JP2007332815A - ディーゼルエンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多量のEGRによって低温燃焼を行わせてNOxを削減しつつ、スモークの発生も抑制し、さらに燃費に有利な高等容度の燃焼を行わせることができるディーゼルエンジンの制御装置を提供する。
【解決手段】EGR手段52と、所定のEGR率になるようにEGR弁52の開度を調節するEGR制御手段63と、燃料噴射弁16と、燃料噴射量および燃料噴射時期をエンジンの運転状態に応じて調整する燃料噴射制御手段62とを備えたディーゼルエンジンの制御装置であって、所定の低中負荷運転領域において、EGR制御手段63がEGR率を増大させて低温燃焼を行わせるとともに、燃料噴射制御手段62が圧縮行程後期で分割噴射を行う低温燃焼噴射モードを実行し、上記分割噴射の噴射量および噴射時期は、各噴射燃料が圧縮行程上死点付近で燃焼するように予め設定されているように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの制御装置に関し、特にEGR(排気再循環)を行うことによって排気浄化性能向上を図るものに関する。
ディーゼルエンジンにおいて、その排気浄化性能を高める要求が近年特に高まっている。なかでも、排気ガス中のNOx(窒素酸化物)やスモーク(黒煙)の低減は重要な課題となっている。
特に低中負荷運転領域においてNOxを多量に発生させる一因として、酸素過剰環境下における燃焼であることが挙げられる。ガソリンエンジンとは異なり、一般的なディーゼルエンジンでは吸気を絞らず、充分な空気(酸素)を筒内に導入した状態で必要量の燃料を燃焼させる。このような酸素過剰環境下での燃焼は、燃焼温度が高くなり易く、そのためNOx発生量が増大するのである。
この対策として、EGRが有効であることが広く知られ、用いられている。EGRは、排気の一部を排気通路から吸気通路に還流させ、燃焼室に再循環させるものである。EGRを行うと、筒内に導入される吸気の一部が新気からEGRガス(還流された排気ガス)に置換される。EGRガスの酸素濃度は低いので、吸気全体としての酸素濃度も低下する。このため燃焼温度が低下するので、効果的にNOxの発生を抑制することができる。
EGRによるNOx削減効果をより多く享受するには、EGR率(吸気中のEGRガス量の割合)を高くし、またEGRクーラ等を用いてEGRガスの温度を低下させておくのが良い。このような燃焼形態は低温燃焼とも呼ばれる。
ところが、単にEGR率を増大させると、スモーク量が増大するという問題が起こる。スモークは、局所的に酸素不足気味(リッチ気味)となっている箇所で発生し易い。多量のEGRを行って全体的な酸素濃度を低下させると、局所的にリッチ気味な箇所が相対的に増加するのでスモークが発生し易いのである。
そこで、その対策として、燃料の噴射時期に対する着火時期を遅らせる技術が開発されつつある。着火時期を相対的に遅らせると、着火までの燃料の混合(予混合)が促進され、スモークの低減に効果的である。
例えば特許文献1には、高EGR率とすることによって低温燃焼を行わせるとともに、燃料噴射時期を圧縮行程上死点後にまで遅らせることにより着火遅れを実現させ、スモークの発生を抑制しつつNOxの削減を図る技術、いわゆる低温予混合燃焼が開示されている。
特開平7−4287号公報
しかしながら、特許文献1に示されるような従来の低温予混合燃焼は、燃費という観点からは好ましい燃焼形態ではないという問題がある。エンジンの熱効率は、圧縮行程上死点付近で燃焼を行わせたときに最も高く、燃費が良くなる(等容燃焼)。しかし従来の低温予混合燃焼では、圧縮行程上死点後に燃料噴射を行い、その後に燃焼を起こさせるので、圧縮行程上死点よりもかなり遅れた(クランク角で15〜20°程度)燃焼とならざるを得ない。このような等容度の低い燃焼は熱効率が低く、燃費に対して不利である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、多量のEGRによって低温燃焼を行わせてNOxを削減しつつ、スモークの発生も抑制し、さらに燃費に有利な高等容度の燃焼を行わせることができるディーゼルエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、EGR弁の開度に応じた量の排気ガスを排気通路から吸気通路に還流させるEGR手段と、運転状態に応じた所定のEGR率になるように上記EGR弁の開度を調節するEGR制御手段と、エンジンの燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、上記燃料噴射弁の燃料噴射量および燃料噴射時期をエンジンの運転状態に応じて設定する燃料噴射制御手段とを備えたディーゼルエンジンの制御装置であって、所定の低中負荷運転領域において、