JP2007519720A - チアゾール化合物 - Google Patents

チアゾール化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP2007519720A
JP2007519720A JP2006551058A JP2006551058A JP2007519720A JP 2007519720 A JP2007519720 A JP 2007519720A JP 2006551058 A JP2006551058 A JP 2006551058A JP 2006551058 A JP2006551058 A JP 2006551058A JP 2007519720 A JP2007519720 A JP 2007519720A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
compound
alkyl
phenyl
plk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006551058A
Other languages
English (en)
Inventor
エミット,カイル,アレン
Original Assignee
スミスクライン ビーチャム コーポレーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by スミスクライン ビーチャム コーポレーション filed Critical スミスクライン ビーチャム コーポレーション
Publication of JP2007519720A publication Critical patent/JP2007519720A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D417/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00
    • C07D417/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00 containing two hetero rings
    • C07D417/04Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00 containing two hetero rings directly linked by a ring-member-to-ring-member bond
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/02Antineoplastic agents specific for leukemia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Abstract

本発明は、式(I)〔式中、変数はすべて、本明細書中に定義されるとおりである〕で示される化合物と、該化合物を含有する医薬組成物と、該化合物の調製方法と、医薬剤としてのそれらの使用と、を提供する。
【化1】
Figure 2007519720

【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な化合物と、これらの化合物を含む医薬製剤と、治療におけるこれらの化合物の使用とに関する。より詳しくは、本発明は、Polo様キナーゼにより媒介される病状、感受性新生物、および他の病状を治療するための新規な化合物および方法に関する。
Polo様キナーゼ(PLK)は、細胞周期の調節過程で重要な役割を果たす進化的に保存されたセリン/トレオニンキナーゼである。PLKは、酵母細胞から哺乳動物細胞までのさまざまな生物で、有糸***への入口および有糸***の出口において役割を果たす。PLKは、PLK1、PLK2、およびPLK3を包含する。
Polo様キナーゼは、酵母、ショウジョウバエ、およびツメガエルにおける有糸***に不可欠であることが知られている。たとえば、これらの生物において相同PLK遺伝子の変異体は有糸***紡錘体の障害を引き起こし、ショウジョウバエでは突然変異は胚致死性であることもある。ショウジョウバエpoloに関するRNA干渉実験から、S2細胞でpoloを除去するとG2/M停止およびアポトーシスを生じることが明らかにされている。PLK1は、ショウジョウバエpoloのヒト相同体である。それは、ホスファターゼcdc25Cをリン酸化して活性化させ、その結果としてcdk1から抑制性リン酸を除去することにより、cdk1の活性化を介して有糸***への入口において役割を果たすと考えられている。これにより、有糸***の発生を引き起こすcdk1の活性化ループが開始される。PLK1はまた、cdk1のサイクリンパートナーであるサイクリンB1をリン酸化し、核局在化をもたらす。有糸***中、PLK1は、有糸***紡錘体の形成に関係する中心体成熟や微小管動態に関与することが明らかにされている。PLK1はまた、後期促進複合体のサブユニット(cdc16およびcdc27)をリン酸化して活性化することにより、細胞の有糸***の出口に関係する。PLK1はまた、姉妹染色分体を保持一体化するコヒーシンタンパク質をリン酸化して、セパラーゼ切断部位を露出し、後期に姉妹染色分体の分離を可能にする。PLK1はまた、キネシン様モータータンパク質MKLP1のリン酸化を介して細胞質***に関与する可能性もある。したがって、PLK1を阻害すると、有糸***のいくつかの段階が妨害される可能性がある。PLKタンパク質の発現および活性はまた、細胞周期中に増大して、有糸***中にそのピークに達するとともにそのときに最大限にリン酸化される。PLK1 mRNAは、高い有糸***指数を有する細胞内で高度に発現される。PLK2(血清誘導性キナーゼSNK)およびPLK3(増殖関連キナーゼPRK;繊維芽細胞増殖因子誘導性キナーゼFNK)は、前初期遺伝子として最初に同定された。PLK2は、あまり十分に特性付けされていないが、PLK3は、M期を通して細胞周期進行の調節に関係するように思われる(ただし、PLK1とは異なる機能を果たす)。最近発表された研究から、PLK3は、有糸***中に微小管動態の調節および中心体の機能に重要な役割を果たすことが示唆される。
PLK1の過剰発現は、新生物細胞(癌を含む)との関連性が強いと思われる。発表された研究から、肺および***の腫瘍の80%以上において隣接する正常組織での発現をほとんどまたはまったく伴うことなく高レベルのPLK1 RNAが発現されることが明らかにされている。いくつかの研究から、いくつかのタイプの癌において、PLK発現、組織学的グレードと予後との間の相関が明らかにされている。PLK陽性細胞のパーセントと卵巣および子宮内膜の癌の組織学的グレードとの間に、有意な相関が見いだされた(P<0.001)。これらの研究では、浸潤性子宮内膜癌細胞でPLKが強く発現される点およびこれが子宮内膜癌の悪性度および増殖を反映している可能性がある点について言及している。RT-PCR分析を用いて、PLK過剰発現が、対応する正常組織と比較して食道癌の97%および胃癌の73%で検出された。さらに、食道癌で高レベルのPLK過剰発現を有する患者は、低レベルのPLK過剰発現を有する患者よりも有意に不良な予後のグループを構成した。頭頸部癌では、PLK1のmRNA発現の増加がほとんどの腫瘍で観測され;Kaplan-Meier解析から、適度なレベルのPLK1発現を有する患者は、高レベルのPLK1発現を有する患者よりも長生きすることが明らかにされた。非小細胞肺癌の患者の分析から、PLK1発現に関して類似の結果になることが明らかにされた。
抗微小管剤による有糸***の中断は、癌化学療法で効を奏する方法になっている。タキサン類およびビンカアルカロイド類は、臨床で効果的に使用されてきたが、それらは望ましくない副作用を有する。それに加えて、多くの腫瘍は、G2/M細胞周期チェックポイントが弱められているように思われ;有糸***の中断に反応して、これらの腫瘍は、有糸***を迂回しようと試みて有糸***の破局および細胞死に至る。
いくつかの研究から、PLKを標的にすることによる有糸***の中断は、選択的腫瘍細胞破壊を引き起こす実現可能な方法となりうることが示唆される。新生物の新しい治療方法が当技術分野で依然として必要とされている。
本発明の第1の態様によれば、式(I):
Figure 2007519720
〔式中、
R1は、-C(O)NR7R8および-C(S)NR7R8から選択され;
Y1は、-O-、-S-、-NR7-、-C=C-、および-C≡C-から選択され;
mは、0または1であり;
nは、0、1、2、3、または4であり;
Qは、式:-(R2)a-(Y2)b-(R2)c-R4で示される基であるか、または2つの隣接するQ基が、アルキル、アルケニル、-OR7、-S(O)fR7、および-NR7R8から選択されて、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、C5〜6シクロアルキル、C5〜6シクロアルケニル、フェニル、5〜7員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を有する)、または5〜6員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を有する)を形成し;
a、b、およびcは、同一であるかもしくは異なっていて、それぞれ独立して、0または1であり;
Y2は、-O-、-S(O)f-、-N(R7)-、-C(O)-、-OC(O)-、-CO2-、-C(O)N(R7)-、-C(O)N(R7)S(O)2-、-OC(O)N(R7)-、-OS(O)2-、-S(O)2N(R7)-、-S(O)2N(R7)C(O)-、-N(R7)S(O)2-、-N(R7)C(O)-、-N(R7)CO2-、および-N(R7)C(O)N(R7)-から選択され;
各R2は、同一であるかもしくは異なっていて、独立して、アルキレン、アルケニレン、およびアルキニレンから選択され;
各R3およびR4は、同一であるかもしくは異なっていて、それぞれ独立して、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、-C(O)R7、-C(O)NR7R8、-CO2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR7、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN、-N3、および式(ii):
Figure 2007519720
{ここで、
環Aは、C5〜10シクロアルキル、C5〜10シクロアルケニル、アリール、5〜10員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)、および5〜10員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)から選択され;
各dは、0または1であり;
eは、0、1、2、3、または4であり;
各R6は、同一であるかもしくは異なっていて、独立して、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ph、Het、-CH(OH)-R2-OH、-C(O)R7、-CO2R7、-CO2-R2-Ph、-CO2-R2-Het、-C(O)NR7R8、-C(O)N(R7)C(O)R7、-C(O)N(R7)CO2R7、-C(O)N(R7)C(O)NR7R8、-C(O)N(R7)S(O)2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR8、=O、-OR7、-OC(O)R7、-OC(O)Ph、-OC(O)Het、-C(O)NR7R8、-O-R2-S(O)2R7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-S(O)2Ph、-S(O)2Het、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)CO2R8、-N(R7)-R2-CO2R8、-N(R7)C(O)NR7R8、-N(R7)-R2-C(O)NR7R8、-N(R7)C(O)Ph、-N(R7)C(O)Het、-N(R7)Ph、-N(R7)Het、-N(R7)C(O)NR7-R2-NR7R8、-N(R7)C(O)N(R7)Ph、-N(R7)C(O)N(R7)Het、-N(R7)C(O)N(R7)-R2-Het、-N(R7)S(O)2R8、-N(R7)-R2-S(O)2R8、-NO2、-CN、および-N3から選択され;
Phは、ハロ、アルキル、-OH、-R2-OH、-O-アルキル、-R2-O-アルキル、-NH2、-N(H)アルキル、-N(アルキル)2、-CN、および-N3から選択される置換基で場合により1〜3箇所置換されているフェニルであり;
Hetは、5〜7員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1、2、3、もしくは4個のヘテロ原子を有する)または5〜6員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1、2、3、もしくは4個のヘテロ原子を有する)であり、それぞれ、ハロ、アルキル、オキソ、-OH、-R2-OH、-O-アルキル、-R2-O-アルキル、-NH2、-N(H)アルキル、-N(アルキル)2、-CN、および-N3から選択される置換基で場合により1〜2箇所置換されている}
で示される基から選択され;
Y1が-O-、-S-、または-NR7-でありかつmが0であるとき、R3は、ハロ、-CO2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR7、-OR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN、および-N3のいずれでもなく;
bが1でありかつcが0であるようにQが定義されたとき、R4は、ハロ、-C(O)R7、-C(O)NR7R8、-CO2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR7、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN、および-N3のいずれでもなく;
R5は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、OR7、-S(O)fR7、-NR7R8、-NHC(O)R7、-NHC(O)NR7R8、および-NHS(O)2R7から選択され;
fは、0、1、または2であり;そして
各R7および各R8は、同一であるかもしくは異なっていて、それぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルから選択される〕
で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体が提供される。
本発明の他の態様では、式(I)で示される化合物を含む医薬組成物が提供される。一実施形態では、医薬組成物は、製薬上許容される担体、希釈剤、または賦形剤をさらに含む。
本発明の第3の態様では、動物においてPLKにより媒介される病状を治療する方法が提供される。本方法は、治療上有効な量の式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体を動物に投与することを含む。
本発明の第4の態様では、動物においてPLKに対して感受性のある新生物を治療する方法が提供される。本方法は、治療上有効な量の式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体を動物に投与することを含む。感受性新生物は、乳癌、結腸癌、肺癌、前立腺癌、リンパ腫、白血病、子宮内膜癌、黒色腫、膵臓癌、卵巣癌、扁平上皮癌、頭頸部癌、および食道癌から選択可能である。
本発明の第5の態様では、不適切な細胞増殖により特性付けられるPLK媒介病状を治療する方法が提供される。本方法は、治療上有効な量の式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体に細胞を接触させることを含む。
第6の態様では、本発明は、細胞の増殖を阻害する方法を提供する。本方法は、細胞の増殖を阻害するのに十分な量の式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体に細胞を接触させることを含む。この場合、本化合物は、PLKを阻害する。
他の態様では、本発明は、細胞の有糸***を阻害する方法を提供する。本方法は、細胞の有糸***を阻害するのに十分な量の式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体を細胞に投与することを含む。この場合、本化合物は、PLKを阻害する。
他の態様では、
a)式(III):
Figure 2007519720
で示される化合物を、式(IV):
Figure 2007519720
〔式中、
Xは、Cl、Br、またはIであり;
各R10は、同一であるかもしくは異なっていて、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルから選択される〕
で示される化合物と反応させて、式(I)で示される化合物を調製する工程と;
b)場合により、式(I)で示される化合物を、その製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体に変換する工程と;
c)場合により、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体を、異なる式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体に変換する工程と;
を含む、式(I)で示される化合物の調製方法が提供される。
他の態様では、本発明は、放射性標識化された式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体を提供する。一実施形態では、本発明は、トリチウム化された式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体を提供する。他の態様では、本発明は、ビオチン化された式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体を提供する。
他の態様では、本発明は、治療に使用するための式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体を提供する。
さらに他の態様では、本発明は、動物においてPLKにより媒介される病状の治療に使用するための式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体を提供する。
さらに他の態様では、本発明は、動物においてPLKに対して感受性のある新生物の治療に使用するための式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体を提供する。
他の態様では、本発明は、不適切な細胞増殖により特性付けられるPLK媒介病状の治療に使用するための式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体を提供する。
さらに他の態様では、本発明は、細胞の増殖の阻害に使用するための式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体を提供する。この場合、本化合物は、PLKを阻害する。
さらに他の態様では、本発明は、細胞の有糸***の阻害に使用するための式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体を提供する。この場合、本化合物は、PLKを阻害する。
さらに他の態様では、本発明は、動物においてPLKにより媒介される病状を治療する医薬を調製するための式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体の使用を提供する。
さらに他の態様では、本発明は、動物においてPLKに対して感受性のある新生物を治療する医薬を調製するための式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体の使用を提供する。
さらに他の態様では、本発明は、動物において不適切な細胞増殖により特性付けられるPLK媒介病状を治療する医薬を調製するための式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体の使用を提供する。
さらに他の態様では、本発明は、細胞の増殖を阻害する医薬を調製するための式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体の使用を提供する。この場合、本化合物は、PLK阻害剤である。
さらに他の態様では、本発明は、細胞の有糸***を阻害する医薬を調製するための式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体の使用を提供する。この場合、本化合物は、PLK阻害剤である。
さらに他の態様では、本発明は、動物においてPLKに対して感受性のある新生物の治療に使用するための式(I)で示される化合物を含む医薬組成物を提供する。
本明細書中で使用する場合、「本発明に係る化合物」または「式(I)で示される化合物」とは、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体を意味する。同様に、たとえば、式(III)、(IV)、および(VIII)で示される化合物のような単離可能な中間体に関して、「式(番号)で示される化合物」という表現は、その式を有する化合物、ならびにその製薬上許容される塩、溶媒和物、および生理学的機能性誘導体を意味する。
本明細書中で使用する場合、「アルキル」(および「アルキレン」)という用語は、1〜8個の炭素原子を含有する直線状もしくは分枝状の炭化水素鎖を意味する。本明細書中で使用される「アルキル」の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、イソブチル、イソプロピル、およびtert-ブチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本明細書中で使用される「アルキレン」の例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、およびイソブチレンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。「アルキル」は、置換されたアルキルをも包含する。アルキル基は、ハロゲンで場合により1箇所以上置換されていてもよい。したがって、「アルキル」という用語は、トリフルオロメチルおよびトリフルオロエチルをはじめとするハロゲン化アルキルを包含する。
本明細書中で使用する場合、「アルケニル」という用語は、2〜8個の炭素原子(異なる原子数が指定されていないかぎり)と少なくとも1個かつ3個までの炭素-炭素二重結合とを含有する直線状もしくは分枝状の炭化水素鎖を意味する。本明細書中で使用される「アルケニル」の例としては、エテニルおよびプロペニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。「アルケニル」は、置換されたアルケニルをも包含する。アルケニル基は、場合により、ハロゲンで1箇所以上置換されていてもよい。
本明細書中で使用する場合、「アルキニル」という用語は、2〜8個の炭素原子(異なる原子数が指定されていないかぎり)と少なくとも1個かつ3個までの炭素-炭素三重結合とを含有する直線状もしくは分枝状の炭化水素鎖を意味する。本明細書中で使用される「アルキニル」の例としては、エチニルおよびプロピニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。「アルキニル」は、置換されたアルキニルをも包含する。アルキニル基は、場合により、ハロゲンで1箇所以上置換されていてもよい。
本明細書中で使用する場合、「シクロアルキル」という用語は、3〜8個の炭素原子(異なる原子数が指定されていないかぎり)を有しかつ炭素-炭素二重結合を有していない非芳香族単環式炭素環を意味する。「シクロアルキル」としては、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。「シクロアルキル」は、置換されたシクロアルキルをも包含する。シクロアルキルは、場合により、ハロ、C1〜3アルキル(ペルフルオロアルキルなどのハロアルキルを含む)、-OH、-O-C1〜3アルキル、-NH2、-NH(C1〜3アルキル)、-N(C1〜3アルキル)2、-CN、および-N3よりなる群から選択される1個以上の置換基により任意の利用可能な炭素上で置換されていてもよい。好ましいシクロアルキル基としては、C3〜6シクロアルキルおよび置換されたC3〜6シクロアルキルが挙げられる。
本明細書中で使用する場合、「シクロアルケニル」という用語は、3〜8個の炭素原子(異なる原子数が指定されていないかぎり)と3個までの炭素-炭素二重結合とを有する非芳香族単環式炭素環を意味する。「シクロアルケニル」としては、たとえば、シクロブテニル、シクロペンテニル、およびシクロヘキセニルが挙げられる。「シクロアルケニル」は、置換されたシクロアルケニルをも包含する。シクロアルケニルは、場合により、ハロ、C1〜3アルキル(ペルフルオロアルキルなどのハロアルキルを含む)、-OH、-O-C1〜3アルキル、-NH2、-NH(C1〜3アルキル)、-N(C1〜3アルキル)2、-CN、および-N3から選択される1個以上の置換基により任意の利用可能な炭素上で置換されていてもよい。
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を意味する。
本明細書中で使用される「オキソ」という用語は、炭化水素環(すなわち、シクロアルケニル環、アリール環、ヘテロ環、またはヘテロアリール環)の炭素原子に直接結合された=O基、ならびにNまたはSがヘテロ環またはヘテロアリール環の原子である場合には、-N-オキシド、スルホン、およびスルホキシドを意味する。
「アリール」という用語は、6〜13個の炭素原子(異なる原子数が指定されていないかぎり)を有しかつ少なくとも1個の芳香環を有する単環式炭素環式基および縮合二環式炭素環式基を意味する。特定のアリール基の例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明に係る特定の1つのアリール基は、フェニルである。
「ヘテロ環」および「ヘテロ環式」という用語は、特定の員数を有しかつN、O、およびSから選択される1、2、3、もしくは4個のヘテロ原子(異なるヘテロ原子数が指定されていないかぎり)を含有する単環式の飽和もしくは不飽和の非芳香族基および縮合二環式の飽和もしくは不飽和の非芳香族基を意味する。特定のヘテロ環式基の例としては、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピラン、テトラヒドロピラン、チエタン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、1,3-ジオキソラン(dioxalane)、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピリミジン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、チアゾリジン、オキサゾリジン、テトラヒドロチオピラン、テトラヒドロチオフェンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
「ヘテロアリール」という用語は、特定の員数を有しかつN、O、およびSから選択される1、2、3、もしくは4個のヘテロ原子(異なるヘテロ原子数が指定されていないかぎり)を含有する芳香族単環式基および縮合二環式基(ただし、少なくとも1個の環は芳香族である)を意味する。特定のヘテロアリール基の例としては、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、およびインダゾールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ヘテロ環式基およびヘテロアリール基に関連する「員」(およびその変化形、たとえば「員の」)という用語は、環を形成する全原子(炭素ならびにヘテロ原子N、O、および/またはS)を意味する。したがって、6員ヘテロ環の例はピペリジンであり、6員ヘテロアリール環の例はピリジンである。
本明細書中で使用する場合、「場合により」という用語は、続いて記載される事象(複数も可)が起こっても起こらなくてもよいことを意味し、事象(複数も可)が起こる場合と事象が起こらない場合の両方を包含する。
本発明は、式(I):
Figure 2007519720
〔式中、
R1は、-C(O)NR7R8および-C(S)NR7R8から選択され;
Y1は、-O-、-S-、-NR7-、-C=C-、および-C≡C-から選択され;
mは、0または1であり;
nは、0、1、2、3、または4であり;
Qは、式:-(R2)a-(Y2)b-(R2)c-R4で示される基であるか、または2つの隣接するQ基が、アルキル、アルケニル、-OR7、-S(O)fR7、および-NR7R8から選択されて、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、C5〜6シクロアルキル、C5〜6シクロアルケニル、フェニル、5〜7員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を有する)、または5〜6員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を有する)を形成し;
a、b、およびcは、同一であるかもしくは異なっていて、それぞれ独立して、0または1であり;
Y2は、-O-、-S(O)f-、-N(R7)-、-C(O)-、-OC(O)-、-CO2-、-C(O)N(R7)-、-C(O)N(R7)S(O)2-、-OC(O)N(R7)-、-OS(O)2-、-S(O)2N(R7)-、-S(O)2N(R7)C(O)-、-N(R7)S(O)2-、-N(R7)C(O)-、-N(R7)CO2-、および-N(R7)C(O)N(R7)から選択され;
各R2は、同一であるかもしくは異なっていて、独立して、アルキレン、アルケニレン、およびアルキニレンから選択され;
各R3およびR4は、同一であるかもしくは異なっていて、それぞれ独立して、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、-C(O)R7、-C(O)NR7R8、-CO2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR7、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN、-N3、および式(ii):
Figure 2007519720
{ここで、
環Aは、C5〜10シクロアルキル、C5〜10シクロアルケニル、アリール、5〜10員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)、および5〜10員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)から選択され;
各dは、0または1であり;
eは、0、1、2、3、または4であり;
