以下、本発明を具体化した実施形態について2つの実施例を用いて説明する。なお、第1実施例は、レンズシートとしてのレンチキュラーシートの裏面範囲に印刷面を形成し、この印刷面に視差画像を印刷することで立体画像が観賞できる印刷媒体についての実施例であり、第2実施例は、レンズシートとしてのレンチキュラーシートの裏面範囲以外に印刷面を形成し、この印刷面に視差画像を印刷後、レンチキュラーシートの裏面範囲に重ねることで立体画像が観賞できる印刷媒体についての実施例である。
(第1実施例)
本発明の第1実施例となる印刷媒体10について、図1を用いて説明する。図1は、印刷媒体10の構成要素を模式的に示した説明図である。印刷媒体10は、第1のレンチキュラーシート11、第2のレンチキュラーシート12、基材30、インク吸収層40、インク透過層45、インク吸収層50、およびインク透過層55から構成されている。
インク吸収層40は、第1のレンチキュラーシート11の裏面範囲に相当する面積領域を単位領域としたとき、基材30の裏面(図面下側)であってこの単位領域を有する第1の印刷面として形成されている。従って、第1の印刷面は第1のレンチキュラーシート11と平面的に重なることになる。また、インク吸収層50は、第2のレンチキュラーシート12の裏面範囲に相当する面積領域を単位領域としたとき、同じく基材30の裏面(図面下側)であってこの単位領域を有する第2の印刷面として形成されている。従って、第2の印刷面は第2のレンチキュラーシート12と平面的に重なることになる。
第1のレンチキュラーシート11の表面(図面上側)には複数の円筒状の凸レンズ11Lが形成され、同じく第2のレンチキュラーシート12の表面には複数の円筒状の凸レンズ12Lが形成されている。本実施例では、各凸レンズの円筒軸方向は、矩形形状を有する第1のレンチキュラーシート11および第2のレンチキュラーシート12の長辺と平行であるものとする。また、説明の簡略化のため各レンチキュラーシートは6つの円筒状の凸レンズから構成されているものとして以降説明する。もとより、第1のレンチキュラーシート11または第2のレンチキュラーシート12は、凸レンズ11Lまたは凸レンズ12Lのピッチが10〜180LPI(Lens Per Inch)であるものが通常多く用いられ、実際にはこれらに相当する本数の凸レンズが存在したものである。従って、凸レンズの円筒軸方向や本数については、それぞれのレンチキュラーシートにおいて異なっていてもよい。
また、図1に示した印刷媒体10の各構成要素は、説明の都合上相当の厚さを有して図示されているが、実際には、レンチキュラーシートは概ね厚さが数百ミクロンから数ミリメートル程度、その他はそれぞれ概ね厚さが数十ミクロンから数百ミクロン程度のシート状(薄板状)に形成されている。
次に印刷媒体10を構成するこれらの各構成要素について具体的に順次説明する。その後、印刷媒体10に視差画像を印刷する様子と、両面が立体画像を観賞できる印刷媒体に作成される様子を説明する。
第1のレンチキュラーシート11は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)、APET、PP、PS、PVC、アクリル、UV、PC(ポリカーボネイト)樹脂やPMMA(メタクリル)樹脂など、レンズとして用いることができる透明な樹脂材料から形成され、その裏面(図面下側)部分全体が基材30と固着されている。固着方法は、基材30の材料に応じて、溶着や接着など周知の方法を用いて行われるが、第1のレンチキュラーシート11と基材30が透明性を保って固着できる方法であれば何でもよい。
第2のレンチキュラーシート12は、第1のレンチキュラーシート11と同じ材料から形成され、同じく第1のレンチキュラーシート11と同様な固着方法によって、その裏面(図面下側)部分全体が基材30と固着されている。また、第2のレンチキュラーシート12は、第1のレンチキュラーシート11と同じ大きさの矩形形状を有している。
基材30は、透明性を有する材料から薄板状に形成され、例えばPETG樹脂などが用いられる。もとより、通常のPET樹脂などを用いてもよく、後述する第1の印刷面および第2の印刷面に形成される視差画像を、第1のレンチキュラーシート11および第2のレンチキュラーシート12を介して観賞できるような透明性を有し、同じく後述する折り目から折り曲げが可能な材料であれば何でも良い。
また、基材30は、図1に示したように、第1のレンチキュラーシート11(または第2のレンチキュラーシート12)の裏面範囲に相当する面積領域を単位領域としたとき、それぞれが隣接部R1で隣接する2つの単位領域を有している。従って、隣接部R1を基準にして基材30を折り曲げると、2つの単位領域同士が重なり、この結果、第1のレンチキュラーシート11の裏面と第2のレンチキュラーシート12の裏面とが重なることになる。
第1のレンチキュラーシート11との固着側とは反対側となる基材30の裏面(図面下側)に形成されるインク吸収層40は、各凸レンズ11Lに対する第1の視差画像が形成される構成要素であり、第1の視差画像がインクの吐出による印刷によって行われたとき、吐出されたインクを吸収し、吐出された位置にインクを固着させるためのものである。このインク吸収層40によって、各凸レンズ11Lに対応する位置に第1の視差画像を安定して形成することができ、立体画像を適切に形成することができるのである。このインク吸収層40は、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)等の親水性ポリマー樹脂、カチオン化合物、シリカ等の微粒子などを材料として形成されている。
インク吸収層40のさらに裏面に形成されるインク透過層45は、吐出されたインクが最初に付着し、その後付着したインクが透過していくように構成されている。つまり、インクを適切にインク吸収層40に移すとともに、インクを残さないようにすることで、インク透過層45が第1の視差画像に対する下地として機能するようにしているのである。このインク透過層45は、例えば、酸化チタン、シリカゲル、PMMA(メタクリル樹脂)、バインダ樹脂、硫酸バリウム、ガラスファイバ、プラスチックファイバ等を材料として形成され、下地として好適な色(白色など)を呈するようになっている。
第2のレンチキュラーシート12との固着側とは反対側となる基材30の裏面(図面下側)に形成されるインク吸収層50は、各凸レンズ12Lに対する第2の視差画像が形成される構成要素であり、第2の視差画像がインクの吐出による印刷によって行われたとき、吐出されたインクを吸収し、吐出された位置にインクを固着させるためのものである。このインク吸収層50によって、各凸レンズ12Lに対応する位置に第2の視差画像を安定して形成することができ、立体画像を適切に形成することができるのである。このインク吸収層50は、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)等の親水性ポリマー樹脂、カチオン化合物、シリカ等の微粒子などを材料として形成されている。