上記EGR制御手段が上記EGR率を増大させて低温燃焼を行わせるとともに、上記燃料噴射制御手段が圧縮行程後期で分割噴射を行う低温燃焼噴射モードを実行し、上記分割噴射の噴射量および噴射時期は、各噴射燃料が圧縮行程上死点付近で燃焼するように予め設定されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のディーゼルエンジンの制御装置において、上記分割噴射は、その最後の噴射の実質的な完了時期が、その噴射による燃焼の熱炎着火時期よりも早期となるように予め設定されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載のディーゼルエンジンの制御装置において、燃焼室の燃焼圧力に関連するパラメータ値を検出するパラメータ値検出手段を備え、上記燃料噴射制御手段は、上記低温燃焼噴射モードの実行中において、上記パラメータ値に基く実際の燃焼時期が、圧縮行程上死点付近となるように、上記分割噴射の噴射量または噴射時期を補正することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3記載のディーゼルエンジンの制御装置において、上記燃料噴射制御手段は、上記補正を、上記最後の噴射の実質的な完了時期から上記実際の熱炎着火時期までの期間が所定値以上確保される範囲内で行うことを特徴とする。
請求項1の発明によると、以下説明するように、多量のEGRによって低温燃焼を行わせてNOxを削減しつつ、スモークの発生も抑制し、さらに燃費に有利な高等容度の燃焼を行わせることができる。
本発明では、所定の低中負荷運転領域において、EGR制御手段がEGR率を増大させて低温燃焼を行わせるので、この領域においてNOxを大幅に削減することができる。
一方、その低温燃焼の実行中に、燃料噴射制御手段が、圧縮行程後期で分割噴射を行う低温燃焼噴射モードを実行する。分割噴射は、1行程で消費する燃料を複数回に分割し、時期をずらして噴射するものである。3分割以上の分割噴射を行っても良いが、説明を簡潔にするために、ここでは前段噴射と後段噴射とからなる2分割の分割噴射について説明する。まず燃料の一部を前段噴射で早期に噴射することにより、予混合を促進することができ、スモークの発生を抑制することができる。
また後段噴射時期を前後させることによって燃焼時期を調節することができるので、適宜タイミングで後段噴射を行わせることにより、圧縮行程上死点付近で燃焼させることができる。すなわち燃費に有利な高等容度燃焼を行わせることができる。
なお本発明の低温燃焼噴射モードで行われる分割噴射の前段噴射は、従来の低温予混合燃焼で行われるパイロット噴射とは本質的に異なるものである。従来のパイロット噴射は、本来の噴射(メイン噴射)の前に微量の燃料を噴射し、予備的な燃焼を起こさせるものであるのに対し、本発明の前段噴射は、比較的多量の燃料を噴射し、後段噴射の燃料と一緒に圧縮行程上死点付近で燃焼させるものである。このとき、前段噴射された燃料の燃焼を後段噴射後まで遅延させるのに大きく貢献しているのが、高EGR率で導入された多量のEGRガスである。
また、分割噴射は3分割以上であっても良く、その場合は、最初の噴射が上記前段の噴射、最後の噴射が上記後段の噴射に相当する。そして途中の噴射は、上記前段の噴射と後段の噴射との中間の作用を呈するものとなる。
請求項2の発明によると、スモークの発生をより確実に抑制することができる。スモークを増大させる要因のひとつに、燃料の噴射が完了する前に熱炎着火時期(本格的な燃焼が開始する時期)が到来することが挙げられる。このような場合、燃焼時の燃料の偏在が顕著となるので、スモークの発生に不利となる。本発明によれば、最後の噴射(2分割噴射の場合の後段噴射に相当する)の実質的な完了時期が、燃焼の熱炎着火時期よりも早期となるように予め設定されているので、そのような現象を回避することができ、スモークの発生を効果的に抑制することができる。
なお、最後(後段)の噴射を早期に完了させるには、例えばその最後の噴射の噴射量割合を低減する(それより前の噴射の噴射量割合を増大する)ことにより、最後の噴射に要する時間を短縮させる方法が効果的である。
請求項3の発明によると、何らかの要因、或いは過渡的な動作において燃焼時期が狙いの圧縮行程上死点付近から外れた場合、それが圧縮行程上死点付近となるように、分割噴射の噴射量または噴射時期を補正する。従って、高等容度燃焼を可及的に維持することができ、燃費の向上に貢献することができる。
例えば、後段噴射時期を前後させることによって燃焼時期を調整できることを利用し、フィードバック制御等によって、燃焼時期が圧縮行程上死点付近から外れないようにコントロールすることができる。