各R6は、同一であるかもしくは異なっていて、独立して、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ph、Het、-CH(OH)-R2-OH、-C(O)R7、-CO2R7、-CO2-R2-Ph、-CO2-R2-Het、-C(O)NR7R8、-C(O)N(R7)C(O)R7、-C(O)N(R7)CO2R7、-C(O)N(R7)C(O)NR7R8、-C(O)N(R7)S(O)2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR8、=O、-OR7、-OC(O)R7、-OC(O)Ph、-OC(O)Het、-C(O)NR7R8、-O-R2-S(O)2R7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-S(O)2Ph、-S(O)2Het、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)CO2R8、-N(R7)-R2-CO2R8、-N(R7)C(O)NR7R8、-N(R7)-R2-C(O)NR7R8、-N(R7)C(O)Ph、-N(R7)C(O)Het、-N(R7)Ph、-N(R7)Het、-N(R7)C(O)NR7-R2-NR7R8、-N(R7)C(O)N(R7)Ph、-N(R7)C(O)N(R7)Het、-N(R7)C(O)N(R7)-R2-Het、-N(R7)S(O)2R8、-N(R7)-R2-S(O)2R8、-NO2、-CN、および-N3から選択される}
で示される基から選択され;
Phは、ハロ、アルキル、-OH、-R2-OH、-O-アルキル、-R2-O-アルキル、-NH2、-N(H)アルキル、-N(アルキル)2、-CN、および-N3から選択される置換基で場合により1〜3箇所置換されているフェニルであり;
Hetは、5〜7員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1、2、3、もしくは4個のヘテロ原子を有する)または5〜6員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1、2、3、もしくは4個のヘテロ原子を有する)であり、それぞれ、ハロ、アルキル、オキソ、-OH、-R2-OH、-O-アルキル、-R2-O-アルキル、-NH2、-N(H)アルキル、-N(アルキル)2、-CN、および-N3から選択される置換基で場合により1〜2箇所置換され;
Y1が-O-、-S-、または-NR7-でありかつmが0であるとき、R3は、ハロ、-C(O)R7、-C(O)NR7R8、-CO2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR7、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN、および-N3のいずれでもなく;
bが1でありかつcが0であるようにQが定義されたとき、R4は、ハロ、-C(O)R7、-C(O)NR7R8、-CO2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR7、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN、および-N3のいずれでもなく;
R5は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、OR7、-S(O)fR7、-NR7R8、-NHC(O)R7、-NHC(O)NR7R8、および-NHS(O)2R7から選択され;
fは、0、1、または2であり;そして
各R7および各R8は、同一であるかもしくは異なっていて、それぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルから選択される〕
で示される化合物、ならびにその製薬上許容される塩、溶媒和物、および生理学的機能性誘導体を提供する。
一実施形態では、式(I)で示される化合物は、R1が-C(O)NR7R8であるように定義される。一実施形態では、式(I)で示される化合物は、R1が-C(O)NH2、-C(O)N(H)アルキル、-C(O)N(アルキル)2、-C(S)NH2、-C(S)N(H)アルキル、および-C(S)N(アルキル)2、またはその任意のサブセットから選択されるように定義される。一実施形態では、R1は、-C(O)NH2、-C(O)N(H)アルキル、-C(S)NH2、および-C(S)N(H)アルキル、またはその任意のサブセットから選択される。一実施形態では、R1は、-C(O)NH2および-C(S)NH2、またはその任意のサブセットから選択される。特定の一実施形態では、R1は-C(O)NH2である。
一実施形態では、式(I)で示される化合物は、Y1が-O-、-S-、および-N(R7)-、またはその任意のサブセットから選択されるように定義される。他の実施形態では、Y1は、-O-および-N(R7)-から選択される。特定の一実施形態では、Y1は-O-である。他の特定の実施形態では、Y1は-N(R7)-であり、かつR7は、Hまたはアルキル、より特定的にはHである。
mは0または1である。一実施形態では、式(I)で示される化合物は、mが0であるように定義される。mが1であるつまり(R2)m基が存在する実施形態では、R2は、典型的にはアルキレンまたはアルケニレン、より特定的にはアルキレンである。特定の一実施形態では、mは1であり、かつ(R2)mはC1〜3アルキレンである。
Y1およびmの定義との整合して、R3基は、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、-C(O)R7、-C(O)NR7R8、-CO2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR7、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN、-N3、および式(ii):
Figure 2007519720
で示される基から選択可能である。
一実施形態では、R3は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、および式(ii)で示される基、またはその任意のサブセットから選択される。特定の一実施形態では、R3は、H、アルキル、アルケニル、およびアルキニル、またはその任意のサブセットから選択される。一実施形態では、R3がアルキルである場合、R3はC2〜6アルキルである。
特定の一実施形態では、R3は、式(ii)で示される基である。
式(ii)中、
Figure 2007519720
は、本明細書中では、「環A」を意味する。環Aは、C5〜10シクロアルキル、C5〜10シクロアルケニル、アリール、5〜10員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)、および5〜10員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)から選択される。環Aは、任意の適切な炭素またはヘテロ原子を介して、R2またはY1(mが0である場合)に結合可能である。一実施形態では、式(I)で示される化合物は、R3が、式(ii)で示される基であり、かつ環Aが、C5〜10シクロアルキル、C5〜10シクロアルケニル、アリール、5〜10員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)、および5〜10員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)から選択されるように定義される。一実施形態では、R3は、式(ii)で示される基であり、かつ環Aは、アリール、5〜10員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)、および5〜10員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)から選択される。特定の一実施形態では、R3は、式(ii)で示される基であり、かつ環Aは、アリールおよび5〜10員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)から選択される。
一実施形態では、R3は、式(ii)で示される基であり、かつ環Aは、シクロアルキル、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、モルホリン、ピペリジン、フェニル、ナフチル、チオフェン、フラン、ピロール、ピロリジン、ピロリジノン、イミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ピリジル、
Figure 2007519720
またはその任意のサブセットから選択される。特定の一実施形態では、環Aはフェニルである。特定の一実施形態では、環Aはピリジルである。
式(I)で示される化合物中の-Y1-(R2)m-R3基の具体例は、
Figure 2007519720
またはその任意のサブセットから選択される。
一実施形態では、-Y1-(R2)m-R3基は、
Figure 2007519720
である。
一実施形態では、-Y1-(R2)m-R3基は、
Figure 2007519720
である。
特定の一実施形態では、-Y1-(R2)m-R3基は、
Figure 2007519720
である。
特定の一実施形態では、-Y1-(R2)m-R3基は、
Figure 2007519720
である。
一実施形態では、式(I)で示される化合物は、R3が式(ii)で示される基でありかつdが0または1であるように定義される。R3が式(ii)で示される基である特定の実施形態では、dは1でありかつ(R2)dはC1〜3アルキレンである。一実施形態では、dは0である。
R3が式(ii)で示される基であるように式(I)で示される化合物が定義される一実施形態では、eは、0、1、2、または3である。特定の一実施形態では、eは、0または1である。一実施形態では、eは1である。一実施形態では、eは2である。
R3が式(ii)で示される基であるように式(I)で示される化合物が定義される一実施形態では、各R6は、同一であるかもしくは異なっていて、独立して、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ph、Het、-CH(OH)-R2-OH、-C(O)R7、-CO2R7、-CO2-R2-Ph、-CO2-R2-Het、-C(O)NR7R8、-C(O)N(R7)C(O)R7、-C(O)N(R7)CO2R7、-C(O)N(R7)C(O)NR7R8、-C(O)N(R7)S(O)2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR8、=O、-OR7、-OC(O)R7、-OC(O)Ph、-OC(O)Het、-C(O)NR7R8、-O-R2-S(O)2R7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-S(O)2Ph、-S(O)2Het、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)CO2R8、-N(R7)-R2-CO2R8、-N(R7)C(O)NR7R8、-N(R7)-R2-C(O)NR7R8、-N(R7)C(O)Ph、-N(R7)C(O)Het、-N(R7)Ph、-N(R7)Het、-N(R7)C(O)NR7-R2-NR7R8、-N(R7)C(O)N(R7)Ph、-N(R7)C(O)N(R7)Het、-N(R7)C(O)N(R7)-R2-Het、-N(R7)S(O)2R8、-N(R7)-R2-S(O)2R8、-NO2、-CN、および-N3、またはその任意のサブセットから選択される。特定の一実施形態では、R3は、式(ii)で示される基であり、かつ各R6は、同一であるかもしくは異なっていて、独立して、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、および-CN、またはその任意のサブセットから選択される。特定の一実施形態では、R3は、式(ii)で示される基であり、かつ各R6は、同一であるかもしくは異なっていて、独立して、H、ハロ、アルキル、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、および-NO2、またはその任意のサブセットから選択される。
より具体的には、R3が式(ii)で示される基である一実施形態では、各R6は、同一であるかもしくは異なっていて、独立して、H、F、Cl、Br、I、メチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、イソ-ブチル、t-ブチル、エテニル、プロペニル、アセチレン、O-メチル、O-ジフルオロメチル、O-トリフルオロメチル、O-エチル、O-プロピル、O-イソプロピル、O-シクロプロピル、-SO2-メチル、-SO2NH2、-NH2、-NH(アルキル)、-N(アルキル)アルキル、-NH(シクロプロピル)、-NHSO2-メチル、-NO2、および-CN、またはその任意のサブセットから選択する。
一実施形態では、-Y1-(R2)m-R3基は、Y1が、-O-、-S-、または-NR7-であり、かつmが0である場合、R3が、ハロ、-CO2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR7、-OR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN、および-N3のいずれでもないように定義される。一実施形態では、-Y1-(R2)m-R3基は、Y1が、-O-、-S-、または-NR7-であり、かつmが0である場合、R3が、ハロ、-C(O)R7、-C(O)NR7R8、-CO2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR7、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN、および-N3のいずれでもないように定義される。
一実施形態では、nは、0、1、もしくは2、またはその任意のサブセットである。特定の一実施形態では、nは0である。つまり、ベンゾイミダゾール環は、C-4位、C-5位、C-6位、およびC-7位が無置換である。一実施形態では、nは1である。一実施形態では、nは2である。
Qは、式-(R2)a-(Y2)b-(R2)c-R4で示される基である。Qは、ベンゾイミダゾール環のC-4、C-5、C-6、および/またはC-7のいずれかに位置しうる。一実施形態では、nは1であり、かつQはC-5位である。一実施形態では、nは1であり、かつQはC-6位である。特定の一実施形態では、nは2であり、かつQは、C-5位およびC-6位である。
上記の式において、a、b、およびcは、同一であるかもしくは異なっていて、それぞれ独立して、0または1である。
一実施形態では、aは0である;したがって、(R2)a基は、存在しない。aが1である実施形態では、(R2)aは、典型的にはアルキレンまたはアルケニレン、より特定的にはアルキレンである。aが1であるようにQが定義される特定の一実施形態では、(R2)aはC1〜3アルキレンである。
一実施形態では、式(I)で示される化合物は、bが0であるように定義される。他の実施形態では、式(I)で示される化合物中のQは、bが1であるように定義される;したがって、Y2は存在する。Y2は、-O-、-S(O)f-、-N(R7)-、-C(O)-、-OC(O)-、-CO2-、-C(O)N(R7)-、-C(O)N(R7)S(O)2-、-OC(O)N(R7)-、-OS(O)2-、-S(O)2N(R7)-、-S(O)2N(R7)C(O)-、-N(R7)S(O)2-、-N(R7)C(O)-、-N(R7)CO2-、および-N(R7)C(O)N(R7)-から選択される。bが1である一実施形態では、Y2は、-O-、-S(O)f-、-N(R7)-、-C(O)-、-OC(O)-、-CO2-、-C(O)N(R7)-、-OS(O)2-、-N(R7)S(O)2-、-N(R7)C(O)-、-N(R7)CO2-、および-N(R7)C(O)N(R7)-、またはその任意のサブセットから選択される。他の特定の実施形態では、bは1であり、かつY2は、-O-、-S(O)f-、-N(R7)-、-CO2-、-C(O)N(R7)-、-N(R7)S(O)2-、さらには-N(R7)C(O)-、-N(R7)CO2-、および-N(R7)C(O)N(R7)-、またはその任意のサブセットから選択される。特定の一実施形態では、Qは、bが1であり、かつY2が、-O-、-S(O)f-、-N(R7)-、-CO2-、および-C(O)N(R7)-、またはその任意のサブセットから選択されるように定義される。特定の一実施形態では、Qは、bが1であり、かつY2が、-O-、-S(O)f-、および-N(R7)-、またはその任意のサブセットから選択されるように定義される。特定の一実施形態では、Qは、bが1でありかつY2が-O-であるように定義される。特定の一実施形態では、Qは、bが1でありかつY2が-S(O)f-であるように定義される。ただし、fは2である。他の特定の実施形態では、bは1であり、かつY2は-N(R7)-であり、かつR7は、Hまたはアルキル、より特定的にはHである。他の特定の実施形態では、bは1であり、かつY2は-CO2-である。他の特定の実施形態では、bは1であり、かつY2は-C(O)N(R7)-である。他の特定の実施形態では、bは1であり、かつY2は-N(R7)C(O)-であり、かつR7はHまたはアルキルである。他の特定の実施形態では、bは1であり、かつY2は-N(R7)SO2-であり、かつR7はHまたはアルキルである。
式Q中の変数cは、0または1でありうる。一実施形態では、cは1である。そのような実施形態の1つでは、(R2)cは、アルキレンまたはアルケニレン、より特定的にはアルキレンである。cが1である特定の一実施形態では、(R2)cは、C1〜3アルキレンである。
b、Y2、およびcの定義と整合して、R4基は、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、-C(O)R7、-C(O)NR7R8、-CO2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR7、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN、-N3、および式(ii):
Figure 2007519720
で示される基から選択可能である。
一実施形態では、Qの定義に含まれるR4は、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、-C(O)NR7R8、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN、-N3、および式(ii)で示される基、またはその任意のサブセットから選択される。特定の一実施形態では、R4は、H、ハロ、アルキル、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、および式(ii)で示される基、またはその任意のサブセットから選択される。一実施形態では、R4は、H、ハロ、アルキル、-OR7、-NR7R8、および式(ii)で示される基、またはその任意のサブセットから選択される。
特定の一実施形態では、R4は、式(ii)で示される基である。R4が式(ii)で示される基である実施形態では、環Aは、C5〜10シクロアルキル、C5〜10シクロアルケニル、アリール、5〜10員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)、および5〜10員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)から選択される。R4が式(ii)で示される基である一実施形態では、環Aは、C5〜6シクロアルキル、C5〜6シクロアルケニル、アリール、5〜10員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)、および5〜10員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)から選択される。Q中、環Aは、任意の好適な炭素またはヘテロ原子を介して、R2、Y2(cが0である場合)、またはベンゾイミダゾール(a、b、およびcが0である場合)に結合可能である。一実施形態では、Qは、R4が式(ii)で示される基であり、かつ環Aが、アリール、5〜10員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)、および5〜10員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)から選択されるように定義される。特定の一実施形態では、Qは、R4が式(ii)で示される基であり、かつ環Aが、アリールおよび5〜10員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)から選択されるように定義される。
一実施形態では、Qは、R4が式(ii)で示される基であり、かつ環Aが、シクロアルキル、オキセタン、オキサゾール、チアゾール、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、フェニル、ナフチル、チオフェン、フラン、ピロリジン、ピロリジノン、イミダゾール、トリアゾール、イミダゾリジノン、ベンゾフラン、ベンゾジオキソラン、ベンゾイミダゾール、ピリミジル、およびピリジル、またはその任意のサブセットから選択されるように定義される。特定の一実施形態では、環Aは、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、フェニル、ピロリジノン、イミダゾリジノン、およびピロリジン、またはその任意のサブセットから選択される。
より具体的には、一実施形態では、各R4は、同一であるかもしくは異なっていて、独立して、H、F、Cl、Br、I、メチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、イソ-ブチル、t-ブチル、エテニル、プロペニル、アセチレン、O-メチル、O-トリフルオロメチル、O-エチル、O-プロピル、O-イソプロピル、O-シクロプロピル、-SO2-メチル、-SO2NH2、-NH2、-NH(アルキル)、-N(アルキル)アルキル、-NH(シクロプロピル)、-NHC(O)-メチル、-NHC(O)NH2、-NHSO2-メチル、モルホリノ、およびピペリジニル、またはその任意のサブセットから選択される。
式(I)で示される化合物中のQを定義する個々のより具体的な例は、
Figure 2007519720
よりなる群から選択される。
一実施形態では、Qは、アルキル、特にC1〜3アルキル(C1〜3ハロアルキルを含む)である。一実施形態では、Qは-O-アルキル(O-C1〜3ハロアルキルを含む)である。一実施形態では、Qはハロである。
一実施形態では、式(I)で示される化合物は、R4が式(ii)で示される基でありかつdが0または1であるように定義される。R4が式(ii)で示される基でありかつdが1である特定の実施形態では、(R2)dはC1〜3アルキレンである。一実施形態では、dは0である。
R4が式(ii)で示される基であるように式(I)で示される化合物が定義される一実施形態では、eは、0、1、2、または3である。特定の一実施形態では、eは、0または1である。一実施形態では、eは0である。一実施形態では、eは1である。一実施形態では、eは2である。
R4が式(ii)で示される基であるように式(I)で示される化合物が定義される一実施形態では、各R6は、同一であるかもしくは異なっていて、独立して、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、Het、-C(O)R7、-CO2R7、-C(O)NR7R8、=O、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、および-N(R7)S(O)2R8、またはその任意のサブセットから選択される。特定の一実施形態では、各R6は、同一であるかもしくは異なっていて、独立して、H、ハロ、アルキル、=O、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、および-NR7R8、またはその任意のサブセットから選択される。
より具体的には、一実施形態では、各R6は、同一であるかもしくは異なっていて、独立して、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソ-ブチル、t-ブチル、エテニル、プロペニル、シクロプロピル、ピリミジル、-C(O)-アルキル、-CO2-アルキル、-C(O)NH2、アセチレン、オキソ、O-メチル、O-エチル、O-プロピル、O-イソプロピル、O-シクロプロピル、-SO2-メチル、-SO2NH2、-NH2、-NH(アルキル)、-N(アルキル)アルキル、-NH(シクロプロピル)、および-NHSO2-メチル、またはその任意のサブセットから選択される。
本発明の他の実施形態では、2つの隣接するQ基が、アルキル、アルケニル、-OR7、-S(O)fR7、および-NR7R8から選択されて、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、C5〜6シクロアルキル、C5〜6シクロアルケニル、フェニル、5〜7員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を有する)、または5〜6員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を有する)を形成する。「2つの隣接するQ基」とは、2つのQ基が隣接炭素原子(たとえば、C-4およびC-5)に結合されていることを意味する。たとえば、一実施形態では、2つの隣接するQ基は、-OR7であり、それらが結合されている原子と一緒になって、
Figure 2007519720
のようなヘテロ環式基を形成する。
他の実施形態では、2つの隣接するQ基は、アルキルであり、それらが結合されている原子と一緒になって、
Figure 2007519720
のようなシクロアルキル基を形成する。
他の実施形態では、2つの隣接するQ基は、それぞれ、-OR7および-NR7R8として定義され、それらが結合されている原子と一緒になって、
Figure 2007519720
のようなヘテロ環式基を形成する。
これらの例から、当業者であれば、追加の実施形態を容易に確定しうる。好ましくは、式(I)で示される化合物は、nが2である場合、2つの隣接するQ基が、それらが結合されている原子と一緒になって、C5〜6シクロアルキル、C5〜6シクロアルケニル、フェニル、5〜7員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を有する)、および5〜6員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を有する)のいずれをも形成することがないように定義される。
一実施形態では、bが1でありかつcが0であるようにQが定義される場合、R4は、ハロ、-C(O)R7、-C(O)NR7R8、-CO2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR7、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN、および-N3のいずれでもない。
一実施形態では、R5は、H、ハロ、アルキル、-NR7R8、および-S(O)fR7、またはその任意のサブセットから選択される。他の実施形態では、R5は、H、ハロ、アルキル、および-NR7R8、またはその任意のサブセットから選択される。特定の一実施形態では、R5はHである。特定の一実施形態では、R5は-NH2である。
より具体的には、一実施形態では、R5は、H、F、Cl、Br、I、メチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、-S-メチル、-SO2-メチル、および-NH2、またはその任意のサブセットから選択される。
本発明はまた、式(Ia):
Figure 2007519720
〔式中、
n'は、0、1、または2であり;
各R9は、同一であるかもしくは異なっていて、H、ハロ、およびアルキルから選択され;そして
他のすべての変数は、先に定義したとおりである〕
で示される化合物、ならびにその製薬上許容される塩、溶媒和物、および生理学的機能性誘導体を提供する。
本発明はまた、式(Ib):
Figure 2007519720
〔式中、
n'は、0、1、または2であり;
Qは、H、ハロ、C1〜3アルキル(C1〜3ハロアルキルを含む)、およびO-C1〜3アルキル(O-C1〜3ハロアルキルを含む)から選択され;
R6は、H、ハロ、C1〜3アルキル(C1〜3ハロアルキルを含む)、およびO-C1〜3アルキル(O-C1〜3ハロアルキルを含む)から選択され;
各R9は、同一であるかもしくは異なっていて、H、ハロ、およびアルキルから選択され;そして
他のすべての変数は、先に定義したとおりである〕
で示される化合物、ならびにその製薬上許容される塩、溶媒和物、および生理学的機能性誘導体を提供する。
当然のことながら、本発明は、以上に定義された特定の基のすべて組合せおよびサブセットを包含する。
式(I)で示される具体的な化合物としては、以下の実施例の節に記載されている化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。式(I)で示されるいくつかの特定の化合物をとしては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない:
2-(1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド;
2-(6-クロロ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド;
2-(5-クロロ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド;
2-(6-メトキシ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド;
2-(5-メトキシ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド;
2-(6-フルオロ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド;
2-(5,6-ジメチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド;
2-[5,6-ビス(メチルオキシ)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド;
ならびにそれらの製薬上許容される塩、溶媒和物、および生理学的機能性誘導体。
当業者であれば理解されるであろうが、本発明に係る化合物は、その製薬上許容される塩または溶媒和物または生理学的機能性誘導体の形態で利用することも可能である。式(I)で示される化合物の製薬上許容される塩は、製薬上許容される無機もしくは有機の酸または塩基から形成される従来の塩さらには第四級アンモニウム塩を包含する。好適な酸塩のより具体的な例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、ギ酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、パルモ酸塩、マロン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、フェニル酢酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、フマル酸塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩(メシラート)、ナフタレン-2-スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化水素酸塩、リンゴ酸塩、ステロイド酸塩、タンニン酸塩などが挙げられる。
シュウ酸のような他の酸は、それ自体は製薬上許容されるものではないが、本発明に係る化合物およびそれらの製薬上許容される塩を得る際に中間体として有用な塩を調製するうえで有用なこともある。好適な塩基性塩のより具体的な例としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩、およびプロカイン塩が挙げられる。
本明細書中で使用される「溶媒和物」という用語は、溶質(式(I)で示される化合物)と溶媒とにより形成される種々の化学量論組成の複合体を意味する。溶媒としては、たとえば、水、メタノール、エタノール、または酢酸が挙げられる。
