JP2007505209A - 交換樹脂の改良された無溶媒スルホン化 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶媒を使用することなしで、短いスルホン化時間で、高性能のゲルカチオン交換樹脂製品を製造する。
【解決手段】コポリマービーズのガラス転移温度以上の温度において、硫酸とビーズの混合物中で、塩素含有膨潤剤を添加することなしで、ビーズと硫酸を反応させることを特徴とするスチレンジビニルベンゼンコポリマーゲル樹脂ビーズのスルホン化によるゲルカチオン交換樹脂の製造方法。
【解決手段】コポリマービーズのガラス転移温度以上の温度において、硫酸とビーズの混合物中で、塩素含有膨潤剤を添加することなしで、ビーズと硫酸を反応させることを特徴とするスチレンジビニルベンゼンコポリマーゲル樹脂ビーズのスルホン化によるゲルカチオン交換樹脂の製造方法。
Description
本発明は、スチレンジビニルベンゼンコポリマーゲル交換樹脂の改良された無溶媒スルホン化に関する。
工業的に有用なカチオン交換樹脂は文献公知である。特許文献1においては、スルホン化したスチレンジビニルベンゼンコポリマーベースのカチオン交換樹脂を記載している。特許文献2は、スルホン化の過程で膨潤溶媒の使用を記載している。ゲルカチオン交換樹脂プロセスにおける溶媒、特に塩素系溶媒の使用はこれまで好ましい方法であったし、そしてビーズ破砕がなく、機械的にそして浸透圧的に安定なカチオン交換樹脂をもたらした。ゲルカチオン交換樹脂プロセスで使用される最も普通の溶媒は1,2−ジクロロエタンである。特許文献3は、80℃で95%硫酸と一緒に塩素含有膨潤剤を添加する多孔質のスチレンジビニルベンゼンコポリマーのスルホン化の使用を教示している。しかしながら、塩素系溶媒は以前より安全性に問題があると見做されるようになってきた。1,2−ジクロロエタンの連続的な使用は二つの問題点がある:ゲルカチオン交換樹脂製品中の残留溶媒、及び環境的に安全な方法で溶媒を取り扱うのに費用がかさむ点である。
溶媒を使用しないでスルホン化する問題点の一つは反応に要する時間である。コポリマービーズを柔らかくするための溶媒を使用しないと、ポリマーと酸との間の反応が遅くなる。製造能力においては、溶媒を使用しないとスルホン化を完結させるのに数時間かかる。バッチ又はセミバッチ法で能力一杯で運転するプラントにおいては、一バッチ当たりの、特に異なった製品を同じ装置で製造する場合の一バッチ当たりの時間を短くすることは重要である。スルホン化速度を増加させる一つの方法は初期濃度を高めることである。しかしながら、文献;例えば特許文献4では支持されていない。発明者等は、初期酸濃度を高めると、硫酸からの三酸化硫黄の消費が理論値より高くなり、反応速度が増加することを見出した。スルホン化速度を増加させる別の方法は反応温度を上げることである。
無溶媒スルホン化の別の問題点は機械的及び浸透圧的に安定なビーズを得ることである。カチオン交換樹脂の多くの用途においては、ビーズの本質的な破砕をもたらす浸透圧に曝される。ビーズの破砕はそのようなビーズを充填したイオン交換カラムの効率を本質的に低下させ、そして破砕した樹脂の交換に大きなコストがかかる。良好な浸透圧的及び機械的性質をもつイオン交換樹脂を得るコポリマーの製造方法は特許文献5及び特許文献6(ここでは参照として取り込まれている)に記載されている。ビーズは、複数のフリーラジカルを含む重合性マトリックスを形成し、そして吸い込まれそしてマトリックス中で重合するモノマーフィードを重合するのに適した条件下で、重合性マトリックスに連続的に添加することによって製造される。
ビーズの強度を改良する初期の方法はスチレンジビニルベンゼンコポリマーに少量のアクリレートを添加することであった。特許文献7は、スチレン、スチレンのモル当たり0.8−55モル%のジビニルベンゼン、及びスチレンのモル当たり2−20モル%のアクリル酸又はメタクリル酸及び/又はその低級アルキルエステルを含むモノマー混合物を懸濁重合し、そして生じたコポリマー粒子をスルホン化することからなるカチオン交換樹脂の製造方法を教示している。そのスルホン化は95−100%の硫酸中でコポリマー粒子を撹拌することによって実施される。硫酸の量はコポリマー重量の3−30倍であり、スルホン化は50℃−150℃、好ましくは90℃−110℃の温度で約3−30時間で実施される。実施例の樹脂のイオン交換能力は4.5ミリ当量であった。割れ目の存在する割合は5−10%であった。
特許文献8においては、溶媒を使用して製造されるのと同様のビーズを製造するために、塩素含有膨潤剤又はアクリロニトリル又はメタクリロニトリルのようなコモノマーを使用しないスルホン化によって機械的及び浸透圧的に安定な酸カチオン交換樹脂を製造する方法を教示している。その方法は125−180℃で、80−96%の硫酸を使用し、スルホン化時間は20時間に達する。ゲルビーズポリマーのための8−12時間の反応時間は、88%以下の硫酸濃度を使用して160℃を超える温度で達成された。これらの条件は膨潤溶媒を使用して製造されたカチオン交換樹脂と同様の性能のカチオン交換樹脂を与えた。