請求項4の発明によると、上記補正を、最後の噴射の実質的な完了時期から実際の熱炎着火時期までの期間が所定値以上確保される範囲内とすることにより、燃料の噴射が完了する前に熱炎着火時期が到来することを確実に回避することができる。従って、スモークの発生を効果的に抑制することができる範囲内で、可及的に高等容度燃焼を行わせて燃費の向上を図ることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るディーゼルエンジンの概略構成を示す。エンジン本体1には複数の気筒12(例えば4気筒)が形成され、各気筒12にはコンロッドを介してクランクシャフト3に連結されたピストン13が嵌挿されている。ピストン13の上方に燃焼室14が形成されている。
各気筒12の燃焼室14の頂部には、燃焼室14内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁16が設けられている。この燃料噴射弁16は、図略のニードル弁及びソレノイドを内蔵し、パルス信号が入力されることにより、そのパルス入力時期にパルス幅に対応する時間だけ駆動されて開弁し、その開弁時間に応じた量の燃料を噴射するように構成されている。
燃料噴射弁16は、後述する低温噴射モードにおいては前段噴射と後段噴射とからなる分割噴射を行い、後述する噴射時期リタードモードにおいては、圧縮行程上死点(圧縮TDC)以降にまで遅延(リタード)させたメイン噴射と、そのメイン噴射に先立って予備的な燃焼を起こさせるためのパイロット噴射とを行う。
また燃焼室14の頂部には、指圧P(筒内圧力)を検出する指圧センサ41が設けられている。指圧センサ41は、燃焼室14の燃焼圧力に関連するパラメータ値(指圧P)を検出するパラメータ値検出手段として機能する。
さらにエンジン本体1には、クランクシャフト3の回転速度を検出するクランク角センサ30と、エンジンの冷却水の温度を検出する水温センサ33が設けられている。
そして各気筒12の燃焼室14に対して吸気ポート17及び排気ポート18が開口し、これらの各ポート17,18に吸気弁19及び排気弁20が装備されている。吸気ポート17および排気ポート18には、それぞれ吸気通路21および排気通路22が接続されている。
吸気通路21の最上流側には吸気中の異物や塵埃を除去するエアクリーナ24が設けられ、その下流側には吸気量を検出するエアフローセンサ25が設けられている。さらにその下流には吸気通路21の流路断面積を調節する吸気スロットル23が設けられている。さらにその下流には過給機28の吸気側機構であるコンプレッサ28aが設けられている。当実施形態の過給機28は排気タービン過給機、いわゆるターボチャージャである。コンプレッサ28aは吸気通路21上に設けられた羽根車であって、これが高速回転することによって吸気を圧縮し、増圧する。
過給機28のさらに下流には、過給機28によって圧縮されて温度上昇した吸気を冷却し、吸気密度を高める空冷のインタークーラ27が設けられている。さらにインタークーラ27の下流には、吸気圧を検出する吸気圧センサ26と、吸気温度を検出する吸気温センサ29とが設けられている。これらの下流側で吸気通路21と吸気ポート17とが接続されている。
一方、排気ポート18に接続された排気通路22には、まず上流側に過給機28の排気側機構であるタービン28bが設けられている。タービン28bは排気通路22上に設けられた羽根車であって、コンプレッサ28aと直結されている。タービン28bが排気ガスのエネルギーによって駆動されることにより、コンプレッサ28aが駆動される。
過給機28のさらに下流には排気浄化装置37が設けられている。排気浄化装置37は、酸化触媒、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)、NOx吸蔵材等の何れか又はそれらの組合わせからなり、排気ガス中のCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx、PM(粒子状物質。パティキュレートマター)等を除去或いは無害化処理する。
また、排気通路22の排気浄化装置37より下流側と、吸気通路21の吸気スロットル23より下流側とを連通するEGR通路51が設けられている。EGR通路51には、この通路を開閉するEGR弁52が設けられている。EGR弁52が開弁されると、排気通路22から吸気通路21に排気ガスが還流される。つまりEGRが行われる。還流された排気ガス(これを特にEGRガスという)は新気と合流して吸気ポート17側へ再循環される。EGR弁52は、その開度を変動させることによってEGRガスの量(EGR量)を調節することができる。
またEGR通路51には水冷のEGRクーラ53が設けられている。EGRガスは新気よりも高温なので、新気と合流すると吸気温度が上昇して吸気密度が低下してしまう。そこで、EGRクーラ53によってEGRガスを冷却することにより、吸気温度の上昇が抑制される。またEGRガスを冷却することにより、燃焼温度をより低減させ、NOx削減効果を高めることができる。
