JP2007333074A - 流体伝動装置と出力部材との接続構造ならびにこれに用いる出力部材 - Google Patents

流体伝動装置と出力部材との接続構造ならびにこれに用いる出力部材 Download PDF

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俊哉 山下
Takehito Hattori
勇仁 服部
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Abstract

【課題】ロックアップクラッチ装置のスリップ制御中に入力側回転要素の回転速度が相対的に高くなると、冷却効率が低下する。
【解決手段】本発明は、入力軸23が連結される入力側回転要素A,出力側回転要素B,出力側回転要素Bに連結されて入力側回転要素Aに一体的に接続し得るロックアップクラッチ装置Cを有するトルクコンバータ10と、このトルクコンバータ10の出力側回転要素Bに連結され、中央油路26が内部に形成された筒状をなす入力軸23との本発明による接続構造に関する。入力軸23は、ロックアップピストン17のハブ部17aに挿通されてこれを支持するピストン支持部23aと、このピストン支持部23aに隣接して出力側回転要素Bのタービンハブ15が連結される動力伝達部23cと、この動力伝達部23cとピストン支持部23aとの間に一端が開口すると共に他端が中央油路26に連通する冷却用油路30とを具える。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体伝動装置と出力部材との接続構造およびこの接続構造を実現し得る出力部材に関する。
機関と変速機との間に組み込まれるトルクコンバータなどの流体伝動装置は、機関のトルク変動などを緩和して変速機側に伝達することができる反面、流体を介在させることによる損失が発生し、燃費の低下を招来するという欠点を持つ。このため、トルク変動の少ない機関の高回転領域において、入力側回転要素と出力側回転要素とを一体的に接続し得るロックアップクラッチ装置を流体伝動装置に組み込むことが一般的に行われている。近年、機関の燃費や効率をさらに改善するため、機関の振動が比較的大きい領域でもロックアップクラッチ装置を可能な限り接続状態に保持するように配慮している。このような観点から、ロックアップクラッチ装置と出力側回転要素との間にダンパ装置を組み込んだり、さらにはロックアップピストンを入力側回転要素に対して完全に一体ではなく、いわゆる半クラッチ状態で押し当てるスリップ制御を行ったりしている。
しかしながら、ロックアップクラッチ装置のスリップ制御を行う場合、ロックアップピストンと入力側回転要素との間のすべり摩擦によって摩擦熱が発生する。このため、流体伝動装置内に介在する流体(以下、これを作動油と呼称する)の温度が上昇し過ぎてその劣化を早めてしまう可能性がある。このような不具合を解決するものとして、ロックアップピストンによって仕切られる係合側油室と係合解除側油室とに連通するような冷却用貫通孔をロックアップピストンに形成したロックアップクラッチ付きトルクコンバータが特許文献1に開示されている。これによると、係合側油室と係合解除側油室との差圧により係合側油室内に介在する作動油が係合解除側油室側へと導かれ、係合側油室内に介在する作動油の流動を助長するようになっている。この結果、発熱部分の冷却が促進され、ひいては作動油の高温劣化を抑制することができる。
特開2002−48216号公報
特許文献1に開示されたトルクコンバータにおいては、ロックアップピストンに形成された冷却用貫通孔がトルクコンバータの回転軸線から径方向外側に離れているため、以下のような問題が生ずる。すなわち、スリップ制御中は入力側回転要素の回転速度と出力側回転要素の回転速度とが異なるため、これに伴って発生する遠心力による作動油の圧力変動の影響を受ける。より具体的には、出力側回転要素の回転速度に応じた遠心力によって発生する係合側油室内の作動油の油圧(以下、これを遠心油圧と呼称する)と、入力側回転要素の回転速度と出力側回転要素の回転速度との中間の回転速度に応じた遠心力によって発生する係合解除側油室内の作動油の遠心油圧との差圧により、係合側油室から冷却用貫通孔を通って係合解除側油室へと流れる作動油の流量が変化する。特に、車両の加速中の場合のように、入力側回転要素の回転速度が出力側回転要素の回転速度よりも高くなると、これに伴って係合解除側油室内の遠心油圧が大きくなるため、係合側油室内の油圧に対して係合解除側油室内の油圧が相対的に上昇することとなる。この結果、係合側油室内の油圧と係合解除側油室内の油圧との差圧が小さくなり、係合側油室から冷却用貫通孔を通って係合解除側油室へと流れる作動油の流量が低下してしまう。