本明細書中で使用される「生理学的機能性誘導体」という用語は、動物(特定には哺乳動物、たとえばヒト)に投与したときに本発明に係る化合物またはその活性代謝物を(直接的もしくは間接的に)提供しうる本発明に係る化合物の任意の製薬上許容される誘導体(たとえば、エステルまたはアミド)を意味する。たとえば、Burger's Medicinal Chemistry And Drug Discovery, 5th Edition, Vol 1: Principles And Practiceを参照されたい。
式(I)で示される化合物の製薬上許容される塩、溶媒和物、および生理学的機能性誘導体を調製する方法は、当技術分野で慣用されているものである。たとえば、Burger's Medicinal Chemistry And Drug Discovery 5th Edition, Vol 1: Principles And Practiceを参照されたい。
当業者には自明なことであろうが、式(I)で示される化合物の調製に関する以下に記載の方法において、特定の中間体は、本化合物の製薬上許容される塩、溶媒和物、または生理学的機能性誘導体の形態をとりうる。それらの用語は、式(I)で示される化合物の調製方法で利用されるいずれの中間体に適用される場合においても、式(I)で示される化合物に関して先に述べたのと同一の意味を有する。そのような中間体の製薬上許容される塩、溶媒和物、および生理学的機能性誘導体の調製方法は、当技術分野で公知であり、式(I)で示される化合物の製薬上許容される塩、溶媒和物、および生理学的機能性誘導体の調製方法と類似している。
式(I)で示される特定の化合物は、立体異性形で存在しうる(たとえば、それらは、1個以上の不斉炭素原子を含有しうるかまたはシス-トランス異性を呈しうる)。個々の立体異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)ならびにこれらの混合物は、本発明の範囲内に包含される。本発明は、1つ以上のキラル中心が反転された異性体との混合物としての式(I)により表される化合物の個々の異性体をも包含する。式(I)で示される特定の化合物は、位置異性体の混合物として調製される可能性もある。本発明は、位置異性体の混合物も個々の化合物も包含する。同様に、当然のことながら、式(I)で示される化合物は、式に示される以外の互変異性形で存在する可能性もあり、これらもまた、本発明の範囲内に包含される。本発明の特定の一実施形態では、mが1であるとして定義されるキラル化合物は、以下の立体化学を呈する:
Figure 2007519720
本発明に係る化合物は、PLKの阻害剤である。PLK阻害剤とは、以下の実施例に記載のPLK阻害アッセイで4超のpIC50を呈するかまたは以下の実施例に記載のメチレンブルー増殖阻害アッセイで100μM未満のIC50を呈する化合物を意味し;より特定的には、PLK阻害剤とは、以下の実施例に記載の方法を用いて5超のpIC50または10μM未満のIC50を呈する化合物である。
本発明はさらに、動物(たとえば、ヒトのような哺乳動物)における医薬療法に使用するための式(I)で示される化合物を提供する。特に、本発明は、PLKにより媒介される病状の治療に使用するための式(I)で示される化合物を提供する。本発明はまた、PLKに対して感受性のある新生物の治療に使用するための式(I)で示される化合物を提供する。本発明は、不適切な細胞増殖により特性付けられるPLK媒介病状の治療に使用するための式(I)で示される化合物を提供する。本発明はまた、PLKを介する細胞の増殖の阻害に使用するための式(I)で示される化合物を提供する。本発明はまた、PLKを介する細胞の有糸***の阻害に使用するための式(I)で示される化合物を提供する。
本発明は、いくつかの症状または疾患を治療するための方法を提供する。本方法はすべて、治療上有効な量の式(I)で示される化合物を投与する工程を含む。本明細書中で使用する場合、「治療」という用語は、すでに罹患した被験者において、指定の病状を軽減したり、病状の症状を排除または低減したり、病状の進行を緩徐化または排除したり、病状の再発を防止または遅延したりすることを意味する。
本明細書中で使用する場合、「治療上有効な量」という用語は、投与の対象となる被験者において、細胞培養物、組織、系、動物(ヒトを含む)に対して研究者や臨床医などが求めている生物学的応答または医学的応答を引き起こすのに十分である式(I)で示される化合物の量を意味する。たとえば、PLKにより媒介される病状を治療するための式(I)で示される化合物の治療上有効な量は、被験者においてPLK媒介病状を治療するのに十分な量である。同様に、PLKに対して感受性のある新生物(すなわち感受性新生物)を治療するための式(I)で示される化合物の治療上有効な量は、被験者において感受性新生物を治療するのに十分な量である。本発明の一実施形態では、式(I)で示される化合物の治療上有効な量は、細胞有糸***を阻害するのに十分な量である。本発明の一実施形態では、式(I)で示される化合物の治療上有効な量は、PLKのレギュレーション、モジュレーション、結合、または阻害に十分な量である。
式(I)で示される化合物の正確な治療上有効な量は、治療された被験者の年齢および体重、治療を必要とする正確な疾患およびその重症度、製剤の性質、ならびに投与経路(ただし、これらに限定されるものではない)のようないくつかの因子に依存するであろうが、最終的には、担当の医師または獣医師の自由裁量にゆだねられるであろう。典型的には、式(I)で示される化合物は、1日あたり0.1〜200mg/kg(レシピエント(動物)の体重)の範囲内、より一般的には1日あたり1〜100mg/kg(体重)の範囲内で治療に供されるであろう。許容しうる一日用量は、約0.1〜約2000mg/日、好ましくは約0.1〜約100mg/日でありうる。
一態様として、本発明は、PLKにより媒介される病状を治療するためのPLKのレギュレーション、モジュレーション、結合調節、または阻害を行う方法を提供する。「PLKのレギュレーション、モジュレーション、結合調節、または阻害」とは、PLK活性のレギュレーション、モジュレーション、結合調節、または阻害、さらにはPLKの過剰発現のレギュレーション、モジュレーション、結合調節、または阻害を意味する。そのような病状としては、PLKに関連する特定の新生物(癌および腫瘍を含む)ならびにPLKに関連する不適切な細胞増殖により特性付けられる病状が挙げられる。
本発明は、哺乳動物(たとえばヒト)のような動物においてPLKにより媒介される病状を治療するための方法を提供する。本方法は、治療上有効な量の式(I)で示される化合物を動物に投与することを含む。PLKにより媒介される病状、および所与の病状がPLKにより媒介されるかを決定する方法は、当技術分野で公知である。たとえば、Takahashi, T. et al,. Cancer Science, 94: 148-52. Wolf, G. et al., Oncogene, 14: 543-9を参照されたい。そのような病状としては、新生物および不適切な細胞増殖により特性付けられる病状が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明はまた、哺乳動物(たとえばヒト)のような動物においてPLKに対して感受性のある新生物(癌または腫瘍)を治療する方法を提供する。本方法は。治療上有効な量の式(I)で示される化合物を動物に投与することを含む。本明細書中で使用される「感受性新生物」とは、PLKのレギュレーター、モジュレーター、バインダー、または阻害剤による治療に対して感受性のある新生物を意味する。一実施形態では、感受性新生物とは、PLK阻害剤による治療に対して感受性のある新生物を意味する。PLKに関連付けられてきた新生物つまりPLKに対して感受性のある新生物は、当技術分野で公知であり、原発性および転移性の腫瘍および癌のいずれをも包含する。たとえば、本発明の範囲内の感受性新生物としては、乳癌、結腸癌、肺癌(小細胞肺癌および非小細胞肺癌を含む)、前立腺癌、リンパ腫、白血病、子宮内膜癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、扁平上皮癌、頭頸部癌、および食道癌が挙げられるが、これらに限定されるものではない。式(I)で示される化合物は、そのような感受性新生物の治療において単独使用が可能であるかまたは特定の既存の化学療法との相加効果もしくは相乗効果を提供するための使用および/もしくは特定の既存の化学療法および放射線の有効性を回復するための使用が可能である。
本発明はまた、不適切な細胞増殖により特性付けられるPLK媒介病状を治療する方法を提供する。「PLK媒介病状」とは、以上に記載したようなPLKにより媒介される病状を意味する。「不適切な細胞増殖」とは、不適切な細胞成長に起因する細胞増殖、過剰の細胞***に起因する細胞増殖、加速された速度での細胞***に起因する細胞増殖、不適切な細胞生存に起因する細胞増殖、および/または正常速度で起こるが望ましいものではない正常細胞中の細胞増殖を意味する。不適切な細胞増殖により特性付けられる病状としては、新生物、血管増殖性障害、繊維性障害、メサンギウム細胞増殖性障害、および代謝性疾患が挙げられるが、これらに限定されるものではない。血管増殖性障害には、関節炎および再狭窄が包含される。繊維性障害には、肝硬変およびアテローム性動脈硬化症が包含される。メサンギウム細胞増殖性障害には、糸球体腎炎、悪性腎硬化症、血栓性微小血管症候群、臓器移植拒絶、および糸球体症が包含される。代謝性障害には、乾癬、慢性創傷治癒、炎症、および神経変性疾患が包含される。骨関節炎および過剰の骨吸収の他の破骨細胞増殖依存性疾患は、細胞増殖が正常速度で正常細胞中で起こるが望ましいものではない不適切な細胞増殖により特性付けられる病状の例である。
本発明はまた、PLK阻害剤を用いて細胞の増殖を阻害する方法を提供する。本方法は、細胞の増殖を阻害するのに十分な量の式(I)で示される化合物に細胞を接触させることを含む。この場合、本化合物はPLK阻害剤である。特定の一実施形態では、細胞は新生物細胞である。特定の一実施形態では、細胞は不適切に増殖する細胞である。本明細書中で使用される「不適切に増殖する細胞」という用語は、不適切に(異常に)成長する細胞、過度にまたは加速された速度で***する細胞、不適切に(異常に)生存する細胞、および/または正常速度で増殖するがその増殖が望ましいものではない正常細胞を意味する。新生物細胞(癌細胞を含む)は、不適切に増殖する細胞の例であるが、不適切に増殖する細胞がこれだけというわけではない。
PLKは、細胞有糸***に不可欠であるので、式(I)で示される化合物は、PLKを介して有糸***を阻害するのに有効である。「有糸***の阻害」とは、細胞周期のM期への進入を阻害すること、M期に進入した後で細胞周期のM期の正常な進行を阻害すること、および細胞周期のM期からの正常な脱出を阻害することを意味する。したがって、本発明に係る化合物は、細胞の有糸***への進入を阻害することにより、細胞の有糸***の進行を阻害することにより、または細胞の有糸***からの脱出を阻害することにより、PLKを介して有糸***を阻害しうる。一態様として、本発明は、細胞の有糸***を阻害する方法を提供する。本方法は、有糸***を阻害するのに十分な量の式(I)で示される化合物を細胞に投与することを含む。この場合、本化合物はPLKを阻害する。特定の一実施形態では、細胞は新生物細胞である。特定の一実施形態では、細胞は不適切に増殖する細胞である。
本発明はまた、哺乳動物(たとえばヒト)のような動物においてPLKにより媒介される病状を治療する医薬を調製するための式(I)で示される化合物の使用を提供する。本発明はさらに、動物においてPLKに対して感受性のある新生物を治療する医薬を調製するための式(I)で示される化合物の使用を提供する。本発明はさらに、不適切な細胞増殖により特性付けられるPLK媒介病状を治療する医薬を調製するための式(I)で示される化合物の使用を提供する。本発明はさらに、PLKの阻害を介して細胞の増殖を阻害する医薬を調製するための式(I)で示される化合物の使用を提供する。本発明はさらに、PLKの阻害を介して細胞の有糸***を阻害する医薬を調製するための式(I)で示される化合物の使用を提供する。
治療に使用するために治療上有効な量の式(I)で示される化合物をそのまま化学物質として投与することも可能であるが、典型的には、医薬組成物または製剤の活性成分として提供される。したがって、本発明はさらに、式(I)で示される化合物を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物はさらに、1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤、および/または賦形剤を含みうる。担体、希釈剤、および/または賦形剤は、製剤の他の成分と適合しかつそのレシピエントに有害でないという意味で許容しうるもでなければならない。本発明の他の態様によれば、式(I)で示される化合物を1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤、および/または賦形剤と混合することを含む医薬製剤の調製方法もまた提供される。
医薬製剤は、ユニット用量あたり所定量の活性成分を含有するユニット製剤として提供可能である。そのようなユニットは、治療上有効な用量の式(I)で示される化合物を含有しうるか、または所望の治療上有効な用量を達成すべく複数のユニット製剤を所与の時間で投与しうるように治療上有効な用量の一部分を含有しうる。好ましいユニット製剤は、先に本明細書中に列挙した1日用量もしくはサブ用量または適切なその部分用量の活性成分を含有するものである。さらに、そのような医薬製剤は、製薬技術分野で周知の方法のいずれかにより調製可能である。
医薬製剤は、経口(頬腔内もしくは舌下を含む)経路、経直腸経路、経鼻経路、局所(頬腔内、舌下、もしくは経皮を含む)経路、経膣経路、非経口(皮下、筋肉内、静脈内、もしくは皮内を含む)経路などの任意の適切な経路による投与に適合化させることが可能である。そのような製剤は、製薬技術分野で公知の任意の方法により、たとえば、活性成分を担体(複数種も可)または賦形剤(複数種も可)と一体化させることにより、調製可能である。
経口投与に適合化される医薬製剤は、カプセル剤もしくは錠剤;粉末剤もしくは顆粒剤;水性もしくは非水性液体中の溶液剤もしくはサスペンジョン剤;可食性フォーム剤もしくはホイップ剤;または水中油型液状エマルジョン剤もしくは油中水型液状エマルジョン剤のような個別ユニットとして提供しうる。たとえば、錠剤またはカプセル剤の形態で経口投与に供する場合、活性薬剤成分を経口用の非毒性の製薬上許容される不活性担体(たとえば、エタノール、グリセロール、水など)と組み合わせることが可能である。粉末剤は、化合物を好適な微細サイズに粉砕して同様に粉砕された医薬担体(たとえば、デンプンやマンニトールなどの可食性炭水化物)と混合することにより調製される。風味剤、保存剤、分散剤、および着色剤を存在させることも可能である。
カプセル剤は、先に記載したように粉末混合物を調製して成形ゼラチンシースに充填することより作製される。充填操作の前に、流動促進剤および滑沢剤(たとえば、コロイドシリカ、タルク、マグネシウムステアレート、カルシウムステアレート、または固体ポリエチレングリコール)を粉末混合物に添加することが可能である。カプセルが摂取されたときの医薬の利用可能性を改善すべく、崩壊剤または可溶化剤(たとえば、寒天、炭酸カルシウム、または炭酸ナトリウム)を添加することも可能である。
さらに、所望または所要の場合、好適な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤を混合物に組み込むことも可能である。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然の糖質(たとえば、グルコースまたはベータ-ラクトース)、コーン甘味料、天然および合成のガム(たとえば、アカシア、トラガカント、またはナトリウムアルギネート)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。これらの製剤で用いられる滑沢剤としては、ナトリウムオレエート、ナトリウムステアレート、マグネシウムステアレート、ナトリウムベンゾエート、ナトリウムアセテート、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。錠剤は、たとえば、粉末混合物を調製し、顆粒化またはスラッギングし、滑沢剤および崩壊剤を添加し、そして錠剤の形態にプレスすることにより、製剤化される。粉末混合物は、化合物(好適には粉砕されたもの)を先に記載したような希釈剤または基剤、ならびに場合により、結合剤(たとえば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、またはポリビニルピロリドン)、溶解遅延剤(たとえば、パラフィン)、吸収促進剤(たとえば、第四級塩)、および/または吸収剤(たとえば、ベントナイト、カオリン、またはリン酸二カルシウム)と混合することにより調製される。粉末混合物は、シロップ、デンプン糊、アカシア粘液、またはセルロース系材料もしくは高分子材料の溶液のような結合剤で湿潤させてスクリーンに通して押圧することにより顆粒化可能である。顆粒化の代替手段として、粉末混合物を錠剤機に通して処理すると、その結果、顆粒に破壊される不完全に成形されたスラッグが得られる。錠剤成形ダイへの付着を回避するために、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、または鉱油を添加することにより、顆粒を滑沢化させることが可能である。次に、滑沢化混合物を錠剤の形態に圧縮する。本発明に係る化合物を自由流動性不活性担体と組み合わせて、顆粒化工程やスラッギング工程に通すことなく錠剤の形態に直接圧縮することも可能である。シェラックのシーリングコート、糖質材料または高分子材料のコーティング、およびワックスの光沢コーティングよりなる透明または不透明な保護コーティングを提供することも可能である。異なるユニット用量を区別するために、これらのコーティングに色素を添加することが可能である。
溶液剤、シロップ剤、およびエリキシル剤のような経口流体剤は、所与の量が所定量の活性成分を含有するように投与ユニット製剤として調製可能である。シロップ剤は、好適に風味付けされた水溶液に化合物を溶解させることにより調製可能であり、一方、エリキシル剤は、非毒性アルコール性媒体を用いて調製可能である。サスペンジョン剤は、非毒性媒体中に化合物を分散させることにより製剤化可能である。可溶化剤および乳化剤(たとえば、エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテル)、保存剤、風味添加剤(たとえば、ペパーミント油)、あるいは天然甘味剤またはサッカリンもしくは他の人工甘味剤などを添加することも可能である。
適切であれば、経口投与に供される投与ユニット製剤をマイクロカプセル化することが可能である。放出を遅延または持続させるために、たとえば、微粒子状材料をポリマー、ワックスなどでコーティングするかまたはその中に埋め込むことにより、製剤を調製することも可能である。
式(I)で示される化合物は、小さい単ラメラ小胞、大きい単ラメラ小胞、および多重ラメラ小胞のようなリポソーム送達システムの形態で投与することも可能である。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンのようなさまざまなホスホリピドから形成可能である。
式(I)で示される化合物は、化合物分子が結合する個別の担体としてモノクロナール抗体を用いることにより送達することも可能である。化合物はまた、ターゲッティング可能な薬剤担体としての可溶性ポリマーと組み合わせることも可能である。そのようなポリマーとしては、ペプチド、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリシンを挙げることができる。さらに、薬剤の制御放出を達成するのに有用なクラスの生分解性ポリマー、たとえば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋型または両親媒性のブロックコポリマーに、化合物を結合させることが可能である。
経皮投与に適合化される医薬製剤は、長期間にわたりレシピエントの表皮と十分に接触した状態に保持されるように意図された個別の貼付剤として提供しうる。たとえば、Pharmaceutical Research, 3(6): 318(1986)に概説されているように、イオントホレシスによりパッチから活性成分を送達することが可能である。
局所投与に適合化される医薬製剤は、軟膏剤、クリーム剤、サスペンジョン剤、ローション剤、粉末剤、溶液剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エアロゾル剤、または油剤として製剤化可能である。
眼または他の外部組織(たとえば、口および皮膚)の治療に供する場合、製剤は、好ましくは局所用の軟膏剤またはクリーム剤として適用される。軟膏剤として製剤化する場合、活性成分は、パラフィン系軟膏基剤または水混和性軟膏基剤のいずれかと併用可能である。他の選択肢として、活性成分は、水中油型クリーム基剤または油中水型基剤を用いてクリーム剤として製剤化可能である。
眼への局所投与に適合化される医薬製剤としては、活性成分が好適な担体とくに水性溶媒に溶解または懸濁される点眼剤が挙げられる。
口内の局所投与に適合化される医薬製剤としては、ロゼンジ剤、トローチ剤、および洗口剤が挙げられる。
経直腸投与に適合化される医薬製剤は、坐剤としてまたは浣腸剤として提供しうる。
担体が固体である経鼻投与に適合化される医薬製剤としては、たとえば20〜500ミクロンの範囲内の粒子サイズを有する粗末剤が挙げられる。これは、鼻呼吸する方法で、すなわち、鼻のすぐ近くに保持された粉末剤の容器から鼻道を介して迅速な吸入を行うことにより、投与される。経鼻スプレー剤または点鼻剤として投与に供される、担体が液体である好適な製剤としては、活性成分の水性または油性溶液剤が挙げられる。
吸入による投与に適合化される医薬製剤としては、種々のタイプの定量噴霧式加圧エアロゾルネブライザーまたはインサフレーターを利用することにより生成させうる微粒子のダスト剤またはミスト剤が挙げられる。
経膣投与に適合化される医薬製剤は、膣坐剤、タンポン剤、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤、またはスプレー製剤として提供しうる。
非経口投与に適合化される医薬製剤としては、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および対象のレシピエントの血液と製剤が等張になるようにする溶質を含有しうる水性および非水性無菌注射溶液剤;ならびに懸濁化剤および粘稠化剤を含みうる水性および非水性無菌サスペンジョン剤が挙げられる。製剤は、ユニット用量またはマルチ用量の容器(たとえば、密封されたアンプルおよびバイアル)に入れて提供可能であり、そして使用直前に無菌液体担体(たとえば注射用水)の添加だけを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することが可能である。即時注射用の溶液剤およびサスペンジョン剤は、無菌の粉末剤、顆粒剤、および錠剤から調製可能である。
当然のことながら、先に特記した成分のほかに、製剤には、該当する製剤タイプを考慮して当技術分野で慣用される他の作用剤が含まれうる。たとえば、経口投与に好適な製剤には、風味剤が含まれうる。
以上に記載の治療方法および使用では、式(I)で示される化合物は、単独で、1種以上の他の式(I)で示される化合物と組み合わせて、または他の治療剤と組み合わせて、利用可能である。とくに、PLKにより媒介される病状を治療する方法およびPLKに対して感受性のある新生物を治療する方法では、他の化学療法剤、ホルモン剤、および/または抗体剤との組合せ、さらには外科的療法および放射線療法との組合せが考えられる。本明細書中で使用される「化学療法剤」という用語は、投与の対象となる被験者に対して治療効果を有する任意の化学剤を意味する。「化学療法」剤としては、抗新生物剤、鎮痛剤、および鎮吐剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本明細書中で使用する場合、「抗新生物剤」には、細胞増殖抑制剤および細胞傷害剤の両方が包含される。したがって、本発明に係る組合せ療法は、少なくとも1種の式(I)で示される化合物の投与と少なくとも1種の他の癌治療法の使用とを含む。一実施形態では、本発明に係る組合せ療法は、少なくとも1種の式(I)で示される化合物および少なくとも1種の他の化学療法剤の投与を含む。特定の一実施形態では、本発明は、少なくとも1種の式(I)で示される化合物および少なくとも1種の抗新生物剤の投与を含む。このほかの態様として、本発明は、少なくとも1種の化学療法剤と一緒に式(I)で示される化合物を投与することを含む以上に記載の治療方法および使用を提供する。特定の一実施形態では、化学療法剤は抗新生物剤である。他の実施形態では、本発明は、少なくとも1種の他の化学療法剤(より特定的には、化学療法剤は抗新生物剤である)をさらに含む以上に記載の医薬組成物を提供する。
典型的には、治療される感受性新生物に対して活性を有する化学療法剤はいずれも、式(I)で示される化合物と組み合わせて利用可能であるが、ただし、この特定の作用剤は、式(I)で示される化合物を利用する療法に臨床的に適合するものでなければならない。本発明に有用な典型的な抗新生物剤としては、ジテルペノイドおよびビンカアルカロイドのような抗微小管剤;白金配位錯体;アルキル化剤、たとえば、ナイトロジェンマスタード、オキサザホスホリン、アルキルスルホネート、ニトロソウレア、およびトリアゼン;抗生物質、たとえば、アントラサイクリン、アクチノマイシン、およびブレオマイシン;トポイソメラーゼII阻害剤、たとえば、エピポドフィロトキシン;抗代謝剤、たとえば、プリンおよびピリミジンの類似体ならびに抗葉酸化合物;トポイソメラーゼI阻害剤、たとえば、カンプトテシン;ホルモンおよびホルモン類似体;シグナルトランスダクション経路阻害剤;非レセプターチロシンキナーゼ血管新生阻害剤;免疫療法剤;アポトーシス促進剤;ならびに細胞周期シグナリング阻害剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
抗微小管剤または抗有糸***剤は、細胞周期のM期すなわち有糸***期の腫瘍細胞の微小管に対して活性な期特異的作用剤である。抗微小管剤の例としては、ジテルペノイドおよびビンカアルカロイドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ジテルペノイドの例としては、パクリタキセルおよびその類似体ドセタキセルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ビンカアルカロイドの例としては、ビンブラスチン、ビンクリスチン、およびビノレルビンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
白金配位錯体は、DNAと相互作用する非期特異的な抗新生物剤である。白金錯体は、腫瘍細胞に入り、アクア化を受け、DNAとの鎖内架橋および鎖間架橋を形成することにより、腫瘍に有害な生物学的作用を引き起こす。白金配位錯体の例としては、シスプラチンおよびカルボプラチンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルキル化剤は、非期特異的な抗新生物剤かつ強力な求電子剤である。典型的には、アルキル化剤は、DNA分子の求核性部分(たとえば、リン酸基、アミノ基、およびヒドロキシル基)を介してアルキル化によりDNAとの共有結合を形成する。そのようなアルキル化により、核酸の機能が破綻して細胞死に至る。アルキル化剤の例としては、ナイトロジェンマスタード、たとえば、シクロホスファミド、メルファラン、およびクロラムブシル;アルキルスルホネート、たとえば、ブスルファン;ニトロソウレア、たとえば、カルムスチン;ならびにトリアゼン、たとえば、ダカルバジンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
抗生物質化学療法剤は、DNAとの結合またはインターカレーションを行う非期特異的な作用剤である。典型的には、そのような作用の結果、安定なDNA複合体が生成されるかまたは鎖切断が起こり、それにより核酸の通常の機能が破綻して、細胞死に至る。抗生物質抗新生物剤の例としては、アクチノマイシン(たとえば、ダクチノマイシン)、アントラサイクリン(たとえば、ダウノルビシンおよびドキソルビシン);およびブレオマイシンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
トポイソメラーゼII阻害剤としては、エピポドフィロトキシンが挙げられるが、これに限定されるものではない。
エピポドフィロトキシンは、マンドレーク植物に由来する期特異的な抗新生物剤である。エピポドフィロトキシンは、典型的には、トポイソメラーゼIIおよびDNAとの三元複合体を形成してDNA鎖切断を引き起こすことにより、細胞周期のS期およびG2期で細胞に影響を及ぼす。鎖切断が蓄積されるので、それに続いて細胞死が起こる。エピポドフィロトキシンの例としては、エトポシドおよびテニポシドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
抗代謝抗新生物剤は、DNA合成を阻害することにより、またはプリンもしくはピリミジン塩基合成を阻害してDNA合成を制限することにより、細胞周期のS期(DNA合成)に作用する期特異的な抗新生物剤である。したがって、S期が進行しなくなるので、それに続いて細胞死が起こる。抗代謝抗新生物剤の例としては、フルオロウラシル、メトトレキセート、シタラビン、メルカプトプリン、およびチオグアニンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
カンプトテシンおよびカンプトテシン誘導体を含むカンプトテシン類は、トポイソメラーゼI阻害剤として入手可能であるかまたは開発途上にある。カンプトテシン類の細胞傷害活性は、そのトポイソメラーゼI阻害活性に関連付けられると考えられている。カンプトテシン類の例としては、イリノテカン、トポテカン、および種々の光学形の7-(4-メチルピペラジノ-メチレン)-10,11-エチレンジオキシ-20-カンプトテシンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ホルモンおよびホルモン類似体は、ホルモンと癌の増殖および/または増殖の欠如との間に関連性が存在する癌を治療するのに有用な化合物である。新生物の治療に有用であると考えられるホルモンおよびホルモン類似体の例としては、副腎皮質ステロイド、たとえば、プレドニゾンおよびプレドニゾロン(小児における悪性リンパ腫および急性白血病の治療に有用である);アミノグルテチミドおよび他のアロマターゼ阻害剤、たとえば、アナストロゾール、レトラゾール、ボラゾール、およびエキセメスタン(副腎皮質癌およびエストロゲンレセプターを含有するホルモン依存性乳癌の治療に有用である);プロゲスチン、たとえば、酢酸メゲストロール(ホルモン依存性乳癌および子宮内膜癌の治療に有用である);エストロゲン、アンドロゲン、および抗アンドロゲン剤、たとえば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、酢酸シプロテロン、ならびに5α-レダクターゼ、たとえば、フィナステリドおよびズタステリド(前立腺癌および良性前立腺肥大症の治療に有用である);抗エストロゲン剤、たとえば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、およびヨードキシフェン(ホルモン依存性乳癌の治療に有用である);さらにはゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)およびその類似体(前立腺癌を治療すべく黄体形成ホルモン(LH)および/または卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出を刺激する)、たとえば、酢酸ゴセレリンやルプロリドのようなLHRHのアゴニストおよびアンタゴニストが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シグナルトランスダクション経路阻害剤とは、細胞内変化を引き起こす化学過程を阻止または阻害する阻害剤である。本明細書中で使用する場合、この変化は、細胞の増殖または分化である。本発明に有用なシグナルトランスダクション阻害剤としては、レセプターチロシンキナーゼ、非レセプターチロシンキナーゼ、SH2/SH3ドメインブロッカー、セリン/トレオニンキナーゼ、ホスファチジルイノシトール-3キナーゼ、myo-イノシトールシグナリング、およびRasオンコジーンの阻害剤が挙げられる。
