JP2007510728A - 心血管疾患を治療するための1,4−ジヒドロピリジン化合物、薬学的組成物、および方法 - Google Patents

心血管疾患を治療するための1,4−ジヒドロピリジン化合物、薬学的組成物、および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、純粋な鏡像異性体を含む特定の置換1,4-ジヒドロピリジン化合物およびその薬学的製剤を提供する。これらの化合物はα-MyHCタンパク質レベルおよびα-MyHC mRNAレベルの上昇を提供し、また最も頻繁にこれらの同じ化合物はβ-MyHCタンパク質レベルおよびβ-MyHC mRNAレベルの同時低下を提供する。したがって、これらの化合物は単独でまたは心不全を治療するための他の薬剤と組み合わせて使用することができる。

Description

A. 発明の分野
本発明は、ミオシン重鎖(MyHc)介在性疾患、特に心不全を治療するための化合物、薬学的組成物、および方法に関する。
本発明は2003年11月3日に出願された米国仮特許出願第60/517,217号の優先権の利益を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み入れられる。
B. 関連技術
心不全は、心臓が身体の代謝組織の要求に対応した速度で血液を送り出せない病態生理的状態である。ほとんどの場合(約95%)、これは心筋障害によって起こる。
心臓の収縮性タンパク質は、ミオサイトと称される、心筋の全体積の約75%を構成する筋細胞内に存在する。2つの主要な収縮性タンパク質は、細いアクチンフィラメントおよび太いミオシンフィラメントである。各ミオシンフィラメントは重鎖2本および軽鎖4本を含む。重鎖の本体は絡み合い、重鎖はそれぞれ頭を終末とする。二葉型ミオシン頭部の葉はそれぞれATP結合ポケットを有し、このポケットは、その近傍でATPをその生成物に分解するミオシンATPアーゼ活性を有する。
心筋収縮の速度は、ミオシン分子の頭部領域のATPアーゼ活性の程度によって制御される。ミオシンATPアーゼ活性の主な決定要因、したがって筋収縮速度の主な決定要因は、2つのミオシン重鎖アイソマー、αおよびβ(MyHC)の相対量である。α-MyHCアイソフォームはβ-MyHCアイソフォームの約2〜3倍の酵素活性を有し、その結果、心筋短縮速度は各アイソフォームの相対的割合に関連する。例えば、成体齧歯動物の心室心筋はα-MyHCを約80〜90%およびβ-MyHCを10〜20%のみ有し、これによって、β-MyHCを約80〜90%含むウシの心室心筋よりもミオシンATPアーゼ活性が3〜4倍高い理由が説明される。
齧歯動物モデルで心室心筋肥大または心不全が起こる場合、MyHCアイソフォームの発現に変化が起こり、α-MyHCが減少しβ-MyHCが増加する。この「アイソフォーム転換」により、肥大した齧歯動物心室の収縮性が減少し、最終的に心筋不全に至る。MyHC遺伝子発現の変化のこのパターンは、「胎児性」発現パターンへの復帰と見なされてきた。と言うのは、胎児発生および早期新生仔発生の過程においても、やはりβ-MyHCが齧歯動物心室心筋の中心をなすからである。
心筋機能は、動物の年齢と共に低下することが示されている。心筋機能の加齢に伴う変化の原因となる細胞機構および分子機構が、齧歯動物において大いに研究されてきた。齧歯動物では、他にも変化はあるが特にMyHCの顕著な変化が起こる、すなわち、老齢ラットではβアイソフォームが優勢となる。α-MyHCおよびβ-MyHCの定常状態のmRNAレベルは、MyHCタンパク質の加齢に伴う変化と対応している。ミオシンATPアーゼ活性はα-MyHC含量の減少に伴って減少し、細胞プロファイルの変化によって、速度の低下および時間経過の長期化を示す収縮が起こる。
ヒト心房心筋も肥大または不全に伴い同様のアイソフォーム転換を起こし得るが、心不全の症例の大部分(症例の90%を超える)の基礎であるヒト心室心筋では、このパターンの提示は一貫して示されていない。いくつかの研究で剖検例においてこの問題が検討されたが、正常と見なされる心臓において、α-MyHCアイソフォームの生物学的に有意な発現は認められなかった。正常心臓においてα-MyHCの有意な発現はないと考えられたため、α-MyHCの下方制御がヒトの心筋不全の基礎であるという可能性は考えられなかった。最初から極めて少ないが、α-MyHCの量がヒト心筋不全で減少しているという1つの初期の報告があった(Bouvagnet, 1989)。しかしつい最近の報告では、mRNAレベルおよびタンパク質レベルの両方で、ヒト心臓中にかなりのレベルのa-MyHCが存在することが示された。mRNAレベルでは、全心室mRNAの23〜34%がα-MyHCに由来し(Lowes et al., 1997;Nakano et al., 1997)、一方、全ミオシンタンパク質含量の約1〜10%がα-MyHCである(Miyata et al., 2000;Reiser et al., 2001)。MyHCアイソフォーム含量のこれらの変化は、ヒト心不全におけるミオシンまたは筋原繊維ATPアーゼ活性の減少を説明するの十分である(Hajjar et al., 1992;Pagani et al., 1988)。
1990年代に作成されたデータから、βミオシン重鎖の変異が家族性肥大型心筋所の症例の約30〜40%の原因であることが示唆された(Watkins et al., 1992;Schwarz et al., 1995;Marian and Roberts, 1995;Thierfelder et al., 1994;Watkins et al., 1995)。肥大型心筋症の家族歴がない患者は原因不明の遅発性心肥大を示し、a-MyHCに変異を有することが示された(Niimura et al., 2002)。2つの重要な研究から、心血管疾患におけるMyHCアイソフォームの重要な役割がさらにもっともらしく示された。Lowes et al. (2002)は、拡張型心筋症を治療するためにβ遮断薬を使用すると、疾患状態の改善に直接対応してα-MyHCレベルが上昇し、β-MyHCレベルが減少することを示した。実際に、それらの研究において注目されたα-MyHCの変化は、心機能の改善と相関することが示された唯一の要因であった。同等にもっともらしく、Abraham et al. (2002)は、ミオシン重鎖アイソフォームの変化が、拡張型心筋症の疾患の進行に直接寄与することを示した。これらの研究から、心血管疾患においてMyHCアイソフォームで起こるアイソフォーム変換を、逆転させるとまではいかないが、変化させ得る薬剤の重要性および必要性が示される。
発明の概要
したがって本発明により、式Iの新規のキラルな光学活性化合物およびその薬学的に許容される塩を提供する。
Figure 2007510728
R1およびR5は独立してフェニル、ピリジン、ピリミジン、チオフェン、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、およびピラゾールであり、R1およびR5のいずれかはハロゲン、NO2、CN、CF3、C1-4アルキル、C0-4アルキル-S、C0-4アルキル-O、C0-4アルキル-NH、(C1-4アルキル)2-N、C1-4アルキル-SO、C1-4アルキル-SO2、SO2NH-C0-4アルキル、SO2N(C1-4アルキル)2、NHSO2-C1-4アルキル、CONH-C0-4アルキル、NHCO-C1-4アルキル、およびCOO-C0-4アルキルの1つまたは複数によって任意に置換されていてもよく;R2はC1-4アルキルであり、R3およびR4はC0-4アルキルであり;アルキルは直鎖であっても分岐鎖であってもよく;nは1〜4であり;さらにすべてのジアステレオマーを含む。
本発明の態様の範囲内にある化合物の1つのクラスは式Iの化合物であって、式中、R1およびR5は独立してフェニル、チオフェン、フラン、オキサゾール、およびチアゾールであり;R1およびR5のいずれかはハロゲン、NO2、CN、CF3、C1-4アルキル、C0-4アルキル-S、C0-4アルキル-O、C0-4アルキル-NH、(C1-4アルキル)2-N、C1-4アルキル-SO、C1-4アルキル-SO2、SO2NH-C0-4アルキル、SO2N(C1-4アルキル)2、NHSO2-C1-4アルキル、CONH-C0-4アルキル、NHCO-C1-4アルキル、およびCOO-C0-4アルキルの1つまたは複数によって任意に置換され得る化合物である。好ましいクラスの化合物は式Iの化合物であって、式中、R1およびR5は独立してフェニル、チオフェン、およびフランであり;R1およびR5のいずれかはハロゲン、NO2、CN、CF3、C1-4アルキル、C0-4アルキル-O、(C1-4アルキル)2-N、SO2NH-C0-4アルキル、NHSO2-C1-4アルキル、CONH-C0-4アルキル、NHCO-C1-4アルキル、およびCOO-C0-4アルキルの1つまたは複数によって任意に置換されていてもよく、R3はC1-4アルキルである化合物である。
より好ましいクラスの化合物は式Iの化合物であって、式中、R1およびR5は独立してフェニル、チオフェン、およびフランであり;R1およびR5のいずれかはハロゲン、NO2、CN、CF3、C1-4アルキル、C0-4アルキル-O、(C1-4アルキル)2-N、SO2NH-C0-4アルキル、NHSO2-C1-4アルキル、CONH-C0-4アルキル、NHCO-C1-4アルキル、およびCOO-C0-4アルキルの1つまたは複数によって任意に置換されていてもよく、R2およびR3はCH3であり、R4はC0-1アルキルであり、nは1〜2である化合物である。さらにより好ましいクラスの化合物は式Iの化合物であって、式中、R1およびR5はフェニルであり、R1およびR5のいずれかはBr、Cl、F、NO2、CF3、CH3、CH3O、(C1-4アルキル)2-N、CONH-C0-4アルキル、NHCO-C1-4アルキル、およびCOO-C0-4アルキルの1つまたは複数によって最適に置換されていてもよく、R2およびR3はCH3であり、R4はHであり、nは1〜2である化合物である。
特に好ましいのは式Iの化合物であって、式中、R1およびR5はフェニルであり、R1およびR5のいずれかはBr、Cl、F、NO2、CF3、CH3、CH3O、(C1-4アルキル)2-N、CONH-C0-4アルキル、NHCO-C1-4アルキル、およびCOO-C0-4アルキルの1つまたは複数によって最適に置換されていてもよく、R2およびR3はCH3であり、R4はHであり、nは1である化合物である。最も好ましい式Iの化合物は、R1およびR5がフェニルであり、R1およびR5のいずれかがCl、F、NO2、CF3、CH3、CH3Oの1つまたは複数によって任意に置換されていてもよく、R2およびR3がCH3であり、R4がHであり、nが1である化合物である。
本発明のさらなる態様において、製剤は、このR鏡像異性体がS鏡像異性体から実質的に精製された式Iの化合物を含む。本発明の意図する形態は、75%を超える純度、80%を超える純度、85%を超える純度、90%を超える純度、95%を超える純度、96%を超える純度、97%を超える純度、98%を超える純度、および99%を超える純度のR型を有する。
本発明の1つのさらなる態様において、製剤は式IIの化合物およびその薬学的に許容される塩を含み、さらにすべてのジアステレオマーを含む:
Figure 2007510728
式中、R1およびR5は独立してフェニル、ピリジン、ピリミジン、チオフェン、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、およびピラゾールであり;R1およびR5のいずれかはハロゲン、NO2、CN、CF3、C1-4アルキル、C0-4アルキル-S、C0-4アルキル-O、C0-4アルキル-NH、(C1-4アルキル)2-N、C1-4アルキル-SO、C1-4アルキル-SO2、SO2NH-C0-4アルキル、SO2N(C1-4アルキル)2、NHSO2-C1-4アルキル、CONH-C0-4アルキル、NHCO-C1-4アルキル、およびCOO-C0-4アルキルの1つまたは複数によって任意に置換されていてもよく;R2はC1-4アルキルであり、R3およびR4はC0-4アルキルであり;アルキルは直鎖であっても分岐鎖であってもよく;nは1〜4である。