このように、特許文献1に開示された従来のトルクコンバータにおいては、車両の加速時などのように入力側回転要素の回転速度が主力側回転要素の回転速度よりも高い状態にてスリップ制御を行うと、冷却用貫通孔が臨む係合側油室および係合解除側油室における作動油の差圧が少なくなり、冷却用貫通孔を通る作動油の流量が低下し、スリップ制御に伴って発生する摩擦熱を速やかに放散させることが困難となる可能性があった。
なお、スリップ制御中に車両が減速して入力側回転要素の回転速度よりも出力側回転要素の回転速度が高くなるような場合、係合側油室および係合解除側油室における遠心油圧の差圧が増大し、係合解除側油室内の油圧に対して係合側油室内の油圧が相対的に高くなる。このため、加速時の場合のように冷却用貫通孔を通る作動液の流量の低下は起こらないことに注意されたい。
本発明の目的は、車両の加速中などにスリップ制御を行っても遠心油圧による影響をほとんど受けない流体伝動装置と出力部材との接続構造ならびにこの接続構造を実現し得る出力部材を提供することにある。
本発明の第1の形態は、入力部材が連結される入力側回転要素と、タービンハブを含む出力側回転要素と、この出力側回転要素に連結されて流体を介さずに前記入力側回転要素に一体的に接続し得るロックアップピストンを含むロックアップクラッチ装置とを有する流体伝動装置と、
この流体伝動装置の前記出力側回転要素に連結され、流体の通路が内部に形成された筒状をなす出力部材との接続構造であって、
前記出力部材に形成され、前記ロックアップピストンのハブ部に挿通されてこれを支持するピストン支持部と、このピストン支持部に隣接して前記出力部材に形成され、前記出力側回転要素のタービンハブが連結される動力伝達部と、この動力伝達部と前記ピストン支持部との間に一端が開口すると共に他端が前記通路に連通するように前記出力部材に形成された第2の通路とを具えたことを特徴とするものである。
本発明においては、ロックアップピストンによって仕切られた係合解除側液室に連通する出力部材の通路と、係合側液室の一部を構成するタービンハブとロックアップピストンとの間の空隙とが流体伝動装置の回転軸線に対して最も径方向内側に位置する出力部材に形成された第2の通路を介して連通している。この第2の通路の両開口端における作動液の液圧は、流体伝動装置の回転に伴って発生する遠心力の影響をほとんど受けず、係合側液室と係合解除側液室との差圧に応じて作動液がタービンハブとロックアップピストンとの間の空隙から出力部材の通路へと流れる。
本発明の第1の形態による流体伝動装置と出力部材との接続構造において、出力部材とタービンハブとの間に介装されるシール部材をさらに具えることができる。
出力側回転要素と一体回転する第1の回転要素と、前記ロックアップクラッチ装置のロッアップピストンと一体回転する第2の回転要素と、これら第1および第2の回転要素に跨がって設けられ、これら第1および第2の回転要素の相対回転を許容し、これらの相対回転に伴って弾性変形する弾性変形要素とを有するダンパ装置をさらに具えることができる。
出力部材の動力伝達部とタービンハブとがスプライン嵌合しているものであってよい。
出力部材が作動油を用いて変速比が切り換えられるCVTや自動変速機の入力軸であってよい。
本発明の第2の形態は、入力部材が連結される入力側回転要素と、タービンハブを含む出力側回転要素と、この出力側回転要素に連結されて流体を介さずに前記入力側回転要素に一体的に接続し得るロックアップピストンを含むロックアップクラッチ装置とを有する流体伝動装置の前記出力側回転要素に連結され、流体の通路が内部に形成された筒状をなす出力部材であって、前記ロックアップピストンのハブ部が摺動自在に嵌合されるピストン支持部と、このピストン支持部に隣接し、前記出力側回転要素のタービンハブが嵌合される動力伝達部と、この動力伝達部と前記ピストン支持部との間に一端が開口すると共に他端が前記通路に連通する第2の通路とを具えたことを特徴とするものである。
本発明によると、ロックアップピストンのハブ部に挿通されてこれを支持するピストン支持部を出力部材に形成し、出力側回転要素のタービンハブが連結される動力伝達部をピストン支持部に隣接して出力部材に形成し、動力伝達部とピストン支持部との間に一端が開口すると共に他端が通路に連通する第2の通路を出力部材に形成したので、この第2の通路の両端では流体伝動装置の回転に伴って発生する遠心力による影響をほとんど受けず、ロックアップピストンを係合側に付勢するように供給される流体の圧力と、ロックアップピストンが係合解除されるように供給される流体の圧力との差圧に応じて動力伝達部とピストン支持部との間に介在する流体を第2の通路から出力部材の通路内に流動させることができる。このため、スリップ制御中に入力側回転要素の回転速度が出力側回転速度よりも高くなったとしても、入力側回転要素とロックアップピストンとのスリップに伴って発生する摩擦熱を流体を介して速やかに放散させることができる。
