JP2007331969A - 光学素子用成形金型 - Google Patents

光学素子用成形金型 Download PDF

Info

Publication number
JP2007331969A
JP2007331969A JP2006164444A JP2006164444A JP2007331969A JP 2007331969 A JP2007331969 A JP 2007331969A JP 2006164444 A JP2006164444 A JP 2006164444A JP 2006164444 A JP2006164444 A JP 2006164444A JP 2007331969 A JP2007331969 A JP 2007331969A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical element
transfer
mold
high expansion
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006164444A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4857931B2 (ja
Inventor
Daisuke Nishino
大介 西野
Toshiya Tomisaka
俊也 富阪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Opto Inc
Original Assignee
Konica Minolta Opto Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Opto Inc filed Critical Konica Minolta Opto Inc
Priority to JP2006164444A priority Critical patent/JP4857931B2/ja
Publication of JP2007331969A publication Critical patent/JP2007331969A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4857931B2 publication Critical patent/JP4857931B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/60Aligning press die axes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/72Barrel presses or equivalent, e.g. of the ring mould type

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】成形金型の材質の選択肢を狭めることなく、また、徒に高い加工精度を必要としないで、光学素子の二つの光学面の光軸ずれ量や、光学素子の外周側面部に形成された組み立て基準とされる面の中心軸と光学面の光軸とのずれ量を低減させることができる光学素子用成形金型を提供する。
【解決手段】下型12と胴型部材13との間に、リング状部材に径方向の切り欠き部を設けた部材であって、下型12及び胴型部材13のいずれよりも線膨張係数の高い材質からなる高膨張部材14を備え、成形時の温度に加熱されることによる各部材の熱膨張によって、下型12と高膨張部材14、及び、高膨張部材14と胴型部材13とがそれぞれ密着状態となるように下型12、高膨張部材14、及び胴型部材13の寸法を設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス製光学素子をプレス成形するための光学素子用成形金型に関する。
今日、ガラス製の光学素子は、デジタルカメラ用レンズ、DVD等の光ピックアップレンズ、携帯電話用カメラレンズ、光通信用のカップリングレンズなどとして広範にわたって利用されている。
かかるガラス製の光学素子は、加熱、軟化したガラス素材を成形金型で加圧成形するプレス成形法により製造されることが多くなってきた。ガラス製光学素子のプレス成形法として、(1)予め所定質量及び形状を有する成形用ガラス素材を作製し、該成形用ガラス素材を成形金型とともにガラスが変形可能な温度まで加熱した後、成形用ガラス素材を成形金型にて加圧成形してガラス成形体に光学面を転写させる方法や、(2)予め成形金型を所定温度に加熱しておき、成形金型の表面に溶融ガラス滴を滴下して、滴下されたガラス滴が未だ変形可能な温度にある間に成形金型にて加圧成形してガラス成形体に光学面を転写させる方法などが知られている。
近年の各種光学機器の小型化、高精度化に伴って、ガラス製の光学素子に要求される性能もますます高くなり、二つの光学面の光軸ずれ量(以下、「面間偏心量」という。)や、光学素子の外周側面部に形成される組み立て基準面の中心軸と光学面の光軸とのずれ量(以下、「外周偏心量」という。)についても、これらを十分に低減させるための検討が行われてきている。