本発明の特定の態様において、上記の化合物および薬学的製剤は、心筋細胞中のα-ミオシン重鎖(α-MyHC)mRNAレベルの上方制御を達成するのに十分な量および経路で投与される。同様に、α-MyHCのタンパク質レベルを上方制御することもまた意図する。本発明のさらなる局面において、製剤は心筋における収縮性の増加を達成するのに十分な量および経路で投与される。さらなる態様では、心肥大または心不全を罹患している被験者に、胎児性遺伝子の発現の減少および正常心臓遺伝子の発現の増加と定義されるリモデリングの改善を誘導するのに十分な量の特許請求の範囲の製剤を投与する段階を含む、肥大または不全心臓組織で起こるリモデリングの改善をインビボで誘導する方法を開示する。
本発明の製剤が無傷の心筋細胞である細胞に投与されることを意図する。この心筋細胞は心臓組織内に位置し、心臓はヒト患者の無傷の心臓であってよい。製剤が心臓の心室、具体的には左心室に投与されることをさらに意図する。経路には、動脈内、静脈内、筋肉内、および経口経路が含まれる。
本発明の製剤は、患者または心臓または心筋細胞に与えられるさらなる薬学的製剤または治療計画と組み合わせても、それらに加えも、またはそれらと混合してもよい。これらのさらなる製剤には、これらに限定されるわけではないが、「β遮断薬」、抗高血圧薬、強心薬、抗血栓薬、血管拡張薬、ホルモン拮抗薬、エンドセリン拮抗薬、サイトカイン阻害薬および/または遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、および2型アンギオテンシン拮抗薬が含まれる。これらの薬剤は、本発明の化合物の前、本発明の化合物と同時に、または本発明の化合物の後に与えることができる。
発明の詳細な説明
本発明は、心血管疾患の治療に有用である式I:
Figure 2007510728
の新規な光学活性キラル化合物およびその薬学的に許容される塩を提供する。本発明者らは、特定の置換1,4-ジヒドロピリジン化合物(式I)のR鏡像異性体がα-MyHCタンパク質レベルおよびα-MyHC mRNAレベルの驚くべき上昇を提供すること、および最も頻繁にこれらの同じ化合物がβ-MyHCタンパク質レベルおよびβ-MyHC mRNAレベルの同時低下を提供することを予想外に見出した。これらの態様を以下により詳細に説明する。
I. 心血管疾患
心不全は、世界中の罹患率および死亡率の主要原因の1つである。米国単独では、現在300万人の人が心筋症を患っており、それに加えて400,000人の人が毎年心筋症と診断されていることが推定から示される。拡張型心筋症(DCM)はまた「うっ血性心筋症」とも称され、心筋症の最も頻繁に見られる形態であり、罹患率は100,000人の当たりおよそ40人と推定される(Durand et al., 1995)。DCMには他の原因も存在するが、家族性拡張型心筋症は「特発性」DCMの約20%に相当することが示されている。DCM症例の約半数が特発性であり、残りは既知の疾患過程と関連している。例えば、癌化学療法に使用される特定の薬剤(例えば、ドキソルビシンおよびダウノルビシン)に起因して重篤な心筋損傷が生じ得る。さらに、多くのDCM患者は慢性アルコール中毒である。幸いなことにこれらの患者では、疾患過程の初期にアルコール消費を減らすかまたは止めることにより、心筋機能障害の進行を阻止するかまたは覆すことができる。周産期心筋症は感染性続発症と関連する疾患であり、DCMの別の特発性形態である。要するに、DCMを含む心筋症は重要な公衆衛生問題である。
冠動脈疾患、心筋梗塞、うっ血性心不全、および心肥大を含む心疾患およびその症状発現は、今日の米国における主要な健康上のリスクを明らかに示す。これらの疾患を患う患者を診断、処置、および支持するコストは数十億ドルに達する。心疾患の特に重篤な2つの症状発現は心筋梗塞および心肥大である。
心筋梗塞に関しては、典型的にアテローム性動脈硬化の結果として冠動脈内で急性血栓性冠動脈閉塞が起こり、それが心筋細胞の死滅をもたらす。心筋細胞は最終分化しており、一般に細胞分化することができないため、急性心筋梗塞の過程において死滅した場合には一般に瘢痕組織に置き換えられる。瘢痕組織に収縮性はなく、心機能に寄与することができず、そのため心収縮において膨張することにより、または心室の大きさおよび有効半径を増大させることにより、例えば肥大性となることにより、心機能における有害な役割を果たす場合が多い。
心肥大に関しては、一説ではこれを異常な発生と類似した疾患と見なし、そのため心臓における発生シグナルが肥大性疾患に寄与し得るかどうかという問題が提起される。心肥大は、高血圧、機械的負荷、心筋梗塞、心不整脈、内分泌障害、および心臓収縮タンパク質遺伝子における遺伝子変異から生じる疾患を含む心疾患の実質的にすべての形態に対する心臓の適応応答である。肥大応答は最初は心拍出量を増大させる補償機構であるものの、持続的な肥大はDCM、心不全、および突然死を引き起こし得る。米国では、約50万人の人が毎年心不全であると診断され、死亡率は50%に近づきつつある。
心肥大の原因および影響は十分に実証されているが、根本的な分子機構は完全には解明されていない。これらの機構の解明は心疾患の予防および処置における主要な問題であり、心肥大および心不全を特異的に標的する新規薬剤の設計における治療様式として重要になる。病的心肥大は典型的に、心臓障害が心不全をもたらすに十分なほど重篤になるまでいずれの症状も現さないため、心筋症の症状は心不全に伴って起こる症状である。これらの症状には、息切れ、労作に伴う疲労、呼吸困難を起こすために臥位になることができないこと(起座呼吸)、発作性夜間呼吸困難、心臓容積の拡大、および/または下肢の腫脹が含まれる。患者はまた、血圧の上昇、心音の増大、心雑音、肺および全身性の塞栓、胸痛、肺うっ血、ならびに動悸を示す場合が多い。さらに、DCMは駆出率(すなわち、内因性の収縮機能およびリモデリングの尺度)の低下を引き起こす。この疾患はさらに、心室拡張、および心筋収縮性の低下に起因した収縮機能の著しい障害を特徴とし、これは多くの患者に拡張型心不全を招く。罹患した心臓はまた、筋細胞/心筋機能障害の結果として細胞/心室リモデリングを起こし、これは「DCM表現型」に寄与する。疾患が進行するにつれ、症状も同様に進行する。DCM患者ではまた、心室頻拍および心筋細動を含む、生命にかかわる不整脈の発症率が著しく増加する。これらの患者では、失神(めまい)の発症が突然死の前兆とみなされる。
拡張型心筋症の診断は、典型的に心腔の拡大、特に心室の拡大の実証に依存する。拡大は一般に胸部X線において観察可能であるが、心エコー図を用いることによってより正確に評価される。DCMは、急性心筋炎、心臓弁膜症、冠動脈疾患、および高血圧性心疾患との識別が困難である場合が多い。拡張型心筋症の診断がなされたならば、改善できる可能性のある原因を同定および処置し、さらなる心臓障害を妨げるためにあらゆる努力がなされる。例えば、冠動脈疾患および心臓弁膜症が阻止されなければならない。貧血、異常頻拍、栄養障害、アルコール依存症、甲状腺疾患、および/または他の問題に取り組み、管理する必要がある。
上記のように、薬理学的薬剤による処置は、やはり心不全の症状発現を低減または排除するための主要な機構を表す。利尿薬は軽度から中程度の心不全の一次治療を形成する。残念なことに、一般的に使用される利尿薬(例えばチアジド)の多くは数々の副作用を有する。例えば、ある種の利尿薬は血清コレステロールおよびトリグリセリドを増加し得る。さらに、利尿薬は、重篤な心不全に罹患した患者に対しては一般的に効果がない。
利尿薬が効果的でない場合には、血管拡張薬が使用され得る;アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬(例えば、エナラプリルおよびリシノプリル)は、症状軽減を提供するだけでなく、これらによって死亡率が減少することも報告されている(Young et al., 1989)。しかしながら、ACE阻害薬もまた、特定の病状(例えば腎動脈狭窄)を有する患者には禁忌である副作用を伴う。同様に、強心薬治療(すなわち、心筋収縮力を強化することによって心拍出量を改善する薬剤)も、胃腸障害および中枢神経系の機能障害を含む数々の有害反応を伴う。
従って、現在使用される薬理学的薬剤は、特定の患者集団において重篤な欠点を有する。新規、安全、かつ有効な薬剤を利用できることは、現在利用できる薬理学的様式を使用し得ないかまたはそれらの様式では十分に緩和されない患者にとって間違いなく有益である。DCM患者の予後は変動しやすく、またこれは心室機能障害の程度に依存し、その大半が診断の5年以内に死亡する。本明細書において、本発明者らは病的な心肥大および心不全を処置するための新規の治療組成物および治療法を記載する。
II. 1,4-ジヒドロピリジン化合物
上記したように、本発明は、式Iの新規な光学活性キラル化合物、その薬学的に許容される塩、および心血管疾患の治療におけるそれらの使用を提供する。式Iの化合物は、置換1,4-ジヒドロピリジン化合物として周知である化合物のクラスのメンバーである。化学的分類として、1,4-ジヒドロピリジンは、血管平滑筋におけるL型カルシウムチャネルとの結合およびその遮断を含む作用機序により、高血圧症および冠動脈攣縮(アンギナ)の治療に有用であることが知られている。しかし、このような化合物がα-MyHC/β-MyHC発現レベルに直接影響するという報告はこれまでなかった。
1,4-ジヒドロピリジンカルシウムチャネル遮断薬の臨床上使用される用量では、心臓への直接的効果は通常認められない。これらのいわゆるカルシウムチャネル遮断薬は、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis Of Therapeutics (2001)に概説されている。ヒト使用するために市販が認可されているこのクラスの薬剤は、以下の通りである:アムロジピン(メルクインデックス、番号491)、アラニジピン(メルクインデックス、番号772)、バルニジピン(メルクインデックス、番号1055)、ベニジピン(メルクインデックス、番号1041)、シルニジピン(メルクインデックス、番号2297)、エホニジピン(メルクインデックス、番号3555)、フェロジピン(メルクインデックス、番号3981)、イスラジピン(メルクインデックス、番号5262)、ラシジピン(メルクインデックス、番号5347)、レルカニジピン(メルクインデックス、番号5465)、マニジピン(メルクインデックス、番号5767)、ニカルジピン(メルクインデックス、番号6520)、ニフェジピン(メルクインデックス、番号6555)、ニルバジピン(メルクインデックス、6573)、ニモジピン(メルクインデックス、番号6579)、ニソルジピン(メルクインデックス、6593)、およびニトレンジピン(メルクインデックス、番号6606)。これらのカルシウムチャネル遮断薬の化学構造を以下の式に示す。
Figure 2007510728
これらのカルシウムチャネル遮断薬はいずれも、α-MyHCタンパク質レベルまたはα-MyHC mRNAレベルを直接上昇させることも、β-MyHCタンパク質レベルまたはβ-MyHC mRNAレベルを直接低下させることも示されていない。これらのカルシウムチャネル遮断薬はいずれも、本発明の化合物の新規な生物活性を決定するために用いられるα-MyHCおよびβ-MyHCに基づくアッセイならびに試験において活性を示さない。Raizada et al. (1993)およびRaizada et al. (1993)は、ニフェジピンが慢性高血圧および老齢ラットにおいてα-MyHC/β-MyHCタンパク質比の減少を防ぐことを報告した;しかし、その効果はMyHC調節の直接的効果ではなく、その降圧作用を介したカルシウムチャネル遮断薬の間接的効果であることが示され、そのように考えられた。実際に、新生仔ラット心室ミオサイトを用いて、Samarel et al. (1992)およびSimpson et al. (1996)により、インビトロにおいてニフェジピンが全MyHCを低下させることが示された。最後に、Yamazaki et al. (1998)による12週間の研究において、アムロジピンで処理した自然発生高血圧ラットはα-MyHC/β-MyHC比を維持した。したがって、これらの伝統的なカルシウムチャネル遮断薬は、心筋細胞のα-MyHC/β-MyHC比に直接影響することは示されていない。