出力部材とタービンハブとの間にシール部材を介装した場合、より確実に流体を発熱するロックアップピストンに沿って径方向内側へと流動させることができ、ロックアップピストンの冷却効果を高めることができる。
出力側回転要素と一体回転する第1の回転要素と、ロックアップクラッチ装置のロッアップピストンと一体回転する第2の回転要素と、これら第1および第2の回転要素に跨がって設けられ、これら第1および第2の回転要素の相対回転を許容し、これらの相対回転に伴って弾性変形する弾性変形要素とを有するダンパ装置をさらに具えた場合、ロックアップクラッチ装置がオン、つまりロックアップピストンが入力側回転要素に対して一体的に接続した状態において、入力部材にて発生する急激なトルク変動をダンパ装置により吸収させることができる。
本発明による流体伝動装置と出力部材との接続構造を車両用トルクコンバータと自動変速機との接続部分に応用した実施形態について、その断面構造(上半分)を表す図1を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、本発明はこのような実施形態のみに限らず、特許請求の範囲に記載された本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が可能であり、本発明の精神に帰属する他の任意の技術にも当然応用することができる。
本実施形態におけるトルクコンバータ10は、ポンプインペラ11およびフロントカバー12を含む入力側回転要素Aと、タービンランナ13およびこのタービンランナ13の内周端部に溶接部14を介して一体的に連結されたタービンハブ15を含む出力側回転要素Bと、フロントカバー12に押し当たる摩擦板16が外周端部に接合されたロックアップピストン17を含むロックアップクラッチ装置Cと、このロックアップクラッチ装置Cのロックアップピストン17と出力側回転要素Bのタービンハブ15とに跨がって配されるダンパ装置Dとを具えている。
上述したポンプインペラ11は、ブレード18と、このブレード18を内側に取り付けた環状のポンプシェル19とを有する。入力側回転要素Aは、このポンプインペラ11以外に、外周縁部にてポンプシェル19が接合され、入力部材としての図示しないエンジンのクランク軸に連結された駆動板がねじ止めされる円板状のフロントカバー12と、ポンプシェル19の内周縁部に外周縁部が接合されるエクステンションスリーブ20などをさらに含んでいる。
出力側回転要素Bのタービンランナ13は、ポンプインペラ11と対向し、ブレード21およびこれを保持するタービンシェル22を有する。
出力側回転要素Bには、出力部材としての図示しない変速機、例えば複数の遊星歯車装置を用いた自動変速機(AT)や、溝幅を変更可能な一対のプーリとこれらに巻き掛けられる無端ベルトとを用いた無段変速機(CVT)の入力軸23が連結される。
ロックアップピストン17を有するロックアップクラッチ装置Cは、ロックアップピストン17とポンプシェル19との間に画成される係合側油室24に供給される作動油の油圧と、フロントカバー12とロックアップピストン17との間に画成される係合解除側油室25に供給される作動油の油圧とを制御することにより、ロックアップピストン17の摩擦板16をフロントカバー12に一体的に押し付けてフロントカバー12とロックアップピストン17とを直結状態に保持したり、あるいはフロントカバー12とロックアップピストン17の摩擦板16とをスリップさせる半クラッチ状態に保持したりすることができるようになっている。より具体的には、エクステンションスリーブ20と入力軸23との間から係合側油室24に供給される作動油の圧力と、筒状をなす入力軸23の内側に形成された中央油路26から係合解除側油室25に供給される作動油の圧力との差圧を図示しない油圧制御装置を用いて操作し、ロックアップピストン17をフロントカバー12との対向方向、つまりトルクコンバータ10の回転軸線10aと平行な方向に沿って変位可能としている。