いくつかのプロテインチロシンキナーゼは、細胞増殖のレギュレーションに関係する種々のタンパク質中の特定のチロシル残基のリン酸化を触媒する。そのようなプロテインチロシンキナーゼは、レセプターキナーゼまたは非レセプターキナーゼに大別しうる。
レセプターチロシンキナーゼは、細胞外リガンド結合ドメインと膜貫通ドメインとチロシンキナーゼドメインとを有する膜貫通タンパク質である。レセプターチロシンキナーゼは、細胞増殖のレギュレーションに関係するので、増殖因子レセプターと呼ばれることもある。これらのキナーゼの多くは、たとえば、過剰発現または突然変異により、不適切にまたは無制御に活性化されると、すなわち、異常なキナーゼ増殖因子レセプター活性が惹起されると、無制御な細胞増殖を起こすことが明らかにされている。したがって、そのようなキナーゼの異常な活性は、悪性組織増殖に関連付けられてきた。それゆえ、そのようなキナーゼの阻害剤により、癌治療法が提供されうる。増殖因子レセプターとしては、たとえば、表皮増殖因子レセプター(EGFr、ErbB2、およびErbB4)、血小板由来増殖因子レセプター(PDGFr)、血管内皮増殖因子レセプター(VEGFR)、免疫グロブリン様ドメインと表皮増殖因子相同ドメインとを有するチロシンキナーゼ(TIE-2)、インスリン増殖因子-Iレセプター(IGF-I)、マクロファージコロニー刺激因子(cfms)、BTK、ckit、cmet、繊維芽細胞増殖因子(FGF)レセプター、Trkレセプター(TrkA、TrkB、およびTrkC)、エフリン(eph)レセプター、およびRETプロトオンコジーンが挙げられる。増殖因子レセプターのいくつかの阻害剤は、開発途上にあり、例としては、リガンドアンタゴニスト、抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、アンチセンスオリゴヌクレオチド、およびアプタマーが挙げられる。増殖因子レセプターおよび増殖因子レセプター機能を阻害する作用剤は、たとえば、Kath, John C., Exp. Opin. Ther. Patents (2000) 10(6): 803-818; Shawver et al DDT Vol 2, No. 2 February 1997;およびLofts, F. J. et al, "標的としての増殖因子レセプター(Growth Factor Receptors as Targets)", New Molecular Targets for Cancer Chemotherapy, Ed. Workman, Paul and Kerr, David, CRC Press 1994, Londonの中に記載されている。
増殖因子レセプターキナーゼでないチロシンキナーゼは、非レセプターチロシンキナーゼと呼ばれる。本発明に有用な非レセプターチロシンキナーゼ(抗新生物剤の標的または有望な標的である)としては、cSrc、Lck、Fyn、Yes、Jak、cAbl、FAK(焦点接着キナーゼ)、Brutonチロシンキナーゼ、およびBcr-Ablが挙げられる。そのような非レセプターキナーゼおよび非レセプターチロシンキナーゼ機能を阻害する作用剤は、Sinh, S. and Corey, S.J., (1999) Journal of Hematotherapy and Stem Cell Research 8(5): 465- 80;およびBolen, J. B., Brugge, J. S., (1997) Annual Review of Immunology. 15: 371-404に記載されている。
SH2/SH3ドメインブロッカーとは、PI3-K p85サブユニット、Srcファミリーキナーゼ、アダプター分子(Shc、Crk、Nck、Grb2)、およびRas-GAPをはじめとするさまざまな酵素またはアダプタータンパク質においてSH2またはSH3ドメイン結合を破壊する作用剤である。抗癌剤の標的としてのSH2/SH3ドメインについては、Smithgall, T. E. (1995), Journal of Pharmacological and Toxicological Methods. 34(3) 125-32に論じられている。
セリン/トレオニンキナーゼの阻害剤としては、Rafキナーゼ(Rafk)、マイトジェンまたは細胞外調節キナーゼ(MEK)、および細胞外調節キナーゼ(ERK)のブロッカーをはじめとするMAPキナーゼカスケードブロッカー;ならびにPKCのサブタイプ(アルファ、ベータ、ガンマ、イプシロン、ミュー、ラムダ、イオタ、ゼータ)、IkBキナーゼファミリー(IKKa、IKKb)、PKBファミリーキナーゼ、Aktキナーゼファミリーメンバー、およびTGFベータレセプターキナーゼのブロッカーをはじめとするプロテインキナーゼCファミリーメンバーブロッカーが挙げられる。そのようなセリン/トレオニンキナーゼおよびその阻害剤は、Yamamoto, T., Taya, S., Kaibuchi, K., (1999), Journal of Biochemistry. 126(5) 799-803; Brodt, P, Samani, A., and Navab, R. (2000), Biochemical Pharmacology, 60. 1101-1107; Massague, J., Weis-Garcia, F. (1996) Cancer Surveys. 27:41-64; Philip, P. A., and Harris, A. L. (1995), Cancer Treatment and Research. 78: 3-27, Lackey, K. et al Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, (10), 2000, 223-226;および Martinez-Iacaci, L., et al, Int. J. Cancer (2000), 88(1), 44-52に記載されている。
PI3キナーゼ、ATM、DNA-PK、およびKuのブロッカーをはじめとするホスファチジルイノシトール-3キナーゼファミリーメンバーの阻害剤はまた、本発明と組み合わせるのに有用である。そのようなキナーゼについては、Abraham, R. T. (1996), Current Opinion in Immunology. 8(3) 412-8; Canman, C. E., Lim, D. S. (1998), Oncogene 17(25) 3301-3308; Jackson, S. P. (1997), International Journal of Biochemistry and Cell Biology. 29(7): 935-8;およびZhong, H. et al, Cancer Res, (2000) 60(6), 1541-1545に論じられている。
このほかに本発明と組み合わせるのに有用なのは、Myo-イノシトールシグナリング阻害剤、たとえばホスホリパーゼCブロッカー、およびミオイノシトール類似体である。そのようなシグナル阻害剤は、Powis, G., and Kozikowski A., (1994) New Molecular Targets for Cancer Chemotherapy ed., Paul Workman and David Kerr, CRC Press 1994, Londonに記載されている。
本発明と組み合わせるのに有用な他のグループのシグナルトランスダクション経路阻害剤は、Rasオンコジーンの阻害剤である。そのような阻害剤としては、ファルネシルトランスフェラーゼ、ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ、およびCAAXプロテアーゼの阻害剤、さらにはアンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、および免疫療法剤が挙げられる。そのような阻害剤は、野生型突然変異体Rasを含有する細胞においてRas活性化を阻止することにより、抗増殖剤として作用することが明らかにされている。Rasオンコジーン阻害については、Scharovsky, O. G., Rozados, V. R., Gervasoni, S. I. Matar, P. (2000), Journal of Biomedical Science. 7(4) 292-8; Ashby, M. N. (1998), Current Opinion in Lipidology. 9(2) 99-102;およびBioChim. Biophys. Acta, (1989) 1423(3): 19-30に論じられている。
先に述べたように、レセプターキナーゼリガンド結合に対する抗体もまた、シグナルトランスダクション阻害剤として機能する可能性がある。このグループのシグナルトランスダクション経路阻害剤では、レセプターチロシンキナーゼの細胞外リガンド結合ドメインに対するヒト化抗体の使用が含まれる。たとえば、Imclone C225 EGFR特異的抗体(Green, M. C. et al,「固形腫瘍に対するモノクローナル抗体療法(Monoclonal Antibody Therapy for Solid Tumors)」, Cancer Treat. Rev., (2000), 26(4), 269-286を参照されたい);Herceptin ErbB2抗体(「乳癌におけるチロシンキナーゼシグナリング: ErbBファミリーレセプターチロシンキナーゼ(Tyrosine Kinase Signaling in Breast Cancer: ErbB Family Receptor Tyrosine Kinases)」, Breast Cancer Res., 2000, 2(3), 176-183を参照されたい);および2CB VEGFR2特異的抗体(Brekken, R. A. et al,「モノクロナール抗VEGF抗体によるVEGFR2活性の選択的阻害は、マウスにおいて腫瘍増殖を阻止する(Selective Inhibition of VEGFR2 Activity by a Monoclonal Anti-VEGF Antibody Blocks Tumor Growth in Mice)」, Cancer Res. (2000) 60, 5117-5124を参照されたい)。
レセプターキナーゼ血管新生阻害剤もまた、本発明で使用することが可能である。血管新生関連VEGFRおよびTIE2の阻害剤については、シグナルトランスダクション阻害剤に関連して以上に論述されている(両レセプターとも、レセプターチロシンキナーゼである)。本発明に係る化合物と組み合わせて他の阻害剤を使用することが可能である。たとえば、VEGFR(レセプターチロシンキナーゼ)を認識しないがリガンドには結合する抗VEGF抗体;血管新生を阻害するインテグリン(alphav beta3)の小分子阻害剤;エンドスタチンおよびアンギオスタチン(非RTK)もまた、PLK阻害剤との組合せで有用性が認められ可能性がある。
免疫療法で使用される作用剤もまた、式(I)で示される化合物と組み合わせるのに有用である可能性がある。
アポトーシス促進療法で使用される作用剤(たとえば、bcl-2アンチセンスオリゴヌクレオチド)もまた、本発明に係る組合せで使用可能である。Bcl-2ファミリーのタンパク質のメンバーは、アポトーシスを阻止する。したがって、bcl-2のアップレギュレーションは、化学療法耐性に関連付けられてきた。表皮増殖因子(EGF)は、bcl-2ファミリーの抗アポトーシスメンバー(すなわちmcl-1)を刺激することが研究により明らかにされている。したがって、腫瘍においてbcl-2の発現をダウンレギュレートするようにデザインされたストラテジーは、臨床上有益であることが実証されており、現在、第II/III相試験の段階にある(すなわち、Genta G3139 bcl-2アンチセンスオリゴヌクレオチド)。bcl-2に対してアンチセンスオリゴヌクレオチドストラテジーを用いるそのようなアポトーシス促進ストラテジーについては、Water JS et al., J. Clin. Oncol. 18: 1812-1823 (2000); and Kitada S et al., Antisense Res. Dev. 4: 71-79 (1994)に論じられている。
細胞周期シグナリング阻害剤は、細胞周期の制御に関係する分子を阻害する。サイクリン依存性キナーゼ(CDK)およびそれらの相互作用サイクリンは、真核細胞周期の進行を制御する。細胞周期の正常な進行には、さまざまなサイクリン/CDK複合体の協調的な活性化および不活性化が必要である。細胞周期シグナリングのいくつかの阻害剤は、開発途上にある。たとえば、CDK2、CDK4、およびCDK6をはじめとするサイクリン依存性キナーゼならびにそれらの阻害剤の例は、たとえば、Rosania, et al., Exp. Opin. Ther. Patents 10(2): 215-230 (2000)に記載されている。
一実施形態では、本発明に係る方法は、式(I)で示される化合物を、シグナルトランスダクション経路阻害剤、特定的にはゲフィチニブ(IRESSA(登録商標))と組み合わせて、動物に投与することを含む。
これらの組合せを利用する方法および使用は、式(I)で示される化合物および他の化学療法剤/抗新生物剤を個別のまたは組み合わされた医薬組成物として任意の順序で逐次的にまたは同時に投与することを含みうる。同一の製剤中で組み合わせる場合、2種の化合物は安定でなければならずかつ互いにおよび製剤の他の成分と相溶的でなければならないことならびに投与に供すべく製剤化しうることは理解されるであろう。別々に製剤化する場合、それらは、そのような化合物に関して当技術分野で公知の方法により、任意の便利な製剤として提供しうる。
式(I)で示される化合物を化学療法剤と組み合わせて使用する場合、各化合物の用量は、化合物を単独で使用するときと異なることもある。当業者であれば、適切な用量は容易に理解されよう。式(I)で示される化合物および他の治療上有効な作用剤の適切な用量および投与の相対的タイミングは、所望の組合せ治療効果が達成されるように選択されるであろう。また、それらは、担当の臨床医の技能および裁量の範囲内にある。
式(I)で示される化合物は、以下のスキーム1に概説された方法により、都合よく調製されうる。
Figure 2007519720
〔式中、
Xは、Cl、Br、またはIであり;
各R10は、同一であるかもしくは異なっていて、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルから選択され;そして
他のすべての変数は、先に定義したとおりである〕
一般的には、式(I)で示される化合物の調製方法は、
a)式(III)で示される化合物を式(IV)で示される化合物と反応させて式(I)で示される化合物を調製する工程と;
b)場合により、式(I)で示される化合物を、その製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体に変換する工程と;
c)場合により、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体を、異なる式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体に変換する工程と;
を含む。
より特定的には、式(III)で示される化合物と式(IV)で示される化合物との反応は、約50〜120℃の高温で塩基の存在下で行われる。反応は、典型的には、等モル当量の2種の反応物を用いて行われるであろう。好適な溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1-メチル-2-ピロリジノン、エタノール、イソプロパノール、およびテトラヒドロフランが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、トリアルキルアミン、およびカリウムtert-ブトキシドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(IV)で示される化合物は、式(V)で示される化合物を式HN(R10)2で示されるアミンと反応させることにより調製可能である。
Figure 2007519720
〔式中、変数はすべて、先に定義したとおりである〕
この反応は、さまざまな市販のカップリング試薬を用いて不活性溶媒中で行うことが可能である。好適なカップリング試薬としては、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、1,1'-カルボニルジイミダゾール、およびベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチル-アミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートが挙げられるが、これらに限定されるものではない。他の好適なカップリング試薬は、当業者には自明であろう。場合により、カルボン酸を対応する酸クロリドに変換し、続いて、式HN(R10)2で示されるアミンで処理することが可能である。そのような酸クロリドの反応に好適な試薬としては、オキサリルクロリド、チオニルクロリド、および1-クロロ-N,N,2-トリメチル-1-プロペニルアミンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。場合により、カップリング反応系に塩基を添加することが可能である。場合により、反応系を約40〜約100℃の温度に加熱することが必要になることもある。好適な塩基としては、トリアルキルアミン、ピリジン、および4-(ジメチルアミノ)ピリジンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。この反応に好適な溶媒の例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、およびジクロロエタンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(V)で示される化合物は、式(VI)で示される化合物を加水分解することにより調製可能である。
Figure 2007519720
〔式中、R11は、アルキルであり、そして他の変数はすべて、先に定義したとおりである〕
反応は、塩基加水分解条件を用いて行われる。好適な試薬の例としては、水酸化リチウムおよび水酸化ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。反応は、水を用いて二相的に行われる。好適な共溶媒の例としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、およびエタノールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。場合により、反応系を40〜80℃に加熱してもよい。
式(VI)で示される化合物は、式(VII)で示される化合物をジアゾニウム塩と反応させてアミンをハライドに変換することにより調製可能である。
Figure 2007519720
〔式中、変数はすべて、先に定義したとおりである〕
この反応は、典型的には、ジアゾニウム塩を形成するための試薬を用いて行われる。この変換に好適な試薬としては、塩酸や硫酸のようなプロトン酸の存在下のt-ブチルニトリットまたは亜硝酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。反応は、ハロゲン化銅塩の存在下で行われる。好適なハロゲン化銅塩の例としては、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、および臭化銅(II)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。この反応に好ましい溶媒は、アセトニトリルであり、反応は、多くの場合、水の存在下で行われる。他の好適な溶媒としては、クロロホルムおよびジクロロメタンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(VII)で示される化合物は、以下のスキーム2に従って調製可能である。
Figure 2007519720
〔式中、
R11は、アルキルであり;
PGは、好適な窒素保護基であり;
Zは、Cl、Br、I、OSO2CH3、またはOSO2アリールであり;
Mは、-B(OH)2、-B(OR12)2、-Sn(R12)2、Zn-ハロ、Zn-R12、Mg-ハロ、Cu-ハロ、およびCu-R12であり{ここで、R12は、アルキルまたはシクロアルキルである};
R12は、-C=C-または-C≡C-であり;
Y3は、-C=C-、-C≡C-、-S-、または-NR7-であり;そして
他の変数はすべて、先に定義したとおりである〕
スキーム2に従って、式(VIII)で示される化合物は、アミン上に好適な窒素保護基を配置することにより、その保護誘導体(式(VIII-A)で示される化合物)に変換される。好適な保護基の選択肢は、所望の式(VII)で示される化合物に依存するであろう。また、その選択肢は、有機合成分野の当業者であれば過度の実験を行うことなく決定可能である。
次に、式(VIII)で示される化合物の保護誘導体をアルキル化して、Y1がOであるときの式(VII)で示される化合物の保護誘導体(すなわち、式(VII-A)で示され化合物)を取得することが可能である。アルキル化反応は、式(VIII-A)で示される化合物を式(IX)で示される化合物と反応させることにより実施可能である。
より具体的には、式(VII-A)で示される化合物は、式(VIII-A)で示される化合物を式(IX)で示される化合物と反応させることにより調製可能である。式(IX)で示される化合物は、市販されているか、または当技術分野の従来知識を用いて調製可能である。反応は、好適な塩基の存在下で、便宜上室温で、不活性溶媒中で、実施可能である。式(VIII-A)で示される化合物および式(IX)で示される化合物は、等モル量で存在させうるが;所望により、わずかに過剰の式(IX)で示される化合物を利用することも可能である。この反応に好適な塩基の例としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、および水素化カリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。この反応に好適な不活性溶媒の例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、および1,2-ジメトキシエタンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
他の選択肢として、Y1が-C=C-、-C≡C-、-S-、または-NR7-であるときの式(VII)で示される化合物が望まれる場合、そのような化合物は、
a)式(VIII-A)で示される化合物をトリフレート(すなわち、式(X)で示される化合物)に変換する工程、および
b)パラジウム(0)触媒を用いて、式(X)で示される化合物を、式(XI)、(XII)、または(XIII)で示される化合物よりなる群から選択される化合物と、カップリングさせて、Y1が-C=C-、-C≡C-、-S-、または-NR7-であるときの式(VII)で示される化合物の保護誘導体(すなわち、式(VII-B)で示される化合物)を調製する工程、
を含む方法により取得可能である。
式(VIII-A)で示される化合物から式(X)で示されるトリフレート化合物への変換は、好適なトリフレート化試薬を用いて実施可能である。この反応は、典型的には、塩基と、アルコールをトリフレートに変換するようにデザインされた試薬(すなわち、トリフレート化試薬)と、を用いて、不活性溶媒中で行われる。好適な塩基の例としては、炭酸ナトリウム、トリアルキルアミン、ピリジン、水素化ナトリウム、およびリチウムビス(トリメチルシリル)アミドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。反応は、好ましくは、約0〜約25℃の温度で行われる。この反応に好適なトリフレート化試薬としては、トリフルオロメタンスルホン酸アンヒドリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、およびN-フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。この反応に好適な不活性溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン、クロロホルム、ジエチルエーテル、およびジオキサンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、パラジウム(0)触媒を用いて、式(X)で示される化合物を、式(XI)、(XII)、または(XIII)で示される化合物と、反応させることが可能である。この反応は、パラジウム(0)の存在下で、不活性溶媒中で、実施可能である。場合により、反応系を約50〜約150℃の温度に加熱してもよい。典型的には、反応は、等モル量の式(X)で示される化合物を、式(XI)、(XII)、および(XIII)で示される化合物よりなる群から選択される等モル量の化合物と、反応させることにより、行われる。パラジウム(0)触媒は、典型的には、式(X)で示される化合物を基準にして1〜10モルパーセントで存在する。好適なパラジウム触媒の例としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。パラジウム(II)源を用いてin situでパラジウム(0)触媒を発生させることも可能である。好適なパラジウム(II)源の例としては、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、パラジウム(II)トリフルオロアセテート、ジクロロビス(トリフェニル-ホスフィン)パラジウム(II)、およびビス(ジフェニルホスフィノ-フェロセン)パラジウム(II)ジクロリドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。この反応に好適な溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ベンゼン、1,2-ジメトキシエタン、および1-メチル-2-ピロリジノンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。所望により、反応時に塩基およびホスフィンを添加剤として組み込むことも可能である。好適な塩基の例としては、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、およびトリアルキルアミンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適なホスフィン添加剤の例としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィノエタン、および2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。式(XI)、(XII)、および(XIII)で示される化合物は、供給業者から入手可能であるか、または個別の化合物として調製可能であるか、または当技術分野の従来知識を用いてin situで生成させることが可能である。Luker, T. J., et al., Tetrahedron Lett. 41: 7731-7735 (2000); Yin, J., et al., Org. Lett. 2: 1101-1104 (2000); Wolfe, J. P., et al., Can. J. Chem. 78: 957-962 (2000); Littke, A. F., et al., J. Am. Chem. Soc. 122: 4020-4028 (2000); Hundertmark, T., et al., Org. Lett. 2: 1729-1731 (2000); Buchwald, S. L., Acc. Chem. Res. 31: 805-818 (1998); Suzuki, A., J. Organomet. Chem. 576: 147-168 (1999); Negishi, E., J. Organomet. Chem. 576: 179-194 (1999); Stanforth, S. P., Tetrahedron 54: 263-303 (1998); Littke, A.F., Angew. Chem., Int. Ed. 37: 3387-3388 (1999);およびThorand, S., et al., J. Org. Chem. 63: 8551-8553 (1998)を参照されたい。本反応により、Y1が-C=C-、-C≡C-、-S-、または-NR7-であるときの式(VII)で示される化合物の保護誘導体(すなわち、式(VII-B)で示される化合物)が得られる。
式(VII)で示される化合物は、保護基を除去することにより、式(VII-A)または(VII-B)で示される化合物から取得可能である。窒素保護基を除去する方法は、当技術分野で慣用されているものであり、保護基を除去するための任意の好適な方法を利用することが可能である。
式(VIII)で示される化合物は、式(XIV)で示される化合物をチオウレアと反応させることにより調製可能である。
Figure 2007519720
〔式中、
R11は、アルキルであり;
X2は、ClまたはBrであり;そして
他の変数はすべて、先に定義したとおりである〕
この反応は、Baldwin, J. J., et. al. J. Med. Chem. 1980, 23, 65-70に記載されている手順に従って行われる。
式(XIV)で示される化合物は、市販されているか、または従来の試薬および技術を用いて調製可能である。
式(III)で示される化合物は、いくつかの方法により調製可能である。一方法によれば、式(III)で示される化合物は、以下のスキーム3に従って調製される。
Figure 2007519720
〔式中、変数はすべて、スキーム1に関連して定義されたとおりである〕
一般的には、式(III)で示される化合物を調製する方法は、
a)式(XVI)で示される化合物を還元して式(XVII)で示される化合物を調製する工程と;
b)式(XVII)で示される化合物を環形成試薬と反応させて式(III)で示される化合物を調製する工程と;
を含む。
以上の工程の順序は、本発明を実施するうえでそれほど重要ではないので、本方法は、当業者の知識に基づいて任意の好適な順序で工程を行うことにより、実施可能である。
より具体的には、式(III)で示される化合物は、式(XVII)で示される化合物を環形成試薬と反応させることにより調製可能である。本方法の工程で利用しうる環形成試薬は、いくつか存在する。一実施形態では、式(III-A)で示される化合物(すなわち、R5がHまたはアルキルであるときの式(III)で示される化合物)は、式(XVII)で示される化合物を式(XVIII)で示される環形成試薬と反応させることにより調製される。
Figure 2007519720
〔式中、R15は、Hまたはアルキルであり、そして他の変数はすべて、先に定義したとおりである〕