特許文献9は、スルホン化ビーズポリマーを、濃度を減少させた硫酸で段階的に希釈するサイクルに曝すことによって強酸性イオン交換樹脂を製造する方法を記載している。その方法は、多孔質単分散、多孔質へテロ分散、又は単分散ゲル型カチオン交換樹脂用である。このプロセスは、(a)110℃から140℃の温度で、ビーズポリマーを膨潤剤なしで硫酸中に供給し、(b)スルホン化が完結するまで110℃から140℃で撹拌し、(c)スルホン化ビーズポリマーを、濃度を減少させた硫酸で段階的に希釈するサイクルに曝し、そして(d)ビーズポリマーを脱イオン水で洗浄することを教示している。
特許文献10は、膨潤剤の非存在下で90−95%の濃度をもつ硫酸を使用して架橋した(メタ)アクリル酸エステル含有ビーズポリマーのスルホン化方法を記載している。この特許はコポリマーの存在下でスルホン化する前に使用される回収(低濃度)硫酸で新しい硫酸を希釈することを教示している。このスルホン化は40から120℃の温度で開始されそしてプロセスの過程で発生する反応熱及び/又は希釈熱によって150−170℃の温度まで上昇する。硫酸/ビーズポリマーの割合は2.5から5ml/gである。コポリマー中にアクリレートを添加する際に、特許文献10では、78%硫酸から始めて、特許文献9に教示されるように、より低濃度の酸溶液が続く段階的な水和を使用している。
本発明の目的は、溶媒を使用することなしで、短いスルホン化時間、好ましくは8時間以内で、高性能のゲルカチオン交換樹脂製品を製造することである。
本発明は、膨潤剤又はアクリルコモノマーを添加することなしで、硫酸中でスルホン化することによって、比較的速い水和速度で水和するときでさえも高い性能の樹脂を生ずる、スチレンジビニルベンゼンゲルカチオン交換樹脂の製造方法である。驚くべきことに、未破砕ビーズの数は約88から96%、そして好ましくは88から92%の初期酸濃度をもつことによって減少する。驚くべきことに、硫酸の初期濃度が92%又はそれ以下に近づくときに、硫酸基形成に必要な硫酸の消費はまた減少する。反応速度はより高濃度の酸を添加するか及び/又は反応の進行と共に反応温度を高めることによって維持される。発明者等は、スルホン化混合物を8−15℃/分の速度でコポリマーとモノマー混合物のガラス転移温度(Tg)よりも約10−50℃高いところまで加熱すると良好な性能とより短い反応時間をもたらすことを見出した。しかしながら、これは大規模スケールでは実施できないので、硫酸のみをコポリマービーズを添加する前の温度に加熱する代わりに代替法が開発された。本発明のスルホン化樹脂ビーズはビーズの周りの酸の濃度を連続的に減少させることによって約12%/分以上まで水和され、短いカチオン交換樹脂製造時間でも、硫酸濃度の段階的減少による洗浄を用いなくても全体の、未破砕のビーズ(WUB)の数は驚くほどに多くなる。
本発明のゲルカチオン交換樹脂の製造方法により、スルホン化速度を速め、反応時間を短くでき、且つビーズの強度を高め未破砕率(WUB)の高いゲルカチオン交換樹脂を得ることができる。
ゲル樹脂ビーズポリマーは、スチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、α−メチルスチレン、又はクロロスチレンのような環状ハロゲン化誘導体から選ばれる単一のエチレン性不飽和モノマーの架橋ポリマーで構成される。ポリマーは、好ましくは分子当たり1以上の重合可能なC=C二重結合をもつ架橋性モノマーと共重合することによって架橋される。このタイプの架橋性モノマーの例としては、ジ又はトリビニルベンゼン、ジビニルエチルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベンゼン、又はジビニルナフタレンのような多官能性ビニル芳香族;ジ又はトリアリルベンゼンのような多官能性アリル芳香族;トリビニル又はトリアリルシアヌレート又はイソシアヌレートのような多官能性ビニル−又はアリルへテロ環を含む。特に有用であるとされてきた架橋性モノマーはジビニルベンゼン(エチルビニルベンゼン又はエチルスチレンとの異性体混合物の形態で)及びジビニルベンゼンと2又は3のC=C二重結合をもつ脂肪族C6−C12炭化水素との混合物である。架橋モノマーの量は、使用される重合性モノマーの合計量基準で1−20重量%で変化する。
文献においては、アクリル酸、その塩及びそのエステル、特にそのメチルエステル及びビニルナフタレン、ビニルキシレン、又はアクリル酸又はメタクリル酸のニトリル又はアミドのような出発物質がモノマー混合物に添加されてきた。本発明はこれらの添加物のいくつか、又は全てを除外することを可能にする。本発明は、樹脂の性質、特に架橋樹脂のTgに及ぼす添加剤の影響を考慮することによってこれらの添加剤の多くを加減することができる。本発明者らは本発明の方法がこれらの添加物質を加減することができることを期待する。
モノマーと架橋剤との共重合は通常モノマー可溶性のフリーラジカル発生剤によって開始される。フリーラジカル発生触媒の好ましい例としては、ジアセチルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ−p−クロロベンゾイルパーオキサイド、又はラウロイルパーオキサイドのようなジアシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオクトエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、又はジシクロヘキシルパーオキシジカーボネートのようなパーオキシエステル;ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、ジクミルパーオキサイド、又はt−ブチルクミルパーオキサイドのようなアルキルパーオキサイド;クメンハイドロパーオキサイド又はt−ブチルハイドロパーオキサイドのようなハイドロパーオキサイド;シクロヘキサノンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンハイドロパーオキサイド、又はアクチルアセトンパーオキサイドのようなケトンパーオキサイド;又はアゾイソブチロニトリルを包含する。フリーラジカル発生剤は触媒量、即ちモノマーと架橋剤の合計量基準で好ましくは0.01から2.5wt%で使用される。
架橋ポリマービーズは公知の懸濁重合法を使用して製造される。水不溶性モノマー/架橋剤混合物は、好ましくは製造されるビーズポリマー分散相中のモノマー/架橋剤の液滴を安定化させるための少なくとも一つの保護コロイドを含む水相に添加される。天然又は合成した水溶性ポリマーが保護コロイドとして好適であり、例えば、ゼラチン、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロースエーテル又はセルロースエステルが好適である。水相/有機相の割合は好ましくは0.5−20の範囲である。重合温度は使用される開始剤の分解温度に依存する。それは一般的には50−150℃、好ましくは55−100℃である。重合時間は0.5時間から数時間である。得られたビーズは少量の残留モノマー又はポリマーマトリックス中で架橋しないその他の物質を含む。硬化したスチレンジビニルベンゼンコポリマーのTgデータ及び未硬化のスチレンジビニルベンゼンコポリマーのTgデータは文献、非特許文献1に見出される。
得られたビーズポリマーはスルホン化プロセスに通されるか、又はさらに大きなビーズの種として使用される。ポリマーを添加することによる“種”ポリマーの成長のための方法は文献公知である。プロセス工程は最初に得られた種を膨潤させるために共重合可能なモノマーを使用し、そしてポリマー中に浸透したモノマーを重合させることからなる。
本発明においては、スルホン化は塩素含有膨潤剤を添加することなしで、ビーズ状スチレンジビニルベンゼンコポリマーと硫酸を直接混合させることによって起こる。スルホン化は顕微鏡でビーズの状態を視覚的に観察することによって監視する。スルホン化はビーズの外側からビーズ(コア)の内側へと進行する。スルホン化面はビーズ内にリングが発達することから工程中で明らかとなる。スルホン化が完結すると、リングはそれ以上見えなくなる。
本発明の無溶媒スルホン化は多くの高濃度硫酸源から利用できる硫酸を使用する。酸の量は好ましくはコポリマー重量の約5−10倍である。硫酸がコポリマーと反応するとき、硫酸と混合物は平衡に達し、コポリマーのイオン交換樹脂への転化は遅くなる。反応に必要な合計時間は酸の初期濃度が高いほど短くなる。しかしながら、発明者等はポリマーの転化率を上げそして反応時間を短くし、一方では全体の、未破砕ビーズ(WUB)の数で測定したときの樹脂強度を驚くほど高めるための反応条件を見出した。
反応過程で添加される硫酸は85%より高く、94%を超える濃度が反応過程での添加には好ましい。発煙硫酸又は三酸化硫黄を含む96%を超える濃度の硫酸が反応混合物への添加としては最も好ましい。
発明者等は、スルホン化反応で消費される三酸化硫黄としての酸の量は初期酸濃度に依存することを見出した。さらに、発明者等は、高い初期酸濃度はWUBの数が少ない樹脂をもたらす傾向があることを見出した。これはスルホン化反応のみからは予測できない。
発明者等は、88と92%の間の初期硫酸濃度で開始することによって、反応混合物は大きなWUB値を生み出すことを見出した。上述の濃硫酸添加法を使用して反応速度を維持することによって、発明者等は、高い反応速度と高強度の両方をもつビーズを得ることができることを見出した。
一つの理論に縛られることは避けたいが、発明者等は、もろいビーズの原因はスルホンブリッジの形成であると考えている。硫酸によるスルホン化のプロセスにおいては、酸は解離して水と三酸化硫黄を生成する。温度が高くなると、三酸化硫黄濃度も高くなる。三酸化硫黄はコポリマー中のベンゼン環と反応し、樹脂をスルホン化する。スルホン化反応の過程では、三酸化硫黄はポリマーゲルビーズによって消費され、水を残す;それゆえに硫酸濃度と混合物中の三酸化硫黄は減少する。酸濃度が減少するにつれ、スルホン化速度もまた減少する。さらに、しかしながら、三酸化硫黄は1以上のベンゼン環と反応し、同じマクロ分子内のベンゼン環の間に又はマクロ分子の間にスルホンブリッジ(−SO2−)を形成する。スルホンブリッジの形成は不均一な樹脂架橋、ビーズ変形、及び破砕に導くことになる。それゆえに、さらなるスルホンブリッジの形成なしでスルホン化速度を増大させるために三酸化硫黄生成速度を調節することは重要である。本発明はスルホンブリッジの副反応を制御しながらスルホン化速度を増大させるために温度と酸濃度を使用する方法を提供する。