面間偏心量や外周偏心量を低減させるための光学素子用成形金型として、成形金型の素材の熱膨張係数に注目したものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
そのような光学素子用成形金型について、図8を参照して説明する。図8は、特許文献1記載の光学素子用成形金型と成形された光学素子の断面を示した図である。この光学素子用成形金型は、摺動成形型1、非摺動成形型2、胴型3からなり、摺動成形型1の熱膨張率をα1、非摺動成形型2の熱膨張率をα2、胴型3の熱膨張率をα3とするとき、α2>α1≧α3の関係になるように各部材の材質が選択されている。
成形温度までの加熱による膨張によって、非摺動成形型2と胴型3のクリアランスが実質的に0となるように寸法を設定しておく。また、摺動成形型1と胴型3のクリアランスは摺動可能な程度に残るように寸法を設定しておく。このように各部材の熱膨張率と寸法を設定することにより、成形される光学素子の面間偏心量や外周偏心量の低減を図ることが可能となる。
特開2005−231933号公報
しかしながら、ガラス製光学素子をプレス成形するための光学素子用成形金型の材質は、高温でガラスと反応しにくいこと、酸化しにくいこと、鏡面が得られること、加工性が良いこと、硬いこと、脆くないことなど、多くの条件を満足している必要がある。実際にこれらの諸条件を満足する材料は、炭化タングステンや炭化珪素などを含んだ一部のセラミックス材料や、特殊な耐熱合金などに限られており、特許文献1に記載されているような熱膨張率の関係を満たすような材料を選択することは困難であった。
また、上記の熱膨張率の関係を満たしていても、各部材の熱膨張率の差を十分に大きく設定することができないために、非摺動成形型2と胴型3のクリアランスが実質的に0となるように寸法を設定しておくためには、非常に高い加工精度が必要になるという問題があった。
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、成形金型の材質の選択肢を狭めることなく、また、徒に高い加工精度を必要としないで面間偏心量や外周偏心量を低減させることができる光学素子用成形金型を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1. 光学素子の第1の光学面を形成するための第1転写面を有する第1転写部材と、前記第1転写部材に対向して配置され、前記光学素子の第2の光学面を形成するための第2転写面を有する第2転写部材と、成形時に前記第1転写部材及び前記第2転写部材が挿入される胴型部材と、を備えた光学素子用成形金型において、前記第1転写部材は、成形時の温度において前記胴型部材内で摺動可能であり、リング状部材に径方向の切り欠き部を設けた部材であって、前記第2転写部材及び前記胴型部材のいずれよりも線膨張係数の高い材質からなる高膨張部材を前記第2転写部材と前記胴型部材との間に備え、成形時の温度に加熱されることによる前記第2転写部材、前記高膨張部材、及び前記胴型部材の熱膨張によって、前記第2転写部材と前記高膨張部材、及び、前記高膨張部材と前記胴型部材とがそれぞれ密着状態となるように前記第2転写部材、前記高膨張部材、及び前記胴型部材の寸法が設定されていることを特徴とする光学素子用成形金型。
2. 前記胴型部材は、前記光学素子の外周側面部の少なくとも一部を形成するための側面部転写面を有することを特徴とする1記載の光学素子用成形金型。
3. 光学素子の第1の光学面を形成するための第1転写面を有する第1転写部材と、前記第1転写部材に対向して配置され、前記光学素子の第2の光学面を形成するための第2転写面を有する第2転写部材と、前記第2転写部材が挿入され、前記光学素子の外周側面部の少なくとも一部を形成するための側面部転写面を有する側面部転写部材と、を備えた光学素子用成形金型において、リング状部材に径方向の切り欠き部を設けた部材であって、前記第2転写部材及び前記側面部転写部材のいずれよりも線膨張係数の高い材質からなる高膨張部材を前記第2転写部材と前記側面部転写部材との間に備え、成形時の温度に加熱されることによる前記第2転写部材、前記高膨張部材、及び前記側面部転写部材の熱膨張によって、前記第2転写部材と前記高膨張部材、及び、前記高膨張部材と前記側面部転写部材とがそれぞれ密着状態となるように前記第2転写部材、前記高膨張部材、及び前記側面部転写部材の寸法が設定されていることを特徴とする光学素子用成形金型。
4. 前記高膨張部材は、リング状部材に径方向の1つの切り欠き部を設けたC字形状の部材であることを特徴とする1乃至3の何れか1項に記載の光学素子用成形金型。
5. 前記高膨張部材は、リング状部材に径方向に複数の切り欠き部を設けて複数個に分割された部材であることを特徴とする1乃至3の何れか1項に記載の光学素子用成形金型。
6. 前記高膨張部材は、オーステナイト系ステンレス鋼からなることを特徴とする1乃至5の何れか1項に記載の光学素子用成形金型。
