JP2007326521A - 車両の走行安全装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】物***置検知部21により検出された障害物と自車両との接触の可能性を判断する接触判定部25と、自車両と障害物との接触を回避するための自車両の目標横Gを設定する目標横G設定手段と、自車両と障害物との接触を回避するための自車両の目標舵角を設定する目標舵角設定手段と、接触の可能性があると判断された場合に接触を回避すべく車両の操舵を制御するEPSアクチュエータ17および走行制御部26と、走行制御部26による操舵制御に対する車両挙動の応答遅れを検出する挙動遅れ検出手段と、を備え、走行制御部26は、車両の実横Gが目標横Gに近付くように制御するとともに、挙動遅れ検出手段により車両挙動の応答遅れが検出された場合は、車両の実舵角が目標舵角に近付くように制御する。
【選択図】図1
Description
このステアリング制御には、障害物との接触を回避するために必要な車両の挙動(例えば横加速度)の目標値(目標挙動量)を設定し、この目標挙動量に実際の車両の挙動量(実挙動量)を近付けるようにステアリングを制御するものがある。
そこで、この発明は、低μ路においても車両の挙動を安定させながら接触回避支援を行うことができる車両の走行安全装置を提供するものである。
請求項1に係る発明は、車両周囲の障害物(例えば、後述する実施例における先行車両F)を検出する障害物検出手段(例えば、後述する実施例における物***置検知部21)と、前記障害物検出手段により検出された障害物と車両(例えば、後述する実施例における自車両P)との接触の可能性を判断する接触可能性判断手段(例えば、後述する実施例における接触判定部25)と、前記車両と前記障害物との接触を回避するための車両の目標挙動量(例えば、後述する実施例における目標横G)を設定する目標挙動量設定手段(例えば、後述する実施例におけるステップS109)と、前記車両と前記障害物との接触を回避するための車両の目標舵角を設定する目標舵角設定手段(例えば、後述する実施例におけるS110)と、前記接触可能性判断手段により接触の可能性があると判断された場合に接触を回避すべく車両の操舵を制御する操舵制御手段(例えば、後述する実施例におけるEPSアクチュエータ17、走行制御部26)と、前記操舵制御手段による操舵制御に対する車両挙動の応答遅れを検出する挙動遅れ検出手段(例えば、後述する実施例におけるステップS115)と、を備え、前記操舵制御手段は、車両の実挙動量が前記目標挙動量設定手段により設定された目標挙動量に近付くように制御するとともに、前記挙動遅れ検出手段により車両挙動の応答遅れが検出された場合は、車両の実舵角が前記目標舵角設定手段により設定された目標舵角に近付くように制御することを特徴とする車両の走行安全装置である。
このように構成することにより、接触回避支援制御を実行しているときに、舵角が過度に大きくなるのを防止することができるので、車両の挙動が必要以上に大きくなるのを防止することができる。
このように構成することにより、車両挙動の応答遅れの状態に応じて、より最適な制御が可能になる。
この実施例の運転支援装置10は、図1に示すように、内燃機関11の駆動力を、オートマチックトランスミッション(AT)あるいは無段自動変速機(CVT)等のトランスミッション(T/M)12を介して車両の駆動輪に伝達する車両に搭載され、処理装置13と、ブレーキアクチュエータ14と、外界センサ15と、車両状態センサ16と、電動パワーステアリング装置のアクチュエータ(以下、EPSアクチュエータと略す)17とを備えて構成されている。
さらに、処理装置13は、例えば物***置検知部(障害物検出手段)21と、物体速度検知部22と、物体進路推定部23と、自車両進路推定部24と、接触判定部(接触可能性判断手段)25と、走行制御部26とを備えて構成されている。
そして、画像処理部は、1対のカメラにより撮影して得た自車両の進行方向の外界の各画像に対して、例えばフィルタリングや二値化処理等の所定の画像処理を行い、二次元配列の画素からなる1対の画像データを生成して処理装置13へ出力する。
また、レーダ制御部は、例えば自車両の進行方向前方に設定された検出対象領域を角度方向に沿った複数の領域に分割し、各領域を走査するようにしてミリ波の発信信号を発信すると共に、各発信信号が自車両の外部の物体によって反射されることで生じた反射信号を受信し、反射信号と発信信号とを混合してビート信号を生成して処理装置13へ出力する。
物体進路推定部23は、例えば物***置検知部21により検知された物体の位置の変化および物体速度検知部22により検知された物体の速度に基づいて物体の進路(例えば、図2に示す先行車両Fの先行車両進路FR等)を推定する。
そして、接触判定部25は、この重なり量に基づき、例えば重なり量が0よりも大きい場合には、自車両と物体とが接触する可能性があると判定する。
まず、ステップS101において、外界センサ15の出力に基づき自車両周囲の物体(障害物)を検出し、この物体の相対位置および相対速度を検出すると共に、車両状態センサ16により検出された自車両の車速に基づき、前記物体の絶対的な移動速度(つまり、対地速度)を検出する。
このとき、例えば、自車両と同方向に向かい移動する他車両を先行車両とし、自車両と反対方向に向かい移動する他車両を対向車両とする。
次に、ステップS104に進み、マップ(図示略)を参照して重なり量に応じた接触回避所要時間を算出する。なお、接触回避所要時間は、緊急操舵回避(例えば、自車両の横Gに換算して0.5G等)で回避に必要な時間とし、重なり量がゼロから自車幅まで増大するにしたがって大きくなるように設定されている。
次に、ステップS106に進み、物体に対する自車両の相対距離が接触回避制御距離未満であるか否かを判定する。
ステップS106における判定結果が「YES」(相対速度<接触回避制御距離)である場合は、物体との接触の可能性があると判断して、ステップS107に進み、ステップS118までの一連の処理を実行することにより、運転者の操舵入力に対するステアリングのアシストトルクを通常よりも大きな値に設定して、EPSアクチュエータ17による接触回避処理を実行する。
次に、ステップS108に進み、現在の自車位置とステップS107で設定した目標位置を通る円弧を目標進路として設定する。
次に、ステップS109に進み、ステップS108で設定した目標進路の旋回半径と自車両の車速に基づいてこのときの車両挙動としての横Gを算出し、この横Gを目標横G(目標挙動量)に設定する。
次に、ステップS110に進み、ステップS109で設定した目標横Gに対応する舵角を算出し、この舵角を目標舵角に設定する。
次に、ステップS113に進み、ステップS110で設定した目標舵角と、舵角センサで検出された自車両の実舵角との偏差(舵角偏差)を算出し(舵角偏差=目標舵角−実舵角)、さらにステップS114に進み、算出された舵角偏差に基づいてEPSアクチュエータ17に対する例えばPID制御の制御量(以下、第2制御量という)を算出する。なお、EPSアクチュエータ17がモータで構成されている場合には、EPSアクチュエータ17の制御量は該モータに流すアシスト電流とすることができる。
制御開始後のEPSアクチュエータ17に対する制御量と自車両の実横Gの時間的変化が、例えば図4に示すように推移した場合に、制御量が所定値(例えば10アンペア)に達する時間t1と、実横Gが前記制御量によって決まる所定値(例えば0.1G)に達する時間t2とを比較し、t1とt2の時間差Δtが所定時間差(例えば0.5s)以上である場合は車両挙動の応答が遅いと判定し、前記所定時間差未満である場合は応答が遅くないと判定する。例えば、t1が0.5sで、t2が1sのときは時間差Δtが0.5sとなるので、車両挙動の応答が遅いと判定する。
一方、ステップS115における判定結果が「YES」(応答の遅延あり)である場合はステップS117に進み、第1制御量に対する重みW1をu3を設定し、第2制御量に対する重みW2をu4に設定する。
この場合には、車両挙動の応答が遅れるときに、EPSアクチュエータ17に対する制御を横Gに基づく制御から舵角に基づく制御に切り替えるので、舵角が過度に大きくなるのを防止することができ、車両の挙動が大きくなり過ぎるのを防止することができる。
この場合には、車両挙動の応答遅れがあるときに、EPSアクチュエータ17に対して横Gに基づく制御と舵角に基づく制御を両方行いながらも、舵角に基づく制御量の重みを大きくしているので、舵角が過度に大きくなるのを防止することができ、車両の挙動が大きくなり過ぎるのを防止することができる。
なお、この実施例においては、EPSアクチュエータ17と走行制御部26によって操舵制御手段が実現され、また、処理装置13がステップS109の処理を実行することにより目標挙動量設定手段が実現され、ステップS110の処理を実行することにより目標舵角設定手段が実現され、ステップS115の処理を実行することにより挙動遅れ検出手段が実現される。
第1制御量算出部31は例えばPID制御器などで構成され、目標横Gに実横Gを近付けるための制御量(前記第1制御量)を算出する。
目標舵角算出部32は、例えば横Gと舵角との関係を予め実験的に求めて作成したマップまたはテーブルに基づいて、目標横Gから目標舵角を算出する。
第2制御量算出部33は例えばPID制御器などで構成され、目標舵角に実舵角を近付けるための制御量(前記第2制御量)を算出する。
フィルタ34は、通常は入力値をそのまま出力するが、車両挙動の応答遅れの大きさが所定値を越える場合には出力値に上限値を設定する。この場合、出力値の上限値をゼロに設定し、EPSアクチュエータ17に対する制御を停止することも可能である。
そして、フィルタ34の出力値に基づいてEPSアクチュエータ17を制御し、実舵角および実横Gをフィードバックする。
これにより、例えば低μ路での走行など車両挙動の制御性が低下する状況下でも、車両の挙動を安定させて障害物に対する接触回避支援を行うことができる。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例では操舵機構として電動パワーステアリング装置を用いているが、ステア・バイ・ワイヤ式のステアリング装置を用いてもよい。
また、前述した実施例では車両挙動として横Gを採用したが、横Gの外にヨーレート(ヨー角速度)などを採用することも可能である。
P 自車両(車両)
17 EPSアクチュエータ(操舵制御手段)
21 物***置検知部(障害物検出手段)
25 接触判定部(接触可能性判断手段)
26 走行制御部(操舵制御手段)
S109 目標挙動量設定手段
S110 目標舵角設定手段
S115 挙動遅れ検出手段
Claims (2)
- 車両周囲の障害物を検出する障害物検出手段と、
前記障害物検出手段により検出された障害物と車両との接触の可能性を判断する接触可能性判断手段と、
前記車両と前記障害物との接触を回避するための車両の目標挙動量を設定する目標挙動量設定手段と、
前記車両と前記障害物との接触を回避するための車両の目標舵角を設定する目標舵角設定手段と、
前記接触可能性判断手段により接触の可能性があると判断された場合に接触を回避すべく車両の操舵を制御する操舵制御手段と、
前記操舵制御手段による操舵制御に対する車両挙動の応答遅れを検出する挙動遅れ検出手段と、
を備え、前記操舵制御手段は、車両の実挙動量が前記目標挙動量設定手段により設定された目標挙動量に近付くように制御するとともに、前記挙動遅れ検出手段により車両挙動の応答遅れが検出された場合は、車両の実舵角が前記目標舵角設定手段により設定された目標舵角に近付くように制御することを特徴とする車両の走行安全装置。 - 前記操舵制御手段は、前記挙動遅れ検出手段により検出された車両挙動の応答遅れの状態に応じて、目標挙動量による制御と目標舵角による制御の重み付けを変えることを特徴とする請求項1に記載の車両の走行安全装置。
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