車速が比較的低い領域では係合解除側油室25に圧油を供給し、ロックアップピストン17をタービンハブ15側に変位させる。これにより、フロントカバー12とロックアップピストン17の摩擦板16とが非接触状態、つまりロックアップクラッチ装置Cが非接続状態となる。この結果、入力側回転要素Aからの動力は、作動油を介してトルクが増強された状態で出力側回転要素Bへと伝達される。通常、このようなロックアップクラッチ装置Cの非接続状態は、後述するステータ27の回転が起こらないトルクコンバータ作動領域においてなされる。
また、車速が比較的高い領域では、ロックアップピストン17の両面に負荷する作動油の差圧を図示しない油圧制御装置を用いて操作する。これにより、ロックアップピストン17をフロントカバー12側に変位させ、ロックアップピストン17の摩擦板16とフロントカバー12とを密着状態にする。この結果、入力側回転要素Aと出力側回転要素Bとがロックアップクラッチ装置Cを介して一体的に結合し、入力側回転要素Aの駆動力がロックアップクラッチ装置Cおよびダンパ装置Dを介して出力側回転要素Bへと伝達されることとなる。通常、このようなロックアップクラッチ装置Cの接続状態は、入力側回転要素Aおよび出力側回転要素Bの回転速度がほぼ等しくなってステータ27の空転が始まるトルクコンバータ非機能領域において行われるも達成される。
さらに、ロックアップピストン17の摩擦板16をフロントカバー12に対してスリップさせるスリップ制御は、上述したロックアップクラッチ装置Cの非接続運転領域と接続運転領域との中間の運転領域にてなされる。
なお、比較的出力の大きなエンジンの場合には、フロントカバー12とロックアップピストン17との間に複数枚のクラッチ板を組み込んで摩擦板16に対する負荷を分散させるようにしてもよい。本発明は、このような構成のロックアップクラッチ装置を組み込んだ流体伝動装置にも適用し得るものである。
内部が自動変速機油またはCVT油(以下、これらを一括して作動油と呼称する)の通路、つまり中央油路26となった筒状をなす入力軸23の軸端部には、小径のピストン支持部23aがその外周に形成されている。このピストン支持部23aには、ロックアップピストン17の径方向内側端に形成されてフロントカバー12側に突出する円筒状のハブ部17aがこのトルクコンバータ10の回転軸線10aと平行な方向に沿って摺動自在に嵌合支持されている。さらに、このピストン支持部23aにはロックアップピストン17のハブ部17aの内周面との間の隙間をシールするためのシールリング28が装着されている。このシールリング28の存在により、入力軸23とロックアップピストン17との間の隙間から作動油がフロントカバー12側あるいはタービンハブ15側へ漏洩するのを阻止し、油圧制御によるロックアップピストン17の応答性を高めることができる。
また、段差部23bを介してこのピストン支持部23aに続く入力軸23の動力伝達部23cには、タービンハブ15の内周面に形成された雌スプライン15aを摺動自在に嵌合支持する雄スプライン29が形成されている。本実施形態においてタービンハブ15に形成される雌スプライン15aは、その内周面の全域ではなく、ロックアップピストン17と反対側の端部のみ形成されている。
入力軸23のピストン支持部23aと段差部23bとの境界部分には、入力軸23の中央油路26に連通する本発明の第2の通路としての冷却用油路30が形成されている。この冷却用油路30は、スリップ制御中にタービンハブ15とロックアップピストン17との間に介在する作動油を入力軸23の中央油路26側へ流すためのものであり、この冷却用通路30は、ロックアップピストン17のハブ部17aによって開口部分が塞がれないような位置に開口させる必要があることは言うまでもない。このように、本実施例においては、スリップ制御中に係合側油室24内の作動油を係合解除側油室25へ流してロックアップピストン17の摩擦板16とフロントカバー12とのスリップに伴って発生する熱を外部に放散させるための冷却用油路30がトルクコンバータ10回転軸線10aから最も近い入力軸23に形成されている。このため、トルクコンバータ10の回転に伴う遠心力によって発生する冷却用油路30の両開口端における作動油の差圧をほとんど無視できる程度に小さくすることができ、実際に係合側油室24に供給される作動油の圧力と、係合解除側油室25に供給される作動油の圧力との差圧に応じて作動液の通過が冷却用油路30を介して行われることとなる。