排気通路22のEGR通路51との分岐点より下流側は図示を省略しているが、マフラー等を介して排気口へと繋がっている。
その他に、さらに運転者のアクセル操作量に対応したアクセル開度Acを検出するアクセル開度センサ34が設けられている。
そして、このエンジンの運転を総合的に制御するコントロールユニットとして、ECU2が設けられている。ECU2は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータ等からなる。具体的には、予めROM(又はRAM)に記憶されているプログラムがCPUによって実行されることによって各部の動作等が制御される。
当実施形態のエンジンは、所定の低中負荷運転領域において、多量のEGRを行って低温燃焼を行わせるとともに、その際、燃料噴射弁16から噴射される燃料を圧縮行程後期で分割噴射を行う低温燃焼噴射モードを実行するように構成されている。また、それよりも高負荷の領域では、圧縮TDC以降にまで遅延させたメイン噴射と、そのメイン噴射に先立って予備的な燃焼を行わせるためのパイロット噴射とを行う噴射時期リタードモードを実行するように構成されている。以下ECU2の説明にあたり、これら低温燃焼噴射モード及び噴射時期リタードモードに係る部分を中心に説明する。
ECU2には、エアフローセンサ25、吸気圧センサ26、吸気温センサ29、クランク角センサ30、水温センサ33、アクセル開度センサ34及び指圧センサ41からの各検知信号が入力される。またECU2は、燃料噴射弁16、吸気スロットル23およびEGR弁52のそれぞれに各駆動信号を出力する。
ECU2は、吸気量制御部61、燃料噴射制御部62およびEGR制御部63を機能的に含んでいる。以下、これらの各部によってなされる制御について説明する。
吸気量制御部61は、必要に応じて吸気スロットル23を作動させ、吸気を絞る。例えば排気温度を上昇させるために気筒12内に導入される吸気量を低減する必要のある場合等がこれに相当する。その他の通常の運転時には吸気スロットル23を全開位置に固定する。
燃料噴射制御部62は、燃料噴射時期およびその噴射量を設定し、その信号を燃料噴射弁16に出力する。燃料噴射制御部62は、その燃料噴射の形態として、運転状態に応じた2つのモード、すなわち低温燃焼噴射モードと噴射時期リタードモードとを選択的に切換えて実行する。
比較的低負荷領域(図3に示す領域(A))で選択される低温燃焼噴射モードは、圧縮行程後期に燃料を分割噴射するモードである。当実施形態の分割噴射は、前段噴射と後段噴射とからなる2分割噴射である。各噴射の噴射時期および噴射量は、運転状態、例えばエンジン回転速度Neと要求トルクT(エンジン回転速度Neおよびアクセル開度Acから算出される)とに基づくマップデータから読込むことによって設定される。そのマップデータは、後述するように、予めスモークやライナ衝突燃料量を最小限に抑えつつ、燃費に最も有利な圧縮TDC付近で燃焼を行わせることができるような値として予め記憶されている。また、何らかの要因或いは過渡的な動作によって燃焼時期が狙いの圧縮TDC付近から外れた場合、それが圧縮TDC付近となるように、後段噴射の噴射時期を補正する。
上記低温燃焼噴射モードが行われる領域より高負荷の領域(図3に示す領域(B))で選択される噴射時期リタードモードは、圧縮TDC以降にまで遅延させたメイン噴射と、そのメイン噴射に先立って予備的な燃焼を行わせるためのパイロット噴射とを行うモードである。パイロット噴射の噴射量は微量であって、実質的な燃焼エネルギーはメイン噴射による燃焼によって得られる。各噴射の噴射時期および噴射量は、運転状態、例えばエンジン回転速度Neと要求トルクTとに基づいて予め記憶されているマップデータから読込むことによって設定される。
EGR制御部63(EGR制御手段)は、EGRの要否を判定し、EGRを行わない場合にはEGR弁52を閉弁させ、行う場合には目標EGR率εに応じたEGR弁52の開度を設定したうえで、これを開弁させる。なお当実施形態では、(EGR率)=(EGR量)/(全体の吸気量)で表されるものとする。
図2は、目標EGR率εの設定図である。横軸にエンジン回転速度Ne、縦軸にエンジンの要求トルクTを示す。この設定図において目標EGR率εは等EGR率線で示されており、矢印AW1で示す方向、つまりエンジン回転速度Neや要求トルクTが小さいほど大きな値となるように設定されている。最も目標EGR率εの低い高負荷高回転域ではε=0%である。また最も目標EGR率εの高い低負荷低回転領域ではε≧50%である。