式Iの化合物はすべてキラルであり、すなわちそれらは鏡像上に重ね合わせることができず、光学活性である。式Iの化合物を調製する1つの方法のいくつかの出発材料は、Chembridgeから入手することができる。これらの入手可能な出発材料はラセミ化合物、すなわちR鏡像異性体とS鏡像異性体の均等な固体混合物である。これらの出発材料の市販の構造は式IIに示される。
単一の鏡像異性体は2つの点で相互に異なる。第一に、それらは偏光面を逆方向に同等に回転させる。第二に、最も重要なことには、それらは他のキラル化合物、特に人体のような複雑でキラルな生物学的構造と独立して、異なる速度で、かつ予測し得ない様式で反応する。光学活性に加えて、鏡像異性体は通常、融点および溶解度など、ラセミ化合物と異なるいくつかの物理的特性を有する。しかし、鏡像異性体は上記の2つの点でのみ相互に異なる。結局、個々の鏡像異性体の同一性は、それらの物理的特性およびキラルな生体分子および生体系との異なる相互作用が予め予測できないために、実験により証明しなくてはならない。総説に関しては、March (1992);およびBurke and Henderson (2002)を参照されたい。ラセミ化合物からの個々の鏡像異性体の分離または分解は、当業者によって周知の方法に従う。
最も頻繁には、ラセミ化合物の一方の鏡像異性体のみが、一般的に所望の生物学的効果または薬物効果を提供する。実際に、多くの場合、ラセミ薬剤の活性の低いまたは不活性の鏡像異性体は、異なる、非関連の、およびマイナスの様式で相互作用し、望ましくない、有害な、または毒性の副作用を提供する。したがって、単一の鏡像異性体薬剤が最も好ましい。新規な作用機序に基づく一連の化合物を研究する場合、ラセミ化合物のどちらの鏡像異性体が所望の薬剤活性を有するかを予測することは不可能である。この新規で有用な知見は、実験および実験閣下の解析を通してのみ得ることができる。米国食品医薬品局(FDA)は、コンピュータ上で利用でき、www.fda.gov/cder/guidance/index.htmで検索することができる、光学活性薬剤を開発するための継続した手引きを提供している。総説に関しては、Strong (1999);およびFDA Policy Statemant (1992);およびDe Camp (1989);同様にNote for Guidane - Investigation of Chiral Active Substances (1994)を参照されたい。
本発明は、式Iの化合物のR鏡像異性体に付随する固有の特性に関する。本発明より前には、式Iの単一の鏡像異性体化合物は認められておらず、特徴づけもされていなかった。本発明より前に、式IおよびIIの化合物が、動物、ヒト、または他の生物系に投与されたことはないと思われる。
式Iの化合物の調製に有用である以下に示す式IIIの特定の出発材料は、当技術分野において周知である:
式III
Figure 2007510728
式中、アリール=フェニル、フラン-2-イル、およびチオフェン-2-イル、ならびにそれらの置換物である。
これらの出発材料の詳細な調製法は、アリール=フェニルに関しては、Krauze et al. (1984);Krauze et al. (1988);Krauze et al. (1991);Krauze et al. (1998);Krauze and Dudurs (2000);Tirzite et al. (2002);Sharanin et al. (1985);Sharanin et al. (1986)に;ならびにアリール=フラン-2-イルおよびチオフェン-2-イルに関しては、Attaby et al. (1996)に見出される。
IV. 心血管疾患を処置する方法
A. 肥大および心不全の治療法
循環器疾患における心肥大の現在の医学的対応には、少なくとも2種類の薬剤:レニン-アンギオテンシン系の阻害薬およびβアドレナリン遮断薬の使用が含まれる(Bristow, 1999)。心不全における病的肥大を処置するための治療薬には、アンギオテンシンII変換酵素(ACE)阻害薬およびβ受容体遮断薬が含まれる(Erichnorn and Bristow, 1996)。心肥大の処置のために開示されている他の薬学的薬剤には、アンギオテンシンII受容体拮抗薬(米国特許第5,640,251号)および神経ペプチドY拮抗薬(WO 99/33791)が含まれるがこれらに限定されない。現在、薬学的化合物が利用できるにもかかわらず、心肥大およびこれに続く心不全の予防および処置は重大な治療課題を提示し続けている。
非薬理学的処置は、主に薬理学的処置の補助として用いられる。非薬理学的処置の1つの手段は、食餌中のナトリウムの低減を含む。さらにまた、非薬理学的処置は、負の強心薬(例えば、特定のカルシウムチャネル遮断薬およびジソピラミド等の抗不整脈薬)、心臓毒(例えばアンフェタミン)、および血漿増量剤(例えば、非ステロイド性抗炎症薬およびグルココルチコイド)を含む特定の増悪薬剤の排除を伴う。
本発明の1つの態様では、PKD阻害剤を利用して心肥大または心不全を処置する方法を提供する。本出願の目的のために、処置は、運動能力の低下、血液駆出量の減少、左心室拡張末期圧の上昇、肺毛細管楔入圧の上昇、心拍出量、心係数の減少、肺動脈圧の上昇、左心室収縮末期径および左心室拡張末期径の増加、ならびに左心室壁応力、壁張力、および壁厚の増加(右心室についても同様の結果が成立しうる)等の、心肥大の1つまたは複数の症状を軽減する段階を含む。さらに、本発明の使用は、心肥大およびそれに関連する症状が生じるのを妨げ得る。
別の考えられる治療アプローチは、心臓リモデリングとして知られる過程である、肥大および心不全に応答して心臓で起こる構造変化を改善することである。リモデリングは、具体的には、心臓の疾患が進行していくに連れて起こる遺伝子発現変化と関連している。リモデリングにおいては、胎児発生の過程で通常発現される遺伝子(SERCA、α-MyHCなどの胎児遺伝子)が異常に発現される(総説に関しては、参照により本明細書の下記に組み入れられるLowes et al., 2002を参照のこと)。最初、これらの変化は不可逆的であると考えられ、そのため唯一の望みは症状を軽減するための治療を提供することであった。しかし最終的に、患者に左室補助装置を装着してヒト不全心臓の負荷を軽減することにより、リモデリング変化の一部が改善され得ることが見出された(Dipla et al., 1998)。最近になって、このリモデリングの改善が薬学的治療により起こり得ることが実証された(Bristow et al., 2000)。アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の使用により、心臓収縮性の改善が認められ、心臓の収縮機能が増強された(Eichorn et al., 1996;Lowes et al., 2002)。さらに、βアドレナリン受容体遮断薬が、他の心臓標的に対する間接的作用を介してα-MyHCおよびSERCAのmRNAレベルを上方制御することが示された(Lowes et al., 2002)。したがって、α-MyCHを直接上方制御することによって、リモデリングを起こした心臓の根底にある収縮障害を治療することで、リモデリング過程が改善されることはもっともらしく思われる。
治療計画は臨床症状によって異なる。しかし、ほとんどの状況において長期維持が適切であると考えられる。
B. 併用療法
別の態様では、他の治療様式と組み合わせて本発明を使用することが想定される。したがって、上記の治療に加えて、患者により「標準的な」薬学的心臓治療を提供してもよい。他の治療には、いわゆる「β遮断剤」、抗高血圧薬、強心剤、抗血栓薬、血管拡張薬、ホルモン拮抗薬、イオントロープ(iontrope)、利尿薬、エンドセリン拮抗薬、カルシウムチャネル遮断薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、ACE阻害薬、2型アンギオテンシン拮抗薬、およびサイトカイン遮断薬/阻害薬、ならびにHDAC阻害剤が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
組み合わせは、心臓細胞を両方の薬剤を含む単一の組成物または薬理学的製剤と接触させることによるか、または心臓細胞を2つの別個の組成物または製剤と同時に接触させることによって達成し得る。または、本発明の製剤を用いる治療は、数分から数週間の範囲の間隔で他の薬剤の投与に先行しても、またはその後に行ってもよい。種々の薬剤を細胞に別々に適用する態様では、一般に、薬剤が細胞に対してなお有利に組み合わせ効果を発揮し得るように、それぞれの送達時の間に大幅な時間が経過しないことを確実にする。このような例においては、典型的に、互いに約12〜24時間以内の間隔で、より好ましくは互いに約6〜12時間の間隔で細胞を両方の様式と接触させることが意図され、約12時間のみの遅延時間が最も好ましい。状況によっては、処置時間を顕著に延長することが所望される場合もあるが、この場合、各投与の間に数日(2、3、4、5、6、または7)〜数週間(1、2、3、4、5、6、7、または8)が経過する。
本発明の化合物または他の薬剤の2回以上の投与が所望されることもまた考えられ得る。これに関しては、種々の組み合わせを利用することができる。例として、本発明が「A」であり他の薬剤が「B」である場合、3回および4回の総投与に基づいた以下の順列が例示される。
Figure 2007510728
他の組み合わせも同様に意図される。薬理学的治療薬および投与方法、用量等は当業者に周知であり(例えば、「Physicians Desk Reference」、Goodman & Gilmanの「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、および「The Merck Index, Thirteenth Edition」(関連部分は参照により本明細書に組み入れられる)を参照のこと)、本明細書の開示に照らしてこれらを本発明と組み合わせることができる。処置する被検者の状態に応じて、用量のいくらかの変動は必然的に生じることになる。いずれにせよ、投与責任者が個々の被検者に対して適切な用量を決定することになり、そのような個別の決定は当業者の技術の範囲内である。
本発明において使用し得る薬理学的治療薬の非限定的な例には、抗高リポタンパク血症薬、抗動脈硬化薬、抗血栓/線維素溶解薬、血液凝固薬、抗不整脈薬、抗高血圧薬、血管収縮薬、うっ血性心不全の治療薬、抗狭心症薬、抗菌薬、またはこれらの組み合わせが含まれる。さらに、以下のいずれかを用いて心臓治療標的遺伝子の新たなセットを開発することができることに留意されたい。これらの遺伝子の多くは重複することが予想されるが、新たな遺伝子標的を開発できる可能性が高い。
a. 抗高リポタンパク血症薬
特定の態様においては、特にアテローム性動脈硬化症および血管組織の肥厚または閉塞の処置において、本明細書において「抗高リポタンパク血症薬」として周知である、血中脂質および/またはリポタンパク質の1つまたは複数の濃度を低減する薬剤の投与を本発明による循環器治療と組み合わせることができる。特定の局面では、抗高リポタンパク血症薬は、アリールオキシアルカン酸/フィブリン酸誘導体、樹脂酸/胆汁酸抑制薬、HMG CoA還元酵素阻害薬、ニコチン酸誘導体、甲状腺ホルモンもしくは甲状腺ホルモン類似体、その他の薬剤、またはこれらの組合せを含み得る。
i. アリールオキシアルカン酸/フィブリン酸誘導体