インク吸収層50のさらに裏面に形成されるインク透過層55は、吐出されたインクが最初に付着し、その後付着したインクが透過していくように構成されている。つまり、インクを適切にインク吸収層50に移すとともに、インクを残さないようにすることで、インク透過層55が第2の視差画像に対する下地として機能するようにしているのである。このインク透過層55は、例えば、酸化チタン、シリカゲル、PMMA(メタクリル樹脂)、バインダ樹脂、硫酸バリウム、ガラスファイバ、プラスチックファイバ等を材料として形成され、下地として好適な色(白色など)を呈するようになっている。
次に、第1の印刷面と第2の印刷面への印刷について、図2を用いて説明する。図2(a)は印刷媒体10を側面方向から見た模式図であり、図2(b)はそれを上面方向から見た模式図である。本実施例では、印刷ヘッドを有するキャリッジを走査し、この印刷ヘッドからインクを吐出して印刷する方式のプリンタによって、第1の視差画像と第2の視差画像、および後述する折り目を印刷媒体に印刷するものとして説明する。もとより、キャリッジを走査する方式のプリンタであればインクを吐出する方式以外(例えば感熱方式など)のプリンタを用いて印刷するものとしてもよい。
図2(a)に示したように、印刷媒体10の図面上側には、プリンタの印刷ヘッド(図示せず)を備えたキャリッジ90が配置され、図中矢印で示したように、キャリッジ90が図面左右方向に走査されることによって印刷媒体への印刷が行われる。もとより、印刷媒体10は、ローラーなど図示しないプリンタの搬送手段によって図面手前から奥の方向に搬送され、印刷媒体10の全体領域に印刷が行われるのである。
印刷媒体10における第1のレンチキュラーシート11および第2のレンチキュラーシート12の図面下側には発光面99が配置されている。一方キャリッジ90には検出手段91が設けられ、この発光面99から発せられ、凸レンズ11L(凸レンズ12L)および基材30、インク吸収層40(インク吸収層50)、インク透過層45(インク透過層55)を透過した透過光92を検出する。この透過光92は、凸レンズの厚みの変化に基づいて光量変化が生じることから、検出手段91は、キャリッジ走査(図中矢印)に合わせて生じる透過光の光量変化を検出して、第1のレンチキュラーシート11における各凸レンズ11L、および第2のレンチキュラーシート12における各凸レンズ12Lのピッチを検出する。
検出範囲は、第1のレンチキュラーシート11および第2のレンチキュラーシート12が存在する範囲全体であり、図2(b)の左側において矢印で示した範囲Aでは、キャリッジ90の走査に伴って各凸レンズ11Lのピッチ検出走査を行う。また、図2(b)の右側において矢印で示した範囲Bでは、キャリッジ90の走査に伴って各凸レンズ12Lのピッチ検出走査を行う。そして、検出した結果を、所定の処理を行い、例えばプリンタに内蔵された記憶手段に記憶することで、各レンチキュラーシートにおける各凸レンズのピッチ情報を、それぞれの視差画像の印刷に先んじて記憶する。
そして、図2(a)の中央において破線で示したように、キャリッジ90が第1印刷面上を走査するとき、既に記憶手段に記憶されている凸レンズ11Lのピッチ情報を読み出し、読み出したピッチ情報に基づいて、各凸レンズ11Lに対応する所定の位置に、キャリッジ90に備えられた印刷ヘッド(図示せず)からインク95を吐出して、インク透過層45の表面にインクを付着させ、第1の視差画像を印刷する。第1の視差画像印刷範囲を図2(b)の左側(網掛け部)に示した。こうして、第1の視差画像は各凸レンズ11Lに対して適切な位置に形成されるのである。
次に、図2(a)の右側において破線で示したように、第1の印刷面から第2の印刷面上にキャリッジ90の走査位置が移動し、キャリッジ90が第2印刷面上を走査するとき、同じく既に記憶手段に記憶されている凸レンズ12Lのピッチ情報を読み出し、読み出したピッチ情報に基づいて、各凸レンズ12Lに対応する所定の位置に、キャリッジ90に備えられた印刷ヘッド(図示せず)からインク95aを吐出して、インク透過層55の表面にインクを付着させ、第2の視差画像を印刷する。第2の視差画像印刷範囲を図2(b)の右側(網掛け部以外)に示した。こうして、第2の視差画像は各凸レンズ11Lに対して適切な位置に形成されるのである。
本実施例では、キャリッジ90に備えた印刷ヘッドから、第1の視差画像と第2の視差画像にそれぞれ好適なインク95およびインク95aを吐出可能であるものとする。例えば、第1の視差画像がカラー画像で、第2の視差画像がモノクロ画像であれば、第1の視差画像印刷範囲ではカラーインクを、第2の視差画像印刷範囲では黒インクを吐出可能とする。こうすれば、キャリッジ90の走査によって同時に印刷することが可能となる。もとより、インク95とインク95aを同じインクとしてもよい。
次に、折り目の形成について説明する。本実施例では、図2(b)に示したように、キャリッジ90の視差画像の印刷走査において、第1の視差画像印刷範囲の右端もしくは第2の視差画像印刷範囲の左端、つまり図1において説明した隣接部R1に対応する位置に折り目T1を印刷する。従って、当該位置において、キャリッジ90の印刷ヘッドからインクを吐出することによって、インク透過層45もしくはインク透過層55の表面にインクを付着させ、折り目T1を印刷する。もとより、折り目の形成を、基材30に設けてもよい。基材30に形成する折り目については、後述する第2実施例で説明する。
このとき、印刷された折り目T1は、視差画像の端の部分に位置することになることから、折り目T1を印刷するインクに、視差画像との区別が容易な視認性が高い色(例えば黒色など)のインクを用いるとよい。
また、図2(b)では、印刷された折り目T1を、一例として上下それぞれ1個のドットで示したが、もとより、作成者が視認できる程度の太さを有する破線や実線としてもよい。また隣接部R1の全体に印刷することとしてもよいし、一部のみ印刷することとしてもよい。なお、次に説明する図3において、隣接部R1では、基材30を折り曲げる方向が谷折になることから、図2(b)に示したように、折り目T1は谷折線(破線)としてもよい。こうすれば、折り目の位置に加えて曲げ方向についても視認性を高めることができる。
それでは次に、基材30を折り曲げて第1のレンチキュラーシート11と第2のレンチキュラーシート12とを重ねて接着する様子を、図3を用いて説明する。図3は、本実施例における印刷媒体10を側面方向から見た模式図である。
図3(a)に示したように、印刷媒体10には、いずれも基材30の裏面側(図面下側)であって、第1の印刷面に「第1の視差画像」が印刷され、第2の印刷面に「第2の視差画像」が印刷されているものとする。このとき、図中太い矢印で示したように、各視差画像は、基材30を介在して各レンチキュラーシート側からから視認できる状態となる。また、同じく印刷媒体10の裏面には、隣接部R1に相当する位置に「折り目T1」が形成されている。
次に、図3(a)に示したように、折り目T1を基準として、基材30を折り曲げる。つまり、図中矢印で示した折り曲げ方向に第2の印刷面を曲げ込むことで、第1の印刷面と第2の印刷面とを貼り合わせる。このとき、接着層SZを追加形成し、この接着層SZによって貼り合わせるとよい。接着層SZは、第1の印刷面と第2の印刷面とを貼り合わせる前に、図示したように、少なくとも第2の印刷面(または第1の印刷面)に作業者が接着剤を塗布したり、両面粘着テープを貼り付けたりすることによって形成される。