本発明の光学素子用成形金型によれば、加熱による高膨張部材の膨張によって第2転写部材と胴型部材が位置決めされて固定され、第1転写部材と第2転写部材の位置ずれを最小限に抑えることができることから、成形金型の材質の選択肢を狭めることなく、また、徒に高い加工精度を必要としないで光学素子の二つの光学面の光軸ずれ量を低減することができる。
また、本発明の別の光学素子用成形金型によれば、加熱による高膨張部材の膨張によって第2転写部材と側面部転写部材が位置決めされて固定され、両者の位置ずれを最小限に抑えることができることから、成形金型の材質の選択肢を狭めることなく、また、徒に高い加工精度を必要としないで光学素子の外周側面部に形成される組み立て基準面の中心軸と光学面の光軸とのずれ量を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施形態1)
本発明の第1の実施形態である光学素子用成形金型を図1及び図2に示す。図1は室温(25℃)における状態を示す図であり、図2は成形温度(560℃)に加熱され、光学素子を加圧している状態を示す図である。図1(a)と図2(a)は光学素子用成形金型の断面図、図1(b)は図1(a)に示した光学素子用成形金型のA−A断面図、図2(b)は図2(a)に示した光学素子用成形金型のA’−A’断面図である。
本実施形態における光学素子用成形金型10は、第1転写部材である上型11、第2転写部材である下型12、胴型部材13、及び、高膨張部材14により構成されている。上型11は、光学素子15の第1の光学面を形成するための第1転写面16を有し、図示しないエアシリンダにより下方に移動して、胴型部材13に挿入された状態で摺動して光学素子15を加圧する。下型12は、光学素子15の第2の光学面を形成するための第2転写面17を有し、胴型部材13に挿入された状態で上型11に対向して配置されている。また、胴型部材13は、光学素子15の外周側面部を全周にわたって形成するための側面部転写面18を有している。
下型12と胴型部材13との間に、高膨張部材14が配置されている。高膨張部材14は、リング状部材に対して径方向に4つの切り欠き部19を設けて4つに分割されたものである。高膨張部材14として、ここでは4つに分割された場合を例に挙げて説明するが、分割数は4つに限定されるものではなく構成に応じて適宜選択すればよい。また、等分割に限らず、分割された部材の大きさに差があっても良い。但し、径方向の切り欠き部が少なくとも1つ設けられている必要がある。切り欠き部が設けられていない場合には、成形時の温度に加熱されることによる熱膨張によって下型12と高膨張部材14とを密着状態にすることが困難となるからである。
なお、切り欠き部19の幅t1は、成形時の温度に加熱された状態でも高膨張部材14同士が密着せずに隙間が残存するような大きさとすることが好ましい。成形時の温度に加熱した場合に高膨張部材14同士が密着してしまうと、下型12と高膨張部材14とを密着状態にすることが困難となる場合があるからである。ここでは、切り欠き部19の幅t1を0.5mmに設定した。
上型11、下型12、及び胴型部材13の材質は、炭化タングステンを主成分とする超硬材料、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムなど、ガラス製光学素子をプレス成形するための光学素子用成形金型として公知の材質の中から用途に応じて適宜選択して用いることができる。また、これらの材質の表面に各種金属やセラミックス、カーボンなどの薄膜を形成したものを用いることもできる。本実施形態においては、上型11、下型12、及び胴型部材13は、いずれも炭化タングステンを主成分とする超硬材料からなる。線膨張係数は6.2×10-6/℃である。
一方、高膨張部材14には、下型12及び胴型部材13のいずれよりも線膨張係数が高い材質を用いる。成形温度において、酸化等による表面の劣化の少ない材質が好ましい。例えば、ステンレス鋼、チタン合金、ニッケル基又はコバルト基の耐熱合金などが挙げられる。ステンレス鋼の中でも、オーステナイト系ステンレス鋼であるSUS303、SUS304、SUS310S、SUS316などは、他の種類のステンレス鋼と比較して線膨張係数が高いため、加工精度を緩くすることができ、セッティングも容易になるため特に好ましい。本実施形態においては、高膨張部材14はオーステナイト系ステンレス鋼であるSUS304からなる。線膨張係数は17.3×10-6/℃である。
本実施形態において、図1に示したA−A断面における下型12の外径d1、高膨張部材14の内径D1、高膨張部材14の外径d2、及び胴型部材13の内径D2の各寸法は、室温で下型12と高膨張部材14との間、及び、高膨張部材14と胴型部材13との間にそれぞれセッティングに必要なクリアランスが存在するように設定する。ここでは、室温(25℃)において、下型12の外径d1を直径16mm、高膨張部材14の内径D1を直径16.01mm、高膨張部材14の外径d2を直径21.99mm、胴型部材13の内径D2を直径22mmに設定した。胴型部材13と下型12の間のスペースは片側3mm存在するのに対して、そのスペースに挿入される高膨張部材14の幅は2.99mmである。従って、下型12と高膨張部材14との間、及び、高膨張部材14と胴型部材13との間にそれぞれ片側0.005mmずつのクリアランスが存在し、容易にセッティングすることが可能である。
