニトリルなどの溶媒(好ましくは無水物)の存在下で、かつ/または好ましくは無水条件下で、かつ/または通常は室温(例えば、約20〜約25℃)で、カルボン酸と、1-エチル-3-(3'-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよびまた1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドであるEDCなどのカルボジイミドまたはその塩、例えば塩酸塩を反応させ、好ましくは続いて、得られた生成物と1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)を反応させることによって、あるいは、
(b)2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸塩(TBTU)またはO-(7-アザベンゾトリアゾル-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HATU)を、ジイソプロピルエチルアミン(iPR2NEt=DIPEA)などの塩基の存在下で、かつ通常はジメチルホルムアミド(DMF)やアセトニトリルなどの溶媒の存在下で、かつ/または例えば無水条件下で、かつ/または通常は室温(例えば、約20〜約25℃)で反応させることによって形成することができる。
式(II)の化合物は、式(IV)のエステルの加水分解により調製することができる。この手順は、好ましくは、(IV)と
(a)塩基、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを、溶媒、例えば水性エタノールや水性ジオキサンなどの水性溶媒中で、あるいは
(b)塩酸などの酸を、溶媒、例えば水性ジオキサンなどの水性溶媒中で反応させるものである。
Figure 2007529485
式(IV)の化合物は、例えばYuらによってJ.Med Chem.,2001,44,1025-1027に記載のような方法に従って、式(V)の化合物を式R3NH2のアミンと反応させることにより調製することができる。反応は、好ましくはトリエチルアミンやN,N-ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下で、かつ/またはエタノール、ジオキサン、1-メチル-2-ピロリジノン(NMP)、もしくはアセトニトリルなどの有機溶媒中で実施する。反応は、例えば約60〜180℃、例えば約140〜160℃に加熱する必要があり得る:
Figure 2007529485
式(V)の化合物も、上記の参考文献に記載されており、式(VI)の化合物と例えば[クロロ(シクロプロピル)メチレン]マロン酸ジエチル(VII)(式中、X3=Et)を加熱しながら反応させ、続いてやはり加熱しながら、オキシ塩化リンと反応させることにより調製することができる:
Figure 2007529485
式(VII)の化合物も、上記の参考文献に記載されており、マロン酸誘導体、例えば(シクロプロピルカルボニル)マロン酸ジエチル(VIII)を、トリブチルアミンなどの塩基の存在下でオキシ塩化リンと反応さえることにより調製することができる。反応は、例えば約80〜130℃、例えば約100〜120℃に加熱する必要があり得る:
Figure 2007529485
式(VII)の化合物も、上記の参考文献に記載されており、マロン酸ジエチル(IX)を、マグネシウム粉末、続いて酸塩化物、例えばシクロプロピルカルボニルクロリド(X)と反応させることにより調製することができる。
Figure 2007529485
式(VI)の所望のアミノピラゾールが、市販されていない場合には、DorganらによってJ.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,(4),938-42;1980に記載されている方法を使用して、シアノエチルヒドラジンと式R40CHOの適切なアルデヒドをエタノールなどの溶媒中で加熱して反応させ、続いて例えばナトリウムを用いてt-ブタノールなどの溶媒中で還元させることによって調製を実現することができる。R40は、R1より1個少ない炭素原子を含有するように選択すべきである。例えば、R40=メチルは、R1=エチルをもたらす。
Figure 2007529485
プロセスAの代替実施形態では、式(V)の化合物中の4-クロロ置換基を、臭素原子などの別のハロゲン原子で、または式R3NH2のアミンで置換可能な別の適切な離脱基で置換することができる。離脱基は、例えば-OC1〜4アルキル(具体的には、-OEt)などのアルコキシ基-OR35、または基-O-S(O)2-R37(式中、R37は、C1〜8アルキル(例えば、メチルなどのC1〜4アルキルまたはC1〜2アルキル)、C1〜6フルオロアルキル(例えば、CF3やC4F9などのC1〜4フルオロアルキルまたはC1〜2フルオロアルキル)、あるいは独立にC1〜2アルキル、ハロゲン、またはC1〜2アルコキシの1もしくは2個で場合によっては置換されているフェニル(フェニルや4-メチル-フェニルなど)である)とすることができる。反応は、溶媒を用いてまたは用いずに実施することができ、かつ加熱する必要があり得る。
プロセスB
式(I)の化合物は、式(XI)の化合物と式R3NH2のアミンを反応させることによって調製することができる。反応を、好ましくはトリエチルアミンやN,N-ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下で、かつ/またはエタノール、THF、ジオキサン、またはアセトニトリルなどの有機溶媒中で実施する。反応は、例えば約60〜100℃、または約80〜90℃に、例えば8〜48または12〜24時間加熱する必要があり得る。
Figure 2007529485
式(XI)の化合物を2段階手順でBareら、J.Med.Chem.1989,32,2561-2573に記載の通りに調製することができる。このプロセスは、まず式(XII)の化合物と、塩化チオニル(または酸塩化物をカルボン酸から形成するのに適した別の作用物質)を、クロロホルムやTHFなどの有機溶媒中、または無溶媒の溶液として反応させるものである。この反応は、加熱する必要があり得、このようにして形成された中間体は、単離してもしなくてもよい。第2ステップは、式WNH2のアミンを、THFやクロロホルムなどの有機溶媒中で反応するものであり、かつトリエチルアミンやジイソプロピルエチルアミンなどの塩基を使用するものでもあり得る。
Figure 2007529485
式(XII)の化合物は、YuらによってJ.Med Chem.,2001,44,1025-1027に記載されている方法に従って、式(V)のエステルの加水分解によって調製することができる。この手順は、好ましくは水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの塩基を、溶媒、例えば水性エタノールや水性ジオキサンなどの水性溶媒中で反応させるものである。
Figure 2007529485
プロセスBの一代替実施形態では、式(IV)の化合物中の4-クロロ置換基を臭素原子などの別のハロゲン原子で置換することができる。
プロセスC
式(IV)の化合物は、式(XIII)の化合物を式R1-X4のアルキル化剤(式中、X4は、式(XIII)の化合物の1位ピラゾロピリジン窒素原子で置換できる離脱基である)と反応させることにより調製することができる:
Figure 2007529485
式R1-X4の適切なアルキル化剤を使用することができる。例えば、X4は、塩素原子などのハロゲン原子、またはより好ましくは臭素もしくはヨウ素原子とすることができ、あるいはX3は、-O-S(O)2-R36(式中、R36はC1〜8アルキル(例えば、メチルなどのC1〜4アルキルまたはC1〜2アルキル)、C1〜6フルオロアルキル(例えば、CF3やC4F9などのC1〜4フルオロアルキルまたはC1〜2フルオロアルキル)、またはフェニル(ただし、フェニルは、独立にC1〜2アルキル、ハロゲン、またはC1〜2アルコキシ(フェニルや4-メチル-フェニルなど)のうちの1または2個で場合によっては置換されていてもよい)とすることができる。反応は、好ましくは塩基の存在下で実施する。塩基は、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、またはポリマーに結合した2-tert-ブチルイミノ-2-ジエチルアミノ-1,3-ジメチル-ペルヒドロ-1,3,2-ジアザホスホリンなど塩基性樹脂もしくはポリマーを含み、またはそれらであり得る。反応は、好ましくは溶媒、例えばDMFなどの有機溶媒の存在下で実施する。溶媒は好ましくは無水である。
式(XIII)の化合物は、化合物(IV)の調製に使用されたものと類似している方法を使用して、式(V)(R1=H)の化合物を式R3NH2のアミンと反応させることにより調製することができる。反応は、好ましくはトリエチルアミンまたはN,N-ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下で、かつ/あるいはエタノール、ジオキサン、またはアセトニトリルなどの有機溶媒中で実施する。反応は、例えば約60〜100℃、例えば約80〜90℃に加熱する必要があり得る:
Figure 2007529485
プロセスD:式(I)〜(IV)の一化合物またはその塩から式(I)〜(IV)の別の化合物またはその塩への変換
式(I)〜(IV)の一化合物またはその塩を、式(I)〜(IV)の別の化合物またはその塩に変換することができる。この変換は、例えば下記のプロセスD1〜D7のうちの1つまたは複数であり、あるいはそれを含むことが好ましい。
D1.ケトンから対応するオキシムへの変換。
D2.酸化プロセス。例えば、酸化プロセスは、アルコールからケトンへの酸化(例えば、ジョーンズ試薬を使用)またはアルコールもしくはケトンからカルボン酸への酸化であり、あるいはそれを含むことができる。
D3.還元プロセス、例えばケトンまたはカルボン酸からアルコールへの還元。
D4.アルキル化、例えばアミンまたはヒドロキシ基のアルキル化。
D5.加水分解、例えばエステルから対応するカルボン酸またはその塩への加水分解。
D6.脱保護、例えばアミン基の脱保護(例えば、脱アシル化またはt-ブチルオキシカルボニル(BOC)除去)。
D7.例えば対応するカルボン酸からエステルまたはアミドの形成。
本発明は、ヒトなどの哺乳類において活性治療物質として使用するための式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩も提供する。化合物または塩を、本明細書に記載する疾患/病態のいずれかの治療および/または予防に使用するための(例えば、哺乳類において炎症性および/またはアレルギー性疾患の治療および/または予防に使用するための)ものとすることができ、かつ/あるいは例えばホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤として使用するなどホスホジエステラーゼ阻害剤として使用するためのものとすることができる。「治療」は、処置および/または予防を包含することができる。
ヒトなどの哺乳類において本明細書に記載する疾患/病態のいずれかの治療および/または予防、例えばヒトなどの哺乳類において炎症性および/またはアレルギー性疾患の治療および/または予防のための医薬品(例えば、薬剤組成物)の製造における、式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩の使用も提供されている。
それを必要とする哺乳類(例えば、ヒト)において本明細書に記載する疾患/病態のいずれかの治療および/または予防の方法、例えばそれを必要とする哺乳類(例えば、ヒト)において炎症性および/またはアレルギー性疾患の治療および/または予防の方法も提供され、この方法は、哺乳類(例えば、ヒト)に、治療上有効量の本明細書に定義するような式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩を投与するステップを含む。
ホスホジエステラーゼ4阻害剤は、ヒトなどの哺乳類において様々な疾患/病態、特に炎症性および/またはアレルギー性疾患、例えば:喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(例えば、慢性気管支炎および/または肺気腫)、アトピー性皮膚炎、じんま疹、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、春季カタル、好酸球性肉芽腫、乾癬、リウマチ様関節炎、敗血症性ショック、潰瘍性大腸炎、クローン病、心筋および脳の再潅流障害、慢性糸球体腎炎、内毒素性ショック、成人呼吸窮迫症候群、多発性硬化症、認知機能障害(例えば、アルツハイマー病などの神経疾患における)、うつ病、または疼痛の治療および/または予防に有用であると思われる。潰瘍性大腸炎および/またはクローン病はまとめて炎症性腸疾患と呼ばれることが多い。