雌スプライン15aが形成されていないタービンハブ15の内周面のロックアップピストン17側の端部には、入力軸23の段差部23bに収容されたOリング31が当接し、入力軸23とタービンハブ15との間の隙間をシールしている。上述したOリング31の存在により、入力軸23とエクステンションスリーブ20との間から係合側油室24内に供給された作動油が入力軸23とタービンハブとの間の隙間から冷却用油路30を通って中央油路26側へと流れるのを阻止する。つまり、係合ガム油室24内の作動油は、タービンハブ15とロックアップピストン17との隙間からロックアップピストン17に沿って径方向内側に流動し、冷却用油路30から中央油路26へと流れるようにすることができる。これにより、ロックアップピストン17の摩擦板16とフロントカバー12とのスリップに伴って発生する摩擦熱を効率よく作動液に伝播させ、トルクコンバータ10の冷却を行う。
タービンハブ15とロックアップピストン17との間に配される本実施形態におけるダンパ装置Dは、ロックアップクラッチ装置Cのロックアップピストン17にリベット32を介して一体的に連結される環状をなす一対のドライブプレート33a,33b(以下、これらを一括して33と記述する場合がある)と、タービンハブ15の外周面に形成された雄スプライン15bに対してスプライン嵌合する雌スプライン34aをそのハブ部34の内周面に形成した環状のドリブンプレート35と、これらドライブプレート33およびドリブンプレート35に跨がって配される複数のコイルばねユニット36とを具えている。このダンパ装置Dは、回転軸線10aと平行な方向に沿ってロックアップピストン17と一体的に変位し得るようになっている。この場合、ドリブンプレート35のハブ部34は、これと対向するタービンシェル22に当接してタービンシェル22側への変位が規定されるようになっている。本実施形態におけるコイルばねユニット36は、ばね力の大きな太い線径の外側コイルばね36aと、ばね力の小さな細い線径の内側コイルばね36bとからなる。
一対のドライブプレート33およびこれらの間に配されるドリブンプレート35には、コイルばねユニット36を収容するための切欠き部37,38がそれぞれ形成されている。これら切欠き部37,38の円周方向に沿った幅は、外側コイルばね36aの自由長にほぼ対応しており、外側コイルばね36aの両端面がドライブプレート33およびドリブンプレート35の回転方向に沿って向き合う各切欠き部37,38の側端面に当接した状態となっている。本実施形態では、内側コイルばね36bの自由長が外側コイルばね36aの自由長よりも短く設定して非線形のばね特性が得られるように配慮している。
ロックアップピストン17は、タービンハブ15および変速機入力軸23に対し、ドライブプレート33,ドリブンプレート35,コイルばねユニット36と共にトルクコンバータ10の回転軸線10aと平行な方向(図1中左右方向)に沿って変位可能である。また、ドライブプレート33とドリブンプレート35との間での動力伝達は、コイルばねユニット36を介して行われることとなる。つまり、ドライブプレート33側で発生するトルク変動は、ドライブプレート33とドリブンプレート35との相対回転をもたらすが、この時、コイルばねユニット36が圧縮されて急激なトルク変動を吸収するようになっている。本実施形態では、最初に外側コイルばね36aが圧縮されてドライブプレート16とドリブンプレート35との相対回転を可能とし、さらに大きなトルク変動が生じた場合に内側コイルばね36bも圧縮されるような非線型の特性を持たせている。
なお、ロックアップピストン17から遠い方のドライブプレート33aの切欠き部37には、コイルばねユニット36がこの切欠き部37から抜け外れるのを防止するばね受け部37aが形成され、本実施形態では同様な機能をロックアップピストン17の端面に持たせている。つまり、コイルばねユニット36は、ロックアップピストン17と内側のドライブプレート33aのばね受け部37aとでトルクコンバータ10の回転軸線10aと平行な方向に対して挟持された状態となっている。
本実施形態におけるトルクコンバータ10は、タービンランナ13とポンプインペラ11との間に介在するステータ27と、このステータ27をタービンランナ13の回転方向と同一方向にのみ回転を許容するワンウェイクラッチ39などをさらに具えている。
ワンウェイクラッチ39を介して図示しない変速機ケース側に保持されるステータ27は、入力側回転要素Aのポンプインペラ11によって出力側回転要素Bのタービンランナ13へと流れ込む作動油を再びポンプインペラ11側に導くためのものであり、これによって周知のトルク増大がなされる。
