JP2007501274A - カベルゴリンの多形体 - Google Patents

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Abstract

カベルゴリンの新しい結晶形、VIII,IX,XI,XII,XIV,XV,XVI,XVII及びXVIIIを提供する。また、カベルゴリンのI型、II型、VII型及び非晶質カベルゴリンの新規な調製方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、カベルゴリンの固体化学に関する。
カベルゴリンの一般名は、1-((6-アリルエルゴリン-8β-イル)-カルボニル)-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルウレアである。この化合物及び調製方法は、米国特許第4,526,892号に開示されているおり、参照によりここに包含される。カベルゴリンの別の製造方法は、チェコ特許第287176号に開示されている。カベルゴリンは、選択的且つ持続的なドパミンD2作用薬であり、高プロラクチン血症、パーキンソン症、及び他の関連疾患の治療に用いられる。
カベルゴリンについてはいくつかの結晶形が開示されている。カベルゴリンの最初の結晶形は、「Il Farmaco,50,175-178(1995)」に開示され、後にカベルゴリンI型と名付けられた。この結晶形は、ジエチルエーテルからの結晶化によって調製された。カベルゴリンの結晶性I型を調製する新しい方法が、最近、2つの特許出願、WO01/70740号及びWO03/078392号中で記述された。最初の特許出願によれば、I型は、V型と命名された新規のトルエン溶媒和化合物を経て調製できる。トルエン溶媒和化合物V型は、温度40〜65℃、高真空下で乾燥することによってI型を提供する。WO03/078392号によれば、I型は、新規のトルエン半-溶媒和化合物X型を経て調製できる。溶媒和化合物Xは、カベルゴリン1モル当たり約0.5モルトルエンの一定組成を有する真の溶媒和化合物としてWO03/078392号に記載されている。X型は不安定であり、室温で真空下に乾燥した時でさえ、非常に容易にI型に移行し得る。
2つの新しい無水及び非溶媒和型のカベルゴリンが最近報告された。ジエチルエーテル及び類似の極性を有する他の溶媒からの結晶化によって得られるII型が、WO 01/72747号に記載されている。VII型は、WO 01/72746号に記載されているように、比較的高温(30〜80℃)で、I型の溶媒(ジエチルエーテル、ヘキサン、ヘプタン)が媒介する相転移によって得られた。新しい結晶形の物理的性質は両方ともI型に非常に類似している。それゆえ、これらの新しい結晶形が、薬物の製剤におけるカベルゴリンの使用になんらかの利点を持たらすことができるとは考えられない。
カベルゴリンの結晶化は困難である。例えば、II型は、ジエチルエーテル中の精製カベルゴリン溶液を数日に渡り冷却及び混合することによって結晶化される。I型もまた、ジエチルエーテルからの結晶化によって得られるが、II型の存在のため、その多形体純度は低い。ジエチルエーテルからの結晶化によって得られる結晶生成物の収率も良好ではない。それゆえ、I型あるいは他の型を再現性よく製造でき、且つ生成物を高収率で提供できる方法が現在も望まれている。
各結晶形は、結晶構造中の異なる分子配列、異なる充填密度、及び/または異なる水素結合ネットワークの結果として、異なる性質を有する。したがって、各結晶形は、他の型に比べて異なる有利な及び/又は不利な物理的性質を有する異なる固体であると考えられる。
上述した全ての型は、IR、DSC、固体NMR及び独特な粉末X線回折図形(特定のX線照射源を用いて得られた2θ値の一覧表として規定される。前記X線照射源は、Braggeの方程式によって他の放射線源用に容易に計算可能である。)によって特徴付けられる。X線構造解析によって決定された完全な結晶構造が記載されているのは、I型のみである(Il Farmaco,50,175-178 (1995))。
ある面では、本発明は、約9.3,12.3,13.8,16.0,19.4,20.0,20.4,21.3,24.8,25.1及び28.1±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折図形(室温でCoKα放射線使用、対称P212121、150Kで測定した単位格子パラメータ 約a=12.9,b=14.3,c =17.7、化学組成はカベルゴリン:溶媒=約1:1)の群から選択されるデータによって特徴付けられる、おおよそ同等の斜方晶カベルゴリン溶媒和化合物の構造群を提供する。前記固体結晶形はそれぞれ、カベルゴリン・tert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物を意味するカベルゴリンVIII型、カベルゴリン・テトラヒドロピラン溶媒和化合物を意味するXIV型、及びカベルゴリン・シクロヘキサン溶媒和化合物を意味するXV型である。別の面では、本発明は、tert-ブチルメチルエーテル,テトラヒドロピランあるいはシクロヘキサン、またはそれらを含む溶媒混合物のカベルゴリン溶液を調製する工程、その溶液を冷却する工程、蒸留により溶媒の一部を除去する工程、及び/又はカベルゴリンVIII型、XIV型あるいはXV型をぞれぞれ沈殿させるために、カベルゴリン不溶性のアンチソルベント(antisolvent)を混合する工程、及びカベルゴリンVIII型、XIV型あるいはXV型を分離する工程を含む、前記類似構造群に属する斜方晶カベルゴリン溶媒和化合物の特徴を少なくとも一つ有する(X線粉末パターン,単位格子パラメータ,及び/又は化学組成など)、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物を調製する方法を提供する。
またある面では、本発明は、約9.5,11.0,11.1,12.3,15.7,18.5,19.4,20.1,20.6,20.9,24.8,25.0,26.4,27.5,及び30.3±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折図形(CoKα放射線使用、対称P212121、293Kで単位格子パラメータ a=13.0,b=13.4,c =18.5Å、化学組成はカベルゴリン:トルエン=約1:1)の群から選択されるデータによって特徴付けられる、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物を提供する。前記固体結晶形はカベルゴリンIX型である。
またある面では、本発明は、トルエンあるいはそれを含む溶媒混合物のカベルゴリン溶液を調製する工程、カベルゴリンIX型を沈殿させるためにその溶液を約-10℃まで冷却する工程、及びカベルゴリンIX型を分離する工程を含む、IX型の特徴(X線粉末パターン,単位格子パラメータ,及び/又は化学組成など)を少なくとも一つ有する、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物を調製する方法を提供する。
またある面では、本発明は、約8.9,12.3,16.8,17.3,18.9,19.3,19.9,20.4,24.1,24.3,25.0,25.9,26.7,27.3,27.7,及び30.9±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折図形(室温でCoKα放射線使用、約63℃に吸熱ピーク、化学組成はカベルゴリン:p-キシレン=約1:1)の群から選択されるデータによって特徴付けられる、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物を提供する。前記固体結晶形はカベルゴリンXI型である。
またある面では、本発明は、p-キシレンを含む溶媒混合物のカベルゴリン溶液を調製する工程、その溶液を-10℃未満に冷却する工程、カベルゴリンXI型を沈殿させるためにカベルゴリンI型あるいはXI型のシードを添加する工程、及びカベルゴリンXI型を分離する工程を含む、XI型の特徴(X線粉末パターン,DSC,及び/又は化学組成など)を少なくとも一つ有する、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物を調製する方法を提供する。
またある面では、本発明は、約9.4,10.9,12.2,13.4,15.3,15.5,16.6,17.1,18.3,19.2,20.5,24.1,24.8,26.8,27.2,27.6,28.2,28.5,30.0,及び32.1±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折図形の群から選択されるデータによって特徴付けられる、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物を提供する(CoKα放射線を使用し室温で測定、及び化学組成はカベルゴリン:o-キシレン=約1:1)。前記固体結晶形はカベルゴリンXII型である。
またある面では、本発明は、o-キシレンあるいはそれを含む溶媒混合物のカベルゴリン溶液を調製する工程、カベルゴリンXII型を沈殿させるためにその溶液を約-10℃まで冷却する工程及びカベルゴリンXII型を分離する工程を含む、XII型の特徴(X線粉末パターン,及び/又は化学組成など)を少なくとも一つ有する、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物を調製する方法を提供する。
