JP2007331559A - 車両およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータMG2に異常が生じたときでも、運転者の要求にできるだけ対処しながら走行する。
【解決手段】モータMG2に異常が生じているとき、走行に要求される要求トルクが動力分配統合機構30を介してエンジン22から前軸64に出力される直達トルクの上限近傍の所定トルク以下のときには直達トルクにより要求トルクが賄われるようエンジン22やモータMG1を制御し、要求トルクが所定トルクより大きいときには直達トルクとモータMG3から後軸69に出力されるトルクとにより要求トルクが賄われるようエンジン22やモータMG1,MG3を制御する。これにより、モータMG2に異常が生じたときでも運転者の要求にできるだけ対処しながら走行することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両およびその制御方法に関する。
従来、この種の車両としては、エンジンと、エンジンのクランクシャフトにキャリアが接続されると共に前輪にリングギヤが接続された遊星歯車機構と、遊星歯車機構のサンギヤに動力を入出力する発電機と、前輪側に動力を出力する第1モータと、後輪側に動力を入出力する第2モータと、駆動系全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニットと、前後輪に取り付けられた油圧ブレーキを制御すると共に車両発進時やスリップ発生時などに前輪側と後輪側とに出力するトルクの分配比を設定してハイブリッド用電子制御ユニットに送信するブレーキECUと、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、ブレーキECUに通信異常などの異常が生じたときには、ハイブリッド用電子制御ユニットにより分配比を設定すると共に前輪側と後輪側とにトルクを分配することにより、ブレーキECUに異常が生じたときでも4WDによる走行を可能としている。
特開2005−161961号公報
こうした車両では、発電機や第1モータに異常が生じたときでも、できるだけ走行できるようにすることが望まれている。しかも、こうしたときでも運転者の要求にできるだけ対処しながら走行することが望まれている。例えば、エンジンと発電機と第1モータとを制御して前輪側にトルクを出力して走行している最中に第1モータに異常が生じたときを考えると、第1モータから出力可能なトルクの分だけ前輪側に出力可能なトルクが小さくなるが、こうしたときでも運転者の要求にできるだけ対処して走行することが望まれている。
本発明の車両およびその制御方法は、第1車軸側に動力を入出力可能な第1電動機に異常が生じたときでも、できるだけ走行できるようにすることを目的の一つとする。また、本発明の車両およびその制御方法は、第1車軸側に動力を入出力可能な第1電動機に異常が生じたときでも運転者の要求にできるだけ対処しながら走行することを目的の一つとする。
本発明の車両およびその制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両は、
内燃機関と、
該内燃機関の出力軸と第1車軸側とに接続され、電力と動力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該第1車軸側に出力する電力動力入出力手段と、
前記第1車軸側に動力を入出力可能な第1電動機と、
前記第1車軸側または該第1車軸側とは異なる第2車軸側に動力を入出力可能な第2電動機と、
前記電力動力入出力手段および前記第1電動機および前記第2電動機と電力をやりとり可能な蓄電手段と、
走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記第1電動機から前記第1車軸側への駆動力の出力が不能となる所定の条件が成立しているとき、前記設定された要求駆動力が所定駆動力以下のときには前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から前記第1車軸側に出力される駆動力である直達駆動力により前記要求駆動力に基づく駆動力が車両に作用するよう該内燃機関と該電力動力入出力手段とを制御し、前記設定された要求駆動力が前記所定駆動力より大きいときには前記直達駆動力と前記第2電動機から前記第1車軸側または前記第2車軸側に出力される駆動力である第2電動機駆動力とにより前記要求駆動力に基づく駆動力が前記車両に作用するよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記第2電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の車両では、第1電動機から第1車軸側への駆動力の出力が不能となる所定の条件が成立しているときに、走行に要求される要求駆動力が所定駆動力以下のときには電力動力入出力手段を介して内燃機関から第1車軸側に出力される駆動力である直達駆動力により要求駆動力に基づく駆動力が車両に作用するよう内燃機関と電力動力入出力手段とを制御し、要求駆動力が所定駆動力より大きいときには直達駆動力と第2電動機から第1車軸側または第2車軸側に出力される駆動力である第2電動機駆動力とにより要求駆動力に基づく駆動力が車両に作用するよう内燃機関と前記電力動力入出力手段と第2電動機とを制御する。これにより、所定の条件が成立しているときでも走行することができる。しかも、所定の条件が成立しているときであって要求駆動力が所定駆動力より大きいときには、直達駆動力だけにより要求駆動力に基づく駆動力を車両に作用させるものに比して運転者の要求に対処しながら走行することができる。ここで、「駆動力」には、正の駆動力だけでなく、負の駆動力も含まれる。
こうした本発明の車両において、前記制御手段は、前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から前記第1車軸側に出力可能な最大駆動力以下の駆動力を前記所定駆動力として制御する手段であるものとすることもできる。この場合、前記制御手段は、前記所定の条件が成立しているときであって前記設定された要求駆動力が前記所定駆動力より大きいときには、前記所定駆動力が前記直達駆動力により前記車両に作用すると共に前記要求駆動力に対する前記直達駆動力の不足分の駆動力である不足駆動力が前記第2電動機駆動力により前記車両に作用するよう制御する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の車両において、スイッチング素子のスイッチングにより前記第2電動機を駆動する駆動回路を備え、前記制御手段は、前記所定の条件が成立しているときであって前記設定された要求駆動力が前記所定駆動力以下のときには、前記駆動回路のスイッチング素子がゲート遮断されるよう前記駆動回路を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、要求駆動力が所定駆動力以下のときに、第2電動機から駆動力が出力されるよう駆動回路を制御するものに比して制御をより簡易なものとすることができる。
さらに、本発明の車両において、前記制御手段は、前記所定の条件が成立しているときであって前記蓄電手段に入力可能な電力が制限されているときには、前記設定された要求駆動力に拘わらず、前記第2電動機駆動力だけにより前記要求駆動力に基づく駆動力が前記車両に作用するよう前記第2電動機を制御する手段であるものとすることもできる。この場合、前記制御手段は、前記所定の条件が成立しているとき、前記蓄電手段の入力制限が略値0のときを該蓄電手段に入力可能な電力が制限されているときとして制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、直達駆動力が電力動力入出力手段による電力の発電を伴って内燃機関から第1車軸側に出力される駆動力であるときに、所定の条件が成立していると共に蓄電手段の入力制限が略値0のときに第2電動機駆動力だけにより要求駆動力に基づく駆動力を車両に作用させることにより、電力動力入出力手段の発電電力が第2電動機の消費電力より大きくなることによる蓄電手段への電力の入力を回避することができ、蓄電手段をより確実に保護することができる。
本発明の車両において、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記第1車軸に連結された動力軸と第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段であるものとすることもできる。この場合、前記制御手段は、前記発電機から前記3軸式動力入出力手段への駆動力の出力が不能となる第2の所定の条件が成立しているときであって前記所定の条件が成立しているとき、前記第2電動機駆動力により前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記車両に作用するよう前記第2電動機を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、所定の条件と第2の所定の条件とが共に成立しているときでも走行することができる。また、前記制御手段は、前記発電機から前記3軸式動力入出力手段への駆動力の出力が不能となる第2の所定の条件が成立しているときであって前記所定の条件が成立していないとき、前記第1電動機から前記第1車軸側に出力される駆動力である第1電動機駆動力により前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記車両に作用するよう前記第1電動機および/または前記第2電動機を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、第2の所定の条件が成立しているときでも走行することができる。
本発明の車両の制御方法は、
内燃機関と、該内燃機関の出力軸と第1車軸側とに接続され電力と動力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該第1車軸側に出力する電力動力入出力手段と、前記第1車軸側に動力を入出力可能な第1電動機と、前記第1車軸側または該第1車軸側とは異なる第2車軸側に動力を入出力可能な第2電動機と、前記電力動力入出力手段および前記第1電動機および前記第2電動機と電力をやりとり可能な蓄電手段と、を備える車両の制御方法であって、
前記第1電動機から前記第1車軸側への駆動力の出力が不能となる所定の条件が成立しているとき、走行に要求される要求駆動力が所定駆動力以下のときには前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から前記第1車軸側に出力される駆動力である直達駆動力により前記要求駆動力に基づく駆動力が車両に作用するよう該内燃機関と該電力動力入出力手段とを制御し、走行に要求される要求駆動力が前記所定駆動力より大きいときには前記直達駆動力と前記第2電動機から前記第1車軸側または前記第2車軸側に出力される駆動力である第2電動機駆動力とにより前記要求駆動力に基づく駆動力が前記車両に作用するよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記第2電動機とを制御する、
ことを要旨とする。
この本発明の車両の制御方法では、第1電動機から第1車軸側への駆動力の出力が不能となる所定の条件が成立しているときに、走行に要求される要求駆動力が所定駆動力以下のときには電力動力入出力手段を介して内燃機関から第1車軸側に出力される駆動力である直達駆動力により要求駆動力に基づく駆動力が車両に作用するよう内燃機関と電力動力入出力手段とを制御し、要求駆動力が所定駆動力より大きいときには直達駆動力と第2電動機から第1車軸側または第2車軸側に出力される駆動力である第2電動機駆動力とにより要求駆動力に基づく駆動力が車両に作用するよう内燃機関と前記電力動力入出力手段と第2電動機とを制御する。これにより、所定の条件が成立しているときでも走行することができる。しかも、所定の条件が成立しているときであって要求駆動力が所定駆動力より大きいときには、直達駆動力だけにより要求駆動力に基づく駆動力を車両に作用させるものに比して運転者の要求に対処しながら走行することができる。ここで、「駆動力」には、正の駆動力だけでなく、負の駆動力も含まれる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能な発電機としてのモータMG1と、動力分配統合機構30に接続されると共に前輪63a,63bの前軸64にディファレンシャルギヤ62を介して接続された第1電動機としてのモータMG2と、後輪68a,68bの後軸69にディファレンシャルギヤ67を介して接続された第2電動機としてのモータMG3と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介してモータMG2がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60,デファレンシャルギヤ62を介して前軸64に出力される。
モータMG1,MG2,MG3は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42,43を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42,43とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42,43が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2,MG3のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2,MG3のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2,MG3により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2,MG3は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2,MG3を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2,MG3の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ44,45,46からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2,MG3に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42,43へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2,MG3を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2,MG3の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧Vb,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も計算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車両の前後方向の車速を検出可能な車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。なお、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力により走行するように、エンジン22とモータMG1,MG2,MG3とが運転制御される。エンジン22とモータMG1,MG2,MG3の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2およびモータMG3のいずれか又は両方とによってトルク変換されて出力されるようモータMG1とモータMG2とモータMG3とを駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2およびモータMG3のいずれか又は両方とによるトルク変換を伴って要求動力が出力されるようモータMG1とモータMG2とモータMG3とを駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2およびモータMG3のいずれか又は両方から要求動力に見合う動力がに出力されるよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成されたハイブリッド自動車20の動作、特にモータMG1,MG2のうちの少なくとも一方からトルクを出力することができなくなったときの動作について説明する。図2は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2,MG3の回転数Nm1,Nm2,Nm3,バッテリ50の入出力制限Win,Wout,モータ異常判定フラグF1,F2など制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。さらに、モータ異常判定フラグF1は、図示しない第1異常判定ルーチンにより、モータMG1からトルク(正のトルクおよび負のトルク)を出力できるときには値0が設定され、モータMG1やインバータ41などに異常が生じてモータMG1からトルクを出力できないときには値1が設定されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。ここで、モータMG1からトルクを出力できないときには、例えば、モータMG1やインバータ41の温度が予め設定された許容限界温度を超えたときや、回転位置検出センサ44からモータECU40への信号が所定時間に亘って途絶えたときなどがある。モータ異常判定フラグF2は、図示しない第2異常判定ルーチンにより、モータMG2からトルク(正のトルクおよび負のトルク)を出力できるときには値0が設定され、モータMG2やインバータ42などに異常が生じてモータMG2からトルクを出力できないときには値1が設定されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。ここで、モータMG2からトルクを出力できないときには、例えば、モータMG2やインバータ42の温度が予め設定された許容限界温度を超えたときや、回転位置検出センサ45からモータECU40への信号が所定時間に亘って途絶えたときなどがある。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとしての要求トルクT*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクT*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクT*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクT*を導出して設定するものとした。図3に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクT*に車速Vを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。
続いて、モータ異常判定フラグF1,F2の値を調べる(ステップS120)。モータ異常判定フラグF1,F2が共に値0であるとき、即ちモータMG1,MG2から共にトルクを出力できるときには、通常時制御を行なって(ステップS130)、駆動制御ルーチンを終了する。通常時制御として、実施例では、前述したトルク変換運転モードや充放電運転モード,モータ運転モードのうち最も効率よく運転できる運転モードを自動選択して走行するようエンジン22やモータMG1,MG2,MG3を制御するものとした。例えば、トルク変換運転モードや充放電運転モードを選択したときには、要求パワーPe*に応じたパワーがエンジン22から出力されるようエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定し、エンジン22が目標回転数Ne*で運転されると共に要求トルクT*に応じたトルクが車両に作用すると共にモータMG1,MG2,MG3の消費電力がバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内となるようモータMG1,MG2,MG3のトルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*を設定し、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2,MG3のトルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*についてはモータECU40にそれぞれ送信する。そして、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動され、トルク指令Tm3*でモータMG3が駆動されるようインバータ41,42,43のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
ステップS120でモータ異常判定フラグF1が値1でモータ異常判定フラグF2が値0のとき、即ちモータMG1からトルクを出力できないもののモータMG2からトルクを出力できるときには、モータMG1,MG3のインバータ41,43のゲート遮断指令をモータECU40に送信すると共に(ステップS140)、エンジン22が停止されるようエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*に共に値0を設定する(ステップS150)。ゲート遮断指令を受信したモータECU40は、モータMG1,MG3のインバータ41,43のスイッチング素子のゲート遮断を行なう。
続いて、要求トルクT*と換算係数Ga(リングギヤ軸32aの回転数Nr/前軸64の回転数)と減速ギヤ35の減速比Gr(モータMG2の回転数Nm2/リングギヤ軸32aの回転数Nr)とを用いてモータMG2から出力すべき仮モータトルクTm2tmpを次式(1)により計算し(ステップS160)、バッテリ50の入出力制限Win,WoutをモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを計算し(ステップS170)、計算したトルク制限Tm2min,Tm2maxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS180)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして要求トルクT*を設定することができる。
Tm2tmp=T*/(Ga・Gr) (1)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG2のトルク指令Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS190)、駆動制御ルーチンを終了する。この場合、モータMG1,MG3のインバータ41,43のスイッチング素子をゲート遮断した状態でモータMG2からのトルクを前軸64に出力して走行することになる。これにより、モータMG1からトルクを出力できないときでも走行することができる。しかも、この場合、モータMG3のインバータ43のスイッチング素子をゲート遮断することにより、モータMG2とモータMG3との両方からトルクが入出力されるようモータMG2とモータMG3とを制御するものに比して制御をより簡易なものとすることができる。
ステップS120でモータ異常判定フラグF1,F2が共に値1のとき、即ちモータMG1,MG2から共にトルクを出力できないときには、モータMG1,MG2のインバータ41,42のゲート遮断指令をモータECU40に送信すると共に(ステップS200)、エンジン22が停止されるようエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*に共に値0を設定し(ステップS210)、要求トルクT*と換算係数Gb(モータMG3の回転数Nm3/後軸69の回転数)とを用いてモータMG3から出力すべき仮モータトルクTm3tmpを次式(2)により計算し(ステップS220)、バッテリ50の入出力制限Win,WoutをモータMG3の回転数Nm3で割ることによりモータMG3から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm3min,Tm3maxを計算し(ステップS230)、計算したトルク制限Tm3min,Tm3maxで仮モータトルクTm3tmpを制限した値としてモータMG3のトルク指令Tm3*を設定し(ステップS240)、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG3のトルク指令Tm3*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS250)、駆動制御ルーチンを終了する。この場合、モータMG1,MG2のインバータ41,42のスイッチング素子をゲート遮断した状態でモータMG3からのトルクを後軸69に出力して走行することになる。これにより、モータMG1,MG2から共にトルクを出力できないときでも走行することができる。
Tm3tmp=T*/Gb (2)
ステップS120でモータ異常判定フラグF1が値0且つモータ異常判定フラグF2が値1のとき、即ちモータMG1からトルクを出力できるもののモータMG2からトルクを出力できないときには、バッテリ50の入力制限Winの値を調べると共に(ステップS260)、要求トルクT*を所定トルクT1と比較する(ステップS270)。ステップS260でバッテリ50の入力制限Winの値を調べるのは、バッテリ50への電力の入力を行なうことができるか否かを判定するものである。また、所定トルクT1は、エンジン22から動力分配統合機構30を介して前軸64に出力されるトルク(以下、このトルクをエンジン22からの直達トルクという)によって要求トルクT*を賄うことができるか否かを判定するために用いられるものであり、エンジン22の定格やモータMG1の定格を含むハイブリッド自動車20の仕様などにより定められ、例えば、エンジン22からの直達トルクの上限やそれよりも若干小さい値などに設定することができる。
ステップS260,S270でバッテリ50の入力制限Winが値0ではなくて要求トルクT*が所定トルクT1以下のときには、バッテリ50への電力の入力が可能であって要求トルクT*をエンジン22からの直達トルクによって賄うことができると判断し、モータMG2,MG3のインバータ42,43のゲート遮断指令をモータECU40に送信する(ステップS280)。
続いて、要求トルクT*と換算係数Gaと動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(3)によりエンジン22の目標トルクTe*を計算すると共に要求パワーPe*を目標トルクTe*で除して目標回転数Ne*を計算し(ステップS290)、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(=Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて式(4)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(5)によりモータMG1の仮モータトルクTm1tmpを計算し(ステップS300)、バッテリ50の入出力制限Win,WoutをモータMG1の回転数Nm1で割ることによりモータMG1から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm1min,Tm1maxを計算し(ステップS310)、計算したトルク制限Tm1min,Tm1maxで仮モータトルクTm1tmpを制限した値としてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定し(ステップS320)、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1のトルク指令Tm1*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS330)、駆動制御ルーチンを終了する。ここで、式(3)および式(4)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図4に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(3)および式(4)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクを示す。また、式(5)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(5)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。この場合、モータMG2,MG3のインバータ42,43のスイッチング素子をゲート遮断した状態でエンジン22からの直達トルクにより走行することになる。これにより、モータMG2からトルクを出力できないときでも走行することができる。しかも、要求トルクTr*が比較的小さいときに、モータMG3をゲート遮断することにより、モータMG3からもトルクが入出力されるよう制御するものに比して制御をより簡易なものとすることができる。
Te*=(1+ρ)・T*/Ga (3)
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) (4)
Tm1tmp=前回Tm1*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (5)
ステップS260,S270でバッテリ50の入力制限Winが値0ではなくて要求トルクT*が所定トルクT1より大きいときには、バッテリ50への電力の入力が可能であって要求トルクT*をエンジン22からの直達トルクによって賄うことができないと判断し、モータMG2のインバータ42のゲート遮断指令をモータECU40に送信し(ステップS340)、所定トルクT1と換算係数Gaと動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(6)によりエンジン22の目標トルクTe*を計算すると共に要求パワーPe*を目標トルクTe*で除して目標回転数Ne*を計算し(ステップS350)、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nrと動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて前述の式(4)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*を式(5)の「Tm1Tmp」を「Tm1*」に置き換えたものにより計算し(ステップS360)、要求トルクT*から所定トルクT1を減じたものを換算係数Gbで除することによりモータMG3の仮モータトルクTm3tmpを計算し(ステップS370)、バッテリ50の入出力制限Win,WoutとモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG3の回転数Nm3で割ることによりモータMG3のトルク制限Tm3min,Tm3maxを次式(7)および式(8)により計算し(ステップS380)、計算したトルク制限Tm3min,Tm3maxで仮モータトルクTm3tmpを制限した値としてモータMG3のトルク指令Tm3*を設定し(ステップS390)、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG3のトルク指令Tm1*,Tm3*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS400)、駆動制御ルーチンを終了する。式(6)は、前述した図4の共線図を用いて容易に導くことができる。この場合、モータMG2のインバータ42のスイッチング素子をゲート遮断した状態でエンジン22からの直達トルクを前軸64に出力すると共にモータMG3からのトルクを後軸69に出力して走行することになる。これにより、モータMG2からトルクを出力できないときでも走行することができる。しかも、要求トルクT*が比較的大きいときに、エンジン22からの直達トルクとモータMG3から後軸69に出力されるトルクとにより走行するから、エンジン22からの直達トルクだけにより走行するものに比して運転者の要求により対処しながら走行することができる。
Te*=(1+ρ)・T1/Ga (6)
Tm3min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm3 (7)
Tm3max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm3 (8)
ステップS260でバッテリ50の入力制限Winが値0であるときには、前述のステップS200〜S250の処理を実行して駆動制御ルーチンを終了する。この場合、モータMG1,MG2のインバータ41,42のスイッチング素子をゲート遮断した状態でモータMG3からのトルクを後軸69に出力して走行することになる。いま、モータMG2からトルクを出力できないときであってバッテリ50に電力を入力できないときを考えている。このときには、モータMG1による発電を伴うエンジン22からの直達トルクだけで走行しようとすることは難しいものの、動力分配統合機構30を介してエンジン22から前軸64にトルクを出力する際のモータMG1の発電電力とモータMG3の消費電力とが釣り合う制約と要求トルクT*に応じたトルクを車両に作用させる制約とに基づいてエンジン22やモータMG1,MG3を制御すれば、バッテリ50を保護しながら走行することは可能であると考えられる。しかしながら、この場合には、モータMG1による発電電力がモータMG3の消費電力より大きくなってしまうと、バッテリ50への電力の入力が行なわれてしまうおそれがある。一方、実施例のように、バッテリ50の入力制限Winが値0のときに、エンジン22を停止してモータMG3から後軸69に出力されるトルクだけにより走行すれば、バッテリ50への電力の入力が行なわれるのをより確実に抑制することができる。この結果、バッテリ50をより確実に保護することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG2からトルクを出力できないときに、要求トルクT*が所定トルクT1以下のときには要求トルクT*に応じたトルクを動力分配統合機構30を介してエンジン22から前軸64に出力して走行し、要求トルクT*が所定トルクT1より大きいときには所定トルクT1に応じたトルクを動力分配統合機構30を介してエンジン22から前軸64に出力すると共に要求トルクT*に対する所定トルクT1の不足分のトルクをモータMG3から後軸69に出力して走行するから、モータMG2からトルクを出力できないときでも走行することができる。しかも、モータMG2からトルクを出力できないときであって要求トルクT*が所定トルクT1より大きいときには、モータMG3のインバータ43をゲート遮断して動力分配統合機構30を介してエンジン22から前軸64に出力されるトルクだけで走行するものに比して運転者の要求により対処しながら走行することができる。さらに、モータMG2からトルクを出力できないときであって要求トルクT*が所定トルクT1以下のときには、モータMG3のインバータ43をゲート遮断するから、モータMG3からもトルクが出力されるよう制御するものに比して制御をより簡易なものとすることができる。
また、実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG2からトルクを出力できないときであってバッテリ50の入力制限Winが値0のときには、要求トルクT*に拘わらずモータMG3から後軸69に出力されるトルクだけにより走行するから、モータMG1の発電を伴ってエンジン22からのトルクを前軸64に出力するものに比してバッテリ50への電力の入力が行なわれるのをより抑制することができ、バッテリ50をより確実に保護することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1からトルクを出力できないもののモータMG2からトルクを出力できるときには、モータMG2から前軸64に出力されるトルクだけにより走行するものとしたが、これに代えて、モータMG3から後軸69に出力されるトルクだけにより走行するものとしてもよいし、モータMG2から前軸64に出力されるトルクとモータMG3から後軸69に出力されるトルクとにより走行するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1からトルクを出力できるもののモータMG2からトルクを出力できないときには、バッテリ50の入力制限Winの値を調べて入力制限Winが値0のときにモータMG3から後軸69に出力されるトルクだけにより走行するものとしたが、入力制限Winの絶対値が閾値Wref未満のときにモータMG3から後軸69に出力されるトルクだけにより走行するものとしてもよい。ここで、閾値Wrefは、バッテリ50への入力を抑制する必要があるか否かを判定するために用いられるものであり、バッテリ50の特性などにより定められる。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1からトルクを出力できるもののモータMG2からトルクを出力できないときにバッテリ50の入力制限Winが値0のときには、モータMG3から後軸69に出力されるトルクだけにより走行するものとしたが、動力分配統合機構30を介してエンジン22から前軸64に出力されるトルクとモータMG3から後軸69に出力されるトルクとの和が要求トルクT*に応じたトルクとなる制約と、モータMG1,MG3による消費電力の和が値0以上即ちバッテリ50から電力を出力する側となる制約と、を満たすようエンジン22やモータMG1,MG3を制御するものとしてもよい。なお、この場合でも、モータMG2については、実施例と同様に、インバータ42のゲート遮断が行なわれる。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1からトルクを出力できるもののモータMG2からトルクを出力できないときに要求トルクT*が所定トルクT1より大きいときには、所定トルクT1に応じたトルクを動力分配統合機構30を介してエンジン22から前軸64に出力すると共に要求トルクT*に対する所定トルクT1の不足分のトルクを後軸69に出力するものとしたが、前軸64に出力するトルクと後軸69に出力するトルクとの関係はこれに限られず、如何なるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG3からの動力を後輪68a,68bの後軸69に出力するものとしたが、前輪63a,63bの前軸64に出力するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力を動力分配統合機構30を介して前輪63a,63bの前軸64に接続されたリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図5の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ132と前輪63a,63bの前軸64に連結されたアウターロータ134とを有し、エンジン22の動力の一部を前軸64に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機130を備えるものとしてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b,39c,39d 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42,43 インバータ、44,45,46 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 前輪、64 前軸、67 デファレンシャルギヤ、68a,68b 後輪、69 後軸、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、130 対ロータ電動機、132 インナーロータ 134 アウターロータ、MG1,MG2,MG3 モータ。

Claims (10)

  1. 内燃機関と、
    該内燃機関の出力軸と第1車軸側とに接続され、電力と動力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該第1車軸側に出力する電力動力入出力手段と、