アリールオキシアルカン酸/フィブリン酸誘導体の非限定的な例には、ベクロブラート、エンザフィブラート、ビニフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート(atromide-S)、クロフィブリン酸、エトフィブラート、フェノフィブラート、ゲンフィブロジル(lobid)、ニコフィブラート、ピリフィブラート、ロニフィブラート、シンフィブラート、およびテオフィブラートが含まれる。
ii. 樹脂酸/胆汁酸抑制薬
樹脂酸/胆汁酸抑制薬の非限定的な例には、コレスチラミン(cholybar、questran)、コレスチポール(colestid)、およびポリデキシドが含まれる。
iii. HMG CoA還元酵素阻害薬
HMG CoA還元酵素阻害薬の非限定的な例には、ロバスタチン(mevacor)、プラバスタチン(pravochol)、またはシンバスタチン(zocor)が含まれる。
iv. ニコチン酸誘導体
ニコチン酸誘導体の非限定的な例には、ニコチネート、アセピモックス(acepimox)、ニセリトロール、ニコクロナート、ニコモール、およびオキシニアク酸が含まれる。
v. 甲状腺ホルモンおよびその類似体
甲状腺ホルモンおよびその類似体の非限定的な例には、エトロキサート(etoroxate)、チロプロプ酸、およびチロキシンが含まれる。
vi. その他の抗高リポタンパク血症薬
その他の抗高リポタンパク血症薬の非限定的な例には、アシフラン、アザコステロール、ベンフルオレクス、β-ベンザルブチルアミド、カルニチン、コンドロイチン硫酸、クロメストロン(clomestrone)、デタクストラン(detaxtran)、デキストラン硫酸ナトリウム、5,8, 11, 14, 17-エイコサペンタエン酸、エリタデニン、フラザボール、メグルトール、メリナミド、ミタトリエンジオール(mytatrienediol)、オルニチン、γ-オリザノール、パンテチン、ペンタエリスリトールテトラアセテート、α-フェニルブチルアミド、ピロザジル、プロブコール(lorelco)、β-シトステロール、スルトシル酸-ピペラジン塩、チアデノール、トリパラノール、およびキセンブシンが含まれる。
b. 抗動脈硬化薬
抗動脈硬化薬の非限定的な例にはピリジノールカルバメートが含まれる。
c. 抗血栓/線維素溶解薬
特定の態様においては、特にアテローム性動脈硬化症および脈管構造(例えば動脈)の閉塞の処置において、血栓の除去または予防を補助する薬剤の投与をモジュレーターの投与と組み合わせることができる。抗血栓/線維素溶解薬の非限定的な例には、抗凝血薬、抗凝血薬拮抗薬、抗血小板薬、血栓溶解薬、血栓溶解薬拮抗薬、またはこれらの組み合わせが含まれる。
特定の局面においては、経口投与できる、アスピリンおよびワーファリン(coumadin)等の抗血栓薬が好ましい。
i. 抗凝血薬
抗凝血薬の非限定的な例には、アセノクマロール、アンクロッド、アニシンジオン、ブロミンジオン、クロリンジオン、クメタロール、シクロクマロール、デキストラン硫酸ナトリウム、ジクマロール、ジフェナジオン、ビスクマセタートエチル、エチリデンジクマロール、フルインジオン、ヘパリン、ヒルジン、リアポレートナトリウム(lyapolate sodium)、オキサジジオン、ペントサンポリサルフェート、フェニンジオン、フェンプロクモン、ホスビチン、ピコタミド、チオクロマロール、およびワーファリンが含まれる。
ii. 抗血小板薬
抗血小板薬の非限定的な例には、アスピリン、デキストラン、ジピリダモール(persantin)、ヘパリン、スルフィンピラゾン(anturane)、およびチクロピジン(ticlid)が含まれる。
iii. 血栓溶解薬
血栓溶解薬の非限定的な例には、組織プラスミノーゲンアクチベーター(activase)、プラスミン、プロウロキナーゼ、ウロキナーゼ(abbokinase)、ストレプトキナーゼ(streptase)、およびアニストレプラーゼ/APSAC(eminase)が含まれる。
d. 血液凝固薬
患者が出血を起こしているかまたは出血が増加する可能性がある特定の態様においては、血液凝固を増強する薬剤を使用することができる。血液凝固促進薬の非限定的な例には、血栓溶解薬拮抗薬および抗凝血薬拮抗薬が含まれる。
i. 抗凝血薬拮抗薬
抗凝血薬拮抗薬の非限定的な例には、プロタミンおよびビタミンK1が含まれる。
ii. 血栓溶解薬拮抗薬および抗血栓薬
血栓溶解薬拮抗薬の非限定的な例には、アミノカプロン酸(amicar)およびトランセキサム酸(amstat)が含まれる。抗血栓薬の非限定的な例には、アナグレリド、アルガトロバン、シルスタゾール、ダルトロバン、ディフィブロタイド、エノキサパリン、フラキシパリン、インドブフェン、ラモパラン(lamoparan)、オザグレル、ピコタミド、プラフィブリド、テデルパリン(tedelparin)、チクロピジン、およびトリフルサールが含まれる。
e. 抗不整脈薬
抗不整脈薬の非限定的な例には、クラスI抗不整脈薬(ナトリウムチャンネル遮断薬)、クラスII抗不整脈薬(βアドレナリン遮断薬)、クラスII抗不整脈薬(脱分極持続薬)、クラスIV抗不整脈薬(カルシウムチャネル遮断薬)、およびその他の抗不整脈薬(以下を参照)が含まれる。
i. ナトリウムチャンネル遮断薬
ナトリウムチャンネル遮断薬の非限定的な例には、クラスIA、クラスIB、およびクラスIC抗不整脈薬が含まれる。クラスIA抗不整脈薬の非限定的な例には、ジソピラミド(norpace)、プロカインアミド(pronestyl)、およびキニジン(quinidex)が含まれる。クラスIB抗不整脈薬の非限定的な例には、リドカイン(xylocaine)、トカイニド(tonocard)、およびメキシレチン(mexitil)が含まれる。クラスIC抗不整脈薬の非限定的な例には、エンカイニド(enkaid)およびフレカイニド(tambocor)が含まれる。
ii. β遮断薬
β遮断薬は別名βアドレナリン遮断薬、βアドレナリン拮抗薬、またはクラスII抗不整脈薬としても知られており、その非限定的な例には、アセブトロール(sectral)、アルプレノロール、アモスラロール、アロチノロール、アテノロール、べフノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブクモロール、ブフェトロール、ブフラロール、ブニトロロール、ブプラノロール、塩酸ブチドリン、ブトフィロロール、カラゾロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、セタモロール、クロラノロール、ジレバロール、エパノロール、エスモロール(brevibloc)、インデノロール、ラベタロール、レボブノロール、メピンドロール、メチプラノロール、メトプロロール、モプロロール、ナドロール、ナドキソロール、ニフェナロール、ニプラジロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プラクトロール、プロネタロール、プロパノロール(inderal)、ソタロール(betapace)、スルフィナロール、タリノロール、テルタトロール、チモロール、トリプロロール、およびキシベノロールが含まれる。特定の局面において、β遮断薬はアリールオキシプロパノールアミン誘導体を含む。アリールオキシプロパノールアミン誘導体の非限定的な例には、アセブトロール、アルプレノロール、アロチノロール、アテノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブニトロロール、ブトフィロロール、カラゾロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、セタモロール、エパノロール、インデノロール、メピンドロール、メチプラノロール、メトプロロール、モプロロール、ナドロール、ニプラジロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロパノロール、タリノロール、テルタトロール、チモロール、およびトリプロロールが含まれる。
iii. 脱分極持続薬
脱分極を持続させる薬剤はクラスIII抗不整脈薬としても知られるが、その非限定的な例には、アミオダロン(cordarone)およびソタロール(betapace)が含まれる。
iv. カルシウムチャネル遮断薬/拮抗薬
カルシウムチャネル遮断薬は別名クラスIV抗不整脈薬としても知られており、その非限定的な例には、アリールアルキルアミン(例えば、ベプリジル、ジルチアゼム、フェンジリン、ガロパミル、プレニルアミン、テロジリン、ベラパミル)、ジヒドロピリジン誘導体(フェロジピン、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン)、ピペラジン誘導体(例えば、シンナリジン、フルナリジン、リドフラジン)、またはベンシクラン、エタフェノン、マグネシウム、ミベフラジル、もしくはペルヘキシリン等の他のカルシウムチャネル遮断薬が含まれる。特定の態様において、カルシウムチャネル遮断薬は持続性ジヒドロピリジン(アムロジピン)カルシウム拮抗薬を含む。
v. その他の抗不整脈薬
その他の抗不整脈薬の非限定的な例には、アデノシン(adenocard)、ジゴキシン(lanoxin)、アセカイニド、アジュマリン、アモプロキサン、アプリンジン、トシル酸ブレチリウム、ブナフチン、ブトベンジン、カポベン酸、シフェンリン、ジソピラミド、ヒドロキニジン、インデカイニド、臭化イプラトロピウム、リドカイン、ロルアジミン(lorajmine)、ロルカイニド、メオベンチン、モリシジン、ピルメノール、プルアジマリン(prajmaline)、プロパフェノン、ピリノリン、ポリガラクツロ酸キニジン、硫酸キニジン、およびビキジル(viquidil)が含まれる。
f. 抗高血圧薬
抗高血圧薬の非限定的な例には、交感神経遮断薬、α/β遮断薬、α遮断薬、抗アンギオテンシンII薬、β遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、血管拡張薬、およびその他の抗高血圧薬が含まれる。
i. α遮断薬
α遮断薬は別名αアドレナリン遮断薬またはαアドレナリン拮抗薬としても知られており、その非限定的な例には、アモスラロール、アロチノロール、ダピプラゾール、ドキサゾシン、エルゴロイド・メシレイト、フェンスピリド、インドラミン、ラベタロール、ニセルゴリン、プラゾシン、テラゾシン、トラゾリン、トリマゾシン、およびヨヒンビンが含まれる。特定の態様において、α遮断薬はキナゾリン誘導体を含み得る。キナゾリン誘導体の非限定的な例には、アルフゾシン、ブナゾシン、ドキサゾシン、プラゾシン、テラゾシン、およびトリマゾシンが含まれる。
ii. α/β遮断薬
特定の態様において、抗高血圧薬はαおよびβアドレナリン拮抗薬の両方である。α/β遮断薬の非限定的な例はラベタロール(normodyne、trandate)を含む。
iii. 抗アンギオテンシンII薬
抗アンギオテンシンII薬の非限定的な例には、アンギオテンシン変換酵素阻害薬およびアンギオテンシンII受容体拮抗薬が含まれる。アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)の非限定的な例には、アラセプリル、エナラプリル(vasotec)、カプトプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、リシノプリル、モベルチプリル、ペリンドプリル、キナプリル、およびラミプリルが含まれる。アンギオテンシンII受容体遮断薬はアンギオテンシンII受容体拮抗薬、ANG受容体遮断薬、または1型ANG-II受容体遮断薬(ARBS)としても知られるが、その非限定的な例には、アンギオカンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、およびバルサルタンが含まれる。
iv. 交感神経遮断薬
交感神経遮断薬の非限定的な例には、中枢***感神経遮断薬または末梢***感神経遮断薬が含まれる。中枢***感神経遮断薬は中枢神経(CNS)交感神経遮断薬としても知られるが、その非限定的な例には、クロニジン(catapres)、グアナベンズ(wytensin)、グアンファシン(tenex)、およびメチルドーパ(aldomet)が含まれる。末梢***感神経遮断薬の非限定的な例にはには、ガングリオン遮断薬、アドレナリン作動性ニューロン遮断薬、βアドレナリン遮断薬、またはα1アドレナリン遮断薬が含まれる。ガングリオン遮断薬の非限定的な例には、メカミラミン(inversine)およびトリメタファン(arfonad)が含まれる。アドレナリン作動性ニューロン遮断薬の非限定的な例には、グアネチジン(ismelin)およびレゼルピン(serpasil)が含まれる。βアドレナリン遮断薬の非限定的な例には、アセニトロール(acenitolol)(sectral)、アテノロール(tenormin)、ベタキソロール(kerlone)、カルテオロール(cartrol)、ラベタロール(normodyne、trandate)、メトプロロール(lopressor)、ナダノール(nadanol)(corgard)、ペンブトロール(levatol)、ピンドロール(visken)、プロプラノロール(inderal)、およびチモロール(blocadren)が含まれる。α1アドレナリン遮断薬の非限定的なな例には、プラゾシン(minipress)、ドキサゾシン(cardura)、およびテラゾシン(hytrin)が含まれる。
v. 血管拡張薬
特定の態様おいて、循環器治療薬は血管拡張薬(例えば、脳血管拡張薬、冠動脈拡張薬、または末梢血管拡張薬)を含み得る。特定の好ましい態様において、血管拡張薬は冠動脈拡張薬を含む。冠動脈拡張薬の非限定的な例には、アモトリフェン(amotriphene)、ベンダゾール、ベンフロジルヘミスクシナート、ベンジオダロン、クロラシジン、クロモナール、クロベンフロール、クロニトラート、ジラゼップ、ジピリダモール、ドロプレニラミン、エフロキサート、四酢酸エリスリチル、エタフェノン、フェンジリン、フロレジル、ガングレフェン、ヘキセストロールビス(β-ジエチルアミノエチルエーテル)、ヘキソベンジン、トシル酸イトラミン、ケリン、リドフラジン、六硝酸マンニトール、メジバジン、ニコルグリセリン(nicorglycerin)、四硝酸ペンタエリスリトール、ペントリニトロール、ペルヘキシリン、ピメフィリン(pimefylline)、トラピジル、トリクロミル(tricromyl)、トリメタジジン、リン酸トロールニトレート、およびビスナジンが含まれる。
特定の局面において、血管拡張薬は長期治療用血管拡張薬または高血圧性緊急症用血管拡張薬を含み得る。長期治療用血管拡張薬の非限定的な例には、ヒドララジン(apresoline)およびミノキシジル(loniten)が含まれる。高血圧性緊急症用血管拡張薬の非限定的な例には、ニトロプルシド(nipride)、ジアゾキシド(hyperstat IV)、ヒドララジン(apresoline)、ミノキシジル(loniten)、およびベラパミルが含まれる。
vi. その他の抗高血圧薬
その他の抗高血圧薬の非限定的な例には、アジマリン、γ-アミノ酪酸、ブフェニオド、シクレタニン、シクロシドミン、タンニン酸クリプテナミン(cryptenamine tannate)、フェノールドパム、フロセキナン、ケタンセリン、メブタメート、メカミラミン、メチルドーパ、メチル4-ピリジルケトンチオセミカルバゾン、ムゾリミン、パルギリン、ペンピジン、ピナシジル、ピペロキサン、プリマペロン、プロトベラトリン、ラウバシン、レシメトール、リルメニジン、サララシン、ニトロプルシドナトリウム、チクリナフェン、トリメタファン、カンシラート、チロシナーゼ、およびウラピジルが含まれる。
特定の局面において、抗高血圧薬は、アリールエタノールアミン誘導体、ベンゾチアジアジン誘導体、N-カルボキシアルキル(ペプチド/ラクタム)誘導体、ジヒドロピリジン誘導体、グアニジン誘導体、ヒドラジン/フタラジン、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム化合物、レゼルピン誘導体、またはスルホンアミド誘導体を含み得る。
アリールエタノールアミン誘導体
アリールエタノールアミン誘導体の非限定的な例には、アモスラロール、ブフラロール、ジレバロール、ラベタロール、プロネタロール、ソタロール、およびスルフィナロールが含まれる。
ベンゾチアジアジン誘導体
ベンゾチアジアジン誘導体の非限定的な例には、アルチジド(althizide)、ベンドロフルメチアジド、ベンズチアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、ブチアジド(buthiazide)、クロロチアジド、クロルタリドン、シクロペンチアジド、シクロチアジド、ジアゾキシド、エピチアジド、エチアジド、フェンキゾン、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアヂド、メチクロチアジド、メチクラン、メトラゾン、パラフルチジド、ポリチアジド、テトラクロルメチアジド、およびトリクロロメチアジドが含まれる。
N-カルボキシアルキル(ペプチド/ラクタム)誘導体
N-カルボキシアルキル(ペプチド/ラクタム)誘導体の非限定的な例には、アラセプリル、カプトプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、リシノプリル、モベルチプリル、ペリンドプリル、キナプリル、およびラミプリルが含まれる。
ジヒドロピリジン誘導体
ジヒドロピリジン誘導体の非限定的な例には、アムロジピン、フェロジピン、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニゾルジピン、およびニトレンジピンが含まれる。
グアニジン誘導体
グアニジン誘導体の非限定的な例には、ベタニジン、デブリソキン、グアナベンズ、グアナクリン、グアナドレル、グアナゾジン、グアネチジン、グアンファシン、グアノクロル、グアノキサベンズ、およびグアノキサンが含まれる。
ヒドラジン/フタラジン
ヒドラジン/フタラジンの非限定的な例には、ブドララジン、カドララジン、ジヒドララジン、エンドララジン、ヒドラカルバジン、ヒドララジン、フェニプラジン、ピルドララジン、およびトドララジンが含まれる。
イミダゾール誘導体
イミダゾール誘導体の非限定的な例には、クロニジン、ロフェキシジン、フェントラミン、チアメニジン、およびトロニジンが含まれる。
4級アンモニウム化合物
4級アンモニウム化合物の非限定的な例には、臭化アゼメトニウム、塩化クロルイソンダミン、ヘキサメトニウム、ペンタシニウムビス(メチル硫酸)、臭化ペンタメトニウム、酒石酸ペントリニウム、塩化フェナクトロピニウム(phenactropinium chloride)、およびトリメチジニウムメトサルファイトが含まれる。
レゼルピン誘導体
レゼルピン誘導体の非限定的な例には、ビエタセルピン、デセルピジン、レシナミン、レゼルピン、およびシロシンゴピンが含まれる。
スルホンアミド誘導体
スルホンアミド誘導体の非限定的な例には、アンブシド、クロパミド、フロセミド、インダパミド、キネタゾン、トリパミド、およびキシパミドが含まれる。
g. 血管収縮薬
血管収縮薬は一般に、手術の際に起こり得るショックにおいて血圧を上昇させるために使用される。血管収縮薬は抗低血圧薬としても知られており、その非限定的な例には、メチル硫酸アメジニウム、アンギオテンシンアミド、ジメトフリン、ドーパミン、エチフェルミン、エチレフリン、ゲペフリン、メタラミノール、ミドドリン、ノルエピネフリン、フォレドリン、およびシネフリンが含まれる。
h. うっ血性心不全の治療薬
うっ血性心不全の治療薬の非限定な例には、抗アンギオテンシンII薬、後負荷-前負荷軽減処置、利尿薬、および強心薬が含まれる。
i. 後負荷-前負軽減処置
特定の態様において、アンギオテンシン拮抗薬を許容し得ない動物患者は、併用療法によって処置することができる。そのような療法は、ヒドララジン(apresoline)の投与と硝酸イソソルビド(isordil、sorbitrate)の投与を組み合わせるものであってよい。
ii. 利尿薬
利尿薬の非限定的な例には、チアジドまたはベンゾチアジアジン誘導体(例えば、アルチアジド(althiazide)、ベンドロフルメチアジド、ベンズチアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、ブチアジド、クロロチアジド、クロロチアジド、クロルタリドン、シクロペンチアジド、エピチアジド、エチアジド、エチアジド、フェンキゾン、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチクロチアジド、メチクラン、メトラゾン、パラフルチジド、ポリチアジド、テトラクロロメチアジド、トリクロロメチアジド)、有機水銀化合物(例えば、クロルメロドリン、メラルリド、メルカムファミド(mercamphamide)、メルカプトメリンナトリウム、マーキュマリル酸(mercumallylic acid)、マーキュマチリンナトリウム、塩化第1水銀、メルサリル)、プテリジン(例えば、フルテレン(furterene)、トリアムテレン)、プリン(例えば、アセフィリン(acefylline)、7-モルフォリノメチルテオフィリン、パモブロム(pamobrom)、プロテオブロミン、テオブロミン)、アルドステロン拮抗薬を含むステロイド(例えば、カンレノン、オレアンドリン、スピロノラクトン)、スルホンアミド誘導体(例えば、アセタゾールアミド、アンブシド、アゾセミド、ブメタニド、ブタゾールアミド(butazolamide)、クロラミノフェナミド(chloraminophenamide)、クロフェナミド、クロパミド、クロレキソロン、ジフェニルメタン-4,4'-ジスルホンアミド、ジスルファミド、エトキシゾールアミド、フロセミド、インダパミド、メフルシド、メタゾールアミド、ピレタニド、キネタゾン、トラセミド、トリパミド、キシパミド)、ウラシル(例えば、アミノメトラジン、アミソメトラジン)、カリウム保持性拮抗薬(例えば、アミロリド、トリアムテレン)、またはアミノジン、アルブチン、クロラザニル、エタクリン酸、エトゾリン、ヒドラカルバジン、イソソルビド、マンニトール、メトカルコン、ムゾリミン、ペルヘキシリン、チクルナフェン(ticrnafen)、および尿素等のその他の利尿薬が含まれる。
iii. 強心薬
正の強心薬(inotropic agent)は強心剤(cardiotonic)としても知られているが、その非限定的な例には、アセフィリン、アセチルジギトキシン、2-アミノ-4-ピコリン、アムリノン、ベンフロジルヘミスクシナート、ブクラデシン、セルベロシン(cerberosine)、カンフォタミド、コンバラトキシン、シマリン、デノパミン、デスラノシド、ジギタリン、ジギタリス、ジギトキシン、ジゴキシン、ドブタミン、ドーパミン、ドペキサミン、エノキシモン、エリスロフレイン(erythrophleine)、フェナルコミン、ギタリン、ギトキシン、グリコシアミン、ヘプタミノール、ヒドラスチニン、イボパミン、ラナトシド、メタミバム(metamivam)、ミルリノン、ネリフォリン、オレアンドリン、ウアバイン、オキシフェドリン、プレナルテロール、プロシラリジン、レジブフォゲニン、シラレン、シラレニン、ストロファンチン、スルマゾール、テオブロミン、およびキサモテロールが含まれる。
特定の局面において、強心薬は強心配糖体、βアドレナリン拮抗薬、またはホフホジエステラーゼ阻害薬である。強心配糖体の非限定的な例には、ジゴキシン(lanoxin)およびジギトキシン(crystodigin)が含まれる。βアドレナリン拮抗薬の非限定的な例には、アルブテロール、バンブテロール、ビトルテロール、カルブテロール、クレンブテロール、クロルプレナリン、デノパミン、ジオキセテドリン、ドブタミン(dobutrex)、ドーパミン(intropin)、ドペキサミン、エフェドリン、エタフェドリン、エチルノルエピネフリン、フェノテロール、フォルモテロール、ヘキソプレナリン、イボパミン、イソエタリン、イソプロテレノール、マブテロール、メタプロテレノール、メトキシフェナミン、オキシフェドリン、ピルブテロール、プロカテロール、プロトキロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、ソテレノール、テルブタリン、トレトキノール、ツロブテロール、およびキサモテロールが含まれる。ホスホジエステラーゼ阻害薬質の非限定的な例にはアムリノン(inocor)が含まれる。
i. 抗狭心症薬
抗狭心症薬は、有機硝酸薬、カルシウムチャネル遮断薬、β遮断薬、およびそれらの組み合わせを含み得る。有機硝酸薬はニトロ血管拡張薬としても知られており、その非限定的な例には、ニトログリセリン(nitro-bid、nitrostat)、硝酸イソソルビド(isordil、sorbitrate)、および硝酸アミル(aspirol、vaporole)が含まれる。
C. 薬学的製剤
治療製剤および治療方法の考察において、式Iおよび式IIの化合物への言及は、薬学的に許容される塩およびこれらの化合物を含む薬学的組成物もまた含むことを意図していることが理解されよう。式Iの化合物、その薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体または製剤の有効量を被験者に投与する段階を含む、心血管疾患の治療法もまた提供する。
本発明の特定の態様において、薬学的製剤は迅速放出による送達用に製剤化され、意図する他の態様は、これらに限定されるわけではないが、時限放出、遅延放出、および持続放出を含む。製剤は、固体または液体形態の経口懸濁液であってよい。さらなる態様において、製剤は、非経口送達による送達用に調製され得るか、または坐剤として使用され得るか、または皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、舌下、経皮、もしくは鼻咽頭送達用に調製され得ることを意図する。
有効成分を含む薬学的組成物は、例えば錠剤、トローチ、舐剤、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉剤もしくは顆粒剤、乳剤、硬もしくは軟カプセル剤、または、シロップもしくはエリキシル剤などの、経口使用に適した形態であってよい。経口使用を意図した組成物は、薬学的組成物の製造に関する当技術分野において周知の任意の方法に従って調製することができ、このような組成物は、薬学的に優れかつ口に合う調製品を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、および保存剤からなる群より選択される1つまたは複数の薬剤を含み得る。錠剤は、錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合物中に有効成分を含む。これらの賦形剤は、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;例えばコーンスターチまたはアルギン酸などの造粒剤および崩壊剤;例えばデンプン、ゼラチン、またはアカシアゴムなどの結合剤、ならびに例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクなどの潤滑剤であってよい。錠剤はコーティングしなくてもよいし、消化管での崩壊および吸収を遅らせ、それにより長期にわたり持続した作用を提供するために、周知の技法によってコーティングしてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンなどの時間遅延物質を使用することができる。錠剤はまた、放出制御のための浸透圧性治療錠剤を形成するために、米国特許第4,256,108号;第4,166,452号;および第4,265,874号に記載されている技法によりコーティングしてもよい(参照により本明細書の下記に組み入れられる)。
経口使用のための製剤はまた、有効成分が例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリンなどの不活性固体希釈剤と混合されている硬ゼラチンカプセルとして提供されてもよいし、有効成分が例えばピーナッツ油、流動パラフィン、またはオリーブ油などの水性または油性媒体と混合されている軟ゼラチンカプセルとして提供されてもよい。
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合物中に活性物質を含む。そのような賦形剤は、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、およびアカシアゴムなどの懸濁剤であり;分散剤および湿潤剤は、例えばレシチンなどの天然ホスファチド、または例えばステアリン酸ポリオキシエチレンなどのアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物、または例えばヘプタデカエチレンオキシセタノールなどのエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、またはポリオキシエチレンソルビトールモノオレートなどの、脂肪酸とヘキシトールから導出された部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、または例えばポリエチレンソルビタンモノオレートなどの、脂肪酸とヘキシトール無水物から導出された部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物であってよい。水性懸濁液はまた、例えばp-ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn-プロピルなどの1つまたは複数の保存剤、1つまたは複数の着色剤、1つまたは複数の香味剤、およびショ糖、サッカリン、もしくはアスパルテームなどの1つまたは複数の甘味剤を含んでもよい。
油性懸濁液は、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、もしくはココナッツ油などの植物油中に、または流動パラフィンなどの鉱油中に有効成分を懸濁すことによって製剤化され得る。油性懸濁液は、例えば蜜ろう、固形パラフィン、またはセチルアルコールなどの増粘剤を含んでもよい。口に合う経口調製品を提供するために、上記のような甘味剤および香味剤を添加してもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤を添加することによって保存され得る。
水の添加による水性懸濁液の調製に適した分散性粉剤または顆粒剤は、分散剤または湿潤剤、懸濁剤、および1つまたは複数の保存剤との混合物中に有効成分を提供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、既に上記した物質により例証される。例えば甘味剤、香味剤、および着色剤などのさらなる賦形剤が存在してもよい。
本発明の薬学的組成物はまた、水中油型乳剤の形態であってもよい。油相は、例えばオリーブ油またはラッカセイ油などの植物油であってもよいし、例えば流動パラフィンなどの鉱油であってもよいし、またはこれらの混合物であってもよい。適切な乳化剤は、例えば大豆、レシチンなどの天然ホスファチド、および例えばソルビタンモノオレエートなどの、脂肪酸とヘキシトール無水物から導出されたエステルまたは部分エステル、および例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレートなどの、そのような部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物であってよい。乳剤はまた甘味剤および香味剤を含んでもよい。
シロップおよびエリキシル剤は、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、またはショ糖などの甘味剤と共に製剤化され得る。このような製剤はまた、粘滑剤、保存剤、ならびに香味剤および着色剤を含み得る。薬学的組成物は、無菌の注射可能な水性または油性懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は、上記した適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、周知の技法に従って製剤化することができる。無菌注射調製品はまた、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液としてなど、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射溶液または懸濁液であってもよい。使用が可能な許容される媒体または溶媒には、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌の不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として従来から使用されている。この目的で、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無菌不揮発性油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸も注射物質の調製に役立つ。
式Iの化合物はまた、薬剤を直腸投与するための坐剤の形態で投与されてもよい。これらの組成物は、常温で固体であるが直腸温では液体である適切な非刺激性賦形剤と薬剤とを混合することによって調製し得り、よってこれらの組成物は直腸で融解して薬剤を放出することになる。このような物質は、カカオバターおよびポリエチレングリコールである。
局所使用には、式Iの化合物を含むクリーム、軟膏剤、ゼリー、ゲル、表皮溶液または懸濁液などが用いられる。この適用の目的上、局所的用はマウスウォッシュまたはうがい薬を含む。
製剤は、ナノ粒子、リポソーム、顆粒剤、吸入剤、点鼻液、または混合静脈注射剤として投与してもよい。
既述の製剤はすべて、心血管疾患罹患患者を治療することが意図されている。心血管疾患には、これらに限定されるわけではないが、病理的肥大、慢性および急性心不全が含まれる。
任意の製剤中の有効成分の量は様々であり、特定の治療法および投与方法に依存した剤形が作製され得る。患者に対する特定の投与量は、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食生活、投与時間、投与経路、排出速度、薬剤の組み合わせ、および治療を受ける特定の疾患の重症度を含む様々な要因に依存することがさらに理解される。
IV. 調製および合成の方法
本発明の化合物は以下の方法に従って調製し得る。
A. 方法A
多くの場合、式Iの化合物は、キラル固相を用いた分取クロマトグラフィー分離により、式IIの適切なラセミ化合物から調製され得る。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、そのような分離に用いられる最も一般的な技法である。そのような分離には、高圧、中圧、低圧、および大気圧液体クロマトグラフィーを使用することができる。この種類の適用に対して、多くの液相およびキラル固相が利用できる:総説に関しては、Francotte (2001);およびAnderson and Allenmark (2002)を参照されたい。セミ分取を適用する総説に関しては、Inotsume and Nakano (2002);およびBoatto et al. (2003)を参照されたい。関連する実施例は、Dolle et al. (1997);およびAlajarin et al. (1995)に見出される。
方法Aの他の態様においては、分離すべきラセミ化合物を最初にアキラルまたはキラル誘導体化剤を用いて誘導体化し、分割および分離効率を向上させ得る;固相を、分離すべき鏡像異性体の一方または他方からインプリントポリマーとして調製し得る;場合によっては、分離は、液相中にキラル添加物を加え、アキラル固相を用いて達成し得る;場合によっては、分離は、アキラル固相およびキラル試薬で誘導体化されたラセミ化合物を用いて達成し得る;総説に関しては、Toyo'oka (2002)を参照されたい。
B. 方法B
方法Bの一般的計画は、Krauze et al. (1984);Krauze et al. (1988);Krauze and Dudurs (2000);Krauze et al. (1998);Sharanin et al. (1985);Sharanin et al. (1986);Tirzite et al. (2002)、およびAttaby et al. (1996)の方法に従う。出発材料のアルデヒドおよび1,3-ジケトンは市販されており、または文献中のおよび当業者によって容易に適合化できるそれらもしくは関連化合物の調製の広範な工程から得ることができる。2-シアノチオアセトアミドは市販されている。エタノールは適切な溶媒であり、ピペリジンおよびモルフォリンは段階1で環形成を触媒するための適切なベースである。段階1は典型的に室温で行われるが、それよりも低いかまたは適度に高い温度で行ってもよい。段階2は、Aの中間体塩の加水分解である。必要に応じて、結晶化またはクロマトグラフィーによりAを単離および精製してもよい。エタノールは適切な溶媒であり、ピペリジンおよびモルフォリンは段階3でアルキル化を触媒するための適切な基礎である。臭素以外のアルキル化剤上の離脱基、例えばヨウ素およびトリフレートもまた段階3において有用であり得る。段階3は典型的に室温で行われるが、それよりも低いかまたは適度に高い温度で行ってもよい。段階2も任意の中間体の単離も行わずに、段階1と段階3を組み合わせることも可能である。必要に応じて、当業者により標準的な手順を用いて精製が達成され得る。
方法B
Figure 2007510728
R基は式IIのものと同様である。
C. 方法C
分離すべきラセミ化合物を最初にキラル誘導体化剤と反応させ、ジアステレオマーの混合物を生成する。次いで、これらのジアステレオマーは、結晶化またはクロマトグラフィーなどの標準的な技法を用いて、当業者によって分離され得る。個々のジアステレオマーを分離および単離した後、既に添加してあったキラル誘導体化剤を当業者に周知の方法により除去し、個々の純粋な鏡像異性体を得て、必要に応じてさらに精製し、特徴づけを行う。3月(1992)。
D. 方法D
最初に、分離すべきラセミ化合物を、ラセミ化合物からジアステレオマー塩混合物を形成するキラル誘導体化剤と反応させる。例えば、キラル酸およびキラルアミンである。次いで、ジアステレオマー塩は、多くの場合結晶化法を利用して当業者によって分離される。次に、分離されたジアステレオマー塩からキラル塩形成剤が当業者により除去されて個々の鏡像異性体がもたらされ、必要に応じてさらに精製され、特徴づけされ得る。3月(1992)。
E. 方法E
所望の鏡像異性体は、キラルまたは不斉合成を適用して当業者によって調製され得る。この方法では、合成過程で添加するキラルな光学活性出発材料または構成要素によって、合成される鏡像異性体が決まる。
方法Eの別の態様においては、最終化合物に取り込まれないキラル試薬を合成過程で使用し、単一の鏡像異性体の形成を伴う、化合物におけるキラリティーの選択的形成を導く。関連する実施例は、Iqbal et al. (1994);Meyers and Oppenlaender (1986);およびEnders et al. (1988)である。さらなる総説に関しては、Iida and Mase (2002)、およびHillier and Reider (2002)を参照されたい。
方法Eの別の態様において、当業者は、所望の鏡像異性体の不斉合成にバイオプロセスを適用し得る;総説に関しては、Patel (2001)、およびHuisman and Gray (2002)を参照されたい。
方法Eの別の態様において、当業者は、所望の鏡像異性体の合成過程のある時点で脱ラセミ化を使用し得る。脱ラセミ化過程は、バイオプロセス法または非バイオプロセス法によって提供され得る。3月(1992)。
方法Eの別の態様において、当業者は、所望の鏡像異性体の不斉合成または分離を達成するために、速度論的分割を使用し得る。3月(1992)。
F. 方法F
場合によって、当業者は、キラルリガンドによる個々の鏡像異性体のキラル認識を使用して、ラセミ化合物中の鏡像異性体の実現可能な分離を提供し得る。3月(1992)。
V. 実施例
以下の実施例は、本発明の様々な局面をさらに例証するために含めるものである。以下の実施例において開示する技法により、本発明者らが発見した技法および/または組成物が本発明の実施に際して十分に機能することが示され、したがって以下の実施例において開示する技法がその実施の好ましい様式を構成すると見なされ得ることが、当業者によって理解されるべきである。しかし当業者は、本開示を踏まえて、開示する特定の態様において多くの変更がなされてもよく、本発明の精神および範囲から逸脱することなくなお同様または類似の結果が得られることを理解すべきである。
実施例1
1〜3日齢ラット新生仔から心臓を心房および肺と共に摘出することにより、新生仔ラット心室ミオサイト(NRVM)の調製および培養を行った。心室を細かい断片に切断し、コラゲナーゼにより37℃で20〜30分間、3回消化した。次いで、パーコール勾配によりミオサイトを他の細胞種から分離した。ミオサイト層を回収し、2回洗浄し、組織培養グレードの10 cmペトリ皿にプレーティングして1〜2時間置いた。非接着細胞(ミオサイト)を回収し、0.2%ゼラチンでコーティングしたCostar透明96ウェルプレートにプレーティングして、少なくとも2時間置いた。ゼラチン溶液を除去し、10%チャコール/デキストラン処理FBS(Hyclone)および1%ペニシリン-ストレプトマイシン-グルタミン(PSG、Gibco)を含むDMEM高グルコース培地(Mediatech)でミオサイトを再懸濁した。ウェル当たり1万個のNRVMを100μl量でプレーティングし、空気中の5% CO2中で37℃にて一晩インキュベートした。翌日、PSGおよび0.3% Nutridoma-SP(Roche)を添加した無血清DMEM高グルコース培地100μlで培地を置換した。
化合物をDMSOで30 mMに再構成し、一定分割量を-20℃で保存した。PSGおよび0.3% Nutridomaを添加した無血清DMEM培地で1:1000希釈物を調製し、室温で5分間超音波処理した。超音波処理した後、同じ培地でさらなる3倍希釈物を調製した。次に、希釈した化合物を100μl量中のNRVM培養物に添加した。100 mM甲状腺ホルモン保存溶液(T3、Calbiochem)を100 mM NaOHで調製し、PSGおよび0.3% Nutridoma-SP(Roche)を添加したDMEM培地に最終濃度 3 nMで添加した。NRVMを3日間培養し、その後サイトブロット(cytoblot)アッセイ法でα-ミオシン重鎖(α-MyHC)タンパク質レベルを検出した。
α-MyHCサイトブロットアッセイでは、インキュベーションの3日後に、NRVM培養物をα-MyHCタンパク質レベルに関して解析した。NRVMをPBSで2回洗浄し、メタノールで4℃にて30分間固定し、PBSでさらに2回洗浄した。PBSと1%ウシ血清アルブミン(BSA、Fisher Biotech)からなるブロッキング溶液を添加して室温で1時間置き、その後α-MyHC特異的抗体を含む飽和量の上清を添加して室温で60分間置いた(BA-G5ハイブリドーマ、ATTC)。PBS/1% BSAで2回洗浄し、PBS/1% BSAで希釈したHRP-ヤギ抗マウスIgG(Southern Biotech)の1:500希釈物を添加して室温で60分間置いた。PBSで3回洗浄して過剰な抗体を除去し、化学発光基質を添加して(Pierce SuperSignal West Pico Chemiluminscnet Substrate)5分置いてから、Packard Fusionプレートリーダーで定量した。
ChemBridge Corporation(カリフォルニア州、サンディエゴ)から市販されている以下の化合物は、本発明の化合物の新規な生物活性を決定するために用いられるα-MyHCおよびβ-MyHCに基づくアッセイならびに試験において測定可能な活性を示した。
Figure 2007510728
Figure 2007510728
上の表1に示したように、化合物1はα-MyHCサイトブロットアッセイ法により決定されるα-MyHCタンパク質レベルを上昇させた。化合物1をNRVMに3 nM〜30μMの濃度で添加した。NRVMと共に3日間インキュベートした後、α-MyHCタンパク質レベルをサイトブロットアッセイで検出し定量した(図1)。化合物1の量を増加させることにより、α-MyHCタンパク質レベルは非刺激NRVM(化合物非添加、100%と設定)に対して徐々に上昇した。α-MyHCタンパク質レベルの上昇は最初に30 nMで検出され始め、最大応答は3μMで認められた。6回の独立した実験において、最大半量応答を与える化合物1の濃度は平均して60 nMであった。
実施例2
以下の式IVの化合物は、ChemBridge Corporation(カリフォルニア州、サンディエゴ)から市販されている。式IVの化合物はいずれも、本発明の化合物の新規な生物活性を決定するために用いられるα-MyHCおよびβ-MyHCに基づくアッセイならびに試験において活性を示さない。
式IV
Figure 2007510728
式中、R1=フェニル、およびR2=メチル;
R1=2-クロロフェニル、およびR2=メチル、エチル、およびCH2CONHフェニル;
R1=4-クロロフェニル、およびR2=メチル、エチル、および3-ニトロベンジル;
R1=4-ブロモフェニル、およびR2=3-ニトロベンジル;
R1=4-エチルフェニル、およびR2=CH2CONH2および3-メチルブタ-2-エニル;
R1=2-ニトロフェニル、およびR2=ブチル;
R1=3-ニトロフェニル、およびR2=ベンジル;
R1=4-ヒドロキシフェニル、およびR2=CH2CONH2
R1=フラン-2-イル、およびR2=ブチルおよび3-メチルブタ-2-エニル;
R1=フラン-3-イル、およびR2=3-ニトロベンジル;
R1=チオフェン-2-イル、およびR2=ブチル、3-メチルブタ-2-エニル、およびベンジル;ならびに
R1=3-メチルチオフェン-2-イル、およびR2=ブチルおよびベンジル。
実施例3
Figure 2007510728
化合物1
α-MyHCタンパク質レベルの変化の独立した測定として、化合物1で刺激したNRVMをウェスタンブロッティングによりα-MyHCタンパク質レベルについて解析した。10 nM〜10μMの濃度範囲の化合物1で刺激したNRVMから調製したタンパク質抽出物をSDS-PAGEにより分離し、PVDF膜に転写した。α-MyHCタンパク質のレベルを、サイトブロットアッセイで使用したのと同じ抗α-MyHCモノクローナル抗体を用いてウェスタンブロッティングにより検出した。図2に示すように、化合物1の量の増加に伴い、α-MyHCタンパク質の量の増加が認められた。この実験から、サイトブロットアッセイで検出されたα-MyHCタンパク質の変化がウェスタンブロッティングによってもやはり明白であることが確認された。さらに、T3で認められたα-MyHCタンパク質レベルの上昇は、高濃度の化合物1で見られる上昇と類似していた。
実施例4
化合物1の純粋な鏡像異性体の調製およびそれによるα-MyHC活性化
ラセミ化合物1を2 mg/ml濃度となるようエタノール中に溶解し、次いで60%エタノール:40%ヘキサンの最終溶液となるようにヘキサンを添加した。この化合物1の溶液の一定分割量100μlをキラルHPLCカラム(Chiralpak AD-H、250 mm x 10 mm;流速=3 ml/分;移動相=60%エタノール:40%ヘキサン)に供した。化合物1のS鏡像異性体を保持時間6.75分を有するピークから回収し、化合物1のR鏡像異性体を保持時間8.25分を有するピークから回収した。化合物1の鏡像異性体RおよびSの分離された画分を窒素下で蒸発させ、純粋な鏡像異性体それぞれを固体として8 mg得た。実施例1に従った各鏡像異性体の試験から、R鏡像異性体はMPE50=0.79μMを有してα-MyHCタンパク質レベルを選択的に上昇させ得るが、不活性のS鏡像異性体はMPE50>32μMを示すことが示された。いずれの鏡像異性体も、実施例5の方法で測定される抗肥大活性を示した。
実施例5
ラセミ化合物1および化合物1の精製鏡像異性体の抗肥大活性
酵素消化法およびミオサイト濃縮法を用いて、1〜3日齢Sprague-Dawleyラットから新生仔ラット心室ミオサイト(NRVM)を単離した。NRVMを血清含有培地中で18時間培養した。培養を継続するために、無血清培地を使用した。フェニレフリン、エンドセリン-1、およびアンギオテンシンIを含む薬理学的刺激によりNRVMの肥大を誘導した。肥大応答は、以下を含む方法により決定した:全細胞タンパク質の測定;心房性ナトリウム利尿因子の分泌;細胞体積の判定;心房性ナトリウム利尿因子、β-ミオシン重鎖、およびα-骨格アクチンなどのいわゆる胎児遺伝子の発現の判定。ANF分泌は肥大を測定する最も感度のよいアッセイ法であり、ANF ELISAのIC50を抗肥大活性を決定するために使用する測定値とした。ラセミ化合物のIC50は0.427μMと測定され、S鏡像異性体のIC50は0.389μMと測定され、R鏡像異性体のIC50は1.101μMと測定された。
本明細書で開示され請求される方法はすべて、本開示の観点から、過度に実験することなく作製および実行することができる。本発明の組成物および方法を好ましい態様に関して記載したが、本発明の概念、精神、および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載した組成物方法に対して、ならびに方法の段階または方法の段階の順序において変更がなされ得ることは、当業者に明白であろう。より具体的には、本明細書に記載した物質の代わりに、化学的および生理学的に関連する特定の物質を代用し得て、同様のもしくは類似した結果が得られることは明白であろう。当業者にとって明白であるこのような類似の代用品および変更はすべて、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神、範囲、および概念の範囲内であると見なされる。
VI. 参考文献
以下の参考文献は、例示的な手順の補足または他の詳細な補足を本明細書に記載したものに提供する範囲内において、参照により本明細書に明確に組み入れられる。
米国出願第5,604,251号
米国出願第4,265,874号
米国出願第4,256,108号
米国出願第4,166,452号
Figure 2007510728
Figure 2007510728
Figure 2007510728
以下の図面は本明細書の一部を形成し、本発明の特定の局面をさらに示すために含める。本明細書に示す特定の態様の詳細な説明と組み合わせてこれらの図面の1つまたは複数を参照することにより、本発明をより良く理解することができる。
サイトブロットアッセイにおけるα-MyHCタンパク質レベルに及ぼす化合物1の濃度依存的影響。様々な量の化合物1の存在下において、NRVMを無血清培地中で3日間培養した。培養期間が終了した時点で、NRVMを固定し、α-MyHCに特異的なBA-G5モノクローナル抗体を用いてα-MyHCタンパク質レベルについて解析した。結果はPackard Fusionプレートリーダーを用いてRLUとして収集し、化合物の非存在下で培養した試料によるシグナル(対照、100%に設定)に対して標準化した。 ウェスタンブロッティングによって検出されるα-MyHCタンパク質レベルに及ぼす化合物1の影響。NRVMを様々な濃度の化合物1で3日間刺激した。タンパク質抽出物を調製し、タンパク質をSDS-PAGE電気泳動により分離してPVDF膜に転写し、抗α-MyHCモノクローナル抗体で検出した。

Claims (30)

  1. 式Iを有する光学活性化合物およびその薬学的に許容される塩を含み、さらにすべてのジアステレオマーを含み、S型を実質的に含まない組成物:
    Figure 2007510728
    式中、R1およびR5は独立してフェニル、ピリジン、ピリミジン、チオフェン、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、およびピラゾールであり、R1およびR5のいずれかはハロゲン、NO2、CN、CF3、C1-4アルキル、C0-4アルキル-S、C0-4アルキル-O、C0-4アルキル-NH、(C1-4アルキル)2-N、C1-4アルキル-SO、C1-4アルキル-SO2、SO2NH-C0-4アルキル、SO2N(C1-4アルキル)2、NHSO2-C1-4アルキル、CONH-C0-4アルキル、NHCO-C1-4アルキル、およびCOO-C0-4アルキルの1つまたは複数によって任意に置換されていてもよく;
    R2はC1-4アルキルであり;R3およびR4はC0-4アルキルであり;アルキルは直鎖であっても分岐鎖であってもよく;
    nは1〜4である。
  2. 化合物のR鏡像異性体が70%を超える純度、75%を超える純度、80%を超える純度、85%を超える純度、90%を超える純度、95%を超える純度、96%を超える純度、97%を超える純度、98%を超える純度、または99%を超える純度である、請求項1記載の組成物。
  3. R1およびR5が独立してフェニル、チオフェン、フラン、オキサゾール、およびチアゾールであり;R1およびR5のいずれかがハロゲン、NO2、CN、CF3、C1-4アルキル、C0-4アルキル-S、C0-4アルキル-O、C0-4アルキル-NH、(C1-4アルキル)2-N、C1-4アルキル-SO、C1-4アルキル-SO2、SO2NH-C0-4アルキル、SO2N(C1-4アルキル)2、NHSO2-C1-4アルキル、CONH-C0-4アルキル、NHCO-C1-4アルキル、およびCOO-C0-4アルキルの1つまたは複数によって任意に置換され得る、請求項1記載の組成物。
  4. R1およびR5が独立してフェニル、チオフェン、およびフランであり;R1およびR5のいずれかがハロゲン、NO2、CN、CF3、C1-4アルキル、C0-4アルキル-O、(C1-4アルキル)2-N、SO2NH-C0-4アルキル、NHSO2-C1-4アルキル、CONH-C0-4アルキル、NHCO-C1-4アルキル、およびCOO-C0-4アルキルの1つまたは複数によって任意に置換されていてもよく;R3がC1-4アルキルである、請求項3記載の組成物。
  5. R2がCH3であり;
    R3がCH3であり;
    R4がC0-1アルキルであり;
    nが1〜2である、
    請求項4記載の組成物。
  6. R1およびR5が独立してフェニルであり;R1およびR5のいずれかがBr、Cl、F、NO2、CF3、CH3、CH3O、(C1-4アルキル)2-N、CONH-C0-4アルキル、NHCO-C1-4アルキル、およびCOO-C0-4アルキルの1つまたは複数によって最適に置換されていてもよく;R4がHである、請求項5記載の組成物。
  7. nが1である、請求項6記載の組成物。
  8. R1およびR5が独立してフェニルであり;R1およびR5のいずれかがCl、F、NO2、CF3、CH3、CH3Oの1つまたは複数によって最適に置換され得る、請求項7記載の組成物。
  9. 式IIを有する化合物およびその薬学的に許容される塩を含み、さらにすべてのジアステレオマーを含む薬学的製剤:
    Figure 2007510728
    式中、R1およびR5は独立してフェニル、ピリジン、ピリミジン、チオフェン、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、およびピラゾールであり;R1およびR5のいずれかはハロゲン、NO2、CN、CF3、C1-4アルキル、C0-4アルキル-S、C0-4アルキル-O、C0-4アルキル-NH、(C1-4アルキル)2-N、C1-4アルキル-SO、C1-4アルキル-SO2、SO2NH-C0-4アルキル、SO2N(C1-4アルキル)2、NHSO2-C1-4アルキル、CONH-C0-4アルキル、NHCO-C1-4アルキル、およびCOO-C0-4アルキルの1つまたは複数によって任意に置換されていてもよく;
    R2はC1-4アルキルであり、R3およびR4はC0-4アルキルであり、アルキルは直鎖であっても分岐鎖であってもよく;
    nは1〜4である。
  10. 化合物がR鏡像異性体である、請求項9記載の製剤。
  11. R鏡像異性体が、化合物の70%を超える割合、化合物の75%を超える割合、化合物の80%を超える割合、化合物の85%を超える割合、化合物の90%を超える割合、化合物の95%を超える割合、化合物の96%を超える割合、化合物の97%を超える割合、化合物の98%を超える割合、または化合物の99%を超える割合を構成する、請求項10記載の製剤。
  12. 迅速放出、時限放出、遅延放出、持続放出、経口懸濁液、非経口送達、坐剤、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、舌下、経皮、または鼻咽頭経路を介した送達用に製剤化される、請求項10記載の製剤。
  13. 化合物が固体形態である、請求項10記載の製剤。
  14. 化合物が液体形態である、請求項10記載の製剤。
  15. 化合物が、素錠、コーティング錠剤、カプセル剤、粉剤、トローチ、顆粒剤、リポソーム、坐剤、溶液、コロイド、軟膏剤、クリーム、蒸気、スプレー、ナノ粒子、吸入剤、点鼻液、混合静脈注射剤、表皮溶液、バッカル錠、シロップ、クリーム、ローション剤、ゲル、乳剤、またはエリキシル剤として製剤化される、請求項10記載の製剤。
  16. 錠剤結合剤、増量剤、保存剤、錠剤崩壊剤、流量調節剤、可塑剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、溶媒、放出遅延剤、抗酸化剤、または噴霧ガスの1つまたは複数をさらに含む、請求項15記載の製剤。
  17. 請求項9記載の製剤を患者に投与する段階を含む、患者の心血管疾患を治療する方法。
  18. 心筋細胞中のα-ミオシンmRNAレベルの上方制御を達成するのに十分な量および経路で製剤が投与される、請求項17記載の方法。
  19. 心筋細胞中のα-ミオシンタンパク質レベルの上方制御を達成するのに十分な量および経路で製剤が投与される、請求項17記載の方法。
  20. 心筋細胞の収縮性の増加を達成するのに十分な量および経路で製剤が投与される、請求項17記載の方法。
  21. 心血管疾患が病理的肥大、慢性心不全、または急性心不全を含む、請求項17記載の方法。
  22. 請求項9記載の薬学的組成物を細胞に投与することによって細胞中のα-ミオシンを調節する方法。
  23. 細胞が単離された心筋細胞である、請求項22記載の方法。
  24. 心筋細胞が心臓組織に位置している、請求項22記載の方法。
  25. 心臓組織がヒト被験者における無傷の心臓である、請求項24記載の方法。
  26. 心筋細胞が無傷の心臓の心室に位置する、請求項22記載の方法。
  27. 心室が左心室である、請求項26記載の方法。
  28. さらなる薬学的組成物を患者に提供する段階をさらに含む、請求項17記載の方法。
  29. さらなる薬学的組成物が、「β遮断薬」、抗高血圧薬、強心薬、抗血栓薬、血管拡張薬、ホルモン拮抗薬、エンドセリン拮抗薬、サイトカイン阻害薬/遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、および2型アンギオテンシン拮抗薬からなる群より選択される、請求項28記載の方法。
  30. 心肥大および/または心不全に罹患している被験者に、リモデリングの改善を誘導するのに十分な量の請求項9記載の製剤を投与する段階を含む、肥大または不全心臓組織におけるリモデリングの改善をインビボで誘導する方法。
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