次に、このディーゼルエンジンの運転動作について説明する。最初に、低温燃焼噴射モードと噴射時期リタードモードとに共通する、全体的な運転動作の概要を図1を参照しつつ説明する。まず吸気の流れとして、エアクリーナ24によって異物や塵埃等が除去された吸気(新気)が吸気通路21に導入される。その吸気はスロットル23を通るが、通常は吸気スロットル23が全開とされているので、絞られることなく通過する。そして排気通路22とEGR通路51との合流部において、EGRクーラ53によって冷却されたEGRガスと新気とが合流する。EGRガスと合流した吸気(混合ガス)は、その後過給機28に導入される。混合ガスは過給機28で圧縮、増圧されるとともに断熱圧縮によって温度上昇するが、その後インタークーラ27によって冷却されて密度が高められ、吸気ポート17に導入される。
そして吸気行程において、排気弁20が閉弁するとともに吸気弁19が開弁し、ピストン13が降下する。それに伴って吸気ポート17から燃焼室14内に混合ガスが導入される。
続く圧縮行程では、吸気弁19が閉弁するとともにピストン13が上昇する。これによって混合ガスが断熱圧縮され、高温・高圧となる。そしてピストン13が圧縮TDC付近まで上昇した時期の前後に燃料噴射弁16から燃料が噴射される。噴射された燃料は高温・高圧環境下で自着火を起こし、燃焼を開始する。
続く膨張行程では、燃焼によって急激に筒内圧力が上昇し、強い力でピストン13が押し下げられる。この力によってクランクシャフト3を駆動するエンジントルクが生成される。また燃焼により、HC、CO、NOxおよびPM等が生成する。
続く排気行程では、排気弁20が開弁するとともにピストン13が上昇する。これによって燃焼室14内の燃焼ガスが排気ポート18に排出される。排出された排気ガスは、過給機28を駆動した後、排気浄化装置37に導入され、所定の浄化処理が行われる。その後、排気ガスの一部はEGR通路51に分流してEGRガスとなり、残部は排出される。
次に、圧縮行程後期から膨張行程にかけて行われる燃料噴射と燃焼の形態について、運転領域別に詳細に説明する。図3は、このエンジンの運転領域をモード別に区分して示す設定図である。横軸にエンジン回転速度Ne、縦軸に要求トルクTを示す。この図において、(A)は低温燃焼噴射モードを実行する運転領域、(B)は噴射時期リタードモードを実行する運転領域であることを示す。
まず領域(A)で行われる低温燃焼噴射モードについて説明する。図3に示すように、低温燃焼噴射モードは、エンジン回転速度Neが約3000rpm以下の低中負荷領域、例えばBMEP(正味平均有効圧力)が0.6MPa以下に相当する負荷領域で実行される。この領域では、図2に示す目標EGR率εが全体的に高く、運転状態によっては最大目標EGR率(ε≧50%)が設定される。このように高EGR率でEGRが行われるので、EGRガスがEGRクーラ53で冷却されていることも相俟って、燃焼温度が大幅に抑制される。つまり低温燃焼が行われる。このため、燃焼によるNOxの発生を大幅に削減することができる。
図4は、低温燃焼噴射モードにおける燃料噴射と燃焼の形態を示すタイムチャートである。横軸にクランク角(deg.)を示す。クランク角=360deg.のポイントが圧縮TDCである。そして縦軸下段には燃料噴射弁16の開度(図略のニードル弁のリフト量)、縦軸上段には熱発生率(J/deg.)を示す。
図4に示すように、低温燃焼噴射モードでは、圧縮行程後期に前段噴射J1と後段噴射J2とからなる分割噴射が行われる。前段噴射J1は、いわゆるパイロット噴射(図7のP7参照)とは本質的に異なるものである。すなわちパイロット噴射は、本来の噴射(メイン噴射)の前に微量の燃料を噴射し、予備的な燃焼を起こさせるものであるのに対し、この前段噴射J1は、比較的多量の燃料を噴射し、後段噴射J2の燃料と一緒に燃焼させるものである。なお図4に示すポイントJF1は、後段噴射J2の噴射が実質的に完了する時点である。
後段噴射J2後、圧縮TDC付近で熱発生率のピークを有する燃焼H1が行われている。ここでポイントHR1は熱炎着火点であって、本格的な燃焼が開始する時点である。例えば熱炎着火点HR1は、dP/dθ(クランク角に対する指圧Pの変化率)の変曲点として規定することができる。図4に示すように、噴射完了時点JF1から熱炎着火点HR1に至るまでの間に期間D1が存在している。この期間D1の存在は、スモークの抑制に大きく貢献している。燃料の噴射が完了する前(つまり噴射完了時点JF1より前)に熱炎着火点HR1が到来すると、燃焼時の燃料の偏在が顕著となるので、スモークが多量に発生するのであるが、当実施形態のように、噴射完了時点JF1から期間D1の後に熱炎着火点HR1が到来するようにすれば、そのような事態が回避される。すなわちスモークが効果的に抑制される。
なお、後段噴射J2の後、比較的早期に燃焼H1が起こるので、期間D1を確保するには後段噴射J2に要する期間を可及的に短縮する必要がある。当実施形態では、燃料のうちの比較的多く(図4に示す例では半分近く)を前段噴射J1で噴射しているので、その分後段噴射J2の噴射量が少なくなっている。こうすることにより後段噴射J2に要する期間が大きく短縮されるので、期間D1を容易に確保することができる。
また、比較的多量の前段噴射J1を行うことにより、その燃料の予混合が促進されることもスモークの低減に貢献している。
そして、燃焼H1の熱発生率のピークは圧縮TDC付近となっている。これは、最も燃費の良い等容度燃焼(圧縮TDCで燃焼を行わせるもの)に近い燃焼、すなわち高等容度燃焼であるため、燃費向上に有利となっている。
以上の説明から明らかなように、運転領域(A)においては、多量のEGRによって低温燃焼を行わせてNOxを削減しつつ、低温燃焼噴射モードによってスモークの発生も抑制し、さらに燃費に有利な高等容度の燃焼を行わせることができる。
次に、このような燃焼を実現するための前段噴射J1の設定の一例について説明する。図5はある運転状態における前段噴射J1の噴射量を増減させた場合のスモーク発生量や燃料消費率の変化を示す特性図である。横軸に1行程当たりの前段噴射J1の噴射量(mm/st)、縦軸上段にスモークの発生量(FSN)、縦軸下段に燃料消費率(g/kWh)を示す。
スモークは、前段噴射量=0mm/stの場合に最も多く発生し、前段噴射量を増大させるに従って急速に低減する。前段噴射量が4mm/stを超えた以降は緩やかに低減する。前段噴射量が少ないとスモークの量が多くなるのは、相対的に後段噴射量が増えるために後段噴射J2に要する期間が長くなり、期間D1が充分確保できなくなるからである。この例では、期間D1確保可否の境界が前段噴射量=4mm/st付近にあると考えられる。
燃料消費率は、前段噴射量=0〜2mm/stの場合が最も少なく、前段噴射量を増大させるに従って徐々に増加する。前段噴射量が多いと燃料消費率が多くなる(燃費が悪化する)のは、相対的に後段噴射量が減るために後段噴射J2に要する期間が短くなり、その分燃焼時期が理想的な圧縮TDCよりも早期化されるためである。
図5から明らかなように、前段噴射量に関して、スモークの削減と燃費の向上とはトレードオフの関係にある。この例では、両者のバランスを考慮して前段噴射量=5.5mm/st付近に設定するのが良い。
全体の傾向としては、高負荷であるほど前段噴射量の割合を高くするのが望ましい。高負荷領域では全噴射量が多く、相対的に後段噴射J2に要する時間が長くなって上記期間D1の確保に不利となるからである。つまり後段噴射量を低減して後段噴射J2の完了を早期化するために前段噴射量の割合を高くするのが良い。
図6はある運転状態における前段噴射J1の噴射開始時期を前後させた場合のスモーク発生量やライナ衝突燃料量の変化を示す特性図である。横軸に前段噴射J1の噴射開始時期(BTDC,deg.)、縦軸上段にスモークの発生量(FSN)、縦軸下段に1行程当たりのライナ衝突燃料量(×10−7kg/st)を示す。なおライナ衝突燃料量とは、燃料噴射弁16から噴射された燃料が、直接気筒12のライナ(シリンダ壁面)に衝突する燃料の量である。
スモークは、前段噴射時期がBTDC55〜40deg.の領域で少なく、BTDC40deg.から圧縮TDCに近づくに従って急速に増大する。前段噴射開始時期を遅延させるとスモーク量が増大するのは、前段噴射J1の予混合か充分になされなくなるからである。
ライナ衝突燃料量は、前段噴射時期が早いほど(圧縮TDCから遠いほど)多い。ピストン13がまだ圧縮TDCから遠く、ライナの露出面積が大きいからである。ライナ衝突燃料量が多いと、衝突した燃料がライナからピストンリングを経由して気筒12外に漏出してオイルを希釈させる、いわゆるオイル希釈の懸念が増大するので望ましくない。
図5から明らかなように、前段噴射開始時期に関して、スモークの削減とライナ衝突燃料量の削減(オイル希釈懸念の低減)とはトレードオフの関係にある。この例では、両者のバランスを考慮して前段噴射開始時期=BTDC40deg.付近に設定するのが良い。
全体の傾向としては、エンジン回転速度Neが高いほど前段噴射時期を早期化するのが望ましい。エンジン回転速度Neが高いと単位クランク角当たりの絶対時間が短くなるので、前段噴射J1の予混合時間を確保するために前段噴射時期を早期化するのが良い。
なお、後段噴射J2については、後段噴射量は全噴射量と前段噴射量との差から一義的に求めることができる。また後段噴射時期は図4に示す特性から、期間D1を確保でき、且つ熱発生率のピークが圧縮TDC付近となるような時期が設定される。
以上説明した前段噴射J1及び後段噴射J2の各噴射量と各噴射時期は、予め実験等によって運転状態毎に設定され、マップデータとして燃料噴射制御部62に記憶されている。低温燃焼噴射モードの実行時には、まずそのマップデータから運転状態に応じた値を読込むことにより、各噴射量及び各噴射時期が設定される。そしてさらに、必要に応じて後段噴射J2の噴射時期補正が行われる。
次にその後段噴射J2の噴射時期補正について説明する。後段噴射J2の噴射時期補正は、何らかの要因、或いは過渡的な動作において燃焼時期が狙いの圧縮TDC付近から外れた場合、それが圧縮TDC付近となるように補正するものである。燃焼時期は、指圧センサ41によって検出される燃焼時の指圧Pに基いて判定される。例えば指圧Pがピークとなる時期が燃焼時期とされる。
前段噴射J1、後段噴射J2の各噴射量が既定の場合、燃焼時期は前段噴射時期に殆ど影響を受けず、後段噴射時期が支配的な役割をはたす。すなわち後段噴射時期を早期化すれば燃焼時期も早期化し、後段噴射時期を遅延させれば燃焼時期も遅延する。この特性を利用し、例えばフィードバック制御によって燃焼時期が圧縮TDCに近づく方向に後段噴射J2の噴射時期を補正することにより、より確実に圧縮TDCに近い領域で燃焼を行わせることができ、燃費の更なる向上を図ることができる。
この補正において、燃焼時期が狙いの圧縮TDCよりも遅延したときに、これを是正するために後段噴射時期を早期化補正することは、図4に示す期間D1を一時的に拡大する方向の補正であるから問題ない。しかし逆に燃焼時期が狙いの圧縮TDCよりも早期化したときに、これを是正するために後段噴射時期を遅延化補正することは、期間D1を一時的に縮小する方向の補正であり、この場合、期間D1が不充分となってスモークが増大する虞がある。このような事態を回避するため、当実施形態では後段噴射J2の補正の範囲を、期間D1が所定値(例えば0deg.)以上確保できる範囲で行うようにしている。こうすることにより、スモークの発生を効果的に抑制することができる範囲内で、可及的に高等容度燃焼を行わせて燃費の向上を図ることができる。
次に領域(B)で行われる噴射時期リタードモードについて説明する。図3に示すように、噴射時期リタードモードは、エンジン回転速度Neが約3000rpm以下の中負荷領域(領域(A)よりも高負荷の領域)で実行される。この領域では、EGRを実行するが、全体的に領域(A)よりも目標EGR率εの低い設定となる(例えば25%前後)。この場合でも、領域(A)ほどではないが、EGRクーラ53で冷却されたEGRガスによって燃焼温度が抑制され、燃焼によるNOxの発生を削減することができる。
図7は、噴射時期リタードモードにおける燃料噴射と燃焼の形態を示すタイムチャートである。各軸の表示は図4と同様である。図7に示すように、噴射時期リタードモードでは、圧縮行程後期に微量のパイロット噴射P7が行われ、予備的な燃焼がなされる。そして圧縮TDC後にメイン噴射J7が行われ、実質的な燃焼H7が起こる。この例では燃焼H7の熱発生率のピークはATDC15度程度である。図7に示すように、メイン噴射J7が完了する前に燃焼H7の熱炎着火が起こっているが、メイン噴射J7を大きく遅延させて圧縮TDC以降とすることにより、燃焼H7の殆どが予混合燃焼となり、スモークの発生が抑制される。
以上の説明から明らかなように、運転領域(B)においては、中程度のEGRによって燃焼温度を低減させてNOxを削減しつつ、噴射時期リタードモードによってスモークの発生が抑制される。但し圧縮TDCより大きく遅延して燃焼させるため、等容度燃焼という観点からは上記低温燃焼噴射モードに及ばない。しかし、比較的EGR率が低く、全噴射量も多いために低温燃焼噴射モードの実行が困難な領域(B)においては、NOxの削減とスモークの削減とを両立させることができる有効な燃焼形態である。
領域(A)、(B)以外の運転領域については、従来の一般的なディーゼルエンジンの動作と同様なので詳細な説明を省略する。
図8は、ECU2による、低温燃焼噴射モードおよび噴射時期リタードモードを含む制御のフローチャートである。この制御がスタートすると、まず各種センサ等からのデータが読込まれる(ステップS1)。例えばエンジン回転速度Ne、アクセル開度Ac、指圧P等が読込まれる。次に、エンジン回転速度Neとアクセル開度Acとに基いて要求トルクTが算出される(ステップS2)。さらに運転状態に基いて目標EGR率ε(図2参照)が設定される(ステップS3)。
次に要求トルクTが所定値より小さいか否かが判定される(ステップS4)。ステップS4でYESの場合、現在の運転領域が領域(A)にあることを意味する。そこでステップS5に移行し、低温燃焼噴射モードを実行する。すなわち前段噴射J1および後段噴射J2の各噴射量と各噴射時期とを設定する。さらに指圧Pに基いて、燃焼時期が圧縮TDC付近となるようにフィードバック制御等によって後段噴射時期が補正される(ステップS6)。
一方、ステップS4でNOの場合、現在の運転領域が領域(B)にあることを意味する。そこでステップS7に移行し、噴射時期リタードモードを実行する。すわなちパイロット噴射P7およびメイン噴射J7の各噴射量と各噴射時期とを設定する。
ステップS6またはS7の後、各モードに応じて燃料噴射弁16を制御し燃料を噴射させる(ステップS8)。さらにステップS3で設定された目標EGR率εに基いてEGR弁52が制御され、リターンされる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、この実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、低温燃焼噴射モードにおける分割噴射は、必ずしも前段噴射J1と後段噴射J2とからなる2分割噴射でなくても良く、3分割以上であっても良い。その場合は、最初の噴射が前段噴射J1、最後の噴射が後段噴射J2に相当する。そして途中の噴射は、前段噴射J1と後段噴射J2との中間の作用を呈するものとなる。
また、図3に示す領域(A)、(B)の境界は、当実施形態では正味平均有効圧力BMEPが0.6MPaに相当する要求トルクTであるとしたが、それよりも高い要求トルクTを境界としても良い。領域(A)が広い方が高等容燃焼による燃費向上効果を大きくすることができるので望ましい。また可能であれば領域(B)を設けずに、全域を領域(A)としても良い。
低温燃焼噴射モードにおける燃焼H1の時期を圧縮TDC付近に調整するための補正として、当実施形態では前段噴射J1と後段噴射J2の各噴射量を既定値とし、後段噴射J2の時期を前後させることによって補正するようにしたが、必ずしもこのようにする必要はない。前/後段の噴射割合を変動させることによっても燃焼H1の時期を前後させることができるので、それを利用した補正方法を用いても良い。
本発明の一実施形態に係るディーゼルエンジンの概略構成図である。 上記エンジンの目標EGR率の設定図である。 上記エンジンの運転領域をモード別に区分して示す設定図である。 上記エンジンの低温燃焼噴射モードにおける燃料噴射と燃焼の形態を示すタイムチャートである。 上記低温燃焼噴射モードにおいて前段噴射の噴射量を増減させた場合のスモーク発生量や燃料消費率の変化を示す特性図である。 上記低温燃焼噴射モードにおいて前段噴射の噴射開始時期を前後させた場合のスモーク発生量やライナ衝突燃料量の変化を示す特性図である。 上記エンジンの噴射時期リタードモードにおける燃料噴射と燃焼の形態を示すタイムチャートである。 上記エンジンのECUによる、低温燃焼噴射モードおよび噴射時期リタードモードを含む制御のフローチャートである。
符号の説明
1 (ディーゼル)エンジン本体
2 ECU
16 燃料噴射弁
21 吸気通路
22 排気通路
41 指圧センサ(パラメータ値検出手段)
51 EGR通路(EGR手段)
52 EGR弁(EGR手段)
62 燃料噴射制御部(燃料噴射制御手段)
63 EGR制御部(EGR制御手段)
JF1 最後の噴射(後段噴射)の実質的な完了時期
HR1 熱炎着火時期

Claims (4)

  1. EGR弁の開度に応じた量の排気ガスを排気通路から吸気通路に還流させるEGR手段と、
    運転状態に応じた所定のEGR率になるように上記EGR弁の開度を調節するEGR制御手段と、
    エンジンの燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    上記燃料噴射弁の燃料噴射量および燃料噴射時期をエンジンの運転状態に応じて設定する燃料噴射制御手段とを備えたディーゼルエンジンの制御装置であって、
    所定の低中負荷運転領域において、上記EGR制御手段が上記EGR率を増大させて低温燃焼を行わせるとともに、上記燃料噴射制御手段が圧縮行程後期で分割噴射を行う低温燃焼噴射モードを実行し、
    上記分割噴射の噴射量および噴射時期は、各噴射燃料が圧縮行程上死点付近で燃焼するように予め設定されていることを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
  2. 上記分割噴射は、その最後の噴射の実質的な完了時期が、その噴射による燃焼の熱炎着火時期よりも早期となるように予め設定されていることを特徴とする請求項1記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  3. 燃焼室の燃焼圧力に関連するパラメータ値を検出するパラメータ値検出手段を備え、
    上記燃料噴射制御手段は、上記低温燃焼噴射モードの実行中において、上記パラメータ値に基く実際の燃焼時期が、圧縮行程上死点付近となるように、上記分割噴射の噴射量または噴射時期を補正することを特徴とする請求項1または2記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  4. 上記燃料噴射制御手段は、上記補正を、上記最後の噴射の実質的な完了時期から上記実際の熱炎着火時期までの期間が所定値以上確保される範囲内で行うことを特徴とする請求項3記載のディーゼルエンジンの制御装置。
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