治療および/または予防では、炎症性および/またはアレルギー性疾患は、好ましくは哺乳類(例えば、ヒト)における慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、リウマチ様関節炎、アレルギー性鼻炎である。より好ましくは、治療および/または予防は、哺乳類(例えば、ヒト)におけるCOPD、または喘息に関する。
PDE4阻害剤は、喘息の治療において有効であると考えられる(例えば、M.A.Giembycz,Drugs,Feb.2000,59(2),193-212;Z.Huangら、Current Opinion in Chemical Biology,2001,5:432-438;H.J.Dykeら、Expert Opinion on Investigational Drugs,January 2002,11(1),1-13;C.Burnoufら、Current Pharmaceutical Design,2002,8(14),1255-1296;A.M.Doherty、Current Opinion Chem.Biol.,1999,3(4),466-473;および上記の刊行物に引用されている参考文献を参照のこと)。
PDE4阻害剤は、COPDの治療において有効であると思われる。例えば、S.L.Wolda、Emerging Drugs,2000,5(3),309-319;Z.Huangら、Current Opinion in Chemical Biology,2001,5:432-438;H.J.Dykeら、Expert Opinion on Investigational Drugs,January 2002,11(1),1-13;C.Burnoufら、Current Pharmaceutical Design,2002,8(14),1255-1296;A.M.Doherty、Current Opinion Chem.Biol.,1999,3(4),466-473;および上記の刊行物に引用されている参考文献;ならびにG.Krishnaら、Expert Opinion on Investigational Drugs,2004,13(3),255-267を参照のこと(特に、259〜261頁、ならびにその中の参考文献102〜111および201を参考のこと)。COPDは、慢性気管支炎および/または肺気腫のため気流閉塞の存在を特徴とすることが多い(例えば、S.L.Wolda、Emerging Drugs,2000,5(3),309-319を参照のこと)。
PDE4阻害剤は、アレルギー性鼻炎の治療において有効であると考えられる(例えば、B.M.Schmidtら、J.Allergy & Clinical Immunology,108(4),2001,530-536を参照のこと)。
PDE4阻害剤は、リウマチ様関節炎および多発性硬化症の治療において有効であると考えられる(例えば、H.J.Dykeら、Expert Opinion on Investigational Drugs,January 2002,11(1),1-13;C.Burnoufら、Current Pharmaceutical Design,2002,8(14),1255-1296;およびA.M.Doherty,Current Opinion Chem.Biol.,1999,3(4),466-473;ならびにこれらの刊行物に引用されている参考文献を参照のこと)。例えば、A.M.Doherty,Current Opinion Chem.Biol.,1999,3(4),466-473およびこれらの刊行物に引用されている参考文献を参照のこと。
PDE4阻害剤は鎮痛性を有し、したがって疼痛の治療に有効であることが示唆されている(A.Kumarら、Indian J.Exp.Biol.,2000,38(1),26-30)。
本発明では、治療および/または予防は、認知機能障害、例えばアルツハイマー病などの神経疾患における認知機能障害に関するものとすることができる。例えば、治療および/または予防は、例えば神経疾患における認知能力の向上を含むことができる。例えば、H.T.Zhangら、Psychopharmacology,June 2000,150(3),311-316およびNeuropsychopharmacology,2000,23(2),198-204、ならびにT.Egawaら、Japanese J.Pharmacol.,1997,75(3),275-81を参照のこと。
ロリプラムなどのPDE4阻害剤は、抗うつ性を有することが示唆されている(例えば、J.Zhuら、CNS Drug Reviews,2001,7(4),387-398;O'Donnell,Expert Opinion on Investigational Drugs,2000,9(3),621-625;H.T.Zhangら、Neuropsychopharmacology,October 2002,27(4),587-595。
医療における使用では、本発明の化合物を、通常は薬剤組成物として投与する。
したがって、本発明は、別の態様で、式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩、ならびに1つまたは複数の薬剤として許容できる担体および/または賦形剤を含む薬剤組成物を提供する。
薬剤組成物は、本明細書に記載する病態の治療および/または予防に使用するためのものとすることができる。
本発明は、本明細書に定義するような式(I)の化合物、または薬剤として許容できるその塩、ならびに1つまたは複数の薬剤として許容できる担体および/もしくは賦形剤を含む薬剤組成物の調製方法であって、
化合物または塩と、1つまたは複数の薬剤として許容できる担体および/もしくは賦形剤を混合するステップを含む方法も提供する。
本発明は、前記方法によって調製される薬剤組成物も提供する。
式(I)の化合物および/または薬剤組成物を、例えば経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、または筋肉内)、吸入、または鼻腔内投与によって投与することができる。したがって、薬剤組成物は好ましくは、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、または筋肉内)、吸入、または鼻腔内投与に適する(例えば、適合する)ことができる。より好ましくは、薬剤組成物は、例えばヒトなどの哺乳類への吸入または経口投与に適している。吸入投与は、例えばエアゾールまたは乾燥粉末組成物によって肺に局所投与するものである。ヒトへの経口投与が最も好ましい。
経口投与に適した薬剤組成物は、液体または固体とすることができる。例えば、シロップ、懸濁液、もしくは乳濁液、錠剤、カプセル剤、またはロゼンジとすることができる。
液体製剤は、一般に適切な薬剤として許容できる液体担体、例えば水、エタノール、もしくはグリセリンなどの水性溶媒、またはポリエチレングリコールもしくはオイルなどの非水性溶媒での化合物または薬剤として許容できる塩の懸濁液または溶液からなる。製剤は、懸濁化剤、防腐剤、矯味剤、および/または着色剤を含有することもできる。
錠剤である経口投与用の薬剤組成物は、錠剤製剤を調製するのに適した1つまたは複数の薬剤として許容できる担体および/または賦形剤を含むことができる。担体は、例えばラクトース、セルロース(例えば、微結晶セルロース)、またはマンニトールとすることができ、またはそれらを含むことができる。錠剤は、1つまたは複数の薬剤として許容できる賦形剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースやポビドン(ポリビニルピロリジン)などの結合剤、滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムなどのステアリン酸アルカリ土類金属、および/またはデンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、またはクロスポピドン(架橋ポリビニルピロリジン)などの錠剤崩壊剤も含有することができ、または代わりに含有することができる。錠剤である薬剤組成物は、(i)本明細書に定義するような式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩と、1つまたは複数の薬剤として許容できる担体および/または賦形剤を混合するステップと、(ii)得られた混合物(通常は、粉末の形である)を錠剤に圧縮するステップと、(iii)場合によっては、錠剤を錠剤フィルムコーティング材料で被覆するステップを含む方法によって調製することができる。
カプセルである経口投与に好適な薬剤組成物剤は、カプセル化手順を使用して調製することができる。例えば、有効成分を含有するペレットまたは粉末を、適切な薬剤として許容できる担体を使用して調製し、次いで硬質ゼラチンカプセルに充填することができる。あるいは、分散液または懸濁液を、適切な薬剤として許容できる担体、例えば水性ガムまたは油を使用して調製し、次いで分散液または懸濁液を軟質ゼラチンカプセルに充填することができる。
好ましくは、組成物は、経口投与用、例えばヒトへの経口投与用の錠剤やカプセル剤などの単位用量形態である。
非経口組成物は、無菌の水性担体または非経口剤として許容できるオイルでの化合物または薬剤として許容できる塩の溶液または懸濁液を含むことができる。あるいは、溶液を凍結乾燥することができる。凍結乾燥された非経口薬剤組成物を、投与する直前に適切な溶媒で戻すことができる。
鼻腔内または吸入投与用組成物は、通常はエアゾール、ドロップ、ゲル、または乾燥粉末として調製することができる。
例えば吸入投与用のエアゾール製剤は、薬剤として許容できる水性または非水溶媒にとかした活性物質の溶液または微細懸濁液を含むことができる。エアゾール製剤は、単回または複数回の投与量を無菌の形で、噴霧装置または吸入器での使用向けのカートリッジまたはリフィル(refill)の形とすることができるシール容器で提供することができる。あるいは、シール容器は、単回投与鼻腔内吸入器や、定量弁を備えたエアゾールディスペンサー(定量吸入器)などの単位分注装置とすることができ、ひとたび容器の内容物が使い果たされれば廃棄するためのものである。
剤形がエアゾールディスペンサーを含む場合では、好ましくは加圧下で、圧縮空気、二酸化炭素、あるいはクロロフルオロ炭素(CFC)、またはヒドロフルオロカーボン(HFC)などの有機噴射材など適切な噴射材を含む。適切なCFC噴射材としては、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、およびジクロロテトラフルオロエタンがある。適切なHFC噴射材としては、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンおよび1,1,1,2-テトラフルオロエタンがある。エアゾール剤形は、ポンプ-噴霧器の形を取ることもできる。
吸入投与に適したおよび/または適合する薬剤組成物では、式(I)の化合物または塩は、粒径が低減された形であることが好ましく、より好ましくは、粒径が低減された形は微粒子化によって得ることができ、または得ることが可能となり得る。微粒子化は、通常は化合物/塩を、しばしばサイクロン要素を含む流れの速い環状または螺旋/渦状の空気流中で衝突力および/または磨耗力に曝すものである。粒径が低減された(例えば、微粉化された)化合物または塩の好ましい粒径は、(例えば、レーザー回折を使用して測定して)約0.5〜約10ミクロン、例えば約1〜約7ミクロンのD50値で定義される。例えば、式(I)の化合物または塩は、例えばレーザー回折を使用して測定して、約0.3〜約3ミクロン(例えば、約0.5〜約2ミクロンまたは約1ミクロン)のD10、および/または約0.5〜約10ミクロンまたは約1〜約7ミクロン(例えば、約2〜約5ミクロンまたは約2〜約4ミクロン)のD50、および/または約1〜約30ミクロンまたは約2〜約20ミクロンまたは約3〜約15ミクロン(例えば、約5〜約15ミクロンまたは約5〜約10ミクロン)のD90で定義される粒径を有することが好ましい。
粒径測定では、D90、D50、およびD10はそれぞれ、材料の90%、50%、および10%が指定されたミクロンサイズより小さいことを意味する。D50は、中央粒径である。DV90、DV50、およびDV10はそれぞれ、材料の90体積%、50体積%、および10体積%が指定されたミクロンサイズより小さいことを意味する。DM90、DM50、およびDM10はそれぞれ、材料の90重量%、50重量%、および10重量%が指定されたミクロンサイズより小さいことを意味する。
粒径のレーザー回折測定は、乾式方法(気流中での化合物/塩の懸濁液が、レーザー光線と交差する)、または湿式方法[イソオクタンや(例えば、化合物がイソオクタンに可溶である場合は)0.1% Tween 80水溶液などの液体分散媒体中での化合物/塩の懸濁液が、レーザー光線と交差する]を使用することができる。レーザー回折では、好ましくはFraunhofer計算を用いて粒径を計算し、かつ/または好ましくは、測定にMalvern MastersizerまたはSympatec装置を使用する。例えば、レーザー回折による粒径測定および/または解析は、下記のいずれかまたは全部(好ましくは全部)を使用することができる:Malvern Mastersizer長床版、0.1% Tween 80水溶液の分散媒体、約1500rpmの攪拌速度、最終分散および解析の前に約3分間の可聴化(sonification))、300RF(逆フーリエ)レンズ、および/またはMalvernソフトウェアを用いたFraunhofer計算。
吸入投与に適したおよび/または適合する薬剤組成物については、好ましくは、薬剤組成物は、吸入可能な乾燥粉末組成物である。このような組成物は、ラクトースやデンプンなどの粉末ベース、式(I)の化合物またはその塩(好ましくは、粒径が低減された形、例えば微粉化された形)、ならびに場合によってはL-ロイシン、マンニトール、トレハローズおよび/またはステアリン酸マグネシウムなどの性能改変剤を含むことができる。好ましくは、吸入可能な乾燥粉末組成物は、ラクトースと式(I)の化合物またはその塩の乾燥粉末ブレンドを含む。ラクトースは、好ましくはラクトース水和物、例えばラクトース一水和物であり、かつ/あるいは好ましくは吸入グレードおよび/または微細グレードのラクトースである。好ましくは、ラクトースの粒径は、ラクトース粒子の90%以上(重量または体積による)が直径1000ミクロン(マイクロメートル)未満(例えば、10〜1000ミクロン、例えば30〜1000ミクロン)であり、かつ/またはラクトース粒子の50%以上が直径500ミクロン未満(例えば、10〜500ミクロン)であると定義される。より好ましくは、ラクトースの粒径は、ラクトース粒子の90%以上が直径300ミクロン未満(例えば、10〜300ミクロン、例えば50〜300ミクロン)であり、かつ/またはラクトース粒子の50%以上が直径100ミクロン未満であると定義される。場合によっては、ラクトースの粒径は、ラクトース粒子の90%以上が直径100〜200ミクロン未満であり、かつ/またはラクトース粒子の50%以上が直径40〜70ミクロン未満である。最も重要なことに、粒子の約3〜約30%(例えば、約10%)(重量または体積による)が直径50ミクロン未満または20ミクロン未満であることが好ましい。例えば、適切な吸入グレードのラクトースは、E9334ラクトース(10%微細)(Borculo Domo Ingredients、オランダ、ズウォレ(Hanzeplein 25,8017 JD Zwolle,Netherlands))であるが、これに限定されない。
吸入可能な乾燥粉末組成物では、好ましくは、式(I)の化合物またはその塩は、組成物の約0.1重量%〜約70重量%(例えば約1重量%〜約50重量%、例えば約5重量%〜約重量40%、例えば約20〜約30重量%)で存在する。
吸入可能な乾燥粉末組成物の例示的な非限定的例は下記の通りである。
乾燥粉末製剤例-乾燥粉末ラクトースブレンド調製
サイズが低減された、例えば微粒子化された形の式(I)の化合物またはその塩を使用して、各ブレンド濃度で、必要量の化合物/塩(例えば、10mg、1%(w/w))を、10%細粒子を含有する吸入グレードのラクトース(例えば、990mg、99%(w/w))と、Mikro-ディスメンブレータボールミル(しかし、ボールベアリングを用いない)中のテフロン(Teflon(商標))((ポリテトラフルオロエテン)ポット中で、3/4の速度(約2000〜2500rpm)で約4時間混合することによって、乾燥粉末ブレンドを調製する。Mikro-ディスメンブレータ(B.Braun Biotech Internationalから入手可能、ドイツ、メルズンゲン(Schwarzenberger Weg 73-79,D-34212 Melsungen,Germany);www.bbraunbiotech.com)は、テフロン(Teflon)(商標)ポットに取り付けられた、上向きに突出し横向きに振動可能なアームを備えたベースを含む。アームの振動によって、ブレンディングが実現される。
他のブレンド:10%(w/w)化合物/塩(50mg)+90%(w/w)ラクトース(450mg、10%細粒子を含む吸入グレードのラクトース)。
1%(w/w)ブレンドの連続希釈によって、例えば0.1%および0.3%(w/w)のブレンドが実現可能である。
場合によっては、特に吸入可能な乾燥粉末組成物については、吸入投与用の薬剤組成物を、適切な吸入装置の内部に細片またはリボンで縦方向に搭載された(例えば、乾燥粉末組成物を含有する)複数のシール投与容器に組み入れることができる。容器は、要求に応じて裂開可能またはピールオープン可能なものであり、例えば乾燥粉末組成物の投与量を、GlaxoSmithKlineによって市販されているDISKUS(商標)装置などの装置を経由する吸入によって投与することができる。DISKUS(商標)吸入装置は、通常は、実質的に英国特許出願公開第2,242,134A号に記載されているようなものである。このような装置では、粉末の形の薬剤組成物用の少なくとも1つの容器(少なくとも1つの容器は、好ましくは細片またはリボンで縦方向に搭載された複数のシール投与容器である)は、剥離可能に相互に固定された2つの部材の間に定義される。この装置は、前記少なくとも1つの容器のための開放ステーションを定義する手段;開放ステーションにおいて部材を剥離して、容器を開放するための手段;および、開放した容器と連通しており、開放した容器から使用者が粉末の形の薬剤組成物を吸引することができる出口を含む。
好ましくは、組成物は、経口投与、例えばヒトへの経口投与用の錠剤やカプセルなどの単位剤形とする。
薬剤組成物では、例えば経口または非経口投与用の1つまたはそれぞれの投与量単位は、式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩を遊離塩基として計算して、好ましくは0.01〜3000mg、より好ましくは0.5〜1000mg含むことができる。例えば、鼻腔内または吸入投与用の1つまたはそれぞれの投与量単位は、式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩を遊離塩基として計算して、好ましくは0.001〜50mg、より好ましくは0.01〜5mg含むことができる。
本発明の薬剤として許容できる化合物または塩は、好ましくは、哺乳類(例えば、ヒト)に、式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩を、遊離塩基として計算して体重1kg当たり1日当たり0.001mg〜50mgの1日の経口または非経口の投与量(mg/kg/日)、例えば0.01〜20mg/kg/日、または0.03〜10mg/kg/日、または0.1〜2mg/kg/日で投与する。
本発明の薬剤として許容できる化合物または塩は、好ましくは、哺乳類(例えば、ヒト)に、式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩を、遊離塩基として計算して0.0001〜5mg/kg/日または0.0001〜1mg/kg/日の1日の鼻腔内または吸入の投与量、例えば0.001〜1mg/kg/日、または0.001〜0.3mg/kg/日、または0.001〜0.1mg/kg/日、または0.005〜0.3mg/kg/日で投与する。
本発明の薬剤として許容できる化合物または塩は、好ましくは、ヒトに、式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩を、遊離塩基として計算して1日の投与量(成人患者の場合)、例えば0.01mg〜3000mg/日または0.5〜1000mg/日、例えば2〜500mg/日の経口または非経口の投与量、あるいは0.001〜300mg/日、または0.001〜50mg/日、または0.01〜30mg/日、または0.01〜5mg/日、または0.02〜2mg/日の鼻腔内または吸入の投与量で投与する。
本発明による化合物、塩、および/または薬剤組成物は、別の治療上活性な作用物質、例えばβ2アドレナリン受容体アゴニスト、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、または抗炎症剤と組み合わせて使用することもできる。
したがって、本発明は、別の態様で、式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩を、別の治療上活性な作用物質、例えばβ2-アドレナリン受容体アゴニスト、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、抗炎症剤、または抗感染剤と共に含む組合せを提供する。
好ましくは、β2-アドレナリン受容体アゴニストは、サルメテロール(例えば、ラセミ化合物、またはR-エナンチオマーなど単一のエナンチオマーとして)、サルブタモール、フォルモテロール、サルメファモール、フェノテロール、またはテルブタリン、またはその塩(例えば、薬剤として許容できるその塩)、例えばサルメテロールのキシナホ酸塩、サルブタモールの硫酸塩もしくは遊離塩基、またはフォルモテロールのフマル酸塩である。長時間作用性のβ2-アドレナリン受容体アゴニスト、特にサルメテロールやフォルモテロールなど12〜24時間にわたって治療効果を有するものが好ましい。好ましくは、β2-アドレナリン受容体アゴニストは、吸入投与、例えば1日1回のためのもの、および/または同時吸入投与のためのものであり、かつより好ましくは、β2-アドレナリン受容体アゴニストは、例えば本明細書に定義するような粒径が低減された形である。好ましくは、β2-アドレナリン受容体アゴニスト組合せは、COPDまたは喘息の治療および/または予防のためのものである。サルメテロールまたは薬剤として許容できるその塩、例えばキシノホ酸サルメテロールは(遊離塩基として測定して)、好ましくは、1日2回25〜50マイクログラムの吸入投与量でヒトに投与する。β2-アドレナリン受容体アゴニストとの組合せは、国際公開第00/12078号に記載のようなものとすることができる。
好ましい長時間作用性のβ2-アドレナリン受容体アゴニストとしては、国際公開第02/066422A号、国際公開第03/024439号、国際公開第02/070490号、および国際公開第02/076933号に記載のものがある。
特に好ましい長時間作用性のβ2-アドレナリン受容体アゴニストとしては、式(XX)の化合物(国際公開第02/066422号に記載)、またはその塩もしくは溶媒和物がある:
Figure 2007529485
式(XX)中:
mxは、2〜8の整数であり、
nxは、3〜11の整数であり、
(ただし、mx+nxが5〜19であることを条件にする)、
R11Xは、-XSO2NR16XR17Xであり(式中、Xは、-(CH2)p x-またはC2〜6アルケニレンであり、
R16XおよびR17Xは独立に、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C(O)NR18XR19X、フェニル、およびフェニル(C1〜4アルキル)-から選択され、
あるいはR16XおよびR17Xは、これらが結合している窒素と共に、5、6、または7員の窒素含有環を形成し、かつR16XおよびR17Xはそれぞれ、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、ヒドロキシ置換C1〜6アルコキシ、-CO2R18X、-SO2NR18XR19X、-CONR18XR19X、-NR18XC(O)R19X、または5、6、もしくは7員の複素環から選択された1または2個の基で場合によっては置換されており、
R18XおよびR19Xは独立に、水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、フェニル、およびフェニル(C1〜4アルキル)-から選択され;かつ
pxは、0〜6、好ましくは0〜4の整数である;
R12XおよびR13Xは独立に、水素、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ、フェニル、およびC1〜6ハロアルキルから選択され;かつ
R14XおよびR15Xは独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択される(ただし、R14XおよびR15Xの炭素原子の全数が4以下であることを条件にする)。
国際公開第02/066422号に開示されている好ましいβ2-アドレナリン受容体アゴニストとしては、
3-(4-{[6-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)-フェニル]エチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミド、および
3-(3-{[7-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}-アミノ)ヘプチル]オキシ}プロピル)ベンゼンスルホンアミドがある。
国際公開第03/024439号に開示されている好ましいβ2-アドレナリン受容体アゴニストは、
4-{(1R)-2-[(6-{2-[(2,6-ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-(ヒドロキシメチル)フェノールである。
式(I)の化合物または塩と抗ヒスタミン剤の組合せは、好ましくは、経口投与(例えば、組み合わせた錠剤など、組み合わせた組成物として)のためのものとすることができ、かつアレルギー性鼻炎の治療および/または予防のためのものとすることができる。抗ヒスタミン剤の例としては、メタピリレン、またはセチリジン、ロラタジン(例えば、Clarityn(商標))、デスロラタジン(例えば、Clarinex(商標))、もしくはフェキソフェナジン(例えば、Allegra(商標))などのH1アンタゴニストがある。
本発明は、別の態様では、式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩を、抗コリン化合物、例えばムスカリン(M)受容体アンタゴニスト、具体的には、M1、M2、M1/M2、またはM3受容体アンタゴニスト、より好ましくはM3受容体アンタゴニスト、さらにより好ましくはM1および/またはM2受容体よりM3受容体に選択的に拮抗するM3受容体アンタゴニスト(例えば、10倍以上強く拮抗する)と共に含む組合せも提供する。抗コリン化合物/ムスカリン(M)受容体アンタゴニストとPDE4阻害剤の組合せについては、例えば国際公開第03/011274A2号および国際公開第02/069945A2号/米国特許出願公開第2002/0193393A1号および米国特許出願公開第2002/052312A1号を参照のこと。これらの公開の一部または全部には、式(I)の化合物または塩、および/または適切な薬剤組成物と使用することができる抗コリン化合物/ムスカリン(M)受容体アンタゴニストの例が挙げられている。例えば、ムスカリン受容体アンタゴニストは、イプラトロピウム塩(例えば、臭化イプラトロピウム)、オキシトロピウム塩(例えば、臭化オキシトロピウム)、またはより好ましくはチオトロピウム塩(例えば、臭化チオトロピウム)であり、またはそれらを含むことができる。例えば、チオトロピウムについては、欧州特許出願公開第418716A1号を参照のこと。
抗コリン化合物またはムスカリン(M)受容体アンタゴニスト、例えばM3受容体アンタゴニストは、好ましくは吸入投与ための、より好ましくは例えば本明細書に定義するような粒径が低減された形である。より好ましくは、ムスカリン(M)受容体アンタゴニストと式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩は共に、吸入投与のためのものである。好ましくは、抗コリン化合物またはムスカリン受容体アンタゴニスト、および式(I)の化合物または塩は、同時投与のためのものである。ムスカリン受容体アンタゴニスト組合せは、好ましくはCOPDの治療および/または予防のためのものである。
他の考え得る組合せには、例えば式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩を、抗炎症性コルチコステロイドなど別の抗炎症剤;またはロイコトリエンアンタゴニスト(例えば、モンテルカスト)などの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、iNOS阻害剤、トリプターゼ阻害剤、エラスターゼ阻害剤、β-2インテグリンアンタゴニスト、アデノシン2aアゴニスト、CCR3アンタゴニスト、または5-リポキソゲナーゼ阻害剤;または抗感染剤(例えば、抗生物質または抗ウイルス剤)と共に含む組合せが含まれる。iNOS阻害剤は、好ましくは経口投与のためのものである。適切なiNOS阻害剤(誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤)には、国際公開第93/13055号、国際公開第98/30537号、国際公開第02/50021号、国際公開第95/34534号、および国際公開第99/62875号に開示されているものが含まれる。適切なCCR3阻害剤には、国際公開第02/26722号に開示されるものが含まれる。
式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩を、抗炎症性コルチコステロイド(喘息、COPD、またはアレルギー性鼻炎の治療および/または予防のためであるのが好ましい)と共に含む組合せでは、好ましくは、抗炎症性コルチコステロイドは、フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン(例えば、米国特許第4,335,121号を参照のこと)、ベクロメタゾン、17-プロピオン酸ベクロメタゾンエステル、17,21-ジプロピオン酸ベクロメタゾンエステル、デキサメタゾンもしくはそのエステル、モメタゾンまたはそのエステル、シクレソニド、ブデソニド、フルニソリド、または国際公開第02/12266A1号に記載されたような(例えば、その中の請求項1〜22のいずれかで特許請求されたような)化合物、または上記のいずれかの薬剤として許容できる塩である。抗炎症性コルチコステロイドが国際公開第02/12266A1号に記載のような化合物である場合、好ましくはその中の実施例1{6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フロオロメチルエステルである}、またはその中の実施例41{6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(4-メチル-1,3-チアゾール-5-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フロオロメチルエステルである}、または薬剤として許容できるその塩である。抗炎症性コルチコステロイドは、好ましくは、鼻腔内、または吸入投与のためのものである。プロピオン酸フルチカゾンは好ましく、かつ好ましくは(a)1日1回、250マイクログラムの投与量、または(b)1日2回、50〜250マイクログラムの投与量でヒトに吸入投与するためのものである。
例えば国際公開第03/030939A1号で記載のような、式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩を、β2-アドレナリン受容体アゴニストおよび抗炎症性コルチコステロイドと共に含む組合せも提供される。好ましくは、この組合せは、喘息、COPD、またはアレルギー性鼻炎の治療および/または予防のためのものである。β2-アドレナリン受容体アゴニストおよび/または抗炎症性コルチコステロイドは、上記に記載のような、かつ/または国際公開第03/030939A1号で記載のようなものとすることができる。最も好ましくは、この「3種」の組合せでは、β2-アドレナリン受容体アゴニストは、サルメテロールまたは薬剤として許容できるその塩(例えば、キシナホ酸サルメテロール)であり、かつおよび抗炎症性コルチコステロイドはプロピオン酸フルチカゾンである。
上記で述べた組合せを、薬剤組成物の形での使用のために好都合に提示する場合があり、したがって1つまたは複数の薬剤として許容できる担体および/または賦形剤を共に有する上記に定義するような組合せを含む薬剤組成物は、本発明の別の態様を表す。
このような組合せの個別の化合物を、別々のまたは組み合わせた薬剤組成物で逐次的にまたは同時に投与することができる。
一実施形態では、本明細書に定義するような組合せは、同時吸入投与のためのものとすることができ、かつ組合せ吸入装置に配置される。このような組合せ吸入装置は、本発明の別の態様である。このような組合せ吸入装置は、同時吸入投与用の組み合わせた薬剤組成物(例えば、乾燥粉末組成物)を含むことができ、組成物は、組合せの個々の化合物をすべて含み、かつ組成物は、吸入装置の内部に細片またはリボンで縦方向に搭載された複数のシール投与容器に組み入れられており、容器は、要求に応じて裂開可能またはピールオープン可能である。例えば、このような吸入装置は、実質的に英国特許出願公開第2,242,134A号に記載されているような(DISKUS(商標))、かつ/または上記に記載のようなものとすることができる。あるいは、組合せ吸入装置は、例えば2003年1月22日に出願され、国際公開第03/061743号として公開された国際出願第PCT/EP03/00598号に記載のような(例えば、その特許請求項、例えば請求項1に記載のような)、組合せの個々の化合物を同時に投与できるが、例えば別々の薬剤組成物中に別々に貯蔵(または、3種の組合せの場合、全部または一部を別々に貯蔵)するようなものとすることができる。
本発明は、本明細書に定義するような組合せの調製方法であって、
(a)組合せの個々の化合物を逐次的にまたは同時に投与するための別々の薬剤組成物を調製するステップ、または
(b)組合せの個別の化合物を同時に投与するための組み合わせた薬剤組成物を調製するステップを含み、
薬剤組成物が1つまたは複数の薬剤として許容できる担体および/または賦形剤を共に有する組合せを含む方法も提供する。
本発明は、本明細書に定義するような方法によって調製された本明細書に定義するような組合せも提供する。
生物学的試験方法
PDE3、PDE4B、PDE4D、PDE5、PDE6主要アッセイ方法
化合物の活性は、下記に示すアッセイ方法で測定することができる。本発明の好ましい化合物は、選択的PDE4阻害剤である。すなわち、これらは、(このような選択性が本発明にとって不可欠なものではないが)、PDE3を阻害するより、かつ/またはPDE5を阻害するより、かつ/またはPDE6を阻害するより強くPDE4を阻害する。
PDE酵素供給源および参考文献
ヒト組換えPDE4B、具体的にはその2Bスプライスバリアント(HSPDE4B2B)は、国際公開第94/20079号、さらにM.M.McLaughlinら、「A low Km,rolipram-sensitive,cAMP-specific phosphodiesterase from human brain:cloning and expression of cDNA,biochemical characterisation of recombinant protein,and tissue distribution of mRNA」、J.Biol.Chem.,1993,268,6470-6476にも開示されている。例えば、国際公開第94/20079号の実施例1には、ヒト組換えPDE4Bが、例えば150uM CuSO4の添加による誘導後、PDE欠損酵母サッカロミセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株GL62中で発現されることが記述され、酵母細胞可溶化物の100,000xg上清画分が、PDE4B酵素の収穫に使用するために記述されている。
ヒト組換えPDE4D(HSPDE4D3A)は、P.A.Baeckerら、「Isolation of a cDNA encoding a human rolipram-sensitive cyclic AMP phoshodiesterase(PDE IVD)」、Gene,1994,138,253-256に開示されている。
ヒト組換えPDE5は、K.Loughneyら、「Isolation and characterisation of cDNAs encoding PDE5A,a human cGMP-binding,cGMP-specific 3',5'-cyclic nucleotide phosphodiesterase」、Gene,1998,216,139-147に開示されている。
PDE3は、例えばH.CosteおよびP.Grondin、「Characterisation of a novel potent and specific inhibitor of type V phosphodiesterase」、Biochem.Pharmacol.,1995,50,1577-1585に記載されているように、ウシ大動脈から精製することができる。
PDE6は、例えばP.CattyおよびP.Deterre、「Activation and solubilization of the retinal cGMP-specific phosphodiesterase by limited proteolysis」、Eur.J.Biochem.,1991,199,263-269;A.Tarら、「Purification of bovine retinal cGMP phosphodiesterase」、Methods in Enzymology,1994,238,3-12;および/またはD.Srivastavaら、「Effects of magnesium on cyclic GMP hydrolysis by the bovine retinal rod cyclic GMP phosphodiesterase」、Biochem.J.,1995,308,653-658に記載されているように、ウシ網膜から精製することができる。
PDE3、PDE4B、PDE4D、PDE5、またはPDE6活性の阻害:放射性シンチレーション近接アッセイ(SPA)
化合物のPDE4Bまたは4D(ヒト組換え)、PDE3(ウシ大動脈から)、PDE5(ヒト組換え)、またはPDE6(ウシ網膜由来)における触媒活性を阻害する能力は、96ウェルフォーマットでシンチレーション近接アッセイ(SPA)によって、場合によっては決定する。Wallac Isoplate(コード1450-514)中で、試験化合物(DMSO溶液、好ましくは約2マイクロリットル(μl)体積のDMSO溶液)を、周囲温度(室温、例えば19〜23℃)で、50mMトリス-HCl緩衝剤(pH7.5)、8.3mM MgCl2、1.7mM EGTA、0.05%(w/v)ウシ血清アルブミン中でPDE酵素と10〜30分間(通常は、30分間)プレインキュベートする。酵素濃度は、化合物を含まない対照ウェルで、インキュベーション中、下記に定義する基質の加水分解が20%以下しか生じないように調整する。PDE3、PDE4B、およびPDE4Dアッセイについては、[5',8-3H]アデノシン3',5'-環状リン酸エステル(Amersham Pharmacia Biotech、コードTRK.559;またはAmersham Biosciences UK Ltd、英国バッキンガムシャー州HP8 4SP、チャルフォントセントジャイルズ、ポラーズウッド(Pollards Wood,Chalfont St Giles,Buckinghamshire HP8 4SP,UK))を添加して、0.05uCi/ウェルおよび最終濃度約10nMを得る。PDE5およびPDE6アッセイについては、[8-3H]グアノシン3',5'-環状リン酸エステル(Amersham Pharmacia Biotech、コードTRK.392)を添加して、0.05uCi/ウェルおよび最終濃度約36nMを得る。アッセイ混合物、好ましくは約100ul体積のアッセイ混合物を含むプレートをオービタルシェーカー上で5分間混合し、周囲温度で1時間インキュベートする。ホスホジエステラーゼSPAビーズ(Amersham Pharmacia Biotech、コードRPNQ 0150)(約1mg/ウェル)を添加して、アッセイを終結する。プレートをシールし、振盪し、周囲温度で35分間〜1時間(好ましくは、35分間)放置して、ビーズを沈降させる。WALLAC TRILUX 1450 Microbetaシンチレーションカウンターを使用して、結合した放射性生成物を測定する。阻害曲線については、化合物をそれぞれ10個の濃度(1.5nM〜30uM)でアッセイする。ActivityBaseおよびXLfit(ID Business Solutions Limited、英国サリー州GU2 7QB、ギルフォード、サリーリサーチパーク、オーシャンコート2(2 Ocean Court,Surrey Research Park,Guildford,Surrey GU2 7QB,United Kingdom))を使用して、曲線を分析する。結果をpIC50値で表す。
上記の放射性SPAアッセイに代わるものでは、PDE4BまたはPDE4D阻害を下記の蛍光偏光(FP)アッセイで測定することができる。
PDE4BまたはPDE4D活性の阻害:蛍光偏光(FP)アッセイ
化合物のPDE4B(ヒト組換え)またはPDE4D(ヒト組換え)における触媒活性を阻害する能力は、384ウェルフォーマットでIMAP蛍光偏光(FP)アッセイ(IMAP Explorerキット、Molecular Devices Corporation、米国カリフォルニア州サニーデール(Sunnydale,CA,USA)から入手可能;Molecular Devicesコード:R8062)によって、場合によっては決定する。IMAP FPアッセイによって、PDE活性を均質な非放射性アッセイフォーマットで測定することができる。FPアッセイは、ナノ粒子(小ビーズ)上に被覆され固定化された3価金属カチオンの、フルオレセイン標識(Fl)環状アデノシンモノリン酸エステル(Fl-cAMP)から非環状Fl-AMPの形への加水分解時に生成されるFl-AMPのリン酸エステル基を結合させる能力を利用する。Fl-cAMPは結合しない。Fl-AMP生成物が(固定化された3価カチオンで被覆された)ビーズに結合することにより、結合したFl-AMPの回転が減速し、かつ平行光と垂直光の蛍光偏光比の増大がもたらされる。PDEの阻害により、この顕著な増大が低減/抑制される。
黒の384ウェルマイクロタイタープレート(供給業者:NUNC、コード262260)中で、試験化合物(小体積、例えば約0.5〜1μl、好ましくは約0.5μlのDMSO溶液)を、周囲温度(室温、例えば、19〜23℃)で、10mMトリス-HCl緩衝剤(pH7.2)、10mM MgCl2、0.1%(w/v)ウシ血清アルブミン、および0.05% NaN3中でPDE酵素と10〜30分間プレインキュベートする。酵素レベルは、反応がインキュベーションの全体にわたって線形であるように、実験によって設定する。フルオレセインアデノシン3',5'-環状ホスファート(Molecular Devices Corporationから、Molecular Devicesコード:R7091)を添加して、約40nM最終濃度(最終アッセイ体積、通常は約20〜40ul、好ましくは約20ul)を得る。プレートをオービタルシェーカー上で10秒間混合し、周囲温度で40分間インキュベートする。IMAP結合試薬(上記に記載するように、Molecular Devices Corporationから、Molecular Devicesコード:R7207)を添加して(キット保存溶液の結合緩衝液での1/400の希釈液60ul)、アッセイを終結する。プレートを周囲温度で1時間放置する。Analyst(商標)プレートリーダー(Molecular Devices Corporationから)を使用して、平行光と垂直光の蛍光偏光(FP)比を測定する。阻害曲線については、化合物をそれぞれ10個の濃度(1.5nM〜30uM)をアッセイする。ActivityBaseおよびXLfit(ID Business Solutions Limited、英国サリー州GU2 7QB、ギルフォード、サリーリサーチパーク、オーシャンコート2(2 Ocean Court,Surrey Research Park,Guildford,Surrey GU2 7QB,United Kingdom))を使用して、曲線を分析する。結果をpIC50値で表す。
FPアッセイでは、試薬はすべて、Multidrop(商標)(Thermo Labsystems Oyから入手可能、フィンランド、バンター01620、私書箱100号、ラタスティ2(Ratastie 2,PO Box 100,Vantaa 01620,Finland))を使用して分配する。
所与のPDE4阻害剤について、SPAおよびFPアッセイを使用して測定されたPDE4B(またはPDE4D)阻害値はわずかに異なる恐れがある。しかし、100個の試験化合物(必ずしも本発明の化合物ではない)の回帰分析では、SPAおよびFPアッセイを使用して測定されたpIC50阻害値は、PDE4BおよびPDE4Dについて、一般に0.5対数単位内で符号することが判明した(線形回帰係数、PDE4Bの場合0.966およびPDE4Dの場合0.971;David R.Mobbsら、2003年10月2日の2003 Molecular Devices UK & Europe User Meetingで提示されたポスター「Comparison of the IMAP Fluorescence Polarisation Assay with the Scintillation Proximity Assay for Phosphodiesterase Activity」、英国エセックス州ハーロー、ダウンホール(Down Hall,Harlow,Essex,United Kingdom))。
実施例のいくつかについて、この測定方法のみに基づいて得られた生物学的データ(PDE4B阻害活性、1個の示度として、または約2〜6個の示度の平均として)は、以下の通りである。SPAおよびFPアッセイのそれぞれにおいて、測定の絶対精度は可能でなく、示された示度は、読み取り、かつ平均した示度の数に応じて、対数単位のわずかに約±0.5までの精度である:
実施例をすべて、放射性SPAアッセイもしくはFPアッセイを使用して、または同様なアッセイで、PDE4B阻害について試験した。試験した実施例はすべて、pIC50=約7(±約0.5)から約9(±約0.5)の範囲のPDE4B阻害活性を有する。
特許および特許出願が含まれるがこれらに限定されない、この明細書に引用されているすべての刊行物は、個々の刊行物がそれぞれ、参照により本明細書に完全に記載されているかのように組み込まれていることを具体的かつ個別に示唆するかのように参照により本明細書に組み込まれる。
次に、本発明の様々な態様を、下記の実施例に即して説明する。これらの実施例は、例示的なものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものと解釈するべきでない。このセクションでは、「中間体」は、「実施例」の合成に使用するための中間体化合物の合成を表す。
本明細書に使用する略語:
CCl4 四塩化炭素
DCM ジクロロメタン
DMF ジメチルホルムアミド
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン(iPR2NEt)
EtOAc 酢酸エチル
Et2O ジエチルエーテル
Et3N トリエチルアミン
EtOH エタノール
HATU O-(7-アザベンゾトリアゾル-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩
HCl 塩化水素/塩酸
Na2SO4 硫酸ナトリウム
NaHCO3 重炭酸ナトリウム
NMP 1-メチル-2-ピロリジノン
PhCH3 トルエン
PPA ポリリン酸
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
SPE 固相抽出
NMR 核磁気共鳴(この場合:s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、dd=ダブレットのダブレット、m=マルチプレット、H=プロトン数)
LCMS 液体クロマトグラフィー/質量分光法
TLC 薄層クロマトグラフィー
h 時間
TRET 保持時間
室温 これは、通常は約20〜約25℃の範囲である。
一般的実験の詳細
本明細書で使用する機器方法:
LCMS(液体クロマトグラフィー/質量分光法)
正イオンエレクトロスプレーモードで動作するWaters ZQ質量分析計、質量範囲100〜1000amu.
UV波長:215〜330nM
カラム:3.3cm×4.6mm ID、3μm ABZ+PLUS
流量:3ml/分
注入量:5μl
溶媒A:95%アセトニトリル+0.05%ギ酸
溶媒B:0.1%ギ酸+10mモル酢酸アンモニウム
グラジエント:0% A/0.7分、0-100% A/3.5分、100% A/1.1分、100-0% A/0.2分
本明細書で引用される保持時間(TRET)は、試料を別のWatersの機器で実施すると、同じタイプのカラムおよび同一の流量、注入量、溶媒、およびグラジエントを使用した場合でさえ、わずかに(+/-0.1分)異なる可能性があることに留意されたい。
質量分析計直結型自動分取HPLC
使用したプレップカラム:Supelcosil ABZplus(10cm×2.12cm)
(通常は、10cm×2.12cm×5μm).
UV波長:200-320nM
流量:20ml/分
注入量:1ml、またはより好ましくは0.5ml
溶媒A:0.1%ギ酸
溶媒B:95%アセトニトリル+5%ギ酸;またはより一般的には99.95%アセトニトリル+0.05%ギ酸
グラジエント:100% A/1分、100-80% A/9分、80-1% A/3.5分、1% A/1.4分、1-100%A/0.1分
中間体および実施例
下記の文章中に詳述されていないすべての試薬は、例えばSigma-Aldrichなど既存の供給業者から市販されている。下記の中間体および実施例、または上記のアッセイに記載の出発材料のいくつかに関する供給業者の住所は、下記の通りである:
- Aldrich(カタログ名)、Sigma-Aldrich Company Ltd.,英国ドーセット(Dorset,United Kingdom)、電話:+44 1202 733114;Fax:+44 1202 715460;[email protected];または
- Aldrich(カタログ名),Sigma-Aldrich Corp.、米国ミズーリ州セントルイス(P.O.Box 14508,St.Louis,MO 63178-9916,USA);電話:314-771-5765;ファックス:314-771-5757;[email protected];または
- Aldrich(カタログ名),Sigma-Aldrich Chemie GmbH、ドイツ、ミュンヘン(Munich,Germany);電話:+49 89 6513 0;Fax:+49 89 6513 1169;[email protected].
- Bionet Research Ltd;英国コーンウォール(Highfield Industrial Estate,Camelford,Cornwall PL32 9QZ UK)
- Combi-Blocks Inc.,米国カリフォルニア州サンディエゴ(7949 Silverton Avenue,Suite 915,San Diego,CA 92126,USA)(CAS 38041-19-9)
- Lancaster Synthesis Ltd.、英国ランカシャー(Newgate,White Lund,Morecambe,Lancashire LA3 3DY,United Kingdom)
- Matrix Scientific、米国サウスカロライナ州コロンビア(P.O.Box 25067,Columbia,SC 29224-5067,USA)
- Trans World Chemicals,Inc.、米国メリーランド州ロックビル(14674 Southlawn Lane,Rockville,MD 20850,USA)
Figure 2007529485
Figure 2007529485
シクロプロピルアセチルクロリド
Figure 2007529485
Bouzoubaa,Mohamed;Leclerc,Gerard;Decker,Nicole;Schwartz,Jean;Andermann,Guy;J.Med.Chem,1984,27,10,1291-1294に概説されている手順に従って、シクロプロピル酢酸から調製する。
中間体1:(シクロプロピルカルボニル)マロン酸ジエチル
Figure 2007529485
マロン酸ジエチル(6ml)のEtOH(20ml)溶液を、固体マグネシウム粉末(1g)およびCCl4(1ml)に、一定の還流を維持するような速度で添加した。Et2O(20ml)を添加し、混合物を2時間加熱還流した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をPhCH3(2回×10ml)で共沸した。固体の残渣をEt2O(40ml)に溶解し、溶液を、冷却したシクロプロピンカルボニルクロリド(3.6ml)溶液に、0〜5℃の温度を維持しながら添加した。混合物を室温に徐々に暖まるまで放置し、16時間攪拌した。混合物を、攪拌しながら5%硫酸水溶液(100ml)で処理した。有機相を分離し、飽和NaHCO3(2回×75ml)水溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濾液を蒸発乾固して、中間体1を無色オイル(7.74g)として得た。LCMSは、MH+=229;TRET=2.79分を示した。
同様にして、マロン酸ジエチルから下記を調製した:
Figure 2007529485
Figure 2007529485
中間体7〜11
これらの中間体を、O.E.O.Hormiによって開発され、Synthetic Commun;1986,16,997-1002に記載された手順の修正形態を使用して調製した。
中間体7:[クロロ(シクロプロピル)メチレン]マロン酸ジエチル
Figure 2007529485
中間体1(1g)、オキシ塩化リン(10ml)、およびトリブチルアミン(1.1ml)の混合物を、110℃で5時間攪拌した。揮発性有機物を減圧下で除去した。混合物をEt2O(20ml)に溶解し、n-ヘキサンを、2層となるまで添加した。上層を収集した。さらにn-ヘキサンを、再び2層となるまで添加した。この手順をもう1度繰り返した。合わせたEt2O抽出物を希HCl水溶液(1M、2回×50ml)、希NaOH水溶液(1M、2回×50ml)、および水(2回×50ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発させて、中間体7を淡黄色オイル(0.87g)として得た。LCMSは、MH+=249;TRET=3.49分を示した。
同様にして、中間体3〜6から下記を調製した:
Figure 2007529485
Figure 2007529485
中間体12:4-クロロ-6-シクロプロピル-1-エチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボン酸エチル
Figure 2007529485
PhCH3(40ml)中の中間体7(6.75g)、Et3N(2.88ml)、および5-アミノ-1-エチルピラゾール(3.28g)の混合物を、16時間加熱還流した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をオキシ塩化リン(50ml)で処理した。反応混合物を110℃で16時間加熱した。オキシ塩化リンを減圧下で除去し、残渣をEtOAc(50ml)と飽和NaHCO3(50ml)水溶液に分配した。有機層を収集し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。50gのSiO2 SPEカートリッジを用いて、5%EtOAc:95%シクロヘキサンで溶離して、残渣を精製して、中間体12を黄色オイル(1.53g)として得た。LCMSは、MH+=294;TRET=3.4分を示した。
同様にして、中間体8〜11から下記を調製した:
Figure 2007529485
Figure 2007529485
中間体17:4-クロロ-6-シクロペンチル-1-エチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボン酸エチル
Figure 2007529485
PPA(12ml)中、中間体2(1.6g)および5-アミノ-1-エチルピラゾール(0.69g)の混合物を120℃で3時間加熱した。混合物を水(50ml)に注ぎ込み、Et2O(3回×75ml)で抽出した。有機抽出物を合わせ、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濾液を濃縮して、黄色オイルを得た。オキシ塩化リン(50ml)をオイルに添加した。混合物を110℃で16時間加熱した。オキシ塩化リンを除去し、残渣をEtOAc(50ml)と飽和NaHCO3(25ml)水溶液に分配した。有機層を収集し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濾液を濃縮して、中間体17を黄褐色固体(100mg)として得た。LCMSは、MH+=322;TRET=3.96分を示した。
中間体18:4-アミノテトラヒドロピラン
Combi-Blocks Inc.、米国カリフォルニア州サンディエゴ(7949 Silverton Avenue,Suite 915,San Diego,CA 92126,USA)から市販されている(CAS 38041-19-9)
Figure 2007529485
中間体19:6-シクロプロピル-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボン酸エチル
Figure 2007529485
中間体12(0.76g)、中間体18(0.36g)およびDIPEA(0.65ml)のNMP(8ml)溶液を150℃で16時間加熱した。混合物を放冷し、EtOAc(100ml)と水(20ml)に分配した。有機層を収集し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮して、暗色ゴムを得た。20gのSiO2 SPEカートリッジを用いて、10%EtOAc:90%シクロヘキサンで溶離して、ゴムを精製して、中間体18を淡黄色固体(0.35g)として得た。LCMSは、MH+=359;TRET=3.43分を示した。
同様にして、中間体13〜17から下記を調製した:
Figure 2007529485
Figure 2007529485
中間体25:6-シクロプロピル-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボン酸
Figure 2007529485
中間体19(0.35g)のEtOH(60ml)溶液を、NaOH(0.75g)の水(20ml)溶液で処理し、反応混合物を60℃で16時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を水(5ml)に懸濁し、溶液のpHを3に調整した(1M HCl)。得られた懸濁液をEtOAc(2回×30ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(Na2SO4)、濾過して、減圧下で濃縮して、中間体25を白色固体(0.30g)として得た。LCMSは、MH+=331;TRET=2.41分を示した。
同様にして、中間体21〜25から下記を調製した:
Figure 2007529485
Figure 2007529485
Figure 2007529485
Figure 2007529485
(実施例1)
N-[(4-クロロ-2-メチルフェニル)メチル]-6-シクロプロピル-1-エチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボキサミド
Figure 2007529485
中間体20(30mg)のDMF(2ml)溶液をHATU(35mg)およびDIPEA(100μL)で処理した。溶液を22℃で10分間放置し、次いで2-メチル-4-クロロベンジルアミン(供給業者:Matrix Scientific)(14mg)で処理し、22℃で16時間放置した。溶媒を蒸発させ、残渣をDCM(5ml)と飽和NaHCO3水溶液(2ml)に分配した。有機相を疎水性フリットに通して収集し、蒸発させた。残渣を質量分析計直結型自動分取HPLCによって精製して、実施例1を白色固体(14.9mg)として得た。LCMSは、MH+=468;TRET=3.45分を示した。
実施例1の調製に使用したものと同様な手順を使用して、中間体20および適切なアミンWNH2から、下記の実施例2〜6を調製した:
Figure 2007529485
Figure 2007529485
実施例1の調製に使用したものと同様な手順を使用して、中間体21および適切なアミンWNH2から、下記の実施例7〜11を調製した:
Figure 2007529485
Figure 2007529485
実施例1の調製に使用したものと同様な手順を使用して、中間体22および適切なアミンWNH2から、下記の実施例12〜16を調製した:
Figure 2007529485
Figure 2007529485
実施例1の調製に使用したものと同様な手順を使用して、中間体23および適切なアミンWNH2から、下記の実施例17〜23を調製した:
Figure 2007529485
Figure 2007529485
実施例1の調製に使用したものと同様な手順を使用して、中間体24および適切なアミンWNH2から、下記の実施例24〜27を調製した:
Figure 2007529485
Figure 2007529485
実施例1の調製に使用したものと同様な手順を使用して、中間体24および適切なアミンWNH2から、下記の実施例28〜29を調製した:
Figure 2007529485
Figure 2007529485

Claims (40)

  1. 式(I)の化合物またはその塩(特に、薬剤として許容できるその塩):
    Figure 2007529485
    [式中、
    Wは、Ar、-CR4R5Ar、または基(y)もしくは(y1)(式中、
    Figure 2007529485
    )であり、
    R1は、C1〜4アルキル、C1〜3フルオロアルキル、または-CH2CH2OHであり;
    R2は、C2〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、または-(CH2)n 4C3〜6シクロアルキル(式中、n4は1または2である)であり;
    R3は、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキル、または場合によっては置換されていてもよいモノ-不飽和C5〜7シクロアルケニル、または場合によっては置換されていてもよい下位式(aa)、(bb)、もしくは(cc)の複素環基であり;
    Figure 2007529485
    式中、n1およびn2は独立に、1または2であり;かつ式中、YはO、S、SO2、またはNR10であり、式中、R10は、水素原子(H)、C1〜2アルキル、C1〜2フルオロアルキル、CH2C(O)NH2、C(O)NH2、C(O)NHMe、C(O)-C1〜2アルキル、C(O)-C1フルオロアルキル、または-C(O)-CH2O-C1〜2アルキルであり;
    かつ式中、R3において、C3〜8シクロアルキル、または下位式(aa)、(bb)、もしくは(cc)の複素環基は、独立にオキソ(=O);OH;C1〜2アルコキシ;C1〜2フルオロアルコキシ;NHR21(式中、R21は、水素原子(H)またはC1〜4直鎖アルキルである);C1〜2アルキル;C1〜2フルオロアルキル;-CH2OH;-CH2CH2OH;-CH2NHR22(式中、R22は、HまたはC1〜2アルキルである);-C(O)OR23(式中、R23は、HまたはC1〜2アルキルである);-C(O)NHR24(式中、R24は、HまたはC1〜2アルキルである);-C(O)R25(式中、R25はC1〜2アルキルである);フルオロ;ヒドロキシイミノ(=N-OH);または(C1〜4アルコキシ)イミノ(=N-OR26、式中、R26はC1〜4アルキルである)である1または2個の置換基で環炭素において場合によっては置換されていてもよく;かつ式中、OH、アルコキシ、フルオロアルコキシ、またはNHR21置換基はどれも、式(I)の-NH-基に付いている(結合している)R3環炭素において置換しておらず、かつ複素環基(aa)、(bb)、または(cc)のY基に結合しているどのR3環炭素においても置換しておらず;
    かつ式中、R3が、場合によっては置換されていてもよいモノ-不飽和C5〜7シクロアルケニルである場合は、シクロアルケニルは、フルオロもしくはC1〜2アルキルである1個の置換基、または独立にフルオロもしくはメチルである2個の置換基で場合によっては置換されていてもよく、かつ式(I)の-NH-基に結合しているR3環炭素は、シクロアルケニル二重結合に関与せず;
    あるいはR3は、下位式(ee)の二環系基であり:
    Figure 2007529485
    式中、Y1、Y2、およびY3のうちの1個以下が酸素(O)であることを条件として、Y1、Y2、およびY3は独立に、CH2または酸素(O)であり;
    かつ式中:
    R4およびR5は独立に、水素原子(H)、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、C1〜2フルオロアルキル、シクロプロピル、-CH2OR4a、-CH(Me)OR4a、または-CH2CH2OR4aであり、式中、R4aは、水素原子(H)、メチル(Me)、またはCF3もしくはCHF2などのC1フルオロアルキルであり、
    かつ式中、下位式(x)、(y)、および(y1)において:
    Aは、C-R6A、窒素(N)、または窒素-オキシド(N+-O-)であり、
    Bは、C-R6B、窒素(N)、または窒素-オキシド(N+-O-)であり、
    Dは、C-R6D、窒素(N)、または窒素-オキシド(N+-O-)であり、
    Eは、C-R6E、窒素(N)、または窒素-オキシド(N+-O-)であり、
    Fは、C-R6F、窒素(N)、または窒素-オキシド(N+-O-)であり、
    式中、R6A、R6B、R6D、R6E、およびR6Fは独立に、水素原子(H)、ハロゲン原子;C1〜6アルキル;C1〜4フルオロアルキル;C3〜6シクロアルキル;C1〜4アルコキシ;C1〜2フルオロアルコキシ;C3〜6シクロアルキルオキシ;-C(O)R16a;-C(O)OR30;-S(O)2-R16a;R16a-S(O)2-NR15a-;R7R8N-S(O)2-;C1〜2アルキル-C(O)-R15aN-S(O)2-;C1〜4アルキル-S(O)-、Ph-S(O)-、R7R8N-CO-;-NR15-C(O)R16a;R7R8N;ニトロ(-NO2);OH(その互変異性体を含めて);C1〜4アルコキシメチル;C1〜4アルコキシエチル;C1〜2アルキル-S(O)2-CH2-;R7R8N-S(O)2-CH2-;C1〜2アルキル-S(O)2-NR15a-CH2-;-CH2-OH;-CH2CH2-OH;-CH2-NR7R8;-CH2-CH2-NR7R8;-CH2-C(O)OR30;-CH2-C(O)-NR7R8;-CH2-NR15a-C(O)-C1〜3アルキル;-(CH2)n 14-Het1(式中、n14は0または1である);シアノ(-CN);Ar5b;またはフェニル、ピリジニル、もしくはピリミジニル(式中、フェニル、ピリジニル、またはピリミジニルは独立に、フルオロ、クロロ、C1〜2アルキル、C1フルオロアルキル、C1〜2アルコキシ、またはC1フルオロアルコキシのうちの1または2個で場合によっては置換されていてもよい)であり;
    かつ/あるいはR6A、R6B、R6D、R6E、およびR6Fから選択された隣接する2個の基は一緒になって、-CH=CH-CH=CH2-、-(CH2)n 14a-(式中、n14aは、3、4、または5である)、-O-(CMe2)-O-、-O-(CH2)n 14b-O-(式中、n14bは1または2である);-CH=CH-NR15b-;-N=CH-NR15b-;-CH=N-NR15b-;-N=N-NR15b-;-CH=CH-O-;-N=CH-O-;-CH=CH-S-;または-N=CH-S-;(式中、R15bは、HまたはC1〜2アルキルである)であり;
    ただし、
    A、B、D、E、およびFのうちの2個以上は独立に、C-H(炭素-水素)、C-F(炭素-フッ素)、窒素(N)、または窒素-オキシド(N+-O-)であり;
    かつA、B、D、E、およびFのうちの2個以下は独立に、窒素または窒素-オキシド(N+-O-)であり、
    かつA、B、D、E、およびFの1個以下は、窒素-オキシド(N+-O-)であることを条件とし;
    かつ式中、下位式(z)において、
    Gは、OまたはSまたはNR9(式中、R9は、水素原子(H)、C1〜4アルキル、またはC1〜2フルオロアルキルである)であり;
    Jは、C-R6J、C-[式(I)への接続点]、または窒素(N)であり、
    Lは、C-R6L、C-[式(I)への接続点]、または窒素(N)であり、
    Mは、C-R6M、C-[式(I)への接続点]、または窒素(N)であり、
    Qは、C-R6Q、C-[式(I)への接続点]、または窒素(N)であり、
    式中、R6J、R6L、R6M、およびR6Qは独立に、水素原子(H)、ハロゲン原子;C1〜4アルキル;C1〜3フルオロアルキル;C3〜6シクロアルキル;C1〜4アルコキシ;C1〜2フルオロアルコキシ;C3〜6シクロアルキルオキシ;OH(その互変異性体を含めて);または独立にフルオロ、クロロ、C1〜2アルキル、C1フルオロアルキル、C1〜2アルコキシ、もしくはC1フルオロアルコキシである1もしくは2個の置換基で場合によっては置換されていてもよいフェニルであり;
    ただし、
    J、L、M、およびQのうちの2個以上は独立に、C-H、C-F、C-C1〜2アルキル、C-[式(I)への接続点]、または窒素(N)であり;
    かつJ、L、M、およびQのうちの3個以下は窒素(N)であることを条件とし;
    かつ式中、
    R7およびR8は独立に、水素原子(H);C1〜4アルキル;C3〜6シクロアルキル;または独立にフルオロ、クロロ、C1〜2アルキル、C1フルオロアルキル、C1〜2アルコキシ、もしくはC1フルオロアルコキシである1もしくは2個の置換基で場合によっては置換されていてもよいフェニルであり;
    あるいはR7およびR8は一緒になって、-(CH2)n 6-または-C(O)-(CH2)n 7-または-C(O)-(CH2)n 10-C(O)-または-(CH2)n 8-X7-(CH2)n 9-または-C(O)-X7-(CH2)n 10-(式中、n6は、3、4、5、または6であり、n7は、2、3、4、または5であり、n8およびn9およびn10は独立に、2または3であり、かつX7はOまたはNR14である)であり;
    R7aは、水素原子(H)またはC1〜4アルキルであり;
    R8aは、水素原子(H)またはメチルであり;
    R14、R17、およびR17aは独立に、水素原子(H);C1〜4アルキル;C1〜2フルオロアルキル(例えば、CF3);シクロプロピル;-C(O)-C1〜4アルキル;-C(O)NR7aR8a;または-S(O)2-C1〜4アルキルであり;
    R15aは、他のR15aとは独立に、水素原子(H)またはC1〜4アルキルであり;
    R16aは、
    C1〜6アルキル;
    1個のオキソ(=O)、OH、またはC1〜2アルキル置換基で場合によっては置換されていてもよいC3〜6シクロアルキル;
    C3〜6シクロアルキル-CH2-;
    環炭素原子においてハロゲン原子、C1〜2アルキル、C1フルオロアルキル、C1〜2アルコキシ、またはC1フルオロアルコキシのうちの1個で場合によっては置換されていてもよいピリジニル;
    Ar5c;
    独立にハロゲン原子、C1〜2アルキル、C1フルオロアルキル、C1〜2アルコキシ、またはC1フルオロアルコキシである1または2個の置換基で場合によっては置換されていてもよいフェニル;
    その環において独立にハロゲン原子、C1〜2アルキル、C1フルオロアルキル、C1〜2アルコキシ、またはC1フルオロアルコキシである1または2個の置換基で場合によっては置換されていてもよいベンジル;あるいは
    環炭素において連結し、かつO、S、およびNから独立に選択される1または2個の環ヘテロ原子を含有する4、5、6、または7員の飽和複素環(式中、存在する環窒素は、NR27(式中、R27は、H、C1〜2アルキル、または-C(O)Meである)として存在し;かつ式中、オキソ(=O)置換基が、環窒素に結合している環炭素原子に置換していることを条件として、環は、炭素において1個のC1〜2アルキルまたはオキソ(=O)置換基で場合によっては置換されている)であり;
    R30は、他のR30とは独立に、水素原子(H)、C1〜4アルキル、またはC3〜6シクロアルキルであり;
    Ar5bおよびAr5cは独立に、5員環に1個のO、S、またはNR15aを含有する5員芳香族複素環(式中、5員環は、さらに1または2個のN原子を場合によっては含有することができ、かつ複素環は、環炭素原子においてハロゲン原子、C1〜2アルキル、C1フルオロアルキル、-CH2OH、-CH2-OC1〜2アルキル、OH(そのケト互変異性体を含む)、または-CH2-NR28R29(式中、R28およびR29は独立に、Hまたはメチルである)のうちの1個で場合によっては置換されていてもよい)であり;かつ
    Het1は、環炭素において連結し、かつO、S、およびNから独立に選択される1または2個の環ヘテロ原子を含有する4、5、6、または7員の飽和複素環(式中、存在する環窒素は、NR31(式中、R31は、H、C1〜2アルキル、または-C(O)Meである)として存在し;かつ式中、オキソ(=O)置換基は、環窒素に結合している環炭素原子に置換していることを条件として、環は、炭素において1個のC1〜2アルキルまたはオキソ(=O)置換基で場合によっては置換されていてもよい)である]。
  2. R1が、C2〜3アルキル、C2フルオロアルキル、または-CH2CH2OHである請求項1に記載の化合物または塩。
  3. R1が、エチル、n-プロピル、または-CH2CH2OHである請求項2に記載の化合物または塩。
  4. R1がエチルである請求項3に記載の化合物または塩。
  5. R2が、C2〜4アルキル、C3〜5シクロアルキル、または-CH2シクロプロピルである請求項1、2、3、または4に記載の化合物または塩。
  6. R2が、エチル、プロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロプロピルメチルである請求項5に記載の化合物または塩。
  7. R3において、1または0個の置換基がある請求項1〜6のいずれかに記載の化合物または塩。
  8. R3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキル、または場合によっては置換されていてもよい下位式(aa)、(bb)、もしくは(cc)の複素環基である請求項1〜7のいずれかに記載の化合物または塩。
  9. R3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルである場合、場合によっては置換されていてもよいシクロヘキシルである請求項1〜8のいずれかに記載の化合物または塩。
  10. R3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルである場合、R3は、独立にオキソ(=O);OH;NHR21(式中、R21は水素原子(H)である);メチル;-CH2F;-CHF2;-C(O)OR23(式中、R23はHである);-C(O)NHR24(式中、R24はHである);フルオロ;ヒドロキシイミノ(=N-OH);またはメトキシイミノ(=N-OR26、式中、R26はメチルである)である1または2個の置換基で場合によっては置換されていてもよいC6〜7シクロアルキルである請求項1〜9のいずれかに記載の化合物または塩。
  11. R3が、場合によっては置換されていてもよいC3〜8シクロアルキルである場合、R3は、独立にOH;-C(O)NHR24(式中、R24はHである);オキソ(=O)、またはヒドロキシイミノ(=N-OH)である1または2個の置換基で場合によっては置換されていてもよいC6〜7シクロアルキルである請求項10に記載の化合物または塩。
  12. R3について、オプションのR3置換基が1または2個存在する場合それは、
    (a)R3のシクロブチル環の3位、または
    (b)R3のシクロペンチルもしくはシクロペンテニル環の3位および/もしくは4位、または
    (c)R3のシクロヘキシルもしくはシクロヘキセニル環の3、4、および/もしくは5位、または
    (d)R3のシクロヘプチルもしくはシクロヘプテニル環の3、4、5、および/もしくは6位、または
    (e)R3のシクロオクチル環の3、4、5、6、および/もしくは7位、
    かつ/または
    (f)アルキルもしくはフルオロアルキル置換基の場合、R3のシクロアルキルもしくはシクロアルケニル環の1、2、および/もしくは最高位、かつ/または
    (g)NHR21置換基の場合、R3のシクロアルキルもしくはシクロアルケニル環の2位および/もしくは最高位における置換基である請求項1〜11のいずれかに記載の化合物または塩。
  13. R3が下位式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基である場合、YはOまたはNR10である請求項1〜12のいずれかに記載の化合物または塩。
  14. R10が、H、C(O)NH2、またはC(O)メチルである請求項1〜13のいずれかに記載の化合物または塩。
  15. R10がC(O)NH2である請求項14に記載の化合物または塩。
  16. R3が下位式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基である場合、R3は、下位式(bb)の複素環基であり、かつn1は1である請求項1〜15のいずれかに記載の化合物または塩。
  17. R3において、下位式(aa)、(bb)、または(cc)の複素環基が、環炭素において置換されていない請求項1〜16のいずれかに記載の化合物または塩。
  18. R3が、場合によっては置換されていてもよいモノ-不飽和C5〜7シクロアルケニルである場合、独立にフルオロまたはメチルである1または2個の置換基で場合によっては置換されていてもよいモノ-不飽和シクロヘキセニルであり、
    かつR3が下位式(ee)の二環系基である場合、Y1、Y2、およびY3はすべてCH2である請求項1〜17のいずれかに記載の化合物または塩。
  19. NHR3が、下位式(a)、(a1)、(b)、(c)、(c1)、(c2)、(c3)、(c4)、(c5)、(c6)、(c7)、(d)、(e)、(f)、(g)、(g1)、(g2)、(g3)、(g4)、(h)、(i)、(j)、(k)、(k1)、(k2)、(L)、(m)、(ml)、(m2)、(m3)、(m5)、(n)、(o)、(o1)、(o2)、(o3)、(p)、(p1)、(p2)、(p3)、(p4)、(p5)、(p6)、(p7)、(p8)、(p9)、(p10)、(p11)、または(q)を有する請求項1〜18のいずれかに記載の化合物または塩:
    Figure 2007529485
  20. NHR3が、下位式(c)、(c1)、(c4)、(c5)、(h)、(i)、(j)、(k)、(k2)、(m1)、(m2)、(n)、(o)、(o2)、(o3)、(p2)、(p5)、(p6)、(p9)、(p11)、または(q)を有する請求項19に記載の化合物または塩。
  21. NHR3が、下位式(c)、(p11)、(h)、(k2)、(n)、(o)、(o2)、または(p9)を有する請求項19に記載の化合物または塩。
  22. NHR3が、下位式(n)を有する場合、シス配置であり、すなわちシス-(3-ヒドロキシシクロヘキサン-1-イル)アミノ基であり;かつ
    NHR3が、下位式(p9)を有する場合、シス配置であり、すなわちシス-[4-(アミノカルボニル)シクロヘキサン-1-イル]アミノ基である請求項19、20、または21に記載の化合物または塩。
  23. NHR3が、下位式(h)または(k2)であり、すなわちR3が、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルまたは1-(アミノカルボニル)-4-ピペリジニルである請求項19に記載の化合物または塩。
  24. R4が、水素原子(H);メチル、エチル、C1フルオロアルキル、-CH2OH、-CH(Me)OH、-CH2CH2OH、または-CH2OMeである請求項1〜23のいずれかに記載の化合物または塩。
  25. R4が、水素原子(H)、メチル、エチル、-CH2OH、または-CH2OMeである請求項24に記載の化合物または塩。
  26. R5が、水素原子(H)、メチル、エチル、n-プロピル、またはiso-プロピルである請求項1〜25のいずれかに記載の化合物または塩。
  27. 下位式(x)において、
    A、B、D、E、およびFのうちの2個以上が、C-H(炭素-水素)であり、かつA、B、D、E、およびFのうちの他の1個または複数が独立に、C-H(炭素-水素)、C-F(炭素-フッ素)、C-Cl(炭素-塩素)、C-Me、C-OMe、または窒素(N)であり;
    A、B、D、E、およびFのうちの1個以下が、窒素であり;かつ
    A、B、D、E、およびFがどれも、窒素-オキシド(N+-O-)でない請求項1〜26のいずれかに記載の化合物または塩。
  28. Arが下位式(x)を有する請求項1〜27のいずれかに記載の化合物または塩。
  29. Arが下位式(x)を有し、かつ下位式(x)が、下位式(x1)、(x2)、(x3)、(x4)、(x5)、(x6)、(x7)、(x8)、(x9)、(x10)、(x11)、(x12)、(x13)、(x14)、(x15)、または(x16)である請求項28に記載の化合物または塩:
    Figure 2007529485
  30. Arが下位式(x)を有し、かつ下位式(x)が下位式(x1)である請求項29に記載の化合物または塩。
  31. Arが下位式(x1)を有し、モノアルキル-フェニル-、モノ(フルオロアルキル)-フェニル-、モノハロ-フェニル-、モノアルコキシ-フェニル-、モノ(フルオロアルコキシ)-フェニル-、ジアルキル-フェニル-、モノアルキル-モノハロ-フェニル-、ジハロ-フェニル-、またはジハロ-モノアルキル-フェニル-である請求項30に記載の化合物または塩。
  32. Arが、モノC1〜4アルキル-フェニル-;モノC1フルオロアルキル-フェニル-;モノC1〜3アルコキシ-フェニル-;モノ(C1フルオロアルコキシ)-フェニル-;ジC1〜3アルキル-フェニル-;モノC1〜3アルキル-モノハロ-フェニル-;ジハロ-フェニル-;またはジハロ-モノC1〜2アルキル-フェニル-である請求項31に記載の化合物または塩。
  33. 下位式(x)において、R6A、R6B、R6D、R6E、およびR6Fが相互に独立に、水素原子(H)、フッ素、塩素、もしくは臭素原子、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、トリフルオロメチル、-CH2OH、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、ジフルオロメトキシ、OH、またはMeS(O)2-である請求項1〜32のいずれかに記載の化合物または塩。
  34. R9が、水素原子(H)またはメチルであり、
    R6J、R6L、R6M、およびR6Qが独立に、H、OH(そのケト互変異性体を含む)、C1〜2アルキル、またはC1フルオロアルキルであり;かつ
    Arが下位式(z)を有する場合、下位式(z)が下記のうちの1つである
    Figure 2007529485
    請求項1〜33のいずれかに記載の化合物または塩。
  35. 化合物または薬剤として許容できるその塩として実施例1から29の1つである請求項1に記載の化合物または塩。
  36. 哺乳類における活性治療物質としての使用のための請求項1〜35のいずれかに記載の化合物または塩。
  37. 請求項1〜35のいずれかに記載の式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩、ならびに1つまたは複数の薬剤として許容できる担体および/または賦形剤を含む薬剤組成物。
  38. 哺乳類において炎症性および/またはアレルギー性疾患の治療および/または予防のための医薬品の製造における、請求項1〜35のいずれかに記載の式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩の使用。
  39. 炎症性および/またはアレルギー性疾患が、ヒトにおける慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、リウマチ様関節炎、またはアレルギー性鼻炎である請求項38に記載の使用。
  40. それを必要とするヒトにおける炎症性および/またはアレルギー性疾患の治療および/または予防の方法であって、請求項1〜35のいずれかに記載の式(I)の化合物または薬剤として許容できるその塩の治療上有効量を、ヒトに投与することを含む方法。
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