またある面では、本発明は、約9.5,11.2,12.4,13.3,15.4,16.8,17.7,18.6,19.2,20.7,24.0,25.7,26.1,26.7,27.4,28.8,30.0,及び33.1±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折図形の群から選択されるデータによって特徴付けられる、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物を提供する(室温でCoKα放射線使用、対称P212121、150Kで測定した単位格子パラメータ a=12.8,b=12.9,c =19.2Å、及び化学組成はカベルゴリン:p-キシレン=約1:1)。前記固体結晶形はカベルゴリンXVI型である。
またある面では、本発明は、p-キシレンを含む溶媒混合物のカベルゴリン溶液を調製する工程、カベルゴリンXVI型を沈殿させるためにその溶液を約-10℃まで冷却する工程及びカベルゴリンXVI型を分離する工程を含む、XVI型の特徴(X線粉末パターン,単位格子パラメータ,及び/又は化学組成など)を少なくとも一つ有する、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物を調製する方法を提供する。
またある面では、本発明は、約9.4,12.2,15.3,16.6,17.4,17.8,18.3,19.0,20.5,23.8,24.2,26.7,27.1,及び27.5±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折図形の群から選択されるデータによって特徴付けられる、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物を提供する(室温でCoKα放射線使用、対称P212121、150Kで測定した単位格子パラメータ a=12.9,b=13.1,c =19.1Å、及び化学組成はカベルゴリン:1,2,4-トリメチルベンゼン=約1:1)。前記固体結晶形はカベルゴリンXVII型である。
またある面では、本発明は、1,2,4-トリメチルベンゼンあるいはそれを含む溶媒混合物のカベルゴリン溶液を調製する工程、カベルゴリンXVII型を沈殿させるためにその溶液を約-10℃まで冷却する工程及びカベルゴリンXVII型を分離する工程を含む、XVII型の特徴(X線粉末パターン,単位格子パラメータ,及び/又は化学組成など)を少なくとも一つ有する、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物を調製する方法を提供する。
またある面では、本発明は、約8.7,9.1,12.3,13.3,17.0,17.4,19.1,19.2,19.7,20.0,21.8,22.5,24.1,27.0,27.3,28.5,及び30.8 ±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折図形の群から選択されるデータによって特徴付けられる、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物を提供する(室温でCoKα放射線使用、及び化学組成はカベルゴリン:エチルベンゼン=約1:1)。前記固体結晶形はカベルゴリンXVIII型である。
またある面では、本発明は、エチルベンゼンあるいはそれを含む溶媒混合物のカベルゴリン溶液を調製する工程、その溶液を約-10℃未満に冷却する工程、カベルゴリンXVIII型を沈殿させるためにカベルゴリンI型のシードを添加する工程、及びカベルゴリンXVIII型を分離する工程を含む、XVIII型の特徴(X線粉末パターン,及び/又は化学組成など)を少なくとも一つ有する、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物を調製する方法を提供する。
またある面では、本発明は、カベルゴリンI型を得るための新しい方法を提供する。カベルゴリンI型は、新規のカベルゴリン溶媒和化合物の脱溶媒和によって調製できる。脱溶媒和は真空で行うことが好ましい。カベルゴリンI型は、カベルゴリンXI型の脱溶媒和によって得ることが好ましい。
またある面では、本発明は、カベルゴリンI型を得るための新しい方法を提供する。カベルゴリンI型は、トルエンあるいはそれを含む溶媒混合物のカベルゴリン溶液を調製する工程、その溶液を10℃未満に冷却する工程、カベルゴリンI型を沈殿させるためにカベルゴリンI型のシードを添加する工程及びカベルゴリンI型を分離する工程を含む、直接結晶化によって調製できる。
またある面では、本発明は、カベルゴリンII型を得るための新しい方法を提供する。カベルゴリンII型は、新規のカベルゴリン溶媒和化合物の脱溶媒和によって調製できる。脱溶媒和は真空で行うことが好ましい。カベルゴリンII型は、カベルゴリンXII型の脱溶媒和によって得ることが好ましい。
またある面では、本発明は、カベルゴリン溶媒和化合物の形で結晶化することによってカベルゴリンを精製する、新しい精製方法を提供する。カベルゴリンVIII型は、化学合成によって調製した粗製カベルゴリンの精製に用いるのに好適である。
またある面では、本発明は、非溶媒和カベルゴリンI,II,及び/又はVII型を得るための新しい方法を提供する。前記非溶媒和カベルゴリンの型は、好ましくは温度調節下、非溶媒和カベルゴリンの型を与える溶媒の懸濁液中で、新規なカベルゴリン溶媒和化合物を相転移することによって調製できる。相転移は、脂肪族炭化水素あるいはそれらの混合物の懸濁液中で行うことが好ましい。
またある面では、本発明は、非晶質カベルゴリンを得るための新しい方法を提供する。非晶質カベルゴリンは、カベルゴリン可溶性溶媒に、いずれかのカベルゴリン結晶形を溶解し、その後溶媒を蒸発し、固形の非晶質形カベルゴリンを得ることによって調製できる。適当な溶媒は、揮発性のエーテル、ケトン及びエステルである。好ましい溶媒はアセトンあるいはジエチルエーテルとアセトンの混合物である。また、非晶質カベルゴリンは、-80〜+30℃の範囲の融点をもつ溶媒にカベルゴリンを溶解し、得られた溶液を凍結乾燥することによっても調製できる。好ましい溶媒は、tert-ブチルアルコールあるいは1,4-ジオキサンである。
本発明のさらなる実施態様は、治療的有効量の新規なカベルゴリン溶媒和化合物及び/又は非晶質の固形カベルゴリンを含有する医薬組成物を用いて中枢神経系障害あるいは高プロラクチン血症を治療する方法である。カベルゴリンの1日量がごくわずかの場合、本発明は、生理学的に許容可能な溶媒を用いて安定なカベルゴリン溶媒和化合物を設計する、結晶工学の新しいアプローチについても説明する。
本発明は、添付図面1〜12を参照しつつ、以下の、限定を目的としない実施例によってより詳細に説明される。
本発明は、カベルゴリンの新規結晶形及びそれらを調製する新規方法並びにカベルゴリンI型、II型及び非晶質カベルゴリンを調製する新規方法を提供する。
カベルゴリンが結晶性溶媒和化合物として数種の溶媒から結晶化することが見出された。予想外のことに、結晶化は非常に容易であり、その結晶性溶媒和化合物は、化学合成によって得られた粗反応混合物を結晶化に用いたときでさえ、調製することができた。
第1の面では、本発明は、VIII型と命名するところの、カベルゴリンの新規結晶形を提供する。カベルゴリンVIII型は、表1に示すのとほとんど同じ値(±0.2度2θ)にピークを有する粉末X線回折図形(図1)を特徴とする(XRD 3000P 回折計Seifert使用。測定条件:CoKα放射線,λ=1.79027Å,研究室の温度,及び化学組成はカベルゴリン:tert-ブチルメチルエーテル=約1:1)。従って、カベルゴリンVIII型は、略式組成C3lH49N5O3及び分子量 539.8として従来知られているカベルゴリンのいずれの型とも異なる。
カベルゴリンVIII型は、以下の格子パラメータを示す:対称P 212121,a=12.942(3),b=14.304(3),c=17.690(3)Å,V=3274.8Å3(Enraf-Nonius CAD 4 回折計による結晶構造決定によって測定 λ(CuKα)=1.54184Å,293K)。我々はここに、様々な型のカベルゴリンの格子パラメータが、それらの粉末回折データの結晶構造決定あるいは測定に使用される温度によって影響を受けうることを証明する。したがってカベルゴリンVIII型は、Nonius Kappa CCD 面積検出器、λ(MoKα)=0.71073Å,150 Kによる結晶構造決定によって測定した場合、対称P 212121,a=12.730,b=14.138,c=17.548Å,V=3158.1Å3の格子パラメータを示す。
表1:CoKα放射線を使用したカベルゴリンVIII型の粉末X線回折データ
Figure 2007501274
本発明は、さらに、tert-ブチルメチルエーテルのあるいはそれを含有する混合溶媒のカベルゴリン溶液を調製する工程、その溶液を冷却する工程、蒸留によって溶媒の一部を除去する工程、及び/又はカベルゴリンVIII型を沈殿させるためにカベルゴリン非溶解性アンチソルベントを混合する工程、及びカベルゴリンVIII型を分離する工程を含む、カベルゴリンVIII型を調製する方法を提供する。
またある面では、本発明は、XIV型と命名するところの、カベルゴリンの新規結晶形を提供する。カベルゴリンXIV型は、粉末X線回折図形(図1)を特徴とする(XRD 3000P 回折計Seifert使用。測定条件:CoKα放射線,λ=1.79027Å,研究室の温度,及び化学組成はカベルゴリン:テトラヒドロピラン=約1:1)。従って、カベルゴリンXIV型は、略式組成C3lH47N5O3及び分子量 537.7として従来知られているカベルゴリンのいずれの型とも異なる。
本発明は、さらに、テトラヒドロピランのあるいはそれを含有する混合溶媒のカベルゴリン溶液を調製する工程、その溶液を冷却する工程、蒸留によって溶媒の一部を除去する工程、及び/又はカベルゴリンXIV型を沈殿させるためにカベルゴリン非溶解性アンチソルベントを混合する工程、及びカベルゴリンXIV型を分離する工程を含む、カベルゴリンXIV型を調製する方法を提供する。
またある面では、本発明は、XV型と命名するところの、カベルゴリンの新規結晶形を提供する。カベルゴリンXV型は、粉末X線回折図形(図1)を特徴とする(XRD 3000P 回折計Seifert使用。測定条件:CoKα放射線,λ=1.79027Å,研究室の温度,及び化学組成はカベルゴリン:シクロヘキサン=約1:1)。従って、カベルゴリンXV型は、略式組成C32H49N5O3及び分子量 535.8として従来知られているカベルゴリンのいずれの型とも異なる。
カベルゴリンXV型は、以下の格子パラメータを示す:対称P 212121,a=12.912(2),b=14.355(2),c=17.367(3)Å,V=3219.1(9)Å3(Enraf-Nonius CAD 4 回折計による結晶構造決定によって測定 λ(CuKα)=1.54184Å,293K)。
またある面では、本発明は、カベルゴリン可溶性溶媒のカベルゴリン溶液を調製する工程、シクロヘキサンを添加する工程、蒸留によって溶媒の一部を除去する工程、及び/又はカベルゴリンXV型を沈殿させるために溶液を冷却する工程、及びカベルゴリンXV型を分離する工程を含む、カベルゴリンXV型の調製方法を提供する。
カベルゴリンVIII,XIV,及びXV型は、構造的に関連しているが(図1参照)、それらは異なる型であり、略式組成、格子定数、及び結合する溶媒のIHC分類が異なる。我々は、結合させる溶媒の選択が、結晶工学の原理(斜方晶形の結晶構造決定から計算したフリーの溶媒使用可能エリアを使用する)に基づくことをここに開示する。したがって、例えば、結晶構造決定により、室温測定で、格子定数a=12.9Å,b=14.4Å,及びc=17.4Å、Z=4であるカベルゴリン・シクロヘキサン溶媒和化合物の構造中には、約230Å3の体積をそれぞれ持つ4つの溶媒エリアがあり、溶媒分子によって占有されうる。同様にして、溶媒エリア240Å3は、カベルゴリン・tert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物中の一つの溶媒分子に使用可能と決定される。これらの構造から計算された、フリーの溶媒使用可能エリアに基づいて、その構造中に組み込むことができる、別の好適な溶媒(例えば、テトラヒドロピラン)をデザインすることができる。
結晶化は、好ましい溶媒(例えばtert-ブチルメチルエーテル)のカベルゴリン溶液を部分的に蒸発させることによって、あるいはその濃縮溶液を冷却させることによって、達成することができる。カベルゴリン溶媒和化合物を調製する別の方法は、カベルゴリン易溶性溶媒のカベルゴリン濃縮溶液に、好適な溶媒(例えば、シクロヘキサン)を添加する方法である。このような溶媒は、脂肪族エーテル、ケトン及びエステル(例えばジエチルエーテル、アセトン及びエチルアセテートあるいはこれらの混合物など)の群から選ぶことができる。溶液は、例えば冷却によって再度結晶化させることができる。カベルゴリン溶液は、特定のカベルゴリン溶媒和化合物を溶解しない溶媒(例えば、ヘキサンあるいはヘプタン等の脂肪族炭化水素など)の添加によっても結晶化させることができる。同様に、もしシクロヘキサンを、シクロヘキサンより低い沸点をもつ溶媒のカベルゴリン溶液に添加すれば、溶液の一部蒸発により、結晶性カベルゴリン・シクロヘキサン溶媒和化合物を得ることができる。上述の技術の組み合わせあるいは溶媒の混合物も、溶液から、所望のカベルゴリン溶媒和化合物を結晶化させるために使用することができる。カベルゴリンの、tert-ブチルメチルエーテルあるいは別の溶媒からの結晶化は、化学合成によって調製されたカベルゴリンを精製する素晴らしい方法である。このような精製は実施例1で説明する。純度83.4%の物質をtert-ブチルメチルエーテルから結晶化して、純度99.2%の結晶生成物を、素晴らしい収率で得ることができた。
またある面では、本発明は、IX型と命名するところの、カベルゴリンの新規結晶形を提供する。カベルゴリンIX型は、表2に示すのとほとんど同じ値(±0.2度2θ)にピークを有する粉末X線回折図形(図2)を特徴とする(XRD 3000P 回折計Seifert使用。測定条件:CoKα放射線,λ=1.79027Å,研究室温度,及び化学組成はカベルゴリン:トルエン=約1:1)。カベルゴリンIX型は、略式組成C33H45N5O2及び分子量 543.7を示し、その粉末パターンは、従来知られているカベルゴリンのいずれの型とも異なる。
表2:CoKα放射線を使用したカベルゴリンIX型の粉末X線回折データ
Figure 2007501274
カベルゴリンIX型は、以下の格子パラメータを示す:対称P 212121,a=12.982,b=13.444,c=18.459Å,V=3221.5Å3(Enraf-Nonius CAD 4 回折計による結晶構造決定によって測定 λ(CuKα)=1.54184Å,293K)。我々はここに、他の型と同様に、カベルゴリンIX型の格子パラメータが、それらの粉末回折データの結晶構造決定あるいは測定に使用される温度によって影響を受けうることを証明する。したがって、カベルゴリンIX型は、Nonius Kappa CCD 面積検出器、λ(MoKα)=0.71073Å,150 Kによる結晶構造決定によって測定した場合、対称P 212121,a=12.8290(1),b=13.3170(2),c=18.1210(2)Å,V=3095.86(6)Å3の格子パラメータを示す。
またある面では、本発明は、トルエンのあるいはそれを含有する混合溶媒のカベルゴリン溶液を調製する工程、カベルゴリンIX型を沈殿させるためにその溶液を0℃未満の温度に(好ましくは-10℃まで)冷却する工程、及びカベルゴリンIX型を分離する工程を含む、カベルゴリンIX型を調製する方法を提供する。カベルゴリンIX型は、好ましくは、他の型をシードとして用いることなく、約-10℃の冷蔵室にカベルゴリン溶液を静置することによって調製し、それにより大きなプリズム結晶のカベルゴリンIX型を得ることができる。
またある面で、カベルゴリンは低温で、複数のアルキル芳香族溶媒から結晶性溶媒和化合物として結晶化することが発見された。アルキル芳香族溶媒のカベルゴリン溶媒和化合物は、一般式C6H5R1(R1=エチル、プロピルあるいはイソプロピル)または式C6H6-xR1 iR2 jR3 kR4 lR5 mR6 n(x=2,3,4,5,6、 i+j+k+l+m+n=x、 R1,R2,R3,R4,R5及びR6はメチル、エチル、プロピルあるいはイソプロピル)を有する。
結晶化は、好適な溶媒(例えば、o-キシレン,m-キシレン,p-キシレン,1,2,4-トリメチルベンゼン,n-プロピルベンゼン,エチルベンゼン,あるいはイソプロピルベンゼン)のカベルゴリン溶液を高温で調製し、濃縮液を冷却することによって達成できる。アルキル芳香族塩とカベルゴリンの溶媒和化合物を調製する別の方法は、カベルゴリン易溶性溶媒のカベルゴリン濃縮溶液に、好適な芳香族溶媒を添加する方法である。このような溶媒は、脂肪族エーテル、ケトン及びエステル(例えばジエチルエーテル、アセトン及びエチルアセテートあるいはこれらの混合物など)の群から選ぶことができる。溶液は、例えば冷却によって結晶化させることができる。また、溶媒の一部蒸発によっても溶液を結晶化させることができる。カベルゴリン溶液は、特定のカベルゴリン溶媒和化合物を溶解しない溶媒(例えば、ペトロールエーテル、ヘキサンあるいはヘプタン等の脂肪族炭化水素など)の添加によっても結晶化させることができる。上述の技術の組み合わせあるいは溶媒の混合物も、カベルゴリンの溶液から、所望の溶媒和化合物を結晶化させるのに使用できる。
アルキル芳香族塩からのカベルゴリンの結晶化もまた、化学合成によって調製されたカベルゴリンを精製する素晴らしい方法である。
新規のカベルゴリン溶媒和化合物は、カベルゴリンの非溶媒和型の調製のために使用することができる。これらのカベルゴリンの非溶媒和型は、カベルゴリンI,II,及びVII型である。非溶媒和カベルゴリン型は、減圧下、脱溶媒和によって形成することができる。好都合なことに、減圧下の脱溶媒和は、高温で実行できる。脱溶媒和に好適な温度は、カベルゴリン溶媒和化合物の融点以下である。好都合なことに、脱溶媒和に使用する温度は、40℃〜60℃の範囲である。
カベルゴリン溶媒和化合物の脱溶媒和は、カベルゴリン溶媒和化合物を形成しない溶媒、あるいはそのような混合溶媒を用いて作成したカベルゴリン溶媒和化合物の懸濁液を撹拌することにより、再結晶化を促進することによって達成することもできる。好都合なことに、そのような混合物中のカベルゴリンの溶解性は、カベルゴリン溶解性溶媒と、カベルゴリン不溶性溶媒の比によって加減することができる。カベルゴリン溶解性溶媒の例として、カルボン酸の脂肪族エーテル、ケトンあるいはエステルを挙げることができる。カベルゴリン不溶性溶媒としては、例えば脂肪族炭化水素がある。所望する非溶媒和カベルゴリン型の形成は、その非溶媒和型が熱力学的に安定となる範囲に温度設定することによって、調節することができる。例えば、溶媒和化合物を脱溶媒和する温度を高くすれば、カベルゴリンII型の提供に有利である。好都合なことに、カベルゴリンの非溶媒和型の形成は、シーディング(seeding)によっても影響を与えることができる。カベルゴリンI,II,あるいはVII型はそれぞれ、溶媒和化合物が、カベルゴリンI,II,あるいはVII型へ再結晶化するのを促進する効果的なシードとして用いることができる。所望のカベルゴリン型の形成は、それゆえ、好適な温度及び/又はシーディングのコントロールによって調節することができる。
またある面では、本発明は、XI型と命名するところの、カベルゴリンの新規結晶形を提供する。カベルゴリンXI型は、表3に示すのとほとんど同じ値(±0.2度2θ)にピークを有する粉末X線回折図形(図3)を特徴とする(XRD 3000P 回折計Seifert使用。測定条件:CoKα放射線,λ=1.79027Å,研究室の温度,及び化学組成はカベルゴリン:p-キシレン=約1:1)。メトラー・トレド(Mettler Toledo)DSC 12E 熱分析システムで測定したDSC記録は、図11に示すように、約63℃で溶媒和化合物の融解を示す。カベルゴリンXI型は、略式組成C34H47N5O2及び分子量 557.8により従来知られているカベルゴリンのいずれの型とも異なる。しかしながら、略式組成及び分子量の両方が、溶媒分子のX線回折図形及びGC分析の組み合わせによって区別可能な、この出願で記載した、キシレンとカベルゴリンの別の溶媒和化合物と一致し得る。
表3:CoKα放射線を使用したカベルゴリンXI型の粉末X線回折データ
Figure 2007501274
またある面では、本発明は、p-キシレンを含有する混合溶媒のカベルゴリン溶液を調製する工程、その溶液を-10℃未満に冷却する工程、カベルゴリンXI型を沈殿させるためにカベルゴリンIあるいはXI型のシードを添加する工程、及びカベルゴリンXI型を分離する工程を含む、カベルゴリンXI型を調製する方法を提供する。
カベルゴリンが低温で、キシレンを含有する混合物から、結晶性溶媒和化合物として結晶化することが発見された。結晶化は、キシレンを含有する適当な量の混合物中のカベルゴリン溶液を高温で調製し、その溶液を-10℃未満に冷却し、その後その溶液にI型のシード結晶を添加することによって達成できる。混合物を、-10℃未満の温度でさらに保って形成した結晶生成物は、ろ過によって容易に分離することができ、減圧下、研究室の温度で乾燥できる。得られた結晶生成物は、安定なキシレン溶媒和化合物であり、この結晶生成物をXI型と命名した。結晶化を-10℃より高温で行った場合、得られた結晶生成物は純粋なXI型ではなく、XI型及びII型並びに他の型のカベルゴリン溶媒和化合物の混合物であった。
溶媒和化合物XI型の結晶化は、p-キシレンを含むキシレン含有混合物から良好に達成できる。p-キシレンも、溶媒和化合物の結晶性格子の中に大部分組み込まれる溶媒である。例えば、結晶化をp-キシレンとm-キシレンの2:1(v/v)の混合物から行った場合、得られた結晶生成物は、約16%のp-キシレン及び約2%のm-キシレンを含有し、2つの溶媒の比が1:2の場合、結晶生成物は、約14%のp-キシレン及び約4%のm-キシレンを含有した。これらの解析データから、カベルゴリンXI型が、1モルのカベルゴリン当たり約1モルのキシレンという化学量論を有する真実の溶媒和化合物であることが、明確に分かる。
p-キシレンは、比較的高い融点(約12℃)を有するため、単一のキシレンとして使用するのは好ましくない。カベルゴリンXI型を得るための単一溶媒としてp-キシレンを使用することは、p-キシレンが、必要とされる温度(-10℃未満)で結晶化を行うことができないため、困難である。p-キシレンからの結晶化を、融点より高い温度で行った場合、得られたのは、カベルゴリンII型か、あるいはXI型とは異なる溶媒和化合物であった。カベルゴリンXI型を得るための好ましい混合物が、単一のキシレンを含む溶媒混合物あるいはキシレン類を含む混合物であることが、理論とは何ら関係なく、実験によって発見された。好ましくは、p-キシレン及びm-キシレンの混合物を使用する。例えば、p-キシレンは安定な結晶性溶媒和化合物XI型を提供する溶媒である一方、非常に低い融点を有するm-キシレンは、p-キシレンの融点より低い温度で結晶化を行うことを可能にする成分である。他方、o-キシレンは、安定なカベルゴリン溶媒和化合物を提供し、それゆえXI型を得るために好適なキシレン類の混合物中のo-キシレンの含有量は制限される。キシレン類を含有する溶媒の混合物は、キシレンの他に、他の溶媒、すなわちエチルベンゼン及び/またはアセトンを含有してもよい。
本発明の別の面では、XI型の結晶化は、結晶媒体中のXI型の結晶性懸濁液に、ヘキサン、ヘプタンあるいは他の脂肪族炭化水素またはそれらの混合物を添加することによって達成することができる。結晶生成物は、このようにして98%以上の収率で得ることができる。最終的にカベルゴリンI型を提供する、XI型結晶生成物の高収率が、本発明の重要な利点である。別の利点は、プロセスの単純さである。カベルゴリン・キシレン溶媒和化合物XI型の結晶化は、実施例9で実証するように、約1時間以内で完了可能であり、従来の手順と比べて非常に便利である。このようなシンプルな製法は、容易に製造規模にスケールアップすることができる。
カベルゴリン・キシレン溶媒和化合物XI型が、高真空下・溶媒和化合物の融解温度より低い温度で乾燥することによって、I型に移行できることが、実験で見出された。キシレン溶媒和化合物XI型の脱溶媒和及び結晶格子のI型への移行は、約50℃より高い温度で達成された。一方、より低い温度(約45℃)で溶媒和化合物を長時間乾燥しても、溶媒和化合物中のキシレンの含有量になんら影響はなかった。乾燥中の溶媒和化合物XI型の結晶構造の変化は、粉末X線回折図形(図4)及び、I型の既知の融点と融点が一致することによって実証された(図12)。
XI型の脱溶媒和によって得られたI型の粉末X線回折図形の測定は、XRD 3000P 回折計Seifertを用いて行った(測定条件:CoKα放射線,λ=1.79027Å,研究室の温度,2θ値7〜34 表4に示すのとほぼ同様のピークが得られた[±0.2度2θ])。
表4:カベルゴリンXI型から調製したカベルゴリンI型のCoKα放射線による粉末X線回折データ
Figure 2007501274
カベルゴリン・キシレン溶媒和化合物XI型の脱溶媒和は、低温で、脂肪族炭化水素中の、あるいは脂肪族炭化水素とキシレン類の混合物中のカベルゴリン溶媒和化合物XI型の懸濁液を、撹拌することにより、再結晶化を促進することによっても達成することができる。このような脱溶媒和を、低温で行うことは重要である。なぜなら、他の非溶媒和型のカベルゴリン(例えば、II型あるいはVII型)は、溶媒促進脱溶媒和をより高めの温度で行った場合に得られ:一方、研究室温度で、ヘキサン中のXI型を混合した場合は、主にII型が得られたが、約30℃で混合した場合は、VII型が得られることが、実験によって見出された。キシレン溶媒和化合物XI型のI型への転換は、約0℃より低い温度で、そしてその後室温まで温度をゆっくり上昇させながら、ヘキサン中あるいは脂肪族炭化水素類の混合物中で溶媒和化合物を混合することによって達成された。このような低温におけるXI型のI型への転換は、低濃度の芳香族炭化水素(例えば、キシレン)を、脂肪族炭化水素に添加することによって促進することができる。
本発明の別の面では、カベルゴリンI型は、上述のようにキシレン類の混合物から結晶化して得られたXI型の結晶性懸濁液に、過剰の脂肪族炭化水素を添加することによって、直接得ることができる。このような実施態様については実施例12に記載する。
またある面では、本発明は、XII型と命名するところの、カベルゴリンの新規結晶形を提供する。カベルゴリンXII型は、表5に示すのとほとんど同じ値(±0.2度2θ)にピークを有する粉末X線回折図形(図5)を特徴とする(XRD 3000P 回折計Seifert使用。測定条件:CoKα放射線,λ=1.79027Å,研究室温度,及び化学組成はカベルゴリン:o-キシレン=約1:1)。したがって、カベルゴリンXII型は、略式組成C34H47N5O3及び分子量 557.8により従来知られているカベルゴリンのいずれの型とも異なる。しかしながら、略式組成及び分子量の両方が、溶媒分子のX線回折図形及びGC分析の組み合わせによって区別可能な、この出願に記載した、キシレンとカベルゴリンの別の溶媒和化合物と一致し得る。
またある面では、本発明は、o-キシレンのあるいはそれを含有する混合溶媒のカベルゴリン溶液を調製する工程、カベルゴリンXII型を沈殿させるためにその溶液を約-10℃に冷却する工程、及びカベルゴリンXII型を分離する工程を含む、カベルゴリンXII型を調製する方法を提供する。
表5:CoKα放射線を使用したカベルゴリンXII型の粉末X線回折データ
Figure 2007501274
またある面では、本発明は、XVI型と命名するところの、カベルゴリンの新規結晶形を提供する。カベルゴリンXVI型は、表6に示すのとほとんど同じ値(±0.2度2θ)にピークを有する粉末X線回折図形(図6)を特徴とする(XRD 3000P 回折計Seifert使用。測定条件:CoKα放射線,λ=1.79027Å,研究室温度,及び化学組成はカベルゴリン:p-キシレン=約1:1)。したがって、カベルゴリンXVI型は、略式組成C34H47N5O2及び分子量 557.8により、従来知られているカベルゴリンのいずれの型とも異なる。しかしながら、略式組成及び分子量の両方が、溶媒分子のX線回折図形及び化学分析の組み合わせによって区別可能な、この出願に記載した、キシレンとカベルゴリンの別の溶媒和化合物と一致し得る。
カベルゴリンXVI型は、以下の格子パラメータを示す:対称P 212121,a=12.8200(2),b=12.9040(4),c=19.2420(6)Å,V=3183.19(15)Å3(Nonius Kappa CCD 面積検出器、λ(MoKα)=0.71073Å,150 Kによる結晶構造決定によって測定)。
表6:CoKα放射線を使用したカベルゴリンXVI型の粉末X線回折データ
Figure 2007501274
またある面では、本発明は、p-キシレンを含有する混合溶媒のカベルゴリン溶液を調製する工程、カベルゴリンXVI型を沈殿させるためにその溶液を約-10℃に冷却する工程、及びカベルゴリンXVI型を分離する工程を含む、カベルゴリンXVI型を調製する方法を提供する。
またある面では、本発明は、XVII型と命名するところの、カベルゴリンの新規結晶形を提供する。カベルゴリンXVII型は、表7に示すのとほとんど同じ値(±0.2度2θ)にピークを有する粉末X線回折図形(図7)を特徴とする(XRD 3000P 回折計Seifert使用。測定条件:CoKα放射線,λ=1.79027Å,研究室の温度,及び化学組成はカベルゴリン:1,2,4-トリメチルベンゼン=約1:1)。したがって、カベルゴリンXVII型は、略式組成C35H49N5O2及び分子量 571.8により、従来知られているカベルゴリンのいずれの型とも異なる。しかしながら、略式組成及び分子量の両方が、溶媒分子のX線回折図形及びGC分析の組み合わせによって区別可能な、一般式C6H5R1(R1=エチル、プロピルあるいはイソプロピル)または一般式C6H6-xR1 iR2 jR3 kR4 lR5 mR6 n(x=2,3,4,5,6、 i+j+k+l+m+n=x、 R1,R2,R3,R4,R5及びR6はメチル、エチル、プロピルあるいはイソプロピル)で表されるアルキル芳香族溶媒(溶媒は、1,2,4-トリメチルベンゼンと同一の化学組成を有する)とカベルゴリンとの別の溶媒和化合物に一致する可能性を有している。
カベルゴリンXVII型は、以下の格子パラメータを示す:対称P 212121,a=12.9430(2),b=13.0730(4),c=19.1340(5)Å,V=3237.55(14)Å3(Nonius Kappa CCD 面積検出器、λ(MoKα)=0.71073Å,150 Kによる結晶構造決定によって測定)。
表7:CoKα放射線を使用したカベルゴリンXVII型の粉末X線回折データ
Figure 2007501274
またある面では、本発明は、1,2,4-トリメチルベンゼンのあるいはそれを含有する混合溶媒のカベルゴリン溶液を調製する工程、カベルゴリンXVII型を沈殿させるためにその溶液を約-10℃に冷却する工程、及びカベルゴリンXVII型を分離する工程を含む、カベルゴリンXVII型を調製する方法を提供する。
またある面では、本発明は、XVIII型と命名するところの、カベルゴリンの新規結晶形を提供する。カベルゴリンXVIII型は、表8に示すのとほとんど同じ値(±0.2度2θ)にピークを有する粉末X線回折図形(図8)を特徴とする(XRD 3000P 回折計Seifert使用。測定条件:CoKα放射線,λ=1.79027Å,研究室温度,及び化学組成はカベルゴリン:エチルベンゼン=約1:1)。したがって、カベルゴリンXVIII型は、略式組成C35H49N5O2及び分子量 571.8により、従来知られているカベルゴリンのいずれの型とも異なる。しかしながら、略式組成及び分子量の両方が、溶媒分子のX線回折図形及びGC分析の組み合わせによって区別可能な、アルキル芳香族溶媒[例えば、キシレン類、または、通常、一般式C6H5R1(R1=エチル、プロピルあるいはイソプロピル)または式C6H6-xR1 iR2 jR3 kR4 lR5 mR6 n(x=2,3,4,5,6、 i+j+k+l+m+n=x、 R1,R2,R3,R4,R5及びR6はメチル、エチル、プロピルあるいはイソプロピル)で表される溶媒(溶媒は、エチルベンゼンと同一の化学組成を有する)]とカベルゴリンとの別の溶媒和化合物に一致する可能性を有している。
表8:CoKα放射線を使用したカベルゴリンXVIII型の粉末X線回折データ
Figure 2007501274
またある面では、本発明は、エチルベンゼンのあるいはそれを含有する混合溶媒のカベルゴリン溶液を調製する工程、その溶液を-10℃未満、好ましくは-25℃未満に冷却する工程、カベルゴリンXVIII型を沈殿させるためにカベルゴリンI型のシードを添加する工程、及びカベルゴリンXVIII型を分離する工程を含む、カベルゴリンXVIII型を調製する方法を提供する。
さらなる実施形態は、カベルゴリンI型を直接結晶化する新しい方法である。カベルゴリンI型の結晶化に対し、トルエン中のカベルゴリン濃縮溶液の過冷却が予期せぬ効果を示した。トルエン溶媒和化合物V型あるいはX型の結晶化を行い、脱溶媒和によりカベルゴリンI型を調製する中間体として使用する既知の方法とは異なり、新規なカベルゴリン・トルエン溶媒和化合物IX型の結晶化、及びカベルゴリンI型の直接結晶化の新しい方法をここに開示する。すなわち、本発明は、トルエンのあるいはそれを含有する混合溶媒のカベルゴリン溶液を調製する工程、その溶液を-10℃未満、好ましくは-25℃未満に冷却する工程、カベルゴリンI型を沈殿させるためにカベルゴリンI型のシードを添加する工程、及びカベルゴリンI型を分離する工程を含む、カベルゴリンI型を調製する方法を提供する。トルエンからの直接結晶化によって調製されたカベルゴリンI型は、図9に示す粉末X線回折図形(XRD 3000P 回折計Seifert使用。測定条件:CoKα放射線,λ=1.79027Å,研究室の温度)及び結晶格子中の溶媒の欠如を特徴とする。
またある面では、カベルゴリン溶媒和化合物は、製剤の調製のために直接使用することができる。例えば、tert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物が約16%のtert-ブチルメチルエーテルを含有しているという事実は、tert-ブチルメチルエーテルが、ICHガイドラインによればクラスIIIの溶媒であり、残留溶媒の一日摂取量のみが制限されているため、それを判別できない。同様に、このような計算は、製剤の調製のために直接使用され得る他の溶媒和化合物に対しても適用される。したがって、カベルゴリンの1日量が低いことを考慮すると、例えば、tert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物は製剤の製造のために直接使用することができる。
カベルゴリン含有製剤の製造のために、tert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物あるいは他の溶媒和化合物が使用される別の可能性として、非晶質カベルゴリンの製造のための使用が考えられる。ある面では、非晶質カベルゴリンを調製する3つの異なる方法が見出された。第1の方法は、カベルゴリン溶解性の溶媒にカベルゴリンを溶解し、その後溶媒を蒸発して、固形非晶質型のカベルゴリンを得る方法である。使用に適する溶媒は、揮発性エーテル、ケトン及びエステルである。好ましい溶媒は、アセトンあるいはアセトンとジエチルエーテルの混合物である。非晶質カベルゴリンを調製する第2の方法は、-80℃から+30℃の範囲に融点を持つ溶媒にカベルゴリンを溶解し、得られた溶液を凍結乾燥する方法である。使用に好適な溶媒は、tert-ブチルアルコールあるいは1,4-ジオキサンである。
製剤を製造するための、カベルゴリン新規型の最も便利な使用は、薬学的に許容されるキャリアーを用いて非晶質カベルゴリンの粉薬を作ることである。これは、カベルゴリン溶媒和化合物溶解性の溶媒にカベルゴリン溶媒和化合物を溶解し、その溶液にキャリアーを添加し、得られたスラリーから溶媒を蒸発することによって達成することができる。この方法に適する溶媒は、揮発性エーテル、ケトン及びエステルである。好ましい溶液はアセトンあるいはアセトンとジエチルエーテルの混合物である。それらは両方ともICH制限によるクラスIIIの溶媒であるからである。カベルゴリンとキャリアーの比は、安定性の観点からは制限されないが、粉薬中のカベルゴリンの含有量は10%未満とするべきである。薬学的に許容されるキャリアーの選択は、使用する溶媒にキャリアーが不溶性でなければならないという事実によって制限される。それゆえ、好ましいキャリアーは、セルロース、デンプン,マンニトール,乳糖あるいはポリ(ビニルピロリドン)である。非晶質カベルゴリンは、例えばセルロースで、図10に示す粉末X線回折図形(XRD 3000P 回折計Seifert使用。測定条件:CoKα放射線,λ=1.79027Å,研究室の温度)を特徴とする。
以下の実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
カベルゴリンVIII型の調製及び粗製カベルゴリンの精製
カベルゴリンの合成によって得られた、83.4%のカベルゴリンを含有する(HPLC分析による)泡状の蒸発残留物(15g)を、還流下、tert-ブチルメチルエーテル(90ml)中に溶解した。得られた溶液を体積75mlまで濃縮し、約5℃に冷却し、その温度で3時間静置した。懸濁液を、焼結ガラス濾過器を用いて吸引ろ過した。結晶性の固形ケーキを、予め5℃に冷却しておいたtert-ブチルメチルエーテル(20ml)で洗浄し、スムーズに乾燥した。HPLCによれば純度99.2の白色のカベルゴリン・tert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物VIII型の全収量は、12.3gであった。
カベルゴリンVIII型の調製
純カベルゴリン20gを含有する泡状の蒸発残留物を加熱しながらアセトン(40ml)中に溶解した。カベルゴリンが全て溶解した後、tert-ブチルメチルエーテル(200ml)を撹拌しながら添加した。得られた溶液を体積100mlまで濃縮し、約0℃に冷却し、その温度で5時間静置した。懸濁液を、焼結ガラス濾過器を用いて吸引ろ過した。分離した結晶性物質を、予め0℃に冷却しておいたtert-ブチルメチルエーテル30mlで洗浄し、その後スムーズに乾燥した。カベルゴリン・tert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物VIII型の収率は、最初のカベルゴリンの重量から計算して約75%であった。
カベルゴリンXIV型の調製
純カベルゴリン0.5gを含有する泡状の蒸発残留物をジエチルエーテル(15ml)中に溶解した。カベルゴリンが全て溶解した後、テトラヒドロピラン(2ml)を撹拌しながら添加した。形成された結晶を、焼結ガラス濾過器を用いて吸引ろ過し、3mlのジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。カベルゴリン・テトラヒドロピラン溶媒和化合物XIV型の収率は、最初のカベルゴリンの重量から計算して約80%であった。
カベルゴリンXV型の調製
純カベルゴリン0.5gを含有する泡状の蒸発残留物をテトラヒドロフラン4ml中に溶解した。カベルゴリンが全て溶解した後、シクロヘキサン(200ml)を撹拌しながら添加した。溶液は室温で一晩放置した。フラスコの壁に形成された巨大な結晶を、ろ過により収集して、乾燥した。カベルゴリン・シクロヘキサン溶媒和化合物XV型の収率は、最初のカベルゴリンの重量から計算して約70%であった。
蒸発による非晶質カベルゴリンの精製
カベルゴリン・tert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物VIII型 (26g)を320mlのアセトンに溶解した。調製した溶液を回転式真空蒸発装置で蒸発し、安定な白色の泡の状態にした。得られた蒸発残留物を35℃・真空下で恒量まで乾燥した。乾燥した非晶質生成物の収量は21.1gであった。
凍結乾燥による非晶質カベルゴリンの調製
カベルゴリン・tert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物VIII型(1.2g)をtert-ブチルアルコール(15ml)中に溶解した。調製した溶液を約-10℃に冷却し、その温度で1時間静置した。得られた凍結溶液を高真空下、室温で12時間凍結乾燥した。非晶質生成物の収量は0.95gであった。
キャリアーを有する非晶質カベルゴリンの調製
カベルゴリン・tert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物VIII型(5.94g)を乾燥アセトン(1200ml)中に溶解した。微結晶性セルロース(94.06g)を、調製したカベルゴリン溶液に添加した。その結果生じた不均一な混合物を回転式真空蒸発装置で蒸発した。得られた微細な白色の固体を真空下35℃で恒量まで乾燥した。乾燥した非晶質生成物の収量は96.4gであった。
キャリアーを有する非晶質カベルゴリンの調製
カベルゴリン・tert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物VIII型(3.0g)を乾燥アセトン(610ml)中に溶解した。ラクトース一水和物(47.5g)を調製したカベルゴリン溶液に添加した。その結果生じた不均一な混合物を回転式真空蒸発装置で蒸発した。得られた微細な白色の固体を真空下35℃で恒量まで乾燥した。乾燥生成物の収量は42.8gであった。
キシレン溶媒和化合物XI型の調製
カベルゴリンのtert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物VIII型(20.0g)を40mlのp-キシレンと40mlのm-キシレンの混合物中に溶解し、その溶液を撹拌しながら-25℃に冷却した。その後溶液にカベルゴリンI型(50mg)をシードとして加え、温度を-22〜-25℃の範囲に保ちながら、その混合物を15分間撹拌した。この間に結晶性スラリーが得られた。その後、160mlのn-ヘプタンを、懸濁液中に冷却下(-22〜-30℃)30分以内に滴下し、その懸濁液をろ過し、分離した結晶生成物を室温で真空下(1mbar)24時間乾燥した。20.6gのキシレン溶媒和化合物XI型が得られた。GC分析によれば、生成物は14.97%のp-キシレン及び2.49%のm-キシレンを含有していた。XI型の結晶化の後、母液を蒸発して乾燥させ、0.2gの乾燥残留物を得た。
乾燥によるカベルゴリン・キシレン溶媒和化合物XI型の脱溶媒和
実施例9で調製したカベルゴリン・キシレン溶媒和化合物XI型(5.0g)を真空下(1mbar)30℃で8時間、さらに40℃で8時間、50℃で8時間及び59℃で24時間乾燥した。乾燥生成物は、X線回折図形によりI型と証明された。
ヘキサン中のカベルゴリン・キシレン溶媒和化合物XI型の脱溶媒和
実施例9で調製したカベルゴリン・キシレン溶媒和化合物XI型(5.0g)を、-20℃に冷却した25mlのヘキサン中に懸濁した。温度を25℃まで徐々に上昇させながら、懸濁液を24時間撹拌した。その後懸濁液をろ過し、結晶生成物を真空下(1mbar)30℃で8時間乾燥した。乾燥生成物はX線回折図形によりI型と証明された。
カベルゴリンI型の直接調製
カベルゴリンのtert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物VIII型(5.0g)を10mlのp-キシレンと10mlのm-キシレンの混合物中に溶解し、その溶液を撹拌しながら-25℃に冷却した。 その後溶液に20mgのカベルゴリンI型をシードとして加え、温度を-20〜-26℃の範囲に保ちながら、その混合物を15分間撹拌した。この間に結晶性スラリーが得られた。その後、100mlのnヘキサンを、懸濁液中に冷却下(-20〜-32℃)60分以内に滴下した。懸濁液の温度を25℃まで徐々に上昇させながら、懸濁液をさらに24時間撹拌した。その後結晶生成物をろ過し、20mlのn-ヘキサンで洗浄し、真空下30℃で8時間乾燥した。乾燥生成物はX線回折図形によりI型と証明された。
o-キシレン溶媒和化合物XII型の調製
カベルゴリンのtert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物VIII型(6.0g)をジエチルエーテル(60ml)中に溶解し、o-キシレン(10ml)を添加した。ジエチルエーテルを真空蒸発装置で蒸発し、溶液を一晩かけて-15℃まで冷却した。結晶をろ過によって分離し、ペトロールエーテル/o-キシレン混合物(1:1,v/v)で洗浄し、その後ペトロールエーテルで洗浄し、大気中で乾燥した。カベルゴリン・o-キシレン溶媒和化合物XII型の収率は、最初のカベルゴリンの重量から計算して約60%であった。
p-キシレン溶媒和化合物XVI型の調製
カベルゴリンのtert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物VIII型(7.0g)を約60℃に加熱しながらp-キシレン(10ml)及びm-キシレン(10ml) 中に溶解し、溶液を一晩かけて-10℃まで冷却した。結晶は自然に形成された。結晶をろ過により分離し、ペトロールエーテル/p-キシレン混合物(1:1,v/v)で、その後ペトロールエーテルで洗浄し、大気中で乾燥した。カベルゴリン・p-キシレン溶媒和化合物XVI型の収率は、最初のカベルゴリンの重量から計算して約60%であった。
1,2,4-トリメチルベンゼン溶媒和化合物XVII型の調製
カベルゴリンのtert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物VIII型(5.0g)を約60℃に加熱しながら1,2,4-トリメチルベンゼン(10ml)中に溶解し、溶液を一晩かけて-10℃まで冷却した。結晶は自然に形成された。結晶をろ過により分離し、ペトロールエーテル/1,2,4-トリメチルベンゼン混合物(1:1,v/v)で、その後ペトロールエーテルで洗浄し、大気中で乾燥した。カベルゴリン・1,2,4-トリメチルベンゼン溶媒和化合物XVII型の収率は、最初のカベルゴリンの重量から計算して約60%であった。
エチルベンゼン溶媒和化合物XVIIIの調製
カベルゴリンのtert-ブチルメチルエーテル 溶媒和化合物VIII型(2.0g)を約60℃に加熱しながらエチルベンゼン(6ml)中に溶解し、溶液を-30℃まで冷却した。その後溶液にカベルゴリンI型(50mg)をシードとして添加した。結晶を一晩かけて形成し、ろ過により分離し、ペトロールエーテル/エチルベンゼン混合物(1:1,v/v)で、その後ペトロールエーテルで洗浄し、大気中で乾燥した。カベルゴリン・エチルベンゼン溶媒和化合物XVIII型の収率は、最初のカベルゴリンの重量から計算して約60%であった。
トルエンからの直接結晶化によるカベルゴリンIb型の調製
カベルゴリンのtert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物VIII型(5.0g)を約60℃に加熱しながらトルエン(20ml)中に溶解し、溶液を-30℃まで冷却した。その後溶液にカベルゴリンI型(50mg)をシードとして添加した。結晶を一晩かけて形成した。結晶をろ過し、ペトロールエーテルで洗浄し、大気中で乾燥した。乾燥生成物は、X線回折図形によりI型と証明された。カベルゴリンI型の収率は、最初のカベルゴリンの重量から計算して約50%であった。
本発明を、ある特定の実施形態を参照して記述し、説明したが、当業者は、手順及びプロトコルの様々な適応、変更、修飾、置換、削除あるいは付加が、本発明の精神及び範囲を逸脱することなくなされ得ることを正しく認識するであろう。例えば、上述した発明のプロセスにおいて、化合物を調製するための試薬あるいは手順を変更した結果、上述した特定の状態以外の反応状態が起こるかもしれない。同様に、出発物質の特有の反応性は、特定の置換基の存在あるいは製造の状態によって変化するかもしれず、そのような予期されるバリエーションあるいは結果における相違は、本発明の対象及びプラクティスに含まれると考えられる。従って、本発明は、請求項の範囲によって定義され、請求項は、道理に適う範囲で広く解釈される。
図1は、CoKα放射線を使用した、既知のカベルゴリンII型と、得られた斜方晶形カベルゴリン溶媒和化合物の何例かについての、特性粉末回折図形の比較を示す図である。上から1番目の曲線は、カベルゴリンII型の理論上の粉末パターンであり、2番目の曲線はカベルゴリン・tert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物VIII型(150K)の理論上の粉末パターンであり、三番目の曲線は、カベルゴリン・シクロヘキサン溶媒和化合物XV型の実測上の粉末パターンであり、一番下の4番目の曲線は、カベルゴリン・テトラヒドロピラン溶媒和化合物XIV型の実測上の粉末パターンである。 図2は、CoKα放射線を使用した、カベルゴリン・トルエン溶媒和化合物IX型の粉末回折図形を示す図である。 図3は、CoKα放射線を使用した、カベルゴリン・p-キシレン溶媒和化合物XI型の粉末回折図形を示す図である。 図4は、既知のカベルゴリンI型と、カベルゴリンXI型から調製したカベルゴリンI型との特性粉末回折図形の比較を示す図である。上から1番目の曲線は、カベルゴリンI型の理論上の粉末パターンであり、2番目の曲線は、CoKα放射線を使用した、カベルゴリンXI型から調製したI型の実測上の粉末回折図形である。 図5は、CoKα放射線を使用した、カベルゴリン・o-キシレン溶媒和化合物XII型の粉末回折図形を示す図である。 図6は、CoKα放射線を使用した、カベルゴリン・p-キシレン溶媒和化合物XVI型の粉末回折図形を示す図である。 図7は、CoKα放射線を使用した、カベルゴリン・1,2,4-トリメチルベンゼン溶媒和化合物XVII型の粉末回折図形を示す図である。 図8は、CoKα放射線を使用した、カベルゴリン・エチルベンゼン溶媒和化合物XVIII型の粉末回折図形を示す図である。 図9は、CoKα放射線を使用した、トルエン中のカベルゴリン過飽和溶液から直接結晶化によって調製したカベルゴリンI型の粉末回折図形を示す図である。 図10は、CoKα放射線を使用した、得られたセルロース中の非晶質カベルゴリンの特性粉末回折図形を示す図である。上の回折図は、5%(w/w)非晶質カベルゴリンを含有するセルロース粉薬を示す。下の回折図は、カベルゴリンを含まないセルロースである。 図11は、メトラー・トレド(Mettler Toledo)DSC 12E 熱分析システムで測定したカベルゴリンXI型のDSC曲線を示す図である。 図12は、メトラー・トレド(Mettler Toledo)DSC 12E 熱分析システムで測定したカベルゴリンI型のDSC曲線を示す図である。

Claims (61)

  1. 結晶性カベルゴリン溶媒和化合物VIII,IX,XI,XII,XIV,XV,XVI,XVII,及びXVIII型。
  2. a,b及びc軸が約a=13Å,b=14Å、c=17Åであり、対称P2の格子定数を有する、請求項1に記載の結晶性カベルゴリン溶媒和化合物。
  3. 図1に示す粉末X線回折図形を有する、請求項2に記載の結晶性カベルゴリン溶媒和化合物。
  4. 前記溶媒が、直鎖状、分枝状または環状のエーテル、あるいは炭化水素からなる群から選択される、請求項2に記載の結晶性カベルゴリン溶媒和化合物。
  5. 前記溶媒和化合物が、tert-ブチルメチルエーテル,テトラヒドロピラン,あるいはシクロヘキサンをそれぞれ含有する、VIII型、XIV型、及びXV型である、請求項4に記載の結晶性カベルゴリン溶媒和化合物。
  6. 溶媒にカベルゴリンを溶解する工程、及び
    得られた溶液の結晶化を冷却により促進する、あるいは溶媒を部分蒸発する、あるいはカベルゴリン溶媒和化合物不溶性溶媒を添加する、またはそれらを組み合わせた工程、及び
    前記カベルゴリン溶媒和化合物を懸濁液から回収する工程
    を含む、請求項2に記載したカベルゴリン溶媒和化合物を調製する方法。
  7. カベルゴリンを直鎖状、分枝鎖状あるいは環状エーテルに溶解する工程、
    カベルゴリン不溶性溶媒を添加する工程、及び
    VIII型,XIV型,及びXV型から選択されるカベルゴリン溶媒和化合物をシードとして添加する工程
    を含む、請求項2に記載したカベルゴリン溶媒和化合物を調製する方法。
  8. 前記直鎖状、分枝鎖状あるいは環状エーテルが、tert-ブチルメチルエーテルあるいはテトラヒドロピランである、請求項7に記載のカベルゴリン溶媒和化合物の調製方法。
  9. カベルゴリン溶媒和化合物不溶性の前記溶媒が、脂肪族あるいは環状の炭化水素及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  10. カベルゴリン溶媒和化合物不溶性の前記溶媒が、シクロヘキサン、ヘキサンあるいはヘプタンである、請求項9に記載の方法。
  11. カベルゴリンをカベルゴリン可溶性溶媒に溶解する工程、及び
    この溶液をシクロヘキサンに添加する工程
    を含む、請求項2に記載したカベルゴリン溶媒和化合物を調製する方法。
  12. カベルゴリン可溶性の前記溶媒が、直鎖状、分枝鎖状または環状のケトン、エステルあるいはエーテル及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 請求項1に記載のカベルゴリン溶媒和化合物として化学合成によって調製された、粗製カベルゴリンを結晶化することを含む、カベルゴリンの精製方法。
  14. IX型であり、約a=13.0,b=13.4,c=18.5Åから選択されるa,b及びc軸、並びに対称P2の格子定数を有する、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物。
  15. 図2に示す粉末X線回折図形を有する、請求項14に記載のカベルゴリン溶媒和化合物。
  16. トルエンの、あるいはトルエンを含有する混合溶媒のカベルゴリン溶液を調製する工程、
    カベルゴリンIX型を沈殿させるために前記溶液を0℃未満に冷却する工程、及び
    カベルゴリンIX型を分離する工程
    を含む、請求項14に記載のカベルゴリン・トルエン溶媒和化合物IX型を調製する方法。
  17. 溶媒和化合物中の溶媒が、式C6H5R1(R1はエチル、プロピルあるいはイソプロピルから選択される)あるいは式C6H6-xR1 iR2 jR3 kR4 lR5 mR6 n(x=2,3,4,5,6、 i+j+k+l+m+n=x、 R1,R2,R3,R4,R5及びR6はメチル、エチル、プロピルあるいはイソプロピルからなる群から独立して選択される)を有するアルキル芳香族溶媒からなる群から選択される、請求項1に記載の結晶性カベルゴリン溶媒和化合物。
  18. アルキル芳香族溶媒にカベルゴリンを溶解する工程、及び
    得られた溶液の結晶化を冷却により促進する、あるいは溶媒を部分蒸発する、あるいはカベルゴリン溶媒和化合物不溶性溶媒を添加する、またはそれらを組み合わせた工程、及び
    前記カベルゴリン溶媒和化合物を懸濁液から回収する工程
    を含む、請求項17に記載したカベルゴリン溶媒和化合物を調製する方法。
  19. 約8.9,12.3,16.8,17.3,18.9,19.3,19.9,20.4,24.1,24.3,25.0,25.9,26.7,27.3,27.7,及び30.9±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折図形の群から選択されるデータ(室温でCoKα放射線使用、約63℃に吸熱ピーク、化学組成はカベルゴリン:p-キシレン=約1:1)を特徴とする、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物XI型。
  20. 図3に示す粉末X線回折図形を有する、請求項19に記載の結晶性カベルゴリン・p-キシレン溶媒和化合物XI型。
  21. p-キシレンを含有する混合溶媒のカベルゴリン溶液を調製する工程、
    前記溶液を-10℃未満に冷却する工程、
    カベルゴリンXI型を沈殿させるためにカベルゴリンI型あるいはXI型のシードを添加する工程、及び
    カベルゴリンXI型を分離する工程
    を含む、請求項19に記載のカベルゴリン・p-キシレン溶媒和化合物XI型を調製する方法。
  22. カベルゴリン出発物質1重量部を、p-キシレンを含有する混合溶媒2〜8重量部に溶解する、請求項21に記載の方法。
  23. p-キシレンを含有する前記混合溶媒が、p-キシレンを25%以上〜70%以下及びo-キシレンを10%以下含有する、請求項21に記載の方法。
  24. p-キシレンを含有する前記混合溶媒の他の成分が、量が限定されないm-キシレンである、請求項23に記載の方法。
  25. カベルゴリン・p-キシレン溶媒和化合物XI型を分離する前に、-10℃未満の温度で脂肪族炭化水素を前記結晶性懸濁液に添加する、請求項21に記載の方法。
  26. 前記脂肪族炭化水素が、ペンタン、ヘキサンあるいはヘプタンまたはそれらの混合物である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記カベルゴリン出発物質が、tert-ブチルメチルエーテル溶媒和化合物VIII型または他の結晶性あるいは非晶質性のカベルゴリンである、請求項21に記載の方法。
  28. 9.4,10.9,12.2,13.4,15.3,15.5,16.6,17.1,18.3,19.2,20.5,24.1,24.8,26.8,27.2,27.6,28.2,28.5,30.0,及び32.1±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折図形(CoKα放射線を使用し室温で測定、化学組成はカベルゴリン:o-キシレン=約1:1)の群から選択されるデータを特徴とする、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物XII型。
  29. 図5に示す粉末X線回折図形を有する、請求項28に記載の結晶性カベルゴリン・o-キシレン溶媒和化合物XII型。
  30. o-キシレンの、あるいはo-キシレンを含有する混合溶媒のカベルゴリン溶液を調製する工程、
    カベルゴリンXII型を沈殿させるために前記溶液を約-10℃に冷却する工程、及び
    カベルゴリンXII型を分離する工程
    を含む、請求項28に記載のカベルゴリンXII型を調製する方法。
  31. 約9.5,11.2,12.4,13.3,15.4,16.8,17.7,18.6,19.2,20.7,24.0,25.7,26.1,26.7,27.4,28.8,30.0,及び33.1±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折図形(室温でCoKα放射線使用、対称P212121、150Kで測定した単位格子パラメータ a=12.8,b=12.9,c=19.2Å、及び化学組成はカベルゴリン:p-キシレン=約1:1)の群から選択されるデータを特徴とする、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物XVI型。
  32. 図6に示す粉末X線回折図形を有する、請求項31に記載の結晶性カベルゴリン・p-キシレン溶媒和化合物XVI型。
  33. p-キシレンを含有する混合溶媒のカベルゴリン溶液を調製する工程、
    カベルゴリンXVI型を沈殿させるために前記溶液を約-10℃に冷却する工程、及び
    カベルゴリンXVI型を分離する工程
    を含む、請求項31に記載のカベルゴリンXVI型を調製する方法。
  34. 約9.4,12.2,15.3,16.6,17.4,17.8,18.3,19.0,20.5,23.8,24.2,26.7,27.1,及び27.5±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折図形(室温でCoKα放射線使用、対称P212121、150Kで測定した単位格子パラメータ a=12.9,b=13.1,c=19.1Å、及び化学組成はカベルゴリン:1,2,4-トリメチルベンゼン=約1:1)の群から選択されるデータを特徴とする、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物XVII型。
  35. 図7に示す粉末X線回折図形を有する、請求項34に記載の結晶性カベルゴリン・1,2,4-トリメチルベンゼン溶媒和化合物XVII型。
  36. 1,2,4-トリメチルベンゼンの、あるいは1,2,4-トリメチルベンゼンを含有する混合溶媒のカベルゴリン溶液を調製する工程、
    カベルゴリンXVII型を沈殿させるために前記溶液を約-10℃に冷却する工程、及び
    カベルゴリンXVII型を分離する工程
    を含む、請求項34に記載のカベルゴリン・1,2,4-トリメチルベンゼン溶媒和化合物XVII型を調製する方法。
  37. 8.7,9.1,12.3,13.3,17.0,17.4,19.1,19.2,19.7,20.0,21.8,22.5,24.1,27.0,27.3,28.5,及び30.8 ±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折図形(室温でCoKα放射線使用、及び化学組成はカベルゴリン:エチルベンゼン=約1:1)の群から選択されるデータを特徴とする、結晶性カベルゴリン溶媒和化合物XVIII型。
  38. 図8に示す粉末X線回折図形を有する、請求項37に記載の結晶性カベルゴリン・エチルベンゼン溶媒和化合物XVIII型。
  39. エチルベンゼンの、あるいはエチルベンゼンを含有する混合溶媒のカベルゴリン溶液を調製する工程、
    前記溶液を-10℃未満に冷却する工程、
    カベルゴリンXVIII型を沈殿させるためにカベルゴリンI型のシードを添加する工程、及び
    カベルゴリンXVIII型を分離する工程
    を含む、請求項37に記載のカベルゴリン・エチルベンゼン溶媒和化合物XVIII型を調製する方法。
  40. 減圧下で溶媒を除去することを含む、請求項17に記載したアルキル芳香族溶媒とカベルゴリンの溶媒和化合物を、脱溶媒和する方法。
  41. カベルゴリン溶媒和化合物不溶性溶媒中にカベルゴリン溶媒和化合物が含まれてなる懸濁液を撹拌することを含む、請求項17に記載したアルキル芳香族溶媒とカベルゴリンの溶媒和化合物を、脱溶媒和する方法。
  42. カベルゴリン溶媒和化合物不溶性の前記溶媒が、脂肪族あるいは環状の炭化水素及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項41に記載の方法。
  43. カベルゴリン溶媒和化合物不溶性の前記溶媒が、ペンタン、ヘキサンあるいはヘプタンである、請求項42に記載の方法。
  44. 請求項17に記載のカベルゴリン・アルキル芳香族溶媒和化合物として化学合成によって調製された、粗製非晶質カベルゴリンを結晶化することを含む、カベルゴリンの精製方法。
  45. 請求項19に記載のカベルゴリン・p-キシレン溶媒和化合物XI型を調製すること、及び
    それを脱溶媒和して、結晶性カベルゴリンI型とすること
    を含む、結晶性カベルゴリンI型の生成方法。
  46. 前記溶媒和化合物を60℃未満の温度で高真空下乾燥することを含む、請求項45に記載の、カベルゴリン・p-キシレン溶媒和化合物XI型の脱溶媒和方法。
  47. 前記溶媒和化合物を、30℃未満の温度で、脂肪族炭化水素の懸濁液中に混合することを含む、請求項45に記載のカベルゴリン・p-キシレン溶媒和化合物XI型の脱溶媒和方法。
  48. 前記脂肪族炭化水素が、ペンタン、ヘキサンあるいはヘプタンまたはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項47に記載の方法。
  49. カベルゴリン可溶性溶媒にカベルゴリン溶媒和化合物を溶解する工程、及び
    前記溶液を蒸発して乾燥させる工程
    を含む、非晶質カベルゴリンの調製方法。
  50. 前記溶媒が、揮発性のエーテル、ケトン及びエステル、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項49に記載の方法。
  51. 前記溶媒が、アセトンあるいはアセトンとジエチルエーテルの混合物である、請求項50に記載の方法。
  52. カベルゴリン溶媒和化合物をカベルゴリン可溶性溶媒に溶解する工程、
    前記溶液を凍結して固体物質にする工程、及び
    減圧下凍結乾燥によって揮発性溶媒を蒸発させる工程
    を含む、非晶質カベルゴリンの調製方法。
  53. 前記溶媒が、-80℃から30℃の範囲に融点を有する溶媒、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項52に記載の方法。
  54. 前記溶媒が、1,4-ジオキサンあるいはtert-ブチルアルコールである、請求項53に記載の方法。
  55. カベルゴリン溶媒和化合物をカベルゴリン可溶性溶媒に溶解する工程、及び
    減圧下前記溶媒を蒸発する工程
    を含む、キャリアーを用いて非晶質カベルゴリンの粉薬を調製する方法。
  56. 前記溶媒が、揮発性のエーテル、ケトン及びエステル、あるいはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項55に記載の方法。
  57. 前記溶媒が、アセトンあるいはアセトンとジエチルエーテルの混合物である、請求項56に記載の方法。
  58. 前記キャリアーが、微結晶性セルロース、デンプン、マンニトールあるいは乳糖またはそれらの混合物である、請求項55に記載の方法。
  59. 薬学的有効量のVIII,XIV,XV,IX,XI,XII,XVI,XVII及びXVIII型からなる群から選択される結晶性カベルゴリン溶媒和化合物、及び
    薬学的に許容される賦形剤
    とを含有する、医薬組成物。
  60. 薬学的有効量の、請求項49,52あるいは55に記載の非晶質カベルゴリン、及び薬学的に許容される賦形剤を含有する、医薬組成物。
  61. 治療を必要とする患者に、請求項59あるいは60に記載の医薬組成物を投与することを含む、ヒトを含む哺乳類の高プロラクチン血症あるいはパーキンソン症を治療する方法。
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