貼り合わせ後の状態を図3(b)に示す。図3(b)にて太い矢印で示したように、図面上側からは第1の視差画像による立体画像が、図面下側からは、第2の視差画像による立体画像が視認できる状態となる。こうして、印刷媒体10は、両面にて立体画像を観賞できる状態に作成される。
以上説明したように、第1実施例における印刷媒体10は、折り目T1を基準にして基材30を折り曲げることによって、第1のレンチキュラーシート11の裏面と、第2のレンチキュラーシート12の裏面とを容易に貼り合わせることができる。また、基材30を、折り目T1を基準に折り曲げることで、位置精度良く貼り合わせることができ、2枚のレンチキュラーシートの位置ズレを抑制することができる。従って、2枚のレンチキュラーシートについて、位置合わせを行いながら貼り付けるというような面倒な作業を行うことなく、作成者は、容易に立体画像が両面で観賞できる印刷媒体を作成することが可能となる。
また、第1実施例に示した印刷媒体10(図1参照)によれば、基材30について、いずれも各レンチキュラーシートとの固着側と反対側に設けられた第1の印刷面と第2の印刷面とに、第1の視差画像と第2の視差画像とをそれぞれ印刷する。従って、一つの面に対する印刷つまり片面印刷によって2つの視差画像を同時に印刷することが可能となり、印刷媒体を裏返す作業が不要である。
また、凸レンズ11Lおよび凸レンズ12Lのピッチ情報を、それぞれの視差画像の印刷に先んじて検出し、検出したピッチ情報に基づいてそれぞれの視差画像を印刷するので、各凸レンズの位置に合わせた適切な位置に視差画像を印刷することができる。さらに、一つの面に対する印刷つまり片面印刷によって、ピッチ情報の検出と、各凸レンズの位置に合わせた適切な位置への視差画像の印刷とを、同時に行うことも可能である。
ここで、第1実施例について、本発明の趣旨を逸脱しない技術範囲で異なる態様で実施できることは勿論である。以下第1実施例についての変形例を挙げて説明する。
(第1変形例)
第1実施例では、作成者が第1の印刷面と第2の印刷面とを貼り合わせる前に、第2の印刷面に接着剤を塗布したり、両面粘着テープを貼り付けたりして接着層SZを形成した。従って、作成者は別途接着層を形成するといった作業が必要であった。そこで、第1変形例として、第1の印刷面の一部もしく第2印刷面の一部に、予め接着層を形成しておくこととしてもよい。こうすれば、接着剤等を塗布して接着層を別途形成する必要がなく、貼り付け作業が容易となる。
第1変形例を図4(a)に示した。本変形例では、図示したように、第2の印刷面の図面右端の一部について、印刷面を形成せず、基材30の裏面に接着層SZBを形成する。このように接着層SZBを形成することで、折り目T1を基準に基材30を折り曲げると、接着剤SZBによって、第1の印刷面と第2の印刷面とが容易に貼り付けられる。従って、両面が第1のレンチキュラーシート11と第2のレンチキュラーシート12となる印刷媒体が容易な作業で作成できることになる。
接着層SZBは、第1の印刷面と第2の印刷面とが剥がれることなく接着できる接着力を有するように材料と平面形状を定めておくことが好ましい。接着層SZBの材料は、エポキシ系やアクリル系、あるいはシアノアクリレート系の接着剤などとしてもよいし、両面粘着テープとしてもよい。もとより、基材30とインク透過層45とが接着できる材料であれば何でもよい。
(第2変形例)
あるいは、第2の印刷面の一部に接着層を形成すると、第2のレンチキュラーシート12全体に対応する視差画像を印刷することができないことから、第2変形例として、基材30に、さらに1つの単位領域を設け、設けた単位領域の両面に接着層を形成することとしてもよい。こうすれば、第2の印刷面全体に視差画像を印刷できるとともに、視差画像を印刷後の印刷面へ別途接着層を形成することなく、第1の印刷面と第2の印刷面とを容易に貼り付けることができる。従って、両面全面にて立体画像を観賞できる印刷媒体が容易に作成可能となる。
第2変形例を図4(b)に示した。本変形例では、図示したように、基材30について、第2の印刷面の右側に隣接部R2にて隣接する1個の単位領域をさらに形成し、この単位領域の両面にそれぞれ接着層61と接着層62を形成する。そして、隣接部R2を基準として、この単位領域を図示した矢印の方向に折り曲げると、接着層62によって単位領域の基材部分と第2の印刷面が貼り付き、その結果、接着層61が第2の印刷面の裏面位置に形成されることになる。これは、図3(a)に示した第1実施例の印刷媒体において、接着層SZが接着層61に置き換わった状態と同じ状態である。従って、視差画像の印刷後に接着層を別途印刷面に形成することなく、図3(b)に示した両面全面にて立体画像を観賞できる印刷媒体を、容易に作成することができる。
なお、本変形例では、両面に接着層を形成する基材部分の大きさを単位領域の大きさとしたが、特にこれに限るものではなく、単位領域よりも小さい領域であっても差し支えない。
(第3変形例)
あるいは、第3変形例として、両面に接着層を形成した単位領域の基材部分を、第1のレンチキュラーシート11と第2のレンチキュラーシート12との間に形成することとしてもよい。こうすれば、基材の折り曲げ方向が交互になることから、各単位領域の大きさに誤差があっても、基材を折り曲げる際に、必ず隣接部の位置で折り曲げることができる。従って、各単位領域を折り曲げて重ねたとき、単位領域間の位置ズレを抑制できる。
第3変形例を図4(c)に示した。本変形例では、図示したように、基材30について、まず表面に第1のレンチキュラーシート11を固着し、裏面に第1の印刷面を形成する。そして第1のレンチキュラーシート11の右側に隣接部R1にて隣接する1個の単位領域を形成し、この単位領域の両面にそれぞれ接着層61と接着層62を形成する。さらに、隣接部R2にて隣接する基材30の単位領域について、表面に第2の印刷面を形成し、裏面に第2のレンチキュラーシート12を固着する。つまり、第1のレンチキュラーシート11は基材30の表面側に固着され、第2のレンチキュラーシート12は基材30の裏面側に固着される。
このような第3変形例の印刷媒体において、視差画像を印刷する場合は、第1の視差画像または第2の視差画像のいずれか一方を印刷した後、印刷媒体を裏返して他方を印刷する。視差画像の印刷方法は図2で説明した方法と同様であり、説明は省略する。なお、印各刷面への印刷時に、隣接部R1に相当する位置に折り目T1を、また隣接部R2に相当する位置に折り目T2を印刷する。
そして、折り目T2を基準として、第2のレンチキュラーシート12を図示した矢印の方向(反時計周り)に折り曲げると、接着層62によって単位領域の基材部分と第2の印刷面が貼り付く。これは、図3(a)に示した第1実施例の印刷媒体の状態と同じ状態である。従って、次に折り目T1を基準にして、図示した矢印の方向(時計周り)に折り曲げれば、図3(b)に示した両面全面にて立体画像を観賞できる印刷媒体を、容易に作成することができる。
(第2実施例)
では次に、レンズシートの裏面範囲以外に印刷面を形成し、この印刷面に視差画像を印刷後、印刷面をレンズシートの裏面範囲に重ねることで立体画像が観賞できる印刷媒体の一例となる本発明の第2実施例について、図5を用いて説明する。