この反応は、従来技術を用いて実施可能である。White, A., et al., J. Med. Chem. 43: 4084-4097 (2000); Jiang, J.-L., et al., Synthetic Comm. 28: 4137-4142 (1998); Tanaka, A., et al., Chem. Pharm. Bull. 42: 560-569 (1994); Tian, W., et al., Synthesis 12: 1283-1286 (1992); Buckle, D. R., et al., J. Med. Chem. 30: 2216-2221 (1987);およびRaban, M., et al., J. Org. Chem. 50: 2205-2210 (1985)を参照されたい。この反応は、ニートでまたは好適な溶媒中で実施可能である。場合により、反応系を約50〜約230℃の温度に加熱してもよい。反応は、典型的には、過剰の式(XVIII)で示される化合物を用いて行われる。追加の酸を使用してもよい。好適な酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硫酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。この反応に好適な溶媒の例としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、およびアセトニトリルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。式(XVIII)で示される化合物は、市販されている。
式(XVII)で示される化合物は、式(XVI)で示される化合物を還元することにより調製可能である。還元は、従来の技術および還元剤を用いて、実施可能である。Rangarajan, M., et al., Bioorg. Med. Chem. 8: 2591-2600 (2000); White, A. W., et al., J. Med. Chem. 43: 4084-4097 (2000); Silvestri, R., et al., Bioorg. Med. Chem. 8: 2305-2309 (2000); Nagaraja, D., et al., Tetrahedron Lett. 40: 7855-7856 (1999) Jung, F., et al., J. Med. Chem. 34: 1110-1116 (1991); Srivastava, R. P., et al., Pharmazie 45: 34-37 (1990); Hankovszky, H.O., et al., Can. J. Chem. 67: 1392-1400 (1989); Ladd, D. L., et al., J. Org. Chem. 53: 417-420 (1988); Mertens, A., et al., J. Med. Chem. 30: 1279-1287 (1987);およびSharma, K. S., et al., Synthesis 4: 316-318 (1981)を参照されたい。この反応に好適な還元剤の例としては、パラジウムと水素、パラジウムとアンモニウムホルメート、酸化白金と水素、ニッケルと水素、塩化スズ(II)、鉄と酢酸、アルミニウムと塩化アンモニウム、ボラン、亜二チオン酸ナトリウム、およびヒドラジンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。場合により、反応系を約50〜約120℃に加熱してもよい。この反応に好適な溶媒は、さまざまであり、例としては、水、メタノール、エタノール、エチルアセテート、テトラヒドロフラン、およびジオキサンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(XVI)で示される化合物は、いくつかの方法により調製可能である。一実施形態では、式(XVI)で示される化合物は、式(XIX)で示される化合物をアンモニアと反応させることにより調製される。
Figure 2007519720
〔式中、変数はすべて、先に定義したとおりである〕
この反応は、従来技術を用いて実施可能である。Silvestri, R., et al., Bioorg. Med. Chem. 8: 2305-2309 (2000); Hankovszky, H. O., et al., Can. J. Chem. 67: 1392-1400 (1989); Nasielski-Hinkens, R.; et al., Heterocycles 26: 2433-2442 (1987); Chu, K. Y., et al., J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1 10: 1194-1198 (1978)を参照されたい。この反応は、典型的には、過剰のアンモニアを用いて行われ、場合により、約50〜約100℃の温度に加熱してもよい。この反応に好適な溶媒の例としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、および1,2-ジメトキシエタンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(XIX)で示される化合物は、市販されているか、または従来の技術および試薬を用いて調製可能である。
他の実施形態では、式(XVI)で示される化合物は、ニトロ化条件下で式(XX)で示される保護化合物を反応させて式(XVI)の保護化合物(すなわち、XVI-A)を調製した後、式(XVI-A)で示される化合物から保護基を除去することにより、調製可能である。
Figure 2007519720
〔式中、PGは、保護基であり、そして他の変数はすべて、先に定義したとおりである〕
アニリンの保護は、当業者に周知の一般的な変換である。Kocienski, P. J. Protecting Groups, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, 1994;およびGreene, T. W., Wuts, P. G. M. Protecting Groups in Organic Synthesis (2nd Edition), J. Wiley and Sons, 1991を参照されたい。この使用目的に好適な保護基としては、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、フェニルスルホニル、およびp-トルエンスルホニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。試薬および条件は、特定の保護基の性質によって異なる。いくつかの典型的な試薬としては、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、ベンジルクロロホルメート、アリルクロロホルメート、4-ニトロフェニル2-(トリメチルシリル)エチルカーボネート、フェニルスルホニルクロリド、およびp-トルエンスルホニルクロリドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特定の場合には、なんらかの塩基の添加が必要とされる。好適な塩基の例としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、トリアルキルアミン、ピリジン、およびカリウムt-ブトキシドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの変換に好適な溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、酢酸、メタノール、エタノール、水、トルエン、およびジエチルエーテルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アニリンのニトロ化については、文献にも詳細に報告されており、以上の反応は、これらの従来技術を用いて実施可能である。Wissner, A., et. al., J. Med. Chem. 46: 49-63 (2003); Duggan, S. A., et. al., J. Org. Chem. 66: 4419-4426 (2001); Clews, J., et. al., Tetrahedron 56: 8735-8746 (2000);およびKagechika, H., J. Med. Chem. 31: 2182-2192 (1988)を参照されたい。ニトロ化は、70%硝酸水溶液、赤煙硝酸、硝酸アンモニウムと無水トリフルオロ酢酸、および硝酸カリウムとトリフルオロメタンスルホン酸をはじめとするさまざまなニトロ化試薬を用いて実施可能であるが、これらに限定されるものではない。反応は、典型的には室温で行われるが、場合により、特定の状況では約40〜約100℃の温度に加熱してもよい。好適な溶媒としては、酢酸、硫酸、無水酢酸、ジクロロメタン、およびクロロホルムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ニトロ化により、式(XVI-A)で示される化合物(すなわち、式(XVI)で示される化合物の保護誘導体)が得られる。式(XVI)で示される化合物をもたらすアニリン保護基の切断は、多種多様な従来法により達成可能である。Kocienski, P. J. Protecting Groups, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, 1994;およびGreene, T. W., Wuts, P. G. M. Protecting Groups in Organic Synthesis (2nd Edition), J. Wiley and Sons, 1991を参照されたい。
式(XX)で示される化合物は、対応するアニリン上に保護基を配置することにより調製可能である。そのようなアニリンは、市販されているか、または従来技術を用いて調製可能である。
場合により、式(III-B)で示される化合物を式(III-C)で示される化合物に変換してもよい。この変換は、式(III-B)で示される化合物をハロゲン化して式(III-C)で示される化合物を調製することにより実施可能である。
Figure 2007519720
〔式中、X3は、ハロ(特にCl、Br、またはI)であり、そして他の変数はすべて、先に定義したとおりである〕
このタイプの変換は、文献で十分に確立されている。Taylor, E. C., et al., J. Org. Chem. 56: 6937-6939 (1991); Mistry, A. G., et al., Tetrahedron Lett. 27: 1051-1054 (1986);およびApen, P. G., et al., Heterocycles 29: 1325-1329 (1989)を参照されたい。好適なハロゲン化剤としては、N-クロロスクシンイミド、N-ブロモスクシンイミド、N-ヨードスクシンイミド、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な溶媒の例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、およびアセトンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(III-C)で示される化合物はまた、式(XVII)で示される化合物から直接調製することも可能である。本方法は、i)式(XVII)で示される化合物をホスゲンまたはホスゲン等価化合物と反応させて式(XXI)で示される化合物を調製する工程と、ii)式(XXI)で示される化合物をオキシハロゲン化リンと反応させて式(III-C)で示される化合物を調製する工程とを含む。
Figure 2007519720
〔式中、
各R16は、同一であるかもしくは異なっていて、独立して、Cl、メトキシ、エトキシ、トリクロロメトキシ、アミノ、およびN-イミダゾリルよりなる群から選択され;
X3は、ハロ(特にCl、Br、またはI;より特定的にはClまたはBr)であり;そして
他の変数はすべて、先に定義したとおりである〕
ホスゲンまたはホスゲン等価化合物は、環形成試薬であり、典型的には、先に示したように式(XXII)で示される化合物である。ホスゲンおよび式(XXII)で示されるホスゲン等価化合物は、市販されている。式(XXII)で示される好適な化合物の例としては、ホスゲン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、1,1'-カルボニルジイミダゾール、ウレア、およびトリホスゲンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。式(XVII)で示される化合物とホスゲンまたはホスゲン等価化合物との反応は、従来技術を用いて実施可能である。Silvestri, R., et al., Bioorg. Med. Chem. 8: 2305-2309 (2000); Wright, J. L., et al., J. Med. Chem. 43: 3408-3419 (2000); Penieres, G. C., et al., Synthetic Comm. 30: 2191-2195 (2000);およびVon der Saal, W., et al., J. Med. Chem. 32: 1481-1491 (1989)を参照されたい。反応は、典型的には、不活性溶媒中でまたはニートで行われる。場合により、反応系を約50〜約250℃の温度に加熱してもよい。場合により、好適な塩基を反応系に添加することが望ましいこともある。そのような塩基の例としては、トリアルキルアミン、ピリジン、2,6-ルチジン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、および重炭酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。この反応に好適な溶媒の例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トルエン、およびアセトンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(III-C)で示される化合物を調製するための式(XXI)で示される化合物とオキシハロゲン化リンとの反応は、従来技術を用いて実施可能である。Blythin, D. J., et al., J. Med. Chem. 29: 1099-1113 (1986);およびCrank, G., Aust. J. Chem. 35: 775-784 (1982)を参照されたい。好適な試薬の例としては、オキシ塩化リンおよびオキシ臭化リンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、およびトルエンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。場合により、約50〜約150℃の範囲内の熱を使用してもよい。
任意の方法により調製された式(III-C)で示される化合物は、場合により、式HNR7R8で示されるアミンと反応させることにより、式(III-D)で示される化合物に変換してもよい。
Figure 2007519720
〔式中、変数はすべて、先に定義したとおりである〕
式(III-D)で示される化合物を調製するための式(III-C)で示されるハロ置換ベンゾイミダゾールとアミンとの反応は、従来技術を用いて実施可能である。Alcalde, E., et al., J. Org. Chem. 56: 4233-4238 (1991); Katsushima, T., et al., J. Med. Chem. 33: 1906-1910 (1990); Young, R. C., et al., J. Med. Chem. 33: 2073-2080 (1990); Iemura, R., et al., J. Med. Chem. 29: 1178-1183 (1986);およびBenassi, R., et al., J. Chem. Soc., Perkin Trans. 2 10: 1513-1521 (1985)を参照されたい。所望により、酸触媒を利用してもよい。好適な酸触媒の例としては、塩酸およびp-トルエンスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。場合により、反応系を約50〜約220℃の温度に加熱することも可能である。この反応に好適な溶媒としては、水、エタノール、イソプロパノール、1-メチル-2-ピロリジノン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、キシレン、およびテトラヒドロフランが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
他の実施形態では、式(III-E)で示される化合物(すなわち、R5がHまたはアルキルであるときの式(III)で示される化合物)は、以下のスキーム4に概説された方法に従って調製される。
Figure 2007519720
〔式中、R16は、Hまたはアルキルであり、そして他の変数はすべて、先に定義したとおりである〕
一般的には、式(III-E)で示される化合物を調製するための本方法は、
a)式(XXIV)で示される化合物を好適なアシル化剤と反応させて式(XXV)で示される化合物を調製する工程と;
b)式(XXV)で示される化合物をニトロ化条件下で反応させて式(XXVI)で示される化合物を調製する工程と;
c)式(XXVI)で示される化合物を還元して式(XXVII)で示される化合物を調製する工程と;
d)式(XXVII)で示される化合物を環化して式(III-E)で示される化合物を調製する工程と;
を含む。
式(III-E)で示される化合物を調製するために式(XXVII)で示される化合物を環化させるのに使用しうる従来の環化反応については、文献に詳細に報告されている。Brana, M. F., et. al., J. Med. Chem. 45: 5813-5816 (2002); Fonseca, T., et. al., Tetrahedron 57: 1793-1799 (2001); White, A. W., et. al., J. Med. Chem. 43: 4084-4097 (2000);およびTamura, S. Y., et. al., Biorg. Med. Chem. Lett. 7: 1359-1364 (1997)を参照されたい。反応は、ニートでまたは好適な溶媒中で実施可能である。場合により、反応系を約50〜約200℃の温度に加熱してもよい。典型的には、過剰の好適な酸が使用される。好適な酸の例はとしては、酢酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、およびピリジニウムp-トルエンスルホネートが挙げられるが、これらに限定されるものではない。場合により、さらに脱水試薬を使用してもよい。好適な脱水試薬の例としては、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、五酸化リン、およびモレキュラーシーブが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な溶媒の例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、および水が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(XXVII)で示される化合物は、式(XXVI)で示される化合物を還元することにより調製可能である。還元は、従来の技術および還元剤を用いて、実施可能である。Rangarajan, M., et al., Bioorg. Med. Chem. 8: 2591-2600 (2000); White, A. W., et al., J. Med. Chem. 43: 4084-4097 (2000); Silvestri, R., et al., Bioorg. Med. Chem. 8: 2305-2309 (2000); Nagaraja, D., et al., Tetrahedron Lett. 40: 7855-7856 (1999); Jung, F., et al., J. Med. Chem. 34: 1110-1116 (1991); Srivastava, R. P., et al., Pharmazie 45: 34-37 (1990); Hankovszky, H. O., et al., Can. J. Chem. 67: 1392-1400 (1989); Ladd, D. L., et al., J. Org. Chem. 53: 417-420 (1988); Mertens, A., et al., J. Med. Chem. 30: 1279-1287 (1987);およびSharma, K. S., et al., Synthesis 4:316-318 (1981)を参照されたい。この反応に好適な還元剤の例としては、パラジウムと水素、パラジウムとアンモニウムホルメート、酸化白金と水素、ニッケルと水素、塩化スズ(II)、鉄と酢酸、アルミニウムと塩化アンモニウム、ボラン、亜二チオン酸ナトリウム、およびヒドラジンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。場合により、反応系を約50〜約120℃に加熱してもよい。この反応に好適な溶媒は、さまざまであり、例としては、水、メタノール、エタノール、エチルアセテート、テトラヒドロフラン、およびジオキサンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(XXVI)で示される化合物は、式(XXV)で示される化合物をニトロ化条件下で反応させることにより調製可能である。ニトロ化条件下での式(XXV)で示される化合物の反応は、式(XX)で示される化合物のニトロ化に関して先に記載したのと同一の方法で行うことが可能である。
式(XXV)で示される化合物は、式(XXIV)で示される化合物をアシル化することにより調製可能である。アニリンのアシル化は、当業者に周知の一般的な変換であり、そのような従来のアシル化技術は、以上の反応を行うために利用可能である。Larock, R. C. Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, pp. 972-976, 979, 981 (1989)を参照されたい。アシル化反応は、典型的には、カップリング試薬の存在下で、酸ハライド、酸無水物、またはカルボン酸のようなアシル化剤を用いて行われる。好適なカップリング試薬の例としては、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、およびN,N'-カルボニルジイミダゾールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ベンゼン、1,2-ジメトキシエタン、および1-メチル-2-ピロリジノンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。式(XXIV)で示されるアニリンは、市販されているか、または従来技術を用いて市販の材料から容易に調製される。
当業者には自明なことであろうが、式(I)で示される化合物は、当技術分野で周知の技術を用いて他の式(I)で示される化合物に変換可能である。たとえば、式(I-A)で示される化合物は、式(I-B)で示される化合物に変換可能であり、それに続いて式(I-C)で示される化合物に変換可能であり、または式(I-A)で示される化合物は、式(I-C)で示される化合物に変換可能である。
Figure 2007519720
〔式中、
n"は、0、1、2、または3であり;
各LGは、同一であるかもしくは異なる好適な脱離基であり;そして
他の変数はすべて、先に定義したとおりである〕
式(I-A)で示される化合物は、以上の本明細書に記載の方法のいずれかに従って調製可能である。次に、式(I-A)で示される化合物は、式(I-B)で示される化合物または式(I-C)で示される化合物に変換可能である。
式(I-B)で示される化合物は、2つの方法のいずれかにより調製可能である。一方法によれば、式(I-B)で示される化合物は、式(I-A)で示される化合物を式:LG-(R2)c-LG(XXX)〔式中、変数はすべて、先に定義したとおりである〕で示される化合物と反応させることにより調製される。好適な脱離基の具体例としては、-Cl、-Br、-I、-OSO2CH3、および-OSO2-フェニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。式(XXX)で示される好適な化合物は、市販されているか、または従来技術を用いて調製可能である。反応は、好適な塩基の存在下で、便宜上室温で、不活性溶媒中で、実施可能である。この反応に好適な塩基の例としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、および水素化カリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。この反応に好適な不活性溶媒の例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、および1,2-ジメトキシエタンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
第2の方法によれば、式(I-B)で示される化合物は、(I-A)式で示される化合物を式:HO-(R2)c-LG(XXXI)〔式中、変数はすべて、先に定義したとおりである〕で示される化合物と反応させることにより調製される。好適な脱離基の具体例としては、以上に記載のものが挙げられる。式(XXXI)で示される化合物は、市販されているか、または従来技術を用いて調製可能である。反応は、標準的なMitsunobu条件下で不活性溶媒中で行われる。Hughes, D. L., Org. React. 42: 335-656 (1992); and Mitsunobu, O., Synthesis 1-28 (1981)を参照されたい。典型的には、式(I-A)で示される化合物および式(XXXI)で示される化合物を、トリアリールホスフィンおよびジアルキルアゾジカルボキシレートと一緒に、室温で反応させる。好適なトリアリールホスフィンの例としては、トリフェニルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、およびトリメシチルホスフィンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適なジアルキルアゾジカルボキシレートの例としては、ジエチルアゾジカルボキシレート、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート、およびジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレートが挙げられるが、これらに限定されるものではない。この反応に好適な不活性溶媒の例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジクロロメタン、およびトルエンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(I-B)で示される化合物は、R4基を配置するのに好適な求核剤との反応により、式(I-C)で示される化合物に変換可能である。好適な求核剤の例としては、アンモニア、第一級および第二級アミン、金属アルコキシド、金属チオアルコキシド、カリウムシアニド、アジ化ナトリウム、有機リチウム試薬、オルガノクプレート、ならびにグリニャール試薬が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの置換に特異的な条件は、さまざまであるが、R4により定義される基を配置するためのこれらのタイプの求核剤の使用は、当技術分野で慣用されていることである。そのような求核剤により脱離基を置換すれば、R4官能基が配置されるか、または従来法に従って当業者により容易にR4官能基を配置しうる中間体が提供されるであろう。
他の選択肢として、式(I-C)で示される化合物は、式(I-A)で示される化合物から式(I-B)で示される化合物への変換に関して先に記載したのと類似の手順を用いて、式(I-A)で示される化合物から直接調製可能である。より具体的には、式(I-C)で示される化合物は、式(I-A)で示される化合物と式(XXX)で示される化合物との反応に関して先に記載したのと類似の条件を用いて、式(I-A)で示される化合物を式:LG-(R2)c-R4(XXXII)で示される化合物と反応させることにより、調製可能である。式(XXXII)で示される化合物は、市販されているか、または従来技術を用いて調製可能である。
他の実施形態では、式(I-A)で示される化合物は、式(I-A)で示される化合物と式(XXXI)で示される化合物との反応に関して先に記載した条件下で、式:HO-(R2)c-R4(XXXIII)で示される化合物と反応させることにより、式(I-C)で示される化合物に変換される。式(XXXIII)で示される化合物は、市販されているか、または従来技術を用いて調製可能である。
さらなる例として、式(I-D)で示される化合物は、式(I-E)で示される化合物に変換可能であり、場合により、式(I-F)で示される化合物にさらに変換可能である。
Figure 2007519720
〔式中、
R20は、アルキルまたはフェニルであり;そして
他の変数はすべて、先に定義したとおりである〕
式(I-D)で示される化合物は、トリフルオロ酢酸(TFA)のような好適な酸と反応させることにより、式(I-E)で示される化合物に変換可能である。この反応は、周囲温度において、ニートでまたは不活性溶媒中で実施可能である。この反応に好適な溶媒としては、ジクロロメタンおよびクロロホルムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(I-E)で示される化合物は、式(XXXIV)で示されるスルホニルクロリドと反応させることにより、式(I-F)で示される化合物にさらに変換可能である。反応は、さまざまな塩基を用いて周囲温度において不活性溶媒中で行うことが可能である。好適な塩基の例としては、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、およびピリジンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。この反応に好適な溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、ジオキサン、およびN,N-ジメチルホルムアミドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
他の実施形態では、式(I-G)で示される化合物は、式(I-H)で示される化合物に変換可能である。式(I-H)で示される化合物は、式(I-J)で示される化合物にさらに変換可能である。
Figure 2007519720
〔式中、R5aは、-OR7および-NR7R8よりなる群から選択され;そして他の変数はすべて、先に定義したとおりである〕
式(I-G)で示される化合物は、たとえば、3-クロロペルオキシ安息香酸のような従来の酸化剤を用いて酸化させて、式(I-H)で示される化合物に変換可能である。式(I-H)で示される化合物と式R5aで示される好適な求核剤との反応により、式(I-H)で示される化合物は、式(I-J)で示される化合物に変換されるであろう。この反応に好適な求核剤の具体例としては、水酸化ナトリウム、ナトリウムアセテート、アンモニア、ならびに一置換および二置換のアミンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。求核剤との反応は、典型的には、周囲温度または高温において、THFのような不活性溶媒中で、等モルまたはわずかに過剰の求核剤を用いて、行われる。他の実施形態では、式(I-H)で示される化合物は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、およびジオキサンのような適切な溶媒中で、過剰のアンモニアを用いて、80℃〜120℃の高温で、シールドチューブ内で、式(I-J)で示される化合物に変換可能である。
同様に、式(I-K)で示される化合物もまた、酸化により、式(I-L)で示される化合物に変換可能であり、式(I-L)で示される化合物は、アンモニアとの反応により、式(I-M)で示される化合物に変換可能である。
Figure 2007519720
〔式中、変数はすべて、先に定義したとおりである〕
式(I-K)で示される化合物を式(I-L)で示される化合物に変換する工程は、式(I-K)で示される化合物を、たとえば3-クロロペルオキシ安息香酸のような好適な酸化剤で反応させることにより、実施可能である。式(I-L)で示される化合物は、好適な溶媒中で、約80〜約120℃の高温で、シールドチューブ内で、過剰のアンモニアとの反応により、式(I-M)で示される化合物に変換可能である。この反応に好適な溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、およびジオキサンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
カップリングプロトコルを用いる変換のさらに他の例では、式(I-O)で示される化合物が、式(I-N)で示される化合物から以下のように調製可能である。
Figure 2007519720
〔式中、
n"は、0、1、2、または3であり;
PGは、保護基であり;そして
他の変数はすべて、先に定義したとおりである〕
保護基は、典型的には、除去時に酸を生じるカルボン酸保護基である。カルボン酸保護基の切断は、当技術分野で慣用される多種多様な方法により達成可能である。Kocienski, P. J. Protecting Groups, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, 1994;およびGreene, T. W., Wuts, P. G. M. Protecting Groups in Organic Synthesis (2nd Edition), J. Wiley and Sons, 1991を参照されたい。
保護基の除去に続いて、カップリングプロトコルを用いて、得られたカルボン酸を反応させると、式(I-O)で示される化合物が得られる。反応は、不活性溶媒中で式(I-N)の脱保護化合物を好適なカップリング試薬と反応させてから第一級または第二級アミンおよび場合により塩基を添加することにより、実施可能である。好適なカップリング試薬としては、1,1-カルボニルジイミダゾール、オキサリルクロリド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、およびO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。場合により、反応系を約0℃〜約80℃の温度に加熱してもよい。好適な溶媒の例としては、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、およびテトラヒドロフランが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
カップリングプロトコルを用いる変換のさらに他の例では、式(I-Q)で示される化合物が、式(I-P)で示される化合物から以下のように調製可能である。
Figure 2007519720
〔式中、
n"は、0、1、2、または3であり;
PGは、保護基であり;そして
他の変数はすべて、以上のスキーム1〜5のいずれかに定義されているとおりである〕
保護基は、除去時にアミンを生じるアミノ保護基である。アミノ保護基の切断は、当技術分野で慣用される多種多様な方法により達成可能である。Kocienski, P. J. Protecting Groups, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, 1994;およびGreene, T. W., Wuts, P. G. M. Protecting Groups in Organic Synthesis (2nd Edition), J. Wiley and Sons, 1991を参照されたい。
保護基の除去に続いて、カップリングプロトコルを用いて、得られたアミンを反応させると、式(I-Q)で示される化合物が得られる。反応は、不活性溶媒中で好適なカップリング試薬および場合により塩基の存在下で、式(I-P)の脱保護化合物をカルボン酸と反応させることにより、実施可能である。好適なカップリング試薬としては、1,1-カルボニルジイミダゾール、オキサリルクロリド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、およびO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。場合により、反応系を約0℃〜約80℃の温度に加熱してもよい。好適な溶媒の例としては、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、およびテトラヒドロフランが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(I)で示される化合物をさまざまな式(I)で示される化合物に変換する方法のさらなる例は、式(I-S)で示される化合物を調製するための式(I-R)で示される化合物とチオ化試薬との反応を含む。
Figure 2007519720
〔式中、変数はすべて、以上のスキーム1〜4に関連して定義されたとおりである〕
反応は、不活性溶媒中で実施可能であり、場合により、約65℃〜約100℃超の温度に加熱してもよい。好適なチオ化試薬の例としては、五硫化リン、2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3-ジチア-2,4-ジホスフェタン-2,4-ジスルフィドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な溶媒としては、キシレン、ジオキサン、およびトルエンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書に含まれる本開示および実施例に基づいて、当業者であれば、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体を、他の式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体に、容易にを変換することが可能である。
本発明はまた、放射性標識化された式(I)で示される化合物およびビオチン化された式(I)で示される化合物ならびにそれらの固体担体結合体を提供する。放射性標識化された式(I)で示される化合物およびビオチン化された式(I)で示される化合物は、従来技術を用いて調製可能である。たとえば、放射性標識化された式(I)で示される化合物は、適切な触媒の存在下で式(I)で示される化合物をトリチウムガスと反応させて放射性標識化された式(I)で示される化合物を生成させることにより調製可能である。
一実施形態では、式(I)で示される化合物は、トリチウム化される。
放射性標識化された式(I)で示される化合物およびビオチン化された式(I)で示される化合物は、PLKを阻害する化合物を同定するためのアッセイ、PLKにより媒介される病状を治療するための化合物を同定するためのアッセイ、感受性新生物を治療するためのアッセイ、不適切な増殖により特性付けられる病状を治療するためのアッセイ、細胞の増殖を阻害するためのアッセイ、および細胞の有糸***を阻害するためのアッセイに役立つ。したがって、本発明は、そのような化合物を同定するためのアッセイ方法を提供する。本方法は、放射性標識化された式(I)で示される化合物またはビオチン化された式(I)で示される化合物を標的タンパク質または細胞ホモジネートに特異的に結合させる工程を含む。より具体的には、好適なアッセイ方法は、競合結合アッセイを包含するであろう。放射性標識化された式(I)で示される化合物およびビオチン化された式(I)で示される化合物ならびにそれらの固体担体結合体は、当技術分野で慣用される方法に基づくアッセイに利用可能である。
以下の実施例は、単に例示を目的としたものにすぎず、なんら本発明の範囲を限定しようとするものではない。本発明は、以下の特許請求の範囲により規定される。
試薬は、市販されているか、または文献に記載の手順に従って調製される。以下の構造では、「Me」は、-CH3基を意味する。
中間体例1: エチル2-アミノ-4-ヒドロキシ-1,3-チアゾール-5-カルボキシレート
Figure 2007519720
文献に記載の手順(Baldwin, J. J., et. al. J. Med. Chem. 1980, 23, 65-70.)に従って、チオウレアおよびジエチルブロモマロネートから調製した。MS m/z 189 (M+1).
中間体例2: エチル2-(アセチルアミノ)-4-ヒドロキシ-1,3-チアゾール-5-カルボキシレート
Figure 2007519720
エチル2-アミノ-4-ヒドロキシ-1,3-チアゾール-5-カルボキシレート(6.00g, 31.9mmol)を100mLの酢酸に攪拌しながら溶解させた。シリンジを介して無水酢酸(15.0mL, 159mmol)を添加した。反応系を16時間攪拌し、100mLのジエチルエーテルを添加した。反応系を濾過し、そして淡黄色の固体をジエチルエーテルで洗浄し、脱水し、捕集し、6.04g(82%)のエチル2-(アセチルアミノ)-4-ヒドロキシ-1,3-チアゾール-5-カルボキシレートを得た。1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 12.32(s, 1H), 11.32(s, 1H), 4.16(q, J=7.0Hz, 2H), 2.16(s, 3H), 1.23(t, J=7.0Hz, 3H).
中間体例3: エチル2-(アセチルアミノ)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキシレート
Figure 2007519720
エチル2-(アセチルアミノ)-4-ヒドロキシ-1,3-チアゾール-5-カルボキシレート(6.04g, 26.2mmol)を100mLのN,N-ジメチルホルムアミドに攪拌しながら溶解させた。炭酸カリウム(3.98g, 28.8mmol)を一度に添加した。シリンジを介して20mLのN,N-ジメチルホルムアミド中の2-トリフルオロメチルベンジルブロミド(6.58g, 27.5mmol)を添加した。反応系を16時間攪拌し、水およびエチルアセテート中に注いだ。層を分離し、有機層をブラインで洗浄した。合わせた水性層をエチルアセテートで抽出した。合わせた有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、そして真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、6.23g(61%)のエチル2-(アセチルアミノ)-4-({[2-(トリフルオロメチル)-フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキシレートを得た。1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 12.62(s, 1H), 7.92(m, 1H), 7.82-7.71(m, 2H), 7.58(m, 1H), 5.60(s, 2H), 4.19(q, J=7.2Hz, 2H), 2.17(s, 3H), 1.25(t, J=7.2Hz, 3H).
中間体例4: エチル2-アミノ-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキシレート
Figure 2007519720
攪拌子を備えた圧力槽中にエチル2-(アセチルアミノ)-4-({[2-(トリフルオロメチル)-フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキシレート(6.23g, 16.0mmol)を配置した。シリンジを介してメタノール中の2Nアンモニア(120mL, 240mmol)を添加し、槽を密閉した。油浴を用いて溶液を80℃に16時間加熱した。反応系を冷却し、濃縮した。残渣をエチルアセテートに溶解させ、半飽和NaHCO3およびブラインで洗浄した。合わせた水性層をエチルアセテートで抽出した。合わせた有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、そして真空中で濃縮した。固体を約50mLのジクロロメタンに溶解させ、150mLのヘキサンを添加した。溶液上に空気を吹き付け、周期的にヘキサンを添加し、生成物を沈殿させた。固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、空気乾燥させ、黄色の固体として4.80g(87%)のエチル2-アミノ-4-({[2-(トリフルオロメチル)-フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキシレートを得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.14(s, 2H), 7.90(d, J=7.7Hz, 1H), 7.81-7.72(m, 2H), 7.57(m, 1H), 5.52(s, 2H), 4.11(q, J=7.1Hz, 2H), 1.21(t, J=7.1Hz, 3H).
中間体例5: エチル2-クロロ-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキシレート
Figure 2007519720
塩化銅(I)(0.342g, 3.45mmol)およびt-ブチルニトリット(0.52mL, 4.37mmol)を20mLのアセトニトリル中に攪拌添加した。エチル2-アミノ-4-({[2-(トリフルオロメチル)-フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキシレート(1.00g, 2.88mmol)を添加し、反応系を1.5時間攪拌した。油浴を用いて反応系を65℃に1時間加熱し、そして室温に冷却した。0℃で攪拌しながら反応混合物を40mLの6N HCl上に徐々にピペットで添加した。氷浴を除去し、混合物を室温に加温し、その状態で30分間攪拌した。混合物をエチルアセテートおよび水中に注ぎ、そして層を分離した。有機層をブラインで洗浄し、合わせた水性層をエチルアセテートで抽出した。合わせた有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、そして真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製し、0.537g(51%)のエチル2-クロロ-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキシレートを得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 7.88-7.73(m, 3H), 7.60(m, 1H), 5.63(s, 2H), 4.24(q, J=7.1Hz, 2H), 1.25(t, J=7.1Hz, 3H).
中間体例6: 2-クロロ-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボン酸
Figure 2007519720
エチル2-クロロ-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキシレート(0.535g, 1.46mmol)を15mLのテトラヒドロフランに攪拌しながら溶解させ、ピペットを介して15mLの1N LiOH溶液を添加した。混合物を18時間攪拌し、0.1N NaOHおよびジエチルエーテル中に注いだ。層を分離し、濃HClを用いて水性層をpH2の酸性にした。混合物を濾過し、白色の固体を水で洗浄した。固体を空気乾燥し、捕集し、真空下でさらに乾燥し、0.418g(85%)の2-クロロ-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボン酸を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 13.22(br s, 1H), 7.83-7.70(m, 3H), 7.58(m, 1H), 5.59(s, 2H).
中間体例7: 2-クロロ-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2007519720
2-クロロ-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボン酸(0.150g, 0.444mmol)を5mLのジクロロメタン中に懸濁させ、攪拌しながらN,N-ジメチルホルムアミドを一滴添加した。シリンジを介してオキサリルクロリド(0.33mL, ジクロロメタン中の2.0M溶液, 0.66mmol)を滴下した。反応系を30分間攪拌し、真空中で濃縮した。攪拌しながら残渣を6mLのテトラヒドロフランに溶解させた。ピペットを介して6mLの14%NH4OH溶液を添加した。混合物を30分間攪拌し、エチルアセテートおよび水中に注ぎ、層を分離した。有機層をブラインで洗浄し、合わせた水性層をエチルアセテートで抽出した。合わせた有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、真空中で濃縮し、白色固体として0.147g(98%)の2-クロロ-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドを得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 7.86(br s, 1H), 7.83-7.70(m, 3H), 6.84(br s, 1H), 5.62(s, 2H).
実施例1: 2-(1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2007519720
DMF(4mL)中の2-クロロ-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(0.050g, 0.14mmol)およびベンゾイミダゾール(0.010g, 0.08mmol)の溶液をK2CO3(0.011g, 0.08mmol)の存在下で75℃で12時間加熱した。反応後、混合物を室温に冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、H2O(4×10mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。分取HPLCにより残渣を精製し、標記化合物を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.57(s, 1H), 7.96(d, J=7.7Hz, 1H), 7.88(d, J=7.7Hz, 1H), 7.77(d, J=7.7Hz, 1H), 7.67-7.59(m, 2H), 7.54-7.40(m, 3H), 6.80(bs, 1H), 5.82(s, 2H), 5.63(bs, 1H). MS m/z 419 (m+1).
実施例2: 2-(6-クロロ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドおよび2-(5-クロロ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2007519720
次の材料:2-クロロ-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(0.050g, 0.14mmol)、5-クロロベンゾイミダゾール(0.012g, 0.08mmol)、K2CO3(0.011g, 0.08mmol)、およびDMF(4mL)を使用し、2-(1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの調製に関して先に記載した手順に従った。位置異性体混合物を分取HPLCにより分離した。(6-Cl)に対するデータ: 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.47(s, 1H), 7.98(d, J=2.0Hz, 1H), 7.81-7.75(m, 2H), 7.68-7.60(m, 2H), 7.55-7.50(m, 1H), 7.39(dd, J=8.6, 1.8Hz, 1H), 6.81(bs, 1H), 5.82(s, 2H), 5.64(bs, 1H). MS(ES-, m/z) 453(m+1).(5-Cl)に対するデータ: 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.54(s, 1H), 7.90-7.85(m, 1H), 7.80-7.76(m, 1H), 7.69-7.59(m, 2H), 7.56-7.50(m, 1H), 7.43(dd, J=8.6, 2.0Hz, 1H), 6.79(bs, 1H), 5.81(s, 2H), 5.55(bs, 1H). MS m/z 453(m+1).
実施例3: 2-(6-メトキシ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドおよび2-(5-メトキシ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2007519720
次の材料:2-クロロ-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(0.050g, 0.14mmol)、5-メトキシベンゾイミダゾール(0.012g, 0.08mmol)、K2CO3(0.011g, 0.08mmol)、およびDMF(4mL)を使用し、2-(1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの調製に関して先に記載した手順に従った。5位および6位の位置異性体の混合物に対するデータ: 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.49(s, 0.5H), 8.44(s, 0.5H), 7.84-7.71(m, 2H), 7.69-7.58(m, 2H), 7.54-7.49(m, 1H), 7.46(d, J=2.1Hz, 1H), 7.34(d, J=2.2Hz, 1H), 7.04(dd, J= 8.9, 2.2Hz, 0.5H), 7.02(dd, J=8.8, 2.4Hz, 0.5H), 6.78(bs, 1H), 5.82(s, 1H), 5.81(s, 1H), 5.73(bs, 1H), 3.89(s, 1.5H), 3.88(s, 1.5H),. MS m/z 449(m+1).
実施例4:2-(6-フルオロ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2007519720
次の材料:2-クロロ-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(0.050g, 0.14mmol)、5-フルオロベンゾイミダゾール(0.011g, 0.08mmol)、K2CO3(0.011g, 0.08mmol)、およびDMF(4mL)を使用し、2-(1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの調製に関して先に記載した手順に従った。6位の位置異性体に対するデータ: 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.46(s, 1H), 7.82-7.74(m, 2H), 7.69-7.58(m, 3H), 7.54-7.50(m, 1H), 7.16(td, J=9.1, 2.4Hz, 1H), 6.80(bs, 1H), 5.82(s, 2H), 5.76(bs, 1H). MS m/z 437(m+1).
実施例5: 2-(5,6-ジメチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2007519720
次の材料:2-クロロ-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(0.050g, 0.14mmol)、5,6-ジメチルベンゾイミダゾール(0.012g, 0.08mmol)、K2CO3(0.011g, 0.08mmol)、およびDMF(4mL)を使用し、2-(1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの調製に関して先に記載した手順に従った。標記化合物を分取HPLCにより得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.48(s, 1H), 7.77(d, J=7.9Hz, 1H), 7.70-7.58(m, 4H), 7.54-7.49(m, 1H), 6.81(bs, 1H), 5.82(s, 2H), 5.60(bs, 1H), 2.42(s, 1H), 2.40(s, 1H). MS m/z 447(m+1).
実施例6: 2-[5,6-ビス(メチルオキシ)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2007519720
次の材料:2-クロロ-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(0.146g, 0.434mmol)、5,6-ジメトキシベンゾイミダゾール(0.0851g, 0.478mmol)、K2CO3(0.0720g, 0.521mmol)、およびDMF(4mL)を用いて、2-(1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの調製に関して先に記載した手順に類似した方法で、標記化合物を調製した。フラッシュクロマトグラフィーにより0.114g(55%)の標記化合物を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.75(s, 1H), 7.87-7.73(m, 4H), 7.61(m, 1H), 7.61(s, 1H), 7.37(s, 1H), 6.94(br s, 1H), 5.85(s, 2H), 3.83(s, 3H), 3.72(s, 3H). MS m/z 479(m+1).
実施例7: 生物学的実施例
I. PLK1阻害アッセイ
A. 6×N末端Hisタグ付きPLKキナーゼドメインの調製
6×N末端Hisタグ付きPLKキナーゼドメイン(MKKGHHHHHHD(配列番号1)が先行するアミノ酸21〜346)は、ポリヘドリンプロモーターの制御下でバキュロウイルス感染T.ni細胞から調製可能である。後続の手順はすべて、4℃で行われる。25mM HEPES, 200mM NaCl, 25mMイミダゾール; pH8.0中で細胞を溶解させる。SLA-1500ローターを用いてホモジネートを14K rpmで40分間遠心分離し、上清を1.2ミクロンフィルターに通して濾過する。上清をNickel chelating Sepharose (Amersham Pharmacia)カラム上に充填し、25mM HEPES, 500mM NaCl, 25mMイミダゾール; pH8.0で洗浄する。次に、16.6%Bの段階でカラムを洗浄する。ただし、緩衝液Bは、25mM HEPES, 500mM NaCl, 300mMイミダゾール; pH8.0である。16.6%B〜100%Bの直線勾配で10カラム体積を用いてタンパク質を溶出させる。280nmにおける吸光度を用いて画分をプールした。10kDa分子量カットオフ膜を用いてPLKを濃縮し、次に、25mM HEPES, 1mM DTT, 500mM NaCl; pH8.0で平衡化されたSuperdex 75 gel filtration (Amersham Pharmacia)カラム上に充填する。280nmにおける吸光度によりタンパク質をプールし、次に、質量分析およびSDS-PAGEを用いて品質管理を行った。PLKをアリコートに分け、-80℃で貯蔵した。
B. 酵素活性+/-阻害剤を以下のように判定した:
化合物をプレートに添加する(100%DMSO中1μl)。DMSO(最終濃度5%)およびEDTA(20μL反応系中最終濃度62.5mM)を対照として使用する。22℃で以下のように反応混合物を調製する:
25mM HEPES, pH7.2
15mM MgCl2
1μM ATP
0.05μCi/ウェル 33P-γATP(10Ci/mMol)
1μM基質ペプチド(ビオチン-Ahx-SFNDTLDFD) 配列番号2.
0.15mg/ml BSA
1mM DTT
2nM PLK1キナーゼドメイン(最後に添加)
酵素の添加直後に各ウェルにウェルごとに反応混合物(20μl)を添加し、22℃で1.25時間インキュベートする。50μlのSPAビーズ/EDTA混合物(50mM EDTA, 標準Dulbecco's PBS(Mg2+およびCa2+を含まない)中の4.0mg/mlストレプトアビジン被覆SPAビーズ, 50μM ATP)を用いて酵素反応を停止させる。透明プラスチックシールでプレートを密閉し、500×gで1分間回転させるかまたは一晩静置し、そしてPackard TopCountを用いて30秒/ウェルでプレートをカウントする。
C. 結果
得られたデータを以下の表1に報告する。表1中、+ = pIC50 <5; ++ = pIC50 5〜7; +++ = pIC50 >7である。
II. メチレンブルー増殖阻害アッセイ
加湿された10% CO2、90%空気インキュベーター中、37℃において、10%ウシ胎仔血清(FBS)を含有する高グルコースDMEM(Life Technologies)を用いて、正常ヒト***繊維芽細胞(HFF)、ならびにヒトの結腸腫瘍(HCT116、RKO)、肺腫瘍(H460)、前立腺腫瘍(PC3)、および***腫瘍(MCF7)の細胞系を培養する。トリプシン/EDTAを用いて細胞を採取し、血球計数器を用いてカウントし、96ウェル組織培養プレート(Falcon 3075)中の100μlの適切な培地に次の密度でプレーティングする:HFF 5,000細胞/ウェル。HCT116 3,000細胞/ウェル、RKO 2,500細胞/ウェル、H460 2,000細胞/ウェル、PC3 8,000細胞/ウェル、MCF7 4,000細胞/ウェル。翌日、100μg/mlゲンタマイシンを含有するDMEMを用いてDMSO中の10mMストック溶液から最終必要濃度の2倍に化合物を希釈する。100μl/ウェルのこれらの希釈液を細胞プレート上に存在する100μlの培地に添加する。0.6% DMSOを含有する培地を対照ウェルに添加する。DMEMで希釈された化合物をすべての細胞系に添加する。すべてのウェル中のDMSOの最終濃度は、0.3%である。37℃、10% CO2で細胞を3日間培養する。吸引により培地を除去する。1ウェルあたり80μlのメチレンブルー(Sigma M9140, 50:50エタノール:水中0.5%)を用いて細胞を染色し、室温で少なくとも30分間インキュベートすることにより、細胞バイオマスを評価する。染料を除去し、水中に浸漬することによりプレートを濯ぎ、そして空気乾燥する。細胞から染料を放出させるために、100μlの可溶化溶液(1%N-ラウロイルサルコシン、ナトリウム塩、Sigma L5125, PBS中)を添加し、そしてプレートを室温で約30分間放置する。マイクロプレートリーダーを用いて620nMにおける光学濃度を測定する。ビヒクルで処理された対照ウェルを基準にして、細胞増殖の阻害パーセントを計算する。非線形回帰(Levenberg-Marquardt)および式y=Vmax*(1-(x/(K+x)))+Y2〔ただし、Y2=0であり、「K」はIC50に等しい〕を用いて、細胞増殖を50%阻害する化合物の濃度(IC50)を補間により求める。得られたデータを以下の表1に報告する。表1中、+ = 10〜>30μM; ++ = 1〜10μM: +++ = <1μMである。
Figure 2007519720
Figure 2007519720