更に、下型12、高膨張部材14、及び胴型部材13の寸法は、成形時の温度に加熱されることによる熱膨張によって、下型12と高膨張部材14、及び、高膨張部材14と胴型部材13とがそれぞれ密着状態となるように設定する必要がある。成形時の温度(560℃)における、図2に示したA’−A’断面での下型12の外径d1’は、直径16.05mm、胴型部材13の内径D2’は、直径22.07mmであり、胴型部材13と下型12の間のスペースは片側3.01mmとなる。このとき、高膨張部材14は幅3.02mmにまで膨張しようとするため、いわゆるしまり嵌めとなり、下型12と高膨張部材14、及び、高膨張部材14と胴型部材13とがそれぞれ密着状態となって固定される。
一方、上型11と胴型部材13との間には、成形時の温度において摺動可能な程度のクリアランスが必要である。ここでは、室温(25℃)において上型11の外径を直径21.99mm、胴型部材13の内径を直径22mmに設定している。上型11と胴型部材13とは同一素材で構成されているため、成形時の温度(560℃)においてもクリアランス量はほとんど変化しない。そのため、成形時の温度におけるクリアランス量は片側で0.005mmであり、良好に摺動可能であると同時に、上型11と胴型部材13の位置ずれを0.005mm以下に抑えることができる。
このように、成形時の温度に加熱されることによる下型12、高膨張部材14、及び胴型部材13の熱膨張によって、下型12と高膨張部材14、及び、高膨張部材14と胴型部材13とがそれぞれ密着状態となって位置決めされるため、上型11と下型12の位置ずれを最小限に抑えることができることから、光学素子15の二つの光学面の光軸ずれ量を低減することができる。また、胴型部材13は、光学素子15の外周側面部に形成される組み立て基準面を形成するための側面部転写面18を有していることから、かかる組み立て基準面の中心軸と光学面の光軸とのずれ量も低減することができる。
(実施形態2)
本発明の第2の実施形態である光学素子用成形金型を図3及び図4に示す。図3は室温(25℃)における状態を示す図であり、図4は成形温度(560℃)に加熱され、光学素子を加圧している状態を示す図である。図3(a)と図4(a)は光学素子用成形金型の断面図、図3(b)は図3(a)に示した光学素子用成形金型のA−A断面図、図4(b)は図4(a)に示した光学素子用成形金型のA’−A’断面図である。
本実施形態における光学素子用成形金型20は、上型21の第1転写面26が平面であること、及び、側面部転写面28を有する側面部転写部材23を胴型部材13の代わりに備えること、とを除いて上記第1の実施形態における光学素子用成形金型10と同様である。
上型21と側面部転写部材23の材質は、下型12と同じく炭化タングステンを主成分とする超硬材料からなる。線膨張係数は6.2×10-6/℃である。その他の部材の材質は全て第1の実施形態における光学素子用成形用金型10と同じである。また、A−A断面の室温における各部材の寸法d1、D1、d2、D2も第1の実施形態の場合と同じである。
本実施形態においては、上型21の第1転写面26が平面であるため、上型21と下型12の位置ずれは必ずしも最小限に抑える必要はない。そのため、図4(a)に示すように、成形時においても上型21は側面部転写部材23に挿入されない構成となっている。
本実施形態において得られる光学素子25の断面図を図5(a)に示す。光学素子25は、上型21の第1転写面26の転写によって得られる第1の光学面51及び下型12の第2転写面17の転写によって得られる第2の光学面52に加え、側面部転写部材23の側面部転写面28の転写によって得られる外周側面部53を有している。外周側面部53は、光学素子25の組み立て基準面として用いることができる。なお、本発明においては、組み立て基準面として用いることができる領域は、光学素子の外周側面部の厚み方向に全域にわたって形成される場合に限られず、図5(b)に示すように、光学素子の外周側面部55の少なくとも一部に組み立て基準面として用いることができる領域54が形成されていれば良い。
本実施形態の場合、成形時の温度に加熱されることによる下型12、高膨張部材14、及び側面部転写部材23の熱膨張によって、下型12と高膨張部材14、及び、高膨張部材14と側面部転写部材23とがそれぞれ密着状態となって位置決めされるため、側面部転写部材23の側面部転写面28によって光学素子25の外周側面部に形成される組み立て基準面53の中心軸と、下型12の第2転写面17によって形成される光学面52の光軸とのずれ量を低減することができる。
(実施形態3)
本発明の第3の実施形態である光学素子用成形金型を図6及び図7に示す。図6は室温(25℃)における状態を示す図であり、図7は成形温度(650℃)に加熱され、光学素子を加圧している状態を示す図である。図6(a)と図7(a)は光学素子用成形金型の断面図、図6(b)は図6(a)に示した光学素子用成形金型のB−B断面図、図7(b)は図7(a)に示した光学素子用成形金型のB’−B’断面図である。