    前記第1車軸側に動力を入出力可能な第1電動機と、
    前記第1車軸側または該第1車軸側とは異なる第2車軸側に動力を入出力可能な第2電動機と、
    前記電力動力入出力手段および前記第1電動機および前記第2電動機と電力をやりとり可能な蓄電手段と、
    走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記第1電動機から前記第1車軸側への駆動力の出力が不能となる所定の条件が成立しているとき、前記設定された要求駆動力が所定駆動力以下のときには前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から前記第1車軸側に出力される駆動力である直達駆動力により前記要求駆動力に基づく駆動力が車両に作用するよう該内燃機関と該電力動力入出力手段とを制御し、前記設定された要求駆動力が前記所定駆動力より大きいときには前記直達駆動力と前記第2電動機から前記第1車軸側または前記第2車軸側に出力される駆動力である第2電動機駆動力とにより前記要求駆動力に基づく駆動力が前記車両に作用するよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記第2電動機とを制御する制御手段と、
    を備える車両。
  2. 前記制御手段は、前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から前記第1車軸側に出力可能な最大駆動力以下の駆動力を前記所定駆動力として制御する手段である請求項1記載の車両。
  3. 前記制御手段は、前記所定の条件が成立しているときであって前記設定された要求駆動力が前記所定駆動力より大きいときには、前記所定駆動力が前記直達駆動力により前記車両に作用すると共に前記要求駆動力に対する前記直達駆動力の不足分の駆動力である不足駆動力が前記第2電動機駆動力により前記車両に作用するよう制御する手段である請求項2記載の車両。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の車両であって、
    スイッチング素子のスイッチングにより前記第2電動機を駆動する駆動回路を備え、
    前記制御手段は、前記所定の条件が成立しているときであって前記設定された要求駆動力が前記所定駆動力以下のときには、前記駆動回路のスイッチング素子がゲート遮断されるよう前記駆動回路を制御する手段である
    車両。
  5. 前記制御手段は、前記所定の条件が成立しているときであって前記蓄電手段に入力可能な電力が制限されているときには、前記設定された要求駆動力に拘わらず、前記第2電動機駆動力だけにより前記要求駆動力に基づく駆動力が前記車両に作用するよう前記第2電動機を制御する手段である請求項1ないし4いずれか記載の車両。
  6. 前記制御手段は、前記所定の条件が成立しているとき、前記蓄電手段の入力制限が略値0のときを該蓄電手段に入力可能な電力が制限されているときとして制御する手段である請求項5記載の車両。
  7. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記第1車軸に連結された動力軸と第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段である請求項1ないし6いずれか記載の車両。
  8. 前記制御手段は、前記発電機から前記3軸式動力入出力手段への駆動力の出力が不能となる第2の所定の条件が成立しているときであって前記所定の条件が成立しているとき、前記第2電動機駆動力により前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記車両に作用するよう前記第2電動機を制御する手段である請求項7記載の車両。
  9. 前記制御手段は、前記発電機から前記3軸式動力入出力手段への駆動力の出力が不能となる第2の所定の条件が成立しているときであって前記所定の条件が成立していないとき、前記第1電動機から前記第1車軸側に出力される駆動力である第1電動機駆動力により前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記車両に作用するよう前記第1電動機を制御する手段である請求項7記載の車両。
  10. 内燃機関と、該内燃機関の出力軸と第1車軸側とに接続され電力と動力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該第1車軸側に出力する電力動力入出力手段と、前記第1車軸側に動力を入出力可能な第1電動機と、前記第1車軸側または該第1車軸側とは異なる第2車軸側に動力を入出力可能な第2電動機と、前記電力動力入出力手段および前記第1電動機および前記第2電動機と電力をやりとり可能な蓄電手段と、を備える車両の制御方法であって、
    前記第1電動機から前記第1車軸側への駆動力の出力が不能となる所定の条件が成立しているとき、走行に要求される要求駆動力が所定駆動力以下のときには前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から前記第1車軸側に出力される駆動力である直達駆動力により前記要求駆動力に基づく駆動力が車両に作用するよう該内燃機関と該電力動力入出力手段とを制御し、走行に要求される要求駆動力が前記所定駆動力より大きいときには前記直達駆動力と前記第2電動機から前記第1車軸側または前記第2車軸側に出力される駆動力である第2電動機駆動力とにより前記要求駆動力に基づく駆動力が前記車両に作用するよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記第2電動機とを制御する、
    車両の制御方法。



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