本実施形態におけるワンウェイクラッチ39は、図示しない変速機ケースの一部を構成する支持筒40の先端部に形成された雄スプライン40aに対して嵌合する雌スプライン41aを内周面に形成した内輪41と、ステータ27の内周側に圧入される環状のホルダ42と一体の外輪43と、これら内輪41および外輪43の間に保持されるスプラグ44と、外周縁部がホルダ42に連結されて内輪41,スプラグ44,外輪43を挟持する保持板45などを有する。タービンハブ15およびエクステンションスリーブ20とワンウェイクラッチと33との間にはそれぞれスラスト軸受46が介装されており、エクステンションスリーブ20およびタービンハブ15に対するワンウェイクラッチ39の相対回転が可能となっている。
なお、上述したワンウェイクラッチ39は、スプラグ44を用いるもの以外に、他の周知の構造のものを適宜採用することができる。また、上述した実施形態では、本発明に係る流体伝動装置を車両用のトルクコンバータ10に適用したが、ロックアップクラッチ装置を具えかつ駆動トルクを増大させる機能を持たない流体伝動装置に適用することも当然可能である。
本発明による流体伝動装置と出力部材との接続構造を車両用トルクコンバータと自動変速機との連結部分に応用した一実施形態の内部構造を表す断面図であり、その回転軸線を境にして片側(図では上半分)のみを示している。
符号の説明
A 入力側回転要素
B 出力側回転要素
C ロックアップクラッチ装置
D ダンパ装置
10 トルクコンバータ
10a 回転軸線
11 ポンプインペラ
12 フロントカバー
13 タービンランナ
15 タービンハブ
15a 雌スプライン
15b 雄スプライン
16 摩擦板
17 ロックアップピストン
17a ハブ部
19 ポンプシェル
22 タービンシェル
23 入力軸
23a ピストン支持部
23b 段差部
23c 動力伝達部
24 係合側油室
25 係合解除側油室
26 中央油路
28 シールリング
30 冷却用油路
31 Oリング
33a,33b ドライブプレート
34 ハブ部
34a 雌スプライン
35 ドリブンプレート
36 コイルばねユニット

Claims (4)

  1. 入力部材が連結される入力側回転要素と、タービンハブを含む出力側回転要素と、この出力側回転要素に連結されて流体を介さずに前記入力側回転要素に一体的に接続し得るロックアップピストンを含むロックアップクラッチ装置とを有する流体伝動装置と、
    この流体伝動装置の前記出力側回転要素に連結され、流体の通路が内部に形成された筒状をなす出力部材との接続構造であって、
    前記出力部材に形成され、前記ロックアップピストンのハブ部に挿通されてこれを支持するピストン支持部と、
    このピストン支持部に隣接して前記出力部材に形成され、前記出力側回転要素のタービンハブが連結される動力伝達部と、
    この動力伝達部と前記ピストン支持部との間に一端が開口すると共に他端が前記通路に連通するように前記出力部材に形成された第2の通路と
    を具えたことを特徴とする流体伝動装置と出力部材との接続構造。
  2. 前記出力部材と前記タービンハブとの間に介装されるシール部材をさらに具えたことを特徴とする請求項1に記載の流体伝動装置と出力部材との接続構造。
  3. 前記出力側回転要素と一体回転する第1の回転要素と、前記ロックアップクラッチ装置のロッアップピストンと一体回転する第2の回転要素と、これら第1および第2の回転要素に跨がって設けられ、これら第1および第2の回転要素の相対回転を許容し、これらの相対回転に伴って弾性変形する弾性変形要素とを有するダンパ装置をさらに具えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流体伝動装置と出力部材との接続構造。
  4. 入力部材が連結される入力側回転要素と、タービンハブを含む出力側回転要素と、この出力側回転要素に連結されて流体を介さずに前記入力側回転要素に一体的に接続し得るロックアップピストンを含むロックアップクラッチ装置とを有する流体伝動装置の前記出力側回転要素に連結され、流体の通路が内部に形成された筒状をなす出力部材であって、
    前記ロックアップピストンのハブ部が摺動自在に嵌合されるピストン支持部と、
    このピストン支持部に隣接し、前記出力側回転要素のタービンハブが嵌合される動力伝達部と、
    この動力伝達部と前記ピストン支持部との間に一端が開口すると共に他端が前記通路に連通する第2の通路と
    を具えたことを特徴とする出力部材。
JP2006165201A 2006-06-14 2006-06-14 流体伝動装置と出力部材との接続構造ならびにこれに用いる出力部材 Pending JP2007333074A (ja)

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