図5(a)は、第2実施例の印刷媒体100について、その構成要素を側面方向から見た状態で模式的に示した説明図である。印刷媒体100は、複数の円筒状の凸レンズが表面(図面上側)に形成された矩形形状をそれぞれ有する第1のレンチキュラーシート11と第2のレンチキュラーシート12、基材30、インク吸収層40、インク吸収層50、および接着層65から構成されている。
図5(a)に示した第2実施例の印刷媒体100を構成する各構成要素について説明する。なお、図1に示した第1実施例の印刷媒体10の各構成要素と同じ構成要素であるものについては同じ符号で記した。従って、符号が同じ構成要素については既に第1実施例において説明しているので、ここでは説明を省略し、異なる構成要素についての説明と、第1実施例との違いについて詳述することとする。
基材30は図示するように、隣接部R1、隣接部R2、隣接部R3でそれぞれ隣接する4つの単位領域を形成している。従って、隣接部R3と隣接部R2と隣接部R1とを基準にして基材30を順次折り曲げたとき、印刷媒体100は第1のレンチキュラーシート11の裏面範囲全体と重なる形状を有する。
図面左端の単位領域表面には第1のレンチキュラーシート11が固着され、これと隣接部R1において隣接する右側の単位領域には、第2のレンチキュラーシート12が同じく表面側に固着されている。さらに、隣接部R2において隣接する右側の単位領域には、基材30の表面にインク吸収層40が形成され、さらに、隣接部R3において隣接する右端の単位領域には、同じく基材30の表面にインク吸収層50が形成されている。前述したように、インク吸収層40は第1の印刷面として、インク吸収層50は第2の印刷面として形成され、それぞれ第1の視差画像と第2の視差画像が印刷される印刷面となる。印刷面に印刷される各視差画像は、印刷面の表面方向つまり基材30の表面方向(図中太い矢印)からそれぞれ視認できる状態で印刷される。従って、第2実施例では、第1実施例で説明したインク透過層は不要であるため形成しない。
接着層65は、基材30の裏面全面に形成され、単位領域同士をそれぞれ重ねて貼り付けるための接着層として機能する。このため、接着層65は、インク吸収層40と基材30とを、あるいはインク吸収層50と基材30とを貼り付けることが可能な接着力を有する材料によって形成する。例えば、エポキシ系やアクリル系、あるいはシアノアクリレート系の接着剤などを材料として形成してもよい。もとより、インク吸収層40あるいはインク吸収層50と基材30とが接着ができる材料であれば何でもよい。
また、接着層65は、後述するように、各レンチキュラーシートと、視差画像が印刷された各インク吸収層との間に介在することになることから、各インク吸収層と基材30とが貼り付けられたとき、各レンチキュラーシートの表面方向から視差画像が視認できる程度に透明な材料から形成されることが好ましい。なお、単位領域同士が接着できるように形成できれば、裏面全面に形成しなくてもよい。ちなみに図5(a)の場合では、第1の印刷面が形成された単位領域の裏面側、もしくは第2の印刷面が形成された単位領域の裏面側のどちらか一方の基材面に接着層が形成されていればよい。
また、本実施例では接着層65の表面に剥離シートを設けていないが、接着層65が汚れるなどによって接着力が劣化することが想定されるような場合は、接着層65を保護するための剥離シートを設けるようにしてもよい。もとより、剥離シートは、単位領域同士を接着する際に、接着に先んじて接着層65から剥離される。従って、接着層65から剥離できる材料であれば、樹脂材料でも紙でも何でもよい。
次に、視差画像の印刷について、図5(b)を用いて説明する。図5(b)は印刷媒体100を側面方向から見た模式図である。第1実施例と同様に、印刷ヘッドを有するキャリッジを走査し、この印刷ヘッドからインクを吐出して印刷する方式のプリンタによって、視差画像を印刷面に印刷するものとする。もとより、キャリッジを走査する方式のプリンタであればインクを吐出する方式以外のプリンタ(例えば感熱方式など)を用いて印刷するものとしてもよい。
図5(b)に示したように、印刷媒体100の図面上側には、プリンタの印刷ヘッド(図示せず)を備えたキャリッジ90aが配置され、キャリッジ90aが図面左右方向に走査されることによって、各レンチキュラーシートの表面に形成された各凸レンズのピッチを検出するとともに、印刷媒体に形成された印刷面への印刷が行われる。もとより、印刷媒体100は、ローラーなど図示しないプリンタの搬送手段によって図面手前から奥の方向に搬送され、印刷媒体100の全体領域に対して印刷が行われる。
さて、第2実施例では、図5(b)に示したように、キャリッジ90aには、反射光93を利用して各凸レンズのピッチを検出するための検出手段91aが備えられ、キャリッジ90aの走査に合わせて各凸レンズ11Lおよび各凸レンズ12Lのピッチを検出する。ピッチ検出範囲は、第1のレンチキュラーシート11と第2のレンチキュラーシート12とが存在する範囲であり、この範囲において、図5(b)の左側に矢印で示したように、キャリッジ90aの走査に伴ってピッチ検出走査を行う。そして、検出した結果を、所定の処理を行い、例えばプリンタに内蔵された記憶手段に記憶することで、第1のレンチキュラーシート11における各凸レンズ11Lのピッチ情報と、第2のレンチキュラーシート12における各凸レンズ12Lのピッチ情報とを記憶する。
そして、図5(b)の右側にて破線で示したように、まず、ピッチ検出走査範囲から第1の印刷面上にキャリッジ90aの走査位置が移動すると、視差画像の印刷に先んじて記憶されている各凸レンズ11Lのピッチ情報を読み出し、読み出したピッチ情報に基づいて、キャリッジ90aに備えられた印刷ヘッド(図示せず)からインク95を吐出して第1の視差画像を印刷する。次に、キャリッジ90aの操作位置が第2の印刷面上に移動すると、記憶されている各凸レンズ12Lのピッチ情報を読み出し、読み出したピッチ情報に基づいて、キャリッジ90aに備えられた印刷ヘッド(図示せず)からインク95aを吐出して第2の視差画像を印刷する。
本実施例では、キャリッジ90aに備えた印刷ヘッドから、第1実施例と同様、それぞれの視差画像に好適なインク95およびインク95aを吐出可能であるものとする。そして、第1の視差画像の印刷ではインク95を、第2の視差画像の印刷ではインク95aをそれぞれ用いる。こうすることによって、2つの視差画像を、キャリッジ90aの走査によって同時に印刷することが可能となる。
このように、各凸レンズのピッチ情報に基づいて、各凸レンズに対応する右目用と左目用の視差画像を印刷することによって、第1のレンチキュラーシート11および第2のレンチキュラーシート12に対応した適切な位置に第1の視差画像と第2の視差画像が形成される。その後、基材30を各隣接部を基準にして順次折り曲げることによって、第2の視差画像が第2のレンチキュラーシート12の裏面側の適切な位置に、第1の視差画像が第1のレンチキュラーシート11の裏面側の適切な位置に貼り付けられ、両面にて立体画像を観賞することができる印刷媒体が作成されるのである。