本実施形態における光学素子用成形金型30は、第1転写部材である下型32、第2転写部材である上型31、胴型部材33、及び、高膨張部材34により構成されている。上型31は、光学素子35の第2の光学面を形成するための第2転写面36を有し、胴型部材33に挿入されて固定された状態で、図示しないエアシリンダにより下方に移動して光学素子35を加圧する。下型32は、光学素子35の第1の光学面を形成するための第1転写面37を有し、上型31に対向して配置されており、胴型部材33が上型31と共に下方に移動することで胴型部材33に挿入される。
第1の実施形態の場合と異なり、胴型部材33は、光学素子35の外周側面部の少なくとも一部を形成するための側面部転写面は有しておらず、成形完了時においても光学素子35の外周側面部は光学素子用成形金型30とは接触しない。
上型31と胴型部材33との間に、高膨張部材34が配置されている。高膨張部材34は、リング状部材に対して径方向に1つの切り欠き部39を設けたC字形状の部材である。このように、高膨張部材34には切り欠き部39が設けられているいるため、成形時の温度に加熱されることによる熱膨張によって外側に膨張して高膨張部材34と胴型部材33とが密着状態になって拘束されると、次に内径が小さくなる方向に変形する。従って、上型31と高膨張部材34、及び、高膨張部材34と胴型部材33とをそれぞれ密着状態として位置決めすることが可能となる。また、複数の部材に分割されていないため部材内での温度分布が発生しにくく、取り扱いも容易であるという利点がある。
なお、切り欠き部39の幅t2は、成形時の温度に加熱された状態でも隙間が残存するような大きさとすることが好ましい。成形時の温度に加熱した場合に隙間が無くなってしまうと、上型31と高膨張部材34とを密着状態にすることが困難となる場合があるからである。ここでは、切り欠き部39の幅t2を1mmに設定した。
本実施形態においては、上型31と下型32には、線膨張係数が4.6×10-6/℃の炭化珪素を用いている。また、胴型部材33には、線膨張係数が5×10-6/℃の窒化アルミニウムを、高膨張部材34には、線膨張係数が15.9×10-6/℃のSUS310Sをそれぞれ用いている。
図6に示したB−B断面の室温(25℃)における上型31の外径d3を直径16mm、高膨張部材34の内径D3を直径16.01mm、高膨張部材34の外径d4を直径21.99mm、及び胴型部材33の内径D4を直径22mmに設定した。胴型部材33と上型31の間のスペースは片側3mm存在するのに対して、そのスペースに挿入される高膨張部材34の幅は2.99mmである。従って、上型31と高膨張部材34との間、及び、高膨張部材34と胴型部材33との間にそれぞれ片側0.005mmずつのクリアランスが存在し、容易にセッティングすることが可能である。
成形時の温度(650℃)における、図7に示したB’−B’断面での上型31の外径d3’は、直径16.05mm、胴型部材33の内径D4’は、直径22.07mmであり、胴型部材33と上型31の間のスペースは片側3.01mmとなる。このとき、高膨張部材34は幅3.02mmにまで膨張しようとするため、いわゆるしまり嵌めとなり、上型31と高膨張部材34、及び、高膨張部材34と胴型部材33とがそれぞれ密着状態となって固定される。
一方、下型32と胴型部材33との嵌合部の寸法は、下型32の外径が21.99mm、胴型部材33の内径が22mmに設定されている。従って、成形時の温度におけるクリアランス量は片側で0.005mmであり、良好に摺動可能であると同時に、上型11と胴型部材13の位置ずれを0.005mm以下に抑えることができる。
このように、成形時の温度に加熱されることによる上型31、高膨張部材34、及び胴型部材33の熱膨張によって、上型31と高膨張部材34、及び、高膨張部材34と胴型部材33とがそれぞれ密着状態となって位置決めされるため、上型31と下型32の位置ずれを最小限に抑えることができることから、光学素子35の二つの光学面の光軸ずれ量を低減することができる。
第1の実施形態である光学素子用成形金型の室温における状態を示す図 第1の実施形態である光学素子用成形金型の光学素子を加圧している状態を示す図 第2の実施形態である光学素子用成形金型の室温における状態を示す図 第2の実施形態である光学素子用成形金型の光学素子を加圧している状態を示す図 第2の実施形態において得られる光学素子の断面図 第3の実施形態である光学素子用成形金型の室温における状態を示す図 第3の実施形態である光学素子用成形金型の光学素子を加圧している状態を示す図 従来の光学素子用成形金型を示す図
符号の説明
10、20、30 光学素子用成形金型
11、21、31 上型
12、32 下型
13、33 胴型部材
14、34 高膨張部材
15、25、35 光学素子
16、26、37 第1転写面
17、36 第2転写面
18、28 側面部転写面
19、39 切り欠き部
23 側面部転写部材
51 第1の光学面
52 第2の光学面
53 外周側面部