Claims (25)

  1. 式(I):
    Figure 2007519720
    〔式中、
    R1は、-C(O)NR7R8および-C(S)NR7R8から選択され;
    Y1は、-O-、-S-、-NR7-、-C=C-、および-C≡C-から選択され;
    mは、0または1であり;
    nは、0、1、2、3、または4であり;
    Qは、式:-(R2)a-(Y2)b-(R2)c-R4で示される基であるか、または2つの隣接するQ基が、アルキル、アルケニル、-OR7、-S(O)fR7、および-NR7R8から選択されて、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、C5〜6シクロアルキル、C5〜6シクロアルケニル、フェニル、5〜7員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を有する)、もしくは5〜6員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を有する)を形成し、
    a、b、およびcは、同一であるかもしくは異なっていて、それぞれ独立して、0または1であり;
    Y2は、-O-、-S(O)f-、-N(R7)-、-C(O)-、-OC(O)-、-CO2-、-C(O)N(R7)-、-C(O)N(R7)S(O)2-、-OC(O)N(R7)-、-OS(O)2-、-S(O)2N(R7)-、-S(O)2N(R7)C(O)-、-N(R7)S(O)2-、-N(R7)C(O)-、-N(R7)CO2-、および-N(R7)C(O)N(R7)から選択され;
    各R2は、同一であるかもしくは異なっていて、独立して、アルキレン、アルケニレン、およびアルキニレンから選択され;
    各R3およびR4は、同一であるかもしくは異なっていて、それぞれ独立して、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、-C(O)R7、-C(O)NR7R8、-CO2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR7、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN、-N3、および式(ii):
    Figure 2007519720
    {ここで、
    環Aは、C5〜10シクロアルキル、C5〜10シクロアルケニル、アリール、5〜10員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)、および5〜10員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する)から選択され;
    各dは、0または1であり;
    eは、0、1、2、3、または4であり;
    各R6は、同一であるかもしくは異なっていて、独立して、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ph、Het、-CH(OH)-R2-OH、-C(O)R7、-CO2R7、-CO2-R2-Ph、-CO2-R2-Het、-C(O)NR7R8、-C(O)N(R7)C(O)R7、-C(O)N(R7)CO2R7、-C(O)N(R7)C(O)NR7R8、-C(O)N(R7)S(O)2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR8、=O、-OR7、-OC(O)R7、-OC(O)Ph、-OC(O)Het、-C(O)NR7R8、-O-R2-S(O)2R7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-S(O)2Ph、-S(O)2Het、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)CO2R8、-N(R7)-R2-CO2R8、-N(R7)C(O)NR7R8、-N(R7)-R2-C(O)NR7R8、-N(R7)C(O)Ph、-N(R7)C(O)Het、-N(R7)Ph、-N(R7)Het、-N(R7)C(O)NR7-R2-NR7R8、-N(R7)C(O)N(R7)Ph、-N(R7)C(O)N(R7)Het、-N(R7)C(O)N(R7)-R2-Het、-N(R7)S(O)2R8、-N(R7)-R2-S(O)2R8、-NO2、-CN、および-N3から選択され;
    Phは、ハロ、アルキル、-OH、-R2-OH、-O-アルキル、-R2-O-アルキル、-NH2、-N(H)アルキル、-N(アルキル)2、-CN、および-N3から選択される置換基で場合により1〜3箇所置換されているフェニルであり;
    Hetは、5〜7員ヘテロ環(N、O、およびSから選択される1、2、3、もしくは4個のヘテロ原子を有する)または5〜6員ヘテロアリール(N、O、およびSから選択される1、2、3、もしくは4個のヘテロ原子を有する)であり、それぞれ、ハロ、アルキル、オキソ、-OH、-R2-OH、-O-アルキル、-R2-O-アルキル、-NH2、-N(H)アルキル、-N(アルキル)2、-CN、および-N3から選択される置換基で場合により1〜2箇所置換されている}
    で示される基から選択され;
    Y1が-O-、-S-、または-NR7-でありかつmが0であるとき、R3は、ハロ、-CO2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR7、-OR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN、および-N3のいずれでもなく;
    bが1でありかつcが0であるようにQが定義されたとき、R4は、ハロ、-C(O)R7、-C(O)NR7R8、-CO2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR7、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN、および-N3のいずれでもなく;
    R5は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、OR7、-S(O)fR7、-NR7R8、-NHC(O)R7、-NHC(O)NR7R8、および-NHS(O)2R7から選択され;
    fは、0、1、または2であり;そして
    各R7および各R8は、同一であるかもしくは異なっていて、それぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルから選択される〕
    で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体。
  2. R1が-C(O)NR7R8である、請求項1に記載の化合物。
  3. Y1が-O-である、請求項1または2に記載の化合物。
  4. mが0である、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
  5. R3が、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、および式(ii):
    Figure 2007519720
    で示される基から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  6. R3が、式(ii)で示される基であり、かつ環Aがフェニルである、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  7. R3が、式(ii)で示される基であり、かつ各R6が、同一であるかもしくは異なっていて、独立して、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、-OR7、-S(O)fR7、-SO2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、および-CNから選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
  8. nが、0、1、または2である、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
  9. bが1でありかつY2が-O-、-S(O)f-、または-N(R7)-であるようにQが定義される、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
  10. 各R4が、同一であるかもしくは異なっていて、独立して、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、-C(O)NR7R8、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN、-N3、および式(ii):
    Figure 2007519720
    で示される基から選択される、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
  11. R5がHである、請求項1〜10のいずれかに記載の化合物。
  12. 2-(1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド;
    2-(6-クロロ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド;
    2-(5-クロロ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド;
    2-(6-メトキシ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド;
    2-(5-メトキシ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド;
    2-(6-フルオロ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド;
    2-(5,6-ジメチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド;
    2-[5,6-ビス(メチルオキシ)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-4-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-メチル}オキシ)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド;
    よりなる群から選択される化合物、ならびにその製薬上許容される塩、溶媒和物、および生理学的機能性誘導体。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物。
  14. 製薬上許容される担体、希釈剤、または賦形剤をさらに含む、請求項13に記載の医薬組成物。
  15. 化学療法剤をさらに含む、請求項14に記載の医薬組成物。
  16. 動物においてPLKにより媒介される病状を治療する方法であって、治療上有効な量の請求項1〜12のいずれかに記載の化合物を該動物に投与することを含む、上記方法。
  17. 動物においてPLKに対して感受性のある新生物を治療する方法であって、治療上有効な量の請求項1〜12のいずれかに記載の化合物を該動物に投与することを含む、上記方法。
  18. 前記新生物が、乳癌、結腸癌、肺癌、前立腺癌、リンパ腫、白血病、子宮内膜癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、扁平上皮癌、頭頸部癌、および食道癌から選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 請求項1〜12のいずれかに記載の化合物を調製する方法であって、
    b)式(III):
    Figure 2007519720
    で示される化合物を、
    式(IV):
    Figure 2007519720
    〔式中、
    Xは、Cl、Br、またはIであり;
    各R10は、同一であるかもしくは異なっていて、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルから選択される〕
    で示される化合物と反応させて、式(I)で示される化合物を調製する工程と;
    d)場合により、式(I)で示される化合物を、その製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体に変換する工程と;
    e)場合により、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体を、異なる式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的機能性誘導体に変換する工程と;
    を含む、上記方法。
  20. 治療に使用するための請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
  21. 動物においてPLKにより媒介される病状の治療に使用するための請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
  22. 動物においてPLKに対して感受性のある新生物の治療に使用するための請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
  23. 動物においてPLKにより媒介される病状を治療する医薬を調製するための請求項1〜12のいずれかに記載の化合物の使用。
  24. 動物においてPLKに対して感受性のある新生物を治療する医薬を調製するための請求項1〜12のいずれかに記載の化合物の使用。
  25. 動物においてPLKに対して感受性のある新生物の治療に使用するための、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物。
JP2006551058A 2004-01-28 2004-12-02 チアゾール化合物 Pending JP2007519720A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US53984904P 2004-01-28 2004-01-28
PCT/US2004/040357 WO2005075470A1 (en) 2004-01-28 2004-12-02 Thiazole compounds

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007519720A true JP2007519720A (ja) 2007-07-19

Family

ID=34837361

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006551058A Pending JP2007519720A (ja) 2004-01-28 2004-12-02 チアゾール化合物

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7560568B2 (ja)
EP (1) EP1711496A4 (ja)
JP (1) JP2007519720A (ja)
WO (1) WO2005075470A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012512223A (ja) * 2008-12-18 2012-05-31 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー チアゾリル−ベンズイミダゾール類
JP2012516329A (ja) * 2009-01-30 2012-07-19 ミレニアム ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド Pi3k阻害剤としてのヘテロアリールおよびその使用
US9062038B2 (en) 2010-08-11 2015-06-23 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Heteroaryls and uses thereof
US9090601B2 (en) 2009-01-30 2015-07-28 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Thiazole derivatives

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7504513B2 (en) * 2006-02-27 2009-03-17 Hoffman-La Roche Inc. Thiazolyl-benzimidazoles
JP5442448B2 (ja) 2006-12-22 2014-03-12 アステックス、セラピューティックス、リミテッド Fgfrインヒビターとしての二環式ヘテロ環式化合物
EP2121687B1 (en) 2006-12-22 2015-10-14 Astex Therapeutics Limited Tricyclic amine derivatives as protein tyrosine kinase inhibitors
GB0720041D0 (en) 2007-10-12 2007-11-21 Astex Therapeutics Ltd New Compounds
GB0720038D0 (en) 2007-10-12 2007-11-21 Astex Therapeutics Ltd New compounds
WO2009052186A1 (en) * 2007-10-15 2009-04-23 Georgia Tech Research Corporation Metabolomics-based identification of disease-causing agents
EP2250160B1 (en) 2008-01-25 2015-11-11 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Thiophenes and their use as phosphatidylinositol 3-kinase (pi3k) inhibitors
EP2100894A1 (en) 2008-03-12 2009-09-16 4Sc Ag Pyridopyrimidines used as Plk1 (polo-like kinase) inhibitors
GB0810902D0 (en) 2008-06-13 2008-07-23 Astex Therapeutics Ltd New compounds
GB0906470D0 (en) 2009-04-15 2009-05-20 Astex Therapeutics Ltd New compounds
GB0906472D0 (en) 2009-04-15 2009-05-20 Astex Therapeutics Ltd New compounds

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4818270A (en) * 1986-08-28 1989-04-04 Monsanto Company 2-(Heteroamino)-4,5-substituted-oxazole/thiazole compounds as herbicide antidotes, compositions and use
JP2001131161A (ja) * 1999-08-25 2001-05-15 Takeda Chem Ind Ltd ニューロトロフィン産生・分泌促進剤
JP2003321460A (ja) * 2002-02-28 2003-11-11 Takeda Chem Ind Ltd アゾール化合物
JP2006505522A (ja) * 2002-08-08 2006-02-16 スミスクライン ビーチャム コーポレーション チオフェン化合物
JP2007509070A (ja) * 2003-10-16 2007-04-12 スミスクライン ビーチャム コーポレーション チオフェン化合物
JP2007522142A (ja) * 2004-02-09 2007-08-09 グラクソ グループ リミテッド Ikk3に対して活性を有するベンゾイミダゾール置換チオフェン誘導体

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4988689A (en) * 1987-07-01 1991-01-29 Janssen Pharmaceutica N.V. ((Pharmacologically active bicyclic heterocyclic)methyl and -heteroatom) substituted hexahydro-1H-azepines and pyrrolidines
US5545653A (en) * 1995-06-07 1996-08-13 Eli Lilly And Company Anti-viral compounds
AU7715198A (en) 1997-06-04 1998-12-21 Eli Lilly And Company Anti-viral compounds
US6162804A (en) * 1997-09-26 2000-12-19 Merck & Co., Inc. Tyrosine kinase inhibitors
US6465484B1 (en) * 1997-09-26 2002-10-15 Merck & Co., Inc. Angiogenesis inhibitors
EP1017682A4 (en) 1997-09-26 2000-11-08 Merck & Co Inc NEW ANGIOGENESIS INHIBITORS
JP3256513B2 (ja) 1998-02-11 2002-02-12 ファイザー製薬株式会社 ベンゾイミダゾールシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤
ATE292120T1 (de) 1998-07-02 2005-04-15 Neurosearch As Kaliumkanal-blockierende mittel
CA2341409A1 (en) 1998-08-31 2000-03-09 Merck And Co., Inc. Novel angiogenesis inhibitors
KR100922538B1 (ko) 2001-08-13 2009-10-21 얀센 파마슈티카 엔.브이. 2,4,5-삼치환된 티아졸릴 유도체 및 그의 항염증성 활성

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4818270A (en) * 1986-08-28 1989-04-04 Monsanto Company 2-(Heteroamino)-4,5-substituted-oxazole/thiazole compounds as herbicide antidotes, compositions and use
JP2001131161A (ja) * 1999-08-25 2001-05-15 Takeda Chem Ind Ltd ニューロトロフィン産生・分泌促進剤
JP2003321460A (ja) * 2002-02-28 2003-11-11 Takeda Chem Ind Ltd アゾール化合物
JP2006505522A (ja) * 2002-08-08 2006-02-16 スミスクライン ビーチャム コーポレーション チオフェン化合物
JP2007509070A (ja) * 2003-10-16 2007-04-12 スミスクライン ビーチャム コーポレーション チオフェン化合物
JP2007522142A (ja) * 2004-02-09 2007-08-09 グラクソ グループ リミテッド Ikk3に対して活性を有するベンゾイミダゾール置換チオフェン誘導体

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012512223A (ja) * 2008-12-18 2012-05-31 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー チアゾリル−ベンズイミダゾール類
JP2012516329A (ja) * 2009-01-30 2012-07-19 ミレニアム ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド Pi3k阻害剤としてのヘテロアリールおよびその使用
US9090601B2 (en) 2009-01-30 2015-07-28 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Thiazole derivatives
US9139589B2 (en) 2009-01-30 2015-09-22 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Heteroaryls and uses thereof
US9062038B2 (en) 2010-08-11 2015-06-23 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Heteroaryls and uses thereof

Also Published As

Publication number Publication date
EP1711496A1 (en) 2006-10-18
WO2005075470A1 (en) 2005-08-18
US20070066666A1 (en) 2007-03-22
US7560568B2 (en) 2009-07-14
EP1711496A4 (en) 2009-02-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2296758C2 (ru) Производные тиофена
US7514446B2 (en) Pyrimidine compounds
JP5103403B2 (ja) 2−ピリミジニルピラゾロピリジンErbBキナーゼ阻害剤
AU2006287766B2 (en) Benzimidazole thiophene compounds as PLK inhibitors
JP2002326990A (ja) プロテインチロシンキナーゼ阻害剤としての二環式ヘテロ芳香族化合物
WO2005007099A2 (en) Pkb inhibitors as anti-tumor agents
JP2007519720A (ja) チアゾール化合物
ES2326808T3 (es) Compuestos de imidazotriazina para el tratamiento de enfermedades cancerosas.
US20100056525A1 (en) 5- and 6- substituted benzimidazole thiophene compounds
JP2009539771A (ja) 置換ベンゾイミダゾールチオフェンベンジルエーテル化合物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101221

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110705