それでは、次に、印刷媒体100を折り曲げて、両面にて立体画像を観賞できる印刷媒体に作成する様子を、図6を用いて説明する。
図6は、本実施例における印刷媒体100を側面方向から見た模式図である。なお、基材30やインク吸収層40など印刷媒体100を構成する各構成要素は、前述したように概ね厚さが数十ミクロンから数百ミクロンのシート状(薄板状)に形成されていることから、図6では説明の簡略化のため基材30のみを一枚のシートとして図示した。
図6(a)に示したように、印刷媒体100には、いずれも基材30の表面側(図面上側)であって、第1の印刷面に第1の視差画像が印刷され、第2の印刷面に第2の視差画像が印刷されているものとする。このとき、前述したように、各視差画像は印刷面の表面方向つまり基材30の表面方向(図中太い矢印)からそれぞれ視認できる状態となる。また、基材30には、各隣接部R1、R2、R3それぞれに対応する位置に折り目T10、T20、T30がそれぞれ形成されている。
折り目は、前述した第1実施例では、図2に示したように、各隣接部に対応する位置において、印刷面に印刷して形成されるものとした。第2実施例では、基材30に所定の間隔で、図示しない切れ目(スリット)またはミシン目を設けることによって、折り目T10〜T30を形成することとする。こうすれば、基材30はスリットやミシン目の位置から容易に折れ曲がることになるため、作成者は折り目の位置を注意深く見極めることなく基材30を各隣接部の位置で折り曲げることが可能となる。もとより、印刷によって折り目を形成することとしてもよい。
なお、基材30に形成する折り目としては、これ以外に、予め基材30を折り曲げることによって形成した折り曲げ形状を折り目として形成することとしても良い。あるいは、例えばVカット溝のように、部分的に厚みを薄くすることによって折り目を形成することとしてもよい。もとより、容易に基材30を折り曲げることができ、各レンチキュラーシートの適切な裏面位置に視差画像を貼り合わせることができる折り目であれば、その他の方法で形成されたものでもよいことは言うまでもない。
図6(a)に戻り、まず折り目T30を基準として、基材30を折り曲げる。つまり、図中矢印で示した折り曲げ方向に第2の印刷面を曲げ込み、接着層65によって、第2印刷面の単位領域を第1の印刷面の裏面側の単位領域に貼り合わせる。貼り合わせ後の状態を図6(b)に示す。図6(b)にて太い矢印で示したように、第2の視差画像は第1の視差画像と反対方向、つまり基材30の裏面方向から視認できる状態となる。
次に、図6(b)に示したように、折り目T20を基準として、基材30を折り曲げる。つまり、図中矢印で示した折り曲げ方向に第2の印刷面を曲げ込み、接着層65によって、第2の印刷面を第2のレンチキュラーシート12の裏面範囲に貼り合わせる。貼り合わせ後の状態を図6(c)に示す。図6(c)にて太い矢印で示したように、第2の視差画像は第2のレンチキュラーシート12を介して視認できる状態となる。この結果、第2のレンチキュラーシート12によって第2の視差画像は立体画像として観賞できることになる。
次に、図6(c)に示したように、折り目T10を基準として、基材30を折り曲げる。つまり、図中矢印で示した折り曲げ方向に第1の印刷面を曲げ込み、接着層65によって、第1の印刷面を第1のレンチキュラーシート11の裏面範囲に貼り合わせる。貼り合わせ後の状態を図6(d)に示す。図6(d)にて太い矢印で示したように、第1の視差画像は第1のレンチキュラーシート11を介して視認する状態となる。この結果、第1のレンチキュラーシート11によって第1の視差画像は立体画像として観賞できることになる。
図6の説明から明らかなように、折り目T30〜T10を基準として基材30を順次折り曲げることによって、各視差画像は各レンチキュラーシートの裏面範囲に貼り付けられるのである。さらに、印刷媒体100は、図6(d)にて太い矢印で示したように、第1のレンチキュラーシート11の表面(図面上側)からは、第1のレンチキュラーシート11および基材30を介して第1の視差画像を視認することができ、第2のレンチキュラーシート12の表面(図面下側)からは、第2のレンチキュラーシート12および基材30を介して第2の視差画像を視認することができる状態となる。つまり、印刷媒体100は、両面にてそれぞれの視差画像による立体画像を観賞することができる状態となるのである。
また、図6で説明したように、本実施例における印刷媒体100は、折り目T30、T20、T10をそれぞれ基準にして、基材30を同じ方向に連続して折り曲げることによって、視差画像が印刷された各印刷面を各レンチキュラーシートの裏面側に容易に貼り合わせることができる。また、各折り目を基準に折り曲げることで、各レンチキュラーシートに形成された各凸レンズの位置に、視差画像を精度良く貼り付けることができる。従って、レンチキュラーシートとの位置合わせを行いながら、接着剤を用いて視差画像を貼り付けるというような面倒な作業を行うことなく、作成者は、両面にて立体画像が観賞できる印刷媒体を容易に作成することが可能となる。また、図5、図6の説明から明らかなように、第1の印刷面と第2の印刷面の表面には接着層を形成しないため、印刷された視差画像を汚したりして損傷させることも抑制できる。
また、第2実施例に示した印刷媒体100によれば、基材30について、いずれもレンチキュラーシートとの固着側と同じ側に設けられた第1の印刷面と第2の印刷面とに、第1の視差画像と第2の視差画像とをそれぞれ印刷する。従って、一つの面に対する印刷、つまり片面印刷によって2つの視差画像を同時に印刷することが可能となり、印刷媒体を裏返す作業が不要である。
また、凸レンズ11Lおよび凸レンズ12Lのピッチ情報を、それぞれの視差画像の印刷に先んじて検出し、検出したピッチ情報に基づいてそれぞれの視差画像を印刷するので、一つの面に対する印刷、つまり片面印刷によって、ピッチ情報の検出と、各凸レンズの位置に合わせた適切な位置への視差画像の印刷とを、同時に行うことも可能である。
ところで、各凸レンズのピッチ情報に基づいて形成された各視差画像は、図6の説明から明らかなように、2度左右が反転して折り曲げられ、各レンチキュラーシートの裏面側に貼り付けられる。このため、図6(b)において、各凸レンズの位置と、その凸レンズに対応する視差画像の位置とは、左右反転することなく同じ位置関係になる。従って、記憶された各凸レンズのピッチ情報を左右反転などの付加処理を行うことなく、記憶されたピッチ情報をそのまま読み出して用いることができる。
以上説明したように、第2実施例に示した印刷媒体100によれば、基材30について、どちらもレンチキュラーシートとの固着側と同じ側に設けられている第1の印刷面に第1の視差画像を、第2の印刷面に第2の視差画像をそれぞれ印刷することができる。従って、印刷媒体を裏返すことなく、一つの面に対する印刷、つまり片面印刷によって2つの視差画像を同時に印刷することが可能となる。また、一面に対するキャリッジ走査によって、各凸レンズのピッチ検出と視差画像の印刷を同時に行うことも可能となる。
また、キャリッジ走査時に各凸レンズのピッチ情報をレンズの反射光を用いることで精度よく読み取ることができ、また読み取ったピッチ情報をそのまま用いて各視差画像を印刷することができるので、各凸レンズに対して位置精度のよい視差画像を印刷することが可能となる。