Claims (6)

  1. 光学素子の第1の光学面を形成するための第1転写面を有する第1転写部材と、
    前記第1転写部材に対向して配置され、前記光学素子の第2の光学面を形成するための第2転写面を有する第2転写部材と、
    成形時に前記第1転写部材及び前記第2転写部材が挿入される胴型部材と、を備えた光学素子用成形金型において、
    前記第1転写部材は、成形時の温度において前記胴型部材内で摺動可能であり、
    リング状部材に径方向の切り欠き部を設けた部材であって、前記第2転写部材及び前記胴型部材のいずれよりも線膨張係数の高い材質からなる高膨張部材を前記第2転写部材と前記胴型部材との間に備え、
    成形時の温度に加熱されることによる前記第2転写部材、前記高膨張部材、及び前記胴型部材の熱膨張によって、前記第2転写部材と前記高膨張部材、及び、前記高膨張部材と前記胴型部材とがそれぞれ密着状態となるように前記第2転写部材、前記高膨張部材、及び前記胴型部材の寸法が設定されていることを特徴とする光学素子用成形金型。
  2. 前記胴型部材は、前記光学素子の外周側面部の少なくとも一部を形成するための側面部転写面を有することを特徴とする請求項1記載の光学素子用成形金型。
  3. 光学素子の第1の光学面を形成するための第1転写面を有する第1転写部材と、
    前記第1転写部材に対向して配置され、前記光学素子の第2の光学面を形成するための第2転写面を有する第2転写部材と、
    前記第2転写部材が挿入され、前記光学素子の外周側面部の少なくとも一部を形成するための側面部転写面を有する側面部転写部材と、を備えた光学素子用成形金型において、
    リング状部材に径方向の切り欠き部を設けた部材であって、前記第2転写部材及び前記側面部転写部材のいずれよりも線膨張係数の高い材質からなる高膨張部材を前記第2転写部材と前記側面部転写部材との間に備え、
    成形時の温度に加熱されることによる前記第2転写部材、前記高膨張部材、及び前記側面部転写部材の熱膨張によって、前記第2転写部材と前記高膨張部材、及び、前記高膨張部材と前記側面部転写部材とがそれぞれ密着状態となるように前記第2転写部材、前記高膨張部材、及び前記側面部転写部材の寸法が設定されていることを特徴とする光学素子用成形金型。
  4. 前記高膨張部材は、リング状部材に径方向の1つの切り欠き部を設けたC字形状の部材であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光学素子用成形金型。
  5. 前記高膨張部材は、リング状部材に径方向に複数の切り欠き部を設けて複数個に分割された部材であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光学素子用成形金型。
  6. 前記高膨張部材は、オーステナイト系ステンレス鋼からなることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の光学素子用成形金型。
JP2006164444A 2006-06-14 2006-06-14 光学素子用成形金型 Expired - Fee Related JP4857931B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006164444A JP4857931B2 (ja) 2006-06-14 2006-06-14 光学素子用成形金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006164444A JP4857931B2 (ja) 2006-06-14 2006-06-14 光学素子用成形金型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007331969A true JP2007331969A (ja) 2007-12-27
JP4857931B2 JP4857931B2 (ja) 2012-01-18