本発明の一態様においては、90%より高い、好ましくは少なくとも92%濃度の硫酸をコポリマーと混合させ、そして約125−150℃の一定温度で反応させる。得られた酸を採取しそして90分又はそれ以下の間隔で濃度をテストする。サンプルの濃度基準で、より濃縮された硫酸、好ましくは少なくとも96%の硫酸を反応混合物に添加し、硫酸濃度を90%以上、好ましくは開始濃度までに戻す。好ましくは、採取と添加はプロセス過程で音波のような連続測定装置を使用して連続的に実施する。この態様のより好ましいモードにおいては、WUBの最大数及び最小反応時間は、約90−94%の硫酸とコポリマーを使用し、それから94%を超える硫酸を添加し反応混合物中の初期硫酸濃度を維持することによって反応を行わせることで達成される。このアプローチは混合物中で94%を超える硫酸で開始した場合に比較して、反応の初めはスルホン化速度が遅くなる。
発明者等は反応温度の制御は、酸濃度の制御と一緒に又は別でも、スルホン化時間を減少させることができ又はスルホン化ビーズの強度を高めることができることを見出した。発明者等はスルホン化が起こる温度は樹脂ビーズ中の特定のコポリマー混合物の明確なガラス転移温度、Tgによって影響を受けることを見出した。
膨潤溶媒を使用したスルホン化に較べ、適切なスルホン化にはより高いスルホン化温度が必要となる。コポリマーへの膨潤溶媒の添加は平均のガラス転移温度を下げそしてスルホン化をより低温で進行させる。きちんとしたスルホン化では、反応器と反応物を加熱するための時間が生産時間の大部分を占める。スルホン化のための好ましい装置はポンプ、循環ループ及び外部熱交換器を装備したジャケット付きの撹拌式バッチ又はセミバッチ反応器である。所望により、コポリマー/カチオン交換樹脂が循環されるのを防ぐためにフィルターが使用される。初期の酸及び途中で添加される酸は反応器に充填される前に外部熱交換器で加熱することができる。
反応速度はスルホン化反応においては高い温度で増大すると期待される。特許文献10では、(メタ)アクリル酸エステル含有架橋ビーズポリマーの反応混合物を加熱して、発生する混合熱及び/又は反応熱によって最終温度150℃−170℃にすることを提案している。
しかしながら、本発明者らは、5℃のように小さな温度差はバッチのビーズのWUBをかなり減少させることを見出した。これは特に高水和速度で顕著である。WUBの数はもし混合物がTgに到達した後で加熱されると増加する、そして一方反応時間は長くなる。
スルホン化混合物がTg以下におかれる場合は、スルホン化は幾分かはビーズの表面に向って局在化して起こり、ビーズ構造の不均一化をまねく。それゆえに、発明者等は、ビーズのより均一なスルホン化を可能にするために、スルホン化混合物を急速にTgまで加熱するのが有利であることを見出した。好ましくは、スルホン化混合物を、ポリマーがより高温で安定である限り、Tgを超える温度、最も好ましくはTgを10−50℃超えるまで加熱する。室温からTgまで約8℃−15℃/分、又はもっと速い加熱速度が改良された表面性状と強度を持ったビーズを作り出す。より速い加熱速度は別の装置では可能と思われ、そして有益であると期待される。
本発明のこの態様の例としては、スルホン化プロセス温度は最初に急速に上昇させ、それから反応の過程でゆっくりと上昇させ反応速度を維持させるか又は増大させる。硫酸とコポリマーの混合物をポリマーのガラス転移温度に到達するまで加熱する。多くのゲルカチオン交換樹脂で使用される未反応モノマーを含むコポリマーの場合、これは約100から135℃である。反応器をそれから140℃と150℃の間の温度まで3から6時間かけてゆっくりと加熱する。この態様の好ましい方法においては、97%を超える濃度の硫酸をコポリマーと結合させそして130℃まで急速に加熱し;温度は5℃/時間の速度で140℃−150℃まで上昇する。約Tgまでの急速な初期加熱はこの態様の場合、より高い強度とより短い合計反応時間を与えるために重要である。
いくつかの大規模製造装置においては、1℃/分を超える温度勾配でスルホン化混合物を加熱することは実用的ではない。加熱時間は1)低濃度の循環硫酸とより高濃度の硫酸又は発煙硫酸との混合熱を利用する、2)反応熱、スルホン化熱を利用する、3)反応器への添加の前又はその過程で酸を予備加熱する、そして4)反応系へ別の伝熱領域を追加することによって短縮することができる。追加の伝熱装置は非特許文献2に記載されている。
本発明者らは、反応混合物を急速に加熱する代替法はコポリマービーズを添加する前に、Tgを超える温度まで硫酸を加熱することであり、それは強いポリマービーズを与えることを見出した。好ましくは、コポリマービーズを添加した後で、温度がTg以上を維持するに十分高い温度まで硫酸を加熱することである。本発明のこの観点からの態様においては、コポリマーを添加する前に硫酸を約120から150℃まで加熱する。コポリマーを酸に添加すると温度はわずかに低下する。反応器をそれからスルホン化させるために135℃から150℃の温度を維持するように加熱する。
本発明の別の態様においては、三酸化硫黄の消費によって生成する水をスルホン化の過程で取除く。これは副生物と反応する脱水剤を添加することによってなされる。脱水剤の例としては特許文献11に記載されている五酸化リン又は無水硼酸を包含する。好ましくは、脱水剤は副生する水の量が増加するときに間歇的に添加し;より好ましくは、脱水剤は、酸濃度を監視する自動化装置を使用して、プロセス工程で連続的に添加する。
本発明のどの態様においても、スルホン化樹脂は下記のスルホン化工程で水和される。工業的規模で文献的に好ましい方法はクロマトグラフ水和法である。クロマトグラフ水和法は比較的高濃度の硫酸をリサイクルのために回収する。
ビーズが水和されるとき、それらは浸透圧ショックを受けそして破砕に曝される。ショックを最小化するために、発明者等は高濃度硫酸で水和工程を開始し引き続き低濃度の硫酸にする。脱イオン水を濃硫酸で満たした撹拌機付きの冷却容器に供給する。希釈酸がクロマトグラフ法水和カラムに供給され、そこで非水和樹脂上を通過する。酸濃度は酸が脱イオン水で洗浄されるまで連続的に低下する。
酸濃度と流速は樹脂の水和速度を決定し、それは実験室規模では1.8−12%/分で変化する。水和速度を速めると生産時間は短くなる。速い水和速度は一般的には全体の、未破砕ビーズで測定したとき、低強度の樹脂をもたらす。しかしながら、発明者等は、本発明の方法を使用すると、12%/分の水和速度でさえも、水和での破砕抵抗性のあるスルホン化樹脂を生ずることを見出した。
大規模装置においては、水和溶液濃度は溶液がカラムの頂部から底部(自己先鋭面)に流れるときに増加し;それゆえに水和速度はカラムの底部で速くなる。妥当な全体の水和速度を達成するためには、底部で面が移動するときにビーズの破砕を起こさずに、カラムの頂部での速度をできるだけ高くすることが好ましい。
発明者等は連続速度での水和は段階的速度よりも高濃度速度により早く転移することを見出した。連続法でのカラムの操作は水和プロセス過程での時間と操作者の干渉を少なくする。さらに、発明者等は酸を回収し再使用できるので高濃度の酸を節約できることを確認した。
上記の態様はいずれも所望の速度を達成するために組み合わされそして改良されたビーズ形成を作り出した。例えば、温度と酸濃度は一緒に高めることができる。
実施例
実施例1−10
使用された実験室規模のスルホン化装置は1.7リッターのガラス容器である。それは添加口部、フッ素系ポリマーの櫂型撹拌機、及び底部弁を備えている。撹拌機は200rpmの可変速度モーターによって駆動された。温度勾配は自動プロセス制御コンピューターによって制御された。酸濃度は最初に採取された少量のサンプルを苛性ソーダで滴定することによって決定された。スルホン化が完結したかどうか、即ちスルホン化したポリマーシェルによって囲まれポリマーのコアが見えなくなる時点は顕微鏡観察によって決定した。
実施例
実施例1−10
使用された実験室規模のスルホン化装置は1.7リッターのガラス容器である。それは添加口部、フッ素系ポリマーの櫂型撹拌機、及び底部弁を備えている。撹拌機は200rpmの可変速度モーターによって駆動された。温度勾配は自動プロセス制御コンピューターによって制御された。酸濃度は最初に採取された少量のサンプルを苛性ソーダで滴定することによって決定された。スルホン化が完結したかどうか、即ちスルホン化したポリマーシェルによって囲まれポリマーのコアが見えなくなる時点は顕微鏡観察によって決定した。
実験は高い初期硫酸濃度を使用して、遅い水和速度で実施した。コポリマーはインシツ法で種を作り(特許文献5及び6のセミバッチ法)そして初期充填モノマーである55%DVBと45%エチルビニルベンゼンのモノマー混合物から5重量%の活性ジビニルベンゼンで重合した。測定されたトルエン膨潤架橋は8%DVBと等価であった。コポリマービーズサイズは20/45USメッシュカットであった。(即ち、ビーズは354と841ミクロンの間のサイズであった)。コポリマーはそれ自身ゲル構造を有していた。コポリマー/モノマー混合物のTgは117℃と評価された。コポリマーは97%硫酸を添加しそして1.0℃/分で140℃まで加熱しそしてそこで温度を2時間保持することでスルホン化された。樹脂は、酸濃度が低下しそして樹脂が1.25−1.75%/分で水和されるように樹脂床の頂部に酸をポンプアップすることによって水和された。酸は頂部に添加されたのと同じ体積速度でカラムの底部から取り出された。この実施例は88.3%の全未破砕ビーズ(WUB)をもつ樹脂を得た。
実験は、与えられた温度で酸濃度を低下させた影響を示すために第二のポリマーで実施された。20/45USメッシュサイズをもつ活性ジビニルベンゼン((即ち、ビーズは354と841ミクロンの間のサイズであった)8%を含むコポリマーのスルホン化を三つの異なった初期酸濃度で、コポリマーと酸スラリーを1℃/分で140℃まで加熱しそして完全なスルホン化を達成するためにチャートにリストされた時間140℃に保持することで実施した。コポリマー/モノマー混合物のTgは113℃と評価された。図1は各濃度で12%/分で水和した後のWUBの結果を示す。濃度が高いとスルホン化時間は短くなるが、全未破砕ビーズの割合は低下した。
実験はスルホン化反応の過程で濃硫酸を添加してスルホン化混合物を、90%を超える酸濃度に保持する効果を強調するために実施された。コポリマーはインシツ法で種を作りそして初期充填モノマーである55%DVBと45%エチルビニルベンゼンのモノマー混合物から5重量%の活性ジビニルベンゼンで重合した。測定されたトルエン膨潤架橋は8%DVBと等価であった。コポリマービーズサイズは20/45USメッシュカットであった。(即ち、ビーズは354と841ミクロンの間のサイズであった)。コポリマーはそれ自身ゲル構造を有していた。コポリマーを92%の酸を含む第一のスルホン化反応器に充填し145℃を維持するようにセットし、そして92%の酸を含む第二のスルホン化反応器を、140℃を維持するようにセットした。両方の反応器を1.0℃/分でそれぞれの設定点まで加熱した。酸とコポリマーのサンプルを毎時間ごとにそれぞれの容器から採取した。硫酸濃度をテストした。各容器で酸濃度が低下したとき、95.7%の硫酸をそれぞれのスルホン化反応器に添加して濃度を92%に戻した。スルホン化ラインの減少に対して、樹脂を視覚的に評価してスルホン化の完結時点を決定した。140℃では、スルホン化は6時間で完結し、そしてWUBは97%であった。樹脂は、酸濃度が1.25−1.75%/分で低下するように樹脂床の頂部に酸をポンプアップすることによって水和された。酸は頂部に添加されたのと同じ体積速度でカラムの底部から取り出された。145℃では、スルホン化は4時間で完結し、そしてWUBは95.5%であった。
実験はスルホン化温度に対するポリマー強度の変化を示すために実施された。コポリマーはインシツ法で種を作りそして初期充填モノマーである55%DVBと45%エチルビニルベンゼンのモノマー混合物から5重量%の活性ジビニルベンゼンで重合した。測定されたトルエン膨潤架橋は8%DVBと等価であった。コポリマービーズサイズは20/45USメッシュカットであった。(即ち、ビーズは354と841ミクロンの間のサイズであった)。コポリマーはそれ自身ゲル構造を有していた。コポリマーを150℃、130℃及び135℃でスルホン化した。混合物を約1.0℃/分で加熱した。スルホン化ビーズを約1.8%/分で水和した。図2はそれぞれのスルホン化に対する所要時間とWUBを示す。
高温度
実験はより高い温度でのスルホン化への影響を示すために実施された。20/45USメッシュサイズ(即ち、ビーズは354と841ミクロンの間のサイズであった)をもつ8%の活性ジビニルベンゼンから作られたスチレンジビニルベンゼンコポリマーのスルホン化を88%の酸初期濃度を使用して、四つの異なる温度で実施した。図3は各濃度でのWUBの結果を示す。170℃を超える温度は短いスルホン化時間となるが、全体の未破砕ビーズもまた低下した。
実験はより高い温度でのスルホン化への影響を示すために実施された。20/45USメッシュサイズ(即ち、ビーズは354と841ミクロンの間のサイズであった)をもつ8%の活性ジビニルベンゼンから作られたスチレンジビニルベンゼンコポリマーのスルホン化を88%の酸初期濃度を使用して、四つの異なる温度で実施した。図3は各濃度でのWUBの結果を示す。170℃を超える温度は短いスルホン化時間となるが、全体の未破砕ビーズもまた低下した。
酸の添加速度の影響
水和感度におけるスルホン化過程での酸の添加速度の影響をテストした。ここで示されるのは、97%の酸466mLを、87%の酸200mLと20/45USメッシュサイズ(即ち、ビーズは354と841ミクロンの間のサイズであった)をもつ8%の活性ジビニルベンゼンコポリマー150gの140℃スラリーに添加した際の時間間隔のみによる変化である。この情報は、酸添加時間を長くすることは全体の未破砕ビーズの減少となる急速な水和の衝撃を減少させることを示している。
水和感度におけるスルホン化過程での酸の添加速度の影響をテストした。ここで示されるのは、97%の酸466mLを、87%の酸200mLと20/45USメッシュサイズ(即ち、ビーズは354と841ミクロンの間のサイズであった)をもつ8%の活性ジビニルベンゼンコポリマー150gの140℃スラリーに添加した際の時間間隔のみによる変化である。この情報は、酸添加時間を長くすることは全体の未破砕ビーズの減少となる急速な水和の衝撃を減少させることを示している。
初期反応温度の急激な上昇
コポリマーはインシツ法で種を作りそして初期充填モノマーである55%DVBと45%エチルビニルベンゼンのモノマー混合物の5重量%であった。測定されたトルエン膨潤架橋は8%DVBと等価であった。コポリマービーズサイズは20/45USメッシュカットであった。(即ち、ビーズは354と841ミクロンの間のサイズであった)。コポリマーはそれ自身ゲル構造を有していた。コポリマーをスルホン化反応器に充填しそして95.7%の硫酸を容器に添加した。スルホン化反応器の温度を急速に(10℃/分)130℃まで上昇させ、それから3時間かけてゆっくりと145℃まで上げた。樹脂は、酸濃度が1.25−1.75%/分で低下するように樹脂床の頂部に酸をポンプアップすることによって水和された。酸は頂部に添加されたのと同じ体積速度でカラムの底部から取り出された。得られた樹脂は約98%のWUBを有していた。
コポリマーはインシツ法で種を作りそして初期充填モノマーである55%DVBと45%エチルビニルベンゼンのモノマー混合物の5重量%であった。測定されたトルエン膨潤架橋は8%DVBと等価であった。コポリマービーズサイズは20/45USメッシュカットであった。(即ち、ビーズは354と841ミクロンの間のサイズであった)。コポリマーはそれ自身ゲル構造を有していた。コポリマーをスルホン化反応器に充填しそして95.7%の硫酸を容器に添加した。スルホン化反応器の温度を急速に(10℃/分)130℃まで上昇させ、それから3時間かけてゆっくりと145℃まで上げた。樹脂は、酸濃度が1.25−1.75%/分で低下するように樹脂床の頂部に酸をポンプアップすることによって水和された。酸は頂部に添加されたのと同じ体積速度でカラムの底部から取り出された。得られた樹脂は約98%のWUBを有していた。
樹脂添加前の硫酸の予備加熱
実験は、反応温度を上昇させる手段として、コポリマーの添加前に酸を予備加熱する効果を決定するために実施された。20−60USメッシュサイズ(直径250−841ミクロン)6K樹脂ビーズをもった6.5%活性ジビニルベンゼンを含むコポリマーを添加する前に、96%酸濃度の硫酸を数種類の温度に加熱した。コポリマー/モノマー混合物のTgは110℃と評価された。混合物を2℃/分で147℃まで加熱しそしてスルホン化を完結させるために75分間保持した。スルホン化樹脂は7%/分で水和された。全未破砕ビーズ率の結果を図5に示す。
実験は、反応温度を上昇させる手段として、コポリマーの添加前に酸を予備加熱する効果を決定するために実施された。20−60USメッシュサイズ(直径250−841ミクロン)6K樹脂ビーズをもった6.5%活性ジビニルベンゼンを含むコポリマーを添加する前に、96%酸濃度の硫酸を数種類の温度に加熱した。コポリマー/モノマー混合物のTgは110℃と評価された。混合物を2℃/分で147℃まで加熱しそしてスルホン化を完結させるために75分間保持した。スルホン化樹脂は7%/分で水和された。全未破砕ビーズ率の結果を図5に示す。
予備加熱した酸中にポリマービーズを落としこみながらゆっくり加熱した場合の比較
実験は、コポリマーを熱い酸中に落としこむ前に硫酸を147℃に加熱し;それから温度を一時的に160℃に上げ、製造工程でしばしば見られる温度スパイクを生ずる可能な発熱反応を試算した。図6は酸とコポリマーを一緒にゆっくりと加熱した場合に比較したこれらの147℃コポリマー粒の幾つかの強度の結果を示す。
実験は、コポリマーを熱い酸中に落としこむ前に硫酸を147℃に加熱し;それから温度を一時的に160℃に上げ、製造工程でしばしば見られる温度スパイクを生ずる可能な発熱反応を試算した。図6は酸とコポリマーを一緒にゆっくりと加熱した場合に比較したこれらの147℃コポリマー粒の幾つかの強度の結果を示す。
速い加熱と濃硫酸の添加の組み合わせ
20/45USメッシュサイズ(直径は250と841ミクロンの間である)をもつ6.5%の活性ジビニルベンゼンを含むコポリマーを、急速な加熱及び急速な加熱と濃硫酸の添加の組み合わせがWUBによる樹脂強度、及びスルホン化に必要な時間に及ぼす影響を示すために三つの異なった条件下でスルホン化した。第一の反応においては、コポリマーと96%硫酸を室温で混合しそして0.75℃/分で147℃まで加熱し、それから合計スルホン化時間283分に対してスルホン化が完結する(120分)まで147℃で保持した。第二の反応においては、コポリマーと96%硫酸を室温で混合しそしてそれから10℃/分で147℃まで加熱し、そして合計スルホン化時間142分に対して反応が完結する(130分)までその温度で保持した。第三の反応においては、酸(93%濃度)の合計量の半分をコポリマーと混合しそして10℃/分で120℃まで加熱し、それから1℃/分で147℃まで加熱した。コポリマー/酸スラリーが60分を超えて135℃に到達したときに、99%濃硫酸の添加、合計量の1.5倍を添加して反応を開始した。合計スルホン化時間160分に対して、反応物を147℃で120分保持した。7%/分の水和後の三つの樹脂のWUB率を図7に示す。
20/45USメッシュサイズ(直径は250と841ミクロンの間である)をもつ6.5%の活性ジビニルベンゼンを含むコポリマーを、急速な加熱及び急速な加熱と濃硫酸の添加の組み合わせがWUBによる樹脂強度、及びスルホン化に必要な時間に及ぼす影響を示すために三つの異なった条件下でスルホン化した。第一の反応においては、コポリマーと96%硫酸を室温で混合しそして0.75℃/分で147℃まで加熱し、それから合計スルホン化時間283分に対してスルホン化が完結する(120分)まで147℃で保持した。第二の反応においては、コポリマーと96%硫酸を室温で混合しそしてそれから10℃/分で147℃まで加熱し、そして合計スルホン化時間142分に対して反応が完結する(130分)までその温度で保持した。第三の反応においては、酸(93%濃度)の合計量の半分をコポリマーと混合しそして10℃/分で120℃まで加熱し、それから1℃/分で147℃まで加熱した。コポリマー/酸スラリーが60分を超えて135℃に到達したときに、99%濃硫酸の添加、合計量の1.5倍を添加して反応を開始した。合計スルホン化時間160分に対して、反応物を147℃で120分保持した。7%/分の水和後の三つの樹脂のWUB率を図7に示す。
予備加熱した酸中へのポリマービーズの落としこみと濃硫酸添加の組み合わせ
使用された実験室規模のスルホン化器は2.0リッター容量のガラス容器である。それは添加口部、フッ素系ポリマーの櫂型撹拌機、及び底部弁を備えている。撹拌機は可変速度モーターによって駆動された。温度勾配は自動プロセス制御コンピューターによって制御された。酸濃度は音波解析(Senso Tech GmbH)によって決定された。スルホン化反応は酸濃度が一定になったときを反応完結と見做した。
使用された実験室規模のスルホン化器は2.0リッター容量のガラス容器である。それは添加口部、フッ素系ポリマーの櫂型撹拌機、及び底部弁を備えている。撹拌機は可変速度モーターによって駆動された。温度勾配は自動プロセス制御コンピューターによって制御された。酸濃度は音波解析(Senso Tech GmbH)によって決定された。スルホン化反応は酸濃度が一定になったときを反応完結と見做した。
96.2%の硫酸800mlを容器に添加した。内容物を125℃に加熱しそして−841μm+250μmでふるいにかけられた6.5%のジビニルベンゼンコポリマー300gを熱硫酸中に添加した。内容物を1℃/分の速度で147℃まで加熱した。135℃で、99.0%硫酸400mlの容器への添加を開始した。酸の添加速度は合計添加時間1時間に対して6.7ml/分に設定された。反応器を1時間で147℃まで加熱しそれから室温まで冷却した。スルホン化したコポリマーの一部を7%/分で水和した。性能は:交換能力5.16meq/g乾燥重量、水の保持能力54.1%、そして全未破砕ビーズ率は99.1%であった。
J.Bicerano,et.al."Correlation between Glass Transition Temperature and Chain Structure for Randomly Crosslinked High Polymers",journal of polymer Science:Polymer Physics,Vol.34,Issue13,30 September 1996,p−3359−3549
Donald Q.Kern,"Process Heat Transfer",McGraw−Hill Book Company,New York,1950,p624−637
本発明は、機械的及び浸透圧的に安定な高性能のゲルカチオン交換樹脂製品を得るための無溶媒スルホン化法として有用である。
Claims (16)
- スチレンジビニルベンゼンコポリマーゲル樹脂ビーズのスルホン化によるゲルカチオン交換樹脂の製造方法であって、コポリマービーズのガラス転移温度以上の温度において、硫酸とビーズの混合物中で、塩素含有膨潤剤を添加することなしで、ビーズと硫酸を反応させることを特徴とするゲルカチオン交換樹脂の製造方法。
- スルホン化の過程で混合物中に濃硫酸を添加して、混合物中の硫酸濃度を約90重量%より高く維持する請求項1記載の方法。
- スルホン化ビーズが約12%/分以上の速度で水和される請求項1記載の方法。
- スルホン化が約8時間以内で起こる請求項1記載の方法。
- ゲル状スチレンジビニルベンゼンコポリマーゲル樹脂ビーズのスルホン化によるゲルカチオン交換樹脂の製造方法であって、硫酸とビーズの混合物中において、スルホン化の過程で混合物中に濃硫酸を添加して、混合物中の硫酸濃度を約90重量%より高く維持し、塩素含有膨潤剤を添加することなしで、ビーズと硫酸を反応させることを特徴とするゲルカチオン交換樹脂の製造方法。
- ゲル状スチレンジビニルベンゼンコポリマー樹脂ビーズのスルホン化によるゲルカチオン交換樹脂の製造方法であって、塩素含有膨潤剤を添加することなしで、125−160℃において8時間以内で、ビーズコポリマーを硫酸中でスルホン化することを特徴とする5%より高い架橋密度を有するゲルカチオン交換樹脂の製造方法。
- 反応過程で硫酸を添加して、硫酸濃度を約90重量%より高く維持する請求項6記載の方法。
- スルホン化を140−145℃で4−6時間行ない、そしてスルホン化反応の過程で濃硫酸を添加することによって92%の初期硫酸濃度を維持する請求項6記載の方法。
- スルホン化の過程で反応温度が約130℃以下から140℃以上まで上昇する請求項6記載の方法。
- 初期硫酸濃度が95.7%でそして温度が3時間で130℃から145℃まで上昇する請求項6記載の方法。
- スルホン化の過程で脱水剤を添加する請求項6記載の方法。
- 反応条件が、コポリマーの温度がコポリマーのTgに到達する前は反応がほとんど又は全く起こらないが、完全なスルホン化が8時間以内に起こるような条件である請求項6記載の方法。
- 酸とコポリマーの混合物をコポリマーのTgより10℃を超えて高くなるまで8−15℃/分の速度で急速に加熱する請求項12記載の方法。
- コポリマーのTgより10℃高いところでコポリマーを酸に添加する請求項12記載の方法。
- 低濃度の酸(90%)とコポリマーの混合物で開始し、そしてコポリマーのTgより10℃を超えて高くなるまで加熱しそれから濃硫酸を添加する請求項12記載の方法。
- コポリマーと90%の酸の混合物を150℃を超える温度まで加熱する請求項12記載の方法。
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