また、基材30において、印刷面と反対の面に接着層65を形成し、折り目T30〜T10を基準として基材30を順次折り曲げれば、両面がそれぞれ第1のレンチキュラーシート11と第2のレンチキュラーシート12とになる状態(図6(d)参照)に貼り合わせることができる。従って、作成者は、視差画像が印刷された印刷面に、別途接着剤を用いて視差画像をレンチキュラーシートの裏面側に貼り付けるといった面倒な作業を行うことなく、また視差画像を損傷することなく、両面にて立体画像が観賞できる状態に容易に形成できる印刷媒体を提供することが可能である。
ここで、第2実施例の印刷媒体について、本発明の趣旨を逸脱しない技術範囲で、異なる態様で実施できることは勿論である。以下第2実施例についての変形例を挙げて説明する。
(第4変形例)
第2実施例では、2つの印刷面を、基材30においてレンチキュラーシートとの固着側と同じ側に形成したが、第4変形例として、レンチキュラーシートとの固着側と反対側に形成することとしてもよい。作成者が用いるプリンタが、第1実施例のように凸レンズの透過光を用いて検出するプリンタであった場合は、本変形例の印刷媒体によって、両面にて立体画像を観賞できる印刷媒体を作成することが可能となる。本変形例について、図7を用いて説明する。
図7(a)は、第4変形例の印刷媒体101について、その構成要素を側面方向から見た状態で模式的に示した説明図である。印刷媒体101は、第1のレンチキュラーシート11と第2のレンチキュラーシート12、基材30、インク吸収層40、インク吸収層50、および接着層65a、接着層65bから構成されている。なお、これらの構成要素について、図5に示した第2実施例の印刷媒体100の各構成要素と同じであるものについては同じ符号で記した。
基材30は図示するように、第2実施例と同様、隣接部R1、隣接部R2、隣接部R3でそれぞれ隣接する4つの単位領域を形成している。図面左端の単位領域表面には第1のレンチキュラーシート11が固着され、これと隣接部R1において隣接する右側の単位領域には、第2のレンチキュラーシート12が同じく表面側に固着されている。さらに、隣接部R2において隣接する右側の単位領域には、基材30の裏面にインク吸収層50が形成され、さらに、隣接部R3において隣接する右端の単位領域には、同じく基材30の裏面にインク吸収層40が形成されている。前述したように、インク吸収層50は第2の印刷面を、インク吸収層40は第1の印刷面を形成する。それぞれの印刷面には、第2の視差画像と第1の視差画像がそれぞれ印刷される。従って、本変形例は、印刷される第2の視差画像および第1の視差画像の視認方向は図中太い矢印で示したように、どちらも基材30の裏面方向となる。
接着層65aは、レンチキュラーシートの固着面と同じ側で基材30の表面に形成され、第1の印刷面が形成された面と反対側の基材30の面と、第2の印刷面が形成された面と反対側の基材30の面とを重ねて貼り付けるための接着層として機能する。このため、接着層65aは、基材30同士を貼り付けることが可能な接着力を有する材料によって形成する。また、第1の印刷面と第2の印刷面との間に介在することになることから、第1の視差画像と第2の視差画像に対する下地として機能することになる。このため接着層65aは、下地として好適な、不透明もしくは不透明に近い色(白色など)の材料で形成するとよい。
接着層65bは、レンチキュラーシートの固着側と反対側で、基材30の裏面に形成され、第1の印刷面と第2印刷面とをそれぞれ対応するレンチキュラーシートの裏面範囲に貼り付けるための接着層として機能する。このため、接着層65bは、インク吸収層40と基材30とを、あるいはインク吸収層50と基材30とを貼り付けることが可能な接着力を有する材料によって形成する。例えば、エポキシ系やアクリル系、あるいはシアノアクリレート系の接着剤などを材料として形成してもよい。もとより、インク吸収層40あるいはインク吸収層50と基材30とが接着ができる材料であれば何でもよい。また、接着層65bは、後述するように、各レンチキュラーシートと、視差画像が印刷された各インク吸収層との間に介在することになることから、各インク吸収層と基材30とが貼り付けられたとき、各レンチキュラーシートの表面方向から視差画像が視認できる程度に透明な材料から形成されることが好ましい。
本変形例の印刷媒体101の折り曲げ方について説明する。もとより、各隣接部には第2実施例と同様折り目が形成されている。第2実施例では、図6(a)にて説明したように、折り目T30を基準として時計周りの方向に折り曲げたが、本変形例では、まず、第1の印刷面が形成された基材部分を、折り目T30の位置で反時計周りの方向に折り曲げる。つまり、図7(a)中矢印で示した折り曲げ方向に第1の印刷面を曲げ込むことで、接着層65aによって、第1印刷面の単位領域を第2の印刷面の裏面側の単位領域に貼り合わせる。
このように貼り合わせると、第1の視差画像と第2の視差画像の位置は、図6(b)に示した第2実施例の印刷媒体100の折り曲げ状態と明らかに同じ状態になる。従って、以降、図7(a)にて矢印で示したように、折り目T20の位置で時計周りの方向に、続いて折り目T10の位置で同じく時計回りの方向に基材30を折り曲げると、図6(c)、(d)に示した状態と同じ状態で印刷媒体101が折り曲げられることになる。この結果、印刷媒体101は、図6(d)にて太い矢印で示したように、第1のレンチキュラーシート11の表面(図面上側)からは、第1のレンチキュラーシート11および基材30を介して第1の視差画像を視認することができ、第2のレンチキュラーシート12の表面(図面下側)からは、第2のレンチキュラーシート12および基材30を介して第2の視差画像を視認することができる状態となるのである。
次に、本変形例101の印刷媒体における視差画像の印刷について、図7(b)を用いて説明する。図7(b)は印刷媒体101を側面方向から見た模式図である。第1実施例と同様に、印刷媒体101における第1のレンチキュラーシート11および第2のレンチキュラーシート12の図面下側に配置された発光面99から発せられ、凸レンズ11L(凸レンズ12L)および基材30、接着層65bを透過した透過光92を、キャリッジ90に設けられた検出手段91で検出する。
こうして、図中矢印で示したピッチ検出走査範囲において、検出手段91は透過光の光量変化を検出し、第1のレンチキュラーシート11における各凸レンズ11L、および第2のレンチキュラーシート12における各凸レンズ12Lのピッチを検出する。そして、検出した結果を、所定の処理を行い、例えばプリンタに内蔵された記憶手段に記憶することで、各レンチキュラーシートの各凸レンズのピッチ情報を、それぞれの視差画像の印刷に先んじて記憶する。
ところで、第1実施例では、インク吸収層とインク透過層を透過した透過光を検出したが、これに対して、本変形例では接着層を透過した透過光を検出する。従って、凸レンズのピッチに応じて光量変化した透過光と検出手段91との間には基材と接着層のみが介在することから、透過光の光量が減少するなどといった透過光への影響が少なくなり、検出される各凸レンズのピッチ精度が向上することが期待できる。
そして、図7(b)の右側にて破線で示したように、まず、ピッチ検出走査範囲から第2の印刷面上にキャリッジ90の走査位置が移動すると、視差画像の印刷に先んじて記憶されている各凸レンズ12Lのピッチ情報を読み出し、読み出したピッチ情報に基づいて、キャリッジ90に備えられた印刷ヘッド(図示せず)からインク95aをインク吸収層50の表面に吐出して第2の視差画像を印刷する。次に、キャリッジ90の操作位置が第1の印刷面上に移動すると、記憶されている各凸レンズ11Lのピッチ情報を読み出し、読み出したピッチ情報に基づいて、キャリッジ90に備えられた印刷ヘッド(図示せず)からインク95をインク吸収層40の表面に吐出して第1の視差画像を印刷する。
このように、各凸レンズのピッチ情報に基づいて、各凸レンズに対応する右目用と左目用の視差画像を印刷することによって、第1のレンチキュラーシート11および第2のレンチキュラーシート12に対応した適切な位置に第1の視差画像と第2の視差画像が形成される。その後、基材30を各隣接部を基準にして順次折り曲げることによって、第2の視差画像が第2のレンチキュラーシート12の裏面側の適切な位置に、第1の視差画像が第1のレンチキュラーシート11の裏面側の適切な位置に貼り付けられ、両面にて立体画像を観賞することができる印刷媒体が作成されるのである。
(第5変形例)
また、第2実施例では、第1のレンチキュラーシート11と第2のレンチキュラーシート12とを、隣接する単位領域に固着した。このため、図6(d)に示したように、折り曲げ後の印刷媒体において、第1のレンチキュラーシート11が固着された部分の基材と第2のレンチキュラーシート12が固着された部分の基材との間に、印刷面が2層と基材が2層、それに接着層が4層介在することになる。このため、折り目T10の位置で基材30を折り曲げたとき、このように基材間に介在する複数の層に起因して、折り目T10の位置で適切に折り曲げることができず、その結果、視差画像と凸レンズの位置がズレてしまうことが起こり得る。
そこで、第5変形例として、第1のレンチキュラーシート11と第2のレンチキュラーシート12とを隣接して固着しないこととしてもよい。こうすれば、折り目T10はもとより、各折り目の位置で基材30を折り曲げたとき、基材間に介在する構成要素の層数を減らし、各折り目の位置で適切に基材30を折り曲げることが可能となる。本変形例について、図7(c)を用いて説明する。
図7(c)に示したように、本変形例の印刷媒体102は、第1のレンチキュラーシート11と第2のレンチキュラーシート12が、第1の印刷面と第2の印刷面を挟むように、それぞれ両端の単位領域に形成されている。そして、第1のレンチキュラーシート11の裏面側に第1の印刷面を接着するための接着層65cが、また、第2のレンチキュラーシート12の裏面側に第1の印刷面を接着するための接着層65dが、それぞれ基材30の裏面に形成されている。
このように構成要素が形成された本変形例の印刷媒体102において、図7(c)にて矢印で示した折り曲げ方向に従って、各折り目の位置で基材30を折り曲げると、折り曲げ後基材間に介在する構成要素は、接着層とインク吸収層、もしくは接着層と接着層の2層のみになる。従って、基材間に介在する構成要素が少ないことから、基材30を折り目T10の位置で適切に折り曲げることができ、その結果、視差画像を凸レンズの位置に対して精度良く貼り付けることが可能となる。
また、本変形例によれば、基材30を交互に折り曲げることから、各単位領域の形状誤差に起因して、各単位領域の大きさが異なる場合が生じても、総ての折り目の位置で基材を折り曲げることができる。従って、各単位領域を折り曲げて重ねたとき、各折り目の位置で適切に折り曲げることが出来るため、単位領域間の位置ズレを抑制できる。
(第6変形例)
上記第2実施例や第4、第5変形例では、印刷媒体を裏返すことなく一面の印刷処理で2つの視差画像を印刷できるように、第1の印刷面と第2の印刷面とをいずれも基材の表面に隣接して形成した。第6変形例では、第1の印刷面と第2の印刷面とを、基材の一つの単位領域の両面にそれぞれ形成することとする。こうすることによって、2つの視差画像を印刷するために印刷媒体を裏返す作業が増えるものの、基材の単位領域を4個から3個に減少することから、基材の面積が小さくなり、基材の材料コストを低減できる。また、基材の折り曲げ回数も2回で済むことから折り曲げについての作業負荷を軽減できる。
本変形例の印刷媒体103を図8(a)に示した。図示したように、基材30の右端の単位領域であって、基材表面(図面上側)に第1の印刷面、基材裏面に第2の印刷面が形成されている。従って、印刷媒体103は、第1のレンチキュラーシートと第2のレンチキュラーシートと第1の印刷面(または第2の印刷面)の合計3個の単位領域を有する。
印刷媒体103は、図7(a)に示した第4変形例の印刷媒体101において、第1の印刷面を折り曲げた状態、つまり図6(b)に示した第2実施例の印刷媒体100について、第2の印刷面を折り曲げた状態と同じ状態である。従って、その後図8(a)にて矢印で示したように基材30を2回時計周りの方向に折り曲げれば、接着層66によって、第2の印刷面が第2のレンチキュラーシート12の裏面側の適切な位置に、第1の印刷面が第1のレンチキュラーシート11の裏面側の適切な位置に貼り付けられ、図6(d)に示したような両面にて立体画像を観賞することができる印刷媒体が作成されるのである。
(第7変形例)
また、上記第6変形例では、折り曲げ後の印刷媒体において、第1のレンチキュラーシート11が固着された部分の基材と第2のレンチキュラーシート12が固着された部分の基材との間に、印刷面が2層と基材が1層、それに接着層が2層介在することになる。このため、各折り目の位置で基材30を折り曲げたとき、このように基材間に介在する複数の層に起因して、基材30を折り目の位置で適切に折り曲げることができず、その結果、視差画像と凸レンズの位置がズレてしまうことが考えられる。
そこで、第7変形例として、第1のレンチキュラーシート11と第2のレンチキュラーシート12との間に印刷面を形成することとしてもよい。こうすれば、各隣接部の位置で基材30を折り曲げたとき、基材間に介在する構成要素の層数を減らし、所定の位置で適切に基材30を折り曲げることが可能となる。本変形例を図8(b)を用いて説明する。
図8(b)に示したように、本変形例の印刷媒体104は、第1のレンチキュラーシート11と第2のレンチキュラーシート12が、第1の印刷面(あるいは第2の印刷面)を挟むように、それぞれ両端の単位領域に形成されている。そして、第1のレンチキュラーシート11と第2の印刷面は基材30の表面側(図面上側)に、第2のレンチキュラーシート12と第1の印刷面は基材30の裏面側(図面下側)に固着されている。
また、第2の印刷面に第2のレンチキュラーシート12を貼り付けるための接着層68が基材30の表面側に、第1のレンチキュラーシート11の裏面側に第1の印刷面を接着するための接着層67が基材30の裏面側にそれぞれ形成されている。
このように構成要素が形成された本変形例の印刷媒体104において、図8(b)にて矢印で示した折り曲げ方向に従って、各折り目T20とT10の位置で順次基材30を折り曲げると、折り曲げ後の基材間に介在する構成要素は、接着層と印刷面を形成するインク吸収層の2層のみになる。従って、基材間に介在する構成要素が少ないことから、基材30を折り目T20およびT10の位置で適切に折り曲げることができ、その結果、視差画像を凸レンズの位置に対して精度良く貼り付けることが可能となる。
(第8変形例)
第2実施例における印刷媒体では、印刷面としてインク吸収層を形成することとしたが、印刷用紙を印刷面としてもよい。
インク吸収層は、前述したように、視差画像あるいは宛名の形成がインクの吐出による印刷によって行われたとき、吐出されたインクを吸収し、吐出された位置にインクを固着させるためのものであり、PVA(ポリビニルアルコール)等の親水性ポリマー樹脂、カチオン化合物、シリカ等の微粒子などを材料として形成されている。このため、インクの吸収量やインクの固着具合は、これら形成される材料に依存することになる。従って、インク吸収層の材料によっては、形成された視差画像について、解像度や画像色などの画像品質が、作成者の所望するものと異なることが起こり得る。例えば、作成者が写真と同等の画像品質の視差画像を所望しても、インク吸収層では実現が困難な場合である。
従って、本変形例では、このような場合に鑑み、視差画像の印刷面に写真用のインクジェット用紙(以降、「写真紙」と呼ぶ)などの印刷用紙を用いることとするのである。写真紙は、通常表面が光沢の有る状態と光沢の無い状態のものが印刷用紙として使用されているが、どちらを使用しても差し支えない。なお、写真紙は、基材30に貼り付けられて視差画像の印刷面を形成するが、貼り付け方法は接着剤を用いて貼り付けるなど、基材30と写真紙が接着できる方法であれば何でも良い。
(その他の変形例)
以上、本発明を具体化した印刷媒体について、第1実施例、第2実施例、およびそれらの変形例を挙げて説明したが、本発明はこうした実施例や変形例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において他の形態で実施してもよい。
例えば、上記実施例および変形例では、第1のレンチキュラーシート、第2のレンチキュラーシート、および各印刷面の単位領域の形状を矩形形状として扱ったが、これに限らず多角形としたり、人や動物の顔といった特定の形状にしたりしてもよい。もとより、隣接部にて基材を折り曲げたとき、それぞれが互いに重なる形状であれば何でもよい。
図9に、矩形形状以外の形状の一例として、第2実施例(図5(a)参照)に示した印刷媒体において、各単位領域が六角形である例を示した。このような印刷媒体とすることで、両面にて外形が六角形の画面形状の立体画像を観賞できる印刷媒体を作成することができる。このように単位領域の形状を種々の形状にすることによって、両面にて立体画像を観賞でき、種々の画面形状を有する印刷媒体を作成するこが可能となる。
また、上記実施例および変形例では、印刷媒体の各構成要素について、形成される各構成要素の厚さを規定しなかったが、第1のレンチキュラーシートの厚さと第2のレンチキュラーシートの厚さとを同じ厚さとしてもよい。さらに、第1の印刷面の厚さと第2の印刷面の厚さを同じ厚さに形成することとしてもよい。
こうすれば、例えば図5(a)に示した第2実施例の印刷媒体100において、印刷媒体の厚さが、全体にほぼ均一になる。従って、キャリッジ走査において、キャリッジ90aと印刷媒体100との空隙が、各隣接部においてほとんど変化しないことから、例えばキャリッジ90aが隣接部における構成要素間の段差に起因して動作停止することなく安定した空隙を保ちながら走査を行うことができる。また、例えば紙送りローラーなど、図示しないプリンタに設けられた印刷媒体の搬送手段において、厚みの変化が少ないことによって安定した搬送が可能となる。加えて、印刷面を同じ厚さにすることによって、第1の印刷面と第2の印刷面とを同一の方法(例えばコーティング)で形成することができるため、印刷面の形成が容易となる。
さらに第1の印刷面と第2の印刷面とを同じ材料で形成してもよい。こうすれば、印刷面の形成が一層容易になる。例えば、印刷面の形成をコーティングで行う場合、第1の印刷面と第2の印刷面とを同じコーティング作業で同時に形成できるため作業が容易になる。
また、インク透過層45とインク透過層55(図1参照)の材料を同じにしてもよい。こうすれば、図1に示した第1実施例の印刷媒体10において、印刷媒体の厚さが、全体にほぼ均一になる。従って、例えば紙送りローラーなど、図示しないプリンタに設けられた印刷媒体の搬送手段において、厚みの変化が少ないことによって安定した搬送が可能となる。加えて、インク透過層を同じ厚さにすることによって、それぞれのインク透過層を同一の方法(例えばコーティング)で形成することができるため、インク透過層の形成が容易となる。
さらにインク透過層45とインク透過層55とを同じ材料で形成してもよい。こうすれば、インク透過層の形成が一層容易になる。例えば、インク透過層の形成をコーティングで行う場合、インク透過層45とインク透過層55とを同じコーティング作業で同時に形成できるため作業が容易になる。
また、上記実施例および変形例では、各構成要素に印刷したりあるいは切れ目を設けたりして折り目を形成することとしたが、第1の印刷面と第2の印刷面との間に所定の間隔を有する隙間を設け、この隙間を「折り目」として形成してもよい。こうすれば、印刷したり切れ目を入れたりすることなく、印刷面を形成するときに隙間を設けることで折り目を形成することができるため、折り目の形成が容易になる。なお、隙間は2つの印刷面の隣接部全体に設けることとしてもよいし、一部のみに設けることとしてもよい。もとより、隙間は作成者が視認できる間隔であれば良い。
また、本実施例および変形例では、2枚のレンチキュラーシートにおける凸レンズの円筒軸方向は、いずれも同じ方向として扱ったが、これに限定されるものでなく、それぞれ異なる方向としてもよい。こうすれば、その表裏面で異なる方向から立体画像を観賞できる印刷媒体を作成することができる。従って、作成者は、所望する方向から立体画像を観賞できるように凸レンズの円筒軸方向を設定し、設定された方向に合わせた視差画像を印刷面に印刷すればよい。
また、本実施例および変形例では、レンズシートのレンズとしてレンチキュラーレンズを用いることとしたが、これに限らず、蝿の目レンズや蜂の巣状のレンズなど、本発明の趣旨である視差画像の変化を楽しむことができるレンズであれば、他のレンズ用いることができることは勿論である。
10…印刷媒体、11…第1のレンチキュラーシート、11L…凸レンズ、12…第2のレンチキュラーシート、12L…凸レンズ、30…基材、40…インク吸収層、45…インク透過層、50…インク吸収層、55…インク透過層、61…接着層、62…接着層、65…接着層、65a…接着層、65b…接着層、65c…接着層、65d…接着層、66〜68…接着層、90…キャリッジ、90a…キャリッジ、91…検出手段、91a…検出手段、92…透過光、93…反射光、95…インク、95a…インク、99…発光面、100〜104…印刷媒体、R1〜R3…隣接部、T1〜T2…折り目、T10〜T30…折り目、SZ…接着層、SZB…接着層。