Family

ID=38931799

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006164444A Expired - Fee Related JP4857931B2 (ja) 2006-06-14 2006-06-14 光学素子用成形金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4857931B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6395130A (ja) * 1986-10-06 1988-04-26 Olympus Optical Co Ltd 金型保持装置
JPH07206457A (ja) * 1993-12-29 1995-08-08 Olympus Optical Co Ltd 成形型保持装置
JP2000095532A (ja) * 1998-09-24 2000-04-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd プレス成形光学素子とその製造方法と光学素子プレス成形用型および光学素子プレス成形装置
JP2005231933A (ja) * 2004-02-18 2005-09-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光学素子用成形金型および光学素子の成形方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6395130A (ja) * 1986-10-06 1988-04-26 Olympus Optical Co Ltd 金型保持装置
JPH07206457A (ja) * 1993-12-29 1995-08-08 Olympus Optical Co Ltd 成形型保持装置
JP2000095532A (ja) * 1998-09-24 2000-04-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd プレス成形光学素子とその製造方法と光学素子プレス成形用型および光学素子プレス成形装置
JP2005231933A (ja) * 2004-02-18 2005-09-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光学素子用成形金型および光学素子の成形方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4857931B2 (ja) 2012-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060073232A1 (en) Optical lens molding apparatus and precision molding apparatus
US20060112731A1 (en) Optical lens molding apparatus
JPWO2011077934A1 (ja) 成形金型及び成形金型の製造方法
JP4857931B2 (ja) 光学素子用成形金型
JP2008189517A (ja) レンズ成形用金型
JP4779836B2 (ja) 光学素子の製造方法
JP5233745B2 (ja) 素子成形用部材および素子の製造方法
JP5288923B2 (ja) 光学素子の成形方法及び成形装置
JP2007261898A (ja) 複合光学素子の製造方法及びその成形用金型
JPWO2009016992A1 (ja) 成形金型及び光学素子の製造方法
JP6089212B2 (ja) 鏡筒一体型レンズ
JP4132980B2 (ja) 光学素子成形用金型
JP2005343760A (ja) ガラスレンズプレス成型用金型およびそれを使用したガラスレンズ製造法
JP2020071361A (ja) 反射防止構造体付き光学素子、製造用金型、反射防止構造体付き光学素子の製造方法及び撮像装置
JP5059540B2 (ja) 光学素子の成形装置
JP4477518B2 (ja) 光学素子の製造方法及び装置
JP5112120B2 (ja) 光学素子の製造方法とその製造用金型組立体
JP2006176393A (ja) モールドプレス成形型及び光学素子の製造方法
JPH02111635A (ja) プレスレンズの成形金型およびその成形方法
JPH07206457A (ja) 成形型保持装置
JP4508501B2 (ja) 光学ガラス素子の成形型
JPS61183131A (ja) ガラスレンズの製造方法
JP2005272279A (ja) 光学素子成形装置及び光学素子成形方法
US8418516B2 (en) Manufacturing method for optical element
JPS61180201A (ja) ガラスレンズおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090319

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110118

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111004

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111017

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141111

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees